いきなり艦娘伝説!?吹雪たちの無人島0円生活?【艦これ】 (847)

正月にやってたアレ
最近は見なくなったね…

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前作の宣伝

絶対に笑ってはいけない海軍24時【艦これ】
絶対に笑ってはいけない海軍24時【艦これ】 - SSまとめ速報
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【それは、数日前のことだった】

【時刻は午前5時、場所は母港…】

提督「おはよう、お前たち」バン

秋月「おはようございます、提督!」

プリ「おはようございまし…」ウトウト

瑞鶴「ふわぁー…むにゃ…」

陽炎「まだ眠いわ…」ウトウト

吹雪「任務って、何のことですか…?」

【ここに、再びあの5人の艦娘が集められていた】

提督「うむうむ。朝早くから集まって貰ってすまんな」

瑞鶴「ほんと…何の用よ」

吹雪「司令官…こんな朝早くに何事ですか…」

陽炎「しかもまたこのメンバーって…なんか嫌な予感が」

提督「まずは挨拶だ。この前の『絶対に笑ってはいけない海軍24時』はお疲れ様だったな」

提督「あれを実際に放送したところ、鎮守府内では視聴率28%を叩きだし、上層部にもなかなか好評という素晴らしい結果に終わった。ありがとうお前たち」

吹雪「いや、そこはお世辞でも視聴率100%だったって言おうよ…」

秋月「秋月、頑張りました!」

プリ「あれ大変だったもんねー」

陽炎「今思えばよくあんなのを最後までやりきったわね…私たち」

瑞鶴「あの時の自分を褒め称えてやりたいくらいだもん」

吹雪「たぶん私の中で『人生でもう二度とやりたくないことランキング』にトップ10入りしたよ、あの番組」

プリ「それ私も」

瑞鶴「同じく」

提督「ええ?実は結構楽しかったりしたんじゃないのか?」

陽炎「アンタは見てるだけだからそんなことが言えるのよ…」

吹雪「んで?私たちに用事って言うのは?」

提督「おおそうだった。では本題に入るんだが」

提督「さっそくだがこいつを見てくれ」スッ

陽炎「?」

【何かの書類を取り出す提督】

秋月「えっと…これは…」

提督「これは企画書だな」

プリ「え?キカクショ…?」

吹雪「…」←嫌な予感してる

陽炎「なんなの?これ」

提督「タイトルを読め」

プリ「タイトル…?上に書いてあるやつ?」

瑞鶴「えーと、タイトルは…」

【いきなり艦娘伝説!無人島0円生活・正月SP】

秋月「…?」

プリ「むじ…んとう…?」

陽炎「…まさか」

プリ「これ…また私たち…!」

吹雪「…」

吹雪「」ダッ←逃走

陽炎「あっ!」

プリ「吹雪が逃げた!」

提督「やらせんぞ!行け憲兵!」

憲兵「オラァ!」シュタッ

吹雪「ふわぁ!!」ビクッ

吹雪「ぎゃーっ!!」←縄で縛られた

秋月「吹雪さん!?」

瑞鶴「吹雪が捕まったぁ!!」

吹雪「嫌だぁ!離せぇぇぇ!!」ギチギチ

秋月「ああ…吹雪さんが捕まった…」

瑞鶴「今回も逃げ場は無さそうね…」

プリ「ていうか提督…今回は一体なんなんですか…」

提督「解説を欲していることはわかっている。では今からこの番組について説明するぞ」

秋月「番組?…もしかして、今回もまたバラエティネタですか?」

瑞鶴「そうよ、秋月…」

陽炎「しかも、あの『絶対に笑ってはいけない』と同じくらい過酷なやつのね…」

秋月「えええ!?」

提督「お前たちにこれからやって貰うのは、企画のタイトル通り無人島で生活してもらうことだ」

吹雪「そんなことわかってるから…」

陽炎「今度の目的は何なの?」

提督「そりゃもちろん、無人島で四苦八苦してるお前らの姿を見て笑うため」

提督「…というのは建前で、本当の目的はお前たちが轟沈したときの生存率を上げることを目的としているぞ」

吹雪「司令官、本当はその建前が本音でしょ」

瑞鶴「その建前は言う必要あったの…?」

陽炎「だいたい何ですか轟沈の生存率って…」

プリ「轟沈しちゃったら生存率も何もないでしょ…」

秋月「その時はもう死んじゃってます…」

提督「まぁまぁ、話は最後まで聞いてくれ」

提督「いいかお前たち、轟沈というものは普通なら死を意味することなんだが…」

提督「実は、沈む前に鉄の塊である艤装を外せば身体は波に流され運良く生きたまま無人島に漂着できる可能性があるから、本当は死であることを断定できる訳では無いんだ」

陽炎「えっ?」

プリ「それどういうこと?」

提督「そのままの意味だよ。艦娘が無人島に漂着し、鎮守府がそれを発見して救助したということだよ」

提督「これには漂着した艦娘は発見されるまで、とにかく生き延び続けたってことも意味しているのがわかるだろう」

提督「たとえ漂着できたとしても、そこで生き延びる術を知らなければせっかくの命拾いは無駄になってしまうことになる」

提督「だから今回の無人島生活は、そのため僅かな可能性に備えた訓練なんだ」

プリ「へぇ…そうだったの」

陽炎「…いやぁ、流石にそんな話はないわよ…轟沈して生き延びるなんて希望的すぎるわ…」

陽炎「轟沈した艦娘が生きてたなんて、過去にそんなケースあったの?」

吹雪「…陽炎。実はその話、私は聞いたことあるような…」

陽炎「え!?」

秋月「私も風の噂で、轟沈した筈の艦娘が実は生存していたって話をごく稀に聞きますよね」

プリ「HP0になってるのに、高速修復したら生き返ったって話…確かにあるよね」

瑞鶴「提督たちは奇跡だって言ってたけど、アレって…」

提督「その通りだ。あれは無人島に流れついた艦娘を奇跡的に発見し、治療して蘇らせているんだからな」

提督「今回の無人島生活はお前たちにとって非常に役に立つ経験となってくれるだろう!」

陽炎「そんなとってつけたような話を…」

吹雪「いや、もう目的とかどうでもいいよ…どっちにしても逃げられないんでしょこれ…」

提督「まぁそういうことだな」

提督「じゃあ、さっそくだが無人島へ行くぞ」

提督「ボートに乗れ。サバイバルを開始する」

陽炎「はぁ…仕方ないわね…」

瑞鶴「まぁ何事も経験だって言うし…」

秋月「もしかしたら本当に何かの役に立つかもしれませんから!」

プリ「そだね。痛い罰ゲームも無さそうだし、アレよりかはマシかなぁ」

提督「もちろんだ。無人島にいる間は何をしても自由だからちょっとキツいアウトドアだと思って楽しんだらいい」

吹雪「あの…司令官。私このままじゃ動けないから縄をほどいてほしいんですけど…」ギチギチ

提督「それは駄目だ。お前は縄をほどいた瞬間に逃げられるかもしれないからな」

提督「縄はある程度沖に出た後にほどいてやる。ボートには陽炎にでも抱えて乗っけてもらえ」

吹雪「ちくしょー!バレてるー!!」

陽炎「ほら吹雪…行くよ」ダキッ

吹雪「うわぁー!行きたくないー!!」

瑞鶴「あんただけ逃げようたってそうはいかないわよ!」

秋月「ちゃんと皆で行きましょう!」

提督「それでは出発だ」

【ボート、沖へ】




ザババババ…

提督「旅~行けば~駿河の~♪」

吹雪「あぁ…なんでまたこんなことに…」←解放された

陽炎「吹雪、もう諦めなさい」

瑞鶴「プリンツの言う通り、ケツバット無いから多少は楽だからいいでしょ」

吹雪「そういう問題じゃないんだよ!?この企画、下手すれば命に関わることなんだよ!?」

吹雪「現に、このボートにいつ深海棲艦が襲ってくるかわからないし…」

提督「その心配は無いな」

レ級「私タチガツイテルヨ」バーン!

ツ級「護衛ハ任セテクダサイ!」ババーン!

秋月「わぁ!?レ級にツ級!?」

陽炎「あー、また助けに来てくれたのね…」

プリ「この2人が守ってくれると思うと、凄い安心感がある…」

提督「では無人島生活のルールを説明するぞ」

提督「まず、お前たちには2つのチームに別れてもらう」

プリ「ふぇ?チーム?」

秋月「皆で一緒に頑張るんじゃないのですか?」

提督「まぁあくまで番組だから、多少のバラエティ要素をね?」

提督「そしてこの2つのチームは、『どちらが実際にサバイバルをして生き延びることができそうか』っていうお題の元に戦ってもらうぞ」

提督「審査員は鎮守府の皆であり、投票にて勝敗を決する」

提督「もちろん勝ったチームには報酬としてご馳走を用意するからな。皆、奮って生き延びてくれ」

吹雪「奮って生き延びろって、どういう状況なんですか…」

瑞鶴「生き延びるためには必死にならないといけないでしょ…」

秋月「勝者にはご馳走…?頑張ろうかな…」

陽炎「で?チーム分けは?」

提督「ここにくじを用意してある」

提督「引いたくじに書かれている色が同じ人が、同じチームの仲間だ」

提督「さぁ運命のチーム決め!お前たちくじを引いてくれ!」

吹雪「はいはい…」

プリ「私と同じチームはー?」

突然ですが安価
チーム分けは>>25の案を採用

駆逐三人と
大型二人

5人で2チームだと若干偏りが…
秋月チームはハンデで2人か?
もしくはサプライズ犠牲syもといゲストを1人とか

なるほど…それも面白そう
>>25>>26の案を採用します

瑞鶴&プリンツチームに入るもう一人>>30

古鷹

秋月「赤色でした」

吹雪「私も赤を引いたよ」

陽炎「私たち3人が一緒のチームみたいね」


プリ「私は青だった…瑞鶴も?」

瑞鶴「うん。でもこっちは2人…枚数不利ね…」

提督「おや瑞鶴。赤チームが3人なのに青チームか2人だということに不満のようだな」

瑞鶴「いや、そういう訳じゃ…」

提督「安心しろ。こんなこともあろうかとお前たちに援軍を用意したぞ」

プリ「!?」

瑞鶴「援軍!?」

提督「さぁ出てこい、古鷹!」

古鷹「おはようございます!私も一緒に頑張ります!」

プリ「わぁ!古鷹!?」

瑞鶴「いつからそこに!?」

古鷹「ずっと皆さんの隣にいましたよ?」

瑞鶴「えっ!?」

陽炎「古鷹さんいつの間に…」

吹雪「駆逐vs大型艦か…いい感じに分かれたね」

提督「よしよし。チームも決まったし細かいルール説明に移るぞ」

提督「まずは期間について。お前たちが無人島に滞在するのは今日を入れて3日だ。2泊3日で対抗戦をやってもらう」

提督「番組と言えど、3日となれば何もしなけりゃ干からびて死んでしまうから頑張って生き延びてくれよ」

瑞鶴「縁起でもないこと言わないで…」

提督「なお、これはサバイバルとは言えある程度の体験要素も入ってるから、一部アイテムはこちらが支給する」

提督「支給するアイテムはドラム缶、モリ、糸、ウェットスーツだ。いずれもきっと役に立つだろうから有効に活用してくれ」

秋月「はーい」

吹雪「…あれ?調味料とかは?」

提督「そんなものは用意してないぞ。食材は全てそっちが採集しろ」

陽炎「ええっ!?」

提督「…と、説明することはこんなもんか」

提督「そろそろ到着だから、心の準備でもしといてくれ」

吹雪「調味料無しって…どうすりゃいいの…」

提督「今回の舞台は南の島…小臥蛇島でのサバイバルだ」

提督「かの戦争ではこの付近で大和が沈んでいるらしいからな。彼女の加護を信じながらのんびり生活してくれ」

秋月「はい!頑張ります!」

陽炎「まぁ3人もいれば3日くらいなんとかなるでしょ」

瑞鶴「せっかくだし勝利を目指すわよ!」

プリ「サバイバル、緊張するけどなんだかキャンプみたいで楽しそうだね!」

古鷹「私も皆さんを精一杯サポートします!」

【こうして艦娘3vs3による無人島生活が始まった】

【果たして彼女たちは無事に生き延びることができるのか!?】

続きます
今回は長くて3、4ヶ月…早ければ1ヶ月くらいで完結させる予定ですので、よろしくお願いします

訂正…舞台は小臥蛇島じゃなくて、臥蛇島でした
微妙に勘違いしてました、すみません

提督「そろそろ見えてきたな…」

提督「お前たちの目の前に見えるあの島が、目的の無人島だ」

陽炎「ん?」

【前方に無人島発見】

プリ「おおっ!あれが…」

秋月「私たちのサバイバル場所…!」

吹雪「意外と大きい島なんだね」

瑞鶴「これはなかなか大変そうな2泊3日になりそう」

提督「まぁそう緊張せずに、のんびりアウトドアだと思って楽しんだらいいじゃないか」

陽炎「それだったらいいんだけど…」

提督「では、という訳で…」

提督「お前たち、ボートから降りてくれ」

秋月「ふえ?」

瑞鶴「へっ?」

古鷹「いえ、あの…」

秋月「ここはまだ沖なんですけど…」

提督「ああ。心配ならいらないさ」

提督「帰りもツ級レ級が護衛してくれる。だからこのボートが沈む心配は無いから安心してサバイバルに専念してほしい」

陽炎「そういうことじゃなくって!」

吹雪「ここまだ沖です司令官!ちゃんと島まで送ってくださいよ!!」

提督「いやー…あんまり近づきすぎて座礁とかしたら困るから…」

瑞鶴「なんで!?大型船じゃないのに座礁するわけないでしょ!」

プリ「ボートだから、まぁまぁ浅くても進めるはずじゃ…」

提督「いいから、さっさと行ってこい!!」ドンッ

吹雪「うわぁぁぁぁぁ!?」ボチャーン

秋月「きゃーっ!?」ボチャーン

古鷹「ひゃあーーー!?」ボチャーン

陽炎「ちょっ…待っ…」バシャバシャ

瑞鶴「艤装ない…沈むっ…」バシャバシャ

提督「それじゃ、3日後に迎えにくるぞ」

提督「島までだいたい100mくらいだから、頑張って泳いでなー」ザバババ…

レ級「バイバーイ♪」

ツ級「健闘ヲオ祈リシマス」

吹雪「おいこら待てぇ!悪魔!鬼!司令官!!」

陽炎「あーあ…やっぱり最初は水中ダイブから始まるのか…」

古鷹「無人島生活はなぜかこれが恒例になってるからね…」

瑞鶴「仕方ないわ…さっさと泳いで無人島まで行くわよ…」

秋月「あ…よく見たら憲兵さんもついてきてますね…」

プリ「今回の憲兵さんはカメラマンで、さらに私たちの荷物も持ってくれてる…この人も大変だなぁ…」

憲兵「オラッ…オラァ!」バシャバシャ←カメラとドラム缶を抱えて泳いでる

吹雪「はあ…ぷはっ…」バシャバシャ

秋月「クロールするのは久しぶりです!」バシャバシャ

プリ「秋月、なんか泳ぐの速いね…」バシャバシャ

陽炎「はぁはぁ…もう少しで…島に…」バシャバシャ

古鷹「皆さん!最後まで頑張ってー!」バシャバシャ

瑞鶴「よーし!あと数メートル程度!」バシャバシャ

秋月「なんとかこの島に上陸しましょう!」

プリ「もう少し…ん?」

【7人の前に、立ちはだかる断崖絶壁】

憲兵「……」

プリ「…えっ?」

吹雪「…あれ?」

陽炎「これ、上陸できなくない?」

瑞鶴「憲兵さん、これ…」

憲兵「」スッ←滑り止めグローブ

秋月「…えっ?」

古鷹「これを…登れと?」

憲兵「」コクリ

吹雪「はぁ!?そんな馬鹿な!?」

陽炎「一所懸命泳いだ後に、こんな絶壁をよじ登れって言うの!?」

瑞鶴「こんなの流石に無理があr」

憲兵「オラァー!!」ガシッ ヨジヨジ

プリ「うわぁ!憲兵さん!?」

秋月「あんなたくさんの荷物持ってるのに、壁を登ってますよ!?」

吹雪「どうやってんのアレ!?」

古鷹「とにかく私たちも追いかけないと!」

秋月「えいやーっ!!」ガシッ

プリ「秋月、落ちないでよね…」ヨジヨジ

吹雪「まぁ落ちても下は海だし、死ぬことはないでしょ…」ヨジヨジ

瑞鶴「冷静に考えたらこれやっぱり軍の訓練なのね…やることなすことが全てハードな内容だわ…」ヨジヨジ

陽炎「何がのんびりアウトドアよ…!やっぱりキツさ全開の鬼企画じゃない…!」ヨジヨジ

古鷹「私、やっぱりオファーを断ればよかったかな…」ヨジヨジ

吹雪「古鷹さんは人が良すぎるから…」

瑞鶴「人を疑うことを知らなさそうだよね、古鷹って」

陽炎「…っと、そうこうしてるうちにもう登り終わるね」

吹雪「お…あとちょっとか…」

プリ「もう少し!ふぁいとーいっぱーつ!」

秋月「よ…いしょ!」バッ

【艦娘、上陸成功】

【12時00分】

【無人島に上陸】

吹雪「はぁ…着いた」

秋月「つ、疲れたぁ…!」

陽炎「いきなり断崖絶壁を登らせるなんて酷すぎるわよ…」

プリ「今ので相当な体力がついた気がする…」

憲兵「」グッタリ

古鷹「憲兵さんも大丈夫ですか…?」

瑞鶴「ドラム缶とか色々持ってくれてありがとね…」

憲兵「」グッ

憲兵「…では休みながらでいいので聞いてください」

憲兵「これより、無人島0円生活を開始します」

憲兵「提督が何度も言っていた通り、期間は2泊3日で午後12時終了です。貴方達は各チームに分かれて、好きな場所で無人島生活を楽しんでください」

憲兵「それ以外のルールは特にありません。モリなどの道具はドラム缶と一緒に入れておいたので確認をお願いします」

吹雪「はーい」

陽炎「じゃあドラム缶を持っていくわね」

プリ「吹雪たちとはここでお別れかぁ」

秋月「そちらも頑張ってください!」

瑞鶴「ま、死なないように精々頑張りなさいよ」

古鷹「憲兵さんもしっかり休んでくださいね…」

憲兵「ありがとうございます。それでは楽しい無人島生活を!」

【無人島生活、スタート】

【2つのチームに分かれた艦娘たち】

【各チームは、それぞれ違う場所へと行動を開始した】

【まずはチーム駆逐艦sideの様子を見てみよう】

【チーム駆逐艦side】

吹雪「さーてと、まずは拠点さがしから始めよっかー」

秋月「寝床をつくっておかないと、夜は安心して眠れませんからね!」

吹雪「臥蛇島ってどんな島なのかよくわかんないし。探索も兼ねてやろう!」

陽炎「ねー、憲兵さんから貰った荷物と一緒に臥蛇島についての解説の紙も貰ったんだけどちょっと見ていい?」

吹雪「え?そうなの?」

秋月「それちょっと読んでみてください!」

陽炎「わかったわ」

陽炎「えっと…臥蛇島は元々有人の島で、かつては自給自足の生活を送っていた島民がいたんだって」

陽炎「でも時代の流れにつれて過疎化や荒廃が進み、島民は鹿児島へと移住するようになった…」

陽炎「今では荒廃のあまり、一般人の立ち入りは危険なため基本的には禁止されている…だってさ」

吹雪「き、危険なの!?」

秋月「そんな島だったんですか?ここ」

陽炎「どうなんでしょうね…他にも釣りの隠れスポットであるとか、色々書いてるからよくわかんないわ」

吹雪「細かいことはいいや…とにかく拠点を探すよ!」

秋月「どこに行けばサバイバルで生き延びることができるのでしょうか…?」

陽炎「私は出来れば海の近くがいいと思うわ。海には食材の塩と魚がたくさんいるはずだから」

陽炎「魚さえ食べてりゃなんとかなるはずよ!大丈夫!」

吹雪「そうなの?秋月はどう思う?」

秋月「食材に困らないっていうのはやっぱり大きいと思いますよ!」

吹雪「だよね…」

陽炎「じゃあ浜辺らしき場所を探しましょう!」

陽炎「…あ、でもここ来るとき、この島の周りは断崖だったわ…よく考えたら、この島は迂闊に海に行けないような地形になってるんじゃ…」

秋月「え?私、この島にボートで近づいてるとき浜辺らしき場所を見ましたよ?」

吹雪「そうなの?じゃああそこを私たちの拠点にしようよ!」

陽炎「はぁ!?じゃあ私たちなんで断崖絶壁から上陸したの!?」

吹雪「秋月、浜辺まで案内して」

秋月「ええっと…角度的にはこっちだったかと…」

【秋月の案内で浜辺へと向かう駆逐艦たち】

秋月「そこ降りると思います」

陽炎「急な坂…滑り落ちないよう気を付けないと」

吹雪「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」ズザザザ

秋月「吹雪さぁーん!?」

【歩くこと数分間】

陽炎「あーっ!?スカートが木の枝に引っ掛かった!助けて!」

吹雪「陽炎も何やってんの!?」

【そしてついに…】

秋月「ここを抜ければ島の端っこです!」

陽炎「ここに浜辺があるの?」

吹雪「…あっ!この坂の下に!」

秋月「ありましたね!浜辺に到着です!」

【駆逐艦一行、浜辺に到達】

吹雪「やった!ここが私たちの拠点だよ!」

陽炎「…意外と狭いのね、この浜辺」

秋月「ほんとですね…あんまり広くない…」

吹雪「まーいーじゃん!そんなこと!」

吹雪「はぁ疲れたー!私ちょっと寝よー!」

秋月「駄目ですよ吹雪さん!サバイバルなんだから気を抜いちゃいけません!」

陽炎「夜に向けて風を凌げる家を作ったり、食材を取りに行ったりしないと後々苦しむことになるわよ…」

吹雪「ちぇー。ちょっとくらいいいのに…」

秋月「ところで役割分担はどうします?」

陽炎「アンパイは家つくり2人、食材探し1人じゃない?」

吹雪「誰がどれ行くかは、じゃんけんで決めよっか」

陽炎「そうね。行くわよ!」

陽炎「グーとパーで…」

吹雪「分かれましょっ!」グー

秋月「しょ!」パー

陽炎「しょっ!!」パー

【食材探しは吹雪、家つくりは陽炎秋月に決定】

陽炎「それじゃ行ってらっしゃい、吹雪」

吹雪「任せてー!ウェットスーツとモリは持ってくね」

秋月「吹雪さん、海に潜る気まんまんですね」

陽炎「こっちも吹雪に負けないよう頑張らなくちゃ」

秋月「はい!家つくり、頑張りましょう!」

陽炎「そうよ、秋月…」

陽炎「アンタが貧乏生活で鍛え上げたサバイバル術、期待してるからね!」

秋月「えっ?」

【吹雪が海へ飛び込もうとしている頃…】

【一方、チーム大型艦は島の内部へと向かっていた】

プリ「えっほ、えっほ…」

古鷹「この島には坂道が多いですね…」

瑞鶴「なかなかハード…この無人島…」

【山を登っている大型艦たち】

瑞鶴「ええっと、私たちは山の中に拠点を立てるんでいいのよね?」

プリ「うん。吹雪たちは海の方に向かっていくの見たし…」

古鷹「山には山菜や飲み水とか色々ある可能性があるから、生活はやりやすいと思います!」

瑞鶴「なるほど…でもこの辺りは平地が無いから寝たりするとき不便よね」

瑞鶴「とりあえずゆっくりできるような地形を探しましょう。見つけたらそこを即拠点にするわよ」

プリ「はーい」

古鷹「よろしくお願いしますね、瑞鶴さん!」

【さらに島の内部へと進む瑞鶴たち】

瑞鶴「大丈夫ー?皆ついてきてるー?」

古鷹「はい!なんとか…うわっ!」ズルッ

プリ「わわ!古鷹、大丈夫!?」

古鷹「大丈夫…ちょっと落ちてた木に足をとられただけ…」

瑞鶴「あらら、私たちが普段いる場所は海の上だから山を歩くのは慣れてないから気を付けた方がいいかもね」

プリ「うんうん。陸でも建物の中とかコンクリートの上とかそういうとこしか歩かないもん」

古鷹「ふぇー、日頃から山を歩く訓練もした方がいいのかなぁ…」

プリ「今回は怪我とかしないよう、出来れば荒れてないような道を歩いた方がいいかもね」

瑞鶴「無人島にそんな道があるわけ…」

瑞鶴「…ん?」

古鷹「あれっ…?」

古鷹「階段がある…!?」

プリ「ええっ…!?なんで!?」

瑞鶴「おかしい…ここ無人島だったわよね?」

【大型艦一行、階段を発見】

【もちろんこの階段は、駆逐艦sideで陽炎が言っていた通り、かつて人がいた時の名残である】

【山道の移動をスムーズに行うためにつくられたものであるが…】



瑞鶴「これは…謎ね!超不思議よ!!」

プリ「無人島に謎の人工物…一体どういうことなんだろ?」

古鷹「はっ…まさか!」

瑞鶴「古鷹、知ってるの?」

古鷹「これはアレです!SFとかでよくある、無人島につくられた宇宙人の基地的なアレ!」

古鷹「きっとここに宇宙人の秘密基地があって、私たち地球の住人を監視しているとか…!」

瑞鶴「宇宙人て…いても深海棲艦でしょ」

プリ「でも可能性は否定できないよ!だって人のいない島にこんな階段があるんだもん!」



【チーム大型艦は気付かなかった】

【ちなみに解説の紙は瑞鶴が持っているのだが、読む気配は無い…】

瑞鶴「階段を上ってみるわよ!」

プリ「階段もぼろぼろになってるから気を付けて上らないと」

古鷹「ほんとだ…歩こうとするとぐらぐらする…」

瑞鶴「と、なると謎の生命がいたのは昔ってことよね。ボロボロってことは月日が経ってる証拠かな」

プリ「それならここに何者かの高度な生き物がいて、だけど何かが原因で絶滅していなくなっちゃった、ってこと?」

古鷹「人知れず高い文明を築き、だけど誰にも発見されることなく滅びてしまう…そう考えるとちょっと切なくもなってきますよね」

【どんどん妄想を膨らませる大型艦side】

【カメラマンの憲兵は、いつ真相を伝えようかと悩んでいたのだった】

古鷹「あ…階段に終わりが見えてきた!」

プリ「おおー!この先に何があるんだろ!」

瑞鶴「この謎の手がかりになるものがあればいいんだけど…」

プリ「階段の先には…」

【階段を上り終えると、そこには集落の跡地が】

古鷹「…わぁ!」

瑞鶴「うお!家らしいものがある!!」

プリ「すごいすごい!もしかして大発見じゃない!?これ!」

古鷹「やっぱり家もボロボロで竹に覆われちゃってるけど、ここに家を作れるほどの種族がいたってことですよね!」

瑞鶴「おおー…こういったミステリーに触れるのも無人島生活の醍醐味…」

憲兵「…」

憲兵「あの」

瑞鶴「?」

【このままではこの島に残る遺産が破壊されかねないと判断し、憲兵は事実を伝えることにした】

プリ「どうしたの?憲兵」

古鷹「え?紙?解説??」

瑞鶴「それ私が持ってるって?ああ、確かに憲兵さんから紙っぽいの渡されたような…」

瑞鶴「ポケットの中にしまったはず…あったあった。これ読めって言うの?」

プリ「私にも見せてー」

古鷹「私も…」

瑞鶴「えっと…この臥蛇島は…」

プリ「…」

古鷹「…」

瑞鶴「………え」

【解説を読み、事実を知った大型艦3人】

プリ「ありゃ…そうだったの…がっくし」

古鷹「普通に考えたら当たり前ですよね…」

瑞鶴「その気になってた自分が恥ずかしい…」ガクッ

【気を取り直してサバイバルに専念するチーム大型艦】

瑞鶴「ま、このことはもう忘れましょう」

プリ「目的は拠点を探すことだったもんね」

古鷹「よく見たらこの跡地、地面も平たくて拠点にするにはちょうどいい場所かも」

瑞鶴「それならここをもう拠点にしてサバイバルしよっか」

プリ「そうだね!ここに人が住んでたなら、サバイバルにもちょうどいいかもしれないし」

古鷹「この跡地を壊さないようにすることだけ気を付けて、活動しましょう!」

瑞鶴「よし!そうと決まればさっそく行動していくわよ!」

瑞鶴「最初は家つくりをするわよ」

古鷹「無人島で、しかも冬に雑魚寝をしちゃったらほぼ確実に風邪を引いちゃうから家つくりは大切ですよね!」

プリ「うん!だけど、どうやったらそんな家っめ作れるのかな」

瑞鶴「うーん…私、ア◯ノみたいなそういった知識無いから…」

古鷹「私も…生まれてから家なんて一度もつくったことなんてないよ…」

プリ「私も…難しいね、サバイバルって…」

瑞鶴「家かぁ…そもそも私たちの技術力で家なんて出来るのかな」

古鷹「だったら皆で協力して家を作りましょう!3人寄れば文殊の知恵って言うし、頑張ればきっと家はできるはずです!」

プリ「そうしよっか!私たちサバイバル初心者だから協力しあうのが一番だよ」

瑞鶴「んー、じゃあその方針で行きましょう」

瑞鶴「なら家つくりにとりかかるわよ。まずは各自材料になりそうなものを選んでここに持ってきて!」

プリ「はーいっ!」

古鷹「了解です!」

【チーム大型艦は山の中へ散らばり、家をつくるための材料の探索を開始した】

プリ「材料…材料…」

プリ「家って言ったらやっぱり木とか集めた方がいいよね」

プリ「余ったら焚き火とかできるかもしれないし、たくさん集めとこ」

プリ「…っと、発泡スチロール見つけた!これも人がいたときの名残かな?」

プリ「もしかしたら何かに使えるかもしれないなぁ。貰っていこー」

プリ「えっと、他には…」

プリ「ブルーシートだ。意外と色んなものが落ちてるんだね」

プリ「大きさは小さいけどこれもきっと家の材料になるかな。持っていこう」

~~~

瑞鶴「山の中に入ったら絶対いいものは見つかるよね!」

瑞鶴「無人島なんだし、家のための素材は沢山あるはず…」

瑞鶴「…おっ!でっかい木が落ちてるー!これ持っていこっと!」

瑞鶴「よっこらせぃっ!」ガシッ

ボキッ

瑞鶴「…折れた」

瑞鶴「朽ち木だったのかな…もっと丈夫な木を見つけないと…」

瑞鶴「本当はこの元々建ってある建物とかを解体して持っていけばいいんだけどなぁ」

瑞鶴「せっかく残った遺産を壊すわけにはいかないよね。ちゃんと真面目に木を探さなくちゃ」

~~~

古鷹「私も皆の足を引っ張らないように家の材料を探さないと」

古鷹「何かいいもの無いかな」キョロキョロ

古鷹「あ…細い竹がある」※リュウキュウチク

古鷹「この竹って材料になりそう…だよね」

古鷹「細いし、簡単に引き抜けそう。絨毯代わりにできるかな」

古鷹「それじゃ…ちょっと頂戴します!」

古鷹「よいしょっ!」グイッ

古鷹「…!」グイーッ

古鷹「…抜けない…」

古鷹「でもこの竹は持って帰りたいなぁ…」

古鷹「しょうがない…ならまずはこの竹を切るための石とか探さなくちゃ…」

古鷹「えーっと、石、石、石…」キョロキョロ

【太陽がやや沈み気味になったその頃…】

【材料あつめを終えた大型艦たちは拠点に再び集まろうとしていた】

瑞鶴「ふー…いい木が見つかってよかったわ」

瑞鶴「拠点はたしかこの辺に…」

プリ「あっ!瑞鶴!おかえりー!」

瑞鶴「プリンツ!先に帰ってたのね」

瑞鶴「何かいい材料とか見つけた?」

プリ「うん!見て、小枝を沢山に、それから…」

プリ「発泡スチロールとかブルーシートとか、使えそうなの 見つけたんだよ!私!」

瑞鶴「おー!そんなの落ちてたんだ!」

瑞鶴「これはいい材料になるわよ。お手柄ねプリンツ」

プリ「瑞鶴だってすごいよ!瑞鶴が持ってるその木、大きくて使えそう!」

プリ「家をつくる時には柱が大切だって聞いたことあるから、きっといい材料になるはずだよ!」

瑞鶴「まぁ、それを見越してこれを持って来たんだからね」フンス

瑞鶴「…ところで、古鷹は?」

プリ「あれ?本当だ、古鷹はまだ帰って来てないね」

瑞鶴「そうなの…道に迷ってなければいいんだけど…」

古鷹「おーい!!すみません、遅れましたー!」

プリ「あっ!噂をすれば帰って来た!おかえり古鷹!」

瑞鶴「よかった…無駄に心配させないでよね」

古鷹「すみません。探すのに夢中になってて」

プリ「古鷹は何を持って帰ったの?」

古鷹「見てください、私のはこれ!」スッ

プリ「?」

瑞鶴「…なにこれ?」

古鷹「石ですよ?」

プリ「石?」

瑞鶴「えっ」

古鷹「えっ?」

【古鷹、鋭い石を持ち帰る】

瑞鶴「なにこれ?」

古鷹「だから石ですけど…」

プリ「…なんで家を作るのに石なの?」

古鷹「へっ?」

古鷹「…」

古鷹「なんでなのかなぁ…?」

瑞鶴「それこっちのセリフよ!?」

プリ「古鷹、さっきの時間はずっと石を探してたんだ…」

古鷹「まぁ、その…はい…」

瑞鶴「一体あんたに何があったの…」

瑞鶴「まぁいいわ。材料はそれなりに揃ってるんだし」

プリ「きっと家くらい作れるはずだよ!」

古鷹「ごめんなさい、皆…」

瑞鶴「気にしないで古鷹。大丈夫だから」

プリ「さっそく家つくりを始めよー!」

【家の製作を開始したチーム大型艦】

【では、今度はチーム駆逐艦の家つくりの様子を覗いてみよう】

【チーム駆逐艦side】

陽炎「秋月、お願い!アンタだけが頼りなの!」

秋月「そんなこと言われましても…」

陽炎「何よいけずー!秋月は貧乏だったから家を買うお金もなくて自分で家をつくってたんでしょー?だから今回も家をつくってよ!」

秋月「お言葉ですけど、それ偏見じゃないですか!?」

【家を作る方法を考えるのが面倒な陽炎は、秋月に教えを乞いていた】

陽炎「お願いお願い。秋月お願い」

秋月「確かにそういう知識はちょっとだけありますけど…」

陽炎「やっぱりあるんじゃない!だったら早く教えなさいよ!」

秋月「いえ…ですが…あの…」

陽炎「何なの?遠慮しちゃってるの?そんなんじゃダメよ秋月!」

陽炎「いい?今はサバイバルやってるの。だから先輩後輩とか関係ないの!知識ある人がそれを共有しなくちゃならないのよ!」

陽炎「遠慮してる理由はよくわからないけど、とにかく生き延びるためにも秋月が知ってる知識を私に教えて?」

秋月「うーん…」

秋月「…わかりました」

秋月「私、家を作ります!」

陽炎「よし、そうこなくっちゃ!」

秋月「その代わりと言ってはなんですけど…」

陽炎「?」

秋月「一つだけ条件付けていいですか?」

陽炎「何よ水臭いわね。いいわよ、何でも付けて!」

秋月「ありがとうございます、その条件は…」

陽炎「条件は?」

秋月「家を作るときの間だけでいいので、陽炎さんは必ず私の指示に従ってください」

陽炎「えっ?」

陽炎「えっと…それはどういう意味で?」

秋月「そのままの意味ですよ!サバイバル初日は夜までが勝負なので、効率よく動くために陽炎さんにも働いて貰うという意味です」

陽炎「…そうよね。そりゃそうよね!」

秋月「ていうか私も働くのは当たり前よ。協力するのは当然よ!」

秋月「すみません、ではさっそくですけど私が言う材料をちょっと集めてきて貰えませんか?」

陽炎「いいわよー!任せて!」

秋月「では…」

秋月「長い木を大量に。うち4本は太くて丈夫なやつをお願いします。他は細くて構いませんが最低20本程欲しいですね。それから小枝くらいの木も必要です。見つけたら全て持ち帰るくらいの勢いで持ってきてください。それから細い竹みたいなやつも要ります。ここに来る途中に生えてたはずなのでこれも沢山必要です」

陽炎「え?」

秋月「1時間以内くらいで行ってきてください」

陽炎「ちょ、ちょっと秋月…」

秋月「?」

陽炎「私の仕事、多すぎない?」

秋月「すみません、私も色々準備があるので…」

陽炎「えーと、秋月…」

秋月「どうしました?」

陽炎「ごめん、もしかしたら、1時間じゃ集められないかもしれない…」

秋月「えっ…?なんでです?」

陽炎「単純に、仕事量が多いんだもん…」

秋月「じゃあどれくらいになりそうです?」

陽炎「そうねぇ…これだけの材料だから、休憩時間も入れると…」

陽炎「夕方まで…?いや、夜までかかっちゃうかも…」

秋月「…」

秋月「何言ってるんです?」

陽炎「え」ビクッ

秋月「約束しましたよね?私の言うこと聞くって」

陽炎「えっ…そういう意味じゃ…」

秋月「何とかしてください。絶対に日が暮れる前に集めてください」

陽炎「マジで…?だけど…」

秋月「喋ってる時間も無駄です!早く行ってきてください!!」

陽炎「は、はいっ!いってきます!!」ビクッ

陽炎(秋月が怒った!?珍しい!結構こわい!)タタタタ

【慌てて山の中へ入り込む陽炎】

秋月「…ふぅ」

秋月「ごめんなさい、陽炎さん…色んなこと押し付けちゃって…」

秋月「私もこの間にサバイバルを生き抜くための、道具を作ったりしなくちゃいけないんです…」

秋月「これをしておかないと、困ったことになっちゃうから…」

秋月「はぁ…子供の頃の極貧生活を思い出しちゃうなぁ…」

秋月「まず石でナイフをつくります」

秋月「作り方は簡単。手頃な石を見つけて削るだけです」

秋月「削る方法は石で打ち付けることです。なかなか削れないので気が遠くなるような作業ですが頑張りましょう」

秋月「本当は黒曜石などのしっかりした石を使用した方がいいのですが、今回は時間が無いのでこれで…」スッ

秋月「」ガンッ!ガンッ!ガンッ!

