【冴えカノSS】安芸倫也「ついに嶋村中学校総オタク化に成功した!」 (64)

<冴えない彼女の育てかた・SS・ネタバレはアニメ視聴終わってればOK・注意・キャラ崩壊顕著>
SS初心者です。いろいろご容赦を。

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安芸倫也「やったぞ英梨々! ついに嶋村中学全生徒の総オタク化に成功した!」

澤村・スペンサー・英梨々「……倫也、学校では話しかけないって約束でしょ?」

倫也「お前こそ何言ってるんだ? もう俺たちを引き裂くヤツらはどこにもいない! というかヤツらもみんなオタクと女オタクと腐女子にしてやったからな!」

波島伊織「本当に倫也君はよくやったよ。流石僕が見込んだだけのことはある。つまり流石僕だ!」

倫也「しかも今回は完璧だ! 小学校の頃は一部抵抗勢力が残ったから圧殺せざるを得なかったけど今回は一人残らずオタ化してやったぜ!」

波島「ああ最高だよ倫也君!素敵だ!」

英梨々「……波島、あんたの差し金?」

伊織「何を言ってるんだい澤村さん? すべては倫也君の行動力と熱意の賜物だよ! 僕はちょっとだけ手伝ったに過ぎないさ!」

倫也「1年に小学生からの夕方アニメ視聴を卒業できない男子がいれば、行って同人を通じた二次創作と同好の士と作品を語らう新しい楽しみ方を教え、3年に受験勉強に疲れた女子がいれば乙女ゲーで全乙女の夢をへの道を開き、2年に人生の意味を探す痛い厨二がいれば、行ってニチアサの素晴らしさと比ぶれば人生の意味など探す価値はないと教えた……教員には大人になった今だからこそ心にぐっとくる青春ラブコメや少女漫画を推した……」

英梨々「話が長いわっ!」

伊織「そういった地道な活動の結果、倫也君はこの学校すべての生徒どころか教員に至るまでをオタク化させるという偉業を成し遂げたんだ!」

英梨々「それって明らかに他人の人生滅茶苦茶にしてるようにしか聞こえないんだけど……」

倫也「何を言っているんだ英梨々! オタクとして生きること以上に幸せなことなんてあるわけないじゃないか!?」

伊織「そうだよ澤村さん。これは本当にすごいことなんだよ! 君は倫也君の偉業を認め、賞賛してしかるべきだ!」

英梨々「波島……、あんたはもうちょっとまともな嘘を使える人だと思ってたのだけど、見込み違いだったみたいね」

英梨々「巫山戯んな」

倫也「え、英梨々……?」

英梨々「言ったはずよ? あんたたちがどんな馬鹿なことをしててもあたしは気にしない。だからあたしを巻き込むな。どうぞお引き取りください。いい? あ・た・し・を、巻き込むな!」

倫也「そんな!? 英梨々?! なんで……? やっと俺たち……」

英梨々「ふんっだ!」

英梨々(うぐっ……、そんな本気で悲しそうな目であたしを見ないでよ……本当、なんで今更そんなこと言い出したっていうのよ……)

英梨々(酷いよ倫也ぁ……)

伊織「……酷いな澤村さん。倫也君があんなに頑張って君との居場所を取り戻したっていうのに」(ぴきぴき)

英梨々「あたしとの、居場所……?」

伊織「そうだよ澤村さん。倫也君は……」

倫也「やめてくれ、伊織!」

伊織「でも倫也君!」

倫也「いいんだ。考えなくてもわかるようなことだったんだ。5年前、俺が英梨々に見限られて、切り捨てられたとき、諦めきれなかった俺が悪かったんだ……」

倫也「ごめんな英梨々……、俺、どうしても諦めきれなくて……また……、駄目だな俺は。また英梨々を怒らせちまった……」

英梨々「と、倫也……」

伊織「倫也君……」

英梨々(そうやって波島と見つめ合ってると腐女子を釣・・・・・・誘ってるようにしか見えないわね……)

倫也「ごめん伊織、今日は俺、早退するよ」

伊織「倫也君っ!……ああ、気を付けて……」

英梨々「あ、倫也……」

英梨々(学校なんかにあたしたちの本当の居場所は必要ないの! それがどうして、あんたにはわからないの……!?)

???(………………)

???(澤村・スペンサー・英梨々ぃ……!!!)

<一週間後・教室>

英梨々「……で、これは一体どういうことなのっ!」

英梨々(昨日までの普通の教室が地獄絵図みたいな状況に……)

英梨々(倫也の影響でもともと明らかにオタクや腐女子みたいな連中が多い学校だったけど……)

英梨々(今までオタクと何の縁もなかった連中や、いつも私と一緒にいる連中までぶひぃ!とか┌(┌^o^)┐ホモォなんて言ってる状況ってどういうことなの……?)

英梨々(どうしてこうなった!)

英梨々(確かに今日は朝から何もかもが最悪だった)

英梨々(家を出れば見ず知らずのお婆さんに道を聞かれたと思ったら長話食らわさせられて、乱暴な運転のトラックに泥水掛けられて一回家に戻って、やっと途中まで来たと思ったら犬に追いかけられて……かなりの遅刻になっちゃった……)

英梨々(教室にたどり着くまでもボカロソング合唱してるクラスやコスプレ撮影会してるクラスやポケモンやモンハンのオフ会してるクラスや今季最萌アニメ決定上映会してるクラスがあったけど……)

英梨々(あんな風に時場所を選ばずオタ芸したりカップリング論争したりエロ同人広げたり……そんなんだからオタの社会的地位が変わらないのよ……)

英梨々(教員まで一緒になってるのにはあたしとしたことが茫然としちゃったわ)

英梨々(やっぱり肌とかヒカラびてきたイイ大人が中学生とハシャいでる姿ってのはイタイタしいものがあるわね……)

英梨々(ってあたしももうちょっと危機感持つべきだったかも……)

英梨々(せめて自分のクラスだけでも確認しておこうと思ったけど……)

英梨々(でも、本当になんなのこの状況?)

英梨々(……! まさか、この前の倫也と波島の妄言……、本当だったとでも言うの……?)

体育会系萌豚「うへへへへ。egoistic-lilyの新刊だぁ……」

英梨々「わ、(あたしの新刊っ?!)」

セレブっぽい眼鏡女子「あ、もっと……もっとください……」

英梨々「ひぃっ?!」

英梨々(同じグループの娘?……この娘もカクレだったの……?)

英梨々(違う。ていうかなんで体操服で妙に艶っぽい声漏らしがらホモ同人誌なんて読んでるの?)

英梨々(くださいってホモ同人を?)

英梨々(しかも読んでるのはシロバコ本田さん×木下監督本なんて……そんな誰得……)

英梨々「って違う。私は隠れオタだけど腐女子ではない……」

伊織「あれあれぇ? 澤村さん。仮面お嬢様な君がそんな単語を呟くだなんて……ちょっと不用心だね。らしくないんじゃないかなぁ?」

英梨々(びくっ!)

