御坂「漏電が止まらない!」 (198)

御坂「どうしよう!」

上条「それで俺にどうしろと」

御坂「守って!」

上条「ええ…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1452480623

上条「漏電って、見る限りそうは見えないんですが…」

御坂「それはほら、あんたの右手のおかげよ」

上条「ああ、それで。だから俺のところに来たってわけか」

御坂「そうよ、不本意だけど」

上条「不本意なら勘弁してほしいんだけどな」

御坂「こんなのあたしも初めてなのよ、自分でなんとかできたらとっくにしてるっつーの!」

上条「…一応聞くけど、レベル5が自分じゃなんとかできないってどんなレベルの漏電なんだ?」

御坂「そりゃあもうすごいんだから」

上条「具体的に!不発弾が隣にあるみたいな気持ちなんだよこっちは!」

御坂「不発弾って何よ…いや、でもあながち間違いでもないかも?」

上条「まじすか…」

上条「つーか俺の住んでる寮までどうやって来たんだよ」

御坂「えっ、そりゃあまあ、人混みを避けたり、色々よ」

上条「なんだ?さっきから曖昧な答えばっかり…」

上条「もしかして嘘なんじゃねーの?」

御坂「ふぇっ!?う、嘘なんかじゃにゃ」

上条「にゃ?」

御坂「う、うるしゃいっ!とにかくやばいから守ってほしいのっ!」

上条「非常に怪しい…」

上条「はぁ…まぁとりあえず部屋入れよ」

御坂「…う、お邪魔します」

上条「麦茶でいいか?」

御坂「ええ…」

上条「ちょっと待ってろ」レイゾウコガチャ





御坂(ふう、とりあえず誤魔化したけど…)

御坂(一応部屋には入れた)

御坂(これからは積極的になろうと思ってドアの前まで来ちゃったけど変な嘘吐いたちゃったなぁ)

御坂(バレてないといいけど…)




上条(どう考えても嘘だよなぁ。そもそも直接体に触れてないのに能力を抑えられるわけないし)

上条(まあ、こいつがおかしいのは前からか。普通に友達が来たと思えばいいか)

御坂(どうやったら友達以上になれるんだろう…)


上条「はい麦茶」

御坂「ありがと」

上条「で、いつからその漏電とやらは始まったんだ?」

御坂「へ?け、今朝ぐらいから…かしら」

上条「ふーん…」

御坂「何よ他人事みたいに。あんた今あたしの次に当事者なんだからね」

上条「でも俺の隣にいたら安心なんだろ?だったら俺は安全パイだしな」

御坂「あんたの隣に、か…そうだ」

御坂「あ、あんた、今日一日ずっとあたしの側にいなさい!」

上条「へ?」

御坂「し、しょうがないでしょ!あんたから離れたらどうなるかわからないわよっ!」

上条「脅迫かよ…」

御坂「き、脅迫よっ!」

御坂(私、何言ってんだろ…)

上条「はいはい言う通りにしますよー」

上条(こいつにはいつも助けられてるしな)

御坂「うぅ、ず、ずっとよ!?」

上条「わぁーってるよ」

御坂「くぅ…」

御坂(なんでこいつこんなにあっさり了承すんのよ…こっちがバカみたいじゃない!)

上条(なんでこいつこんなに顔赤いんだ?ま、まさか本当に…)

上条「もしかして能力のせいで苦しいのか?」

御坂「…へ?」

上条「顔赤いし、苦しいなら病院とか」

御坂「いやいやいや、大丈夫だって!」

上条「苦しいならそう言えよ!何のために俺がいる!」

御坂「えっ、そんな、大丈夫だって…ひゃっ」

上条「熱測るぞ」オデコサワ-

御坂「い、いいってのに…っ!」カァ

上条「ちょっと熱いな…熱さまシート持ってくる」

御坂「いいってのにぃ…!」ワナワナ

上条「ほら、おでこ出して」

御坂「いいわよっ、自分でできるっ!」バッ

上条「そうか」

御坂(なんでこいつはこうお人好しなのよ…)ペタ-

上条「辛くなったらいうんだぞ?」

御坂「わかったわよ…もう。…ふぅ」ヒヤ-


御坂(頭冷えたらなんか冷静になってきた…)

御坂(なんでこんなに焦ってんのよあたし)

御坂(これじゃあ本当にただのバカじゃない)

御坂(…はぁ)

御坂(……)

御坂(…おでこ冷た気持ちい)


上条(落ち着いてきたかな…?)

御坂「…ねぇ」

上条「なんだ?」

御坂「あんたさ、あの白いののことどう思ってんの」

上条「白いの、ってインデックスのことか」

御坂「その…家族でもないのに一緒に住んでるじゃない」

上条「どうってなあ…、別にインデックスはインデックスだぞ」

御坂「何よその曖昧な感じ」

上条「まぁでも」

上条「今はもう家族みたいなもんさ」

御坂「そう、か」

上条「あと子猫のスフィンクスも我が家のマスコットオティヌスも」

上条「もう、一つ屋根の下で暮らしたら多分家族みたいなもんだろ」

御坂「…あんたん家マスコットみたいなの多すぎよ」フッ 

上条「ん?…確かに」

御坂「あはは」

上条「でもお前だって白井がいるじゃねえか」

御坂「黒子?」

上条「ルームメイトなんだろ?」

御坂「まあね」

御坂(そっか、考えたことなかったな)

御坂(あんまり当たり前すぎて)

御坂(…家族ってこういうことなのかも)フフ

上条「なに笑ってんだぁ?急に」

御坂「ううん、なんでもない。あんたもたまには良い事言うじゃないと思ってー」

上条「たまにはってのは心外だ。上条さんはいつでもハートフルですよー」

御坂「ばかじゃないの」ハハ

上条「そうだ、白井で思い出したんだけどさ」

御坂「なに?」

上条「白井にはこのこと連絡したのか?」

御坂「え、あ、ううん、まだ」

上条「学校には?」

御坂「…それも、まだ」

上条「これからどうすんだよ…」

御坂「どうしようかしらねえ」

上条「他人事みたいに。お前今一番の当事者だろ」

御坂「あたしの言葉をリサイクルすんじゃない」ベシッ

上条「いて」

上条「まあ、今日一日一緒にいるって言っちまったしな」

上条「何か食べるか?」

御坂「あー、もうお昼時か」

上条「そうそう、えっと、何かあるかな、…って」ゴソゴソ  

上条「な、何もない…不幸だ」

御坂「なんで買い込みとかしておかなかったのよ?」

上条「したんだよ!でもなあうちのシスターはそんなの御構い無しに暴食の限りを尽くすんだよ!」

御坂「シスターなのに暴食の罪とか、七つの大罪じゃないんだから」

上条「しゃあねえ…、なあ御坂、外に食べに行くか?」

御坂「そうね、行きましょう」

上条「おし、じゃあインデック達に書き置きしておいてっと」カキカキ

上条「じゃあ行くか」

御坂「うん」

ガヤガヤ  ワイワイ 


御坂(安請け合いしちゃったーっ!?完全にデートの流れじゃない!)マッカッカ 

上条「うーんちゃんとしたもの食べたいなあ。御坂、お前はどこ行きたい?」

御坂「ど、どこでもっ!」

上条「どこでも、か…」

御坂「とりあえずちょっと歩こうっ!」

上条「そうだな、歩きながら探すか」


御坂(くっそ、選択ミスった…っ!)

御坂(あいつはあいつで普通だし!意識してるの私だけじゃない!)

