ある日の主婦たちの井戸端会議は、
終始ある日から行方不明になった少年の話題でもちきりだった。
「探しています!
当時13歳 学校指定の黒いスラックスに白のポロシャツ
当時身長150cm程度、中性的な顔立ち」
そうやって少年の特徴が書かれ顔写真が添えられた張り紙は
市内の駅や交番を中心に至る所で見かけるようになっていた。
少年の名前は慎。
彼は11歳年の離れたフリーターの女の自宅に監禁されていた。
いつからこんなことになっただろう。
慎はベッドの上で
二の腕、そして太腿より下が消えた四肢を虚ろな目で見つめながら思った。
ここに拉致されたのは確か半年ほど前。
慎には小学校時代から両想いだった吉永という同級生がいた。
しかし中学校最初の夏、夜道をあるいていたところを何者かに後ろから鈍器で殴られ死亡する。
その話を聞き慎は3日ほど学校を休んだ。
葬式にも同級生名義で参加した。
程なくして学校には通い始めたが、常に心ここにあらず、といった状態であった。
「どうしたの?うかない顔して」
そんな中彼にそう声をかけてくる女がいた。
名は亀村。後に慎を監禁する女だった。
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