八幡「艦娘?」 叢雲「うるさいわね」【二】 (319)
このスレは
八幡「艦娘?」 叢雲「うるさいわね」
八幡「艦娘?」 叢雲「うるさいわね」 - SSまとめ速報
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の続きとなります
・艦これのキャラと俺ガイルキャラのssです
・オリジナル設定です
・誤字許して
・キャラ崩壊注意
・のんびり
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416660053
-半年後-
-珊瑚海、ソロモン諸島レンネル島から南西200㌔地点-
バシャァァァン!!! バシャァァァン!!!
豪州海軍兵1『敵艦隊、依然としてこちらに向かってきております!』
豪州海軍兵2『やはりSSMの効果は見られません』
豪州海軍司令官「そんなことは分かっている!」
豪州海軍兵1『敵艦隊は既に目視で確認でき―――』ガシャァァァン!!!
豪州海軍兵3『駆逐艦ホバートとの通信が途絶!』
豪州海軍兵2『深海棲艦の有効射撃圏内に入っています!』
豪州海軍司令官「敵が速すぎる……、現時点の被害は!?」
豪州海軍兵4『哨戒艇ブルーム、メアリーバラ、駆逐艦ホバートの3隻が撃沈、空軍のFA-18が6機撃墜されています……』
豪州海軍司令官「我々は1隻も沈めることができないのか……」
豪州海軍兵4『新日本海軍の提供資料から調べた結果、敵は戦艦ル級が1、重巡リ級が2、駆逐イ級が3と判明』
豪州海軍司令官「そんな情報が分かったからといって……」
豪州海軍兵2『このままだと全滅します!』
豪州海軍司令官「新日本海軍から提供される対深海棲艦ミサイルはまだなのか!?」
豪州海軍兵3『それはまだ輸送途中です、それに現時点では駆逐イ級を沈めるほどしか能力がないと聞いています』
豪州海軍司令官「くそ!」
バシャァァァン!! バシャァァァン!!
豪州海軍兵2『駆逐艦ブリスベーンに至近弾!』
豪州海軍司令官「やはり深海棲艦には勝てないのか……」
豪州海軍兵2『駆逐艦ブリスベーンの機関が停止! もうだめです!』
バゴォォォン…… バゴォォォン……
豪州海軍兵3『し、深海棲艦リ級とイ級の撃沈を確認!!』
豪州海軍司令官「なんだと!? どこからの攻撃だ!」
豪州海軍兵5『新日本海軍より通信要請です』
豪州海軍司令官『日本海軍だと!? ……回してくれ』
豪州海軍兵5『通信を許可します』
豪州海軍司令官「こち――」
陽乃『こちらは新日本海軍第一艦隊旗艦、戦艦長門――』
―――
――
―
-2週間後-
-新日本海軍呉鎮守府-
八幡「もう無理だ」
叢雲「さっさとやりなさい」
八幡「こっちは朝の7時から書類整理だぞ」
叢雲「まだ2時間しか経ってないじゃない」
八幡「2時間もだろ……」
コンコンコン
八幡「おう」
雪乃「これ、今月の資材消費量を調べてまとめといたから目を通しておきなさい」ドサッ
八幡「……勘弁してくれ」
叢雲「秘書官、これの資料だけどこれであってる?」
雪乃「ええ」
八幡「休憩いいですか?」
雪乃・叢雲「だめよ」
八幡「俺はお前らより目上の人なんだが……」
雪乃「階級から見ればそうかもしれないわね、でも人間的に見ればあなたは私よりも下だと思うのだけれど」コテッ
八幡(可愛いから首を傾げないでください、それにその白い制服がとても似合っております)
八幡「ブラックすぎる……」
叢雲「口よりも手を動かしなさいよ」
八幡「はぁ……、雪ノ下、今日の予定はなにかあるか?」カキカキ
雪ノ下「午後にリンガ泊地から輸送船を護衛してきた軽巡1人と駆逐艦5人が補給と休息のために停泊するわ」
八幡「リンガ泊地……」
叢雲「インドネシア領でスマトラ島の東に位置するわ」
八幡「し、知ってたし」
八幡(そしてリンガ泊地があるリンガ諸島のリンガの由来は男性器という意味もな、健全な男子だからこのような知識があってもおかしくはない)
雪乃「……姉さ、雪ノ下司令官の第一艦隊が南洋諸島攻略作戦兼豪州輸送作戦から帰ってくるわ」
八幡「働きすぎだろあの人……、この軍の主力部隊なのに」
雪乃「戦力温存のためにじっとしていられるような人ではないわね」
八幡「ご苦労さまだな……」
叢雲「書類整理しなさいよ」
八幡「……」
雪乃「私も手伝うわよ」カチャッ
八幡「ちょっとだけでいいから休憩くれないか」
叢雲「……15分だけ、あげていいんじゃない?」
雪乃「そうね、紅茶を用意するわ」
八幡「大丈夫だ、散歩がてら自販機でマッカン買ってくる」
-第一格納庫-
八幡「やはり自販機にマッカンがあるのは素晴らしい」ズズズ
八幡「はぁー」
八幡(いつ死ぬか分からず、千葉から広島まで飛ばされてモクモクと書類整理する俺にリスペクト)
八幡「……ふぅ」
結衣「ヒッキーじゃん」
八幡「うおっ!? びっくりさせんなよ」
結衣「ごめんごめん」
八幡「……なんか作業服が似合うなお前」
結衣「え!? エヘヘ……」テレッ
八幡(作業服を着て、頬に汚れを付けているだけなのに何故か来るものがあるな)
夕張「結衣さーん!」
結衣「はーい!」
夕張「あれ、提督、何しているんですか?」
八幡「休憩」
夕張「雪乃さんに怒られますよ?」
八幡「怒られねぇよ」
整備妖精1「整備長ー!」
結衣「待ってて! じゃあね、ヒッキー」タタタッ
八幡「おう」
夕張「どうしたの?」
八幡「今は何をしているんだ?」
夕張「あぁ、新たに開発した艦上爆撃機の彗星の整備講習会ですよー」
八幡「へぇ……」
夕張「結構難しいですよ、今までは空冷エンジンでしたからね、水冷エンジンは初めてで戸惑う整備妖精さんも多くいますよ」
八幡「由比ヶ浜はできんの?」
夕張「それが意外や意外、完璧にできちゃうんですよ……」
八幡「それは意外すぎるな……(ただのアホな子じゃなかったのか……)」
八幡「んじゃ、行くな」
夕張「お疲れ様ですー」
本日はここまでです
八幡「艦娘?」 叢雲「うるさいわね」
八幡「艦娘?」 叢雲「うるさいわね」 - SSまとめ速報
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こちらの残りのレスには小話的なものも書いていきますのでよろしくお願いします><
少しながら投下していきます
たくさん書き込みがあってびっくりしました(´・ω・`)
様々な意見がありますが、多くの人が見てくれて感激です
―――
――
―
-堤防-
島風「おっそーい!」
白露「あたしが一番なんだから!」
卯月「卯月も負けないぴょん!」
タタタタッ
八幡「……賑やかになったな」
鈴谷「そーだね」
八幡「うお!? 居たのかよ」
鈴谷「にししっ、びっくりしたでしょ」
八幡「何の用だよ」
鈴谷「別にー、鈴谷、今日は暇なんです」
八幡「俺は毎日が忙しいけどな」
鈴谷「……」ニコニコ
八幡「なんだよ、熊野と遊んでればいいだろ……」
鈴谷「熊野は沖で哨戒任務でーす」
鈴谷「いじけるなー」ツイツイ
八幡「んなことねぇよ」ズズズ……
鈴谷「毎日、ゆきのんと叢雲ちゃんに怒られてるもんね」
八幡「ゆきのんって……」
鈴谷「別にいいじゃんー」
八幡「まぁ……、あいつも災難だったな」
鈴谷「お姉さんだっけ? その人に義務だーっとか言われて入れられたんでしょ?」
八幡「あぁ、絶対にあの人は面白半分でここに入れてきたのだろうけどな」
鈴谷「そうかなぁ」
八幡「ん? そうかなって何が?」
鈴谷「姉ってのは妹を守りたいものなんだよね」
八幡「だったらこんな所に入れてないだろ……」
鈴谷「ここ(呉鎮)ってさ、敵がなかなか接近できないじゃん?」
八幡「地形的に近づけられないだろ、それに哨戒中の艦娘に見つかるしな」
鈴谷「うん、それにここには艦娘もいる」
鈴谷「なにより、提督がいるじゃん」ニコッ
八幡「……考えすぎだろ」
八幡「それに雪ノ下は守ってもらわなくても賢く生きていけるだろ」
鈴谷「そうかな」
八幡「……もう時間だな、んじゃ、戻るわ」
鈴谷「お仕事、ご苦労様です!」ビシッ
八幡「ん……」スッ
島風「提督ぅーー!」ビュッ
八幡「あ?」ゴスッ!
八幡「うごぉ!?」ドシャンッ
鈴谷「提督ー!」
――
―
八幡「……戻ったぞ」
雪乃「5分遅刻よ」
叢雲「早くやりなさいよ」
八幡(意外と仲いいよなこいつら)
八幡「ふぅ……」ギシッ
叢雲「これ、新たに開発した装備の資料よ」スッ
八幡「おう」ペラッ
八幡(……)カキカキ
雪乃「……」カキカキ
叢雲「……」カキカキ
雪乃「……由比ヶ浜さんはどんな様子だったのかしら?」
八幡「あ?」
雪乃「格納庫にもどうせ行ったのでしょう?」
八幡「ん、まぁ、元気にやってたな」
雪乃「由比ヶ浜さんが来た時は驚いたわね」
八幡「いきなりここに乗り込んできて「ここで働く!」って騒いだからな」
叢雲「それを見ていた妖精さんたちがあの娘を気に入ったのよね」
八幡「案の定、それを本部に連絡したら了承の二文字、マジで緩すぎだろ」
雪乃「艦娘との相性がいい人は数少ない、それに鎮守府に勤務する人間の数を多くしたいってのもあるでしょうね」
八幡「そうだな」
雪乃「姉さんは優秀だから司令官としての能力も遥かに高い、それも本部は危惧したのでしょう」
八幡「つまりどういうことだよ」
雪乃「私は姉さんの人質ってことよ、そして由比ヶ浜さんは私の人質ってことじゃないかしら、姉さん自身は面白いから私をここに入れたのでしょうけど」
八幡「……そうか」
八幡(人質が同じ場所に集まって大丈夫なのか、いつでも監視ができるってことなのか?)
雪乃「他にも理由はあるでしょうね」
叢雲「あの娘、一生懸命やってるじゃない」
八幡「まぁ……」
雪乃「でも、一番驚いたのは―――」
トントントン
八幡「いいぞ」
ヲ級「天山の資料ができたゾ」
瑞鶴「疲れたー」
八幡「どれどれ……」
叢雲「もう、貸してみなさいよ」スッ
八幡「……くっ」スッ
叢雲「流石、九七式艦攻の上位互換ね……」
雪乃「整備の方にも回しておくわ」カタカタ
ヲ級「ふぅ……、私は疲れタ」スッ
八幡「……いや、なんでナチュラルに俺の膝に座ってんだよ」
ヲ級「だめなのカ?」ウルッ
八幡(あざとい! 一瞬、ドキッとしてしまっただろ!)
