ジン「純黒のパスタを作りたいだと?」ウォッカ「へい、兄貴」 (62)

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――黒の組織のアジト――

ジン「……お前が言ってるのはアレか? イカスミのパスタのことか?」

ウォッカ「へい! 先週フラッと立ち寄ったイタ飯屋で食ってみたんです」

ウォッカ「でも食事の後で取引相手に会うってことを、すっかり忘れてやしてね」

ウォッカ「俺、真っ黒の歯のまんまで取引現場へ行っちまったんですよ」

ジン「それはお前がマヌケなだけだろうが」ジロッ

ジン「そういうものを食うなら、歯磨きセットぐらい持っておけ」

ウォッカ「う……ご、ごもっともです」

ウォッカ「けど、後の予定なんざ気にすることなく」

ウォッカ「美味いイカスミのパスタを堪能してぇじゃないですか?」

ジン「……まぁ、たまにはな」

ウォッカ「それなら自宅で作るのが一番手っ取り早いかなぁ、と思いやして」

ウォッカ「兄貴だったら、美味いのを作るコツを知ってるんじゃないかなー、と……」

ジン「…………俺は料理講師じゃないんだぞ」フゥ

ジン「自分で研究して、美味く作れる方法を見つけようとは思わねーのか?」

ウォッカ「へ、へい! それはもちろんやってますぜ!」

ウォッカ「昨日だって三回ぐらい挑戦して……けど、自分で作っても何かイマイチなんですよ」

ウォッカ「それで今回、こうやって相談させてもらってるわけで……」

ジン「……………………」

ウォッカ「兄貴?」

ジン「……ったく、仕方ねー奴だ。一度しか教えねーぞ」ハァ…

ウォッカ「あ……ありがとうごぜぇやす、兄貴!」

ジン「必要なものを揃えに行く。付いてこい」

ウォッカ「へい!」

とりあえず出だしだけ…
続きは明日投下します

すみません、続き投下は明日に延期します
体調崩してしまいまして…楽しみにして下さってた方々、ごめんなさいm(_ _)m

遅くなってすみません!最後まで行きます!!

――某イオン――

ウォッカ「今回もここに来たわけですけど……」

ウォッカ「うはぁ~。バレンタインが近いから、あっちの特設コーナーが大賑わいですぜ」

ネェ、コレニシヨウヨ! アー、カワイイー♪

ガヤガヤワイワイ

ジン「フッ……俺達には無縁な行事だな。行くぞ」

ウォッカ「あ! 待って下せぇ、兄貴。先にチャージを……」ワオンッ!

ジン「……俺もついでに入れとくか」ワオンッ!

