一方通行「車に轢かれたァ」 垣根「退院してぇ」 (1000)


一方通行「車に轢かれたァ」
一方通行「車に轢かれたァ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439728069/)

これの続きになります。

退院するかもしれないのであしからず。


ゆるゆると進めていきますが、おかしなカップリングになるかもしれません。
ご注意ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448758894

立て乙
>>1が2レス以上書き込まないと24時間で落ちちゃうかも

>>2
そうなんですか!? ありがとうございます。

>>2そんな昨日あったのか

新スレ北ーーー!
立ておっつおつです!



~~~ 注意点 ~~~


・キャラ崩壊しているかも

・テストが近かったりすると亀進行になります。

・変なカップリングに注意

・シリアスになっても亀進行になります。

・記念日になる度、暇だったら短編が入ってきます。

・シリアスは一段落したらほとんどなくなる予定です。


こんな感じでいきます。



垣根「インデックス? なに平然と席についてんだ。お前自分で配膳係って言ってたろ」

インデックス「ええー」

垣根「ほら、さっさとしろ」

インデックス「分かったんだよ」ブーブー

佐天「あははは……」

美琴「佐天さん困ってるじゃない」ハァ

垣根「本当はお前にやらせてもいいんだけどな」

美琴「拒否」

垣根「ま、今回は貴重な肉の提供者だしそんなことさせる気は毛頭ないけどな」

佐天「インデックスちゃん、ファイトー」

インデックス「ううー」トテトテ


……………………
…………


垣根「さてと、準備完了だ」

佐天「おお、結構豪華な感じになりましたね」

インデックス「はわー、お腹がなっちゃうんだよー」

垣根「お前は食ってたろ」

美琴「確かにね」

インデックス「えーっと、そうだったね」

佐天「私もそろそろお腹が減っちゃいました……」

垣根「ああ、そろそろ食うか」

四人「いただきまーす」

キリがいいのでここまでです。

皆さんの乙コメや応援のコメのおかげで2スレ目に入るまで気力が持ちました!!
本当にありがとうございます。
そしてこれからもよろしくお願いします。



垣根「おお、美味い」モグモグ

インデックス「願いが叶ってよかったね」

垣根「え? 何のことだ?」

インデックス「手料理食べたいって言ってたでしょ?」

美琴「え、そうなのー?」

垣根「……それは違うな」

佐天「お? もしや作ってほしい人でもいるんですか?」

垣根「あ? そんなこと関係ねぇだろ」

美琴「ふふふ、こういう時にガン飛ばしても全然怖くないわよ?」

佐天「うふふー、やっぱり恋する人ってかわいいですね」



インデックス「るいこはしないの?」

佐天「私はそんなかわいい人を見てるだけでいいんだよ。なんだか楽しいしね」

インデックス「ふーん?」

垣根「俺をオモチャにしないでくれー」

佐天「いえいえ、もう観察対象に入ってしまったんで無理ですよ」

佐天「もちろん御坂さんもね」

美琴「ぐきっ」ビク

インデックス「私は?」

佐天「インデックスちゃんもそうかもしれないね」

垣根「らしいぜ?」

美琴「何でこっち見るの?」

垣根「さあな。やっぱ肉はいい」パク






インデックス「おお、これだよ、これなんだよ! てーとくグッジョブなんだよ!」ガツガツ

垣根「突然言われても分かんねぇよ。何のことだ?」

美琴「うん? この野菜炒め酸っぱいわね」

佐天「隠し味にしては酸っぱさが強いかも」

インデックス「これは疲労回復のための気遣いなんだよ!」

美琴「え、ああ、そうなの?」

佐天「なるほど、そうなんですか」

インデックス「へへへーん。これがとうまの技なんだよ」

佐天「とうま?」

垣根「ああ、こいつの保護者みてぇな奴の名前だ」



佐天「……なるほど。そういうことですか」

美琴「…………うう」

垣根「こういうのも悪くねぇな」ニヤニヤ

美琴「ふん、私もあんたのこと知ってるから」

垣根「は?」

美琴「ふん、なんでもないわ」

インデックス「なんだか面白そうなニオイなんだよ」

インデックス「あ、るいこー、ポトフお代わりー」

佐天「はい、どうぞ」

垣根「その言い方じゃ気になるじゃねぇか……」



インデックス「ごちそうさま、なんだよ……」ゲフ

垣根「食いすぎだろ」

佐天「少し驚きましたね」

美琴「もうシスターとは呼べない有様でしょう」

インデックス「その言い方は良くないと思うけど」

美琴「そんだけ食べたんだから少しくらい文句を言ったって誰も怒らないわよ」

垣根「ああ、それは本当に済まなかったな。俺が言うのもなんだけど」

佐天「いえいえ、私たちもご飯お代わりしちゃいましたし」テヘヘ

垣根「そう言ってもらえると助かる」ハァ

ここまでです。
またくるかもしれません。



美琴「じゃあ私達はまだ作ってる途中だから戻るわ」

垣根「あ、ああ……ということは今のは味見だったってことか?」

美琴「そうねー……まあ、ちゃんと男にも通じる味だって分かったからそういうことになるかもね」

垣根「俺のことかよ」

美琴「ええ、味見ありがとね」

垣根「……複雑な気持ち」

インデックス「どういたしまして。また味見できるなら呼んで欲しいんだよ」

垣根「お前には言ってねぇと思うんだけどな」

佐天「わ、私はインデックスちゃん呼ぶからね?」

インデックス「うん! 待ってるから!」



垣根「あ、そうだ、一応アドバイスしてやる」

美琴「ハンバーグについて?」

垣根「ああ。もう少し味が濃くてもいいかなって思うな」

美琴「え?」

垣根「病院の飯は薄味ばっかで飽きちゃうんだよ。だから濃い目の方が好印象だと思うぜ」

垣根「とはいえこのままでも十分うまいからあいつも喜んでくれるだろうな」ウム

佐天「おお、良かったですね」

美琴「そうね、参考にさせてもらうわ」

垣根「ああ。まあまあ味には厳しい俺が言ってんだから間違いねぇよ」ニヒヒ

佐天「あ、そうか……レベル5の方でしたっけ」

垣根「あ? そうだけど、なんで知ってんの?」

佐天「フィアンマさんと一方通行さんがよく話してるんで」

垣根「なるほどな。じゃあお前があの……長髪女ってわけだな」フムフム

佐天「ち、長髪女!?」

垣根「いや、こっちの話だ」アセ



佐天「……そうですか」フルフル

垣根「ちょ、お、俺は悪くねぇからな」

美琴「まあ、何かあったら私が何とかするから」グッ

垣根「何かある前提で話すなよ!」

インデックス「るいこは長髪女なの?」

佐天「い、インデックスちゃん?」ギリギリ

美琴「佐天さん!?」

垣根「何このデジャブ」オウ…



佐天「うう、でもここは垣根さんに免じて聞かなかったことにしておきますね」

垣根「ああ、なんだか申し訳ねぇ気持ちになったな」

垣根「……ん? 免じてって、俺は何もしてねぇが」

佐天「うーん、ご飯をくれたことですかね。それに免じてってことですよ」

垣根「なるほどな」

インデックス「ほっ、良かったね、てーとく!」

美琴「アンタにも責任あるんだからね?」

インデックス「え!?」



垣根「そこは驚くところじゃねぇよ」

佐天「あー、インデックスちゃんを責めないであげてください」

インデックス「るいこー」ヒシ

佐天「よしよし……」

佐天「悪いのはあの二人なんで」ニコニコ

垣根・美琴(怖い)

佐天「さてと、そろそろ続き焼きましょうか?」

美琴「そ、そうね」

美琴「それじゃあまた、気が向いたらお見舞いでも行ってやるから」

佐天「私も暇があったら行くんで、そのときはよろしくお願いしますー」

垣根「ああ、出来れば来ないで欲しいがな」ハァ

インデックス「じゃあねー!!」ブンブン

今日はここまでです。



…………………


インデックス「てーとくはあんなアドバイスができたんだね」トテトテ

垣根「ま、料理はあまりしねぇが美味いものは人よりは食ってるだろうしな」

インデックス「すごい自信なんだよ」

垣根「だってなぁ、実際あの焼きそばパンと野菜炒めも美味かっただろ?」

インデックス「確かに……オリジナルにとてもそっくりだったかも」

垣根「それは黄金比ってのを体で覚えてるからこそなんだなー」

インデックス「ってことはいつもすごい料理作ってたってこと?」

垣根「それはねぇって言ってるだろ。ただ、そうだな……俺が単純に器用ってだけじゃねぇか?」

インデックス「うわー、そういうことを私の前で言っちゃうんだー」

垣根「あえて、だ。お前の将来を考えて言ってやってんだから感謝しろ」

インデックス「あわわわわ……」

垣根「それにしても……俺も認識を改めねぇとならないらしい」ボソ

インデックス「ん? 何か言ったかな?」

垣根「んいや、なんでもねぇよ」



垣根(一方通行はリンゴの皮を剥けて、あの第三位は料理ができる……)ブツブツ

垣根(一方通行は話せば意外と話が合ったりするし、第三位は普通に恋愛をする……)

垣根(つまりレベル5といえども生身の人間に力がついたものに過ぎねぇと)ブツブツ

垣根(力の怪物じゃねぇ、ただの人ってことだ)

垣根(俺はどうなんだろうな……)フゥ


垣根「おい」

インデックス「何?」クルッ

垣根「アイスでも買って帰るか?」

インデックス「おお! てーとく太っ腹なんだよ!!」

垣根「その程度で太っ腹って言われてもな……」

インデックス「あっいっすー! とうまには秘密なんだよ!」

垣根「ああ、分かった」



………とある病院………


美琴「……同じ電磁波を浴びせ続けるのもなかなか面倒な作業ね」ピリピリ

美琴「温度は……うん、いい感じね」ポカポカ

美琴「あとはアイツのところへ行くだけだけど……」ウロウロ

美琴「うーん…………」ウロウロ

美琴(気持ちに整理がつかない……)


???「……そんなところで何をしているんだ?」スタスタ

美琴「え?」

フィアンマ「あまりうろうろしていると怪しまれるぞ」

美琴「なんでフィアンマくんがここに?」

フィアンマ「ただ売店で今週のジャンプを買おうと思っていただけだ」バラバラ

フィアンマ「その帰りに歩いていたらお前がうろうろしていた」

フィアンマ「で、気になったから声をかけたということだな」



美琴「あ、詳しい説明ありがとう」ハハ…

フィアンマ「で、何をしに来たんだ?」

美琴「えーっと、お見舞い?」

フィアンマ「ああ、垣根ならさっき帰ってきたぞ。一方通行は元々いるしな」

フィアンマ「だが、禁書目録がいるから注意だな」ムッ

美琴「いや、そっちじゃないわよ」

フィアンマ「……どういうことだ?」

美琴「フィアンマくんには関係ないわ」フン

フィアンマ「そうか」


???「おーい! なんで先に戻ってきてんの!?」カツカツッ

フィアンマ「ああ、済まない。これを早く読みたかったからな」バサバサ



美琴「あれ? なんでアンタがここにいるの?」

上条「いや、それはこっちのセリフなんだけど……」カツカツ

フィアンマ「そう言わずに答えてやればいいだろう?」

上条「まあ、隠すようなことでもないしな」

上条「俺達二人でマンガパーティーでもしようって話になってな……」

フィアンマ「お金は俺様持ちだ」

上条「いらないことを言わんでもいい!! それに上条さん話してる途中だぞ!」ブン

フィアンマ「頭を殴ろうとするな」サッ ボス

