沙織「みぽりんが……理想の婚約者?」 (313)

・ガルパンのSS

・戦車は全然出てこない、というか知識が無いのに書いた

・進行は遅い予定

・百合要素あり注意

・映画未見の人はネタバレ注意


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──食堂──

沙織「ねえみんなわかってる?もうすぐクリスマスだよ、クリスマス!」

華「そうですね、七面鳥とクリスマスケーキは何ダースずつ注文しましょうか」

麻子「今年は暖冬だから眠い……寒くても眠いが」

優花里「そろそろⅣ号にも冬季迷彩を施した方がいいですかね?」

沙織「んもう!そういうことじゃないの、みんな女子力低すぎ!」

優花里「女子力、でありますか?」

沙織「クリスマスといったら、素敵な彼氏とラブラブデート♡これでしょ!」

沙織「夜景とイルミネーションを見ながらー、私が綺麗だねーって言ったら、君の方が綺麗だよなんて囁いてくれちゃったりしてキャーッ!」ヤンヤン

優花里「お、落ち着いてください武部殿!周りのみんなが見てますぅ~///」

華「この段階で彼氏が出来ていないのでは、実現不可能なのでは……?」

麻子「企画倒れはいつものことだ」

沙織「年越しデートもいいよね!大みそかはおこたでイチャイチャまったりしてー、年が明けたら一緒に初詣に行くの!」

沙織「大洗の海岸線から昇る初日の出が綺麗だねーって言ったら、着物の君のほうが綺麗だよなんて囁いてくれちゃったりしてキャーキャー

!」

優花里「ぱ、パターンがほぼ同じです……!」

華「経験が無いからどうしても発想が貧困になってしまうんですね」

麻子「年越し……年の瀬か……ん?」

華「どうしたんですか、麻子さん?」

麻子「何か忘れているような……確か沙織、おまえ……」

沙織「んん?私がどうしたの?」

麻子「……黒森峰戦に勝ったら、婚約してみせるとか言ってなかったか?」

沙織「!?」

華「確かにおっしゃってましたね……!」

優花里「あ、私も思い出しました!」

沙織「そ、そんなこと言ったかなぁ……覚えてないなぁ……」アセアセ

麻子「で?自称女子力の高い沙織さんはその公約を守れそうなのか?」

沙織「う、うう……」

ゆかはなまこ「……」ジトーッ

沙織「んもー!みんなしてそんな目で見ないでよー!あんなのノリと勢いで言っちゃっただけじゃん!」

沙織「大体言ったなんて証拠もないし、無効なんだからー!」

「ふぅぅーん、それは聞き捨てならないねぇ?」

華「会長!?」

優花里「聞いておられたんですか?」

杏「まあ時期的にもう交代してるような気もするんだけど、その辺の設定はわかんないからさー、まだ会長ってことで」

杏「そんなことより武部ちゃんさー」

沙織「はい?」

杏「約束は守んないとねー」

杏「た・と・え・”口約束”でもさ?」ギロリ

沙織「ひぃっ!?」ビクーッ

桃「会長はとある事情により、口約束という言葉に大変ナーバスになっておられるのだ」

杏「みんなだってそうっしょ?」

杏「”口約束は約束じゃなーい”なんて、自分の発言を翻すような下劣で卑怯なゲス人間、許せるー?」

食堂の生徒全員「許せませんッッ!」ザッッ

沙織「ひぇぇっ!?」ビクビクーッ

杏「というわけでぇ」

杏「年末までに婚約できなかったら、大洗海岸元旦初日の出イベントで、日の出をバックに一人あんこう踊りねー」

沙織「なっ!?」

杏「そんじゃ~」ヒラヒラ

柚子「あはは……ご、ご愁傷様……」

スタスタ……

沙織「みんなでやるあんこう踊りすら黒歴史だったのに、それを一人でだなんて!完全にお嫁に行けなくなっちゃうじゃん!」ウワーン!

華「婚期がかえって遠のいてしまいましたね……」

優花里「武部殿大丈夫です!元から予定が無かったわけですから、今回の砲撃で受けた損害なんてそもそも推定不可能ですよ」

麻子「朝早いから私は行かないが、まあ、がんばってこい」

沙織「ちょっとみんな!少しは慰めてよぉ……」

沙織「大体、なんで最初っから無理だって決めつけてるの!みぽりんだって戦車に通れない道は無いって言ってたじゃん!」

優花里「しかし武部殿、今回のミッションは戦車に空を飛べと言っているようなものです。旧日本陸軍だってこのような無茶な命令は出さないかと……」

沙織「そこまで!?」ガビーン

麻子「時間も無いしな……とりあえずその辺の男に片っ端から声でも掛けてみるか?」

沙織「えっ……そ、それはぁ……///」

華「”逆ナン”ですね!アクティブでいいと思います!私としてはどちらかというと一発必中が好みですけれど」

沙織「なんで華がワクワクしてるの!ていうか、そういうその、軽いオンナ……みたいのはナシ!///」

沙織「私にはちゃんと、理想の相手のイメージっていうのがあるんだから、それに当てはまる人じゃないと」

麻子「どうせ高身長で高収入とか、そういうのだろう。この身の程知らずが」チッ

沙織「麻子ヒドイ!そういうんじゃなくて、内面的な意味での理想だよ~!」

優花里「具体的に言うと、どんな理想なんですか?」

沙織「うーんとね」

沙織「まず最初に大事なのは、頼りがいがあるってことかな。弱気になってる時も励ましてくれたりとかぁ、凛々しい感じがいいよね♪」

──戦力差はありますが、勝てない相手ではありません。落ち着いていきましょう、パンツァー・フォー!

沙織「ピンチの時とかも冷静沈着で~……」

──分かりました、作戦を変更します。大丈夫、全車Ⅳ号に続いて移動してください!

沙織「優しいんだけど、ただそれだけじゃなくて、芯の強い優しさっていうか……危ないときには身体を張って助けにきてくれるとか、シビレちゃうよね、もー!」ヤンヤン

──ウサギさんチームを助けに行きます!ロープを!

沙織「あ、笑顔が素敵っていうのもポイントかな!こっちまで幸せになっちゃうよね!」

──私、みんなと友達になれて良かったぁ……えへへ♡

沙織「家柄とかは別にこだわらないけど~、むしろそういう型にはまらない、自由な考えの人がいいかなぁ」

──西住流としては落ちこぼれかもしれないけど……私、目指してみようと思うんです。自分なりの戦車道を……!

沙織「あっ、でもあんまり完璧すぎると疲れちゃうから、プライベートの時はちょっとドジだったり天然だったりとかするといいよね!ギャップ萌えってやつ~♪」

優花里「あのー、これ、まだ続くんでしょうか……」

華「どんどんハードルが上がっていってますね……」

麻子「そんな高い基準をいちいち満たすような理想的な人間が存在するわけが無……」

みほ「みんなお待たせ、ごめんね、遅くなっちゃって……わわわっ!」コケッ ガチャガチャ!


ゆかはなまこ「……」


沙織「ちょ、ちょっとみぽりん、大丈夫?」

みほ「ご、ごめんなさい……転びかけたけど、ごはんはこぼさなかったから平気」

沙織「あーもー、顔にお味噌汁が跳ねちゃってるよ?拭いてあげるからじっとしてて」フキフキ

みほ「あ、ありがとう、沙織さん……///」



ゆかはなまこ(って、ここに約1名ほどいらっしゃったーっっ!?)ガビーン!

みほ「?」

優花里(さ、さすがは西住殿です……!)

麻子(沙織の身の程知らずな数々のハードルを)

華(とっくに軽々とクリアしていたとは……!)

沙織(え、えええ?みぽりんが!?///)

麻子(で、どうなんだ沙織)

華(今まであれだけ結婚願望を口にしながら彼氏の影すら見せなかったのは……)

優花里(意中のお相手が西住殿だったからなんですか?そうなんですか武部殿!?)ユサユサ

沙織(ゆ、ゆゆ揺さぶらないでぇぇ~!)


みほ「あの、さっきからみんなどうしたの?」ヒョイ

沙織「わぁぁ!?ちっ違う!そういうんじゃないから!」ビクーッ!

沙織「とにかくみぽりんは女の子なんだし、この話とは全然関係ないから!関係、な……ん?」

沙織(あれ?でもちょっと待って)

沙織(確かに私、婚約してみせるとは言ったけど)

沙織(”異性の相手と”するとは言ってない)

沙織(てことは……!)ピコーンッ!

みほ「あの、沙織さん……?」

沙織「みぽりんっ!」ギュッ!

みほ「きゃっ!?///」

麻子(沙織が急に西住さんの両手を握ったぞ)

沙織「お願い!私と婚約してっっ!」

みほ「へ?」

みほ「……っふぇぇぇぇぇぇーっ!?///」

ザワワッ!

ニシズミサントタケベサンガ? 

アノフタリ、ソウイウカンケイダッタノ?

キャーッ♡


みほ「あ、あわわ……さ、沙織さんと私が……こここんにゃく?///」アタフタ!

麻子「いくらなんでも唐突すぎだぞ沙織。西住さんが混乱してるだろ」

華「そうですよ、こういうことはもっと時間をかけて、交際を積み重ねてからでないと」

みほ「わ、私っ、突然過ぎてまだ、心のじゅ準備がっ……///」グラグラ

優花里「西住殿、お、お気を確かに!メディーック!」

沙織「あー……ごめん、ちゃんと説明するね」テヘペロ

みほ「な、何だぁ、そういう事だったんだ」

沙織「ごめんねみぽりん、でも新年の門出をあんこう踊りで飾るのはどうしても嫌なの!会長たちの前で話を合わせてくれるだけでいいから!」

みほ「うん、私でできることだったら協力するよ」ニコ

沙織「ありがとー!やっぱりみぽりん優しい!」ギュウッ!

みほ「あ、あう……どういたしまして……///」

沙織「年が変わったら婚約破棄してくれればいいからね」

みほ「う、うん……」

沙織「でも17歳でもう婚約者がいる女子なんてなかなかいないよね!なんかモテ道突き進んでる気がしてきた!やだもー///」

麻子「モテというより同情だぞ」

華「その理屈だと来年には17歳でもう婚約破棄された女子になるんですが、いいんでしょうか……」

──放課後──


沙織「じゃあ早速生徒会室に乗り込もー!」

みほ「も、もう行くの?」

優花里「わ、私はやっぱり反対です!このような欺瞞作戦、すぐに露見してしまうのでは……」

麻子「まあバレるだろうな」

華「普通は罰ゲームを回避するために口裏を合わせていると考えますよね」

優花里「は、はい!ですからここはもっと考えて他の作戦をですね……!」

沙織「なるほどー、ならこうしよ!」ギュッ♡

みほ「ひゃぁ!?ささ沙織さん、なんで急に手を握ったの?///」

沙織「だって、ウソ婚約だってことがバレないようにしなきゃでしょ?だったら私とみぽりんがラブラブなところを見せ付けてやればいいってことじゃん!」

みほ「ら、ラブラブ……///」

沙織「名付けて”イチャイチャ作戦”です!なーんちゃって♪」

沙織「ほらほらみぽりん、もっともっとくっついて!」

みほ「あ、あうう……///」

麻子「一瞬のためらいもなく恋人つなぎとは」

華「大洗の恋愛(経験ゼロ)マスターの名は伊達ではありませんね」

優花里「」

──生徒会室──

杏「へー、それで西住ちゃんと婚約したって?」

沙織「そうです!ちゃんと約束は果たしたんだから、罰ゲームはナシってことでいいですよね?」

桃「お、女同士でだと……?そ、そういうのもありなのか……///」ガクガク

柚子「落ち着いて桃ちゃん」ナデナデ

杏「うーん、まあそーなんだけどさー」

杏「ちょーっとアヤシイんだよねー」ジトー

みほさお(ぎくっ!)

杏「まさか罰ゲームが嫌だからって婚約をねつ造してるなんてことは無いよねー?」

みほさお(ぎくぎくっ!)

杏「ホントだっていうなら、何か証拠見せてよ、証拠ー」

沙織「しょ、証拠なら、ほら!手も繋いでるし、こーんなにくっついてますよほら!」ギュウウウ

みほ「ちょっ……!(沙織さん、や、柔らかい……後、何かいい匂いがする……///)」

杏「……」

沙織「ど、どう?これで納得した?」フンス

杏「……手を繋いでくっつくだけ、ね」

杏「はっきり言って、そんなんじゃ甘いよ!」

沙織「なっ!?」

杏「身体全体でガバーッて抱き付くぐらいじゃないとダメでしょこういう場合はー」

桃「確かに大学選抜戦後に会長は実践されていたな。確か、だいす……だいしゅ……なんとか……」

柚子「桃ちゃん、もうそのぐらいでいいから」

沙織「んもー、わかりました!やればいいんでしょ、やれば!いくよみぽりん!」

みほ「ちょ、ちょっと待って沙織さん!」アセアセ

みほ「会長はともかく、沙織さんにされたらその、私の首と腰が……危険というか」

沙織「んなっ!?それは私が重いって言いたいの!?」

みほ「ち、違うよ、そうじゃなくて……」

沙織「じゃあみぽりんは私に抱き付かれるのがイヤなの!?」

みほ「そ、そんなこともないってば……」アワアワ

柚子「ちょっと二人とも、ケンカはやめてよーこんなとこで」

杏「……」ニヤリ

杏「なんならもっかい私がお手本見せてあげよーか?」

沙織「だ、ダメーっ!みぽりんはもう私の婚約者なんだから!」バッ

みほ「沙織さん……///」

杏「ふーん、あっそ。そんならさー、キスしてみてよ、キス」

みほさお「キス!?」

杏「付き合ってんならそんぐらいできるっしょ」

沙織(み、みぽりんと……キス?///)

沙織(どうしよー!こんな展開想定外だよー!///)チラッ

みほ「……///」

沙織(みぽりん、耳まで真っ赤になっちゃってる……)

沙織(奥手なみぽりんのことだから、きっとファーストキスだよね……まあ私もそうなんだけど)

沙織(そこまで付き合わせるのはさすがに悪いっていうか……)

杏「あれ、できないんだー?じゃ、あんこう踊り決定ってことで」

みほ「ま、待ってください!」キッ

沙織「みぽりん?」

◇◇◇

華「それで、結局どうなったんですか?」

優花里「せ、接吻してしまったんですか、西住殿ぉー!」ズイッ

みほ「優花里さん、ち、近いってば……///」

沙織「はいはいゆかりん、落ち着いて座って」グイグイ

みほ「生徒会室でその……するのは恥ずかしいから、後日証拠の動画を見せるってことで納得してもらったの」

麻子「証拠の動画?」

沙織「みぽりんと私がデートして、最後にキスするシーンを撮って見せれば万事解決、罰ゲーム回避だよ!」ニコニコ

優花里「じゃ、じゃあやっぱり接吻するってことではないですかぁぁ~!」ダバダバ

麻子「落ち着け秋山さん、血の涙を拭け」

麻子「要するに、動画データなら後で加工できるから、例えフリでもキスしたように見せかけることができる。そういうことだろ」

みほ「麻子さん正解です」

華「しかし、生徒会側もその程度の工作は予想しているのでは?」

みほ「そこは(動画製作の)腕と戦術かな」

沙織「私たちのラブラブデートが真に迫ってて本物の恋人っぽければ、キスシーンも説得力が増すでしょ?」

沙織「というわけで次の日曜日に決行するから!ゆかりん、撮影と編集お願いね」

優花里「は、はぁ……」

みほ「華さんと麻子さんも、協力してもらえませんか……?」

麻子「早く起きなくていいならな」

華「分かりました、何だか面白そうです♪」

・ちょっと休憩

・また後で書く

──日曜日──

優花里「我々は今、リニューアルしたボコミュージアムに来ております!」

優花里「本日は西住殿と武部殿のその、デート模様!を、こっそり見届けたいと思います!」

華「意外にテンション高いですね、優花里さん」

優花里「正直武部殿がすっごく!うらやましいですが……」

優花里「あんな満面の笑顔の西住殿を見ては、テンションも上がるというものです!」

麻子「私は眠い……」

みほ「すっごーい!建物もボコたちもみんな、綺麗になってるー!」

沙織「み、みぽりんすっごくテンション高いね……あれ?でもプレオープンって書いてあるけど」

みほ「うん、愛里寿さんから特別にプレ入場用のチケットを貰ったの!」

沙織「えっ、それって……大学選抜の隊長の人だよねー?」

みほ「うん、お互いボコ大好きだから、すっごく話が合うんだぁ♪」

沙織「ふ、ふぅーん……」

沙織(みぽりんてば、いつの間にそんなに仲良くなってたの?)

沙織(何か、もやもやする……転校してきた時はひとりぼっちだったみぽりんにいっぱい友達ができるのは、いい事のはずなのにな……)

みほ「どうしたの、沙織さん!早く行こ行こ!」グイグイ

沙織「わわっ、ちょっと、引っ張らないでー!」

沙織(でも、みぽりんがこんな楽しそうなんだから、まあいっか☆)

──スペースボコマウンテン──


ゴガガガガガ!

麻子「ひぃぃぃ……暗いの怖い、高いの怖い……!」ガクガク

華「眠気冷ましにはちょうど良かったかもしれませんね」

優花里「あのっ、今気づいたんですけどっ、こんなに暗くて揺れてると全然撮影できませんんべっ!」ガリッ

華「あら優花里さん、大丈夫ですか?」

優花里「じだがみまじだぁ……」シクシク



みほ「珍しいバージョンのボコがいっぱい……!あ、あの子は家に居る子と同じだぁ♪」パァァ

ゴォォォーッ!

沙織「やーん、セットが乱れちゃう~!ていうかこれってそういう楽しみ方するもんなのー!?」

──カントリーボコシアター──

みほ「ボコ、がんばれーっ!負けないで!」

みほ「沙織さんも一緒に歌って!」

沙織「う、うん!」

みほさお「ボーコーにボーコらーれ~♪」

沙織「って、曲これ一曲しかないの?」



優花里「18匹のボコがひたすらボコられながらカントリー&ウェスタンを熱演……」

麻子「コンセプトがさっぱりわからん」

華「あの、お食事のサービスは無いんでしょうか」

──ボコ・クルーズ──

みほ「ああっ、ボコがワニにボコられてから食べられそうになってる!」

みほ「助けに行かないと……待ってて!」バッ

沙織「ちょっ、ボートで立ち上がっちゃダメー!服脱ぐのもダメ!///」

沙織「大丈夫、最終的にはボコられながらも陸地に脱出できる設定だから!」



華「このチュロス、美味しいんですけれどすぐに無くなってしまうのが欠点ですね」

麻子「バケツ一杯分ぐらい買ってたのにもう食べ尽くしたのか」

優花里(西住殿のハプニングチラリシーンが撮れてしまいました……!これは消去すべきか個人用に保存しておくべきか……)ムムム

◇◇◇

みほ「次はボコさんのボコハントに行こ!あ、でも定番のイッツアボコワールドも行っときたいかも……」

沙織「ちょ、ちょっと待ってってば、みぽりん……」ゼェゼェ

沙織「そろそろお昼だし、休憩にしてお弁当食べない?」

みほ「あ、もうこんな時間……」グゥー

みほ「あっ……///」

沙織「やだもーみぽりんたら、お腹は正直なんだからぁ♪」グゥー

沙織「って私もかい!///」ガガーン

みほさお「……」クスッ

アハハハハ…

みほ「沙織さんのお弁当、すごく美味しそう!」

沙織「えへへー、ありがと!遠慮しないで食べて食べて……あ!」

みほ「どうしたの?」

沙織「そうそう、コレ撮影なんだった……すっかり忘れてた!」

みほ「あ、私も……楽しくて忘れちゃってた」

沙織「じゃあ素材用にシーン押さえとかなきゃね!はいみぽりん、あーんして♪」

みほ「え、えええ!?///」

沙織「ほら、恋人同士の定番じゃん?ちゃんとやっとかないと!」

みほ「う、うん……あーん……///」

モグモグ

沙織「どう、みぽりん?」

みほ「うん……!とっても美味しいよ、沙織さん♪」ニコッ

沙織「!」ドキッ

みほ「いいなぁ……」

沙織「え、何が?」

みほ「あ、うん。沙織さんの結婚相手になる人は毎日こんなおいしいごはんが食べられるんだなって思ったら、うらやましくなっちゃって……」

沙織「!?」ドキンッ

みほ「あ、今度は私からするね?あーんして、沙織さん」

沙織「うぇぇっ、みぽりんもやるの?///」

みほ「うん……だって今日だけは、私が沙織さんの恋人で、婚約者だもん。ちゃんとやらないと……ね?」ニコ

沙織「!!」ドキーンッ ドッドッドッ……!

沙織(な、何!?今日の私、おかしい……!みぽりんの顔見てるだけで、どんどん胸が苦しくなって、顔が熱くなって……///)

沙織「やだもー!一体どーなっちゃってんのー!?///」

みほ「さ、沙織さん大丈夫!?」

華「あらあら、微笑ましいですねぇ」クスクス

麻子「さすが沙織、ベタなところを押さえてくるな」

優花里「うぐぐぐ……うらやまじぃぃぃでずぅぅ……!」●REC

麻子「秋山さんのストレスがストップ高で上昇しているな……とりあえず食後の胃薬を飲んでおけ」サラサラ

──夕方──

みほ「何だかごめんね、沙織さん」

沙織「え、何が?」

みほ「私ばっかり楽しんでるような気がして……ほら、ボコられグマってあんまりメジャーじゃないし……」

沙織「あははは……確かに個性的なアトラクションばっかりだったね~」

沙織「でも私も、すっごく楽しかったよ」

沙織「学校でアワアワしてるみぽりんは面白いし、戦車道の隊長なみぽりんはカッコいいけど……今日のみぽりんはいつもと違って、伸び伸びしてるっていうか……」

沙織「何かとっても可愛かった♪」

沙織「だからアトラクションが楽しいっていうより、みぽりんを見てるのが楽しかったかなーなんて」クス

みほ「もう、沙織さんってば……!///」

沙織「こっちこそ、ごめんね?私のせいでこんなことに付き合わせちゃって」

沙織「私ったらバカだよねー、見栄張って墓穴掘って、みぽりんにまで迷惑かけて……」アハハ…

みほ「そんなこと……そんなことないです!」キッ

沙織「……みぽりん?」

みほ「私ね、ずっと沙織さんのためにできることがしたかったの」

みほ「だから、何でも頼ってほしい……迷惑だなんて、全然ない!」

沙織「みぽりん、何言ってるの……?みぽりんは学校を守るためにずーっと頑張ってくれてたじゃん」

みほ「私、戦車道以外はみんなダメダメだから……それでも、戦車道じゃないことでも、沙織さんのためにできることがしたいの」

みほ「だって、沙織さんは……”西住流の後継者”じゃない、ただの私に声を掛けて、友達になってくれた」

みほ「黒森峰戦で迷ってる私の、背中を押してくれた」

みほ「沙織さんがいてくれなかったら、今の私はいなかったの。きっとずっと、一人で迷ってた」

沙織「みぽりん……」

みほ「本当はね、あの時勇気出してキスしちゃえば、沙織さんがこんな風に苦労することもなかったと思うんだけど……///」

みほ「私なんかにされたら、沙織さん気分悪くするかなーって思ったら、やっぱりできませんでした、ごめんね?」ペコリ

沙織「ええーっ、そうだったの!?」

沙織「全然そんなことないよ!むしろ私の方が、みぽりんが嫌じゃないかなーって思ってたんだから!」

みほ「そ、そんなことない!全然、その、大丈夫、です……沙織さん、だったら……///」

沙織「わ、私も!みぽりん、だったら……///」

みほさお「……///」

麻子「さっきからもじもじして何をやってるんだ、あの二人は」

華「何だかお互いをちらちら見ていますね」

優花里「何だか気まずい感じです、ケンカでもしてしまったんでしょうか?」

優花里「ん……?あ、あれは!?」

沙織「あの!ってことはさー、みぽりん?///」

みほ「は、はいっ?///」

沙織「別にフリじゃなくても、普通にキスしちゃえばいーってことだよね?///」

みほ「そ、そう……だね……///」

沙織「じゃあ、えっとぉ……し、しちゃう?///」

みほ「カメラ、ちゃんと撮ってるかな……///」

沙織「別に撮れてなくてもいいじゃん」

沙織「だって、何度でもやり直せばいいんだから……ね?///」

みほ「うん……じゃあ……///」

スッ…


「待ったーーーッッ!!」

みほさお「はいぃっっ!?」ビクーッ!

