伊織「一夜限りの」雪歩「共同生活ですぅ」 (75)


P「さて、気がつけば第4回」

P「調子に乗って、よくもここまで続けたものです」

小鳥「今回の組み合わせは……」



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~~~~ 送迎リムジン ~~~~


伊織「相性を調べるって、他にやり方はなかったのかしら?」

雪歩「どうなんだろうね? 私はけっこう楽しみだけどなぁ」

伊織「べ、別に雪歩が嫌ってわけじゃないのよ?」アセアセ

雪歩「ふふっ。 わかってるよ」ニコニコ

雪歩「今日はよろしくね」



新堂「雪歩様、今日一日、お嬢様の事を宜しくお願い致します」


雪歩「私のほうこそ、伊織ちゃんに迷惑かけないようにしますね」


新堂「いえいえ、とんでもございません」

新堂「お嬢様は社交界での振る舞いは、幼少より躾けられてきましたが」

新堂「水瀬財閥の一人娘と言うことで、家事とは無縁の生活をしてきましたゆえ」

新堂「家事と言う点では、迷惑をかけると思いますので」

新堂「ご承知くださいませ」


伊織「し、新堂!? 余計なことは言わなくていいの」

新堂「雪歩様も萩原組と言う、大手建設会社のお嬢様でいらっしゃいます」

新堂「女性のたしなみと言う面で、お嬢様にはぜひ、色々とご教示くださいませ」


雪歩「わ、私なんて、ひんそーでちんちくりんでなんのとりえもない……」


伊織「雪歩もいい加減、自分に自信を持ちなさいよ」

伊織「アンタのこと、そういう風に思ってる人なんて」

伊織「私も含めてアンタの周りにはいないと思うわよ?」

雪歩「そ、そうかなぁ……」


伊織「新堂は、水瀬家の執事なだけあって、人を見る目も確かなのだけど」

伊織「その新堂が私のことをお願いする人なんて、そんなにいないんだから」

雪歩「うぅ……」



伊織「……まぁ、いいわ」

伊織「とりあえず、気軽に行きましょ! 今日一日よろしくね。 雪歩」

雪歩「……うん。こっちこそよろしくね! 伊織ちゃん!」


新堂「お嬢様。目的のマンションに到着いたしました」

伊織「ありがとう。新堂」

新堂「明日の朝にはお迎えにあがります」

伊織「ええ。宜しく頼むわ」

雪歩「ありがとうございます。新堂さん」


新堂「では、お嬢様のことを宜しくお願い致します」



ブオォーン


伊織「さて、マンションについたけど」

伊織「とりあえず、セキュリティはしっかりしてるみたいね?」

雪歩「うん。とりあえず、部屋に向かおうよ」カチャッ

ピッピッ

ウィーン

伊織「ねぇ、雪歩?」


雪歩「なぁに? 伊織ちゃん」


伊織「……」

伊織「さっき、新堂も言っていたけど」

伊織「わたしって、家事は、その……」

伊織「苦手な方だと思うのよ」


伊織「けど、せっかく良い機会だから」

伊織「料理とか教えてもらえると……」

雪歩「大丈夫! 二人で協力して、色々やっていこうよ」


伊織「ええ。よろしくね」

雪歩「うんっ」


~~~~ モニタールーム ~~~~


P「今回は、雪歩と伊織ですね」

小鳥「お嬢様とお嬢様ですか」


P「あんまり無い組み合わせなんですかね」

小鳥「まぁ、二人とも決まった相手との組み合わせが多いですからね」


P「やよいおりとゆきまこですよね」

小鳥「ええ」


小鳥「某巨大画像投稿サイトでは」

小鳥「あの二組とはるちは、あみまみのカップリングは1000を超えてるらしいです」


P「すごいですね」


小鳥「逆に、この共同生活第3回までの組み合わせのカップリングは」

小鳥「それぞれ50以下らしいですね」

P「ふーん」


小鳥「まぁ、正確な調査では無いので」

小鳥「あまり確実な情報ではありませんが」

小鳥「一応、>>1の目的通りには進んでるようです」


P「意外にお嬢様同士の組み合わせである」

P「いおゆきって少ないのが意外でしたね」


P「ちなみに、今回は水瀬財閥SPと萩原組精鋭による」

P「半径1km内は特殊警備が行われています」

小鳥「特殊警備?」


P「ええ。不審そうな人物がいたら、即確保および尋問」

P「SPに見つかった場合は、警察に突き出し」


P「萩原組精鋭に見つかった場合は……」

小鳥「……」


P「ご想像にお任せします」

小鳥「こわっ!」


P「今回の共同生活で親御さんから許可をもらう条件でしたからね」

P「まぁ、こちらとしてもアイドルの安全が絶対的に確保できると言う点では」

P「安心ですよ」


ガチャッ

P「あ、来ましたね」