上条「いや、ジャンプで頭庇わないで?」ジンジン

美琴「私はスルー!?」

上条「ああ、悪い。で御坂はどうしたんだ? 御坂妹の見舞いとか?」チラ

美琴「…………」ゴゴゴゴ

上条「え、ええ?」



フィアンマ「怒っているな」フム

上条「そんなこと言われなくてもわかるんだけどな!!」

フィアンマ「そうだな……じゃあアドバイスをしてやろう」

フィアンマ「右手を前に出せ」

上条「それも分かってる!!!!」ザッ

美琴「…………」ビリ……


上条「……」

フィアンマ「……ふむ」

上条「こな……かった?」チラ

今日はここまでです。
テスト期間に入るので少しペースが落ちるかもしれません。



美琴「……」

上条「どうしたんだ? 出会い頭の電撃がお前の挨拶じゃなかったのか?」

美琴「……これ」スッ

上条「え?」

フィアンマ「……なるほどな、どうやら俺様は邪魔だったらしい」

フィアンマ「マンガパーティーは明日にしよう。ただし、お菓子を勝手に食べていたりしたら許さないからな」タッ

上条「え、フィアンマ!?」

上条(ここに上条さんだけを置いていかないで!)

美琴「…………」スッ




上条「…………これは……?」パカ


美琴「ハンバーグ。肉料理作るって言ったでしょう?」

上条「も、もしかしてあれは本気だったのか?」キラキラ

美琴「そうよ! 別にいらないならいいけど」

上条「おおおっ! 本当に作ってきてくれるとは!」

美琴「ふふん」

上条「すごいありがとうな!」

上条「……一つ食べてもいい?」

美琴「戻ってからにしてよ」

上条「あ、そうだな。あんまりがっつくのもあれだよな」ヘヘヘ




美琴「じ、じゃあよく味わって食べてね」サッ

上条「あれ、来ないのか?」カツッ

美琴「え?」

上条「いや、てっきり御坂も一緒に食べるのかと思っただけなんだけど」

上条「……でも事情があるのかな? 悪かっ――」

美琴「行くわ」ズイ

上条「あ、来る?」

美琴「そこまで言われたら行かないわけにはいかないでしょ」フン

上条「いや、事情があるなら無理に引き止めたりはしないけど……」

美琴「いい。私はアンタの邪魔になるから帰ろうとしただけ」

美琴「だからアンタがいいって言うなら私は残る」

上条「は、はあ」




………上条の病室………


美琴「……」

上条「そ、そんなにじっと見られると食べづらいんだけど……」

美琴「あれ、邪魔だった?」

上条「いや、見られると食べたくても食べれないっていうかね」

美琴「ああ、なるほどね」

美琴「でも反応は見たいから我慢して」

上条「尽力しよう」

上条「い、いただきまーす」

美琴「……」ドキドキ




上条「……」パク

上条「おおっ、美味いな」ウンウン

美琴「ほ、ホント?」

上条「うんうん。最近は味濃いもの食べてなかったからな」

美琴(よっし、お菓子食べる前に渡せてよかった……)グッ

上条「御坂も食べないか?」スッ

美琴「え? 私?」

上条「うん。じーっと見てるから食べたいのかと思ったんだけど」

上条「あれ、違う?」

美琴「……貰っておく」

上条「そうか。じゃあ…………」ガラガラ




上条「ってこんな時に予備の割り箸が尽きている!!」ガ-ン

上条「参ったな……流石に同じ箸使わせるわけにもいかないし」

美琴「べ、べべっ、別に気にしないわよ」カア

上条「本当に大丈夫なのか?」

上条「とてもそうには見えないけど」

美琴「大丈夫よ! ばっちこいよ!」

上条「そ、そうか? ならいいけどさ」

上条「はい」

美琴「んー!」パク


今日はここまでです。
上条さんがハンバーグにありつけた!



上条「な? 美味いだろ」

上条「本当はこれくらいの味の濃さが好きなんだけとな、病院じゃ出てこないんだよ」

美琴(間接キスにあーんまでしてしまった! してしまったぁあああああああ!!)パチパチ

上条「おーい、御坂さーん、戻ってこーい」テフリフリ

上条「おーい、漏電してるぞー、今すぐ止めろー」

美琴「はっ!」

上条「おかえり。どこ行ってたんだ?」

美琴「天」

上条「え、そんなに美味しかった?」

上条「いや、でも……自画自賛はよしとけよ?」

上条「まあ、ここまで美味かったら自信を持つのもいいと思うけどなぁ」



美琴「あれ、結構褒めてくれるのね」

上条「まあな」

上条「だって今まで手料理持ってきてくれた人はいなかったからな」

美琴「え、そうなの?」

上条「嘘つく必要なんてないだろ」ムッ

美琴「へー、意外ね」

上条「何が意外なんだよ」パクパク

美琴「手料理くらいならもう誰かが持ってきてるもんかとばかり思ってたわ」

上条「なんだよ、上条さんをなんだと思ってるんですか?」

上条「ただの男子高校生に手料理持ってくる物好きがそんな何人もいるわけ無いって」ケッ

美琴「ただの男子高校生、ねぇ?」ジ-

上条「なんだよ、顔になんかついてた?」サッサッ

美琴「付いてないわよ」

上条「ならいいんだけどさ」



上条「そうだ、図々しい提案なんだけどいいか?」

美琴「なに?」

美琴「いいか悪いかは内容によるでしょう」

上条「そうだな。セールスとか追い返すのがうまそうな答え方だな」

美琴「大丈夫? なんだか普段とテンションが違う気がするんだけど」

上条「安心してくれ。御坂も結構違うぞ」

美琴「な、私はいつもどおりよ」

上条「なら俺もいつもどおりだよ」

美琴「……で、図々しい提案って?」ハァ



上条「暇があった時だけでいいからさ、また料理を作って来てくれたらなーなんて」

上条「無理だと承知の上だけどな」アハハ

美琴「……」

美琴(な、それってどういう意味よ!!)アセアセ

上条「えっと、入院中だけでいいからさ」

美琴「……アンタは入院中の方が多いでしょう…………」

上条「まあ、確かにそうかもしれない」

美琴「でも、いいわ」

上条「え?」

美琴「作ってやろうって言ってるんじゃない」ニッ



上条「ほ、ホントか!」

美琴「そこまで好評だったならね」

上条「ああ、ありがとうな!」

美琴「いいって、それより早く食べないと冷めちゃう」

美琴「わざわざいい感じの温度になるように持ってきたんだから冷ましたら許さないから」

上条「ああ、そうだな」パクパク

上条「冷めないうちに食べないともったいないな」パクパク




………風紀委員詰所 一七七支部………


佐天「こんにちわー」

初春「あれ? 佐天さん、どうしたんですか?」

固法「よく来るわね……」

佐天「あはは、お邪魔しちゃってすみません」

黒子「して、なんの用ですの?」

佐天「ちょっと初春借りていいですか?」

固法「うーん、そうね。ずっと書類につきっきりだったしいいんじゃない?」

黒子「ですわね。少し息抜きでもしてくると良いかと」

黒子「しかし、あまり長時間羽根を伸ばすのも考えものですの」

初春「は、はぁ。ありがとうございます」


佐天「うし、じゃあいくよ!」グイ

初春「うわああ!」

黒子「いってらっしゃいですのー」テフリフリ

固法「いってらっしゃいー」

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!

乙ですじゃ!!



………とある喫茶店………


初春「突然どうしたんですか?」

佐天「…………ふんふーん」ニコニコ

初春「いいこと、あったんですか?」

佐天「いいことなのかは分からないけどね」

初春「詮索するのは良くないとは思うんですけど、連れ出したからには話してもらいますよ」

佐天「そりゃ私だってそのつもりだよ」

佐天「でも順序があるからね」ニッ

初春「おお、気になりますね……」

佐天「結論から言うと、いい人見つけちゃったかもしれないんだよね」

初春「いい人ですか?」

佐天「うん」



佐天「少し抜けてる所はあるけどかっこよくて子供にも優しいんだよー」

初春「子供にも優しいって相手は大人!?」

佐天「うーん、高校生くらいかな」

初春「ほー、それで彼とはどこで会ったんですか?」

佐天「あの貸キッチンでねー」

初春「ほえー」

佐天「料理交換とかもしたんだよ」

初春「いきなりすごいですね……」

佐天「あ、でも一対一じゃないからね」

初春「そうですか」



佐天「私は御坂さんの付き添いで来てて、垣根さんはインデックスちゃんにご飯をあげるために来てたみたい」

初春「……垣根さん?」

佐天「ああ、いいなって思った人ね」

初春「は、はあ」

佐天「顔も良くて性格も面白いからきっと彼女さんとかはいるんだろうなって思ったんだけど」

佐天「案の定、好きな人がいるっぽいんだよね」

初春「そうですか」

初春(……心当たりがあるような!!!)

初春「でも私は佐天さんを応援しますよ」

佐天「へへっ、そう言ってくれるとありがたいね」



佐天「でも」

初春「?」

佐天「彼は面白くていい人なんだけど少し影があるような気がするんだよね」

初春「影?」

佐天「闇とも言うのかな、少し遠い目をしているというか達観しているというか……」

佐天「ごめんね、突然変なこと言って」  

初春「いえ、私もその感じ分かりますよ」

佐天「え……ああ、なるほどね」

佐天「フィアンマさんでしょ」

初春「……はい、時々隔たりを感じるというか、別世界みたいな……?」

佐天「あー、そんな感じかも」



佐天「でも垣根さんの場合普通の時がこっち寄りだからその違和感を濃く感じる、のかな?」

佐天「フィアンマさんは普段から別世界感出てるけどさ」

初春「そんなことないですよー」

佐天「だってあの人はもう大人ですって感じじゃん」

初春「いやー、フィアンマさんもだいぶ子供だと思いますけど」

初春「一方通行さんとよく口喧嘩とかしてますし」

佐天「ふーん、よく見てるね」ニヤニヤ

初春「う、患者さんからは目を離さないようにするのが一番大事ですからね」

初春「でもそんな影とか違和感とか隔たりとかを越えられたらいいなって」

初春「いや、むしろ越えたいなって思ってる私もいるんですよね……」



佐天「うんうん」

佐天「やっぱりこれだよね、可愛くてしょうがないぞー!」ムギュー

初春「ふふふ、佐天さん?」グッ

佐天「何ー? 初h」

初春「その気持ち、今なら良く分かりますよ」

初春「人に構ってばっかりな佐天さんが恋する乙女になるなんて……」

初春「もう可愛くてしょうがないですよ」ニヒヒ

佐天「う、初春ー?」

初春「私、本当に佐天さんのこと応援してますから!」

佐天「あ、ありがとう。凄いハイテンションになってるけど大丈夫?」

初春「大丈夫ですよー。でもとりあえず今日のところはお仕事に戻らないといけないんで」



佐天「あっ、ごめんね。つい話し込んじゃったよ」

初春「大丈夫ですよ。有給消化みたいなものですし」

初春(それに佐天さんの話も聞けましたしね)

佐天「そっか、じゃあ今日はお開きだね」

初春「なにか進展あったら教えてくださいね?」

佐天「りょーかい!」

初春「あ、これ私の分です」

佐天「今日は私が呼んじゃったから出すつもりだったのに」

初春「いえいえ、貸しは作らない主義なんで」ドヤ

佐天「そ、そっか」

初春「それじゃあ私は戻りますね!」

佐天「うん、頑張ってねー!」テフリフリ


佐天「さてと、私も早くお見舞い行こうかな」

とりあえずここまでです。
夜は来れないかもしれませんができるだけ投下できるようにするのでよろしくお願いします。

乙です!!

別に焦らんでいいですのことよ