英梨々「は、波島……」

英梨々(背後、教室の入り口から姿を現した波島が鷹揚とした足取りで教壇に腰を下ろした)

英梨々「波島……、これはいったいどういうことなの……?」

伊織「これって何のことかなぁ?」

英梨々(ギロリ)

伊織「ははは、そんなに睨み付けることないんじゃないかなぁ? ……一週間前に話した通りさ」

英梨々「は……?」

英梨々(一週間前って……)

伊織「倫也君の熱狂的な布教と僕のサポートの結果、この嶋村中学校の全ての生徒と教員がオタクと腐女子に進化したんだよ。忘れたのかい?」

伊織「そう。オタクの王国を築き上げたんだよ!」

英梨々「は……?(ナニッテンノコイツー)」

英梨々(で、でもこの異常な状況、こいつが何か知ってるのは間違いないはず……)

英梨々「……進化? T-ウイルスに感染したようにしか見えないけれど」

伊織「なぁにちょっと効き目が良すぎただけさ。見て御覧よ。こんなにみんな幸せそうじゃないか……」

伊織「そう、僕はすっかオタクコンテンツの虜となってた彼らの背中を押しただけ……」

伊織「まぁ倫也君と作り上げたオタクの王国は本当はもうちょっと牧歌的だったんだけどね」

伊織「僕のコネを駆使してちょっと欲望に素直になるようになオクスリを手に入れてね……あとは昇降口に気化させておけば教室につくころにはイチコロ、さ」

英梨々「あんた馬鹿? そんな『都合のいいクスリ』、エロゲやファンタジーの世界以外に存在するわけないじゃない。 大人げない専門知識持った連中にに設定不備を指摘されて過疎るのが関の山よ!」

伊織「はははっ! 言ったはずだよ澤村さん。僕のコネと政治力にかかれば手に入らないモノなんて、そんなにないのさ!」

伊織「というか、いいのかい? そんな素顔の君を晒してしまって」

英梨々「あんたが言ったのよ? こいつらは今まともな判断ができる状態じゃないって」

英梨々「なら隠す必要なんて、ない」

伊織「仮にもクラスメイト達をほんの少しでも心配する素振りすら見せないってのは、聞きしに勝る傲慢ぶりだね」

英梨々「……まさか波島。あたしの偽装を解いてそんな皮肉を言うためだけにこんなことしでかしたなんて言わないわよね?」

伊織「とんでもないよ澤村さん。正直、僕は倫也君ほど君自身には興味はないんだ」

英梨々(イラっ)

英梨々「なんでそこに倫也が出てくんのよ?」(どんっ)

英梨々「つか倫也はどこよ?!」

英梨々「倫也もこの惨状に絡んでるの?」

伊織「気になるかい?」(どやっ)

伊織「でも教えてあげないけどね!」

英梨々「(イライライライラ)……? 別に、いいわ、続けなさい」

伊織「感謝の極みww」

英梨々「あんたのファンでもないあたしに大仰に格好つけて一礼とかしなくていいから。かえってイラつくだけだから」

伊織「さて、何から話したものかな」

伊織「僕はね澤村さん。君がいくら仮面お嬢様を気取ろうと、不愉快な笑顔を振りまこうと、どうでもいいんだ」

英梨々「でしょうね。そもそもあんたがあたしに接触を取ろうとしてきたのも、倫也がキッカケだった」

伊織「学校でも1、2を争う有名人同士であるとはいえ、自他ともに認めるオタクの倫也君を、誰もが羨む美貌を持つお嬢様の君が注目してる……僕の興味を惹くには充分だったよね」

英梨々「あんたが目敏過ぎただけよ」

伊織「そう。それで僕は、君も重度のオタクだと知ることになった」

伊織「ハーフで金髪ツインテ碧眼の色白お嬢様中学生がオタク……漫画かアニメかエロゲかラノベが顕現したものかと笑わせてもらったよ」

英梨々「やかましいっ!」

英梨々(自分でもちょっと自覚してるんだんからワザワザ言わないでよ)

英梨々(しかもウチの中学、公立のくせに妙に制服可愛いからなおさらあたしが『漫画みたい』とか陰で言われてるの知ってるんでしょどうせ!)

伊織「で、ここからが本題さ」

英梨々「……前置きが長すぎるわ……」

伊織「……」

伊織「君には犠牲になってもらう。柏木エリ」

英梨々「! 何でその名前まで……!」

英梨々(倫也? いいえ違う……でも、どうしてっ?)

英梨々(それに犠牲って何?)

伊織「何でだって?」

伊織「蛇の道は蛇、というヤツさ」

伊織「新進気鋭のエロ凌辱同人作家、柏木エリ。昇竜のごとき勢いで壁サークルにまでなった『egoistic-lily』の、しかしまったく表に出てこない覆面作家。しかしてその正体が、ハーフの金髪ツインテ碧眼色白仮面お嬢様……しかも中学生だなんて以下略」

英梨々「二度ネタは自重しなさい!」

伊織「そしてその姿は、ある一つの裏切りに端を発するものだ……」

英梨々「……っ」

英梨々(う、裏切り……まさか……!)

伊織「そう……、知っているのね? あたしと倫也の本当の関係」

伊織「少し苦労したよ! 何分昔の話だったからね」

伊織「けれど、倫也君が君の話題が出ると、少しだけ悲しげな顔をする理由を知ることができた!」

英梨々「と、倫也も……?」

伊織「かつて嶋村小学校3年生の間で行われた迫害! その顛末は把握しているよ」

伊織「そしてキミに同情すべき余地があることも理解しているつもりだ……しかし」

伊織「倫也君と淫売の貴様の絶望を一緒に並べて考えるなっ!」

英梨々(ばん!!!と波島が大げさに教台を叩いた)

英梨々(びくっ!)

英梨々「あ、あんたが何を知ってるっていうのよ!」

英梨々「確かにあんたは倫也と私の過去を知っているのかもしれない!」

英梨々「けど私たちの悲しさも口惜しさもあんたに推し量れるようなチャチなものじゃない!」

伊織「口だけならいくらでも言える」

伊織「事実、君はまた倫也君を拒絶した!」

英梨々「……っ!」

英梨々(な、あんな妄言どうして信じられるって言うのよ?!)

伊織「言い返せないだろう?! それが事実だ」

伊織「倫也君は本当に素晴らしい人だ」

伊織「僕がサポートしたとはいえ、一つの学校を丸ごと彼の王国にしてしまった」

伊織「それが澤村英梨々、君のためであることはさすがに理解しているのだろう?」

英梨々「た、確かに倫也の影響力はたまにとんでもない爆発力がある、けど……」

伊織「……今日、僕はそれを利用して、この嶋村中学校に地獄を創った」

伊織「いや、自らの心に自由に正直に生きられるという意味では天国かもしれないがね」

伊織「全ては柏木エリ、僕が倫也くんに成り代わって君に復讐を果たし、倫也君の本当の力を僕のものとするためだ!!!!!!!」

英梨々「なっ……何を言って……」

英梨々(本当に何言ってんのコイツ……深夜アニメの見過ぎで狂ったの? 酸素不足?)