秋月「はぁ…」

秋月「お金が無くて包丁を売ったあの時を思い出しちゃう…」

秋月「あの後おかーさんがこれを作ったんだっけ…。この記憶がこんなときに役に立つなんて…」

【しばらくした後】

秋月「2本できた…1本は予備としてとっておいた方がいいかな」

陽炎「秋月…言われた通り全部集めてきたよ…」フラフラ

秋月「あっ、お疲れ様です!陽炎さん」

陽炎「もうへとへとよ…」

秋月「そうですか。じゃあ次は落ち葉をできるだけたくさん集めてください」

陽炎「えっ!?またぁ…?」

秋月「はい。落ち葉は地面に敷いて、寝るときに体温を奪われないようにする効果があるんです」

秋月「サバイバルでは入手しやすく、かつ使えるアイテムなので、早く行ってきてください」

陽炎「ええ…ちょっと休んでからじゃ駄目…?」

秋月「駄目です。暗くなった後に山の中へ入るのは非常に危険なので」

秋月「落ち葉拾いに行ってきてください。早く」

陽炎「…はいぃ…」フラフラ

秋月「陽炎さんが落ち葉探しをしてる間、私は集めてもらった材料で簡単な家を作っておきます」

秋月「まずこの4本の太くて大きい木…これらはもちろん柱の役割ですね。4隅に立てます」

秋月「さっき石を打ち付けてつくったナイフで先端を尖らせるように加工しつつ、しっかり地面に深く突き刺して固定させます。臥蛇島の浜辺は岩場になっているので、浜辺の手前の砂地に突き刺しました」

秋月「この作業を厳しくやっておかないと家はすぐ壊れてしまいます。柱を蹴飛ばしても倒れないくらいに安定させないとおそらく厳しいでしょう」ケリッ

秋月「これができたら次は屋根と壁つくり」

秋月「柱も含めた家の骨組みが立方体みたいになるように長い木をつなぎ止めましょう。足元も入り口となる部分以外はつなぎ止めておきます」

秋月「本当のサバイバルなら植物の蔓などを使ってつなぐことになるのですが、今回はヒモを支給されているのでこれを使います」ギュッ

秋月「立方体になったら、屋根となる部分に残った長い木をたくさん並べて下準備は完了」

秋月「細い竹で上を覆えば屋根の完成!」

秋月「そして、細い竹を横から垂らして下の骨組みに結べば壁の完成です!」

秋月「さらに言えば地面を這う虫などから身を守るためのベッドをつくりたかったのですが、今回は省略しました」

秋月「これでこの2泊3日は安心して過ごせるでしょう…」

陽炎「秋月…ただいま…」

陽炎「落ち葉拾ってきた…ってなんだこれ!?」ガビーン

秋月「おかえりなさい!陽炎さん!出来ましたよ!」

陽炎「凄い…ほんとに家じゃん…こんな短時間でこんなものを…」

秋月「大したことないですよ。簡単なものですし…」

陽炎「簡単ってこれが!?うっそ!」

陽炎「2泊3日のサバイバルなら十二分よ!!こんな技術どこで覚えたの?」

秋月「…えっと、それがですね…」

陽炎「…?」

秋月「この話、陽炎さんだけにしますけど…」

秋月「これ、貧乏のあまりに家族で家を捨てないといけないときがあって、その時に寝泊まりする場所を作ろうと覚えた技術なんです…」

秋月「考案したのは冬月で、実際に作ってたのはおとーさんなんです。私は応援してるだけで…」

陽炎「……………………」

秋月「…………」

陽炎「……………あの」

秋月「?」

陽炎「…ごめん」

秋月「気にしないでください」

秋月「そ、それよりそろそろ日が暮れますよっ!吹雪さんそろそろ帰ってくるんじゃないですか!?」

陽炎「そ、そうねっ!吹雪は海に行ったきりまだ帰って来てないからね!きっと沢山の魚を持って帰ってくれるに違いないわ!」

秋月「そうだ!私、火を起こすの忘れてました!もうすぐ夜なのに大変です!」

陽炎「あ、そうだったわ!このままじゃ暗いよるになっちゃうわね!」

秋月「家の中だと家が燃えちゃうから、できるだけ家から遠ざけて火を起こしましょう」

秋月「火の起こし方は…」

陽炎「私も手伝うよ!秋月!」

【吹雪は何をしていたかと言うと…】

吹雪「…」

【時は、4時間前に遡る】

【13時頃】

【臥蛇島の海近くのとある場所】

吹雪「…」ドーン←ウエットスーツ&モリ装備

吹雪「…まさか、駆逐艦が潜水する日がやってくるなんて!わくわくする!」

吹雪「モリ漁って、あの番組見ててちょっとやりたいって思ったことあるんだよね…。こんな形で実現するなんて思ってもなかったよ」

吹雪「陽炎と秋月が待ってるし、獲物は絶対に仕留めて帰るよ!」

吹雪「それじゃ、海に…」

吹雪「ぴょーーんっ!!」バッ

ドボーン!!

吹雪「うおおおおお!水が冷たいいいい!!」バシャバシャ

吹雪「冬の海は凍れるね!南の島でもやっぱり冷たいものは冷たい!」

吹雪「まぁ私は艦娘だから多少は海の寒さに慣れてるけど!冬に全身を海に沈めたのは初めてだー!」

吹雪「あー!なんだかんだで楽しい!これ!!」

吹雪「あははははは!あはははははははは!!」

【モリ漁を前にしてテンションが上がってる吹雪】

休日は惰眠を貪ってしまったのでほんの少しだけ更新…

吹雪「それじゃー潜りましょうか」

吹雪「ゴーグルよし!シュノーケルよし!」

吹雪「いくぞー!きゅーそくせんこー!」

吹雪「うりゃーっ!!」ジタバタ

吹雪「…!」ジタバタ

【潜れない吹雪】

吹雪「くっ…意外と難しい」

吹雪「マ○ルとかゴーヤとか見てて簡単そうとか思ってたけど、体は思うように沈まないんだね…」

吹雪「これは漁をする前にしてちょっと練習しなくちゃいけないかも」

吹雪「潜れなくちゃ魚も採れないし、まずは体をならさなくちゃ」

吹雪「でも上手く潜るためにはどうすれば…」

吹雪「そうだ、飛び込んだときの勢いを利用すれば体を沈められるかもしれない」

吹雪「なら一旦陸に上がって…」バシャバシャ

吹雪「もう一回…海に」

吹雪「ぴょーーんっ!!」バッ

バシーン!

吹雪「ぐぅ…お腹打った…!」

吹雪「今度はちゃんと頭から…飛び込まないと…」

吹雪「気を取り直してもう一度…」バシャバシャ

吹雪「ぴょーーんっ!!」バッ

ボチャーン!

吹雪「…よし、今度はちゃんと沈んで…」

…プカーッ

吹雪「…沈んでも、やっぱり体は浮くんだね…」

吹雪「うーん、私、思ったより潜るのに苦戦してるぞ…」

【モリ漁以前に潜水に悪戦苦闘の吹雪】

吹雪「なんとか潜れるようにならないと…」

吹雪「思い出せ吹雪…!潜水艦やってる娘たちはどうやって水中にもぐっていたか…?」

吹雪「他にも、ゲームでマリオとかよく潜ってるし、ああいった動きを私にも再現できれば…!」

吹雪「えーと、動きは確か…」

吹雪「水面で、前転するように一回転して…」

吹雪「顔が下になったところで足を伸ばすっ!」ピーン!

吹雪「…」プカー…

吹雪「なんで沈めないの…」

吹雪「いや、私は諦めないよ…もう一回!」

吹雪「でやー!」ピーン!

吹雪「…」プカー…

吹雪「!」ピーン!

吹雪「…」プカー

吹雪「やっぱりむりかも…」…

吹雪「うぐぐ…難しすぎ…」

吹雪「だいたいこの足ヒレが重くてうまく動けないんだよぉ…」

吹雪「だけど諦めちゃったらきっと私たちのご飯が無くなっちゃうだろうし…」

吹雪「なんとか潜って魚を捕まえなくちゃ…」

吹雪「…」

吹雪「…うん?」

吹雪「秋月にご飯無しって言ったらどんなリアクションするんだろ…?」

吹雪「…」

吹雪「…って、何考えてるの私!?そんなことしたら私のご飯も無くなるんだよ!」

吹雪「無駄なこと考えずに練習しよ…」

吹雪「いくぞー!とうっ!」ピーン!

吹雪「…くっ」プカー

【こうして、吹雪は練習をしばらくの間続けたのであった】

_____
____
___

【時は流れ…】

【はやくも数時間後】

吹雪「息を吸って…」

吹雪「もう一度…よっと!」

吹雪「…!」スーッ

吹雪「よし、潜れてる…!かなりできてきた…!」

【練習回数は数百にも渡っており…】

【吹雪は潜水できるようになっていた】

吹雪「ぶくぶくぶくぶく…」

吹雪「ぷはーっ!」

吹雪「ふーっ、ここまで長かったなぁ…これでやっとモリ漁ができるよ」

吹雪「私もお腹すいてきたし、帰りも遅くなっちゃうから魚採りをそろそろ始めなくちゃ」

吹雪「いざ、海へー!」ザバザバ

吹雪「時間は…もう夕暮れ時かぁ。本来ならもう晩御飯を食べてるくらいの時間かな?」

吹雪「もうかなり暗くなっちゃったけど、漁のはじまりだねっ!」

吹雪「…そういや秋月たち、今どうしてるのかな」

吹雪「やっぱりまだ家つくってるのかなぁ…家をつくるのって時間かかりそうだし…」

吹雪「なら私もまだまだ潜ってても大丈夫だよね」

吹雪「第一まだ魚すら採れてないから帰っても意味無いし、頑張ろー」

【こうして、漁を開始した吹雪】

【もちろん、その頃の陽炎と秋月は…】

陽炎「…」ゴリゴリゴリ

陽炎「駄目だー、全然火がつく気配がないや…」

陽炎「木の棒を回して火を起こすのは知ってるけど、いざやろうと思うとなかなかできない…」

秋月「ふふ、コツがあるんですよ。火起こしには」

秋月「この支給されたヒモを使えば、簡単に火が起こせちゃうんです」

陽炎「マジで?ちょっとやってみせてよ!」

秋月「了解です!」

【火を起こしながら吹雪を待っていた】

吹雪「じゃ、潜水開始!」

吹雪「はっ!」チャポン

【吹雪、漁を開始】

吹雪「…」ブクブク

吹雪(うんうん。上手く泳げるってのは気持ちがいいもんだね)

吹雪(なんか潜水艦たちの気持ちがちょっとわかるなぁ。戦闘のことはさておき、水中を泳ぐと自由な気分になれるからいい気分になれちゃうよ)

吹雪(それよりまず魚を探さないと)

吹雪(こういうとき、魚はだいたい岩場とかにいるはずだよね。私知ってるもん)

吹雪(もうすぐ夜だから、寝床を探して魚が岩場に集まるはず!)

吹雪(だから私はそこをさくっと人刺ししてやる!これで晩御飯ゲットだよ!)

吹雪(待ってろー!陽炎、秋月!すぐにご飯を持っていってあげるからねー!)

>>132
人刺しじゃなくて一刺しでした
これではフブキ違いです

吹雪(岩場はっけーん)

吹雪(魚は…おっ、いるいる。さすが南の島だ、冬でも魚がわんさかいるよ)

吹雪(こいつらを仕留めれば私のご飯に!行くよー!)

吹雪(てやっ!)シュッ

【勇んでモリを振り回す吹雪】

【ところが】

ガツッ!

吹雪(あれっ?)

【魚は吹雪の一撃を回避し、モリは岩に命中】

吹雪(くそぅ、当たらなかった…)

吹雪(それならもう一回!私めげないよ!)

吹雪(よっと!)シュッ

【2発目を放つ吹雪】

ガンッ!

【だが、やはりモリは当たらない…】

吹雪(むむむ、うまくいかないものだね…)

吹雪(ていうか酸素なくなってきた、一時撤退しよ)

吹雪「とりあえず浮上」ザバッ

吹雪「うーん、魚を刺すにはどうしたらいいのかなぁ…」

吹雪「やっぱり素早く刺すってことが大切なんだろうけど、なかなかうまく動けないんだよねぇ」

吹雪「水圧が邪魔だなぁ…もっとすばやく腕を動かせれば魚を捕まえられそうなのに…」

吹雪「と、なるとやっぱりマサ○って凄いんだなぁ…水中でもあんなに素早くモリを放ってるんだもん」

吹雪「だいたいあの人は中年のおっさんなのになんであんな動きができるんだろ。私まだ若いから女の子でもあれくらいの動き出来そうな気もするんだけどなぁ…」

吹雪「いや、やっぱりあの動きには何か秘密があるはず…」

吹雪「実は、モリそのものにヒントがあるとか…」

吹雪「私がモリを100%扱いきれてないような、そんな可能性が…」

吹雪「…あっ!よく見たらこのモリの後ろにゴムついてる!」

吹雪「あっ、そうか!このゴムを腕に巻き付けて…」

吹雪「引っ張って、離せば…」

吹雪「うりゃ!」シュンッ!

【ゴムの弾力を利用し、素早い一突きが出来るように】

吹雪「おおーっ!こうやって使うんだね!モリって!」

吹雪「やっぱり私の読み通りだ!これなら魚も突けるはずだよ!」

吹雪「よっしゃー!再戦だー!!」

【吹雪、モリの使い方を理解】

【この調子で魚にリベンジを挑む!】

吹雪「…」ブクブク

吹雪(魚、再び発見!)

吹雪(今度こそ…狙いを定めて…)

吹雪(いっけー!)シュンッ!

【魚めがけて鋭い一撃を放つ吹雪】

ビッ!

吹雪(あっ…惜しい!)

【モリは惜しくも魚の背鰭に命中】

吹雪(逃げられた…けど今のは我ながら良かった!)

吹雪(なるほど、こういう感覚でモリ漁はやっていくんだね!)

吹雪(魚はまだまだたくさんいるし、この調子でいけば1匹2匹くらい仕留められるはずっ!)

吹雪(しゃー!頑張るぞー!)

【獲物を仕留めることは出来なかったが、吹雪は確かな手応えを感じていたのだった】

【陽炎と秋月は…】

陽炎「おー、火がついた」

陽炎「ヒモを巻き付けてつけて引っ張りして回転力を上げたのね。なるほど!」

秋月「手の力だけではちょっと大変なので、うまく他の力を工夫するんです!」

陽炎「それも節約のために覚えたの?」

秋月「はい!ガスコンロではガス代がかかってしまうので…」

陽炎「へぇー」

秋月「…」

陽炎「…」

秋月「…吹雪さん、帰ってきませんね…」

陽炎「ほんとね…」

秋月「一体どうしちゃったのでしょうか…」

陽炎「うーん、波に流されて死んでなかったらいいんだけど…」

秋月「ええっ!?そんな…うそ…」

陽炎「秋月!?冗談よ!たぶん大丈夫だからね!」

陽炎「たぶん…うん、たぶん…」

【帰ってくる気配の無い吹雪に不安を感じていた】

【ついに日は完全に沈み、時刻は夜の時間帯に】

【陽炎たちの心配を他所に、吹雪は魚と戦い続けていた】

吹雪「…」ブクブク

吹雪(うおーっ!)

吹雪(そいやーっ!)シュッ


吹雪(はいやー!!)シュッ


吹雪(当たれーっ!)シュッ


吹雪(…はぁ…はぁ…)

吹雪(駄目だぁ、刺さらない…)

【だが、吹雪はまだまだ魚を捕らえるに至っていなかったのだ…】

吹雪「ぷはっ!浮上!」ザバッ

吹雪「はぁ…モリ漁って難しいね…」

吹雪「ゴムを使うことで素早い動き自体はできるようになったんだけど…」

吹雪「やっぱりモリ自体のコントロールが難しいんだよなぁ…」

吹雪「遠くからモリを打つと反動を制御できなくて曲がっちゃうから刺さりが浅くて抜け出しちゃうし…」

吹雪「だからと言って魚に近づくと警戒されて逃げられちゃうし…」

吹雪「どーすればいいかなぁ…工夫が必要…」

吹雪「うまく岩場に追い詰めて近くから刺し込んじゃう作戦で行くか…?」

吹雪「…駄目だよね。魚って素早いから追い詰めても意味無いもん」

吹雪「他の戦略を考えると…あれは駄目だし、これは使えないし…」

吹雪「あーっ!もうっ!爆雷さえ使えればこんな魚なんて一網打尽にできるのに!もどかしいーっ!」

吹雪(とにかくこのままじゃ晩御飯抜きになっちゃう!なんとかしないと!)ブクブク

吹雪(最終手段としては貝を集めて持って帰るっていう手もあるけど、そんなことしたら秋月から殴られそうな気がするし…)

吹雪(もうこの際なんでもいい!魚なら!とにかく晩御飯を!)

吹雪(お願いだから死にそうな魚よ、私の目の前に出てきて!)

【魚を採れないあまり、ついに傲慢を訴え始める主人公】

【ところが、そんな主人公の前に超ビッグチャンスが待っていた…】

吹雪(向こうの岩場とか、何か動きの鈍い魚いないかなぁ…)

吹雪(あっちには…)

吹雪(…)ブクブク

吹雪(…んっ?)

吹雪(あれは…!?)

【吹雪の目の前に現れたビッグチャンス、それは】

吹雪(…何あいつ!でかい!)

【その獲物は、狙いをつけやすい程に大きな体を持ち】

吹雪(しかもあまり動きそうな気配もない…)

【その岩場から逃げることもなく】

吹雪(ていうかこっち睨んでる!?こわい!)

【むしろ、戦う意志をも持っている…】

吹雪(まさか、初日にしてこいつと遭遇することになるなんてね…)

吹雪(ラッキーなんだかよくわかんないけど、私の前に現れた貴重な晩御飯!)

吹雪(絶対に捕まえてみせるよっ!)

【その生物の正体は】

吹雪(ウツボー!!)

【海のギャング ウツボ出現!!】

吹雪(晩御飯!でっかい晩御飯!)

吹雪(ウツボは岩場の穴に潜んでいる!隠れてるつもりかもしれないけど、それは自分の逃げ場も失っていることなんだよ!)

吹雪(慎重に、確実に行く!)ブクブク

吹雪(まずはじっくり焦らず近づいて!)

吹雪(ゆっくり、ゆっくり…)

【吹雪、ウツボの穴に接近】

吹雪(よーし、穴の前までこれた!)

吹雪(次はモリをウツボの穴に向けて)

吹雪(ギリギリまでウツボに近づける!)

吹雪(うまく刺さりそうな距離まで、モリを…)

【だがウツボも甘くない】

【ウツボも負けじと反撃を開始する!】

ガブッ!

吹雪(きゃあっ!?)

吹雪(モリに!モリにウツボがぁぁぁ!?)

【ウツボは危険を察し、吹雪のモリに噛みついた!】

【しかし、これは吹雪にとって大チャンス】

吹雪(あっ…?よく見たら…)

吹雪(噛みついてくれたから…ウツボの近くから刺しやすくなってる!)

【噛みつかれたことにより、モリは固定されてウツボの体をロックオンできたのだ!】

吹雪(きたー!千載一遇っ!)

吹雪(モリを打てるチャンスは1回かな…?外したらきっとウツボに逃げられる!)

吹雪(一撃で確実に落とすよ!呼吸を整えて…!)

吹雪(いっけー!!!)シュンッ!

ザクッ!!

【至近距離で吹雪のモリを喰らうウツボ】

吹雪(やった!クリティカル!)

吹雪(見たかー!これが特型駆逐艦の実力だー!)

【モリは深く刺さり、ウツボの体を貫いた!】

吹雪(よしよし、まだ油断しちゃ駄目…)

吹雪(慌てずにこのまま海面へ引き上げて…)

吹雪(…んっ!?ぐっ!)

吹雪(…くぅっ!重い!)

【もちろんウツボもまだまだ黙ってはいなかった】

【ウツボは最後の抵抗で穴の中に籠ったのだ!】

【その力は並大抵のものではない】

吹雪(ふぐーっ!こんなとこでーっ!)グイグイ

吹雪(なんてパワーなの!人間の力じゃ比にならないよ!)

吹雪(ううっ…でも…!!)

吹雪(私だって艦娘なんだっ!普通の女の子じゃないんだよー!!)

吹雪(うおおおおおおおおおおお!!!!!)グイーッ

【吹雪も負けじと力一杯ウツボを引っ張り上げる】

【艦となった人間の底力とウツボの必死の抵抗は、どちらが勝利するのか!?】

吹雪(…うううううっ!)

吹雪(くっ!駄目だ!)ガハッ

吹雪(酸素が足りない!浮上しないと!)ジタバタ

【残念ながら、ウツボよりも先に吹雪は限界を迎えてしまった】

【呼吸のため、一旦海の上へと急ぐ。モリはウツボに刺したままだ】

吹雪(…っ!)

吹雪「ぷはぁっ!はーっ!はーっ!はぁーっ!!」ザバッ

吹雪「はあっ、はぁっ…はぁ…」

吹雪「よし!もう一回!行くっ!」ザブン

吹雪(待ってろー!ウツボ!)

【呼吸も整えて、再びウツボとモリのところへ潜る吹雪】

【だが、そこには…】

吹雪(…!?)ブクブク

吹雪(いない!?モリも、ウツボも!)

【岩場には、既にウツボの姿は無かった】

吹雪(な、なんで!?逃げられちゃった!?)

吹雪(いや、落ち着け吹雪…まだそれほど時間は経っていない!)

吹雪(よーく探して!ウツボは近くにいるはず…)

吹雪(ウツボは…)

吹雪(…!)

吹雪(いたっ!あそこだ!)

【ウツボは穴から抜け出し岩場から離れようとしていたのだった】

【幸いにもモリはまだ刺さっている!】

吹雪(こんなチャンス、逃しちゃたまらないもんね!)

吹雪(ウツボとはこれで決着がつきそう!)

吹雪(我、夜戦に突入す!行くぞー!)

【吹雪vsウツボ、決戦開始!】

吹雪(あのウツボはもう岩場に隠れて抵抗なんてことはできない!捕まえたら一気に引き上げるよ!)

吹雪(追いかけて!モリのおかげで動きが鈍い!)

吹雪(あと3m…2m…1m…よしっ!)

吹雪(捕まえた!)ガシッ

【ついにモリを再び掴んだ吹雪】

吹雪(よっし!決まった!)

吹雪(このまま一気に海面へ…)

吹雪(…あっ!?ちょっと!まだ暴れるの!?)

【だがウツボも必死に抵抗を続ける】

【モリが刺さったまま、右へ左へと高速で泳ぎ回る!】

吹雪(わっ!わっ!!はやいっ!)

吹雪(このままじゃモリが持たない…耐えきれずに折れちゃうよぉ!)

吹雪(あと少しなのにっ!こんなところで…!)

吹雪(くっ…陽炎…秋月…!)

吹雪(待ってて!今このウツボを持って帰るんだからぁ!!)

吹雪(くらえ!ウツボー!!)

吹雪(ハアッ!!)グルグル

【なんと、吹雪はモリを回転させ始めた!】

【それはまるで、スパゲッティを絡めるフォークのような動きである】

吹雪(回転をうまくつかって…)

吹雪(ウツボをモリに絡める!)

吹雪(やーっ!)グルグル

吹雪(…おっ!)

【吹雪の急な動きにウツボは混乱し、思わずモリにしがみついた!】

吹雪(…ウツボの動きが止まった!)

吹雪(今だ!今度こそ…一気に水面へ!)

吹雪(うりゃあああああああああああ!!!!)ジタバタ

【吹雪、ラストスパートへ!】

吹雪(ああああああああああ!!!!!)

吹雪「ああっ!!!!!!」ザバッ

【吹雪、浮上】

吹雪「はぁ…はぁ…」

吹雪「ウツボ…」

吹雪「採ったどぉぉぉぉぉ!!!!!」ドーン!

【吹雪、ウツボの捕獲に成功!】

【完全勝利 S!】

吹雪「あー、長い戦いだった…」

吹雪「疲れた…流石にもう帰ろう」

吹雪「あの2人も待ってるだろうし」

吹雪「きっとこのウツボをみたら驚くぞー!」

【こうして、吹雪のモリ漁は終わった】

【吹雪はご機嫌に、陽炎と秋月の待つ拠点へと戻るのであった…】

【チーム駆逐艦 拠点】

秋月「…帰ってこない」

陽炎「待ち時間を潰すために、火で海水を蒸留させて飲み水と塩を作ってみたけど、まだ吹雪は帰らないなんて…」

秋月「心配です…吹雪さん…」

陽炎「…やっぱり探しにいく?さすがにもうおかしいわよ…」

陽炎「真っ暗なのに帰ってこないなんて、どうかしてる…」

秋月「ですよね…何かあったとしか思えません…」

陽炎「こんなことなら、怪しくなった時点で探しに行っとくべきだった…」

秋月「うう…吹雪さん…うう…」



「その必要はないよー!!」



秋月「っ!」

陽炎「この声!?まさか!」

吹雪「遅くなってごめんねー!」

吹雪「たっだいまー!!そっちも家できたかなー?」バーン!

【吹雪、帰還】

陽炎「吹雪っ!」

秋月「吹雪さぁん!」

陽炎「アンタ!帰りが遅すぎるのよっ!!」

秋月「ほんとにほんとに心配したんですからぁ!!」

吹雪「ごめんごめん。ちょっと漁に苦戦してて…」

吹雪「でもほら見てこのウツボ!でかいでしょ、凄いでしょー!」

秋月「これ吹雪さんが採ってきたんですか!?」

陽炎「でかいわ!凄いじゃない!」

吹雪「はっはー!これが主人公の実力ってものよ!」

秋月「流石です!吹雪さん!」

吹雪「うんうん。もっと褒めてもいいんだよ?」

吹雪「で、そっちは?家はどうなった?」

秋月「家ですか?それならこちら!」

陽炎「家は秋月が作ってくれたわ。こっちも頑張ったのよー?」

秋月「気に入ってくれると嬉しいです!」

吹雪「うわぁ!?家だ!家があるっ!?」

【秋月作の家に仰天する吹雪】

吹雪「そっちも頑張ってたんだね…これで夜は安心だよ」

秋月「はい!是非ともゆっくり寝てください!」

陽炎「落ち葉の布団もあるから暖かいはずよ」

吹雪「ありがとう、2人とも」

吹雪「…だけど、やっぱり寝る前にご飯を食べたいよね!」

秋月「そうですね!吹雪さんのウツボ、食べてみたいです!」

陽炎「ウツボはなかなか美味だって有名だからね。さっき作ったこの塩を使って…」

吹雪「丸焼き料理を作っちゃうぞー!!」

いつも書き込んでるスマホ逝きました。修理に出した為、書きだめ飛んだので更新はしばらく待ってください・・・

PCだと家でしかできないから、開いた時間に書きだめ出来ないのが辛いです・・・

吹雪「クッキングスタート!」

陽炎「まずはウツボのヌメリ取りをしないとね」

秋月「塩ならいっぱいありますからこれを揉み込んでヌメリを取りましょう!」

吹雪「ウツボでっかいから時間かかりそうだけど、取らないと臭みがあっておいしくならないからね。頑張ろう!」

陽炎「よっ…よっ…」モミモミ

秋月「えいっ!えいっ!」モミモミ

吹雪「…」モミモミ

吹雪「なんだか、絵面的に地味だね、この作業」

陽炎「しょーがないでしょ。揉むだけなんだから」

秋月「このひと手間が大切なんです!」

吹雪「陽炎」

陽炎「何?」

吹雪「そりゃあ!」ヌルン

陽炎「ひゃあああああ!?」ゾクーッ

秋月「吹雪さん!?食べ物で遊ばないでください!」

【数十分後】

吹雪「…はー、疲れた」

陽炎「なんとかヌメリは落とせたみたいね」

秋月「ではウツボを捌いていきましょう!」

陽炎「誰が切るの?」

吹雪「陽炎、頼んだ」

陽炎「私!?ウツボなんか切ったことないわよ!?」

吹雪「そりゃあ私だって切ったことないよ。ていうか誰だって捌いたことないでしょ」

秋月「陽炎さんが一番こういうの得意そうなので、お願いします!」

陽炎「くっ…そう言われたら引き下がれない…」

秋月「石でつくった包丁をどうぞ」

陽炎「えーと、まずどこから切ったらいいのか…」

陽炎「まあウナギみたいに背開きすればいいかな」グッ

陽炎「…」グッグッ

陽炎「硬くて切れない…」

吹雪「えっ」

吹雪「だらしがないなあ、陽炎」

陽炎「じゃあアンタやってみなさいよ」

吹雪「所詮相手は魚だし、こんなの余裕余裕」グッ

吹雪「…くっ」グッグッ

陽炎「ほら見なさい!」

吹雪「いやウツボってすっごいね!この身のしまり凄すぎる!めっちゃ美味しそう!」

陽炎「弾力がありすぎて切れないのも困りものなんだけど」

秋月「包丁が刃物じゃなくて石だから、ちょっと切りにくいのかもしれませんね」

陽炎「いや、でもこの包丁鋭いし、そういう問題じゃないと思う…」

秋月「ちょっと貸してみてください」スッ

吹雪「あっ」

秋月「私がウツボを捌いてみます」

秋月「ハッ!」ダンッ!

