穂乃果「さようなら、みんな」 真姫「待っーー」 (16)

さようなら、みんな

その言葉を皮切りに彼女は私の前から突如として消えた、はずだった。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1451569117

「真姫ちゃん、真姫ちゃん!」

耳元で誰かの囁く声が聞こえる。意識が朦朧としているせいか、誰の声かわからない。

「真姫ちゃん起きてよ〜」

どうやら私を起こそうとしているらしい。私は疲れているから寝たいのになんで迷惑な声なんだろう。そう思った。



「まーきちゃーん、まきちゃん、まきちゃん、まきちゃーん!」

酷く眠いので無視をしていると、その声は何回も何回も、私の名前を呼び始めた。

最初のうちは誰の声かわからなかったけれど、その声はどんどん大きくなっていくので、だんだんと夢うつつな気分が抜け、意識が覚醒するにつれて誰の声だかわかってきた。

この声の主は、ほんの数時間、いや、ほんの数分前に私の目前から消え去った彼女の、高坂穂乃果本人の声に違いなかった。

あれは夢だったのだろうか?

そう思った瞬間に、私は肩への衝撃で目覚めた。

「重いわよ」

そう一言静かに呟いて、私は目を開いた。

顔を上げるとそこには水色を基調としたリボンが見えた。

両肩がやけに重たいので、おそらく両手を私の肩に乗せ、体重をかけているのだろう。

いい加減肩から手をどけてくれないかしら?

そう思い始めたとき、やっとその手は私から離れた。

「重いわよ、穂乃果」

私は改めて彼女にそう言った。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom