【ガルパン】みほ「大洗あんこう物語」 (758)
【ガルパン】みほ「えっ?私の転校先って大洗のはずじゃ…」
【ガルパン】みほ「えっ?私の転校先って大洗のはずじゃ…」 - SSまとめ速報
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の続編、大洗転校後の話になります
みほ「!!大丈夫ですか?どこか怪我とか…」
優花里「‥はっ、だ、大丈夫であります!」
みほ「そうですか。大丈夫なようならよかったです」
優花里(あぁ~、に、西住殿とは、話す事ができるなんて…感動であります)
みほ(大丈夫かな、この人…)
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優花里「はっ、す、すみません!また、私…」
みほ「いや、謝らなくても…えっと、お名前は?」
優花里「申し遅れました。私、普通Ⅱ科、2年C組の秋山優花里と言います。不束か者ですがよろしくお願いします」
みほ「あっ、同じ2年生だったんですね。じゃあ、秋山さん。改めて学校までの案内をお願いできますか?」
優花里「はいっ!お任せください」(敬礼)
みほ「……」カツッ!ビシッ!(直立不動の見事な敬礼)
優花里「!!」
みほ「…あっ、ごめんなさい。つい前の癖で」
優花里(カッコよすぎであります~)
みほ(まずい、まずい。ここは普通の女子校なんだから…硬式戦車道の癖を出さないよう気おつけなきゃ。普通の女子高生らしくしないと。あれ?普通の女子高って、どんな風だっけ)
優花里「あ、あのー、西住殿?」
みほ「あっ、なんでもないです。えっと、行きましょうか」
優花里「はいっ。では、学校に向けてパンツァーフォー!」
みほ「……」サッ(照準器を覗く仕草)
優花里「えっ?」
みほ「あっ…」
みほ「えっと、そのー。そうだ!PANZER VORって、よく知ってるね。戦車好きなの?」
優花里「はいっ!私小さい頃から戦車が大好きなんです」
みほ「そうなんだ。でも、大洗には戦車道って無いんじゃ?」
優花里「そうだったんですが、最近復活したんですよ。本物に乗れるって思ったらすごくうれしくて!それでこの間も…」
みほ「?」
優花里「……」
みほ「秋山さん?」
優花里「…いえ、なんでもありません。あっ、あんまりのんびりしてると遅刻してしまいますよ。行きましょう」
みほ(おかしい…。あの戦車についてのテンションの高さは本物…戦車が好きなはずなのに、急にこの下がり様。何かある、戦車道関係であることは間違えないはず。となると、相当なミスを自分自身が犯した?いやそんな一時的なものではなさそう…もっと、上級レベルの話)
優花里「はぁ…」
みほ「(上のレベル、小隊指揮?作戦立案?その辺かな)あ、あの」
優花里「は、はいっ」
みほ「余計な詮索かもしれないけど。もしかして部隊指揮か、作戦立案で悩んでない?」
優花里「……」
みほ「…やっぱり、そうなんだ」
優花里「うぅ…うわぁぁぁんー!西住殿~」
みほ「…そうなんだ。そんな事が」
優花里「ヒック…戦車が好きなだけで戦術レベルでの作戦立案なんて…でも…戦車に精通してる人が私以外ほとんどいなくて…ヒック…学園のためにも何とかしなきゃって、必死に考えてはいるんですけど…教本レベルの基本的な戦術くらしか…その場の臨機応変な対応となると…このままじゃ、私のせいで学校が…うわぁぁーん」
みほ「……泣かないで秋山さん!」
優花里「えっ?」
みほ「あなたも戦車道を往く人なら、こんなことで泣いてるようでは駄目!いい、秋山さん。戦車道は困難な道、これから先絶望的な状況だっていくつもある、でも出来ないからってそこで諦めたら終わりなの。例え戦車を撃破されてしまっても命があるなら手りゅう弾一つでも戦車に立ち向かう位の覚悟が無きゃ」
優花里「西住殿?」
みほ「それに、戦車道はチームで行うもの、互いが互いをフォローできないと。それはチームと呼べない。ただの人の集まり…優花里さんの話を聞いてると大洗のチームはまだ烏合の衆止まりね…」
優花里「……」
みほ「はぁ。一度気持ちを整理しようと思ったけど…やっぱり私は戦車と共に居る運命のみたいね…」
みほ「ねぇ、秋山さん。学園は好き?」
優花里「…はいっ。私は今の学校にいたい、他の皆さんと一緒にいたいです!」
みほ「その言葉に、嘘は無いよね?」
優花里「はいっ!」
みほ「…ふうっ。秋山さん、戦車道はどこの管轄?」
優花里「生徒会であります」
みほ「学校についたら、案内してくれるかな?」
優花里「よろこんで!」
みほ「…秋山さん。学校を守りたいって気持ちに本当に嘘偽りはない?」
優花里「はいっ、微塵もございません!」
みほ「…そう。秋山さ…いや、秋山優花里さん。私と共に母校大洗と学友、戦友の為に戦いなさい、犬死はさせません!」
優花里「に、西住殿~」
みほ「あっ、泣かないって約束でしょ?今度泣いたら懲罰大隊送りにするから」
優花里「懲罰大隊!?そんなのあんまりであります」
みほ「冗談です。この学校にそんな所無いでしょ?…んっ、では改めて秋山由佳里さん。これからよろしくお願いします」
優花里「はいっ。お任せください。私、秋山優花里。西住殿に一生ついて行く覚悟であります」(敬礼)
みほ「……」ビシッ(見事な答礼)
今回はここまで
大洗女子学園
優花里「着きました。こちらが学校になります」
みほ「そうそう、こういうのが普通の学校なんだよね」
優花里「えっ?」
みほ「あっ、何でも無いよ。それより、早速だけど生徒会室へ案内してもらっていいかな?」
優花里「了解であります!」
沙織「あっ、ゆかりん。おっは…。あれ?誰あの人」
華「見たことない人ですね…。もしかしたら昨日先生が仰っていた転校生の方では?」
沙織「でも、あれうちのクラスでしょ?なんで、ゆかりんが。知り合いかなのかな?」
華「さぁ?でも、お話して見たら面白そうかもしれませんよ」
沙織「そうだね。なんかアワアワしてる感じがして面白そう」
みほ(なんでだろう…。私も高校2年生のはずなのに、普通の高校がすごく違和感を感じる…。硬式に染まりすぎたかな)キョロキョロ
優花里「???」
生徒会室前
優花里「こちらが生徒会室です。こちらに…」
バァン!
みほ「失礼します!」
優花里「はわわ。西住殿!?いきなりは」
桃「わっ、びっくりした。なんだいきなり!?って、貴様誰だ?」
みほ「……」(キッ)
桃「ひいっ!」
みほ「あっ…」
柚子「えっと、もしかして転校生の人?」
みほ「おはようございます。初めまして、本日付で大洗女子学園に転校になりました。西住みほです」
杏「やあ、やっと来たね。西住ちゃん。私が生徒会長の角谷杏だよろしく」
みほ「あなたが生徒会長ですか。よろしくお願いします」
杏「よろしくね~。それで、こんな朝早くからどしたの?転校の挨拶にしちゃ、乱暴だけど?」
みほ「戦車道の件で伺いました」
杏「戦車道…。西住ちゃんは確か、あの西住流の娘だよねぇ?もしかして、戦車道やってくれるの?」
柚子「本当!?」
桃「なにっ?本当か!?我が校戦車道経験者が皆無の中、家元の娘が加わってくれるとなれば百人力だ!」
みほ「外野は黙っていてもらえますか?あまり五月蝿いと88mmに詰めてヴェルハラ送りにしますよ?」
柚子&桃「!!」
みほ「んっ。それで会長、その件ですがこの学校を廃校の危機から救う為に戦車道を復活させたそうですね」
杏「そうだよ。秋山ちゃんから聞いたんだ」
優花里「あっ…すみません」
みほ「廃校から救う為に復活させたと仰りましたが、本気でそうお考えですか?」
杏「…本気だよ。じゃ、なきゃわざわざ文科省相手にそんな無理な喧嘩ふっかけたりしないよ」
みほ「その割には、チームで戦う事が基本の戦車道において、作戦立案を経験のない秋山さん一人に押し付けているのはどうかと思いますが?チームとして戦う戦車道において、相互連携が取れないようでは到底勝てるとは思えませんが」
杏「……」
みほ「確かに、未経験者ばかりの中で戦車に精通している人が居たら頼りたくなるのもわかります。ですが、戦車が好なのと実際に指揮するのでは訳が違います。不慣れなら不慣れなりにみんなで協力すれば道は開けるはずと私は思いますが」
杏「…そっか、秋山ちゃん一人で抱え込んでたんだ」
優花里「……」
杏「でも、悩んでるのは秋山ちゃんだけじゃないよ」
優花里「えっ?」
杏「私らも、なんとかしようって毎日3人で夜遅くまで頑張っては見たんだけどねぇ」
杏の視線の先には山積みの戦車の資料、過去の試合の資料、有名な戦いの戦術書
杏「私だって学園を救いたい気持ちは人一倍ある。でも、うちら3人で頑張っても所詮素人集まりなんだよねぇ。
だからさ、少しでも戦車の事が分かる秋山ちゃんなら、って思ったんだけど。かえって負担を大きくしちゃったみたいだね…ごめんね」
優花里「会長…」
みほ「……」
杏「西住ちゃんの言うことはわかるよ。でもさぁ、うちは今年から復活させたばかりの素人集団の寄せ集めなんだよね。練習試合でも、怖くて逃げちゃったりとか、やたら撃ちまくるだけで当てれないとかさ、ちょっとの混乱で大パニックだったんだよね…。そんなの見てると全国では強豪連中相手に戦わなきゃいけないのに、勝てるのかって思ったら余計に焦っちゃってさ…。本当、なんでうちの学校だけがこんなことににって…」
柚子「会長…」
みほ「…皆さん、本当にこの学校の事が好きなんですね」
杏「そうだよ。みんな大洗が大好きなんだ」
みほ「…分かりました。生徒会長、改めてお願いがあります。私を戦車道受講者の名簿に加えてください」
杏「…やってくれるんだね、戦車道」
みほ「この学校を救いたいって皆さんのお気持ちはよく分かりました。それに、本当は戦車道から一区切り付けるつもりでこの学校に転校してきたんですが、転校初日でいきなり戦車道の問題に出くわすなんて、どうやら私は戦車道からは逃れられない運命みたいですから」
柚子「よかったー!」
桃「助かった。これで行けるかもしれん!」
杏「ありがとう、西住ちゃん…」
みほ「はい。その代わり、戦車道は過酷な道です。生半可な気持ちでは進めない事を覚悟しておいてください」
みほ「秋山さん、朝から色々ありがとう」
優花里「いえっ。不肖秋山優花里、西住殿のお役に立てて光栄であります!」
みほ「大げさだよ。今日の授業からよろしくね、装填手さん」
優花里「はいっ!」
握手
みほ「あっ、こんな時間。職員室にも顔出さないと…じゃあ、また」
優花里「はいっ」
タッタッタッ
優花里「…はっ!私あの西住殿と握手してしまいました…。ヒヤッホォォォウ!概要だぜぇぇぇぇ!! 」
↑すいません、打ち間違えました。
優花里「…はっ!私あの西住殿と握手してしまいました…。ヒヤッホォォォウ!概要だぜぇぇぇぇ!! 」→優花里「…はっ!私あの西住殿と握手してしまいました…。ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ!! 」
です。すいません
教師「おはようございます。早速ですが、本日よりこのクラスに転校生の人が加わります。さぁ、入って」
みほ(こういうのは、最初が大事…普通の女子高生らしく)
沙織「あっ、やっぱりあの子だ」
華「そうですね」
みほ「(落ち着いて、普通にしてれば…)わっ」コケッ
一同「…」
みほ「は、初めまして。本日付でこのクラスに編入になりました。西住みほです!よろしくお願いします」
沙織「こけちゃったよ。あの子大丈夫かな?」
華「フフッ。でも、素敵そうな方ですよ」
今回はここまで
明日から仕事の関係上しばらく空きます
みぽりん、プラウダ戦で白兵戦闘なんて事にならなければいいんだけど・・・。
白目むいたカチューシャの襟首を掴んで片手で持ち上げながら、行かせまいと必死で足にしがみついているノンナを引きずりながら、堂々と凱旋してくるみぽりんの姿が見えた。
サンダース戦で、みぽりんの応援をするジョージやタカシを見て、ブチギレて反則技を使うアリサを見てみたいw
そしてその反則技を、合法だがえげつない方法で破るみぽりんも見てみたいw
>>52
某勝負師並に頭のキレるみぽりんというのもいいかも。
みほ「あの人達がイカサマをしていると知った時、どうしようと思いました?」
優花里「それは勿論、阻止しようと・・・」
みほ「その必要はありません。好きにやらせときましょう。」
優花里「えっ!?」
みほ「発想を変えるんです。イカサマを武器にする者は、必ずそのイカサマで自分の首を絞める事になる。それが勝負の常道です。」
再開します
昼休み
みほ(後ろの方から気配が…敵襲!?)サッ
沙織「へい、彼女ー。一緒にお昼でもどう?」
みほ「!!」
華「ほら、沙織さん。西住さん驚いてらっしゃるじゃないですか」
沙織「あぁ。ごめんね」
華「あの、改めまして。お昼一緒にどうですか?」
みほ「…お昼のお誘いか…よかったー」
沙織&華「??」
みほ「あっ、えっと、そのー。…私でいいんですか?」
沙織「へへっ、ナンパしちゃった」
華「私達、一度西住さんとお話ししてみたかったんです」
みほ「えっ、私と?」
沙織「なんか、あわあわしてて面白いんだもん」
みほ「面白い…(普通の学校が久しぶり過ぎて、慣れてないだけなんだけどなぁ。これって、遠回しに馬鹿にされてるのかなぁ…)」
沙織&華「うん」
沙織「あっ、私はね…」
みほ「武部沙織さん。6月22日生まれ、血液型O型。五十鈴華さん。12月16日生まれ、血液型B型」
沙織「へぇ。誕生日まで覚えててくれたんだ」
みほ「うん。名簿みてクラスの皆、いつ友達になっても大丈夫なように。それに、戦車道においてはいつ誰が負傷するかわからない。負傷した時、血液型と生年月日位わからないと、後送する時身分を示すときに大事だから」
沙織「えっ?」
みほ「あっ…えっと、その…」(アタフタ)
沙織「クスッ。やっぱ、西住さんって面白いよね。そうだ、名前で呼んでいい?」
みほ「えっ?」
華「みほ、って」
みほ「…すごい、友達みたい!」
「はいよ、サバ煮定食」
みほ「♪~。(そうだよね、こういうのが普通の学校生活なだよね~)わっ」ガチャガチャコケッ
沙織&華「わっ」
みほ「よかったぁ。友達が出来て。私、一人で大洗に引っ越してきたから」
沙織「そうなんだぁ。まぁ、人生いろいろあるよねぇ。泥沼の三角関係とかぁ、告白する前に振られるとかぁ、五股かけられるとかぁ」
みほ「えっ?えっと…(そういえば、あの二人との賭けはどうしたらいいだろう?私、もう硬式やらないから無効でいいかなぁ。面倒なことになりそうだし…)」
華「では、ご家族に不幸が?骨肉の争いですとか、遺産相続とか」
みほ「そういうわけでも…(まぁ、家族じゃ、約一名不幸?になっちゃ人はいるけど…)」
まほ「ハクション!」
沙織「なんだぁ。じゃあ、親の転勤とか?」
みほ「うーん。話すと非常に長くなると言うか、複雑というかぁ…」
沙織&華「あっ…」
華「…あっ、冷める前に頂きましょう」
みほ「あっ、うん」
沙織「あっ、そういえば、さっき戦車道がどうとか言ってなかった?」
みほ「あっ」
沙織「もしかして、みぽりんも戦車道に興味あるの?」
華「この学校には必修選択科目の授業があるんですが、みほさんは何を選ぶ予定ですか?」
沙織「興味あるなら、戦車道やらない?私と華は戦車道選んだんだ。せっかくだから、一緒にやろうよ。友達と一緒の方が楽しいじゃん」
みほ「うん。実は、転校の挨拶の時に生徒会長に戦車道やりますって、朝言ってきてあるんだ」
沙織「えっ?そうなんだぁ」
華「あの会長に直に行かれるなんて。みほさん、なかなか度胸がおありなんですね
みほ「えっ?あんなの、T-34相手に手りゅう弾片手で生身で挑むのに比べたら、犬のお散歩みたいなもんだよ」
沙織&華「えっ?」
みほ「あっ…。えっと、その…。そうだ、今日は戦車道の授業ってあうの?」
華「ちょうど、午後からありますよ」
沙織「みぽりん、戦車道好きなんだね」
みほ「好きっていうか…運命みたいなものかな」
沙織「運命かぁ。なんかロマンチック~」
華「その運命とは違うと思いますよ。では、改めてみほさん、これからよろしくお願いたします」
みほ「うん。よろしくね」
戦車格納庫前
優花里「西住殿~!」
みほ「あっ、秋山さん」
沙織「えっ?ゆかりんと知り合いなの?」
みほ「うん。朝、学校来るとき迷ちゃって、道案内してもらたの」
沙織「そうなんだぁ」
優花里「不肖、秋山優花里。西住殿と戦車道をすることが出来て光栄であります!」
みほ「あはは…」
沙織「ゆかりん、大げさすぎだよ~」
優花里「はっ、しゅみません…」
桃「全員そろったな。では、授業を始める前に、本日より新メンバーが加わることになった」
「メンバー?」「先輩かなぁ?」「バレーに興味ある人だったらいいなぁ」「……」
桃「静かに!本日より参加することになった、普通Ⅱ科、二年A組、西住みほ!」
みほ「はいっ」
…センパイカァ…ヤサシソウナヒトダヨ…バレーハ、スキデスカ?
桃「では、西住、簡単に自己紹介を頼む」
みほ「わかりました」
杏「ビシッと一発頼むよ、西住ちゃん。隊長なんだからさぁ」
桃「会長!?」
みほ「隊長?私がですか?」
杏「今決めたから。うちは、西住ちゃん以外戦車道経験無いからさぁ。戦車道名門、西住流の娘だしさぁ、頼むよ」
「西住流?」「すごいのそれって?」
亜美「西住流っていうのはね、戦車道の中でも最も由緒ある流派なのよ」
優花里「あっ、教官殿」
亜美「こんにちは」
みほ「初めまして、西住みほといいます」
亜美「こんにちは。戦車教導隊の蝶野亜美よ、宜しくね。西住師範にはいつもお世話になってるのお姉さまもお元気?」
みほ「姉…」
黒森峰
まほ(急に寒気が…)ビクッ
亜美「??」
杏「…西住ちゃん。自己紹介の途中だよね?授業の時間もあるからさぁ、早くすませちゃってよ」
みほ「あっ、すいません。じゃあ、改めて。んっ…」
一同「……」
みほ「本日付で大洗女子学園戦車道チームに加わることになりました、西住みほです!私は幼い頃から私の母、西住流師範の元で戦車道をやってきました。私は今まであの悪夢のような黒森峰での仕打ちをうけ、硬式戦車道において地獄いや、魔女の鍋のような戦場で、時にはパンツァーファアスト片手に生身でT-34とやりあってきました。今度はこの学園を救うため、私と共に母校大洗と、学友、仲間のために戦え!犬死にはさせません!」ビシッ!