伊織「王国建国を間近で見てきた僕にはわかる」

伊織「彼の行動力、情熱、そして爆発力はどんな固い岩をも貫き通すし、どんな巨大な組織にも怯むことがない」

伊織「その勇気は身の程知らずな蛮勇とすらいえるだろう」

英梨々(そう、倫也はいつもそうやって誰かを巻き込んで、思いもしない力を発揮してきた)

英梨々(ついていけない人を置き去りにしてまでも)

英梨々(あのときだって……)

伊織「けれど、だからこそ彼の力は尊い」

伊織「彼の力があれば、僕は何者にも負ける気がしない!」

英梨々「だから、倫也の力が欲しいっていうの……?」

伊織「しかし」

伊織「彼はまだ本当の力を秘めたままだ」

伊織「彼の心を、いまだに縛る呪いがあるからだ」

英梨々「本当の力……? の、呪いって……」

伊織「解らないのかい?」

伊織「解らない……? よくも恥ずかしげもなくそんなことが言えるな裏切りの魔女! ならば解らせてやる! その身に屈辱と羞恥を刻んで、倫也君の苦しさや悲しみを那由多の一でも味あわせてやる!」

伊織「そして僕は彼の本当の力を手に入れる!」

伊織「ふふふふふはははははあーっはっはっはっはっはっはっは」

英梨々「波島……本当の身の程知らずはあんたじゃない! そこまでして倫也の力とやらを手に入れて、いったい何をしようっていうのよ!」

伊織「黙れ!」

英梨々「きゃああああああああああ!」

英梨々(それまで虚ろな顔で萌とか┌(┌^o^)┐ホモとか黒スト至上!とか眼鏡眼鏡眼鏡とか呟いていたかつてクラスメートだったモノたちが一斉に襲い掛かってきて、教室の床に押さえつけられる)

英梨々(正気を失った男たち(体育会系&重量級萌豚)の腕力の前に、ヒキコモリ気質の自分に為す術はない)

英梨々(恐怖で青ざめる)

英梨々「な……、な、何を、波島……?」

英梨々(やだ、こいつら……、息荒すぎ……)

伊織「いいザマだな柏木エリ……」

伊織「最後まで解らないまま、否、認めないままというのもいいだろう」

伊織「これからどうなるか……? エロ同人作家の君なら解らないはずがないだろう……?」

英梨々「女の子を力ずくで跪かせるんなんて……」

英梨々「あんたって本当に最低のクズね!」

伊織「その科白、末路を解って言っているとしたら度胸だけは認めてもいいかもしれない……」

伊織「そう。これから行われるのは君のエロ同人で御馴染みの大大大凌辱だ」

伊織「君に犠牲になってもらうことで、倫也君には本当の力を取り戻してもらう」

伊織「犯され、打ち捨てられた君を見て、彼は復讐が果たされたことを知る」

伊織「彼自身が心の奥底で望んでいながら、目を背けてきた呪縛」

伊織「絶望し、君を軽蔑し、悪しき鎖から解き放たれることだろう」

英梨々「馬鹿言わないで! そんな鎖あるはずないっ!」

伊織「聞くんだ。柏木エリ……」

伊織「……今君を押さえつけている彼ら、彼らには『ハヤテのごとく』『スクールランブル』『ローゼンメイデン』の陵辱系同人誌を与えてある……」

英梨々「え……?」

伊織「キャラはそれぞれ、三千院ナギ、沢近愛理、真紅だ……」

英梨々「ま、まさか……!」

英梨々(ガタガタブルブル)

伊織「そうだよ! すべてのキャラが金髪お嬢様ツンデレ、しかも貧乳寄りだ!」

英梨々「それはあたしが貧乳だと暗に言ってるわよねそうよね波島ぶっ[ピーーー]」

伊織「流石に君の同人誌とは世代が合わなかったがね。しかも一週間[田島「チ○コ破裂するっ!」]を禁止してある」

英梨々「な……?」

英梨々「そ、そんな……そんなことが可能なの?」

伊織「驚きだろう? 誰彼かまわず所構わず発情するのが仕事みたいな中学生男子に射精を禁じ、金髪貧乳ryの同人誌を与える……」

伊織「腹を空かせたライオンにイミテーションの肉を与え続けるようなものさ」

伊織「彼らの欲求はまさに爆発寸前ということさ……」

伊織「そして今、目の前に実際の金髪ryがいる……」

英梨々(なに? みんな、その目……いや、その目やめてよぉ……)

伊織「まぁ、もともとこの学区のアイドル、澤村英梨々が相手だ……彼らも君のファンだったみたいだし」

英梨々(いや、いや……なんでそんな目で見るのぉ……?)

伊織「たまには自分の信者に『お情け』をあげてもいいんじゃないかな?」

英梨々(その目が嫌で嫌で仕方がなくて、あたしは……あたしはぁ……!)

伊織「ははははははははは」

英梨々「い、いやぁ……」

伊織「さぁ諸君! そこの高慢でエゴの塊な金髪貧乳ツンデレお嬢様に、裏切りの代償を購わせてやれ!!!!!!」

伊織「そしてその姿を見せつけられた絶望は、倫也君を過去の呪縛から本当に自由にするに違いない!」

英梨々(こ、来ないで……助けて倫也……)

英梨々「いやああああああああああああああああああああああ」

???「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

あ。伏字食らってる。
まぁいいか。


英梨々(暴徒と化した男子生徒たちが今まさにに襲いかかろうとした瞬間、それを遮る凛とした声が廊下から響いた)

倫也「英梨々を離せえ!!!」

英梨々「と、倫也!」

伊織「倫也君!」

英梨々(倫也! 倫也! 来てくれた……!)

英梨々(す、すごい。血走った目をしたオタクの群れを一瞬で鎮めた……!)

萌豚A「王だ! 王様だ! 俺たちの王様だ!!」

腐女子B「┌(┌^o^)┐ホモォ……伊織×倫也? 倫也×伊織? 伊織サマの上位誘い受けこそ鉄板に決まってるぅ……」

英梨々(なんか崇拝されてるっ!? 倫也、あんた一体ウチの学校の生徒たちをどうしちゃったのよ本当……?)

倫也「伊織! お前たち! なにやってんだよ?」

倫也「これはどういうことだよ伊織! 皆にいったい何をした!?」

英梨々「って倫也は今まで何やってたのよ? というかそもそもみんなをオタク化したあんたが原因じゃないの? ある意味では!」

伊織「何を言うんだ澤村さん! 僕らの倫也君がこんな非道なことを望むはずないじゃないかっ?」

倫也「俺はお前らみんなの心の隙間を埋めるクリティカルな作品を布教してオタク化させたけど、犯罪集団にした覚えはないぞ!」

英梨々(よかった……しかし波島はその信頼レベルの高さは何なのホモなの?)

伊織「けど倫也君、なぜココに……今日は僕のコネを使ったチケットで有名作家がたくさん集まる裏イベントに行ってもらったはずじゃ……」

英梨々「またコネ万能論……、ある意味馬鹿の一つ覚えよね……」

伊織「何か一つ突出しているだけで意外と戦える、ということさ」

倫也「甘いぞ伊織っ! 今日は平日で学校があるんだぞ! 私用で遅刻しても欠席はできない。ちゃんと作家さん方にはみんな挨拶して今日の新刊は全部手に入れてきた! 当然全部一般だ!」

英梨々「遅刻と欠席って、結局あんたの胸のサジ加減一つじゃない……」

英梨々「しかも倫也、その紙袋の中身同人誌よね……? 学校に必要ない私物持込みってOKなの?」

倫也「助けてもらっておいて後ろから刺すんじゃないよ英梨々っ!?」

倫也「同人誌学校持込は先生方のオタク化の時点でクリアしてるし!」

伊織「ふっ……、君の倫理機関を甘く見すぎたようだね。……僕としたことが!」

伊織「しかしこれは絶好の舞台でもある! さぁ倫也君! 目を覚ます時だ!」

倫也「はぁ? 伊織、お前結局何が目的なんだよ……?」

英梨々「と、倫也……」

倫也「英梨々?」

英梨々(かくかくしかじか)