・待ったが入ったので中断

・続きは多分明後日以降に書く

・また映画見てきた

・それでは再開

まほ「そこまでだ」

まほ「姉の許可無く妹に手を出すことなど許されない」

まほ「ちなみに私は、未来永劫許可など出すつもりはないッ!」バァーン!

みほ「お……お姉ちゃん!」


ケイ「ハーイ、ミホ!なかなかユニークなミュージアムみたいね!ファンタスティック!」

ケイ「だけどそこの子とラブな関係になるのだけはいただけないわ、ベリーバッドよ!」

アリサ「今日はタカシとデートする妄想する日だったのに、なんでこんなことに巻き込まれんのよ……」


ダージリン「ごきげんようみほさん」

ダージリン「こんな格言を知ってる?”友情は通常不変だが、恋愛沙汰となると別である”」

オレンジペコ「シェークスピアですね」


カチューシャ「ミホーシャ!その子と一体何しようとしてたのよ、不潔よ不潔!///」ジタバタ

ノンナ「あまり暴れると落っこちますよ同志カチューシャ」

みほ「ケイさんダージリンさんにカチューシャさんも……」

アンチョビ「おっと、このドゥーチェのことも忘れてしまっては困るぞ!」フンッ

ペパロニ「よっ姉さんカッコイー!」ヒューヒュー

絹代「西住殿の貞操が危険と聞き及び、不肖私、西絹代も馳せ参じました!」ビシッ

ミカ「百合……それは人生にとって大切な事なのかな?」ボロロン

アキ「よくわかんないけど、一部の人たちの人生を捻じ曲げているのは確かみたいだよ」

沙織「アンツィオに知波単に継続の人たちまで!?」


杏「やーやーあんこうチームのみんなー、盛り上がってるみたいだねー」フリフリ

梓「に、西住隊長っ……!」

ねこにゃー「ネットで広まってた武部さんと婚約したってウワサ……ほ、本当なの?」

華「あらあら、一部大洗の人たちまで混じってますね……」

麻子「なんだこれ」

優花里「そ、そんな……」

優花里「まさか既に、”ホ連”に嗅ぎつけられていたなんて……」ガクガク

華「何か知ってるんですか、優花里さん?」

優花里「この人たちは、”西住殿(みほさん)(ミホ)(ミホーシャ)(みほ)の貞操を守るための多国籍連合”、通称ホ連です!」

優花里「西住殿に悪い虫がつかないように常時監視し、有事の際には連携して力づくでも排除する任務を帯びているんですよ」

華「はぁ……沙織さんが気の毒というべきか、みほさんが気の毒というべきか迷いますね」

麻子「あの連中の頭の中身だろ、一番気の毒なのは」


優花里「でもおかしいです」

優花里「創設時のホ連は、事務総長の統括の下に聖グロリアーナ、サンダース、プラウダ、黒森峰の常任4国のみで構成された集団だったはず」

優花里「いつの間にかこんなに参加国が増えているなんて……それだけ西住殿の魅力が圧倒的ということでしょうか」ゴクリ

華「確かに、初めて遭遇した集団のはずなのに……」

麻子「何だか増殖しているような気がする、不思議だ」

まほ「そんなぽっと出の女なんかと大人ぶった予防線を飛び越えようだなんて、お姉ちゃんは許さないぞ!」

まほ「今なら無かったことにしてあげるから、もう黒森峰に再転校してきなさい」

まほ「副隊長の椅子は空けておくから!」

エリカ(えっ……私もしかして、降格……?)

みほ「お、お姉ちゃん、無茶言わないで……」ワタワタ


ケイ「黒森峰みたいなガチガチの校風はミホにはマッチしないでしょ」

ケイ「サンダースに来なさいミホ、そしてゴージャスなスクールライフをエンジョイしましょ!」

アンチョビ「まてまてまてーい!校風というならアンツィオが最高に決まってる!」

アンチョビ「まあちょっとお金が無かったり戦車が弱かったり生徒たちがちゃらんぽらんなところもあるけど……いやいや!」

アンチョビ「最近の流行はゆるゆる日常モノっていうじゃないか、それならアンツィオしかないぞ!とにかく楽しいから、ベンヴェヌーティ!」

カチューシャ「あんたたちみたいな二流の弱小高校なんかミホーシャにふさわしいわけないでしょ!」

カチューシャ「プラウダが最高に決まってるじゃない、みんなバカなの?」

みほ「ケ、ケンカはやめてください……」

ダージリン「プラウダを初めここにいる方々、強豪校などと名乗ってはいますけれど」

ダージリン「いずれもあなたに敗北を喫した方々ばかり、お互いを高める存在としては役不足だと思いますの」

ダージリン「2回もあなたに勝利した聖グロリアーナこそ、本当にあなたにふさわしい転校先と言えるのではなくて?」ズズッ

みほ「そ、それはその……確かに負けちゃいましたけど……」


絹代「わ、私たちの知波単学園は確かに大会で良い成績を収めてはおりませんが」

絹代「軍神・西住隊長のご指導を頂ければきっと!一意専心、生まれ変わって見せます!」

絹代「どうかこの通り、なにとぞお慈悲をぉ……!」ズザッ!

みほ「ど、土下座はやりすぎですよ西さん、お願いだから立ってくださいぃ~!」

梓「に、西住隊長、転校なんてしませんよね……?」

梓「私たち、最初はダメダメでしたけど、優しくていつも頑張ってる隊長を見習って、私たちも強くなろうって……なのに……」グスッ

みほ「しないしない、転校なんてしないから!泣かないで澤さん……!」オロオロ

ねこにゃー「ぼ、ボクたちも……もっともっと頑張って筋力つけるから、見捨てないで……」ムキキッ

みほ「それはもう十分だと思う」


杏「他の学校のみんなには悪いんだけどさー」

杏「次の生徒会長は西住ちゃんにやってもらうことになってんだよねー」

杏「だからちょーっと、放出トレードとかは無理かなー」

みほ「えええ!?は、初耳です……そうなんですか!?」

杏(まー今思いついたんだけどねー)


沙織(何なのよこの人たち、よってたかって勝手なことばっかし言って!)

沙織(みぽりんもみぽりんだよ、みんなに優しくするからこんなわけわかんないことに……もーもー!)イライラ

カチューシャ「私が……カチューシャが試合前にいじわる言ったから、まだおこってるの?」ウルルッ

カチューシャ「だったらごめんなさいするから……カチューシャのとこに来て……ミホーシャぁ……」グスグス

みほ「お、怒ってなんかいませんから!ね、泣かないで……?」ナデナデ

カチューシャ(作戦通りよ、やったわノンナ!ミホーシャのなでなで気持ちいい!///)

絹代「わ、私は大和撫子として、そのような……肌の触れ合い的なことは不得手ではありますが」

絹代「旧い玉砕精紳に凝り固まっていた私たちに薫風を吹き込んでくださった西住殿……あなたが求められるなら、いつでも伽にこの身を差し出す所存でありますっ!///」

みほ「よ、よく意味がわからないけど、そこまでしなくて大丈夫だから!///」

澤「私、ずっと隊長のこと、憧れてて……でもエンストしちゃったとき、助けに来てくれた隊長がすっごくかっこよくて、……す、好きな気持ちに変わっちゃったっていうか、その……///」ゴニョゴニョ

ねこにゃー「ぼ、ボクだってその……今まで三次元に萌えるなんて考えたこともなかったけど……西住さんならその、全然イケるっていうか……///」ゴニョゴニョ

みほ「?……あの、二人ともよく聞こえなかったんだけど」

杏「廃校を救った新生徒会長と前生徒会長がくっついちゃうのはさー、はっきりいって鉄板の展開じゃん?」

杏「いろいろ周りがめんどくさそうだしさー、こーなったらもう西住ちゃんと私が付き合っちゃった方が早いと思うんだよねー」

桃「会長がここまでおっしゃっているんだ、黙って従え西住!」

柚子「それはいろんなとこから文句が出そうな論理だよぉ……」

みほ「か、会長まで何言ってるんですか……///」

ボロロンッ

ミカ「自分の気持ちを伝えるのはとても素敵なことだけれど」

ミカ「その言葉はちゃんと相手に届いているのかな?時にはシンプルに生きるのも大切だよ」

アキ「意訳すると、”一行でまとめろ”ってことだね」


ホ連の一同「……(グッ)」

ザザッ!

ホ連「みほ(みほさん)(ミホ)(ミホーシャ)(西住殿/隊長/さん/ちゃん)、大好きです!その子と婚約破棄して私と付き合って!!」

みほ「え……え……」

みほ「ええええーっ!?///」ボフンッ!

沙織「……」ピキッ!


麻子「おい設立当時の理念どこ行った」

華「理想よりも各国の利害の方が優先されるのは世の習いかと……」

ワーワーギャーギャー

ミホ!ミホサン!ミホーシャ!

みほ「ちょ、ちょっと皆さん、そんなにくっついちゃ……く、苦しいです……」ギューギュー

沙織「あーもー、みんないい加減にしてー!」

ホ連「?」

沙織「いいからみぽりんから離れて!はーなーれーるーのー!」グイグイ ポイポイポイッ


麻子「おお……あの非力な沙織が並み居る多国籍軍を引き剥がしていく……」

優花里「そういえば冷泉殿を支えるのにも苦労してましたもんね」

華「愛は人を変えますねぇ……」ホゥ


沙織「いい?みんなよく聞いて!」ゼーゼー

沙織「姉妹だとかハグだとか何とかノ木学園とか、そういうの全然関係ないし!」

沙織「それから言っとくけど、私なんてみぽりんに告られたこともあるんだからね!」ドーン!

ホ連「!」ガーン!


華「あれは私たち全員にだったと思いますけれど」

麻子「記憶の改竄」

沙織「みぽりんはあんたたちなんかには絶対渡さないんだから!」

沙織「そりゃまあ、今まではずっと、大事な友達なんだって、思ってたし」

沙織「婚約の話は、初めは罰ゲーム回避のためのウソだったけど」

沙織「でも今は違うもん。ちゃんと気づいたんだから!」

沙織「私が一番、ずっとずっとみぽりんのことが大好きなの!」

みほ「さ、沙織さん……///」

沙織「それでもまだ引き下がらないっていうんなら……」グイッ

みほ「な、何沙織さん?///」

沙織「やるよ、みぽりん!」キッ

みほ「へ?」

チュッ♡

みほ「んんっ!?///」

華「つ、ついにやりましたわ!純情なお二人では到底ここまでたどり着けないんじゃないかって思っていましたけれど!しかも衆人環視の中で!」イェー!

麻子「テンション上がりすぎて怖いぞ五十鈴さん」

優花里「」


まほ「」

ダージリン「」

ケイ「」

カチューシャ「」

アンチョビ「」

絹代「」

梓「」

ねこにゃー「」

ダージリン「ここっここここんな言葉を知ってる?”ままままだあわてるような時間じゃない”」カチャカチャカチャ ダバダバ!

オレンジペコ「陵南高校のポイントガード、仙道彰ですね」

アッサム「それより紅茶が大量にこぼれてますわ、ダージリン様」

ローズヒップ「熱っづぅぅー!」ピョンピョン!


ケイ「ガッデム!シィィーット!●●●●!サノバ○○○!」

アリサ「あのー、発言が規制に引っ掛かりまくってるんですけど」

ケイ「帰ったら反省会だからね、アリサ」ギリッ

アリサ「なんで私ぃ!?」


カチューシャ「ノンナぁぁー!ミホーシャが、ミホーシャがぁ~!」ウェェン!

ノンナ「涙を拭いてください同志」フキフキ

ノンナ(カチューシャは泣き顔も愛らしい……これで今日もカチューシャ日誌が捗ります)グッ


アンチョビ「ど、どういうことだこれは!やっぱりピッツァ、パスタ、ジェラートじゃワンパターンだったってことか?」

ペパロニ「よくわかんないけど違うんじゃないすかねー」

カルパッチョ「そろそろ私、たかちゃ……じゃなかった、カエサルに会いに行ってもいいですか?」


絹代「か、敢闘空しく玉砕……む、無念……!」

玉田「素晴らしい突撃精神でしたよ西殿!」

・1レス差し込み忘れたのに今気づいた

・以下は>>52>>53の間の分だと思ってください

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まほ「これは姉妹の問題だ、赤の他人は口を挟まないでもらおうか」

まほ「みほは私が連れて帰る、これが決定事項だ」

まほ「そして昔のように仲良しラブラブ姉妹に戻るんだ」

みほ「ら、ラブラブって……もちろんお姉ちゃんとはもっと仲良くなりたいけど……///」

ダージリン「それはさすがに横暴ではなくて?」

ダージリン「みほさんを一度見捨てたあなたと違って、私は最初からみほさんの魅力と資質に気づいていましたわ」

ダージリン「今でも週1回は午後のお茶をご一緒する仲ですもの、ね?」

みほ「は、はい、ダージリンさんはお話も面白いし、いつもとっても楽しいです」

ケイ「そんなこと言うなら、ミホと私は熱ーいハグを交わした仲よ、そうでしょミホ?」

アンチョビ「ハグなら私とだって交わしたぞ!しかもホッペスリスリ付きで!」

杏「……」フフン

みほ「あ、あれは挨拶だったんじゃ……///」

>>58の続きから

まほ「そ、そんな……私のみほが……」

──おねえちゃーん!

──おねえちゃん、大好き♪

──わたし、おねえちゃんみたいになる!おねえちゃんみたいな、戦車乗りさんに!

──お、お姉ちゃん……もう中学生なのに一緒にお風呂に入るのは、さすがに恥ずかしいよ……///

──んもう、まだ着替え中だってば、お姉ちゃんのエッチ!///

──お、お姉ちゃん……手つきがなんかその、やらしいんだけど……ホントにこんなマッサージ、戦車道に必要なの?///

まほ「私の……姉の腕を、すり抜けていってしまうというのか……!」ガクッ

ピリリリリ……

まほ「はっ……着信……お母様から?」ピッ

しほ『どうやら道を見失っているようね、まほ』

まほ「は、はい、私には分からないのです……」

まほ「あのような幸せそうな笑顔を見てしまっては……もう、ここは退くのがみほのためではないのかと……」

しほ『ぬるい!』カッ!

まほ「!?」キーン!

しほ『それでも我が後継者ですか。いつも教えてきたでしょう』

しほ『妹は姉のもとにあってこそ、娘は母のもとにあってこそ幸せなのです』

しほ『それを邪魔する輩は、たとえ子鼠であろうとも叩き潰すのみ』

しほ『それとも、横から出てきた鼠に大事な妹を奪われ、指を咥えて見ているほど、牙を抜かれてしまったとでもいうのですか』

まほ「そ……そんなことはありません!」キッ

しほ『西住流、心得!』

まほ「何があっても前へ進むこと……強きこと、勝つことこそ至上なり……!」

しほ『よろしい』

しほ『行きなさい、まほ。見事みほを連れ帰ってきなさい』

まほ「はっ!ありがとうございます!」

しほ『あっ、それからね!』

まほ「はい?」

しほ『みほにこないだのお土産美味しかったって伝えといて!新しい学校で元気にしてるのか、ごはんちゃんと食べてるのかも聞いてね!』

しほ『あとそれからそれから、お母さんもう怒ってないから、もし今日帰れなくてもせめて年末年始ぐらい帰ってきてほしいなーってこt』

プツッ

まほ「……」

まほ「行くぞ、エリカ。作戦開始だ」

エリカ「は、はぁ……」

沙織「ふふーん、どうやらみんな白旗みたいね!」ブイッ

みほ「み、皆さん、大丈夫ですか……?あれ、お姉ちゃんがいない」キョロキョロ

沙織「んもー!みぽりんはすぐそーやってみんなに優しくするんだから!だからみんな好きになっちゃうんだよ!」

みほ「え、ええっ……?そんなことないと思うけど……///」

沙織「そーゆーとこがみぽりんのいいとこなんだってことは、良くわかってるけど……」

沙織「これからは、私にだけ特別に、優しくしてほしいなーなんて……///」

みほ「う、うん……沙織さん///」

沙織「みぽりん……///」

みほ「沙織さん……///」

スッ…



ドゴォォォーンッ!

みほ「!」

沙織「きゃーっ!な、何?」

優花里「あ、あちらに見えるのは……マウスです!なんでこんなところに?」

華「近くに隠れていたんでしょうか?」

麻子「この騒ぎで接近に気付かなかったな」


キュラキュラキュラ

まほ(スピーカー)「安心しろ、今のは空砲だ」

まほ「だが……これ以上姉に逆らうというのなら、無理やりにでも連れ帰る」

沙織「もーっ!まだ諦めてないの?大人げないー!」

まほ「うるさいこの子鼠!」

沙織「ね、ネズミですってー!?マウスはそっちでしょ!」プンプン

・今日はここまで

・再開は明日以降の予定

※再開と注意

・これより戦車関連描写が入りますが、>>1の知識不足のために重大あるいは初歩的な間違いが含まれている可能性があります。

・各車搭乗員については実際のチームと異なる点がありますが、臨時チームということでご理解ください。セリフで登場しないキャラはほとんど参加していませんが、人員が不足する部分はモブ生徒が補っています。

・各校1台ずつのみの参戦です。

・ボコミュージアム周囲のロケーションの詳細が不明のため、本来の設定とは大きく異なる可能性があります。

・ここでは建物の外にに約80m四方の舗装された駐車場(それなりにゆとりがあり、数台の戦車がなんとか走れる広さ)が開けており、敷地は高いフェンスで囲まれていると仮定しています。

・敷地内に出入りできるのは、建物から駐車場を通過して反対側にあるゲート1カ所のみ、幅は10m強です。敷地外には戦車が展開、潜伏できる平地が存在します。

・上記内容、設定が許容できない方は、申し訳ありませんがスレを閉じてください。

ペパロニ「ドゥーチェ、いつまでヘコんでんすかー」

カルパッチョ「ノリと勢いがモットーの私たちが、出遅れてもいいんですか?」

ペパロニ「カルロ・ベローチェの準備、できてるっすよ!」

アンチョビ「お、おまえたち……」グシシッ

アンチョビ「そ、そうだな!相手はデカいだけのウスノロだし、ウチのCVなら余裕でぶっちぎれる……よーし、乗り込めー!」

アンチョビ「無理やりでもみほを連れ帰って我が校のゆるゆるな校風に染めちゃえば、多分帰りたくなくなるだろ!」

ペパロニ「おー、姐さん策士っすねー!」

ガガガガガ!

絹代「西住殿の危機に手をこまねいていては、我が学園の名折れ!」

絹代「今こそ大恩をお返しする時!総員乗車、突撃ーっ!」

玉田「はっ!吶喊、吶喊だっ!」

福田「あの、西住殿たちに学んだことがまったく生かされていないような気がするのでありますが……」

ズドドドドド

麻子「CV33と九七式がマウスを追い越してゲートに向かってくるぞ」

優花里「皆さん敷地外で待機してたんですね!こんなところで各国の戦車の競演が見られるとは!」

華「喜んでいる場合でしょうか?」


ダージリン「枢軸国に先手を取られたようですけれど……皆さんはどうするおつもり?」ズズ

カチューシャ「ふん、そうはさせるもんですか」

カチューシャ「ノンナっ!」

ノンナ「はっ。同志のご命令だ、投下を開始せよ」

ゴォォォォ… バシュッ!


沙織「何か飛行機からパラシュートで降りてきたよ!?」

優花里「あのシルエットは……BMD-3です!旧ソ連で開発された空挺戦車ですよ!」

優花里「輸送機から直接投下することで、戦地での迅速な展開を可能にするんです」

カチューシャ「どぉーお?あいつらがノロノロ陸を進んでる間に、こっちはミホーシャのそばに直接乗り込んでやるわ!」

カチューシャ「これでミホーシャは私のものね!あーっはっは!」

ケイ「でも何か、風に流されて山の方に落ちていくみたいだけど?」

カチューシャ「え?」

ダージリン「バランスも崩れてますわね」

カチューシャ「は?」

ドスーン ゴロゴロゴロ! シュパッ!


優花里「まあパラシュート降下の成功率は低いので、実際には飛行場に降ろされることがほとんどらしいんですけど……」


カチューシャ「ノンナーっ!どーゆーことよこれはーっ!」ポカポカポカ

ノンナ「申し訳ありません同志、でも乗員を乗せていなくて良かったですね」

ノンナ(涙目で小さな拳を私にぶつけてくるカチューシャ……ますます日誌が捗ります)グッ!

<プラウダ高校、戦列離脱>

ケイ「ソーリー、うちはうちの流儀でやらせてもらうわね」

ケイ「ナオミ、準備はオーケー?降ろしちゃってー!」

ナオミ『イエス・マム』

ゴーッ パカッ ゴガガガガ!


華「あれは……前に私たちの戦車を運んでくれた飛行機?」

優花里「C5ギャラクシーです、ナオミ殿はパイロットとしての腕もすごいですね!」


ケイ「シャーマン発進よ!Go ahead!」

アリサ「もう帰りたい……」

沙織「もー、最初に戦車は出ないとか言ってたのはなんだったのよー!」

みほ「まさか、本当にこんなことになっちゃうなんて……」

みほ「み、皆さん!こんなことに戦車を使っちゃダメです!止まってくださーい!」

沙織「騒音で全然聞こえてないみたい……どうしよみぽりーん……」

みほ「……仕方ありません、一旦ここを離脱して、皆さんが落ち着いてから説得しましょう」ケイタイトリダシ

みほ「優花里さん華さん麻子さん、そちらにいますか?お願いがあります。……」

優花里『なるほど、了解であります!』

華『わかりましたわ!』

麻子『……わかった』

桃「こらーおまえらーっ!許可も取っていないのに勝手に戦車を持ち込むなーっ!」

柚子「だから多分聞こえてないよ桃ちゃん……」

ねこにゃー「あ、あわわ……こんなことになるんなら、ボクたちの三式も持ってくるんだったにゃー……」

梓「わ、私、今からでもみんなとM3を連れてきます!西住隊長を助けないと……!」

杏「だいじょぶだいじょぶ、それよりとばっちり食わないよーに避難しよーぜーみんなー」

梓「会長ひどい!隊長のことが心配じゃないんですか!好きって言ってたのはウソだったんですか!」キッ

杏「そーゆー澤ちゃんはほんとーに西住ちゃんのことが好きなんだねー、ガチだねぃ」ニヤニヤ

梓「なっ……やっ……い、今はそんなこと関係ないと思いますっ!///」

杏「まあとにかく心配なんかいらないってば」

杏「だって相手はあの西住ちゃんと、あんこうチームだよ?」

梓「あ……」



ミッコ「私たちはどーすんのー?」

ミカ「こんな争いに意味があるとは思えない」ボロロンッ

ミカ「とはいえ、仲間たちの信頼をこれほどまでに勝ち得ているなんて、西住さんは本当に不思議な人だ」

ミカ「彼女がどうこの場を切り抜けるのか、見届けていくのもいいんじゃないかな」

アキ「つまり野次馬ってことだね?」

アンチョビ「目標発見!いっけぇぇー!」ガガガガガガ

絹代「西住殿ー!今参りますっ!」ドドドドドド

ケイ「ハリアップハリアップ!」ギュロロロロロロ

まほ「構うな、他の車両は先行させておけ」キュラキュラキュラ


沙織「み、みぽりーん、もうヤバイよー、逃げようよー!」ガクガク

みほ「いえ、まだです」

みほ「ここの駐車場はそれほど広くない……4台も戦車が入れば、まともな機動はできなくなります」

みほ「全車がゲートを通過するのを確認してから、脱出します」

みほ「私を信じて、沙織さん。絶対に守るから」ギュッ

沙織「み、みぽりん……う、うんっ……///」

沙織(自然に肩抱かれちゃった///)

沙織(もー、みぽりんカッコよすぎだよぉー!こんなときなのにドキドキしちゃう……!///)

ブロロロロロ キキーッ

麻子「……待たせた」

華「お二人とも乗ってください」

沙織「な、何コレ!クマの乗り物?車?」

みほ「自動車部のみんなに、前もってヴォイテクを改造してもらってたの。本当に使うことになるとは思ってなかったんだけど……」

優花里「お子様用のカートを5人乗りのモンスターマシンに改造した上に擲弾筒まで搭載するなんて、さすがは自動車部の皆さんです!」

麻子「名付けてヴォイテク改、SKB仕様……だそうだ」

沙織「改造し過ぎて原型留めてないんだけど……いいのこれ?」

みほ「あはは……ちゃんと元に戻してお返しするってことで許可は貰ってるから」

優花里「最後尾のマウスがゲートを通過しました!」

みほ「それでは、”森のくまさん作戦”を開始します。発進してください!」

ブォォォンッ!