ヲ級「ふぅ……」
雪乃「比企谷くん、だらしない顔になっているのだけれど」
八幡「気のせいだ」
叢雲「まったく……」
八幡「おい、ヲ級」
ヲ級「……」ツーン
八幡「……あの」
瑞鶴「提督さん、前に名前を決めたじゃない」
八幡「凰穹(おうきゅう)さん……」
ヲ級→凰穹
凰穹「なんだ」
叢雲(ヲ級から捩って凰穹ってのは安易過ぎると思うわ……)
八幡「午後に泊地から艦娘が補給のためにここに来るから注意してくれよ」
凰穹「自室待機スル」
八幡「いや、そこまでしなくてもいいが」
瑞鶴「帽子の艤装も消してるし、服装も髪型も変えているから大丈夫だと思うけど」
叢雲「艦娘はどんどん新しく発見されているってこともあるし」
雪乃「そうね、ドイツの方でも艦娘らしきものが現れたっていう情報を聞いたわね」
瑞鶴「フレンドリーにお話しよっか」
八幡「流石にまずいだろ」
叢雲「普通に勤務させている時点でまずいでしょ」
八幡「今更だろ」
凰穹「今更ダナ」
叢雲「開き直ってんじゃないわよ……」
―――
――
―
八幡「……疲れた」
叢雲「昼休憩までもう少しよ」
雪乃「私は食堂の方を手伝ってくるわ」
叢雲「お願い」
八幡「ん」
八幡「……もうすぐ、夏だな」
叢雲「そうね」カキカキ
トントントン
八幡「おう」
不知火「失礼します」
八幡「なんだ?」
不知火「凰穹さんからの情報などを元に深海棲艦を分析した資料です」スッ
八幡「おぅ」スッ
不知火「やはり、詳しいことはあまり分かりませんね」
八幡「……艦娘と類似する点が多いぐらいか」
叢雲「私たちのように妖精さんがいないこともあるわね」
八幡「そうだな、射撃や艦載機の操作も自分でやるらしいな」
不知火「その点で言えば、負担がかかる艦娘よりも優れていると思います」
八幡(船体の破損等の修理方法は不明か……)
八幡「確か、オーストラリアに渡された対深海棲艦ミサイルってのはどのぐらいの効果があるんだ?」
叢雲「ちゃんと資料を読みなさいよ……」
不知火「あれは人間が開発したものではないですからね」
叢雲「そう、妖精さんが作った爆薬と部品を強引にミサイルに付けただけのものよ」
叢雲「相性は最悪、本来の威力の三割も出してないし、不発の場合もあるらしいわ」
不知火「敵の駆逐艦を1隻なんとか沈めれる威力だと聞きましたね」
八幡「それでも結構なものだと思うが」
叢雲「妖精さんが作るから大量生産には全く向いてないわよ」
トントントン
叢雲「いいわよ」
八幡(叢雲さん、俺の唯一の仕事を取らないでください)
榛名「みなさん、昼食の準備は出来ていますので、手が空いたらお越し下さい」ニコッ
不知火「行きますか」
叢雲「そうね、ほら、あんたも」
八幡「ん……」
八幡(小学校じゃないのになぜみんなで食べるのか)
―――
――
―
-裏庭-
八幡(さて、昼食のあとは俺のベストプレイスへ)
望月「zzz……」
初雪「zzz……」
八幡「なんだと……」
八幡(昨日の夜の哨戒任務はこいつらだったな……)
八幡「はぁ……」ゴクゴク
八幡「……疲れた」ウトウト
―――
――
―
-船着場-
雪乃「長期の護衛任務、ご苦労様です」スッ
五十鈴「出迎えを感謝致します」スッ
朝潮「ここの司令官は男性とお聞きしたのですが」
不知火「そうですよ」
叢雲「まったく、どこに行ったのよあいつ……」
夕張「皆さんの船はこちらで責任をもって補給整備等をしておきます!」
結衣「その間はゆっくり休んでね」
大潮「ここの鎮守府は広いですねー!」
荒潮「そうねぇ」
満潮「騒々しいわよ」
不知火「鎮守府内の案内をしますので、ついてきてください」
五十鈴「お願いするわ」
大潮「のびのびしていいところですねー」
川内「待てー!」
島風「誰も追いつけないよー!」
卯月「つ、疲れたぴょん……」
白露「あたしも~……」
叢雲「騒々しいだけよ……」
朝潮「そ、そんなことはありません!」
荒潮「随分と自販機が多いのねぇ」
大潮「こっちにはないのにぃ……」
朝潮「それにしてもこの茶色のジュース?がたくさんあるのですね」
叢雲「ここの司令官の方針よ……」
五十鈴「凄いわね」
不知火「司令が好きな飲み物なんです、ここに設置されている飲み物はボタンを押せば無料で出てきますよ」
大潮「いいな~」
叢雲「よかったらどうぞ」
大潮「おぉ!」
荒潮「これにしようかしらぁ」ピッ
朝潮「私はお茶で」ピッ
五十鈴「お言葉に甘えて」ピッ
満潮「……」
荒潮「はい」スッ
満潮「い、いらないわよ」
荒潮「そんなこと言わないでぇ」ポイッ
満潮「投げるんじゃないわよ!」パシッ
荒潮「うふふ」
本日はこれで終了です
それでは投下します
―――
――
―
-裏庭-
八幡「Zzz……」
川内「待てー!」
島風「へっへーん!」ビュッ
卯月「ヘトヘトだぴょん……」
白露「そろそろ休みたいかもー……」
島風「こっちだよー」 ギュムッ
八幡「うごぉ!?」
島風「あっ、提督」
八幡「お、おまえ……、普通に踏んだだろ……」
島風「ごめんね、提督……」
八幡「いや、大丈夫だ……」
川内「気を付けないとね」
望月「んん……、うるさいなぁ……」ゴシゴシ
八幡「あれ? お前らって今日の夜間哨戒じゃねぇの?」
川内「うん、そうだよ」
八幡「寝てなくていいのかよ」
川内「いやぁー、夜まで待てなくてね!」
八幡「大丈夫なのかよ」
川内「大丈夫だよ、夜間勤務専門なんだから!」
八幡「理由になってねぇよ……」
白露「あれー提督、お仕事の方はいいのー?」
八幡「えっ」
卯月「?」
八幡「時計、携帯……、置いてきたわ……」
初雪「zzz……」
望月「んー……、腕時計……」スッ
八幡「おぅ……、14時……」スッ
八幡「……嘘だろ」
卯月「本当でーす!」
八幡「今日、ここにくる船団護衛してた艦隊は……」
島風「あぁ、1時間ぐらい前に見たよ?」
八幡「……やっちまった」
島風「急いでいかないと!」ギュッ
八幡「お、おい!?」
島風「いきまーす!」ビュッ
川内「えっ、ちょっと!」
八幡「うぉぉぉぉぃぃ……」
神通「あれって提督ですよね……?」
-娯楽室-
不知火「こちらの方もご自由に使ってもらってもいいです」
大潮「おぉ~」
荒潮「ここの鎮守府が羨ましいわぁ」
不知火「司令の趣味なので」
満潮「緊張感がないわね」
叢雲「そうね、でも、リラックスも大事だと思うわよ」
五十鈴「そろそろ、こちらの司令官に挨拶をしたいのだけど」
叢雲「えっと……」
不知火「すみ――」ガチャン!!!
島風「1名様ご案内でーす!」ブオン
ガシャアアアアアン!!!
八幡「 」
叢雲「 」
不知火「 」
朝潮「うぅ……、な、なんですか今のは……」
八幡「 」
朝潮「えっ……、えっえっ!?」
八幡「 」
朝潮「な、なななな! なんで男性の方が上に!!!!」
八幡「いや、落ちつ―――」
朝潮「きゃあああああ!!!」パシーン
―――
――
―
朝潮「も、申し訳ございません! 上官に対してこのような事を!」
八幡「い、いや……」
朝潮「この朝潮、どのような罰でも受けます!」
叢雲「いいのよ、こいつが悪いんだから」
朝潮「ですが……」
八幡「ん……ゴホン、この事は水に流してゆっくりと英気を養ってくれ」
叢雲「似合わないわよ」
八幡「う、うるせぇ」
叢雲「そういうことよ、あなたは客人なんだから」
朝潮「りょ、了解しました……」
不知火「それでは今日、泊まっていただくお部屋を案内させてもらいます」
朝潮「ありがとうございます」
バタン
八幡「ふぅ……」
雪乃「それで、比企谷君」
八幡「 」ビクッ
雪乃「こんな時間まで何をしていたのかしら?」ニコッ
叢雲「私も気になるわね」
―――
――
―
-夜-
金剛・結衣『それでは歓迎会を始め「るデース!」「まーす!」』パンパン
鳳翔「お料理の方もどんどん食べてくださいね」
五十鈴「補給に寄っただけなのに随分ともてなしてくれるのね」
夕張「こういう楽しみの1個ぐらい作らないとやっていけませんよ!」
榛名「飲み物の方をお注ぎしますよ」
八幡「お、おう」
叢雲「お茶でいいかしら?」
雪乃「ええ」
朝潮「ありがとうございます」
荒潮「ここに居る方々で全員なんです?」
鈴谷「任務で出ている子以外ね」
熊野「川内さん、神通さん、えっと……」
鈴谷「島風ちゃん、不知火ちゃん、卯月ちゃん、白露ちゃん、望月ちゃん、初雪ちゃんは夜間哨戒だよ」
大潮「昼に会いましたよー」
満潮「夜間哨戒なのに昼間に起きていて大丈夫なの?」
翔鶴「緊急時以外は妖精さんがやってくれるので、その間に休息を取っているんです」
五十鈴「なるほどね」
朝潮「それはいい考えですね」
満潮「ちょっと甘いんじゃないの?」
曙「なによ」
満潮「なに?」
曙「文句でもあるの?」
夕張「曙ちゃん、落ち着いてー!」
朝潮「こら、満潮!」
瑞鶴「賑やかでいいね、提督さん」
八幡「よくねぇよ」
瑞鶴「またまた、そんなこと言って」
那珂「那珂ちゃん、歌いまーす!!」
夕張「待ってました!」
凰穹「うまいうまい……」モグモグ
大潮(この人、誰なんでしょー……)
―――
――
―
-執務室-
八幡「疲れた……」
叢雲「そうね」
叢雲「明日にはすべての艦船のメンテナンスが完了するわ」
八幡「そうか」カキカキ
叢雲「それと本部からの伝達で、先月の深海棲艦による日本への艦砲射撃および航空攻撃は報告されていないわ」
八幡「これで4ヶ月連続か?」
叢雲「えぇ、あとは哨戒時の深海棲艦発見の報告は6件、戦闘は報告されていないわ」
叢雲「2月に共同で日本近海の深海棲艦の艦隊を掃討してからあまり深海棲艦が見られなくなったわね」
八幡「深海棲艦もそれだけ俺らに警戒しているんだろ」
叢雲「そうね」
八幡「日本近海に警戒を持たせるために深海棲艦同士のコミュニティーはあるみたいだな」
叢雲「凰穹も言っていたわね」
コンコンコン
雪乃「失礼するわ」
叢雲「えぇ」
雪乃「来月の補給物資なのだけれど、今月よりも2割ほど物資が増えるようね」バサッ
八幡「なんでだ?」
雪乃「各国からの支援物資が増えたからよ」
叢雲「そうなの」
雪乃「この半月で東アジアの貿易航路をほぼ完全に安定させることに成功したのが大きいわ」
八幡「虫がいい奴らだな……」
雪乃「外交なんてものはそんなものよ」
叢雲「それで今は東南アジアと豪州からの貿易航路の安定ってわけね」
八幡「……急ぎすぎている気もするが」
叢雲「その気持ちは分かるけど、そうしないとこっちも危ないのよ」
雪乃「既にJNBAを締結している国は既に20カ国を超えてるわ」
結衣「JNBA?」
八幡「うお!? 居たのかよ」
結衣「3人とも真剣に話してるんだもん、それで、JNBAってなんだっけ?」エヘヘ
雪乃「JNBA、日本海軍停泊協定よ」
結衣「???」
八幡「要するに、深海棲艦から貨物船を守るから、その代わりにお前たちの国で補給させてくれーってやつだ」
結衣「それを結んだらどんな感じでいいの?」
八幡「補給をやらせてくれるから優先的にその協定を結んだ国の船を守るってやつだ、まぁ、一種の賄賂だ……」
叢雲「ひどい言い草ね……」
結衣「ふーん?」
八幡(絶対、理解してないだろ)
結衣「んー? だったらその国に艦娘ちゃん達がずっと泊まっとけばよくない?」
八幡「それはまた別の条約になるんだが……」
雪乃「他の国の軍隊を駐屯させるってことはそれだけ様々な問題を生むのよ」
八幡「自国を守る能力がない国が艦娘の駐屯、泊地設置を許可してんだよ」
叢雲「今度開設予定のパラオがそうね、あれは貿易航路をさらに安定させるために設置するようなものだけど」
結衣「?????」
八幡「すまん、由比ヶ浜、お前には随分と難しい話だったようだ……」
結衣「ば、馬鹿にするなし!」
本日はここまでです
少しですが投下していきます
結衣「でも、みんな艦娘のことを歓迎してくれるならいいじゃん」
叢雲「表立って批判をしてくる国は少ないわね」
雪乃「そうね、一部では艦娘のことを東洋の戦乙女、神の使いと言っている地域もあるわ」
八幡「随分と壮大だな……」
雪乃「中には軍国主義の再来、極東の魔女だと批判的な意見も見受けられるわね」
八幡「魔女かよ」
叢雲「確かに表面上はほとんどの他国との関係は良好ね……」
結衣「仲が悪いところもあるの?」
八幡「表では見せてないけどな」
結衣「中国とか?」
雪乃「あの国は深海棲艦の登場によって、経済が急激に低迷、今は一部地域を除いては内乱状態よ」
結衣「あぁ、そっか」
叢雲「一番、関係が悪化しているのは米国でしょうね」
雪乃「えぇ、深海棲艦によって海上戦力の大半を喪失、それからはアジア地域から無理に撤退して影響力が低下しているわね」
八幡「ほとんど皆無だろ、世界最強の軍隊でも深海棲艦には無力だったからな」
雪乃「逆に日本の影響力が増大、内戦状態の中国や国力が低下した他国は口を出さない」
