結城晴「そーそーこれこれっ♪」南条光「このお洋服か……!?」 (20)


パシャパシャパシャパシャパシャパシャ!

キューケーハイリマーッス

イショーオナーシャー  ウィーッッス

晴「━━━そーそーこれこれ! こういうのがいいんだ!」キャッキャッ

光「似合う似合う! かーっこいー♪」

晴「だろだろ? で光は」

光「……諦めるなと叫ばなきゃいけないアタシが、堕落を喜ぶ悪魔になんか……!」

晴「ごしゅーしょーさん。似合ってるのに嫌なのか?」

光「……曽我●子さんみたいだって気分出てるアタシとっ! 子供達の見本じゃなきゃいけないアタシがっ! せめぎあってるんだ……!」ギリリリリリリ

晴「オタめんどっ。肩冷えたら言えよ。上着貸すから」

光「んー、乾布摩擦するから大丈夫!」

晴「ローテクだな」

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光「晴ちゃんこそ冷えないのか?」

晴「見栄え重視で微妙に薄いし……ま、この程度なら大丈夫?」

光「なのに金属パーツが多いのは、重くてキツそうだ」

晴「それなりな。けど、それなりって所詮それなりだし。露出ないぶん、そっちよかマシだぜ」

光「アタシ寒くないよ?」

晴「マジで?」

光「体温高めだもん、はっはっは!」

晴「なんだそりゃ」


光「じゃあまぁついでに、ポーズも取っておこうか。えいっ」

晴「この姿勢キツくね?」キリッ

光「支えるから、寄っ掛かって欲しいなぁ」

晴「そこまでじゃねーから大丈夫。ほら、こっちに寄った寄った」

光「ぬくい?」」ぎゅっ

晴「ぬくい」きゅっ


光「今日の晴ちゃんは積極的だなぁ」

晴「外、雪だろ? 冷えるんだっての」

晴(……何で積極的かって、その意味ぐらいわかれよ……)

光「ん? ぜんぜん冷えてないじゃないか」

晴「そうか? オレ、ちょっと肌寒いくらいなんだけど」

光「触れてるとこ、あったかいよ?」

晴「……そうかよ」


光「それよりだな、王子様がその触り方をするのは品が無いんじゃないか?」

晴「うん?」

光「いつまで人の尻に触ってるつもりだ、と言ってるんだ」

晴「あ、悪ぃ。腰のつもりだった」パッ

光「撮影中にもこのポーズするんだよなぁ。……王子様らしさは感じないな」

晴「そう?」

光「ヤンチャっぽさの方が先に立つ、かな?」


晴「む。……そこまで言うんだったら、本気だしてやる」

光「おお、見せて見せて!」

晴「まぁまずだな、壁際に立て」

光「スタンバイOK!」

晴「で、――ていっ」ドンッ

壁「きゃあ////」

光「髪が巻き込まれると、なかなか痛いな」

晴「驚けよそこは!!」


光「すまない。アタシ、脅されたいとか、そういう悪趣味は持ち合わせてないんだ」

光(……心臓にも良くないしね)ドキドキ

晴「すげーコイツ女性誌の読者に一気に喧嘩売りやがった」

光「そ、そんな! ……っというかだな、今のって王子様というより、学生っぽくないか?」

晴「言われてみれば……だよなぁ。じゃあもっとこう、ふんぞりかえって『膝まずけー』みてーなカンジ?」

光「そうそう! で、アタシが後ろから刺す!」

晴「オレ殺されんの!?」

光「歴史的に、魔王って呼ばれた人の最後ってそんな感じじゃないか?」


晴「縁起悪っ。……ただ、魔王ってのはいいヒントになったぜ」

光「その心は?」

晴「こういうこと、だな」グイッ

光「わぁっ!?」ドサッ



光「……急だぞ」

晴「驚きがなきゃ意味ねーし?」

光「屁理屈を……」

晴「……よく似合ってるぜ? オレに合わせたドレスだろ」

光「そういう仕様だし」

晴「しゃべるな」

光「む……」


光(入り込んでる、……ってことかぁ)

晴「オレの隣に立つに相応しい恰好だ。……綺麗だよ、光」スッ

光「……せ、背中に触らないで欲しいな」ビクッ

晴「オレの物に、好きに触って何が悪いんだ?」

光「……そう、か……」

晴(……こんな感じ、か?)

