魔法使い「姫様、すごい美人じゃない。性格もいいし」
勇者「まあそれはわかるけど」
魔法使い「人格者の王様と姫様だからよかったものの、独裁的な王様とかだったら死刑よ?」
勇者「そりゃそうかもだけどさ、そんな事しないしあの王様は」
魔法使い「はあー、まあ魔王倒したアンタはヒーローだもんね、女の子なんて選び放題か」
勇者「そういう理由じゃないよ」
魔法使い「じゃあなんでよ?わけわかんないわね」
勇者「だって俺が好きなのは魔法使いだし」
魔法使い「ふーん」
勇者「うん」
魔法使い「…………」
勇者「…………」
魔法使い「え?」
魔法使い「えっ!?ええっ!?」
勇者「いや、二度驚かれても……」
魔法使い「な、なななに言ってるのよ!そんな!」
勇者「本心だよ、冗談とかからかいじゃない」
魔法使い「う、うう……!」
勇者「だからさ、未だに魔法使いがこの村に残ってるのがすごい嬉しいんだよ、俺」
魔法使い「な、なんとなくよそんなの……」
勇者「戦士はまだ自分の実力に満足せず修行の旅にでたし、僧侶は今回の功績で次の教祖に選ばれたとか」
魔法使い「う、うん……」
勇者「それぞれの道だから止めないし止められないけど、やっぱり寂しいしな」
勇者「だからさ、魔法使いが一緒にいてくれるのが嬉しいよ」
魔法使い「だ、だとしても、なんでアタシなのよ……」
勇者「え?」
魔法使い「アタシ、姫様みたいに美人じゃないし……僧侶さんみたいにスタイルよくないし……カッとなるとすぐ手がでちゃうし……」
勇者「んー……」
勇者「まあそれはそうかもしれないけどさ、いいところもたくさんあるぞ、俺は知ってる」
魔法使い「た、たとえば?」
勇者「ほんとは優しいところ、魔法の勉強がんばってるところ、動物がだいすきなところ、困ってる人を放っておけないところ、素直になれないところ、それを悩んでるところ」
魔法使い「やっ!も、もういいわよ!」
勇者「そういうところもかわいい」
魔法使い「なっ!や、やめろって言ってるでしょ!」ビシ!
勇者「いてっ」
魔法使い「も、もう……」
魔法使い「そ、それに、アンタいつからだったの?」
勇者「なにが?」
魔法使い「だから、あ、あ、アタシを……好きだったの……」カアアー
勇者「うーん……」
勇者「いつからか、ってのは自分でもわかんないけど、気づいたのは魔王と戦ってる時だな」
魔法使い「そ、そう……」
勇者「魔王に勝てたのは俺たち四人はもちろん、今まで支えてくれた人達全員の力だってのはわかってるけどさ」
勇者「一番頭に浮かんだのは、魔法使いを助けたいって理由だったんだ」
魔法使い「!!」
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