~~~~ マンション ~~~~


伊織「二人で生活するには、丁度いいサイズの部屋ね」

雪歩「うん。キッチンもけっこう広いし」


雪歩「新婚さん向けの部屋なのかな?」

伊織「そうね。私も結婚したら、こういう部屋にすむのかしら?」

雪歩「結婚する相手によるんじゃないかな?」

伊織「……」


伊織(アイツと一緒になったら、こんな部屋に住むのかしら)

雪歩「伊織ちゃん?」

伊織「ふぇっ///?」


雪歩「やっぱり、結婚相手とか決められてるの?」

伊織「そ、そんなことはないわよ?」


伊織「雪歩はどうなの?」

雪歩「私も決められてはいないけど」

雪歩「お父さんが認めてくれた人じゃないとダメだと思うなぁ」


伊織「そんなに厳しいの?」

雪歩「うん。はじめはアイドルをやること自体反対だったし」


雪歩「けど、アイドルを反対してたお父さんを」

雪歩「説得してくれたプロデューサーは気にいってるみたいだから……」

雪歩「プロデューサーなら……」

伊織「……」


雪歩「な、何いいいってるんだろっ! わたしっ穴掘って……」

伊織「だ、ダメーっ!ストップ!! 雪歩ストップ!!!」


雪歩「はぅ///」


伊織「もう、穴掘り癖はそろそろ直さないとね」

雪歩「なんか、穴掘ってるときが一番落ち着くけど」

雪歩「直すように努力するよぅ」


伊織「そうね……って」

伊織「夕ご飯、どうしようかしら?」

雪歩「うーん……」


雪歩「さっそく、二人で作ってみようよ?」

伊織「……そうね!」

雪歩「パスタとサラダだったら、簡単にできるけど」

雪歩「それでいいかなぁ?」

伊織「ええ。料理に関しては雪歩に任せるわ」

雪歩「うん、わかったよ」


雪歩「マンションの近くにスーパーがあったから」

雪歩「とりあえず、そこで買い物だね」

伊織「ええ、さっそく出かけましょ」


~~~~ モニタールーム ~~~~


小鳥「いやー、プロデューサーさん。結婚候補が一人できましたね~」

P「雪歩ですか?」

P「確かに結婚相手としては、申し分ないですよね」


P「まぁ、うちのアイドルは誰を取ったって、申し分は無いんですが」

P「個人的には雪歩はその中で一番でしょ」

小鳥「ほう。その心は?」


P「まず、浮気される心配が無い」

小鳥「男性恐怖症ですからね。結婚した旦那さん以外の男性には近づかなそうですよね」


P「そして、スタイルが良い」

小鳥「まぁ、アイドルですからね」


P「カップで言うと、Dなんですよ?」


P「気痩せするタイプのコって」

P「脱がせたときに、一気に興奮しますよね?」


小鳥「女性の私にはわかりませんが」


P「いや、あんまり胸のふくらみに期待できないなぁと思ってたら」

P「実はたわわに実った果実がついてたって」

P「いい意味で予想を裏切られたって感じですよ」


小鳥「はぁ……」


P「そして、家庭的」

小鳥「まぁ、お母さんの料理を手伝うとも言ってましたからね」


P「そんなわけで、一番に押させていただきます!」

小鳥「もう、どうでもいいです」


小鳥「とりあえず、スーパーの追跡行ってきます」

P「あ、変身終わったら写真撮らせてください」


小鳥「え、なんの趣味ですか?」

P「まったく興味は無いんですが、音無さんが埋められたら業務的に困るので」

小鳥「色々とはっきり言いすぎでしょ……」



変身後


P「はい、ちーず」

カシャッ


小鳥(胸元思いっきり開いたのに、動揺すらしないって)

P「あ、音無さん」

小鳥「はい?」


P「胸元開きすぎなんで、ちゃんと調節してくださいね?」

小鳥(死ねばいいのに)


pi

P『写真の人物が雪歩と伊織をつけますが』

P『事務所の事務員なので、見逃す方向でお願いします』





SP『鳳1了解』

精鋭『雲雀1了解』

pi

小鳥(え!?)

P「では、気をつけて行って来てください」

…山狗部隊?


~~~~ スーパー ~~~~


伊織「なかなか来ることは無いけど」

伊織「やっぱりスーパーって来ると楽しいわよね」

雪歩「そうだね。なんか、料理心が刺激されるよね」


雪歩「そういえば、作るパスタを決めてなかったけど」

雪歩「伊織ちゃんは食べ物の好き嫌いは無かったよね」

伊織「ええ。なんでも良いわよ?」

雪歩「それなら、ナポリタンはどうかなぁ」

伊織「ナポリタン?」


雪歩「うん!玉ねぎとかピーマンとかベーコンを炒めて」

雪歩「トマトソースとケチャップで味付ける感じかな?」

伊織「スパゲティ・ナポレターナかしら?」


雪歩「それを、日本風にアレンジしたものらしいよ」


伊織「切って炒めるだけなら、簡単にできそうね」


雪歩「うん。あとはポテトサラダかな?」

雪歩「ちょうど新じゃがと新玉ねぎの季節だし」

雪歩「美味しくできると思うよ?」


伊織「いいわね!じゃ、さっそく買い物を進めましょ」


小鳥(伊織ちゃん、素直な雪歩ちゃんには驚くほど柔らかい感じね)

小鳥(雪歩ちゃんは基本的には受け身のタイプのコだから)

小鳥(上手いことかみ合うのかしら)


小鳥(これは、ツンデレは期待できなさそうね)

小鳥(しかし、伊織ちゃんの女の子らしい部分を引っ張り出してくれそう)



~~~~ マンション ~~~~


伊織「思ったより軽かったわね」

雪歩「今日の夜と明日の朝のご飯の分だけだからね~」

伊織「じゃあ、さっそく作っていこうかしら」

雪歩「うん。ピーラーと包丁があるから」

雪歩「伊織ちゃんはピーラーでジャガイモの皮をむいてほしいかな」


伊織「ピーラーって、コレ?」

雪歩「うん。これをジャガイモに沿ってひいていくと」


シュルシュルッ


伊織「へぇ~っ、便利ねぇ」

雪歩「簡単に皮もむけるしね」

雪歩「とりあえず、ポテトサラダ用にジャガイモとニンジンの皮むきをよろしくね」

伊織「ええ、わかったわ」


雪歩「わたしは、ナポリタンの材料切って、炒める準備をしていくよ」


トントントン

シュルシュルッ


伊織「ジャガイモってけっこう皮がむきにくいわね」

雪歩「うん、デコボコだし確かにむきにくいかも」


雪歩「けど、ジャガイモって結構いろんな料理に使えるから」

雪歩「慣れておいて損は無いよ?」

伊織「ふーん……」


伊織「雪歩って、けっこう料理ってするの?」

雪歩「え? どうかなぁ……」

雪歩「仕事が早く終わったときに、お母さんの手伝いをするくらいだよ?」


雪歩「うちは、住み込みのお弟子さんたちもいるから」

雪歩「作るの結構大変らしいんだ」


伊織「そうなの?」


雪歩「うん。作るときは凄い大きな鍋で作るから」

雪歩「材料も一杯必要だしね」


伊織「そういえば、お弟子さんたちは怖くないのね?」

雪歩「そういえばそうかなぁ。小さいころからずっと見てきてるから」

雪歩「あんまり怖くないのかもしれないね」


雪歩「みんな、私のこと応援してくれてるし」

雪歩「そういう人たちの為に、恩返しだと思えば、」

雪歩「料理作りも大変じゃないよ」


伊織「すごいわね、雪歩は……」


雪歩「私から見たら、伊織ちゃんの方が凄いと思うよ?」

伊織「そうかしら?」


雪歩「竜宮小町のリーダーで、みんなを引っ張っていってるし」

雪歩「自分の考えをしっかりともって、相手にぶつけられるし」

雪歩「私には出来なことが、たくさんできるから羨ましいよ」

伊織「……」