一同「…」(ぽかーん)
亜美「えっ?」
亜美「硬式って、あの硬式よね?男子戦車道の?」
みほ「はいっ」
亜美「本気で言ってるの?うちの現役男性隊員も殆どが経験者だけど、その殆どに二度と経験したくないって言わしめたあの、男子戦車道よ。冗談よね?」
みほ「大洗に転校する前は、カールスラント大付属の黒騎士中隊、中隊長車砲手でした。最終階級は軍曹。黒騎士中隊間では、懲罰大隊行も経験してますから、戦車戦から対戦車戦まで、こなせます」
亜美「黒騎士中隊っていえば、隊長のバウアー大尉率いる男子でもトップクラスの名門じゃない!そんな所に居たって…」
一同(なんか、やばい人が来たー)
沙織「…ねぇ、硬式って何?」
優花里「硬式というのは、男子戦車道の通称です。基本的には私たちの戦車道と変わらないんですが、戦車以外にもクルーにもセンサーでの当たり判定がありまして、戦車がやられても自分が死亡判定にならない以上は、生身でも戦車に挑むという過酷な競技です。それに、失敗を犯すと罰として対戦車火器片手に、生身で戦車と戦わされるとか…。その過酷さから、あまりやる人が居なく、私たちがやる戦車道の陰に埋もれてあまり目立ってないんですが…」
沙織「何それ!?生身でって、危ないじゃん。ケガとかしたらお嫁にいけないよー」
華「まぁ…、恐ろしいです」
麻子「おぉ…」(ガタガタ)
杏「あ、あのさぁ…西住ちゃん。まさか、うちらにも生身で戦車と戦えとか言うんじゃないよね?」
みほ「えっ?やりたいんですか?そんな経験無いんで、上手く教えられるか…」
一同「結構です!」
みほ「じょ、冗談ですよ。私だって本来は乙女が嗜む方の戦車道ですから。そんなことしません」
沙織「今のみぽりんの目、本気だったよね?」
優花里「はい…」
うさぎチーム(やばい、次逃げたりしたら殺されるー)ガタガタ
みほ「それで、私はどうしたら?」
杏「そうだね。今空いてるチームは…」
一同「…」(ピクッ)
桃「AチームがⅣ号が4名なんで、一名欠な状況です。会長」
杏「じゃあ、Aチームで」
優花里「えっ。38tも本来は4名なんで、一名少な…」
杏「Aチームならクラスメイトもいるし、一緒の方がいいでしょ」
みほ「わかりました」
他チーム(あっ、押し付けた)
杏「せっかくだからさぁ、新規一転のためにもチーム名も変えようか。隊長」
チーム名は本編通りで
桃「あんな口を叩くから、どんな名前になるかと思ったが…。しかし、何とかならなかったのか?このチーム名は」
柚子「じゃあ、直接言って来たら?」
桃「う、うん!改めて聞くとカメさんチームってのもかわいらしくて、い、いいんじゃないかなぁ」
杏「それで、今日の練習は何にしたらいいっすか?」
亜美「えぅ、そうねぇ…(こんな軍神みたいな娘がいるのに、下手に指導とかしたらこっちが危ないわね…そうだ)み、みほさんは大洗の実力ってわかるのかしら?」
みほ「いえ」
亜美「じゃあ、チームも新編成になったことだし、今の実力を確認する意味も込めて、模擬戦をやってみましょうか」
今回はここまで
続きは明日書けたら書きます
亜美「じゃあ、準備が出来たチームから、各ポイントに移動してちょうだい」
みほ「それで、私は何をすればいいかな?」
沙織「えっと、今日の役職って決めてたっけ?」
優花里「そういえば、今日の番手はまだ、決めてませんでしたね」
沙織「じゃあ、みほが車長やってよ。なんか、すごい事やってきたんでしょ?」
みほ「うん。私は構わないけど…」
沙織「じゃあ、車長は決定って事で。ほかの役職決めようか。今日はどうする?」
華「そうですねぇ…時間もありませんし何時もどおりくじ引きでよろいんじゃ?」
みほ「く、くじ引き…(これは、思っていた以上に大変そう…)」
くじ引きの結果、あんこうチームの編成は何時も通りの配置となりました
みほ「それじゃあ、配置についてください。えっと…」
優花里「どうぞ、西住殿」(ヘッドセットを差し出す)
みほ「ありがとう、秋山さん」
ヘッドセット装着
みほ「では、PANZER VOR!」(キリッ)
優花里「に、西住殿~///(そんな、凛々しい顔は、反則であります)グハッ」
華「秋山さん、大丈夫ですか!?」
VOOO
みほ(操縦手、冷泉さん。操縦の腕はいいみたい、なかなか筋はいい。後は砲手である華さんの腕がどうか…。どんな強力な砲弾でも直撃できなきゃ意味がない。皆の連携がその腕にかかっている。そのプレッシャーの中、どこまでやれるか…)
沙織「…りん。みぽりん!」
みほ「えっ?」
沙織「到着したよ。準備よかったら、試合始めるって」
みほ「あっ、うん。報告お願い」
亜美「みんな、準備できたようね。今回のルールは殲滅戦で行うわ。それじゃあ、行くわよ」
優花里「始まりましたね。とりあえず、どうしますか?」
みほ「冷泉さん、5秒間だけエンジンを切ってもらえますか?」
麻子「…わかった」
沙織「えっ?止まっちゃったらすぐに動けないじゃん」
みほ「大丈夫」
ガチャ
みほ「……。(来る5時方向から2両…。あのエンジン音Ⅲ突と、恐らくM3か89式…)エンジン始動!全速!」
VOOO BKOM
沙織「きゃぁぁ」
エルヴィン「まずは、一番厄介であろう、Ⅳ号を叩く。アヒルチームとは話をつけてある」
カエサル「際は投げられたか」
典子「おしいっ!もう少しだったのに」
みほ「やはりⅢ突と89式か。それより、あの距離で移動したての目標に外すなんて…カバさん、アヒルさん各個射撃からやり直しなさい!この距離で外すなんて、射撃の基礎もわからないんですか!?」
左衛門佐「も、申し訳ござらん。隊長殿!」
あけび「す、すいません!」
みほ「…はぁ。華さん、反撃します、砲塔旋回」
華「はいっ」
UEEEN
エルヴィン「こっちを狙ってるぞ。次だ、次!」
カエサル「わかっている。くそっ、重い」
典子「根性入れて撃てば当たる!根性だ!」
あけび「はいっ」
みほ「射撃翌用意!」
華「あのー。動いていると狙えないんですが」
みほ「えっ?偏差射撃も出来ないの?!」
華「!!。すいません…」
みほ「あっ…ごめんなさい。そうだよね、皆初心者だったっけ。じゃあ、見本見せるから、華さん。交代してください」
みほ「相手も動いていますから、相手を狙って撃っても弾が届くころにはそこには居ませんから、当たりません。だから、その誤差の分を計算に入れて未来位置を予測して撃つ。これが偏差射撃です。戦車相手にはこれが出来ないとまず当てれません」
華「はいっ」
みほ「たとえ移動しながらでも予測さえ出来れば当てれます。……今っ!」
DOM BAKOm シュパッ!
エルヴィン「わっ。やられた」
おりょう「演習弾とはいえ、効くぜよ…」
華「す、すごいです…」
優花里「す、すごい…さすが西住りゅ…」
みほ「秋山さん、何をぼけっとしてるの!?あなたの役職は何ですか?!次弾装填急いで!」
優花里「はっ、しゅ、しゅみません…」
典子「こっち狙ってるぞ。佐々木撃てっ!」
あけび「はいっ。アタック!」
BAM KAN
沙織「きゃあっ」
みほ「八九式の砲手、肩付け照準で安定性があるとはいえ、当ててくるなんて、腕はあるみたいね」
典子「ナイスアタック!もう一回!」
あけび「はいっ」
みほ「…停止!」
ギャッ
あけび「あっ、えっ?」
みほ「フォイア!」(急停車での制動の最中です)
BAKOM シュパッ!
みほ「ふうっ…。ちょっとタイミングずれたかなぁ…。やっぱり触ってなかったから腕が鈍ったかな?」
一同「……」(ぽかーん)
みほ「あっ、皆大丈夫?急制動の衝撃でどこかぶつけたりしてない?」
沙織「う、うん。私は大丈夫…(今目の前に居るのって、あのみぽりんだよね…)」
麻子「…問題ない(恐ろしい…もしかしたら、おばあより怖いかもしれん)」
華「はい、大丈夫です…(すごいです、みほさん。私もあんな風にアグレッシブになりたいです)」
優花里「異常なしであります(あぁー、やっぱり西住殿はカッコいいであります~///)」
みほ「よかったぁ。では、これより他のチームの撃破に向かいます。PANZER VOR!」
今回はここまで
次は…すいません、未定です
蝶野亜美教官で良かったー、この世界なら蝶野正洋教官が来るかと思った。
杏「本日は講師に蝶野正洋教官をお迎えしております」
蝶野「アイムチョーノ!ファッキンガッデムガチャメラオラエー!」
杏「よろしくお願いします」
蝶野「はい、よろしくお願いします」
優季「大変だよ。カバさんとアヒルさんがやられたって」
あや「もう!?始まって3分くらいしか経ってないよ」
あゆみ「やっぱ、西住流半端ない!」
あや「どうしよう、そんなの相手にしても勝てないよ~」
優季「無理だよ、逃げよー」
桂利奈「…でも、逃げてばっかも良くないと思う…」
紗希「……」
梓「みんな落ち着いて!」
優季「梓?」
梓「この間の試合の後、もう逃げたりしないって約束したばかりでしょ」
あや「でも、3分くらいで2台もやっつけるような相手だよ。どう頑張って無理だよ」
あゆみ「私たちじゃ瞬殺されちゃうよ」
梓「勝ち負けとかじゃないよ。大事なのは最後まで戦い抜く事だと思う。この前だって最後まで戦ってた先輩たちを置いて逃げちゃって、…終わった後みんな、情けなくなかったの?」
チーム一同「……」
あゆみ「…そうだよね。このままじゃ、先輩たちの足引っ張るばかりだもんね」
桂利奈「ちゃんと戦ってなら、負けても情けなくなんか無いよね!」
あや「そうだね。ちゃんとやろう」
優季「やらずに後悔よりやって後悔って言うしね」
あや「すごい、優季ちゃん、そんな言葉すぐ出るね」
優季「あやは馬鹿だな~」
あや「うっ、優季ちゃんにバカって言われた…」
HAHAHAHA
梓「みんな…」
優季「あれ?梓ちゃん、泣いてる」
梓「だって…だって…」(グズッ)
紗希「……」(よしよし)
あゆみ「やろう、梓。私たちも頑張るから」
梓「‥グズッ。…うん。行こう、桂利奈」
桂利奈「あいぃぃぃぃっ!」
VOOOO
VOOOO
桃「見つけたぞ、ここがお前らの死に場所だー!」
沙織「あっ、みぽりん。前から生徒会チームが来たよ!」
みほ「停止!この距離ならまだ大丈夫です。華さん、先ほど教えたとおりやって見てください」
華「はいっ」
みほ「落ち着いてやれば出来るはずです」
華「はいっ…ふぅ」
みほ「大丈夫。力を抜いて…華さんならきっと出来ます」
華「やってみます…(花を生ける時のように集中して)」
桃「もらった!」
BARM
柚子「桃ちゃん、当たってない…」
桃「五月蝿い!えぇーい、今度こそ!発射!」
BAM BAM
みほ「……」
華「…発射」
BARM BAKOOM シュパッ!
華「…やりました!」
みほ「お見事です、華さん。いい腕を持ってます」
華「///」
みほ「…それに引換え…」
杏「あぁー、やられちゃったね」
柚子「桃ちゃん、一発くらいは当てないと…」
桃「桃ちゃんと呼ぶな!」
みほ「カメさんチーム聞こえますか?」
杏「聞こえてるよー」
みほ「…砲手の方はどなたですか?」
桃「私だ」
みほ「河嶋先輩ですか…」
桃「なんだ?」
みほ「…馬鹿なんですか!?あの程度の腕で行進間射撃やろうだたんで!」
桃「っ…」(キーン!)
みほ「それ以上に、いくら行進間射撃だからといってもあれは酷過ぎます!一体どこ見て撃ってるんですか?!」
桃「あぅ…」
みほ「あんなの照準器覗く以前の問題です!もう一回射撃の基礎から勉強しなおしてください」
桃「……」(グズッ)
みほ「返事は?」
桃「は、はいっ!」
一旦ここまで。続きは夜に書きます
優花里「これで、後1両ですね」
沙織「後は、一年生のチームだね。あの子達、大丈夫かな?また、逃げたりしてないかな」
華「大丈夫だと思いますよ。彼女たちも、逃げてしまってごめんなさいと謝っていたじゃありませんか」
沙織「そうだよね。あの子たちもきっと、頑張ってるよね」
梓「見つけた」
あや「どうする?撃っちゃう?」
梓「止まって」
優季「こんなところで?」
あや「もっと近づいた方が、狙いやくすない?」
梓「確かにそうだけど、この戦車って、高さがあるから近づいたらこっちの方が危ないと思う。だけど、この辺なら草が茂ってるから、
上手く隠れて狙うことができると思う」
あや「へぇー」
優季「梓すごい~」
あゆみ「見つかってないなら、チャンスじゃない?」
あや「そうだね。やっつけちゃおう!」
梓「うん。行くよ」
梓「準備はいい?」
あや「いつでもOK」
あゆみ「草が邪魔で上手く狙えない。もう少し前に出せない?」
梓「あまり前に出るのは危険だよ
優季「ちょっとだけなら大丈夫じゃない?」
あゆみ「お願い、これじゃ撃てないよ」
梓「…わかった。桂利奈、ゆっくり前に出して」
桂利奈「あいいっ」
みほ「‥!!(ピクッ)砲塔旋回11時方向!」
梓「わっ、ゆっくり…あっ、ストップ、ストップ!」
ガサッ
梓「これじゃ見つかちゃう。急いで下がっ…あっ」
BAKKOM シュパッ!
亜美「全車行動不能。よって、あんこうチームの勝利!」
みほ「ふうっ」
沙織「やったよ、みぽりん!」
麻子「あぁ、勝ったな」
華「はい、やりました」
優花里「西住殿のおかげです!」
みほ「…うん!(…皆すごく嬉しそう…そうだよね、皆にとってはこの勝利は大きな勝利だもんね。久しぶりだな、みんなと勝って嬉しいって思うの)」
梓「…やられちゃったね」
あゆみ「でも、私たちよく頑張ったよね」
あや「うん。今回は最後まで戦ったもんね!」
桂利奈「次も頑張ろう!」
優季「次は頑張って勝とう」
沙希「……」(頷き)
梓「みんな…」
亜美「みんな、お疲れ様!」
一同「お疲れ様でした!」
亜美「皆最初に比べれば確実に上達してるわ!グッジョブよ!みほさん、何かある?」
みほ「皆さんお疲れ様でした。今回戦って見て大洗の現状が分かりました。正直、このままでは絶望的な状況です。はっきり言ってお話なりません!」
一同「……」(チーン)
みほ「ですが、皆それぞれいい腕は持っています。僅かな時間しかありませんが、私が隊長として命を懸けてでも全国で戦えるまでのレベルにはしてみせます!厳しい道のりかもしれませんが、私と共に戦ってください。学校の為、いやここにいる仲間の為にも」
一同「はいっ!」
桃「ふっ、彼女が戦車道を受講してくれて助かったな」
柚子「そうだね…。西住さんならきっと学校を救ってくれるよ」
杏「そのためにも、我々も出来る限りの事はするよ」
みほ「カメさんチーム、いいですか?」
3人「は、はいっ!」
みほ「…では、早速今日の放課後砲手の方は残ってもらっていいでしょうか?射撃の基礎からもう一度教えます。特に、河嶋先輩は絶対に参加お願いしますよ?」
桃「は、はいっ!」
放課後
梓「隊長、私も出てもいいですか?」
みほ「えっ?構わないけど。澤さんって、車長じゃ?」
梓「確かに役職は違いますけど…私、早く他のチームの皆の為になりたいんです!だから、戦車の事で少しでも勉強になればって思って」
みほ「…本当にそれだけ?」
梓「…私たち、前の試合の時に怖くなって途中で逃げちゃって…先輩達は最後まで頑張ってたのに…情けなくて…車長の私がもっとしっかりしてればって…今回の練習で、皆やる気出してくれて…くれて…だから、私がもっと頑張らないとって…」
みほ「…今回の試合、最後の爪は甘かったけど、M3の特徴とか考えてボサを利用して戦おうとしたりして、判断力は良かったと思うよ。もっと伸ばして行けばきっといい車長になれると思うな」
梓「…隊長」
みほ「だから、無理に頑張ろうとしなくても大丈夫。私があなたを立派な車長にしてみせるから」
梓「隊長ー!」
戦車ハンガー
みほ「すいません、少し遅くなりました。皆さん集まってますか?」
桃「自分から時間を指定してきた割には、自分が遅刻とは…」
みほ「何か?砲手としての知識も技量も無いのに何を言ってるんですか?」(キッ)
桃「ひいっ!(私は先輩だぞ…畜生、いつかひどい目にあわせてやる…)」
みほ「あっ、すいません…」
桃「あっ、い、いや…私の方こそすまなかった…」
みほ「んっ。…では、今回皆さんの射撃を見ていて、まだ射撃のコツをつかめてないという印象でした…。なので、もう一度射撃の基本的なところから教えていこうと思います。まず、最初に座学から…」
みほ「…以上、簡単でしたが。射撃に関する教育は終わります。いきなり行進間射撃で当てろとかは無理がありますが、全国大会までは時間がありません。可能な限り出来るようにしてください」
あけび「そんな…」
左衛門佐「中々無理難題でござるな…」
あゆみ「ねぇ、偏差射撃って砲が回らなくてもできるの?」
あや「…さぁ?」
桃「お、おい…いくらなんでも、いきなりは…」
みほ「出来る出来ないとかじゃなくてやってもらわなきゃ困ります。早速、実際に練習してみましょうか」
一同「は、はいっ」
DOM BAKOM
みほ「…カバさん、もう少し上です。アヒルさんは、当たってますから今の感覚を停止間でしっかりと覚えてください。次、うさぎさんとあんこう。撃てっ!」
BAM DOM
みほ「…あんこうも命中してますから、今の感覚を忘れないように。うさぎさん、75mm砲の照準が大分ずれてます。もう一度シュトルヒの計算をし直してみて。次、カメさん!」
BAM
みほ「…ちゃんと照準器覗いてます?」
みほ「もう一度、撃てっ!」
BAM DOM
桃「なぜ、当たらんのだ…照準器がおかしいんじゃないのか?」
みほ「…変わってください」
BAM DOKKAN(1500mの的に命中)
みほ「どこがおかしいんですか?」
桃「…すいません」
みほ「一回狙ってみてください」
桃「あ、あぁ」
みほ「(うーん、基本的な狙い方は悪くないんだけどな…)じゃあ、一回撃ってください」
桃「発射!」
BAM
みほ「!!装填するんで、もう一回いいですか?」
桃「発射!」
BAM
桃「またハズレ…」
みほ「やっぱり」
みほ「狙うときはしっかり目をあけて撃ってください!38tの照準器は片目で狙うのに、撃つ瞬間に両目瞑ってたら当たりませんよ。後、ハンドルから手を離して!撃つとき力みすぎて微妙にハンドルが動いてます」
桃「は、はいっ」
みほ「今言った事しっかりやってください。できないようなら、基礎的なトレーニングとして突っ込んでくる戦車相手にパンツァーファウストで射撃練習してもらいますよ?」
桃「そ、それだけは勘弁してください…」
みほ「じゃあ、やってみてください」
桃「えっと、よーく狙って…目は閉じないように…」
みほ「ハンドルから手を離して!」
桃「は、はいっ」
みほ「…よし、撃てっ!」
桃「目はしっかり開けて、開けて…発射!」
BAKKKOM
みほ「…命中」
桃「あ、当たった…」
みほ「やりましたね。河嶋せん…」
桃「……」(嬉しさのあまり気絶)
みほ「はぁ…(私38tに乗ったほうがいいのかな?)」
BAKOM DoM
みほ「…では、本日の訓練を終わります。皆さん、最後の方はほぼ命中するようになりました。固定目標への射撃は基本です。これを忘れずに今後行進間、偏差射撃と練習していきましょう。お疲れ様でした」
一同「お、お疲れ様でした…」
あや「つ、疲れたー」
あゆみ「西住流半端ないー」
左衛門佐「ずっと片目で狙っていたから、目が痛い…」
あけび「でも、いい練習にはなったよ」
華「そうですね。確かにみほさんの練習は少し厳しいところもありましたが、私たちの腕は確実に上達しました」
桃「(やった、当てれたー!当てれたぞー!)」
>左衛門佐「ずっと片目で狙っていたから、目が痛い…」
おい、お前いつも片目瞑っとるやんけ
杏「やあ、西住ちゃん」
みほ「あっ、会長」
杏「苦労かけるね…」
みほ「いえ、これも隊長としての勤めです」
杏「そっか…」
みほ「それで?一体何のようですか?」
杏「明日なんだけどさぁ、いよいよ全国大会の抽選会なんだよね。で、各学校の隊長が代表で引くことになったんだけどさ」
みほ「分かりました。私は大丈夫です」
まほ「ビクッ。なんかお寒がする」
杏「頼むね。この戦いは負けるわけにはいかないから…」
みほ「はいっ」
沙織「みぽり~ん。帰ろー」
みほ「あっ、沙織さん。うん、今行く」
杏「じゃあね、西住ちゃん。明日頼むよ」
みほ「はいっ。あっ、会長」
杏「ん?何?」
みほ「今日は最初なんでなんも言いませんでしたけど、戦車道には真剣に取り組んでくださいね?」(ニコッ)
杏「!!う、うん…」
みほ「じゃあ、失礼します」
「大洗女子学園8番!」
オォー!