ビュオオオオ

沙織「何コレ超早いんですけどー!?ホントに元カートなの!?」

みほ「落ちないようにしっかり掴まっていてください」

沙織「あっ、CV33が来たよ!2時の方向!」

みほ「煙幕弾準備」

優花里「装填完了であります!」ガシャコン

みほ「後続の九七式と動線が重なるのを待って……今です、撃って!」

華「はい!」

ボヒューンッ ボワワッ!

ペパロニ「おわーっ!前が見えねーっす!?」

カルパッチョ「このままじゃ建物にぶつかるかも!」

アンチョビ「ヤバイヤバイぞ、止まれ止まれーっっ!」

ザザザザザ


玉田「不覚、視界を塞がれました!」

絹代「うぬっ、目くらましごときにひるんでなるものか!前進、前進ーっ!」

福田「ちょっ、お待ちくだ……前方に停止車両アリ!」


絹代「なっ!?お、おどきくださーいっ!!」

アンチョビ「止まってんのにできるかアホー!く、来るなぁぁー!」

ドカーンッッ!

シュパッ

シュパッ

<アンツィオ高校、走行不能>

<知波単学園、走行不能>

ケイ「あっはっは、やるわねミホ!」パチパチパチ

ケイ「でも、これぐらいで逃がしたりはしないわよ」HUD ソウチャク

アリサ「サ、サーマルナイトビジョン!?どの口がフェアプレーの精神ですか、完全に違反じゃないですか!」ガーン

ケイ「TPOを考えなさい、アリサ。これは試合じゃないんだからノープロブレムよ♪」

アリサ「私は今でも盗聴魔とか叩かれてるのにぃ……」シクシク

ケイ「ふふふ……エキサイトしているのね、ミホ。あなたの鼓動と体温まで全部丸見えよ……」ハァハァ ジュルリ♡

アリサ(サーモグラフィで欲情できる人初めて見た)

ケイ「煙幕で姿が隠れた分、かえってこっちの方がアドバンテージよ。このまま目標の前方に回り込んで……」

ドガァッ!

ケイ「ワッツ?攻撃!?」グラグラッ

ケイ「何も見えなかったわよ、一体どこから……!」

ゴロロッ ガッシャーン! 

シュパッ

アリサ「や、やられた……車体横転!」

<サンダース大学付属、走行不能>


・すまんまたミス

・以下のレスが>>85の前に入る
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ブロロロロッ

麻子「玉突き衝突……」

優花里「こういう時ってお国柄が出るものなんですねぇ」

沙織「10時方向にシャーマン、回り込んでくるよ!」

みほ「華さん、狙えますか?」

華「お任せください」

ボヒュボヒュンッ ボワボワッ

優花里「お見事です五十鈴殿!連射でシャーマンの視界を完全に封じましたよ!」

>>85の続き

沙織「何今の!シャーマンの下からもう一台戦車が出てきたんだけど!?」

優花里「チャーチルです……前もってダグインしておいて、シャーマンが偽装に気づかず通過する瞬間に下から車体に体当たりしたんですよ」

沙織「穴掘って隠れてたってこと?」

華「舗装、剥がしちゃったんでしょうか……」

優花里「穴の中をスロープ状にして飛び出しやすくしておいたんでしょうけど、何て無謀な事を……!」

みほ(ううん、チャーチルの装甲と登坂力、それに彼我の重量差を考えれば、それほど無謀ってわけじゃない)

みほ(それよりも、ダージリンさんの狙いは……!)

キュラキュラキュラ……

ダージリン「ごめんあそばせ」カチャリ

ダージリン「あまり優雅な戦い方とはいえませんけれど……みほさんたちがいる中でまさか砲戦するわけにもいきませんものね」

ダージリン「この言葉が通算何回目か知っている?”イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない”」ズズッ

オレンジペコ「別訳も含めると3回目以上でしょうか」

ダージリン「というわけで、みほさん?チェックメイト、ですわよ。どうなさるの?」クス

華「完全に回り込まれてしまいましたね……」

優花里「迂回できませんか?」

麻子「無理だ。ひっくり返ったシャーマンの位置が悪い。反対側はチャーチルの出てきた穴で通れない」

みほ(……)

沙織(みぽりん……?)

ダージリン「そのオモチャで私のチャーチルと戦うのは無理でしてよ。さあ、潔く負けを認めてこちらに来て頂けないかしら」

ダージリン「あなたの二つ名ももう考えてありますのよ?ジャスミン、なんてどうかしら」

ダージリン「私の心を危険なほど高揚させ掻き立てるあなたには、夜の女王とまで言われ珍重された媚薬の名がふさわしいわ」ゾクゾク♡

ダージリン「鉄と埃の世界であなたを打ちのめし、さらに夜の女王をもこの手で屈服させる……それで私の勝利は完全なものになるのよ」ニィィッ…

オレンジペコ・アッサム「さあ、いらっしゃいな、ジャスミン様」フフフッ…

みほ(……迂回は不可能、突破するにはチャーチルをどうにかするしかない)

みほ(向こうの車高は低くないけど、車体の表面は平坦……これならいけるかも)

みほ(でも、ヴォイテクはⅣ号じゃない、オープントップで乗員を守ってくれる特殊カーボンも無い……!)フルフル

ギュウッ

沙織「失敗したら、私たちをケガさせちゃうかもしれないって思ってるの?」

みほ「沙織さん……!」

沙織「それぐらい分かるよ、いつもみぽりんの背中を見てきたんだもん」

沙織「でも、一人で抱え込まないで、みぽりん!」

優花里「ここで退いたら、道は開けませんよ、西住殿!」

華「私たち、どこまでもみほさんに付いていきます!」

麻子「私の腕を信用しろ、西住さん」

みほ「みんな……」

ダージリン「さあ、お答えは?」

沙織「そんなの決まってるよ!みぽりんは、絶対にあなたなんかには渡さないもん!」キッ

ダージリン「へぇ……いいお覚悟ね」ギラリ

ダージリン「でも、勇気と無謀を履き違えてはいけませんわね」

ダージリン「少々脅かして差し上げなさいな」

アッサム「はい、微速前進いたしますわ」

ゴゴゴ…

みほ「目標、チャーチル右側前部。全速前進!」

ブォォォッ

オレンジペコ「なっ!?向こうから向かってきた?」

みほ「接触する寸前に、みんなで体重を後ろにかけてください……今です!」

ギュルルルルル!

アッサム「く、くまさんが……」

ダージリン「立ち上がった……?」

ガッ

みほ「戻して!」

ガリガリガリガリッ……!

オレンジペコ「えっ、ちょっ……!」

ガタンッ

ブォォォォッ…!

ダージリン「まさか、ウィリーさせてからチャーチルの上を走り抜けるだなんて……あんなオモチャで、なんて無茶苦茶な機動を……!」

沙織「やったよみぽりん!私たちすっごーい!」ギュウッ!

華「まだです!まだマウスが残ってます……!」


まほ「逃がさないぞ、みほ」

まほ「妹は姉の腕の中に。それがこの世のあるべき理」

まほ「左旋回、ゲートを封鎖しろ」

ギュロロロロロ

優花里「なるほど、鈍足の巨大戦車をわざわざ持ち込んだのはこのためだったんですね……!」

華「このままでは脱出できなくなってしまいます!」

沙織「麻子ぉ急いでー!」

麻子「もうやってる」

ブォォォォォ

沙織(ま、間に合わない……このままじゃ……!)

みほ「……はい、……はい、……」

沙織(みぽりん?こんな時に携帯で誰と……)

みほ「……今です、お願いします!」

ドォンッ!

バシィッ!ギュラララララ…

ガリガリ…ガリッ…

エリカ「っ……!履帯破損、行動不能です!」

まほ「外からの……砲撃?」

<黒森峰女学園、走行不能>


華「マウスの動きが止まった……?」

みほ「残った隙間を通過できますか?麻子さん」

麻子「それでも車幅ギリギリだぞ、すり抜けるからつかまっていろ」

ザリザリザリ

ブオンッ

<あんこうチーム、戦域離脱>

ブロロロ……

沙織「あっ、外にもまだ戦車がいたんだ」

華「マウスを止めてくれた戦車ですね」

優花里「センチュリオン……あれってもしかして」

みほ「ここで止めてください」

麻子「逃げなくていいのか」

みほ「大丈夫です、マウスの履帯を直さない限り、チャーチルも外には出てこれませんから」

キキーッ

スタッ

みほ「愛里寿さん」


カパッ

ストッ

愛里寿「みほ……」

みほ「ありがとう、おかげで助かりました」ペコリ

愛里寿「こっちこそ、ごめんなさい……みんなを止められなくて」

愛里寿「せめて、もっとちゃんと警告できれば良かったんだけど……」

みほ「ううん、心配してくれてありがとね」ニコッ♪

愛里寿「みほ……///」

華「あの、お話がよく分からないんですが」

沙織「あれ、どういうこと?」

優花里「ええと……つまりですね」

優花里「島田殿は、あのホ連の現・事務総長でいらっしゃるんです」

沙織「ええーっ!?」

麻子「てっきり秋山さんがあの連中のリーダーなのかと思っていた」

華「仲間だと思っていた人が実は敵のボスとか、燃える展開ですよね♪」

優花里「そんな!?私はお仲間を裏切ったりしませんよ!」ガビーン

優花里「まあ確かに、創設者にして初代事務総長は私なんですけど……」

沙織「やっぱりあんただったんかい!」コケッ

優花里「しかし、西住殿への愛、戦車道の実力、名家の血統に加えて圧倒的なカリスマを併せ持つ島田殿を支持する声が多く、私はその地位を退いたんです」

華「つまり下剋上されたんですね」

優花里「ううう……私はただ、西住殿のおそばにいられればそれだけでいいんですよぉ……」シクシク

麻子「元気を出せ秋山さん。涙と鼻水を拭け」ティッシュサシダシ

・今日はここまで

・続きは明日以降の予定

・再開

華「それで、あそこに残った方々はどうされます……?」

◇◇◇

キュラキュラキュラ

ダージリン「いい加減にこの不格好な代物をどけて頂けませんこと?みほさんの所に向かえないじゃありませんの」

まほ「交換用の履帯が届くまでは無理だ。どちらにしろ、おまえにみほを渡す気はない」

カチューシャ「アンタたち、一体何やってんのよー!情けないわね!」

ケイ「オーシット!一番情けないのはそっちでしょ?」

カチューシャ「何ですってぇぇ!?」

アンチョビ「あ、ああ……車体にヘコみが……おまえたち何てことしてくれるんだ、ウチにはもう予算が無いんだぞ!」

絹代「お言葉ではありますが、戦場のど真ん中で急停止される方が非常識かと愚考致します!」

アンチョビ「何だとー!突進しか能の無いおまえらに言われたくないぞ!」

絹代「余計なお世話です!こちらこそ、砂漠で西洋麺を茹でる貴殿たちには言われたくありません!」

ワーワー!

ギャーギャー!

◇◇◇

沙織「……もう放っといて帰っちゃおうよ」

麻子「同感だ」

みほ「……」スッ

みほ「私、行ってきます。皆さんとお話しして、ケンカをやめてもらいます」

華「しかし、みほさんが行ったらかえって皆さんを刺激して危険なのでは……」

沙織「そうだよ、みぽりんが行くことないよ!せめてみんなのお腹が空いて動きが鈍るのを待とうよ!」

優花里「な、なんだかホ連の皆さんが猛獣のような扱いに……」タラ

みほ「でもやっぱり、私のせいみたいだから……行かないとダメだと思うの」ニコッ

沙織「もー、みぽりんてばー……」ハァ

愛里寿「……どうして、そこまでするの?」

愛里寿「あの人たちは、みほを力づくで手に入れようとしたのに。それに、来年の大会ではまた、敵同士になるかもしれないのに」

みほ「あはは……まあちょっと、今日は驚いちゃったけど」

みほ「でも、ここにいるみんなや大洗の人たちと同じぐらい、お姉ちゃんも他の学校の人たちも……私にとっては大切だから」

みほ「私にもう一度、戦車道の楽しさを教えてくれた、かけがえのない人たちだから」

みほ「だから、行かないと」キッ

愛里寿「みほ……わかった」

愛里寿「だったら、一つだけ教えてあげる……」トコトコ セノビッ

みほ「?」

ゴニョゴニョゴニョ…

沙織(な、何よもー、内緒話なんかしちゃって……それにちょっとくっつきすぎじゃない?)ムムム

沙織(って、落ち着け私!相手は大学生とはいえ年下だし……モテる女はこんなことでヤキモチ焼いたりしないんだから!)ブンブン

愛里寿「……わかった?」

みほ「う、うん……でも、本当にうまくいくのかな……」

愛里寿「私のセンチュリオンの砲撃と同じぐらいには、確実」

──ゲート付近──

ガルルルル!

シャーッ!

フシューッ!

みほ「み、みなさん、聞いてくださーい……!」

まほ「その声は……みほ!?やっと私と一緒に帰る気になってくれたのか?」パアッ

カチューシャ「寝言言ってんじゃないわよ、このバカ姉っ!ミホーシャはカチューシャのところに来たのに決まってるじゃない!」

ケイ「さっきはソーリー、ミホ!これから一緒にランチでも行かない?」

ダージリン「あんな炭水化物と脂肪分たっぷりの食事なんて、みほさんの健康によくありませんわ」

ダージリン「みほさん、私と一緒に午後のフィッシュ&チップスでもいかが?」

ケイ「ウチの食事と大差ないでしょーが!」ガガーン

みほ「そ、そういうんじゃなくて……あの」

みほ「も、もうケンカはやめてくださいっ!」

みほ「私、皆さんと出会って……試合したりお話したり、大洗のピンチには一緒に戦ってくれたり……ちょっと不謹慎かもしれないけど、とっても楽しくて」

みほ「初めてなんです、こんなに戦車道が楽しいって思えるようになったのは。戦車が大好きだって思えるようになったのは……」

みほ「それなのに、私のせいで、皆さんがいがみあって……そのために戦車が使われちゃうなんて……」

みほ「そんなの、そんなの……悲しいですっ……」グスッ…


ドォーン!

まほダジケイカチュチョビ絹「!?」

優花里(その時、アハトアハトの直撃に匹敵するほどの衝撃がホ連の皆さんを襲ったといいます)

まほ「私の最愛の妹を泣かせるとは……収容所送りになる覚悟はできているんだろうな、おまえたち……!」ゴゴゴゴゴ

カチューシャ「ふざけんじゃないわよー!あんたたちこそ全員シベリア送りにしてやるわ!ミホーシャを泣かせた罪は百万ルーブルじゃきかないわよ!」

ケイ「ヘイナオミ、B29をこっちに回してくれる?目標はここにいる○○○○な●●●全員よ」

ナオミ『うちは戦略爆撃機なんか持ってないわよ、隊長』

ダージリン「こんな言葉を知っている?”乙女に涙を流させた不埒者どもは、世界の終りまで煉獄の炎で炙られ続けろ”」

オレンジペコ「ず、ずいぶん物騒な格言ですね……誰の言葉ですか?」

ダージリン「今私が考えましたの」

アンチョビ「そ、そんな、泣かせてしまうなんて……一体どうしたらいいんだ……」アワアワ

ペパロニ「とりあえずパスタでも茹でるっすか?」

カルパッチョ「さすがに現実逃避し過ぎじゃない?」

絹代(西住殿を悲しませてしまうとは、この西、人生最大の不覚……!)

絹代(でも、この胸の奥から湧き上がってくる、この感情はなんだろう?西住殿の涙、とても綺麗だ……)ゾクゾク♡

絹代(もっともっと泣かせてみたい……って私は何を考えているんだ、よりによって西住殿を相手に!恥を知れ絹代ぉー!)ポカポカポカ!

福田「うわっ!突然どうしたでありますか、西殿!?」ビクーッ!

ドタバタギャーギャー

沙織「や、やっぱり余計にこじれちゃってるみたいだよー!」

麻子「火に油だな」

優花里「ここは一旦、撤退を進言いたします」

華「その方がいいかもしれませんね」

愛里寿「……」


みほ(ど、どうしよう、ますます大変なことに……)アセアセ

──とっておきの言葉を教えてあげる、みほ

──あの人たちを止める、魔法の言葉……

みほ(ちょ、ちょっと恥ずかしいけど……試してみるしかないです!)グッ

みほ「み、みんな、ちゃんと聞いて!」

まほダジケイカチュチョビ絹「……?」

みほ「すぐにケンカをやめて仲直りしてくれないんなら……私、じゃなかった、えっと……」


みほ「みほ、みんなのこと、キライになっちゃうからねっっ!!」


ドゴォォーーンンッ!

まほダジケイカチュチョビ絹「!!??」

優花里(その時、カール自走砲の直撃を上回るほどの衝撃がホ連の皆さんを襲ったといいます)

「ご、ごめんなさーいっ!!仲直りするから、許してぇぇー!!」


沙織「うわぁ、みんな正座させられてる……」

華「仮にも戦車隊の隊長を務めるほどの方々なのに……」

麻子「シュールな光景だ」

優花里「む、無理もありません……皆さん、西住殿に嫌われるぐらいだったら自決するという覚悟を決めた方々ですから」

沙織「ムダに重いよ!」ガビーン

みほ「まったくもう、ケガした人がいなくて良かったですけど……勝手に戦車を持ち出したことが協会や文科省に知られたら、大変なことになっちゃいますよ!」プンプン

ケイ(怒ってるミホもチャーミングね……///)ハァハァ♡

みほ「ケイさん!ちゃんと聞いてますか!?」

ケイ「い、イエスマム!」ビシッ

ダージリン「あらあら」

カチューシャ「バカねー」ニヤニヤ

みほ「そこの二人も、私語は慎んでください!」キッ

ダージリン「し、失礼いたしました」

カチューシャ「き、気を付けるわミホーシャ……」シュン

みほ「それに、せっかくきれいになった駐車場をめちゃくちゃにして!」

ボロッ…

みほ「特にお姉ちゃん!なんでマウスなんて持ってきちゃったの!通ったとこが全部陥没しちゃってるじゃない!」

まほ「す、すまんみほ、ちゃんと直すから……」シオシオ

みほ「当たり前です!」

アンチョビ「そ、その点ウチの豆戦車は軽いから、あんまり問題ないよな?」ドキドキ

絹代「我らが九七式も中戦車と銘打ってはおりますが、性能のみならず重量も実際には軽戦車級ですので問題ないかと……!」

玉田(に、西殿!?それは言ってはならぬ約束ですよ!?)ガビーン

みほ「お二人はスピードの出しすぎです」

チョビ絹「す、すいませんでした……」


ダージリン「……」ビクビク

みほ「……ダージリンさん?」ジトーッ…

ダージリン「は、はいっ!穴を掘ったところも舗装も、ちゃんと元通り原状回復させて頂きますわ!」ピシーッ

みほ「今日中にですからね」

沙織「今後何かの役に立つかもしれないし、写真撮っとこーっと」ピロリンピロリン カシャカシャ

華「たくましくなりましたわね、沙織さん……」

麻子「むしろ黒くなった」

優花里(何故でしょう……あの方たち、怒られているというのに心なしか嬉しそうに見えるのは)

優花里(私もあちら側に行ければ分かるのでしょうか……)ゴクリ

優花里(戦車の修理と駐車場の補修作業が終わった後、完全中立の継続高校の方々の立会いの下、島田殿がホ連の解散を宣言)

優花里(同時に西住殿へのストーカー行為、戦車力行使の禁止も定められました)

優花里(ようやく西住殿と武部殿の周りに平和が訪れたようにも思えます)

優花里(でも、恒久的な平和が達成されたことなど、過去に一度でもあったでしょうか)

優花里(たとえ危機が去ったように思えても、その背後には第二、第三の危機の萌芽が……)

──後日、食堂──

沙織「みんな聞いて!」バン

華「どうしたんですか、沙織さん?」モグモグ

沙織「私、これからはモテを目指すのやめるから!」

優花里「どういうことでしょう?」

沙織「それよりも、もっともっと戦車のこととかいろいろ勉強して、みぽりんを支えられるような頼れる女を目指すの!」

みほ「さ、沙織さん……///」

麻子「そうか頑張ってな」

沙織「だってこのままじゃ、あの人たちがいつまたみぽりんに手を出してくるかわかんないし」

沙織「このままじゃ結婚しても全然安心できないパターンになっちゃうもん!」キッ

沙織「ダージリンさんたちに負けないような、誰から見てもみぽりんの理想の婚約者って思ってもらえるように、頑張る!」

みほ「沙織さん……///」

沙織「それでねそれでね、西住家のお義母さまとお義姉さまにも認めてもらって、正式に婚約するの!どう、この完璧な計画!」バーン!

優花里「あ、あの、今の発言の一部にものすごく不穏な発音が混じっていたような気がするのでありますが」ダラダラ

麻子「修羅場の予感しかしない」

華「初顔合わせの場には是非同席させていただきたいですわ!」ワクワク!

みほ「沙織さん……あのね?」

みほ「とってもとっても嬉しいけど……でも私は、今のままの沙織さんが大好きだよ?」

みほ「それに、これ以上素敵になられちゃったら、好きすぎて胸が破裂しちゃいそう……そうなったら大変だなーなんて///」エヘヘ

沙織「み、みぽりんっ……///」

みほ「沙織さん///」

沙織「みぽりん///」

みほ「沙織さん///」

…………
……



優花里「ま、また無限ループに突入してしまいました」

華「お互いを見つめあったまま動きませんねぇ」

麻子「本日何回目だコレ」

華「ところで私たち、何か大切なことを忘れていませんか?」

優花里「?」

「へぇー、また聞き捨てならない言葉が聞こえちゃったなー」

華「会長!?」

杏「なーんか、まるでまだ正式な婚約が済んでないみたいな会話だったねー」

あんこうチーム「あっ……(今思い出した)」

桃「1月1日の予定だが、朝4時半には大洗海岸イベント会場に集合するように」

みほ「ちょ、ちょっと待ってください!この前のお話では、動画データを提出すれば審査してもらえるということだったはずじゃ……」

柚子「動画データ、持ってるの?」

優花里「ありますけど……キスシーンは撮影できていないですよ?」

沙織「何で!?」ガーン

優花里「私その時衝撃のあまり気絶しておりましたので」

麻子「そういえばそうだったな」

杏「ま、連帯責任ってことで西住ちゃんと一緒に頑張ればいいんじゃなーい、武部ちゃん」

みほさお「」チーン

沙織「そ、そんな……本当にお嫁に行けなくなっちゃう……あれ?」

沙織「お嫁に行く予定の人と一緒にやる場合は、どーなるんだろ?」

みほ「さ、沙織さん……///」



ゆかはなまほ「……」


華「あの衣装、もう一度クリーニングした方がいいんでしょうか?」

優花里「貼るタイプのカイロなど、防寒グッズを大量に準備する必要があると思うであります」

麻子「4時半か、もう人間の生きられる時間じゃないな……いや、むしろものすごく遅い夜だと思えばいけるのか……?」

沙織「へ?ちょっとゆかりん、華に麻子も!3人はやんなくていいんだよ?」

みほ「しかもよりによって元旦のそんな時間に、いくらなんでも申し訳ないです」アセアセ

華「ひどいですわ、お二人ともそんな、他人行儀な」

優花里「あんこうチームはいつだって、一蓮托生でありますよ!」

麻子「……戦車ケーキ1回分おごりで手を打つ」

みほ「皆さん……」

沙織「あ、ありがと、みんなぁ……」グスッ

ヒョコッ

「……それ、私もやってみたい」

>>121 何故かお姉ちゃんが出てきたので、訂正

ゆかはなまほ→ゆかはなまこ

杏「やーやー島田ちゃん、けっこうウチの制服、似合ってんじゃーん」

愛里寿「……///」モジモジ

みほ「あ、愛里寿さん!?」

沙織「あー!な、なんでここに?」

柚子「今日から転校になったの。同じ2年生だから、いろいろ面倒みてあげて?」

華「大学から高校に転校なんて、ありなんですか?」

麻子「落第……じゃないな、逆飛び級か」

桃「島田流家元のゴリ押……たっての要望とのことで学園側も受け入れざるを得なかったようだ」

みほ「ど、どうしてそんなことを……?」

愛里寿「ええと、あの……」

愛里寿「大学よりも、大切なことを勉強するため……」

華「そんな特別な授業、この学校にありましたっけ?」

愛里寿「この前の試合の後から、ずっと考えてたの」

愛里寿「戦力も練度も連携も、ずっと私たちの方が上だったのに」

愛里寿「どうして負けちゃったのかって」

愛里寿「あなたたちは……まるでボコみたいだった。やられてもやられても、何度でも立ち上がってきて……」

愛里寿「装甲の薄い子も、火力の弱い子も、速度が遅い子も……お互いに仲間同士で助け合って、絶対に諦めなくって……」

愛里寿「私、戦車の事は何でも知ってるつもりだった。世界の誰よりも、お母様よりも」

愛里寿「でもこの前の時、みほの姿を見て……敵だった人たちすら、大切に想うみほの姿を見て、やっと気づいたの」

愛里寿「私、戦車の事は知ってたけど……一緒に戦車で戦う、仲間の事は……何も知らなかったんだって」

みほ「愛里寿さん……」

愛里寿「だから、お母様にお願いして、みほと、みんながいるこの学園に来たの」

愛里寿「戦車道にとって大切なこと……この世で一番大切なことを、勉強するために」

愛里寿「こんなの、迷惑……かな?みほ……」ウツムキ

みほ「そ、そんなこと……!」

みほ「そんなこと、全然ないっ!」ギュウウッ!