叢雲「お仲間の欧州は深海棲艦からの攻撃、資源を求め合う大国同士の軋轢、平等を元に批判し合う欧州諸国で緊張状態が続いてそれどころではないのよ」
結衣「うぅ~ん?」
八幡「これ以上は由比ヶ浜が限界だぞ」
雪乃「そうね」
結衣「うーん?」
―――
――
―
-娯楽室-
曙「ちょっと、そこは私の特等席なんだけど!」
満潮「そんなの知らないわよ」
曙「ぐぬぬ……」
夕張「まあまあ!」
不知火「随分と熱心ですね」
朝潮「いえいえ! 様々な資料の方をわざわざ見せていただき、ありがとうございます!」
不知火「いえ、それで何を見ているのですか?」
朝潮「この鎮守府の今までの任務とその詳細です」
不知火「なるほど」
朝潮「任務の回数に対して艦船の被弾率が随分と少ないように思えますね」
不知火「司令は最低限の行動だけやる方なので、敵を無理に撃沈させるよりも撤退をさせるように考えているのです」
朝潮「随分と優しい方なのですね」
不知火「そうでしょうか」
修正です
曙「ちょっと、そこは私の特等席なんだけど!」
↓
曙「ちょっと、そこはあたしの特等席よ!」
朝潮「はいっ」
満潮「甘いだけじゃないの?」
曙「はぁ!?」
満潮「そうじゃない、その敵がまた戻ってくるかもしれないのに」
曙「クソ提督の悪口は許さないわよ!」
夕張「あらあらー(既に曙ちゃんが悪口言ってるよね)」
荒潮「ふふふ、随分と皆さんから信頼されているのですねぇ」
鈴谷「なんだかんだ言って、ちゃんと見てくれる人だからね」
大潮「ちょっと羨ましいかもー」
五十鈴「何言ってんのよ、私たちの提督も頑張ってくれてるじゃない」
満潮「私たちの司令官の方が凄いわよ!」
曙「あたしたちのクソ提督の方が上よ!」
満潮「あんたの司令官なんて置物司令官じゃない!」
曙「そっちの辺境にいるような提督よりはマシよ!」
榛名「微笑ましいですね」ニコニコ
鳳翔「はい、そうですね」ニコニコ
―――
――
―
-翌日-
-日曜日-
五十鈴「それでは出港するわ」
朝潮「補給や歓迎の方、ありがとうございました」
叢雲「いえ」
島風「また来てねー!」
大潮「はい!」
雪乃「安全な航海を」スッ
五十鈴「ありがとうございました」スッ
八幡「……」
叢雲「何か言いなさいよ」
八幡「……ま、また来いよ」
朝潮「はい」ニコッ
荒潮「あらあらぁ」
曙「怪我するんじゃないわよ」
満潮「言われなくても分かってるわよ!」
曙「心配してやってるのになによ!」
満潮「心配されなくても分かってるわよ!」プイッ
曙「ふん」プイッ
夕張「仲いいねぇ……」
―――
――
―
本日はここまでです
投下していきます
夕張「天山の開発を始めるね」
八幡「ん、頼んだ」
叢雲「これで艦載機は零戦52型、天山、彗星と揃ったわね」
八幡「横須賀鎮守府の装備に追いつくのがやっとだな……」
叢雲「攻略部隊と比べてどうすんのよ」
八幡「まぁ」カコッ
叢雲「また、マッカン?」
八幡「悪いかよ」
叢雲「別に」
八幡「……ほらよ」ポイッ
叢雲「ん」パシッ
八幡「飲めよ」ゴクゴク
叢雲「……ありがと」カコッ
八幡「今日は何かあるのか?」
叢雲「特に特別な予定は無いわね、あんたは午後から英語のお勉強よ」ゴクゴク
八幡「……ちきしょう」
叢雲「そんな、雪乃先生はどこいったのよ」
八幡「天山の火星発動機の試運転に立ち会ってる」
叢雲「あんたは行かなくていいの……」
八幡「俺が行ってもさっぱりだからな」スッ
叢雲「どこ行くの?」
八幡「造らせておいたものが完成した」
叢雲「?」
-呉鎮守府地下ドック-
叢雲「……い、いつの間にこんな施設」
八幡「ちょうど三ヶ月前からだ」
叢雲「こんな大規模なドックをよく地下に作れたわね……」
八幡「妖精さんの力を借りればこんなもんだろ……」
建設妖精1「おっす!」
八幡「あっ、お疲れ様です」
八幡「これ、差し入れの品です」スッ
叢雲(マッカンって……)
建造妖精1「わーい!」
建造妖精2「おー!」
叢雲「なんでこんな所作ったわけ? ドックなら足りてるじゃない」
凰穹「ヲッ!」
八幡「来たか」
叢雲「まさか」
八幡「ああ、ここでこいつの船を出したもらう」
叢雲「なるほどね」
八幡「上のドックで出してたら目撃されるからな、ここなら更に調べることもできる」
凰穹「どこに出せばいいのダ?」
八幡「そこの船台に乗せてくれ」
叢雲「艤装から船を展開する時にそこまでのコントロールはまだないわよ」
凰穹「単純に操舵時間は圧倒的に私の方が上ダ」
叢雲「……そうね」
凰穹「久しぶりダナ」スッ
カシュッ ドォォォォォォン!!!
叢雲「す、砂埃が」ゴホッ
八幡「げほっ!げほっ!」
凰穹「換気いそゲー」
建造妖精3「リョーカイ!」
ブォォォォォ……
建造妖精2「固定おっけー!」
叢雲「大きいわね」
八幡「全長は260m前後か?」
凰穹「270ダナ」
八幡「事前資料のヲ級より少し大きいな」
凰穹「私は一般的なヲ級とは少し違うからナ」
叢雲「一般的なヲ級の大きさは240前後だったかしら」
凰穹「あぁ」
八幡「艦載機の方は出せることができるか?」
凰穹「以前の半分ほどならナ」
八幡「それでいいから搭載してくれ」
凰穹「了解」
ズズズズ……
八幡「見た目はそこまで変わんねぇな」
叢雲「ただ、船にしても艦載機にしても黒っぽいわね」
凰穹「色をつけようと思えばつけれる」
八幡「この艦載機はどうやって自分で動かしているんだ?」
凰穹「感覚としか言えないナ」
八幡「思い通りに船の形を変えることはできるのか?」
凰穹「できると思うが、経験がナイ」
八幡「……難しいか?」
凰穹「手伝いがあればなんとか」
叢雲「あんた、何考えてるの?」
八幡「……いや、実戦投入はしねぇよ」
八幡「ごまかし程度に偽装しておくんだよ、もしもの時があるだろ」
叢雲「偽装ってどんな感じに偽装するのよ?」
八幡「ん」スッ
叢雲「なによこの資料」ペラッ
叢雲「……130号艦改、改大鳳型航空母艦の設計図?」
八幡「その形に改装してもらう」
叢雲「……でも、この空母は建造中止になったはずでしょ?」
八幡「艦娘のことはまだ分かっていることは少ない、見つかった時に原型よりも形を変えておいたほうが誤魔化しぐらいにはなるだろ」
叢雲「まあ、そうね……」
建造妖精1「じゃあ、やっておくよー」
八幡「あ、お願いします」
本日はここまでです
投下していきます><
-月曜日-
ジリリリリリリ!!!
八幡「……ぅ」
叢雲「起きなさい」ユサユサ
八幡「……ん」
叢雲「朝よ」
八幡「……何曜日だっけ?」
叢雲「月曜日よ」
八幡「げっ!? 学校!」
叢雲「あんたは行ってないでしょうが」
八幡「……そうだったな」
八幡(学校辞めても学業精神が身に付いてる俺にリスペクト☆)
叢雲「早くしなさいよ」
八幡「ん、他の奴らは?」
叢雲「秘書官と整備長は学校、他のメンバーはもう朝の勤務を始めてるわよ」
八幡「……あぁ」
叢雲「あんたも学校に行ってもいいわよ」
八幡「いかねぇよ」
叢雲「行きたくなったらいつでも好きな学校にぶち込んであげるわよ」
八幡「余計なお世話だ」バサッ
叢雲「そう」
八幡「……」
叢雲「……」
八幡「いや、着替えるから出てけよ」
-廊下-
榛名「提督、おはようございます!」
金剛「今日も一日、頑張りマース!」
八幡「ん」
金剛「いつでも呼んでくれればティータイムをやりますネー!」
八幡「仕事してください」
叢雲「……あんたもよ」
―――
――
―
-執務室-
叢雲「はい」ドサッ
八幡「うわぁ……」
叢雲「さっさと処理しなさいよ」カキカキ
叢雲「午後からは予定通り、天山の運用試験よ」
八幡「俺も立ち会わないといけないのか?」
叢雲「当たり前よ……」
叢雲「運用試験の空母は翔鶴、周辺の護衛は神通、曙、私よ」
八幡「……りょーかい」カキカキ
トントントン
叢雲「どうぞ」
不知火「失礼します」
不知火「司令、本部から連絡が」スッ
八幡(うわぁ……)
叢雲「あからさまに嫌な顔しないで頂戴」
八幡「し、してねぇし」ペラッ
八幡「……」ペラッ
叢雲「なんて?」
八幡「うわ……」スッ
不知火「?」
叢雲「?」ズイッ
叢雲「パラオ泊地開港祝賀観艦式? 場所は相模湾……」
不知火「随分と急ですね」
八幡「今の状況と妖精さんの建設能力があれば可能だろうな……」
八幡「なんで俺も出席しないといけねぇんだよ……」
叢雲「あたり前でしょ」
八幡「今まではなかっただろ……」
叢雲「確かにそうね、ある程度は周辺海域を安定させたから余裕が出来たと考えるのが普通ね」
八幡「問題はここだろ」
不知火「呉鎮守府から6隻の艦艇派遣、ですね」
八幡「外部の人間、一般市民やマスコミも来るって書いてあるな」
叢雲「わざわざ、日本の防衛を緩めてまでやることかしら」
不知火「そうですね」
八幡「アピールってやつだな」
叢雲「くだらないことをするわね」
不知火「まだ、一ヶ月以上は時間があるので慌てることでもないでしょう」
八幡(雪ノ下に任せよう、うん、それがいい)
叢雲「あんたが処理しなさいよ」
八幡「な、なんだよ急に」
不知火「司令、目が泳いでます」
―――
――
―
八幡「……暑い」カキカキ
叢雲「……そうね」カキカキ ペラッ
叢雲「これ、昨日の資材消費量」スッ
八幡「ん」
叢雲「……もう七月ね」カキカキ
八幡「そうだな」
叢雲「……」
八幡「……」ペタン ペタン
叢雲「……」カタカタカタッ
ブーブーブー
八幡「うおっ!」
叢雲「バイブ音で驚いてんじゃないわよ」
八幡「うるせぇ」スッ
夕張『哨戒任務なう』
八幡(うぜぇ……)
ブーブー
八幡「?」
鈴谷『ヒトデなう』
八幡(だからなんだよ……)
ブーブーブー
八幡「?」
瑞鶴『暇』
八幡(仕事しろ、仕事!)
ブーブーブー
八幡(またかよ)
結衣『お勤めご苦労様です(。・ ω<)ゞ 帰りにケーキ買って帰りたいけどヒッキーはモンブランかチーズケーキどっちがいいかな?(´・ω・`)』
八幡(知らねぇよ、てか二択なんですかね、微妙過ぎやしませんか?)
八幡(えっと……『しらねぇよ ショートケーキ頼む』っと……)
叢雲「勤務中にメールしないでほしいわね……」スッ
八幡「あぁ……」
ブーブーブー
八幡(……)
初雪『睡眠なう』
八幡(寝てないだろ)
―――
――
―
バンッ!!
金剛「テイトクぅーー!! 手伝いに来たデース!」
八幡「ノックしろ、ノック」
榛名「すみません」ペコッ
叢雲「手伝い?」
金剛「Yes! だって私たち仕事がないネー!」
叢雲「あぁ、確かにそうね……」
八幡「哨戒任務を毎日、たまに船団護衛だとな……」
叢雲「燃費や必要性を考えると、どうしても戦艦が手持無沙汰になるわね」
金剛「うぅ……」
榛名「榛名は必要が無い子なのでしょうか……」
八幡「んなことねぇよ、有事の際や海域攻略はお前らがいないとやっていけねぇよ」
叢雲「そういうことよ……、でも、ここでの仕事がほとんどないのよね……」
不知火「そういうことでしたら戦艦の仕事を今、決めるというのはどうでしょうか?」
八幡「うお!? 居たのかよ」
不知火「何か落ち度でも?」
八幡「な、ないです」
叢雲「そうね、息抜きのついでに決めようかしらね」
榛名「榛名の存在価値は息抜き程度なのですね……」
叢雲「じょ、冗談よ! 言葉の綾よ!言葉の綾!」
不知火「さて、それではお題を……」キュッ
八幡(いつの間にホワイトボードを……)
叢雲(妙に張り切るわね、こういう時にこの子)
『金剛さん、榛名さんのお仕事探し』
八幡「ニートかよ」
榛名「……」グスッ
八幡「じょ、冗談です」
不知火「さて、まずは戦艦の特徴から……」
叢雲「巨大な船体に強大な火力、それに堅牢な防御力ね」
不知火「そうですね、逆にデメリットでは燃費の悪さ、多くの戦艦は速力の低さがありますね」
不知火「金剛さんたちは高速性は他の戦艦と比べたら高いので問題はないですね」
金剛「褒めないでくだサーイ、照れるじゃないですネー!」
不知火「その反面、防御や耐久性は少々、劣りますが」
金剛「oh……」
叢雲「とは言っても、ある程度は周辺海域は安定しているから戦艦の使い道があまりないのよね」
八幡「性能うんぬんじゃなくて、ほかに戦艦だからできることとかねぇのかよ……」
叢雲「工廠の方は妖精さんたちで十分だし……、食堂の方は鳳翔が毎日、張り切って作ってくれてるわね」
不知火「事務も十分ですね」
不知火「……そうですね、後はその戦艦特有の無駄な脂肪を使い、司令n」バシッ
叢雲「ちょっと、何を言ってるのかしら!?」ガシッ
不知火「っ! っ!」
八幡(ゴクリンコ)
榛名「やはり、榛名にはお仕事がないのでしょうか……」
金剛「悲しいネー……」
ブーブーブー
八幡「?」
那珂『船の上でライブだよー!』写真添付
八幡(仕事しなさい!)
