いろは「先輩が階段から落ちた……」 (68)
八幡「………………」
いろは「うわ、いたそー……大丈夫ですかせんぱーい?」
八幡「………………」
いろは「…あれ?もしかしてこれやばい感じですか?」
八幡「……………」
いろは「ちょ……!先輩!起きてください!大丈夫ですか!?大丈夫ですよね!?」
八幡「…………うぅ、いたた」
いろは「よ、よかった……起きた。ちょっと心配しちゃったじゃないですかー♪」
八幡「………誰?」
いろは「」
何番煎じか分からないが
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いろは「……あ、あはは。冗談きついですってもー!似合わないですよ先輩」
八幡「ご、ごめん……」
いろは「はぁ、謝るくらいなら最初からしなければいいのに。行きますよ」
八幡「初対面でいきなり『誰?』は失礼だったね。それは謝るよ」
いろは「」
八幡「ところでここはどこだい?見たところ、学校のようだけど……」
いろは「えっ……ちょいちょい、先輩」
八幡「?」
いろは「ガチですか?」
八幡「……うん、本当にここがどこなのかも、君が誰なのかも……自分が何者なのかもわからない」
いろは「えぇ……そんな漫画みたいな」
八幡「僕だって信じられないよ……」
いろは「え、今の何ですか」
八幡「え?」
いろは「いや、『僕』って……」
八幡「お、おかしいかな?」
いろは「………………」
いろは(よく聞くと口調も全然違う……)
いろは(頭を打ってここまで変わるものなのかな………?)
八幡「そういえば、君は僕のことを『先輩』と呼んでいるようだけど
八幡「僕のことを知っているのかい?」
いろは「え、えぇまぁ……」
いろは(目の前の先輩は、口調も雰囲気も何もかもが前の先輩とは違っていて……)
いろは(でも顔はなまじ先輩なだけに、いつもの調子が出ない)
八幡「そっか……君、名前は?」
いろは「へ?一色、いろはです……」
八幡「そっか、いろは。僕はいったい誰なんだ?教えてくれ」
いろは「!!??」
いろは(せ、先輩が……ナチュラルに女の子のことを名前で……!?)
いろは(こ、こんなの先輩じゃない……)
八幡「……?どうしたんだ、いろは」
いろは「っ……///」
いろは(あ、ヤバいにやけそう)
いろは(先輩とは別人とはわかってるけど……その顔で、その声で名前呼びは反則でしょ……)
いろは(………先輩とは、別人なんだよね)
いろは(この人は先輩と似てるだけの、別人……)
いろは(記憶が戻れば、この人の人格は消えてしまう………)
いろは(……なら)
いろは「……えっと、先輩はですね」
いろは「2年F組の、比企谷八幡という人です」
八幡「比企谷、八幡……ダメだ、全然思い出せない……他に何かないか?」
いろは「…………」ゴクリ
いろは「そして先輩は……私の恋人です」
いろは(今だけこんなことしても……バチは、当たらないよね)
八幡「……え、えぇっ!?」
いろは(やってしまったやってしまったやってしまった…………)
いろは(雪ノ下先輩にバレたら……殺される)
いろは(でも今さら後には退けない……よね)
いろは「なんでそんなに驚くんですか…」
八幡「い、いやぁ……」
八幡「僕にこ、こんな可愛い彼女がいるなんて思いもしなかったから……」
いろは「なっ……///」
いろは「何言ってるんですかっ!」ボカッ
八幡「いっだ!?な、なんで!?」
いろは「う、ううぅぅ〜〜……」
いろは(この人は先輩じゃないのに……)
いろは(先輩はこんな事言わないのに……)
いろは(……いや、だからこそか)
いろは(だからこんなにドキドキするんだ…)
いろは「……と、いうわけで!」
いろは「先輩は生徒会長である私の彼女として、今日も生徒会の資料などを運ぶのを手伝ってくれていました!」
いろは「しかし先輩は階段で足を踏み外し転げ落ち頭をうち、記憶を失います!」
いろは「今に至る!」
いろは(もういいとことんやってやれ!)
八幡「な、なるほど……わかりました。僕は生徒会役員だったんですね、会長」
いろは(んー……まぁこうなった以上やすやすと奉仕部には戻せないし……そういうことにしちゃおうかな)
いろは「はい♪あなたは生徒会庶務として今まで私のために働いてくれていました。あと別に敬語いいですよー?なんか調子狂いますし」
いろは(敬語も新鮮でいいけど)
八幡「わ、わかった……改めてよろしく、いろは。一刻も早く記憶取り戻すから……手伝ってくれると助かるよ」
いろは「……えぇ。私も精一杯手伝いますよ」
いろは(記憶が戻るまでだけでいい)
いろは(少しでも先輩のそばにいたい)
いろは(たとえそれが偽物でも)
雪乃「……どういうことかしら?」
いろは「いえ、ですから。ちょっと長い期間先輩をお借りできないかなーと思って」
結衣「何かあるの?私たちも手伝うけど…」
いろは「いやぁ、雪ノ下先輩たちには頼めなくて……先輩にしか頼めないような案件なので。ホントごめんなさい」
雪乃「どんな内容なの?内容次第で考えなくもないわ」
いろは「……ごめんなさい、雪ノ下先輩相手でも言うことはできません」
雪乃「何を言っているかわかっているの……?」
いろは「ごめんなさい。比企谷先輩に関わることなので……絶対に言うなって口止めされてますし、こればっかりはどうにも……」
結衣「……………!」
結衣「ゆきのん、ちょっとくらいいいんじゃない?」
雪乃「え?あなた何を……」
結衣「ヒッキーにもさ、私たちに隠れてしたいこととかあるんだよ、きっと」
雪乃「……由比ヶ浜さんがそういうなら」
いろは「ありがとうございます!」
八幡「記憶喪失のことは隠しておけ?何でだ」
いろは「人の噂はどこから漏れるかわからないですからね……記憶喪失なんてネタ、絶対面白がられるに決まってますよ」
八幡「……確かになぁ」
いろは「先輩の交友関係だけざっとまめて教えてあげるので、それ暗記してどうにか頑張ってください」
いろは「なに、記憶が戻るまでの辛抱ですよ」
八幡「……さんきゅーな、いろは」
いろは「礼には及びませんよ。彼女ですから」
いろは「……奉仕部の人たちには意味あり気な説明をしたら案の定由比ヶ浜先輩が勘違いして口実は作れたし」
いろは「記憶喪失のことはバレないように念入りに手を回してある」
いろは「先輩には……適当に仕事作って押し付けとけばいいか」
いろは「……ここまでしたんだから」
いろは「精一杯、思い出を作ろう」
ねる
このSSまとめへのコメント
期待
ねる(永眠)
_,,..,,,,_
/ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
始まる前に終わった