~~~とある三名の観光都市③~~~

………尖塔屋台………


トール「ふぅ、イカ焼き美味かったな」ガジガジ

浜面「人前でようじで口の中いじりながら話さないでくれ……」

オッレルス「同感だな」

トール「おいおい、そんなこと言ってお前らもさっきまでやってたじゃねぇか」

オッレルス「知らないな」フン

浜面「俺はこの辺のルールをわきまえてるからいいんだよ」

浜面「ルールを知らない奴がうろつくだけで危ない所なんだからな?」

浜面「ようじなんて口突っ込んでたら襲われたーとかありがちだからね?」

浜面「まあ、今のは少し大げさだったけど」

オッレルス「まあ浜面の言うことも一理あると思うが」

オッレルス「それは私たちに言うべき言葉じゃないかな」チラ

ヒトノヤマ

トール「だな」

トール「リア充学生だと思って近づいてくるのも分かるけど、俺は男なんだぜー?」

浜面(初見で見抜くのは無理だよなー)

トール「ま、そういう豆知識はか弱い女にでも語り聞かせてやんな」

浜面「確かにセオリーとかあんたらに言っても無駄だったか」ハァ



オッレルス「さてと、軽く腹ごしらえはしたが、やっぱり成長期の男子はこの程度じゃ足りないよな?」ウ-ン

トール「どこの口が成長期とか言いやがるんだよ」

浜面「百歩譲ってトールは成長期かもしれないが、オッレルスは絶対成長期終わってるだろ、これは懸けてもいい」

オッレルス「私達の見た目には大した意味はないんだけど……外見で年齢を判断するのはいかがなものかと思うよ?」

トール「ま、それはそうだけど、科学サイドにそのへんを理解しろってのも酷な話だ」

オッレルス「……そうか。なら言葉を変えよう」

オッレルス「そこそこの量ある昼ごはんが食べたい」

トール「値段は問わないからってよ」

浜面「そんな台詞死ぬまでに一回くらい言ってみたいもんだ」

オッレルス「な、なんで私が払うみたいな流れになってるんだ?」

浜面「え? 逆に聞くけど払ってくれねぇのか?」

トール「こいつ、ヒモ男になる未来しか見えねぇな」ハァ

オッレルス「してることは二人とも同じだからな!?」


トール「……と言いつつも出してくれるオッレルスであった」

浜面「ホント、ヒモになりたいわ」



…………………………
……………


トール「うっぷ、浜ちゃん? あれはひどいだろ……」

浜面「たくさん食べたいならやっぱり一時間チャレンジだよな?」グッ

オッレルス「そうだな。少し多めだったがいい感じだろう」ケロリ

トール「……五人前のラーメン平らげるとか人間じゃねぇだろ…………」

オッレルス「まあまあ、そう文句言うな。料金は私が払ってあげたんだから」

トール「金一封貰ってたもんな。金にこだわりはないけどなんだか悔しい」

オッレルス「経験値、経験値うるさいからね。一回別の戦闘も経験してみるといいだろ?」

浜面「まあまあ、そこまでにしておけよ」

トール「浜ちゃんは一人前しか食ってねぇだろ!!!」

浜面「まあね? 別に無理して大量に食べる必要もないから。食べきれないと金かかるし」

トール「クソっ、これで仕事に支障でもきたしたらどうするんだよ」ウプ

オッレルス「自己責任」

オッレルス「大丈夫さ。私がその仕事はしっかり済ませるつもりだからな」ニヒ

浜面「随分ゲスい笑みだな」

オッレルス「失礼な」



トール「……やっぱり聞いてたか」

オッレルス「だって傍聴対策してなかったからな。聞いてくれと言っているのかと」

トール「まあいいか」

浜面「?? なんの話だ?」

オッレルス「いやいや、こっちの話だ。今は観光してるだけだから気にしなくていい」

浜面「そうか? ならいいけど」


トール「じゃあ病院行くか」

オッレルス「何言ってるんだ? まだ昼飯しか食べてないんだぞ?」

トール「もう良くないか?」

オッレルス「それはおかしいだろ。浜面だって私たちのためにプランを練ってくれているはずなんだから」

オッレルス「な?」

浜面「……あ、ああ。もちろん、な?」

トール「絶対考えてないな。反応でわかるぜ?」



オッレルス「そうやって疑ってかかるのは良くないと思いまーす」

トール「お前には言われたくないんだけど」

オッレルス「私が疑ってかかったことなどないだろう?」

浜面「ま、まあまあ、落ち着いてくれよ」

トール「無理」

浜面「即答かよ」

トール「そろそろ上条ちゃんに会わねぇと」

オッレルス「そんな急ぐこと無いだろ」

浜面「俺も事情は知らねぇけどオッレルスに賛成だ」

オッレルス「ということで二対一、続行決定だ」ニヤ

トール「えー」

浜面「多数決は絶対だからな」



トール「ま、俺もそんなに急ぐ必要もないわけだけど」ボケー

トール「それで? どこ行くんだ」

オッレルス「出来れば学園都市ならではと言えるところがいいな」

浜面「うーん、と言われてもなぁ」

浜面(フレメアと行くような場所しか思いつかない……)

浜面「なあ」

トール「お、何か思いついたみたいだな」

オッレルス「おお、なになに?」

浜面「学園都市の暗部めぐり、ってのはどうだ?」

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!!

この三人のパートも好きだ、なんか和む

初春と垣根は犬猿の仲じゃないのか



オッレルス「……」チラ

トール「おおっ!」キラキラ

トール「そんなこと出来るのか!!」

浜面「まあそうは言っても俺が知っている範囲のみだけどな」

オッレルス「興味深いな……」

浜面「例としては一方通行の実験場所やら特力研の跡地やらスキルアウトの元本拠地、死体処理場などなどか」

トール「今のはないのか?」

浜面「今のは流石に教えたら俺の命がね」

トール「なあ、俺は悪意なんてないからさ、最近のスポットはないのか?」

オッレルス「邪悪そのものだと思うけどな」

トール「何言ってるんだ、浜ちゃんなら分かるだろ?」

トール「俺は信用に値すると!!」



浜面「……ごめん、今日初めて会ったからまだ判断出来ないわ」

トール「ま、そうだよな」ウンウン

トール「危ない上司を持った下っ端は大変だ」チラッチラッ

オッレルス「確かに部下のことを考えることもできないやつなんて上司とは呼べないだろう」

オッレルス「だが上司が尻に敷かれるのもどうかと思うね」ウ-ン

浜面「俺は危ない上司がいる上に尻に敷かれるっていう」

浜面「それが平穏のためのベストだっていうならそのことを否定はできないけど、なかなかキツイもんだ」

オッレルス「……お疲れ様」

トール「浜ちゃんが思うままに観光しようか」

トール「たまには休息も重要だ」

浜面「分かってくれるんだな……」

浜面「じゃあまずは暗部抗争の跡行ってみるか」

トール「はじめから盛り上がるな!」



………素粒子工学研究所跡地………


浜面「ここだな」ザク

オッレルス「……」ザクザク

浜面「き、気をつけろよ? 何があるかわからねぇから」

トール「何があるかわからない場所に連れてくるなよー」ザクザクザクザクザクザク

浜面「おい!! 本当はとっても嬉しいんだな!!」

浜面「そんなはしゃいでいるトールに一応言っとくが俺は責任取らないからな!」

トール「へーきへーき。オッレルスも多分大丈夫だろうよ」

トール「まあ、この学区ごと爆発とかしたら平気ではいられないだろうけどさ」

浜面「学区ごと爆発とかスケールが違うんだけど」

トール「そんなもんかね?」

オッレルス「行かないのかー?」

浜面「ちょっと待てー!!」ザクザクザクザク



オッレルス「ここが学園都市の研究施設か……」ポチポチ

トール「うわー、SFの世界に入っちまったみたいだな」

浜面「見た目廃墟だけどな」

トール「それがまた危ない感じを醸し出していて良くないか?」

トール「ゾンビとかg」

オッレルス「うおっ!!」

トール「なっ、なんだよ!!!」ビクッ

ピカッ!!


浜面「……なんだ」

浜面「まだ電気が通ってたのか」

オッレルス「なんだ……壊したかと思った」

トール「お前変なところで律儀だな」

オッレルス「良く言われる」

ここまでです。
いつも乙コメありがとうございます。

>>62
それは後ほど語られるので大丈夫です。
上手くまとめられるかは分かりませんが……



浜面「凄いな……」カタカタ

トール「ほー、浜ちゃんってコンピューターできたんだな」

浜面「いや、人並みにって程度だ」カタカタ

浜面「そうなんだけど……」カタカタ

オッレルス「だが、人並み程度のスキルで研究施設のセキュリティを突破することなど……」

浜面「しかもデータが残ってる……」

トール「……学園都市にしてはずさんな管理だな」

浜面「ロックとかが全部取れてるみたいだな」

オッレルス「これは……動画?」

浜面「監視カメラの映像だな」カチ

トール「なに? 流すの?」

浜面「いや少し……気になっただけだ」カチ

トール「流すんかい!!」



…………………………


垣根「おっと、遂にアイテムのお出ましか」

麦野「こんにちはー、なんて挨拶もうちらには合わないだろうし」

麦野「早速ドンパチ行こうかぁ?」ジュン

垣根「はっ、気が済むまで付き合ってやるよ」

垣根「所詮俺は足止めだしな」

麦野「なるほどー。先にピンセットだけ行かせたのか」

麦野「絹旗、滝壺、ピンセットを追ってちょうだい」

滝壺「残らなくても大丈夫?」

麦野「ああ、たまには全力出してぇからなぁ!」

絹旗「行きましょう、さっさとしないと攻撃くらいますから」タッ

滝壺「うん」タッ



麦野「あれ、逃がしちゃうんだ」

垣根「対策はしてる」

垣根「特に…………」

垣根「あの滝壺とかいう女は厄介らしいからな」ニッ

麦野「まさか、滝壺っ!!」タッ



垣根「……さてと」ピッ

垣根「ゴーグルー、そっち向かったであろうジャージの女は捕まったか?」

ゴーグルの少年『え? ジャージっスか?』

ゴーグルの少年『ベレー帽の女なら気絶させたっスけど……』

垣根「ということは正面玄関から逃げたってことか……?」

垣根「まあいいや」

垣根「とりあえずそのベレー帽の女とかいう奴はしっかり拘束しとけ」

垣根「後で心理定規でも使って色々吐かせるからな」

ゴーグルの少年『了解っス』



垣根「正面から逃げたらしい。準備はできてるか?」ピッ

心理定規『ええ。それらしい車は絞れてるわ』

心理定規『あとは標的が出てくるのを待つだけね』

垣根「よし」

垣根「多分二人組が出てくるはずだから何がなんでもジャージの方だけは殺れ」

垣根「もう片方は殺れたらでいいが、お前の持ってる手段じゃ無理だろうからジャージを殺ったら離脱だ」

垣根「俺はピンセット輸送班と合流するから適当に逃げ回ってからアジトに集合」

垣根「分かったな?」

心理定規『分かったわ。ジャージね』

垣根「頼むぞ」ピッ





垣根「原子崩しがあの二人に追いつかねぇといいんだが……」

垣根「とりあえず俺もとっとと行くか」





ゴーグルの少年「しょっと、僕もさっさと出ないとマズイっスね」スック

ジュン

ドドオォォオン!!

ゴーグルの少年「うわっ!」ドテッ

麦野「よう。ウチのフレンダがお世話になったみてぇだなぁ?」

麦野「ったく、この面倒な時にフレンダまでこんなことになってるとは」

ゴーグルの少年「じ、ジャージの女の援護に向かった方がいいっスよ?」

麦野「あっちには絹旗もいるし大丈夫っしょ」

麦野「それよりフレンダに情報吐かれたりしたほうが困るし」は

麦野「ってことで、うちらの構成員返せよな」ジジジュン

ドドン

ドォォォォオオン



麦野「あっちゃー、やり過ぎたかな?」

麦野「まあ、フレンダに当てなかっただけ上出来かな」パンパン

麦野「……ヘッドギアか。これでいいや。データとか入ってそうだし」ギリギリッ メキョッ

麦野「血まみれ、きたねぇな」


カツカツ


麦野「あん?」クル


垣根「おうおう、かなり豪快にやってくれたな」

麦野「またお前か……」

垣根「てめぇのせいで予定大幅変更じゃねぇかよ」

麦野「ふふ、もしかしてコイツ殺られて怒ってるのかにゃーん」ドゴッ

垣根「ちげぇよ」コキコキ

垣根「面倒ごと増やされてイライラしてんだよ」

垣根「死んでも悪く思うなよ……」バサッ


ギュルルルル  ブツッ

今日はここまでです。
15巻を読み直して書きましたがあってるかは分かりません。

乙でごんす。



浜面「……好奇心で見るべきじゃなかった」

トール「うお、この姉ちゃんだいぶ荒ぶってるな」

トール「経験値としてはイマイチだろうけど」

オッレルス「これが暗部ってやつか」フム

浜面「はあ、見せて悪かったな」

トール「別にいいって」

トール「俺もこういうのは嫌いじゃないし」ニシシ

オッレルス「でもホラー映画は?」

トール「普通に怖い」ドヤ

浜面「そこはドヤるとこじゃないよね」



トール「ギャップ萌えってヤツだけど……知らなかったか?」

トール「普段はばったんばったん敵をなぎ倒すけどホラー映画を怖がる可愛さもあるっていうね」

オッレルス「計算されたギャップなど萌えには値しない!!」

浜面「ってか、自分でギャップ萌えって言っちゃう時点でアウトだな」

トール「計算されてない、天然ものなんだけどなぁ」

浜面「天然ものって人間に使う言葉なのか……?」

トール「……ま、こんなとこか」

浜面「え?」

オッレルス「ふっ、それでは次のところへ行こうか」

オッレルス「今のは忘れてもいいだろうよ」

浜面「え、気を使ってたとか?」

トール「そんな面倒事トールさんが請け負うわけ無いだろ」

トール「ま、同じヤバイ上司を持った同士通じ合うものでもあったのかもな」

オッレルス「私も同じ尻に敷かれる者同士だからか何を感じているか想像できるのさ」

浜面「それはどっちも関係ないよな……」



トール「それで? 次はどこへ行くつもり?」

浜面「……そうだな。じゃあ学園都市第一位の一方通行が初めて負けた地にでも行くか」

浜面「あそこはこっちと違って特に残骸とかはないと思うから」

浜面「驚きとかはないと思うけど」

オッレルス「へぇ、第一位が負けた地か」

トール「まあ、第一位って言われてもよく分からねぇけど第三位よりは強いんだな?」

浜面「噂で聞く超電磁砲の攻撃じゃ全く効果がないだろうな」

浜面「さっきの映像に出てた奴らも一方通行には敵わないな」

トール「へぇ、なんだか面白そうじゃねぇか」

オッレルス「でも今は何もないんだろう?」

浜面「うーん、そこはまあ、想像で?」

トール「いいじゃねぇか、甲子園の砂みたいな感じで一方通行敗北の地の砂持ち帰ってくれば」

オッレルス「それとこれとは違う気もするんだよな……」ウ-ン



………………………


フィアンマ「ふんふーん」

フィアンマ(アイツのことだろうしあのお菓子は全てなくなっているのだろうな)

フィアンマ(禁書目録辺りが食べ尽くしてしまうだろう)

フィアンマ(……今日は新刊発売日だし売店で買ってから行くか)


フィアンマ(とりあえずじゃがりー、堅焼きポテト、その他もろもろのスナック菓子)

フィアンマ(それと最新刊も買った)

フィアンマ(準備は万全だ)

フィアンマ(いざゆかん!!)

