妹「兄貴!」(41)
兄「ん?」
妹「好きな人って…いる?」
兄「いないなー」
妹「わかった。じゃあね」スタコラサッサ
兄「変な奴だな」
部屋
妹「好きな人いない…」
妹「頑張るぞ!」
翌日
妹「兄貴!」
兄「ん?」
妹「えと…やっぱなんでもない!」
兄「気になるだろ?」
妹「何でもないの!」スタコラサッサ
兄「んー…」
部屋
妹「遊びに行こうと何で言えないの…」
妹「明日は学校か…」
翌日
妹「行ってきます」
兄「気を付けてな」
妹「兄貴もね!」
兄「あいよ」
学校
妹「今日こそは…」
妹「…そうだ!何が好みなのか聞こう!」
家
妹「兄貴!」
兄「はいよ」
妹「好き!」
兄「え?」
兄「いきなりなんだ?」
妹「///」
妹「間違えたの!」
兄「じゃあなんだ?」
妹「好き…な芸能人っている?」
兄「んー…中堅芸人とか?」
妹「違う!好きな女性タレント!」
兄「初めからそういいなよ」
妹「うぅ…」
兄「個人的はー…」
兄「浜崎とか」
妹「無理だよ!」
兄「え?」
妹「金髪とか校則違反なの!」
兄「えぇ?」
妹「そもそもタレントじゃない!」
兄「それもそうだな」
妹「誰がいいの?」
妹「出来れば黒髪か茶髪前提で」
兄「んー…特にいないな」
妹「じゃあどんな感じの人が好き?」
兄「お前みたいなやつ」
妹「え…?」
妹「え、あの…それは…」
妹「///」
兄「はは、そーゆー風にテンパるやつだな」
兄「可愛いし」
妹「かわ、かわ…」
妹「」バフン
兄「おー…ぶっ倒れた」
兄「部屋までつれてくか」スタコラサッサ
部屋
兄「最近コイツおかしいな…」
兄「悩み事とかあるのか?」
兄「んー…」
翌日
妹「おはよ…」
兄「おはよう」
妹「…」
妹「ご飯…」
兄「もう出来るよー」
妹「はーい…」
食後
兄「今日はちょっと話がある」
妹「うん?」
兄「悩みがあるのか?」
妹「別に…ないけど…」
兄「嘘つけ」
兄「相談したら楽になるぞ?」
妹「うぅ…」
妹「…」
兄「兄ちゃんは味方だ」
妹「…あの…ね」
兄「うん」
妹「好きな人がいるの」
兄「ほう」
妹「だけどね、その人は私に微塵も興味ないと思うの」
兄「そんなことはないと思うぞ。お前べっぴんだしさ」
妹「でもでも…」
兄「ちなみにどんなやつなんだ?」
妹「えっとね。」
妹「かっこよくて、優しくて、悪いことしたら凄く怒るけど、そのあとどこかに連れてってくれるの」
妹「罪悪感でも感じるのかな」
兄「模範的にいいやつじゃないか」
兄「で、そいつとはどうしたいんだ?」
妹「恋人になりたい…けどね、それは無理なことなんだよ」
兄「何でだ?」
妹「そーゆー決まりなの!」
兄「決まり…?」
妹「それに恋愛感情なんてないと思う」
兄「そいつはエイセクシャルなのか?」
妹「エイ…?」
妹「多分だけどさ、近すぎて、一緒にいることが当たり前だからなのかな」
兄「毎日会ってるのか?」
妹「うん」
兄「でもこの前ずっと家にいたよな」
妹「うん」
兄「??」
兄「頭悪いからわからん」
妹「その人すごーく鈍感なんだよ」
兄「じゃーもう積極的に行くしかないな」
妹「やっぱ…その方がいいのかな?」
兄「いくら模範的でも恋愛に疎いんじゃそーゆー手段しかない」
妹「…がんばる」
妹「何した方がいいかな?」
兄「んー…まずはそいつの目を引くことだな」
妹「例えば?」
兄「お前あんまり化粧しないだろ?」
妹「うん」
兄「だから化粧して、もっと綺麗になるんだ」
兄「お前ほどのべっぴんなら嫌でも目が行くさ」
妹「嫌でも…」
兄「あーごめん。言葉のあやだ」
妹「明日からやってみる」
兄「その調子だ」
翌日
妹「~♪」
兄「おはよう」
妹「あ、おはよ!」
兄「おぉ…」
妹「えへへ…」
兄「すっげー可愛いぞ」