愛里寿「!」///

沙織(ちょっ、ちょっとぉ!何いきなり抱き締めちゃってんのみぽりんー!?)ガーン!

みほ「私だって同じだよ、愛里寿さん」

みほ「ここに来て、沙織さんやあんこうチームのみんなや……戦車道のみんな、周りで支えてくれる人たち……みんなに出会ったから、分かったの]

みほ「みんなの存在が、どれだけ大切なのかってこと」

みほ「迷惑だなんてこと、本当にないから!私もまだまだだけど……一緒に勉強しよう?」

優花里「もちろん私も大歓迎であります!……で、できれば島田流のお話なども聞かせていただけると、なおありがたいでありますけど……///」ゴホンゴホン

愛里寿「うん、もちろん……代わりにあんこう踊り、教えて……?」

麻子「いや、さすがにしょっぱなからあんこう踊りはハードル高すぎじゃないのか」

華「そうですよ、アレばかりはやめておいた方が……」

愛里寿「ううん」フルフル…

愛里寿「私、やりたいの」

愛里寿「みほと……みんなと一緒ならきっと、恥ずかしいことでさえ、楽しいって思えるから」

麻子「……まあ、そこまで覚悟ができているなら、反対する理由はない///」プイッ

華「愛里寿さんのサイズの衣装、発注しないといけませんね♪」クスッ

沙織(す、すごくいい子じゃないのぉ……)ウルッ

沙織(こんな子にヤキモチ焼くだなんて、私のバカバカ!)

沙織「ねぇねぇ、愛里寿ちゃんって呼んでもいーい?」

愛里寿「うん……ええと……沙織さん?」

沙織「うんうん、これからよろしくね♪」

愛里寿「あの、沙織さん……」

沙織「なになに?」

愛里寿「一つだけ……いい?」トコトコ セノビッ

沙織「?」

沙織(何だろ……また内緒話かな?)



愛里寿「最後に勝つのは私だから」ボソッ

杏「ま、自主的に参加するんなら自由だよん。そんじゃがんばってねぇ~」フリフリ

桃「う……ううううう……お、おまえたち、ちゃんと島田の面倒をみてやるんだぞっ……!」グスグス ズビーッ!

柚子「桃ちゃん、最近涙腺弱すぎ……ほら、鼻かんで」チーンッ


愛里寿「みほ……こないだ約束してた、ボコの大冒険のBD未収録の録画分、持ってきたから……今夜、私の部屋で見よう?」

みほ「ほ、ホントに!わぁ、ありがとう愛里寿さんっ!」パァァ

愛里寿「さんじゃなくて、呼び捨てでいい……だって、今日から、その……仲間だもん///」

みほ「じゃあ、えっと……間を取って、愛里寿ちゃん?」

愛里寿「何それ……」

アハハハ…


メグアズルミ「隊長ー!手続きするから職員室に来てだってー!」

愛里寿「うん、今行く……」

愛里寿「それじゃあ、みんな……また後で」

タタッ


華「最初お会いしたときはちょっと恥ずかしがりやさんなのかと思いましたけれど、可愛らしくて素敵な方ですね」ニコニコ

麻子「しかし、島田さんはまあいいとして、あの付き添い3人の制服姿はさすがにナシなんじゃないのか」

麻子「そう思わないか、沙織……沙織、どうした?」

沙織「……」ガクガクガク

沙織(い、今ハッキリ分かったよ)

沙織(最大の敵は……まほさんでもダージリンさんでも会長でもない)

沙織(あ、あの子なんだ……!)

みほ「えへへー、楽しみだなー、未放映の回ってどんな話なんだろ♪」ウキウキ

みほ「あ、愛里寿ちゃんの部屋、聞き忘れちゃった……LINEしてみようかな」ポチポチ

沙織(こ、これはもう、モタモタしてられない!)

沙織「み……みぽりんっ……!」ガシッ!

みほ「ひゃぁ!?ななな何、沙織さん?///」

華(沙織さんがいきなりみほさんの両手を握りましたわ)

沙織「前言撤回だよ、自分磨きは後回しっっ!」




沙織「今すぐ結婚して!みぽりんっっ!」

みほ「え、え……?」



みほ「ええええええーっっ!?///」ボフンッ!

ドヨヨッ!

ニシズミサントタケベサンガ?

アノフタリ、モウソコマデススンジャッテタノ?

キャーッ♪


麻子「おいおまえ、プロポーズするにしてももうちょっと場所とタイミングを考えろ」

みほ「あうあうあうあう……///」プシュー!

華「そうですよ、女の子はロマンチックなシチュエーションを夢見てるんだって、ご自分でおっしゃってたじゃないですか」

みほ「そ、そんな、まだ私、学生だし、収入もないし……!あっ、そうだ、お母さんに連絡しないと……!」ポチポチ

優花里「お待ちください西住殿ぉぉー!それはノルマンディー上陸に匹敵するレベルの大作戦になります!十分に、十二分に作戦を練りませんとー!」ガシッ

沙織「いいから、とにかく時間がないの!あ、そうだ、駆け落ち!駆け落ちしよっみぽりんっっ!」

麻子「いいからおまえも落ち着けバカ……!」


ドタバタ

──3学期 始業日──

杏「──んで、西住ちゃんたちの元旦あんこう踊りはどうだったん?」

柚子「すごく好評だったみたいですよ」

桃「注目度も大変なものでした。何しろ西住流と島田流の後継者にして、軍神と天才と並び称されるほどのライバルが一緒に、よりによってあの踊りを踊るわけですから」

柚子「海外のメディアまで取材に来てたって!」

桃「島田は直前の加入だったわけですが、踊り自体のパフォーマンスもまるでずっと昔からの仲間のように息ぴったりだと評判だったとか。終わった後も、何度もアンコールの声が絶えなかったそうです」

桃「あんこうだけに」

柚子「……」

杏「……」

桃「……」

柚子「……えっ?」

柚子「もしかして、ここでオトすの、桃ちゃん!?」

桃「うるさい!だから桃ちゃん言うな!」

杏「うまいぞかーしまー、座布団10枚っ!」ホシイモモグモグ

・桃ちゃんがオトしたので終わりです

・戦車は出ないと言ってたのに結局出してしまいすいませんでした

・読んで下さった方、とりわけレス下さった方、ありがとうございました。一部のレスはセリフや展開に引用させていただきましたことをお断りしておきます。

・もし別ルートエンディング(多分短い)の希望があるようでしたらキャラ名を書いてください。無いようでしたら明日以降HTML化依頼出しておきます。

乙!

ここは劇場版で一気に人気をかっさらっていったドゥーチェルートを!

>>135 チョビさん了解です、少々お時間を頂きます。具体的に言うとパスタをゆでるよりは時間かかるよ!

ここから唐突のミカルート
風に流れてきたのさ

初代事務総長にも希望を

当然まほルートを

>>137>>138 >>139 了解です

──アンツィオ高校学園艦──

カルパッチョ「全員、整列!」

アンチョビ「きっと奴らは言っている……ノリと勢いほど恐ろしいものはないと!」

アンチョビ「紹介しよう、今日から私たちの仲間になる、元大洗女子学園戦車隊隊長、西住みほだっ!」

ウォォォォ…!

ドゥーチェ!ドゥーチェ!

グンシン!グンシン!

アンチョビ「……」ダラダラ


みほ「あ、あの……さすがにそういうわけにはいかないっていうか……」

みほ「次に寄港するの、いつですか!?」

ペパロニ「すんません10日後っすー」

カルパッチョ「ごめんなさいね、まさかうまくいくなんて思ってなかったから……」

ペパロニ「この後、どーするんすか姐さーん」

アンチョビ「……」ダラダラダラ


アンチョビ「と、とりあえず宴だ!宴の準備をしろっ!」


イヨッシャー!カカレー!

──宴の後──

グー…グー…

フニックリッフニックラー

ハナビヲウチアゲロー!

オドレオドレー!



アンチョビ「その、ええっと……ゴメンみほ……無理矢理連れてきちゃったりして……」

みほ「いえ、あの……楽しかったですから」

アンチョビ「ほ、本当か?」

みほ「はい、お料理も美味しかったですし、皆さんとっても楽しい方たちばっかりで……」

アンチョビ「そ……そーだろそーだろ!ウチはお金は無いけど、食べ物にだけはめちゃくちゃこだわってるからな!」

アンチョビ「生徒たちも……その、ちょっとノーテンキなとこもあるけど、みんないいヤツばかりだし!それにそれにな……!」キラキラ!

みほ「くすっ……」

みほ「本当にこの学校が大好きなんですね♡」

アンチョビ「う、うん……///」カァァ

アンチョビ「でもな……もし私に、もう少し力があれば……こんなダメなドゥーチェじゃなければ……」

アンチョビ「みんなに苦労をかけたり、ノリと勢いだけなんてバカにされることもないのにって思うと……ときどき情けなくなるっていうか、な……」ショボン

みほ「アンチョビさん……」

アンチョビ「ご、ごめん!こんな湿っぽい話をするなんて、ウチの校風に合わないよな!あははは……」

みほ「アンチョビさんは、ダメなんかじゃないと思います」ニコッ

アンチョビ「みほ……?」

みほ「ここの生徒の皆さんを見ればわかります。みんな、アンチョビさんを心から慕ってるってことが」

みほ「私の友達が、前言ってました。”ここでしか咲けない花もある”って」

みほ「あなたは、ここでしか咲けない花を咲かせてる……大輪の、見渡す限りの花を」

アンチョビ「みほ……!」

アンチョビ「あ、あの!言っておかなきゃならないことがあるんだ!」

みほ「何ですか?」

アンチョビ「もしかして誤解してると困るから……その、言うけど……」

アンチョビ「私は、おまえに戦力になってもらいたいから連れてきたわけじゃないからな!」

アンチョビ「ウチは、おまえが倒したサンダースとかプラウダとか黒森峰に比べれば、全然弱小だけど……」

アンチョビ「全然バカにしたりなんてしないで、全力で戦ってくれて……それがすっごく楽しくて……」

アンチョビ「こんなこと、初めてだったんだ……そうしたら、戦いが終わってからも、おまえから目が離せなくなって……」

ペパロニ(まー、黒森峰戦では寝過ごしちゃったっすけどねー)

アンチョビ「そう、寝過ごし……っておい!?」ギョッ

アンチョビ(何やってんだそんなとこで!)

ペパロニ(姐さん、話が分かりにくいっすよー)

カルパッチョ(みほさんがきょとんとしてますよ)

ペパロニ(どーせ難しい作戦とかできないんすから、ガンガン正面から攻めましょうよ!)

モブ一団(ドゥーチェ!ドゥーチェ!いけいけー!西住さんを落としちゃえー!)

アンチョビ(うぉぉい!何人隠れてんだよおまえら!?)ガビーン!

みほ「……あの、アンチョビさん?」キョトン

アンチョビ「ご、ごほん!///」

アンチョビ「つ、つまりだな……その……」

アンチョビ「み、みほっ!」ギュウッ

みほ「ふえっ!?///」

ペパロニ(おおっ!手を握ったっす!)

カルパッチョ(さすがドゥーチェ!)

モブ(ドゥーチェ!ドゥーチェ!)

アンチョビ「あの……だから……わ、私は、おまえのことがだな……///」

みほ「は、はい……///」

アンチョビ「おまえのことが、す…す…」

ペパロニ・カルパッチョ・モブ(おおおおおお……!)

アンチョビ「す、すぐ帰るのも何だから、ほとぼりを冷ます意味でももう少しゆっくりしていけ、な?」アハハハ

ペパロニ・カルパッチョ・モブ「って、ここまで来といてヘタレるんかーいっっ!!」ビシィィッ!

アンチョビ「痛って!?」

みほ「み、皆さん!?そこにいたんですか?」

ペパロニ・カルパッチョ・モブ「あ」

アンチョビ「お、お……」ビキビキッ

アンチョビ「おまえらぁぁぁ……!何してくれてんだぁぁー!」

ペパロニ「やべっ!またマカロニ作戦がバレたっす!」ダダダダ

カルパッチョ「むしろここまでバレなかった方が不思議だけど」タタタタ

モブ「にっげろぉぉー!」アハハハハ

アンチョビ「こらぁぁぁー!おまえら待たんかぁぁぁー!」ズドドドド

みほ「……」ポカーン


みほ「……くすっ」

みほ(アンチョビさんって、本当に面白い人です♡)

みほ(アンツィオのみんなも、みんな楽しい♪)

みほ(お別れするのが、ちょっと寂しくなっちゃうかな……)

──10日後 大洗港──

チャオ!ボンジョールノー!

みほ「……」フリフリ



カルパッチョ「行っちゃいましたね……」

ペパロニ「10日も一緒に居て、結局やっとメルアド交換できただけとか、どんだけヘタレなんすか……」ハァ

アンチョビ「う……うるさいうるさーい!」キーッ

アンチョビ「ずっと一緒に居たから、分かっちゃったんだよ」

アンチョビ「みほが……あいつが咲くべき場所は、ここじゃないって……な……」

ペパロニ(何遠い目してんすかね)

カルパッチョ(とりあえず、全然似合わないわね)

アンチョビ「うぉい、聞こえてるぞ!最後ぐらい決めさせろよ!」ガビーン


ピリリリ

アンチョビ「あれ、メールが来た」ポチポチ


【また、遊びにいきますね】

【たくさんのお花と、楽しくて、とっても優しいあなたに会いに】

【西住みほ】

・エンディングの3人組が一緒に歌ってるところ可愛すぎるよね

・アンツィオは、モブのみんなに至るまで愛しくてしょうがない

・次はスナフキもとい、継続さんいきます。また少しお時間いただきます

できれば愛里寿ちゃんルートも是非

>>152 了解です

アンツィオ西住は平和な感じで和むね

ジャスミン様と化した西住殿見たいです(小声)
ダー様もだけどペコちゃんもかなりみほファンだと思う

>>154 ダー様ルート了解です!

──森の中──


パチ…パチ…

アキ「……」Zzz…

ミッコ「むにゃ……ニシン、もっとちょうだぁい…」

みほ「……」ゴロン

ミカ「眠れないのかい?」ポロン

みほ「あ、はい……」モゾモゾ スワリ

ミカ「野宿するのは初めてみたいだね」

みほ「何だか、不思議な感じで……星空を見ながら眠るなんて……」

ミカ「ふふっ」

ミカ「私たちには、こういう旅があっているのさ」


みほ「あ」

みほ「あの……助けて頂いて、ありがとうございました」

みほ「チャーチルが埋まってるなんて、全然気づかなくて……」

ミカ「人は間違いをおかすもの」

ミカ「彼女だって、君を傷つけるつもりはなかった。それは分かってるだろう?」

みほ「はい……」

みほ(うん、分かってる……)

みほ(さすがのダージリンさんだって、後ろに目がついてるわけじゃないから)

みほ(穴に落ちたのは、たまたまタイミングが……ううん、私が油断してたから……)フルフル

ナデナデ

みほ「ひゃっ?///」

みほ(ほっぺた撫でられた……)

みほ(でも、ミカさんの手、冷たくて気持ちいい……)

ミカ「過ぎたことなんて、考えなくていいんだよ」

ミカ「君も君の友達も、みんな無事だった。それが一番大切な事だと思うな」

ミカ「でも、君だけが落っこちそうになった時は驚いたよ」フフッ

ミカ「ただ見物しているだけのつもりだったのに、思わず手を伸ばしてしまった」

ミカ「本当に君は、不思議な人だね……」ポロロン

みほ「わ、私はそんな……ミカさんこそ、その、ミステリアスっていうか……えっと……」

みほ「何だかすみません……私、何言ってるんだろ……」ウツムキ

ミカ「私は単純な人間さ」

ミカ「風の流れるままに」

ミカ「ただ、それだけ……」

みほ(そう呟くミカさんの瞳に、満天の星空が映りこんでいて)

みほ(私は、何だか吸い込まれるように、眠気に誘われて……)

みほ(ミカさんに甘えるように寄りかかりながら……)

ミカ「お休み、可愛い人」

ミカ「明日の朝には送って行ってあげる」

ミカ「君を待ち焦がれている人たちと、屋根のある暖かい家にね」

ミカ「だからそれまで、ゆっくりとお休み」

──これは、お休みの挨拶だよ

──フィンランド式のね

──また会おう、風が巡り合わせてくれるのなら

みほ(優しい声と、唇に柔らかくて少し冷たい感触を感じながら)

みほ(静かなカンテラの音色を聴きながら)

みほ(私は……星空の下で、ゆるゆるとした眠りに……)



──後日、大洗女子学園艦──

カチャカチャ カチャカチャ ……ッターン!

みほ「……っっ!///」

華「みほさん、さっきからパソコンで何をしてるんですか?」

【フィンランド式 挨拶 検索】

沙織「みぽりん?顔真っ赤だよ?」

みほ(ミ……ミ……)

みほ(ミカさんの……)



みほ(嘘つきーっっ!///)

・継続さんの活躍は誠にすばらしいものでありましたね

・しかし楽器を弾きながら戦うとかどんだけ器用なんだ

・次は忠犬ルートいきます

乙です

もういっその事、みぽりんブチギレで全員ぶちのめしてしまう、軍神大激怒ルートってできません?

みほ「ねえ、優花里さん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」

優花里「あ、はい!何でありますか?」

みほ「愛里寿ちゃんから聞いたんだけど……私のその、何とかを守る連合とかいうのを作ったのが優花里さんって……本当なのかな?」

優花里「ひぇぇっ!?」ビクーッ

優花里(に、西住殿の笑顔が……いつもと違って、何だかものすごい迫力を漂わせていますっ……)

みほ「ねぇ……どうなの?」

優花里「も……も……」

優花里「申し訳ございませんでしたぁぁー!」ドゲザァ!

みほ「それじゃわからないよ」

みほ「私はね、みんなが戦車であんな風にいがみあうことになっちゃった原因が、誰のせいなのかな?って聞きたいだけなんだけど」

優花里「ひぃぃぃ……」ガクガク

優花里「す、全て、私の……秋山優花里のせいでありますーっっ!」

優花里(西住殿と一緒に居て、このような恐ろしい沈黙が、かつてあったでありましょうか)

優花里(顔が……顔が上げられませんっ……)ブルブル

優花里(し、しかし……許していただけないとしても、せめて謝罪だけでも……)

みほ「困ったなぁ」

優花里「な……何が、でありますか?」

みほ「そんなことする人と、これからも一緒にいるなんて」

みほ「身の危険を感じちゃうなぁ、って」

優花里(いやいやいや、今かつてないほどの身の危険を感じているのは私の方でありますっ!)ガビーン

みほ「会長さんに言って、チームだけでも再編成させてもらわないと、ダメかなぁ?」

ピシャーンッッ!!

優花里「そ、それだけは!それだけはぁぁ……!」スガリツキ

優花里「な、何でも!何でも致しますから!」

優花里「どんな身分でも構いません!どうか、せめておそばに……おそばにいさせてくださいっ……!」

みほ「私、まだ動いていいよって言ってないんだけど?」

ズザザザッ!

優花里「ももも、申し訳ございませんでしたっっ!自分の身をわきまえますっ……!」

みほ「ふぅぅーん……何でもするんだ?」

優花里(わ、私、言葉の選択を間違えたでありましょうか)ゾクゥッ

優花里(でもでも、許していただけるのなら、どんなご命令であろうとも……)

みほ「ねぇ、優花里さんの好きな色って、何?」

優花里「す、好きな色……ですか?え、ええと……迷彩色、ですかね」

みほ「迷彩色?そんなのあるかなぁ」

優花里「へ?な、何がですか?」

みほ「首輪とリードだよ?」

優花里「」

優花里(わ、私に着けろとおっしゃっているのですか?そうなんですか!?)ガタガタ

みほ「あんまり目立つと、風紀委員さんに没収されちゃうかなぁ……」

優花里(学校にも!?)ガビーンッ

優花里(で、でも……むしろそれぐらいで許して頂けるのなら、安いモノなのでは……)

優花里「わ、わかりました」

優花里「不肖、秋山優花里!喜んで、着けさせて頂きますっ!」

みほ「ねぇ優花里さん」

優花里「は、はいっ?」

みほ「優花里さんは、私にとっての何?まさか、対等な人間だって思ってるの?」

優花里「……」ガクガクガク

優花里「も、申し訳ありませんっ……!」

優花里「私は、西住殿の……西住殿の……卑しい飼い犬でありますっ!」

みほ「なるほどね」

みほ「優花里さんは、私のわんちゃんなんだ?」

優花里「は、はいっっ!」ビシッ

みほ「おかしいなぁ……最近のわんちゃんは、人の言葉を喋れるんだ?」

優花里「」

優花里「わ……わ……」

優花里「わんっ!わんわんっ!///」

みほ「ねぇ。わんちゃんって、二足歩行するものなの?」

優花里「わ、わんっっ……!」ヨツンバイ!

みほ「まあ、ちょっとはわんちゃんっぽくなったかな?」

みほ「じゃ、お散歩に行ってみようかな」

みほ「とりあえず、戦車道のチームのみんなに、お披露目しないとね」

──わ、わんわんっ!わふーっっ!!///

──ちょっと優花里!

──優花里!

ガバッ!

ゆかりん母「もう、どうしたの?犬みたいな寝言言って」

ゆかりん母「日曜日だからっていつまで寝てるの?さっさと起きなさい」

優花里「ゆ……」

優花里「夢……で、ありましたか……」ゼー…ゼー…

優花里(そ、そうですよね!こんなの夢オチに決まってますよね!)ホッ

優花里(あの優しい西住殿に限って、あんなのあり得ないですもんね!)

優花里(でも……ちょっとだけ、ドキドキしたかも……///)

優花里(正座していたホ連の皆さん気持ちが、少しだけ分かりました!な、なーんちゃって!///)モジャモジャー!

ゆかりん母「全く変な子ねぇ……」フゥ

ゆかりん母「お友達が来てるわよ、早く着替えなさい」トットットッ…

優花里「お……」

優花里「とも、だち……?」

トントントン

「優花里さん、おはよう♪朝からごめんね?」

優花里「に……にしずみ、どの……」ゾワワッ!

優花里「あの……どんなご用事で……ありましょうか……?」オソルオソル

みほ「うん」

みほ「ちょっとだけ、優花里さんに聞きたいことが」

みほ「あるんだぁ……」ニッコリ

・なんか不遇な感じになっちゃってごめんゆかりん

・でも不遇イコール不幸とは限らないのだ

・本日は以上になります

・明日夜以降、お姉ちゃん(+お母様)ルートから再開できると思います

・それではおやすみなさい

>>162 何だか難しそうwww  他のを書いてる間に考えてみます!