優花里「サンダース高」
沙織「それって強いの?」
優花里「優勝候補の一つです」
沙織「えぇー。大丈夫?」
みほ(サンダース相手かぁ。男子の3軍よりは楽かなぁ…。それ以上に会場であの二人にあわないかが心配…)
アリサ達「イェーイ!」
ナオミ「!!(あの子、硬式戦の時の…大洗に転校したの?初戦から一筋縄では行きそうにないわね…でも、面白くなりそう)」(ニャっ)
まほ「!!(な、なんでみほが…)」(青ざめ)
戦車喫茶ににて
みほ「ごめんね。一回戦から強いところと当たちゃって」
華「サンダース大付属ってそんなに強いんですか?」
優花里「強いっていうか、戦車の保有台数が全国一なんです。チームも1軍から3軍まであって」
みほ「でも、一回戦は戦車の数は10両までって決まってるし、砲弾の数も決まってるから。それに、男子の3軍に比べれば女子の一軍ならそこまでもないと思うし」
沙織「でも10両ってうちの倍じゃん!それよりサンダースって男子の戦車道もあるの?」
みほ「う、うん…。男子も1軍から3軍まであって。男子は3軍が一番強いの。私は3軍としか戦ったことないけど…」
沙織「それで、硬式戦の男子ってどんな感じの人なの?」
みほ「えっとー、えっとー(なんて言おう…あの二人のこと話したら余計面倒な事になりそうだし…)」
華「…あっ、早く頂かないと紅茶、冷めてしまいますよ」
みほ「そうだね。なんとも言えないけど…もしかしたら、全国大会の応援に来るかもしれないからその時見てみたら?」
沙織「本当!?告白とかされちゃったらどうしよう~」
麻子「それはない…。それより、負けたら、単位はどうなるんだろう?」
華「もらえないんじゃ…」
麻子「…ふん」(ケーキグサッ)
一同「あっ…」
沙織「…そうだ!それに、全国大会ってテレビ中継されるんでしょ?ファンレターとか来たらどうしよう~」
華「テレビ中継されるのは決勝戦だけですよ」
沙織「じゃあ、決勝行けるように頑張ろう!ハム…ほら、みほも食べて、食べて。普段の練習の時おっかない顔してるんだから、こういう時は普通の女子高生らくしてないと、男子がよってこないよ」
みほ「…う、うん」
「副隊長?」
みほ「!!」(ピクッ)
エリカ「あぁ、元でしたね」
みほ「あっ?!あっ、お姉ちゃん」
まほ「ひ、久しぶりだだな。み…み、みほ…」(ガクガク)
みほ「……(あの件は学校が書類間違えたせいで、お姉ちゃんに非は無いんだけど、この間あんな態度取ってちゃったから何か気まずいなぁ…なんて切り出すべきなんだろう…)」(考えてるので少し顔をしかめる)
まほ「!!(ヤバイ、ヤバイ!みほ、まだ滅茶苦茶怒ってるよ…あの時フォロー出来なかった私のせいだ…。あぁ、顔が怖いよ、みほ。あの可愛くてお姉ちゃん子だったみほはどこへ行ってしまったの?」(ガクガクブルブル)
優花里「お言葉ですがあの時のみほさんの行動は間違ってませんでした!」
エリカ「部外者は口を出さないでくれる?」
優花里「す、すいません…」
みほ「…」(ピクッ)
エリカ「ふん」
みほ「あっ?」
エリカ「な、何よ?」
みほ「この馬鹿者!私のケツを舐めろ!」
一同「はっ?」
沙織「み、みぽりん!お、女の子がなに言ってるの!?」
みほ「あの時、撃たれて負けたのは私の責任でした…。本当にあの時はすみませんでした。でも、戦車道はチームで戦うもの。ひとりかけても駄目だけど、万が一の時は互が互をフォロー出来るようでなければならない…。それに、部下を見殺しにするような指揮官の下では優秀な部下は育ちません!」
今回独自設定が入ります
まほ「み、みほ…その辺で…」
みほ「お姉ちゃんは黙ってて!」
まほ「は、はいっ」
みほ「今だからわかります。あの時私は優れた指揮官じゃありませんでした。あの時、次級者である砲手に、指揮権を委任してから離れればよかた…あの時私が相互が信頼してフォロー出来るようなチーム作りをできていたら、柔軟性を持たせられいたら良かったのかもしれません。でも、私不在のフラッグ車は何も出来ず、やられてしまった…何でだと思いますか?」
エリカ「な、何よ…」
みほ「黒森峰はマニュアル通りの行動に囚われ過ぎていた…故に咄嗟の判断が出来なかった…そうですよね?あの時、フラッグ車砲手だった、逸見エリカさん?」
エリカ「うっ」
みほ「あの時、私が残っていれば勝てたでしょう。だけど、そんな戦い方をしていたら必ず負ける…。互が互を信頼して足りない所をフォローしあえるような強固な団結がチームプレイでは大事です。優れた戦車搭乗員は、どんな優れた戦車にも勝ります。あの時負けてしまいました、信用は失ってしまったかもしれません。ですが、信用や信頼は相当な労力がいりますが、いずれ取り戻す事はできるでしょう。だけど、優秀な戦車搭乗員は一度失ってしまっては変えは聞きません!」
まほ「!!」
エリカ「…」
みほ「私は大尉の下で、硬式戦を戦ってみて実感しました…。仲間は勝ち負けよりも大事で失ってはならないものなんだと。だから、今は、あの時の行動は私は間違って無かったと信じてます」
優花里「西住殿…」
まほ「…い、行こうエリカ…(き、気まずい…今のうちに退散だ)」
エリカ「…な、何よ…あんたばかり!」
みほ「…」
まほ「お、おい…エリカ、これ以上は…」
エリカ「あの時…落ちていくⅢ号を見て、私が何も思わなかったと思ってるの?」
みほ「えっ?」
エリカ「私だって、あの時駆け出して行きたかった…。でも、私には出来なかった…。貴方の言うとおりマニュアル通りに動くことに囚われ過ぎていたわ…。だけど、あなたは咄嗟に行った…。正直羨ましかった、私は、黒森峰の戦い方を崩すのが怖くて何も出来なかったのに…西住流の娘なのに型に囚われ無かったあなたがね」
みほ「……」
エリカ「あの時、私が行きますって、言えてば…。あなたは戦車に残れた…。そうなてったら黒森峰は10連覇できてたかもしれないわね…。あの日から私は一日たりともそれを忘れたことは無いわ…だから、今年こそは頑張ろうって…そう思ってたのに…。あなたは黒森峰を去った、戦車道から逃げるようにしてね」
みほ「それは…」
エリカ「…あなたなりに責任を取ったつもりなんでしょう?だけど、あなたは別の学校で戦車道を始めた…。それが、許せないのよ」
みほ「…本当は、あの後何もかもが嫌になって、戦車から離れて一度気持ちを整理したくて、転校した…だけど、黒森峰が間違えたせいで、私は硬式戦車道の世界へ強制的に足を踏み入れた…。その時、私はあの時の私に足りなかった物を知ったと同時に、戦車からは逃れられない運命だって悟ったの。そして、大洗でも戦車道へと足を踏み入れる事になってしまった…。結果的に黒森峰を裏切ってしまう形にはなってしまったけど、後悔はしてない。今度は私がいや、私たちが黒森峰に勝って、黒森峰に足りない物を教えてあげる。それが、私なりの責任の取り方」
エリカ「…ふん。強くなったわね。いいわ、その勝負受けて立とうじゃないの!それまでに、私も私なりに黒森峰を変えてみせるわ!見てなさい」
みほ「楽しみにしてます」
エリカ「ふんっ。そんな大口叩くくらいだから、決勝まで残りなさい。サンダースなんかに負けたら承知しないわよ」
みほ「そっちこそ、無様に負けないでくださいね。決勝の会場で待ってますから」(ニヤッ)
エリカ「ふん」(ニヤッ)
エリカ「さて、行きましょうか、隊長」
まほ「あっ、あぁ」
エリカ「それじゃあ、期待してるわよ。隊長さん?」
みほ「そっちも、頑張ってください。エリカ副隊長」
エリカ「…また、決勝の会場で会いましょう」
みほ「次会う時が楽しみです」
沙織「はぁ~。もう、どうなるかと思ったよ」
華「疲れました」
みほ「…みんなごめんね」
優花里「そんなことないであります。それより、西住殿。本音でぶつかりあえたようで良かったですね」
みほ「うん…。エリカさんには同級生で同じ戦車で仲も良かったから…、どこか後ろめたい所もあって…でも、本気で話せて良かった…少し楽になった気がするよ」
華「…みほさん。約束を果たす為にも必ず決勝戦行きましょう。私も厳しい練習に耐えて見せます」
沙織「そうだね、頑張ろよ。みぽりん!」
優花里「はいっ。不肖秋山優花里及ばずながら力になるであります」
麻子「操縦ならまかとけ」
みほ「…みんな、ありがとう」
翌日
みほ「では、本日は各車ごと偏差射撃と行進間射撃及び操縦の練習を実施ます。では、当初うさぎさんとカメさんが偏差射撃の練習を。アヒルさんと我々あんこうチームは行進間射撃の練習を実施します。カバさんは突撃砲の利点を生かせるよう、地形に合った走行訓練を実施してください。もし、地形を生かした走行ができていないようなら、容赦なく射撃するんで、覚悟しておいてください」
エルヴィン「ヤ、ヤヴォール!」
みほ「では、各チームごと、練習を開始してください」
一同「了解!」
みほ「行進間射撃ですが、私もある人から教わったんですが、走行時の振動にも必ず射撃のタイミングがあります。その一瞬を見逃さずに射撃できれば、当てれます。華さんなら、きっとできるはずです」
華「はいっ、やってみます」
みほ「前進!」
VOOOO
華「(集中して……)発射!」
VARM BAKOM
華「あっ…すいません」
みほ「…大丈夫。すぐに当てろって方が難しいから、落ち着いてもう一度」
華「はいっ。花を生ける時のように集中して…今っ…きゃっ」
ギャっ
みほ「わっ…。麻子さん、急に止まらないでください!」
麻子「…私は何もしてないぞ」
みほ「えっ?」
優花里「!!西住殿、エンジンから煙が!」
みほ「えっ?」
戦車ハンガー
桃「どうなんだ?直るのか?」
ナカジマ「うーん。ちょっと厳しいかも知れないですね、これ」
桃「何だと!?なんとかならんのかー!」
ナカジマ「直そうにも、部品が無いと」
スズキ「それに、そこだけ直せばいいってもんでもなさそうだしね」
みほ「どういう事ですか?」
ホシノ「どっちかというと、エンジンの寿命かな」
ツチヤ「これだったら、載せ変えた方が早いかもよ?」
沙織「えっ?もう、走れないってこと?」
ナカジマ「エンジン変えれば戦車自体はまだ大丈夫だと思うけど」
優花里「一番大洗で古い戦車ですからね、Ⅳ号は」
桃「エンジンの予備は?」
柚子「そんなもの無いよ。買いなおそうにもそんな予算の余裕ないし…」
桃「なんだと…どうにかならんのか?」
ナカジマ「部品が折れちゃってるんじゃ、どうしようも…」
沙織「えっ、じゃあ私たち試合には出れないの?」
華「戦車が動かないのでは、無理ではないでしょうか?」
麻子「……」
優花里「そんな…、Ⅳ号は我が校では主力級の戦車ですよ。それが使えないとなると」
麻子「4対10か」
桃「そ、そんな…もうダメだ。おしまいだー!」
みほ「……」
みほ「落ち着いてください!」
一同「……」(シーン)
みほ「確かに、今は絶望的な状況かもしれません。ですが、諦めてしまっていては何も解決しません。例え不利な状況でも、戦車がやられても自分の命ある限り生身でも戦い抜く…。不撓不屈の精神が戦車乗りには大切です!最後の一瞬まで諦めては駄目なんです!」
沙織「そうだよね…。諦めたら負けなんだよね」
優花里「はいっ!」
華「頑張りましょう!」
柚子「うん」
桃「いや、もうダメだよ、柚子ちゃーん」
柚子「桃ちゃん?今諦めないで頑張ろうって決めたよねぇ?」(ニコッ)
桃「ひいっ!」
杏「よし、小山、予算のチェックし直して。河嶋、中古でもいいから安いエンジンないか調べて」
ナカジマ「私たちも頑張ってみようか」
ホシノ「OK」
スズキ「代用出来そうな部品がないか、探してくるよ」
ツチヤ「私も手伝うよ」
みほ「皆さん。頑張りましょう」
今回はここまで。今週は今のところ暇のでちょくちょく更新できると思います
杏「で、西住ちゃん、具体的にはどうする?」
みほ「生徒会は先ほどの会長の指示通り動いてください。自動車部の皆さんは整備を引き続きお願いします」
スズキ「OK」
杏「了解ー」
みほ「他のチームの皆さんは引き続き練習してください。最悪の場合はⅣ号抜きでの試合も想定しなくてはなりません。そうなった時、今以上の練度が必要になってきます」
他チーム「了解!」
華「私たちは?」
みほ「華さんは…Ⅳ号戦車を動かす事は出来ませんが、照準器と手動で砲は回るから、発砲は出来ませんが照準練習をお願いします。華さんの射撃の腕はチームの要です。最悪、他の砲手との入れ替えもありえますから」
華「分かりました」
みほ「沙織さん、優花里さん、麻子さんは学校無いの捜索をお願いします。案外、どこかに物が残っているかもしれません」
沙織「まかせて」
麻子「わかった」
優花里「了解であります」
みほ「…上手く見つかればいいんだけど、最悪の場合は4対10での試合運び…初戦からファイアフライを出しは来ないだろうけど、せめて編成がわかれば…」
優花里「……」
柚子「うーん、この予算は少し削っても大丈夫かな…。こっちはちょっと厳しいかぁ」
杏「河嶋ー。見つかった?」
桃「まだです。戦車のエンジンともなると中々中古でも出回ってないようで」
杏「うーん、だけどⅣ号はうちの主力級の戦車…あれが使えないとなると一回戦は相当厳しいものになるな…」
柚子「そうでうね…。いくら西住さんとは言えこの状況は少しばかりキツそうだったし…」
柚子「……」
杏「でも、西住ちゃんは転校してきていきなり学校の為に、戦車道とってくれたんだ…。確かに厳しいところもあるけど、この学園を廃校の危機から救う最後の希望だからね、西住ちゃんは…」
柚子&桃「…会長」
杏「さぁ、やるよ!小山、河嶋、徹夜してでも結果を残すぞー!」
柚子&桃「はいっ!」
みほ(Ⅳ号のエンジンなんて、家じゃあⅣ号何か使ってなかったし…黒森峰も…いや、あったとしてもあそこに頭下げるのなんてゴメンだし…他…他!いやっ、あそこは駄目…もう、一緒の部隊じゃないんだし、こんな事頼めない…。そうなると…あっ。あそこなら)
翌日
沙織「おはよー。あれ?みぽりんは?」
華「今日はお休みみたいですよ」
沙織「エェー?風邪?」
華「さぁ?ただ、生徒会からも休むって事で先生に許可を取り付けたとか、秋山さんも一緒に」
沙織「???」
その頃
みほ「…こんにちは」
アキ「いらっしゃい」
ミカ「……」(ポロロン)
みほ「すいません、急に押しかけてしまって」
アキ「うちは構わないけど…。急にどうしたの?」
みほ「…実は、全国大会を前に申し訳ないんですが、お願いしたいことが」
アキ「…そっか、Ⅳ号が…。それは大変だったね」
みほ「私も私なりのやり方でどうにかしようとしては来たんですが、中々Ⅳ号を使ってる学校ってなくて…もう、継続高校ぐらいしか思い浮かばなくて…。無理なお願いってのは十分承知してます。なんとかなりませんか?」
アキ「そりゃ、なんとかしてあげたいのは山々だけど…うちは…」
ミカ「…それは本心なのかい?」
アキ「ミカ?」
みほ「えっ?」
ミカ「…うちが最後の望みって訳じゃないんだろ?」
みほ「うっ…」
ミカ「…人生には自分の本当の気持ちを押し殺しても物事を通さないきゃいけないときはある。だけど、今もそうなのかい?」
みほ「……」
ミカ「…時には風に乗って流れるように、自分の気持ちに素直になるのも必要なんじゃないかな?」(ポロロン)
みほ「…(自分の気持ち…)」
みほ「…ありがとうございました」
アキ「えっ?大丈夫なの?」
みほ「はいっ。実は…本当はもう1箇所だけ、知ってるところがあるんですけど…ちょっと頼みづらくて…。だけど、大丈夫です。自分の気持ちに素直になって、頼んで見ます!」
ミカ「…そうかい」(ポロロン)
みほ「すいません、お邪魔しました!」(ダッ)
アキ「…行っちゃった…でも、よかったね。他があって」
ミカ「…過ぎ去った日々には戻れないからね」(ポロロン)
アキ「うち、お金無くてこの間Ⅳ号売ちゃったもんね」
一旦ここまで
みほ「…あの時以来か…。皆さん元気かな?」
クルツ「あれ?軍曹?」
みほ「あっ、クルツ上等兵。お久しぶりです」
クルツ「はっ!お久しぶりです。西住軍曹!」(敬礼)
みほ「…西住さんでいいよ。私はもう、黒騎士中隊の隊員じゃないんだから」
クルツ「はっ。それで、一体どうされたのですか?」
みほ「…大尉はいるかな?」
クルツ「はいっ、ご案内します」
戦車ハンガー
バウアー「急げ、そいつが無いと戦えんぞ」
整備中隊「分かってますぁ。ガソリンの一滴は血の一滴でさぁ」
ハンス「おっと、溢れそうだゆっくり、ゆっくり」
クルツ「大尉、お客様をお連れしました!」
バウアー「客だと?」
みほ「お久しぶりです!大尉!」
バウアー「西住!」
ハンス「おぉ、西住じゃねぇか」
マイヤー「久しぶりだな、元気してたか?」
みほ「はいっ。皆さんもお元気そうで何よりです」
シュルツ「大尉、整備部品の件ですが…おっ、西住じゃねぇか!どうした?」
みほ「シュルツ准尉、お久しぶりです」
バウアー「それで、どうした?戦車が無い生活に嫌気が差したか?」
みほ「いえっ。大洗でも戦車道が復活してて。今は、チームの隊長をしています」
バウアー「そいつは、大出世だな。西住」
みほ「えぇ、そうなんですが…」
バウアー「どうした?」
みほ「大尉!折り入って相談があるんですが…Ⅳ号戦車のエンジンを余ってたら譲って‥いえ、貸していただけませんか?」
バウアー「…Ⅳ号のエンジンを貸せ?」
みほ「はいっ。実は、先日私のチームのⅣ号…D型なんですが、エンジンが死んでしまいまして。5日後にはもう、全国大会の試合でサンダースと当たるんです…。みんな頑張ってくれてはいるんですが、何分日がなくて…。せめて、一回戦の時だけでもエンジンを貸していただけないでしょうか?」
バウアー「…なんとかしてはやりたいが、Ⅳ号のエンジンか…」
シュルツ「…そいつはちと、厳しいな」
みほ「えっ?」
シュルツ「…あの後黒森峰の方から、パンターGを謝罪として受領してな。」
みほ「黒森峰が?」
バウアー「あぁ。まぁ、学園長とおそらくお前の親が何かしたんだろうがな。おかげで今はパンターGを主力とした編成。お前がいた頃の使ってたA型が予備扱いだ」
シュルツ「あぁ。だから、Ⅳ号ともなると予備の予備みたいなもんだからなぁ。パンターの部品に予算を取られてⅣ号の部品になんか、手が回ってなくてな」
マイヤー「実質、不可動扱いみたいなもんだ」
みほ「そ、そんな…」
ハンス「助けてやりたいが、残ってるⅣ号からエンジン引っこ抜くってわけにもなぁ」
みほ「……」
