【ミリマスSS】このみ「マリオカート?」P「SFC版です」 (41)

☆ライブシアター/休憩室

P「くっ……なかなかタイムが縮まらないな」

ガチャッ

このみ「はぁ……この年になるとダンスレッスンはしんどいわねえ……」

P「あっ、このみさん。お疲れさまです」

このみ「あら、プロデューサー。まだ残ってたの?」

P「ええ。見ての通り、仕事が終わったのでゲーム中です」

このみ「ああ……家から持ち込んだスーファミね」

P「このみさんもやりますか?」

このみ「ええと……マリオカート?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454672425

P「ええ、タイムアタックで練習してたんです」

このみ「へぇ、珍しいわね。ゲームに夢中になってるなんて」

P「この前、杏奈と対戦して全く歯が立たなかったのがくやしくて」

このみ「そんなことがあったのね」

P「このみさんはマリオカートやったことあります?」

このみ「そうね、大人だから運転は得意よ。車の免許も持ってるし」

P「それ、ゲームに関係ないと思いますけど……」

このみ「今のはただの冗談。そこそこ自信あるわよ」

P「世代的にはスーファミ版ですか?」

このみ「うーん、一番やりこんだのは64版かしら。スーファミのでも遊んだけどね」

P「じゃあちょっと対戦しましょうよ」

このみ「まあ、いいけど……今更こんな昔のゲームで?」

P「今でもやってみたら面白いもんですよ」

このみ「そこまで言うのならちょっとだけ……」

P「そうこなくちゃ! はい、これコントローラーです」

P「最初なんで50ccでいいですよね?」

このみ「任せるわ。えーと、まずはキャラクターを選ぶのね」

P「俺はスタンダードにマリオでいきます」

このみ「じゃあ私はピーチで」

P「コースはどれにしますか?」

このみ「ブランクがあるから、簡単なのでお願い」

P「じゃあキノコカップで……っと。始まりますよー」

このみ「えーと、Bボタンがアクセルね……」

このみ「位置について……レディー、ゴー!」

P「ひゃっほー!」

このみ「ちょっ、何それ? ロケットスタート!?」

P「最初のランプが点灯した後にBボタンですよ」

このみ「そう言えばそうだったかしら」

P「俺の独走ですねー」

このみ「すぐに追いつくんだからっ!」

このみ「よしっ、スター引いたわ!」

P「うわっ、運がいいですね」

このみ「わっほーい!! なんてね~」

P「うわあ、わざと他のカートにぶつかりながら追いかけてきてる……」

このみ「一気に一位に躍り出る馬場このみ選手っ! 一気通貫よ~」

P「それは麻雀ですから! と言うか、このみさんも普通にうまいんですね」

このみ「そう言ったでしょ? このまま一位をキープ……」

P「そうはさせませんよ!」

このみ「ああっ! コーナーで内側から抜かれた!?」

P「やり込めばこのくらい余裕ですよ」

このみ「もーっ! あと少しで勝てたのにーっ!」

P「やったー、まずは俺の一勝ですね!」

このみ「くっ……プロデューサーに負けるなんて……」

P「でも最後はギリギリでしたよ」

このみ「私は久しぶりだったからハンデがあったのよ! さあ、次のコースよ!」

P「いいですよ。受けて立ちます」

このみ「5コースの総合成績で勝負ね!」

このみ「うー……結局は僅差で二位だったわ……」

P「ブランクがあってこれなら十分すごいですよ」

このみ「そうかしら? ……それにしても、今やっても面白いものね」

P「でしょ?」

このみ「何時間でもやっていられそう」

P「時間泥棒ですね」

このみ「子どもの頃、あっという間に時間が過ぎたのを思い出すわー」

P「そうそう。みんなで集まってゲームしてるとすぐ夕方になっちゃって」

このみ「懐かしいなあ」

このみ「さあ、他のコースでも対戦するわよ」

P「ノリノリですね」

このみ「まだ夜は長いんだから。今日は思いっきり遊ぶわよ~!」

P(あっ……これ長くなるパターンだ……)