コンコン

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!



………上条の病室………


フィアンマ「俺様が来たぞー」ガラガラ


上条「よ、ようこそ、フィアンマ」アセアセ

番外個体「ぎゃはははっ!」パラパラ

心理定規「ふふっ、これはいいわね」フムフム

フィアンマ「……こ、これはどういうことだ?」

上条「知らない、知らないから!」

フィアンマ「えっと……」チラ

フィアンマ「なんでお前らがここにいる?」

心理定規「あら、フィアンマくんも来たの?」

フィアンマ「いや、それはこっちのセリフだ」



上条「そもそも二人は知り合いだったのか?」

番外個体「まあそんなトコかな」

心理定規「フィアンマくんたちの病室でメアド交換してたじゃない」

フィアンマ「そこまで見てるわけないだろう……」

番外個体「ま、ふつーの友達同士だと思ってくれていいよ」

フィアンマ「ああ。俺様もお前らの馴れ初めとか割とどうでも良かったからな」

番外個体「なら聞くなって感じなんだけど」

心理定規「聞いたのは彼よ」チラ

上条「は、はは」

番外個体「うおう、ミスった」



フィアンマ「それはともかくなぜここにいるんだ?」

心理定規「あら、いちゃまずかったかしら?」

番外個体「アレだよ。男同士のね」ククッ

心理定規「そ、それは確かに邪魔だと思われても当然ね」

上条「絶対変な誤解してるぞ」

フィアンマ「分かってるが口を挟むのすら面倒だ」

フィアンマ「それに垣根も一方通行も、こいつらのそういう言動はだいたい意図的なものだと言っていたし気にすることはないだろう」

上条「うーん……」

フィアンマ「構うな。こういうタイプはスルーが一番キツイと垣根が涙目でぼやいていた」

上条「垣根もそういうタイプか」

フィアンマ「ああ。おかげでスルースキルが身についた」

上条「いらない成長に一役買ったわけだな」



心理定規「完全に無視されてるじゃない」

番外個体「ちっ、つまらないなぁ」

番外個体「スルースキルとか持ってても得なんてないと思うけどなー」

心理定規「そうかしら。でも無視されるのは気に食わないわね」

番外個体「なになに? なにか秘策でも?」

心理定規「こっちも無視してやる!」

番外個体「まさか……」

心理定規「やられたらやり返す」

心理定規「倍返しよ!」



フィアンマ「そうそう、菓子追加で買ってきたんだが、まだ昨日のは余ってるか?」

上条「ああ、気遣いありがとうな。お前の予想通り昨日のは空っぽさ」

フィアンマ「……やはり持ち帰るべきだったか」

上条「済まない。ちゃんとその辺を管理できるようにしないと」

フィアンマ「そうだな」

フィアンマ「で、二人はなぜここへきたんだ?」

フィアンマ「いや、どこでその情報を得た?」

番外個体「……」パラパラ

心理定規「……」パラパラ

フィアンマ「…………」

心理定規「……」パラパラ

心理定規(何か違うわね。無反応同士は流石につまらないかしら)



フィアンマ「……あれ」

上条「ふふふ、お菓子いるか?」サッ

上条(インデックス専用の釣りだー!!)

心理定規「ありがとう」スッ

番外個体「あれ!? もしかしてお菓子に釣られた?」

心理定規「飽きただけよ」

番外個体「早っ! ってなんでミサカが振り回される側になってんのさ」

心理定規「さぁ?」

番外個体「な、この女はミサカの立場まで奪うのか……」ギリギリ

フィアンマ「お取り込み中のところ悪いがそろそろ答えられそうか?」

心理定規「ええ」

心理定規「私は彼のSNSを見ただけよ」

上条「彼って垣根か」



番外個体「そんで、ミサカに押しかけないかって連絡をくれたからミサカはそれに賛同しただけ」

番外個体「っていうか、男二人でコソコソやらないで誘ってくれても良かったんだぜー?」

フィアンマ「静かに読みたいからな」

フィアンマ「俺様はうるさいのがあまり好きじゃないんだ」

心理定規「アニメは好きなのに?」

フィアンマ「それは関係ないだろ」

フィアンマ「いや、待てよ? なぜそれを知ってる?」

上条「垣根情報だろ」

番外個体「ミサカは第一位から聞いたけどね」ニヤニヤ

フィアンマ「クソっ! 俺様の静かな楽しみがぁ!!!」ゴンッ

今日はここまでです。
明日から試験なので投下できないかもしれません……
すみません。



上条「まあまあ、来ちゃったものはしょうがないし」チラ

上条「マンガも持ってきてくれたみたいだしいいんじゃない?」ジャン

フィアンマ「嫌がらせか?」

フィアンマ「……そうか。まだ右腕のこと根に持ってるのか」

上条「まあ、それもあるかな」ゲスガオ

番外個体「これが噂のゲス条!?」

心理定規「誰だって黒い一面くらい持ってるでしょう」

フィアンマ「黒い面だらけの奴らが何を……」

心理定規「人の事言えないでしょう」

フィアンマ「まあ…………そうだな」



フィアンマ「それで、何持ってきたんだ?」

番外個体「妖怪ウォッチ」

上条「は?」

番外個体「あ、伏字のほうがよかった?」

番外個体「○○○○○○」

フィアンマ「……他には?」

番外個体「ツッコミ無しとはまた……おチビの部屋から盗ってきただけだからねぇ。ほかは見当たらなかったよ」

上条「漢字が……」

フィアンマ「自分のはないのか?」

番外個体「流石に小説持ってくるのはKYだと思ったからね。やめといた」

心理定規(KYとかもう死語じゃないかしら)



上条「え?」

フィアンマ「……マンガはないのか?」

番外個体「妖怪ウォッ○あるじゃん」

フィアンマ「……」

フィアンマ(え、小説読むタイプだったの?)

上条(一方通行に確認とってみよーっと)ポチポチ

心理定規「いいじゃない。小説とかもシェアしてみたいもの」

番外個体「お? 小説読むんだねぇ」

心理定規「淑女のたしなみよ」

上条「ギャップって感じだなぁ」ピロリン

上条(当たりめェだろ、か)

上条(いや、俺はお前の当たり前など知らないからな)



フィアンマ「それでお前は……?」

心理定規「そんなに震え声で聞かないでよ。私のは至って普通よ」ニコ

番外個体「笑顔が人間にこんなに恐怖を与えるなんて知らなかったんだけど」

上条「断言しよう。悪いことが起こる」

フィアンマ「前兆の予知か?」

心理定規「ひどい反応ね。まあいいけど」



心理定規「私のは……ホラー漫画よ!!」ドン



フィアンマ「……上条。外したな」

フィアンマ(恋愛ものかと読んでいたんだがな……)

番外個体「みたいだね」パラパラ……

上条「あれ、おかしいな。エロ本とかかと思った」

心理定規「そんなの持ってるわけ無いでしょう?」

心理定規「ねぇ?」 


番外個体「…………」ガクガク

番外個体「な、舐めてた」ガクガク

フィアンマ「うん? どうしたんだ?」

番外個体「……これは読まない方がいいと思う」



フィアンマ「まるでくねくねみたいだな」

心理定規「失礼ね。これとか一番好きな話なのに」

心理定規「ほら」ズイ

フィアンマ「お、俺様は遠慮しておこう」

上条「お、俺もやめておく」

心理定規「そう?」

番外個体「……他は何か持ってきてんの?」カタカタ

フィアンマ(何聞いているんだ!!)

番外個体(地雷は先に処分に決まってんじゃん)

番外個体(あとだしはキツいしさ)

上条(賛成)

今日はここまでです。



心理定規「そうね……おまけ的なものだけど」ゴソゴソ

心理定規「バトル物もあるわ。正義が勝つ、みたいな王道ね」サッ

フィアンマ「だいぶイメージと違うな」

心理定規「良く言われるわ」

心理定規「恋愛ものじゃないのか、ってね」

上条「王道な少年漫画はよく読むなぁ」

フィアンマ「お前自身が王道な少年漫画主人公だろう……」

番外個体「だねぇ。ネットワークでも意見が合致してるよ」

心理定規「例えば何読んでるの?」

上条「うーん、海賊王目指す話とかタコの暗殺の話とか……まあ有名どころだな」



フィアンマ「ということはお前のマンガは?」

上条「恋愛系」

番外個体「え!?」

心理定規「そういうノリだった?」

上条「どうせフィアンマが少年漫画持ってくると思ったからな」

上条「同じじゃ流石につまらないだろうし」

上条「もしかして違った?」

フィアンマ「俺様は……ギャグマンガだな」

フィアンマ「ワンパンで倒したり、シャケが降ってきたり、甘党の侍がカッコよかったりな」



心理定規「……あなたもかなり意外よ」

フィアンマ「そうか? 日頃のストレスは笑って吹き飛ばしたいと思うんだが」

上条「まあ、分からないでもないけど」

番外個体「シリアスな、ダークな感じのを読んでるかと思ってたんだけどなぁ」

フィアンマ「そんなのじゃストレス解消にならないだろう」

心理定規「それはそうだけど……」

フィアンマ「ジャンルも色々あることだし」

フィアンマ「マンガパーティーといこうじゃないか!」

上条「おう」

番外個体「話そらされたような気がするけどまあいっか」

短くてすみません。
今日はここまでです。

おつ

良いぞ



………とある病室………


垣根「俺もマンガパーティー行きてぇな」

垣根「痛っ、中が痛ぇ」ググッ

一方通行「それじゃあ無理だろォな」

一方通行「まだリハビリもできねェくらいなンだからチョロチョロ外出歩けねェことくらい分かンだろ」

垣根「それでも強制的に外出させたのは誰だよ、ホントに困るわ」ウウ

一方通行「正直に言っていいか?」

一方通行「野郎のうめき声とか誰得だァ?」

垣根「おいおい、原因の一人がそんなこと言うなよ」

垣根「俺だって行きたくて行ったわけじゃねぇから」

一方通行「ならさっさと帰ってくれば良かっただろォ」

一方通行「肉まン食ってねェでな」

垣根「そこは返す言葉もねぇな」ムゥ




垣根「にしてもいい加減体良くなってくれねぇかな」イテテ

一方通行「なら安静にしてるべきだろォが」

垣根「それをお前が言う資格はねぇよ」

一方通行「いいだろ。帰ってきた時お前楽しそうだったしな」

垣根「おい、いい話みたいにして誤魔化すつもりだな?」

一方通行「ああ。話に付き合うのも面倒だし」

垣根「そこは嘘でもそんなことないって言えよ」

垣根「だから空気読めねぇもやしとか言われんだぞ」

一方通行「誰がもやしだァ?」

垣根「お前に決まってんだろ」




一方通行「なァ、言っていいことと悪いことがあるってのは分かるかァ?」

一方通行「ブス、デブ、ハゲとかは言っちゃいけねェ」

一方通行「もちろんもやしもなァ!!」

垣根「そういや野菜炒めにもやし入れるの忘れてたな……」ボケー

一方通行「スルーすンじゃねェよ」

垣根「だってうるせぇし」

一方通行「いや、まァそォだけど……」

一方通行「でもオマエもそォだよな?」

垣根「まぁ、そうかもしれないな」



垣根「そうだ! 俺たちもマンガパーティーすればいいんじゃねぇか?」

一方通行「あァ? 何言ってンだァ?」

垣根「いや、あの二人をこっちに呼び出してやるのもいいかも」

一方通行「……それは無理だなァ」

垣根「は? なんで? 上条が動けませんとかは言い訳にもならねぇぞ」

一方通行「ちげェ。そんな理由じゃねェよ」

垣根「ならなんだよ。はっきり言わねぇと分からねぇよ?」

一方通行「オマエがうるせェからに決まってンだろ」

垣根「え、それはないだろ」

一方通行「あるな」

垣根「……ならやっぱり俺らだけで、か」



一方通行「無理」

一方通行「俺がそンなことする必要性がねェ」

垣根「いいじゃねぇか、たまには」

一方通行「第一マンガなンて持ってねェよ」

垣根「そんなわけ無いだろー」

垣根「流石に暗部にどっぷり浸った俺でもマンガっていう楽しみくれぇは持ってるぞ」

一方通行「俺には関係ねェだろ」

垣根「いやいや、楽しみの一つもなしにあんなクソったれな仕事なんざできねぇだろ」

垣根「それともなんだ、人殺しが趣味だったりするのか?」

一方通行「なワケねェだろ。そこまで白狂してねェよ」

垣根(その表現気に入ってたんだ……)

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!!

