杏「事務所に立てこもる!」 (43)
P「立てこもり犯に告ぐー!既に事務所は包囲されているー!すみやかに投降しなさーい!」
杏「やだね!絶対に杏たちの要求を聞き入れさせるよ!」
P「要求など飲まない!今ならちょっとしか怒らないから出てきなさーい!」
美穂「やっぱりプロデューサーさん、強気です…!」
みく「でもこっちにも手があるにゃ!」
杏「人質がいるからね!」
P「人質だと?」
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卯月「た、助けてくださーい!」
P「こらー!無駄なことはやめて卯月と美穂を解放するんだ!」
みく「え?美穂チャン?」
P「そうだ!人質にしてる卯月と美穂をすぐに解放しろー!」
美穂「わ、私は実行グループですー!」
P「えっ…?」
P「そ、そんなわけないだろ!杏とみくはともかく美穂が立てこもりなんてするはずがない!」
みく「なんか言い方にトゲを感じるにゃ。」
杏「ねー。」
P「じゃあ要求はなんだ!実行グループなら言えるだろ!」
美穂「事務所にこたつの設置を求めまーす!」
P「こたつ…あー、だから美穂もなのか。」
美穂「認めてもらえました♪」
みく「そこで喜ぶのもなんか違う気がするにゃ。」
杏「ねー。」
P「前々からこたつを置くスペースなどないと言ってきただろ!」
みく「いらないものを片付ければスペースができるはずにゃ!」
杏「そうだそうだ!」
P「この事務所にいらないものなどない!あるなら言ってみろ!」
杏「仕事でしか使わない棚の資料なんていらないはずだー!」
美穂「い、いや、それはいるんじゃないかな…?」
みく「そうにゃそうにゃ。」
みく「机を撤収した跡に置けばいいにゃー!」
P「仕事ができねーだろ!」
みく「こたつでやればいいにゃ!」
P「できるわけないだろ!」
みく「なんでにゃ!ノートパソコンでやればいいにゃ!」
P「違う!机の下のまゆが熱さでダメになるだろ!」
みく「なんでまゆチャンを机の下に居させるのが前提なのにゃ!」
P「可愛いから仕方ないだろ!」
みく「Pチャンは明らかに人によって扱いが違うにゃ。」
杏「ねー。」
P「いずれにしろこちらが条件を飲むことはない!大人しく出てきなさい!」
みく「だったらこっちにも手があるにゃ!美穂チャン!卯月チャンを連れてくるにゃ!」
美穂「うん!」
卯月「え?わ、私ですか?」
P「おい!卯月に何するつもりだ!」
みく「卯月チャンにもこたつの魅力を分かってもらうだけにゃ!」
P「ハハッ、こたつも無いのにどうやって魅力を教えるっていうんだよ。」
杏「どうしてこたつが無いと言えるのかなー?」
P「お、おい!まさか…!」
美穂「今朝3人でこたつを作りました♪」
P「なっ…!事務所にそんなスペースはないはずだっ…!」
みく「学校の掃除みたいに机とか端っこに寄せたら意外といけたにゃ!」
P「おい!ちひろさんに怒られるの俺なんだぞ!」
みく「卯月チャーン♪ぬくぬくのこたつに入って休むといいにゃ♪」
卯月「え?い、いいんですか?」
杏「いいよいいよー。人質には快適に過ごしてもらわないとねー。」
P「だめだ卯月!そこに入ると二度と帰ってこれなくなるぞ!」
卯月「で、でも、プロデューサーさんが…」
みく「まあまあ、とりあえず入ってから考えればいいにゃ。」
卯月「は、はあ…」
美穂「卯月ちゃん、気分はどう?」
卯月「あ゛ぁ~、あ゛っだがいれしゅ~」ヘゴォ
P「うづきぃぃぃぃ!!」