クルツ「軍曹、申し訳ありません…」
みほ「…いえっ、私の方こそ無理を言ってしまってすいませんでした!」
マイヤー「大丈夫なのか?」
シュルツ「お前んとこの編成じゃ、一両倒せりゃいいとこだぞ。確か、廃校がかかってるんじゃなかったのか?」
みほ「…ご存知だったんですか。確かに、今の現状では無理があるかもしれません…ですが、困難な状況でも諦めない限り道は開けると思います。例え、最後の一名になっても戦い抜く不撓不屈の精神を、私はこの中隊で学びましたから!」
バウアー「……」
>252 除隊時の特別昇任なんで、普段呼んでた軍曹表記にしました
翌日
沙織「みぽりん。おはよー」
みほ「あっ、沙織さんおはよう」
沙織「昨日、休んでたけど、大丈夫?」
みほ「うん、別に具合が悪かった訳じゃないから」
沙織「えっ?じゃあ、なんでよ?」
みほ「…戦車道の事でちょっと…」
優花里「あっ、西住殿、武部殿!」
沙織「ゆかりん、おはよう。どうしたの?」
優花里「お二人共生徒会室まで来てください。是非、見ていだきたいものがあるんです」
生徒会室
「実録、突撃!サンダース大付属高校」
華「こんな映像があるんですか」
沙織「どこで手に入れたの?」
みほ「これ、どうしたの?」
優花里「昨日、軽く編集してみました。テロップとかもまだ仮なんですけど…」
沙織「そうじゃ無くて…」
みほ「まさか、秋山さん…」
杏「そう、そのまさかだよー」
沙織「まさかって?」
桃「秋山には、本人からの志願もありサンダースに偵察に行ってもらった」
沙織「えっ?偵察!?」
麻子「そんなことしていいのか?」
みほ「戦車道では、試合前の相手校への偵察は認められてるから…でも、本当に行く人は初めて見た」
テレビ「すごいです。シャーマンがズラリ!あれはM4A1…僅か76両しか作られなかったA6があります!あっ、奥にシートを被った物があります。あれは一体、なんでしょうか?シャーマンにしては低いシルエットですが…」
みほ「ん?」
テレビ「…何やら厳重に隠されているようであります。あれでは、迂闊に近づくこともできません」
みほ「あれ、なんだったの?」
優花里「結局わからずじまいでした。シルエット的に戦車であることは間違えないのですが…。周りに絶えず人がいて、迂闊に近づけ無い状況でした」
沙織「なんだろう?まさか、あっと驚く秘密兵器?ロボットみたいに」
華「それはないんじゃ…」
テレビ「全体ブリーフィングが始まるようです」
みほ「……」
アリサ「では、一回戦出場車両を発表する。シャーマンA1、76mm砲搭載一両、75mm砲搭載8両…暫定でファイアフライ1両」
優花里「容赦無いようです」
ケイ「じゃあ、フラッグ車を決めるよー。OK?」
「イェーイ!」
優花里「こんなところまでアメリカ式です。あっ、フラッグ車が決まったようです」
アリサ「何か質問は?」
優花里「はいっ、小隊編成はどうしますか?」
ケイ「Oh,いい質問ね。今回は完全な2個小隊が組めないから、3両で一小隊の1個中隊にするわ」
優花里「フラッグ車のディフェンスは?」
ケイ「ナッシング!」
優花里「敵にはⅢ突がいると思うんですが」
ケイ「大丈夫!ナオミはわざわざ男子から戦車借りてきて、ファイアフライと取っ替えてほしいって言ってるけど。一両でも全滅させられるわ!」
「おぉー」
ナオミ「ですが…」
ケイ「大丈夫、大丈夫」
ナオミ「…そうですか。それより、あなた見かけない顔ね。所属と階級は?」
優花里「は、はいっ!第六機甲師団、オッドボール3等軍曹であります!」
「偽物だー!」
麻子「なんという無茶を…」
優花里「頑張りました!西住殿、オフラインレベルの仮編集ですが。参考になさってください」
みほ「ありがとう。秋山さんのおかげでフラッグ車もわかったし、頑張って戦術立ててみるよ」
沙織「無事でよかったよー。ゆかりん」
麻子「怪我はなかったのか?」
華「ドキドキしました」
優花里「心配して頂いて恐縮です。昨日もわざわざ家まで訪ねて来てくれて」
華「いえいえ。昨日は秋山さんの部屋も見れましたし、楽しかったです」
優花里「恐縮です…。昨日は皆さんに来ていただいて本当に、嬉しかったです」
桃「しかし、ファイアフライの一件は気になるな」
柚子「確かにね。暫定とか、わざわざ戦車を借りたなんて言ってたし」
みほ「戦車の可動台数は十分なのに、男子から戦車を借りるなんて…多分、シートに覆われてたのがそうなんだろうけど、一体何を警戒してるんだろう?」
杏「確かにねー。うちにはすごい戦車とかないし。素人同然の集まりなのに不自然だね」
優花里「心理作戦ですかね?」
みほ「サンダースがそこまでするとは思えないけど…」
沙織「ってか、それより私たちは試合に出れるの?」
華「Ⅳ号は治りそうなんでしょうか?」
柚子「それが…」
桃「さすがの自動車部も、今回ばかりは雲行きが良くないようでな…」
杏「まぁ、安いエンジンが見つかって、頼めたんだけど…届くの一週間以上かかるんだよね」
沙織「一週間以上!?それじゃあ、試合終わってるじゃん…」
杏「後は、奇跡が起きるって祈るしかないかなぁ…」
みほ「……」
夜 みほの部屋
「 …76mm砲搭載、1両、75mm砲搭載8両、暫定でファイアフライ1両」
みほ(こっちの戦力を考えると、シャーマン相手に有効打を与えられるのはⅢ突か良くてM3くらい…。上手くⅢ突のところへ誘導して地形を生かして撃破…でも、ファイアフライがいるとなるとアウトレンジからの撃破もありえる…はぁ、やっぱりⅣ号が無いと厳しい…)
PRRRRR
みほ「電話…えっ?大尉から?」
学園艦 物資搬入口
みほ「はぁ、はぁ」
バウアー「来たか、西住」
みほ「はぁ、はぁ。お待たせしました」
シュルツ「ゆっくりくれりゃ良かったものを」
みほ「い、いえっ。待たせるわけにはいきませんから。それで、一体…」
バウアー「中隊長として、部下の転校に対して何もしてなかったからな。遅くなったが、転校祝いだ」
みほ「転校祝いですか…えっ、もしかして」
シュルツ「エンジンをやりたかったが、流石にそれは無理だった」
みほ「そうですか…そうですよね」
ハンス「そうしょげるなよ、エンジンよかいいもんだぜ」
クルツ「ぐんそ…西住さんにとっては鬼に金棒ですよ」
みほ「えっ?どういう事ですか?」
バウアー「後ろのシートを見てみろ。なんに見える」
みほ「…!!こ、これってまさか」
シュルツ「そのまさかだ。おい、マイヤー、クルツ」
クルツ「はっ」
マイヤー「了解!受け取んな、西住。お前の相棒を!」
バサッ
みほ「わぁぁぁぁ」
翌日
沙織「おはよー、ゆかりん」
優花里「おはようございます。五十鈴殿、武部殿」
華「おはようございます、秋山さん」
優花里「あれ?今日は西住殿は一緒じゃないんですね」
華「はい。どうやら先に行かれたようで…」
ガヤガヤ
沙織「なんだろう?ハンガーの方が騒がしいね」
沙織「一体、なんの騒ぎ?」
優季「あっ、武部先輩!大変です、ハンガーに見たことない戦車が!」
沙織「えっ?見たことない戦車?」
優花里「戦車ですか!?」
ハンガー前
沙織「えっ、なにこれ…」
華「なんだか、強そうな戦車ですね」
優花里「すごい!Ⅴ号戦車パンターです!しかも、A型ですよ」
ガチャ
みほ「あっ、みんな。おはよう」
沙織「えっ?みぽりん?」
みほ「ごめんね。昨日しっかり戦車の点検してなかったから、皆より先に来ちゃった」
沙織「いや、それはいいんだけどさぁ…」
優花里「西住殿!それより、このパンターどうしたんでありますか?」
みほ「実は昨日…」
みほ「このパンター…」
バウアー「そうだ。砲塔番号見ても分かるだろうが、先代の黒騎士中隊中隊長車だ」
シュルツ「お前が見つけてた、あのパンターだ」
ハンス「お前が一番付き合いの長かった戦車だ」
みほ「それはわかってるんですけど、いいんですか?」
バウアー「学園長に了承も得ている。それに、鹵獲品は一番に発見した奴が使用出来るのがルールだ。あの時、こいつを一番最初に見つけたのはお前だろ?」
みほ「そうですけど」
バウアー「なら、俺らがどうこう出来るもんでもない。好きに使え」
マイヤー「うちの整備中隊が整備してるから、下手クソなチューンかもしれないけどな」
みほ「大尉…皆さん…ありがとうございます」
華「それで頂いたんですか?」
沙織「てか、転校祝いが戦車って…」
優花里「すごいです!パンターなら、シャーマンもT-34も怖くありません。百人力であります」(スリスリ)
みほ「アハハハ」
優花里「でも、もらって事は、この戦車は西住殿の私物なんですよね?」
みほ「そうなるかな…」
沙織「私物って、じゃあ試合じゃ使えいんじゃ?」
みほ「私物がダメってルールはないから大丈夫だとは思うけど…でも、個人的に戦車持っててもここじゃ使い道がないから、学園に寄贈するよ」
杏「じゃあ、うちのチームで好きに使っても大丈夫ってことだね?」
みほ「あっ、会長」
柚子「ありがとう」
桃「これがあれば、サンダースにも勝てるかもしれん」
みほ(大尉、ありがとうございました。必ず優勝して見せます!)
杏「じゃあ、早速だけど、西住ちゃん。この戦車はあんこうチームに任せるからね」
みほ「了解です」
優花里「まさか、パンターに乗れるなんて…ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ!! 」
みほ「パンツァーハイ…」
優花里「はっ、すみません、私つい…」
みほ「んっ、では時間がありませんから。あんこうチームは今日の授業から早速パンターの慣熟訓練を開始します!」
みほ「PANZRR VOR!」
VOOOO
エルヴィン「生でパンターを見れるとは、感無量だな」
カエサル「そんなにすごいのか?」
エルヴィン「なっ、パンターはⅣ号に変わるドイツの主力だぞ!優れた傾斜装甲に高威力の75mm砲、高い機動性…。トータルで見ればティーガーより優れた戦車だ」
おりょう「そういわれるとすごいぜよ」
エルヴィン「いいなぁ…。私も少し乗せてもらえないだろうか…」
左衛門佐「すごい笑みだな…。初めてみたぞ」
みほ「停止!」
麻子「すごいな…さすが、パンター。Ⅳ号とは馬力が違う」
みほ「射撃用意!フォイア!」
華「発射」
BARM BAKOOM
華「…すごいです。何か、Ⅳ号の時よりジンジンして気持ちイイです…」
優花里「すごい。さすがパンターの75mmです」
沙織「すごい、華!ど真ん中に当たったよ」
みほ「当然です。この戦車の照準器は優秀ですから。先代砲手の私が保証します」
練習後
柚子「西住さん、ちょといいかな?」
みほ「どうしました?」
柚子「試合の時のジャケットなんだけど、西住さん後から注文したでしょ?それで、出来上がりが一回戦には間に合わなくて」
みほ「そんなことですか。そんなの、制服とかでも大丈夫なんじゃ?」
柚子「そうだけど、流石にチームの隊長が制服とかジャージってわけにもいかないし」
みほ「うーん…あっ、前の学校で使ってたジャケットならあるんですけど、ダメですか?」
柚子「えっ、そうだね…。大洗の生徒だってわかるようにしとけば大丈夫だと思うけど」
全国大会一回戦試合会場
優花里「いよいよ、きましたね」
みほ「うん。直前でのパンター乗り換えで、まだ熟練しきれてないのが少し不安だけど」
沙織「大丈夫だよ、私たち頑張ってきたじゃん」
みほ「うん」
桃「整備終わったか?」
うさぎチーム「はーい」
カエサル「準備完了!」
典子「私たちもです」
みほ「あんこうも、大丈夫です」
桃「では、試合開始まで待機!」
優季「あっ、砲弾忘れてた」
あや「それ、一番大切じゃん!」
優季「ごめんー」
「ハハハ」
ナオミ「のんきなものね」
アリサ「それで、よくノコノコ全国大会に大会に出てこれたわね」
優花里「あっ」
麻子「ん?」
桃「キサマら、何しに来た!?」
ナオミ「試合前の交流も兼ねて、食事でもどうかと思いまして」
杏「いいねー」
ナオミ「……あっ」
みほ「ん?あっ」
ナオミ「……(あの子やっぱりあの時の…今回もパンターで来るのね)」
みほ「……(私と同じ目をしてる…相当凄腕の砲手のようね)」
ナオミ「……(ぶつかり合うのが楽しみだわ)」(ニヤッ)
みほ「……(…面白くなりそう)」(ニヤッ)
優花里「西住殿?」
ケイ「ヘイ!アンジー」
杏「やぁやぁ、ケイ。お招きどうも」
ケイ「なんでも好きなもの食べてってー。OK?」
杏「OK,OK.おケイだけに」
ケイ「アッハハハ。ナイスジョーク。ん?ヘイ!オッドボール三等軍曹!」
優花里「あっ、見つかちゃった…」
沙織「怒られるのかな?」
ケイ「この間大丈夫だった?」
優花里「えっ、はい…」
ケイ「またいつでも遊びに来て。うちはいつだってオープンだからね。じゃあ」
一同「あぁ…」
華「よかった…」
沙織「隊長はいい人そうだね」
麻子「フレンドリーだな」
みほ「……」
「ヘイ!ケイ」
ケイ「ん?」
みほ「あっ…」
あっ・・・(察し)
VOOO(ダッジCW57)
アリサ「あっ、タカシ」
ケイ「あら、ジョージにタカシじゃない。どしたの?」
ジョージ「せっかく、応援に来てやったのにどうしたのはないだろ」
タカシ「ケイ隊長、こんにちは」
ケイ「冗談よ。応援に来てくれるなんて、ありがとね」
沙織「わぁ。イケメン。ねぇ、あれ何?」
みほ「あれは…。サンダースの男子チーム3軍の隊長のジョージさんと、同じ3軍のタカシさん」
華「へぇー、よくご存知ですね」
みほ「うん…前に戦った事あるから…」
優花里(なんでしょう
忠犬ゆかりん、気付く
すいません、誤爆しました
VOOO(ダッジCW57)
アリサ「あっ、タカシ」
ケイ「あら、ジョージにタカシじゃない。どしたの?」
ジョージ「せっかく、応援に来てやったのにどうしたのはないだろ」
タカシ「ケイ隊長、こんにちは」
ケイ「冗談よ。応援に来てくれるなんて、ありがとね」
沙織「わぁ。イケメン。ねぇ、あれ何?」
みほ「あれは…。サンダースの男子チーム3軍の隊長のジョージさんと、同じ3軍のタカシさん」
華「へぇー、よくご存知ですね」
みほ「うん…前に戦った事あるから…」
優花里(なんでしょう…すごい危険な匂いがします)
ジョージ「それに、ナオミがうちに新車のあれを貸してくれって頭を下げに来たんだ。相手がどんなチームか気になってね」
タカシ「でも、見た感じ普通ですけどね」
ジョージ「確かになぁ。どんなすごい奴らかと思ったが、全然そんな感じがしないな。キュートではあるが」
ケイ「ジロジロ見たら、失礼でしょ」
ジョージ「悪い悪い…」
タカシ「隊長?…あっ」
沙織「!!…どうしよう目があちゃった。一目惚れされちゃったかな」
みほ(ちょっと、まずいかも…)
沙織「やだもー」
麻子「そんな事あるわけないだろ…」
優花里「えっ、でもこっちへ来ますよ」
麻子「なっ、そんな馬鹿な…」
沙織「えっ、嘘!?本当に?ど、どうしよ~わ、わたしまだ心の準備が…」
ジョージ「西住!」
みほ「はぁ…」
ジョージ「久しぶりだな!元気だっか?」
ダキッ(本人は挨拶がわりのハグのつもりだが、傍からみたら思い切り抱きついている)
沙織&優花里「!!」
ケイ「WOW」
みほ「えぇ、まぁ…」
タカシ「あの時以来だな。会いたかったぜ」(同じく挨拶がわりのハグ)
沙織&優花里「!!」
アリサ「!!」(ピキッ)
クソが 俺がやったら捕まるというのに
ジョージ「バウアーから転校したとは聞いててが、そうか大洗に行ったのか」
みほ「はい」
タカシ「なるほどなぁ。君がいるんじゃナオミが来たのも納得だな」
ジョージ「確かにな。こりゃ、今年はサンダースは一回戦で敗退かな?」
みほ「なっ、戦う前から諦めるのは良くないですよ。例え最後の一人となっても命尽きるまで戦い抜く!それが硬式の戦車乗りじゃなかったんですか!?」
タカシ「…」
ジョージ「…ふっ、変わらないな。安心したよ」
みほ「えっ?」
タカシ「例え、フィールドが変わっても硬式の戦車乗り精神を忘れてなくてな。そうでなくちゃな、面白くない」
ジョージ「あぁ、そうでなくちゃ、落としがいがない」
みほ「…やっぱり、あの時の約束は…」
ジョージ「当たり前だ。俺は本気だぜ。女子だろうが硬式だろうが戦車道は戦車道だ。必ず勝って、君を俺のものにしてみせる」
優花里&沙織「!!」
ジョージ「へっ、機動戦なら俺の方が得意ですからね。俺の方が先にものにしてみせますよ」
アリサ「!!」(ピキピキ)
みほ「はぁ…」
資本主義者めえええええ
ケイ「ちょっと、ちょっと、どういう事?」
ジョージ「前に戦っときに約束したんよ。次戦って先に勝ったほうが西住をものにするってな」
みほ「あぅ…」
ケイ「何よそれ!?女の子をかけの対象にするなんて良くないわ!」
ジョージ「…わかってるよ。半分は冗談だ。だがな、俺はこの前戦ってみて思ったんだよ。こいつには次こそ勝ちたいってな。だから、勝ったらなんてのは次やり合う時の条件を取り付ける為の建前みたいなもんだ」
タカシ「えぇ、自分自身を奮い立たせる為のね」
みほ「…なんだ、そうだったんですか…」
ジョージ「だけど、戦車道抜きで君に惚れたのは事実だ」
タカシ「そればかりは曲がりない事実だな」
みほ「……」
>>336すいません。正しくは
タカシ「へっ、機動戦なら俺の方が得意ですからね。俺の方が先にものにしてみせますよ」
ですね。すいません。ご指摘ありがとうございます
たぶん武部殿のHPもガンガン削られてる
ジョージ「勝負云々は君にとって不快な思いをさせてしまったかもしれないが、俺は本気だ。いつか、戦車抜きにしても君を必ず落としてみせる」
タカシ「俺だって負けないからな!」
みほ「はぁ…」
ジョージ「おっと、そろそろ時間か。じゃあな、西住検討を祈ってるぜ」
タカシ「GOOD LUCK!」
ジョージ「ケイ、気おつけろ。ああ見えて彼女は、硬式経験者だ。しかも、俺の3軍を単車で2個小隊食っちまうような奴だ。舐めてかかると痛い目みるぞ」
タカシ「俺も隊長も彼女にやられました。ありゃ確かにエースですよ」
ケイ「ちょっと!?それ本当?!」
みほ「はぁ…」
沙織「ねぇ、みぽりん、みぽりん!今の人とどういう関係なの!?彼氏とか?それとも恋人!?」(ワクワク)
優花里「西住殿ー!あのふざけた野郎どもはなんなんですか!?」
アリサ「ちょっと、あんた!一体、タカシとどういう関係な訳!?」
みほ「えっ、ちょっと…わっ」
黒森峰観覧席
エリカ「あれ?隊長、どちらへ?」
まほ「ちょっとトイレに…」
エリカ「…また、ですか」
スタスタ ドゴッ!