エリカさんルートも見たいな

沙織アフターお願いします

・ >>173 >>174 検討中ということでお願いします

・再開

・まほルートというよりは西住家ルート

まほ(西住まほです)

まほ(年の瀬の今日は、久しぶりに妹のみほが帰省する日)

まほ(本来なら、いつも通り戦車で駅まで迎えに行きたいところなのですが)

まほ(今日は、そうもできない事情が……)

ウロウロ アタフタ

しほ「どうしましょう、みほを迎えるための服が決まらないわ……」

しほ「意見を聞かせてちょうだい、まほ!このシックなグレーとちょっと派手なライトブルーのドレス、どっちがいいかしら?」

まほ「両方却下です。どこの晩餐会に出席する気ですか」

しほ「!?」ガーン

まほ「あのですね、帰省する娘は普通、母親の服装がどうとか気にしません」

まほ「いつも通りでいいんです、いつも通りで。黒のパンツスーツでいいではないですか」

しほ「で、でも……いくら地上波放送でも劇場版でも登場シーンは短いとはいえ、あまりにもワンパターン過ぎるっていうか……」

しほ「お母さん服装のセンスがダサいからキライ!とかみほに思われたりしないかしら……」

まほ「心配ありません。私もみほも私服センスについては同じようなものですから」

しほ「あっ!そろそろ時間じゃない!?」

まほ「それ1、2分ごとに聞いてますよね。まだ余裕ありますから」

しほ「そ、そう……あ!」

しほ「みほへのプレゼント用のボコTシャツとボコぬいぐるみ、どこに置いてたかしら?」

まほ「いつも通り私の部屋に置いてありますが……それより以前からの分のプレゼントが溜まりに溜まっているので、いい加減勇気を出してご自分で渡してもらえませんか?邪魔でしょうがないんです」

しほ「だ、だって!モノで機嫌取ろうとするような安直な考えのお母さんなんてキライ!とか思われたらって思うと、怖いんだもの……」グスッ

まほ「だったら無駄に買うのをやめてください」

しほ「でも渡したいの!みほが喜ぶ顔がみたいのよ、なんでわからないの!」キッ

まほ(この母親……)イラッ

スーッ

使用人「家元」

しほ「なんです」スクッ ピシッ

使用人「みほお嬢様が、後10分ほどでお着きになるそうです」

しほ「そう、ご苦労。下がって良いわ」キリッ

使用人「はい」

スーッ

しほ「……」

まほ「……」

しほ「どどどどど、どうしましょう!あ、あ、後10分!?私、お化粧おかしくないかしらっ!?」ドタバタ

まほ「だから帰省する娘がそんなの気にするわけないでしょう!そんなことよりですね」

まほ「何とかならないんですか?その外面モードは」

しほ「な、なんですそれは?」

まほ「さっきの”ご苦労下がって良いわ(キリ)”みたいなやつですよ」

まほ「もちろん、使用人相手なら問題ありませんし、公的な場所では大変威厳があってよろしいんですが」

まほ「なんでいつもそのモードをみほにも向けてしまうんです?」

しほ「だ……だって、だって……昔から、大好きな人の前だと緊張しちゃってダメなんだもの……」オロオロ

しほ「あ、あなたの前ならこの通り大丈夫よ、まほ」

まほ「安心感とイラツキを同時に感じることって可能なんですね、勉強になりました」

まほ「とにかく、今日はその外面モードを緩めて、少しでも母親らしく接してください。でないとみほを余計に怯えさせてしまいます」

しほ「りょりょりょ了解よ、これでも西住流家元、それぐらいやりとげてみせるわ。パンツァー・フォー!」ガチガチ

使用人「お嬢様がお着きになりました」

しほ「そう」スクッ ピシッ

スタッ

みほ「た、ただいま……お母さん、お姉ちゃん……」オドオド

まほ「おかえり」ニコ

しほ「……よく帰ってきたわね、みほ」ギンッ…!

みほ(ひっ!?)ビクーッ!

みほ(お、お姉ちゃんがお母さんはもう怒ってないって言うから、せめてお正月ぐらいはと思って帰ってきたけど……」

みほ(こ、この眼光……険しい表情……どう考えても、”よくもおめおめと顔を出せたわね、この西住家の恥さらしが”って顔だよぉぉ……!)ガタガタ

しほ「……少し、話をしましょうか。こちらに入りなさい」スッ

みほ(こ、この氷点下の雰囲気でいきなり応接室に……?は、話って……)

みほ(やっぱり、ついに勘当を言い渡されちゃうの……!?)ガクガク

スタスタ…

みほ(相変わらず……背筋が鋼鉄でも入ったみたいにピンと伸びてて、一部の隙も無くて……)

みほ(何を考えてるのか、まったく伺い知ることもできない)

みほ(いつものお母さんの背中だなぁ……)

しほ「……」キリッ


しほ(ヒヤッホォォォウ!7か月と18日と6時間23分ぶりにみほがわが家に帰ってきたわ!)

しほ(やっぱり末の娘は最高だぜぇぇぇぇ!)


ピタ

しほ「……」ギロ

みほ「!」ビクッ

みほ(な、何で止まったの!?何でティーガーⅡがトーチカに狙いを定めてる時みたいな視線を突き立ててくるの!?)ブルブル


しほ(みほったら、やっぱり少し背が伸びたみたいね!あっ、でもちょっと痩せたんじゃないかしら?ちゃんとご飯食べてるのよね?大洗のご飯が合わないなんてことはないわよね)

しほ(今日はせっかく帰ってきたんだから、美味しいものをたくさん食べさせましょう。マカロンもいっぱい買ってあるし!ふふふ……)


しほ「……」ニィッ…

みほ(ひぃぃぃぃぃっ!?)ドキーンッ!

みほ(何でそんな、猛獣が獲物を捕捉した時みたいな笑みを浮かべてるの、お母さん!?)ビクビク!


まほ(ああ、これいつものダメなパターンだ……)アタマカカエ

──応接室──

みほ「……」ビクビク

まほ「……」

しほ「……」

カコーン…

まほ「……」

しほ「……」

みほ(か、会話が……続かないどころか、全く存在しないよぉ……)

みほ(こ、この沈黙……一体どうしたらいいの……)

みほ(って、あれ?よく見るとお母さんの膝の上の拳が、震えてる……表情は全然いつもと変わらないけど……)

みほ(も、もしかして、私があまりにも勝手な事ばっかりするから、ものすごーく怒ってるんじゃ……私、この家を生きて出られるの……!?)ゾゾォーッ

みほ(沙織さん、ごめんなさい……!もしかしたら私、もう沙織さんの元に戻れないかも知れない……っ!)ギュウウ

しほ「……」ブルブル

しほ(抱き枕でもポスターでもバスタオルでもない、ほ、本物のみほが目の前に……!)

しほ(きき緊張して頭の中が真っ白に……え、えっと確か、最初にこっちから話題を振るのよね……)


まほ(そうです、お母様)

まほ(まずは天気や健康など無難な話題で……さながら主砲の前に機銃射撃で照準を修正するが如く、とにかく会話の糸口を切るのです)

まほ(一旦会話のキャッチボールが始まれば……砲戦の応酬が機動戦のリズムを作り上げるように、徐々に会話がスムーズになっていくはず)


しほ「……みほ」

みほ「は、はいっ!?」

しほ「理事会の方から聞いたのだけれど……あなた、婚約を宣言した相手がいるらしいわね」

みほ「!?」

みほ「お、お母さん……し、知ってたの……?」


まほ(ちょっ!?)

まほ(何でよりによって最初にその話題をチョイスしたんですか!)

まほ(無差別爆撃から開始してどうする!いきなり一面焼け野原じゃないですか……!)ガガーン

しほ「……何故私の許可を得ずに、そのようなことを?」ギリッ

みほ「お、お母さん、待って……は、話を聞いて……!」

みほ「ちゃんと先に相談しなかったことは、謝ります!」

みほ「でも、でも、沙織さんは、私にとってすごくすごく大切な人なんです」

みほ「道を見失って、一人だった私に、太陽のような笑顔を運んできてくれた人なんです」

みほ「戦車道の家柄とか、エリートコースとかとは確かに関係ないけど……」

みほ「でもでも、これからもずっと一緒に居たいって、心から思える人なの」

みほ「勝手なお願いなのは分かってるけど……ど、どうか、婚約を許してほしいんです」

みほ「どうしても許してもらえないなら……つ、辛いけど、勘当されてもしょうがない……って、お、思ってます……」ポロポロ…

しほ「……そう」


しほ(って、違うのよぉぉー!そういう意味じゃないの!)

しほ(好きな人ができたんなら、せめてお母さんに相談してくれてもいいじゃないってことなのよー!)

しほ(あらー、その子のどこが好きになったのー?とか、こんど連れてきなさいよやだー恥ずかしいよー、とか、親子でキャッキャウフフな会話、してみたいじゃない!)

しほ(ああ、みほが泣いちゃってる……ええとどうしたらどうしたらどうしたら……)

まほ(この様子では……こちら側の陣地から事態を打開するのは不可能だな)

まほ(となれば……)

まほ「みほ、ちょっとこちらに来なさい」

みほ「え、で、でもっ……」グスッ

まほ「大丈夫だから、ちょっとだけ話を聞いてくれ」

みほ「う、うん、お姉ちゃん……」



みほ「え……そ、そんなことを言うの……?あ、あのお母さんに……?」

まほ「この前おまえが私やプラウダ、聖グロリアーナの隊長たちを制圧した時の逆をやるだけだよ」

まほ「私を信じろ。撃破率は120%だ」

みほ(ええーっ……今の言葉で逆に一気に信用度が下がった気がするよぉ……)


──東富士演習場──

亜美「くしゅんっ!」

亜美「うう、いくら暖冬とはいえ、吹きっ晒しの場所でずっと演習指揮してると、ベリーコールドね……」ズビッ

まほ「失礼しました、戻りました」

みほ「も、戻りました……」

しほ「……」ギロリ

みほ(ひぃっ!や、やっぱりすごく怒ってるんじゃ……)ブルブル

まほ(違う。アレは頭の中が真っ白になって何も考えていないときの顔だよ)

まほ(突撃だ、みほ)

まほ(十数年来の膠着状態を撃ち破れ!)

みほ(う、うう……うまく行くなんて到底思えないけど)

みほ(どんなに厳しくても、私が期待に応えられなくても……)

みほ(やっぱり私の、大事なお母さんなんだもん)

みほ(仲直りして、沙織さんとのことを認めてもらえる可能性が少しでもあるのなら……!)グッ



みほ「ね、ねぇ、お母さん?」

しほ「なんです」

みほ「わ、私……じゃなかった……///」

みほ「み、みほね!お母さんのこと、だーいすき!心配かけちゃって、ごめんなさい!」ギュウウウッ!

みほ「これは、おわびのしるしだよ?」ホッペニチュッ♪

ドドォォーンッッ!

しほ「!!??」



まほ(その時、一個艦隊の艦砲斉射にも匹敵するほどの衝撃がお母様を貫いたという)

しほ「……」

みほ(ぜ、全然表情一つ変わってない……こ、こんな恥ずかしい思いしたのに、やっぱり失敗……?///)

まほ(……いや、違う)

しほ「……許すわ」

みほ「……え?」

しほ「……婚約を、許すといったの」

みほ「ほ……本当に?お母さんっ……」

しほ「ええ……お母さん、何でも許しちゃう!だってみほの幸せのためだもん!」

みほ「へ?」

しほ「だってだって、みほはお母さんのこと、大好きなんでしょ♡」

みほ「え?う、うん……まあ……」

しほ「だったら何の問題もないじゃなーい!母娘の愛は、全ての事項に優先されるのよ!」パァァァァ

しほ「ねぇねぇ、その子ってどんな子なの?可愛い?優しい?今日連れて来てくれれば良かったのにー!」

みほ「……は?」

しほ「いよーし、今日はお祝いしましょうー!みほの大好きなお料理もお菓子もたくさん用意してあるのよ!」

しほ「ちょっと厨房の様子、見てくるわね!」ルンルルーン タタッ♪

みほ「……」アングリ

まほ「大丈夫か、みほ。良くやった。おまえの一撃のおかげで、お母様の外面モードは崩壊したぞ」

みほ「……」パクパク!

まほ「ああ、今突然マジックで入れ替わったわけじゃない。あの人は正真正銘西住しほ、お前の母親だ」

みほ「……」ブンブン

まほ「いや、別に変なものを拾い食いしたわけじゃない。妙な薬物を摂取したわけでもない」

みほ「……」プルプルプル!

まほ「信じたくない気持ちはよく分かるが、あれが……お前のお母様の真の姿なんだ」

みほ「……」ドンドンドン!

まほ「落ち着けみほ、諦めろ。これが現実だ。受け入れるしかないんだ……」トオイメ

──3日後 畦道を走るⅡ号戦車──

ゴゴゴゴゴ…

みほ「それにしても、お母さんがあんな人だったなんて……」

まほ「大変だったな、みほ」

みほ「うん……この年でお母さんとお風呂に一緒に入ったりお布団一緒で寝させられるとは思わなかったよ……///」

まほ(それはちょっとかなりうらやましいが……)

まほ「一応言っておくが、勘違いはするなよ。今は十数年来の反動で激甘ダメ母みたいになっているが」

まほ「あれでも古式の西住流を継承する人間だ。おまえの自由な戦車道と相容れることはないだろう」

みほ「うん……」

まほ「でも、それでいいんだ」

みほ「お姉ちゃん?」

まほ「家も流派も、門下生も……おまえを縛りつけるかもしれないものは全て、私が受け継ぐからな」

まほ「旧いものは全て、私が引き受ける。みほは新しい道を切り開いていけ」

みほ「そんな……お姉ちゃん……それでいいの?」

まほ「ああ」

まほ「昔は……おまえとこの道を駆け抜けていた頃は……私たちはずっと一緒なんだと思っていた」

まほ「ずっと一緒で……いつまでもこの手で、みほのことを守ってやるって、思っていたんだ」

みほ「お姉ちゃん……」

まほ「でも、離れてみてようやく気づいたよ」

まほ「共に寄り添う事だけが、愛情の全てじゃない」

まほ「たとえ空と海に隔てられても……私はいつだっておまえのお姉ちゃんだ」

まほ「だから、家の事は気にせず、思う存分やってこい。困ったら、いつでも頼れ」

みほ「うんっ……ありがとう、お姉ちゃんっ……!」

ギギィーッ

まほ「今日も駅まででいいのか?」

みほ「うんっ……よいしょ、っと……」ガサガサ

みほ「きゃあっ!」コケッ

まほ「おっと」グイ

みほ「ご、ごめんね、お姉ちゃん///」

まほ「大丈夫だよ。それよりその大量のプレゼント、本当に自分で持って帰る気か?」

みほ「うん……ちょっと大変だけど、何年分ものお母さんの気持ちだもん。ちゃんと自分で持ちたいの」

まほ「……おまえは、強くなったな」ナデナデ

まほ「今度はあの……武部さんといったか、あの子と一緒に来なさい。歓迎するよ」

みほ「……本当に?」ジトーッ

まほ「なんだその目」

みほ「だって、沙織さんのこと子ネズミーとか言ってたし」

まほ「む……大事な妹を奪っていくんだ、ちょっとぐらいは嫉妬したっていいだろう」

みほ「マウスを持ち出すのはちょっとじゃないと思うけどなぁ」

まほ「うっ……」

まほ「とにかく、大丈夫だ、信用しろ」

みほ「また撃破率120%?」ジト

まほ「そうじゃなくて……結局は私もお母様と同じってことさ」

みほ(おまえさえ幸せでいてくれるなら……もうそれだけで、他の事なんてどうだってよくなってしまうんだよ)

みほ(そう言って笑ったお姉ちゃんと、Ⅱ号戦車の後ろには……どこまでも澄み渡る青空が広がっていて)

みほ(ほんの一瞬だけど、季節も年月も飛び越えて、戻れたような気がした)

みほ(あの、お姉ちゃんと過ごした、かけがえのない夏に──)

・お姉ちゃんが本編より理性的なのは、IFルートかつ重症すぎるお母様のフォローで手いっぱいでシスコンを発揮する余裕がないからってことで

・次は島田さん、多分今日はそこまで

──愛里寿の部屋 夜──

みほ「ううう……ボコの過去にそんな悲しい秘密があったなんて……」グスグス

みほ「感動しちゃった……ありがとう、愛里寿ちゃん。それにしても、10年前の録画データなんてよく持ってたね」

愛里寿「うん……喜んでもらえて、良かった」ニコ

みほ「あ、もうこんな時間!私、もう帰るね?ごめんね、こんな遅くまで……」

グイッ

みほ「?」

愛里寿「待って、みほ」

愛里寿「夜1人で歩くのは危ないし……今日は泊まっていって」

みほ「ええーっ?でも、いきなりお泊りなんて迷惑でしょ……?」

愛里寿「そんなことない」

愛里寿「それに……あの……」

愛里寿「初めての部屋で一人で寝るの……ちょっと怖い……///」

みほ(そっか……天才少女って言われて、大学に飛び級で入るぐらいのすごい子でも)

みほ(まだ13歳の女の子なんだもんね)クスッ

愛里寿「あ……笑った……」ムゥーッ

みほ「あはは、ごめんね?でも大丈夫、私も初めて一人の部屋で寝た時はちょっと心細かったもん」

愛里寿「そうなの?」

みほ「お風呂入ろ?愛里寿ちゃん、髪の毛長いから洗うの大変でしょ?おわびに手伝ってあげるから」

シャワシャワ

みほ「どうですかー、くすぐったいところはないですかー?」

愛里寿「それ……何かちょっと違う」

みほ「あははは……流しまーす」

ザバッ

みほ「それにしても、愛里寿ちゃんの髪って綺麗だね♪」

愛里寿「……良くわかんない、そうなの?」

みほ「私も小さい時はよくお姉ちゃんと洗いっこしたりしたけど、あんまり長くしたことないから……何か新鮮」

愛里寿「洗いっこ……ふぅん……」

愛里寿「じゃあ、私もする」

みほ「え?」

愛里寿「私もみほのこと、洗ってあげる」

ゴシゴシ

みほ(一生懸命小さな手で洗ってくれる愛里寿ちゃん)

みほ(もし私に妹がいたら、こんな感じだったのかな?)クス

愛里寿「背中……流すね」

ジャバーッ

みほ「ありがと、後は自分で……」

愛里寿「大丈夫」

みほ「へ?」

愛里寿「全部洗ってあげる……みほのこと、全部……」

みほ「えっ……いや、それはさすがに……///」

愛里寿「遠慮しないで」

愛里寿「島田流の神髄、みほに教えてあげる」ワキワキ!

シャワシャワモミモミ

みほ「やっ……あっちょっ、そこはダメっ……!///」

ヌリュヌリュスリスリ

みほ「そんなとこまでっ……あ、あ、もうそこは大丈夫だからっ……///」

愛里寿「まだぬるぬるしてるとこが残ってるから、ダメ……」

みほ(ひっ……ひゃぁぁぁぁぁー!///)

──寝室──

みほ(し、死ぬかと思った……何とかお風呂から出られたけど、島田流ハンパないよぉ///)ハァハァ

みほ(愛里寿ちゃん、一体どんな英才教育受けてきたの!?)

愛里寿「みほ」

愛里寿「今度は寝る前のマッサージ、してあげるね」

みほ「え?」ギク

愛里寿「戦車道とマッサージは切っても切れない関係」

愛里寿「ちなみに、島田流のマッサージは西住流よりずっと長い歴史を持ってるから」

愛里寿「……すごいよ?」ニコッ

みほ「あ、あの……遠慮するっていう選択肢は……ないのかな?」ダラダラ

愛里寿「もし嫌なんだったら、逃げればいいと思う……」

みほ「いや、あのね?もう腰が抜けちゃって、立てなくって……」ガクガク

愛里寿「じゃあ始めるね」

モミモミグリグリ サワサワスリスリ

みほ「にゃっ、やんっ、あっ……///」

みほ「ひゃぁぁぁぁぁーっっ♡///」

──翌日──

みほ(う、うう……昨日は途中からの記憶がない……)

みほ(まだ頭、ぼうっとするぅ……///)

愛里寿「みほ」

みほ「ひぃっ!?あ、愛里寿ちゃん!?」ビクーッ

愛里寿「昨日は楽しかった……ありがと」

みほ「え、ええと……こういう場合、何て言えばいいのかな……」アハハ…

愛里寿「良かったら、今日もお泊りにきて」

愛里寿「昨日よりもっとすごいこと……してあげるから」ニコッ

愛里寿「大丈夫……健全なマッサージだから。戦車道のためだから」

愛里寿「浮気とかにはならないから……ね?」

愛里寿「それじゃ、夜……待ってるから」タタッ

みほ(き、昨日より……もっとすごいこと……?///)

みほ(いや、さすがにそれはいろいろマズイよ……!)

みほ(私には、沙織さんって人がいるんだし!いくら健全だからって!)ブンブン

みほ(今日は練習が終わったら、まっすぐ家に帰ろう!)



──その夜──

ピンポーン

ガチャ

愛里寿「こんばんは、みほ」

愛里寿「待ってた……入って?」

愛里寿「いいの」

愛里寿「今日も楽しいこと、たくさんしよ?」ニコッ♡

・健全ルート終了

・明日以降、田尻さんルートから再開の予定

・それではおやすみなさい

・再開

・聖グロルート

──聖グロリアーナ女学院学園艦 夜──

ダージリン「我が校の大浴場はいかがでした?みほさ……ジャスミン」

みほ「は、はい……バラの花びらを浮かべたお風呂なんて初めてで……すごかったです……」

みほ「あとは一面の大理石とか、ライオンの頭をした湯吐口とか……」

ダージリン「気に入っていただけたようで何よりですわ」フフッ

みほ(何か外国の宮殿みたいでちょっと落ち着かなかったけど……)アハハ

オレンジペコ「ナイトドレスも大変お似合いですわ、みほさ……ジャスミン様」

アッサム「急いで手配しましたものですから、ちょっとだけサイズが小さかったですかしら。申し訳ありません、みほさ……ジャス

ミン様」

みほ「あの、言いにくいようでしたら、いつも通りみほさんでいいですから……」タラリ

みほ(ていうか、このネグリジェみたいなの……サイズが小さいっていうより、裾が短すぎて恥ずかしい……///)モジモジ

みほ(明らかにダージリンさんたちのより短いし!後、何ていうか、スケスケ過ぎて……///)ソワソワ

みほ(英国流の陰謀的なものを感じます……!)ビクビク

ダジペコサム「……」チラチラ ジーッ

ダジペコサム(ああ、目の保養になりますわぁ~)ハァハァ♡

ダージリン「それでは私の寝室にご案内しますわね」シズシズ

みほ「あ、あのっ!そのことなんですけど……」

みほ「やっぱりその……私が寝る場所って、ダージリンさんのお部屋じゃないとダメなんでしょうか……?///」

アッサム「申し訳ありません、我が校も最近は生徒数増加が著しく、他に寝室がご用意できなかったものですから」

オレンジペコ「ダージリン様のお部屋のベッドはとても広いですから、ご心配なく」

みほ(いやいや、今通ってきてる途中でも明らかに空いてる部屋たくさんあったじゃないですか!)ガビーン

みほ(こ、これが英国流の二枚舌外交なの……?)