~~~~ モニタールーム ~~~~


P「ちょっと、伊織の雰囲気がいつもと違いますね」

小鳥「ええ。雪歩ちゃんの料理スキルや話した内容で考えることがあったんでしょう」

P「ツンデレは、基本的にやさしさを知っていますからね」


P「雪歩の周囲に対する優しさって、事務所でもある程度感じられるとは思うんですが」

小鳥「言葉で聞いてなお実感したとか、そんな感じでしょうか」


P「そんな感じですね。今回も、双方の成長にとってメリットが出そうな感じですね」


小鳥「まぁ、基本的にはみんなやさしいコばかりですからね」

小鳥「二人きりになったときに、デメリットって出にくいと思いますよ」

P「そうですね」


P「心配があるとすれば、美希との組み合わせ次第の相手でしょうか」

小鳥「あー、確かに……」


小鳥「残っているのは、響ちゃん、亜美ちゃん、真ちゃん、貴音ちゃん、美希ちゃん」

小鳥「この5人……アレ?」

P「どうしました?」


小鳥「この調子でいくと、一人余りますね」

P「そうですね」

小鳥「どうするんですか?」

P「まぁ、そこは>>1が上手いことやるでしょう」


P「調子に乗って2週目か、最後の一人とだれかを再登場させるか……」

P「まぁ、その時になればわかるでしょ」

小鳥「はぁ……」


P「あ、ご飯できたみたいですね」

P「昔風のナポリタンって感じで美味そ~!」

小鳥「そうですね~」


~~~~ マンション ~~~~



伊織「と、言うわけで」

雪歩「うん」

いおゆき「いただきます」



伊織「うん、自分で作ったって思うと、味も余計に美味しく感じるわね」

雪歩「うん、そうだよね。伊織ちゃんも料理はじめてみたら?」

伊織「……そうね。やっておいて損は無いわよね」


雪歩「うん。いずれ結婚した時の為にね」

伊織「そ、そうよね///」

雪歩「いおりちゃん、顔が赤いけど大丈夫?」

伊織「え、ええ。大丈夫よ……」


伊織(結婚とかって話がでると)

伊織(アイツのイメージが頭に浮かんでくる……)


伊織(竜宮小町結成前……と、いうか)

伊織(アイドルになった当初は色々と教えてもらったわね)

伊織(上手くいかなくて、八つ当たりなんかもしたし)フフッ


雪歩「伊織ちゃん?」

伊織「ど、どど、どうしたのっ!?」ビクッ


雪歩「わ、笑ってるからどうしたのかなぁって」


伊織「な、なんでもないわよ?」アセッ

伊織「さ、サラダも美味しいわね~……」


雪歩「そうだね~……」


伊織「……雪歩は、家事をするときに、結婚を意識することとかって、あるのかしら?」

雪歩「あ、あんまりないかな? ほら、わたしは男の人がまだ苦手だし」


伊織「けど、欠点はどんどん克服してきてるから」

伊織「男性恐怖症だって、近いうちに克服できるわよ」


伊織「まぁ、本当に好きな人に対してだけ、克服できれば良いんじゃないかしら」

雪歩「そ、そうだね///」

雪歩「そ、それなら……」

伊織「……え?」


雪歩「な、なんでもないよっ///」

伊織「そ、そう……」



伊織「ち、ちょうど、ご飯もなくなったわね」


雪歩「うん、お風呂をわかしてくるよ」

伊織「じゃあ、食器は片付けておくわね」


雪歩「うん。よろしくね」


~~~~ モニタールーム ~~~~


P「そうですよね、いつかはこいつらも相手を見つけて結婚するんですよね」

小鳥「そんな幸せな野郎は誰なんでしょうね」


P「ホントホント、ただ、この二人は家柄もあれだから」

小鳥「ええ、ハードルがかなり高いですね」


P「まず、伊織は普通の人じゃだめですよね」

小鳥「やっぱり、そう思いますよね」

小鳥「けど、伊織ちゃんくらいの家柄なら」

小鳥「許嫁くらいいるんじゃないですか?」


P「それが、いないらしいんですよ」

小鳥「へぇ~っ、そうなんですか」


小鳥「……って、なんでそんなことをしってるんですか?」


P「いや、いつだったか伊織のお父さんと話す機会があって」

P「教えてくれたんですよ」


P「冗談で、うちの会社に来ないかなんて言われて」アハハ

小鳥「それって、冗談だったんですか?」


P「こんなどこにでもいるサラリーマン」

P「水瀬グループの会長が直々にスカウトするわけないじゃないですか」

小鳥「……」

小鳥(プロデューサーさんが鈍くて助かったピヨ)


小鳥(竜宮小町がいないとはいえ、それでも9人の完璧なスケジュール管理)

小鳥(アイドルのイメージに合わせた交渉能力)


小鳥(はっきり言って、どこにでもいるサラリーマンじゃないのは明らか)

小鳥(社長を通じて、プロデューサーさんの仕事ぶりが伊織ちゃんのお父さんの耳に入っているのね)


P「しかも、秘書ですよ、秘書」


小鳥(それ、多分、半分本気だから)

小鳥(もしかして、伊織ちゃんの結婚相手に考えてたりして)


P「まぁ、それっきりなんで、冗談なのは間違いなかったですよ」

小鳥「まだ、アイドルたちを独り立ちさせるには早いですからね」

P「ええ、もちろんです!」


P「で、雪歩の話ですが」

小鳥「はい」

P「雪歩を嫁にくださいなんていった日には」

小鳥「死を覚悟しないといけないですよね」


P「しかし、ひとたび認められることができたら」

小鳥「雪歩ちゃんを独り占めですからね」


P「ええ、十分命をかける価値はあります」


小鳥「そういえば、雪歩ちゃんのお父さんと対面したことがあるんですよね」

小鳥「たしか、当初はアイドルを反対してて、説得しに行ったんでしたっけ」

P「ええ、あの時も死を覚悟しましたよ」


小鳥「どんな話だったんです?」

P「まぁ、娘をあんな格好で人前にさらすなんて、何を考えとんじゃ」


P「から、はじまって」

P「もう、あんな世界にはおいておけん」

P「って、なったんですよ」

小鳥「ほうほう、それで」


P『雪歩ちゃんは、きっと私が輝かせて見せます』

P『その時まで、トラブルなく守り抜いていきますので』

P『私を信用して娘さんを預けてください』


P「って、いったんですよね」



小鳥「それ、なんてプロポーズ?」


P「そのあとに」


雪歩父『やかましいっ!!!!!!』


P「って言われて、日本刀の切っ先が目の前で止まったんですけどね」

小鳥「こわっ!」


P「もう、パニックで何言っていいのかわかんなくなって」

P「同じことをもう一回言ったら」


雪歩父『わしの日本刀を目の前にして、よう言った』


P「って、そっから一気になごやかな雰囲気になりましたよね」


P「なんか、良い酒飲んだりご馳走食べたり」

P「いまどきの若者にしては、良い度量だなんて褒められたり」


P「年一の状況報告は、必ず宴会になりますからね」


小鳥(あかん、萩原家後継ぎエンドのヤツや)