エリカ「ひいっ」
みほ「はぁ…ひど目にあった」
麻子「ご愁傷様‥」
沙織「やっぱり、戦車道やってるとモテるだー。私にも早く出会いが来ないかなー」
優花里「西住殿、あんな学校徹底的に叩き潰してやりましょう!」
みほ「ふ、二人共落ち着いて」
サンダース陣地
フラッグ車砲手「あれ?通信傍受器なんて、あんな弱小校相手じゃ必要ないって言ってませんでしたけ?」
アリサ「前言撤回よ!二度と立ち上がれないくらい徹底的に叩きのめしてやるわ!」
装填手(何か、すごく荒れてるなぁ)
アリサ「何ぼけっとしてるのよ!手伝いなさいよ!」
装填手「はぁ…」
杏「じゃあ、試合前の挨拶行ってくるから、宜しくね」
VOOOO
桃「ん?西住はどうした?」
華「色々あって、着替えるのが遅れたそうで。今着替えに行かれてます」
桃「間に合うのか?もう、あまり時間がないぞ」
沙織「あぁー。私も早く出会いたいなー」
優花里「シャーマンなんて、一両残らず…ブツブツ」
華「先程から、お二人の様子がおかしいんですが?」
麻子「どうしようもない奴らだな」
これが真相か(白目)
更衣室
みほ「……よし、徽章の取り付け位置、角度は大丈夫。騎士鉄十字賞も曲がってない。戦車撃破章の縫い付けもばっちり…(腰のワルサーは…女子じゃ必要ないけど、盗まれたりたら厄介だから持ってよう)」
手の上の眼帯を眺める
みほ(…今回は車長だけど。あの砲手の人が気になる…場合によっては、私が出たほうがいいかも知れない…それに、つけると大尉に勇気付けれてる気がするし///…よしっ」
眼帯装着
みほ「よしっ!(大尉、わたしやります)」
眼帯装着みぽりんマジ見てみたい
絶対凛々しいよなあ お姉ちゃんが乙女になってたし
「それでは、サンダース大学付属高校対大洗女子学園の試合を開始します」
桃「えぇーい。遅い!西住は何をやってるんだ!?」
柚子「確かに、少し遅いね。ん?」
あゆみ「えぇー、それ本当?」
あや「本当だよ。ちょームカついたよ」
柚子「どうしたの?」
あや「あっ、実はさっきトイレに行った時に…」
これ、黒騎士物語の表紙のバウアー大尉風になるってことかしらね
>>361
その言い方だと顔が角ばったごっつい西住殿想像してしまうからやめてーwwww
トイレにて
「…だよねー。あんな学校」
あや「…。ん?」
サンダース生A「5両でも多いくらいじゃ無いの?大洗なんて、戦車道始めたばかりの弱小校相手に」
サンダース生B「だよねー。隊長も言ってたけど1両あれば十分だったんじゃない?10両なら5分ぐらいで終わちゃうんじゃない?」
サンダース生A「だよねー。うちら出番ないんじゃない?」
サンダース生B「かもね。昼寝してたら終わっちゃったりして」
「アハハハハ!」
あや「!!」
桃「なんだと!?」
華「まぁ」
沙織「何それ!?ひどくない!?」
典子「ふざけた事を!」
エルヴィン「いくら私たちが経験無いからといって、もう勝った気でいるのか!?」
みほ「…そうみたいですね。では、教育してあげますか」
優花里「あっ、西住殿!」
桃「遅いぞ、西住!何をやっ…て…」
沙織「みぽ…りん?」
みほ「すいません、着替えるのが遅くなりました」
一同「……」
みほ「??」
みほの格好:黒騎士中隊仕様の黒の戦車服上下、ブーツ、クラッシュキャップ(帽章は大洗の校章)、腰のホルスターにワルサー、上着に輝く鉄十字賞、戦車突撃章、戦傷徽章、戦車撃破章、首元に柏葉・剣付騎士鉄十字章
みほ「あのー、どうしました?」
つよい(確信)
これはまほ姉ちゃんも濡れ濡れですわ
沙織「い、いや…なんというか…」
麻子「おぉー」
梓「隊長、かっこいー///」
優花里「…あぁ、もう駄目…直視できないであります…」(バタッ)
エルヴィン「……」(衝撃的すぎて空いた口がふさがらない)
おりょう「伊達正宗?」
左衛門佐「軍師山本勘介だろ」
エルヴィン以外「それだ!」
黒森峰客席
エリカ「えっ?あの子…一体どうしちゃったの?!」
まほ「……」(衝撃が強すぎて気絶)
プラウダ戦で挑発しに来たカチューシャが失禁しそう
みほ「えっ!?ちょ、ちょっと皆さん大丈夫ですか?」
エルヴィン「だ、大丈夫であります!で、ですからこれ以上近づかないでー」
おりょう「あまりのスゴさに興奮を通り越しておかしくなったぜよ…」
典子「隊長が、凛々すぎる」
妙子「かっこいいなぁ」
忍「あんな隊長なら、抱かれてもいいかも…」
他のバレー部「えっ?」
桃「…」(ポカーン)
柚子「///」
みほ「はぁ、こんなんで試合できるのかな…」
しほさんも現役時代はこんな格好してたんじゃなかろうかと妄想が止まらぬ
みほ「もう…気をつけ!」
一同「!!」(ビシッ)
みほ「ボケっとしてる暇があったら、乗車して出撃準備をしなさい!試合はまってくれないんですよ!」
一同「は、はいっ」
みほ「説明したとおり、今回はフラッグ戦、相手のフラッグ車を先に撃破した方が勝ちです。サンダースの戦車は数と攻守では私たちの戦車より上ですが、恐れる事はありません!機動戦で相手を分散して、三突の前かあんこうの前にに引きずり出してください。ヴェルハラ送りにしてあげます!」
一同「おぉー!(なんだろう、この隊長だったら負ける気がしない)」
杏「さぁ、いくよー!」
「試合、開始!」
今回はここまでです
乙!!最高!!
このみぽりんだったらエキシビジョンマッチで勝手に突撃して壊滅した知波単学園に
どんなマジギレっぷりを見せるのか気になるぜ
第一声は「馬鹿者!私のケツを舐めろ!」だろうけど
みほ「PANZER VOR!」
ケイ「前進、前進!ガンガンいくよー」
黒森峰観覧席
エリカ「始まりましたね」
まほ「あぁ」
エリカ「…(見せて貰うじゃないのみほ、貴方の実力を)」
まほ「…(行けっ、みほ。あんなフザけた野郎が居る学校なんて徹底的に叩き潰せ!………もう、怒って無いよね…」
みほ(うさぎさん、右方向の偵察を実施してください。アヒルさんは左方向を)←手で合図
梓「えっ?隊長、今のってなんですか?」
典子「踊り?」
みほ「Scheisse!」
優花里「に、西住殿!?」
エルヴィン「隊長!?」
みほ「…そうだった、無声指揮まで時間が無くて教えれなかったんだ…。うさぎさんチームは右方向、アヒルさんチームは左方向を偵察をそれぞれ実施してください」
梓「うさぎチーム、了解」
典子「こちらも了解!」
みほ「あんこうとカバさんは、カメさんを守りつつ前進します。PANZAR VOR!」
VOOOO
偵察中
梓「…あっ、こちらB085S地点、シャーマン3両発見!これよりおびき出します」
BAM DORM
梓「あっ…」
サンダース生「いたぞ、撃てっー」
サンダース生「攻撃開始」
アリサ「…いいわ!いいわ!そのままぶっ潰してやりなさい!」
装填手(何かさっきから五月蝿いなぁ…)
梓「こちらうさぎチーム!シャーマン5両に包囲されました!」
みほ「!!…うさぎチームへ。南西から援軍を送ります!アヒルチーム、あんこうに続いて!」
VOOO
みほ(こっちの作戦が読まれてた?相手の隊長、ケイさんって言ったっけ。相当なやり手みたいね)
優季「ちょっと着いて来ないでよー」
桂利奈「エッチ!」
あゆみ「ストーカー!」
あや「これでも喰らえー!」
BAM
ケイ「アッハハハ。全然当たらない…うぷっ」
KAN
ケイ「直撃させるなんて、思ったよりやるわね。でも、そんな大砲じゃ、全然効かないよー」
あや「あぁー、やっぱり弾かれた」
優季「あやちゃんすごーい」
あや「当たり前でしょ。あの隊長にどんだけ扱かれたと思ってるの?」
あゆみ「確かにね。あれは思い出したくないな」(ガタガタ)
その頃聖グロリアーナ観客席
オレンジペコ「さすが、サンダース。数に物を言わせた戦い方をしますね」
ダージリン「……」
オレンジペコ「どうかしましたか?」
ダージリン「……(サンダースの戦車なんてどうでもいいから、あの新しい大洗の隊長さんを移してくれないかしら///)」
オレンジペコ「??(この人が格言を話さないなんて…ついにおかしくなったのかしら?いや、まともになったの方が正しいんでしょうか?)」
サンダース生「ファイア!」
DOM BARM
あゆみ「頑張って」
優季「やれば出来る子だよ、桂利奈ちゃん!」
桂利奈「あいいいっ」
VOOOO
みほ「(このまま行けば、合流まで2分位か…)!!来るっ」
BARM BAKOM
みほ「3両、囲まれたか…」
優花里「北東から5両、南南西から3両。すごい!全10両中、8両もこの森に投入ですか!?」
華「随分大胆な作戦ですね」
みほ「(シャーマンばかり、ファイアフライが居ないのが気がかり、温存してる?どちらにしろ、このままの合流は危険)ウサギチーム、このまま進むと危険です、停止出来ますか?」
ウサギチーム「無理でーす!」
沙織「5両に集中砲火浴びてるって!」
みほ「了解!なら、ウサギさん、アヒルさん、まもなくあんこうと合流します。合流したら南東に進んでください!」
アヒル&うさぎチーム「わかりました」
アリサ「ふっ‥南南西に2両回してください。(さぁ、見てなさい。ぶっ潰してあげるわ)」
ケイ「OK」
梓「あっ、居た。先輩!」
みほ「大丈夫、落ち着いて、あんこうに続いて!」
梓「はいっ!(ハッチから顔出してても微動だにしない先輩、かっこいいなぁ~///)」
VOOOOO
VOOO
麻子「あっ…」
典子「回り込んできた…」
梓「どうする?」
あや「撃っちゃう?」
みほ「麻子さん、前進全速!突っ走って!」
麻子「マジか…」
みほ「全車戦闘隊形であんこうに続いて!」
桂利奈「マジですか!?」
忍「了解。リベロ並みのフットワークで」
VOOOO BARM DOM
うさぎチーム「きゃぁぁぁ」
DOM
ケイ「今日のアリサの勘、ドンピシャね。ナイス、冴えだわ」
みほ「……」
サンダース生「まっすぐ突っ込んでくるわ!正気なの!?」
サンダース生「わぁぁぁ。ぶつかるー」
みほ「(相手が怯んだ…今なら)」
GYAN
みほ「…よしっ、抜けた。全車全速で離脱!」
麻子「了解だが、大丈夫か?エンジンがすごい音してるが」
みほ「大丈夫。私にはワルキューレの声に聞こえる」
ケイ「ドンマイ。深追いNGよ」
アリサ「ちっ…(隊長の腰抜け…)」
あんこう車内
みほ「ふうっ」
華「危なかったですね…」
みほ「うん。まるで私たちを待ち構えたみたいだった…。あの隊長相当優秀みたい…こっちの声が筒抜けのようで…はっ」
ガチャッ
みほ「…!!(あれは、やっぱり)」
華「みほさん、どうしました?」
みほ「通信傍受機が打ち上げてある」
優花里「確かに、ルールブックには、傍受機を打ち上げちゃいけないなんて書いてないですね…」
沙織「ヒッドーイ!いくらお金があるからって…」
華「抗議しましょう!」
みほ「…あんな審判団に講義なんかしても時間の無駄。華さん同軸のMGを、撃ち落として…いやっ、傍受してるなら逆手にとってやりましょう」
華「どうやってです?」
みほ「誰か、他のチームの連絡先が携帯に全部入ってる人います?」
沙織「わたし入ってるよ」
みほ「だったら…」
みほ「全車、0985の道路を南進!ジャンクションまで前進して。敵はジャンクションを北上してくるはずなので、とおり過ぎたところを左右から狙います!」
一同「了解!」
アリサ「…敵はジャンクション、左右に伏せてるわ。囮を北上させて!本隊はその左右から包囲!」
ケイ「Ok,OK.でも、なんでそんな事までわかっちゃう訳?」
アリサ「女の勘です。(怒りに狂う女の嫉妬は怖いのよ…私は嫉妬深いんだから!)」
ケイ「アッハハ。そりゃ頼もしい」
みほ「うさぎさん、カバさんは現地点で偽装して隠れててください、偽情報で敵をおびき出しますから、確実に仕留めてください!アヒルさんは先ほどの手はず通りに」
一同「了解!」
華「あのー、私たちは?」
みほ「ジャンクションを北上してくる囮を、あそこの茂みに隠れて迎え撃ちます!おそらく、おびき出しても倒せるのは2両が限度…。数の上ではまだ向こうが有利ですから、この期に数を減らします。華さん、貴方の腕が頼りです」
華「わかりました、お任せください!」
みほ「では、全車配置についてください」
PRRRR
カエサル「こちらカバチーム。敵が予定通りやってきた」
沙織「わかりました。みぽりん、敵が来たって」
みほ「…囲まれた!全車全速後退」
典子「よしっ、いくよー」
アヒルチーム「はいっ!」
VOOOOO
みほ「見つかった。全車バラバラに隠れて!38tはC,1024R地点に隠れてください」
アリサ「38t、敵のフラッグ車!もらったわ。チャーリー、ドック。c1024に急行!見つけ次第攻撃!」
サンダース生「了解!」
みほ「よしっ、食いついた…」
沙織「あっ、こっちも来たよ!」
みほ「3両…。前方の3両を攻撃したら全速で後退します。優花里さん、装填は3秒でお願いいます」
優花里「了解です!お任せください!」
みほ「…よしっ、距離1100。フォイア!」
BARM
同時刻 c1024R地点
Dチーム「…ん?!!ジーザス!」
エルヴィン「てぇー!」
BARM DORM BAKKOM シュパッ!
Cチーム「撤退しろ、撤退ー!」
優季「逃げちゃうよ」
あゆみ「撃て、撃て!」
あや「惜しいっ」
サンダース生「うわっ」
シュパッ!
みほ「よし、次!」
優花里「装填完了!」
みほ「遅いっ!もっと急いで。フォイア!」
BARM シュパッ!
サンダース生「うわぁ、後退後退…きゃあ!」(シュパッ!)