御坂(恥ずかしい…っ)

御坂(…嬉しいけど…」ボソッ

上条「?なんか言ったか?」

御坂「な、なんでもないっ!」マッカッカ

とり確認

十数分後


上条「歩いてみたはいいものの」

御坂「すごい混んでるわね…」

上条「ありとあらゆる飲食店がほぼ満席状態とか…」

御坂「とりあえずどこか座れる場所がほしいわね…」

上条「どこか一つくらい普通に空いてる店はないのかー…?なあ御坂」

御坂「…あ、そこの店割と空いてるみたい」

上条「入るぞ!客が来る前に俺たちが座るんだ!行くぞ御坂!」

御坂「あっ、ちょっとまってよー!」

~店内~


上条「…ふぅ、やっと落ち着いて座れるな…」

御坂「そうね…、あ、ここの紅茶おいしい」ズズッ

上条「まじか、すいませーん紅茶一つー」

カシコマリヤシター

上条「…つか、何でこんなに混んでるんだ?何かのイベントか?」

御坂「それにしては大げさすぎない?それに街が混雑するレベルのイベントを何で私たちが知らないのよ」

上条「それもそうか…。…もしかしてまた異能の仕業だったりして」

御坂「まっさかー……とも言い切れないのがこの街なのよねぇ」

上条「まったくだな」

上条「もし異能だったとして、こんなにリア充を集めてどうしようっていうのかねえ」

御坂「リア充…?」

御坂(うっわ、ほんとだ。よく見たら人混みという人混みがみんなカップルじゃない)

御坂(…あれ、ってことはもしかして私達もハタから見たらカップルに見え…)

御坂(って!バカバカ!私のバカっ!)カァァ

上条「お、おい、また熱上がってないか?」

御坂「へっ?そそ、そんなことは」

上条「まぁ、せっかく他の客も少ないでゆったり出来る店なんだしゆっくり休めよ」

御坂「うん…それはそうなんだけど…」

御坂(勘違いさせて良心が痛むのとドキドキで本当に気分悪くなってきたかも…)

御坂「…ん、あんたの注文来たわよ」

上条「おっ」

オマタセシヤシタ-
ゴユックリドウゾ-

御坂「てかなにも同じ紅茶を頼まなくても」

上条「お前が美味しいって言ってたからな」

御坂「そ、それってどういう」

上条「え?お嬢様生活で舌が肥えてそうなお前が美味しいって言うんだから絶対美味いじゃん」

御坂「んー…まあ実際美味しいんだけどさ…」

御坂(やっぱデリカシーに欠けるわねコイツ)

御坂「まぁ、冷めないうちに飲んでみなさいよ、美琴センセー折り紙付きなんだから」

上条「どれ、ひとつ審議してやろう」ズズッ

上条「おお、ほんとにうまいな!」

御坂「でっしょー!すごい爽やかよねー」

上条「甘さもちょうどいい感じで…、これはハマるかも」

御坂「確かに!何回も飲みたくなるわね〜、どこの茶葉使ってるのかしら」

上条「御坂は茶葉から紅茶作れるのか?」

御坂「お嬢様の教養なめんなー?結構本格的なものをご提供できるわよー」

上条「へえ、じゃあ今度俺にも作ってみてくれよ」

御坂「へ?え、ええ!いいわよ!絶対舌を唸らせてやるんだから!」

上条「楽しみだなぁ」

御坂(こいつ…わざとやってんのかしら)

上条「そうだ、昼飯を食べにここまで来たんだった」

御坂「そういえば」

上条「何か頼むか。御坂、何がいい?」

御坂「んーと、…迷うわね」メニュ-メクリ-

上条「そうだなー…お、これなんか美味そうじゃないか?」

御坂「そうね、あ、でもこっちも中々…」

上条「よし、俺はその隣のハンバーグのやつにするかなー」

御坂「私は…じゃあその隣のパスタのやつにする」

上条「オッケー。すみませーん注文いいですかー?」

店員「承りますー」

上条「俺はこのハンバーグのやつ一つで」

御坂「私はこのパスタやつでお願いします」

店員「かしこまりましたー。ハンバーグひとつパスタひとつ…」ピコピコ

店員「当店、期間限定の『カップル特典』がごさいますがご利用されますか?」

御坂「カカ、カップル特典…っ!?」カァァ

店員「あら…?お二人は恋人同士ではないのですか…?」

御坂「わ、私達そんなっ、カップルとかじゃ…」アタフタ

上条「カップル特典使ってもいいですか?」

御坂「!?」

御坂(こ、こいつっ!なにおうっ!?)パニック

上条「ちなみにカップル特典っていうのは何がお得なんですか?」

店員「フード系の割り引きと無料のスイーツが一つお選びできますよ」

上条「へぇ〜。だってよ、御坂」

御坂「へぁっ!うん!いいわね!」

上条「ちなみにスイーツってどれでもいいんですか?」

店員「いえ、このメニューの、カップル特典の欄にあるスイーツを一つお選びできます」

上条「なるほど、御坂は何がいい?」

御坂「コ、コノしゃんでりあぱふぇデ」

上条「じゃあ、それで」

店員「かしこまりましたー。フード系カップル割り、シャンデリアパフェ一つ、と」ピコピコ

御坂(こここいつっ、カップルとかどどどどういう)アタフタ

御坂「なな、何勝手なことしてくれてんのっ!せせっ説明しろーっ!」プシュ-

上条「へっ?もしかしなくてもカップル特典のことだよな…?」

御坂「当たり前でしょ!急にか…カップルとか…!」カァァ

上条「気分悪くしたならすまん!でも割り引きって聞くと自然と体が反応しちゃうんだよ許してーっ!!」

御坂「び、貧乏学生かっ!」

御坂「……って、割り引き…?」

上条「す、すまん!俺のためと思って許してくれっ!」

御坂(そ、そっか、そういえばこいつはこんなやつだった)ハァ

上条「…み、御坂…さん…?」ビクビク

御坂「もうっ…、別に支払いとかは私も出すからいいの」

上条「じゃあ許してくれるのか…?」

御坂「…許す許さないっていうか」

御坂「…ビックリしただけっつーか!」

御坂(…勘違いしちゃったっつーか)

上条「その…もしかして俺悪いことしたか…?」

御坂「悪いことって、そりゃビックリしたけど…」

御坂「ば、バカじゃないの、別にそんなんじゃないわよ」

上条「いや、そっか、そうだよな…」

上条(御坂だって普通の女の子なんだ。カップルとかって言葉に敏感な普通の…)

