女「マジで!?つまり私にこの世界を救えってそういうことなの?」
女神「理解が早くて助かります、さすがは異界の勇者さま」
女「ゆ、勇者だなんてそんなぁ……急に言われても困っちゃうなぁ私///」テレテレ
女(ってオオオオオオイイイイ!!マジかよぉおっ!!まさか私がこんなネット小説的な主人公に抜擢されるなんて!ていうかこんなこと現実と書いてリアルにあるのか~)
女(このまま世界を救うついでにいく先々でイケメンとかイケメンとか、イケメンとかと出会ったり逆ハーレムを形成なんかりしちゃったりして……でゅふっ///)
女「でへへへ~、って……ん?」グルグルグルピー
女神「どうかしましたか?異界の勇者」
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女「ぁ、これちょっとお腹が……あたた、ヤバい」ピーピー
女神「お腹が?大丈夫なんですかそれは」
女「ちょっとこれはマズいかも、うぐぅ……そこの女神的な人……悪いんだけどトイレはどこに」
ゴロゴロ
女神「トイレ?ありませんけど、そんなもの」
女「…………………………え?」ピー
女神「人里離れた森の中ですからねここは、というのも他の人間に転生する場面を見られるわけにはいきませんから……あしからず」
女「えっ、ちょっと待って……今トイレないって言ったの?は、マジで?」
女神「はい、大マジです」
女「………………なん、だと?」ダラダラ
女神「とりあえずそこら辺でしてもらうしかないですね、まぁこの世界では当たり前のことですから気にせず……どうぞ」
女「きっ、気にするよそんなの!!なんだこの世界の常識は!野ションに野糞が当然なのか!!えあっ?!」
グルリリリ
女神「そうですけど……でも言っても世界を救う旅ってそんなものですよ?進む先は荒れた大地に魔物の巣窟、そんな場所にいちいちトイレがあると思いますか?無いでしょう普通」
女「いや、いやいやいや待って、ちょっと待ってウェイトウェイト、ウェイト」
女神「はい」
女「あのね、私の元いたトコはね、5分ごとにはトイレが設置してあってそれが当たり前なの少なくとも私が暮らしてた地域ではね?野糞なんてしたらお巡りさんに捕まっちゃうような世界観なの、分かる?分かるよねそれくらい女神だったら」
女神「いやいやいや、またまた~」ケタケタ
女「いやいやじゃなくて!この!だいたい花も恥じらう女子高生が野糞なんてそんなこと許されるわけが……ぐぉ、おおおおオオ」
ゴロピーゴロゴロ
女(ま、マズい、私の菊門から……茶色い魔物が今にも生まれ出でようとしてる、こ、このままだと……くっ、くっ!)
ゴゴロゴロ
女(3日前まで意地でも出てこなかったくせに、なんでこのタイミングで便秘が治っちゃってるのよぉおおおおおお!!)
女神「……あのぅ、こんなところでつまづいてないでさっさと次行ってもらいたいんですけど……もうちゃちゃっと出すものだけ出していただいて」
女「無茶言うな!はうっ」
ゴロゴロピー
女神「まぁそう深刻に考えず、きっと十二国記だってレイアースだって主人公は野ションに野糞くらいしてますって」
女「するか!!」
女神「……いや、しないわけないじゃないですか……それともなんですか、あの世界にはあなたの言うように5分おきにトイレがあるとでも?」
女「そうじゃなくて光も海ちゃんも風ちゃんもおトイレなんて行かないって話をしてんだよこっちうぐぉぉおおおお」
ゴーロゴロゴロゴーロゴロw
女(まさか異世界転生して早々にこんな問題にぶち当たるなんてぇ!……う、うぷぅ)
女神「SAOの主人公だってオムツの中で排便してそれを妹に替えてもらってたんですから、別にこれくらい平気ですって」
女「……お、お前……なんでそんな無駄に詳し、ぐぅ」
ゴロピー
女「だ……ダメだ……もうムリ、げんか……い……こうなったらもう、背に腹はかえられぬ」
ソロソロリ
女神「あっ、します?だったらちょうどそこにいい茂みがありますけど」
女「黙ってもういい分かったから!……役立たず女神は向こう行っててよ!もう!」
スルスル
女神「あっと、それは出来ません」
女「………………は?」
女神「私の魂は勇者と精神的につながっているのです、常に勇者を己が加護の下で見守るために」
女「な、なにそれちょっと!?そんなこと今更言わないでよ!こっちはもう下着おろして完全に諦めちゃう体勢なってんのにそれなのにうううううううう」
ゴロゴロゴーロ
女神「大丈夫、私は女神です……人間の排泄行為など気にもしません……なので、さぁ」
女「さぁ、って!そんなこと言われてもそういう問題じゃ……あっ、ああぁあ………ぁ」
プスゥ
女神「!」
女「や、やだ見ないで……見ないで見ないで聞かないでーーーーーーー!!!」
女神「おお!……お、おぉ……ぉぉ///」マジマジ
女「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブ
チチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!