みほ「よしっ、全速後退!…!!砲塔旋回7時方向!」
Cチーム「危なかった…あっ」
みほ「フォイア!」
「Dチーム行動不能!」
アリサ「えっ!?」
ケイ「WHY!?」
「すいません、Cチームやられました」
「Eチーム行動不能!」
「Fチームもやられました」
「行動不能すいません!」
アリサ「えっ!?」
沙織「無線じゃなくて携帯で連絡してたんだもーん」
優花里「やりました!」
ケイ「WHY!?一気に5両もやられるなんて?どうなってるのよ!?」
アリサ「そ、そんな馬鹿な…」
ナオミ「…さすがね。パンター1両で、手玉に取るなんて」
ナオミ車装填手「いくらパンターとはいえ、一気に5両なんて…大洗女子はバルクマンでも雇ったの?」
ナオミ「ふっ、大洗のバルクマンか…面白いわね」
後に、サンダースではこの戦いの後「大洗のバルクマン」として西住みほは畏怖と敬意をもって語られたりたりするのだが、それは別の話である
一旦ここまで
観客席
「おぉー」「大洗すげーな!」
エリカ「まさか、一気に半数もやつけるなんて…(みほ、あなた変わったわね…そうじゃ無いと、戦ったとき面白く無いわ)」
まほ「あぁ…(いいぞ、みほ!その調子だ!一両残らずぶっ殺せ!)」
ジョージ「やるな、西住!流石だぜ」
タカシ「えぇ、あの時の腕は健在なようで」
ジョージ「あぁ、しかもあの時より上がってやがる。こりゃ、彼女と次やるときはM1A2でも使わんと勝てんな」
タカシ「流石にエイブラムスは卑怯ですよ。せめてリアクティブアーマー付きのM60ぐらいにてあげないと」
エリカ「なんか、向こうで物騒な会話してるわね…」
まほ「…エリカ。レオパルド2はいくら出せば買える?」
エリカ「えっ…?」
優花里「西住殿、やりましたね」
華「えぇ。まさか、一気に半数もやつけられるなんて」
みほ「うん」
沙織「でも、この試合は、敵のフラッグ車を先に倒した方が勝ちなんでしょ?」
みほ「うん」
麻子「次はどおする?」
みほ「次は…」
アリサ「いい気になるなよ!」
みほ「全車、128高地に集合してください」
アリサ「!!」
みほ「ファイアフライかわかりませんが、高火力な戦車がいる限りこちらに勝ち目はありません。危険ではありますが高地に陣取って、敵を上から一気に叩きます!」
アリア「ククク…アッハハッハ!捨て身の作戦に出たわね!でも、丘に上がったらいい的になるだけよ。128高地に向かってください」
ケイ「ちょっと、どういう事?」
アリサ「敵の全車両が集まる模様です」
ケイ「ちょっと、それ本当!?どうしてわかっちゃう訳?」
アリサ「…私の情報は正確です」
ケイ「OH…OK!全車、GO A HEAD!」
ナオミ「(おかしい…。5両も一気に撃破したのに、高地に集まるなんて…いい的になるだけ…何か引っかかるわね。)!!」
ガチャッ
装填手「ん?ナオミ、どしたの?」
ナオミ「!!アリサの奴…。(さっきの対応といい、おそらく敵は通信傍受に気づいてる。なら、これは罠だわ…)」
ナオミ「隊長、待ってください!」
ケイ「ん?どうしたの、ナオミ」
ナオミ「これは、おそらく罠の可能性があります」
ケイ「えっ?どういう事?」
アリサ「なっ、失礼しちゃうわね!私の情報は確実よ」
ナオミ「…相手の通信を傍受してるなら当然よね?」
アリア「ギクッ!」
ケイ「なっ。アリサ、一体どういう事かな?」
ケイ「ばっかもーん!」
アリサ「申し訳ありません…」
ケイ「戦いはフェアプレイでって、いつも言ってるでしょ!」
アリサ「はぃ……」
ナオミ「おそらくあちらは、こっちの通信傍受に気づいて逆手に取ったものと思います。先ほどの待ち伏せもそれなら納得がいくかと」
アリサ「なっ、こっちの作戦を逆手に取るなんて卑怯だわ!」
ケイ「あんたは黙ってなさい!」
アリサ「はいっ……」
ケイ「うーん…。通信傍受しといて、同数とはいえナオミがいるのに全部で反撃ってのもアンフェアね…。アウトレンジならこっちの方が有利だろうし…。そうねぇ、1両だけついて来て頂戴。後の2両は予定通り高地の偵察ね。ナオミ、頼んだわよ」
ナオミ「イエス、マム」
VOOOOO
アリサ「ちっ、まさかはめられたなんて…じゃあ、大洗の車両はどこに…」
VOOM
典子「あっ…」
アリサ「あっ…」
……
典子「右に転換、急げー!」
アリサ「蹂躙してあげなさい!」
通信手「報告しますか?」
アリサ「報告するまでも無いわ!撃てっー!」
BARM
アリサ「追いなさいー!」
砲手「いいんですか?勝手な事しちゃって…」
アリサ「あんなショボい連中、1両でも余裕だわ!あの、フザけた連中に地獄を見せてやるわ!」
典子「敵フラッグ車、0765地点にて発見しました!でも、こちらも見つかりました」
みほ「0765地点ですね。逃げ回って敵を引きつけてください。0615地点へ全車両、前進!武部さん、メールお願いします」
沙織「わかった」
VOOOO BARM
典子「…えいっ」(発炎筒)
BARM
アリサ「何をやっている!?相手は八九式だぞ!」
砲手「視界が…」
アリサ「いいから、撃てっ!」
BARM
あけび「キャプテン!激しいスパイクの連続です!」
典子「相手の攻撃を絶対に受けないで、逆リベロよ!」
あけび「…意味分かりません…」
アリサ「早くしなさい!」
装填手「すいません、砲弾が遠くて…」
アリサ「機銃で撃ちなさい!」
砲手「機銃で撃つなんてカッコ悪いじゃないですか」
アリサ「戦いに格好良いも悪いもあるか!手段を選ぶな!あの泥棒猫に地獄を見せてあげるんだから!」
砲手「あぁ…そういうこと…」
装填手(あぁ、タカシを取られたから機嫌悪かったんだ…)
DOKOKOKO VOOO
みほ「八九式来ました、突撃します!ですが、カメさんはカバとウサギさんで守ってください」
VOOOM
アリサ「……」(イライラ)
操縦手「車長、煙幕晴れます!」
アリサ「!!あぁ。ストップ、ストップ!」
みほ「フォイア!」
ZBARAAM BAKOM
アリサ「きゃっ…」(ビリビリ)
華「あっ…視界が…」
DORM
みほ「…今のは?(シャーマンの真横に砲撃して、粉塵で視界を惑わすなんて、やるわね)」
優花里「ファイアフライの17ポンド…いや、違う。もっと大きかったです!」
ガチャッ
みほ「…!!くっ、T26E4…」
優花里「なっ、スーパーパーシングですか…」
ナオミ「……」
タカシ「ナオミが来たか…」
ジョージ「絶妙なタイミングだったな。さすがナオミだな。あいつの火力ならパンターの正面でも打ち抜けちまう‥さて、どうするのかな?」
タカシ「西住なら何とかしそうですが、あれ新車だからあまり壊して欲しくないですけどね」
ジョージ「あぁ。試し乗りしかしてないもんな、あれ」
タカシ「修理費うちら持ちじゃないですよね?」
ナオミ「……」(クチャクチャ)
ZBARRM
みほ「!!後退!」
BAKKOM
沙織「きゃあぅ」
みほ(森林越しにこっちを予測して撃ってくるなんて…フラッグ狙いじゃなく、狙いは私たち?なら…)
アリサ「アッハハハ!百倍返しで反撃よ」
ナオミ「いいから、お前はとっと離脱しろ!」
アリサ「は、はいっ!」
カエサル「あっ、フラッグ車が逃げるぞ!」
みほ「カバさん、うさぎさんはカメさんを守りつつフラッグ車を追撃してください。スーパーパーシングはこちらが引き受けます!」
一同「了解!」
麻子「引き受けるたって、どうやって?」
みほ「さっきの砲撃、あの位置からならカメさんも打ち抜けたのに、森林越しに私たちを撃ってきた…おそらく、狙いは最初っから私たちあんこうチーム」
優花里「なるほど…でも、スーパーパーシングの正面なんてパンターでも打ち抜けるか…」
みほ「…華さん、交代してください。私がやります」
華「はいっ。ですが、私に車長が務まるかどうか…」
みほ「…華さんは、周囲の警戒をしてくれていれば大丈夫です。何かあったら教えてください。パーシングの動きなら照準器越しにわかるので、指示します」
華「わかりました」
優花里「さすが西住殿…」
ナオミ「……」
みほ「…!!今っ!」
BARM KAAN
ナオミ「くっ…」
BARM
パーシング車長「ナオミが外した!?」
ナオミ(私の射撃のタイミングに合わせて、砲撃して照準を狂わせるとは…さすがね。そうでないとやりがいが無いわ)
みほ「前進!(一瞬でもタイミングが狂えばこちらがやられる…。負けられない!)」
すいません、飯食ってくるんで一旦ここまで
みほ「スーパーパーシングは装填に時間がかかります、今のうちに距離を詰めて!」
パーシング装填手「装填完了!」
ナオミ「……」
みほ「……(何時撃ってくる気…)」
パーシング車長「どうした?」
ナオミ「…なんでも(向こうの射撃は正確…焦ったら負ける)」
みほ「…はぁ、はぁ…」
ナオミ「…今っ」
みほ「!!右旋回!回避!」
BARM
ギャっ
みほ「…発射!」
BARM KAN
ナオミ「くっ…」
みほ「…当たった」
沙織「えっ!?今何があったの?」
亜美「嘘・・・。10式で可能になったスラローム射撃をパンターでやるなんて…」
みほ「(距離約1200…、この距離でも正面は撃ちぬけないか…履帯を切って横に回り込む…いやっ、旋回砲塔相手にそれは無理がある…旋回砲塔…あっ、さっき当てたところが…!!)優花里さん、弾種変更!榴弾装填!」
優花里「榴弾でありますか?」
みほ「急いで!」
ナオミ「……」
みほ「撃ち抜けなくても、当てれさえすれば…」
BAM DORM KAN
ナオミ「!!…この感じ榴弾?」(ビリビリ)
パーシング車長「榴弾!?やけになったの?」
ナオミ「何のつもり…」
みほ「よしっ、続いて榴弾!」
BARM DOM
みほ「…発射!」
BARM ガコッ
みほ「よしっ、次は履帯、徹甲弾装填!」
BARM
操縦手「くそっ、履帯を切られた」
みほ「よしっ、麻子さん、全速でパーシングの左側面に回ってください!」
麻子「了解」
車長「…左履帯を切って回り込むつもりね‥でも、こっちは旋回砲塔なのよ砲塔旋回!」
UEEEN ガッ
ナオミ「!!」
パーシング車長「どうした?早くまわして!」
華「パーシングの砲塔が止まってるみたいです」
みほ「よしっ!今なら」
ナオミ「くそっ、何かが当たって…(はっ、榴弾をぶち込んだてたのは、外部装甲版の溶接跡を引っ剥がす為…)ちっ」
みほ「…フォイア!」
BARM シュパッ!
ナオミ「…ちっ」
ガチャッ
みほ「……」
ナオミ「……あなた相手ならファイアフライの方が良かったのかもしれなわね」
みほ「…機動戦の出来るファイアフライと貴方の腕だったら危なかったかもしれません」
ナオミ「……フッ」
みほ「……フッ」
ナオミ「…次戦う時が楽しみね」
みほ「…私もです」
VOOOO
アリサ「このタフなシャーマンがやられる訳ないわ!なにせ五万両も作られた大ベストセラーよ!丈夫で壊れにくくて居住性も高い!馬鹿でも扱えるくらい操縦が簡単で、馬鹿でも扱えるマニュアル付きよ!」
砲手「お言葉ですが、自慢になってません!」
アリサ「煩いわよ!」
BARM BARM
アリサ「なんであんなショボい戦車に追い回される訳!私たちの学校はあんたたちと格が違うのよ!そこ、右」
BARM
アリサ「何よその戦車!小さすぎて的にもならないじゃ無い!当たればイチコロなのに!修正右三度!装填急いで!全くなんなのあの子達!?力も無いくせにノコノコこんな所に出てきた上にタカシまで!どうせすぐに潰れるんだから、さっさと廃校になればいいのよ!」
BARM
カエサル「えぇい、ちょこまかと」
エルヴィン「うーん、やっぱり確実性を取るために停止間射撃で行こう」
カエサル「逃げられるぞ」
エルヴィン「この距離なら3突の火力なら余裕で抜ける。左衛門佐頼むぞ」
左衛門佐「任せろ。隊長直伝の射撃術、とくとご覧に入れる」
エルヴィン「おりょう、合図したら停車しろ」
おりょう「わかったぜよ」
エルヴィン「いいか、距離的に外したら射程外へ逃げられてしまう。一発勝負だ」
カエサル「もうじきサンダースの応援も来そうだ、頼むぞ」
左衛門佐「任せろ。那須与一の如く、一発で仕留めてみせる」
エルヴィン「頼んだぞ。よし、おりょう停車だ!」
おりょう「ぜよ」
ギャッ
アリサ「なんでタカシはあの子が好きなの…どうして、私の気持ちに気づかないよー!」
VOOOO
エルヴィン「よしっ、距離1700。行けっ!」
左衛門佐「発射っ!」
BARM DOKKKANN
左衛門佐「どうだ!?」
アリサ「ぁ…!!」(シュパッ!)
エルヴィン「……」
アナウンス「大洗女子学園の勝利!」
ケイ「なっ…」
カエサル「やったのか…」
エルヴィン「やっった、やったぞー!」
左衛門佐「よっしゃー!」
みほ「…勝ったの」
沙織「やったよ、みぽりん!カバさんチームが倒したって!」
優花里「西住殿!やりましたね」
華「私たち勝ちました」
みほ「うん!」
「西住隊長ー!」「やったー」「勝ったぞー!」
杏「イエーイ」(Vサイン)
桃「勝った、勝ったぞー!」
柚子「うん」
みほ「みなさん…」
エルヴィン「ハッハハ。やったぞ、隊長!」
みほ「…確実性を取る為に停止射撃した判断、よかったです」
エルヴィン「いやぁ…。隊長の真似をしただけというか…」
みほ「いえっ、貴方の実力です。あなたは立派な突撃砲クルーです、これを」
エルヴィン「えっ、これは…」
みほ「突撃砲兵には厳密にはおかしいですが、手元にこれしか無いから。私の戦車突撃章です」(みほのジャケットのは最初にシュルツ准尉からもらった物)
エルヴィン「い、いやっ、こ、こんな大層な物い、頂くわけには…」
みほ「今回の功績を讃えでです。受け取りなさい、隊長命令です」
エルヴィン「えっ、いやっ、そんな…アハハ」
おりょう「カエサルのマフラーみたいに真っ赤ぜよ」
カエサル「私のマフラーと一緒にするな!」
優花里「…羨ましいであります」
「一同、礼!」
「「「「ありがとうございました!」」」」
パチパチパチ
華「すごい拍手…」
沙織「勝ったー!」
優花里「サンダース相手に勝てるなんて…」
ケイ「あなたがキャプテン?」
みほ「えっ、はい」
ケイ「exciting!こんな試合展開になるとは思わなかったわ」
みほ「あぅ…」
優花里&沙織「!!」
ジョージ「同性だと気軽にハグできるからいいよあなぁ」
タカシ「女装してやったらどうですか?」
ジョージ「OH、ナイスアイディアだな」
タカシ「冗談ですよね?」
ケイ「ジョージからすごいとは聞いてたけど、完敗だったわね」
みほ「いえっ、そんな…あの…」
ケイ「何?」
みほ「スーパーパーシングしか来なかったのは?」
ケイ「フェアに戦いたかったからよ。全車両で行ったらこっちの方が、火力でも有利でしょ?」
みほ「どうして?」
ケイ「thats 戦車道!これは戦争じゃ無い。道を外れたら戦車が泣くでしょ」
みほ「ぁぁ」
ケイ「盗み聞きなんてつまんないこして悪かったわね」
みほ「いえっ、パーシングに加えてシャーマンも居たら負けてたかもしれません」
ケイ「でも、勝ったのはあなたたちよ」
みほ「あっ…ありがとうございました」
握手
ケイ「フフッ、こうやって近くで見ると凛々しいわね。ジョージが惚れたのがわかるわ」
みほ「えっ?」
ケイ「あなたが男の子だったら私も落ちてたかも」
優花里&沙織「!!」
みほ「あぅ…その…」
ケイ「ふふっ。冗談よ」
優花里(いや、今の目は一瞬マジでした!これは危険です!)
エリカ「甘ちょろい事、言ちゃって」
まほ「……(みほ、もう普通の女子校生として生きてくれ。これ以上お姉ちゃんの敵を作らないでくれ)」
ナオミ「……」
みほ「…あっ」
ケイ「あら、ナオミ。どうしたの?」
ナオミ「…」
みほ「!!」
お互いの健闘を讃え合うハグ
ナオミ「…次は負けないから」
みほ「…楽しみにしてます」
握手を交わす
ナオミ「じゃあ、2回戦の健闘を祈ってるわ。GOOD LUCK」
みほ「はいっ」
ケイ「…反省会するから」
アリサ「うぅ…」
ナオミ「……」(ナデナデ)
ジョージ「西住、次も期待してるぜ!」
タカシ「応援してるぜ」
みほ「ありがとうございます!」
ジョージ「ふっ、その笑顔が見れただけでも来たかいがあったぜ。じゃあな」
タカシ「GOOD LUCK」
優花里「キーッ!」
沙織「さぁー、私たちも引き上げるよ。お祝いに特大パフェでも食べに行く?」
麻子「行くっ」
ニャ~ニャ~
沙織「麻子、鳴ってるよ、携帯」
麻子「知らない番号だ…はいっ。えっ…はいっ」
沙織「どうしたの?」
麻子「…おばあが倒れて、病院に…」
一同「えっ!?」
華「急いで病院へ」
沙織「でも、どうやって大洗へ?」
みほ「学園艦に寄港してもらうしか」
優花里「でも、撤収まで時間が」
麻子「うぅー」
みほ「まこさん?」
麻子「泳いで行く」
一同「えぇー!」
華「待ってください。冷泉さん」
まほ「私たちの乗ってきたヘリを使って」
一同「えっ?」
まほ「……」
みほ「あっ…」(夕日が眩しい)
まほ「!!い、急いで…(ひっ、みほまだ怒ってるの!?)」
エリカ「隊長!?こんな子たちにヘリを貸すなんて」
まほ「こ、これも戦車道よ…(み、みほにこれで少しでも機嫌を直してもらわないと…)」
エリカ「うっ…。みほ、この借りは高いわよ」
みほ「お姉ちゃん、エリカさん」
まほ「操縦頼んだわね」
エリカ「はいっ」
VROOOO
みほ「…あ、あ…心遣いに感謝します(なんか、普通に話しづらいなぁ)」
まほ「……(みほ、そんな他人行儀な挨拶して…この程度じゃまだ許してくれないの?)」
生徒会室
桃「明日は、プラウダ高校、明後日は黒森峰女学園が、それぞれ一回戦の試合だな」
杏「まぁ、順当に勝つだろうね」
プラウダ一回戦
ノンナ「……(双方勝ち進めば、準決勝は大洗女子、みほさんとの試合になる。あの時以来の対戦…戦うのが楽しみです、私の好敵手さん)」
黒森峰一回戦
エリカ「……(一回戦は順調、次は継続高校ね。厄介な相手だけど負けるわけにはいかないわ。必ず勝って、決勝でみほと当たるまでは)」
今回はここまでです
>>533
自分もイメージとしてはタミヤもプラモ化した量産型の方をイメージしてたんですが、皆さんが試作車の方をイメージしてる方が多かったのでそちらの仕様にしました
生徒会室
柚子「はぁ。二回戦今の戦力で勝てるかなぁ?」
桃「勝たねばならんのだ!」
柚子「二回戦はアンツィオ高校だよ?」
杏「ノリと勢いだけはあるからねぇ」
柚子「調子に乗られると手ごわい相手です」
杏「でも、なんとかなるでしょ。西住ちゃん居れば」
柚子(そんな、呑気な事を言わないでくださいって、怒られても不思議じゃ無いけど…)
桃(西住が居ればなんとかなると言われると否定できない…)
その頃 アンツィオ高校
アンチョビ「私たちはあの、マジノ女学院に勝ったんだぞ!」
「うぉぉー」「そうだったー!」
カルパッチョ「…苦戦しましたけどね」
ペパロニ「勝ちは勝ちだ!」
アンチョビ「ノリと勢いは何も悪い事ばかりじゃない!このノリと勢いを二回戦に持って行くぞ!次は西住流率いる大洗女子だ!」
生徒A「西住流ってなんかやばくないっすか?」
生徒B「勝てる気しないっす…」
アンチョビ「心配するな!いやちょっとし…」
生徒C「ドゥーチェ!大洗の西住流ってどっちですか?」
アンチョビ「どっちって何だ?姉か妹かって事か?」
カルパッチョ「確か妹さんの方ですね」
アンチョビ「そうだな。国際強化選手だかってのじゃない方だ。だからそんなに心配する…」
生徒C「いや、そうじゃ無くてですね。普通の戦車道の西住流の方か、その、あの…前試合見て以来大ファンの…その、硬式戦車道経験者で生身でT-34もやっつけた事があるあの凛々しくて格好よくて///その…ヤバイの西住流かって事です」
アンチョビ「…えっ?なんだってー!?」
杏「河嶋ー。次のステージどこ?」
桃「はっ。アンツィオとの戦いは荒地と山岳ステージに決まりました」
沙織「アンツィオってどんな学校?」
杏「確か、創始者がイタリア人だったはず
桃「イタリアの文化を日本伝えようとしたイタリア風の学校だ。だから、戦車道もイタリアの戦車が中心。先の一回戦で使ったのはCV33とセモベンテM41」
華「CV33って、私大好きなんです。小さくて可愛くて、お花を生ける花器にぴったりです!」
沙織「いくらなんでも大き過ぎない?ひまわりでも生けるの?」
みほ「…(この程度の戦車荒地と山岳ステージなら、パンツァーファウスト3,4本と手榴弾が何本かあれば私一人でもやれそう)」
桃「なんでも新型が入ったと言う話だが」
杏「どんなの?」
みほ「ちょっとわからないです…」
柚子「一回戦には出なかったもんね」
杏「だからこその秘密兵器かぁーまぁ、いいかー。そのうち分かるし」
沙織「なんでわかるですか?」
バーン
優花里「秋山優花里、ただいま戻りました!」
みほ「優花里さん…ひょっとしてまた…」
優花里「はいっ!」
秋山優花里のアンツィオ潜入大作戦
優花里「これは賑やかで楽しそうでありますね。あっ、戦車を飾ってるお店が!」
ペパロニ「アンツィオ名物鉄板ナポリタンだよー。美味しいパスタだよー。あっ、そこの彼女食べてきなよー」
優花里「美味しいです!」
ペパロニ「だろー」
優花里「そういえば、戦車といえば新型が入ったって聞いたんですが」
ペパロニ「何っ!?」
ペパロニ「お前通だねー。ここだけの話ってか、秘密なんだけど。なんと重戦車を手に入れたんだ!聞いて驚け、えっとーイタリアの何てったけ?」
優花里「イタリアの重戦車というとP40ですか?」
ペパロニ「おー、それそれ!P40をそりゃ気も遠くなるくらい昔から貯金しまくって、私らの代でようやく買えたんだ。アンチョビ姉さん、うちの隊長なんだけど、もう喜んじゃって。毎日コロッセオの周りを走り回ってるよ、あっ、最近はなんかビビってもう特訓してるけど。部品も燃料もあんま無いのに」
コロッセオ
アンチョビ「これがアンツィオの必殺秘密兵器だー!」
「おぉー」
優花里「すごいです、P40の本物初めて見ました」
「おぉー!」
アンチョビ「まぁ、これされあれば、お、お、大洗なんか軽くひと捻りだー!あ、あんな学校こ、怖くなんか無いぞー」(内心冷や汗ダラダラ)
「おぉー!」
優花里「現場は大変な盛り上がりです」
「ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!」
アンチョビ「ドゥーチェ!(これだけ士気と勢いが高ければきっと行ける!はず…)」
華「ちょっと、強そうですね」
桃「ちょっとじゃ無いだろ!」
杏「こりゃ、Ⅳ号のエンジンも直ったとはいえ、もう少しガッツリ考えなきゃダメだねー」
みほ「はい。一回戦にかって皆の士気とやる気はありますが、今後を考えていくと今の戦車だけでは…」
杏「うーん。うちにはもう戦車無いもんかねぇー」
桃「はっ、可能性としてはまだあるかと」
柚子「この間調べた時も、書類上は残ってるみたいでしたし」
杏「じゃあ、せっかくだし戦車探っそか」
PRRRRR
桃「こんな時に誰だ?」
みほ「あっ、すいません、私です。誰だろう…はいっ、西住です」
アキ「こんにちは、大洗の隊長さん」
みほ「あっ、その声は…はいっ、はいっ。えっ?今からですか」
杏「何?どうしたの?」
みほ「会長、ちょっといいですか?」
杏「いいよー、行ってきな。じゃあ、うちらは戦車探そうか」
……
典子「戦車なんだから、すぐ見つかりますよね」
麻子「何か、手がかりがあればな」
忍「すごい、冷泉先輩刑事みたい!」
カエサル「……はっ」
おりょう「…東が吉と出たぜよ」
歴女チーム「おぉー」
優花里「これでわかるんですか!?」
その頃 継続高校
みほ「こんにちは」
アキ「あっ、来た来た。いらしゃい」
ミカ「……」(ポロロン)
みほ「アキさん、ミカさん。こんにちは」
アキ「ごめんなさい。急に呼び出したりして」
みほ「いえいえ。それで、どうしたんですか?急に…」
「お前が西住か?バウアーの所に居っていう娘は」
みほ「えっ?あなたは」
アキ「あぁ、パッパ」
みほ「えっ!?お父さん?」
アキ「あっ、そうじゃないよ。この人はうちの硬式戦車道チームの隊長。皆がパッパでしか呼んでないからつい…」
みほ「という事は、あの"能登半島の恐怖"として有名な…」
アールネ「あぁ、硬式戦車道チーム、隊長のアールネだ」
みほ「初めまして、西住みほです!」
アールネ「あぁ、話はバウアーから色々聞いてたよ。なかなかの凄腕らしいな」
みほ「いえっ、そんな…」
アールネ「ふん。すまんな、急に呼び出したりして」
みほ「いえっ、…えっ?あなたが?」
アールネ「あぁ、この前困ってるのにうちの女子が力になれなかったって聞いてな」
ミカ「……」(ポローローン)
アキ(ミカ、めっちゃ動揺してる)
みほ「いえっ、そんな…押しかけたのはこっちですし」
アールネ「無いものはしょうがなかったが、だが、困ってる戦友は決して見捨てないという硬式戦車道精神に反する。女子には関係ないが俺個人としては納得いかなくてな。戦車だって大半はうちらが頑張ってかっぱらっ…いや鹵獲して来たのによ」
アールネ「せめて、一言くらいうちらにあっても良かったのにな?」
ミカ「……」(ガタガタ)
みほ(あの継続の隊長がビビってる…さすが恐怖)
アールネ「俺らだったらどうにかできたのにな。すまなかった」
みほ「い、いえっ。でもミカさんに励まされたおかげで、私大尉の所に行けましたから。そのおかげで何とかなりましたから。ミカさんには感謝してます」
ミカ「…そうかい?なら良かったよ」(ポロロン)
アールネ「へん。だが、それじゃあ俺たちの気が収まら無いんだ。だから、今更だが侘びをさせてくれ」
みほ「お詫びですか?」
アールネ「あぁ。お前らは廃校が掛かってるんだろ?こんな物しかやれんが、使ってくれ」
みほ「えっ、この戦車って、イギリスの…」
アールネ「あぁ、巡航戦車コメットだ。5年前くらいの試合でグロリアーナとの試合で掻払って…いや鹵獲した戦車だ。レギュレーション的には問題ないが、あの国の配備が戦後だったせいか、うちが使うとうるさくてな。倉庫で誇りかぶってたんだよ。こんなお古で悪いが侘びの印だ。受け取ってくれ」
みほ「いえっ、そんな…いいんですか?」
アールネ「あぁ。それに、今までバウアーには色々と借りもあるんでな」
みほ「…ありがとうございます」
「隊長!」
アールネ「どうした?」
生徒A「はいっ、練習試合でプラウダからKV-1を盗ん…いや鹵獲してまいりました!」
生徒B「副隊長が、またカモを落として来ました。昼飯に食いましょう!」
アールネ「いいぞ、よくやった!さすが、あいつの狙撃の腕だな。対戦車ライフル含め、ライフル扱わせりゃ右に出るやつはいないな」
みほ(本当に、こうやって戦車稼いでるんだ)
アールネ「そうだ、一つアドバイスしとてやる。お前硬式のユニフォームはあるのか?」
みほ「はいっ、持ってますが」
アールネ「なら…困ったことがあったら、拳銃を持ってるんだ。それで上手くやりたまえ」
みほ「……」
夕方 大洗
うさぎチーム「うえぇぇーん。怖かったー」
華「見つかってよかったですね」
優花里「はいっ。新しい戦車も見つかりましたし」
桃「後は、この2両の整備が間に合えばいいんだが…」
VOOOO
柚子「何の音?」
みほ「ただいま戻りましたー!」
沙織「えっ!?みぽりん?なんで、戦車で帰って…てか、その戦車何?」
優花里「あれは、イギリスの誇る巡航戦車コメットですね」
みほ「すいません、途中道が混んでて」
華「まぁ、大変でしたね」
沙織「いや、突っ込むとこはそこじゃないでしょ?」
杏「どーしたの?これ」
みほ「お詫びの印ととして、継続の硬式戦の隊長からいただきました」
一同「頂いたー!?」
みほ「はいっ!悪い気もしたんですが、どうしてもっていうんで…」
一同(やはり、この人半端ない…)
自動車部(おーっ、何か早そうな戦車だな!)