上条「すまん、俺、すごい無神経だった」

御坂「いや、いいって!そんな平謝りされても…!」

上条「その、お前とだと友達感覚でこういうことも言えると錯覚してたみたいだ」

上条「でも忘れてたよ、根本的なことだったのに」

上条「お前だって普通の女子中学生だもんな。急にカップルって事にされるのは良くないよな」

御坂「…っ」

御坂「そ、そういうことじゃないの」

上条「へ?」

御坂「そりゃカップルって急に言われて動揺しない奴なんていないし、さ。あと…」

上条「あと…?」

御坂「あ、アンタだからっていうのも……」ゴニョゴニョ

上条「え?なんだって?」

御坂「〜〜っ!!だから!アンタだからっていうのも……!」



インデックス「あー!やっぱりとうまだー!」



御坂「」

上条「い、インデックス?なんでここに」

インデックス「とうまこそなんでこんなとこに短髪と二人っきりでいるの!?」

上条「な、なんでって…、昼飯ついでにちょっくら外食にでもしゃれこもうと…」

インデックス「…私をほっといて?」

上条「ちゃんと書き置きを残しておいたはずだけど!!」

インデックス「そんなの知らないんだよ!!」ガプ


ギャアアアア

とりてす

上条「さて、さっきの続きだが」

御坂「いや、あんた頭、血が…」

上条「なんのことだい」タラー

御坂「いや、フツーに大丈夫なのそれ…」

上条「なんのことだい」タラー

インデックス「私をほったらかしにして露骨にのろけてた罰かも。当然の報いなんだよ」

御坂「のろけ…って、あの、だから、これは違くて!」

インデックス「どーだか。店の外から窓越しに見える二人はどう見ても愛しあう二人だったんだよっ!」デンッ

御坂「愛し合うってっ、だからそれは誤解なんだってば!」

上条「なんのことだい」血ピュー

御坂「いやもうあんたは普通に休んでていいから」

上条「Zzz」スピー



インデックス「熟睡かも」

御坂「そうね…。っていうかあんたもやりすぎじゃない?」

インデックス「人に向かって雷を落とす短髪に言われたくないんだよ」

御坂「ま、まぁ…ってそれはともかく!なんであんたはここがわかったわけ?ここ結構寮から離れてるでしょ」

インデックス「女のカン!なんだよ!」

御坂「学園都市でオカルトチックを前面に出されても」

インデックス「私自体そもそもオカルトの塊だから問題ないかも」

御坂「あー、まじゅつ?だっけ?にわかには信じられないけど」

インデックス「私にはちょうのうりょくを使える短髪が別の力の存在の可能性を排除することの方が云々」

御坂「うーん、そうかもしれないけどさー」

インデックス「論破してしまった」

御坂「いやいや」

インデックス「そもそも短髪こそなんでとうまと二人っきりなの?」

御坂「まあ、成り行き、よね」

インデックス「…やっぱりでーと」

御坂「だだからっ、それはほんと違うって!」

インデックス「まったく!いっつもとうまは私をほったらかしにして女の子ときゃっきゃうふふをしようとする!」

御坂「きゃっきゃうふふは許せないわ」

インデックス「意気投合かも」

インデックス「でもそれとこれとは話が違うかも」

インデックス「短髪!白状するんだよ」

御坂「さっきから言ってるでしょ、コイツの言う通りよ。外食よ、ガイショク」

インデックス「でもさっきから言ってるように愛する二人の会話って感じだったんだよ」

インデックス「…まぁ愛する二人は二人でも、痴話喧嘩って感じもしたけどね」

御坂「…それも女のカンってやつ?」

インデックス「経験則ってやつかも」

インデックス「とうまのあの顔は自分が失敗した時にちゃんと反省してる時の顔なんだよ」

御坂「失敗、か。大げさだなあ」

インデックス「またとうまは何かやらかしたの?」

御坂「というか、私が勝手に焦ったら重く取られたって感じだけどね」

インデックス「なるほど」

御坂「ほんと自己犠牲のお人好しよねぇ」

インデックス「でも私は短髪のことが大事だからちゃんと謝ったと思うんだよ」

御坂「そう、なのかな」

インデックス「きっとそうなんだよ。じゃないとあんな顔はできない」

インデックス「だから短髪ももっと素直になっていいと思うんだよ!」

御坂「あんた今日はやけに親身ね」

インデックス「これでもシスターなんだよ」

御坂「でも素直は余計よ!てかあんたがこなければ勢いに任せられたかも知れなかったのよ!」

インデックス「え?」

御坂「え、じゃないのよ!不本意だけどあわよくばって感じだったのに!!」

インデックス「え?でもそれは私の知るところではないかも」

御坂「少しでもあんたのことを親切だと思った私がバカだったわ」

インデックス「私は今この瞬間空腹という名の生命の危機を迎えてるんだよ!!他人の色恋を気にしてる暇などないんだよ!!!」クワッ

御坂「あんたマジで暴食の罪で地獄に落ちろーっ!!」キエーッ



店員「あ、あのー…」

御坂「あ、きたきた」

インデックス「料理…」ジュルリ

店員「お待たせしましたー。ハンバーグ、パスタ…」カタッ カタッ

御坂「ありがとうございますー」

店員「…あと……」

コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛


インデックス「…こっ、これはッ!!!???」


店員「”シャンデリアパフェ”―――で、ございます。」ゴトン


インデックス「ッッッッ~~~~!!!!!」


 その時、歴史が動いた。

それはまるで氷山のようにそびえ立ち、触れるも惜しい造形美。
直径30㎝の器、それを余すところもないほどに埋め尽くしたそれはスイーツという名の誘惑の怪物だった。
器の側面から覗くは、黒、白、ピンク、白、黄色と、色彩に富んだチョコレートソースの層。
その中に時々混じる色とりどりのフルーツが宝石のように輝き一際、色を与えていた。
さらにその上に君臨する標高50㎝もあるアイスクリーム、生クリームホイップの氷点下の造山帯。
加えてそれらを讃えるように横に侍るお菓子の数々が甘さという表現のロンドを奏でていた。
極めつけは頂きに鎮座するチェリーが尊大さの中に愛嬌を兼ね備え…。



インデックス「…ハッ!!意識が飛んでたんだよ!!」

御坂「まずはそのヨダレを拭きなさい」

インデックス「危うく別の世界に行くところだったんだよ…」フキフキ

店員「ごゆっくりどうぞー」



御坂「しかし…でっかいわねー」ビックリ

インデックス「革命なんだよ…革命が起きたんだよ…!!」ガタッ

御坂「これはいくらなんでも食べきれないわね…」

インデックス「そ、それならっ!」

御坂「ええ、あんたにあげるわよ。私は自分のがあるしね」パスター

インデックス「…」

御坂「…?てっきり喜ぶもんだと思ったんだけど。お腹すいてるんじゃないの?」

インデックス「…天にましますわれらの父よ、今日はこのような幸福を与えていただき…」ブツブツ

御坂「なるほど、お礼はそっちに言うのね」

インデックス「短髪!ありがとうなんだよ!」

御坂「はいよー」

インデックス「じゃあ早速…いっただっきまー…」


上条「…むにゃ。あれ、いい匂いがするぞ…?むにゃ…」ムクッ

上条「むにゃ、…お、美味しそうなチェリー…。どれ」パクッ


インデックス「」

御坂「…あーあ」

上条「すっぱうまうま」

インデックス「」

上条「…ん?インデックス、どうした固まって。こんなに美味しそうなパフェを目の前…に…して…」ハッ

上条「…もしかして大変なことになってます?」

御坂「私は知らないわよ」

インデックス「上条当麻」

上条「は、はい」

インデックス「永久に眠れ」

上条「」


ギャアアアア

インデックス「ぷんすかすか」

上条「シスターさんは慈悲がない」

御坂「大罪を犯したのよ。大きな罪、と書いて大罪よ、あーゆーおけー?」

上条「あ、あーゆーおけー…」

御坂「アンタに無自覚T◯L◯veる症候群があるのは知ってるけど、これは別のベクトルでタチが悪いわよ?」

上条「でも!しょうがなくないですか!!寝ぼけてのこ

ド ン ッ

上条「ひえっ…」

インデックス「…もう…ほんと…笑わせてくれる…」^_^

上条(今日死ぬかも)

御坂(こわい)

御坂「…ちょっと。あの子シャレにならないキレ方してるわよ」

上条「なんで笑顔でこんなに負のオーラを醸し出せるんですか…」

インデックス「ああ、こんなに豪華なパフェが目の前にあるというのにこの虚しさはなんでしょう」^_^

インデックス「パフェ=幸せ…なら私は幸せ…私は幸せなのね、うふ、うふふふふ」^_^

インデックス「首を落とされたパフェでも私は幸せなのね、うふふふふふふ」^_^ スチャ

上条「ひいいぃぃっ!!!ごめんっ!!謝るから俺の首に当てたそのステーキ用ナイフをしまってええっ!!!」

インデックス「貴方の首をパフェ乗っけたらチェリー以上に美しい赤色に…」^_^

御坂「シスターにあるまじき事をやろうとしてるんですけどこの人ーっ!!??」ジリョクビリリッ

インデックス「ああっ。…短髪、ナイフを取らないで。この人を切れないでしょ」^_^

御坂「目覚ましなさいってばっ!!目からハイライトが消え去ってるわよっ!!」

上条「だーっ!!もうわかったよ!!帰りに好きなお菓子一つ買ってやるから!!」

インデックス「……ほんと?」

上条「ああ、何が欲しいんだ言ってみろ」

インデックス「カナミンの途中でやってるしーえむ?のやつ…あれ」

上条「カナミン…?…もしかしてポッ◯ーのことか?」

インデックス「それ!なんだよ!私もポキッとしてみたいんだよ!ポキッと!」

上条「そんなもんでい

ツンツン

御坂「せっかく落ち着いたんだから余計なこと言わない」ボソッ

上条「そ、そうだな」ボソッ

上条「じゃあ帰りにそれ買ってやるよ」

インデックス「やったあ!」

上条「そういえば俺たちの分の料理も既に来てるんだよな」

御坂「誰かさんのゴタゴタのせいで冷めかけてるけどね」

インデックス「とうまのせいなんだよ」

上条「すまん…」

御坂「せめて冷めきらない内に食べちゃいましょ」

上条「だな」

インデックス「このパフェも溶けない内に食べるんだよ!」

上条「俺のハンバーグうまいな」

御坂「私のパスタもうまいわよ」

インデックス「私のパフェもうまいんだよ!」

上条「…!!」

御坂「あ、あんた」

インデックス「?どうかした?」

上条「あんなに巨大だったパフェがもうこんなに…っ!」

御坂「大食いってのは知ってたけどここまでとは…っ!?」

インデックス「ごちそうさまなんだよ!…げぷー」

上条「…食い切りやがった」

御坂「確かにこれなら冷蔵庫の中身全部平らげるのもわかるわよね…」


インデックス「…美味だった…」テカ-

上条「でもこれが無料で良かったよ」

上条「いつもだったら奮発して頼んだデザートが一瞬にして腹に収まることに一抹の虚無感を覚えるところだ」

御坂「あんたいつもそんな感じなのね…」

インデックス「普段もやしばっかの生活じゃ誰だってそーする私だってそーする、なんだよ」

御坂「も、もや…ってまじか」

上条「ああ、だからカップル特典だかのお陰でこの後買いに行く分の食費が浮いたよ、ありがとな」

御坂「食費…あぁ、そうか」

御坂(だから割引ってところに反応したわけね)