吹雪「!?」

陽炎「!?」

【石の包丁を叩き付けるようにして使う秋月】

秋月「こうして、ここを…」ダンッダンッ

秋月「あとは、一気に…」ゴリゴリゴリゴリ

吹雪「…」

陽炎「…」

秋月「…ふう!背開きできました!」

吹雪「マジで!?」

陽炎「どうやったの!?秋月!」

秋月「どうやった、って、ちょっと硬かったので思いっきり力任せにやっただけですけど…」

吹雪「私たちも力一杯やったのに…」

秋月「ならやっぱり使い方の問題でしょう」

秋月「石の包丁は素直に切るよりも圧力をかけて磨り潰すように使った方が使いやすいので、吹雪さんたちも覚えてくださいね」

陽炎「…はい」

吹雪「…いやぁ、たくましすぎるよ、秋月」

陽炎「伊達に貧乏生活やってる訳じゃなかったのね、この娘…」

吹雪「ていうか鎮守府にこんなことできる人、他にもいるの…?」

秋月「石の包丁の扱いなら照月の方が私より上手ですけど」

吹雪「…」

陽炎「…これよりさらに上がいるのか」

秋月「後は中骨や内臓などを取り除いて…」ガリガリ

秋月「下準備完了です!」

【ウツボ、開きの状態に】

吹雪「結局秋月が全部捌いちゃった」

陽炎「ウツボの身って凄いのね。すっごいカッチリしてる!」

秋月「おいしそうですね。脂もたくさん乗ってて…」

吹雪「つまみ食いしちゃえ」パクッ

陽炎「あっ!?こらっ!!」

秋月「吹雪さん!?」

吹雪「んふううううううう!!うめえええええええ!!!!」

陽炎「そんなに美味しいの!?」

秋月「な、なら私も一口だけ…」

陽炎「じゃあ私も…」

秋月「お、美味しい!」

陽炎「脂がすんごおい!!」

吹雪「もう晩御飯はお刺身でいいんじゃないかな」

陽炎「いやせっかくだから焼きましょうよ」

秋月「ウツボの切り身を木の枝に刺して」

吹雪「そのままウツボを燃やす!」

陽炎「皮の方を中心に焼いていきましょう」

吹雪「もーえろーよーもーえーろー…」

陽炎「うお、ウツボから脂が垂れてきた!ほんと美味しそう!」

秋月「本当はこの脂を保存したいんですけどね」

吹雪「入れ物が無いから保存は無理か。ドラム缶はでかすぎるし」

陽炎「油があるだけで料理はかなり違ってくるもんね」

吹雪「何かいい方法があればいいんだけどなあ…」

~~~

吹雪「そろそろかな?」

秋月「ウツボの皮もパリパリになってきましたし」

陽炎「もういいでしょ!」

吹雪「よーし、初日の晩御飯!ウツボの切り身丸焼き!」

秋月「完成です!」

【ウツボの切り身丸焼き、完成】

【シンプルだからこそ、ウツボの身の味が活かされるこの料理】

【気になるそのお味は…?】

吹雪「いただきまーす!」

秋月「いただきます」

陽炎「焼いたらどんな味に…?」

陽炎「…うまい!」テーレッテレー!

【見事な味で絶品のウツボ】

吹雪「刺身でも十分美味しかったけど、焼くとまた違った美味しさがある!」モグモグ

秋月「元の身のしまりがいいですから、パリパリの皮との相性が抜群で…!」モグモグ

陽炎「ウツボがこんな味だったなんて初めて知ったわ。美味しい!」モグモグ

吹雪「採ってきた私に感謝してよね!みんな!」

秋月「ありがとうございます!吹雪さん!」

陽炎「はいはい、ありがと吹雪」

【晩御飯は大成功のチーム駆逐艦】

【晩御飯の後は…】

陽炎「水を一杯にして…よっと…」

吹雪「ドラム缶をしっかり持ってよ!バランス大切に!」

秋月「火のとこまで…近いから頑張ってください!」

陽炎「おっと…おっ!」

吹雪「どっこいしょー!」ドスン

【ドラム缶に海水を入れ、お風呂タイムへ】

【十分後】

吹雪「そろそろ入れるよね?」ヌギヌギ

陽炎「あったかくなってきたから大丈夫よ」

秋月「そのまま入ったら足を火傷してしまうので、足元に木か何かを敷き詰めてください」

吹雪「うーん、何か敷けるいいものは…」

陽炎「あっ、海に漂着してた廃材があったわ。これ敷いて」

吹雪「ありがと陽炎!一番乗り!イエーイ!」ドボーン

陽炎「もうちょっとゆっくり入って!お湯が散る!」

秋月「私たちは湯加減ののキープに努めましょう」

秋月「熱すぎたら茹で吹雪さんになってしまうので、火を強めたり弱めたりするんです」

吹雪「茹で吹雪!?縁起でもないこと言わないでよ!

陽炎「そうだ秋月、次、私お風呂入ってもいい?」

秋月「いいですよ」

吹雪「いやー、無人島生活って意外となんとかなるもんなんだね!」

【こうして、吹雪たちの1日目は終了した】

【チーム駆逐艦は互いに協力しあい、無事に翌日を迎えるのであった】

【そんな駆逐艦たちに対し】

【一方でチーム大型艦は】

プリ「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

【時刻は午後6時】

【日が暮れ、吹雪が海でウツボと出会う少し前の時間】




瑞鶴「…家はなんとかできたけど」

古鷹「…夢中になりすぎて…」

プリ「晩御飯のこと、すっかり忘れてたね…」

瑞鶴「どうするのよぉ!古鷹ぁ!!」

古鷹「そんなの私に言われてもっ!?」



【チーム大型艦は大ピンチになっていた】

スマホはあと2週間で直るらしいです
それまでPCで超ゆっくり更新です

瑞鶴「いやいや冗談じゃないわよ!この状況!」

瑞鶴「艦娘だってお腹は空くのよ!?この辺は人間と一緒で食事をとらないと生命維持活動に支障が出るのよ!」バシバシ

古鷹「それを私に当たられても!?」

プリ「ここで文句言っても仕方ないよ瑞鶴…ご飯を食べられるように何か採りに行こうよ」

古鷹「そうですよ…『暗いと文句を言うよりもすすんで明かりをつけましょう』って言うじゃないですか」

プリ「不平不満を続けるよりも早く行動した方がいいと思う!」

瑞鶴「うぐ…それは確かにその通りだわ…」

瑞鶴「わかったわ!ここも皆で協力するのよ!協力すれば、食材なんてすぐに見つかるはず!」

瑞鶴「家だって出来たんだし!私たちが協力すればこれくらいどうってことないわ!頑張りましょう!」

プリ「おー!」

瑞鶴「きっと食材集めくらい、家づくりみたいに楽勝でしょ!なんとかなるわ!」

古鷹「その協力して作った家はあまり質のいいものでは無いのでその発言には少し不安がありますけどね」

瑞鶴「古鷹!それは言っちゃダメなの!」

プリ「器用な人いなかったんだもん!仕方ないの!」

【ちなみに、家は木を束ねてその上に葉っぱをかけただけという、シンプルなものである】

【食材探しを開始した大型艦たち】

プリ「食材ってどこにあると思う?」

古鷹「山か海かな?」

瑞鶴「それって無人島のほぼ全土じゃない…」

プリ「でも海なら何か居そうだよね。少なくとも魚はいるんだし」

瑞鶴「魚って…それ潜ること前提でしょ…」

プリ「駄目?」

瑞鶴「駄目じゃないけど、もう遅い時間だし」

古鷹「潮の流れとかあるからちょっと危険かと…」

プリ「じゃあ魚は明日かぁ…」

瑞鶴「まぁ、今から海に向かうなら晩御飯は貝とかそういったものでしょうね」

古鷹「南の島だから食べられる貝くらいいるかも?」

プリ「よーし、それなら海の方に向かうよ!」

【大型艦、海辺に到着】

【もちろんそこは陽炎たちがいるところとは違う場所である】

瑞鶴「着いた着いた」

古鷹「ここは磯ですね。何か食材が潜んでいる気がします」

プリ「磯だからあっさりーしっじみーはっまぐっりさーんが出来ないね…」

瑞鶴「どっちにしろやらせないわよ」

古鷹「とりあえず夜になってしまったので、暗いから眼の探照灯点けときます」ピカー

瑞鶴「うおっまぶしっ!でもありがと古鷹」

プリ「すごい!古鷹って便利!」

古鷹「では食材を探していきましょー」

瑞鶴「うーむ…」キョロキョロ

プリ「ふむふむ…」キョロキョロ

古鷹「何か見つかりました?」ピカー

プリ「いや、さっぱりだよ…」

瑞鶴「貝ってその辺に転がってそうなイメージあるのに、意外と無いもんよね」

古鷹「その辺って…」

プリ「そもそも何が食べられるものなのかわからないから…」

瑞鶴「何を探していいのかわからないわ」

古鷹「それもそうですよね…」

古鷹「ちゃんと食べられる貝を探さないと、毒でお腹を壊したら目も当てられませんから…」

瑞鶴「一航戦の2人なら毒の食材でもバリバリ食べそうな気がするんだけど、私たちは流石に無理っぽいからねぇ」

プリ「瑞鶴、それ本人たちの前で言っちゃ駄目だよ」

瑞鶴「まだまだ貝探しは続けるわよ」

古鷹「食べられそうな貝…食べられそうな貝…」キョロキョロ

古鷹「…あっ、そういえば貝と言えばで思い出したんですけど」

瑞鶴「?」

古鷹「この前、私が鎮守府の近くの海で散歩をしてたときなんですが」

プリ「うんうん」

古鷹「そこに提督がいてですね」

古鷹「何をしてるのかなと思って近づいたら、何か貝を集めて調理して食べてたんですよ!」

プリ「えっほんと!?」

瑞鶴「それどんな貝だったか覚えてる!?」

古鷹「それを思い出せたらいいのですが…」

古鷹「えっと、確か…」

古鷹「小さくて、黒い貝だったと思います」

プリ「小さいの?」

瑞鶴「具体的にはどれくらい?」

古鷹「1~3cmくらいの大きさだったかと」

プリ「そんな小さいの!?」

瑞鶴「それならスルーしてたかもしれないわ…もっとよく探してみるわ」

【ちなみに古鷹の言うその貝は『イソニナ』と呼ばれる貝である】

【磯などの岩の割れ目によく生息しており、味はそこそこ美味で茹でると酒のつまみに最適なのが特徴だ】

【瑞鶴たちはこれを求めて、磯を覗き見るのだが…】


瑞鶴「この辺とかにありそう…」

瑞鶴「…おっ」

プリ「瑞鶴、見つけた!?」

瑞鶴「もしかして、これじゃない?」

古鷹「どれですか?」

瑞鶴「ほら見て、この岩」

瑞鶴「小さくて黒い貝がいっぱいついてる!提督さんが食べた貝ってこれでしょ!」

プリ「本当だー!これなら晩御飯は安心だね!」

古鷹「…ん?」

古鷹(…あれ?)

古鷹(これ、提督が食べてたやつとなんか違うような…)

古鷹(なんだか白っぽい模様あるけど…どうだったかな…)

古鷹(でも似てるだけかもしれないし。大丈夫だよね)

瑞鶴「さっそくこいつらを採集よ!」

プリ「捕獲捕獲ー!」

瑞鶴「貝だから楽に捕まえられるわー」ブチッブチッ

プリ「ああっ、貝が瑞鶴の手によってどんどん毟り取られていく!」

古鷹「私も手伝います!」

【何か嫌な予感を感じ取る古鷹】

【実は古鷹のこの予感は的中しており、瑞鶴が見つけたこの貝はイソニナではなく『イボニシ』というもの】

【一応、食用の貝なので、おいしく食べることは可能なのだが…】

【少々苦みの癖が強く、かなり人を選ぶ味であるのだ】

【そんなことはつゆ知らず、イボニシを手一杯に集めた大型艦たち】

古鷹「たくさん集まりましたね」

プリ「これであんしーん!」

瑞鶴「でも私はもうちょっと量がほしいと思うけど」

プリ「瑞鶴は欲張りだね」

瑞鶴「正規空母なんだからしょーがないのよ」

瑞鶴「ちょっとあっちの方とかも見てくるから、ちょっと待ってて」

古鷹「足元には気を付けてくださいねー!」

瑞鶴「大丈夫大丈夫。そんなヘマしないから…」

【さらに食材を集めようとする欲張り瑞鶴】

プリ「気を付けてねー!」

瑞鶴「水辺なんだし、なんか魚とか1匹2匹いそうよね」

瑞鶴「貝だけじゃ寂しいから、そういった食材も欲し…」

瑞鶴「おおおっ!?今、岩の影にタコがいたっ!」

プリ「ええ!タコもいるのここ!」

瑞鶴「晩御飯のため、せっかくだから捕獲を…」バッ

瑞鶴「…あっ」ツルッ

古鷹「!?」

瑞鶴「あだーーーーっ!!!」ガンッ!

古鷹「瑞鶴さぁん!?」

プリ「瑞鶴ーー!!?」

【足を滑らして頭からずっこける瑞鶴】

瑞鶴「あいたたた…」

古鷹「瑞鶴さん大丈夫ですか!?」

瑞鶴「うん…私が艦娘じゃなかったら即死だった…」

プリ「よかった、無事だった」

瑞鶴「はー、やっぱり暗いと足元がよく分からなくて危険ね。夜の海は怖いわー」

古鷹「瑞鶴さん立てます?手を貸しましょうか?」

瑞鶴「あっ、ありがと古鷹。助かるわ」

プリ「瑞鶴は欲を出すからこうなるんだよ」

瑞鶴「うっさいわね!空腹だから油断しただけよ!」

瑞鶴「それより早く立たなくちゃ…」

瑞鶴「…ん?」

プリ「え?どしたの瑞鶴?」

古鷹「何かありましたか?」

瑞鶴「岩の下…これは…」

【こけた拍子に、何かを発見した瑞鶴】

瑞鶴「ここ、見て」

瑞鶴「これカメノテじゃない?」

古鷹「ええっ!?」

プリ「カメテテ?」

【なんと、高級食材カメノテを発見!】

古鷹「ちょっと見せて…うわ!本当にいる!」

プリ「どれどれ…わあ!何この変なの!?」

瑞鶴「さすが私ね…こんなものを見つけられるなんてやっぱり瑞鶴には幸運の女神がついているんだわ」

古鷹「すごいです!」

プリ「食べられるの?これ」

瑞鶴「もちろんよ!私は食べたことないけど、とっても美味しい食べ物らしいわ」

古鷹「確かヨーロッパのどこかの国でもよく食べられていると聞いたことがありますよ」

プリ「そうなんだ?」

瑞鶴「根こそぎ刈り取るわよ!」

古鷹「カメノテは茎部分を食べるのでそこを意識して取ってくださいね」

プリ「わかったー!」

瑞鶴「一度食べてみたかったのよねー、これ」ブチッブチッ

古鷹「なかなか市場には出回りませんからね」ブチッブチッ

プリ「ほんとにおいしいのかなぁ、これ…」ブチッブチッ

瑞鶴「季節的には旬じゃないけど、美味しいらしいわよ!」ブチッブチッ

古鷹「珍味ですからね。知る人ぞ知る名物なんです」ブチッブチッ

プリ「楽しみー!」ブチッブチッ

【次々にカメノテを刈り取る大型艦】

【瑞鶴の怪我の功名で、晩御飯を豪華にすることに成功した】

【ちなみに本来はカメノテは岩に強くひっついているため、取るにはドライバーなどが必要なのだが】

【16万馬力を持つ瑞鶴たちにはそんなの関係ない話であった】

やっとスマホ返ってきました
更新を再開していきます

書き貯め全部消えてたので、今日はちょっぴりだけ更新します

【食材の調達になんとか成功したチーム大型艦】

【彼女たちは拠点にもどり、夕飯作りを開始した】

古鷹「なんとか食べ物を手に入れることができましたね」

瑞鶴「そうねー、一時はどうなることかと思ったけど…」

プリ「ちゃんとご飯を食べれそうでよかったー!」

瑞鶴「そういや吹雪たちは晩御飯どうしたんだろ」

古鷹「吹雪さんたちは海の方に行ったんだよね?だったら魚とか捕まえて食べてるんじゃないですか?」

プリ「だよね。秋月もいるしなんとかなってるんじゃないの?」

瑞鶴「うーん、やっぱりこういうこと考えると、無人島生活は海の近くにいる方が有利なのかなぁ…」

プリ「だったら私たちも明日から海の近くに住んでみる?」

古鷹「そっちの方が楽っぽいでしょうし、できればそうした方が…」

瑞鶴「いやそれは吹雪の真似してるみたいで嫌だなぁ」

プリ「別にそんなのいいんじゃないの!?」

瑞鶴「今はそんなことどうでもいいわ。さっさとこいつらを簡単に調理しましょう」

古鷹「そうですね、お腹すいてきましたし…」

プリ「どうやって食べるつもりなの?」

瑞鶴「さくっと塩ゆでにして食べちゃいましょう」

瑞鶴「シンプルすぎる調理だけど、貝類をこうやって食べるとこれがまた美味しいのよねー」

プリ「そうなんだ」

瑞鶴「じゃあやるわよ。古鷹、水を持ってきて」

古鷹「へっ?水ですか?」

瑞鶴「水は水よ。さぁ早く」

古鷹「あの、水はその…」

瑞鶴「へっ?」

瑞鶴「あっ…そういえば…」

プリ「水の調達、忘れてたね…」

【再びピンチに陥る大型艦】

瑞鶴「水ってどこにあったっけ…」

古鷹「…海かなぁ」

瑞鶴「それしかないの…真水は無いの…?」

プリ「ていうかまたあそこまで行かなきゃいけないの?」

古鷹「あと茹でるんなら火を起こさなくちゃいけませんし…」

瑞鶴「色んな問題が…私としたことがなんという失態を!」

瑞鶴「このまま嘆いていても仕方ないわ。2手に分かれて水の調達と火起こしをするわよ」

瑞鶴「食材は目の前にあるんだから、皆で頑張りましょう!」

プリ「お、おー!」

古鷹「どうやってチーム分けするんですか?」

瑞鶴「チーム分けはじゃんけんね!一人は水汲みに、もう2人が火起こしを行ってもらうわ!」

プリ「水汲みって、このドラム缶に水を入れて来るの?」

古鷹「それは大変ですよね…」

瑞鶴「文句言わない!さっさと動く!」

瑞鶴「ほら、じゃーんけーん!」

プリ「じゃ、じゃーんけーん!」

古鷹「ぽんっ!」

【海】

瑞鶴「…」ザバザバ

瑞鶴「よいしょ…」

瑞鶴「ドラム缶運ぶのめんどくさ…」

【じゃんけんで水汲み役になった瑞鶴】

【水が一杯に入ったドラム缶を抱え、ひたすら拠点を目指すのであった】

プリ「私たちは火を起こすよ」

古鷹「木と木を擦り合わせれば火が着くんですよね?」

プリ「うん、漫画でそういうシーン見たことある」

古鷹「それじゃ、私がやってみましょう!」

プリ「頑張れ、古鷹ー!」

古鷹「いきまーす!」

ゴリゴリ
ゴリゴリ
ゴリゴリ

古鷹「…」ゴリゴリ

プリ「…?」

古鷹「全然つきませんね…」

プリ「あ、あれ…こんなはずじゃ…?」

【火起こし役は古鷹とプリンツに】

【しかし彼女たちもまた、火起こしに苦労しているのであった】

~~~

瑞鶴「ただいまー、とりあえず海水汲んできた…」

瑞鶴「…ってあら?まだ火起こしやってたの?」

古鷹「だって、出来ないんですもん…」

プリ「どんなに頑張っても火が着かないよ…」

瑞鶴「もー、どんくさいわねー」

瑞鶴「私に貸してみなさい。空母の私にかかればこんなもんすぐにやってみせるんだから」

古鷹「すみません、お願いします」

瑞鶴「いい?この火起こしの方法は摩擦熱を利用したものなの」

瑞鶴「摩擦熱を発火点まで高くすれば木に火が着くはずだから、辛抱強く絶やすことなく木と木を擦り合わせ続ければ火なんて簡単に起こせるものよ」

瑞鶴「だけど少しでも休んでしまうとせっかくの摩擦熱が冷えてしまうから、それを気を付けながらやれば大丈夫ね」ゴリゴリ

プリ「さすが瑞鶴!物知り!」

古鷹「ここは瑞鶴さんに任せましょう」

瑞鶴「♪~」ゴリゴリ

古鷹「頑張って、瑞鶴さん!」

プリ「がんばれー!」

瑞鶴「♪」ゴリゴリ

瑞鶴「♪…」ゴリゴリ

瑞鶴「…」ゴリゴリ…

プリ「およ?」

古鷹「瑞鶴さんの動きが…」

瑞鶴「…プリンツ」

プリ「どうしたの?」

瑞鶴「代わって」←疲れた

プリ「えっ!?もう!?」

古鷹「さすがに早くないですか!?」

瑞鶴「だって私、海水も汲んできたのよ!?疲れてるに決まってるでしょうが!」

古鷹「あ、それは確かに…」

瑞鶴「ていうか早く代わりなさい!冷めちゃうから!」

プリ「はっ、はいぃ!」ゴリゴリ

瑞鶴「ふー、火起こしにはなかなか苦労させられそうな予感だわ…」

古鷹「だけどこのまま頑張り続ければ火は起きそうですよね」

瑞鶴「そうねー、10分くらい擦れば火ぐらい起きるんじゃない?」

プリ「3人もいるんだし、きっとなんとかなるでしょ!」

古鷹「ところで吹雪さんのとこって、火はどうしてるんでしょうね?」

瑞鶴「さぁ…適当になんとかしたんじゃないの?」

瑞鶴「まぁあっちは駆逐の集まりだし、大変だなら火は起こさなかったってことも考えられるし」

古鷹「そうですかねー」

プリ「あっ古鷹、そろそろ交代をお願いしていい?…」

古鷹「はーい!」

【交代交代で火起こしを続けるチーム大型艦】

古鷹「えっさ、ほいさ」ゴリゴリ

瑞鶴「古鷹、疲れる前に代わった方がいいわよ」

瑞鶴「またすぐ順番が回ってくるだろうし、体力温存は大切だし」

古鷹「そうですか?なら…」

プリ「瑞鶴、お腹すいたー」

瑞鶴「きっともう少しで火が着くから我慢しなさい」ゴリゴリ

【その結果、火が起きた時間は…】

チュンチュン…

瑞鶴「…」ゲッソリ

古鷹「…」グッタリ

プリ「…朝になっちゃったね」

古鷹「…うん」

【火は、朝になってようやく起きた】

瑞鶴「こんなに時間かかるなんて思ってなかった…」

プリ「すっごいお腹すいた…」

古鷹「なんでこんなに時間がかかっちゃったのでしょうか…」

瑞鶴「知らないわよ、そんなこと…」

プリ「それよりもはやくご飯食べようよ…お腹すいたよ…」

瑞鶴「そうね…ご飯食べてさっさと寝ましょう…」

瑞鶴「古鷹、火が消えないようにプリンツが持ってきた木の枝を慎重に入れててね」

古鷹「はーい…」

古鷹「ふー…」←木を入れてる

瑞鶴「あんまり入れすぎると酸素がなくなって火が消えるから気をつけてねー」

古鷹「はいはーい」

古鷹「ちょっと息を吹きかけてみようかな」

古鷹「ふーっ…」

ゴゴゴゴッ

古鷹「うわぁ火が!熱い熱い!」

プリ「え、大丈夫!?って、凄い燃えてる!」

瑞鶴「古鷹上手いわね。それじゃドラム缶を火の上に置くわよ」

プリ「ドラム缶ごとそのまま茹でちゃうの?」

瑞鶴「入れ物がこれしか無いからね。鍋代わりに出来るのがドラム缶しか無いのよ」

古鷹「あっ…それは確かにそうですよね…」

プリ「今さらだけど、道具が無いっていうのは本当に不便だよ…」

瑞鶴「そうよ…これだからサバイバルって大変なのよねぇ…」

瑞鶴「じゃ、貝たちを入れるわよ」

プリ「もーすぐごはーん!」

古鷹「貝ってどれくらい煮れば大丈夫ですかね?」

瑞鶴「そうね、食あたりとか怖いから…」

瑞鶴「沸騰したときの泡が底が見えないくらい出てくる程度まで熱したらきっと食べられるわよ」

プリ「ならまだまだご飯は食べれそうにないかな…」

古鷹「私、少し眠たくなってきました…」ウトウト

瑞鶴「もうちょっとなんだから。我慢しなさい」

【数分後…】

古鷹「…」

グツグツ…グツグツ…

瑞鶴「…そろそろかな?」

プリ「海水が煮たってきた!」

古鷹「ここまで待った甲斐がありました…!」

プリ「やっとご飯を食べられる!嬉しいよー!」

古鷹「それにしてもここまで来るのに相当な時間がかかりましたね」

瑞鶴「そうよね、サバイバルがこんなに大変だなんて思いもしなかったわ…」

プリ「私も…もっとキャンプみたいなのを想像してたのに」

瑞鶴「いつも鎮守府の恵まれた設備に慣れてたからね…もしこれが私一人での挑戦だったら、私は野垂れ死にしてたかも…」

プリ「当初の目的は無人島に漂着したときの仮想訓練だったけど、瑞鶴は全く駄目だったから本当に死んでたと思う!」

古鷹「それは私も同感です」

瑞鶴「何よ、あんたたちだってそうでしょ!」

瑞鶴「まぁ雑談はこれくらいにして」

瑞鶴「晩御飯…もとい朝御飯をいただきましょう」

プリ「わーい!いただきまーす!」

古鷹「私ももうお腹ぺこぺこです…」

瑞鶴「カメノテは一体どんな味がするのか、その真相を…」バッ

プリ「…」ピタッ

古鷹「…あっ」ピタッ

瑞鶴「…これ、やらかしたわね」ピタッ

プリ「うん…」

瑞鶴「えっと…」

古鷹「これどうやって取りだします…?」

【貝たちは熱湯の入ったドラム缶の底にあるので、取り出せない】

瑞鶴「何て言うか、その…」

古鷹「私たち、ほんと計画性が無いですよね…」

プリ「あつい!あついっ!」バシャバシャ←何とか掬おうとしてる

瑞鶴「落ち着いて。まずはお湯を捨てましょう」

古鷹「ドラム缶を傾けて…と」スッバシャー

古鷹「って熱湯かかったぁぁぁぁ!!熱いぃ!!!」バタバタ

プリ「ああっ、古鷹ーっ!」

瑞鶴「すぐに冷やして!とりあえず拾った冷たい石を!」

【熱湯に苦戦する大型艦たち】

【しばらくお待ち下さい】

【なんとかカメノテとイボニシを回収した瑞鶴たち】

瑞鶴「はー…やっとここまで来たわ…」

プリ「本当に…本当に長かった…!」

古鷹「もう苦労が多過ぎて泣けてきます…」

瑞鶴「だけどこの苦労も、このカメノテで救われるわ…」

プリ「一体どんな味がするのかな…わくわくする!」

古鷹「それじゃ、食事にしましょうか」

プリ「うん、いただきます!」

瑞鶴「いただきます」

瑞鶴「まずはさっそくカメノテから食べてみましょう」

プリ「硬そうだけどこのまま丸かじりしていいの?」

古鷹「いや、硬い部分はカメノテの殻なのでその中身を食べるんです」

古鷹「確かこの袋の部分を破って、その出てきた中身がカメノテの食べることのできるとこだったはずですよ」

瑞鶴「古鷹は物知りなのね」

古鷹「知識だけはあるんです!」

プリ「古鷹すごい!」

瑞鶴「それじゃ殻を…っと、簡単に取れた」

プリ「何か白っぽいのが出てきた!これを食べればいいんだよね?」

古鷹「はい!皆で一緒に食べましょう!」

瑞鶴「それじゃ…はぐっ」

プリ「もぐもぐ…」

古鷹「…ごくん」

瑞鶴「…あら!おいしいじゃない!」

プリ「おいしー!」

古鷹「意外といけますね!美味しいです!」

瑞鶴「うまいわ…磯の味がいいわ!」

プリ「見た目は全然違うのに、エビに近い味がするー!」

古鷹「日本酒とかと一緒に頂戴したいですね!」

瑞鶴「隼鷹とか絶対好きよコレ…辛口のお酒の肴にぴったりかしら?」

古鷹「辛口のお酒なら…艦娘なだけに船中八策がいいんじゃないですか?」

瑞鶴「ちょっと、そんなこと言われたら本当にお酒飲みたくなってくるじゃない!」

プリ「おいしいおいしい!瑞鶴がたくさん見つけてくれてよかった!」

瑞鶴「じゃあ次はこの貝の方も食べてみましょうか」

古鷹「こちらはどんな味でしょうか?」

【ついにイボニシに手を出す大型艦】

【苦いと有名なイボニシであるが、瑞鶴たちはどんなリアクションをするのか?】

瑞鶴「この貝の中身、どうやって取り出したらいいんだろ」

プリ「小さい木の枝でほじくり出せないかな?」

古鷹「この木の枝、丁度いいと思います」スッ

瑞鶴「古鷹ありがと!これで…」カリカリ

瑞鶴「お!取り出せた!」スルン

プリ「次、私に貸してー」

瑞鶴「はいどうぞ」

プリ「こうして、こうして…」カリカリ

プリ「わー!取り出せた!面白い!」スルン

古鷹「じゃあこれも皆で食べましょう」

プリ「それじゃーさっそく!」

瑞鶴「いただきます」パクッ

瑞鶴「…」モグモグ

古鷹「…」モグモグ

プリ「…」モグモグ

瑞鶴「…うーん、この貝は…」

古鷹「うぐ…ちょっと苦いですね…」

瑞鶴「食べれないことはないけど…これ単体で食べるのはちょっと…」

古鷹「でも食べあわせで美味しくなりそうな食材ではありそうですね…」

瑞鶴「ね、プリンツ」

古鷹「…プリンツさん?」

プリ「…」

プリ「にがぁい…」ダバー

瑞鶴「あー…」

瑞鶴「もうその辺に吐いちゃいなさい」

プリ「うん…」

古鷹「まぁプリンツさんには合わなさそうな味ではありますね…」

プリ「はー、カメノテはあんなに美味しかったのにこっちはこんなに苦いなんて…」

古鷹「瑞鶴さんがカメノテを見つけてなかったら晩御飯はこの苦い貝だけになってたから危ないところでした」

プリ「ほんと…ありがと、瑞鶴」

瑞鶴「ふふ、私には幸運の女神がついているんだから!」

プリ「私、カメノテだけを食べていい?」

瑞鶴「それは駄目」

古鷹「私たちだってカメノテは食べたいです!」

プリ「ふええ…」

【こうして晩御飯兼朝御飯を終了させたチーム大型艦】

【彼女たちはこの後、一日目の疲れを取るべく眠りに着くのであった…】




【こうして、6人の1日目は全て無事に終了した】

【2日目にはどんなドラマが待っているのだろうか?】

【その様子を、チーム駆逐艦から覗いてみよう】

【チーム駆逐艦】

【チーム大型艦が今から寝ようとしていたころ…】

【彼女たちに、ある危機が訪れていた】

吹雪「くー…すぴー…」

秋月「すぅ…すぅ…」

陽炎「うーん…むにゃ…」

カサカサ ガサガサ

陽炎「…zzz」

ガサガサ…シュルン

陽炎「z…z…」

ニュルリ…ニュルリ…

陽炎「z…」

陽炎「…?」

陽炎「何…?」

【謎の異変を感じとり、目を覚ます陽炎】

陽炎「ふぁ…むにゃ…」ゴシゴシ

【寝ぼけ眼を擦り、それの正体を確認する】

陽炎「…?」

【陽炎を起こした、その異変の正体は】

陽炎「…!!!!!」

陽炎「キャアアアアアアアアアア!!!!!」

秋月「!?」ガバッ←目を覚ました

吹雪「…?」ムクリ←同上

吹雪「なに…陽炎…」ウトウト

陽炎「へへへへへ…!」

陽炎「へびっ…!蛇ぃぃぃぃぃぃ!!!!」ガクガク

吹雪「へび…?」

吹雪「えっ!?蛇!?」

秋月「あっ!こいつは!」

【陽炎の身体の上に、蛇襲来!】

陽炎「ひいい…」

吹雪「朝っぱらからなんでこんな…」

陽炎「た、助けて…!」

秋月「こいつはハブ!猛毒の蛇です!」

陽炎「そんな…うそぉ!」

吹雪「陽炎!はやく逃げて!」

陽炎「それが…身体が…動かないの…!」

吹雪「うぇぇ!?」

秋月「どっちにしろあまり動いてはいけません!ハブを刺激しちゃって噛まれたりしたら危険です!」

吹雪「で…でもこのままじゃどうしようもないよ!とにかく陽炎を助けないと!」

陽炎「嫌…!死にたくない…!」

吹雪「うっわハブが陽炎をガン見してる…!これ凄く怖い!」

秋月「こちらもあんまり騒いでは駄目です!ハブをできるだけ刺激しないで!」

吹雪「じゃあどうすれば!?」

秋月「大丈夫です!ここは私に任せてください!」バッ

吹雪「あ、秋月!?」

陽炎「あうぅ…」ガタガタ

秋月「はっ!」ガシッ←ハブの尾を掴んだ

吹雪「!?」

陽炎「!?」

秋月「てやーっ!」ブンブン←ハブを振り回してる

秋月「えい!!」ビターン!←ハブの頭を地面に叩きつけた

吹雪「!?!?」

陽炎「!?!?」

秋月「もう一回です!」ブンブン

秋月「やーっ!」ビターン!

秋月「それっ!それっ!」ビターン!ビターン!

吹雪「…」

陽炎「秋月…?」

【ハブを執拗に地面に叩き付ける秋月】

秋月「…ふぅ」

秋月「これだけ叩きつければ反撃できない程に弱ったはず…」

秋月「トドメは…」←大きい石を持った

秋月「これです!」←石をハブの頭目掛けて落とした

グシャッ

【ハブ、死亡】

秋月「ふぅ…」

秋月「秋月、陽炎さんをお守りしました!もう大丈夫です!」

吹雪「あ、秋月…」

陽炎「ちょっと…殺し方、エグくない…?」

秋月「えっ?」

秋月「確かに危険を伴う殺し方でしたね。ですが蛇は振り回されると遠心力がどうとかで抵抗ができないんです」

吹雪「いやそうじゃなくて…」

陽炎「どこでこんな殺し方覚えたの…」

秋月「貧乏時代は蛇を食べるためにいつもやってましたけど…」

吹雪「は!?食べ…!?」

陽炎「食べるって、毒蛇を…!?」

秋月「意外とおいしいんですよ!これを機会に是非いかがですか?」

吹雪「えっ…ああ…」

陽炎「…ていうか艦娘になる前の秋月がどんな暮らしをして生きてきたのか気になるわ…」

吹雪「同感…」

秋月「それではマムシを調理していきましょう!」

マムシ「…」ビクッ…ヌルッ…ピクッ…

吹雪「ぎゃああ!!まだ動いてるこいつ!」

陽炎「キモい!キモいからはやく何とかしてぇぇぇ!!」

秋月「大丈夫ですよ。頭はしっかり潰したので」

秋月「蛇の毒は頭の部分に集中しているので、頭さえ取ってしまえば噛まれて毒に犯される心配はありませんよ!」

吹雪「そういうことじゃなぁぁぁぁい!」

陽炎「そのグロテスクなのを早く始末しなさいって言ってんのよ!!」

秋月「?」

ハブがマムシに変わったw

秋月「まずは頭を切り落としますね」ガリガリ

陽炎「ひぃぃぃ!!見た目すでにグロい!」

吹雪「いやぁぁぁぁぁ!!もうこんなの見たくない!」

秋月「頭とれました!見てください、頭が無いのにまだ動いてますよ!」ヌルングニョグニョ

秋月「蛇はこんなに高い生命力を持っているので、食べたときは物凄い滋養効果があるんです!」グリュッグリュッ

吹雪「うわぁぁぁぁぁ!!秋月の腕を不気味なものがのたうち回ってるぅぅぅぅ!!」

陽炎「エ○同人の触手ってリアルではきっとこんな見た目してるんでしょうねぇええ!」

秋月「最後はこの頭だったとこに少し切れ目をつけて」

秋月「掴んで一気に割きます!」ビリビリグチャグチャ

陽炎「ぐぉあああああ!!エグい!エグいよ秋月ぃぃぃぃ!!」

吹雪「今から私たち、これを食べなくちゃいけないの!?」

秋月「これが基本的な蛇の調理法ですよ?」

秋月「とにかくこれで下準備は完了ですね…」

秋月「さて今から調理をしましょうか!」

秋月「って、どうして二人とも私から少し距離を置いてるんです!?」

吹雪「そりゃ当たり前だよぉぉぉぉぉ!!」

陽炎「こんなん目の前で見せられたら私たちも引くわぁぁぁぁ!!」

>>269
ミスです!凡ミスは前作からの名残なんで見逃してください…

吹雪「ハブが綺麗にまっぷたつになった…」

陽炎「に、臭いがキツイ…」

秋月「ここから内臓を取りますけどやってみます?」

吹雪「遠慮しとく…」

秋月「ちなみにこの内臓、噂だと実はすごい珍味らしいんですよ?」

陽炎「は!?マジ!?」

吹雪「これが!?このグロテスクなのが!?」

秋月「はい。味は何とも言えない微妙なものらしいですけど」

秋月「噂によると、食べると体力が回復して疲れは本当に完全に無くなり、そのまましばらく疲れなくなるというほどの効果があるそうなんです」

吹雪「う、うそ!?」

陽炎「は、それってまさか、間宮さんの…!?」

秋月「ちょっと怪しいですよね…」

秋月「ですが実際には寄生虫が数多く潜んでおり、生で食べるとなるとリスクが伴うんです」

秋月「本当に食べるとなると勇気のいる食材ですね」

吹雪「あっ…よかった…」

陽炎「本当によかった…!秋月が内臓も食べるって言ったら私はどうしようかと…」

秋月「内臓を食べるのは初月あたりが挑戦してくれることに期待して…私たちは身を食べることにしましょう」

吹雪(初月、超逃げて!)