八幡(……アイドル)
八幡「もう一個、戦艦の特徴があるじゃねぇか」
不知火「なんでしょうか?」
八幡「他の艦と比べたら知名度が高いことだろ」
叢雲「確かにそうね、でも、それだけだと……」
八幡「新日本海軍の印象をよくするために、近所をゴミ拾いするとか挨拶していくとかでいいんじゃね?」
金剛「それは面白そうデース!」
榛名「そうですね!」
八幡(艦娘のファンって奴らは結構いるしな……)
八幡(ん? 軍艦好きの奴らや艦娘ファンたちを招待して見学ツアーとか開けば……、めっちゃ稼げる?)ニヤッ
叢雲「あんた……、また何か考えてない?」
八幡「か、考えてないですよ」
不知火「本部の方に許可は取らなくていいでしょうか?」
八幡「それは大丈夫だ、新日本海軍の好印象のための広報活動は許可されている」
叢雲「そうなのね……」
八幡「流石に金の流れが発生したりや勤務に支障が出たり、機密事項に関わることは罰則対象だけどな」
金剛「早速、行ってくるデース!」
榛名「えっ」
叢雲「待ちなさい、もう少し人数を増やして行くわよ」
不知火「午後からですね」
叢雲「そうね、私とあんた、それと翔鶴、神通、曙は午後からは天山の運用試験だからいけないけどね」
八幡「うわぁ……」
叢雲「なに?」
八幡「なんでもないっす」
叢雲「この事は三人が何人か暇をしている艦娘を連れて2時間から3時間ぐらいやってくるといいわ」
不知火「そうですね」
金剛「了解デース!」
榛名「榛名、頑張ります!」
本日はここまでです
遅くなりましたが投下していきます><
-昼-
-徳島沖-
翔鶴「やはり、小型の空母には補助推力装置を使用しないと不安ですね……」
叢雲『そうね、でも、なかなかの性能じゃない』
翔鶴「そうですね」
叢雲『RATOの生産を妖精さんに頼まないとね』
翔鶴「大型空母だけでの運用だけでしたら、そこまで急ぐ必要はないかと……」
八幡(RATOってなんだよ)
叢雲「妖精さんのおかげで機体を縮小させてスムーズに運用できるのがせめてもの救いね」
神通『周囲に異常なしです』
曙『こっちもよ、置物提督』
八幡「置物提督、了解した」
叢雲『あんた……』
-呉鎮守府正面-
金剛「皆さん、コンニチワー!」
榛名「初めまして」ニコニコ
鈴谷「おぉ~! 人がたくさんいるじゃーん!」
島風「走り回っていいかな!」
川内「駄目だよー」
鈴谷「周りに気をつけてね、ゴミ拾いながらなら走っていいよ」スッ
島風「了解しました!」
不知火「ウロチョロしないでください」
主婦1「あらやだ、可愛い子たちね!」
主婦2「そうねぇ~」
主婦3「ゴミ拾い、ありがとねぇ」
榛名「いえ」ニコッ
漁師1「女の子たち! これ、貰っていってよ!」
漁師2「これもだ!」スッ
鈴谷「おぉー! ありがとうございまーす!!」
男1「しゃ、写真一緒にいいですか?」
金剛「OKデース!」
男1「あ、ありがとうございます!」
男2「ぼ、僕もいいですか!」
川内「いいよー!」
少年1「待てー!」
少年2「追いつかない!」
島風「ふっふーん!」
不知火(騒がしい……)
ザワザワ ガヤガヤ
女の子「おねえちゃん!」
不知火「……な、なんでしょうか」
女の子「飴あげる!」スッ
不知火「あ、あ……」
不知火「ありがとうございます」ニコッ
-徳島沖-
ウウウウウウウ!!
翔鶴「敵深海棲艦の詳細を!」
索敵妖精『敵深海棲艦、東に向けて巡航中、構成は戦艦1、空母2、軽巡3、駆逐3!!』
叢雲『どうする?』
八幡「こっちに向かってくる様子はないな」
曙『今の戦力だと、どっちにしろ不安よ』
八幡「そうだな……、この距離だと追いつくのも難しいな」
翔鶴「進路方向で哨戒中の艦娘に監視の方をお願いしておきます」
叢雲『横須賀鎮守府の方にも連絡を入れておくわ』
翔鶴「帰投しますか?」
八幡「……あぁ」
叢雲(あいつらの進行方向……)バサッ
-夕方-
鈴谷「提督、おかえり~」
八幡「おう」
叢雲「そっちはどうだったの?」
金剛「楽しかったデース!」
榛名「皆さんと仲良くなれました」ニコッ
島風「お魚とかお野菜とかいっぱいもらいました!」
不知火「鳳翔さんがもらった食材で調理してくれるそうです」
川内「よーし、これからの夜間哨戒頑張るぞー」
結衣「ただいまーみんな~!」
鈴谷「おっかえりー!」
島風「それなんですかー?」
結衣「ケーキだよ!」
金剛「cake!!」
結衣「みんなの分も買ってきてるよー」
榛名「ありがとうございます!」
雪乃「問題はなかったかしら?」
叢雲「徳島沖で天山の運用試験中に深海棲艦を発見したわ、ほかの艦娘と監視を継続させたけど特に何もせずに日本を離れたわ」
雪乃「……そう」
‐夜‐
八幡「そろそろ寝るか……」バサッ
叢雲「おつかれ」コトッ
八幡「?」
叢雲「……ホットミルクよ」
八幡「お、おう……、ありがとな」ズズズ
叢雲「……」ゴクゴク
八幡「……(え、なにこの空気)」
‐自室‐
八幡(5時間は寝れるな……)
八幡(このブラック鎮守府め……)
八幡(……)バサッ
凰穹「おかえり、ダーリン」
八幡「」
凰穹「さあ、いつでも来ていいゾ」スッ
八幡「 」ゴクリ
凰穹「ほれ、ハヨハヨ」
八幡「……い、いいです」プイッ
凰穹「私から飛びつくゾ」
八幡(冷静になるんだ、比企谷八幡……、これは巧妙な罠だな、ハニートラップってやつだ……)
凰穹「オイデ」
八幡(いやいや、別にあそこに行きたいとか思ってませんよ? えぇ、微塵たりとも)
凰穹「ホレホレー」
八幡(素数だ、素数、0246……これは偶数じゃねぇか)
凰穹「ホレホレー」サッ
バンッ
八幡「っ」ビクッ
瑞鶴「入るね」
凰穹「いい時になんダ」
瑞鶴「帰るわよ」ガシッ
凰穹「ハ、ハナセ!」バタバタ
瑞鶴「お休み、提督さん」
バタン
八幡「……」
八幡「寝るか」
‐火曜日‐
島風「朝だよ!」バサッ
八幡「ん」
島風「起きてくださーい」バッ
八幡「ちょ、おまっ!?」
島風「ふむふむ」ギュッギュッ
八幡「お、おまえ! 抱きつくな!」
島風「おーきーてー」
八幡「だったら布団から出てくれ」
不知火「司令、そろそろ起きてくだ……」
八幡「……え、いや」
島風「あれ?」
不知火「ロリコン」ボソッ
八幡「おい」
本日はこれで終了です
遅くなりましたが更新していきます><
艦これのアニメ、楽しみですね! 自分は先行上映に見に行ってしまいましたが、個人的には満足でこれからが楽しみです!
‐執務室‐
不知火「起きましたか、ロリコン司令」
八幡「許してくれませんか」
不知火「叢雲さんは哨戒任務に出ているので今回は不知火がお手伝いいたします」バサッ
八幡「お、おう」
不知火「それでは、始めますか」サッ
八幡「……おい」
不知火「なんでしょうか、司令」
八幡「なんで、俺の膝の上に乗ろうとしてんだよ……」
不知火「不知火に何か落ち度でも?」
八幡「落ち度しかねぇよ」
不知火「これでは仕事ができませんね」
八幡「あぁ、どいてくれ……」
八幡(そうしないと八幡が爆発しちゃいますよ?)
不知火「仕方がありません」スッ
八幡(ふぅ……)
-昼-
不知火「……」カキカキ
八幡「……」カキカキ
不知火「すみません、こちらの方に目を通してください」
八幡「ん」バサッ
不知火「……司令」
八幡「なんだ」
不知火「そろそろ、お昼にしましょうか」
八幡「もうそんな時間か」ガサッ
八幡「食堂行くか」
不知火「いえ」
八幡「?」
-サイゼ-
八幡「……」
不知火「司令、メニューの方は見ないでよろしいのですか?」
八幡「サイゼのメニューなら網羅している自信がある」
不知火「そ、そうですか」
不知火「不知火は初めてこういうところに来るので……」
八幡「……オススメを教えてやるよ」プイッ
不知火「お願いします」
―――
――
―
不知火「……」キラキラ
八幡(満足したような顔だな)
不知火「今日は何かのお祝いなんでしょうか」
八幡「なんでだよ」
不知火「こんな、豪華な料理がたくさん」
八幡(ファミレスのメニューで目を輝かしてる不知火ちゃんきゃわわ!)
不知火「なんでしょうか?」ジッ
八幡「な、なんでもないですよ?」
不知火「……」ワクワク
八幡「……いや、食べていいぞ」
不知火「いただきます」スッ
不知火「なかなかの味でした、鳳翔さんの料理には届きませんでしたが」ウキウキ
八幡「お、おう」
不知火「それでは戻りますか」
八幡「そうだな」
不知火「……こ、こちらの方の代金の方は」
八幡「俺が払うから」
不知火「いえ、司令にそんなことまで」
八幡「俺が料理を注文したからいいんだよ」
八幡「どうせ、使わねぇしな」
八幡(女の子にいいとこ見せようなんて思ってません、この比企谷八幡)
‐夕方‐
叢雲「帰ったわ」
八幡「ん、ご苦労さん」
不知火「お疲れ様です」
叢雲「これ、今日の報告書よ」バサッ
八幡「おう」スッ
叢雲「特になにもなかった?」
不知火「はい」
トントントン
不知火「どうぞ」
榛名「失礼します」
叢雲「どうしたの?」
榛名「本部より連絡です」
榛名「明後日、ヒトヒトマルマルより横須賀鎮守府にて緊急会議を行うということです」
八幡「は?」
叢雲「明後日? 急過ぎない?」
不知火「どのような会議なのでしょうか」
榛名「緊急案件としか」
叢雲「これだから、大本営の奴らは……」
不知火「よっぽどのことでしょうね」
八幡「緊急案件……」
榛名「深海棲艦ことか、もしくは外交問題でしょうか」
叢雲「どちらにしても、行ってみないとわからないわね」
榛名「こちらに詳しいことが」スッ
八幡「ん」スッ
八幡「……雪ノ下も行くのか」
雪乃「私がどうかしたのかしら」
八幡「うお!?」
榛名「お帰りなさいませ」
不知火「お疲れ様です」
叢雲「お疲れ」
雪乃「それで、今の話は?」
八幡「これだ」スッ
雪乃「?」
八幡「……」
雪乃「なるほど、急なことね」
八幡「随伴として、艦娘を1名から2名の随伴を許可するってあるな」
叢雲「……その日は無理ね、船団護衛の旗艦任務があるもの」
八幡「あぁ、そうか」
雪乃「なら、不知火さんと榛名さんにお願いしていいかしら」
不知火「了解です」
榛名「榛名でよければ、お供させてもらいます!」
‐水曜日‐
‐地下ドック‐
カーンカーンカンカン ウィィィィィィン!!