倫也(まるまるのうまうま)

倫也「そういうことか……見損なったぞ伊織!」

倫也「俺は英梨々への復讐なんてそんなものは望んでない!」

伊織「それは君がその魔女との思い出にいまだに縛られているからだよ倫理君!」

伊織「さぁ取り戻すんだ倫也君! 君の本当の力を!」

伊織「君を裏切り、そしてまた君の努力と熱意を踏みにじった似非お嬢様が、おぞましい男たちに蹂躙され、アヘ顔ダブルピースをさらし屈服する様をその目に焼き付けることでっ!」

英梨々「な、何言ってんのよ波島! あたし、絶対アヘ顔ダブルピースなんてしないんだからねっ!」

英梨々(なんという三下臭……、伊織のキャラ崩壊というかぶっちゃけ名前しか原型がない……)

伊織「そして君は今度こそ彼女の呪縛から解放される」

伊織「澤村・スペンサー・英梨々という名の悪夢から解き放つっ!」

倫也「伊織……そこまで俺のことを……」

英梨々(こっちはこっちで理解早すぎるしなんでちょっと感動してるのよ!?)

倫也「けれど伊織! 俺はお前と一緒には行けない……」

倫也「俺はみんなを一緒にオタクの国の住人になれるように布教したんだ! こんな乱痴気騒ぎは求めていないっ! お前もそれでいいと言ったじゃないか……、伊織!」

倫也「なんでこんなことになっちまったんだよっ! 伊織ぃっ!?」

伊織「ははっ! 何を言うんだ倫也君」

伊織「僕は初めから言っていたじゃないか。君と二人でオタクの世界でのし上がるって!」

伊織「都政は、日本国は、調子のいい甘言でオタク業界の首輪を握り、骨抜きにしようとしている!」

伊織「何がクールジャパンだ! 何がコンテンツ大国だ!」

伊織「行き詰った現状を変えるアイデアもないから、目新しさに飛びつき、空虚な実績を作ろうとしているだけじゃないか!」

伊織「ヤツらに牛耳られた先にあるオタク業界の未来は、虚しい栄光の残り火に過ぎなくなる!」

伊織「ヤツらから産業を守るためにも、僕たちはとどまるわけにはいかないんだよ!」

伊織「一刻も早く僕が! 僕たちが! 準備会も超える力を得なくちゃいけないんだ!」

倫也「……伊織ぇ!」

伊織「そのために君を手に入れる!」

伊織「今回の嶋村中学校掌握で確信したよ!」

倫也「違う! 俺が築き上げたオタクの王国はこんな淫蕩と堕落の世界じゃない!」

倫也「俺が創りたかった王国は……!」

伊織「いいんだ倫也君! 君が望むならこの学校だけじゃない! この街、この国、この世界すらも変えてみせる!」

伊織「だから!」

伊織「僕には君が必要だ!」

伊織「君じゃないとダメなんだ!」

伊織「けれど君は君すらも認めない枷に捕らわれている!」

伊織「そんなポンコツお嬢様に君と僕の輝かしい未来を邪魔させたりはしない!」

倫也「い、伊織……」

倫也(きりっ)

倫也「もし仮に俺にそんな力が眠っているとしても」

倫也「もし俺の力が英梨々によって封印されているのだとしても」

倫也「俺は英梨々を傷つけようとしたお前を許すわけにはいかない!」

伊織「仕方がないね倫理君! 君に手荒なマネなんてしたくないのだけれど……」

伊織「少しくらいの怪我は勘弁しておくれよ!!!!!!」

倫也「来い伊織!」

倫也「それに俺は……たとえ英梨々が全身オナホの精液便所になったって迎えに行って……さすがにちょっと考えるかもしれないけど……どんな英梨々だって受け入れてみせる!!!」

英梨々「何言ってんのこの馬鹿倫也あああ!!!」

<ばこーん!>

倫也「痛いじゃないか英梨々! いま大事な話をしてるんだぞ? つかハリセンなんてマニアックな萌武器どっから取り出した」

伊織「そうだよ澤村さん! いま僕と倫也君は大事な話をしているんだ! 空気を読んで棒立ちヒロインに徹しているべきだ!」

英梨々「えぇーい! 黙れ黙りなさい黙りなさい黙りなさい黙れ」

英梨々「ここまであたしを巻き込んで! 学校を滅茶苦茶にして! やってることはイチャイチャイチャイチャホモイベントとかいい加減にしろぉ!」

倫也「い、いや、英梨々? 俺はまったくそんなつもりはないんだが……?」

伊織「…………(ぽっ)」

倫也「いや伊織もなんか顔赤くしてないで否定しようよ!」

英梨々「それに波島。波島の言ってること、嘘があるわね……」

伊織「な、なん……だと……?」

倫也「嘘……?」

英梨々「のし上がるだ支配だ革命だって言って」

英梨々「波島、あんたは倫也が好きなだけっ!」

英梨々「波島、あんた結局、倫也が好きで好きで堪らなくて、倫也が欲しいだけなんじゃないっ!」

伊織「なっ?!」

倫也「英梨々……お前ここまでの会話、何を聞いてたんだ……? 伊織はあくまで俺の能力を欲しがってだな……」

倫也「い、伊織……?」

伊織「……………………………………………………」

伊織「そうかもね……、否、そうなんだ……」

伊織「よく見破ったな澤村英梨々。礼を言うよ」

倫也「ええー????」

英梨々「ここまであんたたちの会話を聞いて、気が付かないオタクはいないわ!」

倫也「……そ、そうか?」

伊織「そうさ倫也君! 僕は君を愛している!」

倫也「なっ!?」

伊織「そうさ、言われてしまえば簡単なことさ!」

伊織「一週間前、君の誘いを蹴ったそこのお嬢様を、どうしても許せなくなった」

伊織「だから僕はすべてを捨てる覚悟でその女に制裁を加えたくなった」

伊織「ははっ! こんなことは初めてさ!」

伊織「この僕が自分の感情もコントロールできなくなるだなんて……」

倫也「い、伊織……」

倫也「お、俺はどうすれば……」

英梨々「馬鹿!」

倫也「英梨々?」

英梨々「倫也、あんたが今やらないといけないことは一つだけ」

英梨々「波島を止めてあげるの」

英梨々「あの、頭良いクセに一周まわって馬鹿な答えにイっちゃった馬鹿を」

英梨々「あんたの言葉で解き放ってあげなくちゃ駄目」

倫也「英梨々……でもどうやって?」」

英梨々「それくらい自分で考えなさい!」

倫也「ま、丸投げかよ?」


英梨々「せっかくヒーローみたいに格好よく登場したんじゃない!」

英梨々「そんでここにはヒロインもここにいるのよ……」

英梨々「格好いいとこ、見せてよ……!」

倫也「英梨々……わ、わかった……!」

倫也(伊織は言った。俺と英梨々のつながりこそが邪魔なんだと)

倫也(なら俺は、伊織に見せつけてやればいい)

