八幡「俺も合コンに出ろ?」静「そうだ」 (68)
八幡「何でですか?」
静「幹事から連絡があって、男性側に一名欠員が出たみたいでな」
八幡「いや、だからって教え子に声掛けますか普通」
静「君以外に候補があるならとっくに頼んでいる。というよりも合コン行かせるより私が捕まえるに決まっているだろう」
八幡「あっ…」
静「…」プルプル
八幡「あの…」
静「女の幸せを掴みたいんだ…」ブワッ
八幡「…」
静「私はもう三十路で、後がないんだ…頼む比企谷、費用は私が持つから!」ペコペコ
八幡「わ、わかりましたよ」
静「ありがとう比企谷!」パアッ
八幡「でも、俺まだ未成年だし目上の人達の中で浮きませんかね?」
静「安心しろ比企谷、君はすでにクラスで浮いているだろう?」
八幡「合コン行かねえぞ崖っぷち教師」
静「わーわー!すまん!冗談だから!」
八幡「まったく…」
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八幡「ドレスコードとかはナシ、俺以外は20代から30代のメンバーで、代金を置いて、抜ける事を伝えたら途中で抜けてもいいんですね」
静「そうだ、幹事には君の話はしてある」
八幡「うーん、幹事さん以外に俺の身の上は割れない方がいいですよね」
静「そうしてくれ、生徒を合コンに連れて行くハレンチ教師のレッテルは嫌だからな」
八幡「自覚あるのか…」
静「女はな、年を重ねる毎にしたたかさが身に付くのだよ」
八幡「具体的には?」
静「男を捕まえるための手段を選ばなかったり」
八幡「ふむふむ」
静「男の経済力を値踏みするためにブランド物に詳しくなったり」
八幡「ほうほう」
静「勤め先の会社のネームバリューや役職といった肩書きにときめいたり」
八幡「…」
静「教え子を数合わせで連れてきたりするものなのだよ」
八幡「おい最後」
静「なにかね?」
八幡「いや、最後は多分先生だけじゃ…」
静「細かい事は気にするな!というか気にしないで下さい!お願いだから!」クワッ
八幡「は、はい」ビクッ
静「それに、君だって大人の女性とのアバンチュールがあるかも知れないしな」
八幡「はっ!?たしかに!!」
静「20代はエロいぞ~?エロエロだぞ~?」
八幡「エロエロ…」ゴクリ
静「よし、ヤル気になった所で会場に向かうとしよう」
八幡「はい!エロエロ会場に行きましょう!!」
合コン会場
陽乃「ひゃっはろー」
八幡「すみません、場所間違えました」クルッ
静「何を言っているんだね君は」ガシッ
陽乃「あたしがこの合コンの幹事だよ?」ガシッ
八幡「騙したな!」
静「騙してなんかいない、君が幹事について聞かなかったから話さなかっただけだ」
八幡「なんて汚い大人なんだ!」
静「さっき言っただろう、女はしたたかなのだよ」
陽乃「まあまあ、最初から静ちゃんの為に組んだ合コンだしさ、上手くやったげてよ、ね?」
八幡「まあ、元を辿ればそうでしたね」
静「見つめ合うと素直におしゃべりできない君には陽乃という強力助っ人を付けておく、アバンチュールは諦めなくてもいいぞ」
陽乃「静ちゃん頑張ってね」
静「任せろ」キリッ
八幡(なんだこのイケメン女教師…)
合コン開始
ヤイヤイ
ガヤガヤ
静「初めまして!平塚静ですよろしくお願いします」
パチパチパチパチ
ビジンダ
スタイルイイナ
陽乃「なかなかの好感触だね静ちゃん」
八幡「普段からああならいいんですけどね」
陽乃「普段の静ちゃんも可愛いじゃない」
八幡「どうなんですかね」
飲みに行くから今日は終わり
静「教師をしてます」
センセイカー
イガイトデアイナイラシイナー
陽乃(後は静ちゃん次第だしそろそろかな)「よし比企谷君、あたし達は抜けよっか」
八幡「はい?」
陽乃「静ちゃんが男を捕まえるなら、あたしがいない方が有利に進められるしさ」
八幡(アバンチュール…)
陽乃「そんな残念そうな顔しないの、行こっ!」
八幡「そういえば雪ノ下さん、幹事なのに抜けていいんですか?」
陽乃「静ちゃんが代わりに仕切るようにしてあるよ」
八幡(全部雪ノ下さんの掌だったのか…)
陽乃「というわけであたし達抜けまーす!」
マジカヨ
ワカイノニヤリオル
静(ん?比企谷と陽乃の奴らもう抜けるのか?)