妹「ホント!?」
兄「ああ」
妹「やった♪」
兄「じゃあ今日は出掛けるのか?」
妹「ううん、もういいの」
兄「え?」
兄「俺一人にしか見せてないだろ?」
妹「いいの!」
妹「兄貴は食事の準備して!」
兄「変なやつ」
食後
妹「で、次はどうしたらいいと思う?」
兄「まずはそれを見せてからの話だろ?」
妹「可愛いって」
兄「それいったの俺だろ?」
妹「うん!」
兄「はぁ…」
兄「次は…そうだな。」
兄「デートに誘うとか」
妹「デート…」
妹「わかった」
兄「結果を楽しみにしてるぞ」
数日後
妹「兄貴!」
兄「はい?」
妹「その…遊びにいかない?」
兄「いずこへ?」
妹「どこでもいいよ!」
兄「じゃー支度して待ってな」
妹「あい!」
某デパート
妹「見て兄貴!」
兄「お、玉ねぎが20円安い」
妹「そっちじゃない!」
妹「ほら、この洋服可愛くない?」
兄「お前が着たら似合いそうだな」
妹「でもお金ないし…」
兄「じゃあ諦めろ」
妹「むー…」
プリクラ
妹「兄貴、あれやろ?」
兄「何や」
妹「関西弁ちゃう」
兄「せやかて自分、関西弁やん?」
妹「…プリクラ撮ろ?」
兄「おーけー」
カシャ
兄「むちゃイケメンになっとるがな」
妹「兄貴はイケメンだよ」
兄「」テレテレ
妹「ホントだよ」
妹「あ、次は…」
兄「待った」
妹「どうしたの?」
兄「腹がいたい」
兄「先行っててくれ」タタタタ
妹「えー…」
妹「一人じゃ…つまんないよ」
不良a「可愛い子発見だべ」
不良b「おぉ、いいねー」
不良a「ねー、一緒に遊ばない?」
妹「え?いや…」
不良b「いいじゃん」グイッ
妹「きゃっ」
兄「何しとんの自分」
妹「おにいちゃ…兄貴!」
兄「俺の妹に何か用?」
不良a「チッ」
不良b「行こうぜ」スタコラサッサ
兄「大丈夫か?」
妹「兄貴こそ…」
妹「あ、お腹はもういいの?」
兄「え?」
兄「あ、あぁ…」
妹「そう、じゃあ今日はもう帰ろ?」
兄「ほいよ」
帰り道
妹「兄貴、今日どうだった?」
兄「楽しかったぞ」
兄「お前とこうしていられたしな」
妹「」テレテレ
数日後
妹「兄貴!」
兄「ん?」
妹「デートは成功だったよ!」
兄「それは良かった」
妹「楽しかった。だって」
兄「それはもう脈ありなんじゃないか?」
妹「まだわかんないよ」
妹「次は何がいいかな…」
兄「たまには自分で考えたらどうだ」
妹「それもそうだね」
妹「じゃーね」スタコラサッサ
兄「そろそろあいつの誕生日だな…」
兄「これ渡したら喜ぶかな?」
部屋
妹「んー…んー…」
妹「何がいいんだろ…」
妹「プレゼントとかかな…」
翌日
妹「兄貴、今日は私が作るよ」
兄「どういう風のふきまわしだ?」
妹「気分だよ」
妹「さ、座ってまってて」
兄「ん…」
食事
妹「どうだ!」
兄「なんぞこれ」
妹「チャーハン」
兄「…」
兄「」パクパク
妹「」ドキドキ
兄「ふぅ」
兄「ごちそうさま」
妹「ど、どうかな…」
兄「見た目があれだけど」
妹「ダメ…か」
兄「味は絶品だったぞ」
妹「ホ、ホント?」
兄「あぁ、美味かった」
妹「…ありがとう」
一週間後
妹「さて…」
兄「妹、今日は遊びにいったら?」
妹「え?」
兄「いい天気だしさ、前言ってたやつとでも」
妹「…」
妹「うん、そうする」
外
妹「お兄ちゃん…」
妹「何で気づかないんだろ…」
家
兄「よし、こんなもんだろ」
兄「あとは帰りを待つだけだな」
外 夕方
妹「そろそろ帰ろうかな」
妹「特に行く宛もなくふらふらと…」
妹「図書館はこういうとき便利だね、うん」
不良「あ、この前の子じゃん」
不良「ねー、一緒に遊ばない?」
妹「…」
妹「私は変なのに好かれるんだな…」
不良「は?」
妹「どっかいってよ」
妹「深海魚みたいな顔で近づかないで」