御坂(さっき嫌な顔しちゃったの、ちょっと悪いな)

御坂「…食費くらいなら私が都合してあげるわよ?」

上条「いや、それはさすがに悪いって。それにそっちの生活もあるだろ」

御坂「でも、困ってるんでしょ?」

上条「まあ…。でもこういうことでお前に頼るのは何か、違う気がする」

御坂「そう…?」

インデックス「そうなんだよ、短髪が悩むことではないんだよ」

上条「…あれ、インデックスのくせに"食"というワードに食いついてない…」

インデックス「何だって、とうま」

上条「なんでもないですよー」

御坂「あはは」

〜〜〜

上条「みんな食べ終わったし、そろそろ出るか」

御坂「そうね、結構長居しちゃったみたいだし」

上条「どのくらいいたんだ?」

御坂「ざっと二時間くらい?」

上条「そんなもんか」

御坂「この後どうする?」

上条「買い物…にしては少し早いか。インデックス、お前何かあるか?」

インデックス「私は昼寝がしたいんだよ…」ファ-

上条「パフェ食って眠くなるって相当じゃないのか…」

御坂「量が量だしねぇ。昼下がりでもあるし」

店員「オカッケ-セッヒャクッス、アザッシタ-」チャリ-ン


上条「で、外でたはいいものの」

御坂「何するか決まってないわね」

上条「とりあえず公園で暇潰すか」

御坂「そうね、あんたもそれでいい?」

インデックス「…うん」ウツラウツラ

上条「今にも転びそうだな…」

御坂「たくもう、ほら、掴まんなさい」

インデックス「…あ、ありがとうなんだよ」ヨロロ

上条「すまん御坂、任せるよ」

御坂「これくらいどうってことないわよ」

〜公園〜


インデックス「すぅ…」zzZ


御坂「…ほんとにマイペースね、あの子」

上条「うちの居候が申し訳ない」

御坂「何で謝るのよ」アハハ

上条「な、何となくだけど」

御坂「何それ」アハハ



上条「はぁ、たまにはこういうのんびりしたのもいいな」

御坂「なんか最近色々あったしね」

上条「そうそう、自分が高校生ってのも忘れるくらい学校以外の場所にいたからな」

御坂「自分から首突っ込むからでしょ」

上条「ぐうの音も出ないです」

御坂「まあ、私といる時くらいは肩の力抜いたら?」

上条「…」

御坂「…?何よ、マヌケな顔して」

上条「…いや、御坂からそんなこと言われるなんて思わなかったから」

御坂「…」

御坂「…っ!?」カァァ

御坂(私、今結構思い切ったこと言ったような…)ワナワナ

上条「…そうか、そうだな。お前といる時くらいは肩の力抜いてみるか」

御坂「…!」カァ

御坂(どうせ深く考えてはいないんだろうけど…)

上条「そういうこと、言ってくれるだけで嬉しいよ」

御坂(天然ジゴロめ…)ポワポワ

上条「そういえばさ」

御坂「?」

上条「漏電とか言ってたのどうなったんだ?」

御坂「あ、そうだった」

上条「ん?今、そうだったとか言わなかったか?」

御坂「全っっ然言ってない」頭ブンブン

上条「で、どうなったんだよ」

御坂「ん、ま、まあ、ぼちぼち…」

上条「ぼちぼち…?」

御坂「ぼ、ぼちぼち」

上条「なんだ?ぼちぼちって」

御坂「こう、…とにかくぼちぼちなのよっ!」

上条「意味がわからないんですが」

御坂「…ぐぬぬ」

御坂「は、はたして意味というものに意味はあるのだろうか」

上条「…?」

御坂「古今東西万物に意味を見出そうとして来たがはたしてそれは本当に…」

上条「御坂、難しいこと言ってこんがらがらせようとしても無駄だぞ」

御坂「…ぬぬ」

上条「やっぱり嘘なのか?」

御坂「う、嘘じゃな…いんだけどなー」

上条「わっかりやす」

御坂「うっさい…っ!」

御坂「もう、観念するわよ…。嘘よ、嘘」

上条「やっぱりか…」ハァ

御坂「ごめんなさい…。別に悪気はなかったの」

上条「ああ、それはいいんだけどさ」

御坂「怒らないの?」

上条「こんな嘘で怒るくらい器が小さいと思われてるほうが傷つくんですが…」

御坂「前言撤回。でもいきなり押しかけたりしたし…」

上条「第一位やら魔神やらが押しかけるような部屋に住んでて今更驚かねーって」

御坂「いや驚くっていうか、迷惑だったんじゃないかって」

上条「迷惑?なんでだ?」

御坂「え?」

上条「俺が御坂を迷惑って思うわけがないだろ」

御坂「っ」ドキッ

御坂(ひ、卑怯でしょ、こんなの)ドキドキ

御坂(こんなこと言われたらもう何も言い返せないじゃない…っ)


上条「御坂?」

御坂「…何よ」ポワポワ

上条「えっ、急に不機嫌!?」

御坂「なんでそうなんのよっ//」ゲシッ

上条「いてっ!ほらっ!!やっぱりなんか怒ってるっ!!」

御坂「怒ってないっていってんでしょーがっ!!」

上条「それは無理があるだろーっ!!」

御坂「もう…別に怒ってないってば」

上条「そうかぁ…?」

御坂「それより…なんで嘘ついたか聞かないの」

上条「じゃあ、何でなんだよ」

御坂「それは…、今は言えないけど」

上条「どういうことだよ」

御坂「そのままよ。今は言えない」

御坂「でも…いつか、絶対言うから」

上条「…!」

上条「…わかった」

上条(俺は知ってる。この目は決意した人間の目だ)

上条「じゃあ…言えるようになるまで待ってるよ」

御坂「…うん」カァ

御坂「案外深く聞こうとしないのね」

上条「まぁ人に言えない事なんて誰でも一つくらいあんだろ」

御坂(…あ、そっか。こいつも記憶喪失を黙ってたわね)

上条「それにお前はいつか言うって言ってくれてるんだからまだマシさ。家宝は寝て待てだっけ、ってやつだ」

御坂「果報、でしょ」

上条「あれ」

御坂「あはは…」

御坂(家宝になってくれると嬉しいな)