―― 野菜・果物コーナー ――

ジン「今回はサラダは無しだ。パスタにはトマトソースを使うし」

ジン「タンパク質がイカしか無ぇから、野菜を使ったスープを付ければ十分だ」

ウォッカ「なるほど……野菜が多すぎてもダメですもんね」

ジン「あぁ。身体に必要な栄養素をまんべんなく摂取するには、バランスが第一だ」

ウォッカ「じゃあ、まずはパスタ用の玉ネギとニンニク、タカノツメを……」ポイポイ

ジン「スープはニンジンをベースにするか。……こいつが良いだろう」スッ

ウォッカ「それにパセリと……パスタソースに使うトマトですね」ヒョイ

ジン「おい。ちょっと待て、ウォッカ」

ウォッカ「へい、何でしょう?」

ジン「お前……今まで生のトマトを使って、パスタを作ってたのか?」

ウォッカ「へ、へい……。新鮮で、加工されてない方が身体にも良いだろうと思ったんですけど」

ジン「…………それだな。お前のパスタがイマイチだった理由の一つは」ハァ…

ウォッカ「へい?」キョトン

ジン「一口にトマトといっても、野菜売り場で売られている生食用のものと」

ジン「トマト缶に入ってる加工用とは、品種が全く違うんだ」

ジン「品種が違えば、当然、栽培方法や栄養素、そして味も違ってくる」

ウォッカ「えっ、そうなんですかい!?」ビックリ

ジン「あぁ。生食用トマトはピンク系の色で、日本では桃太郎という品種が代表的だな」

ジン「一方、加工用トマトは完熟してから収穫することもあって、深い赤色をしている」

ジン「よく知られているのは、サンマルツァーノという品種だ」

ジン「加工用は、生食用よりもリコピンやβカロテンといった栄養素を多く含んでいる」

ジン「また、生食用トマトは冷蔵庫で保管しても、次第に栄養素が失われていくのに比べ」

ジン「加工用トマトは、収穫したその日に加工しちまうから、栄養素がほとんど壊れずに済む」

ジン「リコピンは熱にも強いからな。加工しても大丈夫ってわけだ」

ウォッカ「なるほど……」

ウォッカ「ところで兄貴、リコピンって何ですかい?」

ジン「トマトの赤い色素のことだ。近年の研究で、強い抗酸化作用を持つことが分かってな」

ジン「食品系だけじゃなく、美容系など様々な業界から注目を集めているんだ」

ウォッカ「へぇ~。初めて知りやしたぜ」フムフム

ジン「……というわけで、ウォッカ」

ジン「缶詰めコーナーに行って、ホールトマトを1つ取ってこい。400g入りだ」

ウォッカ「へい!」タタタ…

―― 鮮魚コーナー ――

ジン「次に選ぶのはイカだ」

ウォッカ「お! 今日はイカやタコの特売をやってるみたいですぜ」

ジン「あぁ。ちょうど良い時に来たな」

ジン「ウォッカ。お前、これまでの試作品はどの種類のイカで試した?」

ウォッカ「え……」ギク

ウォッカ「じ、実は……捌くのが面倒なんで、冷凍モノのモンゴイカを……」ヘヘ…

ジン「あぁ?」ジロッ

ウォッカ「イカスミも市販のペーストがありやすし、それで……」タジタジ

ジン「…………何を手抜きしてやがる」チッ

ジン「それじゃあイマイチな出来になるのは当然だろうが」

ウォッカ「へ、へい……すいやせん、兄貴」シュン…

ジン「市販のイカスミペーストは構わん。墨袋に入ってるイカスミの量が少ないこともあるからな」

ジン「だが下ごしらえの手間は省くな。コツさえ覚えれば、イカを捌くのは簡単だぞ」

ウォッカ「へい……」

ジン「まぁ、説教は後にするとして……良いやつが取られるといけねぇ」

ジン「さっさと選びに行くか」

ウォッカ「兄貴、イカを選ぶポイントは何なんですかい?」

ジン「新鮮なのは、身に透き通るような透明感があり、目が少し飛び出してるやつだ」

ジン「……ほぅ、今日はコウイカが入ってるのか。こいつぁ良い」

ジン「コウイカは別名スミイカとも言ってな。墨袋も他の種類よりでかいんだ」

ウォッカ「わりと大きいし、ボリュームのあるパスタができそうですね」

男店員「よっ、兄ちゃん達。これにするかい?」

ジン「あぁ、2杯頼む」

男店員「あいよ!」ガサガサ



青子「もう~、快斗! 早く来ないと、置いてくよ~!」

快斗「そんなおぞましい歌を流しまくるコーナーなんざ、通れるかっ!」(涙目)

サカナサカナサカナー♪ サカナーヲータベールトー♪ アタマアタマアタマー♪ アタマーガーヨクーナルー♪

―― 麺類コーナー ――

ウォッカ「兄貴。パスタなら、まだストックがあったはずじゃあ……?」

ジン「せっかくだから、特別なやつを使おうと思ってな」

ウォッカ「特別なやつって……?」

ジン「……こいつだ」スッ

ウォッカ「えっ……な、何ですかい、このパスタ!? 真っ黒じゃねぇですか!」

ジン「これはネーロ・ディ・セッピアと言って、イカスミを練り込んで作るパスタだ」

ジン「イタリア語でネーロは『黒』、セッピアは『イカスミ』という意味がある」

ウォッカ「なるほど……こいつを使ってイカスミのパスタを作ると」

ウォッカ「ソースも麺も、全てが純黒になるってわけですね!」

ジン「そういうことだ」

ジン「ちなみに、『劇場版名探偵コナン 純黒の悪夢』は2016年4月16日公開だ」

ジン「このSSを読んだお前も、必ず観に行けよ?」

ウォッカ「SSでも宣伝を忘れないなんて、さすがですぜ! 兄貴!」

ジン「よし。レジに行くぞ」スタスタ

ウォッカ「へい!」

――レジ――

女店員「お待たせしました、どうぞー♪」

ウォッカ「あ、姉ちゃん。この袋に入れてくれ」ヒョイ

女店員「分かりました。エコバッグ持参にご協力頂き、ありがとうございまーす♪」

ピッピッピッ…ピピッ

女店員「合計で2319円でーす♪」

ジン「……支払いはこいつだ」スッ

女店員「はい♪」

ワオンッ!