凰穹「ヲッ!」
八幡「ん、進んでるか?」
凰穹「船体の方は7割ぐらいダナ、艦載機の方は完全に偽装できた」
八幡「見せてくれ」
凰穹「こっちにある」スッ
八幡「ん」
凰穹「これダナ」
八幡「彗星にしか見えないな」
凰穹「彗星のスペックと全く同じにしてあるゾ、稼動音もそうダナ」
八幡「すげぇな」
凰穹「もっと褒めろ」
八幡「なんでだよ……」
凰穹「その袋はなんだ」
八幡「差し入れのマッカン」
凰穹「またか……」
建造妖精1「おぉ!」
建造妖精2「やったー!」
八幡「……」ドヤッ
凰穹「……なんだその顔は」
八幡「いや別に」
凰穹「……」
八幡「……ん」スッ
凰穹「ん、いただく」カコッ
本日は以上で終了です
それでは投下していきます
凰穹「明日、会議ダロ」ゴクゴク
八幡「まあな」
凰穹「急ダナ、深海棲艦が集結していることカ?」
八幡「どういうことだ?」
凰穹「微弱だが、強い力をもつ我々の同種を感じることが出来る」
八幡「深海棲艦が集まってるのか?」
凰穹「東の海に多数の深海棲艦が集結しているナ」
八幡「……東、どのあたりか分かるか?」
凰穹「それなりに遠いっとしか分からないナ」
八幡「……そうか」
凰穹「察知できる数でここまでとしたら、かなりの総数が集まってるゾ」
八幡「……」
凰穹「激しい戦いになると思う、気をつけろヨ」
八幡「あぁ」
‐木曜日‐
‐横須賀鎮守府‐
‐正門‐
平塚「久しぶりだな、元気でやってるか?」
八幡「うっす」
雪乃「どうも」
榛名「お久しぶりです」
不知火「そちらこそお元気ですか?」
平塚「あぁ、クソみたいな上官にイライラしっぱなしだよ」
雪乃「本部での仕事は大変そうですね」
平塚「軍人なんて私には向いてないよ」
平塚「できることなら教師に戻りたいぐらいだ」
八幡「そうっすか……」
雪乃「今はどんな仕事を?」
平塚「発見された艦娘に社会や戦術の知識とかを教えて、相性が合って戦力が不足している泊地の司令官に送り出す仕事だ」
八幡「ちょっと、教師っぽいっすね」
平塚「教えてるのは戦うための知識だぞ、まあ、教え子たちが懐いてくれるのがせめてもの救いだな」
榛名「とても人気がありそうですね」ニコッ
平塚「毎日が大変だがね」スッ
平塚「会議室まで案内してやる、全員揃ってるはずだ」
‐会議室‐
山本「久しぶりだね」
八幡「どうも」
雪乃「お久しぶりです」
不知火「初めまして、不知火です」
榛名「榛名です」
山本「あぁ、どうも」スッ
陽乃「雪乃ちゃーん、久しぶり~」フリフリ
雪乃「今は職務中よ、雪ノ下司令官」
陽乃「もう、固いんだからー、ねえ? 比企谷くん」
八幡(話をふらないでください)
長門「……」
沙希「いいから、早く座りな」
青葉「お久しぶりです」
八幡「お、おう」
司令1「初めまして、鶴舞鎮守府で司令をしております、司令1といいます」
伊勢「同じく、航空戦艦の伊勢です」
司令2「大湊警備府の司令2です」
高雄「高雄です、よろしくお願いしますね」
八幡「呉鎮守府の八幡っす」
雪乃「同じく、秘書官の雪ノ下です」
山本「ゴホン、それでは始めよう」
ウイィィィィィン
八幡(会議の時にスクリーン降りてくるってよくありそうなシーンだよな)
山本「この画像を見て欲しい」
雪乃「これは……」
司令1「海、でしょうか?」
山本「そうだ、ミッドウェー島から北西に10キロの海域を撮った衛星写真だ」
司令2「この黒いものは……」
山本「あぁ、深海棲艦だ」
八幡(凰穹が言った通りか)
山本「これは先月の写真、そしてこっちが4日前の写真になる」
雪乃「かなり増えていますね」
陽乃「見慣れない形も見えますね」
山本「あぁ、恐くは特異種だと思われるな」
榛名「特異種……?」
山本「他の深海棲艦に見られずに極僅か、もしくは1つだけしか存在しないと考えられている深海棲艦だよ」
山本「他の深海棲艦と比べても全ての能力が桁違いに高いのが特長だ」
陽乃「私も数回ほどしか見たことないよ、強いから避けて通過するんだよね」
八幡(会ったことあんのかよ……)
長門「私ももっと強くならなければな」
山本「そしてこれが、ミッドウェー島の様子だ」
八幡(なんだこれ……?)
司令2「まるで、一つの基地みたいですね……」
山本「基地型の深海棲艦と思われる」
司令1「そんなものまで……」
山本「この画像から分析できるだけでも、敵の総数は30近くにおよぶ」
不知火「30……」
司令1「しかし、ミッドウェー島に深海棲艦が集結していることと、この緊急会議になんの関係が?」
山本「それについてだが、これは今日までの日本周辺海域で目撃された深海棲艦の進路方向になる」
沙希「……」
山本「そして、この位置と地図を合わして、線を引くと……」
雪乃「……ミッドウェー島に集結すると」
山本「そうだ」
山本「深海棲艦はミッドウェー島に向かっていたり、ミッドウェー島から来たような航路になるわけだ」
山本「やつらがなんの意味も無く、集結するとは考えられない」
陽乃「つまり、ミッドウェー島から何度も日本周辺海域に現れることから、大攻勢に出る可能性があると?」
山本「あぁ」
八幡(新日本海軍が次々と活動海域を取り戻してることに対して、反撃みたいなものがないと思ってはいたが……、ついにってわけか)
本日はこれで終わりです
大変お待たせしました!
それでは続きを投下していきます
山本「その前に我々の手で叩くというわけだ」
八幡(我々ってなんだよ、我々って……、この人なんかしたっけか?)
高翌雄「しかし、必ずも攻めてくるとは限らないのでは」
山本「確かにその可能性はある」
山本「しかし、これ以上に放置しておき、数を増やして攻めて来るかもしれん」
陽乃「最近の深海棲艦の動きを見る限りとしては、その可能性が高いですね」
山本「待てば待つほど敵の数を増やすだけだ、敵が攻めてくるまで防衛戦を展開するわけにもいかない」
八幡「……」チラッ
雪乃「……」
山本「それでは、今回の作戦に反対するものはいないか?」
八幡(反対させるつもりもねぇだろ……)
雪乃「あの」スッ
山本「どうぞ」
雪乃「ミッドウェー島周辺海域に存在する深海棲艦だけではなく、その他の海域に存在する深海棲艦が作戦の支障になると思うのですが」
山本「それについてだが、作戦を説明する」
八幡(既に作戦も勝手に決めてんのかよ……、あくまで主導は本部ってわけか)
不知火「……チッ」
八幡(うお!?)ビクッ
八幡(絶対、なんか怖いことを考えてましたよこの娘)
山本「本作戦を行うに当たって、他海域の深海棲艦と接触しないように陽動作戦を展開する」
司令2「陽動、ですか?」
山本「そうだ、攻略作戦ではなく陽動作戦になる」
山本「撤退を繰り返して、広範囲で展開させてもらうことになる」
山本「場所はこの二箇所、アリューシャン列島とウェーク島だ」
雪乃「南北に深海棲艦を陽動させるということですか」
山本「そうだ」
司令1「この三作戦の詳しい内容は?」
山本「本作戦の数日前に誘導作戦を実行してもらう、詳しい内容は追って連絡する」
山本「場所が場所だけに作戦実行について米国と協議を行っている、作戦許可を貰い次第、迅速に作戦を開始させる」
陽乃「この三作戦の編成は?」
山本「各、鎮守府の戦力から既に決めてある」
山本「陽動作戦である、アリューシャン列島には舞鶴の艦隊が、ウェーク島には大湊の艦隊を出撃させる」
山本「アリューシャンには基地型の深海棲艦が確認されている、接近は禁物で距離をとって実行してくれ」
司令1「分かりました」
司令2「了解!」
山本「そして、本作戦には相当数の航空戦力を必要とする、よって、正規空母を保有する横須賀、呉、佐世保の艦隊で作戦を実行させる」
陽乃「了解しました」
八幡「了解」
沙希「了解……」
山本「作戦を迅速に行うために本作戦を行う艦隊は出撃許可が出せるまで、一箇所に集結して待機してもらう」
沙希「場所は?」
山本「これだけの艦船の数を集結させることが可能な場所は少ないが、この場所が最も最適として決定している」
山本「場所は柱島だ」
八幡「柱島?」
不知火「近いですね」
八幡「どこなんだ?」
榛名「呉鎮守府から南西に位置する瀬戸内海の島のことです」
山本「この海域は、旧日本海軍がミッドウェー海戦の際に艦隊を集結させた場所でもある」
陽乃「そこなら、多数の艦船を集めることができるということですね」
山本「あぁ」
山本「三日以内には柱島に集結してもらう」
長門「急過ぎるのでは?」
山本「無理を言っているのは分かっている」
山本「しかし、日本崩壊を引き起こすかもしれんのだ、なんとしても奴らを食い止めるぞ」
八幡(……)
―――
――
―
-金曜日-
-呉鎮守府-
雪乃「柱島周辺海域の封鎖は完了しているわ」
叢雲「各団体への通達もできているわよ」
八幡「おう」カキカキ
不知火「物資の調達表の確認を」
八幡「ん」ペラッ
榛名「周辺の島民の方々からのクレームが……」
雪乃「私がでるわ」スッ
瑞鶴「漁業団体からもクレームだよ!」
叢雲「かしなさい」スッ
翔鶴「提督、佐世保の艦隊が後1時間ほどで柱島泊地に到着します」
八幡「早すぎだろ……」カキカキ
鈴谷「艦娘保護団体のデモが鎮守府前で行われてるよ!」
八幡「柵を挟んで、那珂ちゃんにライブでもやらせといてくれ」ペラペラ
鈴谷「そんなのでいいの?」
八幡「デモも忘れてブヒりだすだろ……、護衛に数人つけとけよ」チラッ
鈴谷「りょーかい」ニコッ
八幡「あとはライブの様子をビデオに撮ってください」
鈴谷「うわぁ……」
熊野「大変ですわ! 反艦娘団体が鎮守府前でデモを!」
八幡「艦娘保護団体と喧嘩させてろ、そうすれば警察が来るだろ」チラ
熊野「りょ、了解しましたわ……」
雪乃「ほかの解決方法は思いつかないのかしら……」
八幡「お互いに自然消滅したほうがこっちだって楽だろ」ペラペラ
夕張「提督! 近所の方たちが艦娘保護団体と反艦娘団体にデモを!」
八幡「はぁ~……」
凰穹「大変そうダナ……」
本日はこれで終了です
あぁ……sageてましたね…
それでは投下していきます
―――
――
―
-1時間後-
-船着場-
八幡「随分と早かったな」
沙希「遅いよりはいいでしょ」
叢雲「案内するわ」
沙希「ありがと」
青葉「呉鎮は大きいですねぇ~」
八幡「ん、随伴は青葉だけか?」
沙希「他の子は柱島泊地だよ」
八幡「そうか」
沙希「あの2人は?」
八幡「2人?」
沙希「奉仕部の」
八幡「……奉仕部か」
八幡「学校に行ったぞ」
沙希「行ってるんだ」
八幡「鎮守府のことなら基本的に俺や艦娘がやってくれるからな」
叢雲「あんたは別になにもやってないでしょ」
八幡「何を言っているんでしょうか……」
沙希「相変わらずだね」
八幡「……ん」
沙希「妹には会ってるの?」
八幡「小町か、なかなか時間ができねぇんだよ……、連絡はとってるけどな」
沙希「アンタなら3日も持ちそうにないと思うけど」
八幡「いざ、離れたらこんなもんだろ……」
沙希「ふーん」
八幡「そっちこそどうなんだよ、なんだっけ? た、た……たいち?とけーちゃん」
沙希「大志、わざと間違えたでしょ」
八幡「ちげぇよ」
沙希「毎日、連絡はとってるよ」
八幡「うわぁ……」
沙希「なに」ギロッ
八幡「なんでもありません」
青葉(話に入りづらいです)
―――
――
―
-呉鎮守府-
-会議室-
不知火「こちらが物資の搬入票です」
川崎「ありがと」ペラッ
不知火「燃料の方は艦隊の規模に応じて振り分けられます」
川崎「……」ペラペラッ
川崎「ミッドウェーまでの補給は?」
八幡「国から補給艦を買い取ったらしい」
川崎「あんの?」
八幡「自衛隊、それとアメリカ軍が置いていったものだな、今では使い道がないけどな」
青葉「新日本海軍でも独自に建造していきそうですね」
叢雲「そうね」
不知火「大本営から作戦決行を受け次第に順次出発していきます」
不知火「最初にアリューシャンとウェーク島陽動作戦部隊が舞鶴、大湊から出ます、それから我々が出る手筈です」
川崎「大きく2艦隊に分けるんだっけ?」
不知火「はい、機動部隊とそして主力部隊です」
川崎「機動部隊と主力部隊はどのぐらいの距離があんの?」
八幡「そこまでの距離はないらしいけどな、こればかりは始まってみないと分かんねぇだろ」
不知火「機動部隊が洋上の深海棲艦と交戦、島への空爆を行い、主力部隊が島の基地型深海棲艦を叩くというのが流れですね」
八幡「無事にすむとは思えねぇけどな……」
叢雲「……そうね」
不知火「更に作戦海域の手前で部隊を細かく分けますが」
不知火「この作戦では新たに潜水艦の艦娘による、潜水艦隊の攪乱作戦も行われます」
川崎「潜水艦隊って横須賀鎮守府の?」
八幡「あぁ」
八幡「潜水艦には最初は部隊の艦艇に同乗し、途中で分かれるってわけだ」
不知火「潜水艦隊には深海棲艦の補給艦を中心に攻撃を行ってもらい、混乱を起こしている深海棲艦を一気に叩きます」
不知火「主力艦隊は基地型深海棲艦を無力化し、艤装モードで島に上陸、そのまま制圧してもらいます」
不知火「その際に必要な物資等は水雷戦隊と別の攻略部隊に護衛させておき、南から北上して搬入させます」
沙希「作戦海域上にいる深海棲艦の編成はわかってんの?」
八幡「詳細には分かってねぇけどな」
叢雲「大小合わせても空母は少なくとも7隻、それに特異種と思われる巨大空母1隻、戦艦は少なくとも5隻、あとは分からないわ」
沙希「こっちの主戦力は?」
青葉「機動部隊には空母6隻と戦艦が4隻、他艦艇が多数、主力部隊には空母2隻と戦艦5隻、他艦艇が多数です」
八幡「主力部隊の戦艦って誰なんだ?」
叢雲「なんで覚えてないのよ……」
叢雲「舞鶴と大湊から派遣される伊勢と扶桑、それに横須賀の長門、陸奥そして武蔵よ」
八幡「武蔵!? 武蔵ってあの武蔵か?」
叢雲「ええ、大和型二番艦の戦艦武蔵よ」
八幡「あれ? 会議のときはいなかったぞ」
叢雲「終わったあとに建造されたって話よ……、本当の所は知らないけど」
八幡「大和よりも武蔵が先に来たのかよ……」
沙希「来て間もないのに実戦投入っておかしくない?」
叢雲「上の考えてることはわからないわよ、火力だけなら桁違いに違うでしょうね」
不知火「こちらが本作戦で新たに使用される装備の一覧です」
不知火「大きなものだと九一式徹甲弾、三式弾の2つですね」
叢雲「これらの新装備の使用訓練は作戦決行前と作戦海域へ向かってる最中に行うってことかしら?」
沙希「そうだけど、時間がなさすぎでしょ……」
八幡「それだけ余裕がねぇんだろ」ペラッ
榛名「横須賀の艦隊もあと2時間ほどで到着します」
八幡「そろそろ、こっちの艦隊も柱島に向かわせるか」
叢雲「わかったわ」
不知火「みなさんに伝えてきます」ガチャッ
―――
――
―
八幡「~ってのが本作戦の内容だ、質問はあるか?」
瑞鶴「提督さん」スッ
八幡「ん、なんだ?」
瑞鶴「機動部隊には加k……一航戦の人たちもいるんだよね?」
八幡「一航戦?」
叢雲「たぶん、正規空母の赤城や加賀のことじゃないかしら」
八幡「あぁ、いるけど」
瑞鶴「ふーん、そっか」
八幡「ほかに質問はないか?」
叢雲「ないみたいね」
叢雲「それでは、瑞鶴、翔鶴、金剛、榛名、鈴谷、熊野、川内、神通、不知火、曙、初雪、白露はヒトフタマルマルに出撃するわ」
叢雲「残りは周辺海域の警備とする」
艦娘達『了解!』デース
八幡(俺の言うべきセリフだと思うんですけどね)
―――
――
―
本日はこれで終了です
それでは投下していきます
-柱島泊地、洋上-
赤城「正規空母の赤城です」
加賀「加賀です」
赤城「よろしくお願いしますね」
加賀「よろしくお願いします」
飛龍「よろしくー」
蒼龍「よろしくお願いします」
翔鶴「よろしくお願いいたします」
瑞鶴「よろしくお願いします」
加賀「……」ジッ
瑞鶴「……なんですか」
加賀「本作戦はかなりの苦戦を強いられると予測されるわ、あなたたち五航戦はそれについてこれるのかしら?」
瑞鶴「なっ!?」
翔鶴「やめなさい、瑞鶴」
瑞鶴「翔鶴姉!」
翔鶴「いいから」
翔鶴「私たち、五航戦も一航戦や二航戦の先輩方の足手まといにならないほどには訓練してきました」
加賀「そう」
翔鶴「なので、ご安心ください」ペコッ
-呉鎮守府-
-船着場-
八幡「一度、柱島泊地の方に行ってくるんでお願いします」
鳳翔「分かりました」
八幡「……はぁ」
八幡(マッカン飲んでからいくか)
―――
――
―
八幡「ふぅ……」
八幡(ん? この船が自衛隊の補給艦か……)
八幡(……)
隊員2「~~」
隊員3「~~!」
八幡(前から歩いて来てるのはあの船の乗組員か? 制服着てるし……)
八幡(こういう時って敬礼しといたほうがいいのか……)
八幡(いや、この鎮守府の司令官は俺だから向こうからが先か?)
