【艦これ】提督「港湾棲姫を攻略するぞ」 (142)

~とある鎮守府~

提督「港湾基地を攻め続けてはや三ケ月……敵将の港湾棲姫率いる最終防衛部隊がまったくもって突破できん!」

提督「これでは埒が明かないな……このままではお国のおっかさんに怒られてしまう。なんとしてもあの港湾棲姫を攻略せねばならんぞ」

提督「――かくなる上は緊急作戦を展開せざるを得ない!」


 

《選択肢を選んでください。》

1『港湾基地に直接乗り込むぞ!』

2『まずは手紙を送ってみよう!』


安価↓2

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450942061


提督「ますは提督渾身の思いのたけをぶつけた手紙をたたきつけてやるぞ!」カキカキ



~港湾基地~

ル級f改「……あの、港湾棲姫様」

港湾棲姫「なんだ? また敵艦隊が来たのか」

ル級f改「いや、前線哨戒部隊が言うにはその……なにやら県北鎮守府の提督を名乗る者が、港湾棲姫様に直接お渡ししたいものがあると」

港湾棲姫「……は?」

ル級f改「明らかに怪しいですが……いかがいたしましょう」

港湾棲姫「……人間側の自爆特攻の可能性もある。追い払いなさい」

ル級f改「はっ……」



提督「その必要はない!!」バターン!!

港湾&ル級「「!!?」」

港湾棲姫「な、なんだお前は! いつの間に……!」

提督「俺は海軍提督……鎮守府から港湾基地まで泳いでくるなんざ造作もないことよ」

ル級f改「おのれ、神風覚悟で来たか!?」ジャキン!

提督「違う! 俺は港湾棲姫に手紙を渡しに来ただけだ! くらえ!」スッ

港湾棲姫「えっ……あ、本当に手紙……?」

提督「そう……三ヶ月もの長きにわたり俺たちの攻撃を耐え抜いたお前に対する、決意表明といったところだな……クク」

ル級f改「敵軍の将が今更何のつもりだ……!?」

提督「ふははは! そいつはその手紙を読んでからのお楽しみよ!! では諸君、サラダバー!!」ダッ

ル級f改「あっ、待て!」

ダパーン ダパーン ダパーン… (←泳いでいる音)

港湾棲姫「……な、なんだったのだ一体? あれは人間か?」

ル級f改「わ、わかりません……しかし、お気を付けを。何かの罠やもしれませぬ」

港湾棲姫「これ自体は正真正銘ただの手紙のようだな……」ピラッ

「拝啓 港湾棲姫様

 近頃は一層寒さも厳しくなり、深海棲艦の方々におきましては海水の冷たさもひとしおに感じる季節であろうことと存じます。
 さて、私ども県北鎮守府の一同はかねてより西方は港湾基地に向けて幾度となく艦隊を派遣してまいりました。
 当初、私めはこの海域における秋刀魚漁の安定を図らんがために深海棲艦のみなさまと直接的な交渉を続けて参る所存でございました。
 ところが、度重なる港湾棲姫様の情熱的な歓迎を受けて、わが軍も双方の利益を考えるべきだと反省するに至った次第であります。
 つきましては、我が鎮守府と港湾基地において、双方の十分な理解を深めたうえでの休戦協定、および私、提督と港湾棲姫様の
 友好的な関係を築きたいと願い、このような一筆をしたため献上差し上げるに至った次第でございます。かようなまでに港湾基地に住む
 深海棲艦たちの平和を祈られる港湾棲姫様におかれましては、私の提案に少なからず賛同していただけるであろうと思い、僭越ながら
 この身みずから文を手渡さねばならないと思い至った次第でございます。
 
 甚だ短き書面にて失礼かとは存じますが、もし港湾棲姫様のお心に届くものがあるようでしたら、是非とも何かしらのお返事を頂けると
 私個人といたしましても恐悦至極にございます。最後に、深海棲艦のみなさまにおかれましては豊穣なる海の恵みを益々享受されるよう
 お祈り申し上げております。 敬具
 
 県北鎮守府 提督」



港湾棲姫「……」

ル級f改「……」

港湾棲姫「……これ、さっきの男が書いたのか?」

ル級f改「に、にわかには信じがたいですが……」

港湾棲姫「こ、ここまで丁寧な文をしたためられると……ど、どうしよう……」

~鎮守府 提督室~

提督「あ~烈風作りてェ~」ダラダラ

ダダダダ… バァン!

龍驤「キミィ! なんやどえらいトコから妙なもん届いてんで! 西方から深海棲艦の艦載機が飛んできて――」

提督「だにィ!? 見せろRJ!!」

龍驤「誰やねんRJて!? ほれ、手紙や手紙!」

提督「ふむ、これは……港湾棲姫からの返事だ!!」ピラッ



「ぜんりゃく ていとくさま

 お手がみありがとうございます
 わたしも 出きれば むような争いはしたくありま せん
 一どおはなし が出きるなら もう一ど 港湾きちに きてください

 港湾棲姫」



提督「あいつ漢字書けねぇのか……」

龍驤「なんやこれ? 港湾きちて……あ、キミまさかこないだ急に出ていったんこれか!?」

提督「そうだよ。名付けて港湾棲姫攻略作戦よ」

龍驤「ちょお待ちィな。攻略する対象が違う気がすんねやけど」

龍驤「港湾基地攻略な? ウチらがいつまで経っても倒せへんあの憎き爆乳大要塞をやっつけんのが目標やで?」

提督「だから港湾棲姫をオトすんだよ。あってるだルルォ?」

龍驤「わかってるならええんやけど……」

提督「そういうわけだから、もう一回港湾基地に乗り込んでくるわ。お仕事よろしくRJ」ダッ

龍驤「いやだから誰やねん――あぁっ、もう海に飛び込んでバタフライしとる!」



~港湾基地~

ル級f改「港湾棲姫様! また提督を名乗るものが現れたようです!」

港湾棲姫「また一人で来たのか……」

ル級f改「は……しかしながら今度は潜水中のところをヨ級が捕獲しました。今ここにお連れいたします」

提督「その必要はない!!」バターン!!

港湾棲姫「!?」

ル級f改「あ、貴様! ヨ級はどうした!?」

提督「ははは。伊良湖印の最中は深海棲艦にも大人気だな」

ル級f改「ぐぬぅ、甘味で釣るとは卑怯な……!」

提督「大丈夫。今日は手土産にたくさん持ってきたよ」ドッサリ

港湾棲姫「こ、これは……!」キラキラ

提督「あぁ……たくさん食え。お代わりもあるぞ!」

ル級f改「姫様! 曲がりなりにも此奴は敵です! 懐柔されてはなりません!」

港湾棲姫「うぐ……」

港湾棲姫「と、とりあえず。お前が書いたあの文については私も少し思うところがあった……私もこの不毛な争いを止めにしたいとは思っている」

提督「ほほう……ということは前向きな返事をもらえると?」

港湾棲姫「勘違いするな。お前は私たち深海棲艦と争ってきた敵そのものだ。その司令官が……信頼できる人物だとわかるまでお前の提案には賛同できない」

提督「うむ……それはそうだ」

港湾棲姫「そのためにお前は何ができる? まずはお前自身の誠意を行動で見せてもらおう。私だけでなく、ほかの深海棲艦たちが納得するためにも」

提督「(港湾棲姫たちを説得するための行動か……)」



《選択肢を選んでください。》

1『まず俺さぁ、LINEやってんだけど……交換しない?』

2『鎮守府の全軍をこの西方海域から撤退させる!』


安価↓2

港湾棲姫
http://download1.getuploader.com/g/vipsenyou/15/%E6%B8%AF%E6%B9%BE.png

提督「我が鎮守府の全軍をこの西方海域から撤退させる! もうこの海域には侵攻しないことを誓おう!」

港湾棲姫「ほう……そん命令をお前の部下たちが聞くというのか」

提督「大丈夫だって安心しろよ~。こう見えても俺は提督なんだ。撤退させるったらさせる!」

港湾棲姫「……」

ル級f改「……」

港湾棲姫「では、そうしてもらおう。互いに不干渉、不可侵であることが争いをなくす一番の方法だからな」

提督「おう」

港湾棲姫「ル級、提督を丁重に鎮守府にお送りして。なんなら撤退作戦が実行されるまで艦隊付きで人質にしてもよい」

ル級f改「御意に……さぁ来い。さっさと全軍に通達しろ。『二度とこの西方海域には侵入しない』と」

提督「ふはは、そう焦るな。じゃあ待ってろよ! この提督、約束はまもるっ!」




…………

………

……



――その後、提督は約束通り西方海域における艦隊を全軍撤退させた。

半ば暗黙の協定ではあったが、今では西方における深海棲艦も脅威も鎮まり、彼の海域は束の間の平穏な海となった。

しかし提督がその後、港湾棲姫と接触することはなかった。互いに関わらず、それぞれの地を守ることを約束したのだから……



 BAD END


  CONTINUE?

▶  はい
   いいえ

≫22
直前の選択肢です

龍驤「――キミ! ちょっとキミィ! 執務中に寝とったらあかんで!」

提督「……んはっ!? なんだか、平和な海に沈む夢を見ていた気がする……」

龍驤「何を寝ぼけとんのや。そのために港湾基地へカチコミに行くんとちゃうかったんか?」

提督「あ、そっか。港湾棲姫とLINEのID交換しなきゃ!!」ダッ

龍驤「は? 何言って――あぁもうバタフライしとる!!」



―中略―



~港湾基地~

港湾棲姫「――お前は何ができる? まずはお前自身の誠意を行動で見せてもらおう。私だけでなく、ほかの深海棲艦たちが納得するためにも」

提督「(港湾棲姫たちを説得するための行動か……)」

提督「(うん、そのためにはまず指導者である俺たちが互いをよく知り合わなければならん。決して下心じゃあないのよ)」

提督「まず俺さぁ、LINEやってんだけど……交換しない?」

港湾棲姫「え?」

提督「いきなりあれこれ話を進めても強引だろう。とりあえずお互いの現状をもっと理解しあおうじゃないか」

港湾棲姫「それは、まぁいいが……LINEってなに?」

ル級f改「姫様、巷ではスマホアプリで連絡しあうのが主流でして……これ、この通り」スッ(←スマホ)

港湾棲姫「……こんなことができるのか。今はメールのやり取りだけではないのだな」カパッ(←ガラケー)

ル級f改「は……残念ながら姫様のガラケーではLINEは使えませぬ」

提督「なんだ、港湾棲姫はガラケーだったのか。ならば俺がiphoneをプレゼントしよう!」

港湾棲姫「……いいのか?」

提督「iphoneだってすぐに手に入る。そう、提督ならね」

ル級f改「爆弾ではなかろうな?」

提督「ちげーよ! なんなら俺の手汗ヌルヌルのお古の方がいいかぁ!?」

港湾棲姫「いや、新品がいい……」

港湾棲姫「でも……一つ問題がある」

提督「ん?」

ル級f改「姫様がガラケーから変更できないのは理由があるのだ……この巨大な御手では、特注のボタン式携帯電話でなければ壊れてしまうのだ」

提督「あっ……(よく見たらこのガラケー兵器並みに重厚な作りだな……)」

港湾棲姫「メールを打つだけでも苦手でな……ほっぽとやり取りするときでさえ時間がかかる」

ル級f改「北方棲姫様も細かい操作は苦手でいらっしゃいますから……」

提督「なるほどね……だが、やはり提督に任せておけ。それならば港湾棲姫カスタムの特製を作ってやろう!」

ル級f改「作るだと? お前がか?」

提督「頑丈でタッチ操作もスイスイ。フルオーダーメイドのiphoneだって作れちゃう。そう、提督ならね」

港湾棲姫「お前は本当に何者なんだ……」



………………



~県北鎮守府~

提督「ふんふんふふふ~ん♪」

龍驤「キミィ! なんやねんこの大量のペンギン+αは!?」

提督「あーそれね。ちょいと開発をね」

龍驤「ウチが見てへん時に勝手なことして~……資材もスッカラカンやないか!」

提督「しばらくは出撃命令出さないから、ヘーキヘーキ…………おっ!」ナノデス!