女店員「ありがとうございましたー♪」


ジン「帰ったら、昼飯も兼ねて作るぞ。しっかり覚えろよ」

ウォッカ「へい、兄貴!」

ガコ…ウィィィン

――組織のアジト・キッチン――

ウォッカ「手も洗ったし、準備できやしたぜ」

ジン「まずはスープ作りだ」

ウォッカ「へい!」


【ニンジンのすりおろしスープ(2人分)】
ニンジン:1/2本
玉ネギ:1/4個
水:300ml
鶏ガラスープの素:小さじ2杯分
塩:小さじ1/2杯
水溶き片栗粉(片栗粉…小さじ2杯、水…大さじ1杯)
パセリのみじん切り:適量

ジン「作り方は簡単だ」

ジン「まずニンジンと玉ネギの皮をむいて……」シャッシャッ…バリバリ

ジン「おろし金で、すり下ろす」シャリシャリシャリシャリ

ジン「ウォッカ。お前はパスタ用の玉ネギとニンニクをみじん切りにしておけ」シャリシャリ

ウォッカ「分かりやした!」トントントントン

ジン「鍋に水、すり下ろした野菜、スープの素を入れて中火にかける」ザー…サラサラ

カチ、チチチ…ボッ

ジン「一煮立ちしたら、塩で味を調え」コトコト

ジン「水溶き片栗粉を加えて、とろみが付くまで煮る」ザー

マゼマゼ…コトコト

ジン「後は、器によそってパセリを散らせば良い」コトコト

ウォッカ「火は止めておきやすぜ」カチ

ジン「あぁ」

【イカスミのパスタ(2人分)】
パスタ(ネーロ・ディ・セッピア):200g
コウイカ:2杯
トマトソース:1/2カップ
ニンニク:1カケ
タカノツメ:1本
白ワイン:大さじ4杯
イカスミ:4g
塩:少々
パセリ:適量
☆トマトソース(作りやすい分量)
  ホールトマト:1缶(400g)
  オリーブオイル:大さじ2杯
  玉ネギ(みじん切り):10~15g