倫也「英梨々との絆が、本物だって……」

倫也「俺は英梨々を迎えに行くだなんて大義名分でオタクの王国を築いた」

倫也「けどそんな回りくどいことなんかしないで、本当はもっと早く勇気を持つべきだったんだ!」

倫也「たった一言を振り絞る勇気を……」

倫也「……」

倫也「伊織ぃっ!」

倫也「お前の気持ちは、その、嬉しいことだと思う」

倫也「お前は俺の荒唐無稽な計画に協力してくれた。精一杯力を貸してくれた。お前がいなかったらこの学校に俺たちの王国を築くことはできなかった!」

倫也「……俺もお前との友情を、一緒に過ごした日々を大事に思っている……」

倫也「それでも……!」

伊織「知ってるさ倫也君! だからそれ以上何も言わないでくれ……それを聞いたら、僕はもう僕でなくなってしまう……」

倫也「それでも俺は、好きなんだ」

倫也「好きだから……」

倫也「確かに嘘ばっかりで我儘で偏食で主体性がなくて自分のために人を切り捨てるような酷いことを平気でするような奴だけど……」

英梨々「倫也あんたこの後体育館裏に来なさい?」

倫也「それでも、それでも・・・・・・」

倫也「俺は英梨々が好きなんだ!!!」

倫也「英梨々と仲直りがしたいんだ!!!!」

英梨々「と、倫也……!」

英梨々(……とも君……)

倫也「だから頼む!一緒にやり直したいんだ! 元の伊織に戻ってくれよおおお!!!」

伊織「黙れええええええええええええ!」

英梨々(波島?!)

伊織「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れえええええええ!!!!!!」)

倫也「い、伊織……!」

英梨々「ふんっ! あたしに図星を突かれたあげく、思い通りにならなくて逆上しちゃったのね!」

伊織「何故だ……何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故なんだああああ???」

伊織「何故そんなエゴイストにいつまでも心を捕らわれたままなんだ倫也君!?」

伊織「くくく……、残念だよ倫也君! その女の呪縛から、君には自力で脱出してほしかったんだがね!」

英梨々(伊織の目、もう正気じゃない……)

英梨々(あの目に光ってるのはもう、今はただ愛するものを壊してでも、自分のものにしてしまいたいという狂気だけ)

伊織「立て!」

英梨々(伊織が指を鳴らしと、それまで大人しくしていたオタ亡者たちが再び立ち上がった)

英梨々(ヤツらが一斉にあたしと倫也に襲い掛かろうとする)

亡者腐女子「┌(┌^o^)┐ホモクレェ」

にわか萌豚「モエモエキュンキュンキュインキュイーン」

倫也「な、こいつら……」

英梨々「また波島の支配下に取り込まれちゃったのね……」

英梨々「解ったわ! これはクスリなんかじゃない!」

英梨々「クスリだけじゃこんなに人の意識を自在に操ることなんてできるわけないっ!」

倫也「なっ、知っているのか英梨々っ?」

英梨々「聞いたことがあるの。英国外交官のパパに。」

英梨々「それは人の心を熱狂で支配する力」

英梨々「かつてアドルフ・ヒトラーや教会も行使したという伝説の力」

英梨々「『同人誌力』よっ!」

倫也「ええーーーー???? 何言っちゃってるんだよ親父さーん?」

英梨々「知らないの倫也?『わが闘争』も『(新約)聖書』も『学問のすすめ』も最初はただの同人誌だったの!」

英梨々「ただの同人誌が人々を熱狂で支配し、世界を動かしてきたのよっ!」

英梨々「歴史は『同人誌力』がつむいできたといても過言じゃないわ!」

英梨々「そう、波島が皆を操っているのは力の源も『同人誌力』なのよ!」

英梨々「しかもアレこそは、10000人のオタに一人が持つといわれる闇の『同人誌力』、魔王色(マオウショク)の『同人誌力』よっ!」

倫也「いやいやいやいやいや、妄想だから! 飛躍も甚だしすぎるから!」

伊織「ははは流石だな『傲慢な北の魔女』! この力を知っていたとは。やはり貴様もこの力の一端を持つ者なだけはある」

倫也「うわぁ認めちゃったよ二つ名つけちゃったよこの現象全てをこの不思議パワーで乗り切る気だよ、っていってる間に包囲がどんどん狭まってきたぁ!」

英梨々(絶体絶命、ね……でも不思議。倫也がいればもう何も怖くない)

伊織「嗚呼ついに倫也君を奪っていくというのだね我侭なリリーよ!」

伊織「そして僕でない人と一緒になる覚悟を決めた倫也君に、もう僕ができることは全てを壊してなかったことにするだけだ!」

伊織「さぁ行くんだ亡者ども!」

伊織「もはや何も叶わぬ道なれど、僕の存在をなんとしても彼に刻むんだ!!!!」

倫也「くっ! ただでさえおかしかった展開がさらに収集不能に・・・・・・伊織ぃっ!」

英梨々「波島ぁ!」

伊織「っ?」

英梨々「あんたの愛! 想い! 確かに凄い!」

英梨々「ヒくくらい凄い!」

英梨々「けどね! 私にも解ったことがある!」

英梨々「波島! あんたなんかに負けられないっ!」

英梨々(すごく時間がかかっちゃったけど、いまなら言える!)

英梨々(倫也はあたしを救ってくれた!)

英梨々(あたしはそれを何より嬉しいと思った!)

英梨々(そう、やっぱりあたしのセルビスはたった一人だけ……)

英梨々「倫也! 一回しか言わないからちゃんと聞きなさいっ!」

倫也「英梨々……?」

英梨々「あたしは、あたしたちは負けない」

英梨々「あたしが一番倫也を好きなんだから!!!!!!!!!」

伊織「忌々しい負け犬がああああ!!!!」

倫也「え、英梨々……やっと、俺、お前と仲直りできて……」

倫也「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

伊織「っ???」

<しゅぱあああああああああああああああああ>

英梨々(倫也の体から眩いばかりのオーラが立ち昇り教室は光に包まれた)

伊織「な、なんだこの光は!」

伊織「まさかっ!?」

英梨々「な、なんなの?」

英梨々(と、倫也なの……? 髪が逆立って金髪になって筋肉が一気に増えた……)

英梨々(例えるなら『とらドラ』の一時期グレてた北村君みたい・・・・・・)

英梨々(あんまり格好良くはないわね・・・・・・)

英梨々(でも、)

英梨々「そっか、波島に『同人誌力』があって、この狂乱を引き起こしたっていうなら」

英梨々「倫也にもその『同人誌力』が、ないわけがないんだ」

伊織「と、倫也君、君は……君は……!」

倫也(ごごごごごごごごごごごごごご)

倫也「・・・・・・」

倫也「5年越しでデレた英梨々のデレに俺の鼓動は有頂天。眠られた真の『同人誌力』が解き放たれ、俺ははスーパーオタク人2へと覚醒(めざ)めた」

伊織「スーパーオタク人2……あの伝説の……」

伊織「コミケ3日間を残らず制覇しても有り余る体力、未来のシャッターサークルを見つけ出す類希なる審査眼、あらゆるジャンルを制覇する知識と考察を紡ぎだす前人未踏のレビュー力、などなど……」

伊織「それらすべてを兼ね備えるオタクの中のオタクの王。その姿がそれだというのかい!? 倫也君っ!」

英梨々「へー……」

英梨々(ていうかなんで最初から2……?)