一旦ここまで
>>575
今回は本編通り全国大会決勝までの予定です
劇場版については6回見ましたが、細かい所とかの補完となると難しいのでそこまでは進むつもりはありません。
劇場版のBDとかが出て、その頃書く気があれば新たに書くかもしれません
>>578 KV-1は継続が鹵獲しただけであってみほがもらったのはコメットだけです
>>580 そうですね、その辺りの絡みも含めて理由付けしてみました。
杏「そんで、またいい戦車持ってきてくれたのはいんだけどさぁ。これ、どうする?」
みほ「学園で使って大丈夫です」
杏「それはいいんだけど、うちもあんまりお金無いからささぁ。全部を動かすってわけにもいかないんだよねぇ。人も少ないし」
みほ(コメットの77mm砲はパンター並に高火力だし、機動性もあるから…操縦の練度と射撃の練度が高いチームとなると…)
梓(あの戦車格好よくていいなぁー。私乗りたいけど、6人じゃ多いし…)←公式で好きな戦車がコメットの人
みほ「じゃあ、コメットはアヒルさんチームに乗ってもらいます」
梓「!!」
典子「えっ!?私たちですか?」
みほ「はい。本来5人乗りの戦車に1欠の状態で、少し負担になりますがお願いします」
妙子「本当にいいんですか?」
あけび「八九式はどうなっちゃうんですか?」
みほ「訓練用の戦車に回します」
忍「しかしいくら八九式の性能が…」
みほ「これから先の戦いは試合が進めば進むほど強豪校と台数が多い試合展開になります。愛着があるのはいいことですが、愛着だけでは試合には勝てません…。アヒルさんの練度の高さは今後の試合展開のカギにもなります。貴方たちは大洗ではあんこうに次ぐレベルです」
アヒルチーム「……」
みほ「だからこそ、更なる活躍を隊長して期待したいんです。お願いできますか?」
アヒルチーム「隊長///」
しかし、ここまで外野レスが盛り上がると作者さんはいずれ次スレの用意をした方がいいんじゃないか?
典子「わかりました。隊長にそこまで言っていただけるなら、私たちやります!」
アヒルチーム「おぉー!」
梓(はぁ、乗りたいですっていえばよかった…)
杏「じゃあ、アヒルさんはコメットで。で、Ⅳ号はどうすんの?」
みほ「Ⅳ号は…長砲身への改装等がありますから、今回は予備車で」
杏「了解ー」
みほ「では、2回戦は新たにこの編成で挑みます」
2回戦 対アンツィオ高校編成
あんこう:パンターA型
カメさん:38tB/C
うさぎさん:M3リー
カバさん:Ⅲ号突撃砲F型
アヒルさん:巡航戦車コメット
予備車:八九式中戦車、Ⅳ号戦車D型
>>585
そうですね。現状を考えるとアンツィオ戦終了で一度終えて、プラウダ戦から次スレにしようかと考えてます
翌日 カバさんチームの家
みほ「ごめんくださーい」
エルヴィン、おりょう、左衛門佐「いらっしゃい」
カエサル「お茶入ったよー」
みほ「ありがとうございます。あれ、あの額…」
おりょう「あぁ、隊長から徽章貰ったのが相当嬉しかったのか、帰ってきてそうそう。額に入れてたぜよ」
左衛門佐「うむ、一生の宝だと喜んでいた」
カエサル「すごいはしゃいでたからな」
エルヴィン「うっ、ゴホン。P40の資料はあまり無いけど」
みほ「こんなに」
他のカバチーム(すごい恥ずかしがってる)
その頃
典子「さぁ、隊長の期待に応える為に頑張るよ!」
アヒルチーム「おぉー!」
典子「じゃあ、早速行くぞ、前進!うわぁぁぁ」
忍「すごい機動性」
妙子「さすが巡航戦車。でも、これ少し早すぎない?」
あけび(砲塔旋回が電動動力式だから、旋回が簡単)
ホシノ「なぁ、少し過激に調整しすぎたんじゃないのか?」
ツチヤ「エヘヘヘ」
カエサル「…キリがないけど、こんなところかな…。本当はアンツィオに私の知り合いが居るから聞いてみる方が早いんだけど」
左衛門佐「そんなのいたのか?」
おりょう「初耳ぜよ」
みほ「どんなお友達なんですか?」
カエサル「小学校の同級生で、ずっと戦車道やってる子だ」
エルヴィン「そんなすごい情報源があるなら初めから聞けば良かったのに」
カエサル「いや。敵が友達だからこそ、正々堂々情報を集めたいな、私は」
一同「おぉー」
おりょう「なるほど。友情は友情。試合は試合ぜよ」
みほ「ライバルですか。羨ましい…」
カエサル「…隊長?」
みほ「えっ、いやっ、なんでもないから」
一同「??」
みほ「……」
ノンナ「次戦う時を楽しみにしてます…私の好敵手さん」
エリカ「…決勝の会場で会いましょう」
ナオミ「…次は負けないから」
みほ(ライバルか…)
杏「そんで、相手の装甲はどんな感じ?」
みほ「P40の前面は、M3と38t以外なら相手の有効射程外からぶち抜けますね」
杏「うちの戦車殆どだね」
みほ「はいっ。ですが、荒地と山岳地帯ということで、地形的制約を受ける場合もあります。場合によっては長砲身が不利な状況もあるかもしれません」
杏「じゃあ、ぴよぴよの相手はカバさんチームかな?」
みほ「そうですね。上手く誘い出せれば、車高の低いⅢ突の方が有利ですね」
カエサル「心得た…しかし、会長。ぴよぴよって?」
柚子「P40のことですか?」
杏「そうそうぴよぴよ」
一同「あぁー」
杏「じゃあ、敵味方に分かれて練習してみよっか。ぴよぴよ役どうする?」
みほ「うちで一番強いのはあんこうですが、流石にパンターだとオーバースペック過ぎるので、比較的近いⅣ号を使います」
杏「予備車だし、丁度いいねぇ。じゃああんこうがⅣ号乗って、ぴよぴよ役で。カルロベローチェは八九式かなぁ?慣れてるアヒルさん、よろしくー」
みほ「じゃあ、その2両を仮想敵と見立てて模擬戦をやってみましょう」
一同「はいっ」
VOOO
沙織「じゃあ、アヒルさん。こっち逃げるから、妨害よろしく」
妙子「わかりました!」
典子「全力妨害走行、機銃準備!」
アヒルチーム「はいっ!」
典子「全力だ、河西!もっと、出せ!」
忍「キャプテン、これで全力です」
典子「あれ?八九式の速さってこんなもんだったけ?」
典子「撃てっ!」
DOKOKOKOKOKO KAN KAN KAN
桃「こしゃくな!撃てっ!」
BARM KAN
典子「くっ」
桃「おしいっ」
柚子「えっ、嘘…。桃ちゃんが当てた…」
桃「当たり前だろ!私がどんだけ扱かれたと思って…あっ、外してごめんなさい…許して…西住…あぁー」
杏「何か、変なスイッチ入っちゃたね」
梓「私たちはあんこうを追うよ」
あゆみ「あんこう速いー」
優季「もっとぶっ飛ばして」
桂利奈「えぇー。もっと!?」
麻子「何だ、これは?本当にⅣ号のエンジンを載せたんだろうな」
みほ(Ⅳ号、ここまで出たっけ?)
スズキ「あれも、お前らの仕業か?」
ナカジマ&ツチヤ「エへへへ」
みほ「Ⅲ突は本来待ち伏せが得意ですから、相手のアウトレンジから攻撃できれば一番いいですね」
カエサル「どのくらいなら、大丈夫なんだ?」
エルヴィン(千五、六百ってとこか?)
みほ「1500mです。じゃあ実際に見てもらいましょう」
VOOOOO
エルヴィン(よしっ!)
左衛門佐「1500mって、この間のサンダースが1700だったから…」
みほ「このくらいです」
カエサル「ちっちゃ!」
左衛門佐「やはり、あんなものか」
みほ「この距離で当ててください」
エルヴィン「やれるな?」
左衛門佐「任せろ。サンダース戦に比べたら止まってる分、余裕だ」
カエサル「さすが一回戦MVP」
BARM
左衛門佐「しまったっ!」
みほ「……」(ピキッ)
エルヴィン「バカっ、車体の反動が収まる前に撃つな!」
左衛門佐「すまん…」
みほ「…もう一度だけチャンスをあげます」
カバチーム「ひっ!?」
カエサル「いいか、次はなんとしても当てろ!」
エルヴィン「外すなよ!」
左衛門佐「わ、わかってる」
みほ「もう一度、車体を動かして反動が収まったら砲撃してください」
おりょう「い、行くぜよ」
VOOO ギャッ
左衛門佐「今だっ!」
BRAM BAKOM
エルヴィン「よしっ、命中!…してない」
カエサル「えっ?」
みほ「攻撃されたのに、呑気に同じ所に留まってるとでも?」
左衛門佐「‥!!しまったっ、50m後ろに」
みほ「こっちの番です。情無用、フォイア!」
BARM BAKKON
左衛門佐「演習弾とはいえ効くぅ」
みほ「撃たれてるのに即時移動しないなんて、死にたいんですか!?一度功績を上げれたからって、もう慢心ですか!?」
エルヴィン「い、いや。そういう訳では…」
みほ「地形を利用できない突撃砲なんていい的です。もう一度基礎からやり直します?」
カバチーム「そ、それだけはご勘弁を」(ガタガタ)
典子「もっと、旋回スムーズに!」
忍「はいっ」
あけび「この型の照準器では旋回中に上手く狙えません」
典子「少しだけ、頭使って後は根性!くっ」
KAN
柚子「えっ!?また当てたの?」
桃「はぁ、はぁ…当てなきゃやられる…消されるー」
杏「いいねぇー、河嶋」(モグモグ)
柚子「会長も少しは手伝ってください」
みほ「会長、随分お暇なようですね?」
杏「さぁて、河嶋!装填なら任せて!」
杏「もう少しこう…手心というか…」
みほ「痛くなければ覚えませぬ」
戦車道とはシグルイなり、正気にては大業ならず
梓「迷っちゃった…」
あや「皆どこいったんだろう?」
みほ「えっ?うさぎチーム何かあったんですか?」(普通に心配して聞いたつもり)
梓「!!ええっと、左アヒルさん!また来るよ!早く狙って」
あや「う、うん!」
みほ「大丈夫みたいですね。よかったぁ」
梓(た、助かったぁー)
桃「で、では…ほ、本日の練習を終了する…い、いいよな
すみません、誤爆しました
桃「で、では…ほ、本日の練習を終了する‥い、いいよな?西住」
みほ「私は構いませんけど…」
桃「!!(ホッとした表情)じゃ、じゃあ。か、解散!」
一同「お、お疲れ様でした…」
みほ「??」
麻子「お腹すいた…」
華「どこかで食べてきます?」
みほ「うん。私もペコペコ」
一同(そりゃ、あんだけ扱けば相当な消費量だろうけど…)
桃「はぁ、はぁ…」
杏「いやぁー。疲れたね…」
柚子「そりゃ、会長は普段動いてないですから…」
みほ「河嶋先輩」
桃「な、なんだ!?」(ビクッ)
みほ「大分上達されましたね。素晴らしいです。この調子で2回戦もお願いします」
桃「えっ…」(嬉しさのあまり放心状態)
みほ「あっ、もちろん会長にも期待してますから」(ニコッ)
杏「!!お、おう。ま、任せといてー」
草葉の陰
ペパロニ(やべぇー、大洗超やべぇー。あんな奴らと2回戦当たんの!?)←総帥命令で偵察
ペパロニ(うーん、でもⅣ号とⅢ突さえやっつけちゃえば後はやれっかなぁ)
沙織「じゃあさぁ、たまにには家来る?パスタ買って皆で作ろうよ」
優花里「あのー」
沙織「もちろん」
優花里「ありがとうござ…」
ペパロニ「パスタァ!?」ガサッ
一同「えっ?」
ペパロニ「あっ、ヤベェ…。退却ー」
沙織「なんなのあれ?」
みほ「さぁ?」
翌日
華「へぇー、継続高校って結構強いんですね」
みほ「うん。前に戦った時苦戦したんだよね」
ねこにゃー「あ‥ぁ…」
沙織「黒森峰なのに?」
みほ「そうなの、危なかったんだぁ。隊長がすごく優秀な人で~それ以上に、あそこは硬式が怖いんだよねぇ。隊長がピクニック感覚で戦車倒しに来たり、必ず相手の戦車鹵獲するし、対戦車ライフルで砲口の中の砲弾を狙撃したりとかぁ。ヤバイんだよねぇ」
沙織「えぇ!?なにそれ?!怖いんだけど」
みほ「でも、皆やさしいいい人ばかりなんだけどねぇ」
沙織「それはちょっと合ってみたいかも~」
ねこにゃー「はぁ…また声かけれなかった…チキンハートな僕。次は頑張るだねこにゃー」(黒騎士仕様のみほの写真を握り締めながら)
みほ「明後日はいよいよ2回戦、これが最後の練習になります。気合入れて行きましょう」
一同「おぉー!」
柚子「西住さん。これ」
みほ「なんですか?」
柚子「西住さんのパンツァージャケット。渡すの遅れてごめんね」
一同「!!」
みほ「いえっ。ありがとうございます。(ふぅ、これで楽になるかなぁ。硬式仕様って防弾になってるから重いんだよねぇー)
優花里「西住殿、大洗のジャケットを着るんでありますか?」
みほ「えっ、どうしてそんな事聞くの?チームなんだから、一緒のユニフォームじゃないとおかしいでしょ」
一同「はぁ…」(ズーン)
みほ「えぇ!?」
みほ「み、みなさんどうしたんですか!?」
一同「……」(どよ~ん)
みほ(えっ、何?この空気の重さ…たかがジャケットくらいで?!)
杏「前の着れば?あっちの学校には許可とってあるんだしさぁ」
みほ「でも、統制が…(肩こるから出来るなら着たくないんだけど…)」
杏「いいじゃん、隊長らしくて」
一同「……」(お通夜状態)
みほ「……はぁ。…わかりましたこれは着ません」
一同「イェーイ!」
みほ「はぁ…」
2回戦会場
「これより、2回戦、第4試合。アンツィオ高校対、大洗女子学園の試合を開催いたします」
サンダース一同「……」
聖グロリアーナ観客席
オレンジペコ「……」(紅茶をすする)
ダージリン「……(あの大洗の隊長さんはどちらにいるのかしら?)」(カメラ片手にキョロキョロ)
オレンジペコ(またおかしな事してる…まぁ、静かなんでいいですけど)
観客席
アズミ「…いよいよですか。しかし、どうしたんですか?急にこの試合が研修したいだなんて。別に強豪同士って訳でもないですけど?ましてや、高校生の試合なんて」
愛里寿「……(この前硬式戦で見たあの娘…確か大洗に居るって…会えるかなぁ///)」
アズミ「???」
みほ(黒騎士仕様、眼帯付)「…ここがポイントです」
一同「……」(ポーッ)
みほ「…聞いてます?」
杏「えっ!?も、もちろん聴いてるよ…ん?」
VOOOO
アンチョビ「頼もー!(…!?えぇ、なんでパンターとコメットがあんの?聞いてないんだけど)」
カルパッチョ「…(あれ?報告だと、Ⅳ号と八九式って言ってたような…。それより、たかちゃんはどこかな~?)」
杏「あぁー、チョビ子」
アンチョビ「チョビ子と呼ぶな!アンチョビ」
桃「で、何しに来た?安西」
アンチョビ「アンチョビ!試合前の挨拶に決まってるだろ。私はアンツィオのドゥーチェ、アンチョビ。そっちの隊長は?!」(ビシッ)
桃「おい、西住」
みほ「はいっ!」
アンチョビ「!!」
アンチョビ(な、なんだ。すごいヤバそうな奴が出てきたー)
みほ「……あ、あのー」
アンチョビ「あ、あんた…あなた様が、あの西住流の?」
みほ「西住みほです」(ビシッ)
アンチョビ「!!おぉう、さ、さすが国際強化選手だけあって、しっかりしてる…してますねぇ」
みほ「??国際強化選手に指定されたのは姉の方ですけど…」
アンチョビ(じゃあ、硬式戦経験者でイっちゃてる方じゃないかー!)