上条「御坂、喉乾かないか?」

御坂「そうねぇ、ちょっと乾いたかも」

上条「だよな。何か買うか」

御坂「でもこの辺無いっぽいわよ、自販機」

上条「そうなのか、じゃあちょっと歩くか」

御坂「あの子はどうする?」

上条「俺がおぶるよ。ついでにいい感じの木陰見つけようぜ」

御坂「あーこの天気に木陰で涼むの気持よさそうねえ」

上条「…よいしょ、っと。…じゃあ歩くか」

御坂「はいよー」

インデックス「すー…すー…」

上条「…しっかしよく寝てんなぁ」

御坂「ほんと。気持よさそうに寝ちゃって」

上条「まぁこいつにはあんまり贅沢させてやれてないからなぁ…。たまの贅沢が嬉しかったんだろ」

御坂「あんなでかいパフェ一人で食べたんだもんね」

上条「気持ちはたまには贅沢させてやりたいから良かったよ」

御坂「でも食費すっからかんなのってこの子のせいなんじゃ…」

上条「確かに因果応報だけどさ、貧相な飯ばっかってのもかわいそうだしなー」

上条「まあ因果応報には変わりないんだけどな」

御坂「複雑ねえ…」

上条「お、自販機みっけ」

御坂「私、お先ー」チャリン

上条「あっ、ずりぃぞ」

御坂「こういうのは早い者勝ちなのよー」ガコン

上条「くそ、眠りこけるインデックスがここにきてハンデとなったか…!」チャリン
 
御坂「ゴクゴク…ぷはっ、染みるわ〜」

上条「年寄りくさいですよー御坂さん」ガコン

御坂「こういう時はノーカンよ」

上条「ゴクゴク…ぶはあ、生き返るー」

御坂「あんたも似たようなもんじゃない」

上条「こーゆーときはノーカン、なんだろ?」

御坂「真似しやがって」


上条「…と、あそこにいい感じの木陰ないか?」

御坂「あ、ほんとね。あそこで休むか」


インデックス「すー…すー」

上条「…よし、木にもたれさせてっと」

御坂「良い場所見つけたわねー、涼しくていいわー」ソヨ-

上条「ああ…そだなー」ソヨ-

御坂「…」

上条「…」

御坂「…こういうの好きだな」

上条「…!」

御坂「…平和で、嫌なことも忘れられる」

上条「…確かに」

上条「俺も…好きかも」

御坂「…」

上条「…」

御坂「…あの」

上条「…なんだ?」

御坂「さっきファミレスでカップル特典どうこうのときさ」

上条「…ああ」

御坂「変に嫌な顔しちゃってこめんなさい」

上条「…いや、俺が無関心だったよ、あれは」

御坂「あんたは悪くないわよ、悪いのは私」

御坂「カップルってことにして割引き目当て、って思っちゃったのよその時は」

御坂「そもそもあんたん家に食べれるもんなくて外出てるんだから節約の為って気付けた筈なのにね」

上条「…」

上条「なんか…気使わせちまったな」

御坂「いいのよ」


上条(もしかしていつも俺の知らない内に気を使わせてしまっていたんだろうか)

御坂(いつものことなんだもん。慣れたもんよ)

御坂「とにかく、今はもう気にしてないわ」

上条「そうか」

御坂「でも困ったことがあったら、さ」

御坂「私も、協力させてよね」

上条「協力、か」

御坂「アンタ、いつも一人で突っ走り過ぎなのよ。少しは私にも手伝わせてよね」

上条「そんなに突っ走ってるつもりはないんだけどなぁ」

御坂「それでも、よ。…私だってアンタに恩くらいあるんだから」

上条「それこそ気にしなくていいのに」

御坂「ばか。気にするに決まってるわよ」

あ、ちなみに言い忘れてたと思うんですけど、時系列的に言うと新約13巻、14巻付近です。

上条「まあ、本当に困ったら頼るよ、さすがに」

御坂「どーだか」

上条「本当だって。俺に出来なくても御坂なら出来ることなんて山ほどあるだろ?」

御坂「まあ」

上条「そうなったら頼るしかないだろ」

御坂「そうなったら言ってよね。私もちゃんと協力するから」

上条「そういう御坂さんだから頼めるわけです」

御坂「イェス、信頼関係」

御坂「って、そうじゃなくて」

御坂「今、何か困ってることない?」

上条「ある、…つか、そのせいで今俺たちは外にいるんじゃなかったか?」

御坂「あーそっか、食べ物のお話」

上条「このままじゃ衣食住の食がどっかに遊びに行っちゃいそうです」

御坂「ちなみに金銭面は…」

上条「今週しのげるかどうかってところです」

御坂「oh…」

御坂「うーん、食費を私が工面するのは」

上条「それはだめだって、色々と」

御坂「それじゃあ…」

御坂(ついにこの手を使うか)

御坂「私がアンタのために手料理を振る舞ってあげるわ!」

上条「え、まじ?」

インデックス(行ったッ!!)

上条「それって俺の寮まで来て作ってくれるってことか!?」

御坂「そ、そうよ!」テレッ

上条「いや、それはさすがに悪いって!」

御坂「でも、それだったら私がお金を出すことは問題ないし直接何かしてあげられるでしょ?」

上条「まあそうだけどさー…」

御坂「じゃ、じゃあ決まりねっ!さっそく材料の買い出しに行くわよ!」

上条「強引すぎやしませんか」

御坂「何よ…嫌なの?」

上条「ちょっ、そんなあからさまに悲しそうな顔しないで!!罪悪感が!!」

御坂「じゃあ何が不満なのよ」

上条「不満つか…本当にいいのか?」

御坂「私がしてあげたいって言ってんの」

上条「そういうことなら、お言葉に甘えて今日の晩飯は任せてもいいか?」

御坂「やっと素直になったわね。もちろん、任せなさい!」

御坂(やっと今日行動を起こした意義が出てきたわね…)

御坂(そもそも気持ちに積極的になるためにアイツの住む寮に凸したのが全ての始まり…)

御坂(土壇場の漏電作戦はオジャンになったけど、王道中の王道の手料理作戦なら…!)


インデックス(じれったいかも)

上条「おーいインデックス起きろー、移動するぞー」

インデックス「…むにゃ、気持ちよく眠れたんだよ」ノビー

上条「驚けインデックス、今日は御坂が手料理を振る舞ってくれるらしいぞ!」

インデックス(さっきまで全部聞いてたけど…)