不良「」カチン
不良「もう僕ちゃん怒っちゃったもんねー」
妹「ランボか」
不良「来い、仲間呼んでまわしてやる」
妹「え…」
不良「おら」グイッ
妹「い、いや…」
妹「だ、だれかぁ…」
「やめろや」
妹「!」
兄「またお前か」
兄「懲りろよブス」
不良「あぁ!?」
兄「ブス、チビ、ハゲ、デブ。」
不良「」ウルウル
不良「そんな言わなくていいじゃんっ」
不良「うわぁぁぁ」タタタタ
兄「ったく…」
妹「お、おにいち…兄貴…」
兄「…」パシン
妹「…痛いよぉ…」
兄「夕方っつってもな、もう8時なんだよ」
兄「中学生は出歩いちゃいけない時間なんだ」
兄「わかるか?」
妹「はい…」グスッ
兄「…次からはちゃんとしろよ?」
妹「うん…」ヒック
兄「…」ナデナデ
妹「…」グスッ
兄「泣くな」
兄「俺も悪いよな」
兄「遊びに行けなんて」
妹「兄貴は…悪くないよぉ」
兄「…」ナデナデ
兄「帰ろうか。」
妹「うん…」
トテトテ
兄「あ、それでさ」
妹「?」
兄「好きな人はどうなった?」
妹「…家についたら話すよ」
兄「わかった」
家
兄「ちょっと待ってろ」
妹「?」
ガサゴソ
兄「入っておいで」
妹「…」トタタタ
パーン
パーン
妹「」ビクッ
兄「妹、誕生日おめでとう」
妹「…え?」
兄「お前も14歳か」
兄「俺は嬉しいぞ」
妹「…」
兄「ほら、プレゼント」
妹「これって…」
兄「この前の服だ」
妹「」ウルウル
妹「ありがと…」
兄「気にするな」
兄「さ、飯にしよう」
妹「うんっ!」
食後
兄「で、お前に惚れられている幸せ者の話を聞こう」
妹「うん…」
妹「えへへ…」
兄「ん?」
妹「その前に私からもプレゼント」
兄「おー、気になるな」
チュッ
兄「ほえ?」
妹「これがプレゼント」
兄「え?」
妹「それでね、私の好きな人って、兄貴なの」
兄「え?」
妹「今までアトバイスしてくれたの、兄貴の気を引くためなの」
兄「それはつまりあの…」
兄「え?」
妹「助けてくれたし、一緒にいてくれたし、嫌な顔しないで遊びにいってくれた」
妹「そしてさっきも私のために叱ってくれた」
兄「…」
妹「そんな兄貴が大好きだよ」
妹「付き合えないってわかってるの」
妹「でも…言いたかった」
兄「妹…」
妹「ごめんね、変な話で。」
妹「気持ち悪いでしょ」
妹「私、部屋に戻るね」
妹「おやすみ」タタタタ
兄「待ってくれ!」
妹「…」
兄「今言ったことは本気か?」
妹「本気じゃなけりゃ…こんな寂しい気持ちにならないよ…」
兄「…」
兄「俺もさ」
妹「…」
兄「最近、お前が気になってたんだ」
兄「今日もそう」
兄「いつまでも帰らないから心配でな…」
妹「兄貴…」
兄「事が起こる前に助けれて良かったわ」
妹「でも…さ」
妹「所詮は兄妹」
妹「こんなこと言っても意味ないんだよね…」
兄「それでも、お前が俺をずっと好きでいてくれるなら」
兄「俺もお前をずっと好きでいたい」
兄「俺からも言わせてくれ。」
兄「好きだ、妹。一人の女性として。お前を愛してる」
妹「…」
妹「兄貴ぃ…」タタタタ
ギュッ
妹「ずっと…一緒だよ」
兄「あぁ…ずっと2人で…」
その日の夜
妹「えへへ…」ギュッ
兄「恥ずかしいだろ…」
妹「私もだよ」
妹「寝よ?」
兄「狭いがな…まぁいいや」
兄「おやすみ」
妹「おやすみ」
………
……
…
妹「寝たかな?」
兄「」スースー
妹「ホントは明日が誕生日なんだよ…」
妹「でもそんなお兄ちゃんが大好き…」
妹「おやすみ」
………
……
…
兄「バーカ。」
兄「そーゆーのは早くいえよ」
兄「…俺も好きだよ」
兄「おやすみ」チュッ
お わ り
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