このみ「どうしてそこで不安そうな顔になるのよ!」

P「いえ、何でもないです……」

このみ「そうだ! お酒とおつまみでも用意するわね」

P「ははは……」

このみ「私は日本酒だけど、プロデューサーは?」

P「あ、じゃあ同じものを」

このみ「ではでは……かんぱーい!」

P「お疲れさまです、かんぱーい!」

このみ「……あー、生き返るわ~」

P「仕事のあとの一杯は最高ですねえ」

このみ「ホントにね。はい、味ごのみ開けるから自由に取ってね」

P「あっ、どうも。……なんだか二人っきりで飲むのって久しぶりですね」

このみ「ふふっ、莉緒ちゃんが知ったら拗ねちゃうかもね」

P「確かに。仲間外れにされた~、って言いそうですよ」

このみ「ゲームの方も再開するわね。飲みながらでいいでしょ?」

P「構いませんけど……飲酒しながらレースて……」

このみ「いいじゃない、ゲームの中の話なんだから」

P「はいはい。お酒のおかわり注ぎますね」

このみ「ありがとう。順番にフラワーカップでいいのよね?」

P「オッケーです」

このみ「負けないわよー♪」

このみ「あー、美味しいわー……」

P「この日本酒、けっこうキツいですね」

このみ「そうねー。何だか気持ちがフワフワしてきたかも」

P「おっと、ミスった……。やっぱりお酒が入ると集中力落ちるなあ……」

このみ「あーっ! キノコを踏んだせいで身体が小さくなったわ!」

P「このみさんがさらに小さく……」

このみ「私自身が小さくなったわけじゃないからっ!」

P「わかってますよ」

十分後

このみ「やったー! フラワーカップは私の優勝ね」

P「うわー、負けた。これで一勝一敗かー」

このみ「プロデューサー、さっきよりも運転が荒くなってたわよ。お酒が足りないんじゃない?」

P「いや、その理屈はおかしいです」

このみ「いいじゃない、私も飲むからっ」

P「しょうがないですね……いただきます」

このみ「まだまだ飲むわよ~」

P「長引くのはいいんですけど、もうちょっとまったり遊びません? 真剣勝負は疲れましたよ」

このみ「そうね、それがいいわ。私も一回勝ったら気が済んだし」

P「じゃ、適当にコース選びますね」

このみ「スターカップかー。ノコノコビーチが好きでよくやってたなあ」

P「俺は次のチョコレー島が苦手でした」

このみ「あー、たしかに難しかった記憶があるわね」

P「コースアウトした時のタイムロスが大きいんですよ」

このみ「そうそう」

P「ところで、このみさんも子どもの頃はゲームしてたんですね」

このみ「そうねー。意外だった?」

P「ええ。スマホで麻雀ゲームやってるイメージしかなかったんで」

このみ「当時の有名なゲームなら大体わかるわよ」

P「へぇー、小学生の頃から麻雀打ってたわけじゃないんですね」

このみ「当たり前でしょ!」

P「冗談ですって」

P「ちなみにどんなゲームが流行ってました?」

このみ「うーん、ポケモンとかかしら」

P「あー、みんなやってましたよね。このみさんの年齢だと金銀世代ですか?」

このみ「小学生の頃だとそうね。赤緑からやってるって子も周りにはいたけど」

P「ポケモンもすっかり歴史の長いゲームだもんなあ」

このみ「きっと知らないモンスターも増えてるのよね」

P「今のポケモンはメガシンカしたガルーラがやたら強いらしいですよ」

このみ「メガシンカ……?」

P「いや、杏奈に聞いた話なんでそこまで詳しくないですけどね」

このみ「むぅー、いつも杏奈ちゃんの話ばっかりして……」

P「どうかしましたか?」

このみ「なんでもないわ……。マリオカートも杏奈ちゃんと対戦するために練習してるのよね?」

P「まあ、そうですね」

このみ「…………」

P「……なんか、むすっとしてません?」

このみ「……別に?」

P(何か怒らせるようなこと言っちゃったかな……?)