ジン「まずは、トマトソースを作っておく」

ジン「熱したフライパンにオリーブオイルを入れ、温める」ジュー…

ジン「そこへみじん切りにした玉ネギを入れて……」ザラザラ

ジン「飴色になるまで、しばらく炒める」ザッザッザッ

ジン「炒める時間を短縮したい場合は、事前に玉ネギをレンジで温めておくと良い」

ジン「フン……こんなもんだな」ジュー…

ジン「そこへホールトマトを加えて……」ジャー

ジン「木べらで潰しながら混ぜる」グニグニグニ

ジン「好みに合わせて、ローリエを加えても良いぞ」

ジン「……よし。このまま10分ほど煮込めば完成だ。ウォッカ、頼む」

ウォッカ「分かりやした!」

ジン(その間に、パスタを茹でる湯の準備だ)ゴシゴシ…ザバー

ジャーッ

~10分経過~

ウォッカ「兄貴。程良く水分も飛んで、良い具合ですぜ」コトコト

ジン「火を止めろ。次はイカを捌くぞ」

ウォッカ「へい」カチ

ジン「イカは2杯あるからな。俺がコイツを捌くのを見ながら、お前もそっちのを捌くんだ」

ウォッカ「分かりやした!」

ジン「コウイカは胴の中に固い甲羅があるから、まずはそれを取り除く」

ジン「イカの表を上にしてまっすぐ置き、胴の中心に軽く縦の切り込みを入れる」スッ

ジン「切り込みを入れた所から皮を左右にむいて、広げるんだ」グイ

ウォッカ「縦に切り込みを入れて、皮をむいて広げる……と」スッ…グイ

ジン「これで甲羅を取り除ける。この時、下に肝があるからな」

ジン「こいつを潰さないように注意するんだ」スル…

ウォッカ「へい……」スル…

ジン「今度は胴とエンペラを分ける作業だ」

ジン「足の付け根を持って引っ張り、胴から肝ごとはがす」グイ

ジン「この時も、墨袋を潰さないように気をつけろ」

ジン「コウイカは墨の量が多いからな。破れちまうと悲惨だ」

ウォッカ「へ、へい!」…グイ

ジン「よし、良いぞ。そのまま引き抜け」

ウォッカ「……ふぅ、良かったぁ~」ホッ

ウォッカ「案外キレイに抜けるもんなんですね」

ジン「次に胴の両側に付いている、エンペラの部分をむいて離す」ペリペリ

ジン「胴とエンペラの皮は、指で摘んで引っ張ればはがせるぞ」グイ

ウォッカ「エンペラをむいて……皮をはがす、と」ペリペリ…グイ

ジン「胴の裾の部分に、小さな固い突起があるだろう?」

ウォッカ「あ、ホントだ。これも取り除くんですね?」

ジン「あぁ。包丁でそぐように切れば良い」スッ

ジン「エンペラの端っこの、色が悪い部分も取り除いておけよ」ストン

ウォッカ「へい!」スッ…ストン

ジン「最後に肝と足を分けて、吸盤を取る作業だ」

ジン「肝と足を切り分けるのは、目の下の辺りを基準にすると良い」ストン

ジン「切り分けたら、足の内側にあるクチバシも取り除いておけよ」

ウォッカ「了解です!」ストン

ジン「足の付け根を押さえて、包丁の峰の部分で吸盤をこそげ落とせば……OKだ」ザッザッザッ

ウォッカ「兄貴。目より上の所は、どうするんですかい?」

ジン「周りの白いワタを手で取り除くんだ。目を潰さねぇようにな」

ウォッカ「へい」

ジン「そして墨袋を破れないように軽く摘んで、ゆっくりと引っ張りながら取る」ソーッ

ジン「墨袋はこの器に入れておけ」

ウォッカ「分かりやした」ソーッ

ジン「残りのワタは、今回は使わねーから処分だ」ポイ

ウォッカ「あとは、食べやすい大きさに切るだけですね?」ストンストン…スッスッ

ジン「あぁ」ストンストン…スッスッ

ジン「じゃあ、いよいよイカスミのソース作りに取りかかるぞ」

ウォッカ「へい!」

ジン「フライパンに、オリーブオイルとニンニク、タカノツメを入れて……」ザラザラ

ジン「火を付ける。この時、弱火にするのがポイントだ」カチ、チチチ…ボッ

ジン「いきなり強火にすると、ニンニクが焦げちまうからな。弱火でじっくり温めて香りを出すんだ」ジュー

ウォッカ「なるほど。相変わらず、兄貴の説明は分かりやすくて勉強になりやすぜ」

ジン「ウォッカ。そっちの鍋で湯を沸かしてある。例のパスタを茹でておけ」

ウォッカ「あ……へい!」

ジン「ニンニクが色付いてきたら、イカを加える」ジュー…

ジン「少ししてから、白ワインと……」ザー

ジン「トマトソースとパセリを入れて、軽く煮立たせる」ザラザラ…コトコトコト

ウォッカ「あ~、良い香りですぜ」グツグツ

ジン「ここへ、さっき分けておいたイカスミを投入だ」ギューッ

ウォッカ「うわ……ペーストが必要無ぇぐらいの量ですねぇ」グツグツ

ジン「あぁ。これだけあれば十分だ」

ジン「最後に塩で味を調えて……ソースの完成だ」パッパッ