龍驤「なんや今の電の声は?」

提督「……ふはははは! おいRJ、これを見てみろよ!」

龍驤「もう突っ込まへんで……あ? LINEの……港湾棲姫ィ!?」



♰港湾棲姫♰『とても文しょうをうちやすい
      ありがと』 



提督「こうしてみると深海棲艦との距離もぐっと縮まった気がするよなぁ。俺が作った特製iphoneでやりとりしてんだぜ? ウハウハだよ」

龍驤「待ちィ。やっぱし攻略する対象間違おとるやろ」

提督「いいじゃねえか! こうして港湾棲姫と俺が仲良くなって、互いに争う気もなくなって戦争は終わりっ! 解散! ラブ&ピース!」

龍驤「やかましいわ! あーもう勝手にせぇ!」

提督「『秘書のまな板が横でうるさい』っと……」

龍驤「よぉし表出よか。ウチの艦載機は全部爆戦やで」

提督「」ダッ

龍驤「待てこのガキィ!!」

RJ爆撃中……



提督「――さーて、連絡先を交換しただけではなんとも進展がない。もっと関係を深めるためにはどうするのがいいかな?」ボロッ…

龍驤「全艦載機の爆撃受けて平然としてる君なら何でもできると思うで」

提督「いや、こう見えて色恋沙汰には疎くて……」

龍驤「確信犯やないか! やっぱキミあの爆乳が目当てなんやな!?」

提督「ぴゅ~ぴゅぴゅ~。そんなことより、何かいい方法を教えてくれよリュジョえもん」

龍驤「ふん、ウチが知るかい。仲良うしたかったらデートにでも誘えばええんとちゃうか!」

提督「ふむ、デートねぇ……となると……」



《選択肢を選んでください。》

1『北方クルージングの旅かな』

2『居酒屋鳳翔で食事をしよう』


安価↓2

~港湾基地~

港湾棲姫「……」チラチラ

ル級f改「(港湾棲姫様、あの提督とLINEを始めてからというもの、隙あらばiphoneをチラチラ見ていらっしゃる。まぁ新しい体験故楽しみなのはわかるが……情操教育としてあまり機械に触れさせるのもいかがなものか……)」ブツブツ

港湾棲姫「おっ……」メール…オイテケ…

ル級f改「姫様、いい加減その紛らわしい着信音はどうにかなりませんか……」

港湾棲姫「可愛いからいいでしょう……わっ、長いのが来た?」



変態♂提督『☆彡お食事会のお誘い☆彡

 港湾棲姫様、並びに深海棲艦のみなさまにぜひ味わっていただきたいものがあります。
 それは、我が鎮守府の母といえる軽空母鳳翔が営む小料理店の味。
 深海の皆様におかれましてはこの季節さらに味わい深くなる食材にさぞ趣を感じておられることかと
 存じます。つきましては、その感動をより温かな雰囲気とともに一層美味しく味わえる食事会の
 ご案内をさせていただきたく思います。旬の食材と秘蔵の銘酒を、深海のみなさまと共に
 風情ある思い出として残すため、港湾棲姫様も秘書の方も、何卒ご参加頂ければ幸いでございます。』



ル級f改「……相変わらずあの剽軽ものが書いたとは思えない文章ですな。姫様、これはしかし罠の可能性も……」

港湾棲姫「美味しいご飯か……」ヨダレ

ル級f改「……」

――某日

~鎮守府・離れの居酒屋~

提督「そんなわけだから鳳翔、今日はよろしく頼むよ」

鳳翔「な、なんといいますか……私はどんなお客さんでも構わないのですが」

港湾棲姫「……」ワクワク

龍驤「なんでもええけどアンタらようここまでス~っと来れたなホンマに」

ル級f改「賓客をもてなすというからわざわざ出向いてきたのだ。なのに歓迎の一つも無しとは……」

提督「他の艦娘連中はみんな待機するように言ってあるからな。流石に敵さんだった大将がいきなり上陸して来たら大騒ぎになるだろ」

龍驤「そーゆーとこだけきっちり対応しとんのが文句言えへんで腹立つわ~……」

提督「まぁまぁ今日は食事を楽しもうぜ。西方海域で獲れた美味い秋刀魚は俺たちだけで食うには勿体ないってもんよ」

鳳翔「そんなに大したものではありませんけど、新鮮なのは間違いありませんから。いろいろとお出ししていきますね」

港湾棲姫「期待している」ワクワク

龍驤「ほんで何やねん、アンタは戦場とキャラ違いすぎやろ。腹ペコキャラかいな」

ル級f改「姫様も複雑な立場におられるのだ。戦場の一端で姿を目にしたからといって心中を計れると思うでない」

龍驤「……あー、そうかもね。すまんね」

ル級f改「……で、いつ頃料理は出てくるのだ」グゥ~

龍驤「アンタもか!!」

 イタダキマース

提督「ズズゥ……うん、美味しい!」

港湾棲姫「……これが秋刀魚なのか? いつもの丸焼きと全然違う……」モグモグ

鳳翔「これは秋刀魚の身をつみれにしてお団子にしたものです。おすましに出汁が出て美味しいでしょう?」

龍驤「かーっ、やっぱ鳳翔のご飯は天下一品やね!」

ル級f改「……う……」

龍驤「ん? どないした?」

ル級f改「美味いッ……!!」ポロポロ

龍驤「泣くほどか!! アンタやっぱ腹ペコキャラやろ! 別にええけど!」

鳳翔「お次は湯通しした秋刀魚のお寿司です」

提督「寿司キタ!」

港湾棲姫「スシ?」

ル級f改「姫様、スシとはこのように魚を酢飯の上にのせて握ったもので……モグ……美味いッ……!!」ポロポロッ…!

龍驤「なんやあれか? 深海はそないに苦しい生活なんか?」

港湾棲姫「我々に料理ができる者はほとんどいないのだ……いつもなんでも丸焼きにするだけ」

提督「いや~感動してもらってなにより。鳳翔、この前港で買ってきたいい地酒があったろ?」

鳳翔「はい。どうやってお飲みになりますか?」



《選択肢を選んでください。》

1『お湯割りにしようかな』

2『酒ッ! そのまま飲まずにはいられない!』


安価↓2

提督「あんまり酔っても鳳翔の料理が味わえないし、お湯割りにしようかな」

鳳翔「ふふ、かしこまりました」コトン

提督「よし、じゃあかんぱ~い!」

港湾棲姫「……?」キョトン

提督「あれ?」

ル級f改「姫様、『乾杯』と言われたら杯を掲げて打ち合うのが食事の慣習……なのですが、敵将と無理に杯を交わす必要は」

鳳翔「秋刀魚の混ぜご飯も作ってみました♪」

ル級f改「美味いッ……! 犯罪的だッ……」モグモグ

龍驤「まぁ、アンタも固いこと言わんと飲んで呑んどき―な……」トクトク

港湾棲姫「よくわからないが、酒は飲めるぞ」グビッ

提督「そうだそうだ、一緒に飲んで食って仲直り! 平和が一番!」

港湾棲姫「そう簡単なことではない」

提督「あっハイ……」

港湾棲姫「……でも、みんながこういう関係になれたらいいのにな」

提督「なれる! と思う。根拠はない」

港湾棲姫「お前、本当に軍人か? そんな甘い考えだから三ヶ月かかっても私たちに勝てなかったんだ」

提督「三ヶ月も敵対した相手と食事してくれるお前に言われたかねーや」グビ

港湾棲姫「口の減らん奴だ……!」

龍驤「な、そこがまたムカつくやろ」

――数時間後

ル級f改「――つまりだ、教育係としてお傍にいる身としては姫様の複雑な心境お察しするに余りある苦悩があるのだ私とて……」グチグチ

龍驤「いやわかる、わかるで、ウチも秘書艦っちゅー微妙な立場が辛くなる時もあるんやで」ポン

提督「お前ら仲良くなったな……」

港湾棲姫「――オイ、聞いてるのか司令官!」グワシ

提督「あっハイ。まったくおっしゃる通りだと思います」

港湾棲姫「そうだろう? そもそもこの戦争は私たちの意図せぬところに起因するのであって……」

提督「おうその話もう5回目だぞ」

港湾棲姫「マジメに聞きなさい!」

提督「ハイ、すみません」

港湾棲姫「まったく……これだから人間はなにもわかってにゃい……むにゃむにゃ」

ル級f改「む……いかん、もうフタフタマルマルを回ったのか。姫様もご就寝なさるお時間だ」

龍驤「健康的なお姫様やな」

ル級f改「もともと酒に強い方ではないから尚更のこと。さぁ港湾棲姫様、そろそろ暇いたしましょう」

港湾棲姫「ヤダ。もっとここにいる」

提督「鳳翔、お水を」

鳳翔「こちらに」コト

港湾棲姫「ゴクゴク……」

提督「(子供みたいやな)」

港湾棲姫「ふぅ……オ、白い抱き枕」ムギュ

提督「オゥフ!? 柔らかい!」 

ル級f改「ひ、姫様それは枕ではありませぬ!」

龍驤「こらキミ! そういうのはまだ早いで!」

提督「ヘイ、RJ。これ想像以上に柔らかい。マジで」ムギュウ

龍驤「なんやて!? ウチもちょっと……」

港湾棲姫「この枕は硬い……」

龍驤「!」

ル級f改「ええい貴様ら姫様から離れろ!!」

――翌日

~県北鎮守府の提督室~

提督「あ~すげぇ柔らかかった……ホントにすごかった。なぁRJ?」

龍驤「うん……そうやね。すごかったね……ホンマに」ズーン

提督「これで少しは互いの親交も深まったかなぁ。やっぱ鳳翔の料理は最高、はっきりわかんだね」

龍驤「ちゅーかキミ、最初から個人的な交流を目論んでるよね? あの爆乳ちゃんと」

提督「……仕方ないだろ! あのボリュームで! 優しくて! 強い! かっこいい! 提督、惚れちゃいました!」

龍驤「はぁ……まぁキミも色々と承知の上でやってるみたいやから厳しくは言わんけどな。結果的に平和になるんやったらウチらも文句ないし」

提督「そんな理解あるRJが俺は好きやで」

龍驤「い、いきなりそういうこと言うなやキミは///」

提督「まぁお前は硬いけどな」

龍驤「よし、今日も二人で爆撃演習しよか」



――チュドォオオオオン!!



龍驤「!? な、何の音や!?」

提督「RJ、爆撃するなら俺が外に逃げてからにしろよ!」

龍驤「ウチとちゃうわ!!」

ナノデス! ナノデス!