P「一瞬のうちに卯月がヘゴヘゴしてしまうなんて…」
美穂「卯月ちゃん、こたつ、事務所にあった方がいいと思いませんか?」
卯月「はい!絶対に置くべきです!」
杏「でもプロデューサーは置かないって言ってるんだよねー。」
卯月「そ、そんなひどい…!」
みく「みく達はこたつを置くために色々頑張ってるにゃ!卯月チャンにも手伝ってほしいにゃ!」
卯月「はい!島村卯月、こたつのために頑張ります!!」
P「うづきぃぃぃっ!!」
卯月「それで、このあとどうするんですか?」
みく「Pチャンが折れるまでここに居座るだけにゃ。」
杏「みんなでみかんでも食べながらだらだらしようよ。」
美穂「そうですね♪」
杏「あ~、あったか~」ぬくぬく
みく「最高にゃぁ~」ぬくぬく
美穂「やっぱり冬はこたつですねぇ~」ぬくぬく
P「くそっ、あいつらこたつにこもって出てくる気配がない…!鍵はちひろさんが持ってるし…!」
菜々「プロデューサーさん!事務所にみんなが立てこもってるって本当ですか?!」
P「みんなと言うか、杏たちが勝手にこたつ作って中から鍵かけただけな。」
菜々「こたつ…!うらやま…じゃなくて、このままだと仕事になりませんよ!」
P「今羨ましい、って言いかけただろ?」
菜々「き、きき気のせいですよ!」
P「まあ、そんなことよりも、どうにか部屋から出す方法はないものか…」
菜々「ここはやっぱり物で釣ったらどうですか?」
P「よし、やってみよう!」
P「グループの中心は杏のはずだ!だから杏を懐柔する!」
菜々「となるとやっぱり飴ですね?」
P「そうだ。確かカバンの中に…あったあった。」
菜々「いつもカバンに入れてるんですか?」
P「いや、昨日買って入れっぱなしになってるだけだ。」
菜々「タイミングいいですねぇ。」
P「あんずー!取引をしようじゃないかー!」
杏「んー?呼んだー?」
P「事務所を明け渡したら昨日買ってきた飴をたくさんあげるぞー!」
杏「いらなーい。」
P「なんなら今から希望の銘柄を買ってきてやってもいいぞー!」
杏「うーん…いいやー。」
P「なんだよ、杏のくせに…飴が全然効いてないじゃねーか…」
菜々「まあ、こたつですしねぇ。」
P「仕方ない、飴でだめなら…明日から三日間休みにしてやるぞー!」
杏「……へー、ふーん、ほー…」
みく「杏チャン何迷ってるにゃ!」
杏「だ、だって三連休だよ!」
美穂「でも、そしたらこたつは撤去されちゃいますよ?!」
杏「え?みんなが頑張って勝ち取ってくれたらそれで…」
卯月「だ、だめですよ!4人みんなで頑張らないと!」
P「おお、効いとる効いとる。」
菜々「飴よりも休みなんですねぇ。」
P「もう一押し行くか。」
P「あんずー!仕方ないから4連休にしてやるぞー!」
杏「ええっ?!分かっ
みく「杏チャン冷静になるにゃ!」
杏「落ち着けるわけないじゃん!あのプロデューサーがいきなり4連休だよ!?」
みく「絶対ウラがあるにゃ!どうせそのあと『休んだ分は働いてもらうぞ』とか言ってガチガチに仕事入れるに決まってるにゃ!」
P「そ、そんなわけないだろー!」
みく「Pチャンが許してもちひろさんが許すわけないにゃ!」
杏「あー、確かに。うん、杏はこたつの保守に全力を尽くすよ!」
みく「それでこそ杏チャンにゃ!!」
P「みくー!!」
P「プランAは失敗に終わったからBに移る。」ペロペロ
菜々「杏ちゃんの飴なめてもいいんですか?」
P「これ経費落ちないから俺の自腹なんだぞ。」
菜々「えっ」