このみ「……えいっ!」

P「ああっ! 赤こうら当てないでくださいよ!」

このみ「つーん」

P「拗ねてますよね?」

このみ「別に拗ねてなんかないもーん」

P「ほら、冷凍のタコ焼きが温まりましたよ」

このみ「……ちょうだい。あと、お酒ももう一杯ね」

P「どうぞ。俺はビールもらいますね」

このみ「あつっ……はふはふ……」

P「火傷しないように気をつけてくださいよ」

このみ「うん、このタコ焼きすっごく美味しい!」

P「最近のコンビニ食品ってすごいですよね」

このみ「ポテトフライも温めてこよーっと」

数十分後

P「くっ、またコンピューターに負けそうだ……」

このみ「コースが歪んで見えるわ……」

P「酔った状態でレインボーロードはきついですねえ」

このみ「そもそも壁がないってどういうことなの!? このコース、シビア過ぎない?」

P「最後のコースですから」

このみ「うーん……64のマリオカートでもここまで難しくなかったと思うけどなあ……」

P「そうですね、慎重にプレイしないと」

このみ「あーっ! バナナ踏んだせいで最下位になっちゃったじゃない!」

P「それ、俺がさっき置いたやつです」

このみ「コインの中に紛れさせるなんて卑怯よー!」

P「そんなに怒らないでくださいって」

P「やっぱりレインボーカップは全体的に難しいなあ」

このみ「ええ、コンピューターも100cc以上だとなかなか手強いものね」

P「ちょっと休憩しましょうか?」

このみ「ん、そうするー……。よいしょ……っと」

P「って、横になるんですか? こんな場所で眠らないでくださいね」

このみ「すぐ起きるから平気よ~」

P「もう遅い時間になりましたし、そろそろお開きにします?」

このみ「えー、でもまだ何か遊び足りないような……」

P「そうは言っても、一通りのコースは走りましたよ」

このみ「……そうだ、バトルゲーム! バトルゲームをやってなかったわ!」

P「あー、確かにやってませんでしたね」

このみ「最後に本気で対戦してみない?」

P「いいですよ。俺もそこそこ自信あるんで」

このみ「64とほぼ同じルールだったわよね?」

P「ええ。先に相手の風船を三つ割ったほうの勝ちです」

このみ「じゃ、この一番広いコースで対戦しましょ」

P「わかりました。ちなみにコンピューターがいないんで一対一です」

このみ「いいわねえ、燃えるわー!」

P「じゃあゲーム開始しますね」

このみ「ちょっと待って! せっかくの勝負なんだし、何か賭けない?」

P「……賭博はどの業界でも大問題ですよ?」

このみ「そんな重い話じゃないから! 軽い罰ゲームみたいなものよ」

P「あー、それくらいならいいですけど」

このみ「じゃあ、敗者は勝者の言うことを何でもひとつ聞くっていうのはどう?」

P「……へっ?」

このみ「……ん? なんでそんなに顔を赤くしてるの?」

P「し、してませんよ!」

P(何でも言うことを聞く……だと……?)

このみ「どうかしら? 恨みっこなしの一発勝負」

P「でも、俺が勝ったら逆に命令されるんですよ?」

このみ「わかってるわよ~」

P「なんだか余裕そうですね」

このみ「勝てばいいんだもの」

P「そこまで言われると負けたくないですね」

このみ「じゃあ、勝負に乗るってことでいいわね?」

P「望むところです」

このみ「決まりね。じゃ、ゲームスタートするわよ。レディー……」

P、このみ「ゴー!!」

P「まずアイテムを取って……。緑こうらか」

P(これは適当に投げて次のアイテムを探した方がいいな)

このみ「遅いわよっ!」

P「うわっ、いきなり赤こうらにやられた!?」

このみ「まずは私の先制ね、ふふん」

P「最初から強力なアイテムを引くなんて、運がいいですね」

このみ「当然よ、麻雀やってるもの」

P「なるほど、別のゲームでもツモ運が良くなる……って、そんなわけないでしょ!」

このみ「プロデューサーに勝ったら何をお願いしようかな~」

P「はぁ……実現可能なものでお願いしますね」

このみ「居酒屋に付き合って、とか?」

P「それは俺たちの日常じゃないですか。まぁ、莉緒も一緒だったりしますけど」

このみ「それもそうねえ。うーん、他には……」

P「ところでこのみさん、油断は禁物ですよっ!」

このみ「きゃっ!? 死角から緑こうらに当たっちゃったわ」

P「さっき俺が投げたやつですね」

このみ「ううっ、残りの風船は二つか……」

このみ「バナナの皮や緑こうらが散乱してるわね、気をつけなくちゃ……」

P「あっけない終わり方は嫌ですからね。おっ、スターが出た!」

このみ「ちょっ、ずるいわよプロデューサーだけ!」

P「よーし、このみさんのキャラの後ろについて」

このみ「ちょっ、追いかけてこないでよ!」

P「スターの効果が切れる前に体当たりすれば……!」

このみ「ていっ」

――ドンッ

P「って、リアルで体当たりしてくるのはズルいでしょ! あー、せっかくのスターが……」

このみ「偶然肩がぶつかっただけだもーん」

P「せめてゲームの中で戦ってくださいよ!」

このみ「あっ、今度は私に赤こうらが来たわ」

P「まずいっ、ここは逃げながら体勢を整えないと……」

このみ「逃がさないわよー! プロデューサー、覚悟っ!」

P「とうっ」

ドンッ

このみ「きゃっ! もうっ、手元が狂ったじゃない!」

P「さっきのお返しですよ~」

P(とは言え、体格差があるので軽くぶつかっただけだけどな……)