提督「もしもし、提督です」ピッ

電『大変なのです! 浮翌遊要塞がこちらに向かってきてるのです!』

提督「だにィ!? ところで電、今日のパンツは?」

電『クマさんなのです』

提督「了解した、すぐに艦隊を寄越す」ピッ

龍驤「今のセクハラの下りいらんやろ!!!!! あといちいちiphoneで通信すな!」

~鎮守府正面~

北方棲姫「カエセー! お姉ちゃんカエセー!」ドーンドーン

龍驤「北方棲姫!? なんでこんなとこまで出てきてんのよ!」

北方棲姫「昨日お姉ちゃん言ってた。県北のチンジュフに行ってくるって。お姉ちゃんカエセ!」

龍驤「お姉ちゃんて……ああ爆乳ちゃんね。昨日ちゃんと海に帰らはったで?」

北方棲姫「でも昨日からメールかえしてくれない!」

龍驤「いやホンマホンマ。なんやったら電話してみ?」

北方棲姫「ワカッタ……」ピッピッ

龍驤「(これまたシンプルなお子様ケータイやな……)」

北方棲姫「……あ、お姉ちゃん! いま県北のチンジュフにいる……え、もう帰ったの? ウン、ワカッタ」ピッ

龍驤「な?」

北方棲姫「お姉ちゃん帰ってた。ほっぽも帰る」クルッ

龍驤「まぁまぁ、せっかく来たんやからちょっと上がっていきぃな。ほれ、飴ちゃんやで」

北方棲姫「んー」

龍驤「カッコイイ飛行機もいっぱいやで」

北方棲姫「烈風ほしい!」

龍驤「なはは、欲しかったらアホ提督にお願いしてみ」

~再び提督室~

提督「烈風だって瞬く間に作れる。そう、提督ならね」

北方棲姫「烈風だ! カッコイイ~」ブーンブーン

提督「ははは、港湾棲姫の妹分とあらばこの程度」

龍驤「キミ、そのために消費した資材とペンギン+@について言い訳はあるか?」

提督「なんのこったよ(すっとぼけ)」

龍驤「まさかホンマもん作れるまでやるとは思わんかったわ……まぁごっつ喜んどるみたいやしええけど」

北方棲姫「オマエ、昨日お姉ちゃんとなにしてたの?」

提督「よろしくしてたんだよ」

龍驤「オイコラ」

提督「ウソです。一緒にご飯食べたんだよ」

北方棲姫「ル級も?」

提督「そうそう」

北方棲姫「フーン……なんでほっぽは一緒じゃなかった?」

提督「……」

龍驤「……」

北方棲姫「……帰る」スタスタ

提督「待て待て待て! そうだ、ならこうしよう!」



《選択肢を選んでください。》

1『一緒にお姉ちゃんのとこに遊びに行こう!』

2『一緒にアイスクリームでも食べに行こう!』


安価↓2

提督「今から一緒にお姉ちゃんのとこに遊びに行こう!」

北方棲姫「なんでオマエも一緒?」

龍驤「まったくもってその通りやな」

提督「俺だって港湾お姉ちゃんと仲良くしたいんだ!!」

北方棲姫「オマエお姉ちゃんのトモダチ?」

提督「……たぶん……」

龍驤「なんでそこだけ自信ないねん。あんだけ飲み交わしたんやから流石に友達の枠には入っとるやろ」

提督「だって立場上、会合には応じただけって可能性も微粒子レベルで存在してるし……」ウジウジ

龍驤「キミ、恋愛に奥手なのはマジなんやね……まぁ追い返されることはないやろ。『ほっぽちゃんをお届けに来ました』ゆーとき」

提督「そうだ、そういう名目だから! いくぞほっぽちゃん!」

北方棲姫「RJ。コイツ、変」

龍驤「キミも若干おかしくなってきとるから。ウチ龍驤やから」



………………



~港湾基地~

港湾棲姫「ほっぽがあの鎮守府にいるらしい……心配だ」

ル級f改「北方棲姫様なら易々とやられることはありますまい。それにあの者も一応は中立を望んでいるようですから」

港湾棲姫「お前も少しはあの司令官を信用し始めたの?」

ル級f改「姫様次第、とだけ。私は一歩引いてあなたを守りする立場ですので」

港湾棲姫「……でもやっぱり心配だな。迎えに行こうか」

提督「その必要はない!!!!!!」バァーン‼

ル級f改「なぜお前はこんな簡単に侵入してくるのだ!?」

提督「いや、今回はこの子が道を開けてくれた」

北方棲姫「お姉ちゃん!」ヒョコ

港湾棲姫「ほっぽ……なんでそいつと一緒にいる」

北方棲姫「烈風作ってくれたから」

………

ル級f改「北方棲姫様、我々にも新型艦載機がありますのに」

北方棲姫「アレはタコヤキ。烈風のほうがカッコイイ」ブーンブーン

ル級f改「はぁ、左様で……」



港湾棲姫「――で、お前は何しに来た」

提督「あぁん? 用もなく来ちゃ行けねぇかよ」

港湾棲姫「ダメだ」

提督「……いやその、今回はほっぽちゃんを送り届けに来ただけですし……」

港湾棲姫「お前は敵だということを忘れるな。末端の部下に誤って殺されては困る」

提督「ん? 俺が死んだら困っちゃう?」

港湾棲姫「曲がりなりにもお前は和平交渉中の司令官だ。お前が死んだらまた不毛な戦争が繰り返される……それは嬉しいことじゃない」

提督「……なんか素直に喜べないなぁ」

港湾棲姫「個人的にやりとりをしたいならわざわざ会わなくとも出来るだろう」

提督「いやそういう問題じゃなくてさ」

港湾棲姫「昨日みたいに会わなくてはならない用でもあるのか? まぁ、あの艦娘の料理はまた食べに行きたいけど……」

提督「だからその……そうじゃなくてだなぁ」

港湾棲姫「なんだ」



《選択肢を選んでください。》

1『俺は港湾棲姫と仲良くなりたいだけなんだ』

2『俺は深海棲艦みんなと友達になりたいんだ』


安価↓2

提督「俺は深海棲艦みんなと友達になりたいんだ。そしたらいつかみんなで昨日みたいに一緒に酒を飲み交わしたりできるだろ?」

港湾棲姫「……そのために深海棲艦の将と繋がっておけば、いろいろとやりやすいと考えたわけか」

提督「え? うーん……いや確かに当たってるような、ちょっと違うような」

港湾棲姫「だとすれば門違いだ。私の傍には私個人に賛同する子たちしかいないし、他の連中みんなと和解したいのならそれこそこんな狭い海域に留まっている暇はないだろう」

提督「そりゃそうなんだが」

港湾棲姫「ほっぽも懐いていることだし、お前たちとの和平は前向きに考えてやる。だから用もなくこの海域には立ち入るな。あまり不用意に敵軍の出入りを許すと他の部下たちも不安がってしまう」

提督「……そうか。それもそうだな」

港湾棲姫「……和平交渉を提示してくれたことには礼を言う。今後は必要最低限の会合にだけ応じることにしよう。それでいいな?」

提督「いいだろう。お前とこうして出会えて幸運だったぜ、港湾」

港湾棲姫「そうだな……同じ考えの人間がいると分かっただけでも私としてはよかった。ル級、司令官を送り出してあげて」

ル級f改「は、御意に」



………………

………




――こうして県北の提督は港湾棲姫との和平を進め、西方海域はつかの間の平穏に包まれた。

二人はたまにLINEでやり取りしたりするらしいが、それも定期的な会合に関する事務的な内容だけである。

それでも二人は納得していた。人間と深海棲艦、互いの居場所を守るための協定を結ぶことができたのだから……


NORMAL END

  CONTINUE?

▶  はい
   いいえ

ピキィィィン……



……――リュウジョウ マイフレンド――……



提督「――んはぁッ!!?」ハッ

港湾棲姫「わっ! な、なんだ急に気を失ったようになって」

提督「い、いや……何か平和だけど満たされない日々に妥協したまま一生を終える夢を見ていたような」

港湾棲姫「道中で頭でも打ったか……? それで、お前は私に用があるんじゃないのか」

提督「はっ! そう、それなんだけどな――」

港湾棲姫「なんだ」

提督「俺は港湾棲姫と仲良くなりたいだけなんだ。もちろん、和平を結ぶ将軍同士ということもあるけど……それとは関係なしにこう、何気ないことを話せるような仲になりたいというか」

港湾棲姫「……その理由はなんだ」

提督「直感。『あ、この人好きだな』って思ったら仲良くなりたいと思うのは普通だルルォ?」

港湾棲姫「それは、まぁ……わからくはないが。ならお前はその……私を見てそう思ったというのか?」

提督「三ヶ月も敵として渡り合っていると見えてくるものもある。指揮官の性格、目的……自身を以て本陣を守る覚悟」

北方棲姫「おっぱいも見える」

提督「そう、その柔らかくて温かなおっぱい……あれ?」

港湾棲姫「おっ……そういう目で見てたのか!?」

提督「いや待て! 確かに否定はしない! というか、それも含めて俺には港湾が魅力的に思えたということだ!」

港湾棲姫「なっ、え? それは、どういう……」

ル級f改「おい貴様……わざわざ北方棲姫様を送り届けたと思っていれば軟派なことが目的か」ジャキン

提督「待て、ダブル16inch三連装砲は流石の提督といえどタダではすまんぞ」

ル級f改「大した用がないなら帰れ! せっかく港湾棲姫様が貴様のような下賊とLINEでやりとりして下さっているというのに、それで引き下がらぬか!」

提督「わかってねぇなお前それじゃ港湾の顔が見えねぇだろ! あの可愛い角と眉毛がよ!!」

ル級f改「角と眉毛が可愛いことには同意するが、だったら映像付き通話でもすれば良かろうが!」

提督「あ、その手があった。今度やってみるか」

ル級f改「私たち以外の者が姫様のご尊顔をいつでも拝見できるなど他にない最上の誉れだと思え」

提督「実際それはうらやましい。あの不安げな表情が可愛いと思わんか?」

ル級f改「ふ、その愛らしさの底にある美しい心情は幼少よりお世話をさせていただいておる私にしかわからぬというもの……だが貴様、人間にしてはわかっておるな」

北方棲姫「アイツらなに言ってるの?」

港湾棲姫「……戯言だ……とりあえず二人とも黙ってくれ……」

――数日後

~県北鎮守府~

提督「へ~イRJゥ~。番茶が飲みたいネ」

龍驤「金剛にぶん殴られたらええのに」

提督「円滑に和平が進みそうなんだから気分も乗るってもんよ」

龍驤「ホンマは?」

提督「港湾棲姫と仲良くなれそうで嬉しいです!」

龍驤「カーッ! ガキか! 中坊か! 青臭すぎてからかう気も失せるわ。ほんでなんや、今度は二人きりで遊びに行く方法でも教えろっちゅーんか?」

提督「キミみたいな察しのいい秘書は好きだよ」

龍驤「カーッッぺ!! なんでウチがアホ上司のキューピッド役にならなアカンねや! 勝手にせぃ勝手に!!」

提督「そう邪険に扱うなよ~。糸口はつかんでるんだ、ほれ見ろこれ」



♰港湾棲姫♰『まえのおみせのような たべもの屋さん
      はほかにもあるのか?
      しんかいには まともな たべもの屋さん
      がないから 行ってみたいものだな』