P「今では、良い飲み仲間ですよ」

小鳥「かるっ!軽すぎ」


P「まぁ、強面も1人の親には変わりないですよ」

P「酒飲むとだいたいは、娘自慢ですからね」


P「あと、オフレコなんですが」

小鳥「ええ」




P「雪歩のお父さん、貴音のファンですね」

小鳥「え、えぇ~っ!?」


P「貴音って話し方とかは、けっこう昔の女性って感じじゃないですか」

小鳥「確かに」



P「目の前で」

P「あなた様って言われたいらしい」


小鳥「まじか~……」


P「その話を、萩原家で飲んでるときに、ポロっとしゃべったら」

P「雪歩のお父さんが、お母さんに呼び出されたんだけど」


P「呼び出しから戻ってきたら」

P「ボロボロだったんですよね」


小鳥「萩原家母親最強説ですね」

P「説ってか、間違いないでしょ」


小鳥「後日、ゆっくり聞かせてください」

P「まぁ、気が向いた時にでも」


小鳥「長話をしてる間に、お風呂タイムですね」

P「ええ。今回も相変わらず、音声だけです」

~~~~ バスルーム ~~~~


伊織「うちほどとは言わないけど、二人で入るには十分な広さね」

雪歩「うん、窮屈さはないから、ゆっくりできるね」


伊織「そうね、一日の疲れがとれるし、良い広さね」


雪歩「うん、ちょっと掃除は大変そうだけどね」

伊織「そういうことも考えるのね~」


雪歩「うん。基本的には、家事は女性の仕事だって言われてきたから」

雪歩「よく手伝ったりしてるよ?」


伊織「うちのバスルームを掃除するのに、どれくらいの人出がいるのかしら……」

雪歩「新堂さんに聞いてみたら良いんじゃないかなぁ」


伊織「そうね……あ」


雪歩「どうしたの?」

伊織「明日の朝、サンドイッチを作る程度の食材はあるかしら?」


雪歩「今日のポテトサラダの残りとかだったらどうかな?」

雪歩「味付けを濃いめにしたら、丁度いいと思うけど」


伊織「ちょっと、作り方を教えてくれないかしら」

雪歩「うん、いいよ!」

伊織「ありがとう、雪歩」

雪歩「だれかにあげるの?」


伊織「ええ、日頃の感謝の気持ちを込めてちょっとね」ニヒヒッ

~~~~ モニタールーム ~~~~


P「ま、まさか俺の為に……」

小鳥「いや、あの笑い方とはっきり言いきった感じだと……」


小鳥(多分、新堂さんだけど、ほっといて落胆っぷりを見ようかしら)ピヨピヨ

小鳥(と、いうか、日頃の感謝の気持ちを込めてなら)

小鳥(今は律子さんか、亜美ちゃんやあずささんよね)


P「明日は、腹を減らしていくか~!」

小鳥(早く気づけ)


P「それはそうと、良い時間なので今日は帰りますか」

P「お腹もすかせたまま寝ないといけないので」


小鳥「そうですね」

小鳥(明日の凹みっぷりが楽しみね)グフフ


P「オート録画モードで」

小鳥「帰りますか~!」


~~~~ マンション ~~~~



伊織「ふぅ~っ、オレンジジュースが美味しいわ」チウチウ

雪歩「うん、お風呂上がりのジュースは美味しいよね」


雪歩「飲み終わったら、身体が冷えないうちに寝よっか」

伊織「ええ、そうしましょう」


カチッ


伊織「ふぅ、なんだか寝る時間に人がいると不思議な感じね」

雪歩「うん。色々話したくなっちゃうよね」


伊織「そうね。そういえば、せっかくだから聞くけど」

伊織「雪歩はどうしてアイドルになろうと思ったの」


雪歩「……わたしって……」


雪歩「わたしって、昔から弱気で引っ込み思案で苦手な物も多いし」

雪歩「そんな自分がとても嫌いだったんだ」


雪歩「けど、街でアイドルが活動しているのを見て」

雪歩「自分も人前であれだけの笑顔でいろんな人とふれあえるようになりたいって」

雪歩「思ったのがきっかけかなぁ」


伊織「それなら、着実に成長はしてるわよね」

雪歩「そうかなぁ」


伊織「少なくとも、アイドルの活動としてイベントだってライブだってやってるんだから」

伊織「昔の雪歩とは絶対に違うわよ」


雪歩「うん、そうだね。ありがとう、伊織ちゃん」

伊織「どういたしまして」


雪歩「伊織ちゃんは、どうしてアイドルをやろうと思ったの?」


伊織「わたしは、自分で自分の存在を確かめるために始めたわ」

雪歩「どういうこと?」

伊織「ほら、私の家って……」

雪歩「うん、日本どころか、世界でも有数の大企業だよね」


伊織「ええ。新堂も言っていたけど、小さなころから財政界の要人が集まるパーティにも行かせてもらったわ」

雪歩「すごいね~」


伊織「実際は、気持ち悪いわよ?」


伊織「多くの人が、中学校も卒業してない小娘に頭を下げてくるんだから」

伊織「水瀬の名前を冠してるだけでね」


雪歩「……」


伊織「ただ、うちの高木社長はお父様と深い付き合いがあるようで」

伊織「頭を下げたりされなかったし、気のいいおじさんって感じで嫌いじゃなかった」


伊織「あるとき、高木社長に聞いてみたのよ」


伊織「どうして、みんな私に頭を下げてくるの?って」

雪歩「社長はなんて言ったの?」


伊織「はじめは、はぐらかして教えてくれなかったけどね」

伊織「しつこく聞きまわってたら、意外に簡単な答えが返ってきたわ」

伊織「キミが、水瀬一族の『水瀬』伊織だからだよ。って」

雪歩「……」

雪歩「なんか、嫌な話になっちゃったね」


伊織「いえ、いいのよ」


伊織「考えてみたら、簡単な答えだったのよね」

伊織「私はお父様の子供の中で、唯一の女のコだったし」


伊織「私を嫁に迎え入れられれば、水瀬の一族に取り入るきっかけにもなるし」

伊織「恩を売っとけば、それなりの見返りが期待できる」


伊織「ここにいる人は、だれも私を人としてじゃなく」

伊織「私に頭を下げることで得られる可能性がある利益にしか目が行ってないって」


雪歩「ショックだったよね、やっぱり……」

伊織「ええ、初めて気がついたときはショックだったわ」


伊織「それから、パーティに出るのもおっくうになって」

伊織「なにかと理由をつけて、休むようになったのよね」


伊織「あるとき、新堂からパーティに高木社長が来る話と」

伊織「高木社長が私に会いたがっていたって話を聞いて」

伊織「久しぶりに、パーティに顔を出したの」


雪歩「久しぶりに行ったパーティ会場はどうだったの?」


伊織「相変わらず、色々な大人から頭を下げられたり」

伊織「息子と遊びにいかないかって話が出たりしたわ」

伊織「まぁ、全部はぐらかしてうやむやにしたんだけど」


伊織「最後にまとまった時間ができたから、高木社長に聞いてみたの」

伊織「どうすれば、私自身を見てもらえるようになるの?って」

雪歩「うん」


伊織「そしたら……」


伊織「君自身の力で、努力して振り向かせるしかないよ。って言われたのよね」

伊織「そこで、アイドルの話をされたのよ」


雪歩「アイドル伊織ちゃんの誕生だね」

伊織「ええ」


伊織「高木社長からは、スタートが一番困難だと思う」

伊織「多分、今までぶつかったことが無い壁に何度もぶつかると思うが」

伊織「それを乗り越える決意はあるかい?って聞かれたんだけど」


伊織「そんなこと言われて、引き下がるのも嫌だったし」

伊織「自分の存在を多くの人に認めさえたいって気持ちもあったから」

伊織「二つ返事でOKしたわ」


雪歩「負けず嫌いの伊織ちゃんらしいね」フフッ


雪歩「……けど、大変だったんね、伊織ちゃん」

伊織「そうね……」


伊織「けど、そんなきっかけがあったからこそ」

伊織「今は、楽しいし充実してる」


伊織「人生無駄じゃなかったって思えるわよ」

雪歩「うん、そうだね」


雪歩「事務所のみんなと一緒だからこそ頑張れることもあるし」

雪歩「乗り越えられることもあったしね」


伊織「ええ。かけがえのない良い仲間に巡り合えて、本当によかった」

雪歩「うん!」


伊織「これからも頑張っていきましょうね」

雪歩「そうだね! がんばろうねっ」


雪歩「なんだか、伊織ちゃんの話を色々聞けて嬉しかったよ」

伊織「それは雪歩が聞き上手だからじゃないかしら」

雪歩「そうかなぁ」


伊織「こういう話をしたのは、雪歩がはじめてよ」

雪歩「ふふふっ。伊織ちゃんに褒められるとうれしいな」


伊織「この伊織ちゃんが人をほめることは、めったにないからね」ニヒヒッ

雪歩「そうだね」アハハ


伊織「さて、そろそろ寝ましょう」

雪歩「そうだね、明日はサンドイッチも作らないといけないしね」


伊織「ええ、これからもよろしくね。雪歩」

雪歩「こちらこそ、よろしくお願いします。伊織ちゃん」


~~~~ 翌日 リムジン車内 ~~~~


新堂「おはようございます。お嬢様、雪歩様」

伊織「おはよう、新堂」

雪歩「おはようございます。新堂さん」


新堂「ふむ。どうやら良い一日をすごせたようで、何よりでございます」

雪歩「ええっ、そんなことわかるんですか!?」


新堂「ええ、伊織お嬢様に幼少よりお仕えしてますので」

新堂「ここまで晴れやかな顔をしているのは、久しぶりにございます」

伊織「そうかしら?」


新堂「ええ」


伊織「まぁ、いいわ。あと、はいコレ」

新堂「これは?」

伊織「伊織ちゃんお手製のサンドイッチよ。時間があるときにでも食べなさい」

新堂「では、さっそくいただきます」


伊織「ちょ、ちょっと別に今食べなくても」

新堂「いえ、せっかく作ってもらったものなので」

新堂「すぐにいただかなくては、食材にも申し訳ございませんから」

雪歩「伊織ちゃん、一生懸命作ったので、きっと美味しいですよ」

新堂「では、いただきます」


伊織「……」ドキドキ


ハムッ
モグモグ


新堂「大変おいしゅうございますよ、お嬢様」


伊織「あ、あたりまえじゃない///」


新堂「私なんかの為に、ありがとうございます」


伊織「新堂にはまだまだ、頑張ってもらわないといけないから」

伊織「これからも、よろしく頼むわね」


新堂「承知……いたしました……」


キラッ


雪歩(涙……かな?新堂さん、よっぽど嬉しかったんだ)