八幡(ここは横にズレて止まっておくか、こういうのは苦手なんだが……)スッ
隊員2「~~」
隊員3「~」
八幡(あれ、ヒッキースルーされちゃった☆)
八幡(いやいや、気づかなかっただけだよね?)
隊員1「貴様ら!!!!この鎮守府の司令官どのに敬礼もせず、通るとはなに事か!!!」
八幡「ふぁ!!?!?」
―――
――
―
隊員1「申し訳ありませんでした」ペコッ
八幡「いえ、こういうことは慣れてるんで……、それに俺は成人も迎えてないようなひよっこですし」
隊員1「そんなことはありません、実際に比企谷司令官は多大なる戦果を挙げておられる」
八幡「俺は何も……、全ては艦娘のおかげっすよ……」
隊員1「艦娘……ですか……」
八幡「あぁ、気になさらず話してくださいよ」
隊員1「あ、いえ……」
隊員1「……時代は流れていると感じましてね」
八幡「はぁ」
隊員1「我々のもつ、兵器や戦術は全くもって深海棲艦には効果がありません」
隊員1「だから、我々もみなひよっ子なのです……」
八幡「いえ、そんなことは……」
隊員1「それに」
八幡「?」
隊員1「先ほど無礼を働いた彼らは知らないのですよ」
八幡「知らないとは?」
隊員1「海を知らないのです、深海棲艦の怖さを知らないのです」
隊員1「彼らがこの船に入った頃には人類は海から駆逐されました」
八幡「……」
隊員1「海を知り、怖さを知ったほとんどの者は亡くなりました……」
隊員1「海を無くした我々の中には怖さを知らない者があなたたちをいいように思っていないのも多いです」
隊員1「きっと今回の作戦で彼らも怖さを知ることになるでしょう」
隊員1「戯言のように思えますが、どうか彼らのことを許してあげてください」ペコッ
八幡「……」
―――
――
―
-柱島-
八幡「……」ゴクゴク
叢雲「何してんのよ」
八幡「休憩、マッカンだ」ポイッ
叢雲「打ち合わせご苦労さま、ありがと」パシッ
八幡「あの人といると疲れるな……」
叢雲「あの人? あぁ、雪ノ下司令官ね」カコッ……ゴクゴク
八幡「……」
叢雲「どうしたのよ?」
八幡「別に」ゴクゴク
叢雲「調子狂うわね」コクコク
八幡「……」ボー
叢雲(本当に大丈夫かしら……)
-叢雲の回想-
-呉鎮守府-
叢雲「任務はこれで終わりね、そろそろ会議も終わる頃かしら」
prrr……
叢雲「電話?」
『平塚』
叢雲(珍しいわね)ピッ
叢雲「もしもし」
平塚『おぉ、久しぶりだな』
叢雲「そうね、それでなんの用かしら? 勤務中だけど」
平塚『ハハハ、君は相変わらず厳しいな』
叢雲「司令官はそっちにいるでしょ?」
平塚『あぁ、先ほど会議も終わってそちらに向かったところだよ』
叢雲「そう」
平塚『少し、比企谷のことで聞きたいことがな』
叢雲「そっちにも艦娘が付いて行ったんだからその子達に聞けばよかったじゃない」
平塚『一番、比企谷の事を見てきた君に聞きたいんだ』
叢雲「なっ!///」
平塚『真面目な話だ、最近の比企谷の様子はどうなんだ?』
叢雲「どうなんだって言われても……、めんどくさがりながらも真面目に仕事はやってるわよ」
叢雲「実務に関しては役にたってないわね」
平塚『ハハハ、それならよかった』
叢雲「なによ、それが聞きたいために連絡を?」
平塚『いや、心配なんだ』
叢雲「心配?」
平塚『つい最近まで一般人として生活して、そしてまだ若い比企谷がこの仕事のプレッシャーにやられてしまうんじゃないかって』
叢雲「プレッシャー……」
平塚『彼が着いてる立場は日本のこれからに関わるものだ』
平塚『そんな状況に置かれた何も準備をしなかった人間が耐えれるわけがないんだよ』
叢雲「……」
平塚『きっといつか比企谷は潰れることがくると思う』
平塚『そしてあの性格だ……、周りを頼らずに自己解決をしようとするだろ……』
平塚『そうすれば、更に自分を追い込んでしまう……』
平塚『……そうなる前に君には彼の支えになって欲しいと思う』
叢雲「……」
平塚『私のエゴだというのは分かっている、だけど頼む……、彼を支えてやってくれ』
-回想終了-
叢雲「そんなの当たり前じゃない……」
八幡「……は?」
本日はここまでになります
それでは投下していきます
叢雲(とは言ったものの……)
八幡「……」
叢雲(こういうのは初めてだから困るわね)
叢雲(ちょっとあんた、なんなのその顔! 元気出しなさいよ!!!)
叢雲(ちょっと唐突すぎるわね……)
叢雲(何気ない会話から入ったほうがいいのかしら……)
八幡「お前はいつまでそこにいるんだ?」
叢雲「そ、そんなの私の勝手じゃない!」
八幡「お、おう」
叢雲(ふぅ……)
叢雲「……いつも以上に目が死んでいるわね」
八幡「んだよ、いきなり」
叢雲「あんた、さっきから様子がおかしいけどビビってるわけ?」
八幡「ビビるって何にだよ」
叢雲「この任務……、いえ、この仕事によ」
八幡「……っ」
叢雲「……そうなのね」
八幡「……むしろ怖気づかない奴なんていねぇだろ」
叢雲「それもそうね」
八幡「だからといってこの仕事を放棄するわけにもいかないだろ……」
叢雲「そうね。あなたがこれからどのようにやるかは勝手だけど手段によってどんな惨劇を生むかは予想されないわね」
八幡「なんだよ、俺を脅しに来たのか?」
叢雲「ただの事実よ」
叢雲「逃げることが許されない事実よ」
八幡「……」
叢雲「最近までただの高校生だった男が今や日本……、世界のこれからに係わる仕事を引き受けている」
叢雲「それがあなたよ」
八幡「……そうだな」
叢雲「確かに理不尽よ、でもこれが今の世界なのよ」
叢雲「受け止めなさい」
八幡「はっ……」
叢雲「でもね、それはあんただけじゃないわ」
八幡「?」
叢雲「横須賀や佐世保の司令官だってそう、秘書官や整備長だってそうなのよ」
叢雲「そして私たち艦娘だって同じ」
叢雲「むしろ、私たち艦娘の方がひどいじゃない」
叢雲「直接、戦闘するのは私たちでいつも死と隣り合わせで失敗が艦隊の全滅を引き起こすかもしれない」
叢雲「それに比べて、あんたは後方で座ってるだけでいいのよ、気楽じゃない」
八幡「気楽ってお前な……、おれは司令官だぞ……」
叢雲「それがなによ、いつもほかの子に教えてもらいながらやってるじゃない」
八幡「……何が言いたい」
叢雲「あんたはただ、そうやって教えてもらいながらやってればいいのよ」
叢雲「ほかの司令官だっている、秘書官や整備長だっているし」
叢雲「何よりも私たちがいるでしょ」
叢雲「だから、しっかりやりなさいよ司令官」
八幡「……」
叢雲「……」
八幡「……ん? もしかして俺を励ましてたわけ?」
叢雲「////!!! あ、あんたねぇ!!!」
八幡「ま、まあ……」
叢雲「?」
八幡「さんきゅーな……」
叢雲「うわ、気持ち悪い……、いつものあんたらしくないわよ」
八幡「……すんません」
―――
――
―
土曜日
‐呉鎮守府‐
陽乃「ごめんね比企谷くん」
八幡「別に大丈夫です」
八幡「いいんですか? 現場待機してなくて」
陽乃「うーん、まだ協議が長引きそうだから今日中にはないと思うよ」
八幡「そうなんすか」
八幡(どっから仕入れてるんだよ、その情報……)
陽乃「工廠の方も見せてもらってもいいかな」
八幡「いいっすよ」
八幡(凰穹さん隠れててくださいよ)
雪乃「それで、なんで姉さんがいるのかしら……」
陽乃「ほかの鎮守府がどんな感じかなって気になったからだよー」
雪乃「そう……、勤務中だから手短にやってもらえないかしら」
陽乃「雪乃ちゃんが冷たいよ~」
雪乃「はぁ……」
陽乃「あ! ガハマちゃん!」
結衣「あっ、陽乃さん」
陽乃「ほんとにここで働いてるんだねー」
結衣「やることいっぱいで大変ですよー」
陽乃「作業着がすごく似合ってて可愛いよ~」
結衣「あ、ありがとうございます」テレッ
夕張「ん? 知り合いですか?」
結衣「あぁ、この人はゆきのんのお姉さんの陽乃さんだよ」
夕張「陽乃……? って! 横須賀鎮守府の司令官様で!?」
結衣「そうそう」
夕張「こ、これは大変失礼しました!」バッ
陽乃「いえいえ」スッ
―――
――
―
陽乃「ここはいい鎮守府だね」
八幡「そうですか」
陽乃「艦娘も妖精さんも楽しくやっててうらやましいよ」
八幡「そっちは違うんですか」
陽乃「まぁ、いろいろあるからね……」
雪乃「……」
八幡(いろいろか……)
八幡「1ついいですか?」
陽乃「珍しいね、どうしたの?」
八幡「戦艦武蔵のことなんですが」
陽乃「あぁ……」
雪乃「各鎮守府、警備府にはこれ以上の戦力集中を避けるために艦娘の建造禁止令が出ているわよね」
八幡「そうだな」
陽乃「横須賀は本部直轄みたいなところがあるからね……、そう簡単じゃないってことかな」
八幡「本部直轄だけはほかの鎮守府よりも戦力を強化させておかなければならないってことですか?」
陽乃「どうかな」
雪乃「姉さんは……、雪ノ下司令官は本部の人たちには不信感を抱かないのかしら?」
陽乃「抱かないって言ったら嘘になるかもね」
八幡「……」
雪乃「雪ノ下司令官も本部の本当の目的については知っている、もしくはそれに加担していると考えていいかしら」
陽乃「本当の目的ね……、どうだろう」
陽乃「私は雪乃ちゃんが信じてくれればそれでいいかな」
雪乃「どういうことかしら?」
陽乃「追々分かるかな、もう時間だから柱島に戻るね」
八幡「はい」
陽乃「♪」
八幡(この人はきっと、限りなくクロに近いグレーに見える……)
八幡(でも本当はクロをかぶったシロかもな……)
―――
――
―
日曜日深夜
‐柱島白地、戦艦武蔵船内‐
陽乃「作戦開始命令がでたね」
沙希「そうですね」
八幡「予定通りに時間を置きながら艦娘の艤装を船に展開させていくってことでいいですか?」
陽乃「うん、そのほかの時間もすべてこの紙の通りでお願いね」
陽乃「アリューシャンとウェーク島への陽動作戦部隊はすでに出撃したからね」
沙希「了解」
八幡「はい」
陽乃「でも、2人ともよかったの? 別に艦娘と同行しなくても陸から指令は出せるのに」
沙希「あの子たちについていくって決めてるので」
陽乃「そっか、比企谷くんも?」
八幡「ま、まぁ、そんな感じです」
陽乃「そっかそっか、それじゃあ2人ともよろしくね」
八幡「雪ノ下司令官も同行するんですか」
陽乃「私はいつも一緒に行ってるよ、そのほうがいいしね」
八幡(いいのかよ)
陽乃「2人には機動部隊として先行してもらい、敵機動部隊の迎撃と基地型深海棲艦への空爆をお願いするね」