龍驤「あの乳母戦艦も漢字くらい教えたれや」

提督「この痛々しい名前だけはル級が登録したらしいぞ」

龍驤「知るか! あーもう……あのコもかなり食欲のあるコやったからなぁ。食べ歩きにでも連れて行ってあげたら喜ぶんとちゃうか」

提督「それやRJ! 流石は関西弁の筆頭!」

龍驤「そう褒めるなや///」

提督「まぁお前のは紛いもんだがな」

龍驤「爆撃演習の時間やで」ボッ

提督「あばよ!!」ダッ

龍驤「……相変わらず化け物染みたスピードやな……」

………………

~県北にある港町~

提督「――さぁやってまいりました、こちらは海産物溢れる田舎の港でございます」

港湾棲姫「閑散としているな……港湾基地のようだ」

北方棲姫「たべものあるの?」

提督「まぁ港ってのは基本的に早朝で仕事が終わるもんだから……それで、ほっぽちゃんはナチュラルに一緒にいるね?」

港湾棲姫「ほっぽはこの前置いてけぼりにしてしまったからな。色々と食べさせてやりたい」

提督「あぁ……よかろう。この休日引きこもり提督、財布には自信がある!!」

北方棲姫「サイフ置いてけ」

提督「え、それは……」

港湾棲姫「ほっぽ、この男がいないと私たちは住民から怪しまれてしまう。我慢しなさい」

北方棲姫「じゃあガマンする」

提督「……えっと、じゃあ、行きましょうかお二人とも……」トボトボ

港湾棲姫「なにを拗ねてる? お前がいるからこうして初めて人間の界隈に来ることができたのは事実だ」

提督「初めて? なんかこう、お忍びでふらりと立ち寄ることとかなかったのか?」

港湾棲姫「あのル級の性格を考えてみろ。武装なしで私たちのような特殊な者を人間に触れさせると思うか?」

提督「ないです」キッパリ

港湾棲姫「それが今日、田舎町とはいえこんな陸上まで私を送ってくれたのも、お前という人間が信用に足ると思ったからだ。すごいことなのだぞ」

提督「うーん確かに、警戒心MAXで港湾から離れなかった最初と比べると……やっぱ港湾トークで一晩中盛り上がったのは大きいな」

港湾棲姫「お前たちは私のいないとこで何やってる……」

北方棲姫「お姉ちゃん、いこ?」クイクイ

港湾棲姫「ン。司令官、案内して」

提督「かしこまり!」

提督「といっても、昼から出店や食事処はあんまりやってないからなぁ。どっかで行事でもやってればいいんだが……」

北方棲姫「あ、サカナ焼いてる!」

提督「土産屋の串焼きだな。この香りは……味噌焼きか」

港湾棲姫「美味しそう……」ジュルリ

おばちゃん「いらっしゃ~い。うちのお味噌美味しいよ~」

提督「三つ売ってもらえるかな?」チャリン

おばちゃん「はい、三つね。これ焼きたてだから持ってって頂戴……っはー! あなた手ェおっきいわね!」

港湾棲姫「あ、あの、えっと……」

提督「ぬははは、季節も乾燥してくるととどうも重装備になっちゃってね」

おばちゃん「にしては手以外ずいぶん寒そうじゃないのよ。ちっちゃいお嬢さんも薄着だし大丈夫?」

提督「これが北国から来たもんで、手以外は寒さに強いんだよこの子たち。な?」

港湾棲姫「……あぁ、寒いのは大丈夫だ」

おばちゃん「はぁー通りでお肌も白いわけね! 若いって羨ましいわねぇ!」

提督「ところでお母さん、この辺のどっかで美味いもん食べ歩きできる出店とかやってないかな?」

おばちゃん「食べ歩き? だったら商店街の方いったら昼でもお店開いてるかしらね。夜になったらまたここらへんでも色々食べられるんだけどねぇ」

提督「なーるほどね。じゃあ行ってみるわ、ありがとう」

おばちゃん「はいはい。じゃあねお嬢ちゃんバイバ~イ」フリフリ

北方棲姫「ばいば~い」フリフリ

~県北にある港町の商店街の下~

港湾棲姫「同じ魚でも、こう味が違うのだな」

提督「みんな色々と味付けを変えるからな。美味かった?」

北方棲姫「ウマかった。あ、またサカナ焼いてる!」

提督「んん? ……あぁ、あれはな……」

港湾棲姫「魚にしては甘い匂いがするぞ」

提督「ふふふ……あれも美味いぞ。食べてみるか」

屋台のおっさん「えらっしぇい。美味しいよ」

提督「すみません、三つください」

屋台のおっさん「あいよ!」

北方棲姫「これなんていうサカナ?」

屋台のおっさん「お嬢ちゃん、こいつは『鯛』さ」

北方棲姫「タイ? タイってもっとデカいんだぞ?」

屋台のおっさん「チッチッチ。実は甘くてちっちゃい鯛もいるんだぞぉ~。ほれ、食べてみな」ヒョイ

北方棲姫「ん~……んん!? なんで甘い!?」

提督「これは『たい焼き』という。世にも珍しい、お腹に餡子が詰まった魚なのだ!」

北方棲姫「こんなの海にいないぞ!」

港湾棲姫「ほっぽ、これはここで魚の形を作って焼いてるんだ。ほら」ダッコ

北方棲姫「ふ~ん。ニセモノか」

屋台のおっさん「ははは、バレたか」

北方棲姫「なんでタイにするの?」

提督「さぁ。なんで?」

屋台のおっさん「ワシも知らん」

港湾棲姫「人間の文化も結構テキトーだな……美味しいけど」モグモグ

………………


提督「お、たこ焼きだぞ」

北方棲姫「たこ焼きはもってる。コレ」ゴソゴソ

提督「それ艦載機じゃねーか!! 危ないからしまっとけ!」

港湾棲姫「浮遊要塞もあんな感じだな」

提督「出すなよ? 頼むからここで出すなよ?」


………………


提督「これは牛串」

北方棲姫「ウマい」モグモグ

港湾棲姫「こういう肉は食べたことがないな」モグモグ

提督「まぁ陸上の生き物だからな」

港湾棲姫「鯨は食べるけど」

提督「……狩るんすか?」

港湾棲姫「狩る」

北方棲姫「でもめったに食べない。クジラはツヨイ」

提督「まぁ下手すると死人が出るレベルだしな」


………………


提督「イカスミ焼きそば」

北方棲姫「イカスミ!? あのブーッてはいてくる黒いの!?」

提督「それを食うと以外に美味いんだこれが」

港湾棲姫「人間も大概なんだって食うものだな」

提督「日本人は特に食へのこだわりが貪欲だからな……石以外のものは大体食うか料理に使うぞ」

北方棲姫「ニンゲンこわい……ほっぽも食われる?」

提督「流石に人型のモノは食わねーよ」

港湾棲姫「いやお前なら食いそうだ」

提督「俺をどんな目で見てんだ!」

港湾棲姫「自力で大海を潜水して港湾基地までたどり着ける人間はいない」

提督「? ここにいるが?」

北方棲姫「コイツこわい」

港湾棲姫「大丈夫。私たちの砲撃には耐えられないはずだから……たぶん」

………………

提督「結構色々食べ歩きましたねぇ~」

港湾棲姫「いろんな料理があるんだな、陸上には……やっぱりあの鳳翔の店が一番美味しかったが」

提督「あの人はなんというか、単なる味以外の魅力もあってこそだから。また食べに来なよ」

北方棲姫「ほっぽも行きたい」

港湾棲姫「そうだな。一緒に行けるといいな」ニコ

提督「そろそろ夕刻も過ぎていい時間だな。二人はもう帰らなきゃかな?」

港湾棲姫「部下たちも心配するからな……ヒトハチマルマルには浜辺にル級が迎えにくるはずだ」

提督「そっか。じゃあせっかくだから土産でも買ってってあげなよ。ちょうどそこに銘品屋がある」



~県北銘品店~

提督「なんで酒とツマミばっかなんだ……まぁどっちも町の特産品だもんな」

港湾棲姫「酒はみな喜ぶだろうが……できれば深海で手に入らないようなものがいいな」

提督「ふーむ、となると……ドライフルーツとか、山菜の干物とか。味噌みたいな調味料もいいかもしれんな。料理下手でも塗るだけで美味くなるぞ~?」

港湾棲姫「…………」

提督「? どうした、なんか気になるものあったか?」

港湾棲姫「……こうしてると、私が深海棲艦でお前が軍人であることを忘れそうだ。まるで普段から私たちはこんな呆けた関係で居られるような……錯覚をしてしまう」

提督「まぁ実際いまこの時間だけはお互いただの観光客だからな。お、試食コーナーもあるぞ」

港湾棲姫「お前……能天気だな。そもそも今日だっておかしな話なのだ。こんな意味もない遊びに私たちを連れ立っても和平交渉は進まんぞ?」

提督「だから最初から言ってんだルルォ? 俺は港湾と個人的な友好を深めたいんだよ。そのついでに将軍として和平に向けて話し合えたらいい。今はプライベートってことよ」

港湾棲姫「……とても軍人の考えとは思えん」

提督「軍人である前に一人の人間だからな。究極的な場面でもない限り個人の感情は切り捨てられんよ。ほら、これカニ煎餅」

港湾棲姫「……もし……私が和平を断るような者ならば、どうしていた?」

提督「そんなヤツにそもそも惚れこまんだろうし、交渉を提示もしなかっただろうな。だからこそ三ヶ月もの間お前の動きを見定めていた。積極的な侵略ではなく、あくまで防衛部隊を守り続ける港湾棲姫の真意をな」

港湾棲姫「……ふん、変なヤツ」ボリボリ

提督「ん、この煎餅美味いぞ。どれRJに買って帰ってやるかね」ボリボリ

港湾棲姫「私たちはどうするかな、ほっぽ……ん、ほっぽ?」

提督「……あれ? ほっぽちゃんは?」

港湾棲姫「いない……しまった、土産を見てる隙にどこかへ行ったらしい」

提督「だにィ!? 店の中には……」キョロキョロ

港湾棲姫「……いない。そうだ、デンワ電話……!」prrrr……

提督音声『電波の届かないところにおられるか、電源が入っていないやもしれませぬ(低音)』

港湾棲姫「なんでお前の声がするんだ!?」

提督「や~そのiphone作った時にヘルプ音声ぜんぶ自前で録音したからさ」テレテレ

港湾棲姫「も~、あの子いつも充電しておかないから……探さないと!」



《選択肢を選んでください。》

1『とりあえず店の外へ探しに行ってみよう』

2『いや、ここで待ってたら戻ってくるかも』


安価↓2

提督「とりあえず店の外へ探しに行ってみよう。まだ近くにいるだろ」

港湾棲姫「私が浮かれていたせいだ……やはり不用意に連れてくるべきじゃなかったのか……」ガタガタ

提督「迷子くらいでそんな……いや、俺もちゃんと見とくべきだったな。すまない」


………………


~県北にある海沿いの土手~

ザザァァン…

北方棲姫「……」

提督「――あ、いたいた! おい北方棲姫!!」

北方棲姫「ん」

提督「なにしてた? 勝手にいなくなってお姉ちゃんもすごく心配してたんだぞ」

北方棲姫「……海みてた」

提督「?? 海ならいつでも見えるだろう」

北方棲姫「ここは陸。陸からみる海。ちょっとチガウ」

提督「んー……? そうなのか?」

北方棲姫「ここはあんまりさみしくない。でも海に帰るといっつもヒトリ。お姉ちゃんしかちかくにいない」

提督「そっか……お前らはちょっと特殊だもんな」

北方棲姫「オマエ、お姉ちゃん好き?」

提督「……そうね、好きだね」

北方棲姫「さいきんお姉ちゃんニンゲンの話ばっかりする。ニンゲンと、オマエの話」

提督「和平交渉の最中だからな」

北方棲姫「オマエ……ほっぽからお姉ちゃんとっちゃうの?」

提督「そんなつもりはないよ。個人的に仲良くなりたいだけだ」

北方棲姫「ほっぽとお姉ちゃんみたいに?」

提督「いや~それはキツイっす。俺は深海棲艦じゃないし、お前たちみたいに家族でもない」

北方棲姫「じゃあなんでお姉ちゃんばっかりみてる?」

提督「素敵な人だからだよ。強くて優しい、超良い女だから」

北方棲姫「そういうの、スケコマシっていう。ほっぽ知ってるぞ」

提督「失礼な! 俺だって分別はあるわい」

北方棲姫「ホントにお姉ちゃんどっかにつれて行かないな?」

提督「そんなこと無理やりしねーよ。本官は紳士だからな」

北方棲姫「じゃあ、イイ。お姉ちゃんのコトおうえんする」

提督「おう、そうしてあげてな。とりあえずお姉ちゃんのとこ行って叱られてこい」グイッ

北方棲姫「なんでだ!?」グイー

提督「勝手にどっかいった罰じゃい!」



(物陰)

港湾棲姫「…………」

………………

~町はずれの浜辺~

ル級f改「姫様、お迎えに上がりました……なぜ北方棲姫様の頭にコブが?」

北方棲姫「おこられた……」

港湾棲姫「ちょっとしたお仕置きだ、気にするな」

提督「じゃあ気をつけての。今日は楽しかったか?」

北方棲姫「まぁまぁな」

提督「もう迷子になんじゃねーぞ」

港湾棲姫「……司令官」

提督「おう、なんですか」

港湾棲姫「その……今日は有益な日になった。人間の文化をこうして体験するのも悪くない。いつか誰もがこうして、深海も陸上も隔たりなく暮らすことができればいいと思う」

提督「おっ、そうだな。そのためにもまた――」

港湾棲姫「だが、そういう公な目標とは関係なく……つまり、あの、あくまで……個人的な範囲でなら」

ル級f改「(む……?)」

港湾棲姫「深海棲艦の長という立場ではなく……それが認められるなら、一人の人として……お前とその、もっと仲良くなるのも悪くないと、思う……」ダラダラ

ル級f改「(ひ、姫様が……慣れない言葉を探そうとして冷や汗を流しておられる!?)」

提督「マジで!!!?? じ、じゃあ俺またその、なんだ、誘ったりしてもいいかな……?」

港湾棲姫「うん……というか、次は私が司令官に声をかけてみよう……と、思う」ガタガタ

ル級f改「(姫様が自分自身経験したことのない状況に混乱して激しく振動しておられるッ!!)」

北方棲姫「お姉ちゃんマダー?」

港湾棲姫「アッ、うん、じゃ、じゃあ帰ろう」

提督「あ、これル級にお土産な」(←わさび数の子)