八幡「アバンチュール…」
陽乃「比企谷君も男の子だねぇ」ニヤニヤ
喫茶店
八幡「うまくいってますかね先生」
陽乃「さあねー、割といい感じのラインナップは揃えてあげたんだけど」
八幡「教え子に頼りすぎでしょあの先生」
陽乃「静ちゃん仕事熱心だからね」
八幡「まあたしかにそうですね」
陽乃「親のツテを当たればいくらでも用意出来るからいいんだけどね」
八幡「ブルジョワ様々っすね」
陽乃「ただ、静ちゃんが本当に捕まえたいと思ってる男の人は捕まらないと思うけどね」
八幡「本当に捕まえたい?」
陽乃「そ、静ちゃんには大本命がいるんだよこれが」
八幡「あの合コン馬鹿にそんなのいるんですか?」
陽乃「あはは!合コン馬鹿ってあははははは!」ゲラゲラ
八幡「合コンしてるヒマがあるならその大本命を捕まえたらいいのに」
陽乃「そこが難しいとこでさ、静ちゃんと大本命さんはあたしが見たところだとすれ違いだらけなんだよね」
八幡「なるほどね」
陽乃「乗り越えていかなきゃならない壁なんかも盛りだくさんだし」
八幡「なんでハードモード選んだんだ先生」
陽乃「逆だよ」
八幡「逆とは?」
陽乃「静ちゃんが捕まえたくなった男がたまたまハードモードだったの、ハードモードだったから捕まえたくなったんじゃないからね」
八幡「男の趣味が悪いって事ですか」
陽乃「それに関しては諸説紛々かな」
八幡「何にせよ、教え子を合コンのメンバーにブチ込むのは勘弁して欲しいですね」
陽乃「比企谷君が教え子じゃなくて、静ちゃんが先生じゃなかったら?」
八幡「え?」
陽乃「もし、静ちゃんと比企谷君の関係が今と違ってたら?」
八幡「…他人同士?」
陽乃「比企谷君は比企谷君だったねー」
八幡「そんな事聞かれても分かりませんよ」
陽乃「それもそっか」
八幡「ん?メールだ」
陽乃「…」
平塚先生
°・(ノД`)・°・
女がジャンプ好きで何が悪いぃぃぃぃぃぃぃ!
こんなに苦しいなら愛などいらぬわあぁぁぁぁぁ!!
八幡「…雪ノ下さん」
陽乃「なぁに?」
八幡「平塚先生、轟沈です」
陽乃「やっぱダメだったかぁ」
八幡「先生拾いに行きましょう」
陽乃「あたしは無理、門限ギリギリだから」
八幡「そっすか、そんじゃまた」
陽乃「ここは奢るよ」
八幡「いや、悪いですよ」
陽乃「合コンに連れてきたお詫びだから気にしないの、またね♪」
八幡「ごちそうになります」ペコ
八幡「ったく、合コン馬鹿はこれだから困る」
静「ひ、ひきぎゃやぁ…」グスッ
八幡「先生、また失敗したんですか?」
静「うん…」グスッ
八幡「今日は運が悪かったんですよ」
静「星占い、一位だったもん…」ヒック
八幡「なら仏滅かも」
静「今日は大安…」メソメソ
八幡「…」
静「…」シクシク
八幡「腹減りました」
静「!」ピクッ
八幡「濃いめの豚骨ラーメンなんかいいですよね」
静「にんにく多めがいい…」
八幡「なんなら餃子と炒飯も頼みましょう」
静「替え玉は?」
八幡「食べてから考えましょう」
静「よし比企谷!近くに良い店を知っているぞ!」
八幡「はいはい」
今日は終わり
\ヘイラッシャイ!/
八幡「たしかに近いですね」
静「まあな、味は保証しよう」
八幡「楽しみです」
\イツモノデイイカー?/
静「ああ、こいつにも同じのを頼む」
\アイヨ/
八幡「そんなに通ってたんですか」
静「かなり気に入ってな」
八幡「ほー」
静「はあ…結婚したい…」
八幡「…」
静「本当は分かってるんだ、年甲斐のない振る舞いや趣味、ガサツで無神経で酒癖が悪くて…」ウルウル
八幡「間違いないですね」
静「うっ!」
八幡「すぐ殴るし、ジャンプネタが大好きだしドアにノックをした事もないですよね」
静「うう…」
八幡「けど、優しくて生徒を大事にしてくれて、打算なんかしない裏表のない先生は幸せになれますよ」
静「比企谷…」
八幡「さっき雪ノ下さんから聞きました、今日の合コン相手くらいならまだ用意できるそうです」
静「いや、いい」
八幡「もったいないですよ」
静「花嫁修行をするよ」
八幡「…」(ああ、雪ノ下さんの言ってた大本命に的を絞るのか)
静「あーあ、旦那が頼りないけど仕方ないなー」
八幡「どんな男なんすか?」
静「教えない」
八幡「えー、愚痴聞いてあげたのにそりゃないですよ」
静(私の将来の旦那は…)ジッ
八幡「なんすか?そんなに見つめてきて」
静「ラーメンまだかなー」(今はまだ高校生だから言えるわけがない)
これで終わり
このSSまとめへのコメント
いいじゃん 期待
ひらつかわいい