八幡・沙希『了解』
―――
――
―
雪乃「行くのね」
結衣「ヒッキーもみんなも気を付けてね…」グスッ
八幡「泣くなよ」
結衣「だって、もう最後かも……」
雪乃「由比ヶ浜さんそれは言ってはダメよ」スッ
結衣「ご、ごめん」グスッ
雪乃「比企谷くん」
八幡「ん」
雪乃「結果は確かに大事よ、だけど……、生きて帰ってきなさい」
八幡「ん、当たり前だろ」
結衣「えへへ、ヒッキー頑張ってきてね」ニコッ
八幡「お、おう」
結衣「えっとね、あとこれ」ガサコソ
八幡「お守り?」
結衣「うん、ゆきのんと二人で作ったんだ」
八幡「……」チラッ
雪乃「……//」
八幡(目を逸らして頬を赤らめてるのは気のせいですよね)
結衣「大事に持っててね」ギュッ
八幡「お、おう……」
八幡「なんつーか、ありがと……」
結衣「どういたしまして」
雪乃「そろそろ出撃準備をしたほうがいいわよ」
八幡「おう」
結衣「じゃあ、ヒッキーまたね」
雪乃「鎮守府のことは私たちに任せて頑張ってきなさい」
八幡「ん」
―――
――
―
-航空母艦瑞鶴船内-
瑞鶴「よろしくね、提督さん」
八幡「おう」
瑞鶴「私が機動部隊の旗艦でいいの?」
加賀『五航戦の子が一航戦を差し置いて旗艦なんてありえないわ……』
赤城『まあまあ、加賀さん』
赤城『初めまして、比企谷司令官』
八幡「うっす」
沙希『出撃まであと30分よ』
八幡「おう」
瑞鶴「提督さん」
八幡「なんだよ」
瑞鶴「どうして翔鶴姉じゃなくて私を選んだの?」
八幡「と、特に意味はない」
叢雲『幸運艦に乗ったほうが安全だと思ったんでしょ』
八幡「ち、違いますよ?」
翔鶴『提督……』グスッ
八幡「そ、そんなことよりここまで軍艦が揃うとなると凄いな」
瑞鶴「話そらした……」
叢雲『そうね、ここまでの大規模作戦はもう来ないかもしれないわね』
瑞鶴「だといいわね」
飛龍『ミッドウェー……、負けられないわね』
―――
――
―
‐三日後‐
‐太平洋洋上‐
瑞鶴「初めて導入された装備訓練はすべて終了したわ」
八幡「分かった」
瑞鶴「あと1つ」
八幡「?」
瑞鶴「ちょっときて」
‐飛行甲板‐
瑞鶴「この子なんだけど」
妖精「ちゃっす!」
八幡「ども」
八幡「この妖精さんがどうかしたのか?」
妖精「ちゃすちゃっす!」
瑞鶴「どうも新しい子みたいで、なにも働かないしよくわかってないの」
八幡「この妖精さんだけか?」
瑞鶴「ほかの艦娘のところにもちらほらいるみたい」
八幡「特に問題はないだろ」
瑞鶴「だといいけど」
八幡「これからの日程は?」
瑞鶴「主力部隊との距離が予定よりも離れてるから速度を落として差を詰めていくよ」
瑞鶴「それと明日には航空戦教練、その2日後には潜水艦隊と南方戦略部隊の多数に艦隊を分けるってとこね」
八幡「やることいっぱいだな……」
凰穹「そうダナ、疲れないように気をつけろヨ」ヒョコッ
瑞鶴「そうね」
八幡「はいはい」
凰穹「あぁ、それと昼ご飯はまだなのカ? 夜中に冷蔵庫を漁って食べるのは飽きてしまったゾ」
瑞鶴「うーん、ちょっと早いけど晩御飯にする?」
八幡「まあいいが」
瑞鶴「それじゃあなんか作ってくるね、15分ぐらい経ったら食堂にきてね」
八幡「おう」
鳳穹「ヲッ」
八幡「……」
凰穹「……」
瑞鶴「……」
八幡「え、なんでいるの?」
本日はこれで終了です
遅くなってすみません、投下していきます
凰穹「面白そうだったからナ、密かについてきたゾ」
八幡「ばれたらやばいだろ……」
凰穹「ばれなきゃいいのダ」
瑞鶴「ばれなきゃって……」
八幡「もうここまで来ちゃったならな……」
凰穹「もう戻れないナ」
瑞鶴「くれぐれも目立つ真似をしないようにね」
凰穹「了解ダ」
―――
――
―
‐4日後‐
瑞鶴「潜水艦隊および他部隊の配置すべて完了したわ」
瑞鶴「作戦海域の天候は雲が多いみたい……」
凰穹「いよいよダナ」
八幡「ああ」
瑞鶴「敵艦隊は発見できてないわ」
八幡「周辺海域の索敵を厳重にな」
瑞鶴「既に8機の索敵機が周囲を探索中よ」
陽乃『こちら主力部隊、準備はできているよ』
沙希『こちらも同じく』
八幡『同じく』
陽乃『それでは周囲を警戒しつつ、これよりミッドウェー諸島へ進出する』
艦娘『了解』
―――
――
―
八幡「敵艦船発見はまだか?」
瑞鶴「えぇ」
沙希『予定通り、ミッドウェー島への空爆よね』
八幡「あぁ」
沙希『ミッドウェー空襲隊は出撃』
妖精達『了解!』
沙希『それと作戦通りの時間で索敵機を各艦飛ばして』
艦娘『了解!』
八幡(俺が司令官のはずだが)
―――
――
―
瑞鶴「空母、赤城、加賀、飛龍、蒼龍から空襲隊の発艦を完了、索敵機、直掩機の発艦も完了したよ」
八幡「分かった」
八幡「残りの艦載機は作戦通りの各装備で待機だ」
八幡「敵艦隊を見つけ次第、攻撃にうつるぞ」
艦娘『了解』
―――
――
―
瑞鶴「ミッドウェー空襲隊より、島の基地型深海棲艦の敵機と交戦状態になったわ!」
瑞鶴「状況はこちらが優勢、味方の零戦が4機、彗星が2機撃墜の被害はわかってるわ」
鈴谷『提督、索敵鈴谷3号から我が艦隊より方位130度、25浬の位置にて敵攻撃隊20機あまりを見ゆ、だってさ!』
八幡「ミッドウェーから先に飛んでいた部隊か……?」
瑞鶴「たぶんね」
鈴谷『敵は低空の雲を利用して飛んでるみたい』
八幡「対空戦闘準備」
八幡「三式弾装填も忘れるなよ」
艦娘『了解』
瑞鶴「直掩隊もお願い!」
―――
――
―
瑞鶴「敵、12機撃墜! 残り艦爆と思われる9機が直掩隊を突破!」
金剛『敵機は捕捉できてるネ!』
榛名『三式弾、いつでも撃てます!』
八幡「まだ敵の攻撃が少ない今のうちに少しでも命中率を上げるために撃っておいたほうがいいな」
叢雲『そうね』
沙希『敵機もう少しで10キロ圏内に入るよ』
赤城『空襲隊がミッドウェー島上空に到着、攻撃を開始しました!』
八幡「了解」
比叡『こちらも撃てます!』
霧島『距離、速度、よし!』
沙希『敵攻撃部隊、10キロ圏内に』
八幡「撃て!」
ドンドドドドド!!! ドンドンド!!!
鈴谷『三式弾の炸裂を確認だよ!』
熊野『やはり、あまり堕ちなかったようですわね』
瑞鶴「それでも敵機3の撃墜を確認したわ」
八幡『総員対空戦闘!』
ダダダダダッ!! ドドドドドドッ!!!
―――
――
―
‐機動艦隊後方‐
武蔵「機動部隊が敵攻撃隊に捕捉されたそうだ」
陽乃「予測よりちょっと早かったね」
陽乃「第二攻略部隊はこれより進路を南西へ」
陽乃「本部隊は進路そのまま」
艦娘『了解!』
―――
――
―
瑞鶴「敵機全機撃墜、直掩機は4機撃墜されたわね」
八幡「分かった」
沙希『こっちの位置が向こうに知られたでしょうね』
八幡「まずいな、こっちも早く敵艦隊をみつけねぇと……」
八幡「上空警戒を強化してくれ」
赤城『空襲隊より島の対空兵器の7割、航空機6割と飛行場を破壊することに成功』
赤城『しかし、島の航空機の多くがすでに飛びだっている可能性あり、だそうです』
八幡「既に警戒されてたってわけか」
赤城『島への第二次攻撃のほうは?』
八幡「無しにしてくれ、これから敵機の襲撃が多くなりそうだな」
瑞鶴「そうね」
赤城『空襲隊は零戦6機、彗星5機、天山3機を撃墜されています』
八幡「妖精さんにしては妙に多いような……」
叢雲『それだけ対空兵器が強力だったってことじゃない』
曙『考えれば分かることでしょ』
不知火『いえ、もしくは敵も学習しているかもしれませんね』
八幡(学習……)
青葉『敵機発見!!!』
沙希『どこ!』
青葉『艦隊より10時の方向! 雲の切れ目です!』
瑞鶴「直掩機急いで! よかった、この距離で見つけられて!」
直掩妖精『まかせろー!』
直掩妖精2『行くぞ!』
八幡「瑞鶴、双眼鏡どこにある」
瑞鶴「? これ」スッ
八幡「ん」
―――
――
―
直掩妖精『追いつけねぇ!』
直掩妖精2『う、うしろだと!? ウワアアアア!!!』
鈴谷『あぁ! また1機落とされちゃったよ!』
熊野『今までの敵とは少し変わったような動きをしているようにみえますわ』
翔鶴『劣勢ですね、直掩機をさらに向かわせます』
八幡「高いな……、なんだあの戦い方」
瑞鶴「そうかッ……」
八幡「分かるのか?」
叢雲『あれは一撃離脱戦法ね……』
八幡「一撃離脱?」
瑞鶴「目標の航空機よりも速度、強度、上昇力に優れる戦闘機が用いる戦法の一つよ」
叢雲「そう、零戦は深海棲艦の航空機よりも運動性、火力には優れているわ」
叢雲「でも、速度、強度、そして上昇力は零戦が劣るのよ」
叢雲「それを利用して敵よりも高高度から一気にダイブして攻撃を加えるってわけ」
瑞鶴「急降下によって速度が上がっているから狙われた方は追いつくことが出来ずに逃げられるのよ」
八幡「襲われても追いつけないってことか」
瑞鶴「これは大戦時に日本の対零戦戦法としても使われたものよ」
八幡「まさに弱点を狙ってきたってことかよ……」
加賀『直掩隊、深追いはしないで頂戴』
加賀『敵がダイブする時をよく見なさい、そのまま低空に誘導して集団で格闘戦に巻き込むのよ』
加賀『あなたたちなら出来るわ』
妖精達『了解!』
―――
――
―
翔鶴『敵機との戦闘、僅かに優勢になってきております』
八幡「これが一航戦の実力か……」
瑞鶴「悔しいけど凄いわね」
榛名『提督! 電波探信儀に反応アリ! 3時の方向、距離4万!』
八幡「どこだ!」
瑞鶴「近いっ」
八幡「対空戦闘準備」
沙希『迎撃隊を急げ!』
金剛『こっちにも反応デース! 5時の方向、距離3万デース』
沙希『このままだと波状攻撃になるよ』
八幡「どうする……」
瑞鶴「艦隊の位置は知られちゃったしね」
八幡「……」
八幡(このまま進路を変えなければ敵にあっという間に囲まれる……)
八幡(敵艦隊も発見できていないしな、索敵した範囲からみて敵艦隊からの攻撃はまだだな……)
八幡(基地からの攻撃隊をここで墜とせば飛行場は潰してあるから再攻撃は考えにくい)
瑞鶴「空襲隊はあと30分ほどで艦隊上空に到着するわ」
八幡「……進路を」
瑞鶴「?」
八幡「5時の方向から来ている敵機に向ける」
瑞鶴「なんでわざわざ攻撃に向かうことを?」
八幡「どっちみち捕捉されているだろ、だったら囲まれる前にこっちから先に向かって墜としていくぞ」
叢雲『……危険な選択よ』
川内『どっちみち囲まれるよ? このままだと』
沙希『分かった、あんたの指示に従う』
―――
――
―
ドドドドドドドドッ!!!!!