ル級f改「う、うむ……では参りましょう姫様」

ザザァァン…



港湾棲姫「」フリフリ(手を振っている)

提督「」フリフリ(手を振りながらニヤけている)



ル級f改「……北方棲姫様、あの二人に何かあったのですか」

北方棲姫「んー。サカナとー、タイ焼きとー、たこ焼きとー、あといろいろ食べた」

ル級f改「……左様でございますか」

――幾日か後

~県北鎮守府の提督室~

提督「んふふふふふふふふ」

龍驤「何が起きてるか大体わかるけど、キモいわぁ」

提督「あ、わかる? 奥さんわかっちゃいます? いや恋は障害があるほど燃え上がるって言うけど実際アツくなってきますよ~コレ」

龍驤「なまじ仕事の能率も上がってる分なんも言えへんのが余計に腹立つ…………あ」

提督「なんやRJ、いま最高にホットな俺たちの関係について質問かね?」

龍驤「……当たらずとも遠からずやな。またキミ宛にラブレターが来とるで」ペラ

提督「大本営の糞親父からのラブなど要らん。ほっとけ」

龍驤「ええから読んでみ。そろそろほっとけへん状況になりそうやで」

提督「…………はぁ、とうとう実力行使に出やがったな戦争屋共」

龍驤「いずれこうなることはわかっとったんやろ? 三ヶ月も海域突破できへん上に和平交渉やなんて抜かす若造は『無能』やと判断されたわけや」

提督「なぁにが無能だ、争わんですむならそれが一番だっちゅーに」

龍驤「……とにかく、これで時間もなくなってきたで。早いとこ目に見える形で爆乳ちゃんと和平を結んだ証を見せな、お偉方も納得しはらへんのとちゃうか」

提督「……協定調書とか?」

龍驤「それはボケかね? いままでアホみたいに青臭いことしてきたキミにしかできへんやり方があるがな」

提督「そりゃあ……最後はそうなりたいとは思ってたけどさ。なんかこういう形でってのもなぁ……」

龍驤「逆に考えてみぃ。種族も敵味方の垣根も超えて結ばれる想いがある……それを大本営、いやさ人類の歴史に刻んで見せつけることになるんやで?」

提督「なんかくっせぇなぁそういう表現にすると」

龍驤「キミにはお似合いや。女の子はちょっとクサいくらいの直球が好きなもんやで」

提督「……そっか」

龍驤「……なんなら、ウチがもろてもええんやで? 最高練度の龍驤ちゃんなら……問題あらへんし」

提督「……龍驤……」

龍驤「……」

提督「申し訳ないが甲板胸はNG」

龍驤「最高練度の爆装なめんなや」ボッ

提督「」ドヒュン!!



龍驤「……ま、ウチらは『コレ』でええか」フフッ

~港湾基地~

ヒュウウウゥゥ…

港湾棲姫「…………」

ル級f改「……前線哨戒部隊から対象の海域通過が報告されました」

港湾棲姫「うむ。全艦隊に通達はしてあるな?」

ル級f改「は、問題ございません……しかし、ここまで公にしてよろしいのですか?」

港湾棲姫「離れた海域の仲間はどう思うかわからないけど、私はあの男を試す価値があると思っている。姫としても……人としても」

ル級f改「姫様がおっしゃることならば異を唱える道理はありませぬ。私は一歩引いてあなたをお守りするだけ……」

港湾棲姫「ありがと」

ル級f改「――む、対象が港湾基地に接近。まもなく浮上します」


――ザバァァァ!!


提督「ぬははははははは!!! 県北の提督、港湾棲姫殿のお招きに預かり、ここに推参ス!!」バァーン!!

イ級「……」

ホ級「……」

ヌ級「……」

ヲ級「……」

ヨ級「……」

タ級「……」

チ級「……」

ワ級「……」

提督「ぬははははははは!!! …………どうして俺は西方全軍に包囲されてるんだ?」

ル級f改「やはり全員戸惑っておりますな。我々の感覚がマヒしてしまっただけで、此奴はやはり人間とは思えませぬ」

港湾棲姫「むしろその可能性に賭けるとしよう。ようこそ司令官、我が港湾基地へ」

提督「港湾棲姫……もしや俺のためにわざわざ出迎えを用意してくれたのか!」

港湾棲姫「そうだ。今宵は和平を望む県北の司令官を、この西方軍一同の賓客として扱う。いつかの礼だ」

提督「(個人的に招待してくれたんじゃなかったのか……)」ガックシ

港湾棲姫「……本当はもっと気軽に会いたかったのだがな。部下たちを納得させるためにも協力してくれ」

提督「ふむ、あいわかった」

――ギュッ

提督「んあ?」

港湾棲姫「――みんなに紹介する。この男がかつての敵将であり、そして今や深海棲姫の伴侶となる人間だ!」

ヲ~! キュー! キュー!

提督「……。んんんんんんん!!?!?!??!?」

ル級f改「ふん……余興でもこのような扱いをされること、光栄に思え」

提督「いや、え、伴侶……ハンリョ!!? ハイ!!?!?!?!?!?」

港湾棲姫「いいから合わせて」ボソ

提督「あ、うん……」

港湾棲姫「見ての通り、この者は深海棲艦にも劣らぬ強大な能力を持っている! かつて私と12週に渡る攻防を繰り返したこの者は我々の強さを認め、互いの栄華を共存させることを提案した! みんなの中には人間の謀略を疑うものもいるだろう。だが、これを見てほしい!」ギュム

提督「ファッ!? ウーン……柔らかい」

港湾棲姫「この港湾棲姫が胸に抱きたいと思うほど、私とこの男はすでに相思相愛の平等な関係を築いている! ひいてはこの男と私が婚姻を結んだ暁には、同時にこの海域に確かな平穏がくるものと私は信じている!」

提督「お、おーそうだ!! みんな平和が一番!! 愛だよ愛! ラブアンドピース!!(ヤケクソ)」

港湾棲姫「……みんなが私たちの、人類と深海棲艦の新たな関係を祝福してくれることを願っている! それでは解散!!」

ヲ~!! キュキュキュー!!

提督「なはは……やー、ありがとう、ありがとう」フリフリ



………………

~港湾棲姫の部屋~

提督「な に が ど う な っ て ん だ !!?」ダンッ

港湾棲姫「見ての通りだ。深海の姫と人間の提督がああいう関係になっているとあれば、下手に口だけで和平を説明するよりも部下の溜飲は下げられる」

ル級f改「無論、あのような場を設けて形だけ大々的に印象付けたに過ぎぬ。まずは頭が絆を結んだという印象を見せ、貴様と姫様が時間をかけて双方のわだかまりを失くしていくべきだ……と、港湾棲姫様がお考えになったのだ」

提督「いやそれにしても……俺だって似たようなことは考えてはいたけども! 順序ってものがあるでしょう!」

港湾棲姫「いい加減我々の中にも不満を抑えきれないものが出てきているのだ。争った90日の決着もつかぬまま何故戦わないのか……と。人間側にも似たようなことが起きていたのではないか?」

提督「それも図星だけど! なんかこの……政略交際みたいな感じで煮え切らないこの流れ!! すごいモヤモヤする!」

ル級f改「貴様も将官ならば割り切れ。個人的な恋愛情に引っ張られてグズグズしている暇はなくなったと言っているのだ」

提督「ぐぬぬ……」

港湾棲姫「……ル級、ちょっとお茶を入れてきてもらっていい?」

ル級f改「…………かしこまりました。ではしばしお待ちを」

ガチャン

提督「……俺としては港湾と深い関係になれるのは一応嬉しいんだけどさ」

港湾棲姫「だろう? なら文句もないはずだ」

提督「知っての通り俺は個人の感情を優先したいタイプの人間だ。お前自身の感情はどうなってる?」

港湾棲姫「お前と婚姻関係になることを望んだかどうかという話か? 私が提案したんだからそうに決まっている」

提督「おっと深海棲艦のお姫様にはもっとかみ砕いて言わなきゃ伝わらねぇのか? それとも結婚の文化をすごく偏って教えられていらっしゃるのか?」

港湾棲姫「何が言いたい」

提督「お前は俺と添い遂げたいと願ってこうしているのか、と聞いている」

港湾棲姫「…………そこまでは、考えてない」

提督「あーそうかい。好きでもない人間の変態糞野郎と和平を円滑に進めるために『ケッコンカッコカリ』しましたってだけなんだな、了解した」

港湾棲姫「!」

提督「ならこれからはそういう関係だと割り切って接することにしよう。お前の気持ちが政治的なものでない以上個人的なやりとりはもう――」

港湾棲姫「そうじゃない!! 私はお前を好いている!!」ドゴォン!!

提督「ゲッ!!」

港湾棲姫「ァ……す、すまない……」カチャ

提督「お前さん力は半端ないなやっぱ……で、その、それは……」

港湾棲姫「これは、ウソじゃない……お前のことは人として好きだし、経験がないから断言できないけどたぶん、男としても……興味がある」

提督「なんと……まことか」

港湾棲姫「た、たださっきの……添い遂げるとかなんだという話までは想像したことがないのだ! だからそこまでかと言われてもハッキリ答えられない……」シュン

提督「そ、そうか……ごめんな、早とちりして」

↑訂正
「お前の気持ちが政治的でない以上」×
「お前の気持ちが政治的なものでしかない以上」○

港湾棲姫「司令官は……なぜ私なのだ? 同じ人間……あるいは部下の艦娘と婚姻関係を結ぶことだってできるはずだ。なぜわざわざ敵将に……」

提督「なぜったってなぁ……別に敵も味方も、人間も深海棲艦も関係ないんだよなぁ」

港湾棲姫「?」

提督「たまたまいい奴だなと思ったのが敵軍の将で、会ってみたらいい女だなと思ったのが深海棲艦で、人として好きだなと思った相手が港湾棲姫だっただけなんだ。好きな相手の傍にいたいと思うのは普通だルルォ?」

港湾棲姫「そっ……それは、そうかもしれんが……お前……変だぞ」

提督「変ではない。いたって普通の平和を愛する提督だ」キリッ

港湾棲姫「……じゃあ私が変なのか……なんか、顔が……胸が熱い……なんだこれ……」カーッ…

提督「おっと大丈夫か大丈夫か? 深海棲艦も風邪ひいたりするのか?」

港湾棲姫「お前……何も……何もわかっていない……」

提督「?」

港湾棲姫「……ちょっとこっちきて……」

提督「お、おう」ギュ

港湾棲姫「……」ドクンドクン

提督「あ、あの……顔が近いんですけど」ドクンドクン

港湾棲姫「知ってる」

提督「(……あ、やばい童貞力爆発しそう)」

ガチャ

ル級f改「姫様、お茶が入り――」カッシャーン!