P「プランBはみくだ!みくを崩せば杏も落ちるに違いない!」
菜々「何で釣るんですか?」
P「みくの好物はハンバーグ!昼飯時だしみんなまとめてファミレスに連れていく!」
菜々「太っ腹ですねぇ!」
P「と言うことで一芝居打つから話合わせてくれ。」
菜々「はい!」
P「いやー!菜々!そろそろ腹が減らないかー?」
菜々「そうですねぇ。」
みく「にゃ。あんなこと言われたらなんかみくもお腹すいてきたにゃ。」
美穂「ちょうどいい時間ですしお昼ご飯にしましょうか?」
卯月「何かないか探してみますね。」
P「菜々!今日は無性に肉が食いたい!一緒にファミレスでハンバーグでも食べようじゃないか!」
みく「にゃっ?!ハンバーグ?!」
菜々「えーっ?いいんですかー?!」
P「ご飯はみんなで食べる方がおいしいからな!」
菜々「ありがとうございます♪」
P「せっかくだしもっと大勢で食べにいきたいんだけどなー!」
みく「ハンバーグらしいにゃ!みんなで行くにゃ!」
杏「いやいや、今出ていったらこたつを勝ち取れないよ?」
みく「でもハンバーグ食べたいにゃ!」
P「菜々、トロットロのチーズがかかったのとかどうだ?」
菜々「いいですねぇー!あっ、でもでも、菜々はチーズがインしてるタイプも捨てがたいですね♪」
みく「ふにゃぁぁぁ!みくもハンバーグ食べたいにゃあ!」
P「うーん、他に誰も来そうにないし、二人で向かいのコ●スに行くか、菜々。」
菜々「そうですねぇ。仕方ないですが…。」
みく「だめにゃ…みんな…みくはもうゴールするにゃ…」フラッ
美穂「あっ!」
杏「ん?どうかしたの?」
美穂「向かいのコ●ス、昨日から改装工事に入りましたよ?」
みく「にゃ?」
P「えっ?」
菜々「えっ?」
美穂「昨日、かな子ちゃんとパフェ食べに行ったんですけど…」
P「かな子…!間食減らせって言ってるのに!」
美穂「工事してたので入れなかったんですよ。」
みく「なんにゃ。じゃあみくはこたつのために戦うにゃ!」
卯月「みなさーん、プロデューサーの机にお弁当がありましたよー?」
美穂「勝手に食べてもいいのかな…?」
卯月「でも、ちょうど賞味期限が今日のお昼までですし…」
杏「いいねいいね。じゃあみんなで食べようよ♪」
みく「あー!何でみくに焼き魚弁当押し付けるにゃ!」
杏「いや、お約束だし?」
みく「そんな芸人みたいなノリはいらないにゃ!」
P「プランBも失敗に終わってしまった…」モグモグ
菜々「結局お昼はわびしくコンビニのおにぎりですねぇ…」ムシャムシャ
P「菜々、この戦いに勝ったらびっくり●ンキー連れてってやるからな。」モグモグ
菜々「フラグっぽい言い方しないでくださいよ。」ムシャムシャ
P「さて、気を取り直してプランCに移る!」
菜々「はいっ!」
P「次の狙いは美穂だ!」
菜々「で、何で釣るんですか?」
P「美穂と言えば睡眠。そう思わないか?」
菜々「確かに…事務所のソファーでも時々寝てますよね。」
P「ふっふっふ…美穂を快眠の底に突き落としてやる!」
P「おーい!美穂ー!」
………
P「美穂ー!」
美穂「…はっ!よ、呼びましたか?!」
P「もしかして寝てたかー?」
美穂「ね、ねねね寝てないです!寝てないですよ!」
P「そうかー!じゃあいい枕を用意してやろう。最新のテンピュールの枕をプレゼントしてやるぞー!」
菜々「テンピュール…!あの低反発のあれですね!」
P「そうだぞー。手で押しても戻ってこないアレだぞー!」
みく「美穂チャン!枕ごときに揺れちゃダメにゃ!」