>>103
そう言ってもらえると嬉しいです!!!



垣根「……なら持ってるだろ」

一方通行「人の楽しみがマンガだけと縛っちまうなンて悲しいコトだなァ」

垣根「いや、他にもあるけど……それじゃあお前の楽しみはなんなんだよ」

一方通行「そりゃ、もちろん」

一方通行「コーヒー飲み比べだ」

垣根「はいはーい、解散解散」

一方通行「え、聞いといてその反応はねェだろ!」

垣根「つまんねぇ冗談聞いてる暇はねぇからな」

一方通行「暇だらけだろ?」



垣根「う、地味に傷つくぞ」

一方通行「知るか」

一方通行「そォだ、いい考えが浮かんだ」

垣根「はいはい、未元シャットアウトー」

一方通行「反射反射ー」カチッ

垣根「ちっ、なんだよ……嫌な予感しかしねぇ」

一方通行「コーヒー飲み比べしたらマンガパーティーしてやる」

垣根「あー、ゴメンなー」

垣根「俺苦いの無理だわ」



一方通行「酒の飲み比べはできるのにかァ?」

垣根「それは別だろ。酒とコーヒーは根本からしてちげぇよ」

一方通行「未成年の言葉じゃねェな……」

垣根「んなことお前みてぇなお子様には関係ねぇよ」ケラケラ

一方通行「ちっ、ウゼェな……」

一方通行「規則を破ることがカッコイイとか思っちゃってるお子様にはコーヒーは早ェよな」ケラケラ

垣根「それはウザイからやめといた方がいいと思うぜ」グッ

垣根「今回は俺をガキ扱いしたことにも目をつむってやる……」ギリギリ

一方通行「そンなに無理されても困るンだけどなァ」

一方通行「ともかくマンガパーティーなンて俺はやらねェからな」



垣根「ちっ、流石孤高(笑)の第一位なだけあるな。人の意見には耳も貸さねぇ」

垣根「こっちが下に出たら調子乗りやがって」

一方通行(やっぱり白の野郎も垣根そのものだなァ)

垣根「……もういいや、上条のとこ押しかけてやろーっと」

一方通行「迷惑な野郎だな」

垣根「あ? 黙ってろよ」

一方通行「…………」

コンコン

垣根「フィアンマか……」

垣根「いちいちノックしやがって、自慢か?」

一方通行「いや、アイツはノックしねェだろ」



佐天「こんにちはー」ガラガラ

垣根「ああ、あの時の……佐天涙子とか言ったか」

一方通行「長h」ガシッ

佐天「……」ニコニコ

垣根「長髪女っていうのはやめておけ」ボソ

一方通行「はァ? 長髪女は長髪女だろォが」ボソ

垣根「この笑顔分からねぇのか? 目が笑ってねぇ」ボソ

一方通行「ン、まァそォだが…………」チラ

佐天「どうしたんです?」ニコニコ

一方通行「今回は従っておく」ボソ

垣根「それがいい」



垣根「それで、何のようだ? もしやお見舞いとか?」

一方通行「どォせリハビリ関連のことだろォ?」

佐天「いえいえ、今日は遊びに来ただけですよ」

垣根「遊びにって何? 何?」

一方通行「何を期待してンだ? 気持ち悪ィな」

垣根「やだー、そういう想像しちゃうんだー。気持ち悪いわぁ」

佐天「……」

垣根「ほら、無言の圧力かけてきてるよ?」

一方通行「知るか」フイッ

今日はここまでです。
佐天さんは何をしに来たのでしょう……?



佐天「垣根さんTwitterで暇だって言ってたじゃないですか、だから遊びに来たというわけです」

一方通行「おー、オマエ愛されキャラじゃねェのにな」

垣根「まあ飯を共にしたからなー。友達みてぇなもんだ、と勝手に思ってる」

垣根「だからそういう意味で遊びに来たなんて思ってねぇよ」

一方通行「何だァ? オマエに友達みてェなものでさえいた事に驚きだ」

佐天「そ、そうなんですか? 普通に友達いそうですけど(ガラの悪い)」

一方通行「いねェに決まってンだろ。コイツはただのクソ野郎だからなァ」

垣根「何言ってんだよ。ネガキャンやめてくんない?」

垣根「ってかさりげなくガラの悪いとかカッコでつけないで」

一方通行「ネガキャンも何も事実じゃねェか」




垣根「あー、めんどくせぇ。いいよ、認めてやるよ」

垣根「俺はクソ野郎だ。これでいいんだろ?」

一方通行「ああ、友達もいません、も追加だな」

垣根「いるからな?」

佐天「ははっ、面白いですね」

佐天「二人とも仲がいいみたいで」

一方通行「はァ? どこ見て言ってンだ」ケッ

垣根「ただの罵りあいじゃねぇか?」

佐天「違うんですか?」

佐天「確かに罵りあいみたいですけど、フィアンマさんと一方通行さんも雑な感じでも話してて楽しそうじゃないですか」

一方通行「……そォか?」

垣根「客観的に見てってことだろ」

一方通行「こンな野郎と仲がいいと思われるなんて心外だなァ……」ムムム




佐天「と言いつつ嫌な顔はしないのがその証拠ですよ」ゴソゴソ

垣根「う……な、何を探してるんだ?」

佐天「女のバックの中身を尋ねるのはまなーいはんです」ゴソゴソ

一方通行「はっ、言ってやれ」

佐天「まあ、話を逸らしたい気持ちはわかりますけどね」

垣根・一方通行「うっ……」

佐天「あ、あった」ジャン

一方通行「……それは」

垣根「トランプ、UNO、花札、ワンナイト人狼のカードまであるな」

佐天「学園都市でもたまにはこういうのもいいと思うんですよ」

佐天「カードゲーム」ザーッ




一方通行「まァ、確かに電子機器ばっかりでそういうゲームはやったコト無かったなァ」

垣根「目も少しドライアイ気味だし良いだろう」コキコキ

垣根「その挑戦、受けてやる!!」バンッ!!

垣根「っ~~」ピクピク

一方通行「で、トランプっつっても色々あるが……どォするんだ?」

垣根「スルーのプロだな……いてて」ボーゼン

佐天「大丈夫ですか?」アセアセ

垣根「あ、ああ。説明してくれ」イテテ

佐天「大丈夫って言うなら大丈夫なんでしょう!」ウンウン

垣根「あんたもそこそこひでぇな……」

佐天「そういうもんですよ。人間関係なんて」

垣根「嫌なこと言うな……」

佐天「あ、そうそう、ゲームを決めないと説明は出来ませんよ」




一方通行「……神経衰弱はどうだ?」

垣根「とてつもないハンデがいるだろう」

佐天「そんなのいりませんよ!!」ムカ

垣根「なら大富豪とかはどうだ?」

佐天「もう少し人数欲しいですね」

一方通行「本物の大富豪じゃねェか」

佐天「スピードとか?」

一方通行「俺にピッタリだな」

垣根「人数が中途半端じゃねぇか」

一方通行「ポーカー」

垣根「七並べ」

一方通行「ブラックジャック」

佐天「やっぱりババ抜きが無難ですかね」

一方通行「だなァ。基本運みてェだし」

垣根「いいじゃねぇか」

垣根「やろうぜ、ババ抜き」シュシュシュッ


今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!


~~~~~~


垣根「お嬢さん、運も持ち合わせているのが強者なのだと覚えておくといい」ササッ

佐天「……受けて立ちましょう」ゴクリ

垣根「来いよ」

佐天「……」スッ サッ

佐天(表情が微動だにしない……)

佐天(もう、運にかける!!)シュバッ

垣根「くそおおおおぉぉぉ!!」ダンダン

佐天「上がりー」ポイ

一方通行「くくっ、なにが運も持ち合わせているのが強者だ?」

一方通行「最下位さンよォ」

垣根「んなこと言ったってお前も第二位さんだろうが」



垣根「くそ、そもそもこの幸運お化けに運ゲー挑んだのが間違いだった」

佐天「幸運お化けだなんてそんな」

垣根「褒めてないよ?」

一方通行「負け惜しみじゃねェか」

垣根「ならお前は思ってないんだな?」

垣根「俺なんて今まで鍛えてきた表情を操る術を全てここに集結させたポーカーフェイスをしていたというのに!」

垣根「最後は勘で当てられるなんてありえねぇよ!!」

一方通行「確かにそれは感じたが、言ったら負け惜しみになンだろ」

佐天「ふふふ、いつでも勝負は受けてやろう」

佐天「精進するといい!」




佐天「ということでそろそろ初春の風紀委員業務が終わるんで帰りますね」

垣根(初春……あの女の知り合いなのか)

一方通行「おォ。コイツをコテンパンにしてもらって助かった」グッ

佐天「へへへっ、別にそんなつもりはなかったんですけどね」

垣根「今度来たときは俺がコテンパンにしてやるから待ってろ」

佐天「し、視線が怖いですよ……」

垣根「まあ、今回は一方通行の敗北する姿も見れたしいいか」

一方通行「へっ、言ってろ」

佐天「それじゃあさよなら! 修行頑張ってくださいねー」ガラガラ



一方通行「だとよ」

垣根「まあ、具体的に何すれば幸運になれるのやら」

垣根「闇で人を屠りまくってた俺に幸運なんて降りてくるって考える方がおかしいかもな」

一方通行「……だろォな」

垣根「ということで次は神経衰弱でフルボッコだ」

垣根「さすがに俺の記憶力には幸運も勝てねぇよ」

一方通行「腐ってンな」

垣根「もともとだ」

一方通行「違いねェ」



垣根「っ、そろそろガチめに疲れてきたから寝るわ」

一方通行「まだ夕方だが」

垣根「いいだろ、眠いんだから」

垣根「……うるさくすんなよ」 

一方通行「しねェよ。オマエじゃあるまいし」

垣根「さり気なく俺をディスるな」

一方通行「知らねェよ」

垣根「はぁ……」ボス

一方通行「……」

今日はここまでです。



……………………


垣根「ってことがあってな」

心理定規(……来て正解だったわね。いいことを聞いた)

垣根「その後ガチで寝ようとしたらなんて言ったと思う?」

心理定規「そうね……体調悪ィオマエなンて需要ねェがな、とか?」

垣根「違うな」

垣根「あのモヤシ野郎、疲れてお昼寝ですかァとかぬかしやがった……」

心理定規「予想の範囲内ね……」

垣根「まあ、割とガチで体調悪めだったけど対抗心が燃えたみてぇでな」

垣根「寝るに寝れねぇ状況になったわけだ」

心理定規「妙なプライドのせいの寝不足がたたってさらに体調を悪くなったと」

垣根「そうだ」

心理定規(一方通行……ただのかまってちゃんじゃない。それに乗ってしまうあなたもあなただけど)



心理定規「……何も言えないわね」

心理定規「一言いうとすればお疲れ様、かしら」

垣根「はぁ? 割とガチできつかったって言ったろ」

心理定規「なら無視して寝ていれば良かったのに」

垣根「ありえねぇだろ。売られた喧嘩は全力で買うのが俺のポリシーだし」

心理定規「そのせいでさらに体調を悪くなったら何も言えないでしょう」

シャーー

フィアンマ「ああ。俺様も全くその通りだと思う」

心理定規「あれ、フィアンマくんじゃない」



フィアンマ「とりあえずマンガを返却しておこうと思ってな」スタスタ スッ

心理定規「ああ、階段の女ね」パシ

フィアンマ「もう二度と貸すなよ」

心理定規「あら、そう? これはとびきり面白いと思うんだけど……」

フィアンマ「いや、階段を歩けなくなりそうだ」ガクガク

心理定規「そんな大げさな……」

フィアンマ「ともかく、俺様は返したからな」

心理定規「分かってるわよ」

シャーー



垣根「なあ」

心理定規「何?」

垣根「……お前もしかしてマンガパーティー行ったのか?」チラ

心理定規「あ、はは」

垣根「俺も誘えよー!!!!」ガシッ グラグラ

心理定規(……あなたも知らない女の子と遊んでいたらしいじゃない……これはいじめるところね)

心理定規「あなたも三人で楽しんでたみたいだしいいじゃないの」グワングワン

垣根「確かに長は、じゃなくて、あいつらとトランプ決戦はやったけど……」

垣根「結局マンガ読めてn」

心理定規「そのうえ」チラリ

心理定規「Twitterで俺はマンガパーティーなんか興味無いけどな、とか言ってたじゃない」

垣根「あ、あんなの嘘に決まってんだろ!」

心理定規「まあ、知ってたけど」



垣根「知ってたんなら呼べって!」ダンダン!!

心理定規「だから私達もパーティーしない?」

垣根「何のパーティーだよ!!」ムカムカ

心理定規「あなたの」

垣根「は?」

心理定規「あなたの誕生日って夏よね」

垣根「ま、まあそうだが……」

垣根(言った記憶ないけど)

心理定規「つまり、あなたの誕生パーティーよ」

垣根「は?」

垣根「流石に俺たちが誕生パーティーとか柄じゃねぇと思うんだよな」

心理定規「ならマンガパーティーも柄じゃないでしょ」

垣根「いや、それは別じゃねぇか?」



心理定規「別にそんなことないわよ」

心理定規「それにこっちにおちてから誕生日祝われたことなんてないでしょう?」

垣根「む、否定したいができないのがムカつくな」

垣根「だが二人じゃパーティーとは言えねぇだろ」ウ-ン


シャーー

フィアンマ「俺様も参加しようか?」

垣根「……は?」ムッ

フィアンマ「嫌なんだろう? なら二人でいいじゃないか」

垣根「嫌ではねぇよ……」

垣根「そう! 人が多い方がプレゼントもたくさんもらえるだろうしな」

フィアンマ「……そうか? だが、たまには内輪でワイワイやるのもいいと思うぞ」

フィアンマ「それと」

フィアンマ「鈍感すぎるのは考えものだ」

ジャッ



垣根「鈍感ってなんだよ……って閉めやがって……」

心理定規「フィアンマくんも大差ないでしょうに」

垣根「あ? なんか言ったか?」

心理定規「なんでもないわ」

心理定規「それで、誰を誘うつもりよ」

垣根「うーん」

心理定規「私は別に二人でもいいけど」

垣根「俺も紳士だからな。そんなこと強制しねぇよ」ニヒヒ

垣根「さーて、どうしようかな」

心理定規「二人でいいけど?」ズイ

垣根「……いいのか?」

心理定規「ええ」



垣根「うーん、俺の誕生日を祝ってもらえるんだよな?」

心理定規「ええ。欲しいものがあったら言ってもいいわよ」

垣根「……だいたい欲しい物は手に入るんだよ」

垣根「だからそうだな……」

垣根「二人で出かけねぇか?」

心理定規「…………」

心理定規「体調悪いんじゃないの?」

垣根「そんなことねぇよ。ダメか?」

心理定規「……」

心理定規「分かったわ」

垣根「よし、じゃあ行くか!」ガバッ

心理定規「い、今から?」

垣根「当たり前だろ。早くしないとどこも混んじまう」ボチポチポチ

心理定規「……そうね、行きましょうか!」タッ



フィアンマ「お熱いねぇ」

フィアンマ「と思わないか?」

一方通行「なンで俺が隠れなきゃならねェンだよ」

フィアンマ「そりゃお前の前ではラブコメしてくれないからだろう?」

一方通行「ラブコメって何だよ、ラブコメって」

フィアンマ「俺様は見守る側だからあえて何も言わないでおこう」

一方通行「で、追跡すンのか?」ハァ

フィアンマ「俺様は見守る側だからな。そんな野暮なことはしない」

フィアンマ「別に追跡したければすればいい。俺様は関係ないがな」

一方通行「……やめておくか」

心理定規と帝督ン編(プロローグ的なもの)はここまでです。
今日続きを書くかもしれません。

乙コメありがとうございます。

乙乙



………第十五学区・ダイヤノイド………


垣根「到着」

心理定規「はぁ、あなたが自ら人を乗せて飛ぶなんて予想もしてなかったわ」

垣根「……なるべく急いで行きたかったからな」フフ

心理定規「そう? そんなに喜んでくれたなら幸いね」

垣根「結構サバサバしてんな」

心理定規「何言ってるのよ。なんだかエンジン並みにどくどくいってるわよ」

垣根「マンガパーティーかよ……でも俺はそのおかげでこの幸せを享受出来るわけだからなぁ」ニヤニヤ

心理定規「享受とか大げさね」

垣根「そうか?」

垣根(心理定規もドキドキしてるってことか? う、ドキドキって表現がらしくねぇや)



ウィーン

垣根「男女だらけだな」

心理定規「男女以外に何があるのよ」

垣根「そういう意味じゃねぇよ」

心理定規「まあそういう建物だしね」

垣根「……」

心理定規「なに? 今更緊張しちゃってるの?」

垣根「と、当然だろ」

心理定規「ふーん?」



垣根「で、どこ行く?」

心理定規「あら、エスコートしてくれるんじゃないの?」

垣根「俺の誕生日のために来たんだろ? 俺はお前が行きたいところで構わねぇ」

心理定規「ふふ、本当はわからないだけでしょう?」

垣根「ま、そうとも言う」

垣根「遊びならサラッとできるんだけどなー」フゥ

心理定規「やっぱり遊びの経験は豊富なのね」

垣根「そんなのお前もだろ」

心理定規「さぁ?」

垣根「はぐらかすなよ」


………ダイヤノイド・HUKU・shop………


垣根「ふく、しょっぷか」

心理定規「今安直だなって思ったでしょう?」

垣根「今心読んでるわよとか思ってるだろ?」

心理定規「……真似したつもりかしら?」

垣根「ああ」

心理定規「まあいいわ。素直なのは嫌いじゃない」

垣根「じゃあいいたかったこと言わせてもらうんだけどさ」

垣根「ここカジュアルな服の店って感じだぜ?」

垣根「ドレスじゃねぇの?」

心理定規「それはもう少し上の階にあるの」

心理定規「ここでは普段用の服を見ようと思ったのよ」



垣根「ふーん、ドレスしか着ないからドレス以外持ってないものだと思ってた」

心理定規「なっ、そんなわけ無いでしょう?」

心理定規「仕事と普段は使い分けるわよ。あなただってそうでしょ」

心理定規「例えば……あのジャケットとか普段は使わないでしょう?」

垣根「まあ、当たり前だな。だが俺の場合暗部=生活だからなんとも言えねぇな」

垣根「仕事を生活に持ち込むとか以前に仕事が生活みたいな?」

心理定規「悲しいわね」

垣根「だが今日はそんなことは忘れて楽しむつもりだからそんな顔はしねぇで……」


垣根「お前の私服センスを見せてもらおうじゃないか」

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!!



心理定規「なっ、少し心配した私がバカだったみたいね!」

垣根「ぐふふ、普段はドレスだけだからセンスあるのかねぇのか分からなかったからな」

垣根「ナイスアイデア、俺!!」

心理定規「まあいいわ」

心理定規「私の私服を見せて、あなたを後悔させてあげるわ」フフフ

垣根「けっ、できるもんならやってみやがれ」


心理定規「うーん……どっちがいいかしらね」

垣根「俺は断然こっちだな」ピシッ

心理定規「よね! 私もそう思ってたわ」

垣根「ふーん? なかなかいいじゃねぇか」

心理定規「まあね」

垣根「これとかどうだ?」

心理定規「あら、いいじゃない」

垣根「お前に似合うと思うんだよな、この色とかな」

心理定規「へぇ、よく分かってるわね」

垣根「当たり前だ」

心理定規「あら、そうなの?」

垣根「ああ。当たり前だ」



心理定規「よし、こんな感じね」

垣根「試着してみれば?」

心理定規「そうね」

心理定規「覗かないでね」

垣根「人前でそんなことするわけねぇだろ!!」ムッ

心理定規「それもそうね」

心理定規「じゃあ少し待っててね」シャ-

垣根「うい」


シャーッ!!

心理定規「どう?」クルッ

垣根「おお!」

心理定規「おお、じゃ分からないわ」

垣根「言わねぇでもわかるだろ」

心理定規「どうなんでしょうねー?」

垣根「じゃあ……似合うと思う……んじゃねぇか?」

心理定規「ふふっ、それは結構」

垣根「上からかよ」

心理定規「あ……」

垣根「どうしたんだ?」

心理定規「あなたのアドバイス受けて選んじゃった」



垣根「だからどうしたんだ?」

垣根「あ」

心理定規「私のセンスを見せられなかったわね……」ハァ

垣根「oh……」

垣根「でもまあいいや。俺のセンスとお前のセンスでこの組み合わせだろ?」

垣根「いいじゃねぇか」

心理定規「うーん、それもそうね」

垣根「いや、でも普段からこれでもいいと思うんだけどな」

心理定規「いいのよ。普段はドレス」

垣根「普通は逆だよなーとか思ったが心の中にしまっておこう」ウムウム

心理定規「ガッツリ言ってるじゃない」ホソメ

今日はここまでです。

乙!心理定規ちゃん可愛いんじゃ

人前じゃなかったらやるのか…



心理定規「ふふふっ、買っちゃった。選んでもらっちゃったわ」

垣根「おうおう、そんなに嬉しいか?」

心理定規「当たり前じゃない! ……っと、こんな反応がお好みかしら」ニコニコ

垣根「変に取り繕わなくてもいいんじゃねぇか? バレバレだし」

心理定規「そう? でも、まあ嬉しいわ」

垣根「自分で買ったってのにか? 出してやっても良かったのに」

心理定規「だってあなたの誕生日って名目で来てるのよ? 」

心理定規「あなたに選んでもらっただけでいいわよ」

垣根「そうか。それで満足なら俺はいいけど……」




心理定規「次はあなたの番」

心理定規「どこか行きたいところないの?」

垣根「うーん……そう言われてもな」

心理定規「ここじゃ不満かしら?」

垣根「いや、そんなことねぇよ」

垣根「そうだな……靴売ってるところあるか?」

心理定規「ええ。もちろん」

心理定規「何件もあるんだけど……」

垣根「お前のオススメで頼む」

心理定規「そうね……あなたに似合いそうなところは……」

心理定規「よし、行きましょうか」

垣根「おう、エスコート頼むぜ」




………ダイヤノイド・トップシューズ………


垣根「また面白い名前の……」

心理定規「自分でトップって言っちゃってるところが好みなのよね……」

垣根「変わってんな」

心理定規「あなたに言われたくはないわ」

垣根「あっそ」

心理定規「適当なあしらいね」

垣根「だって気に食わねぇこと言われたし」

心理定規「あら、その程度で態度コロコロ変えてたら社会では生きていけないわよ」

垣根「別にいいし」

心理定規「な、何にも言えないわね」




垣根「さて、靴探すかー」

心理定規「靴ってなんの靴?」

垣根「俺も普段用でいいや。最近買ってなかったしな」

心理定規「もしかして靴が家に大量にあるってタイプ?」

垣根「なわけねぇだろ。金持ってる奴全員が金を湯水のように使うわけじゃねぇ」

心理定規「自分で金持ちって言うのね」

垣根「ここの店とおんなじだろ。ナルシストみたいな?」

心理定規「あなたが言うのと店の看板になってるのでは大きな差があるってことを覚えておいて」



垣根「お、おう。すごい威圧感だ」

心理定規「で、どんな靴にするの?」

垣根「別になんでもいいだろ。お前は見たいの見てればいいし」

心理定規「今度は私が選ぶの」

垣根「……いいのか?」

心理定規「ええ。私のセンスも結構いいことは分かってもらえたと思うし」

垣根「さて、どうだかな……」

垣根「とりあえず俺はいつもと趣向を変えて、ブーツ探そうと思ってんだよ。季節外れだがな」

心理定規「なるほどね」

垣根「それでいいか?」

心理定規「大丈夫よ。今度こそセンスを見せてあげる」





垣根「さてと、俺はこっちでも見てるかなー」スタスタ



今日はここまでです!
乙コメありがとうございます!!!

きっと人前じゃなくても覗かない、そう信じている…
心理定規がキャラ崩壊していく…



心理定規「どう?」ジャン

垣根「すげぇな。季節はずれなはずなのにいいもん見つけてきたな」ホウ

垣根「正直驚きだわ」

心理定規「ふふふ、これで買い物能力まで理解してもらえたはずよ」

垣根「だな」

心理定規「それで……あなたはどこか行ってたみたいだけど?」

垣根「ふん、秘密だ。トイレ行ってたってことにしとけ」

心理定規「堂々と嘘付けるその性格が羨ましいわ」

垣根「その辺にゴロゴロいるだろ」

心理定規「いや、先に秘密って言ったうえで嘘をつくなんて勇者はそうそういないわ」

垣根「別にバレても構わないからな」

垣根「じゃ会計してくるわ」

心理定規「あ、私払うわよ。誕生日プレゼントってことでね?」

垣根「いや、これくらいなら自分で払う」

垣根「つーことでちょっと待ってろ」



垣根「少し待たせたか?」

心理定規「いや、大丈夫よ。むしろあれだけ並んでるのによくこんなに早く帰ってこれたわね」

垣根「この街は高位能力者に優しく作られてるからな」

心理定規「そういうことか。ダイヤノイドも例外じゃないと」

垣根「そういうこと」

垣根「じゃあ次はドレスの店でも行くか」

心理定規「その前に昼ご飯にしない?」

垣根「ん? 別にいいけど」

心理定規「オススメ、あるのよ」ニヤッ

垣根「期待させてもらおうか」



………ダイヤノイド・スクエアガーデン………


垣根「パクリか?」

心理定規「何のかしらー?」スットボケー

垣根「外見からじゃ何の店かわからねぇんだが」

心理定規「それもオススメな理由の一つね」

垣根「え、教えてくれねぇのか」

心理定規「すぐわかるんだし、ちょっとの辛抱でしょう?」

垣根「うーん、まあ、それもそうか」

心理定規「じゃあ行きましょうか」



店員「いらっしゃいませー」ペコ

店員「二名様でしょうか」

心理定規「予約してた目津よ」

店員「……目津様ですね。御案内いたします」

心理定規「よろしくね」

垣根「目津……?」

心理定規「私のことよ」

垣根「ああ、そうか」

垣根「ってええっ!」



心理定規「うん、いいかんじね」ガラガラ

垣根「キューブ状の部屋?」

店員「この店は観覧車のようにキューブ状の部屋が回転することで様々な店の料理を楽しむことができます」

垣根「様々な店ってどういうことだ?」

店員「部屋でドライブスルーするみたいなイメージです」

垣根「へぇ。全く分からねぇ」

心理定規「それに外の景色もなかなかいいわよ。壁に映画を映したりすることもできるし」

垣根「無駄にハイテクだな……」

店員「ははっ、よく言われますね」

店員「それでは回転始めます。キューブでの旅をお楽しみください」ポチ

心理定規「ありがとうね」

グイイィィィン



垣根「揺れとかはねぇな」

心理定規「そりゃ学園都市製だからね」

垣根「それもそうか」

垣根「それで、目津ってなんだ?」

心理定規「偽名よ」

垣根「お前意地でも本名出さねぇんだな」

心理定規「当然でしょう?」

心理定規「あなたみたいに名が割れても困らないほど自分の力に自信があるわけじゃないし」

垣根「なるほどな」

垣根「なら垣根帝督の傘下って言えば誰も襲って来はしねぇだろ」

心理定規「そんなの虎の威を借る狐でしょ」



垣根「そうか?」

垣根「俺は人脈も実力のうちだと思うけど」

心理定規「そうも行かないのよ」

垣根「まあ、適度に用心するのは悪くねぇと思うけど」

垣根「目津ってのはどうかと思うぞ?」

垣根「心理定規から取ったんだろうけどさ」 

心理定規「フルネームだと目津羽跡よ」

垣根「変な名前だな」

心理定規「確かにそうだけど学園都市には変な名前の人がいっぱいだから全く目立たないのよ」チラ



垣根「俺をバカにしてると考えていいんだよな?」

心理定規「自分で自分の名前を変だと思ってるのならそうかもしれないわね」

垣根「べ、別に思ってねぇし。何を思ってこの名前にしたのかは知らねぇがな」

心理定規「帝になって皆を監督して欲しいとか」

垣根「それは子供に期待かけすぎだろ……痛いなんてもんじゃねぇ」

心理定規「私のウケを狙った適当な推測でそんなに落ち込まないでちょうだい」

垣根「ああ、うん」

垣根「ま、俺の親だからそんな意味で俺の名前を付けてても驚かねぇけどな」

心理定規「親?」



垣根「そう。蛙の子は蛙っていうだろ」

垣根「俺が何本かネジ飛んでるってことは親も何かおかしくても疑問はねぇよ」

心理定規「それはつまり自分の事が変だと思ってるの?」

垣根「自分ではそこまで狂ってるようには感じねぇが、客観的に見たら暗部の野郎どもなんてみんな狂ってるさ」

心理定規「それは後天的だとおもうけどね」

垣根「さて、どうだか」

垣根「実際俺にも分からないけどさ」

垣根「さてと……そろそろ飯注文できるか?」



心理定規「えーっと、はじめは天ぷら専門店ね」

店員「ご注文はありますか?」

垣根「エビ天ぷらセット……だな」

心理定規「私は野菜天ぷら盛で」

店員「かしこまりました、少々おま……たせいたしました」

店員「エビ天ぷらセットと野菜天ぷら盛でございます」ササッ

垣根「はやっ! ドライブスルーなんて生易しいもんじゃねぇな」

心理定規「それが売りだからね」

垣根「もはやコメントできないな」

心理定規「これくらい早くしないと部屋の回転速度に間に合わないのよ」

垣根「苦労してんな」



心理定規「それじゃあ食べましょうか」

垣根「ああ」

垣根「いただきまーす」

心理定規「……意外ね」

垣根「いただきますだけで意外って言われるって俺はなんだと思われてるんだ……?」

心理定規「じゃあ私もいただきます」

垣根「返答なしかよ!」

心理定規「答えるまでもないからね」

心理定規「こっちはこれまであなたの黒い面ばっかり見てきたのよ? 最近は違う面が見えるけども」

心理定規「それが普通にいただきますとか言ってたら意外でしょう」

垣根「そう言われるとなんだかこそばゆいな」

心理定規「そんなのは慣れよ。頑張ってね」モグモグ



垣根「ちっ、簡単に言いやがって……」パク

垣根「あ、美味ぇ」

心理定規「でしょう? だからオススメなのよ」

垣根「やっぱりエビは至高だな」

心理定規「可愛い好みしてるじゃない」

垣根「んなこたねぇよ」

心理定規「そんなの自分じゃ分からないだけでしょう」

心理定規「というか、自分で言ってたら引くわね」

垣根「引くの!!」



垣根「ごほん、お前は野菜だけでいいのか?」

心理定規「む、女はいつでもカロリーに気を使わないとダメって言わなきゃわからないのかしら?」

垣根「のわりにはこっちのエビさんを物欲しそうに見つめているみたいだが?」

心理定規「そんなわけ無いでしょう。自分をセーブできないなんて女失格よ」フン

垣根「そうかいそうかい」ケラケラ

スッ

垣根「だが、食べたいもん我慢するのも良くねぇだろ」

垣根「エビ食べようぜ? 今日くらいはそういうこと気にしねぇで楽しまねぇか?」

心理定規「……言い慣れてそうで嫌ね」

垣根「え」

心理定規「でももらっておくわ」パク



垣根「なんだよ、結局食うのな」

心理定規「今日くらいはそういうこと気にしねぇで楽しまねぇかって言ったのはあなたでしょう?」  

垣根「一語一句間違えずに言いやがった……」

心理定規「まあ、ダイエットには付き合ってもらうけどね」

垣根「え」

心理定規「当たり前でしょう」

垣根「た、体調がね」イテテ

心理定規「それくらいは考慮するわよ。倒れられても困るし」

垣根「ふーん、なら別にいいけど。俺も体力落ちてるし」 

心理定規「じゃあよろしく」スッ パク スッ パク

垣根「んな! 取りすぎだろ!! 俺のエビがー!!」

今日はここまでです。

乙乙!

乙乙乙



垣根「ふぅ、結構食べたなー」ポンポン

心理定規「そうね。食べ過ぎちゃったかも」フゥ

垣根「いや、お前エビ以降はちまちましか食ってなかったじゃねぇか」

心理定規「エビ食べ過ぎちゃったからお腹が結構きつかったのよ」

垣根「確かに食べ過ぎだよな。俺の好物だってのに」

心理定規「あら、それは悪かったわね」テヘ

垣根「思ってねぇだろ」

心理定規「あはは……」スッ

垣根「目逸らしやがって」ハァ



心理定規「ねえ」

心理定規「少し歩かない?」

垣根「唐突にどうした」

垣根「ドレス買うんじゃなかったのか?」

心理定規「まあそうなんだけど、食後の散歩ってのもなかなか乙なものでしょう?」

心理定規「お腹いっぱいな状態だとドレスが着れないかもしれないしね」

垣根「……そこまで言うならいいけど、わざわざ外出るのか?」  

心理定規「ええ。すぐそばに散歩用の道があるのよ」

垣根「ふーん、じゃあ行ってみるか」



………第十五学区・散歩道………


垣根「そういえば第十三学区にも似たようなとこあったよな」

心理定規「……おさんぽろーどだっけ?」

垣根「ああ、そんなかんじのとこ」

心理定規「あそこは未就学児が主に使うところよ。で、ここは教師とか研究者達が多いわね」

垣根「……みてぇだな。健康管理的なもんだろうな」


スタスタ カツカツ

スタスタ カツカツ


心理定規「そんなにこっちの足元見てどうしたの?」

垣根「いや……その靴、歩きづらくねぇの?」

心理定規「全く問題ないわ。普段はこの靴履いて裏道での追いかけっこしてるんだから」 

垣根「あー、そうだったな」



垣根「追いかけっこといえば、くじいてた足は良くなったのか?」

心理定規「ええ。でも本当にあれくらいら大したことなかったんだけどね」

垣根「とは言ってもな……治しておいた方が後々困らずに済むだろ」

心理定規「ま、それもそうね」

心理定規「でもあなただって捻ったとかのちょっとした怪我なら自分でどうにかしちゃうでしょ?」