赤城『取り舵一杯!!!!』
赤城『急速回頭、揺れに気をつけて!』
叢雲『曙! 右舷から雷撃機が投下態勢に入ってるわよ!』
曙『分かってるわよ!! 面舵!』
ダダダダダダ!!!!
鈴谷『6時の方向、敵機上空近いよ! 妖精さん対空射撃急いで!!!』
熊野『索敵熊野3号、敵艦隊を発見しましたわ!!』
八幡「場所は!」
熊野『15隻ほどの敵艦船、ミッドウェーより方位340度、150浬ですわ!』
叢雲『この状況だと、攻撃隊なんて出せないわよ!!』
曙『叢雲! 上空敵機よ、急降下準備してるわよ!』
叢雲『分かってる!』
ダダダダッ!!!
暁『電、左舷から来てるわよ!』
電『はわわわ!!』
沙希『仲間同士での衝突に気をつけなさい!』
―――
――
―
本日はこれで終わりになります
遅くなりましたが投下していきます
瑞鶴「被害艦、奇跡的にでてないわ」
八幡「なんとか島の攻撃隊を避け切ったな……」
翔鶴『攻撃隊、発艦完了しました』
八幡「次はこっちの攻勢だな」
翔鶴「予定通り、索敵機が先導していきます」
鈴谷『鈴谷、索敵機出していくよ』
八幡「あぁ」
沙希『最初の報告に比べて明らかに敵の数が少ないね』
飛龍『別行動をとってますね』
沙希『そうね』
八幡「攻略部隊に連絡、侵入位置はミッドウェー島から南に」
瑞鶴「分かったわ」
翔鶴『索敵機より! 艦隊より方位15度、50浬の地点に敵空母からと思われる攻撃隊を発見!!』
翔鶴『数は70機あまり!!!』
瑞鶴「先に攻撃隊を出されていたかッ!」
翔鶴『大編隊を組んでこちらに向かっております!』
赤城『更に激しい攻撃が予想されますね』
加賀『そうね』
沙希『艦載機の消費が予定よりも激しいわね』
叢雲『予想外の戦法でかなりの数が撃墜、被弾したからね』
瑞鶴「迎撃隊を増やすね」
八幡「あぁ」
八幡「稼働可能な艦載機はどのぐらい残っているんだ?」
瑞鶴「赤城、加賀、飛龍、蒼龍、は爆撃機、雷撃機、戦闘機の3割を消耗」
瑞鶴「私と翔鶴は戦闘機の3割を消耗しているわ」
―――
――
―
>>286
瑞鶴「私と翔鶴は戦闘機の3割を消耗しているわ」
↓
瑞鶴「私と翔鶴姉は戦闘機の3割を消耗しているわ」
に修正です
瑞鶴「ロッテ戦術、サッチウィーブ……」ギリッ
翔鶴『直掩隊、想像以上に撃墜されています!』
瑞鶴「まるでどこかで教えられたように的確に弱点をついてくるわね……」
八幡「……どれも対零戦として使用されたものってことか」
瑞鶴「えぇ」
加賀『こちらも乱戦時には2機編隊を組みなさい! 深追いは禁物、後ろの敵機僚機にも注意しなさい!』
赤城『だめです、敵の半数以上が突破!』
沙希『対空戦闘!』
―――
――
―
沙希『衣笠、第二砲塔に被弾!』
八幡「被害が甚大なものはすぐさま艤装に変えろ! そのまま付近の艦船に避難!」
翔鶴『面舵一杯!! 右舷から敵機、対空射撃を集中させて!』
ダダダッダダッダダッダダ!!!
白露『うぅ! 敵が多い!』
榛名『艦隊から4時の方向、敵機が投下態勢に入っています!!』
鈴谷『熊野!』
熊野『分かっていますわ!』
ガガガッガッガガガ!!!
初雪『うわっ』ガシャァァァン
川内『初雪の機関部に被弾、航行不可!』
八幡『近くの艦娘は初雪を収容しろ!』
不知火『私がいきます』
曙『援護するわ!』
響『こちらも行う』
八幡『初雪は艤装に戻れ!』
初雪『了解……』
金剛『テイトクゥ! 6時の方向に新たな敵機ネ!』
八幡「な!?」
瑞鶴「多い……」
沙希『敵の別機動部隊からってわけね』
霧島『少なくとも50機はいますね……』
蒼龍『面舵一杯!! 全力で避けて!』
翔鶴『敵機、一斉に急降下しています!』
飛龍『まずい、直掩隊が下に!!』
沙希『間に合わない!』
瑞鶴「飛龍さん!」
八幡「川崎!!」
飛龍『くっ!?』
ガガッガガガ!!!
飛龍『て、敵機撃墜!? どこの艦載機!?』
蒼龍『間に合ってよかった!』
飛龍『蒼龍!? こっちに直掩隊をやったらそっちがッ!』
蒼龍『いいの、だってそっちには提督が乗ってるから』
沙希『なにいってんの!』
飛龍『っ! 上よ蒼龍!!!』
妖精『敵機直上!!!!』
蒼龍『全力回頭!! 面舵一杯!!!』
妖精『間に合いません!!』
蒼龍『くっ!!』
ガシャァァァァァン!!!!!
瑞鶴「蒼龍さんが被弾!!!」
蒼龍『甲板に多数被弾……、誘爆を起こしています……』
瑞鶴「大破炎上……」
沙希『今すぐ艤装にして逃げな!』
飛龍『蒼龍!!』
電『さらに攻撃くるのです!』
蒼龍『飛行甲板の火……消えないね……ごめん……』
沙希『うそ!』
飛龍『飛龍!!!!!』
ガシャァァァァァァン!!!!! バキバキバキ!!
本日はこれで終わりです
最後の飛龍の台詞は蒼龍か?
それでは続きを投下していきます
八幡「嘘だろ……」
沙希『……そんな』
飛龍『嘘……』
瑞鶴「航空母艦蒼龍……沈んでいきます」
赤城『そんな!』
加賀『くっ』
翔鶴『直上よ瑞鶴!!』
瑞鶴「はっ!」
八幡「面舵い」
瑞鶴「まって!」
瑞鶴「まだよ」
瑞鶴「編隊が一斉にエアブレーキをかけて急降下に入った時をみるのよ!」
瑞鶴「入った! 取り舵一杯!!!」
八幡「うおっ」
瑞鶴「大幅な修正ができないはず!!」
妖精「全弾回避!」
瑞鶴「よかった!」
八幡「蒼龍の捜索はどうなっている!」
沙希『敵の攻撃が激しくてできない!』
飛龍『蒼龍が……』
妖精「敵編隊! こちらに戻ってきます!!」
瑞鶴「爆弾は全部落としたはずでしょ!?」
ガガッガガッガガッガ!!!
妖精「敵機銃掃射!!!」
瑞鶴「危ない! 総員甲板退避!」
ガガガガガガガ!!!
瑞鶴「っ! 提督さん伏せて!!」バッ
八幡「!?」
叢雲『瑞鶴の艦橋に向かって!!』
バリバリバリバリガガッガガ!!! カンカンカンカン!!
瑞鶴「うっ!!」
八幡「お、おい!」
瑞鶴「大丈夫、跳弾が肩を掠めただけよ……」
八幡「だけってお前!」
叢雲『2人とも大丈夫なの!?』
曙『ちょっと!』
八幡「あぁ……、大丈夫だ……」
瑞鶴「かすり傷を負っただけよ」
叢雲『そ、そう』
翔鶴『提督! 蒼龍さんの様子が!』
八幡「?」
瑞鶴「なにあれ……」
飛龍『蒼龍の船体が光に包まれて、船体が元の姿に再生している……?』
沙希『どういうこと!?』
八幡「どういうことだあれ……」
瑞鶴「なにこの感じ」
飛龍『妖精さんの力を感じる……』
沙希『でもそんな能力を持った妖精さんなんて』
瑞鶴「……そうえば、新しく増えていた妖精さんがいたわね」
八幡「そんな力を持っていたのか?」
蒼龍『あ、あれ……』
飛龍『蒼龍!!』
蒼龍『私、沈んだはずなのに……』
瑞鶴「蒼龍の船体、完全に修復されました……」
応急修復女神「そうか、あっちの子は力を使ったのね」スッ
八幡「!?」
瑞鶴「新しい妖精さん……さっきのことどういうこと?」
応急修復女神「私は応急修復女神」
八幡「女神……?」
応急修復女神「簡単に言えば、私の命と引き換えに対象の艦娘を完全復活されるのよ」
瑞鶴「命と引き換えに……?」
応急修復女神「分かりやすく命って言ったわけで私たちとあなたたちとは命の概念が少し違うけどね」
八幡「船体を修復させたら二度と現れないのか?」
応急修復女神「えぇ、ちなみに私たち応急修復女神は艦娘1人に対して1人しか私たちは現れないわ」
応急修復女神「だからあの蒼龍って子はもう使えないわね」
沙希『そう……』
蒼龍『そうだったんだ……』
蒼龍『なんかごめんね……』
応急修復女神「これは仕方がないことだよ」
叢雲『ゆっくりと話をしている場合じゃないわよ!』
蒼龍『せっかく助けて貰った命、ここで活躍させてもらいます! 迎撃隊、発艦して!!』
加賀『赤城さん、上!』
赤城『っ!』
―――
――
―
ミッドウェー島南西海域
-攻略部隊-
武蔵「艦隊、予定通りにこのままミッドウェー島南西より入るぞ」
妙高『こちら妙高、艦隊周辺を索敵していますが敵影を確認できておりません』
陽乃「そのまま索敵は続行」
長門『機動部隊が敵艦載機からの猛攻にあっているようだが』
陽乃「あの子たちには悪いけどもうちょっと耐えてもらいたいね、こちらが攻撃を開始すれば敵も分散することができるしね」
陽乃「比企谷くんの情報によれば基地型深海棲艦の飛行場破壊に成功したらしいし」
武蔵「衛星写真で確認された超大型空母が気になるがな」
陽乃「そうだね……」
陽乃「第二攻略部隊はどう?」
長門『予定通り作戦地点MFで待機している』
陽乃「了解」
陽乃(超大型空母……、その艦隊の位置によっては大きく戦況が変わるわね)
陽乃(島を中心に機動部隊が北西に敵の機動部隊が北、私たちが南西……)
陽乃(情報によれば超大型空母と思われる攻撃隊も機動部隊を強襲中とするとその近くの可能性が高い)
―――
――
―
本日はこれで終わりになります
このSSまとめへのコメント
最初のスレの小話もこっちの本編も楽しみにしている
やはり、はるのんがラスボスか
はるのんが上に居るからゆきのんを無理やり入隊させて、面白そうだから結衣も入れた感じかな? 艦娘と妖精さんとの相性の関係もあるのかな
基本由比ヶ浜も頭くるくるパーだから妖精と相性いいんだろ。
はるのんは屑だよね。
前の戦闘でも馬鹿みたいな戦力あったのに高みの見物してたし、妹を戦場に送るか普通?何が義務だよ
>>4
いや、むしろ守るために入れたんだろ……
本部から利用される可能性を危惧して八幡のところにやったんだろ、それに海域攻略とか危ないのははるのんが受け持ってるじゃねぇか
他国との関係があったりとほかのssにはあまり見られないから嬉しい
内容も濃くて読み応えがあり凄く面白い。
最後まで続く事を祈る(`_´)ゞ
読み応えがあって面白い。
期待
はよ
はよ はよ はよ
そうポンポンと軍部上層部に入れるわけないんだよなぁ
がんばれー
面白いです。
続き楽しみにしてます。
続ききておる!
待ってた!
とてもおもしろい、久しぶりの当たりだと思います。
続くことを願ってます。
普段クール系の喋りなのに鳴き声がアレなヲ級がかわいいw
期待してるよ頑張って
はよ帰ってこい
はやく!はやく!更新待ってます!
更新間隔は何日くらいなのかな?溜まり次第って感じなのかな?
とりあえず頑張って!
頑張って下さい 待ってます
はよ割とマジではよ
更新待ってます!
頑張れ(≧∇≦)
がんばれ!
頑張って!めっちゃ続き見たい
帰ってこい! ゆっくりでいいから確実に進めて下さい まってます。
ダメなのか、やはり帰っこないのか
アニメの終わりとともに燃え尽きたか
頑張れー!
待ってます!
続きが読みたいです
続き待ってます!
続きが見たいので、何卒お願いします!
続けて下さい、お願いしますm(__)m
一年待ったもうだめか
続きはもう来ないのか…?
一年待ったけどもうダメなのか
まだ?
まだ待ってるよ!期待してる!!
続き待ってます!
えっ?これで終わり?
続き待ってます
続きはまだかのー
誰か代わりに書いて
続き御願いします!!
この感じだともう帰って来ないやろうな……
面白い作品に限って更新されなくなるんだよなぁ
続きが書かれます様に (‐人‐)
楽しみにしてるんだよー
帰って来てくれよ
もうダメだ……
でも面白かった
笛にあるssよりこっちの方が面白い
でも失踪するところは同じだな······。