みほ「???」
アンチョビ「…きょ、今日は正々堂々勝負だ…勝負しましょう」
みほ「はいっ、こちらこそよろしくお願いします」(ニコッ)
アンチョビ「///(い、意外と可愛い奴)」
梓「ちょっと、それはパンターの砲弾だよ」
優季「あぁー、どおりで大きいと思った」
梓「同じ75mmでもよく見て」
みほ「うさぎさん、そんな初歩的なミスを今更ですか?」
うさぎチーム「!!す、すいませんー」
アンチョビ「!!(やっぱ怖ぇー)」
アンツィオ陣地
ペパロニ「あっ、姉さん、お帰んなさい。どうしたんすか?そんな汗だくで?」
アンチョビ「おい!本当にM3と38tとⅢ突の他はⅣ号と八九式だったのか!?」
ペパロニ「そうっすよ。表にいたのそんだけでしたけど?」
アンチョビ「表って、格納庫は見たのか?」
ペパロニ「格納庫…そんなのあるんすか!?」
アンチョビ「はぁ…うちだって屋内にしまってるだろ!」
ペパロニ「言われて見れば確かに」
アンチョビ「はぁ…。先が思いやられる…。いいか、作戦前にもう一回言っとくぞ!マカロニ作戦の看板は全部置くんじゃないぞ!いいか、二枚は予備だからな二枚は予備!」
ペパロニ「うえっ。は、はいっ」
アンチョビ「わかったらずっと復唱しとけ!二枚は予備だからな。全部置くなよ」
ペパロニ「うす!えっと、二枚は予備、二枚は予備…ブツブツ」
アンツィオ生「ペパロニ先輩!」
ペパロニ「どうしたー?」
アンツィオ生「出撃前の腹ごしらえにpizza焼きますけど食べますかぁ?」
ペパロニ「pizza!?食うに決まってんだろ」
アンツィオ生「了解でーす」
ペパロニ「pizzaかぁー。あれ?何考えてたんだっけ…そうだ、看板だ!えっと確か…予備が…」
アンツィオ生「トッピングどうします?」
ペパロニ「おう!全部乗せに決まってんだろー」
アンツィオ生「了解です!」
ペパロニ「全部乗せがうまいんだよなぁー。えっと、看板が…全部…あっ、そうか!街道に看板全部置きゃいいんだよな」
♪~♪~(試合開始前のファンファーレ)
アンチョビ「……(マカロニ作戦さえ上手く行けばきっと、何とかなる…皆を悲願の三回戦…じゃなかった、決勝戦まで)」
みほ「……よしっ。試合開始一分前。全車用意!」(ヘッドセット装着)
優花里「はぁ~」(うっとり)
サンダース客席
ケイ「OH,やっぱりあのミホは凛々しいわねぇ」
アリサ(うぅー。悔しいけど今の私じゃ彼女には勝てそうに無いわね…)
聖グロリアーナ客席
ダージリン「……(あの方とどうやってお茶に誘おうかしら。この前の試合の健闘を…でも、私たちが戦った時はまだ居なかったし、接点が無いのにいきなり呼ぶもの…)」
オレンジペコ「……(静かにしててくれるんでありがたいですね)」
観客席
ノンナ(……みほさん、成長した貴方の活躍期待してますよ)
みほ「PANZER VOR!」
アンチョビ「アーバンティ!」
VOOOO
アンチョビ「行けー、行けー!どこまでも進めー!勝利を持ち得るものこそがパスタを持ち帰る!(よーく考えればあの西住流が多分すごいだけであって、彼女さえ上手く何とかできればきっと何とかなる!)」
ペパロニ「最高っすよ、アンチョビ姉さん!てめぇらモタモタするんじゃねぇぞ!このペパロニに続けー!地獄の果てまで進めー」
「おぉーっ」
アンチョビ「よーし、このままマカロニ作戦開始!」
カルパッチョ「カルロベローチェ各車は、マカロニ展開してください」
ペパロニ「マカロニ特盛で行くぜー!」
アンチョビ「相手にはコメットが居るんだ、パパッと片付けろ。いいか、もう一度言うぞ、二枚は予備だからな!」
ペパロニ「了解っす姉さん!…っと、止めろ!」
ギャッ
ペパロニ「よっしゃ、準備だ!」
ペパロニ「いいか、お前ら、看板は…」
アンツィオ生A「大丈夫?」
アンツィオ生B「うぅ…少し食べ過ぎたかなぁ。全部乗せるんじゃ無くて、トッピング減らせばよかった」
ペパロニ「なっ、馬鹿言うな!あのPizzaは全部乗せるのが上手いんじゃんかよー」
アンツィオ生C「それで、先輩。看板がなんですか?」
ペパロニ「えっと、看板が…全部だ!全部!」
みほ「先行する、アヒルさん。状況を教えてください」
VOOOO
典子「十字路まで後400mほどです」
みほ「…もう?十分注意しながら街道の状況を報告してください。開けた場所に出ないように気をつけて」
典子「ずっとコート外行くよ」
忍「はいっ。わっ、この」
VOOOO
妙子「確かコメットって、最高速度でも50km位だよね?」
あけび「うん、しかも整地でね」
妙子「今、何キロ出てんのこれ?」
あけび「さぁ?」
十字路
アンツィオ生「こっち、できました」
ペパロニ「よっしゃ、後何枚だ?」
アンツィオ生「後二枚っす」
ペパロニ「よし、ちゃっちゃと終わらすぞ!」
VO……OO…O
ペパロニ「あん?」
VOOOO
典子「あっ、もう街道手前!ちょっと、河西!ストップ、ストップ!」
忍「!!くっ」
ペパロニ「わあぁ」
ペパロニ「ひいっ!」
ギャッ
妙子&あけび「イタタタっ」
忍「すごい、まるで殺人レシーブみたいな衝撃…いや、殺人ブレーキか」
典子「痛たたっ。河西、ブレーキはもっとソフトに!…ここどの辺かな…もしかして、十字路通り過ぎた?」
ペパロニ「イテテ…ちくしょう、なんだ…よ…」
典子「あっ…」
ペパロニ「あっ…」
典子「……」
ペパロニ「……」
典子「……(生身の人相手って、攻撃あり!?)」
ペパロニ「…お、お前ら逃げろー!」
典子「あっ、ま、待てー!」
あけび「キャプテン、どうするんですか?」
妙子「生身の人に向けて撃っちゃったら怪我じゃすみませんよ」
典子「こういう時こそ、日頃のバレーの練習成果を発揮する時だ!」
あけび「えぇー!?どうやってです?」
典子「佐々木、近藤。そこのボール取って!」
あけび「えっ?」
妙子「戦車が広くなったからって、ボール持ち込んでたんですかぁ?」
典子「行くよ、アタックー!」
アンツィオ生「ぎゃぁ」ドデッ(ボール直撃)
典子「よしっ!佐々木、もう一丁だ」
あけび「はいっ」(トス)
典子「ソーレ!」
アンツィオ生「きゃあ」
ペパロニ「!!」
典子「行くよ、ソーレ!」
ペパロニ「ちっ、舐めんなー!」(レシーブ)
典子「!!」
ペパロニ「へっ」
典子「くっ、これならどうだー!」
ペパロニ「やられてたまるかー」(レシーブ)
典子「!!なら…」
ソレ…コノ…コレナラ…マダマダー…
忍「私たち、戦車道の試合しに来たんだよね?バレーの練習じゃなくて」
妙子「そのはずだけど…」
アンツィオ生「ペパロニ先輩負けんなー!」
アンツィオ生「ぶっ飛ばせー!」
ペパロニ「おう!任せとけー。おっと」
典子「くそっ、今度こそ!」
忍「思いっきり違う勝負になってる…」
沙織「…さん、アヒルさん。街道の状況はどうですか?」
妙子「あっ」
CV33車内
アンチョビ「おい!マカロニ作戦はどうなってる?」
アンツィオ生「はい、はいっ」
妙子「こちらアヒルチーム、えっと、十字路の北側で敵と遭遇しました」
みほ「!!状況は?」
妙子「その、なんっていうか…相手のリーダーと思われる人とキャプテンがバレー対決中です」
みほ「…えっ?」
CV33車内
アンツィオ生「そのー、十字路で看板設置中に大洗のコメットが突っ込んできまして…」
アンチョビ「な、何ー!?じゃ、じゃあマカロニ作戦はどうなったんだ!?ペパロニは?」
アンツィオ生「先輩は今、試合の最中です。…えっと、バレーの」
アンチョビ「…はぁ!?」
みほ「状況報告は正確に!」
妙子「は、はいっ!えっとー…周りに戦車がいまして…」
忍「!!違う、これは看板よ」
妙子「えっ!?看板?…だから、こんなに人がいたんだぁ」
みほ「どういうことですか?」
妙子「それが、戦車が思いのほかスピードが出てしまって……で、多分その看板を置いてた相手と鉢合わせしてキャプテンが」
みほ「…なるほど。欺瞞作戦を仕掛けようとしてたなんて」
優花里「やりますね。バレー部の行動が想定外でしたが」
みほ「…なるほど。相手の作戦は看板で私たちを釘付けにした十字路で釘付けにした上で、機動力で包囲する作戦のつもりだった…。なるほど…。と、なると、おそらくフラッグ車を含めた配置はこの辺がベスト…よしっ、全車全速!あんこうに続いてください」
一同「了解」
妙子「あ、あのー。私たちは…」
みほ「全速後退して、合流してください…その前に…」(ピキッ)
優花里「…まずいであります」
アンチョビ「じゃあ、看板設置する前にバレたのか?」
アンツィオ生「まぁ、そうなりますかねぇ…」
アンチョビ「だったら、いつまでもそんな所に居ないでとっとと離脱しろ!」
アンツィオ生「りょ、了解です」
アンチョビ「もう、なんでこうなるかぁー。おい、出動だ!敵が来るぞ!」
カルパッチョ「はいっ」
アンツィオ生「ペパロニ姉さん、撤退しろってドゥーチェが!」
ペパロニ「えっ?なんでバレーにドゥーチェが…あっ、戦車道の試合の最中だったけ」
アンツィオ生「そうですよ!作戦バレたのにこんなとこにいても意味ないじゃないですかぁ」
ペパロニ「そうだった!撤退だー、続けー!」
典子「あっ、逃げる!今がチャン…」
みほ「磯部さん、聞こえますか?」
典子「……あっ」(サーッ)
典子「申し訳ありません!」
みほ「…おそらく看板を設置した敵が周囲にいるはずです。追撃してください」
典子「…えっ!?」
みほ「…聞こえませんでしたか?追撃作戦をお願いします」
典子「…はいっ。あ、あのー」
みほ「なんでしょうか?」
典子「い、いえっ。て、てっきり怒られるのかと…」
みほ「…戦車道の試合中です。不用意な通信は避けてください。あまり電波を飛ばし過ぎると探知される恐れがあります」
典子「は、はいっ。(よかった、何とかなりそう)」
みほ「前にも行ったとおり、アヒルさんチームの実力は大洗になくてはならない存在です。ですから、早く戦線に復帰してください」
典子「了解!隊長…」
みほ「ですが、チームとしての評価と個人としての評価は別だってことを、よく覚えておいてください」
典子「!!」
VOOO
ペパロニ「全くひどい目にあったぜ…。だけど、まだやれた訳じゃねぇ。気を取り直して行くぜぇ!」
一同「おぉー」
ペパロニ「へっ、まだまだこれからだ。戦いは火力じゃないからな。オツムを使えばここからだって何とでも巻き返せ…」
アンツィオ生「ペパロニ姉さん!大変です、コメットが!」
ペパロニ「なっ。なんで、バレたんだ?…まぁ、いいや。アンツィオの機動力について来られるかっての!シカトしとけ」
典子「いたっ。敵5両発見しました!F56地点を東に向かっています」
みほ「了解です」
典子「いくよー。ここで活躍して名誉挽回しないと…やるよ!」
アヒルチーム「はいっ」
みほ「(…今さら後方へ回り込むなんて…陽動のつもり?いやっ、おそらく命令変更がされて無いからそのまま…だけどそんな馬鹿な事はしない…おそらく戦力の立て直しを図るはず…そうなると、一度集結するのがベスト…!!だとしたら…)うさぎさん、ここからショートカットして先に十字路に向かってください」
うさぎチーム「了解」
華「どうしたんですか?」
みほ「おそらく相手の当初の作戦予定の配置だと…この辺りにセモベンテを配置できたら理想…」
優花里「確かに。包囲するには理想的ですね」
みほ「うん。だけど、敵は偽装がバレたから作戦の立て直しを図ると思うの。そうなったら、一度集結するのがベター。そうなった時にヘタをすると。私たちの後ろを突かれる恐れがある」
優花里「なるほど」
みほ「…ですから、うさぎさん。あなた方の目と耳が頼りです。お願いします」
梓「任せてください、隊長!」
典子「行くよ。この距離でも、タンケッテ相手なら余裕でやれる。頼むぞ、佐々木」
あけび「はいっ。行進間射撃はまだ少し自信ないですけど、やってみます」
UEEEN
あけび(集中して、タイミングをつかめれば…よしっ)
BARM BAKKOM シュパッ!
典子「ナイスアタック!次だ」
あけび「はいっ」
BARM BARM シュパッ! シュパッ!
ペパロニ「マジかよ」
アンチョビ「何やってんだ!包囲戦は中止だ、中止!一同、フラッグの元に集まれ!戦力の立て直しだを図る。分度器作戦発動だ!」
「了解!」
アンツィオ生「分度器作戦って?」
ペパロニ「知らん」
あけび「あれ?」
典子「逃げる気か?」
アンチョビ「もう少し行けば、セモベンテとも合流できるんだが…」
VOOO
みほ「あっ」
アンチョビ「あっ」
みほ「停止!」
アンチョビ「止まれ!敵フラッグと隊長車発見!」
カルパッチョ「あのパーソナルマーク…たかちゃん?」
その頃
アンツィオ生「おい、フラッグ車のもとへ集合だって!」
アンツィオ生「了解」
VOOOO
梓「あっ、居たっ。セモベンテだ」
あや「さっきの所みたいに看板かもよ?」
梓「あっ、待って」
BAM KAN
あや「げっ、本物だ!」
アンツィオ生「!!M3がいるぞ!」
梓「見つかった…。後退、後退!」
VOOO BARM DOM
アンチョビ「撃てっー、撃てっ!」
BARM
華「……あっ」
みほ「くっ、森林地帯ではパンターの長砲身だと取り回しが」
アンチョビ「!!いいぞ、うまいこと木が邪魔でパンターの主砲の取り回しができてない。チャンスだ!この隙に当てろ」
BARM DOM
VOOOO
BARM KAN
あや「もう…逃げてるだけだよ」
梓「流石に2両相手だと…」
優季「回り込んじゃいなよ」
桂利奈「逃げるだけで精一杯」
VOOOO
梓「!!回避!」
典子「わっ」
VOOO
典子「!!河西ターンだ!」
忍「了解!」
ギャッ VOOOO
梓「…どうしよう」
典子「うさぎチーム聞こえる?」
梓「!!この声…アヒルチームですか?」
典子「私が合図したら急ブレーキをかけて」
梓「えっ?」
典子「チャンスは一度きり。いい?」
梓「…はいっ」
典子「…3、2、1…今っ!」
梓「ブレーキ」
桂利奈「えいっ」
ギャッ
アンツィオ生「!!」
一両M3の前へ
梓「!!発射!」
あゆみ&あや「行けっ!」
BARM シュパッ!
アンツィオ生「くっ、もらった」
典子「佐々木、撃てっ!」
BARM BAKKO シュパッ
典子「よっしゃ!」
梓「助かったぁ」
優季「すごーい。停車中の反動でも当てるなんて」
あや「まあねぇ」
あゆみ「当然でしょ」
典子「ふうっ。よしっ、次行くよ!」
あけび(張り切ってるなぁ、キャプテン)
アンチョビ「えぇーい、早くフラッグの元へ集えー!」
BAKKOM シュパッ!
アンチョビ「とか言ってる内にCVがやられた。丸裸だー」
桃「やった、初撃破だー!やったー」
柚子「成長したね、桃ちゃん」(ぐずっ)
みほ「フラッグ車が手薄になりました。今のうちにフラッグ車を叩きます」
杏「了解。で、どうやんの?」
みほ「この中ではパンターの主砲は取り回が不利です。少々危険ですが、38tが囮となってキルゾーンへの誘導をお願いします」
杏「あいよー」
みほ「小山先輩、河嶋先輩。お二人の腕なら、大丈夫なはずです。健闘を祈ります」
柚子&桃「了解」
アンチョビ「アンブッシュか…そうは行くか。居たっ!」
杏「行くぞ」
VOOOO
BAM DOM
アンツィオ生「…パンターの姿が見当たりません。待ち伏せではないのかも…」
アンチョビ「うーん、やはりこの中では取り回しが不利だから、考え過ぎか…。よしっ、今がチャンスだ!見せつけてやれ、アンツィオは決して弱くないいやっ、強いということを!目指せ悲願のベスト4…じゃなかった優勝だ!くっ」
桃「えーいっ、もう少し火力があればやっつけれたのに」
杏「河嶋やるねー。熱でもあんの?」
桃「か、会長~」
杏「あぁ、嘘だよ、嘘!本当成長したね、河嶋」
アンチョビ「よーし、追い詰めたぞ」
BAM KAN
アンチョビ「わっ、くそっ…!!えっ、えっと…」
みほ「…フォイア!」
DORM BAKKOM
ペパロニ「姉さん、アンチョビ姉さーん!」
典子「撃てっ!」
BAM BAKKON
アンチョビ「うぅ…あぁ…」
「フラッグ車、P40。走行不能!よって、大洗女子学園勝利!」
「おぉー」
みほ「ふうっ…」
大洗陣地
優花里「やりましたね!次はいよいよベスト4です」
みほ「そうだね。順当に行くと次は…」
優花里「!!(顔色が変わったであります)」
麻子「アイス食べたい…」
アンチョビ「いやぁー。今年こそは勝てると思ったのになぁ」
アンチョビ「でも、いい試合だった」
みほ「はいっ。色々勉強させてもらいました。…つまらない事をして申し訳ありませんでした」
アンチョビ「いやっ、こっちも正々堂々なんて言っときなら、看板で欺こうとしたんだ、お互い様だな。…決勝まで行けよ、我々も全力で応援するから!」
みほ「はいっ!」(ニコッ)
アンチョビ「///そ、そうだよなぁー皆ー」
「おぉー!」
アンチョビ「ほら、笑って!もっと、手を振ってー」
みほ「ありがとうございます!」
アンツィオ一同「あっ///」
ワイワイ
観客席
ノンナ「…(みほさん、おめでとうございます。次はいよいよ準決勝…私とですね)」
みほ「!!」
アンチョビ「ん?どうした?」
みほ「いえっ、なんでも」
アンチョビ「??」
みほ(この次はベスト4…プラウダ高校、ノンナさんとの試合になる…私の射撃を教えてくれたあの人と…)
ノンナ(…今まで、みほさんはかなり成長してきた…だけど、私は負けませんよ)
みほ(…大洗の為にも負けるわけにはいかない…次も勝つ。勝ってノンナさんを超えて行く)
今回はここまでです。
プラウダ戦からは新しいスレにします。
続きは昼以降にでも
次スレ作りました
【ガルパン】みほ「大洗あんこう物語Ⅱ」
【ガルパン】みほ「大洗あんこう物語Ⅱ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452839018/)
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