秋月「次は血抜きですね。肉を食べるときの基本です」

秋月「これを忘れると味が落ちてしまうので、重要な作業なんですよね」

陽炎「血抜き…それくらいなら私にもできるかな」

吹雪「ぶら下げておくだけでいいんだよね?」

秋月「はい。尻尾の方を上にしてどこか適当な場所に吊るしておいてください」

陽炎「まぁ、秋月に任せっぱなしにするのも悪いし」

吹雪「これくらいなら私も手伝うよ」

秋月「すみません、ありがとうございます!ではお願いします!」

~~~

陽炎「ちょうどいい木があってよかった」

吹雪「秋月、ぶら下げたよー」

陽炎「どれくらい待てばいいの?」

秋月「だいたい血が落ちなくなるくらいなので、アバウトでいいですよ」

吹雪「ちょっとは時間かかりそうかな?」

陽炎「この間で何か他にやることない?」

秋月「料理のための火を起こすこと…くらいですかね」

陽炎「よし、それ私がやるわよ!」

吹雪「え、陽炎出来るの!?」

陽炎「昨日秋月がやるのを見てたからね。せっかくここに来たんだからサバイバル技術を身につけないと損ってもんよ!」

吹雪「むぅ…それはそうだよね…」

秋月「では陽炎さんに任せます!火起こし、頑張ってください!」

陽炎「見てなさい!陽炎型の実力を見せてやるわ!」

【陽炎、火起こしに挑戦】

陽炎「やってやるわよー!」

秋月「ファイトです!」

吹雪「陽炎、火はどうやって起こすつもりなの?」

陽炎「ふふっ、吹雪にも火を起こすための方法を教えてあげるわ!」

陽炎「秋月によると、紐を使えば火は楽に起こせるらしいのよ」

吹雪「えっ、紐でどうやって?」

陽炎「見てなさい…こうやって木の棒に紐をくくって…」チマチマ

陽炎「これで紐を巻き付けて、紐を引っ張ると…」

陽炎「ほら!木が高速で回転するのよ!」ギュルンギュルン

吹雪「おおー!これは摩擦熱が凄そう!」

陽炎「そう。これを引っ張り続ければ、すごい勢いで摩擦熱が上昇するから発火点にすぐたどり着けるらしいの」

秋月「注意点は、木のバランスが崩れやすいので、もう一人誰かが木を支えてあげないといけないことです!」

吹雪「へぇ、ならさっそく火を起こそう!」

陽炎「よーし、見てなさい!」

陽炎「でりゃあーーー!」ゴリゴリ

吹雪「陽炎、がんばー」←木を支えてる

秋月「私、この間に火を引火させるための落ち葉拾ってきますね」

陽炎「頼むわ秋月!」

吹雪「これほんとに凄い回転してるね!これならすぐに発火しそう」

陽炎「どうよっ、吹雪!私、昨日、吹雪が海に行ってる間に秋月とこんなことしてたんだから!」ゴリゴリ

陽炎「吹雪も火起こしを覚えておきなさい!もし仮に轟沈してどこかの島に漂着したとき、これをするかしないかで生き延びれる確率が違うかもしれないんだからね!」ゴリゴリ

吹雪「はーい、覚える覚える」

秋月「陽炎さん!落ち葉とついでに木の枝を拾ってきました!」

陽炎「お、秋月おかえり」

吹雪「帰ってくるのはやーい」

秋月「なぜか都合よく乾燥した落ち葉ばかり見つかったので…。助かりましたけどね」

吹雪「え?乾燥とか火起こしに関係あるの?」

秋月「大アリですよ!火起こしに乾燥は絶対に大切な要素なんです!」

秋月「火というものは当たり前ですが水分に非常に弱いんです!湿った木で火を起こすなんて99%不可能なんですよ!」

秋月「やみくもに木を擦るだけじゃ駄目なんです!火起こしは繊細な作業ですから、正しい知識で慎重に行うことが…」ガミガミ

吹雪「そ、そんな力説しなくても…」

秋月「すみません吹雪さん…ちょっと熱くなっちゃって…」

吹雪「いいよ秋月。わかってなかったのはこっちの方なんだし」

秋月「陽炎さんの様子はどうですか?」

吹雪「陽炎は順調だよ。良いペースで木をゴリゴリやってる」

陽炎「ふふん、秋月が教えてくれたおかげだわ!」ゴリゴリ

陽炎「待ってなさい!陽炎型の長女としてもうすぐにでも火を起こしてみせるんだから!」ゴリゴリ

秋月「頼みます!陽炎さん!」

吹雪「心強いよ、陽炎!」

【火起こしを続けること数分】

陽炎「ふっ…!ふうっ…!!」ゴリゴリ

吹雪「陽炎、大丈夫?」

陽炎「だいじょぶ…!それより木、見て…!」

吹雪「え?…おっ!煙が出てきてる!」

秋月「あと一息ですね!陽炎さん最後の一押しをお願いします!」

吹雪「それにしてもすごい…ちゃんと陽炎も火を起こせるようになったんだ」

秋月「知識と体力さえあれば、これくらい誰だってできますよ!」

吹雪「ふーん…なんか悔しいから次は私もやってみようかな…」

吹雪「…って、ん?」

秋月「あっ…」

陽炎「っ………はっ…はぁ…はぁ…」ヘロヘロ

【陽炎、体力切れ】

吹雪「陽炎!もう少し頑張ってよ!」

陽炎「ちょお…待って…これ以上は腕が痛い…」

吹雪「陽炎しっかり!」

秋月「この最後でペース上げないと、煙ばっかり出ていつまでも火が起きないんですよ!」

陽炎「吹雪、パス…」サッ

吹雪「ふぇ!?私!?」

秋月「仕方ありません、交代です!吹雪さん摩擦熱が冷める前に急いで!」

吹雪「あっ、うん、わかった!やってみる!」

吹雪「うりゃあああああ!!!」ゴリゴリ

陽炎「ありがと、吹雪…」

秋月「陽炎さんもここまで頑張ってくれて助かりました!」

陽炎「そう…?ならいいけど」

【見事な連携で火起こしを続けるチーム駆逐艦】

【どこぞの大型艦たちもこれを見習って欲しいものだが、彼女たちはこの場にはいない】

吹雪「うおおおおお!うぇええええい!!」ゴリゴリゴリゴリ

陽炎「頼むわよ、吹雪!」

吹雪「秋月っ…火はまだなの!?」ゴリゴリ

秋月「耐えてください!おそらくもう少しかと…」

秋月「…あっ!火種が出ました!」

吹雪「えっ!?」

【チーム駆逐艦、ついに火種を生み出すことに成功】

陽炎「吹雪出たわよ!火種が!!」

吹雪「火種!?何それ!?」

陽炎「火種はほとんど火みたいな粒よ!これを落ち葉に引火させるの!」

吹雪「じゃあ、もうあと少しってこと!?」

秋月「そうです!陽炎さん、最後の仕上げをお願いできますか?」

陽炎「わかったわ。慎重にこれを落ち葉に引火させるわよ…!」

陽炎「火種を消さないようゆっくり乗せて、酸素を…」

陽炎「ふーっ…ふーっ…」←息を吹き付けてる

吹雪「頑張れ、陽炎!」

秋月「陽炎さんに全てがかかってます!」

陽炎「あのね変なプレッシャーかけるの止めてくれない!?」

陽炎(お願い!引火してっ!)

秋月「頑張って!慎重に!」

吹雪「いっけー!陽炎!頑張れー!!」

陽炎(きっと…あと少し!)

シュボッ

陽炎「っ熱っちゃあ!!!」

吹雪「あっ!火が着いた!」

陽炎「火!?ってことは…」

秋月「やりましたよ陽炎さん!火起こし成功です!」

陽炎「!!」

【チーム駆逐艦、火起こしに成功】

秋月「あとはよく乾いた木を入れれて、焚き火のような状態にすれば完了です!」

陽炎「やったわ…これで火は何とかなったわ…」

吹雪「途中の私の頑張りのおかげだね!あの交代が無かったら火は起きてないし!」

陽炎「それ、吹雪が美味しいとこ持ってっただけじゃない…」

陽炎「ま、感謝はするけどね」

吹雪「ドヤッ」

秋月「それでは、火も起こせたことですし朝ごはんにしましょう!」

秋月「おそらくそろそろ血抜きも完了した頃だと思うので、ハブを焼いて食べちゃいます!」

吹雪「おっと、ついにアレを食べるときが来たか」

陽炎「そう言えばそうだったわ…未知なる食材への挑戦ね…」

【チーム駆逐艦、朝食を開始】

吹雪「とりあえずぶら下げてたハブがどうなったか見てみよう」

秋月「さてと、ハブの様子は…」

陽炎(うわっ…なんかすごい数の虫が群がってる…)

吹雪(まぁ動物の死体だからね…ついでにここ南の島だし)

秋月「…うん!血抜き出来てる!完璧です!」

陽炎「あら、血抜きって意外とすぐに終わるのね?」

吹雪「まぁその辺はSSならではのご都合展開ってことじゃないの?」

秋月「それではさっそくですが…」

秋月「このハブを調理していきましょう!サバイバルのご馳走の味を皆さんも御賞味ください!」

吹雪「うぐぐ…やっぱりこれを口に入れると考えると緊張するなぁ」

陽炎「ところでこれはどうやって調理するつもりなの?」

秋月「調理とは言っても、調味料も何もないので昨日と同じただの丸焼きですけどね」

秋月「ですがこのシンプルな料理だからこそ、ハブそのものの味が引き立つんです!」

吹雪「引き立つと言われても…」

陽炎「やっぱり正直に不安しかないわ…」

【血抜きしたハブをそのまま火で炙り、丸焼きにするチーム駆逐艦】

秋月「♪~」

秋月「蛇には寄生虫が多いのでしっかり熱して…と」

陽炎「…」ドキドキ

吹雪「…」ドキドキ

秋月「…?」

秋月「もしかして、やっぱり蛇を食べるの緊張してます?」

吹雪「そりゃあ、まぁ…」

陽炎「一応、蛇はゲテモノ食材の部類に入るものだし」

秋月「げ、ゲテモノ!?」ガーン

陽炎「逆にゲテモノじゃなかったら何になるって言うのよ!」

秋月「いやいや大丈夫ですってば!ハブなどの蛇は食べたら本当に美味しいんですからっ!」

秋月「ほら見てください!蛇の切り身を焼いているのがまるでビフテキのように見えるでしょう!?」

陽炎「蛇が焼かれてるようにしか見えない!」

秋月「な、なら匂いを嗅いでみてください!香ばしくて食欲をそそられるでしょ!?」

吹雪「死体を焼いたような臭いがする」

秋月「くうっ!」

秋月「そもそも吹雪さんたち昨日ウツボ食べたでしょ!アレと見た目ほとんど変わらないのに何を躊躇っているんですか!」プンスカ

吹雪「ウツボはまぁハ○グチが食べてるのをテレビで何度も見てるし」

陽炎「あっちはまだ魚感があるから食べられるのよ」

吹雪「それに今から食べるのが毒蛇ってことも食欲を削られる要因の一つなんだよね…」

秋月「なんですって!毒が怖くて何が艦娘ですか!!」

陽炎「いや、ラノベ設定的に私は人間だから普通に毒を喰らったら死ぬわよ!?」

秋月「陽炎さんのラノベだったら駆逐艦の根性とかどうとか言ってたでしょ!アレでなんとかしてくださいよ!!」

吹雪「ていうかなんか今日の秋月すごいガンガン来るよね!?いつもの謙虚さはどうしたの!?」

秋月「すっ…!すみませんでした!!久しぶりの蛇を目の前にして舞い上がっちゃって…!」

吹雪「いや、いいよ秋月。こっちも秋月がせっかく調理してくれたのに馬鹿にしちゃって…」

陽炎「こっちもごめんなさい…本当に怒りたいのは朝ごはんを用意してくれた秋月だったわよね…」

秋月「いえ、決してそんな訳では…!」

秋月「あっ、ほら!それよりもそうこうしてるうちに蛇が焼けましたよ!」

秋月「冷めないうちに食べてみてください!どうぞ、召し上がれ!」

吹雪「そうだね。それじゃハブを食べてみよっか」

陽炎「秋月、ハブをいただくわよ」

秋月「がぶっと行っちゃってください!」

吹雪「…!」ドキドキ

陽炎「……ゴクッ!」ドキドキ

陽炎「…あ、そうだ吹雪」

吹雪「ねぇ陽炎、ちょっと先に食べてくれない?」

陽炎「あっ!それ私が言おうとしてたセリフだったのに!」

秋月「あのぉ!?やっぱり押し付けあってるじゃないですかぁ!?」ガーン

吹雪「いや待って!ほんとごめぇん!!」

陽炎「やっぱり恐いのは恐いのよぉ!!」

秋月「私は先に食べますよ!いただきます!」

陽炎「あっ、秋月が食べた…!」

吹雪「陽炎、私たちも…」

陽炎「そうね…覚悟を決めて食べましょう」

吹雪(これ以上バカなことしてたらそろそろ本気で秋月がキレそうだし…)

陽炎(この子がブチギレたらたぶん怖いわよ…そろそろ真面目に行きましょう)

吹雪「じゃあ…」

吹雪「いただきまーす!」パクッ

陽炎「いただきます」パクッ

吹雪「…」モグモグ

陽炎「…」モグモグ

秋月「お味はいかがですか?」

吹雪「…!」

吹雪「あれっ…なにこれ!?美味しい!」

陽炎「ほんとだ…!もっと猪肉とかそんな臭みのある肉を想像してたのに!」

吹雪「なんて言ったらいいんだろ…?…鳥?そうだ鳥肉の美味しいとこみたいな味がする!」

陽炎「これ蛇とは思えないわ!こんな美味しいものだったなんて!」

【吹雪と陽炎、蛇の味に感動】

秋月「どうです?大丈夫だったでしょ?」

吹雪「いやー、これは秋月サマサマだね!」

陽炎「自分で言うのもなんだけど、激しい手のひら返しだったわよ」

吹雪「ほんとほんと。うちのチームに秋月がいなかったら蛇なんて食べることはなかっただろうし」

陽炎「秋月の生活の知恵が、私たちの無人島生活を支えているわ!」

秋月「ありがとうございます、2人とも!」

秋月「蛇は、こういった無人島で簡単に捕らえられる貴重なお肉の1つとして有名なんです」

秋月「相手が毒蛇なら少し危険が伴いますが、生き残るための食材と考えればそんなこと考える必要もありません」

秋月「もし無人島に漂着してしまって、食材に困ったときは蛇を探してみるのも一手かもしれませんね!」

吹雪「なるほど、これはいい経験だったわー」

陽炎「助かるわ、秋月」

秋月「はい!ハブのおかわりもまだまだあるので食べてくださいね!」

陽炎「さっきまでのゲテモノ感が嘘みたいに口に入っちゃう」モグモグ

吹雪「帰ったら白雪あたりに自慢しよっと」モグモグ

なかなか更新できなくて申し訳ありません
仕事とかで少々忙しいのです…

吹雪「ごちそうさまー」

秋月「生命に感謝ですね」

陽炎「これから何しよっか」

吹雪「そうだねー、秋月のおかげで快適に過ごせてるし、何かしなきゃいけないって訳でもないから…」

秋月「するとすれば昼ごはんや晩ごはんに備えての食材集めですね」

陽炎「ま、それくらいよね」

吹雪「ううん、それにしてもご飯かぁ…」

吹雪「毎回毎回塩焼きばかりで、他に何かできないのかなぁ」

秋月「そればかりは私にもどうしようもないですね…」

陽炎「調味料が塩しかないのが致命的なのよ。まぁ私は満足に食べられるだけいいと思ってるけど」

吹雪「それでもやっぱ味にバリエーションとか欲しいって思うでしょ?」

吹雪「何か方法とかあったらいいんだけど…」

秋月「難しい話ですよね…」

吹雪「ま、そんなことはどうでもいっか」

秋月「はやいとこ食材集めを始めましょう!」

吹雪「よーし!今日もまた私が海に飛び込んじゃおっかな!大物を狙いに行くよ!」

陽炎「あっ吹雪ずるい!今日は私がモリをやりたいって思ってたのに!」

吹雪「えー!?モリは難しいんだよ!きっと陽炎にはできないよ!」

陽炎「なんですって!そんなのやってみなきゃわかんないじゃない!」

吹雪「いいから私に任せてって!また大きな獲物を採ってくるから!」グイグイ

陽炎「だからそれずるい…って!」グイグイ

秋月「ちょっと、吹雪さんも陽炎さんもモリの取り合いは…」

秋月「…ん?」

吹雪「どうしたの、秋月」

秋月「今、海に何か…」

陽炎「えっ!?」

【秋月、海に謎の影を発見】

吹雪「え、なになに!?獲物!?」

陽炎「ちょ、吹雪、モリちょうだい!」パシッ

吹雪「あっ、取られた!」

秋月「な、何か海にいます!ほら大きな影があそこにっ!」

吹雪「ほんとだ!でかい!」

陽炎「本当ね…!きっと鮫かなんかのでっかい魚に違いないわ!」

秋月「昼ごはん、ゲットですかね!?」

吹雪「って、どんどんこっちに近付いてる…!なんかちょっと怖いかも」

陽炎「ここは臆さずに行くわよ!モリでぶっ刺しておかずにしてやるんだから!」

秋月「陽炎さん気をつけて!」

吹雪「陽炎、ちゃんと仕留めてよー!」

陽炎「ギリギリまでこっちに近付くのを待って…」

陽炎「今だ!くらいなさいっ!!」バッ

吹雪「!!」

提督「海の中からこんにちは。提督だよ」ザパッ

秋月「えっ!?!?!?!?」

陽炎「はっ!!!???」

吹雪「し、司令官!?!?」

【なんと、影の正体は提督】

提督「ようお前たち。無事に生きてたようだな」

秋月「提督!上!上っ!!」

吹雪「司令官危ない!!避けてー!!」

陽炎「刺さる!刺さる!!」

提督「へ?」

提督「…あっ」

陽炎「ああーーーーーっ!!!」ブスッ

提督「ぐわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

吹雪「ぎゃああああ!!司令かーーーん!!」

秋月「止血!早く止血をーーー!!!」アタフタ

【提督、大事故】

~~~

提督「やれやれ、いきなりこんな挨拶をされるとはな」←一命を取り留めた

陽炎「すみません!ほんとすみません!!」

秋月「提督を魚か何かと間違えてしまって…!」

吹雪「本当に致命傷にならなくてよかったですね…」

提督「陽炎はおそらくモリ初心者だったんだろう。刺さりが浅くて大したことにならなかった」

陽炎「よ、よかった…モリ持ってたのが私で…」

吹雪「でも海から潜水してやってきた司令官も司令官ですよ…なんであんな登場をしたんですか」

提督「それはまぁ俺もふざけすぎたと思っている…」

秋月「そもそもどうして提督は無人島に戻ってきたんですか?」

陽炎「何か私たちに用でもあるの?」

提督「おおそうだったな。では本題に入ろう」

提督「今回の無人島生活は非常に厳しい訓練だ」

提督「…が、それ以前にこれはバラエティー番組であるということを覚えているか?」

陽炎「…はぁ」

吹雪「まぁ、はい」

提督「うむうむ。それでだ」

提督「こちらとしてはやはり番組の流れにもう少し展開というものが欲しくてだな」

提督「ちょっとしたものをお前たちのために持って来たんだ」

陽炎「ちょっとしたもの?」

吹雪「それは何です?」

提督「これを見てくれないか」

秋月「?」

提督「どうだ」スッ

【大きな段ボール箱を取り出す提督】

陽炎「…?」

秋月「段ボール…箱?」

吹雪「水に濡れてビッチョビチョですね」

提督「それについては安心してくれ。この中には防水加工をした箱がさらに入っているから中身は濡れてないぞ」

陽炎「なんでそんな2度手間かけたんですか…」

提督「まぁ演出のためだな。やっぱり番組だから視聴率欲しいし」

吹雪「こっちは必死にやってるのにそんな事情知りませんよ…」

秋月「それで、この段ボール箱はなんなんです?」

提督「ふっ、聞いて驚け。この段ボールの中にはな…」

提督「なんと、お前たち姉妹艦からの仕送りが入っているぞ!」

陽炎「!?」

吹雪「仕送り!?」

【サプライズプレゼント、鎮守府からの仕送り】

陽炎「…それって」

吹雪「どういうことです?」

提督「お前たち、無人島で取り残されて色々と大変だろう?」

提督「そこで仲間たちからの支援があったら面白いんじゃないかと思ってな」

吹雪「…ははぁ」

提督「吹雪たちが無人島生活で苦しんでいるっていう旨をお前たちの姉妹艦に伝えたところ…」

提督「お前たちを心配した姉妹たちが無人島生活の助けになるアイテムを送ってくれる、という話になったんだぞ」

提督「俺は『送る物は合計3つだけ』という条件をつけて皆からの仕送りを募り…」

提督「その集まったアイテムがこの段ボールの中に入ってるという訳だ!」

提督「この送られたアイテムは、お前たちの無人島生活をさらに彩るスパイスとなるだろう」

吹雪「私たちが無人島にいる間にそんなことが…」

秋月「そうだったんですね…」

陽炎(あれ?私たち、たしか設定的には轟沈して行方不明になってるっていう状況じゃなかったっけ)

吹雪(もういいじゃん…ここは素直に甘えとこうよ…)

提督「さぁ、段ボールを開けるんだ」

吹雪「わかりました」ガサゴソ

陽炎「何が入ってるのかな」

秋月「楽しみですね!」

吹雪「中身は…」パカ

吹雪「…おっ、中に3つずつ手紙と箱が入ってた」

陽炎「本当だ。3つしか入ってない」

秋月「この手紙は吹雪さん宛て、こっちの手紙は陽炎さん宛て、そしてこれが私の手紙みたいです!」

陽炎「なるほど、仕送りは合計3つって、私たち1人に1つずつアイテムがあるってことなのね」

提督「そうだ。これらのアイテムは全部、お前たちの姉妹艦がお前たちの身を案じてセレクトしたものばかりだからな」

提督「故郷の仲間たちを思い浮かべつつ、手紙を読んで涙してくれ」

吹雪「なぜそんなセンチメンタルな気分で読まなくてはならないんですか…」

陽炎「まぁ確かに鎮守府の生活に早く戻りたいとは思うけどね…」

提督「じゃあとりあえずまずは吹雪の手紙から読んで貰おうか」

吹雪「はーい」

秋月「吹雪さん、手紙をどうぞ!」

吹雪「ありがと秋月、送り主は…」

吹雪「おっ、叢雲ちゃんだ」

【吹雪の手紙 叢雲】

陽炎「叢雲…初期艦仲間の」

吹雪「うん。でも正直叢雲ちゃんから来るなんてちょっと意外だった」

秋月「え?なんでです?」

吹雪「あの娘のことだから、こういうのは面倒臭がると思ったから…」

秋月「あー…」

陽炎「叢雲はちょっぴり厳しいけど、本当はとても優しい人だからねー」

吹雪「とりあえず、手紙読むよ」

陽炎「叢雲の書いた手紙の内容は…?」



叢雲『こんにちは、吹雪、陽炎、秋月。無人島生活楽しんでる?』

叢雲『アンタたちももこんなくだらない任務を任されて、本当に可哀想よね』

叢雲『なんかアンタたちに手紙を書くことになって、とりあえず私が吹雪型姉妹艦を代表して書くようになったんだけど…』

叢雲『いろいろ考えた結果こっちからは特に書くことは無いって結論になったわ』

叢雲『だってそっちは吹雪がいるんだし。アンタがいればたいていのことはなんとかなるでしょ?』

叢雲『公式主人公の実力、私たちは信用しているんだからね』

叢雲『ま、せいぜい元気に生きてられるよう、こっちから祈ってるわ』



陽炎「おお!吹雪、信頼されてるじゃーん!」

秋月「しっかりお姉さんしてますね!」

吹雪「うう…優しいなぁ叢雲ちゃん…ツンデレに癒されるよ…」

陽炎「…で、仕送りのことは?」

吹雪「おっとそうだった、続き読むよ」



叢雲『アンタのためにアイテムを送る件についてなんだけど』

叢雲『これについては私たちもちょっと何にするか悩んだのよね』

叢雲『生活関連のことはしっかりしてる陽炎型の娘たちが送ってくれるだろうし、食べ物調達関連のことは秋月型が送るだろうしで、こっちは何を送っていいのかわからなかったのよ』

叢雲『それで吹雪型会議を開いて、仕送りは何にするかを話し合いに話し合った結果…』

叢雲『アレを送ることにしたわ。きっと役に立つはずよ』

叢雲『中身は自分で箱を開けて確かめて頂戴。それじゃあね』



吹雪「…だって」

陽炎「なら話は早いわ。箱を開けましょう!」

秋月「って、手紙の内容を見る限り、この仕送りって秋月型吹雪型陽炎型みんなで一緒に考えたんじゃなくて、姉妹艦ごとに分かれて送らせたんですか?」

提督「そっちの方が面白い結果になるんじゃないかと思ってな」

提督「さらに言えば俺もこの中に何が入っているかわからない。はっきり言って俺も中身が何かわくわくしているぞ」

吹雪「まーたそんな迷惑なことを…」

吹雪「叢雲ちゃんたちが何を送ってきたのか、開けてみるよ」

陽炎「何でもいいから役立つものが入ってますように…」

秋月「吹雪さんの姉妹ですからきっと大丈夫です!」

吹雪「それじゃあ、吹雪型の贈り物を…」

吹雪「オープン!!」パカッ

秋月「!」

吹雪「あっ…これは!」

叢雲『無人島だと調味料が無くて料理に困るでしょ』

叢雲『これを使いなさい。頑張ってね』

【吹雪型仕送り、中身は醤油】



吹雪「うおおおおおお!!おおおおおおっ!!!」

陽炎「醤油か!これは嬉しいわね!」

秋月「料理の幅が広がります!」

吹雪「さっすが私の姉妹分!優秀すぎて感動するぅー!!」

陽炎「吹雪、さっき調味料ほしいって言ってたもんね」

秋月「以心伝心ってまさにこれのことですね!」

吹雪「やったね!」

提督「うーむ。吹雪型は至って真面目なものを送ってきたんだな」

吹雪「それでいいんですよ!それで!」

陽炎「ネタになんて走らなくてもいいわ!」

秋月「サバイバルなんですからまともなものがいいです!」

提督「なるほどなぁ。まぁそう言われればそりゃそうだよな」

提督「とりあえず吹雪型の仕送りは以上だ。次は陽炎型の仕送りを開けてみてくれ」

陽炎「私ね。はいはい」

陽炎「まずは手紙から読むわよ」

秋月「お願いします」

陽炎「どれどれ…」

陽炎「ん?皆からメッセージが…」



『陽炎、ここから貴女を応援しています 不知火』

『ぼちぼち頑張ってな! 黒潮』

『姉さんがいなくても私たち大丈夫だから 初風』

『きっとなんとかなります! ゆきかぜ』

『私もこの仕送りに参加できて嬉しいわ 天津風』

『南のしまに行ってもがんばってね! 時津風』

『陽炎姉さんならどこ行っても心配ないじゃろう! 浦風』

『辛くないか?帰ってこれたら、私の最高の料理でもてなしてやる 磯風』

『強く生きてください 浜風』

『何でもいいからおみやげよろしく! 谷風』

『ご冥福をお祈りします 野分』

『姉さんに負けないようこっちも頑張るぜ! 嵐』

『病気には気をつけて! 萩風』

『野分が何か勘違いしてるけど気にしないでね 舞風』

『無理はしないでよ! 秋雲』



陽炎「…寄せ書き!?私のは寄せ書き形式で手紙!?」

秋月「皆さん思い思いのことを書いてますね」

吹雪「まぁいいじゃん!これはこれで賑やかだし」

吹雪「だけど、きっと陽炎が艦娘辞めるときはこんな感じに寄せ書きが書かれるんだと思うとちょっと寂しいね」

陽炎「吹雪!演技でも無いこと言わないでよ!」

陽炎「あ、私の手紙、2枚目もある」ペラ

秋月「仕送りの中身についてはここから話すんでしようか」



不知火『という訳でこんにちは。代表して手紙を書くことになった不知火です』

不知火『私たちの寄せ書きはどうでしたか?これが陽炎の心の支えになってくれると嬉しいです』

不知火『さて、私たちは陽炎に何か仕送りをすることになりました』

不知火『こちらから何か陽炎を助けるためのアイテムを送るべく、皆で相談したところ…』

不知火『私の案が採用され、アレを陽炎に送ることになりました』

不知火『是非、有効活用してください。よろしくお願いします』



陽炎『…急に手紙形式になったわね』

秋月『結局何を送ってくれたんでしょうか』

陽炎『箱を開けて確認するわよ。いいものが入ってるといいんだけど』

吹雪「陽炎型のアイテムセレクトは何だろう?」

陽炎「それじゃ、中身を…」スッ

陽炎「…おっ!?少し重っ!」ズン

秋月「え?重い!?」

陽炎「な、何が入ってるの!?嫌な予感しかしないんだけど!?」

吹雪「重いって…どういうことだろ」

秋月「ハンマーとか、工具用品が入ってるのでしょうか?」

陽炎「とにかく開けてみるわよ!」

陽炎「てーい!」パカ

不知火『護身用です』

【陽炎型仕送り、中身は12.7cm連装砲】

陽炎「使えるかぁ!!!」バシーン!

吹雪「ああっ、陽炎がキレた!」

秋月「…よく見たら、この砲、弾薬が入ってませんね」

提督「不知火は真面目だからな。送るものが砲と弾薬の2つだときっとルール違反になると判断したのだろう」

陽炎「だぁぁぁぁぁぁぁ!!もっと駄目じゃないのぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

吹雪「…あ、まだ手紙入ってた」



不知火『ちなみに、他には『重曹があれば何とかなるで!』とか言ってた黒潮の案や、『魔除けに山城さんのパンツを送りつけましょう!』とか言っていた雪風の案などがありました』

不知火『流石にこういったふざけたものは駄目だと思ったので、私は12.7cm砲を送ったのです』

不知火『なぜなら、陽炎たちは無人島に行ってて大変なんですから。陽炎型2番艦として当然のことをしただけです』



吹雪「…だってさ」

陽炎「あたかも『私が姉妹の暴走を止めました』的なことをドヤ顔で書いてんじゃないわよぉぉぉぉぉ!!不知火もアンタで大概なんだからねえぇぇぇぇ!!!」ビリビリ

秋月「陽炎さん落ち着いて!」

吹雪「どうどう陽炎!無人島で手紙を破くと紙ごみになって環境に良くない!!」

提督「なるほど、陽炎型の仕送りは中々面白いものだったようだな」

提督「さぁ残った最後は秋月型の手紙だ」

提督「まだ秋月を除いて2人しか揃っていない艦種であるが、彼女たちの手紙を読んでみてくれ」

秋月「あっ、はい!」

長らく更新できず、すみません…
しかし4月になり、だんだん忙しくなくなるはずのでたぶん更新はこれから増えていきます

秋月「私の手紙は…」

吹雪「ほい、秋月の手紙」

秋月「すみません、どうも…」

秋月「では開けますね」ゴソゴソ

吹雪「秋月の姉妹艦って照月と初月だよね…大丈夫かな」

陽炎「私の姉妹艦の失態をカバーできるような良いものが入ってたらいいけど…」

秋月「それじゃ読みます!」



照月『秋月姉、元気ー?』

初月『姉さん、大丈夫か?病気とかしてないか?』

照月『秋月姉がいま無人島にいること、提督から聞いたから知ってるよ!頑張って!』

初月『でも無理だけはしないで欲しい。姉さんは頑張り屋だが、時には立ち止まることも大切だぞ』



吹雪「うん…手紙は普通だ」

陽炎「ちゃんとした普通の内容よね」

秋月「自慢の妹たちですから!」フンス

吹雪「そういや秋月姉妹と言えば、あの家具のポスター良かったなぁ」

陽炎「照月が甘えるように秋月の手を握ってたの、良かったかも」

秋月「や、やめてくださいよ!」

吹雪「ちょっと話が逸れちゃった。続き読んでー」

秋月「わかりました」



照月『それにしても秋月姉がこんなことをさせられるなんてねー』

照月『無人島ってアレでしょ?食べ物も道具も何もないとこで生活してるんだよね?』

初月『まるでかつての貧乏時代の暮らしを思い出すような状況だな。しかし姉さんならこの程度はきっとまた乗り越えられるだろう』

照月『うんうん!きっと大丈夫!』

照月『そうそう、ちょっと思い出話をするけど、あの頃の私たちと比べると今の私たちはかなり贅沢をするようになっちゃったね!』

初月『ああ。この前も3人ですき家の牛丼特盛を分け合ったが、そんなこと昔の私たちでは考えられない』

照月『他にも、寝るときに枕を使うようになったり、お風呂はお湯を使うようになったり、服も着るようになったし、それから…』



秋月「…恥ずかしいからこの辺読まなくていいですか?」

吹雪「…うん、いいよ」

陽炎「そうね、私たちも悲しくなってくるから…」

秋月「余計なとこは読み飛ばして…」パラパラ

陽炎「何枚読み飛ばしてんの?」

吹雪「あそこから思い出話がそんなに続くの!?」

秋月「…えーと、仕送りの中身の内容はここからなので読みますね」



照月『…で、私たちには絶対に秋月姉が必要なの』

初月『ああ。姉さんがいてこその私たちだ。本当に感謝している』

照月『そんな訳でこの贈り物は、貧乏だった時…初心に帰ったものを贈ったよ!秋月姉に喜んで貰えるといいな!』

初月『貧乏生活で私たちが最も世話になったものだ。これを見てそっちでも私たちのことを思い出して欲しい』


秋月「…」

吹雪「…」

陽炎「…」

秋月「ですって」

吹雪「待って、ほんと途中に何があったの!?」

陽炎「すごい気になる…」

吹雪「ていうか初心に帰って、って何のことなんだろ…」

秋月「たぶん、それはこっちの身内の話ですね」

秋月「おそらく手紙の内容を見る限り、中身はアレっぽいです…」

陽炎「秋月、予想できてるの?」

秋月「はい。まぁ…」

陽炎「え?何なの?」

吹雪「とりあえず箱を開けてみよっか」

秋月「わかりました、了解です」ガサゴソ

秋月「…やっぱり、これが入ってました」

吹雪「?」

陽炎「?」

秋月「うどんです」

吹雪「えっ?」

陽炎「うどん!?」

【秋月型仕送り うどん】

秋月「懐かしいなぁ…」

陽炎「これが…秋月の初心?」

吹雪「どういうことなの…」

秋月「初心というよりは思い出の品みたいなものなんですけどね」

陽炎「思い出??」

吹雪「まさか…秋月、香川県民だったの!?」

秋月「そういう訳ではなくてですね…」

陽炎「じゃあ、秋月のお母さんの得意料理とか…」

秋月「そうです!そういうことです陽炎さん!」

陽炎「な、なんだ…よかった」

吹雪「秋月家族はうどんを食べられる程の財力はあったってことだね」

秋月「そうですよ!私たちだってうどんくらい買います!」

秋月「昔の私たちは、贅沢をしたい時はスーパーでこの袋入りのうどんを食べていたんです」

吹雪「…ん?」

秋月「懐かしいですね…」

秋月「このうどん、1袋10円でして、買い物に行ったときはだいたいお母さんにねだっていたんです」

吹雪「」

陽炎「」

秋月「調理は調味料なんて買うお金は無かったので水で茹でてそのまま食べてましたね」

秋月「ですから何も無い無人島でこれを食べると、貧乏生活を思い出ちゃって、でも私はあの日を乗り切ったんだと思うと…」

秋月「私もっと強くなれるような気がします!」

秋月「…まぁ、今ではあの日には帰りたくないって思いますけどね」

秋月「照月と初月は、きっと貧乏生活と似た境遇にある無人島生活における、私の心の支えとしてこれを送ってきたのでしょう」

秋月「ふふ…ほんと、優しいんだから」

吹雪「…」

陽炎「…」

吹雪「秋月」

秋月「なんですか?」

吹雪「話が重い!」

秋月「え!?」

吹雪「素うどん…貧しすぎるよ…!」

陽炎「秋月、ほんと辛いときは私たちに頼っていいんだからね…?」

秋月「?」

提督「なるほど、これは秋月型らしい姉妹の暖かみを感じる贈り物だな」

提督「…その、なんだ。秋月には次の給料日はちょっと特別なボーナスをくれてやるから…」

秋月「!?」

吹雪「あああ…ついに司令官まで秋月に…」

陽炎「どうして秋月ってこんな庇護欲をそそられるのかね…」

秋月「えっ、えっ???」

提督「とりあえず3人分開封したようだな」

提督「ここまでの贈り物をまとめると…」

吹雪型→醤油
陽炎型→12.7cm連装砲
秋月型→うどん

提督「ということになったな」

陽炎「…私の贈り物だけ役に立たなすぎて困る」ズズーン

秋月「わ、私のも1度しか使えない消耗品ですし…」

吹雪「無理にフォローしなくていいから…」

陽炎「くっ…ごめん、皆…」

提督「まぁまぁせっかく仲間が贈ってきたものだ。考え次第で何かに使えるだろう」

陽炎「使えるって何によ!?」

提督「とにかく残りの時間はあと1日と少しだ、これらのアイテムを駆使して頑張って生き延びてくれよな」

吹雪「はーい」

秋月「頑張ります!」

提督「それじゃ、達者でな」←無人島の内部へ歩いてる

陽炎「?」

吹雪「どこへ行くんですか?」

提督「そりゃもちろん、瑞鶴たちにも贈り物を届けるためにだ」

提督「忘れてるかもしれんが、これはチーム戦だからな。向こうに贈り物が無いのは不公平だろう」

吹雪「そっか、忘れてた」

陽炎「怪我しないよう、気をつけて行ってよね」

提督「へいへい」

【12時頃】

【チーム大型艦side】

古鷹「むにゃ…おはようございます」

瑞鶴「うう…頭いたい…」

プリ「うーん…うーん…」

【彼女たちはようやく目を覚まし、1日の行動を開始しようとしていた】

瑞鶴「昨日の疲れが取れない…」ウトウト

プリ「瑞鶴…寝てるときに私のお腹を何回も叩くのやめてよ…」

瑞鶴「だってあんたはそうでもしないと起きないんだもん…」

古鷹「はぁ、今日も無人島で生活かぁ…早く帰りたいよぉ…」

プリ「明日の昼まで続くんだよね、これ…」

古鷹「もう疲れて何日も無人島にいる気分です…」

瑞鶴「ううう…あったかい布団が恋しい…」

プリ「ビスマルク姉さまがいれば、この無人島生活ももう少し楽しいものになったかもしれないのに…」

瑞鶴「ビスマルク…?そんなん連れてきてどうするって言うのよ…」

古鷹「たぶんあの人のことだから、足を引っ張り回して邪魔になるかと思います…」

プリ「えぇ…?」

プリ「うーん、それも確かに…」

【大型艦、寝不足で頭が回らない】

瑞鶴「とりあえずご飯の用意とかしましょ…」

プリ「火は…あっ、消えてる…」

古鷹「またこっからやるんですか…」

瑞鶴「はぁー…今日も悲惨な1日になりそ…」

ゴゴゴゴ…!

プリ「…?」

瑞鶴「んっ?」

古鷹「えっ、地面が揺れて…」

瑞鶴「ま、まさか地震!?」

プリ「ええ!?無人島で!?」ビクッ

【無人島で地震発生?】

ゴゴゴゴゴ!!

プリ「うわぁぁぁ!怖い怖い!!」

古鷹「こ、こういう時って机の下に隠れるんだっけ!?」

プリ「机ないじゃん!どうすんの!」

瑞鶴「2人とも落ち着いて。この地震そんな揺れてないわよ」

瑞鶴「せいぜい震度2か、もしかしたら1くらいの揺れね。別に身を守る必要は無いわ」

ピシッ!ビキビキッ!

プリ「うわぁ!地面にヒビが!地割れ起きてる!!」

古鷹「ちょっと!本当に大丈夫なんですか瑞鶴さん!?」

瑞鶴「へ…ええっ!?」

瑞鶴「なんで!?こんな小さな揺れなのに!?」オロオロ

古鷹「自然の脅威です!既存の概念にとらわれては痛い目に遭うってことですかね!?」

プリ「知らないよそんなの!」

ビキビキッ!ビキビキッ!

瑞鶴「ひぃぃ!地割れがどんどん大きく!」

プリ「こっち近付いてる!逃げた方がいいよ!」

古鷹「あわわわ!走りましょう!」

瑞鶴「あだっ!?」ステーン←逃げようとしたが慌てて転けた

プリ「瑞鶴ー!?何やってんの!?」

古鷹「チキンみたいに地震に怯えて転けちゃったんですかぁ!?」

瑞鶴「何言ってんの!?そんな訳ないじゃない!」

ビキビキッビキビキッ!!

瑞鶴「ぎゃああああ!!そうこうしてたら地割れがすぐそこまで!!」

プリ「うわぁぁ!恐いよぉぉぉ!!」

古鷹「な、なんだか地割れの大きさも大きく…!」

瑞鶴「…って、なんかこの地割れ、だんだん土が盛り上がってない!?」

プリ「え!?あっ、言われれば確かに…!」

古鷹「まるで何か、土から出てきてるみたいに…」

モコモコ ボコッ!!