港湾棲姫「ア」

ル級f改「き、貴様……」ブルブル

提督「いや待て! 俺は童貞だ! そんな積極的にアレするほどアレじゃないんだ信じてくれ!!」

ル級f改「……姫様が、貴様をそこまで想っていたとは。ならば私から水を差すことはいたしませぬ」

提督「え?」

港湾棲姫「……」

ル級f改「貴様、今宵は港湾基地にて初夜を過ごせ。無論、姫様と共にだ」

提督「……初夜? 初夜っていうのはお正月のことかな?」(←童貞故に想像が追い付いていない)

ル級f改「呆けるな。男女の交わりをしろと言っておるのだ」

提督「ままままままままってください確かにそういう方向性の話はしたけども今日あんなことになっていきなりするとは」

ル級f改「それは姫様が深海棲艦だからか?」

提督「断じて違う! 違うが、だから順序ってものがあるだろ!」

港湾棲姫「ル、ル級、その……無理に強要することはないんだ。別にこんなことまで公表するわけではないんだから……」

ル級f改「……姫様が望まぬと申されるなら如何様になさっても構いませぬ。が、このまま提督をまっすぐ帰路に送れば後悔するのが誰か……姫様ご自身がよくご存じでしょう」

港湾棲姫「……だ、だってまだ、そこまでは……」

ル級f改「状況はすでにここまで進んでおるのです。そして姫様も……時が経つほどに二つの情勢の流れに呑まれることでしょう。そうなったとき、果たしてあなた方の間を繋ぎ止める確かなモノが残っておりましょうや?」

提督「……!」

ル級f改「とはいえ、これは姫様と提督の二人で決めるべきことでもあります故……無理にとは申せませぬ。提督にその気がないのであれば、今宵は送り返すと致します」

港湾棲姫「……し、司令官……」

提督「(……ど、どうする俺!? どうすんの!?)」



《選択肢を選んでください。》

1『……わかった』

2『やっぱりこんなのは納得できない』


安価↓3

提督「やっぱりこんなのは納得できない。港湾だっていきなりやらされるみたいにこんなことするのは嫌だろう?」

港湾棲姫「……少しは覚悟していたがまぁ、時期尚早かとは、思う」

ル級f改「ふむ……まぁ、二人がそう仰るなら。部下たちには私めからなんとか言いくるめておくと致しましょう」

提督「……その、いつか然るべきタイミングになれば俺だって、な?」

港湾棲姫「あぁ……わかっている」

ル級f改「……。では県北の提督、貴様を丁重に西方海域哨戒線までお送りする。貴様には送迎など必要ないだろうが」


………


港湾棲姫「」フリフリ(←寂しそうに手を振っている)

提督「」フリフリ(←ちょっとだけ後悔している)

ル級f改「(いい歳をとった男女がなんと青臭い……まぁ独身の私が言える立場ではないか)」

提督「そういやル級は結婚してないの?」

ル級f改「特別サービスだ。我が主砲であっという間に鎮守府まで飛ばしてやろう」ピキッ

提督「待て地雷を踏んだならあやまるンアーーーーーーーッ!!!」ズドォン!!

キラーン……



ル級f改「まったく……ん? 前線哨戒部隊か? 奴は私が送り…………なんだと!?」

~県北鎮守府正面~

提督「ひどい目にあったぜ……アベックを前にした独身女性は怖いなぁ」ボロボロ

龍驤「――キミ! 帰ったんか!?」タッタッタ!

提督「ん? どうしたRJそんなにあわてて――」

龍驤「ついさっき大本営から入電があったんや!! 西方防衛線攻略に向けて、大本営の第一艦隊が殲滅作戦に出撃したんや!」

提督「だ……だぁーにィ!? あいつら、もうそんなことまで……!」ダッ

龍驤「何する気や! まさか止めに行く気やないやろな!?」

提督「だって、もう和平交渉はほとんど浸透してるんだぞ! それを今になってぶち壊されたら!」

龍驤「キミが行って何になる!? 軍事反逆者としてよくて逮捕、向こうの味方でもしようもんなら一緒に殺されてまうやろ!!」

提督「だったらアイツらが沈むのをここで待ってろってのか!? そんな――」ナノデス! ナノデス!

提督「もしもし、ドナルド提督です!!!(混乱)」

港湾棲姫『……司令官』

提督「港湾! 今そちらに大本営の艦隊が――」

港湾棲姫『もう見えている。前線部隊は呆気なく突破されたようだ……お前のような甘い指揮官の部隊ではないらしい』

提督「そいつらは海軍最強の艦隊だ! 港湾たちでも準備なしに撃退できる相手じゃない、一度退いて――」

港湾棲姫『この基地は私たちの家だ。退く場所など他にありはしない』

提督「じゃ、じゃあここから増援を」

龍驤「アホ言え! そんなことしたらこの鎮守府まで解体されるで!」

提督「ぬぬぬぬ……!」

港湾棲姫『……司令官。お前に会えて、形だけでも人間と同じような婚姻関係になれて……嬉しかったよ』

提督「フラグを立てるな! そこから逃げろ!」

港湾棲姫『大丈夫……いつか……私たちも帰る……きっと』ブツッ

提督「おい! この爆乳大要塞!! 応答しろ!! ……クソッタレェーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」



………………

………



――大本営の派遣した艦隊によって、港湾棲姫率いる深海棲艦の西方増援部隊は完全に壊滅した。

以降、人間の領域となった彼の海域に砲撃音が響くことはなく、人々は深海棲艦の脅威から解放され平穏に暮らしたという。

ただ一人、ほどなくして退役した県北の軍人を除いて……


BAD END

 CONTINUE?

▶  はい
   いいえ




――神は言っている……ここで大型艦建造をするべきではないと――



キィィィィィィィィン――

提督「――フォースの覚醒!!?」ガバッ

港湾棲姫「わっ、びっくりした! 今度は何だ?」

提督「いや……なんか予知夢というか……嫌な予感がするぜ」

ル級f改「相変わらず不可思議な人間だ……で、貴様はどうする気だ?」

提督「……わかった。俺とて日本男児だ、港湾がここまで覚悟しているというのなら俺も腹を括ろう」

ル級f改「ふぅん……その意気やよし。だがもし姫様を傷つけるようなことがあれば、たとえ夫婦であろうと容赦せぬぞ」

港湾棲姫「や、優しくしてくれよ……?」

提督「安心しろ。童貞にそんな積極性はない」キリッ

ル級f改「誇るな。……姫様も、本当によろしいのですね?」

港湾棲姫「そ、そういうことを改まって聞くな……恥ずかしい」

ル級f改「これは失礼……では、明朝までこの付近は人払いをしておきます。どうぞごゆるりとなさってください」

ガチャン…

提督「……」

港湾棲姫「……と、とりあえずお茶を淹れなおそう」

提督「おっ、そうだな」

提督「……」ズズゥ…

港湾棲姫「……」ズズ…

提督「……なんかこのお茶異常なくらいしょっぱいんだけど」

港湾棲姫「海水で淹れてるからな」

提督「ブフーーーーッ!!」

港湾棲姫「わ、私たちはこれが普通なのだ! お前なら問題ないかと思って……」

提督「殺す気か! さしもの提督も塩分過多には勝てんわ!」

港湾棲姫「ご、ごめん……」

提督「ぬぅ……まぁ文化の違いはあって当然だし多少はね?」

港湾棲姫「違い、か……そもそも生まれた場所が違うものな。こんな争いが起きたのもある意味必然的だったのかもしれん」

提督「争いが『起き得る』ことは避けられん。だが実際の争いを避けることは可能だ。俺たちのようにな」

港湾棲姫「……お前は本当に変な人間だな」

提督「お前だって深海棲姫の中じゃかなり浮いてるんじゃねぇの? これまで戦ってきたどんな相手もここまで穏便派ではなかったぞい」

港湾棲姫「あぁ。だから私と、私についてくる部下たちは深海棲艦の立場としては微妙なところにいるのだ。もともとこの港湾基地を拠点にしたのも、西方の残存部隊を救援することが目的だったし」

提督「最初から艦娘との戦闘は目的じゃなかったってことか」

港湾棲姫「とはいえ……戦争で重点的にたたかれるのは補給基地だからな。基地の防衛線を強化して、自ら敵を撃退せざるを得なくなった。おかげでほっぽにも中々会いに行けないし……これでは戦争に加担しているのとほとんど同じだ……」ズズ…

提督「……」ジー

港湾棲姫「? 何をジッと見てる」

提督「なんて素敵な女性だろう、と感心していた」

港湾棲姫「!?」ブフッ

港湾棲姫「お、おかしなことをいきなり言うな!」

提督「何もおかしくない。港湾棲姫、お前は人としてとても素敵だ。愛するもの達を救おうと健気に悩む姿は人間らしく、他のあらゆるものより美しい」

港湾棲姫「……そういうことは……文にでもしたためろ……」

提督「港湾……」スッ

港湾棲姫「!」ドキドキ

提督「……」

港湾棲姫「……?」ドキドキ

提督「……そ、そのですね、あの、美しさとはかくも触れがたきものでして、何となれば私のような下賤の糞提督が軽々しくも御身に、あまつさえいかがわしい行為をするということに少なからぬ抵抗を覚えている次第で」ガタガタガタガタ

港湾棲姫「……お前、童貞を拗らせているぞ」

提督「うるせー! 部下の艦娘に手を出せない理由もこれでおかわりいただけるだろうが!! 免疫ないんだよ!!」

港湾棲姫「ハァ……ほら、おいで司令官」グイッ

提督「ファッ!?」

港湾棲姫「無理に私と馬鍬らずともよい。私とお前が、確かに離れがたい絆を結ぶことができればそれでよい」ナデナデ

提督「……ごめん、本当にこういうことに関してだけは全く奥手でな……」

港湾棲姫「ふふっ、その方が可愛らしくていいではないか。無理やり床に押し倒してくるような殿方であれば無意識に八つ裂きにしてしまうかもしれない」

提督「えっ、それは……」

港湾棲姫「安心しろ。私はお前を傷つけはしない……まぁ、こんな手だから構造上の不可抗力というものはあるが」

提督「俺、このゴツい手は好きだぞ。頼りになる」

港湾棲姫「ふむ……ほっぽにもそう言われたな」

提督「わかるやつにはわかるんだよ。港湾棲姫の魅力はな」

港湾棲姫「……ちょっと眠ってろお前」ギュウ

提督「あっ……柔らかくて……おちる……」zzZ

港湾棲姫「……段々と、時間を重ねるごとにお前のことが……大切な存在になっていく。何なのだろうな、この温かい感覚は……」

………………

―― ウーーーーーーーーーーーーーーーーーー…… ――

港湾棲姫「ム……!?」

提督「んほぉ……な、なんだ? 警報音?」

港湾棲姫「ル級か? 何事だ………………そうか。わかった、私も出る」

提督「何が起きてる? 県北の艦隊は待機させてあるはずだ」

港湾棲姫「お前たちのではない別の艦隊が港湾基地に向けて侵攻しているらしい。かなり強力な部隊がな……」

提督「! まさか……大本営所属の艦隊が直接来たのか!?」

港湾棲姫「……心当たりがあるようだな」

提督「俺たちの和平交渉に業を煮やしたお偉いさんが、精鋭艦隊を県北に送るって通達があったもんでな……だがまさか攻撃命令まで強行しているとは」

港湾棲姫「なんにしろもう状況は始まっている。前線はすでに突破されたようだ……」ガション

提督「なら撤退しろ! あいつらは並みの艦隊ではない、いくらお前たちでも簡単に撃退できる相手じゃ――」

港湾棲姫「退く場所など他にありはしない。この港湾基地が私たちの家だからな」ジャキン

提督「ぐ……ど、どうすれば」

港湾棲姫「……司令官は県北の鎮守府に戻れ。ここにいてもお前にできることはない」

提督「それは……そうかもしれんが!」

港湾棲姫「お前のような人間は少ない。この海の平和を素直に願うお前なら……生き抜いてまた別の深海棲艦たちを救うこともできるだろう。お前にならほっぽを任せられるしな」

――ドゴォォォォン……

ル級f改「――港湾棲姫様! 機動部隊が突破されました! 敵艦隊がまもなく港湾基地に接近します!」バンッ

港湾棲姫「わかった。……さぁ行け。お前はここで死んじゃいけない」

提督「……くそ……俺は……ッ」



《選択肢を選んでください。》

1『俺は港湾棲姫から離れないぞ!』

2『…………俺は必ず戻ってくる!』


安価↓3

提督「俺は港湾棲姫から離れないぞ! こんな形でも俺たちは夫婦なんだ! 妻を置いて戦場から逃げることなどできるものか!!」

港湾棲姫「……馬鹿者。本当にお前は生粋の馬鹿者だ……」

ル級f改「……勝手にしろ。どうせ今の貴様では人質にさえできんだろう」

ドゴォォォォン……!

ル級f改「戦場が近づいています。姫様、迎撃準備を」

港湾棲姫「あぁ」ガション

提督「……ただ一人の身でも、妻の前に立つわずかな盾にさえなれれば本望だ」

港湾棲姫「滅多なことを言うな。人間など盾にすらならずに砕け散る」

提督「少しは格好つけさせろよ……」

ル級f改「――敵艦隊見ゆ! 戦艦4杯、後続に空母2杯を確認!!」

港湾棲姫「浮遊要塞を展開する。航空戦に備えよ!」

提督「……すまない、港湾」

港湾棲姫「……もう一度、あの時のようにすべてを忘れて……多くの人と人との間で、共に生きていたかったな――司令官」



………………

………



――大本営の派遣した精鋭艦隊と、最後の力を発揮した港湾棲姫率いる深海棲艦の西方増援部隊の艦隊戦は熾烈を極めた。

一日半にわたって響き続けた轟音が止むと、港湾基地には硝煙と波くすぶる音だけが残響していた。

史実において本海域の戦いで人間側の戦没者は0名とされている。しかし、同時期に行方不明となった県北の軍人が

この戦いにどのように関わっていたのか、知るものはいまやごくわずかである。


BAD END

 CONTINUE?