ジン「ウォッカ。パスタの茹で具合はどうだ?」

ウォッカ「良い感じですぜ! そろそろ、そっちに……」グツグツ

ジン「あぁ」

ジン「麺の水気を切って、ソースに絡ませれば……」ヒョイ…ザッザッ

ジン「麺もソースも純黒の、イカスミパスタの出来上がりだ」

ウォッカ「おぉ~! これ、絶対美味いですよ!」

ジン「時間もちょうど12時だ。メシにするか」

ウォッカ「へい!」ワーイ♪

――組織のアジト・ダイニング――

ウォッカ「じゃあ……いただきやす!」

ジン「おぅ。しっかり味わって食え」

ウォッカ「まずはパスタから……」パク…モグモグモグ

ウォッカ「うわぁ……店で食ったのより、ずっと美味ぇです!」ジーン

ジン「そいつは何よりだ」フン

ウォッカ「んで、スープも……」ズズ…

ウォッカ「ニンジンの優しい味で、癒されますぜ……」ホゥ…

ジン「フッ……これでお前も、好きなだけ美味いイカスミのパスタが作れるな」

ウォッカ「へい!」


~30分後~

ウォッカ「はぁ~。結構量があったから、満腹になっちまいやしたね……」ゲフ

ジン「……それなら、デザートはもう少し後にするか?」

ウォッカ「えっ……兄貴、いつの間にデザートなんて……?」

ジン「昨夜のうちにな。今日の三時頃にでも食うかと思って」

ジン「パンナコッタを冷蔵庫に入れてあるんだ」

ウォッカ「おぉ、マジっすか!? それぐらいなら入りやすぜ!」

ジン「なら、取ってこい」

ウォッカ「へい!」ヒャッホウ

ウォッカ(兄貴のデザート、本当に美味いもんなぁ♪)ワクワク

――組織のアジト・キッチン――

ガタン! ゴソゴソ…カタッ

ウォッカ「…………!?」

ウォッカ(何の物音だ……?)ソーッ

コルン「うん、うまい……」モグモグ


ウォッカ(あ、あれは……兄貴のパンナコッタ?)


キャンティ「でも良いのかい? これ、ジンが作ったやつだろ?」パク

ベルモット「大丈夫よ。6個もあるんだもの♪」ムシャムシャ

ベルモット「ジンとウォッカ、二人の分を残しておけば問題無いわよ」ゴックン

コルン「え…………」ピタ

キャンティ「どうしたんだい、コルン? ……あっ!!」

キャンティ「ちょっと、あんた! 余ってたの、全部食っちまったのかい!?」

ベルモット「えっ! ……それはさすがにマズイわよ」

ガタン

ベルモット・コルン・キャンティ「「「!?」」」ザッ

キャンティ「……何だ。あんたかい、ウォッカ」

ベルモット「ビックリさせないでよぉ~。どうしたの?」

ウォッカ「あ、あの……パンナコッタを取りに」

ベルモット「あら、ごめんなさい! 貴方とジンの分、コルンが食べちゃったのよ」

コルン「……おい」

コルン「元々『食べよう』って言い出したの、お前……」

ベルモット「おだまり! 要は、ジンにバレなきゃ良いのよ」

キャンティ「……………………」ツンツン

ベルモット「何よ、キャンティ?」

キャンティ「……」スッ

ベルモット「一体何があるって……」ハッ!!

ウォッカ「あ、兄貴……」

ベルモット「あ……あら、ジン。わざとじゃないのよ? これには深~いワケが……」オホホホ

ジン「貴様ら……」ゴゴゴゴ…

ウォッカ(あ、ヤベ……)コソコソ

ジン「全員、そこに直れ!」ジャキッ!!

キャンティ・コルン「「ひっ!!」」

ベルモット「そ、そんな食べ物ぐらいで、そこまで怒らなくても……」アワアワ

キャンティ「逃げるよ、コルン!」ダダッ

コルン「おぅ……」ダッ

ベルモット「ちょっと、置いてかないでよ~!」タタタ

ジン「待ちやがれ!!」ドギュン! ズギューン!!

キャンティ「だからアタイは食うの止めようって言ったんだ!」パァン!

ベルモット「何よ、結局あんただって食べたじゃないの!」ドギュン!!

コルン「お前ら、逃げる方が先……」バキューン!

――組織のアジト・廊下――

ウォッカ「ったく、姐御とあいつら……俺、知らねーぞ」カツカツカツ

安室「……どうしたんですか? ウォッカ」

ウォッカ「よ、よぉ。バーボン……何でもねーよ」ハハハ…


ヨケルンジャネー! ズギューン!!

キャー! ヒェー!!


安室「あの…………キッチンの方から悲鳴と銃声が聞こえるんですが」

ウォッカ「……死にたくなきゃ、行くなよ?」

安室「ええ。触らぬ神に祟りなし、と言いますし」フッ…


【おわり】

以上で完結です。ここまでお付き合い下さいまして、ありがとうございました!
また、自分の体調不良から修正作業と投下が大幅に遅れ、大変申し訳ありませんでしたm(_ _)m

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