新堂「では、出発いたします」

伊織「ええ、頼むわよ」


~~~~ 事務所 ~~~~


伊織「おはよう」

雪歩「おはようございます」


やよい「おはようございます、伊織ちゃん、雪歩さん」

美希「デコちゃん、雪歩にあんまり迷惑かけなかった?」


伊織「かけるわけないでしょ!」

雪歩「うん、二人で料理もしたし、楽しかったよ」


亜美「いおりん、料理ってできたんだね~」

真美「あんまり料理するイメージはないよね~」


伊織「わたしにかかれば、料理なんて難しくはないわよ」


伊織「ってか、あんたたち、そんなにバカにするとあげないわよ」

真「なにかあるの?」


雪歩「うん、伊織ちゃんと二人で、事務所のみんなにサンドイッチ作ってきたんだ」

伊織「ええ、食材が多めに残ってしまったから、せっかくだしね」

伊織「亜美と真美はいらないのよね?」ニヒヒッ

亜美真美「うあーん、ゆるちて~」




貴音「では、早速いただきます」

響「貴音、早すぎるって」


律子「そうよ、これから打ち合わせでしょ?」

貴音「あぁ、さんどいっちが……」


伊織「貴音の分、別に分けて打ち合わせ先に持って行けばいいじゃない」

貴音「それは名案ですね。では、早速……」ゴソッ


伊織「どれだけ持って行こうとしてるのよ」ハァ


P「ただいま~って、丁度伊織と雪歩も出てきたところか」


P「って、美味しそうなサンドイッチだなぁ。いただきっ!」パクッ

P「うん、あたりまえだけど美味いぞ~」


伊織「あたりまえでしょ。 私と雪歩の二人で作ったサンドイッチなんだから」

雪歩「お口には合いましたか?」

P「おう、もう何個でもいけるぞ」


真「あーっ、先にずるいよ~」

雪歩「真ちゃん、けっこうあるから大丈夫だよ」フフッ


P「それはそうと、伊織は雪歩との共同生活、どうだった?」


伊織「そうね。雪歩の女性らしさとか、気遣いや優しさが良くわかったと思うわ」


伊織「私は竜宮小町のリーダーとして、みんなを引っ張っていくつもりで動いてたけど」


伊織「雪歩みたいな気遣いがあれば、もっと上手くユニットとして活動できると思ったわね」

律子「あら、期待してるわよ」


伊織「ええ、任せておきなさい」


P「雪歩はどうだった?」

雪歩「私は、伊織ちゃんの強さが羨ましかったけど」

雪歩「伊織ちゃんの強さは、伊織ちゃんにしか持てない強さだってよくわかりました」


雪歩「わたしは、わたしなりの強さを見つけていきたいと思います」


P「雪歩はアイドル始めたころに比べたら、格段に強くなってるぞ?」

雪歩「……そうですか///」


雪歩「プロデューサーが言うなら、間違いないですね」ニコッ

P「おう、これからもがんばっていこうな」


雪歩「はいっ!」


小鳥「ふむふむ、いおゆきはこうなるのか」


小鳥「伊織ちゃんの素直さを雪歩ちゃんがひきだして」

小鳥「雪歩ちゃんの向上心を伊織ちゃんがひきだすといった形ね」


小鳥「残り5人、次はだれにしようかしらね~」


<ピヨチャン サンドイッチナクナルヨ

小鳥「すぐいくわ~!」


おしり

と、いうわけで終わり
見てくれた人サンクス。

マンネリ化して、そろそろしんどくなってきた。
残りの組み合わせどうしよう。

>>18
正解でした。

まあ買い物ご飯お風呂就寝の展開が同じだしな


>>63

続き物だからって、同じ展開でやる必要はないよね。
なんか考えるわ~。


みんな、ナイスな意見サンクス

とりあえず、無い頭振り絞って色々考えるよ~!

では、またいつか~

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