▶  はい
   いいえ




「人生において重要なのは

生きることであって、

生きた結果ではない。」

――ゲーテ



ピキィィィン――

提督「――ご覧のスポンサーの提供でお送りします!!」ガバッ

港湾棲姫「わっ! なんでお前は時々急に気絶するんだ! びっくりするからやめろ!」

提督「す、すまん……多分もうないと思うから」

ル級f改「呆けている場合か。貴様はさっさと自分の居場所へ帰れ」

提督「…………俺は必ず戻ってくる! それまで持ちこたえてくれ!」ダッ

ル級f改「なに? ……もうバタフライしておる……」

港湾棲姫「……」

ル級f改「……あの男のことです。ああ言った以上、死んでもここに戻っては来るでしょう」

港湾棲姫「戻らなくていい……あいつは生き残るべきなんだ」



………………

~県北鎮守府~

龍驤「こぉ~んや~の~しょ~お~ぶ~わぁ ひくにひけへんもどれもでけへん おんなごころやねぇ~♪」ペラペラ ポンポン

龍驤「はぁ~アホ提督の代わりに書類仕事も辛いもんやね……ん、なんやこれ…………大本営艦隊、西方に向けて……んん!?」ガタッ

バリィィーーン!!

提督「ヘイRJ! 緊急事態や!!」

龍驤「うわびっくりした!! それよりキミ、これ……!」

提督「わかっている! すでに港湾棲姫たちが迎撃を行っている最中だ!!」

龍驤「ま、まさかキミ助けに行くつもりやあらへんやろな!?」

提督「俺があそこに行っても何もできんことくらい承知だ! だが港湾棲姫を強化することはできる!!」ガサガサ

龍驤「強化て――あ!!」

提督「龍驤、実を言うとお前にならこれを渡しても良いと思っていた時期もあった! だが俺は港湾棲姫にゾッコンや! ラブズッキュンなんや! 許せ!!」

龍驤「――~~っっ……アホ言うてんとさっさと行ったらんかい!! 間に合わんかったらどつきまわすぞ!!」ボッ

提督「もうどついとるやんけ!! あばよRJ!!」ダッ

龍驤「ハァハァ……フラれても清々しいわ、ドアホ……」

~港湾基地正面~

大和「……補給艦、および随伴の軽巡、重巡の撃沈を確認しました」

武蔵「浮遊要塞は大破。改良型ル級戦艦、及び港湾棲姫には中破前後の損壊を与えたな」

長門「敵艦隊も中々やるな……奴らも本気で抵抗しているということか」

陸奥「後衛の加賀と大鳳、私たち二人も中破……空母の二人には下がってもらって夜戦に持ち込むしかないわね」


………


港湾棲姫「ル級、無事……?」

ル級f改「申し訳ございません、私の力では戦艦二杯を弱体化させるしか……」

港湾棲姫「十分だ。私はまだ持ちこたえられる」

ル級f改「しかし、夜戦に持ち込まれてはこちらの分が……!」

港湾棲姫「……ねえ。ル級は、私があの司令官に興味を持ったことをどう思う?」

ル級f改「……正直に申しますと、姫様も物好きだと呆れてしまいましたな。あれはどう考えても尋常の軍人ではありませぬ」

港湾棲姫「そうだな。泳いでリランカ島沖を往復する人間など妖怪の類としか思えない」

ル級f改「それでも……あの男といると、楽しいのでしょう?」

港湾棲姫「……この世界は理不尽なことばかりだ。理不尽な生まれ、理不尽な争い、理不尽な出会い……理不尽な幸福感。人の感情が起こす現象はすべからく理不尽なものなのかもしれんが」

ル級f改「理不尽というのはまさにあの男の意味不明な力を言うのでしょうな。あれと言い争っていると私まで虚けてしまいそうです」

港湾棲姫「そういう虚け者こそ……こんな時代には必要なのかもしれん。私のような戦場に不似合いな存在にとっても、な……」

ル級f改「姫様……」

ザァァァァン…

港湾棲姫「……夜の帳が下りる」

ル級f改「ふ、あの男……よもや我々が沈んでから参上するのではありますまいな」

港湾棲姫「ふふっ、その時は……最後に少しばかり深海棲艦らしく、私も人間を恨んで消えるとしようか……」



「その必要はない!!!」バァーン!!



………………

武蔵「……大和、敵の残存部隊も接近してきたぞ」

大和「これで決着をつけましょう。夜戦を敢行します!」

提督「あいや待たれぃ!!」ドドン

長門「!? な、なんだあれは」

陸奥「あれって……もしかして報告にあった県北の提督じゃないの?」

大和「……深海との和平交渉を自ら進める英断と勇気は尊敬いたします。どうか退いてください。あなたを戦火に巻き込みたくはありません」

提督「今夜の勝負は退くに退けない譲れはしない! 男心も同様だ!!」

武蔵「大和、大元帥からは説得の通じない人物だと聞いているはずだ。構うな!」

提督「くくく、これを見てもそんな血の気の多いことが言えるかな……?」

長門「何をする気だ……?」

提督「今じゃ! 音頭をとれぇい!!」

~~♪(ケッコン用BGM)

陸奥「!? は、羽根が落ちてきたんだけど……」

大和「……な、なぜこの音楽がこんな場所で……はっ、まさか!!」

港湾棲姫「――おい、待て! 何もこんな大勢の前で……!」

提督「見せつけるのが大切なんだよ! ほらいいから手を出しなさい!!」

長門「あ、あれは……艦娘用のケッコン指輪!?」

武蔵「……な、んだと……?」

提督「大本営の艦娘たちよ、よく見ておけ! これより県北の提督は、この深海の姫である港湾棲姫とケッコン、いや結婚する!!」

港湾棲姫「や、これは、その……!」カーッ

陸奥「あら、今度は桜の花びら……夜桜も良いわねぇ」

ル級f改「(この演出も果たして必要なのか……?)」バッバッ(←桜吹雪を発射している)

提督「さぁ、この大きな指に収まりきらない指輪も嵌めた! 最後は、ち、誓いのキスじゃい!!(ヤケクソ)」

港湾棲姫「あ、だ、だめだ……くるな……と……言っている……のに……」

大和「ま、待って! こんなところでそんな恥ずかしいことを……! キャー!」

武蔵「艦隊唯一のケッコン艦が今更恥じらうな! というか、奴らまさか――」



チュ~



港湾棲姫「!!!」ピカァァァァァァン!!

長門「あああああ!! 光、光があああああああ!!」

陸奥「長門落ち着いて! あ、あの光は……!」

武蔵「いかん!! 総員港湾棲姫に一斉射撃!!」

ル級f改「しまっ――姫様ッ!!」

ズドォォォン!!



シュウウウウゥゥ……


港湾棲姫「……大丈夫か? 司令官」ギュ

提督「アッ……だ、だいじょうぶれす///」

大和「む、無傷……!?」

武蔵「くっ……指輪の能力向上効果だ! 我々艦娘とは元々の性能が段違いの姫級がその恩恵をうけたがゆえに、港湾棲姫は著しいパワーアップを遂げたに違いない!!」

陸奥「あら、丁寧な解説ありがとう」

港湾棲姫「……お前たちの形式に則って婚約を交わした以上、私の一族はこの司令官の家族だ。西方海域の残存部隊はこれより、人間側の領域に危害を加えないことをこの港湾棲姫……海軍提督の妻が約束する。それでもまだお前たちは争いを続けるか!?」

長門「……我々は、どこまで理解されても兵器だ。軍の命に歯向かうことはできん」

大和「不本意ではありますが……あなた方の門出を手放しに祝って差し上げることはできないのです」

武蔵「せめてこの一戦だけは、『港湾棲姫ノ一族、大本営ノ全力ヲ以テシテモ不落』の報告を届けられるまでは付き合ってもらう!」

陸奥「悲しいけど、これ戦争なのよね。せめて大元帥に示しがつくくらいには……私たちと火遊びに付き合ってちょうだい?」

港湾棲姫「……いいだろう。ル級!」

ル級f改「は!」

提督「だ、大丈夫のか港湾!?」

港湾棲姫「安心しろ……お前は絶対に私が守る!」ドンッ!

提督「(あっ、バーサーカーモードだこれ……)」

武蔵「撃て撃て!! いかに強化されたといえど叩き込めば削りきれる!!」ドォン!

港湾棲姫「ぐっ……」

ル級f改「おのれ姫様ばかり狙いおって……ヌッ!!?」ズガン!

港湾棲姫「ル級! もういい、下がれ!!」

ル級f改「ま、まだまだ……姫様の御盾にはなれる!!」

大和「敵ながら倒すには惜しい大和魂です……!」

長門「だがビッグセブンの力、侮るなよ!」ドォン!!

港湾棲姫「三式弾まで……懲りない子たち……!」

陸奥「……!! ちょっと、反対側から艦影が――キャッ!!」

長門「陸奥!?」

提督「き、きた! きた! 来たなぁ!!」

北方棲姫「――オマエラみんな、帰れッ!!」ズドン!