インデックス「ほんと!?ありがとうなんだよ短髪!」

御坂「いいのよ。それより早速買い出しに行きたいんだけど、すぐ歩ける?」

インデックス「大丈夫なんだよ、ご飯のためならどこへでも歩く覚悟なんだよ」

御坂「それじゃあ、早速…っと、まずは何を作るかを決めなきゃ」

上条「歩きながら考えるか」

御坂「そうね」

・・・


御坂「まず二人の食べたいものを教えてちょうだい」

上条「肉で」

インデックス「肉なんだよ」

御坂「えらくザックリしてない…?もっと具体的にないの?」

上条「もうね、あんまりビンボーしてると肉って単語だけで幸せになれるんだよ」

インデックス「だよ」

御坂「なにそれ哀しい」

御坂「せっかくなんだからもっと注文してくれた方が私も助かるんだけど…」

インデックス「だったら黒毛和牛のフィレステーキが食べたいかも」

上条「うまそうだなぁ…」ポワ-

御坂「黒毛和牛…は値段的にちょっと無理だけど、ステーキでいいの?」

インデックス「プレート焼きで食べたいかも!」

上条「うちにプレートなんてありません」

インデックス「…え」

御坂「それなら私が用意できるわよ」

インデックス「さすがれべるふぁいぶ、なんだよ!」

御坂「ふっ」フンス

御坂「アンタはなんかないの?」

上条「俺もインデックスと同じのでいいよ」

御坂「じゃ、二人ともステーキ?」

インデックス「はい!」

御坂「それじゃ買いに行きますかー」

~ スーパー ~


御坂「じゃあ私は材料買ってくるから、二人とも待っててね」

上条「おう」

インデックス「了解なんだよ!」


上条「あー、インデックス、ちょっとここで待っててくれ」

インデックス「?どうしたのとうま」

上条「すぐ戻る。ここから動くんじゃないぞー」

インデックス「いっちゃったんだよ」

~~~


上条「…どこだー、っと」

上条「おーいたいた」

御坂「?どうしたの?」

上条「買うものあったの思い出したんだよ。どうせなら一緒にと思って」

御坂「それ一つだけ?」

上条「まあな」

御坂「それだけなら私が払うわよ、ほらかごに入れて」

上条「いやいいよ、これは俺が買わないと意味がないからな」

御坂「?」

店員「ありがとうございましたー」


御坂「…これくらい私が持つのに」

上条「このくらいはさせろって」ニモツモチ-

御坂「相変わらずよね、アンタ」


ネ-イイデショ?
アノ.チョット...


御坂「…ねえ、あれって」

上条「インデックス!?」ダッ


男「ね、お願いだよちょっとの間だけだからさ」

インデックス「こ、困るんだよ…」

上条「インデックス!」

インデックス「と、とうま」

上条「すみません、うちの連れなんで」

男「なんだ、男連れか」

インデックス「そういうことなんだよ」

男「ごめんね迷惑かけて。じゃあね」


上条「…大丈夫かだったか!?」

インデックス「うん、何ともないかも」

上条「そうか…」

御坂「何かされてない?」

インデックス「ううん、大丈夫なんだよ」

御坂「よかった」

インデックス「でも、さっきの人はそんな悪い人には見えなかったかも」

御坂「どういうこと?」

インデックス「なんかカードのスタンプが欲しいから恋人のフリをしてくれって言われたんだよ」

上条「カード…?カードって…これか?」スッ

御坂「なにそれ?」

上条「さっきレシートと一緒に貰ったやつ」

御坂「どれどれ、【豪華賞品プレゼント!love!love!スタンプラリー】…ってなにこれ!?」


インデックス「あっ、それなんだよ」

上条「へー、【カップルでお店を制覇するとコチラの豪華賞品が当選で当たる!】かー」

御坂「学区ごとに一つずつ指定されてるお店でスタンプ貰っていくのね…」

上条「前に携帯ストラップが欲しいからって一緒に写真撮ったときのやつみたいなもんか?」

御坂「そ、そうねー」テレッ

上条「てか、だからさっきあんなにカップルがいたのか」

御坂「あーなるほど…、って」

御坂(カップルのためのイベントのカード…貰ったのはアイツだけ…ってことは…)

御坂(またカップルとして見られたってこと!?)

御坂(恥ずかしい…)ワナワナ

上条「そういえば御坂もカード貰ったのか?」

御坂「え?も、貰ってないわよ?」

上条「何で俺だけ貰って…あ」

御坂「…?」

上条「あー、そうか俺だけかー」

御坂「え、そうみたいね…?」

上条「御坂は貰ってないの何でだろうなーっ」

御坂(…も、もしかして…っ)

御坂(察してる…っ!?普段、鈍感なコイツがっ!!)

上条「うーん…またか…」ポリポリ

御坂(いつの間に成長したの…!)

御坂「あのね、カップルに間違われるのは別にいいってさっきで言ったでしょ」

上条「!…そ、そうか…」

御坂「まぁ、ちょっと恥ずかしいけど」

上条「そうか…、ごめんな」

御坂「謝らないで。別に実害被ったわけじゃないんだしさ」

上条「そうなんだけどさ」

御坂「とにかく買い物は済ませたし、早くアンタの寮まで行くわよ」

上条「そうだな」

御坂「あ、でもその前に私の寮からステーキ用プレート借りてくるから荷物だけ運んどいてくれないかしら。あとから向かうわ」

上条「りょーかい」

インデックス「やっとお肉にありつけるんだね!ワクワクかも!」

上条「お前が際限なく食べなければうちにも肉はあったんですがね」

インデックス「過去は振り返らない主義なんだよ」

~~~

御坂「じゃ、早めに向かうわね!」


上条「いっちまった」

インデックス「早く帰るんだよとうま!」

上条「はいはい、わかってますよー」

インデックス「あ、そういえば、さっきパフェのお詫びで約束した…」

上条「◯ッキーだろ?買ってあるさ」

インデックス「さすがなんだよ…」

上条「でもこれは夕食のあとな」

インデックス「えーっ!?とうまのいけずっ!!今ちょうだい!!」

上条「おやつは食後って決まってるでしょうがっ!!」

インデックス「くっ…」

上条「せっかく御坂が手料理ふるまってくれるんだ。お菓子で腹いっぱいになったらもったいないだろ?」

インデックス「確かにそうかも…」

上条「だからあとでちゃんと渡すから待ってろ」

インデックス「約束なんだよ?」

上条「おう」

インデックス「…そういえば」

上条「?」

インデックス「とうまは短髪のことどう思ってるの?」

上条「どう…?うーん、良い友達…腐れ縁…?」

インデックス「あー、質問を変えるんだよ」

インデックス「今日手料理をふるまってくれるってことに対してどう思った?」

上条「すごい助かるよなあ、持つべきものは友だなーって」

インデックス「…友か、とうまは変わらないね」ボソッ

上条「…でも、男子の部屋に女の子が一人で来るって大丈夫なのか?」

インデックス「…?」

上条「お嬢様でもあるし、第一そんなことしたら俺と付き合ってるとか…噂が流れるかもしれないって心配はある」

インデックス(とうまはとうまなりに短髪を女の子として意識し始めてる…?)

上条「今日だけで二回もカップルと思われてしまったしな。俺は悪い気はしないけどあっちは迷惑かも知れないし…」

インデックス(悪い気はしない…か)