倫也「はぁっ!」(右手に光を集め一気に魍魎たちに降りかける)

萌豚ども「もえええええええええええええええええええええええ!!!」

ホモクレー「┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐ホモォォォォォォォォ」

伊織「うわああああああああ!!!!!!!!!」

英梨々「す、すごい! 倫也が手を振るだけで亡者たちが一瞬でばたばた倒れて浄化されていく!」

英梨々「これが倫也の『同人誌力』なの?!」

倫也「伊織、お前の魔王色の『同人誌力』が闇と悦楽を司るならば」

倫也「俺の『同人誌力』は浄化と解脱をもたらす」

倫也「救世主(メサイア)の『同人誌力』・・・・・・』

倫也「いまからお前の闇を、打ち祓ってやる。覚悟するんだ」

伊織「ふ、はは! 倫也君! ついに目覚めたんだね!」

伊織「王の中の王の力に!」

英梨々「波島……! 少しだけど、正気に戻ったのね……」

倫也「ああ、伊織。もう誰にも負ける気がしないよ……」

伊織「残念だ。その力、僕が目覚めさせたかった……!」

伊織「どうやら用意した駒(元クラスメイトたち)は皆、再起不能のようだね……」

伊織「これではあまりに不利だ」

伊織「今日のところはこれで退散することにするよ!」

英梨々「に、逃げる気っ? こんだけ無茶をやらかしておいて!」

伊織「三十六計逃げるにしかず、さ! 澤村英梨々」

伊織「ちょうど父さんの仕事の都合で名古屋に引っ越す予定だったからね!」

伊織「でも忘れないで倫也君! 僕は必ず、その女から君を取り戻して見せる!」

伊織「なぜならその『同人誌力』はまだまだ雛鳥。本当の君の力はまだ君の中に眠っている……」

伊織「君を解き放ち、一緒に幸せになれるのはそんな裏切り者では絶対になのんだから!!!!」

伊織(すたこらさっさー)

英梨々「二度と来るなあああ!!!!!!」

倫也「伊織……」

倫也「来るなら来い! 何度だって俺は、お前を受け止めてやる!」

倫也「次に逢うときこそ、救世主と魔王の、真の決着のときだ!」

英梨々(不快なイケメンボイスな高笑いを残して、波島伊織は嶋村中学校を去って行った)

英梨々(こうして嶋村中学校に優しいオタクの王国が復活したのである)

英梨々(名古屋に逃亡した波島伊織は再び倫也を狙って野望を燃やし、新たな魔の手を伸ばしてくることだろう)

英梨々(けれどあたしは恐れない。恐れることはない。オタクの王国には王が帰還し、そしていまや彼の隣りには、最強の金色の姫が一緒にいるのだから…… )

<王の隣で、姫が笑う>

英梨々「ずっと一緒だよ!倫也!」

倫也「ああ!」

倫也「死が俺たちを分かつまで、ずっといっしょだ」

英梨々(皆の祝福に包まれて、あたしは倫也と誓いの口づけを……………)

<ピリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ>

……………………

<ちゅん……、ちゅんちゅん……>

<朝の陽ざしがカーテンの隙間からそそぐ英梨々の部屋>

<目覚まし時計の電子音が鳴っている>

英梨々「…………夢落ちは神が禁じたんじゃなかったかしら?」

英梨々(朝チュンENDにはならなかったわね……)

英梨々「しかも超展開がさらに超展開した……」

英梨々「同人誌力? 馬鹿なの死ぬの?」

英梨々「そもそも倫也は創作はカラキシじゃない。それでなんで同人誌力?」

英梨々「でもママとかあの見た目を維持してるところをみるとあながち全くないとは言い切れないかも。世界を変える『同人誌力』」

英梨々「あと最後のほう明らかに手抜き……」

英梨々「ふぅ……最悪な夢」

英梨々(なんであんな夢見たんだろう……?)

『倫也君は君との居場所を取り戻すためにあんなに必死に頑張ったのに』

『お前に切り捨てられて、見限られたとき俺も諦めるべきだったのかもしれない』

『俺が創りたかった王国は!』

英梨々(ほんとに……、なんで今更……)

『英梨々と仲直りがしたいんだ!!!!』

英梨々「夢は願望? あたし、倫也に謝られたいの? 謝りたいの……?」

英梨々「…………あたし、悪くないもん……」

英梨々「……」

<探偵坂>

倫也「…………から絶対見るべきなんだって『六畳間の………!今クール、いや、今年最高………名作なんだからさ!原作貸すし!………クナンバー焼いたのも貸すからすぐ追いつけ……」

英梨々(いつもと変わらない朝、いつもと変わらない通学路……)

英梨々(倫也も相変わらずウザさ全開でオタトークしてるし……)

英梨々(……そっか、波島が名古屋に転校してもう一月にもなるのか……)

英梨々(考えてみればおかしくないことが一つもない夢だったわね)

英梨々(倫也と波島は確かに親友だったけど今は絶交してて、波島が私の正体を知ってるはずがなくて、倫也が……)

英梨々(まったく、馬鹿みたい……)

英梨々(波島め……、名古屋の味噌に毒されて味噌ダレでないと米が食べれなくなってしまえばいい!)

英梨々(名古屋圏民はチューブ味噌をご飯にかけて食べるって本当かしら……?)

英梨々(……オタクが傷付くことがない、迫害されない、優しい王国か……)

英梨々(私もそんなものを求めていたっていうの?)

英梨々(そんなもの、ありえない)

英梨々(いくらオタクが文化的にも経済的にも市民権を得てきたからって)

英梨々(所詮オタクはマイノリティ、誰も評価してくれないし、真っ先に嘲笑にさらされる……)

英梨々(ほんと、あいつらみんな●ねばいいのに)

英梨々(隠れて、隠して、どんなに良識派や多数派に迫害されても思いを貫く)

英梨々(『隠れオタク』って、本当に言い得て妙な言葉よね)

英梨々(…………)

英梨々(と禁神裂本描きたいけど一番の売れ筋ってわけじゃないのがネックなのよねー……)

英梨々(……島原の乱から400年、隠れキリシタンを狩り出さんとする戦死した幕府軍指揮官の亡霊が五和を人質に女教皇に屈服を迫る……)

英梨々(原作多すぎて読めてないけど、アニメと他作家の同人誌だけで充分よね?)

英梨々(今晩の更新絵は決まり……)

英梨々(……でも、倫也は隠れてくれなかった)

英梨々(少なくとも倫也は)

英梨々(私と一緒に隠れることを選んでくれなかった)

英梨々(嘘。隠れるなんて発想すらなかった)

英梨々(小学校で倫也はオタクの王国を取り戻した)

英梨々(不完全だったかもしれないけれど)

英梨々(でもあたしは、怖くて戻れなかった……)

英梨々(また、あんな、嫌な目にあうのは御免……)

英梨々(あたし、は、間違ってなんか、ない……)

英梨々(……でも、あたし、いつまで隠れ続ければいいの?)

英梨々(いつまで倫也と話すこともできないの……?)

英梨々(倫也はオタクの国の王様で、伝道師で、庭師で、英雄だった……)

英梨々(けどアイツの本質は革命家。自分を自分でいられなくする世界を、無理やりにでもひっくり返す扇動者(アジテーター)」

英梨々(本当に私が求めてるのは、居場所を与えてくれる王子様? 奪って連れ去ってくれるような、反逆の騎士様……?)

英梨々(駄目ね、あたし)

英梨々(あいつがなんなのか、あたしが何を求めてるのかも、もうわからなくなってるのかも・・・・・・)

『……ごめんな英梨々……駄目だな俺は。また英梨々を怒らせちまった』

英梨々(……!)