杏「いやー、枕は大事だからねー。正直杏もけっこう欲しいかも。」
卯月「だ、だめですよ!みんなでこたつのために頑張りましょう!ね?美穂ちゃん?」
美穂「えっ?私別にいらないですけど…」
杏「えっ?」
卯月「えっ?」
みく「えっ?」
P「えっ?」
美穂「その…私、枕なくても眠れるくらいなので…」
卯月「確かに、美穂ちゃんって座ったまま寝てますよね。」
美穂「別に枕にこだわりとかないですし…」
みく「これは盲点にゃ。」
美穂「それよりも!こたつの方がよく眠れます♪」
杏「そうだね。やっぱりこたつが一番たね!」
美穂「睡眠のために!みんなで協力してこたつを勝ち取りましょう!」
4人「おー!」
P「」
P「逆に結束が固くなってしまった…」
菜々「ですねぇ。」
P「きっとモノで釣るのが失敗だったんだ!」
菜々「となると他の方法ですか?」
P「うむ。なんとかこたつを出て部屋の鍵を開けざるをえない状況にできれば…」
菜々「差し入れを渡してその隙を突くのはどうでしょうか?」
P「おっ、それはいいな。」
P「と言うことで大量のエナドリを用意した。」
菜々「お菓子とかの方が喜んで開けそうですけど?」
P「水分を取らせたらトイレに行きたくなるだろ。」
菜々「トイレはこたつから出ないとだめですもんねぇ。」
P「しかもトイレに行くには部屋から出ないといけないからな。その辺まで見越しての判断だ。」
菜々「なるほど。」
P「おーい。喉渇いてないかー?」
卯月「大丈夫ですー。」
P「みんなの体調が心配だからエナドリ持ってきたぞー。」
みく「いらないにゃー。」
P「そんなこと言わずにー。」
杏「どーせまたなんか企んでるんじゃないのー?」
P「そ、そんなことないぞー?」
杏「どーだかー?」
P「ドアの横に置いておくから気が向いたら飲んでいいぞー。」
卯月「分かりましたー。」
P「さて、いつドアを開けるか。」
菜々「開けた瞬間を狙って…ですね?」
P「ああ。」
10分経過
P「開けないな。」
菜々「開けませんね。」
30分経過
P「本当に開けないな。」
菜々「本当に開けませんね。」
P「おーい!エナドリいらないのかー?」
……………
P「ついに無視された…」
菜々「徹底的ですね…」
1時間後
P「ふあぁ…」
菜々「さすがにすることがないですねぇ…」
P「ただ、そろそろちひろさんが戻ってくるはずだ。鍵があればこっちの勝ちだ。」
菜々「ですねぇ。」
ちひろ「すいません!遅くなりました!」
P「あ、いえいえ、こちらこそ何か急かしたみたいで。」
ちひろ「鍵も持ってきたので開けますよ?」
P「はい。お願いします。」
P「おーい!開けるぞー!」
…………
ちひろ「返事がないですけど大丈夫ですか?」
P「この1時間くらい、ずっとガン無視されてるんですよ…」
ちひろ「あっ、だから表情が死んでるんですね。」
ガチャ
P「さあ!今すぐ片付け…」
ちひろ「プロデューサーさん?」
菜々「どうしたんですか?入らないんですか?」
P「ちひろさん、こたつ、置きましょう。」
ちひろ「えっ?そんなスペースは…」
P「こんなの見たらこたつ置くしかないですよ…!」
杏「zzz」
みく「zzz」
卯月「zzz」
美穂「zzz」
P「可愛い。」
菜々「可愛い。」
ちひろ「可愛い。」
P「こたつ設置で」
ちひろ「決定ですね!」
終わりです。
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