瑞鶴「!?」

古鷹「ほんとに何か出てきた!?」




提督「土の中からごきげんよう。提督であります」ドーン

瑞鶴「」

プリ「」

古鷹「…え?」

【提督、登場】

古鷹「」

瑞鶴「」

プリ「」

提督「なんだ、リアクションが薄いな。もう少し驚いてもいいんじゃないのか」

瑞鶴「」

プリ「」

古鷹「」

提督「おーい!提督は気配を消して地面に潜っているー!」

プリ「見たらわかりますよ!?」

古鷹「お、驚きすぎて言葉が出ないんですけど…」

瑞鶴「なんで土の中から…」

プリ「どこでいつから潜ってたんですか…」

古鷹「本当に恐かったんですけど…」

瑞鶴「そもそも、どうして提督さんがここに…」

提督「うむ。やはり俺がここにいることがお前たちの中で大きな疑問になっているようだな」

提督「安心しろ。それを今から説明するから心して聞くがいい」

古鷹「土の中の話は無視ですか…」

【事情説明中】

提督「…という訳だ」

瑞鶴「し、仕送り!?」

古鷹「私たちにですか?」

提督「うむ、正直に言ってな…」

提督「お前らの無人島生活を中継で見てたんだけど、酷すぎない?」

プリ「うぐ」

提督「なんなの?生き残る気あるの?見せ場はカメノテしかなかったよな?」

瑞鶴「それは、その…」

古鷹「ていうか私たち、見られてたんですか!?」

提督「カメラ係の憲兵がいるだろう」

瑞鶴「…存在が空気過ぎて忘れてた」

憲兵「オラァ!」プンスカ

提督「ちなみに、お前らの仲間たちの一部にこの中継を見せてみたんだが…」



加賀『火を起こすのにあんなに苦労しているなんて。七面鳥の癖に火を自在に操れないとは何事ですか』

青葉『古鷹さんは少々抜けたとこがありますからねぇ…こないだだって私と会話してるときにちょうちょに夢中になって追いかけてたし…』

長門『全くプリンツの奴は…あれでは可愛いだけのマスコットではないか。はぁ、お前という奴は本当に…』



提督「と、こんな感じで散々な評価だったぞ」

瑞鶴「…これただの悪口じゃないの!?」

プリ「私、マスコットって…」

提督「と、いうわけでだ」

提督「悲惨なお前らのために慈悲の深い艦娘から仕送りを送ってもらったから」

提督「ここから先の無人島生活を頑張ってくれよ」

瑞鶴「はい…」

プリ「ところで、その艦娘って誰なんですか?」

提督「翔鶴とか加古とかお前たちの姉妹艦だよ。プリンツだけは都合の問題でドイツ仲間の仕送りだがな」

瑞鶴「翔鶴姉…仕送りありがとね…」

古鷹「加古か…何を送ってくれたのかなぁ」

【こうして、仕送りを貰うことになったチーム大型艦】

【ちなみにチーム駆逐艦と条件が少し違うのはチーム駆逐艦とのハンデであり、サバイバル能力の技術の差を埋めるためである】

皆さん地震大丈夫ですか。
直前の更新が地震や地割れに関することで本当に申し訳ありません。

更新は1週間ほど様子を見ることにします。もう少しだけ続くのでよろしくお願いします。

皆さん本当に応援ありがとうございます
正直、この1週間はこわくてこのスレを開けませんでした

それではちょこちょこと更新を再開していきます。よろしくお願いします

提督「ほら、まずは瑞鶴。翔鶴からの仕送りと手紙だ」

瑞鶴「ありがと…手紙読んでみていい?」

プリ「私も気になるから読んでー」

瑞鶴「わかったわ、読むわよ」



翔鶴『瑞鶴…あなた本当に苦労してるのね』

翔鶴『だけど中継ビデオを見させてもらったけど…あの姿はちょっとどうかなって思う…』

翔鶴『ここまで瑞鶴の幸運のおかげで生き延びれてるようなものだけど、もし私が瑞鶴と同じような行動をしてたらもう死んじゃってると思うわ』

翔鶴『だから姉として言わせてもらいます、瑞鶴』

翔鶴『貴女は今までの環境に甘えすぎです!』ビシッ



瑞鶴「うぐう、耳が痛い…」ズーン

古鷹「翔鶴さん厳しいですね…」

プリ「しっかりしたお姉さんって感じだぁ…」

プリ「瑞鶴、続きは?」

瑞鶴「待って…これしばらく説教が続いてるの…手紙なのに」パラパラ

古鷹「きっと瑞鶴さんのことが心配でたまらないんです!」

提督「姉妹愛を感じるな」

瑞鶴「えーっと、とりあえず終わりの方だけ読んでみるわね」



翔鶴『私が一番駄目だと思ったのは料理のシーン!』

翔鶴『煮ただけ!煮ただけって何!?こんなの女の子のする料理じゃないわ!』

翔鶴『たとえ無人島だとしても、もう少し工夫というものが必要よ。想像力を働かせなくちゃ』

翔鶴『艦娘だって女の子なんだからそういうとこもしっかりしなさい。この先も頑張ってね、瑞鶴』



瑞鶴「…こんな感じで終わった」

プリ「あれ…翔鶴、今度は姑さんみたいになってる」

瑞鶴「最後に指摘したのがご飯の話って…」

古鷹「いえ、でも確かに食事は無人島で唯一の娯楽ですから…こだわりたいのもわかる気がします」

瑞鶴「ああ…煮たものだけで過ごせるかって言われたらたぶんできないものね」

プリ「なるほど、翔鶴は私たちのそこを鋭く突いたってことなんだ!」

古鷹「意見そのものは的を得ています!」

瑞鶴「…と、なるとこの中身は料理に使えるものみたいね」

プリ「ご飯が豪華になるためのものが入ってたらいいな」

古鷹「しっかりした翔鶴さんならきっと大丈夫でしょう!」

瑞鶴「なんだろ…やっぱり調味料とかかなあ」

古鷹「万能ソースみたいなのが入ってたら嬉しいですね」

プリ「包丁みたいなものでも嬉しいよ!あれがあれば料理の幅も広がるし!」

瑞鶴「そうね。魚が採れるから包丁あればおろすこともできるから…」

古鷹「さっそく箱を開けましょー!」

瑞鶴「それじゃ、よいせっ」パカッ

プリ「中身はなーにかなっ」

瑞鶴「…」ピタッ

古鷹「…え?」



【翔鶴仕送り ほうれん草】



瑞鶴「…?」

プリ「…」

古鷹「…あれぇ?」

瑞鶴「しょ、翔鶴姉…?」

瑞鶴「…なるほどね、栄養を考えろと…」

プリ「た、確かに翔鶴さんらしい仕送りだね…」

古鷹「散々、サバイバルについて指摘しといてこれですけど…」

瑞鶴「…まぁ、その…何て言うか、生死が関わっているのに栄養を考えろって言われてもね…」

プリ「肝心なところが…抜けてるよ…!」

提督「そうか、翔鶴の仕送りはほうれん草だったか」

提督「…正直に言うと、俺もこんなものが入っていたなんて驚いている…」

瑞鶴「提督さんもなんだ…」

提督「これではもしこの状態が本当に漂着したような場合だったとき、どうしようもないだろうに…」

提督「翔鶴なら大丈夫だと思っていたが、まだまだ青さが残っていたようだ。ほうれん草なだけにな」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

プリ「…」

提督「…あー、その…」

提督「…では次は古鷹への仕送りを見てみようか」

古鷹「は、はい」

提督「送り主は加古だ。古鷹よ、開けてみてくれ」

古鷹「了解です!」

皆さんアーケード行きましたか?
このメンバーでアーケード艦隊をつくって遊んでみたいのですが、いかんせんホロ艦が3人もいるのですぐ頓挫しそうですね
一応吹雪さんだけ手にいれました

皆さんアーケード行きましたか?
このメンバーでアーケード艦隊をつくって遊んでみたいのですが、いかんせんホロ艦が3人もいるのですぐ頓挫しそうですね
一応吹雪さんだけ手にいれました

古鷹「じゃ、読みますね」

瑞鶴「頼むわよ加古…何か便利な道具を…」



加古『古鷹ー、大丈夫かー?』

加古『まぁ、がんばれー』



古鷹「…終わり!?短っ!」

プリ「うわぁ、性格出てるなぁ…」

瑞鶴「マイペースすぎるわね…ろくなメッセージもダメ出しも書いてないなんて」

古鷹「これじゃ中身は期待できないかも…」

連投ミスすみません

古鷹「加古のことだから…枕とか入ってそう」

瑞鶴「いや、枕だけじゃないわね。きっと布団もセットよ」

プリ「布団って言っても掛け布団だけじゃないよ、敷き布団もだよ」

古鷹「種類はやっぱり羽毛の高級そうなやつかな」

瑞鶴「いやぁ、加古は流石にそこまではしないでしょ」

プリ「加古って枕と敷き布団と掛け布団のセットは大切にするけど、高級かそうじゃないかは気にしなさそう」

古鷹「だよね、加古だもんね」

瑞鶴「所詮は加古だからねぇ」

プリ「うんうん」

提督「…言っとくけどお前らこれ中継されてるんだぞ。本人にこの会話聞こえてるんだからな」

瑞鶴「おおっと…」

瑞鶴「で、でも睡眠環境が最悪な無人島なら、布団は場合によったら便利…!」

プリ「あったかいし!体を温められるし!」

提督「今更フォローするか」

古鷹「と、とりあえず開けますね」パカッ

プリ「中身はなんだろー?」



【加古仕送り 釣りセット】



プリ「!?!?!?!?」

瑞鶴「ほおおおお!?布団じゃない!!??」

古鷹「げぇ!便利なものが入ってた!なんで!?」

プリ「こ、これは嬉しい誤算ってやつだよ!やったよ!さすが古鷹の姉妹艦だね!」

古鷹「あっ、うん、ありがとうございます!」

瑞鶴「はぁー、加古にもちゃんと昼寝以外のことを考えられるほどの能力はあったのね!」

提督「…お前らが加古のことをどう思っているか、本人によく伝わったと思うぞ」

プリ「それにしてもこの竿、太くて大きい…!」

古鷹「大物にも対応してるみたいですね。釣糸も何種類かありますし」

瑞鶴「やった…これで簡単に魚を手に入れることができるわ!」

古鷹「それに、昨日支給されたモリも使えばさらなる量の魚を入手できるかもしれません!」

プリ「昨日はいろいろあって海に潜れなかったからねー」

瑞鶴「よし決めたわ!今晩は頑張って魚パーティするわよ!」

プリ「おー!」

古鷹「頑張りましょう!」

提督「よしよし。加古は素直にちゃんとしたものを送ってきてくれたようだな」

提督「これでチーム駆逐艦との差も埋まる。この調子でプリンツへの仕送りも期待しよう」

プリ「私の仕送り…レーベとマックスに期待だね!」

瑞鶴「…ねぇ、ところで聞くけど吹雪たちの生活ってそんな凄いの?」

古鷹「あっち側の様子は全然知らないんですけどどうなってるんですか?」

提督「ああ…あれはサバイバルのプロだぜ…たぶん実際に漂着しても生き延びそうくらいだ」

瑞鶴「えええ!?」

提督「主に秋月のおかげでなぁ…それに吹雪と陽炎の頑張り屋な性格も合わさって…それから色々と…」

プリ「あ、秋月が?」

古鷹「秋月さん、無人島なら『お金が無いと何もできない…』とか言いそうなのに?」

瑞鶴「駆逐艦は一体何やってるの…?」

提督「ま、その話はさておき」

提督「最後、プリンツの仕送りだ。まずは例のごとく手紙を読んでくれ」

プリ「はーい。送り主は…」

プリ「ビスマルク姉さま、グラーフ、レーベにマックス、それからU5…じゃなくてろーちゃんからだ」

瑞鶴「ドイツの子全員がプリンツへの仕送りをしてくれるのね」

古鷹「私たちは姉妹艦1人だけだったのに」

提督「まぁ、プリンツの姉妹は艦これ未実装だから、多少はね?」

提督「まぁ勝手にキャラを妄想して送らせてもよかったんだが、そういうことしたら後々に大変なことになるから…」

プリ「ちょっと提督、話がメタくなってるよ…」

古鷹「それ以上はいけません!メタすぎです!」

瑞鶴「提督さん黙りなさい!!」

プリ「それじゃあ、私の手紙いくよー!」

瑞鶴「送り主が複数人ならきっと良いものが入ってるわよ」

古鷹「これは期待できそうです!」



ビス『ハイ、プリンツ!なんだか面白そうなことしてるじゃない!』

Z1『Guten Tag、オイゲン。元気かい?』

Z3『無人島…オイゲンさんもこんな面倒なことに巻き込まれて心中お察しします』

グラ『とは言え、この企画はなかなかいい訓練にはなりそうだけどな。もしお前が生きて帰ってこれた暁には土産話をたっぷり聞かせてもらうとしよう』

呂500『楽しみですって!土産話のおつまみにシュトーレンを用意しておきますっ!』



瑞鶴「ほほー、ドイツ勢の仲の良さがよくわかる手紙ね!」

古鷹「家族みたいな雰囲気があふれでてます!」

プリ「いや~」テレ

瑞鶴「でも肝心なのは中身よ。ビスマルクやろーちゃんがいるから中身がとんでもないものが入ってる可能性は捨てきれないわ」

古鷹「グラーフさんがしっかり仕切ってくれれば大丈夫とは思います」

プリ「やっぱりそこは大切だよねー」



ビス『…で、仕送りの件ね』

ビス『正直、これは私に全て任せてもよかったのだけど…』

ビス『なぜか他のメンバーから止められちゃって…そもそも私は仕送りに参加しなくていいみたいなこととか言われちゃって…』

ビス『酷いと思わない?ほんっとみんな頭が硬いわ!』

ビス『はぁ…私なら仕送りに御守りを入れようと思ってたのに。これがあれば大丈夫と思わない!?残念よ!』

呂500『ついでにろーちゃんのアイデア『おにぎり』もボツにされちゃったの…悲しいですって』



プリ「セーフ!さすがドイツの皆は優秀だね!」

瑞鶴「あっぶな!助かった!!それでいいわよビスマルク!」

古鷹「止めてくれた人がいてよかったです!」

瑞鶴「と、なれば残るはレーベとマックスとグラーフの3人か」

プリ「この3人なら大丈夫!」



グラ『まぁ、そういうことがあってビスマルクとUボートには退場してもらった訳だが』

グラ『無人島にいるお前たち3人に何を送るか?ということをZ1とZ3と共に深く考えてみたぞ』

グラ『ライターやら、ポリタンクやら、色んな案が出たが…』

グラ『最終的に、お前たちに全く足りてない『あれ』を仕送りとして送ることにした』

グラ『絶対に役にたつはずだ。すぐにこれが必要になるだろう』



プリ「…ここで手紙は途切れている」

瑞鶴「私たちに足りてない…?何なのかしら…」

古鷹「技術か、能力か、チームワークか、あるいは…」

瑞鶴「…確かにそれかもね」

プリ「で、でもグラーフたちのセレクトなら絶対に大丈夫だよ!たぶん!」

プリ「じゃあ箱を開けてみるよ…」

瑞鶴「不足している…うーん?」

古鷹「予想がつかないですね」

プリ「ぱかっとなー!」

プリ「…?」

古鷹「中身はなんでした?」

プリ「見て…箱の中にまた箱が入ってるよ?」

瑞鶴「えっ?どういうこと?」

古鷹「あっ、これは…」



【プリンツ仕送り 天然水(1箱)】



プリ「て、天然水!?」

古鷹「普通の水ですね」

瑞鶴「これが私たちに不足しているものなの?」

プリ「グラーフ…これは…?」

瑞鶴「いや、でも待って…!」

瑞鶴「確かに…確かに私、のどすっごい渇いてる…!」

古鷹「そう言えば、昨日からろくに水分補給してませんよね」

プリ「あっ…そう言えば!」

瑞鶴「なるほど、グラーフはそこをしっかり見抜いていたのね…」

古鷹「水は大切ですからね。人間であったとしても、艦であったとしても…」

プリ「とりあえず飲む?」

瑞鶴「そうね…そうしましょう」

古鷹「じゃあ皆さん…あと少しですが生き残れることを祈って」

瑞鶴「乾杯!」

プリ「かんぱーい!」

瑞鶴「ぴゃああうまいいいい!」

プリ「水おいしい!ただの水がこんなにおいしかったなんて!」

古鷹「なんだか感動しちゃいますね!」

提督「流石はドイツだったな。なかなかにストレートな仕送りだが、真水は無人島において非常に重要なアイテムだ」

提督「人は水を3、4日とらないと死ぬと言われている。この無人島生活も2泊3日だったからお前たちは危うく干からびるところだったぞ」

プリ「私たち、他のことで色々必死だったからね…」

古鷹「正直なところ、茹でカメノテで水分補給はできてるかなって思ってました…」

提督「ちなみにチーム駆逐艦の方は既にしっかりと真水を作っていたからな。お前たちも大型艦なんだから、これくらい、しっかりしてほしいものだ」

プリ「えっ、そうなの!?」

瑞鶴「ほんと、向こうがどうなってんのか気になるわ…」

提督「さてさてここで大型艦の贈り物をまとめると…」

瑞鶴→ほうれん草
古鷹→釣りセット
ドイツ→水

提督「ということになったな」

瑞鶴「わ、私のはちょっとそんなに役に立ちそうには無いけど…」

古鷹「釣りセットと水の存在はすごく大きいですね」

プリ「こんだけあったらあと1日くらい楽しくやりすごせそう!」

提督「それじゃあ、これで俺の用事は終わりだから」

提督「残りの時間はここでのんびりと暮らしておいてくれ」

瑞鶴「はいはい」

【こうして、提督は無人島を去った】

【仕送りも全員に届けられ、ここから無人島生活の後半戦が始まる】

【6人の艦娘は無事に生き延びることができるのか!?】

【では、チーム駆逐艦の様子から見てみよう】

【チーム駆逐艦side】

【時間は、提督が仕送りを置いて去ったところまで遡る】



陽炎「砲…って無人島でどうやって使うのよ」

吹雪「バラしたら色々と使えるんじゃないの?」

陽炎「バラすってどうやってバラすの…私たち女の子のパワーじゃ道具でも無けりゃこんなのバラせないわよ…」

吹雪「じゃあ無理矢理に何か石でも叩きつければバラせるんじゃないかな?」

陽炎「それは『バラす』って言うよりも『壊す』って言うのよ!」

秋月「だけどこればかりは私もどう使うか悩みますね…」

陽炎「うぐぐぐ…」

吹雪「まぁ砲は使えないと割りきろう、陽炎」

秋月「今は次のことを考えましょう!」

陽炎「とりあえずはそれが得策よね…」

吹雪「さーて、次は昼ごはんのことだよね。どうする?」

陽炎「どうするも何も食材を探す以外に選択肢はないでしょうが」

秋月「朝のハブみたいに食材が転がっていれば楽に済むんですけどね」

陽炎「っていうか、そもそも今って何時くらいなの?」

秋月「方角がわからないので断定できませんが、太陽の動き的には現在11時くらいかと」

吹雪「11時か…中途半端な時間だね」

陽炎「もう少ししたらお昼の時間…っていう頃よね」

秋月「提督が途中で来て少し長くお話してましたから…それでこんな時間になっちゃったのかと」

吹雪「あー…あの長々とした仕送りのせいか」

陽炎「しかもその話で手に入れたのがこの砲っていうね…」

吹雪「まぁそれは一応、醤油とかも手に入ったから…」

秋月「どうします?今から魚とかとってたら時間がかかっちゃいますし…」

秋月「もう昼ごはんも晩ごはんも一緒にしちゃいますか?」

吹雪「秋月の言う通り、時間の効率を考えたらそっちの方がいいかな」

陽炎「食事回数が1回減るのは残念だけど、無人島なんだから贅沢は言えないよね」

秋月「ではそうしましょう!今日は早めに晩ごはんを食べるとして、食材探しです!」

【チーム駆逐艦、晩御飯に向け行動開始】

陽炎「さーてと、じゃあ海には私が行かせてもらうわね」

吹雪「あっずるい!私も行きたいって言ってたじゃん!」

秋月(あっ、そう言えば朝はこのことで揉めてたんだったっけ)

吹雪「潜水は難しいんだって!陽炎じゃ無理無理!」

陽炎「吹雪だって潜水は昨日初めてやったんでしょ!?だったら私にくらい出来るわよ!」

吹雪「あれは私の主人公パワーのおかげ!私はとても優秀だからね!」

陽炎「私だってラノベで主人公やってたわよ!むしろ主人公としてはアニメ吹雪より主人公してたわよ!」

吹雪「うるさいうるさーい!!アニメのことは話すなーっ!」

秋月「あわわ、喧嘩になっちゃいました…」

陽炎「こうなったらモリ漁をする権利をかけて勝負よ!」

吹雪「挑むところだ!かかってこいっ!」

秋月「ええ!?」

陽炎「私が勝ったら私が海に行くわ!」

陽炎「吹雪が負けたら私が海に行く!この条件でどうよ!」

吹雪「条件に不足はない!この勝負受けてたつっ!」

秋月「その条件、吹雪さんに利が全く無いですよね!?」

吹雪「はっ…!?危ない危ない!」

陽炎「くっ、あと少しで騙せそうだったのに!」

吹雪「ところで陽炎、勝負の内容はどうするの?」

陽炎「それはもちろん…」

陽炎「駆逐艦らしく、激しいバトルで勝負よ!!」

吹雪「は、激しいだって!?」

秋月「もしかして殴りあい!?暴力はいけませんよ!」

陽炎「どうする吹雪?やる!?」

吹雪「問答無用だよ!勝負だ陽炎!」バッ

陽炎「いい覚悟ね吹雪!行くわよっ!」バッ

秋月「あわわわわわ…」

【激しいバトルの内容、それは…】

秋月「…」

陽炎「…」ソローリ

吹雪「…」ソローリ

秋月「………」

【砲倒し(砲を使った棒倒し)である】

秋月「…あの」

陽炎「なに秋月!?いま私は集中してんの!」

秋月「あのぉ…すごく、地味ですね…」

陽炎「いや、だって」

吹雪「せっかくの陽炎への仕送りなんだし、1つくらい見せ場つくってあげなくちゃ」

陽炎「砲は重心がよくわからないから、棒倒しで使うと結構ハラハラした戦いになるわ」

秋月「…そういう問題なんですか?」

【激しい砲倒しの戦いの結果】

【勝者は…】

陽炎「…!」バーン←ウェットスーツ装備

吹雪「負けた!くやしい!」

秋月「陽炎さんが海に行くことになりましたね」

陽炎「やったわ!これで無人島生活をより楽しめるわ!」

陽炎「見てなさいよ吹雪!ウツボを超えるような凄い大物を採って帰ってみせるんだからね!」

吹雪「とりあえず期待はしているよ、陽炎」

吹雪「はぁー、私もまた海に潜りたかった…帰ったら趣味でダイビング始めてみようかな…」

陽炎「今日くらい我慢しなさい!」

秋月「とりあえず吹雪さんは、今日は私と一緒に行動しましょう!」

吹雪「えっ?秋月、何かやらなくちゃいけないことがあるの?」

秋月「それはもちろん食材探しですよ!」

秋月「無人島の内部へ入ってみるんです!何か食べられるものがあるかもしれません!」

吹雪「ええっ!?島の内部に!?」

【秋月に連れられ山へ入る吹雪】

秋月「このあたり…かな」キョロキョロ

吹雪「ねー秋月、食べ物ってまさか…」

秋月「はい!もちろん山菜のことです!」

秋月「今日が無人島で過ごす最後の夜なので、晩餐は豪華にしたいですから…」

秋月「食材を増やして豪勢にしようっていう魂胆から、山に入りました!」

吹雪「やっぱりそうだったのかぁ…」

秋月「たくさん採れるといいですね!」

吹雪「…あのさぁ、私、その辺に生えてるような草を食べるのちょっと恐いんだけど…」

秋月「それは大丈夫ですよ!場所が違うだけで、畑にあるような野菜とほとんど変わりありませんから!」

秋月「秋月にお任せください!私がいればぜったい大丈夫です!」

吹雪「じゃあ、秋月がそう言うなら…」

秋月「山菜狩りをする際には、専門的な知識も無くむやみに食べたり、あるいは過剰な量を採らないようにしてください」

秋月「できるだけ専門家を連れていくようにしましょうね!」

吹雪「わかったー」

吹雪「…って、山菜の専門家って秋月のことなの?」

秋月「知識には自信ありますよ!たぶん姉妹の中でもナンバーワンです!」

吹雪「あの秋月が珍しく自信満々だ…」

秋月「ではさっそく山菜を見つけていきましょう!」

秋月「晩ごはんに向けて、頑張ります!」

吹雪「私もお荷物にならないよう、がんばるよ」

秋月「♪~」ゴソゴソ

吹雪「秋月、見つかった?」

秋月「いや、流石にそんなすぐには見つかりません」

吹雪「だけどこうやって生えてる草って、覚悟を決めてその気になれば全部食べられそうな気もするけどなぁ」

秋月「毒が無ければ、ですけどね」

吹雪「…否定はしないんだ」

秋月「味さえ我慢すれば嘘では無いですから」

吹雪「ところで、今は冬だけど山菜って見つかるの?」

秋月「それは大丈夫です。ここは南の島なので、山菜の旬の季節がかなり早くなってるんです!」

秋月「おそらく山菜としてメジャーな、ぜんまいやわらびくらいも結構生えてるのではないでしょうか」

吹雪「ほうほう、それは期待できそう!」

秋月「…と、そうこう話をしてるうちに山菜を見つけました!」

吹雪「おおう!?さすが秋月!」

秋月「見てください、これが…」

秋月「タラの芽です!」テテーン

吹雪「えっ?鱈?」

【タラの芽を発見】

吹雪「へー…?た、鱈…?」

秋月「いきなりこんな大物を見つけることができるなんて…私たちは運がいいのかもしれませんね」

秋月「タラの芽は天ぷらにするととても美味しいのですが、今回は調味料がないので茹でて食べることになるでしょう!」

吹雪「そ、そうなの…」

吹雪(そうか…秋月はあまりにも貧乏すぎるからこういった知識が無くて、鱈は植物から産まれると思ってるんだ)

吹雪(可哀想に…鱈はたらこから産まれるということを知らないんだね…)