英梨々(……倫也と話してた男子が速度を上げて先に行った)

英梨々(ちょうど誰もいないわね……)

英梨々(落ち着いて……、大丈夫、あたしは大丈夫……)

<げしげしっ!>

倫也「うっわ、な、何するんだよっ英梨々?!」

倫也「朝っぱらから痛いじゃないか!」

英梨々「ふんっだ! 朝っぱらからところ構わずオタク話始めて……五月蠅いのよ公害なのよ!」

英梨々(お、おかしいわね? なんで脚が出ちゃったの……?)

倫也「な……、すげぇ久しぶりに話したとおもったらそれかよ……」

倫也「つーか、いいのか? 俺に話しかけるなんてリスクなんだろ? 麗しの仮面お嬢様の評判に傷がつくぞ?」

英梨々(傷・・・・・・)

英梨々「五月蠅いって言ってる! あんたの声がデカいから聞きたくなくても耳に入っちゃうのよ!」

英梨々(くいっ)

英梨々「ちょっと、ツラ貸しなさい……」

倫也「は・・・・・・?」

<路地裏>

倫也「……なんの落ち度もなくただお布施と布教に生きている平和主義で無害なオタクをこんなところに連れ込んでどうするつもり?」

倫也「俺に酷いコトするつもりなんだろ!? エロ同人みたいに!」

倫也「流石汚い! エロ同人作家汚い!」

英梨々「(ぴくぴく)黙りなさい」

倫也「ひでぇお嬢様がいたもんだな」

倫也「あ、いい機会だ。おじさんたちに伝えといてくれ。先日はまたエロ凌辱同人誌を送ってくださって有難うございました! 少しは俺の年齢も勘案してくれると嬉しいですマジで! って」

英梨々「っ! 何よ読んだのこの変態!」

倫也「描いた本人にそんなこと言われるとは思わなかったぞ……。本なら敬意を込めて伝統に則ってベッドの下だ」

倫也「ちなみに俺はエロ同人は読んでないけどエロ同人をパロったネタ満載の一般同人誌は読んでるからネタは使えるぞ」

英梨々「……何が悲しくて早朝から同級生の男子のエロ本の隠し場所について聞かされなくちゃいけないのよ……?」

英梨々(……ベッドの下なんだ……)

倫也「描いた本人がそれを言いますかそうですかry」

倫也「で、何か用なんだろ、英梨々? 俺のオタク話聞いててつい語りたくなったか? 仕方がないなぁ英梨々は……」

英梨々「やめてキモいちょっと昔ほんの少し仲が良かった時期があっただけで解った顔しないでこのキモオタ!」

倫也「わ、わざわざキモいを2回言ったな! 言ったな! この仮面お嬢様!」

英梨々「……っ!」

英梨々「……あら安芸君? まさか自分がキモオタでないとでも言うつもりなの? 誰にでも優しい笑顔の素敵なお嬢様がちょっとクラスで『オタクってキモい』とか口にしただけで飛んで消えるような存在じゃない? 貴方なんて……」

<ギロっ>

倫也「……そんなことしてみろよ。いくら英梨々でも俺は本気で戦うぞ……っ」

英梨々(ひっ、な、何……? 睨むことないじゃない……)

英梨々(でも……っ)

英梨々「……そうやってまた暴走するつもりなんでしょう……?」

倫也「誰にだって譲れないものはあるだろ……?」

倫也・英梨々(バチバチ)

英梨々「……………………」

倫也「……………………」

倫也「……はぁ」

倫也「なんでこうなっちまったのかなぁ……?」

倫也「なぁ英梨々……本当にいい加減俺たち大人になろうぜ……?」

英梨々「なによ? 朝っぱらから公道でオタク話繰り広げてるあんたのほうが大人だとでも言うの? 笑わせないでww」

倫也「少し歩み寄ったら和解どころか足を引っかけられて泥だまりに突き落とされてケタケタ笑われたアカウントがこちらでございまーす……」

倫也「違う。お前のためでもあるんだ?」

英梨々「はぁ?」

英梨々(あたしの……、ため……?)

倫也「……気づいてないのか? お前、クラスでも俺が関わるとあからさまに態度とか表情変えることがあるだろ?」

英梨々「なっ……、そ、そんなことあるわけない……!」

倫也「それがあるんだよ」

倫也「俺としては、そんなに俺が気に入らないのかと正直悲しくもなるんだが……」

英梨々「なっ……、そ、そういうわけじゃないわけじゃなくて……!」

倫也「?」

倫也「でだ。イチイチそんな反応してたら、そろそろ中には感づくヤツも出てくるんじゃないか?」

倫也「『お嬢様の澤村がオタクネタに反応してる』って」

英梨々「……っ」

倫也「まぁ学園祭の出し物でも布教活動でもなんでも自重しない俺も俺だけどさ」

倫也「普段の偽装っぷりが完璧なだけに目立つんだよ」

倫也「「なんだかんだ、結構わかるぜ?」

英梨々(それは、あんただからこそなんじゃ……?)

倫也(これは、俺だからこそ解るのかもしれないという可能性もないにはないのだがな……)

倫也「俺を徹底して無視したいのはわかるけどな、幼馴染のよしみで少しくらい心配させろ」

英梨々「そ、そんなのあんたに関係ないじゃない……」

倫也「まぁそれもそうなんだけどな……」

倫也(同人誌送りつけてくるおじさんと小百合さんがわざわざ「これからも英梨々をヨロシクねはぁと」ってメッセージを欠かさず付けてくるんだよなぁ)

倫也(はぁと、って、年齢考えてくれよ小百合さん……)

倫也「とにかくだ。今の鉄仮面を維持していくためにもお前はもう少し大人になるべきだ」

英梨々「……具体的にどうしろっていうのよ?」

英梨々「今更、倫也とあたしがフツーのクラスメイトみたいに話ができると思ってるの?」

英梨々「それこそあたしが築いてきたものが……、全部剥がれちゃう」

英梨々(倫也との繋がりを断ってまで手に入れたものが……)

英梨々(惜しいわけでも欲しかったわけでもないけど)

英梨々(仮面がなくちゃ、もうあたしは何処にも行けやしない)

英梨々(いけない、同人誌力欲しくなってきたわ)

倫也「……」

倫也「つまりだ」

倫也「せっかくの機会だ。少しは大人になって俺とも表面上の付き合いくらいできるようになれよ?」

倫也「と言ってるだけなんだがな」

倫也「まぁ方法とかは考えなくていいんじゃないか? 実際にアニオタの俺とセレブ組のお前のグループが絡むことなんてめったにないし、そういう心の一部分だけでも変えるだけで過剰反応とかは改善すると思うし……」

倫也(しっかし本当にツンしかねぇなぁ英梨々……デレのないツンに意味はあるんですか……?)

倫也(考えてみればツンデレなんて記号自体が二次元だからこその「お約束」で、デレが絶対あるとは限らないよなぁ……)

倫也(見た目はツンデレのテンプレみたいなくせに……)

倫也(やっぱ三次元はメンドクサすぐる……)

英梨々「…………」

英梨々「ねぇ……」

英梨々「倫也は、あたしに反応したりしないの……?」

倫也「……近寄るな、関わるなって言ったのはお前だろ……」

英梨々「……ズルい……」

倫也「は……?」

英梨々「あたしだけ、倫也に反応してるだなんてズルいっ!」

英梨々「敏感なとこ、倫也に握られてるみたいでズルいっ!」

倫也「……ちょっと待てその言い方は誤解を招く」

倫也(流石エロ同人作家は言うことが違いますかどうなんですか?)