港湾棲姫「ほ、ほっぽ!? なんでここに!?」

提督「緊急時だって即座に連絡できる。そう、iphoneならね」ドヤァ…

大和「ちょ、ちょっと……それは流石に反則でしょう!?」

武蔵「こいつらに正攻法が通じるか!」

北方棲姫「お姉ちゃんイジメるな!! どっかいけ!!」

長門「わかった!」キリッ

武蔵「勝手に答えるな!」

長門「だが我々とてもう限界だ。弾薬もほぼ使い切ったというのに、ほっぽちゃ……北方棲姫まで相手にできるのか?」

陸奥「も~、お化粧が崩れちゃったじゃないの……」

武蔵「……どうする大和」

大和「……潮時のようね。イレギュラーだらけで攻略どころじゃないってことで、大元帥に報告しましょうか」

港湾棲姫「……」

大和「全艦、帰投の用意を。それと……あなた方が末永く幸せでいられますように」チラ

武蔵「おい、大和……」

大和「今の発言に軍事的な意味はないでしょう? それでは……できれば二度とお会いしないことを願っております」

北方棲姫「カエレカエレ!!」

ながもん「またなほっぽちゃん! 別の海域で会おう!!」

陸奥「ほら行くわよ長門。は~早くお風呂入らなきゃ……」ズルズル

ザザァァ…

提督「……ぬわぁぁぁぁぁ寿命縮むかと思ったもぉぉぉぉ!」

北方棲姫「お姉ちゃん!」

港湾棲姫「ほっぽ……ありがとう。助かった」

ル級f改「貴様にしては機転の利いたことを色々としでかしたな。……一応感謝しておく」

提督「いやもうこういうの無理っすもうマジで心が痛いんで」

北方棲姫「なんでコイツいるの?」

港湾棲姫「……それは、その……」テレテレ

提督「えーと……」テレテレ

ル級f改「ハァ……このお二人はご結婚なさったのです。つまるところ……恐れ多くも北方棲姫様の義兄となったわけですな」

北方棲姫「? おにいちゃん?」

提督「ファッ!?」

港湾棲姫「おい司令官……変な気を起こしていないだろうな」ガシッ

提督「ないですないです僕はロリコンじゃないです」ブンブン

港湾棲姫「……まったく、もういきなりあんなことはするな。切羽詰まってもらった指輪など……雰囲気がないだろう」

提督「先んじて強引に婚姻させたお前が言うことかよ」

港湾棲姫「なにか文句があるのか?」ガシッ

提督「ないですないですちょっと手に強い力が入ってますマジで」ブンブンブンブン

ル級f改「……港湾棲姫様、何やら接吻を交わされてから一層たくましくなられて……ル級は嬉しく思いますぞ」

提督「いや~ちょっと頼りになりすぎじゃないっすかね……」

北方棲姫「カカァデンカ?」

港湾棲姫「ほっぽ、あんまり変な言葉を使っちゃダメ。……さて、帰ろう。我々の家に」



………………

――数週間後

~鎮守府・離れの居酒屋~

龍驤「――え~、ほいじゃ我らが誇る日本一のアホ提督の結婚と、深海棲艦との和平を祝しまして!!」

「「「かんぱ~い」」」

鳳翔「……またこうしてみんなで食事の場を囲めるとは思いませんでした。おめでとうございます」

提督「ぬははははははは!!! これも一重に本官の活躍のおかげよ!!」

ル級f改「図に乗るな。貴様など鎮守府と港湾基地を何往復も泳いだだけであろうが」

龍驤「いや、もうそれは十分にありえへんことなんやけどね」

港湾棲姫「慣れとは怖いものだ。もうこの男がどんな奇行をしても何も感じなくなってしまった」

提督「うっそだぁ~いまだに手をつないだだけで顔そむけるくらい真っ赤になるくせに」

港湾棲姫「ぬぐ……!」

龍驤「安心しぃ、この人爆乳ちゃんからのLINEが止まるたびに死にそうな顔になっとるから」

港湾棲姫「ほう、そうなのか」

提督「ふ、普段はそれぞれ別の場所にいるんだから仕方ないだろ! いくら夫婦でも立場があるんだからよ!」

ル級f改「ふん、たかが結婚くらいで港湾棲姫様のお傍に就いておられると思うな。貴様は夫としてジワジワと姫様にご奉仕を続けるのだ」

提督「子離れせぇー! いつまでも娘が家にいてくれると思うなこの独り身!!」

ル級f改「殺されたいらしい」ジャキン

龍驤「アンタはアンタで相手おらんの気にしてるんやね…………で、そろそろツッコミたいんやけど」

北方棲姫「なんでオマエここにいる?」

ながもん「まぁまぁ細かいことは気にするな。ほら、ミートボールだよ~」

龍驤「なんでアンタらまでおんの? うちに長門型は配備されてへんけど」

陸奥「うふふ、視察よ。し・さ・つ♥」

提督「しばらくは西方の動向を見るために秘密裏で監視が入るらしいぜ。まぁ見知ってしまった奴らが来て秘密もクソもないが」

陸奥「まぁ提督とは一度敵対する形になっちゃったけど、正直うらやましいのよね。こんなに障害だらけの恋が実って」

提督「んなこといってからかいに来ただけだろお前。そこのロリコンは知らんけど」

陸奥「あら、バレた?」

北方棲姫「帰れ! オマエラキライ!」

長門「き、嫌いだと!? 私は世界が誇るビッグセブンだぞ! ほぅら、零戦だってもってるぞ」

北方棲姫「零だけオイテケ。オマエ帰れ」

龍驤「ここまで嫌われてよく心が折れへんな自分」

長門「ふっ、長門型の(心の)装甲は伊達ではないよ」

港湾棲姫「……お前たちも、戦いは好きじゃないのか?」

陸奥「うーん。艦娘としては戦うのが本分なわけだし、砲撃戦自体は嫌いじゃないんだけど」

長門「兵器としてただ運用されるよりは、こうして語らい平和に過ごす方が人としては満たされている……と言わざるを得んな」

提督「お前はほっぽちゃんと遊べたら幸せそうだしな」

ながもん「!」

港湾棲姫「……お前のところに集まってくるのはこんな奴ばっかりだな?」

提督「そっくりそのまま返してやるよ。おかげさまでお前とこうして一緒になれたわけだが」

港湾棲姫「……」グビッ!

ル級f改「あぁ姫様、弱いのにそんなに忙しく猪口を空けられては……」

龍驤「わかるでぇ~、普段はありえへんくらいアホでテキトーでガサツなくせに、言うときは直球でスパーン!と恥ずかしいこと言いよるからなコイツは」

提督「RJにそんな恥ずかしいこと言ったっけ?」

龍驤「……なんなら夜戦演習始めるか? 至近距離なら爆戦飛ばせるで?」

提督「昼戦で港湾にやられてるからもう勘弁」

龍驤「おーおー昼間っから熱いやんけ! その調子で夜戦もよろしくやれや、ホンマに……」

ル級f改「……龍驤、今宵は飲み明かすか」

龍驤「……ん、おおきに」

港湾棲姫「……!」グビグビ

提督「おいおいおいどんだけ飲んでるんだお前ちょっと待てコラ! 誰か止めて!」

ル級f改「呑まれた女の相手は夫がしてやれ」フン

陸奥「役得じゃない、提督ぅ」

提督「こいつ徳利単位で飲んでるんだぞ! 鳳翔助けて!」

鳳翔「軽空母では力不足なようで……」

――数十分後

港湾棲姫「ふゆうようさい、はっしん!」フラフラ

北方棲姫「きゃはははは!」

提督「完全に出来上がってやがる……」

ながもん「ほっぽちゃん! 次は私が肩車してやろう!」

陸奥「こうして見ると本当に敵も味方も関係ないわよねぇ。あ、鳳翔さんこの煮物まだある?」

鳳翔「はい、どうぞ」

龍驤「うぅ……ウチやって……ひっぐ……もしかしたらって、最後の最後まで実はイケるんちゃうかって……期待してたんや」グスグス

ル級f改「お前泣き上戸だったのか……まぁなんだ、呑め」

電「あの、鳳翔さんいいんですか? 電はお酒を届けに来ただけなのに……」

鳳翔「せっかくのお祝いの席ですから、少しくらいはね?」

提督「あー構わん構わん。どうせ待機番なんかしてても敵なんてしばらくいないから。今日のパンツは?」

電「ウサギさんなのです」

提督「了解。ほら、オレンジジュースだぞ」

鳳翔「(龍驤さんがいないとツッコミ役が……)」

ながもん「こんばんは。君は電ちゃんかな? 練度はいくつ?」ススス

電「なのです?」

陸奥「長門~? 他の鎮守府のコに変なことしないでよ?」

長門「む、無論だ」

港湾棲姫「いくぞ! ひっさつ、バーサーカーモー…………うっぶ」

提督「やっべ、ちょっとコイツ持ってくぞ!」ガラッ

龍驤「もうアンタのもんや好きにせェー!」

ル級f改「……離れていくものだな、いつかは」

龍驤「呑んでるか、ルーやん」

ル級f改「その呼び方はよせ」

………

港湾棲姫「おヴェエエエエエエエエエエエエエ……」ビシャビシャ

提督「お前見た目より盛大に吐くなオイ……磯くっさ。こりゃ朝一で清掃だな……」

港湾棲姫「はぁはぁ……み、見損なったか?」

提督「んあ?」

港湾棲姫「わ、私など……別に特別でも何でもない……戦場に出れば積極的に敵も倒せないし、お前と会うまで世間のことも全然知らなかった……け、結婚した矢先から……こんな情けない姿まで見せて……幻滅しただろうと言ってるんだ」

提督「んー……港湾は酔うとネガティブな部分が出てくるタイプなのね」

港湾棲姫「ふ、ふふ……今ならまだ間に合うぞ……こんな磯臭い深海棲艦より……もっと素敵な艦娘は、いっぱいいるみたいだからな……」

提督「……」



《選択肢を選んでください。》

1『……………』

2『ならそうしようか』


安価↓2

提督「……………」

港湾棲姫「なんとか言ったらどうだ」

提督「ちょっとそのゲロ臭い口をこっちに向けろよ」

港湾棲姫「なんだ、接吻でもしてくれるのか? 深海棲艦のゲロ塗れの口に」

提督「あぁしてやる」

港湾棲姫「え……んぐ、む!?」

提督「チュ――――――!!」

港湾棲姫「ん、んっぷぁ! だ、ダメだ! 汚い!」

提督「酸っぱい……!」

港湾棲姫「だからやめろと――はぷっ!」

提督「チュチュチュチュ―――――――!!」

港湾棲姫「ぶぁ! こ、この阿呆! 痴れ者! ちょっとは女心を考えろ!!」

提督「じゃあ拗ねんな! 酔っても吐いても堂々としてろ! お前は本官が身を挺して選んだ女だぞ! その程度で見限ると思うな! わかったかッ!!」

港湾棲姫「っ…………は、はい……」

提督「……では戻るぞ。水の一杯でも飲んで頭を冷やせ……いやお前らの場合は海水のがいいのか?」

港湾棲姫「ま、待てっ!」

提督「ん?」

港湾棲姫「……や、やられっぱなしというのは……気に喰わん。ちょっとこい!」ガバッ!

提督「うわなにをするやm――柔らかぁい……」フニャア…

港湾棲姫「さ……触ってもいいんだぞ?」

提督「さ、触る!? この巨大格納庫に!?(童貞並感)」

港湾棲姫「な、なんなら……いろんなことしても……いいんだぞ?」ムニュ

提督「いろんなこと!? この大型バルジに!?(童貞並感)」

港湾棲姫「まだ、私からお前に何もしてあげられてないから……このくらいは」ギュム

提督「(ま、まずい……長年溜めに溜めた530000の童貞力がみだれる!!)」ドクンドクン

港湾棲姫「男は、その……胸が好きなんだろ? こういう風にされるのも……」ギュムムム

提督「(あ、圧力が! UNEIの圧力なんて目じゃねえ! とんでもない乳圧が俺の顔面を締め付けるぅぅぅッ!!)」

港湾棲姫「き、気持ちいいか……?」

提督「す、すごく……気持ちいいでふ……」

港湾棲姫「そ、そうか! じゃあもっとしてあげるからな」ギュムゥゥゥ

提督「(こ、これは……冗談抜きでアーイキソ……)」

提督「!!」ピキィィィン!(←提督特有の探知能力)

提督「そこや彩雲ッ!!」ガシッ!

港湾棲姫「!!」

龍驤「しもたッ!? 総員退避! 退避~!」シュバッ

提督「おのれRJ! 提督の手から逃れられると思うなァ!!」ダッ

陸奥「あらもうバレちゃったの?」

北方棲姫「みんなで何してる?」

電「港湾棲姫さん、大丈夫なのですか?」

ながもん「小さい子は見ちゃいけないよ」

鳳翔「提督……お部屋に赤マムシドリンクでもお持ちしておきますね」

港湾棲姫「……み、見てたのか……」カァァァ…

ル級f改「姫様……中々に己の強みを心得ておいでで。とりあえず海水をお持ちしました」

港湾棲姫「ありがとう……」ゴクゴク

ル級f改「……今、あなたはお幸せですか?」

港湾棲姫「ん? ……うむ、そうだな……」


龍驤「乳や! なんもかんも乳が悪いんや~~っ!!」ドドドド…

提督「同意ッ!! されど乳に罪はなしッ!! 悪しきは乳に翻弄される人の心よのぉ!!」ドドドド…


港湾棲姫「……あれを見るとやや不安になるが……幸せだ。今ここに、過去も未来もすべてを肯定できる瞬間を……あの人が作ってくれたからな」

ル級f改「ならば……何よりです。ふふ」

提督「この時間を作ったのは俺だけじゃない。ここにいるみんな……なにより俺と港湾棲姫が出会えたからだぜ」シュバッ

港湾棲姫「あぁ……そうだな」

龍驤「くっさ。キミ全体的にくっさいわ。特に磯くさい」

提督「それはこいつの磯くっさいゲロのせいだ」



港湾棲姫「……!!」ダッ

提督「ぬははははははは!!! あばよ港湾棲姫!!」ダッ

港湾棲姫「もう……絶対に離さないからな! 変態司令官!!」






~提督レイプ! 夫婦と化した港湾棲姫~

       「艦」

じゃあ俺ギャラもらって年越しするから…

年末年始までだらしねぇ♂ホモ提督は

【艦これ】提督「あれはもしや大破した艦娘!?」 ヲ級「ヲ……」

でも読んどけばいいんじゃない?(適当)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月01日 (金) 10:47:23   ID: AP58jtid

いつ糞遊びが始まるかヒヤヒヤしながら読んでました(小並感)

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