女神「…………うへぁ」
…
女「うっ、うぅ……グスン」
女神「なるほど、これが生物のする排便という行為なのですか……肛門のシワがゆっくりと伸びその中心の穴から茶色い排泄物がモリモリと頭を出して太い一本の束が」
女「解説すんな!!うぅ、もうやだ……お嫁に行けない、いけないもん……いけないもん」
グスン
女神「まぁまぁ気を落とさず、スッキリしたところで先に進みましょう異界の勇者よ」
女「うっ、うぅ……この駄女神め……………あっ」
女神「?どうかしましたか、異界の勇者」
女「…………お尻、お尻どうやって拭けば、いいの?」
女神「………はい?」
女「いやだから、このままじゃ私パンツ上げられないんだけど、汚くなっちゃうんだけど……だから一歩も動けないんだけど?」
女神「……と言われてましても、はぁ」
女「トイレットペーパーは、ないよねぇ……なんかないの?ティッシュでも新聞紙でも、紙ならこの際なんでも」
女神「ないですけど、あっ……そういえば」
女「なに?」
女神「忘れてました、あなたにはこの世界に来るときにチートな能力を授けていたんでした」
女「なにそれ!?そういうことは早く言ってよこのバカ!!」
女神「バカって……ちょっと酷い」
女「それで?そのチート能力って何?手から無限にトイレットペーパーが出てくるとか?」
女神「嫌過ぎでしょもしそんな能力だったら、えっとあなたに授けたのは確か……」
女「ふんふん」
※注:この間ずっと彼女は排便姿勢のままである。
女神「類い稀な身体能力と剣術の腕、そして前代未聞の膨大な潜在魔力とそれを操る才能」
女「ふんふん、で?」
女神「以上です」
女「この役立たず!!」
女神「なんですか!世界を救うのには十分でしょう?私だって、こんなサービス滅多にしないんですからね」
女「今欲しいのはそういうのじゃなくてケツを拭く紙一枚なの!もっとこうないの?ばーっと物を生み出す能力的な」
女神「今ある能力を活用してもらうしかありませんね……そういえば、勇者は紙の原料が何か知っていますか?」
女「?……いや、知らないけど」
女神「木なんですよ、紙は木からできてるんです」
女「へー、そうなんだ」
女神「粉砕した木材を煮込み、ほぐし、水に溶かしてそれを漉いて乾燥させて紙というものはできるのです」
女「ほーん」
女神「ほら、木なら周りにたくさんあるじゃないですか……いまこそチート能力の見せどころですよ」
女「……なるほどねぇ」
女「つまりあんたが言いたいのは……まずそこにある適当な木を切って砕いてどうにかして煮込んでほぐして漉いて乾かして紙にして、それでケツを拭けと……こう言いたいわけだ」
女神「はい」
女「それをパンツおろしたまま私にしろって?」
女神「パンツ上げればいいじゃないですか」
女「それが出来ないから苦労してんでしょうが!!!!!!!!!!!!!!!」
女神「はうっ!」キーン
女神「何なんですかもう、パンツ汚れたって後で洗えばいいじゃないですか!」
女「いやっ!そんなのは嫌ァ!」
女神「もしかしたら汚れない可能性だってあるかもしれないじゃないですか」
女「そんなラッキーウンコに賭ける気はない!」
女神「なんてワガママな……お尻にウンコつけたまま何を威勢よく」
女「それを言うなってばだから!」
女「はぁもう………!そういえば私ってば制服のままだったんだ……ポケットに何か入ってないかな」
ゴソゴソ
女神(はじめからそっちを先にアテにしてくださいよ)
女「えっと……あっ、これは」ゴソッ
女神「はぁ、何かあったんですか?異界の勇者よ」
女「……あっ」
…
……
~回想~
祖母「この春から高校生だなんて……早いもんやねぇ、よお頑張っとったもんねぇおめでとう」
女「えへへ、ありがとうおばあちゃん」
祖母「これ、高校の入学祝いに………ゴメンね、こんな物しか用意できんくて」
女「ううん、そんな風に言わないでおばあちゃん、私すっごく嬉しいよ!おばあちゃん大好き!」
祖母「本当かい?……そっか、優しくていい子やねぇ、ほんとうに」
女「ぜったい、ぜったい大事にするからね……このハンカチ!」
…
女「ハンカチ……おばあちゃん」
女神「良かったですね異界の勇者、これでお尻拭けるじゃないですか」
女「い、いやこれはダメだって!このハンカチは……使えないってば!」
女神「けど、そんなこと言ってもですよ……じゃあこれから先どうするんですか?行く先々でお尻にウンコつけたまま男の人に会うつもりなんですか?あなたは」
女「うぐっ!」
女神「道は二つに一つ、そのハンカチでいますぐお尻を拭くか、ウンコ付きヒロインになるか」
女「そ、そんな選択……で、でもでも……だってだって、だからだから……あのその」
アセアセ
女神「あっ!いまレーダーに感じました、こっちに向かって誰かイケメンが近づいてきてる気がします」
女「ええっ!?そんな、急に?!」
女(ま、まずい!こういう場合、初っ端に遭遇する相手はまず高確率で超重要メインキャラ!パッケージでは中央に映っててキャスティングでは一番上に名前が来るようなヤツ!!)
女神「早くしないと糞付きどころか脱糞現場を目撃されてしまうことになってしまいますよ、これは」
女「!!!!!!」
女(どうする、どうするどうする……)
女(どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする………どう)
女神「さあ、勇気を出して!勇者!」
女(…………………ごめん、おばあちゃん)
フキフキ
……
…
その後、彼女は勇者としてこの世界を救うために尽力し、その間に8人ものイケメンと出会うことができたのだった。
しかし、この時のことが強く脳裏に焼きついたせいで、どのイケメンを見ても
「あっ、この人こんなにカッコイイけど陰で野糞してるんだよなぁ」という思いがよぎってしまい、いまいちテンションが上がらなかったという。
女「だってさ、どんなにイケメンでも旅の中では地べたの上にウンコ座りして糞しながらチンコからおしっこピューするんだよ?萎えるわー流石に」
女神「はぁ……?」
結局、最後は女神と結ばれ二人は幸せに暮らしましたとさ
【トゥルーエンド】
女神「よく考えたら水魔法を使ってお尻を洗い流せばよかったんですよね、多分」
女「💢」ピキッ
おわり
もっと鋭く切り込めればよかったんだがもういいや
依頼出す。
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