このみ「ならこっちも容赦しないわよー。えいっ、えいっ!」

P「いやいや、今はアイテム持ってませんから! 体当たりしてこないでくださいよっ」

このみ「あははっ、たのし~」

P(随分酔ってるなあ……)

このみ「はい、ど~んっ」

P「あのー……そろそろ無意味に俺にぶつかるのやめてくれませんか……?」

このみ「別にいいじゃない、いえ~いっ」

P「うわっ、このみさんっ! 強くぶつかりすぎ……」

P(まずい、倒れるっ)


ドターンッ!!


このみ「いてて……やりすぎちゃったわ……」

P「大丈夫ですか?」

このみ「…………きゃっ」

P「…………あっ」

P(怪我をさせちゃいけないと思って、咄嗟にこのみさんを抱きしめてしまっていた……)

このみ「あ、あわわわわ……。ぷ、プロデューサー……?」

P「す、すいませんっ! 決してわざとでは……!!」

このみ「ひゃ、ひゃいっ……。えっと、イヤではないんだけど……」

P「すぐに離れますんでっ」

このみ「う、うん……」

P(このみさんの身体の感触、柔らかかった……)

このみ(事故とは言え、プロデューサーに抱きしめられるなんて……)

P「ほ、ほら! ゲーム再開しましょう」

このみ「そ、そうねっ!」

P「…………って、あれ? 画面が真っ暗になってる」

このみ「ええっ、どうして!?」

P「俺たちが倒れた衝撃のせいみたいですね」

このみ「うっ……ゴメンね? せっかくいいところだったのに」

P「いえいえ、気にしないでください」

P(むしろちょっとラッキーな体験しちゃったし……)

このみ「勝負がうやむやになっちゃったわ」

P「今日はここまでにしましょう。ゲームはいつでもできますから」

このみ「あーあ、プロデューサーに勝ってお願いしたかったんだけどなあ……」

P「居酒屋に付き合う、でしたっけ?」

このみ「居酒屋じゃなくてもいいんだけどね。二人でどこかに行きたいなー、と思って」

P「二人で、ですか」

このみ「ほら、最近は一緒にいられる時間も減ってきたじゃない」

P「このみさんも人気が出てきましたからね」

このみ「嬉しいことだけどね。ただ、たまには息抜きもしたいし……」

P「息抜きか……あっ、そうだ!」

このみ「どうかしたの?」

P「今度、地方ロケの仕事が決まりそうなんです。その近場に有名な温泉地があるんですけど……」

このみ「温泉っ? 行きたい行きたいっ!」

P「観光する時間が取れたら足を伸ばしましょうか」

このみ「もちろんよっ! 今から楽しみだなあ」

P「言っておきますけど、時間があったらですからね? スケジュールの都合もありますし」

このみ「分かってるわよっ。わーいっ、プロデューサー大好き~」

P「ど、どうも……」

P(酔ってるからとはいえ、これほどストレートに言われると照れるな……)

このみ「そうと決まれば温泉旅行の計画を立てておかないとねっ!」

P「あのー、旅行じゃなくて仕事ですからね? 温泉はおまけですよ?」

このみ「分かってるわよ~」

P「じゃあ、もうスーファミは片付けちゃいましょうか」

このみ「ええ、ゲームでもまた遊びましょうね」

P「はいはい、何か面白いカセットを探しておきますよ」

このみ「あ~、何だか今日はとっても楽しかったなあ」

P「俺もです。こういう時間もいいもんですね」

このみ「うふふ、また二人で美味しいお酒を飲みましょうね、プロデューサー♪」

おわり

以上で完結です、ありがとうございました。

☆過去作

【ミリマスSS】百合子「耳をすませば」
【ミリマスSS】百合子「耳をすませば」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446205360/)

【ミリマスSS】P「星のカービィSDXです」このみ「懐かしいわね」
【ミリマスSS】P「星のカービィSDXです」このみ「懐かしいわね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447411397/)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom