双葉杏「起きたらもらしてた」 (39)



杏「……」ビチャビチャ




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杏「う、うそだ」

杏「こんなのありえない」

杏「杏、もう17だよ?」

杏「うさみんと同い年だよ?」

杏「こんなの絶対おかしいよ……」


杏「そうか」

杏「これは夢だ!」

杏「なーんだ夢か~夢オチか~あー焦って損した」

杏「そうと分かれば二度寝しよ。おやすみなさーい」パタリ




杏「ベッドびちょびちょで寝れない」




杏「あぁあ~なんでこんなことに……めんどくさぁ」ムクリ

杏「……でも放置して誰かに発見されるのもなんだしな」

杏「さすがに事務所じゅうで、杏がもらしたと噂されたくはない」ヨッコラセ

杏「わぁー、杏ちゃんって幼児体型だけど、おもらしするなんて、ほんとに赤ちゃんみたいですねープークスクス。そうだ! ここでもらしてみてくださいよー。もーらーせ、もーらーせ」

杏「…………そんな性格の悪い人は、うちの事務所にはいないけど」




杏「とりあえずびっしょりして気持ち悪いスパッツをぬぐ」スポーン

杏「洗濯機にぽーい」ポイッ

杏「掛け布団は、カバーをはずして……」

杏「カバーはネットに入れてから、洗濯機にぽーい」バサッ

杏「中身は…………あちゃー……洗濯機で洗えないやつだ……」

杏「手洗いかぁ……めんど……」

杏「ベッド本体は、っと」

杏「うん、幸いベッドパッドとベッドカバーだけだ。本体までは浸食してない」

杏「ベッドカバーを洗濯機にぽーい」バササッ

杏「洗剤入れて、蛇口ひねってスイッチオン!」ピッ


ゴウンゴウンゴウン……


杏「はぁ…………掛け布団とベッドパッドを手洗いかぁ……」

杏「どうせ濡れるし、下穿くのはあとでいーや」




杏「うんしょうんしょ」バシャバシャ

杏「えんやこらせ」ゴシゴシブクブク

杏「どっこいしょーどっこいしょ」ジャッブジャッブ


杏「……あーづがれだ」

杏「干すのはきらりにやってもらおーっと」

杏「……あ、もしもしきらりー? 今から来れる? いやーいい天気だからお布団洗っちゃったんだよねー。お願い、干すの手伝って……え! いいの? やったーー! うん待ってるねー」

杏「よし」


杏「さて替えのスパッツは……」ガサゴソ

杏「……あれ?」

杏「ない」



杏「もしかして全部洗濯機の中かな……ぬいでぽいっと入れて放置してばっかりだったし」

杏「じゃあパンツでいいや……パンツパンツ…………」



杏「ない」




杏「ず、ずぼん……ジャージとか……」

杏「な、ない…………」


杏「はくものが、なにもない」




杏「スパッツないパンーツもないない♪ズボンもジャージもないないないない♪」

杏「……歌ってる場合じゃなかった」

杏「とりあえず……スカート……長めのスカートで」

杏「げっ、こんな短いのしかないの? しかもこれお出かけ用じゃん……」



杏「や、やばいこれ、すーすーする……」

杏「きらり来ちゃう……友達をミニスカノーパンでお出迎えって……どんな変態だ」

杏「さすがに手伝ってもらう手前、杏だけこたつに入りっぱなし……ってわけにもなぁ」

杏「……恥をしのんで、きらりに「パンツ買ってきて」って頼む……? いやいやいや……」


杏「そうだ!」ティン

杏「…………自分で買いに行けばいいんだ。はぁ」




杏「近くのコンビニで確か緊急お泊り用のパンツとか売ってたはず……」

ガチャッ

ビュオォオーー

杏「さっぶぅ! 上着羽織るべきだったかな……ええいもういいや! すぐそこだし!」タタタッ

ビュォオオー

杏「ってヤバいヤバい! 風強くってスカートが! スカートがめくれる!!」

杏「くっそぉ、寒いし早くコンビニに辿り着きたいのに、スカート押さえながらじゃないと歩けないなんてぇ」

ビュォオオー

杏「んぁあー! 寒いぃーすーすーするぅー」ブルブル

杏「手がかじかむ……はぁー」

ビュオォオオーー

杏「ぁわわめくれるっ!? く、くっそぉお……」

杏「なんで杏がこんな目にあうんだー! こーいうのは幸子とかみくとか」ブツブツ……




ウィーン イラッシャイマセー

杏「つ、ついた」

杏「えーと……パンツパンツ」

杏「あった! これでもうノーパンから解放」

ブルルッ

杏「ぅ…………」



杏「トイレ……行きたい」




杏「思えば起きてからトイレ行ってなかった……もらして出したからもういいかなーって」

杏「でもお腹冷えてすごいトイレ行きたい」

杏「あ、トイレ借りていいですか」

イッスヨー

杏「ども。さて……」ガッ

杏「……」

ガッガッ



杏「あ い て な い!!」




杏「うそうそもうだいぶ限界なんだけどこっから家まで寒風吹きすさぶ中戻ってる余裕ないってば」ガッガッガッ

杏「あのー!」ドンドンドン

ハイッテマース

杏「いやそれは分かってるの!! 私もう限界! はやく出て!」

アイコトバヲイエ

杏「はぁ!? なに言ってだこいつ! いいからはやっ……ぁ」

杏「ゃ…………やば、い……もう、ぅ」モジモジ



??(あ! 杏ちゃんはっけーん。よぅし……!)




「にゃっほーーーーーい!!!!」バァッ!!

杏「ぴにゃっ!!?!?」ビクッ


杏「あ…………」

きらり「杏ちゃん、おっすおっす! ちょーど、きらり到着したところだよぉ」

杏「ぁ…………ぁ、あ……」ブルブル

きらり「……杏ちゃん?」

杏「……ごめん、きらり」



杏「もうゴールしてもいいよね」

きらり「??」

チョロチョロッ



ジョバーーーーー

きらり「にょわっ!?!?」ビクッ




杏(スカートと足をお小水でびっちゃびちゃに濡らしながら、茫然と立ち尽くす杏に)

杏(きらりは優しく、持っていたハンカチで足を拭いてくれた)

杏(床は、店員さんに借りてきたぞうきんで拭いていた)

杏(…………当然、足を拭かれるときに、はいてないこともバレた)


杏(……もらした瞬間よりビックリしてたかも)

杏(もう、一切合切の事情を話すしかなかった)

杏(目の前でもらしたのだ。今更、寝しょんべんがなんだと言うのか)


杏(真剣に泌尿器科への受診を勧められたのが、心にぐさりと刺さった……)


……



……


きらり「はい! これでぜーんぶ、干し終わったにぃ」

杏「杏の人生も終わらせてよ……」

きらり「そんなこと言わないでっ誰だってぇ、失敗するときもあるんだから」

杏「そうだけどさ……」

きらり「にしても、洗濯物いっぱい溜まってたよ? ちゃーんとお洗濯しないとぉ」

杏「杏みたいになるって? おもらしおにゃーしゃーーしちゃうって? はは、でも杏は洗濯物だけじゃなくて膀胱にもいっぱい溜まってたじゃんアゼルバイジャン」

きらり「重症だにぃ……」

杏「晶葉にタイムマシンを作ってもらって……いやそれより志希のお薬で」

きらり「杏ちゃん! 杏ちゃん!!」ユサユサ

杏「ぐぇっなに?」

きらり「きらりと一緒に……」



きらり「お風呂入ろ?」

杏「……え?」





チャポン……

杏「ふぅー……」

きらり「うーん気持ちうぃー」

杏「まぁ、最初にもらした後も、体は拭いただけだったし。きれーにしとくべきだよね」

きらり「……背中、流しっこしよ?」

杏「いいけど……」

ゴシゴシ……ゴシゴシ

きらり「流すゆー」

杏「あーい」

ジャバー


杏「……じゃ交代」

ゴシゴシ……ゴシゴシ……

杏「はい流すよー」

ジャバー

きらり「うきゃー☆」


ジョババーー

杏「!?!?」


杏「ちょ、きらり、え? へぁ?」

きらり「うぇへへへ☆ お風呂でしーしーするの、気持ちうぃーよね」

杏「あー……それは…………いや、まぁ私も、たまにやっちゃうけどさ……」

きらり「これでぇ、おあいこ」

杏「きらり……」

きらり「このことはぁ、二人だけの…………ひみつ」

杏「……うん」



チャプン……


……




……


チュンチュン……

ピヨ……ピヨ


杏「ふわぁーあ……今日はお仕事の日かぁ…………もらしたのがお休みのときでよかった」

杏「しかし……おもらしがあのアメの副作用だったとはね」

杏「志希に連絡してみてよかった。対処法も教えてくれたし、これでもうおもらしなんてしないぞ!」

杏「あれ…………でも、あれが原因ってことは」







フギャーーーー! と、とまらない……お、おしっことまらな……うぇえええん!! プロデューサーさぁあああん!!


あぅうう……もう、もういやなんですけど、なんで、なんでぇ

フ、フヒ……机の下……二人の聖水で、びしょびしょだな……し、親友も、かけて……いいぞ



にゃはっ、事務所じゅうが、イイにおい♪






おわり。




これまでありがとうございました。


双葉杏「起きたらなんかはえてた」

双葉杏「起きたらベッドに縛りつけられてた」



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