秋月「?」

【盛大な勘違いをしている吹雪】

秋月「とりあえずタラの芽を手に入れましたが、やっぱりこれだけじゃ足りませんよね」

秋月「もっともっと捜索しましょう!吹雪さんも勘でいいので、食べられそうなものがあったら持ってきてください!」

吹雪「うん、わかった」

秋月「えーと、これは美味しい草、これは美味しくない草…」ゴソゴソ

吹雪「秋月みたいにはいかないと思うけど、ここは主人公として有能っぷりを見せつけなくちゃ」

吹雪「でもまぁ適当に採っとけばどれか1つくらいは食べられるものが当たるでしょ…えーっと」キョロキョロ

吹雪「…例えばこの紫色の花とか。パッと見は美味しそうだし」

吹雪「花って食用になることが多いっていうし、駄目でも蜜としていけるよね!」

吹雪「おっと、こんなところにキノコも生えてた。これは食べられるのかな?」

吹雪「私知ってるよ。毒キノコは派手な見た目をしてるのが特徴なんだから!」

吹雪「だからこれは食べられるキノコー」ガサゴソ

吹雪「おっと、こっちには白い花が」

吹雪「どっかでこんな感じの白い花を食べてる地域があるって聞いたことあるし、これも大丈夫…」

吹雪「あれ、私って意外と山菜狩りの才能あるのかも?」

吹雪「あとは、これとか、それとか…採っとけば…」ブチッブチッ

【目についた植物を片っ端から採集する吹雪】

【数十分後】

秋月「吹雪さん、調子はどうですか?」

吹雪「バッチリだよ!下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるって言うし!」

秋月「そ、それは調子バッチリと言わないのでは」

吹雪「まあまあ。細かいことはいいの」

秋月「とりあえず採ったもの見せてくれます?」

吹雪「うん、わかったよ」スッ

秋月「…あっ」

【吹雪が採ったもの…トリカブト、ツキヨタケ、ドクセリ、その他】

秋月「…」

吹雪「…」ドヤ

秋月「…凄いですね」

吹雪「それほどでも!」

秋月「本当にそれ程ですよ!?どうしてこんなに毒草をピンポイントで採って来たんですか!!」

吹雪「えっ!?これ全部毒なの!?」

吹雪「マジかぁ…」ズーン

秋月「ち、知識も無いんですから仕方ないですよ」

吹雪「…このキノコとか、色が派手じゃないから食べられそうなんだけど」

秋月「それは迷信です!」

秋月「ツキヨタケは茶色で小さくとても地味ですが、非常に強い毒を持っていて食べると最悪の場合死に至ることがあるんです」

秋月「嘔吐や下痢、幻覚に悩まされながらも身体は一向に衰弱してゆく…そんな恐ろしいことになっちゃいますよ!」

吹雪「うわぁ!怖い怖い!」

秋月「そもそもなぜツキヨタケが危険なのかというと、見てわかる通りこれはシイタケに非常にそっくりなんです」

秋月「シイタケを採ろうとしてツキヨタケを採り、そのまま食べて中毒になった…って事故は非常に多いんです!吹雪さんも気を付けてください」

吹雪「ひゃあ、さすが専門家…」

秋月「ちなみにこれ、昔に照月が間違って食べたことがあったんですけど、その時はもう駄目かと思いました…」

吹雪「ええ!?大丈夫だったの!?」

秋月「なんとかですけどね。喉に指を突っ込んだり、お腹を強く押し付けたりしてツキヨタケを吐かせるなど、あらゆる治療をしたんですが…」

秋月「それでも症状は重く、飲んだ水もすぐ吐いてたので、あの時は照月が死んじゃうのかと思ってとても怖かったです…」

吹雪「こ、こわ…」

秋月「かろうじて自然回復でちゃんと治ったんで良かったんですけどね。思えば私たちが艦娘になれたのは、身体が丈夫だったからなのかもしれません!」

吹雪「あ、そう…」

秋月「…吹雪さんも食べて身体の丈夫さを試してみます?」

吹雪「なんでよ!?」ガビーン

吹雪「そっか…秋月型が全員洗練されたボディなのは、貧乏のせいで身体が肉体的にも精神的にも鍛え上げられたからなんだ…」

秋月「何を言ってるんですか…」

吹雪「だいたいそんな危険なキノコなら、簡単に見分ける方法とかあったらいいのに」

秋月「あっ、それはツキヨタケに関してならありますよ!」

吹雪「あるんだ!?」

秋月「このツキヨタケ…手で影をつくるなどして、ちょっと暗いとこで見てください」

吹雪「え?どれどれ」

吹雪「…おお!光ってる!光ってる!?」

【暗闇で発光する特徴を持つツキヨタケ】

秋月「私の知る限り、これはツキヨタケのみが持つ大きな特徴です!」

秋月「もしシイタケかツキヨタケかで悩んだら…この方法で見分けるのも一手ですよ!」

吹雪「ほうほう…自然の神秘ってやつだね」

秋月「どうして光るのまでは私も知りませんけど…これでツキヨタケであることは一目瞭然です!」

吹雪「へぇー」←まだツキヨタケを光らせてる

吹雪「…このキノコ、なんか面白いから持って帰るわ」ゴソゴソ

秋月「え!?持ち帰るんですか!?」

吹雪「食べなきゃいいんでしょ!へーきへーき!」

秋月「まぁ、そうですけど…」

吹雪「ポケットに入れとこう。陽炎に見せびらかそ」

吹雪「ところで山菜集めはどうなったの?秋月の方はどれくらい集めたの?」

秋月「私はですね、さっき採ったタラの芽に…」

秋月「わらび、タニワタリ、つわぶきが採れました!」

吹雪「うわぁ、沢山とれたんだね!」

秋月「運が良かったからですよ。とりあえず3人で食べる分には十分だと思います!」

【吹雪&秋月、大収穫】

吹雪「じゃあもう帰ろ。家で何かして遊びながら陽炎の帰りを待とうよ」

秋月「それも良いですが…」

秋月「ちょっとだけ無人島の探検してみません?」

吹雪「へっ?」

【無人島の散策を提案する秋月】

吹雪「なんで?めんどくさい!」

秋月「どうせ暇だからいいじゃないですか!」

吹雪「いやいや、変に体力を消耗させるよりゆっくりしてた方が…」

秋月「もったいないじゃないですか!せっかく無人島に来たんですよ!?」

秋月「家にいるよりもこっちの方が楽しいですって!さぁ、行きましょうっ!」ダッ

吹雪「うおっ!?腕引っ張らないで!行くから行くから!」

【半ば無理矢理に吹雪と山で遊ぼうと誘う秋月】

【こうして2人はもうしばらく山に滞在することになるのだが…】

【この後、ちょっとした事件に巻き込まれることになる】

【場所は変わり、チーム大型艦】

【彼女たちは、手に入れた釣竿やモリを使って晩食を手に入れようと、作戦をたてていた】



瑞鶴「よしよし!私たちはこの上ない武器を手にいれたわ!」

プリ「これがあれば昨日の晩ごはんと比べて今日の晩ごはんは豪華になるはずだよね!」

古鷹「釣りは簡単に魚を捕らえられる方法として昔からメジャーですから、これは大きなアドバンテージだと思います」

瑞鶴「よーし、今晩こそはまともなものを食べられるよう、頑張るわよー!」

プリ「頑張ろー!」

瑞鶴「まずはチーム分けが必要よね。釣りチームとモリ漁チームみたいに」

プリ「3人だけど、どうやって人数分けする?」

古鷹「モリ漁は1人、釣りは2人でいいんじゃないですか?」

瑞鶴「そうねー。モリ漁は別に手助けとかいらなさそうだから1人で十分だし…」

プリ「釣りは道具とかごちゃごちゃしてわかりにくいから2人の方がいいかもね!」

瑞鶴「ならじゃんけんでチームを決めるわよ!グーとパーでチーム分けをするわ!」

プリ「わかった!やるよ!」

古鷹「え?じゃんけんのチーム分けと言えばグーとチョキじゃないんですか?」

瑞鶴「そんな細かいことはいいの!今回はグーとパーでのチーム分けを行うわ!」

プリ「それじゃ、いっくよ!」

瑞鶴「グーとパーに…分かれましょっ!」バッ

古鷹「しょ!」バッ

【チーム分けの結果は…】

プリ「それじゃ、行ってくるね」←ウェットスーツ装備

瑞鶴「気を付けて行くのよー」

古鷹「怪我や事故をしないよう、頑張ってください!」

【プリンツがモリ漁に、瑞鶴と古鷹が釣りをすることとなった】

【彼女は豪華な晩御飯を目指して、それぞれ行動を開始する】

瑞鶴「と、言うわけで釣りを始めるわよ」

古鷹「まずはポイント探しからですね」

瑞鶴「私知ってる。魚って岩場とかそういったとこにいるんでしょ?」

瑞鶴「だから岩っぽい場所を探して釣糸を垂らしておけば、自然と魚が釣れるに違いないわ!」

古鷹「この島は岩場が多いですから、魚はたくさん採れるかもしれませんね!」

瑞鶴「じゃあまずはその岩場をさがすわよ!」

瑞鶴「古鷹!ついていらっしゃい!」

古鷹「了解です!」

【瑞鶴&古鷹、釣りポイントを探索】

【数分後】

瑞鶴「ふむふむ…」キョロキョロ

瑞鶴「この辺でいいかな?」

古鷹「たぶん大丈夫でしょう!」

【無事に釣りポイントを発見した瑞鶴&古鷹】

瑞鶴「ふぅ…とりあえず腰をおろそう」

古鷹「結構簡単に見つかって良かったですね」

古鷹「それにこの場所、なかなかに荒い岩場で少し危険な感じがしますから、魚はたくさん釣れそうです!」

瑞鶴「ラッキーよね。こんな場所は、いかにも釣りスポットって雰囲気が溢れでているわ!」

古鷹「さらに、あそこにある、海に浮いてる岩も魚の居どころになってて釣りポイント感がありますし…」

古鷹「今日はなんだかいいことありそうですね!」

瑞鶴「その幸運にあやかって大量を狙うわよ!」

瑞鶴「とにかくさっそく釣りを始めるとするわ!」

瑞鶴「竿に糸とかセットして!餌をつけて魚を釣るわよ!」

古鷹「了解です!」

【釣りの準備を進める釣りチーム】

古鷹「これを、こうして」ゴソゴソ

古鷹「…できた!」ゴソゴソ

古鷹「瑞鶴さーん、竿に糸をセットできましたー!」

瑞鶴「オッケー、ありがとう!」

古鷹「そちらは餌に針を刺せましたかー?こっちはいつでもいけますよー!」

瑞鶴「あー、ごめん…それちょっと待って…」

古鷹「ん?何か問題でもありましたか?」

瑞鶴「ええと…それがね…」

古鷹「?」

瑞鶴「ごめん…なかなか勇気でなくて…」

古鷹「あっ…これは…」

瑞鶴「餌、これなのよね…」

【釣り餌 虫(生きてる)】

古鷹「いわゆるワームってやつですね…餌の選択が何とも加古らしい…」

瑞鶴「こいつらヌタヌタ動いて気持ち悪い…触りたくもないし…」

古鷹「これくらい我慢してください!釣り人はみんなこれを乗り越えて釣りをしてるんですよ!」

古鷹「釣りをする者ならば、こんなもの触りまくれて当然です!」

瑞鶴「それ本当なの!?虫の代わりにルアーとか使わないの!?」

古鷹「言い訳は後です!瑞鶴さんも我慢してこのミミズみたいな虫を釣り針に刺してください」

瑞鶴「えぇ~…」

瑞鶴「…うげ」←虫に触った

瑞鶴「オゾゾゾゾゾ」←虫が瑞鶴の手に絡み付いてる

古鷹「瑞鶴さん、七面鳥のような鳥肌が出てますよ」

瑞鶴「う、うるさいわよ!古鷹!」

瑞鶴「…でも、なんとか刺せた…」

古鷹「瑞鶴さんよく頑張りました!」

【生き餌の腹を釣り針が貫いている】

瑞鶴「よーし、これで何とか準備は全て完了したわ」

古鷹「では、これを海に放り投げて…」

瑞鶴「釣りの開始ね!大物が釣れることを祈るわよ!」

瑞鶴「それっ!」シャッ

古鷹「期待ですね!」

【釣竿を振り、針を遠くに落とす瑞鶴】

瑞鶴「この状態で…待っていれば」

古鷹「きっとすぐ釣れるでしょう!」

瑞鶴「それまでのんびり待ちましょう」

古鷹「はーい」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…なかなか釣れないもんですねぇ…」

瑞鶴「…そうねー」

瑞鶴「だけどそんなすぐには釣れるわけないでしょ。まだまだ待つわよ」

古鷹「そ、そうですよね」

瑞鶴「釣りは我慢なり、ってどこぞの漫画で大王様も言ってたし。粘りましょ」

古鷹「了解です!」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

瑞鶴「…」

古鷹「…」

【待ち続ける瑞鶴&古鷹】

【数十分後】

古鷹「瑞鶴さん!見てください!」

古鷹「石を積み重ねてできた塔!石10個目いきましたよ!」

瑞鶴「うおおお!すごっ!!古鷹、こういうとこは凄いのね!?」

古鷹「いやぁ、それほどでもないですよ!」

瑞鶴「私なんて4個か5個が限界なのに…あっ、また倒れた」バラバラ

古鷹「重心を見極めることが大切ですね!こればかりは経験ですよ!」

瑞鶴「なんか悔しいわね…ええい、私ももう1回積むわよ!」

【釣れなさのあまりとうとう遊びだした瑞鶴&古鷹】

瑞鶴「しっかし全然釣れないわね…」

古鷹「餌、もう取られてるんじゃないですか?」

瑞鶴「え、マジ?」ザバッ

瑞鶴「うわ、本当。食われてる」

古鷹「あらら…駄目でしたね」

瑞鶴「うげぇ、またこんな変なミミズみたいな虫を針につけなくちゃいけないのか…」

古鷹「釣りは、なかなか苦しい戦いです…」

【瑞鶴&古鷹、悪戦苦闘】

【釣りは楽勝と思ってたのだが…】

【なかなかの苦戦を強いられてしまっている】

古鷹「リベンジです!なんどでも挑戦しましょう!」

瑞鶴「なら今度は古鷹が餌つけてよ!私はもうこれ触るの嫌!」

古鷹「実は私もできればこんなものは触りたくないのですが…」

瑞鶴「何よ!さっき偉そうに言ってた癖に!」

【このままでは釣り戦果が0になってしまう危機に】

【しかしそこに、救世主の如く、あの2人が現れるのであった】

??「こっちです!何かあるかもしれません!」

??「ま、まって…私もう疲れたよ…」

瑞鶴「…ん?」

古鷹「何か、声が…?」

??「…?」

??「あれ…あそこにいるのって…」

瑞鶴「…うお!?あんたたち!?」

古鷹「あれっ!あの2人は…」

秋月「瑞鶴さん!古鷹さん!」

瑞鶴「吹雪!?秋月!?」ビクッ

吹雪「あれ?瑞鶴さんに古鷹さん、こんなとこで何してんの?」

古鷹「吹雪ちゃん!こんにちは!」

【小事件 吹雪&秋月、瑞鶴&古鷹に遭遇】

瑞鶴「あんたたち…こんなとこで何してんの…」

吹雪「いやだからそれこっちのセリフ…」

秋月「私たち、散歩してたら2人を見つけたんです!」

瑞鶴「2人は暇なの?」

吹雪「いや、別にそういう訳じゃないけど…」

秋月「瑞鶴さんたちは何をしてるんですか?」

古鷹「私たちは今、釣りをしてるんです」

吹雪「えっ釣り!?どうして!どうやったの!?」

瑞鶴「仕送りで道具を貰ったのよ。加古からの仕送り」

古鷹「加古のことだから」

吹雪「かーっ!ずるいよ!うらやましい!」

秋月「そちらの仕送りはなかなか素晴らしいものが入ってたんですね!」

瑞鶴「え?じゃあそっちの仕送りは何だったのよ」

吹雪「…それは…砲だけど」

瑞鶴「ほ、砲!?」

古鷹「なんで!?」

秋月「ところで、釣りの調子はいかがですか?」

古鷹「それがさっぱりで…」

瑞鶴「ま、まぁまだ始めたばっかだから…」

吹雪「どうなの?正直に言って釣れそう?」

瑞鶴「…微妙ね」

秋月「ふーむ…」

秋月「ちょっと釣り竿見せてください」ヒョイ

古鷹「あっ、秋月ちゃん」

秋月「ふむ…餌はイソメ…これ難易度高いですよ」

秋月「しかも針がイソメのお腹に刺さっちゃってるじゃないですか…これじゃいつまで経っても釣れないはずです…」

瑞鶴「な、なんですって!?」

古鷹「え!?どういうこと!?」

吹雪「秋月、釣り詳しいの?」

秋月「いえ、そこまでじゃないです…釣りセットは買うと高いので、ご近所さんからのお下がりを貰ってやってましたから…」

吹雪「…そうなんだ」

瑞鶴「それより秋月、解説を…」

秋月「あのですね、こういった餌に対して針は頭に刺すのが基本なんです」ブスッ

古鷹「!?」

瑞鶴「虫に気持ち悪がることもなく頭を刺した!?」

秋月「生き餌は生きてるとは言っても、待つだけで魚がかかるようなものではありません。基本的な釣りの方法はルアーとあまり変わりないですから…」

秋月「餌を元気に動いてるように見せかける必要があるんです」

古鷹「そ、そうなんですか!?」

秋月「つまり餌の頭に針を刺したのは、動きの操作をしやすくするためですね」

秋月「腰に針を刺しちゃうと、腰から動く不気味な生き物になってしまいますから。魚も怪しんで警戒します!」

秋月「だからこういったところから気を使って、釣りを行いましょう!」

吹雪「さすが秋月だ!詳しいね!」

瑞鶴「あれ…秋月ってこんなに生き生きとして知識を解説するような娘だったっけ…?」

古鷹「ど、どうでしたっけ…??」

秋月「この状態で、糸を海に投げ入れてみてください」

瑞鶴「よ、よし。わかったわ」シュッ

秋月「リールは少しずつ巻いて…速く巻きすぎないように、虫の動きをイメージして…」

瑞鶴「こ、こう?」グルグル

吹雪「頑張れ、瑞鶴さーん」

古鷹「秋月ちゃんが瑞鶴さんを指導しているなんて、なんだか面白いですね」

瑞鶴「うぐ…」

秋月「イソメは活きのいい虫なので、針に刺さってもある程度は水中でも暴れてくれます」

秋月「あとはそのイソメの動きと、瑞鶴さんの糸捌きで魚がかかってくれるのを待てば…」

クイッ

瑞鶴「おお!?糸が!」

古鷹「こんなに早く!?すごい!」

秋月「何か当たったみたいですね。釣り上げてみましょう!」

瑞鶴「何が釣れたの!?何でもいいけど嬉しい!」グルグル

吹雪「空きカン来い!空きカン!!」

古鷹「吹雪ちゃん…」

秋月「何もともあれ、初めてのヒットおめでとうございます!」

瑞鶴「頼むわよー!せめて食べられる魚が来てよー!!」

吹雪「あっ!魚影が見えてきた!」

古鷹「まぁまぁの大きさですね…25cmくらい?」

瑞鶴「よーし!ラストスパートね!いっくわよー!」グルグルグルグル

瑞鶴「よいしょー!」ザバーッ

瑞鶴「釣れた魚は…」

吹雪「…んっ!?」

【カサゴ Get!】

瑞鶴「…うわぁ!何コイツ!きもっ!」

吹雪「ぶ、不気味!すっげぇキモい生き物だね!」

秋月「何を言ってるんですか!これカサゴですよ!良かったじゃないですか!」

秋月「美味しいんですよ!釣りでは超当たりの部類なんですよ!」

古鷹「そうですよ。喜びましょうよ瑞鶴さん」

瑞鶴「そ、そうなの!?」

吹雪「こんなのが!?」

秋月「はい。基本的には煮付けにして食べるのが一般的だそうですが…」

秋月「丸焼きにしても美味しく、色んな調理法があるんです。人気の魚ですね!」

瑞鶴「へ、へぇ…これがねぇ…」

吹雪「こんな毒々しい魚なのに…」

秋月「確かに吹雪さんの言うとおり、カサゴはちょっと危険な魚でもあるんですよ。この背ビレのトゲ、刺さると痛いです!」ツンツン

吹雪「わお、痛そう!」

古鷹「調理の時は注意しなくちゃいけませんね…」

瑞鶴「ていうか思ったんだけど、釣りって意外と大変なのね…糸の動きとかそういったものにも注意を払わないといけないなんて思いもしなかったわ…」

吹雪「それ私も思った。釣りなんて糸を垂らしてるだけでできると思ってたのに…」

古鷹「奥が深いですよね」

秋月「いや、一応ですけどそうあった釣りもあることにはあるんですが…」

瑞鶴「え?」

吹雪「そうなんだ?」

秋月「ちょっと加古さんの釣りセット見せてください。もしかしたら入ってるかも…」スッ

吹雪「あっ、秋月…」

秋月「…チューブ餌、カゴ、専用糸…って」ゴソゴソ

秋月「あるじゃないですか!サビキ!」

古鷹「サビキ!?」

瑞鶴「な、何それ?」

秋月「とにかく糸にこれを付け替えて釣りをしてみてください」

秋月「ルアー釣りや生き餌釣りとは違って、簡単に魚が釣れます!」

瑞鶴「ほ、ほんとに?」

吹雪「ねぇ、この糸って針がたくさんついてるし、変なビニールみたいなものもたくさん付いてるけど大丈夫なの?」

秋月「大丈夫です!やってみればわかります」

秋月「きっとこの手軽さに瑞鶴さんも古鷹さんも感動しちゃいますよ!」

古鷹「そうかなぁ?」

古鷹「このサビキっての、付けましたよ」

瑞鶴「これだけでいいの?」

吹雪「ていうかこのカゴみたいなやつ、何?」

秋月「それがサビキの秘訣です。そのカゴにチューブの餌をつめて糸を垂らしてください」

吹雪「???」

瑞鶴「餌はこのイソメって虫じゃ駄目なの?」

秋月「駄目ってわけじゃないですが…こちらの方がより確実かと…」

古鷹「秋月ちゃんがそう言ってるんですし、まずは言うとおりにやってみましょうよ」

瑞鶴「はいはい、やってみるわ」シュッ

瑞鶴「針に餌ついてないのに…大丈夫なの…?」

吹雪「ねー秋月。あのカゴ何なのか教えてよー」

古鷹「私も知りたいです!」

秋月「カゴに餌をつめたのは、魚を誘き寄せることを目的としてるんです」

秋月「カゴにつめた餌は海の中に入るとばらまかれて、魚は餌の匂いにつられて集まっちゃうんです」

秋月「そしてその餌を食べてるとき、魚は針についてたビニールを見つけちゃいますよね」

秋月「実はそのビニール、魚からすると匂いもあって虫か何かの類いにしか見えないんです!」

吹雪「そ、そうなの!」

古鷹「じゃあ、つまり魚はそのビニールに食いついて…」

瑞鶴「んほぉぉぉぉぉぉぉ!いっぱい釣れりゅのぉぉぉぉぉ!!」ザバーッ

秋月「こうなりますね!」

吹雪「す、すごい!簡単だ!」

古鷹「瑞鶴さん…」

瑞鶴「すごい…針全部に魚がついてる…」

吹雪「大漁…!なんてことだ…!」

秋月「これは稀有な例ですけどね」

秋月「サビキ釣りは最も簡単な釣りの方法として、世間でよく知られています」

秋月「手軽に釣れるので、釣りを楽しみたいって人には是非おすすめです!」

古鷹「なるほどー」

秋月「もちろん、もっと高度な釣りを楽しみたい!って人はルアーとか使って色々ためしてみましょう。難易度が高くて楽しいらしいですよ」

秋月「この辺は私もよくわからないので、詳しい話は曙さんに聞いてくださいね」

吹雪「あ、曙…」

瑞鶴「そっか、あの娘も釣り勢だったわね…」

古鷹「あの時の曙ちゃんの秋刀魚漁は見事でした…」

秋月「そうそう、魚を釣り過ぎた時はちゃんと逃がしましょう」

古鷹「魚、たくさん釣れたけど食べきれるかなぁ?」

瑞鶴「えーなんで!?せっかく釣れたのに!」

秋月「魚だって生き物です!私たちと同じように生きているんですよ!」

秋月「命は過剰に奪わないようにするのが釣り人のマナーです」

秋月「と、曙さんが言ってました!」

瑞鶴「曙の言うことなら仕方ないわね…」

吹雪「曙は一人前の釣り人だからね」

古鷹「海にリリースです!」ボチャーン

【…と、こんな感じで釣りは順調に行われていた】

【一方、モリ漁に励んでいる陽炎とプリンツは…】

【海】

【どこかの場所】

陽炎「…」

陽炎「…!」バタバタ

陽炎「………」プカプカ

陽炎「…」

陽炎「…くっ」

陽炎「潜れないわね…」

【陽炎は、昨日の吹雪と同じような事態に陥っていた】

陽炎「うう…潜水がこんなに難しかったなんて…」

陽炎「吹雪が言ってたのはあながち間違いじゃなかったのね。甘く見すぎていたわ…」

陽炎「だけど漁に行ってしまった以上、潜れなかったら吹雪に笑われる…!何とかしなくちゃ…!」

陽炎「…高いとこから海に落ちて、その勢いで潜れないかな…」

陽炎「…」ヨジヨジ

陽炎「!」バッ

ドボーン!

陽炎「…くぅ…っ!」プカー

【試行錯誤をするがやはり潜れない陽炎】

【その内容も、昨日の吹雪と全く同じものである】

陽炎「くっそぉー!ここで諦めたら陽炎型1番艦の名折れよ!」

陽炎「頑張るのよっ!頑張るのよ私!」バシャバシャ

陽炎「意地でも潜るのよ!何としてでも海にゴボゴボゴボゴボ!!」ブクブク

【必死に水を掻いて水中へ進む陽炎】

【その動きに優雅さは感じないが、とりあえず気合いのおかげか潜ること自体には成功している】

陽炎(しんどい!潜るの辛い!)バタバタ

陽炎(でも吹雪ってこんな状態でウツボを採ってたのね…!この辺りは流石は主人公としか言いようがないわ!)

陽炎(だけど私だって吹雪に負ける訳にはいかないの!もう完結しちゃったけど、私だってラノベの主人公だったのよ!)

陽炎(なんとか魚を捕らえて、私の実力を見せてやるんだからぁ!)

陽炎(この状態で泳ぐわよ…)

陽炎「…!」ジタバタブクブク

陽炎(…おっ)

陽炎(小魚の群れがいるわね)

【陽炎、前方に小魚の集団を発見】

陽炎(よーし、さっそく突いてみるわよ。初陣ね)

陽炎(モリを構えて、接近を…)ジタバタ

陽炎(せ、接近を…!)ジタバタジタバタ

小魚「…」ススッ←一定の距離を保ちながら逃げてる

陽炎「…!」ジタバタ

陽炎(追えない…!)

陽炎(ああ…!逃げられた…!)

【陽炎、泳ぎが遅いせいで苦戦】

陽炎(ああんもうっ!魚に煽られてるような気がする!悔しいっ!)

陽炎(ってか、息が全然続かない!浮上しないと!)バタバタ

陽炎「ぷはぁ!」

陽炎「はーっ…はーっ…はぁ…」

陽炎「うぅ…なんなのよぉ、もうっ…」

【当然、動きが遅いのも息が続かないのも陽炎の泳ぎ方が悪いせいである】

【昨日の吹雪は練習することでこの問題を解決しようとしていたが】

陽炎「次こそは…はぁ…はぁ…すー…はー…」

陽炎「息を整えて…」

陽炎「もう一回!いくわよ!」ザブン

陽炎「うおぉーっ!!」バタバタ

【陽炎の方は、早く結果を出そうと、泳ぎ方を変えようとはしなかった】

【ちなみに、陽炎と同じくモリ漁へ向かっていたプリンツは…】

プリ「…」ザブン

プリ「♪」スイーッ

プリ「…ぷはっ!」ザバーッ

プリ「ふー、練習はこんなものでいいかな?」

プリ「潜るとき…胸のこれがちょっと邪魔すぎるけど…」ムニムニ

プリ「浮くときはこれのおかげで楽に浮けるし…モリ漁は大丈夫みたい!」

プリ「晩ごはんのため、がんばるよー!」

【速攻で潜水をマスターしていたのだった】

【それとは対照的に酷い潜りを魅せる陽炎】

陽炎「ぐおおおおおお!ぬぁあああああああ!!」←必死

【見てわかる通り、このような犬掻きのような潜水は体力の消耗が激しくあまりやらない方がいいのだが…】

陽炎(行くわよぉぉぉぉ!!魚ぁぁぁぁぁぁ!!)←気合い入れてる

【陽炎は持ち前の駆逐艦魂と、気合いでこれを乗り切ろうとしていた】

陽炎(モリを…構えて…!)

陽炎(今度こそ!いざっ突撃よー!!)ジタバタ

魚「…」ススッ←逃げてる

陽炎(待ってえええええ!!!)

【だが失敗】

陽炎(駄目だ…無理ね!)

陽炎(このままじゃどうしようもない…魚が速くて追えないっ!)

陽炎(吹雪ってどうやってウツボとかいう大物をとったのかしら…やっぱり素早く泳いで追ったのかしら…)

陽炎(だったら私もそうするしかないの!?なんとか魚に追いつけって言うの!?)

陽炎(くっ…どうしよう…)

【もちろん、泳いでいる魚に直接モリを突いて魚を獲るのは非常に困難であり、普通の人ならば不可能に近い】

【基本的には岩に隠れているような、逃げ場のなくなった魚を突けばモリ漁の成功率は高いのだ】

【吹雪のウツボも岩に潜んでいたため、捕獲に成功したのだが…】

陽炎「…!」ジタバタ

陽炎(また逃げられたぁ…)

【陽炎はなかなかそれに気づかない】

【これに気がつけば、陽炎の下手な潜水でも上手くカバーすることができるはずである】

【果たして、晩食の時間までに、陽炎はこれに気づくことができるのか!?】

【一方、再び吹雪や瑞鶴たちの様子は】

吹雪「ねぇねぇ瑞鶴さん、私たちにも釣竿かしてよー」

瑞鶴「えぇー?」

吹雪「私だって釣りやってみたいよー!暇なんだよー!ねぇねぇおねがーい!」

瑞鶴「ううん…仕方ないわねぇ…」

古鷹「チーム戦とは言え、生き残るための協力は必要ですもんね。どうぞご自由にお使いください!」

吹雪「やった!ありがとう!」

吹雪「よし!私は主人公として、曙に負けないようにルアー釣りに挑戦するよ!」

秋月「頑張ってください、吹雪さん!」

【和気あいあいとしていた】

プリ「♪~」スイーッ

プリ「魚はどこかなー?」

プリ「…あれ?あそこにいるのは!」

プリ「おーい!みんなー!やっほー!!」

瑞鶴「…?」

秋月「どこから、声が…?」

古鷹「ああ!あそこ!海にプリンツさんがいます!」

吹雪「んぇ?…はっ!本当だ!」

プリ「やっほー!!わーい!!」

【プリンツ、吹雪たちとも合流】

プリ「吹雪と秋月もいるー!」スイッ

吹雪「うおぉ、プリンツさん泳ぎ上手いね…」

秋月「こんにちは、プリンツさん!」

プリ「瑞鶴、古鷹、釣りの調子はどう?」

瑞鶴「大漁よ!大勝利!」

秋月「瑞鶴さんの釣り、お見事でした!」

プリ「そうなの!よかったぁ!」

古鷹「ぶっちゃけて言うなら、これ以上食材があっても食べきれないと思うんでプリンツさんは別にもう魚を獲らなくても大丈夫ですよ」

瑞鶴「そうね。過食はいけないからね」

吹雪「うちの秋月に感謝してよね!」

プリ「えええ!?」

瑞鶴「そういうことよ。だから適当に海の散歩とかして遊んでていいわ」

プリ「な、なんだか納得いかないけどわかった!晩ごはんまでには帰ってくるね」

吹雪「…っと?」

吹雪「私の方も、プリンツさんとお話してたらなんか魚かかった!」クイックイッ

瑞鶴「お、マジで!?」

古鷹「竿が引いてます引いてます!」

秋月「一気に引き上げましょう!」

プリ(あれ?あの釣竿ってうちの釣竿のはずじゃ…?)

吹雪「よーし!力をこめて…」

吹雪「せいっ!」ザバーッ

古鷹「ん?」

秋月「あっ…」

【吹雪は 長靴を 釣り上げた】

吹雪「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」バターン

古鷹「ゴミだったね」

瑞鶴「傑作wwww」

秋月「つ、次がありますよ!」

【そうこうしているうちに、時刻ははや夕暮れ時】

【吹雪たちは長靴を釣り上げたあと、なんとか25cm程度の魚を1匹釣り上げ、チーム駆逐艦の拠点に帰還】

【瑞鶴たちも釣り上げたカサゴたちを持ち帰り、晩食の準備に取りかかった】

【そして、陽炎はどうなったのかと言うと…】

陽炎「…」

陽炎「駄目だな、私…」ズーン

【陽炎、結局モリ漁に失敗】

陽炎「どうしよう…こんなんじゃ帰れないよ…」

陽炎「私、あんな大口叩いてたのに…吹雪と秋月、どんな顔するかなぁ…」

陽炎「吹雪は…別にいいけど、秋月、悲しむだろうなぁ…」

陽炎「せめて、貝でも集めて帰ろう…」

陽炎「はぁ…」

【陽炎と同じく、海に入っていたプリンツ】

【彼女は瑞鶴の言うとおり、南の島付近の海を泳ぎ倒して、ずっと楽しく遊んでいた】

【そんなプリンツは今…】

プリ「やっばい…」

プリ「ここどこ…?帰れなくなっちゃった…!」

【プリンツ、海で迷子に】

プリ「えーと、えーと、どこから海に入ったっけ…」

プリ「海で遊んでていいって言われたから、この島一周しようって思ったらわかんなくなっちゃった…」

プリ「確か…木があるところから入ったはずなんだけど…」

プリ「この島、色んなとこに木が生えてるから意味なかった…!」

プリ「とりあえず、周りを泳いで探さなきゃ…」

ススッ

プリ「…?」

プリ「何か、前から影が…」

【迷えるプリンツに謎の魚影が接近】

ガシッ

プリ「えっ?」

【そしてプリンツの足に、変な感触が】

プリ「ちょ…」ゾクッ

タコ「…!」ヌルリ

プリ「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?Kraaaakeeeee!!!」ビクーッ

【プリンツ、タコと遭遇】

陽炎「…」トボトボバシャバシャ

陽炎「…?」

\イヤァァァァァァァ…/

陽炎「…」

陽炎「何、今の声…」

陽炎「…行ってみよ…」バシャバシャ

プリ「いやぁ!やだぁぁぁぁ!!」

プリ「うわぁぁぁ!身体にこないでぇ!やめてぇぇぇぇ!」

【プリンツに絡み付いたタコのサイズは約20cm程度】

【そこまで大きくなく、よくある『タコに襲われて溺死』といった事故の危険はなさそうなのだが】

プリ「やだぁ!やだぁ!離して!離してぇぇ!!」

プリ「うぇぇぇん!わぁあん!!食べられたくないぃぃぃぃ!!」

【ドイツ等の地中海を除くヨーロッパではタコは悪魔の魚と呼ばれ…】

【プリンツにとってはタコはなかなか嫌いな存在なのであった】

【プリンツは必死にタコを引き剥がそうともがいている】

プリ「いやっ…そんなとこ、吸っちゃだめぇ!」

【そんなプリンツの元に】

陽炎「…」

陽炎「…何やってんの…プリンツさん」

プリ「か、陽炎!?」ビクッ

【陽炎、到着】

陽炎(タコだ…いいなぁ)

プリ「陽炎、助けてぇ…」

陽炎「プリンツさん、なんでそんなことになっちゃってるの…」

プリ「ぐす…それがね、迷子になって、こいつに襲われて…」

プリ「お願いだからこれ取って捨ててよ!陽炎!!」

陽炎「え?捨てる?なんで?」

プリ「当たり前でしょ!早く!お願いだからっ!!」

陽炎「…?こんなに美味しそうなのに…?」

プリ「お、美味しそう!?」ビクッ

陽炎「…プリンツさん、捨てるくらいなら私もらっていい?」

プリ「いいよ!こんなものあげる!だから!はやくたすけてぇぇぇぇ!」

陽炎「はぁ…どうも…」

陽炎(…いいのかなぁ)

【文化事情をよく知らない陽炎】

【タコを食べる習慣があるのは、一部の国だけだったりする…】

訂正
>>627
【ドイツ等の地中海を除くヨーロッパ】

【地中海を除く、ドイツ等のヨーロッパの国】



タコで判る艦むすの国籍
日本「美味しそう…」
ドイツ「こないでぇ」
イタリア「酒酒酒ぇ」
かな?

プリ「うねうねして気持ち悪い…!」

陽炎「全身のいたるとこに吸盤が引っ付いてるわね…引っ張るわよ」グイッ

プリ「わあぁいたいいたいいたいいたい!おっぱいちぎれちゃう!」

陽炎「我慢してよ、結構強くくっついてんだから」グイーッ

プリ「いだだだだだだっ!あーっ!!」

陽炎「うーん、取れないわねぇ…この吸盤をどうにかしないと駄目かも」

陽炎「プリンツさん、吸盤取るためにちょっと身体触るけどいい?」

プリ「や、優しくね…?」

陽炎「はいはい、失礼するわよ」

陽炎「…わぁ、コイツこんなとこにも引っ付いて…」

プリ「陽炎…そこは…あの…」

陽炎「プリンツさん、ちょっとだけ我慢しててね」クイックイッ

プリ「えっ…?んっ!んぅ!うぅ…」ビクッ

陽炎「よっ、よっ」グッグッ

プリ「…っ!ん…」ビク

陽炎「よーしよし、最後はここだけね…」

陽炎「…プリンツさん、最後だからね、我慢してね…」ゴクリ

プリ「うう…はぁ…はぁ…」ビクビク

陽炎「よっこらせっ…」クイクイッ

陽炎「…っ、っと…ふうっ…なかなか取れないわねぇ…」グニグニ

プリ「かげろ…っ、もっと、優しく…!」

陽炎「しょうがないじゃない、これ全然取れないもの…」

陽炎「もう一気に取ろうと思ったら、プリンツさんの触って欲しくないとこを触るしか…」

プリ「えっ!?それは勘弁かな…」

陽炎「ま、すぐ終わるから…ちょっとだけ我慢してよね!」

プリ「!?ちょ、ちょっと…!」

陽炎「プリンツさん、ごめん!」クニッ

プリ「んあっ!?あああああぁぁぁんっ!!」ビクビクビクゥ

陽炎「今だわ!そりゃっ!」グイッ

プリ「ああぁっ!!」ビクゥゥッ

陽炎「よーし!取れたわ!お疲れさまっ!」

プリ「はぁ…はぁ…ふうっ…ありがと…だんけ…」

【陽炎、プリンツの救助に成功】

陽炎「タコ、本当に貰うわよ」

プリ「うう…あげるよ、そんなもの…!」

陽炎「ところでプリンツさんこんなとこで何やってんの?」

陽炎「もう日も暮れてきたし、帰らなきゃみんなに心配されるんじゃ…」

プリ「あっ、うん、それが…」

~~~

プリ「…ってことで」

陽炎「そういうわけで、プリンツさんは迷子になっちゃったのね…」

プリ「陽炎、私たちの場所わかる?」

陽炎「いや、私はそもそもそっちの拠点の場所知らないし…」

陽炎「とりあえずこっちの拠点まで来る?」

プリ「え!?いいの?」

プリ「一人で野宿は危ないし…こっち来たら秋月もいるから何とかなるはず」

プリ「ごめんね、タコのこと含めて色々と」

陽炎「いやタコのことはこっちがお礼言う方なんだけど…」

【チーム駆逐艦 拠点】

吹雪「あー、火を起こすの疲れるー」←火を起こして陽炎を待ってた

秋月「お疲れさまです!」


陽炎「ただいまー、吹雪ー、秋月ー」

吹雪「あっ、陽炎おかえり。何採れた?」

秋月「おかえりなさい、陽炎さん!」

秋月「…あら?プリンツさんがいる?」

吹雪「ん?…ほんとだ、陽炎ってばプリンツさん採ってきたんだ」

陽炎「いやこれは諸事情で…」

プリ「ごめん、かくかくしかじか…」