インデックス「とうまにしては上出来かも」

上条「ん?どういうことだ?」

インデックス「なんでもないんだよ」

上条「まあ気にしてもしょうがないし、さっさと寮に帰るぞ」

インデックス「そうだね」

~上条宅~


インデックス「ただいまーなんだよ!」

上条「さて、まずは御坂が来るまでに部屋を綺麗にするか」

インデックス「そうだね、頑張ってとうま」スタスタ

上条「お前も手伝うんだぞ」ガシッ

インデックス「くぅ」



上条「…ふう、こんなもんか」

インデックス「部屋は綺麗になったけど体は疲れたんだよ…」

上条「スフィンクスを野放ししたツケがきたな」



ピンポーン

上条「お、きたか」

>>127分岐

~~~

御坂「じゃ、早めに向かうわね!」


御坂(…ついにちゃんとした具体策を講じる時が来たわね…!)

御坂(今思えばアイツは毎回戦ってばかりで、私が手助け出来る時なんて戦いの中くらいで…)

御坂(そりゃあ腕には自信あるけど…、ただの戦力からは今日で脱却しなきゃ!)

御坂(これからは家庭的な腕っぷしで手助け出来る女になるんだから!)

~常盤台女子寮~

御坂「早めに向かうって言ったし、早く用は済ませないとね」

御坂「まずはステーキ用プレート借りてこなきゃ」

御坂「えーと、調理室…調理室…あった」

御坂「誰かいますー…?」ソロソロ

御坂「…誰もいないのね」

御坂「とりあえず…ステーキ用プレートどこだろう、あ、あった」

御坂「どうしよう、勝手に取ったら寮監が怖いしなー…」

御坂「困ったなぁ」

ガヤガヤ・・・


御坂「!?誰か来た…!?」


「御夕食のお準備をしないとですわー」「ですわー」


ビリッ
御坂(咄嗟に調理室のダクトの裏に磁力で引っ付いて隠れてしまった…)

御坂(夕食ってことは繚乱家政女学校の実習生…?)

御坂(さすが天下の常盤台、調理室のダクト一つとってもでかいからバレることはないと思うけど…)

御坂(…ん?繚乱ってことは…あの子いるんじゃ…)

御坂「…」

御坂「…」

御坂「…」

御坂「…ちらっ」

御坂「ちゃんすっ」スタッ

「…?」「どうしたんですの?」「誰かいた気が…」「気のせいでは?」「そうですわね…さて、お仕事に」

御坂(あっぶねーっ!!)

御坂(もうちょっとでバレるとこだったーっ!!)

御坂(でもこれで普通に入口から入れる…!)

御坂「あのーすいま

舞夏「御坂ー?こんなところで何してるんだー?」

御坂「ひぇっ!!?」

舞夏「…そんなに驚いてどうしたんだー?」

御坂「びっくりしたー…って!ちょうど良かった!」

舞夏「もしかして私に用があるのかー?」

舞夏「用があるなら言ってみろー」

御坂「あの、ステーキ用のプレートを貸してもらえないかしら?」

舞夏「ステーキ用のプレート…?なんでまた?」

御坂「えーと……そう、料理の勉強してみたくて!」

舞夏「料理の勉強?なら私が教えてやれるぞー?」

御坂「え?あ、大丈夫大丈夫っ!自分でやれるからっ!」

舞夏「そうかー?しかし珍しいなー。御坂が……っ!?」

御坂「…?ど、どうしたの?」

舞夏「も、もしかして御坂ー」

御坂「…?」

舞夏「そうかそうかー、御坂もそうかー」

御坂「え、何なのよ…?」

舞夏「ちょっと待っててくれー」

御坂「う、うん」

舞夏「ほら、持ってきてやったぞープレート」

御坂「あ、ありがとう!助かるわ!」

舞夏「…御坂。がんばれよー戦う乙女は孤独だぞー」

御坂「え、…!…うん、がんばる」

御坂「よし、これで準備は整ったわね」

御坂「行くか。いざ戦場に参る、ってね」


黒子「…あら、お姉様じゃありませんの!」

御坂「…げ」

黒子「帰ってきていらしたんですの?」

御坂「ま、まあね。でもこれからまた出るわよ」

黒子「そうですの?やけに忙しいですわね…まさかまた厄介ごとに首を突っ込んでらっしゃいませんこと?」

御坂「そんなんじゃないわよ、夜には帰るわ。…あ、黒子また寮監よろしくね…?」

黒子「はぁ…、またですの…?」

御坂「ごめんね!近いうちに買い物付き合ってあげるから!」

黒子「いっってらっしゃいませっ!!」?(≧▽≦)?ゞ

~上条の寮の部屋の前~


御坂「…よし」


ピンポーン

ガチャ

上条「よう!」

御坂「お、おっすー」

上条「とりあえず入ってくれよ」

御坂「!お邪魔します!」

御坂「…」ドキドキ

上条「…?どうかしたか?」

御坂「…な、なんでもない。お邪魔します…」

上条「…、おう、上がってくれ」



インデックス「いらっしゃいませ!なんだよ!」

御坂「お、お邪魔してます」

上条「そんな硬くなるなって。初めてじゃあるまいし」

御坂「そ、そうよね。じゃあ早速、始めてもいい?」

上条「おう、そこの台所は自由に使ってくれ!」

御坂「とりあえず、二人は座って待ってて…って何してるの?」

上条「ん?俺も手伝うぞ」エプロンツケ-

御坂「いいわよ、私がやるから座って待ってて」

上条「任せっきりはさすがに悪いって」

御坂「それじゃあ意味ないでしょ!アンタのために私は…あ」カ-ッ

御坂「…もうっ!とにかく私がやるの!」

上条「え、でも…」

インデックス「とうまも料理うまいし二人でやりなよ!」

御坂「でもそれじゃあ」

インデックス「そのほうが早いし…ねっ」ウィンク☆

御坂「…え」

インデックス「二人の方が良いんだよ!ねっ」ウィンク☆

御坂「えー…と、そうね、二人でやりましょ…」

上条「おし、そんじゃ俺も手伝うぞ!」

御坂(この子がこんなに押しが強いとは思わなかったわ…)

御坂「…まあ、がんばるか」

上条「御坂、エプロン持ってきたか?」

御坂「あ、そうだ…、忘れてきた」

上条「じゃあもう一つあるから借りてくれ」

御坂「ん、ありがと」エプロンツケ-

上条「…!」

御坂「…頭巾をつけてっと」後ろ髪ファサ-

上条「…っ」

御坂「?」

上条「いや、なんでもない」

御坂「まずは材料ね。さっき買ったのって冷蔵庫の中?」

上条「ああ」

御坂「…よし、これで全部ね。あとは…調味料はある?」

上条「塩胡椒でいいか?」

御坂「もちろん」

上条「置いとくぞ」

御坂「そいじゃあ肉と野菜切りますか」

上条「了解!」

トントントン…


御坂「…どう?そっち終わった?」

上条「いやまだだ。そっちは?」

御坂「私もまだね…」

上条「そうか」


御坂(…会話が続かない)

御坂(これでは来た甲斐がない…!)

御坂(どうしよ…)



上条「…、なぁ御坂」

御坂「?」

上条「その、ありがとう…な」

御坂「え、何よ急に」

上条「いや、さ。寮に来てまで俺らの事考えてくれて」

御坂「あ、その…」カァ

上条「すげーありがたいよ」

御坂「…い、いいってことよ!私がしたくてしてるんだから!」

上条「…そうか!」


御坂「そっち終わった?」

上条「おう!そっちは?」

御坂「終わったわ。ってことは」

御坂「あとは私がやるから座って待ってて!」

上条「でもまだやる事残ってるだろ?手伝うよ」

御坂「これからが本番なんだから。今日は私がもてなす側なんだから任せなさいっ…ほら!」

上条「うわ、押すなって!…わかったよ、俺は向こうで待っとくって」

御坂「それでいいの。腕によりをかけて仕上げるから待ってなさい!」

上条「おう!楽しみにしてるよ」

数分後・・・


御坂「できたわよー」

上条「おお!すげーうまそーっ!」

インデックス「待ってたんだよっ!」

御坂「どうぞ召し上がって」

上条「じゃあ早速…」

上・イン「「いただきまーす!!」」


上条「うめー!」

インデックス「うまいんだよ!」

御坂「あはは、ありがと」

上条「焼き加減とか最高だぜ御坂!」

インデックス「この味付けも憎いんだよ!」

御坂「そんなに言ってもらえると作った甲斐があるわ」

上条「…あれ、御坂の分はないのか?」

御坂「ん?そうよ?」

上条「どうりで肉ちょっと少なめと思った…」

上条「わかった。ほれ、御坂」スッ

御坂「…えぇっ!!?」

上条「ちょっとだけだぞ」

御坂「いやいやっ!そうじゃないでしょ!!何よその差し出した肉!!」

上条「ん?だから分けてやるってことだよ」

御坂「」

上条「?もしかして腹減ってないとか?」

御坂「あ、あの…そういうことじゃなくて…」

上条「だったらせっかくだし一口くらい食ってみろよ。うまいぞー」

御坂「…っそ、そうね…!一口だけ、一口だけ…っ」

御坂「ぱくっ」

御坂「…、…」モグモグ

上条「うまいだろー!…ってお前が作ったものだけどな、はは」

御坂「……」

上条「ど、どうした?黙りこくっちまって」

御坂「あの、とても美味しゅうございました」カァ

上条「だよな!」

御坂「…あつい」カァ

上条「そんな熱かったか、すまん。ふーふーって冷ましとけばよかったな」

御坂「そんなことしたらもっとあつくなるからやめて」

上条「え、えぇ…?どういうことだよ」

・・・


上・イン「「ごちそうさまでしたー!!」」

御坂「お粗末様です」

上条「いやーゼイタクな時間だったぜ…」

インデックス「げぷー」

御坂(喜んでくれてよかったなあ)

御坂「じゃあ食器洗うわね」