ガチャリ

みほ「わぁ、広ーい……!シャンデリアみたいなのとか……ベッドの上に天蓋まで……!」

みほ「アロマオイルのいい匂いも……あ、当然ティーセットもあるんですね」

ダージリン「こんな格言を知ってる?”ベッドは我々の全生涯を包む”」

オレンジペコ「モーパッサンですね」

みほ「ええと、どういう意味でしょう……?」

ダージリン「”我々はベッドで生まれ、生活し、そこで死ぬのだから。”と続きますの。人間は人生の1/3を眠って過ごすのですから

、その環境にはこだわりませんとね」

みほ「なるほど……さすがダージリンさん、本当に博識ですね!お部屋のセンスも素敵です♪」ニコ

ダージリン「え、ええ、ありがとう……///」

ダージリン(素敵なのはあなたの笑顔でしてよ///)

ダージリン(そ、それに私が命じて用意させたとはいえ、大きく開いた胸元がその、目のやり場に困りますわ……///)

ペコサム「……」ムッ

オレンジペコ「申し上げておきますと、みほさん。ここの調度品も家具もお茶の銘柄に至るまで、選んで調達したのは私です。ダ

ージリン様がやったのは最後の承認のサインだけです」

ダージリン「ちょっとペコ!」ガーン

アッサム「ではこんなジョークをご存じ?昨日はよく眠れたという患者に、医者が睡眠剤が効いたのですね、と聞いたところ……患

者は睡眠剤をなくしてしまって、探し疲れたせいだと答えたの」ドヤッ

ダージリン「何で張り合ってきてますの、あなたまで」

ダージリン「そんなことより、もうこんな時間よ。就寝の準備を」パンパン

ペコサム「かしこまりました」ススッ…

みほ(あっ……)

みほ(艦内見学やお茶会が楽しくてすっかり忘れかけてたけど……)

──夜の女王をもこの手で屈服させる……それで私の勝利は完全なものになるのよ(ニィッ)

みほ(あ、あのセリフ……どう考えても、これからとんでもなくエッチなことをされちゃうっていう流れだよね?///)

みほ(ど、どうしよう……ごめんなさい沙織さん、私だけ先にお、オトナにされちゃうかも……///)プルプル

ダージリン「どうなさったの、みほさん。夜はこれから、よ?」

ダージリン「それともやっぱり……ジャスミン、とお呼びした方がよろしいのかしら……?」フフフッ

みほ「い、いえっ!そのっ……は、初めてなので!ビギナー向けコースで、お願いしますっ……///」ゴニョゴニョ

ダージリン「?声が小さくてよく聞こえませんわ、変なみほさん」

オレンジペコ「みほさんはダージリン様の隣の枕をお使いください。私はその隣、アッサム様はダージリン様の反対側ですわ」

アッサム「さながら私はサンドイッチの外に追いやられた、付け合せのクリスプスといった所かしら……」ハァァ

ダージリン「あなたね、例えが失礼でしてよ」

みほ「え……え?」

みほ「も、もしかして、オレンジペコさんとアッサムさんもその、一緒に……寝るんですか!?///」

オレンジペコ「いつもはもちろん、自分の部屋があるんですけど……」

アッサム「せっかくのお客様ですし、ご一緒させていただきたいと思いまして」

ダージリン「構いませんでしょう?このベッドなら4人入っても十分な余裕がありますもの」

みほ(そ、そういうことじゃなくて!)

みほ(は、初めての実戦なのに、敵地で……しかも戦力差が1対3だなんて……///)

みほ(どんなに考えても、完全敗北、無条件降伏の未来しか見えてこないよぉ……///)

みほ(沙織さん、ごめんなさい……!もしかしたら私、もう沙織さんの元に戻れないかも知れない……っ///)プルプル

ダジペコサム「さあ、いらっしゃい……♪」フフフッ

みほ「は、はい……お、お手柔らかに、お願いします……」フラフラ…ポスン

ダージリン「ふふふ……ねえみほさん?これから、何をするかお分かりかしら?」フゥッ…

みほ(ひゃぁ!?耳元に熱い吐息が……///)

ダージリン「私、ずっと夢見ておりましたのよ。初めてあなたと会った時から……」

みほ(あ、相手の注意を分散させて、各個撃破できればなんとか……)

みほ(でも、明らかに戦力も経験も向こうの方が上……)

みほ(今度ばかりは、もしかしたら……)ギュウッ

ダージリン「こうやって、一緒にパジャマパーティでガールズトークするのをね!」ワクワク!

みほ「……へ?」

オレンジペコ「女学校の寮生活ものといえば、ハイライトはやっぱり夜にこっそりやるお茶会ですよね。お茶ありませんけど。眠れ

なくなりますから」

アッサム「では手始めに、とっておきのジョークなどを……」

オレンジペコ「いえ、ここはやっぱり、戦車についての薀蓄などを交わすのが良いのでは?」

みほ「あれ?」

ダージリン「もう、あなたたち!まったく分かっていらっしゃらないようね」

ダージリン「こういう時は、まず恋のお話からって決まっていますのよ」

ダージリン「ねえみほさん♪あなたは誰か好きな人はいらっしゃらないのー?」ウフフウフフ

ペコサム(うわーこのシチュエーションで一番答えづらい話題から行ったよこの人)

みほ「あ、えっと、えっと……それは……」モジモジ

ダージリン「あ、私の好きな方はね!誇り高く凛々しくて誠実で……でも戦車から降りると可愛らしいところもあって、皆に愛され

ているのにそれに全然気づかない鈍感なところもありますけれど、そんな自分の長所を鼻にかけないところも魅力なんですの♡」

みほ「へ、へぇ……そ、そうなんですか///」

アッサム「もうここまで来て名前伏せる意味ありますの?」

オレンジペコ「テンション上がりすぎて人の話聞いてないですね」

みほ(ど、どういうこと?ただお話するだけ?)

みほ(いや、まだ油断しちゃダメ。一旦退却してからの、突然の横からの奇襲……ダージリンさんなら、十分にあり得る……)キッ

──1時間後──

ダージリン「……」Zzz…

みほ(なんてことは全然なかったです……)

みほ(私ったら、え、エッチなことをされるだなんて勝手に思い込んで……///)

みほ(ごめんなさい、ダージリンさん。エッチなのは私の方でした……)ハァ

クスクス

オレンジペコ「みほさん。もしかして、いかがわしいことをされるのではと思ってらしたのでは?」

みほ「えっ、あ、いえ……!そそんなことは///」

アッサム「誇りある英国淑女は、隣人の庭の花を愛ではしても、手折るような無粋な真似はいたしませんわ」

オレンジペコ「まあ、お花の方から手折られに来る場合は、その限りではありませんけど」クスッ♪

みほ「……///」

ダージリン「んん……みほさぁん……」ギュッ

オレンジペコ「ごめんなさい、この方眠るときに何かを握る癖があるみたいで……手、痛くありませんか?」

みほ「い、いえ、そんなことは……」

みほ(ダージリンさんの手、色白で、思ったよりずっと華奢で……)

みほ(眠ってる顔は、まるであどけない子供みたいで……何か、ちょっとイメージと違ったかも)

アッサム「今日はみほさんがいらしたから、ものすごくはしゃいでらしたものね」

オレンジペコ「準備にも走り回ってらっしゃいましたから、よほど疲れたんだと思います」

みほ「私なんかのために、そこまで……」

アッサム「完全無欠のレディー。どんな時も優雅さを失わない、無謬にして堅実、時に大胆な指揮官」

オレンジペコ「そう思われがちですけれど、素顔はこんな、無邪気で、寂しがり屋な方なんです」

アッサム「それに、かなり我儘ですわよね」

みほ「そ、そんなことダージリンさんに聞かれたら大変ですよ?」

オレンジペコ「でも本当のことですもの」

クスクスッ

ダージリン「ペコぉ……このファーストフラッシュ、ちょっと濃く淹れすぎではなくて……?むにゃ……」

オレンジペコ「実は私たち、ずっとみほさんに嫉妬していたんです」

みほ「え?」

アッサム「だってこの方、あなたと会ってからというもの、四六時中あなたの話ばかりするんですもの」

みほ「そ……そうなんですか?///」

オレンジペコ「あのダージリン様が、格言や戦車の薀蓄もそっちのけにして、大洗の戦いぶりや、みほさんがああ言ったこう言った

、笑顔が素敵でどうのこうのと、そんなことばかり。ヤキモチ焼かずにいられる方がおかしいですわ」

みほ「それはその……す、すみません///」

アッサム「ぼうっと空を眺めてることも増えましたわね。まるで純情な乙女のよう」

オレンジペコ「一応、間違ってはいないと思いますが……」アハハ…

アッサム「しまいには用もないのに無理やり大洗に寄港させて、あなたのブロマイドやらグッズやらを買い漁る始末。まあ、今は私たちもたくさん持っていますけれど」

オレンジペコ「あの時は大変でしたね」

アッサム「ダージリン様の変装姿、ものすごく場違いで目立ってましたわ」

みほ「そ、そんなことまで……全然知らなかったです……///」

オレンジペコ「でも、そんな私たちですけれど」

オレンジペコ「優しくて友情に厚いあなたとお話したり、互いに、一緒に戦っていくうちに」

アッサム「あなたを愛するようになりましたわ。まあ、自然な成り行きですわね」

みほ「えっ……えっ……!?///」

アッサム「あらあら私たちったら、ダージリン様の先を越してしまいましたわね?」

オレンジペコ「しかたありません。だって……」

ペコサム「”イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない”」クスクスクス…

みほ「お、オレンジペコさん……アッサムさんまで……///」カァァァァ

オレンジペコ「そうそう、ダージリン様ったら、ロケットにあなたと一緒に撮った写真を入れて、何かというと眺めてるんです」

アッサム「一度、何が入ってるのか尋ねてみてはいかが?きっと世にも珍しいものが見られますわよ」

ペコサム「”真っ赤になって慌てふためくダージリン様”」ウフフフッ

みほ「あうううう……///」プシュー!

みほ(やっぱり、こんな奇襲が待っていたなんて……やっぱり聖グロリアーナ、別働隊の浸透戦術もものすごいです……///)

ダージリン「すぅ……すぅ……」Zzz…

みほ「すごく気持ちよさそうに眠ってますね、ダージリンさん」

オレンジペコ「これだけぐっすり眠れば、目覚めたときにはすっきり満足していらっしゃるでしょう。明日には大洗にお送りできると思いますわ」

みほ「それは、あの……ありがとうございます」

オレンジペコ「……」

アッサム「……」

オレンジペコ「みほさん、ご存じですか?ジャスミンの、もう一つの効能……」

オレンジペコ「ジャスミンには、不安や緊張を和らげ、快適な眠りをもたらす作用があるんです」

みほ「そう……なんですか?」

アッサム「ときどき……ときどきで構いませんから……また遊びにきてくださいな」

オレンジペコ「そして、本当は寂しがり屋で我儘なこの方に、優しくしてあげてください」

オレンジペコ「高貴であろう、フェアであろうといつも張りつめてらっしゃるこの方に、安らぎの香りを運んできてあげてください」

オレンジペコ「せめて、眠りの間だけでも……」

みほ「はい……わかりました」

みほ「私なんかが、お役にたてるんだったら……いつでも」

──深夜──

アッサム「……」Zzz…

オレンジペコ「……」Zzz…

ダージリン「……んん……こんなことを知っていて……?」

みほ「……ダージリンさん?」

ダージリン「わたくし……みほさんのこと……だぁいすき……♡」ギュウ

みほ「……」

みほ「ごめんね、ダージリンさん」

みほ「唇へのキスは、たった一人のためだけのものだから……」

みほ「だから、今夜はこれだけで許してください」

みほ(片手を華奢な白い手と握り合わせたまま)

みほ(私はそっと、彼女の金色の前髪をかき上げた)

チュッ

みほ(おやすみなさい)

みほ(良い夢を見てくださいね)

ダージリン「んん……えへへぇ……♪」

【快き眠りこそは、人間にとって原初の、優しくも懐かしき癒やし手である──シェークスピア】

──翌日、大洗港──

みほ「ダージリンさん!お別れの前に……一緒の写真、撮りませんか?」

ダージリン「!?」

ダージリン「そ、そう……まあ、みほさんがそうおっしゃるなら、良いかもしれませんわね///」ソワソワ

ダージリン「ほら、あなたたちもいらっしゃいな」

オレンジペコ「いえ」

アッサム「私たちは結構ですわ、お二人だけで」

ダージリン「あら、なぜ?」

ペコサム「だって……私たちだって、フェアな戦いが信条ですもの」ニコニコ

ダージリン「変な子たちね……では、みほさん?」

みほ「はい!」ギュウッ♪

ダージリン「きゃあっ!?///」

ダージリン(ななな何で自然に腕を組んでるんですの、私たち!?///」

パシャッ!

・本日はここまで

・続きは明日以降、多少順番前後するかもしれません

・再開

・都合上、次はエリカルートになります

──1年前、黒森峰女学園──


まほ「本日の練習は以上とする。各自、プラウダ戦における反省点と考察のレポートを明日までに提出するように」

生徒たち「は、はい……」

まほ「解散!」

エリカ(あの敗北後、戦車道クラスの雰囲気は最悪だ)

エリカ(9連覇の輝かしい実績に自分たちが泥を塗ってしまったのだから、当然ではある)

エリカ(そしてその焦燥から来る怒りは、単独行動で敗北の原因を作った人間に対して向けられていた)

ヒソヒソ…

ジロジロ

みほ「……」トボトボ…

エリカ「……」

エリカ(西住みほ)

エリカ(1年にして名門黒森峰の副隊長とフラッグ車の指揮を任されるほどの逸材……と、今大会の前までは言われていた)

エリカ(今は……まあ、言ってみれば戦犯のような扱いだ。圧倒的な尊敬とカリスマを誇る西住まほ隊長の妹であるという事実も、こうなるとかえって批判の対象となる)

エリカ(西住隊長は、もちろん身内だからと言って一切庇いだてするようなことはない。彼女は孤立無援だった)

エリカ(まあ、私にとってはどうでもいいこと)

エリカ(小学生の頃から戦車道を専攻し、血のにじむような努力でようやく同じ副隊長の地位を勝ち取った私にとって、彼女に同情するような要素などあるわけがなかった)

スタスタ

──更衣室──

みほ「……!」

エリカ(ロッカーの前で何やってるのかしら……いちいちうっとうしい子ね。さっさと着替えればいいのに)

エリカ(そう思いながら見やると……彼女の手に広げられた試合用のタンクジャケットの背中が、大きなバツ字型に切り裂かれていた)

エリカ「……」

エリカ(陳腐な嫌がらせね……)

エリカ(まあ、声を掛けてやるような義理も無いし……無視でいいか)

みほ「……」グッ…

ガチャリ

モブA「あらあら、大変ね。どうしちゃったのそれ?悪い人もいるものねぇ」

モブB「ロッカーには、ちゃんと鍵掛けておかないとねー」

モブC「西住副・隊・長・さん?」キャッハッハ


エリカ(入って来たのは戦車道クラスの生徒だ……2年か3年か忘れたけど)

エリカ(大した才能もなく努力もしないくせに、寄り集まってはよく囀るタイプ)

モブA「ああ、でももう副隊長さんじゃなくなっちゃうかもねぇ?」

モブB「あれだけのふざけた真似してくれちゃったんだもんねぇ。やっぱ降格?」

モブC「控えに回されんじゃないのー?こんなのはマネージャーでもやってんのが似合いよ」

モブA「いやだやめてよ、こいつに雑用なんか任せたら何されるかわかんないじゃん」

モブB「ジャケット切り刻まれちゃったり?」

モブ「ぎゃははは!」

モブA「ねぇ、なんとか言いなさいよ」

モブB「あんたさぁ、何で謝んないの?まほ隊長が何も言わないからって、まさか責任回避する気?」

モブC「あたしらOBとか他のクラスの生徒に恥さらし扱いされてんのよ、あんたのせいで!」

みほ「あ、あの……その……ご、ごめんなさ……」

エリカ(情けないわね……この子が私のライバルだなんて)イライラ

エリカ(本当にあの隊長の妹なのかしら)


モブA「ああ?そんなんで謝ってるつもり!?」ドカ

モブB「こういう時は土下座だろ」ガン

みほ「きゃっ!?い、痛っ……」

エリカ「……」

モブC「あんたみたいなのがまほ隊長の妹だなんて信じらんない。戦車道辞めてよ。今すぐ辞めてよ」

モブA「今すぐ出てって、もう二度と顔見せんな。見てるだけで吐き気するわ」

モブB「辞めないんなら、もっともっとヒドイ事されちゃうかもよぉー?」

みほ「で、でも……あの時は、他に方法が……」

エリカ(信念に基づいて行動したというのなら、せめて堂々と反論すればいいのに。本当に……イライラする)

モブC「あ?コイツ口答えする気みたいだよ?ナマイキ」

モブA「あーあ、先輩たちが優しく口頭で指導してやろうとしてんのに、頭悪いヤツ。どうする?」

モブB「決まってんじゃん。センパイたちへの礼儀ってやつを、キツーく身体に叩きこんでやんないと。黒森峰の伝統を守るためにはさ?」

みほ「ひっ……!」

モブC「それとも、お姉ちゃん助けてーって、隊長呼んじゃう?」

モブA「おーこわ。私ら粛清されんじゃね?」クックッ

モブB「ま、できないよねぇ?いくらあの西住隊長だからって、妹をヒイキしたなんて噂立てられたら、それこそ解任されちゃうかもしれないもんねぇ?」

みほ「っ……!」プルプル

モブC「そうそう、そういうこと。んじゃいってみよっか、教育的指導♪」

エリカ(ニヤニヤと笑みを浮かべ、一人が手を高く振り上げる。西住みほが反射的に目をつぶって顔を逸らす)

エリカ(本当につまらない、よくあるくだらない光景だ。見なかったことにしてさっさと帰ろう。……と、頭ではそう考えているのに)

エリカ(私の拳は思い切り、近くのロッカーを殴りつけていた)

ガンッ!


エリカ「……ごちゃごちゃごちゃごちゃ、うるっさいわね」

モブ「い、逸見……!?み、見て……!?」ビクッ!

みほ「……え?」

エリカ「伝統がどうとか、舐めた口きいてんのはあなたたちでしょうが」

エリカ「規律正しい隊列に、統制された火力と重装甲での正面突破が黒森峰の基本ドクトリン」

エリカ「陰でこそこそつまらない真似をするような連中こそ、うちの恥さらしよ。あなたたちこそ辞めてくれる?」

モブA「こ、こいつ……」

モブB「1年のくせに勝手なことを……!」

エリカ「だから何だっていうの」

エリカ「2年だか3年だか知らないけど、私たちより長くここにいるのにそんなことも理解していないなんて、無能にも程があるわね」

モブC「うぐっ……」

エリカ「こんなくだらない事をする暇があるなら自主練でもシミュレーションでもやればいいのに」

エリカ「あなたたちには西住隊長の求道精神の欠片もない。ただ足を引っ張るだけの屑野郎だわ」

エリカ「今すぐ荷物をまとめて出ていきなさい!」ギンッ

モブ「ひいいっっ……!」ガタガタ

「さ、最初から辞めてやるつもりだったわよ、戦車道クラスなんて!」

「か、勝手にやってなさいよ!」

バタバタ

エリカ「……本当にくだらない連中ね。あんなのが混じってるんじゃ負けるわけだわ」フン

みほ「あ、あのっ……逸見さんっ……!」

エリカ「……何よ」

みほ「た、助けてくれて……ありがとうございましたっ……」ペコリ

エリカ「勘違いしないでくれる」

エリカ「別に助けたわけじゃないわ。あの連中が鬱陶しかったからよ」

エリカ「それに言っておくけど、あなたのあの時の行動を肯定したわけじゃないから」

エリカ「確かにⅢ号の引き揚げには3時間以上かかったし、放っておいたら中の乗員の生命が危なかった可能性があるのは事実、それは認めるわ」

エリカ「でも、だったら何で不在時のフラッグ車の行動を指示していかなかったの?まさかプラウダのスポーツマンシップを期待してたわけじゃないでしょうね」

みほ「う……そ、それは……」シュン

エリカ「西住隊長の戦歴を傷つけたことは許してないから……」

ズキッ

エリカ「つっ……」

みほ「逸見さん!手から血が……!」

エリカ(思ってたより強く殴りつけてたみたいね。バカな事をしたもんだわ……)

エリカ「こんなの大したことないわ。絆創膏でも付けておけば治るわよ」プラプラ

みほ「ダメだよ!すぐに医務室に見せにいかないと!」

エリカ「いいって言ってるでしょ。あなたこそあの連中に蹴られてたでしょうが。勝手に行ったら?」

みほ「私は大丈夫。でも逸見さんは行かないとダメ……私も一緒に行くから!」グイ

エリカ「ちょっ……」

エリカ(何でこの子、こんなに押しが強いの?)

エリカ(自分が罵られてた時は、何もできなかったくせに)

エリカ(私がちょっと手を怪我したぐらいで……)

──翌日、食堂──

カチャ…カチャ…

エリカ(食べづらいわね……)

エリカ(何よこの大げさな包帯、ちょっとヒビが入ったぐらいで)

みほ「逸見さん」ヒョコッ

エリカ「……西住さん?何か用?」

みほ「片手使えないと不便でしょ?私手伝う!」

エリカ「余計なお世話よ、放っておいて」

みほ「でもこのままじゃ午後の授業に遅れちゃうよ?」

エリカ「う……」

みほ「私のせいだから、せめて手伝わせて」

みほ「ね?」

エリカ「仕方ないわね……」

みほ「うん!じゃあ、はい。あーんして?」カチャ

エリカ「えっ、ちょっ……」

みほ「ほら、早くしないと」グイ

エリカ「あ、あーん……」

みほ「逸見さん、美味しい?」ニコニコ

エリカ「むぐ……普通よ。学食の標準メニューでしょうが」

みほ「あ、このスープまだ熱いかも……ちょっと待ってね」フー…フー…

エリカ「そ、そこまでしなくていいわよ!///」

みほ「ダメ。舌火傷しちゃったら困るもん。はい、あーん♪」

ザワッ

エリカ(めちゃくちゃ周りに見られてる……何よこの羞恥プレイみたいなの!?///」

エリカ「わ、分かったから……せめてそのふーふーとかあーんって言うのはやめてくれない?」

みほ「ええ、どうして?」ガーン

エリカ(本当に押しが強いし天然だし……何なのよこの子……)

エリカ「というか、あなた自分の分は?」

みほ「え?」

キーンコーンカーンコーン…

みほ「ど、どうしよう!まだ全然食べてなかったのに……」ガーン

エリカ「どんくさいわね……」

バタバタ

みほ「次の選択科目、一緒だったよね?教科書とか持ってあげるから!」

エリカ「それぐらい片手で持てるわよ!いいからあなたこそ早くしなさい!」



みほ「あっ、ノート、代わりに書いてあげるね?」ニコニコ

エリカ「後でコピーでいいでしょうが……」

エリカ(それから、ムダに近い……)

エリカ(こんなにくっついて座る必要あるの?)


グー… グー…

エリカ「さっきからお腹の音が鳴りっぱなしで授業の気が散るんだけど」

エリカ「何とかならないの?」

クスクス ヤダー ダレ?

みほ「ううう……ならないみたいです……///」

グー…

──翌日──

みほ「い、逸見さん!お、おにぎり作って来たの!片手なら食べやすいかと思って……」

エリカ「これ……あなたが?」

みほ「う、うんっ……」

エリカ「ボロボロでちゃんと握れてないんだけど。後塩が効きすぎてしょっぱいわ」モグモグ…

みほ「じ、実は作ったの初めてで……ごめんなさい……」シオシオ

エリカ「人を実験台にするのやめてもらえる?西住さん」

みほ「う、そういうわけじゃ……」

エリカ「……明日はもう少しマシなのを作ってきなさいよ」

みほ「!……う、うんっ!がんばる!」

みほ「あ、逸見さん。……西住さん、だとお姉……隊長と紛らわしいから、みほって呼んでもらえないかな……?」

エリカ「いちいち馴れ馴れしいわねあなた」

みほ「そ、そうかな……代わりに私もエリカさんって呼ぶから、ダメ……?」ウワメヅカイ

エリカ「……まあ勝手にすればいいけど、私はさんづけなんてしないわよ、みほ」

みほ「う、うんっ……それでいいよ!」パァァ

エリカ(やたら嬉しそうね……)

──お風呂──

シャワシャワ

エリカ「あの……頭ぐらい自分で洗えるんだけど」

みほ「大丈夫大丈夫、私うまいから、任せて?」

みほ「お姉ちゃんと洗いっこしてた時は、いつも褒められてたもん」

エリカ「なっ……隊長と、洗いっこ……!?詳しく聞かせなさい!」バッ

みほ「きゃっ!?ここっち見ないで!エリカさんのエッチ!///」

シャワーッ!