~~~

吹雪「なるほど、そういうことだったの…」

プリ「みんな、みんなの場所わかる…?」

秋月「残念ながら具体的な場所まではよく知りませんけど…昼に私たちがいた釣りポイントまでなら案内できますよ!」

吹雪「あの辺りで釣りをしてたってことは大型艦たちの家もあの辺にあるんじゃない?」

プリ「ほんとに!?みんなありがとー!そこまで行けたら私も帰れるよー!」

陽炎「…釣り?どういうこと?」

吹雪「こっちにも色々あったんだよ」

秋月「では善は急げですね。早く出発しましょう!」

秋月「日も暮れて始めているので全速力で!夜の森は毒蛇をはじめとする危険生物が多く出没するので急ぐんです!」

吹雪「げっ、マジか」

プリ「本当にごめんね、私のために…」

秋月「いいんですよ。困ったときはお互いさまです!」

秋月「あとちょっとですから!皆さんで協力してこの無人島生活を生き抜きましょう!」

プリ「おっ、おー!」

吹雪「ところで陽炎、モリ漁でプリンツさん以外に何か採れたの?」

陽炎「…あー、その…」

陽炎「えっと…タコよ」スッ

吹雪「ふおっ!?これはすごい!」

陽炎「…まぁね」

【しれっと戦果を誤魔化す陽炎】

【こうして、6人の無人島生活最後の夜が目の前に迫っている中…】

ザザザザ…

提督「♪~」

【無人島に、1隻のボートが接近していた】

提督「さて」

提督「もうすぐ無人島だぞ。上陸の準備をしろ」

提督「我々はこっそり岩陰から無人島に潜入する。お前も準備できているか」

??「はい、もちろんです」

??「提督から与えられた任務、確実にこなしてみせます!」

提督「うむ。いい返事だ」

提督「よろしい、成功を期待しているぞ」

??「はい…推して参りますっ!」

【提督&??、登場】

と、いう訳でこのスレもラストスパートです
すぐ終わるとか言いながらもう6月になろうとしていますが、何もともあれ最後までよろしくお願いします

6月になりましたね
秋月に梅雨ボイスがなくて泣き寝入りしたいです
もしかして追加ボイスを貰える権利とかを売ってお金にしているのでしょうか…

~~~

吹雪「もうすぐ着くかな」

秋月「はい、この辺りですね」

プリ「ありがとー!助かったー!」

【プリンツ一行、昼の釣りポイントに到着】

吹雪「プリンツさん、ここまで来たらあとは一人で帰れる?」

プリ「うん!帰り道はわかるよ!」

秋月「皆さんのところに着くまでは最後まで足元などに気を付けて行ってくださいね」

陽炎「てか私がいない間に2人ともこんなとこに来てたの…」

吹雪「まぁね…」

プリ「それじゃ、また明日ね」

秋月「本日もお疲れさまでした!」

【プリンツ、帰宅】



陽炎「ふぅ、なんとか送り届けることができたわね」

吹雪「全くプリンツさんは世話が焼けるんだから。迷子じゃなかったら一人で帰らせてたところだよ」

秋月「まぁ、護衛は駆逐艦の仕事ですから!」

秋月「それよりも、早く戻らないと日が完全に沈んじゃいます!まだ明かりがあるうちにできるだけ急がないと大変なことになりますよ!」

吹雪「もうかなり暗くなっちゃったからね。秋月の言うとおりさっさと行こう」

陽炎「私たちも晩ごはんの用意とかしないといけないものね」

秋月「では行きましょう!」

秋月「帰りは慌てずに小走りで、スピードは気持ち速め程度に心がけてください」

吹雪「え?全力疾走で行くんじゃないの?」

陽炎「そっちの方が早く帰れるし…」

秋月「全力で走ったらそれはそれで危険ですね…」

陽炎「なんで?」

秋月「それは…」

吹雪「とりあえず私は走るよ!秋月!」ダッ

秋月「ちょ!?ちょっと吹雪さん!待ってください」

吹雪「うおっ!?」ガツッ

吹雪「あだーっ!」ドシャーッ

陽炎「ふ、吹雪ーっ!?」

秋月「…山道で走っちゃうと、暗くなってるせいで、このように段差などを見落として足が引っ掛かりやすいですので…」

陽炎「なるほどね、そういうことなの…」

吹雪「痛いよ、痛いよぅ…」ズキズキ

秋月「吹雪さん、大丈夫ですか?」

吹雪「足くじいたぁ…痛いよぉ…」グス

陽炎「秋月の言うことを聞かないからこうなるのよ」

吹雪「くぅ…調子乗っちゃった…」

吹雪「ごめんねみんな、急がなきゃいけないのに…」

秋月「いえ、私は別に大丈夫ですよ!気にしないでください!」

陽炎「それよりも吹雪は動けるの?歩ける?」

吹雪「ううぅ…かなり痛いからちょっとだけ待って…」

陽炎「しょうがないわねぇ…」

秋月「あ、それなら吹雪さん!私から提案が」

吹雪「な、なぁに秋月…」

秋月「それはですね…」スッ

秋月「私が吹雪さんをおんぶします!私の背中に乗ってください!」

吹雪「えええっ!?」

吹雪「いいの?」

秋月「遠慮しないで大丈夫です!」

吹雪「なら、お言葉に甘えて…」ギュッ

秋月「よいしょっ…痛かったりしたら言ってくださいね」

吹雪「ほんとごめん、秋月…」

陽炎「秋月の身長が吹雪よりも一回り大きくて助かったわね」

吹雪「ほんとだよ…でも身長の割に体つきは細々としてて、おぶられてる身としては不安を感じるけど」

秋月「そ、それは言っちゃ駄目です!」

陽炎「普通は痩せてる方がいいはずなのにね…羨ましい」

吹雪「秋月はもっともっと食べないと!栄養をつけて!新陳代謝も抑えよう!」

陽炎「そうよそうよ!もっと栄養をお腹に行くように意識しなさいっ!」

秋月「そ、そういうのはちょっと無理ですかね…」

陽炎「くぅー!ほんとその体格が羨ましいわ!」

吹雪「…」

吹雪「だけど…これ本当にごめんなさい。みんな…」

秋月「?」

陽炎「吹雪?どうしたのいきなり。らしくないわね」

吹雪「らしくないってどういう意味?」

吹雪「…いや、私をおぶらないといけなくなったせいで、秋月が走れなくなったから…急いで拠点に帰れなくなっちゃったから…それで…」

陽炎「あぁなんだ、そんなことか」

秋月「別に大丈夫ですよ!何の問題もありません!」

吹雪「秋月、さっき夜の森は危険とかどうとかって言ってたよね…」

秋月「あっ…えっと…それは…あの…」

秋月「…あれは嘘です!忘れてください!」

吹雪「いや、そんな訳ないでしょ…」

吹雪「本当に大丈夫なの…?私のせいで命の危険とかに晒されてないよね…?」

陽炎「仮にそうなってもなんとかなるわよ」

秋月「私も皆さんをお護りできるよう、頑張ります!」

吹雪「でも…熊とかこわい生き物が襲ってきたらその時はどうするの?大丈夫?」

陽炎「…うっ、それは…」

秋月「戦えばいいじゃないですか」

吹雪「…」

陽炎「秋月…」

秋月「?」

吹雪「…じゃあ他に、暗くて道がわからなくなったりしたら…その時は…」

陽炎「…えっと、それは…」

秋月「その時はその時でまた新しい拠点を作れば問題ありません!」

陽炎「…」

吹雪「秋月、凄いね…」

秋月「?」

吹雪「劣等感を感じる…」

陽炎「はぁ…吹雪、いい加減にしなさい。あんたは考えすぎなのよ」

吹雪「だって…」

陽炎「なに足をくじいたくらいでメンタル折れてんの。吹雪の根がちゃんとそういったことを考えられるくらい真面目なのはよーくわかったけど」

陽炎「でもそれがどうしたって言うのよ。あんたちょっと気にしすぎじゃないの?」

吹雪「なっ…こんなの気にするよ!気にしない方がおかしいよ!!」

陽炎「…」ピクッ

秋月「!?」

吹雪「何なのさ!陽炎も秋月もっ!ずるいよ!ずるいよっ!」

吹雪「秋月は知識も行動も凄いし、陽炎は気遣いできて優しいよ!そんなことできない私よりもよっぽど活躍してるじゃんっ!」

吹雪「私はこのザマだよ!失敗ばっかりで!一番みんなの足を引っ張ってるのは私なんだよ!?」

吹雪「なのに陽炎、気にするなって…ひどいよ!ひどすぎるよぉ!」

秋月「ふ、吹雪さん…!」

陽炎「吹雪」

吹雪「私、ただ調子に乗ってヘマばっかりしてるじゃん…!」

吹雪「私は…私は…みんなを…!」

陽炎「吹雪、うるさいっつってんのよ!!!」

吹雪「!?」

秋月「か、陽炎さん!?」

吹雪「陽炎!!何なのその返事は!」

陽炎「いい?吹雪、よく聞きなさい!」

陽炎「さっきから言ってるそれ、あんたが吹雪自身のこと見れてないじゃないの!」

吹雪「なっ!何を根拠にそんな…!」

陽炎「落ち着いて思い出して、吹雪はばっちり活躍してるじゃない…」

陽炎「晩ごはんにウツボ採ったのは誰?今日の朝に火を起こしたのは誰?」

秋月「そ…そうですよ!」

秋月「それは吹雪さんのはずです!思い出してください!」

吹雪「そ、そうだけど…それは…!」

陽炎「残念だけど私にウツボなんて採る芸当はできないわ。あんな大物、吹雪以外に誰も採ってないはずよ」

秋月「私もおそらく無理でしょう…。ウツボは危険なのであんまり近づきたくもありませんし」

吹雪「あっ…うう…」

陽炎「もう周りばかり見るのはやめなさい。吹雪はもっと自分を見たっていいんじゃないの?」

吹雪「…」

陽炎「ちょっと失敗したからってどうしてそう落ち込むのよ。ちょっとくらい迷惑かけたっていいんじゃないの?あんたがそんなんじゃ私たちも不安になっちゃうわ!」

秋月「私だって吹雪さんを頼りにしています!落ち込まないでください!いつもの吹雪さんに戻って!」

吹雪「…」

陽炎「吹雪、私たちは失敗したって責めないから」

陽炎「みんな力を合わせて協力する…それだけいいじゃない。私たちは誰一人だって、完璧なのは求めていないわ」

秋月「私たちは駆逐艦の仲間です!一人一人は弱くても、手を取り合えば、どんな困難にも立ち向かえるはずなんです!」

吹雪「み、みんな…」

吹雪「…そう、だよね」

吹雪「ごめんね、変な空気にしちゃって…」

陽炎「もう余計なことは考えないことね」

秋月「秋月も頑張ります!吹雪さんが秋月の背中にいる限り、ぜったい大丈夫です!」

吹雪「…うん、ごめん…」

陽炎「あと、失敗とか私だって今回普通にやらかしてるんだからね?」

秋月「え、そうなんですか?」

陽炎「そうよー。例えばさっきのタコとか…」

吹雪「?」

陽炎「あたかも私が採ってきたように言ったけどさ」

陽炎「あれ本当はプリンツさんから貰ったもんだし。むしろ一番駄目なのは私だったりしちゃうかもね!」

秋月「!?」

吹雪「陽炎…」

陽炎「あははー♪」

吹雪「それ、流石にズルすぎるよ」

秋月「陽炎さん何やってんですか…」

陽炎「ちょっと、この流れでその反応するのはあんまりじゃない!?」ガビーン

吹雪「…」

吹雪「ありがと、二人とも」ボソッ

陽炎「あ?何か言った?」

吹雪「なんでもない」

【こうして、またさらに深い絆を築いたチーム駆逐艦】

【そんな彼女たちに…】



提督「…」ガサッ

??「…」ガサガサ

提督「…いたぞ。吹雪たちだ」

??「感動的ですね…駆逐艦の年齢に見る美しい青春です」グスッ

提督「あぁ、この状態でこれを仕掛けるのは少々気が引けるが…」

提督「むしろ逆だ。奴らの友情を試す良い機会だ。突撃するぞ」

??「了解です、行きます!」

【提督たちの魔の手が迫る!】

陽炎「だいぶ暗くなっちゃったわね」

吹雪「秋月、腕とか大丈夫?疲れてない?」

秋月「まだまだ大丈夫です!」

陽炎「道とかわかる?今どの辺?」

秋月「もう少しで着きますよ!」

秋月「ここをこう行って、そうするとこの岩がある場所に出るはずなんで!」

吹雪「おお!秋月、目印とか作ってたの?」

秋月「こういうことになるかなって予測してましたし…」

秋月「月明かりだけになっても帰れるよう、最善は尽くしてます!」

陽炎「この子ほんと凄いわ…」

ガサガサ…

秋月「…?」

吹雪「今、何か音が…?」

陽炎「したわね…何かしら…?」

ガサガサガサガサ!

陽炎「っ!?」

吹雪「う、うわぁ!!」

秋月「な、何か来てる!?」

ガサァッ!!

吹雪「!?」

大和「おばぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」←特殊メイク

吹雪「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

陽炎「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」

秋月「ええええぇぇぇぇぇ!!??」

【提督の刺客 大和(特殊メイク)、登場】

提督(これは、俺がお前たちに無人島で与える最後の試練だ!)

提督(名付けて『おばけ大和の襲撃』!)

提督(冒頭で述べた通り、この島の付近には本物の大和が沈んでいるからな。すなわち、この特殊メイクされた大和を見た奴らはこの大和を亡霊か悪霊かの類いだと思うだろう)

提督(これまで無人島の脅威と言えば食料問題や寝場所の確保といったものばかりであったが)

提督(お化けという全く新しい脅威に対し、奴らや流石の秋月も混乱するに違いない)

提督(このような不測の事態に、お前たちはどう対処する?)

提督(…という最もらしい理由をつけた、本当はこいつらの慌てふためく姿をみることを目的としたアタックであるが)

提督(とにかく艦娘として、そして兵士としての実力を見させて貰うぞ、吹雪!陽炎!秋月!)

陽炎「なんじゃありゃああああああ!幽霊!?」←逃げてる

秋月「こわいこわいこわい!いやぁぁぁぁぁ!」←逃げてる

吹雪「ちょっ秋月あんまり揺らさないで酔うっ…!」ガクンガクン

大和「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

陽炎「あっ!?」ガツッ

陽炎「あいたーっ!!」ドサーッ

秋月「ああっ!陽炎さん!」

【陽炎、走って逃げたせいで転倒】

陽炎「うう…くっそぉ…!」

秋月「陽炎さん!お怪我は…」

陽炎「大丈夫よこれくらい、立てるから…!」

大和「うぼぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

陽炎「てかあいつ、だんだん近づいてきてるわね…!」

秋月「は、早くなんとかしなくちゃ…!」

吹雪(うわぁ、本当に何なんだろアレ…)←秋月に乗って観察してる

吹雪「…ん?」

吹雪(この幽霊…いや、人?なんか大和さんに似てるような…)

吹雪「ねぇ陽炎、秋月」

陽炎「なに!?吹雪!」←逃げてる

秋月「なんですか吹雪さん!?」←逃げてる

吹雪「あの人…なんか大和さんに似てない?」

陽炎「あー、そう言われればそう見えるかもね!」

秋月「確かこの島の近くで大和さんが沈んだって提督もおっしゃってましたし…そうかもしれません!」

陽炎「じゃあアレは大和さんの幽霊!?あるいはもしかしたら深海棲艦なの!?」

秋月「どっちにしろ逃げるしかないですー!殺されちゃうかもしれません!」

吹雪「うぅむ…」

吹雪(怪しいな…あの追っかけてきてるの…)

大和「グヘヘヘグヘグヘ」

陽炎「…くっ、うううっ…!」フラフラ

秋月「陽炎さん、しっかりして!」

陽炎「ごめん、さっきの足の怪我が…!痛くて足がうまく動けない…!」

秋月「そ、そんな…!な、なら私が陽炎さんを抱き抱えますから!吹雪さんと陽炎さんで私を具にサンドイッチです!」←混乱

陽炎「それ秋月の体が持たないわよ!?」

大和「グフグフゲハハハハ」

吹雪(うん、あれ絶対大和さんだよね…もうそんな気しかしない…)

吹雪(一応、ちょっと確かめてみるか)

吹雪(靴を脱いで…)スッ

吹雪(それっ)シュッ←靴を大和に投げつけた

大和「!?」ガツン

秋月「!?」

陽炎「!?」

陽炎「吹雪!?何を…」

大和「いったぁい…!」←素が出た



吹雪(あ、あの声。やっぱりあれ大和さんじゃん)

吹雪(なんであの人はあんなことしてんの…いや、あれは絶対司令官の命令で来てるよなぁ…)

吹雪(もしそうだったら腹立つから、とりあえずここは…)


吹雪「秋月!陽炎!見て!あれは幽霊じゃない!実体がある生き物だよ!」

吹雪「逃げずに戦おう!協力して、私たちを襲おうとしたあいつを倒すんだ!」

秋月「あっ…確かに!幽霊ではなさそうです!」

陽炎「よ、よくわからないけど戦ってやるわ!覚悟しなさい!」

大和「!?!?!?!?」

【吹雪たち、宣戦布告】

陽炎「とりあえず、これで…」ガシッ

陽炎「喰らいなさい!木の枝殴り!」バシッ

大和「あいたぁっ!」

秋月「わ、私も石を投げて攻撃です!」ヒュッ

大和「ひいいいっ!?」ガツーン

陽炎「このぉ!このぉ!なんなのよコイツ!!」バシバシ

秋月「えいっ!えいっ!」ポカポカ

吹雪「いいぞー!もっとやれやれー!」

大和「や…やめて…!痛い…!」

提督「ストップだ!その辺にしてやれ、秋月!陽炎!!」バッ

秋月「!?」ビクッ

陽炎「うおお!?」ビクッ

吹雪「あ、やっぱり出てきた…」

【提督、登場】

提督「大丈夫か、大和」

大和「わぁん、わぁぁぁん…」

提督「怪我は…意外と無いな。流石は最強の戦艦ってとこか」

大和「も、もっと心配してくれてもいいのでは!?」ガーン

秋月「あの…提督」

陽炎「また来たの…今度は何なのよこれ…」

吹雪「大和さんまで連れ出してこんなふざけた真似を…」

提督「おお。吹雪、陽炎、秋月よ。見事だったぞ」

提督「これは俺がお前たちに与えた試練だ。軽々と乗り越えてしまうとは驚いたな」

陽炎「あのー、だから事情を聞かせて…」

吹雪「一体何がしたかったんです!?」

提督「それは…」

(説明中)

提督「…っていう訳だ」

秋月「なるほど、不測の事態に対応するための試験だったなんて…」

陽炎「確かに不測すぎたけど…」

吹雪「大和さん、やられ損じゃない?」

大和「いえ、いいのです。私はこれで…」

大和「仲間を大切に想い、生きることを第一に考える…そんな貴方たちを見ることができましたから…」

陽炎「それ前作の赤城さんのセリフ…」

吹雪「ていうか司令官。最後をこんな八百長的なちゃちい感動っぽい内容にするのやめません?」

提督「え?不評?」

陽炎「超絶究極的に不評よ」

提督「だがそれでも、お前たちの行動は素晴らしかったと思うぞ」

陽炎「?」

提督「お前たちのさっきの一連の動きを振り返ると…」

提督「まず得体の知れないものの接近に対し、お前たちは全力で逃げていたな。これは安全を確保する上で最も最優先する行動だ」

提督「恐ろしい姿かたちをしていた大和にビビって腰を抜かすこともなく、機敏に動けていたのはお前たちが高い精神力を持っている証拠だろう」

吹雪「そ、そうなんですか?」

提督「それと陽炎の動きも良かったぞ。転けてしまったものの、お前はすぐ立ち上がって走っていたな。根性があって素晴らしい」

陽炎「嫌でも立って逃げるわよあんなのが近づいていたら…」

提督「秋月も無理をして陽炎を助けようとしていた精神も良かったぞ」

秋月「私、当たり前のことをしただけですけど…」

提督「そして今回のMVPは吹雪だ。お前は走る必要がなかった為に最も冷静になって大和を丁寧に分析し、その正体を見破っていた」

提督「そして陽炎と秋月に指示を出し、大和を退けた。吹雪は自分の立ち位置を活かし、最大限のできることを行ったと評価することができるだろう」

吹雪「そう言えば聞こえはいいですけど…」

提督「おいおいお前たち。なんでそんなに謙虚的な態度を取るんだよ」

吹雪「いやその」

提督「過小評価なんかせず、もっと『自分を見ても』いいんじゃないのか?」

陽炎「うぐっ!」ギクッ

秋月「あうぅ!」ギクッ

提督「この無人島生活でそれを知って貰えたのなら大きな収穫だ。お前たちはお前たちが思っている以上に優秀であるということを」

大和「そうですそうです!お化けに扮した私に臆せず立ち向かってた勇気も立派でした!」

提督「ああ。お前たちにこの任務を任せて良かったと思うぞ」

提督「この経験を活かし、これからも艦娘として、頑張ってくれよな」ポン

吹雪「あっ…はい」

陽炎「…結局、いい感じにまとまっちゃったわね」

秋月「秋月も吹雪さんを見習って、頑張ります!」

吹雪「はぁ…こんな馬鹿馬鹿しい企画なのに、いつも綺麗に終わっちゃうの、悔しくて腹立つわ…!」

提督「じゃ、また明日の昼に迎えに来るからな。それまでこの無人島でのーんびりしとけ」

提督「では行くぞ、大和」

大和「またね、皆さん!」

吹雪「はい、また明日ですね。司令官」

陽炎「ちゃんと迎えに来なさいよ!待ってるんだから!」

秋月「よろしくお願いしますね!」

【チーム駆逐艦は提督の魔の手を華麗に捌き、最後の夜は大成功に終わった】

【提督たちは場所を移動し、次はチーム大型艦へと迫る】

【果たして、瑞鶴たちの運命はいかに…】

ガサガサゴソゴソ

提督「いたぞ。瑞鶴たちだ」コソッ

大和「こちらは何をしているのでしょうか…」



瑞鶴「今日こそ!速攻で!火を起こす!!」ゴリゴリ

瑞鶴「16万馬力舐めんなぁぁぁぁぁぁ!!うぉっしゃあああぁぁぁぁ!!!」ゴリゴリゴリゴリ

古鷹「す、すごいスピードです!」

プリ「がんばれ、瑞鶴ー!」



提督「火を起こしているな」

大和「これから晩ごはん…火は絶対に必要ですからね」

提督「ああ。こんなに真面目に頑張ってるところを驚かすのはなんか申し訳ないような気もするが…」

提督「むしろ『不測の事態への対応』ということではこの状況の方が都合がいい。大和、突撃しろ」

大和「了解しました!」

ガサガサ…

古鷹「?」

瑞鶴「ぐぅぅぅぅ!!そろそろ腕が疲れてきた…!!」

プリ「瑞鶴、交代する?」

瑞鶴「そうね、ちょっとだけ休ませて…」

古鷹「あの、何か草むらが動いたような気がするのですが…」

瑞鶴「え?」

ガサガサ!ガサガサ!

瑞鶴「わぁ、本当ね。風かしら?」

古鷹「か、風にしては揺れが大きすぎません?」

プリ「まさか…野生動物!?」

瑞鶴「よし!いのししだったら猪鍋にして喰ってやるわ!」

プリ「でも火を起こしてるのに動物が襲ってきたら困るんだけど…」

ガサガサガサガサ!

瑞鶴「来るわね…何かが!」

古鷹「プリンツさんも気を付けてください!」

プリ「う、うん」

ガサァッ!!

瑞鶴「ほら、やっぱり野生動ぶ…つ?」

大和「イクシャアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」←特殊メイク

瑞鶴「誰ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

古鷹「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

プリ「おばけえええええええ!!!?」

【大和、登場】

提督(これは、俺がお前たちに無人島で与える最後の試練だ(以下略)

提督(さぁどう出る?瑞鶴、プリンツ、古鷹よ!)



大和「ザッハッハッハッハ!」ダダダダ

瑞鶴「何!何!?何あれぇ!?」←逃げてる

古鷹「知りませんよ!原住民じゃないですか!?」←逃げてる

プリ「原住民!?食べられちゃうの私たち!?」←火起こしを放棄して逃げてる

大和「だっ誰が原住民ですかぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

古鷹「あああほらプリンツさんが余計なこと言ったせいで怒らせちゃったじゃないですか!」

プリ「私!?古鷹じゃないの!?」

瑞鶴「で、でも話は通じるみたいね!逃げながらあいつとコミュニケーションをとったらなんとかなるかも!?」

プリ「そ、それだよ!その作戦でいこう!」

瑞鶴「あの!貴方は何者ですか!?」

大和「私…?」

大和「私は…この島の近くで沈んだ戦艦の霊です」

瑞鶴「えっ!?」

プリ「や、やっぱりおばけだ!」

古鷹「そっか、そういえばこの近くで大和さんが沈んだって聞いたことがあります!」

瑞鶴「あ…思い出した!確か提督さんがそんな感じのことを無人島生活が始まる前に言ってたわね!」

大和「ふふふ、そういうことです」ニヤリ

プリ「ならあれは大和の生き写し!?いや死んでるけど生き写しなの!?」

瑞鶴「そもそもなんで私たちを追いかけるのよ!教えて!」

大和「ふふ、知りたいですか…?」

大和「それは…」

大和「お前たちを食べるためよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」クワッ

プリ「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」ビクーッ

古鷹「ふわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ビクーッ

瑞鶴「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」ビクーッ

提督(…もっと良い脅し文句はなかったんかい)

古鷹「た、助けてえええええ!誰かぁぁぁぁぁぁ!!」←必死に逃げてる

プリ「やだぁぁぁぁ!やだあああああああああ!!」←必死

瑞鶴「あひあひあひぃぃぃぃぃぃ!!」←必死

大和「キェアアアアア!!」←追いかけてる

提督(…)



提督(あいつら逃げてばっかりでなかなか進展がなくてつまらんな…)

提督(不測すぎて対応しきれんかったか…?なら仕方ない、ここは…)

提督(お助けアイテムを渡す!受けとれチーム大型艦!)ポイッ

瑞鶴「!?」

古鷹「あ、あそこに…」

プリ「しょ、照明弾が!?」

瑞鶴「え!?なんで!?どこから!?!?」

【お助けアイテム 照明弾】

提督(本当は、この場合は照明弾ではなく閃光弾が正しいけどな)

提督(閃光弾は目を眩ませたり、囮として使ったり、様々な用途がある便利なアイテムだ)

提督(使う側はゴーグル等を装備しないと危険だが、まぁSSだから多少無くても大丈夫だろう)

提督(これを上手く使い、大和を退けてみせろ)



大和「食べちゃうぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

瑞鶴「照明弾!砲がないから、投げて使うわよ!」

古鷹「よろしくお願いします、瑞鶴さん!」

プリ「よーく狙ってよ!外しちゃだめだからね!」

大和「お鍋で茹でてたべちゃうぞぉぉぉぉぉ!!頭の方から投げ込んでぇぇぇぇぇ!!」

瑞鶴「安全ピンを外して…!」

瑞鶴「…あれ、なかなか外れないわね…」

プリ「瑞鶴、はやく!」

瑞鶴「待って、本気出すから!」

瑞鶴「ぐっ…」グイッ

瑞鶴「よっ!!」スポーン←勢い余って落とした

古鷹「えっ!?」

プリ「あっ…」

ピカッ!!!



古鷹「」←気絶

瑞鶴「」←気絶

プリ「」←気絶



大和「…え?」ポカーン

提督(………)

~数十分後~

提督「あのなぁ、お前ら酷いぞ…」←事情を説明した

瑞鶴「そんなこと言われたって…」

古鷹「あんなのが迫ってきたら逃げるしかないに決まってますよ…」

プリ「あの人、本物の大和さんだったんだね…すっごい怖かった… 」

大和「ご、ごめんなさい」

提督「そもそもお前たち、焦ってたとは言え閃光弾を持ってた手を滑らすとは何事だ」

提督「武器の使い方を誤るとは実に危険なミスなのだぞ」

提督「あれが実戦だったらお前たちは死んでいたかもしれないのだ、わかっているのか?」

瑞鶴「それに関してはぐうの音も出ません」

古鷹「瑞鶴さんがミスするから…」

プリ「全くだよ。瑞鶴さんのせいで私も気絶しちゃったんだから」

提督「いやお前たちは手を滑らすどころか逃げ回ってただけで何も役にもたってないだろうが…」

古鷹「うぐ…」

プリ「てへへ…」

提督「頼むからこっちも綺麗に終わらせてくれよ…アホなことやってないで…」

瑞鶴「いやこれでも一応大真面目にやってるんどからね…」

古鷹「そうですよ!こんなんで今日まで生き延びることができたんです!」

プリ「頑張ってるんだから!」

提督「変な方向でチームワーク見せるのやめてくれない?」

提督「はぁもうとにかく、明日の昼でこの無人島生活も終わりだから、それまで…」

ガサガサ…ガサガサ…

提督「…ん?」

プリ「…へっ?」

大和「何の音…でしょうか」

瑞鶴「え?これ、また提督さんがおどかしてるんじゃないの?」

提督「違うぞ。こればかりは俺も何もしていない」

古鷹「え…じゃあ何…?」

ガサッ!

提督「!」

古鷹「!?」

瑞鶴「おお!?」

プリ「ふぇっ!?」

大和「あら…これは…」

大和「鹿?」

瑞鶴「し、鹿ね…」

【鹿、出没】

提督「これは驚いたな。野生の鹿だ」

古鷹「この島に鹿なんていたんですね」

大和「音や光を怪しんで様子を見に来たんでしょうか?」

プリ「人がいたから遊びにきてくれたのかも?」

瑞鶴「いや、そんな人懐こい奈良や広島の鹿じゃあるまいし…」

提督「そうだな。本来、野生の鹿は臆病で、このように人前に姿を現すのはごく稀だ」

提督「うちの地元の山にもよく鹿を見かけたが、向こう自ら姿を出すということは一切無かったぞ」

古鷹「へぇ、奈良のイメージしか無かったから鹿は人懐こい生き物かと思ってました」

大和「ではなぜこの子は私たちのところに?」

提督「うむ。考えられる可能性は…」

提督「こっちが色々と暴れたり、縄張りに入ったせいで、大層怒っているとしか…」

鹿「…」ドドドド←追ってきた

提督「こんな風にな!まずいぞ!」ダッ

プリ「う、うわぁぁぁぁぁ!?」ダッ

大和「に、逃げましょう!」ダッ

瑞鶴「鹿こわい!なんでこんなことにぃぃぃぃぃ!」←全力疾走

提督「ちょっと待ってくれ!あの鹿速い!俺轢かれる!あっ!ああっ!」

提督「アッーーーーー!!!」ドスッ

古鷹「ああ!提督がやられました!」

大和「ひいいぃぃぃ!提督ー!?」

瑞鶴「と、とにかく今は逃げることを最優先に考えてー!!」

【こうして、提督の襲撃は酷い終わりとなり】

【彼らが鹿に襲われているその頃】

【チーム駆逐艦は拠点に戻り、間も無く晩食を作り始めようとしていた】


吹雪「ただいまー」

陽炎「火は…まだ着いてるわね!ラッキー!」

秋月「それでは最後の晩ごはんの準備、始めていきましょう!」

陽炎「えっと、食材は…何があったっけ」

秋月「整理しますね。よいしょっと…」

チーム駆逐艦の食材:タコ、クロダイ、タラの芽、わらび、タニワタリ、つわぶき、うどん、醤油

秋月「こんなものですね!」

吹雪「これは豪華になりそうな予感!」

陽炎「うどんがあるから晩ごはんは海鮮うどんかしら?出汁を醤油と塩水(海水)でつくれば美味しいかな」

秋月「そうですねー。とりあえず、山菜の下ごしらえから始めましょうか!」

秋月「山菜は基本的にアクが強いので、まずはしっかり茹でなくてはなりません」

秋月「ドラム缶を容れ物代わりにして、水を容れて湯がきましょう!」

吹雪「よーし、任せて!」

グツグツ…

吹雪「よしよし、山菜はこれでオッケー」

陽炎「お風呂に鍋に、ドラム缶って結構万能よね」

吹雪「昨日お風呂に使ったドラム缶を今日は調理に使うの、なんか複雑な気分だけどね」

秋月「ではお次は吹雪さんのクロダイと、陽炎さんの…じゃなくてプリンツさんのタコの調理をしましょう!」

秋月「実は石包丁は2つ作ってあるので分担して作業をします!」

秋月「私がクロダイの下処理をしますので、吹雪さんと陽炎さんはタコの方をお願いしますね!」

陽炎「あぁ、そう言えばそれ2つ作ってたわね」

吹雪「そうだったんだ。流石秋月!」

陽炎「んで、タコの処理ってどうやるの?」

秋月「タコの処理は内蔵を取って、ウツボみたいにヌメリをとるだけなので簡単だと思いますよ!」

秋月「ただ、これは生きたタコですので、タコに噛まれないようにだけ気を付けてください。噛まれると痛いですよ!」

吹雪「げ、そうなんだ」

陽炎「わかったわ、やってみる」

秋月「鱗を剥がして、それから…」ガリガリ



吹雪「よーし陽炎。私たちも協力して頑張るよっ!」

陽炎「コイツまだ生きてるから苦戦しそうね」

吹雪「タコの内蔵って頭の部分に詰まってるんだよね?これ取ればいいのかな」

陽炎「このスキマに指を突っ込んで引っ張ったら取れそう…。やってみるわよ」

吹雪「私はタコ押さえとくよ…うげ、吸盤がべたべた引っ付く!」

吹雪「釣り番組のテレビとかだとよく生きたタコをそのまま食べてるけど、これやったら本当は口の中が相当悲惨なことになるはずだよね!?」

陽炎「あれ美味しそうに見えるけどね…実際にやったら逆に痛いのよね…」

陽炎「ま、そんなことはいいわ。力一杯ひっぱるわよ…」

吹雪「いっけー!」

陽炎「よいせっ!!」グニッ

グチュウ ドリュッ…

陽炎「…わぁ、グロテスク…」

吹雪「内蔵だもん、しょうがないよ…」

秋月「頭を落として、小骨も丁寧に取って…」



吹雪「あうう、タコの吸盤が離れないぃぃ…気持ち悪い…」

陽炎「吹雪、まだ押さえてて。まだ内臓自体は取れてないんだから」

吹雪「あっ、ごめん」

陽炎「ひと思いにいくわよ。内臓に包丁を立てて…」

陽炎「一気に切り落とす!」スパッ

陽炎「これで内臓が取れたわ!完璧のはずよ!」

吹雪「ひゅー!陽炎かっこいい!」

陽炎「秋月ー!これでいいのよねー?」

秋月「どれどれ…はい!大丈夫です!」

秋月「最後はこれを茹でて、下ごしらえの完了ですね!あと一息です!」

吹雪「わかった。茹でるよ!」

陽炎「そろそろ山菜のアク取りも終わったくらいだし、ドラム缶に放り込むわよ!」

吹雪「ところでドラム缶の中の山菜はどうやって取りだそう?」

陽炎「あ、その問題を忘れてたわ…こんな熱湯に手を突っ込んだらやけどしちゃう」

陽炎「何か菜箸みたいなものがあれば…あっ!」

陽炎「吹雪、これ使えばいいんじゃない?」

吹雪「おお!それは!」

陽炎「12.7cm砲!これで頑張って掬えるんじゃない?」

吹雪「おお!この砲身に山菜を引っかけるってこと?やってみる価値はあるよ!」

陽炎「いくわよー!あっ!?山菜が結構滑る!難しい!」

吹雪「私にもやらせて!楽しそう!」

秋月「…」



秋月(一応、菜箸も木を削って洗って作ったのがあるんだけど…)

秋月(でもなんだか見てて面白いし、ここは黙っておこうっと)

秋月(それにしても、長10ちゃんって砲身が取り外しできるから、あれを非常用の菜箸として使えたりできるのかな…?)

秋月(今度、気が向いたらやってみましょー)

吹雪「苦戦したけど、なんとか山菜を全部回収できた!」

陽炎「意外となんとかなるもんよね!」

吹雪「じゃあタコを放り込んで、しばらく待とう」

陽炎「ねぇ、ところで秋月の方はどうなってる?」

秋月「こちらもクロダイを捌き終わりました!大丈夫です!」

吹雪「じゃあ後はタコ待ちかな。早く茹であがれー」

秋月「タコを茹で終わったら、一口サイズに切ってこれで食材の準備は全て完了です!」

秋月「もうすぐ完成ですね!昼ごはんを抜いたのでこの晩ごはんはとても美味しいものになるでしょう!」

陽炎「うー、無人島生活にしてはこれなかなか贅沢なご飯よね!待ちきれないわ!」

~数分後~

陽炎「おなかすいたわ…」

吹雪「タコ、茹であがったよ!」

陽炎「おっ、これで食材の準備は全部できたってわけね!」

秋月「それでは調理に移っていきましょうか!」

吹雪「はーい」

陽炎「調理って言っても、うどんと一緒にドラム缶に放り込むだけでしょ?」

秋月「ですよねー。ではさっそくその準備に…」

吹雪「うーん、でもこれ料理に何かもっと工夫できそうな気がするんだよね…」

陽炎「工夫って何よ。秋月、うどん茹でるわよ」

吹雪「…あっ!」

吹雪「待った!!待って待って秋月陽炎!」

陽炎「!?」

秋月「ど、どうしました吹雪さん!?」

吹雪「聞いて!いいこと思い付いたの!」

陽炎「い、いいこと?」

吹雪「これだよこれを使うんだよ!」

吹雪「今こそ出番だよ!輝くときなんだよ!」

陽炎「…な、何が?」

吹雪「見て見て、これ!」

吹雪「12.7cm連装砲!使えるよ、陽炎!!」バーン!

陽炎「…???」

秋月「ええ??」

【吹雪、12.7cm砲を取り出す】

吹雪「この12.7cm砲!これを使って!」

吹雪「焼きうどんにしよう!醤油をふんだんに使って、食材と一緒に炒めて!」

陽炎「ど、どういうこと!?」

秋月「…そうか!なるほど、素晴らしい発想です!」

秋月「12.7cm砲の表面は平べったい鉄の板…つまりこれを火で熱してフライパンがわりに使うってことですね!」

吹雪「そう!この砲は弾も火薬も不知火が丁寧に抜いてくれたから、そういう風に使えるんだよ!」

陽炎「はっ…そういうことか!」

秋月「焼きうどんなら真水の消費も抑えられますし、普通のうどんよりもサバイバルに向いてる料理だと思います!」

吹雪「でしょー?」

陽炎「まさか不知火、実はこれを見通していたって言うの…?」

吹雪「それはたぶん偶然だと思う…」

秋月「でも吹雪さん、よくこれを思いつきましたね」

吹雪「どっかの県でこういう料理があるって聞いたことがあるんだよ」

吹雪「昔の日本は、明治時代までかなりの数の戦があったよね。その時、空腹で水も鉄板もないけど蕎麦はあるって状態に陥った兵士がいてね…」

吹雪「その兵士は仕方ないから、拾った瓦を熱して蕎麦を焼いて食べた…みたいな話をどっかの本で読んだの思い出しちゃって!」

秋月「それをうどんに応用したってことですか!」

陽炎「あっ、私知ってるわそれ。瓦そばでしょ?京都か山口か鹿児島の話よね?」

吹雪「うんうん。まさかこの知識がこんなとこで役に立つとは思ってもなかったよ」

吹雪「昔の人の知恵って、今でもすごい参考になるんだね!」

秋月「勉強になります!」

陽炎「すごいわ、吹雪!」

吹雪「じゃあうどんを炒めよう!」

陽炎「一応聞くけど、この砲熱したら陸奥さんみたいに爆発しないよね?」

吹雪「きっと大丈夫!うどんだからさっさと調理しちゃえば平気だよ!」

秋月「これ、もしかしたら出撃中でも砲の持つ熱だけを活かして焼きうどんが食べられる時代がくるかもしれませんね!」

陽炎「来ないわよ!?来てもせいぜい目玉焼きが限界よ!」

秋月「じょ、冗談ですって!」

秋月「とりあえず仕上げの調理に入ります!叢雲さんの醤油とうどんを絡めて、濃厚な味の海鮮焼きうどんを作りましょう!」

吹雪「くっ、想像しただけで涎が出ちゃう!」

陽炎「楽しみだわー!」

ジュー…

秋月「いい匂いですねー…」

吹雪「この醤油の焦げ臭さ!たまらない!」

陽炎「早くできないかなー」ワクワク

吹雪「のんびりとしっかり焼こうよ!うどんの焦げ目が多くなるくらいには焼きたいよね!」

秋月「え?でもあんまり焦げ目が多いと体に悪いと聞きますけど…」

吹雪「そんなの迷信迷信。昔は癌になるとか言われてたけど最近は違うって言われてるから」

陽炎「とにかく美味しかったら何でもいいのよ。無人島だし食事くらい自由にやりましょうよ!」

秋月「…そうですよね!わかりました!」

~数分後~

吹雪「そろそろ完成かな?」

陽炎「おっ!待ちに待ったわよ!」

秋月「では、私たちの最後の晩餐!駆逐艦特製海鮮焼きうどんの…」

吹雪「できあがりっ!!」


【チーム駆逐艦の集大成、海鮮焼きうどんの完成!】

【うどんを魚・山菜と炒めて醤油で絡めたシンプルかつ贅沢なこの一品】

【見た目だけでも、これは美味しいということが容易に理解できるだろう】

吹雪「わーい!食べるぞー!」

陽炎「タコ丸々一匹使ってるから、豪華よね…!」

吹雪「手づかみで食べるのちょっと熱そうだけど、食欲の前には勝てないね!いただきまーす!」

秋月「あっ、吹雪さん、陽炎さん、箸ありますよ。どうぞ」

吹雪「うえ?箸あったの?」

陽炎「ええ、じゃあ山菜のアク取りの時のあの苦労は…」

秋月「まぁまぁ、それは気にせず…皆さんでうどんをつつきましょう!」

吹雪「そだね!改めましていっただっきまーす!」

【それぞれ、料理を口に運ぶ3人組】

【気になるそのお味はもちろん…】

吹雪「美味しい!うまするぎ!」

陽炎「やっぱり予想通りの味ね!期待を裏切らないわ!」

秋月「口にいれた瞬間、醤油の風味が口にも鼻にも一杯に広がって…!美味しいです!」

吹雪「山菜もいけるね。ちょっと独特の苦味とかあるけど、醤油の旨味とうまくマッチしててこれも美味しいよ!」

陽炎「タコも美味いっ!固いのにやわらかいっ!!ほんと無人島で食べられる料理とは思えないわ!」

【料理に大満足のチーム駆逐艦であった】

陽炎「工夫次第で料理ってどこまでも美味しくなるわねー」

吹雪「あ、そういや秋月」

秋月「どうしましたか?」

吹雪「秋月、お金に(一応)余裕のあるときはうどん食べてるって言ってたけどさ」

吹雪「釣りとかで自給自足できたなら、毎日これくらい贅沢なもの食べれたんじゃないの?」

秋月「?」

陽炎「なるほど確かに。秋月一家の節約スキルを活かせばこんな感じに食事は実はそれなりに良かったのかも?」

秋月「あー…そうしても良かったのですけどね…」

吹雪「駄目だったの?」

秋月「私たち、食料は貯蓄するタイプでしたから…」

吹雪「…あっ」

秋月「今日のごはんを例に出すなら、今回みたいに一気に何種類もの食材を使うんじゃなくて、今日はタコ、明日は魚、その次の日は山菜…みたいに少しずつ消費する感じで…」

秋月「調味料も基本的には買いませんし、昼も言ったとおりうどんはうどんだけを茹でて食べますから…」

陽炎「…」

吹雪「…」

秋月「…あっ!もちろん今は違いますよ!?今はちゃんと栄養のあるメニューを食べてますから!」

秋月「たとえば卵かけご飯とか!あれとサラダを食べるだけで体重も35キロからかなり増えちゃいました!」

秋月「いやぁ、贅沢に馴れちゃって少し怖いですね!」

陽炎「…その身長で35キロしか無かったとか…逆になんでその体格で艦娘になれたの…」

吹雪「…本当にごめん、秋月…」

秋月「冗談のつもりだったんですけど…」ズーン

【そんなこんなで食事を終えた駆逐艦】

吹雪「おなかいっぱーい」

陽炎「ごちそうさまでした」

秋月「これで最後の山場を越えることができましたね」

吹雪「無事に無人島生活を終えられそうでよかったよ」

秋月「そうですねー。たびたび危険はありましたけど、特にひどい怪我をすることもなく今を迎えられて安心です」

陽炎「それじゃ、あとはお風呂に入って…」

秋月「明日の帰宅に備えて、寝るだけですね!」

吹雪「疲れたからゆっくり寝たい!」

~~~

吹雪「お風呂、さっぱりした!」

陽炎「海水風呂ってのもまたいいもんよね。髪へのダメージがすっごい気になるけど」

秋月「帰ってちゃんとシャンプーすればきっとすぐにさらさらになりますよ」

吹雪「それじゃあ、寝よっか」

陽炎「燃えたら危ないから火は消しとくね」

秋月「ありがとうございます、陽炎さん」

吹雪「みんなおやすみー」

陽炎「今夜は…蛇は出ないわよね」

秋月「出てきたときはまた私に任せてください!」

陽炎「ん、頼むわね秋月。おやすみ」

秋月「おやすみなさい!」

【チーム駆逐艦、就寝】

吹雪「zzz」

秋月「くぅ…すぅ…」

陽炎「…むにゃ…」

陽炎「…ううん…」←少し目が覚めた

陽炎「…?」

吹雪「zzz」←ポケットが光ってる

陽炎「…?????」

陽炎(何アレ…まぁ、それより眠いわ…)