上条「あっ、俺も手伝うぞ」

御坂「今はまんぷくに浸ってればいいのに」

上条「そうもいかねえよ」

カチャカチャ


御坂「喜んでくれたみたいでよかったわ」

上条「すげーうまかったよ。普段の肉より輝いて見えたぞ」

御坂「スーパーで買ったものでも腕次第では良いものになるのよ」

上条「確かに大した腕だ」

上条「それにお嬢様ってのも伊達じゃないんだな。家庭力っていうか」

御坂「今更気づいたのー?それに私は普段から教養に溢れてるでしょーが」ニヤニヤ

上条「それはないわ」

御坂「なにをーっ!?」ゲシッ

上条「いてっ」

上条「まあ、今日はお前の新しい面が見れたってのも一つ収穫だな」

御坂「え?」

上条「女の子って感じだったぞ、いつもより」

御坂「」ガタッ

上条「ちょっ!?皿の山揺らすな…っ!?」

御坂「…アンタはどっちがいいの?」

上条「何がだよ」

御坂「だからっ、普段の私と今日の私」

上条「そりゃ、今日のほうが落ち着いてて普段急に喧嘩ふっかけてくる時より全然いいと思うけど」

御坂「そ、そうなの」

御坂「てか、いつもの私ってそんなイメージなの!?」

上条「あたりめーよ」

ゴシゴシ


御坂「しかもいつもよりは、って…いつもは女の子ないってこと!?」

上条「会うたび死ぬレベルの電撃飛ばしてくる女の子は女の子とは呼ばないっつーの」

御坂「うっ…。私ってそんなイメージなのか…軽くショック」

上条「まぁ、なんだ。だからこそいつもとギャップがあったっつーか」

御坂「え?」ドキ

上条「いや、何でもない」

御坂「な、なんなのよ…」

ジャバジャバ


キュッ

上条「よし、全部洗い終わったな」

御坂「そうね」

上条「…!もう外暗いぞ」

御坂「冬ならこんなもんじゃない?」

上条「そういえば常盤台に戻った時にいつ頃には帰るってことは言ったのか?」

御坂「あー、それなら黒子に遅くなりそうってのをそれとなく…」

上条「そうか。あ、でも怒られるんじゃ」

御坂「それも黒子に…」

上条「後輩使いが荒くねーか」

御坂「ぐぬぬ」

上条「…じゃあ少しは長居できるのか」

御坂「え?まぁそうだけど…」

上条「なら少し休んで行けよ、今日は頑張ってくれたし」

御坂「え、もう暗いのにいいの?」

上条「ダメなことはないだろ。ほら、あっちで待ってろよ」

御坂「うん…」

御坂(なんか…いつもより強引…?)

御坂「となり、いい?」

インデックス「…あ、短髪。休憩してくの?」

御坂「そう、少しだけね」

インデックス「そうなんだ。あ、そうだ、改めて…」

インデックス「今日はありがとうなんだよ!おいしかった!」

御坂「な、何よっ、照れるじゃない」

インデックス「とうまのよりおいしかったんだよ!」


上条「うるせーぞインデックス、ほれ御坂お茶」

御坂「あ、ありがと」

上条「まあ、俺も作ってばっかで、作って貰うことはあんまりないからな。新鮮でよかったよ」

御坂「困ったらいつでも呼んで。いつでも作りに来るから」

上条「困るたび呼んだらキリないけど…、またいつか作ってくれよ」

インデックス「私からも大歓迎なんだよ!」

御坂「任せなさいっ」



御坂「…けっこう時間経ったわね」

上条「…帰るのか?」

御坂「ええ、さすがに真っ暗だしね」

上条「そうか、気をつけろよ」

御坂「誰に気をつけろって?なんてね。そんじゃ、またね」

上条「おう」


上条「……」

次の日


チュン チュン

上条「ふぁーあ、…、…」

上条「……」

上条(…なんで俺今御坂のことなんか思い出したんだ…?)

~常盤台女子寮~


黒子「…お、お姉さ、ま…」ガタン

御坂「…?おはよう黒子…。どうしたのよ朝から」

黒子「いえ、いけませんわお姉様!!そんなことはっ!!」

御坂「な、なんなのよ…?」

黒子「私はあの類人猿などとは認めませんのよおおおっ!!」

ガチャ バタン

御坂「フラれた少女漫画のヒロインみたいに出てっちゃった…」

御坂「まったく…なんなのよ朝から」キガエ-

ガヤガヤ・・・


御坂(…?ドアの外がやけに騒がしいわね…)


「御坂様があんな寝言であんなことやこんなことを…!?」
「寝言で殿方の名前を呼んで幸せそうに…!」
「とうまというお方は一体どれほどの魅力を…!?」

御坂「…っ!?」

ガチャ

お嬢様's「「!!」」ビクッ


御坂「さっき話してこと、一体誰が吹いて回ってるのかしら?教えてくださる?」スマイル

お嬢様の一人「ひっ、し、白井さんがそのようなことを泣き叫びながら…」

御坂「情報ありがとう」スマイル 火花バチッ

お嬢様's「「ひええぇーっ!!」」ダダダッ



物陰に隠れていた黒子「まずいですわ…どこかに逃げ

御坂「そこかああああああ!!!!」ビリビリッ

黒子「ひぃいいいいっ!?」

真っ黒子「」シュ-


御坂「ったく、あんなこと走りながら叫びやつがあるか!」

御坂(しかしさっきの話が本当なら)

御坂(私なにやってんのよ…っ)カァ

御坂(…あー、何も覚えてない…疲れてたのかな)

御坂(無意識ってこわい)バチッ


御坂「…?今何かがスパークする音が聞こえたような…、気のせいか」

黒子「うぐっ、お姉様、ひどいですわっ、おーいおいおい…」

御坂「反省なさい」

黒子「うぅ…、あーっそうですわお姉様っ!!」

御坂「な、なによ急に元気になって」

黒子「昨日の約束ですの!覚えていらして?…いーや、覚えていらっしゃらなかったとしても!」

御坂「約束?…あーそういえば買い物に付き合うとか」

黒子「ですの!今日行きましょう!」

御坂「まあ今日は暇だし、約束だしね」

黒子「ささ、日が暮れる前に行きましょうお姉様っ!」

御坂「はいはい、ちゃんと行きますよー」

黒子「では早速行きましょう!」

御坂「そうね。黒子どこか行きたいところある?」

黒子「そうですわね、まずは…」


~ショッピングモール~

黒子「お下着を少々」

御坂「あんたほんとそればっかりね」

黒子「レディの嗜みですのよ。お姉様もあんな子供っぽい柄は卒ぎょ…、あ」

御坂「誰が子供っぽいですってーっ?!」バチィッ!

黒子「あ゛ふんっ!!」ビリビリ

御坂「っ!?」

黒子「う゛くぅ…そこまでなさらなくてもぉ…」

御坂「ご、ごめんっ。電気出したつもりは無かったんだけど…」

黒子「どこかれ構わず放電するせいでクセがついたんじゃありませんの…」

御坂「そ、そんなことない!…と思いたい…」

黒子「全く…風紀委員としてお姉様を取り締まらなくてはいけないというような事にはならないようにして下さいな」

御坂「分かってるわよ…ごめん」

黒子「ま、それはさておき、買い物の続きをいたしましょう」

御坂「そうね」


~洋服売り場~

御坂「これ可愛いー!」

黒子「お似合いになりそうですわ」

御坂「そ、そう?」火花パチッ

黒子「!お姉様、こんな布だらけの場所で能力を使われたらっ」

御坂「能力?使ってないわよ?」

黒子「し、しかし今火花が」

御坂「えっ、うそっ」

黒子「お姉様…?」

黒子(…もしや)

黒子「お姉様は他に見たいものはありますの?」

御坂「じゃあグッズ店とか寄ってもいい…?」


~グッズ店~

御坂「うふふーゲコ太ー♪」

黒子「全くお姉様は」

御坂「やっぱ緑かなー?いや青も捨てがたい…。あ、こっちのご当地ゲコ太もいいなぁ」

御坂「…あれ?ゲコ太達の中に違う人形が混ざってる」

御坂「うわっエロいかっこー。それにすごいリアルだし…」ツンツン

御坂「…ん?この人形どっかで見た事あるような?」

??「気安いぞ、人間」

御坂「し、喋った!?」

黒子「なんですの?この趣味の悪い人形は」

??「身の程をわきまえろよ小娘。今誰の前に立っているのか分かっているのか?」

黒子「ほー喋る人形とは粋ですわね」腕グイッ

??「お、おい、触れるな無礼者っ」

黒子「すごいクオリティですわね…。『動く!喋る!』…ってとこですの?」

御坂「…思い出したわ、この既視感」

御坂「『グレムリン』のボスの…」



上条「まったく…どこ行ったんだオティヌスのやつ」

上条「…あれ?御坂か?」

御坂「あ、アンタなんでここに…ってそんなことよりこれ見て!」

上条「…!オティヌス!こんなところにいたのか!」

オティヌス「待ちくたびれたぞ、人間」

御坂「えっ」

黒子「女の子の形をしていれば人形でも話しかける見境なしの類人猿にはお姉様は近づけさせませんわ行きましょうお姉様」

上条「待ってくれ誤解だっ!!」

御坂「そうよ、まだ早計よ黒子。それに私も聞きたいことあるし…」

御坂「その、この人形?のことなんだけど…」

上条「とりあえず俺は可哀想な奴じゃないんだ信じてくれ!」

御坂「落ち着いて」

御坂「…、オティヌスってやっぱあの」

上条「…?ああ、こいつは正真正銘あのオティヌスだ」

御坂「やっぱアンタ見境なし!」

上条「えっ」

御坂「人形サイズになってもしれっとハーレムに追加かっ!!」

上条「あの後色々あったの!!」

黒子(話についていけないですの)

オティヌス(ジャガイモ食べたい)

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