エリカ「ぶっ!?」

みほ「あ、ご、ごめんなさい……!泡、目に入らなかった?」

エリカ「あ、あなたねぇぇ……」ポタポタ…

エリカ「というか、なんでここで恥ずかしがるのよ」

エリカ(いちいちポイントがずれてるわね……)

──日曜日、カフェ──

みほ「劇場版、すっごく良かったね!」キラキラ

みほ「ボコがピンチになった時に、仲間が一斉に駆けつけるところ……感動して泣いちゃった……」ウルッ

エリカ「どこが良いのかさっぱりわからなかったんだけど」

エリカ「2時間の間延々と仲間も含めてボコられ続ける展開とか、何なのよあれ。シュール系?」

みほ「そんな!?エリカさん、全然分かってない!アレこそボコの王道なのに!」キッ

エリカ「別に分かりたくないわ」

みほ「いい?あの展開はテレビ版のエピソードが伏線になっててね……」

エリカ(あ、まためんどくさいマニアモードに入ったわ……)

エリカ「この後買い物に行くんじゃなかったの?」

みほ「こっちの方が大事だもん!ちゃんと聞いて、エリカさん!」

エリカ「はぁ……まあどっちでもいいけど……」

──教室──

小梅「逸見さん、最近変わったね」

エリカ「変わった……何が?」

小梅「何ていうか……すごく表情が柔らかくなった。とっつきやすくなったっていうか……」

エリカ「そう?別にそんなことはないと思うけれど」

小梅「でも、前はもっと何ていうか、怖い感じで……私だってこうやって話しかけられなかったよ?」

エリカ(確かに……最近は以前より話す相手が増えた気がする)

エリカ(というより、戦車道に関わること以外で話をする相手なんていなかったわね。思い返してみれば)

小梅「やっぱり、みほさんのおかげかな?」クスッ

エリカ「何でそこでみほが出てくるの?」

小梅「?だっていつも一緒にいるし、すごく仲いいよね?」

エリカ「別にいつも一緒ってわけじゃないわ。今だって……」

みほ「……」ジーッ…

エリカ(いた……というかやたら見られてるわね。何やってるのかしら廊下で……)

クスッ

小梅「ごめんね、私もう行くね?」

エリカ「え、ええ……」

小梅「みほさん」

みほ「ひゃいっ!?」ビクーッ

小梅「隣空いたから、どうぞ?」ニコ

みほ「と、隣!?べっべつに私、そういうつもりで見てたわけじゃ……!///」アタフタ

小梅「大丈夫、心配しないで」

小梅「あなたは私の恩人だもの」

小梅「あなたの大事なエリカさんを取ったりしないから、ね?」ウインク

みほ「!?///」

ほほう
みほ→エリカな展開ってのも中々…

>>1が過去に書いた作品とかあれば教えて欲しい

プラウダ戦で川に落ちたのがエリカの車両って設定だよな

・ >>241 ありがとう、実は聞いてもらえるのはすごく嬉しい
・ ただ、ガルパンは初めてなのと、面白いのとつまらないのの差が激しいと言われることが多いので、あまり期待には沿えないと思う
・ 一応公開させていただきます

【既存】
・帰宅部活動記録

 桜「夏希ちゃんに告白しようと思います!」夏希「!?」

 クレア「花梨さんを妹にするわ」夏希「」
 
 桜「部長としての威厳を取り戻したい!」夏希「……」

 桜「夏希ちゃんへの告白を阻止します!」

 夏希「牡丹センパイと仲良くなりたい?」 朱雀「……うん」

 夏希「風邪引いた……」 「!!」ガタッ

 桜「夏希ちゃん! トリックオアトリート!」 夏希「……遅っ!?」

 花梨「そんなデートじゃ28点です!」牡丹「赤点!?」

 夏希「帰宅部活動写真?」

 桜「絶対にツッコんではいけない帰宅部!!」

 夏希「ハッピーバレンタイン」

・ラブライブ!
  
 にこ「穂乃果の天然タラシを矯正するわ」

 穂乃果「にこちゃんのチョロツンデレを攻略するよ!」

 絵里「にこの未成熟なペリメニを思う存分ハラショーしてしまったわ……」

 ことり「にこちゃんとメイドさんで運命感じちゃうかも♪」

 海未「にこの平坦な双丘に山頂アタックです!」

 凛「にこちゃんの大事な初めてをキズモノにした責任を取ることになったにゃ」

真姫「にこちゃんと夜空に架かる虹を見るわ」

 花陽「にこちゃんをA-RISEから取り戻すために戦いを挑みます!」

・ラブライブ×生えてる

 凛「凛たちのおまたに野生のちんすこうが……!?」真姫「……」花陽「///」にこ「?」

・ヤマノススメ

 あおい「ひなたにキスされたかもしれない」
 
 あおい「ひなたとキスしちゃったかもしれない」

 あおい「ケーキにたっぷり愛情を込めすぎたかもしれない」

・デレマス ニュージェネ

 凛「しまむー愛を伝えたい」

・てーきゅう

 ユリ「先輩とホワイトアウト」

・こち亀×スクフェス

 両津「スクールアイドルフェスティバルだと?」

・怪しい伝説×寄生獣

 怪しい伝説「寄生生物の検証」

・サンドウィッチマン×ワンパンマン

 伊達みきお「あれがヒーロー認定試験会場か?」

【予定】

C891日目 西れ-09a/Project968/「帰宅部活動記録」合同誌「帰宅第一」参加
>>1は主催ではないので先方への直接のお問い合わせはご遠慮ください

・ >>242-244 だと思う

・ それよりエリカが1年のときから副隊長だったという記述をどこかで見た気がするんだけどソースが確認できない

・ 違ったらとりあえず、落ちた戦車には乗ってなかった&副隊長だったという設定でお願いします

・ それでは再開、12が2回あったので14からになります

エリカ「ねぇ、ちょっと疑問に思ってることがあるんだけれど」

みほ「何、エリカさん?」

エリカ「どうして私、もう手は治ってるのに未だにあなたと一緒に入浴してるの?」

カポーン…

みほ「え、い、嫌なの……?」ガビーン

エリカ「嫌というか……さすがに狭いわね、湯船に二人だと」

みほ「そ、そんな……あ!ほら、学園艦はお水が貴重だから……節水!節水しないと!」

エリカ「それは淡水プラントができる前の話でしょうが」

みほ「あ、あうう……そ、そうだ!お姉ちゃんの家でのの面白エピソード、また聞きたくない?」

エリカ「もうその手には乗らないわよ。大体あなた、来週の練習試合の作戦プラン立案、もう終わったの?」

みほ「うぐ……ま、まだです……出たらやります……」

みほ「プラウダは一旦退いてからの包囲戦術が得意だから……でもこの前のことで心理的には優位に立ってるだろうし、隊長も変わったっていうから、方針を変えてくる可能性も……」ウーン…

バスタオル ポスッ

みほ「わぷっ!?」

エリカ「あなたね、髪ぐらい乾かしてからにしたらどうなの?私のテーブルに滴が垂れるじゃない」

ゴシゴシ!

みほ「ふああぶっ、やめてよ、髪の毛が痛んじゃう……!」

エリカ「そんなこと言うなら普段からもう少し気を使いなさいよね」



ゴーッ…

みほ「ごめんね、乾かしてもらっちゃって……」

エリカ「あなたやることなすこといちいち時間かかるからイライラするのよ。……髪質硬いわね。トリートメント合ってないんじゃないの?」

みほ「うう、そうかなぁ……」

エリカ「それから後ろのここのところ、だいぶ前から枝毛そのままになってるわよ。すごい目立つわ」

みほ「えっ!?な、何で言ってくれなかったの、エリカさんひどい!」ガビーン!

みほ「プラウダが囮を使って誘導してくるとしたら、ここの丘陵しかないと思う」

エリカ「下は1台ずつしか通れない渓谷……確かに狙い撃ちされたら厳しいわね」

みほ「パンター3、ヤークトパンター1の小隊を抽出して、先回りして押さえたいの。ダメかな……?」

エリカ「それは……確かに戦術としては間違っていないけれど……」

みほ「うん、分かってる……黒森峰の今までの方針とは違う。もし失敗して前と同じような結果になったら……」

エリカ「あなた、今度こそ副隊長解任ね。それどころか、西住隊長にまで類が及ぶ可能性もある」

みほ「でも私……その隊長が今回、私たち二人に全て作戦を任せてくれた意味を考えたいの」

エリカ「意味……?」

みほ「前にプラウダに負けたとき……私、とっさにⅢ号に乗ってた人を助けることしか考えられなくて、フラッグ車をどうするのかまで指示できなかった」

みほ「もちろんあの状況で細かい指示をしてる余裕はなかったけど」

みほ「前もってある程度の有事を想定してシミュレーションしてれば、あそこまで的になることはなかったんじゃないかなって……」

エリカ「……ただがむしゃらに前進するだけじゃなくて、ある程度は柔軟性も取り入れろってこと?」

みほ「うん、陣形と火力を背景に、どんな犠牲が出ようと突き進む……それが今のうちの強さだってことは、分かってるけど」

みほ「お姉ちゃんは、さらにもう一歩先を見ているんじゃないかなぁ」

エリカ「もう一歩先……?」

みほ「今度、世界大会が誘致されるでしょ?文科省も力を入れてて、他の学校でも戦車道が復活するって噂もあるし……単純に火力だけでは通用しない相手も出てくると思うの、継続高校みたいに」

みほ「お姉ちゃんは、新しい黒森峰の戦い方をみせてみろって言いたいんじゃないかな、私たちに」

エリカ「……」

エリカ(さすが姉妹……普段まったくプライベートな会話なんてしてる様子もないのに、そこまでお互いの考えが分かるなんて)

エリカ(でも不思議ね)

エリカ(以前だったらあの人のことを、妹というだけでこれほど理解してるこの子に……絶対嫉妬してたはず)

エリカ(でも今は、逆に……)

みほ「あの、エリカさん?やっぱりダメかな……」ウワメヅカイ

エリカ「わかったわ……でも条件がある」

エリカ「あなたが中隊長として指揮しなさい。フラッグ車もね」

みほ「ええっ!?リーダーはエリカさんの方が……そ、それに、フラッグ車も……?」

エリカ「そちらの方が事態が流動化しやすいんだから、あなた自身が適宜判断して全体指揮した方が効率的でしょうが」

エリカ「敵は定石通り主力部隊の後方にフラッグを配置してると考えてるでしょうし、かえって混乱を誘えるでしょ。もし察知されて包囲されるようなら、その時こそこっちからパンツァー・カイルで打ち破ってやる」

エリカ「それに……あなた、引きずるタイプでしょ。今ここでトラウマを克服しておかなかったら、この先一生指揮なんてできないわよ」

エリカ(まあ、よっぽど規律の緩いとこでやるなら別かもしれないけど……)

みほ「き……気づいてたの?」

エリカ「あなた顔に出やすいのよ」

みほ「あ、ありがとう、エリカさん……」ウルッ…

エリカ「は?」

みほ「そこまで私のことを考えてくれてたなんて……私、私っ……!」ギュウッ!

エリカ「ちょっ……違う!あなたが他の連中に舐められてると私までやりにくいから……は、離しなさいってば……!///」

──練習試合 前日──

まほ「本日の練習は以上!明日は私は指揮判断には加わらない。逸見、西住両副隊長の指揮に従うように。では解散!」

ガヤガヤ

モブD「ね、ねぇ逸見さん……」ソワソワ

モブE「ちょ、ちょっと聞いてもいいかな……?」

エリカ「(最近よく声をかけられる1年生の子たちだ)……何?」

モブF「あのさ、逸見さんって……みほさんと、どこまで進んでるの!?」

エリカ「は……?」

エリカ(ちょっと何を言われてるのか分からないわね……私がみほと?明日の作戦プランの心配でもしているのかしら)

エリカ「最終段階まできっちり詰めてあるから余計な心配は無用よ」

モブ「きゃーっっ!!ほ、ホントにぃ!?///」

ザワザワザワ!

ヤ、ヤッパリサイゴマデイッチャッテルンダ…ゴクリ

エリカ(何で周りまで聞き耳立ててるの?やはり、隊長の指揮じゃないのが不安ってことかしら……それならしっかり取り除いておいた方がいいか)

モブD「じゃ、じゃあじゃあ、逸見さんとみほさん、どっちが攻めでどっちが受けなの!?///」

エリカ(鉄床戦術の話をしているの?……厳密にいえば違うけれど、まああえて言うなら)

エリカ「私が攻めでみほが受けってことになるわね」

モブ「き、き、きゃぁぁぁぁーっっ♪///」


ドヨドヨドヨ!

キターーッ!エリミホヨエリミホ!

モブE「くぅぅっ……絶対みほさんの無邪気攻めだと思ったのにぃ……逸見さんにはヘタレ受けが似合うんだから!」

モブF「いやいや私の言った通りだったっしょ!絶対エリ×みほだって!」

ワイワイガヤガヤ! 

キャーキャー

エリカ(……無邪気攻めだのヘタレ受けだのって、初めて聞く用語ね……教本を確認しておかないと)

エリカ(それにしても、クラスの雰囲気、なんかずいぶん変わったわね……)

──練習試合 当日──

カチューシャ「聞いてるわよ、今日は西住まほは指揮しないんですって?しかもそっちの副隊長は……」

カチューシャ「この前私たちを優勝させてくれた家元さんじゃなーい。今日もよろしくね?」ニヤニヤ

みほ「は、はい……よろしくお願いします……」ウツムキ

エリカ「……新隊長の……紙吹雪のマトリョーシカさんとか言ったかしら」

カチューシャ「地吹雪のカチューシャよ!」ガビーン!

エリカ「何でもいいわ。今日の私たちが前と同じと思っていると、痛い目みるわよ。全員永久凍土の果ての氷河まで追い落としてやるわ」

カチューシャ「なっ……い、言ってくれるじゃないのぉ、この吊り目女ぁ!覚えてなさいよ!」キーッ!

みほ「ちょ、ちょっとエリカさん……」ワタワタ

みほ(相手を変に警戒させないように挑発はやめようって言ってたのに……どうしちゃったの?)

エリカ(……うるさいわね。やっぱり言われっぱなしは性に合わないってだけよ)フン

カチューシャ「あら、家元さん。あなた、ジャケットの背中のそれ、どうしたのかしら?ヘタックソな繕い方ねぇ……!」アッハハハ

みほ「……!」バッ!

カチューシャ「な、何よその目……」ビクッ!

みほ「これは、私の大切な人が、繕ってくれたものなんです」

みほ「お裁縫なんて今まで一度もしたことないのに、指先を傷つけながら」

みほ「私はなんて言われても当然かもしれないけど……」

みほ「私の大切な人をバカにするのは、絶対に許さない!」キッ!

カチューシャ「ひぃっ!?」チョロッ…

エリカ「みほ、あなた……」

みほ「私は……私たちは、あなたたちには絶対に負けません!」

カチューシャ「なな何なのよあんた突然雰囲気変わっちゃって……」ガクガク

ノンナ「そろそろ時間です。行きますよ同志カチューシャ」クルッ スタスタ

カチューシャ「あ、ちょ、ちょっとノンナぁ……!」

ノンナ「戻ったら始まる前にパンツ履き替えましょうね」

カチューシャ「もも漏らしてなんかいないわよバカぁ!……その、ちょっとしか……///」

エリカ「……」

みほ「……」

エリカ「……誰が挑発するなですって?」

みほ「ご、ごめんなさい……」

エリカ「まあいいわ。それにしても……聞いてた通り、変な二人組だったわね。肩車なんかして」

みほ「そ、そうだね……」

エリカ「変にベタベタしちゃって。あの様子じゃ一緒にお風呂入ったり一緒に寝たりしててもおかしくないんじゃないの」ハッ

みほ「う、うん……」タラリ

みほ(エリカさんって時々天然だよね……)

エリカ「それより、あそこまで言ったからにはきっちり結果を出してよね、副隊長さん?」フン

みほ「そちらこそ、副隊長さん」ニコ

エリカ「”厚い皮膚より早い脚”」

みほ「”相手のペースでダンスを踊れ”」

エリカ「行くわよ!」

みほ「はいっ」

──翌日 黒森峰 隊長室──

まほ「二人とも、昨日はご苦労」

まほ「戦果確認は……我が校が走行不能1両、修理可能6両。プラウダが4両のみ残し全滅。大戦果だな」

まほ「西住の相手部隊を釘づけにした働きも良かったが、逸見の突撃はルート選定、タイミングとも完璧だった。よくやった」

みほ「はい……!」

エリカ「ありがとうございます!」

まほ「我が校の持ち味を存分に生かした大火力殲滅に、遊撃部隊による敵の行動の拘束か……言葉にすれば簡単だが、指揮官同士の息のあった連携が無ければ成し得ないことだ」

まほ「新たな地平を開いたな、二人とも」

みほ「そ、そのことなんですけど……あの……」

まほ「OBや理事会の評価を気にしているのか?」

みほ「は、はい!あの、今回、黒森峰の伝統を逸脱した作戦をとったのは……私が考えたことなんです!逸見さんは仕方なく協力してくれただけで」

エリカ「あなたね、戦果を横取りする気?」ギロ

みほ「そ、そうじゃなくて……」オロオロ

エリカ「それなら責任を自分で取ろうなんて、つまらない自己犠牲精神?悪いけど付き合ってられないわ、そんな甘っちょろい考え」

みほ「で、でも……」

エリカ「隊長、今回の作戦は二人で立案し決定したことです。もしOBの方々から責任を追及されるようなら、私も……!」

まほ「……」

まほ「二人とも、それぐらいにしておけ」

まほ「OBや理事に対応するのは私の仕事だ」

まほ「それに、まあ心配するな。まるで西方電撃戦か、北アフリカ戦線のようだったと溜飲を下げておられる方が多いようだからな」

まほ「前回の敗戦が衝撃的だった分、勝利のインパクトも強いということだ、練習試合とはいえな」

まほ「それよりも、二人にはこれから、戦術的な面に集中してもらう必要がある」

みほエリ「……?」

まほ「来年度、私は隊長を辞するつもりだ」

みほ「なっ……!?」

エリカ「ど、どういうことですか……!?」

まほ「これはまだオフレコだが、戦車道世界大会の誘致に伴い、各国の高校、大学レベルの交流のステップとして、文科省は学園艦の再編成に着手する予定になっている」

まほ「しかし、文科省の役人は戦車道に疎い素人ばかりだ。高校戦車道の本質を見誤り、弱小と判断した学園艦に廃校通知を行うなど、既にスタンドプレーが目立ってきている」

まほ「私は西住流の後継者として文科省の専門家からなる第三者委員会に参加し、その動きにストップをかけるつもりだ」

まほ「当然、黒森峰での活動は思うようにできなくなるだろう」

みほ「そう……なんだ……」

エリカ「そんな……隊長が現場を離れることになるなんて……!」

まほ「いいんだ」ニコ

まほ「昨日、おまえたちが見せてくれただろう」

まほ「私たちは、例え一度くじけても……再び強く立ち上がることができる」

まほ「おそらくそれこそが、プロやインターナショナルチームのような、経験を重ねた者たちとの違い……高校戦車道の可能性というものなんだと、私は信じている」

まほ「これから生まれてくる、新しい戦車道チーム……その力になれるのなら、私は十分報われるよ」

みほ「お姉ちゃん……」

エリカ「隊長……」

まほ「そこで、だ」ジッ…

まほ「おまえたちに質問がある」

まほ「”逸見エリカと西住みほ、どちらが次期隊長に相応しいか?”」

まほ「よく考えて答えろ」

エリみほ「!?」





みほ「……」スッ

みほ「私は、逸見さんを推薦します」

エリカ(みほ……!?)

みほ「例え時代や戦術、ルールが変わったとしても、戦車の本質は硬い装甲と強い火力にあります。逸見……エリカさんは、それを運用するために必要な全てを備えた人です」

みほ「私みたいな邪道じゃなくて……正道を貫き通す彼女こそ、黒森峰の気風を代表するのにふさわしい人だと思います」

エリカ(あれほど望んだ、西住隊長の後継者の椅子なのに……それが今まさに手に届くところに来たというのに……何故だろう)

エリカ(何でこんなに、イライラするの?)

エリカ(言いたい)

エリカ(みほに言いたい)

エリカ(あなたの戦車道は……邪道なんかじゃない!)ギリッ!

まほ「……」

まほ「……エリカはどうだ?」

エリカ「私は……」

エリカ「私は西住みほを推挙します」

みほ「エリカさん!?」

エリカ「今、隊長がおっしゃったことに答えがあると思います」

エリカ「戦車道は、戦車が戦う戦争ゲームではありません」

エリカ「人間が……血の通った人間同士が、自分を鍛錬し、仲間との絆を深め、好敵手と共にお互いを高め合うためのもの」

エリカ「目先の勝利ではなく、仲間のために自分を投げ出すことのできる彼女こそ、これからの黒森峰の戦車道を背負っていくのにふさわしい人間だと思います」

みほ「……!」

まほ「……」

エリカ(……バカね、逸見エリカ)

エリカ(何か月か前の私がみたら、頭がおかしくなったのかと思うんじゃないの)

エリカ(目の前に転がり込んできた夢を蹴って、みすみすライバルにパスするなんて)

エリカ(でも不思議だわ)

エリカ(何だか、とてもすがすがしい気持ち……まるで、初めて仲間と一緒に戦車に乗り込んだ時のように)

みほ「エリカさん……なんで……!?」

エリカ(そんな顔をするんじゃないのよ、相変わらず甘っちょろいんだから)

エリカ(今さら気にするようなことじゃないでしょうが)

エリカ(みほ……あなたと出会ってから、私はずっと、調子を狂わせられっぱなしなんだから)


まほ「……二人の言い分はよく分かった」

エリカ「では……!」

まほ「まあ、待て。どちらの意見とも正論だ。ただ、物事を見ている側面が違うだけだ」

まほ「この件は、私が預からせてもらう」

まほ「まずは、明日からの来季大会に向けた練習に集中しろ。指揮は、曜日ごとに交代で執れ」

まほ「プラウダ戦の情報が伝われば、他校は我が校の戦術方針が変わったことに気づき、警戒するだろう」

まほ「今回の勝利に慢心するなよ。戦いはこれからだ」

みほエリ「……はいっ!」

まほ「ふうっ……それではお疲れさま。みほは下がっていいよ。エリカは少しだけ残っていてくれるか」

みほ「え……?う、うん、分かりました」

エリカ「あ、はい……了解です」


ツンツン

みほ(エリカさん、今夜のデブリーフィング、どっちの部屋でやる?私の部屋?)

エリカ(却下よ。あなたのベッド、巨大ぬいぐるみに占拠されてて狭いんだもの)

みほ(そんな!?エリカさんが買ってくれた一番のお気に入りボコなのにぃ……)ガーン!

エリカ(あなたがおもちゃ売り場の前から離れなかったからでしょうが……)

エリカ(いいから先に帰っててよ。また合鍵無くしたりしてないでしょうね)ジロ

みほ(だ、大丈夫大丈夫……!)アセアセ

みほ(じゃあ、終わったらメールしてね)

エリカ(分かったわ)


まほ「……」

エリカ「あの、それで、お話とは……?」

まほ「ああ……」

まほ「うちの妹と、ずいぶん仲良くしてくれてるみたいだね」

エリカ「え?え、ええまあ……普通だと思いますけれど……」

まほ「ほう……普通……?」ギラリ

エリカ「ひぃっ!?」ビクーッ!

エリカ(な、な、な、何……!?部屋の温度が、急激に下がった……?)ゾク…

まほ「戦車道クラスを初めとした様々なルートから報告が上がってきているんだが」

まほ「普通と言うのは、お昼のお弁当を分け合って食べさせあったり、二人で仲良く夕食の買い物をしたり、あまつさえ同じ部屋から一緒に登校することも指しているのか?」

まほ「おまえが攻めでみほが受けだと宣言したという記録も残っているが……」ギリッ!

エリカ(な……何がなんだかわからないけど、とにかくまずいわ……この人、今まで見たことないほど怒ってる……ていうか、怒ってるなんて生易しいものじゃない……!」

エリカ(粛清される……!?)ゾゾゾーッ!

エリカ「あの、その……ご、誤解です!何かの間違いだと思います!」

まほ「ほう?」

エリカ「私とみほっ……西住さんとは、ただの友達で……別にそれ以上でも以下でもありませんっっ!」ビシッ

まほ「誤解。何かの間違い。ただの友達……か」

エリカ「……」コクコク!

まほ「では、これも誤解なんだな?」

まほ「私は姉の責務として、毎晩みほとはお休みメールを送り合っているが」

まほ「みほの最近の話題は、おまえが文句を言いながらも深夜まで宿題やるのを付き合ってくれただの、自分のご飯の腕が上がったと褒めてくれただの、練習頑張ったご褒美に撫でてくれただの……そんな話ばかりなんだが」

エリカ「」

まほ「あまつさえ昨日はこのような写真付きメールが送られてきた」

【To:お姉ちゃん】

【エリカさんの寝顔の写真です♪】

【可愛い~♡】

エリカ「」

まほ「この写真も誤解だと。大変面白い言い訳だ」ギリギリッ…!