陽炎(きっと吹雪が変なものでも採ってきたんでしょ…ほっときましょ…ふわぁ…)

陽炎「…zzz」

【こうして最終日の晩食を大成功させたチーム駆逐艦】

【その一方でチーム大型艦は】

提督「」チーン

大和「」グッタリ

瑞鶴「はぁ、はぁ…」

古鷹「逃げ切れた…何とか逃げ切れた…」

プリ「やっと…拠点に戻ってこれたね…」

【彼女たちはなんとか鹿からの逃走に成功し、無事に元の場所へと帰っていた】

古鷹「提督と大和さん、どうする?」

瑞鶴「もう山にでも捨てときましょうよ…食材3人分しかないし、邪魔よ…」

プリ「この2人、足遅いから足手まといすぎるんだけど…」

古鷹「大和さん、本気出せば29ノットくらい出せてそこそこ速いはずなのに…」

瑞鶴「この人は諸事情があってあんまり本気出せないからねぇ…」

古鷹「アンソロでも馬力出しすぎるとぶっ壊れるって描いてありましたからね。仕方ないんです」

プリ「ねー、提督、大和、起きてよー」

提督「うーん…うーん…」グッタリ

大和「足が痛い…体が熱い…」グッタリ

古鷹「あの…2人とも立てます?」

瑞鶴「立てないなら引きずってでも山に放るけど」

提督「大丈夫だ…か、帰るぞ大和…」

大和「はひぃ…」

提督「瑞鶴たちよ、また明日迎えにくるからな…」ヨロヨロ

瑞鶴(大丈夫かしら…)

大和「提督…おぶってください…」ヨロヨロ

提督「断る…俺だってお前に運んでって欲しいくらいだよ…てか戦艦なら人を乗せて行くのが当然だろうが…」ヨロヨロ

大和「戦艦でも姿かたちは人なんですってば…勘弁してください…」ヨロヨロ

プリ「…」

古鷹「…」

【大和たちはなんとか自力で船に戻り、無人島を離れていった】



瑞鶴「ま、まぁこれで提督さんたちのことは何とかなったわね」

古鷹「ですね。結局何しにきたのかよくわかりませんでしたけど」

プリ「じゃあ晩ごはん、食べよっか」

瑞鶴「走り回って疲れちゃったから…お腹もすいたしさっさと食べるわよ」

瑞鶴「まずは食材チェックよ」

プリ「最終的に、今日は何が採れたんだっけ」

古鷹「私たちが集めたご飯は…」ゴソゴソ

チーム大型艦の食材:カサゴ、クロダイ×2、アジ×1、ほうれん草

プリ「おお!魚がいっぱいで豪華!」

古鷹「うん、たくさんあって今晩は豪華な食事になりそうです!」

瑞鶴「でもこうやって見直したら、食材はほとんど魚しか無かったわね」

プリ「でも昨日の変な貝とか比べたらマシだよ!」

古鷹「一応、魚以外には釣りで使ったイソメとかもありますけど」ウネウネ

瑞鶴「悪い冗談はやめて…」

プリ「それじゃあ、さっそく調理して食べよっか!」

古鷹「魚は誰が調理します?」

瑞鶴「なら見てなさい!瑞鶴の魚捌きを見せてあげるわ!」

プリ「瑞鶴が料理してくれるんだ」

古鷹「魚を下ろすのは難しいと聞きましたが…」

瑞鶴「ふふん、大丈夫よ」

瑞鶴「私だって女なんだから、魚程度なら簡単に調理できるんだからね」

プリ「かっこいい!私、魚なんて捌いたことないよ!」

瑞鶴「駄目ねプリンツ。魚を調理できないんじゃまだまだよ!」

プリ「ジャガイモ料理なら大得意なんだけどなぁ…」

瑞鶴「とりあえず始めるわよー。それじゃ包丁を…」

瑞鶴「あっ」

古鷹「どうしましたか、瑞鶴さん」

瑞鶴「そういや包丁が無いじゃん…」

古鷹「え?」

プリ「あっ…」

プリ「忘れてたね、これも…」

瑞鶴「あぁ本当に私たちって色々と詰めが甘すぎる…」

プリ「包丁が無いならどうやって調理するの?」

瑞鶴「うーん、道具がないなら手で引きちぎるとか…」

プリ「なんてワイルド!」

瑞鶴「はぁ…もうしょうがないけどやるか…」

古鷹「あっ、そう言えば」

瑞鶴「?」

プリ「何?古鷹」

古鷹「昨日拾ったこの石…」スッ

古鷹「これもしかして包丁として使えません?」

瑞鶴「おおっ!?」

【古鷹、鋭い石を取り出す】

【この石は、家作りの時に古鷹が竹を切ろうとして手に入れたものである】

【古鷹は丁寧にも、これをずっとポケットに忍ばせておいたのだ】

瑞鶴「そっか、これがあったわね!ナイスよ古鷹!」

プリ「ここでついに私たちに見せ場が!やったね!」

古鷹「偶然と言えば偶然ですが、この場面では心強い道具になりそうです!」

瑞鶴「石の包丁をよく洗って…」バシャバシャ

プリ「真水がいっぱい贈られてきてほんとよかったよね」

古鷹「水が無かったら海水で洗わなくちゃいけませんでしたからね。運ぶのが大変です」

瑞鶴「よし、綺麗になったわ!これで魚を捌いてみるわよ!」

瑞鶴「鱗を削って、頭を落として…」ガリガリ

プリ「わっ、手際いい!上手!」

古鷹「瑞鶴さん、料理が得意だったんですか」

瑞鶴「まぁ、一応だけどね」

瑞鶴「それに、私だって何か一つくらい見せ場を作っておきたいし…」ズーン

古鷹「うぐっ…」

プリ「見せ場…私たち、もう完全にボロボロだもんね…」

瑞鶴「やっぱり最後くらいはかっこよく終わりたいから…ね」

瑞鶴「よっ、よっ…」ガリガリ

プリ「ほんと上手いね、瑞鶴」

古鷹「スピードも早いですし、私たちの出番はなさそう…」

瑞鶴「よーし、これで3匹捌いたわ」

瑞鶴「これを捌けば残りはあと1匹ね」スッスッ

プリ「瑞鶴がんばれー」

瑞鶴「残りの魚は…」

瑞鶴「こいつかぁ…」

プリ「?」

古鷹「あら、この魚は…」

【ラスボス カサゴ】

瑞鶴「秋月、こいつのトゲは危険って言ってたよね…捌くとき刺さりそう…」

古鷹「危ないですね…」

プリ「面白い顔の魚だなぁ…」

瑞鶴「てかこいつ、刺身になるの?食べられる?」

古鷹「噂では、カサゴの刺身は珍味で大変美味しいと聞きますが…」

瑞鶴「なら捌く価値はあるってことね…」

プリ「トゲすごい…あいててっ」ツンツン

瑞鶴「…古鷹、やってみる?」

古鷹「まぁ見てるだけなのは退屈なんで、やりましょう!」

瑞鶴「頼むわ、古鷹」

古鷹「まずはカサゴを手で押さえて」グサッ

古鷹「心が折れました。もうやめます」

瑞鶴「いやもう少し頑張りなさいよ!?」

瑞鶴「私がやるしかなさそうね…」

プリ「私はいっしょうけんめい応援するよ!」

瑞鶴「大丈夫…こうやって胴体を押さえつけとけばトゲなんか刺さらないはず…」グイッ

瑞鶴「まずはこの目立つ背ビレのトゲから切って…痛っ!?」グサッ

プリ「瑞鶴、大丈夫!?」

瑞鶴「いたた、こっちの横ヒレにもトゲがあったのね。見落としてたわ」

古鷹「これはなかなか危険な魚です…苦戦しそうです!」

瑞鶴「ここで軍手とかあったら調理は楽そうなんだけどね。怪我とかしないように手を守るものが欲しいわ」

プリ「私の帽子で押さえたら軍手代わりにならないかな?」

瑞鶴「いや、そんなことしたらプリンツの帽子が汚れちゃうし…てか帽子だから汗がいっぱい染みついてそうだからやめとくわ」

プリ「むぅ」

古鷹「あっ、では軍手じゃないですけど、代わりになりそうなものが…」

瑞鶴「?」

古鷹「プリンツさんが持ってきた…」

プリ「?」

古鷹「ブルーシートなんていかがですか?」

瑞鶴「!?」

【ブルーシート登場】

プリ「これも家を作るときに拾ってきたもののひとつだよね」

古鷹「プリンツさんの帽子は洗うとびしょびしょになってしまいますが、ブルーシートなら綺麗に洗って使えます!」

瑞鶴「なるほど、確かに…」

プリ「洗うのは私に任せて!」ゴシゴシ


プリ「綺麗になったよ!使ってみて!」

瑞鶴「よし、使ってみるわよ」

瑞鶴「ブルーシートとは考えたわねー、直接トゲを触らなくていいのは助かるわ」

プリ「やったね!私にも見せ場ができた!」

古鷹「やりますね、プリンツさん」

瑞鶴「これで背ビレを切り落として、頭を落として、調理すれば…」

瑞鶴「カサゴの刺身の完成!」

プリ「わーい!」

【チーム大型艦、魚の調理に成功】

瑞鶴「なんとか上手くいってよかったわ!」

古鷹「そうですね、美味しそうです!」

プリ「ねぇ瑞鶴、もう晩ごはんはお刺身でよくない?」

プリ「火を起こすのとか面倒だし、もう今日は疲れちゃったよ…」

瑞鶴「うーん、そうねぇ…どうする?」

古鷹「私もプリンツさんに賛成です。早くご飯を食べてゆっくり眠りたいのは同感です」

瑞鶴「じゃあ…もうそうしちゃおうか」

瑞鶴「あとは、適当にほうれん草をちぎって…」

瑞鶴「刺身セットの完成ね!」

プリ「できあがりー!」

【チーム大型艦の晩食、刺身盛り合わせの完成】

【チーム駆逐艦のものと比較すると少々見劣りしてしまうが…】

【それでも昨日の大型艦の晩食と比べればかなりの成長が伺えるであろう】

瑞鶴「完成したし、食べちゃいましょうか」

プリ「いっただきまーす!」

古鷹「いただきます」

瑞鶴「ちゃんと調理できてるといいんだけど…」

プリ「大丈夫だよ、瑞鶴!」パク

瑞鶴「…うん、美味しいわ!やっぱり今日釣ったから新鮮で旨みがあるっ!」モグモグ

古鷹「醤油がなくても魚の味そのものの味が強いので、美味しくいただけますね」

プリ「私は醤油があった方が良かったけど、我慢する!」

瑞鶴「まぁ、調味料が無いのはどうしようもなかったからしょうがないわ」

プリ「そういやほうれん草もあった!これも食べちゃお」パク

瑞鶴「そうそう、翔鶴姉の仕送りもあってよかったわ。魚ばっかりじゃたぶん飽きてたし…」モグモグ

古鷹「釣りたての魚は脂が乗ってますからさっぱりしたものが欲しくなりますからね。翔鶴さんの判断は正しかったのかもしれません」モグモグ

プリ「ほうれん草、にがい…」

古鷹「あれっ、プリンツさんお口に合いませんでしたか?」

瑞鶴「生のほうれん草は好き嫌いがはっきり分かれるような味だからね。はい水」

プリ「だんけ…」ゴクゴク

古鷹「ほうれん草ってしっかり茹でて灰汁取りした方がいいんでしたっけ?」

瑞鶴「そうとも限らないわねー。茹でたら茹でたで栄養も逃げちゃうから…」

瑞鶴「まぁ、火を使う手間を省くためなら生で食べた方がいいってことよ」

プリ「そうだよね…」

プリ「あの変な魚のお刺身で口直し…あっ!これ美味しい!」

古鷹「あんなにあったのにあっという間に無くなっちゃいましたね」

瑞鶴「さすが大型艦、食欲があるわ。てかもう完食よ」

古鷹「ごちそうさまでした」

プリ「満足だよー!」

瑞鶴「じゃあこれでこの無人島生活でしんどいところはもう終わり…ってことでいいのかしら?」

古鷹「そうじゃないでしょうか?明日はとうとう提督の迎えを待つだけですし…」

古鷹「もう野外で夜を越すことは無いですから、最大の正念場は乗り越えたことになります!」

瑞鶴「そっか、やったわ!なんとか今日まで生き延びることができたわね!」

プリ「やっと終わった!長かったー!」

瑞鶴「そうとわかればもう寝るわよ。疲れたし起きててもしんどいだけだからさっさと横になるわ」

プリ「そうだね、うわーい!」ゴロン

古鷹「本日はお疲れさまでした!」

瑞鶴「あー…やっとゆっくりできる」

瑞鶴「星空でも眺めながら眠りにつきましょう…」

古鷹「昨日は徹夜したせいでよく見れなかったですけど、改めて空を見るととても綺麗ですね」

プリ「そうだねー…月と星が眩しい」

瑞鶴「月ってこんなに明るかったんだ。夜でもこんなに私たちを照らしてくれてる」

瑞鶴「そしてたくさんの星たちも明るいのと暗いのが両方あって…だけどどれも同じくらいに綺麗なのよね」

古鷹「ですねー」

プリ「あっ、そうだ、星と言えば…」

瑞鶴「?」

プリ「あのね、日本で読んだ漫画にね…」

プリ「星って、明るいのと暗いのあるけど…」

プリ「それは地球から見た明るさを基準にしてるからって話で、実際には星ごとに離れてる距離が違うから本当の星の明るさは私たちが見てる明るさと違う、っていう話を思い出しちゃった」

瑞鶴「へぇ、あの明るい星は同じ距離で見るとあの暗い星よりも実は暗い、ってこと?」

古鷹「その漫画って、もしかして医者の物語ですか?」

プリ「確かそうだったと思う」

プリ「それで、今回の無人島生活…なんか駆逐艦たちの方が凄いって聞いたじゃん」

プリ「だからなんだか、私たちは明るい星のように重巡とか空母とかっていう艦隊の花形みたいな役割にいるけど、駆逐艦の方は暗い星のように、艦隊だと護衛が中心で地味だけど、実は私たちよりよっぽど頑張ってて凄いとこがあるってことをあの星に教えられた気がして…」

プリ「勉強に…なったのかな?」

古鷹「今回私たちは少し情けない場面が多かったですから…それを自覚しないといけませんよね」

瑞鶴「ふー…そうね」

瑞鶴「…それでも私たちは、明るい星なのよ」

古鷹「瑞鶴さん?」

瑞鶴「たくさんの暗い星の中、一際明るく輝く星。駆逐艦たちを引っ張って艦隊を勝利に導く存在」

瑞鶴「世間一般の人からすれば、私たちは艦隊の中心だって思われてる立場なのよね」

プリ「重巡はちょっと微妙な立場にあるけどね」

古鷹「史実では重巡も艦隊の中心的な立場にいましたよ!」

瑞鶴「だから今回のこの企画でやらかしちゃったこと…それを私たちは反省しなくちゃいけないわ。皆を引っ張らなくちゃいけないのに、こんな姿だったら見る人を失望させちゃうから」

瑞鶴「まぁ要するに、できないから、上手くいかないからって甘えず、自分の立場をよく考えなさいってことなのよね」

瑞鶴「私たちは、本当の明るい星にならなくちゃいけないの」

瑞鶴「それに気付けただけ、この企画をやってよかったって思うわ」

プリ「…」

古鷹「…瑞鶴さんがなんか良いことっぽいの言ってる」

プリ「大丈夫?頭でも打ったの?」

瑞鶴「うるさいわね!?私だってちょっとくらい真面目になってもいいじゃない!」

瑞鶴「もう遅いし寝るわよ!おやすみ!」

古鷹「はーい、おやすみなさい」

プリ「やっと帰れる…明日が待ち遠しいよ」

【最後、少しだけ成長したチーム大型艦】

【3人はまた来る明日を迎えるため、目を閉じるのであった…】

次回、エンディングです
最後の更新になるかもです。よろしくお願いします

【無人島生活、最終日】

提督「♪~」ザバババ

提督「…」

提督「…俺、今回、無人島へ何往復したっけなぁ…」

【提督は6人の艦娘を迎えに行くため、船にのって無人島へと向かっていた】

【チーム駆逐艦side】

吹雪「みんな、おはよー」

陽炎「おはよう、吹雪、秋月」

秋月「とうとう最終日ですね」

吹雪「そうだねぇ、この島で色々あったけど…なんだかんだ楽しかったよ」

陽炎「早く帰りたいのに、名残惜しさもちょっとだけあるわ」

吹雪「司令官が迎えに来るのって昼くらいだよね?」

秋月「そうだったと思います。まだ少しですが時間は残ってますね」

陽炎「でももう今日は何もしなくてもいいでしょ。海でも眺めながらのんびり待ちましょう」

秋月「確かに今日で帰れるから食材集めなどはしなくていいかもしれませんが…」

秋月「最後には家の解体をしておきましょう!」

陽炎「え?」

吹雪「せっかくだから残しとくんじゃないの?」

秋月「一応、ここは無人島ですので…何となくですけどお片付けはしておこうかと思いまして!」

陽炎「そっか、立つ鳥跡を濁さず、ってことね。お邪魔したなら最後は綺麗にして帰りたいわ」

吹雪「そういうことか!手伝うよ、秋月」

秋月「助かります!では、葉っぱや木の枝は自然分解できるよう草むらあたりに捨てて…」

秋月「ウツボやタコの食べ残しなどは地面の栄養になるよう、穴を掘って埋めていただければよろしいかと思います」

陽炎「わかったわ。やるわよ」

吹雪「ねぇ陽炎、どっちが穴を深く掘れるか勝負しない?」

陽炎「それは疲れるから遠慮しとく」

吹雪「残念!」

~~~

吹雪「穴を埋めて…」

陽炎「うまく全部処理できたわね」

秋月「これで綺麗になりました!」

吹雪「ドラム缶とかはちゃんと持って帰るから、これで心置きなく無人島から離れることができるよ」

秋月「二人とも、ご協力感謝します!」

陽炎「でもまだまだ昼まで時間ありそうね…今から何して過ごす?」

吹雪「そうだね、何しよ?」

秋月「ではせっかくですし、みなさんで遊びましょう!」

吹雪「お、秋月にアイデアがあるの?」

秋月「はい!この石をですね」

吹雪「石を?」

秋月「海に投げます!誰が一番遠く投げられるか競いましょう!」

吹雪(あぁ、暇潰しの方法が貧乏臭い…)

陽炎(でも一応暇潰しにはなるから…せっかくだしこれで遊びましょうよ)

【一方、チーム大型艦sideの様子】

瑞鶴「ふあぁ…よく寝たわ…」

古鷹「おはようございます、皆さん」

プリ「今日はいっぱい寝たから眠くないよ!」

瑞鶴「さて、ついに今日が最終日ね」

瑞鶴「のんびり今日の昼を待てば全てが終わる!やっと鎮守府に帰れるわ!」

プリ「よく頑張ったよね、私たち!」

古鷹「この体験は青葉にも自慢できます!」

瑞鶴「けど昼まで暇だわ。何しよっか」

プリ「そーだねー、何する?」

瑞鶴「時間はいっぱいあるのにそれを消化するためのものが無いってのも不便ね」

古鷹「この時間の余裕さ、昨日までの苦労が嘘みたいです」

瑞鶴「とりあえずドイツ仕送りの水がまだ残ってるからこれらを飲み干してしまいましょう」

プリ「よーし、ならサバイバル最後の乾杯だね!」

古鷹「最終日を向かえたことを記念して、乾杯しましょう!」

瑞鶴「乾杯!」

瑞鶴「ごくごく…やっぱり水おいしい!」

古鷹「水は生命の源ですもんね。プリンツさんの仕送りには本当に助けられました」

プリ「どや!」

古鷹「無人島では本来なら満足に水すら飲めないなんて…今回はかなりいい体験になりました」

瑞鶴「てか帰ったらまず最初に何しよう?もう3日も帰ってないし」

古鷹「私はお風呂ですかね。髪とかボサボサになっちゃってますから」

プリ「私はおいしいご飯が食べたい!ビール飲みたい!」

瑞鶴「やりたいことがいっぱいあるのよねー」

【仲良く遊ぶチーム駆逐艦と、仲良く会話を弾ませるチーム大型艦】

【彼女たちは、思い思いに残りの無人島生活の時間を楽しく消化していた】

【そんな時間は早く流れ、提督はどんどん無人島へと近付いていく】

【そして…】


提督「…おっ」ザバババ

提督「見えてきたな…島が」

【とうとう、無人島とのお別れのときがやってきた】

秋月「えーい!」ヒューンボチャーン

吹雪「今のは、約5メートルくらい飛んだかな」

陽炎「秋月、全然飛んでないわね…本気出してる?」

秋月「あっ、あれ…二人とも強すぎません…?なんで石をそんな遠くまで飛ばせるんですか…?」

吹雪「秋月の投げ方が悪いのか肩が弱いのか知らないけど…」

吹雪「とりあえずその程度の投げじゃ、私には勝てないよっ!」ヒューンボチャーン

陽炎「おー、今のは20メートルくらい飛んだかな?」

吹雪「軍人だからね!鍛えてるもん!」

秋月「私も鍛えてるのになんでなの…」

陽炎「私も吹雪を超える勢いで投げてみせるわよ」

陽炎「見てなさい、海の向こうに…」

陽炎「海の向こう…ん?」

吹雪「陽炎、どうしたの?」

陽炎「いや、あそこ…」

陽炎「あれ、司令官の船じゃない?」

秋月「えっ!?」

吹雪「来た!?」

瑞鶴「海を眺めながら水を片手に女子トーク…優雅ね」

古鷹「水がジュースかお酒だったらもっと良かったんですけどね」

プリ「そうだ!鎮守府に帰ったら皆でまたご飯に行こうよ!」

瑞鶴「いいわねそれ。それこそその時は美味しいお酒なんかも一緒に飲みましょう」

古鷹「そうですね、皆でおすすめのお店を紹介しあって食べ歩き…いいと思います!」

プリ「わーい!楽しみー!」

古鷹「…おや?」

瑞鶴「古鷹、何かあった?」

古鷹「あそこ…海の上!」

古鷹「提督がいます!私たちを迎えに来たんじゃないですか!?」

瑞鶴「おっ、やっとか!」

プリ「待ってたよー!」

提督「お前たーち!聞こえているかー!?」←メガホンで呼び掛けてる

提督「これにて無人島生活の時間は終了だ!本当にお疲れ様だった!!」

提督「今から横須賀まで戻る!帰る準備をしろー!」

吹雪「了解です!」

瑞鶴「わかったわ!」

【3日目 正午】

【無人島生活、終了!】

吹雪「やった!生還できたぁー!」

秋月「はい!懐かしの鎮守府です!」

陽炎「お疲れ様!もう司令官が来るのを待つだけね!」

古鷹「提督ー!私たちはここでーす!」

プリ「早く迎えに来てー!」

瑞鶴「そんな沖にいちゃ、私たちが帰れないわよー!!」

提督「何を言ってるんだー!瑞鶴ー!」

提督「行きは船から泳いで島まで言っただろうー!?帰りも船まで泳いで来てくれないかー!?」

瑞鶴「は?」

吹雪「んっ!?」

~~~

瑞鶴「…最後の最後でこんな苦労をさせられるなんて…」ビショビショ

吹雪「ひどいです、司令官…」ビショビショ

プリ「船まで泳ぐの疲れたぁ…」ビショビショ

提督「すまんな。これは一応軍人の訓練だから仕方ないと思ってくれ」

陽炎「…」グッタリ

提督「では、これより横須賀鎮守府に戻るとするぞ」

提督「鎮守府では皆が風呂を沸かしたり食事を作ったりと歓迎の準備が進んでいる。帰ったらこの疲れが取れるよう、ゆっくりできるようにしてあるからな」

提督「船での移動時間は退屈かもしれないが、これを過ぎたら後は楽だから楽しみに待っててくれ」

秋月「本当ですか!?嬉しいです!」

古鷹「早く横須賀に着かないかな!」

提督「じゃあ飛ばすぞ、お前たち」

提督「エンジン全開!全速力で帰るとする!」

吹雪「うわ、速っ!?」ガクンッ

瑞鶴「モーターボートって軍艦より速いのよね…」

【こうして、艦娘たちの無人島生活は無事に終わった】

【輝く太陽の下、7人は横須賀へと帰路を取るのであった…】

【横須賀鎮守府】

提督「よーし、着いたぞ」

提督「待たせたな。お前たちが待ちわびた、俺たちの家だ!」

秋月「!!」

吹雪「わあぁー…!懐かしいよ…!」

瑞鶴「見慣れたこの建物…!な、なんだか泣けてきた…!」

プリ「恋しい…皆の顔、お風呂にご飯に布団に全てが恋しい!」

秋月「少しここを離れるだけで、いつも我々がどれほど恵まれた環境で過ごしていたのかがよくわかりますね」

陽炎「これからは鎮守府に感謝しながら生活しなくちゃ…!」

古鷹「私もいい経験をさせてもらい、ありがとうございました!」

【大浴場】

吹雪「やっぱりまずは鎮守府のお風呂最優先だよね!」

陽炎「海水じゃないお風呂なんて久しぶり…今日は髪を丁寧に洗わないと」

瑞鶴「提督さんも気が利くわね。お風呂を貸し切りにしてくれてるなんて」

プリ「もうお風呂なんて久しぶりだよー!」

古鷹「ほんと、汗臭いままなんて嫌ですし!しっかり洗い流しましょう!」

秋月「え?久しぶりってどういう…」

吹雪「もしかして、3人はずっとお風呂に入ってなかったの…?」

瑞鶴「え?」

カポーン…

秋月「しっかり洗って…と」

陽炎「シャンプー…シャンプー…」

陽炎「ふぅー、やっと髪さらさらになった」

瑞鶴「うおー、私すごい。シャワー浴びるだけで流れる水が黒くなってく」

古鷹「向こうではいっぱい汗をかきましたからね」

吹雪「汚い!瑞鶴さんこっち来ないで!」

瑞鶴「今その汚れを取ってるからもう少し待ちなさい!」

プリ「あぁぁ…湯船さいっこう…!あったかくていい気持ち…!」

陽炎「私たちは女の子だもん。お風呂に入って清潔にしたいのは当たり前よね!」

【脱衣場】

提督「…ふむ」

提督「これが奴等の洗ってない、汗が染みに染みた服に下着か」

提督「ならば出でよ!金剛4姉妹!!」

金剛「ヘーイ!」サッ

比叡「ヒエーッ!」サッ

榛名「私たちをお呼びでしょうか?」サッ

霧島「計算によりますと、私たちは雑用のために呼ばれたのかと」サッ

提督「うむ。すまんがこいつらの服なんだが…」

提督「綺麗なところはもうどこにもなく、すっかり汚れてしまっている」

提督「だから奴らのための新しい着替えを用意し、これらの汚れた服は丁寧に洗濯してやってくれないか」

金剛「お安い御用デース!」

比叡「気合い入れて!洗います!」

提督「頼むぞ」

榛名「私と霧島は吹雪さんたちの着替えを取ってきますね」

霧島「お任せを!」

金剛「比叡、こっちは服をランドリーまで運ぶデース」

比叡「はい!手伝います!」

比叡「…っと?」ポロッ

金剛「比叡?どうしマシタ?」

比叡「いや、ポケットから何か…?」

金剛「pocket?」

比叡「はい、吹雪ちゃんのポケットから…」

比叡「これは…しいたけ?」

【吹雪が完全に存在を忘れてたツキヨタケである】

金剛「HAHAHA、私たちのお土産デスか!」

比叡「駆逐艦らしくてかわいいですね!」

金剛「しいたけなら食べてしまいマショウ!今、鳳翔がお鍋をつくってるはずデスから…」

金剛「それと一緒に煮て食べるネ!」

比叡「了解です!」

吹雪「ふー、さっぱりした」

陽炎「あれ?新しい着替えが置いてある」

瑞鶴「誰かが用意してくれたんでしょ。あんな服をお風呂のあとに着るのもごめんだし」

古鷹「あの服、汗だくでベトベトでしたからね…」

プリ「綺麗な服を毎日着れるなんて、すごい贅沢なことだったんだね!」

秋月「洗剤は無人島にはありませんから…清潔な服は貴重なんです!」

【風呂から上がった後、6人は提督に連れられ】

【この無人島の結果発表が行われようとしていた】

提督「では、この企画の冒頭で述べた通り…」

提督「この無人島生活はチーム戦だったからな。これより、どっちのチームが勝者かを発表するぞ!」

秋月「はい!」

陽炎「忘れてた、この無人島生活って対決してたんだっけ」

吹雪「こっちに秋月いたし、負けることはないとはおもうけど…」

瑞鶴「…どう思う?プリンツ、古鷹」

プリ「私たちの無人島生活…楽しかったけどね…」

古鷹「勝ちか負けかって言われたら、その…」

瑞鶴「そうよねぇ…」

提督「まずはそれぞれのチームに対する評価からだ」

提督「4人ほどの艦娘に中継を見てもらったので、感想を述べてもらうぞ」

提督「では頼む。阿武隈、神通、川内、那珂よ」

吹雪「え、水戦審査員!?」

阿武隈「あたし的には、やっぱり駆逐艦の活躍に感動しちゃいました!」

神通「私も同意見です。いつも訓練で鍛えてますから、こちらとしては成長が見られて嬉しかったですね」

川内「でも大型艦には運が良かったシーン多かったよ!私は無人島で生き残るためには実力よりも運の方が必要だって思うし」

那珂「カメノテのシーン、魚を大量に釣り上げたシーンに、鹿は大惨事だったけどテレビ的には美味しいシーンだったし、大型艦の方が愉快だったかな!」

プリ「あれ、意外と私たち評価されてる?」

瑞鶴「よ、喜んでいいのかな」

提督「うむ。どうやら意見が2つに分かれてしまったようだ」

秋月「この場合の勝敗はどうなるんです?」

提督「そうだな…」

提督「お前たち、この無人島生活の目的を覚えているか?」

陽炎「えっ?何、急に」

古鷹「目的ですか?えっと、私たちの苦しむ姿を見て笑うため、でしたよね?」

提督「違うそっちじゃない」

提督「お前たちに無人島生活をさせたのは、お前たちが出撃中に漂流したときに備える訓練を目的としていたのを思い出してくれ」

吹雪「は、はい」

提督「そしてお前たちは今回、無事に帰ってくることができた。これはこの訓練をお前たち全員が達成したことを意味している」

提督「つまりお前たちみんなは俺の望む結果を出してくれたということだ。ここから弾き出される勝敗の結果は…」

提督「引き分け、だな。両者、共によく頑張ってくれた!」

秋月「!」

吹雪「なんか釈然としない…けど」

陽炎「司令官の言うことも一理あるわ。無事に帰って来た、それだけで十分なのよね」

古鷹「ですね!お互い、立派でした!」

瑞鶴(冷静に考えると仕送りとかに色々助けられたおかげってとこが大半だけどね)

プリ(まぁ、それはいいってことにしよう!)

提督「さて、これでお前たち全員が勝者となった訳だが」

提督「忘れてるかもしれないが勝者への報酬があるぞ!」

秋月「やった!ご馳走でしたよね!」

吹雪「そうだった、忘れてた」

提督「そうだ。鳳翔がなんと全員分の料理を作ってくれたからな!」

提督「鎮守府全員でお前たちお帰りパーティをするぞ!食堂までついてこい」

プリ「久しぶりに鳳翔のご飯が食べられるー!」

瑞鶴「向こうじゃ録な料理食べてないもんね。食べたのは食材頼りの簡単なものだったし」

古鷹「久しぶりに美味しいものを口にできます!」

陽炎「嬉しいわー!」

【食堂】

鳳翔「よいしょ…っと!」

鳳翔「お待たせしました!鳳翔特性、巨大鍋です!」ドーン!

秋月「いい匂い!」

吹雪「いただきまーす!」

【そしてついに、その時はやってきた…】

プリ「この味噌の味…美味しいよぉ…!」

陽炎「鳳翔さん、味付けのバランス上手いのよね!」

瑞鶴「動物の肉も久しぶりに食べられるわ!」モグモグ

古鷹「たんぱく質を摂取したいですね!」

吹雪「いやー、おいしいおいしい!」

秋月「幸せですー!」

吹雪「…おっ?」

吹雪「見て見て秋月、このきのこちょっと光ってる!」

秋月「えー?そんなまさか!」

秋月「…?」

秋月「ええっ!?」

秋月「ちょっと!吹雪さん!?」

吹雪「何?」モグモグ

秋月「そう言えばツキヨタケ!あれポケットに入れた後どうしました!?」

吹雪「ふぇ?」

吹雪「…えっと…ずっとポケットに入れたままで…ここまで帰って来てそのスカートはどっか行っちゃったから…」

吹雪「…まさか」サーッ

秋月「吹雪さぁぁぁぁん!!」

提督「どうした2人とも。そんなに叫んで」

瑞鶴「そうよ、もう少し静かに…」

吹雪「うわぁぁぁぁぁぁどうしよう秋月ぃぃぃぃ!!!!死にたくないよぉぉぉぉぉぉ!!!!」

秋月「落ち着いてください!まだ手当てをすれば大丈夫です!!」

陽炎「!?」

プリ「死って!?」

プリ「な、何事!?」

吹雪「秋月、早くぅ!」

秋月「ええっと、とにかく吐き出させればいいので…」

秋月「とりあえず吹雪さんのお腹を殴ります!我慢してください!!」←パニック

吹雪「よしわかった!思いっきり私を殴って!!」←混乱してる

陽炎「ちょい秋月!?何してんのよ!?」ガシッ

瑞鶴「なんで吹雪を殴るの!?何か怒ってる!?」ガシッ

秋月「何をするんです!?離して!離してぇぇ!」

古鷹「どうしたんですか秋月さん!?」

プリ「とにかく落ち着いてぇー!!」

【なおこの後、吹雪は自力でお腹を押さえてツキヨタケを吐き出し、大事には至らなかったという】

【また、秋月は怒ると無茶苦茶恐いという噂も一人歩きしたとかどうとか】

【色々あったが、とにかくこれにて…】

【いきなり艦娘伝説、完っ!!】

と、いうわけでこのスレは終了です
こんなに長くなっちゃってごめんなさい
実はまたテレビ番組ネタを考えてるのですが、これはまた長くなりそうなので、書こうかどうか悩んでます…

とりあえず、依頼出してきます
お付きあいありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月10日 (日) 03:45:57   ID: t-YdWM0E

球磨「虫が居たクマ貴重なタンパク源だクマ」

2 :  SS好きの774さん   2016年01月11日 (月) 22:43:09   ID: dC5GjCMh

↑熊違いやん

3 :  SS好きの774さん   2016年01月21日 (木) 17:54:42   ID: K6QBGlI_

調味料ないなら、油へポーンも今回はなしかな

4 :  SS好きの774さん   2016年01月21日 (木) 18:31:13   ID: r4itHX6C

ウツボだ───!!ww
地の文きてすぐにわかったでw
今回はちねりあるんですかね?

5 :  SS好きの774さん   2016年02月11日 (木) 08:59:15   ID: T2GOnA7R

懐かしいネタだなぁ、今の黄金伝説はグルメ番組に成り下がったから
これの次は、一ヶ月一万円も読みたいところ

6 :  SS好きの774さん   2016年02月27日 (土) 02:21:55   ID: SuFRvRoM

秋月…(´;ω;`)

7 :  SS好きの774さん   2016年02月27日 (土) 14:11:15   ID: sSEFMuK5

ここの秋月の半生が険しすぎて草も生えない

蛇か…で、味は?(某伝説の蛇)

8 :  SS好きの774さん   2016年02月27日 (土) 23:01:14   ID: URYu_MjC

*7 ササミ味 匂いはくさいのもある

9 :  SS好きの774さん   2016年02月28日 (日) 20:34:48   ID: lACpTJLA

なぜ感動タグが…

10 :  SS好きの774さん   2016年03月29日 (火) 23:37:17   ID: _ey6PzQk

12.7cm砲はバラせば色々と使い道があるかもしれない。

11 :  SS好きの774さん   2016年04月07日 (木) 02:36:10   ID: 4Eldsl7D

カメ五郎さんの初期動画見れば大体分かる(蛇)
最近は鹿肉食ってるけどw

12 :  SS好きの774さん   2016年06月12日 (日) 15:09:28   ID: _i87LxZp

無人島生活放送してた時の黄金伝説は好きだった
今のグルメ黄金伝説はつまらんな

13 :  SS好きの774さん   2016年07月09日 (土) 11:47:35   ID: SAijQ422

今度はどこからネタパクってきたの?

14 :  SS好きの774さん   2016年07月13日 (水) 00:10:54   ID: hvv8cjCn

※13
今回はパクリ宣言なかったから元ネタみたいなのはないんじゃね?
まぁでもやっぱ前作の元ネタは一覧みたいなのが欲しかったと思う

15 :  SS好きの774さん   2016年09月13日 (火) 15:39:58   ID: x8Vagqh_

ラノベの3巻で蛇出てきたけど・・・
陽炎は食べたか分からないから今回が初めてだね!

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