光「じゃあ、次はアタシの番な」

晴「え?」

光「隙まみれなんだよ、ただひたすらな」

晴「お、おい、何の話だ?  ――わぁっ!」ドサッ


光「これで逆転、だな?」

晴「……ひ、光? 何がしたいんだ?」

光「……アタシが君の物なら、可愛がって貰うのが筋だろ」ズッ

晴「そりゃそうだろうけどよ……」

光「……口だけだなんて、思ってないから」ボソッ

晴「っ! 光ッ。子どものお手本はどうした!?」


光「晴ちゃんは、子供に見せられないことをしたいって……思ったのか?」

晴「ンなの、言葉の綾だ!」

光「ふぅん……?」ギュッ

グイッ

ぎゅ

晴「な、……なん、っ……だよ」カァッ

光「言葉で勘違いを起こすなら、……使わないで、やってみる。伝わるか?」トクンッ……トクンッ……

晴「お、押しつけてくる奴がいるかよ……!」

光「……君がとってもカッコよかったから、ほら、どくんどくん、どくんどくんっ……ってさ」

晴「ざっ、……けん、な……」

光「マジだぞ。もっと、……させてくれるん、だよね……?」

晴「猫なで声、やめろ……」ゾクゾクッ


光「嫌なら、本気で暴れてみればいいじゃないか」

晴「……怪我させたら危ねぇじゃん」

光「気遣ってくれてるわけだ?」

晴「そりゃそう、……だろ」

光「どうして?」

晴「言わせんな。……言わせんなよな」

光「魔王様らしく、自分の物だと刻んでみればいいじゃないか」

晴「……刻まれてーの?」

光「人には察しろ察しろって言うのに、君はしないのか?」

晴「お前さ、割と意地が悪いところあるよな。……何がしてーんだよ、光」


光「アタシ、必殺技があるんだ。最後の最後、一番のクライマックスまで取って置いた必殺技が」

晴「……使いたい、のか?」

光「……使わせたい?」ツツ……

晴「……く、くるなら、……来い……」ギュウウウ

光「…………」

光「……よぉっし! 完成!」

晴「……は?」


光「は? って言われてもなぁ」

晴「いやそれこそ『は?』としか言えねーんだけど。何この、何?」

光「撮影のリハだぞ。見よう見まね、プラスアレンジだけど、こんな感じでどうかなっ!」クルッ

晴「あの、光? 本気で何を言ってるんだ?」

光「言ったとおりだよ? アタシも撮影中のポーズ考えてたんだけど」

晴「な、なら先に言えば」

光「先に言わず、いきなり引っ張ってきたのはどっちだ? それとも、アタシだけはしちゃいけないのか?」

晴「…………」ウルウルウルウル

光「……あー……えっと?」

晴「こっ! のっ! やっ! ろーーっ!」ポカポカゲシゲシ


光「わぁっ!? ダメだ晴ちゃん、モーションが丸見えだよ!?」ヒョイヒョイ

晴「るせぇ! 人で遊んで! ってかプロレス的に評論すんな!」

光「いやだって特撮って究極的には着ぐるみプロレス……わーだめだめだめ、ちょっ、そこっ!」

晴「うるせぇぇぇぇっ!!」ゲシゲシアチョー

カメラマン(そろそろ始めてーッス)

おわり


おまけ

カメラマン「さーせん、ちょっといいッスか?」

モバP「なんです?」

カメラマン「あれ、止めるの手伝って欲しいッス」

   ワーギャー!

モバP「お、光はブロックが上手くなったなあ。晴も顔を狙ってない」

カメラマン「その話はいいんで、どうにかなんないッスか?」


モバP「かしこまりました。ちょっとそっちの毛布持ってもらえません?」

カメラマン「はい?」

モバP「で、これを二人の頭にかけます」バサッ

カメラマン「昔シーツかぶってお化けごっこって良くやったッスよねー」バサッ

モバP「ええ。そっちの首もってください。引き離します」ズズズッ

カメラマン「これでいいんスか?」ズズズッ

モバP「いいんです。毛布を外すと」バサッ

晴「……ん? オレ、何してた?」キョロキョロ

光「あれ? アタシは何を?」パチクリ

モバP「二人とも二十秒以内に仕度! 早急に!」

晴 光「「あ、はい!」」

カメラマン「ハムスターじゃないんスから」


おわり


前作
結城晴「暑い……」 南条光「燃えてきた!」

結城晴「またそーめん?」 南条光「美味しいよ?」

結城晴「水のないプール?」南条光「さぁ、お掃除タイムだ!」

結城晴「こたつでぬくぬく?」 南条光「ぽかぽかの頂点!」

コラのイメージで書きました。依頼出してきます。

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