エリカ「」

まほ「3分やろう。私を納得させる言い分を考えてみろ」

まほ「できなければ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

エリカ(い、今はっきりと分かったわ)ガクガク

エリカ(あの子は……あの子はやっぱり……)ブルブル

エリカ(私にとっての、最大最悪の疫病神よぉぉぉーっっ!!)

──夜、エリカ自室──

エリカ「……」グッタリ

みほ「あの、エリカさん?帰ってくるなりへたり込んじゃってるけど……どうしたの?」

みほ「お姉ちゃんと何かあったとか……?」チラリ

エリカ「……」

エリカ「よく覚えてないのよ」

エリカ「私の生存本能が、記憶を呼び起こすことを拒否しているわ」

エリカ「とりあえず……一つだけ言えることは」

エリカ「水中深く沈む戦車に閉じ込められた方がマシなレベルの目にあったということだけ……」ガクッ

みほ「な、何だかよく分からないけど、大丈夫!?」アワアワ

みほ「エリカさんの好きなハンバーグ作ったんだけど……明日にしとく?」

エリカ「今食べるぅ……」





みほ「エリカさん、少しは落ち着いた?」

エリカ「ええ、まあ……」ハァ

みほ「そっか、良かった。でも安心しちゃった」

エリカ「何がよ……」

みほ「だって、お姉ちゃんとのお話があんまり長いから、その……エリカさんが、お姉ちゃんに告白したりしちゃってるのかなぁとか思って……」エヘヘ…

エリカ「はぁ!?何よそれ?」ガバ

みほ「えっ」

みほ「だって……エリカさん、お姉ちゃんのこと大好きでしょ?お姉ちゃんのこと追いかけて黒森峰に入学したぐらいだし……」

みほ「いつもお姉ちゃんの話してたし……」

エリカ「……」

エリカ(そ、そういえば……)

エリカ(私、まほ隊長のこと、憧れて、好きで好きでしょうがなくて……妹ってだけで特別扱い……はされてないけど、とにかくこの子が鬱陶しかったのに)

エリカ(何なの今日の私は!隊長と密室で二人きりっていう絶好のシチュエーションだったはずなのに)

エリカ(最初から最後まで圧倒的な恐怖しか感じてなかったとか!どうなってるのよ逸見エリカ!)ガガガーン

エリカ「う……うわぁぁぁぁ~~!」ゴロゴロー!

みほ「え、エリカさん!しっかりして!」アタフタ

──深夜──

みほ「エリカさん……起きてる?」

エリカ「放っておいてくれる……私今、レゾンデートルの危機に瀕してるんだけど」

みほ「よく意味が分からないよ……」

みほ「あの、疲れてるところ、ごめんね?一つだけ言っておかなきゃいけないことがあって」

エリカ「何よ……」

みほ「今日はその、ありがとうございました……エリカさんにあんな風に言ってもらえるなんて、すごくすごく嬉しかった」

エリカ「……そう」

みほ「それから、更衣室で助けてくれた時も……一緒にご飯作ってくれたり、遊んでくれたり、作戦話し合ったり……毎日毎日、本当にありがとうございましたっ!」ペコリ

エリカ「何よ、突然気持ち悪いわね……まるでいなくなるみたいじゃないの、縁起でもないからやめてくれない?」

みほ「あはは……そんなことしないよ」

みほ「でも、あの時……エリカさんが助けてくれなかったら……本当にそうなってたかも」

みほ「戦車道を捨てて……どこか、遠くの学園にでも転校してたかも」

エリカ「……」

エリカ(私の隣に、この子がいない未来……?)

エリカ(馬鹿馬鹿しいわね)

エリカ(そんなものが、あり得るわけがない)

エリカ(そんなことが、許せるわけがない……)

ギュウッ

みほ「え、エリカ、さん……!?///」

エリカ「あなた、本当に鬱陶しい子ね……そんな、わけわかんないこと……いわないでよ……」ポロッ

みほ「エリカさん……泣いてるの……?」

エリカ「責任取りなさいよ……ただ、みほがいなかったかもしれないって考えただけで、こんな……涙が止まらないなんて……」ツーッ…

エリカ「この私を、逸見エリカを、こんなにして……絶対許さないんだから……一生ずっと一緒に居るって誓わなきゃ、絶対絶対許さないんだから……!」

みほ「エリカさん……」スッ

チュッ

エリカ(みほの唇が、私の傷だらけの指先にそっと触れる)

チュッ…チュッ…

エリカ(みほの唇が、私の瞳からこぼれる涙を優しく拭う)

チュッ……

エリカ(私とみほは、永遠を誓い合う)

エリカ(幾千もの言葉の代わりに、長い長い、終わりのないかのような口づけで──)

【来年度黒森峰女学園 戦車道チーム編成 具申案】


【隊長を二人擁立するという本案に対し】

【指揮系統の混乱を招きかねないという指摘はもっともではあるが】

【この二人に関しては、その危惧は当てはまらない】

【互いの絆が完全なものであり】

【あたかも一人の指揮者のように心を通わせることができるのならば】

【どのような戦局、どのような苦難をも乗り越えることは容易いと思われる】

【よって上記の理由により、逸見エリカと西住みほ、両者を次期隊長として推挙するものである】








【備考:】

【本内容と、姉として二人の交際を許可するかどうかは、まったく関連しない問題であり】

【今後とも厳重な監視を行っていく方針である】

【以上】

・今日はここまで

・今後の予定についてですが、当初軽いおまけぐらいのつもりで開始した別エピソードルートがどんどん伸びまくっており、本編のレス数を越えてしまっております

・梓さんルートと軍神大激怒ルートについてもネタ自体はあるのですが、今回のエリカルートを超える分量になりそうです

・ガルパン世界や戦史、戦車についての知識やキャラクター把握の不十分さなどの問題があり、少なくとも年内にはどうにもなりそうにありません

・よって、リクエストを頂いた方には大変申し訳ないのですが、最後に沙織アフター/エピローグを追加し、本スレを一旦終了にさせて頂きたく思います

・予定としましては、2日以内にHTML依頼を出すことを目指します

・それではおやすみなさい

乙! やっぱりエリみほは最高やで
てか伊達みきお書いたのあんたかよ!

>>274 さんくす ていうかアレもめちゃくちゃ評価割れたんだよなぁトラウマになるぐらい

まさかアンタだったとは
帰宅部スレは全部読んでたよ
今回も素敵なガルパンSSをありがとう
沙織アフターにも期待してます

エリhttp://i.imgur.com/FHJG3bH.jpg
まほhttp://i.imgur.com/Lr9yc8k.jpg

こんな感じだったりして

http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=34612299

・みんなレスさんくす >>279 帰宅部員がこんなとこにいたとは

>>283 >>284 らぶらぶしか知らんかった

・それでは再開 今日中に終えられるかはまだ未定です

──図書館──


梓「新会長のお仕事もあって毎日忙しいのに……毎日すみません、西住隊長」

みほ「ううん、澤さんすごく熱心だから、私も楽しいよ」ニコ

梓「隊長……///」

みほ「でも、人に戦術論教えるなんて初めてだから……分かりにくかったりしないかな、大丈夫?」

梓「そ、そんなことないです!す、すっごく分かりやすいです!」

みほ「そ、そう?なら良かったぁ」ホッ

梓「た、隊長っ……この後なんですけど……お時間ありますか?」

みほ「うん、大丈夫だよ?」

梓「だ、だったら……あの、映画見に行きませんか?ボコの大冒険の劇場版第二弾……ぺ、ペアチケット、あるので!」

みほ「ほ、ホントに?実はまだ見に行けてなかったの、嬉しい……!行こう行こう!」パァァ

梓「は、はいっ!///」

梓(や、やった!やったよみんなありがとー!)グッ!

「みーぽーりーんー?」ゴゴゴゴゴ

みほ「さ、沙織さん、いつからそこに?」ビクッ!

梓「なっ……武部先輩!?」

梓(みんなが足止めしてくれてたはずじゃ……!)

ウサギさんチーム「梓ーごめーん~……途中でバレたぁ~……」ズルズル

紗希「……」ボー

沙織「急にモテ道講座開いてくれとかいうから、何かアヤシイとは思ってたんだけどぉ……」ズルズル

沙織「そういうわけだったのねぇ……っていうかもう離してよあんたたちー!」ブンブン

ウサギさんチーム「わわわっ!」ドサドサ


沙織「んもー!どーしてみぽりんはボコに関することになると見境が無くなるの!?」

みほ「ご、ごめんなさい……」ペコペコ

沙織「澤さぁーんー?」ゴゴゴゴ

梓「す、すみません!出来心なんです!あっ、でもわりと計画的でした!」ペコペコ

沙織「……みぽりんのうわきもの」ジトッ

みほ「ご、ごめんね沙織さん……でも、私は沙織さん一筋だから!ほんとだから!」

沙織「……じゃあ、ちゃんと証明して」ジー

みほ「えっ……こ、ここで!?///」

沙織「……」プクーッ!

みほ「わ、わかりました!さ、沙織さん……目、閉じて……///」

沙織「ん……」

チュッ♡


桂利奈「おお、またちゅーしてるー!」アハハハ

梓「しくしく……」

あゆみ「梓、今日は惜しかったよ、ドンマイ!」

あや「うんうん、いいとこまで行ったよ!次こそがんばろー!」

優季「武部先輩相手なら、まだ付け入るスキありそーだもんねぇ」


そど子「こらぁー!図書館で風紀を乱す行為はやめなさーい!」

ゴモヨ「そど子が一番うるさくしてるよぉ、図書委員に怒られちゃう……」

紗希「……」ボー

──生徒会室──

杏「んでー、この書類の方をパーッとやってガーッとやるわけ。わかったかーい?」

みほ「あの、全然まったく分かりません……ていうか、その……」

みほ「なんで、さっきから私の膝に乗ってるんですか、会長?///」

杏「この方が教えやすいじゃーん。ていうか、もう会長は西住ちゃんの方だしー」

桃「わざわざ会長が時間を割いて引き継ぎしてくださっているんだぞ、拝聴しろ西住!」

柚子「だから、もう会長じゃないってば……」

みほ「うう、な、なんでこんなことに……」

杏「いやー、それにしても圧倒的だったねー、生徒会長選」

桃「事実上の信任投票、それもほぼ100%の得票率とは」

柚子「さすがだね」ニコニコ

みほ「ううう……戦車道だけでもいっぱいいっぱいなのに、自信ないです……」

杏「だいじょーぶだって。西住ちゃんには頼れる仲間がたくさんいるじゃん?みんなを信じなって」

みほ「は、はい……!」コクリ

杏「というわけで……よいしょ」モゾモゾ

みほ「きゃっ?ちょっ……な、なんで反対側向いて……会長、くすぐったいですっ///」

杏「やっぱりこっちの方が落ち着くな~」ギュウウ

みほ「あうう……///」

杏「それからさー西住ちゃん。私のことは……杏って呼んでほしいな~」ミアゲ

みほ「えっ!?」

杏「ほらほら、言って言って?」ギュウギュウ

みほ「わ、わかりました!あ……杏さん……///」

杏「……」ニシシ

バタンッ

沙織「こらーっ!引き継ぎ口実にスキンシップするのは禁止って言ったじゃないですかー!」プンプン

柚子「あ、次期副会長」

ケイ「ハーイミホ!特に理由はないけど遊びに来たわよ!」

みほ「ケイさん!こんにちは」

ケイ「何だか忙しいみたいねー、急に来たら迷惑だった?」

みほ「そんなことないです……ケイさんとお話しするの、いつでも楽しいですから」ニコニコ

ケイ「ミホ……!///」パァァ

ケイ「オーケイ、そういうことなら、これから常夏の島にレッツゴーよ!」

みほ「え、えええっ!?今からですか?」

ケイ「ええ、サンダースのハワイの合宿所に行きましょ!」

みほ「は、ハワイ!?」

ケイ「ヘリで乗り継いでプライベートジェットでひとっ飛びよ!ちゃんとミホの水着も用意してあるから大丈夫♪」ウインク

みほ「こっこれ……ほ、ほとんどヒモじゃないですか……!む、無理ですー!///」

ケイ「私たち以外だれもいないプライベートビーチだからノープロブレムよ。ハリアップ!」グイグイ

みほ「ちょ、ちょっと待ってくださーい……!」ワタワタ

バタンッ

沙織「こらーっ!勝手に私のみぽりんを国外に拉致しないでー!」

エリカ「……」ジーッ

みほ「あ、あの……エリカさん?急に来て、どうしたんですか?お姉ちゃん関係の用事ですか?」

エリカ「今日は関係ないわ」

エリカ「それよりあなた……似合わないわね。その制服」

みほ「ええーっ!?け、結構気に入ってたんですけど……そうですか?」ガビーン

みほ「確かにお姉ちゃんが着てるの見た時は信じられないぐらい似合わなくってびっくりしましたけど……ノンナさんやナオミさんより似合ってなくて本当に本当にびっくりしましたけど……私もですか……」シュン

エリカ「気持ちはわかるけどそれぐらいにしておきなさい」

エリカ「やっぱりあなたには黒森峰の制服の方が似合うわ。私のを貸してあげるから着替えなさい」バサッ

みほ「えええええ!?な、何で急に?」

エリカ「最近やたらと既視感を感じるのよね。あなたがその制服着てるの見るとイライラするっていうか……それを確かめるためよ」

みほ「よ、よく意味が分からないです……」

エリカ「いいからさっさとしなさいよ、どんくさいわね……できないなら私が着替えさせてあげるわ……!」

シュルッパサ

みほ「やっ、きゃっ、な、なんでそんなに服脱がすの上手いんですかエリカさ……だ、ダメですーっ!///」

バタンッ

沙織「こらーっ!犯罪行為禁止ーっ!」

愛里寿「……みほ」

みほ「愛里寿ちゃん、どうしたの?」

愛里寿「最近、ちょっと疲れてるような、顔してるけど……大丈夫?」

みほ「う、うん……いろいろ……いろいろいろいろあって……」アハハ

みほ「でも大丈夫だよ、沙織さんたちが助けてくれるし」ニコッ

愛里寿「ふぅん……」

愛里寿「私も……みほの力になりたい」

愛里寿「またマッサージ……してあげる」

みほ「うぇぇぇ!?あ、アレを、また……!?」ゾクッ

愛里寿「最近……みほがお泊りに来てくれなくて……さびしい……」ウツムキ

みほ「うっ……だ、だって……アレにハマっちゃうとマズいことになる予感がするっていうか……」タジ

愛里寿「大丈夫……健全だから。疲労回復のためだから」スッ モミモミ

みほ「ひゃんっ!?///」ビクッ

愛里寿「たくさんたくさんしてあげる」サワサワスリスリ

みほ「はぅぅぅっ……///」ゾクゾク♡

愛里寿「だから……みほの全部……私にちょうだい?」ボソリ

みほ「あ、愛里寿、ちゃ……///」

バタンッ!

沙織「こらーっ!だ、だから、犯罪行為禁止だってばー!///」

ねこにゃー「そ、そうそう。初めてなのにけ、結構うまいね、西住さん……」

みほ「そうかな、私ゲームって苦手で……でもスマホで戦車道アプリなんてあるんだね、知らなかった……」

みほ「あっ、やられちゃう!が、がんばってー!」アタフタ

ねこにゃー(ゲームに必死になってる西住さん……か、可愛いにゃー……アプリのキャラより全然萌える……!)ゴクリ

ねこにゃー(し、しかも、上からだとう、うなじが丸見え……シャッターチャンスキタコレ!)カシャカシャ

バタンッ

沙織「こらーっ!盗撮も禁止ー!」


ポロロンッ

ミカ「やあ、また会ったね。風の赴くまま、一緒に旅に出てみないかい?可愛い人」マドワクニモタレ

みほ「ミカさん!?い、いつのまにそこに!?」

沙織「出ません!」


絹代「西住殿!私の熱い突撃精神を、ど、どうかお受け取り下さいっ!」コイブミサシダシッ

沙織「いりません!」


ダージリン「みほさん、私と午後のお茶を」

沙織「間に合ってます!」


カチューシャ「ミホーシャ、ロシア式紅茶」

沙織「だから、間に合ってます!」


まほ「みほ、突然だが今日は実家に」

沙織「熊本には行きません!」


アンチョビ「おいみほ!うちの学校に」

沙織「学園艦にも行きません!」

──生徒会室──

沙織「ぜーっ……ぜーっ……」

みほ「あは、あははは……」グッタリ

華(公報)「お二人とも、大丈夫ですか?」

麻子(会計)「連合が瓦解して、かえって各国がバラバラに突撃してくるようになった」

沙織「毎日毎日……もー、全然気の休まる暇がないよぉー!何かまた微妙に増えてるし!」プンプン

沙織「大体みぽりんもみぽりんだよ!何で手当たり次第に出会った人全員好きにさせちゃうの!?」

みほ「そ、そんなこと言われても……私だって何がなんだか……///」

優花里(書記)「も、申し訳ないですぅ……私も西住殿をお守りしようとしたのですが、敵勢力は強大かつ神出鬼没で……」

みほ「優花里さんは頑張ってくれてるよ、ありがとね?」ナデナデ

優花里「わ……わんわんっ!」シッポフリフリ

優花里(西住殿になでなでされちゃいましたぁ///)モジャモジャー

麻子「何か心の声と入れ替わってなかったか、今」

沙織「もーみぽりん、また……まあゆかりんならしょうがないか……」ハァ

麻子「しかしこのままではさすがに業務に差支えるぞ」

華「戦車道の練習もありますし……」

沙織「うーん……何かみんなを牽制できるようなものがあれば……ん?」ペラリ

沙織「こ、これだぁ……!」パァァ

華「大洗結婚式場、1日結婚式体験コース……ですか?」

麻子「沙織が結婚の予定もないのに愛読してた結婚情報誌に挟まってたチラシか」

みほ「さ、沙織さん……その、もしかして?///」

沙織「うん、やっちゃおうよみぽりん、私たちの結婚式!」

麻子「体験コースな」

優花里「その……ひょっとして、また動画編集でありますか?」

沙織「ゆかりん冴えてるぅ♪そう、今度誰かがちょっかい出してきたら、見せつけてやるの!私とみぽりんがラブラブ新婚カップルだってことをね!」

みほ「さ、沙織さん……///」

華「それこそ火に油のような気が……」

麻子「修羅場決定だな」

──大洗結婚式場──

華「学校を休んで来てしまいましたけど、いいんでしょうか?」

麻子「平日だからタダなんだろう、こういうのは」

優花里「お二人とも遅いですねぇ……こういう着替えって時間かかるんでしょうか……」


沙織「お待たせー!どう、どう?すごくない!?このウェディングドレス!ホントの式でも使ってるんだって!」フワリ クルクルー

華「まあ……!」パァァ

優花里「す、すごい!武部殿すごい綺麗ですぅー!」パチパチ

麻子「……まあ、馬子にも衣装だな」

沙織「やっぱり、女の子の夢だよねぇ、ウェディングドレス……ついに叶ったよぉ……」ジーン!

華(でも、確か結婚式前に着ると……)

麻子(婚期が遅れるというジンクスがあったな)

優花里(武部殿には内緒にしておきましょう)

沙織「あれ、みぽりんは?まだ着替え中……」

みほ「お、お待たせしました……///」シズシズ

キラキラキラ…


沙織「……」

優花里「……」

華「……」

麻子「……」




みほ「あ、あの……みんな?やっぱり似合ってない……かな///」フワリ


沙織「……///」ポーッ

優花里「……///」ポーッ

華「……///」ポーッ

麻子「……///」ポーッ

沙織「って、ちょっとみんな!?しっかりしてよ!いくらみぽりんのドレス姿が綺麗だからって!」

みほ「さ、沙織さん……それは言い過ぎ……///」

優花里「はっ!私また今一瞬、感動のあまり気絶を……」

華「き、危険でしたわ……」ハァハァ

麻子「私たちまであちら側に取り込まれたら……もう収集がつかなくなる」プルプル

みほ「もう、みんなまで……///」

──華、カンペ確認中──

みほ「沙織さん」

沙織「何?みぽりん」

みほ「ごめんね?何か、私のせいで沙織さんにいろいろ苦労かけちゃって……」

沙織「もー、ホントにモテ過ぎる婚約者を持つと大変だよー」

みほ「う、うう……///」

沙織「なんてね、冗談だよ♪」クス

沙織「優しくて可愛くて強いみぽりんを、みんなが好きになっちゃう気持ちは……私が一番よく分かってるもん」

沙織「それでも、みぽりんは……私を選んでくれたんだよね?あんなにたくさんの、素敵な人たちの中から」

みほ「うん……いっぱい心配かけちゃってるけど……私には、沙織さんだけ……」

みほ「初めて会った時から、私は、ずっと……///」

沙織「……///」

みほ「……///」

沙織「だ、だったら、私もこたえなくちゃね!今はまだまだかもしれないけど」

沙織「みんなが、あの子だったらしょうがない、認めてやるって思われるぐらいの」

沙織「本当の……みぽりんの理想の婚約者に、なってみせるから」

みほ「沙織さん……」

沙織「だから、今日はまだお遊びみたいな体験コースだけど……約束のリングもないけど……いつか本当に……」

みほ「うんっ!私と結婚してくださいっ……沙織さん!」ニコ

沙織「みぽりん……嬉しいよー!」ギュッ!

麻子「そろそろ始めないと時間が無くなるぞ」

みほ「華さん、お願いしていいですか?」

華「はぁ、わかりましたけど……ここの所、読んでしまっていいんでしょうか?」

華「何だかこの後の展開が分かってしまったような……」

みほ「?」

沙織「いいから読んじゃってよ華ー!」


華「……ええと、じゃあ読みますね」

華「ええと、出席の皆さんのうち、この結婚に異議のある方は申し出」

「異議ありーっっ!!」

ドドドドド!



みほさおゆかまこ「あー、なるほど……」

ドタバタ!

沙織「あ、あの人たち全然懲りてない……ていうか、何でバレたの?」ヒィィ!

麻子「平日に生徒会が全員休んでるから怪しまれた」

華「さすがに戦車は持ち込まなかったあたり、多少の成長がみられますね」

優花里「あの、着替えてる暇は無さそうなので、とりあえず逃げてから後のことを考えた方がいいと思います」

みほ「……わかりました。乗って来たⅣ号で脱出して、ドレスは後で返しにきましょう。全員乗車してください!」

沙織「んもー!なんでドレスで戦車に乗る羽目になるのよー!ぜ、絶対汚さないようにしないと……」ソローッ

華「フリルが邪魔で照準が見えません」

優花里「あの、さすがに照準を使用する場面は無いのでは……」タラリ

麻子「ドレスがかさばりすぎて狭いぞ、なんとかしろ」

沙織「ウェディングドレスが完全に邪魔モノ扱い!?ひどすぎるよこの展開!」ガガーンッ

プッ…クスクス…

沙織「みぽりん……?」

みほ「あはは……まさか、こんなことになるなんて……」クスクス

沙織「んもー、笑ってる場合じゃないと思うんだけど」ハァ

みほ「ありがとう、沙織さん」

沙織「え?」

みほ「予想外なことばっかりで……時には大変なこともあるけど」

みほ「沙織さんと出会えたから、毎日が楽しいの。こんな日々を過ごせるなんて、考えたこともなかったよ」

沙織「みぽりん……」

みほ「ありがとう、沙織さん……これからも、よろしくね」

チュッ…

沙織「み、みぽりん……///」

──ちょっと慌ただしくなっちゃったけど、これは誓いのキス

──これからどんな困難が待ち受けていても、大切なあなたと、みんなと一緒なら、きっと乗り越えられる

──戦車に通れない道なんてないんだから

優花里「西住殿武部殿~!皆さんが迫ってきてますぅ」

華「お二人ともそれぐらいにしていただいて……」

麻子「早く出た方がいい」

沙織「あ、あうう……わかったわよー、こっちも準備オーケーだよ、みぽりん!」

みほ「了解です。それでは、戦車前進……」


あんこうチーム「パンツァー・フォー!」

・終わりです

・予定していたよりかなり長いスレになってしまいましたが、お付き合い頂いた方、どうもありがとうございました

・リクエストに応えられない部分があったことをお詫びいたします

・ガルパン劇場版は本当に本当に素晴らしい作品です。もし未見の方がおりましたら是非映画館に足をお運び頂ければと思います

・それではおやすみなさい

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