二宮飛鳥「幸子とボクの眠れない夜」 (10)
飛鳥「今宵はボクがこの世に生まれ落ちた日…ボクはその時の事を覚えていないけどそれが真実ならそれに従い、ボクは今日を感謝する」
飛鳥「誕生日なんかに興味は無かったけど…今は別だ」
飛鳥「この世界に生まれ、かけがえのない友人と出会えたことを心から感謝しよう」
幸子「………あー、はい、おめでとうございます」
飛鳥「なんだいなんだい?その不本意そうな顔は」
幸子「いや…お誕生日はおめでたいですし心から祝いますよ…でも」
幸子「さすがに深夜に部屋に駆け込んでくるのはやめてくださいよ……」
飛鳥「気持ちが抑えきれなかった」
幸子「子供ですか貴方は…お誕生日会は明日14歳組でやりますから待っててください」
飛鳥「ふーむ、断る」
幸子(もうめんどくさいこの人)
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幸子「だいたい誕生日が嬉しいのはわかりますけどせめて当日の夜くらいまでは我慢しましょうよ」
飛鳥「おや?なにか齟齬があるようだから言っておくけど別にボクは自分の誕生日が嬉しくてここに来たわけじゃないんだよ」
幸子「と、言いますと?」
飛鳥「簡単なことさ、単純に幸子からのおめでとうを聞きたかったんだ」
幸子「…真顔で恥ずかしいこと言いますね///」
幸子「いいですよ、では……お誕生日おめでとうございます飛鳥さん、これからもずっと仲良くしてくださいね」
飛鳥「勿論さ、ありがとう幸子」
飛鳥「さっき蘭子から日付変わった瞬間に電話でおめでとうを言ってもらえたから幸子で二人目だね」
幸子「いやそれ言わなくていいですから」
飛鳥「しかし今まで経験したことないほどのおめでとうメールが来ていてね、返信は大変だけど嬉しい悲鳴さ」
幸子「まぁこんな仕事してるとそうなりますよね」
飛鳥「…学校のクラスメイトとかからは一通も来ないのはなんでだろうね」
幸子「やめましょうよ……お誕生日くらい楽しい気分でいましょうよ……」
幸子「さて、気はすみましたか?明日もまた改めてお祝いしますから今日はそろそろ寝ましょうよ」
飛鳥「そうだね、そうしよう」
飛鳥「おやすみ幸子」モゾモゾ
幸子「おやすみなさい…」
幸子「っていやなにナチュラルにボクの部屋で寝ようとしてるんですか!!?ボクのベッドですよそれ!!?」
飛鳥「なにか問題でも?ボク達は小柄だし充分二人でも寝れるだろう?」
幸子「そういう問題じゃないですよ!?自分の部屋に戻りましょうよ!」
飛鳥「残念ながらその提案は受けられないね、なぜなら今外は星のあるべき冬の風を吹かし続けボク達人間を拒んでるからさ、この風はまさしくナチュラルな星の風…ボクはそれに従う事を良しとはしない…つまり」
幸子「簡潔に話してください」
飛鳥「外寒いから出たくない、薄着だし」
幸子「パジャマで外に出るからですよ……ほんとに今日だけですからね?」
飛鳥「ボクは毎日でも構わないよ、幸子がそれを望むならね」
幸子「一切望んでません」
飛鳥「それは残念だ…」
ーベッドの中ー
幸子「…あの、狭いんですけど」
飛鳥「だね、しかも近い」
幸子「飛鳥さんの息が頬にかかるんですが…」
飛鳥「近いからね、幸子の息もボクにかかってるよ」
幸子「ですね…やっぱりボクは布団出して寝ますよ」
飛鳥「はやまっちゃいけないよ幸子、今ベッドからでたら凍えて存在が消える…それに二人でくっついて寝ると暖かいし」
幸子「確かに暖かいですけど…寝れますかこれ?」
飛鳥「どうとでもなるさ」
飛鳥「ねぇ幸子」
幸子「はい?」
飛鳥「好きな男子の話でもしようか」
幸子「修学旅行じゃないんですよ」
飛鳥「ちなみにボクには好きな男子はいないね」
幸子「まぁなんとなくそうだと思ってましたよ」
飛鳥「あ、じゃあ寝れるまで怖い話でもしようか?」
幸子「しませんよ…ただの嫌がらせじゃないですか」
飛鳥「……」
飛鳥「地球の成り立ちとか…」
幸子「しませんてば!!さては貴方寝かせる気ないでしょう!?」
飛鳥「フフッ、なんといっても誕生日だからね、楽しくて仕方がない」
幸子「誕生日なんかに興味は無いとかなんとか言ってた人とは思えませんねほんとに…」
幸子「いいですか飛鳥さん、確かに誕生日はおめでたいですがボク達はアイドルです、明日も朝からお互い仕事があります」
幸子「なのではやめに寝るべきだとボクは思うんですが」
飛鳥「あ、この前の歌番組録画してあるんだね」カチカチ
幸子「話を聞きましょうか!?」
飛鳥「わかってるさ、明日の仕事は万全にこなしてみせるよ」
飛鳥「しかしそれと今寝るということには何の因果関係もないとボクは考えるよ、そうだろう?」
幸子「関係ありまくりですよ!!!眠たい目を擦りながら仕事する気ですか!?」
飛鳥「まったく幸子は真面目だね…いつかパンクしてもしらないよ?」ガサガサ
幸子「もしそうなったら8割は飛鳥さんのせいですよ…あと、枕の下漁らないでください」
飛鳥「…枕の下か、それは他人が触れぬことのない自分だけの絶対的領域の支配、故に枕の下とは自分の世界ともいえるが誰にも目視することができないということは世界の裏側でもある、そんな世界にキミはなにを隠しているんだい?」
幸子「簡潔にどうぞ」
飛鳥「エッチな本とか隠してない?」
幸子「マジで追い出しますよ!!!?」
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