英梨々「(無視)そんなふうに、倫也に思われてるなんて屈辱よっ!」

倫也「どうしろっていうんだよ……」

英梨々「それはっ……!」

英梨々(なんでこんな話になっちゃったのかな……?)

英梨々(ちょっと、久しぶりに話したいと、思っただけなのにね……)

英梨々(倫也……)

『―――――――――――――――』

英梨々(……っ!)

英梨々「……決めた!」

倫也「……おぉぅ? 決めた?」

英梨々「やっぱりあんたと学校で話すなんて御免よ!」

倫也「この英梨々、さっぱり人の話を聞かないのである……」

倫也「ちょっと待てなんか待て英梨々、だからこれはお前のためで……」

英梨々「要するにあたしがあんたに反応しなければいいんでしょ?」

倫也「?……まぁそうだが……」

英梨々「なら答えは一つ……」

英梨々「貿易よ!」

倫也「はぁ?」

英梨々「外交官でエリートなパパが言ってたわ! たとえ一秒でも同じ空間にいたくない、顔も合わせたくないような相手でも……」

倫也「……そこまでいうか?」

英梨々「貿易して物質的なつながりさえあれば笑顔で握手できるようになるって!」

倫也「あー、イギリスは貿易してようが結構容赦なく文句ばっかぶーたれるイメージがあるけど……」

英梨々「黙りなさい倫也。それが貿易の第一歩よ」

倫也「理不尽すぎて口をはさむ気力もないです」

英梨々「……OK。あんた、『六畳間のターミネーター』、初回完全限定BOX、当然手に入れてるんでしょうね?」

倫也「ああ? 当たり前だろ? 前クール最強だったしな!」

倫也「特にOPとEDは毎回視ちゃうほどに良作だったよな!脳みそ蕩けるかと思ったぞ!」

英梨々「(無視)あたし、初回盤は手に入れ損ねちゃって、作監メモ集見れなくて困ってたのよね」

倫也「な、別にお前んちのブルジョアな財力ならいくらでもテンバイヤーから買い上げられ……」

英梨々「今度のイベント、うちのサークルの隣に『桂上等兵』さんが来るのよね……ママとも面識あるらしいし、その日限りのコピー本にサイン付けてもらうのって結構簡単なのよね」

倫也「速やかに協定を結ぼう英梨々。契約書は必要か? DRRR式は勘弁な?」

英梨々「変わり身早いわねこのキモオタ……」

倫也「かかかかか勘違いしないでよっ! ちょっと物欲に負けちゃっただけなんだからっ!」

英梨々「恥ずかしげもなく情けないことを威張るなぁ!」

英梨々「……っ。まぁいいわ。詳しいことは後でメールで決定しましょう? 今晩メールよこしなさい!」

倫也「あ、おい待てよ英梨々」

英梨々「あー、もこんな時間じゃない遅刻は……仕方がないわね通りすがりのお婆さんに道を聞かれて送っていたってことにする……」

英梨々「こういうとき普段の点数稼ぎを活用しないと……!」

倫也「それは俺に使えない手なんですが英梨々俺はどうしたらいいんですかね英梨々サン……?」

英梨々「あー、こまったわー。こんなオタクと貿易しなくちゃいけないなんて困ったわ―」

英梨々(あれ?……か、顔がにやけちゃう……? に、逃げなきゃ……)

英梨々(~♪)

倫也「っておい、連絡先わからないと」

倫也「あー、行っちまったし」

倫也「まぁこれでちょっと前からの懸案はクリアか」

倫也「まったく、世話の焼けるお姫様だ」

倫也「あ。おお。我ながらなんかすごく今の科白、幼馴染っぽかった……?」

倫也(……なんかあの相変わらずこっちの話を聞かないあたりとか懐かしすぎて、凄くあいつへの憎しみとかモリモリ溢れそうになっちゃったりしてる俺もいないでもないけど……)

倫也(……おっといけない。黒倫也君は自重自重)

倫也(今日はちょっと早めに帰って爽やかな萌えで浄化活動にいそしまないとなー)

倫也(あんまり黒い感情は溜め込んじゃいけない)

倫也(エロい意味じゃないよっ!)

倫也「ってやべぇ遅刻確定だぁっ!」

<その夜、英梨々の部屋>

英梨々「っていうか『オタクの王国』ってフツーにモノローグにでてくるって、あたし何考えてたんだろう……?」

英梨々「おかしいわね……中2は去年で終わったはずでしょ……?」

英梨々「あー恥ずかしー!!!!」

英梨々(じたばたじたばたじたばたじた)

英梨々「……ん?」

英梨々「知らないアドレス……」

倫也<タイトル:倫也だ。おばさんにメアド聞いたぞ>

英梨々「倫也からだ……」

英梨々「アドレス、昔と違う……よね、そりゃ……」

英梨々(小学校の時のアカウント、引っ張り出して待ってたのに……馬鹿……)

倫也<早速だが『貿易』の件だが~~~>

英梨々(やだ……、でもちょっと、懐かしくて、嬉しい……)

<こうして、かつての幼馴染の交流は、ほんの少しだけ再開したのであった>

<ほんの少しだけ昔に戻れたと錯覚する>

<けれど彼と彼女の間には、どうしようもない断絶が横たわり続ける>

<本当の仲直りが何時になるのか>

<それはまだ彼も彼女も知る由もない>

とりあえず完

【おまけ】

出海「お兄ちゃん? どうして名古屋に来てからそんなに御飯食べるようになったの?」

出海「無駄な脂肪になりやすいからって普段は炭水化物あんまり食べない方じゃなかったっけ?」

伊織「いやね、出海。どうにも名古屋に来てから味覚が変わったのか、この地方特産の味噌が美味しくてね・・・・・・」

伊織「ちょっとコレは気をつけないと僕の美しい肉体が崩れてしまう・・・・・・少しだけ女の子と遊ぶ時間減らさないといけないかなぁ・・・・・・?」

出海「へぇー、でも美味しいのは本当だよね、お味噌。私も気をつけないとなぁ」

伊織の女遊びがちょっと減って、出海の(胸への)栄養摂取がちょっと進んだという、英梨々の呪いの成果、かも知れないヒトコマであった。

あとがき

・・・・・・これはひどい

最初は出海も悪の女幹部として徹底的に英梨々をいじめる役所にするはずだったけど4人以上キャラを動かす能力は俺にはなかったでござる。ござる。

つかSS難しいですねぇ。

あと冴えカノは原作からして、軽そうでありながら、キャラの思考をボカしてやがるので書きにくい書きにくい。

作者が何も考えてないというのはあるとおもうけど、そこを纏めあげる丸戸御大大好きです。

あとあと、なんか勝手な設定ブチ込んでるのは許してください。

最後になりますがアニメ2期オメデトウ御座います。

えーと?

html化依頼とやらをすればいいのかな?

反省点としては、

総オタク化した中学校の阿鼻叫喚の世界をもっとみっちりやりたかったけど、
ぶっちゃけそっち方面あまり詳しくないのでネタがないのでした。
残念といえば残念。

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