垣根「それはそうだけど、敵に狙われた時に支障があるレベルの怪我はすぐに対処するぜ?」

垣根「能力乗っ取られたけたとかな?」

心理定規「あー、あの時のね」

垣根「そ。あれは支障があるなんてレベルじゃ表せないくらい危なかったかもしれねぇな」

垣根「下手したら死傷だからな」

心理定規「確かにあなたの能力は暴走したら死よね」



垣根「うーん、今日はそういう話題は無しだな」

垣根「……話題変更だ」

心理定規「あら、話題転換を自然にするのも相手を落とすための技術ってものじゃない?」

垣根「文句言うな。落とす必要なんてねぇし」

心理定規「あら、そうなの?」

垣根「俺はインデックスだし?」 

心理定規「突然過ぎて理解に時間がかかったじゃない」

心理定規「まあ、恥ずかしさを誤魔化してるんだろうなって事は分かるけど……」コンワク

垣根「そ、そんなことないんだよ!」

心理定規「それはちょっと……無いわね」



垣根「くそっ、空回りしてやがる……」

垣根「その上引かれてんじゃねぇか」

心理定規「安心して。これくらいじゃ幻滅まではしないから」

心理定規「変なこと言い出したのは驚いたけどね」

垣根「面白いこと言おうと思っても変なこと言っちゃうんだよ!」

垣根「全く意図的じゃねぇからな!」

心理定規「分かってるわよ。意図的に変なこと言ってたら私が気づかないわけないわ」フフ-ン

垣根「一応意図的に変なこと言ってる様を装ってたはずなんだけどな……」

心理定規「そんな演技は精神系能力者である私の前では無に等しいわ」

垣根「まあ、お前の能力もそこそこチートだしな」

心理定規「いや、本格的なチート能力者にそんなこと言われてもね」

垣根「はは、褒めるなよ。照れるじゃん」

心理定規「別に……褒めてるのかしらね?」



垣根「ふふん、褒められて悪い気はしねぇな」ウンウン

垣根「んでどうだ? そろそろ腹、大丈夫か?」

心理定規「ええ。いい感じになってきたかしら」 

垣根「そうか。じゃあ戻るとするか」

心理定規「そうね……」

心理定規「あ、そうだ」

垣根「ん? どうした?」

心理定規「少し買いたい物があって」

垣根「ドレスの前にか?」

心理定規「ええ」

心理定規「大丈夫よ。ドレスの店の隣にあるから」

垣根「ふーん、別にどこにあってもいいけどな」

心理定規「そうと決まったら行きましょう」

垣根「ああ」

昼間はここまでです。



………ダイヤノイド・グラスクリニック………


心理定規「ここね」

垣根「おま、まさか……」

心理定規「ミサワちゃんに聞いたわ」フフ

垣根「ミサワちゃんだって?」

心理定規「あなたはメガネをかけると人格が変わるってね」

垣根「…………はっ、番外個体か!」

垣根「あの野郎……余計なことを……」

心理定規「だからメガネをかけてもらおうと思って」

垣根「嫌だ! 絶対拒否だ」

垣根「悪いが今回は能力使ってでも拒否させてもらう」

心理定規「そう言うと思ってたわ」

心理定規「だから無理にはかけさせないけど……とりあえずメガネを買ってあげる」



垣根「いや、俺は視力両目Aだぞ? 研究所調べだから間違いねぇからな」

垣根「それにもうメガネ持ってるからな?」

心理定規「二つあった方が服に合わせやすいんじゃない?」

心理定規「それに無理に度をいれる必要はないでしょう?」

垣根「いや、確かにお前が言ってるのは正しいが……」

垣根「メガネ買う時はかけて似合うかどうか確かめねぇとダメじゃねぇか」

心理定規「あら、バレちゃったわね」

心理定規「それが狙いだったのに」グッ

垣根「てめぇ!!!!」ダンッ



心理定規「ちょ、こんなところで暴れないでよ?」

心理定規「いくら頑丈な建物とは言ってもあなたの能力には耐えられないだろうし」

垣根「分かってるっつーの。さすがにこの程度で暴れたりはしねぇよ」フン

垣根「だが俺をおちょくった罪は重いぞ」

心理定規「嫌な予感しかしないんだけど……」

垣根「まあずっと怯えてればいい」

垣根「後になったら分かるだろうさ」

心理定規「わ、悪かったわね」

垣根「ダメダメ。今更後悔してもおせぇよ」

垣根「さ、ドレス見に行くか」ニコ

心理定規「……分かったわ」

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます。



………ダイヤノイド・ファッショナブルドレス………


垣根「ほー、結構シンプルなのから結婚とかで使いそうなのまであるな」ボケー

心理定規「そうね。だからマニアックなジャンルな割には面積が広いのよ」

心理定規「それに割とリーズナブルだから人も多いと」

垣根「ふーん」

心理定規「どうでもよさそうな返事ね」

垣根「いや、あなたには結婚より血痕のほうがお似合いでしょう、とか言うかと思ったから」

垣根「言われなくて拍子抜けしてたみたいな?」

心理定規「言おうとは思ったけど空気を読んで言わなかったんだけど……」

心理定規「言った方が良かったかしら?」

垣根「いや、いい」

垣根「お前の軽く毒舌の入ったツッコミが来るだろうなって言ったから、言わなくても良かったなって後悔してただけだし」

心理定規「私のツッコミを舐めないで欲しいわね」フン



垣根「さて、じゃあ探すとすっか」

心理定規「さすがにドレスはセンスうんぬんじゃない気がするけど……大丈夫なの?」

垣根「舐めんな。俺だってドレスくらいよく見てるから」

心理定規「……どこで?」

垣根「その辺でだよ」

垣根「金とか権力目当ての女どもが着飾って擦り寄ってきやがるからな」

垣根「それに俺は顔もいいし? そういうので寄ってくる輩も多いってわけだ」

垣根「だからちょっとしたドレスの知識なら事欠かねぇよ」

心理定規「ま、そうよね」ム

垣根「あれ? お前調子でも悪いのか?」

心理定規「なんで?」

垣根「ツッコミどころを逃しすぎな気がするけど」



心理定規「……自画自賛は少しキモいとは思うけど、事実だしね」

垣根「顔いいってのがか?」

心理定規「いや、金とか権力目当てとかで人が寄ってくるってことよ」

垣根「ああ、なるほどな」

心理定規「でもそれなら私は自分で選ぶわ」

心理定規「ドレスはあくまで仕事用だし」

垣根「え? さっき選んだ時は喜んでなかったか?」

心理定規「それはそれ。これはこれよ」

垣根「なんだかよく分からねぇな。こだわり?」

心理定規「……あなたの知識で選んで欲しくないだけよ。気にしないで」

垣根「……そうか。なら俺はここで待ってるな」

心理定規「ええ。なるべく急ぐから」タッ




心理定規(……なんだか逃げてきたみたいな形になっちゃったわね)

心理定規(でも彼のあんな話は聞きたくないし)

心理定規(あんな話を聞いただけで逃げちゃうほど動揺するなんて)

心理定規(バカみたい……)

心理定規(はぁ、会話の方法とか精神安定の方法は熟知してるはずなんだけどね)

心理定規(どうにも調子が悪いみたい)

心理定規「すみません、ブルーに近いドレスのオススメはあるかしら?」



垣根(しつこすぎたか……?)

垣根(こういう時の女との距離感は完璧につかんでる思ってたけど)ピッ

垣根(やっぱり力を入れると空回りしちまうな、はぁ)ガコン

垣根(何事も練習の方が上手くいくってのはあってるみてぇだ)

垣根(ホント先人の教えってのは馬鹿にできねぇな)スッ

垣根(だが俺の誕生日記念らしい)

垣根(こんなクソったれにもチャンスくらいあるよな……)カシュ

垣根(だが……あなたの知識で選んで欲しくないってどういうことなんだ?)ゴクゴク

垣根「苦っ、間違えてコーヒー買っちまった」グフッ



店員「そうですね……」キョロキョロ

心理定規(でもこんなこと言って嫌われたりするのも悲しいわね……)

心理定規(こういう時は、どうしたらいいの?)

心理定規(彼も私に逃げられたと思ってるだろうし)

心理定規(ということは謝ったほうがいいのかな……)

心理定規(…………)

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!


なんかニヤニヤする、二人ともかわいいですなあ



店員「こちらなどはいかがでしょうか?」スッ

心理定規「ありがとう」

店員「いえ、気に入っていただけて幸いです」

心理定規「あと、こっちも……」タッ

店員「お、お客様!?」


垣根「苦すぎる……これは人間の飲み物じゃねぇよ」シュン

垣根「飲み比べやらなくて良かったわ……」

カツッ

垣根「ん? もう買ったのか?」チラ

心理定規「どっちがいいと思う?」バッ

垣根「……選んで、いいんだよな?」

心理定規「……」コクリ

垣根「んじゃ、こっちだな」ビシ

垣根「お前には赤の方が似合うと思うぜ」ウン



垣根「どうよ?」

心理定規「赤ばっかりになっちゃうのよね」

垣根「でも派手さが大事じゃねぇの?」

垣根「それにお前のイメージカラーは赤だしな」

心理定規「そうね、それならこっちにする」

垣根「それなら?」ハッ

垣根「いや、何でもねぇ」

心理定規「……ふふっ、じゃあ買っちゃおーっと」ルンルン

垣根「待ってくれ、俺も行く」スック

心理定規「え? どうして?」

垣根「何となくだ。特に理由はねぇよ」

心理定規「別にいいけど……」



心理定規「あら、今日は結構並んでるわね」

垣根「ファストパスあるけど?」

心理定規「いいわよ。話したい気分だし」

垣根「いや、別にお前がいいならいいんだけど」

心理定規「わがままにつき合わせちゃってごめんなさいね」

垣根「そんなこと気にするなって」

垣根「俺はそんなことでいちいち腹立てるような器の小さな男じゃねぇからな」ドヤ

心理定規「メガネの時は怒ってたのに?」

垣根「心配するな報復のことは忘れちゃいねぇ」

心理定規「そこは忘れててよかったんだけど……」



垣根「拒否」

心理定規「……根に持つタイプなのね」

垣根「安心しろ。番外個体のやつも後でしっかりしばくから」グッ

心理定規「……根に持つのは私のことだけでいいわ」ムッ

垣根「……ドM?」

心理定規「ち、違うわよ!!」

垣根「へぇへぇ、分かりましたよ」

心理定規「む、絶対分かってないわよね」

垣根「いやいや、そんなことねぇよ。理解能力は人並み以上にあるから」

心理定規「それはひどい思い込みよ」


垣根「切り捨て方がバッサリ過ぎてもうなんかもうな……」

心理定規「あ、レジ空いた」カツカツ

垣根「いやー、本当に自由だな」スタスタ

心理定規「それくらいの方が楽だと思うけど」

垣根「まあ、お前は自由に見えるが恐ろしいくらい考えて行動してるんだろうけどな」

心理定規「そりゃいつもはね」スッ

店員「カードはお持ちでしょうか」

心理定規「はい」サッ


垣根(いつもはね、か)



心理定規「よし、ドレスも買えたし私はもう満足」

垣根「俺も靴買えたけどまだ欲しいかな」

心理定規「あらまだ買いたい物があるの?」

垣根「まあ……そんな感じだな」 

垣根「けど、その前に少し早めの飯にしないか?」

心理定規「いいけど、アテがあるのかしら?」

垣根「穴場なんだけどな。いい酒が飲めるんでいいって土御門が言っててな」

心理定規「へぇ、いいじゃない」

垣根「よし、じゃあ行こうか。まだ誕生日プレゼントももらってねぇし」

心理定規「高い店のおごりとかは勘弁よ?」

垣根「そんなんじゃねぇって」

垣根「まあ、さっさといくぞ」

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!!

なんだかここの文がテンプレートみたいになってるような……

キリがいいのでここでクリスマスネタをねじ込んでしまおうと思います!

クリスマスが終わると年末ネタに入るつもりなので、ていとくんと心理定規は来年までお休みかも……



打ち止め「あわてんぼーのーサンタクロースー」チラ

打ち止め「クリスマスまえーにーやってきたー」チラ

一方通行「……」

打ち止め「いそいでりんりんりん、いそいでりんりんりん!」チラ

一方通行「なァ、それはプレゼントの催促かァ?」

打ち止め「え? ミサカがそんなことをするわけないでしょーってミサカはミサカは弁解してみる」

一方通行「だよなァ。いやァ心配した」

打ち止め「…………」ガ-ン

垣根「意地悪だな」ピコピコ

フィアンマ「さすがに鈍感を装えるレベルをこえている」カチャカチャ



一方通行「はァ? テメェらも病室でぴーぴー歌ってンじゃねェよとか思ってたンだろォが」

垣根「うん。うるせぇなとは思ってた」

垣根「でもよ、それとこれとは話が別だろ」

フィアンマ「まさかお前は幼女の小さな願いすら察することができないのか」

フィアンマ「もしそうなら俺様はお前に失望するな」

垣根「なー?」

垣根「まあ俺はもともとそんな希望をお前に抱いちゃいねぇがな」

打ち止め「話が分かるねぇってミサカはミサカはニヤニヤしてみる!」ニヒヒ

垣根「当たり前じゃねぇか。そのへんが察せねぇからお前はまだ子供なんだよな」エッヘン

フィアンマ「お前も人の事言えないと思うぞ」

垣根「は? 俺は子供じゃねぇし」ムカ

打ち止め「そういうところが言われてるんだと思うよってミサカはミサカは指摘してみたり」

垣根「……そうなのか」



一方通行「はァ、ならオマエは何がしたいンだァ?」

打ち止め「もちろんクリスマス会かなってミサカはミサカは定番中の定番を挙げてみたり!」


垣根「クリスマス会ねぇ……どんな感じなんだ?」ムムム

垣根「俺やったことねぇから良く分からないんだが」

一方通行「俺だってやったことねェよ」

フィアンマ「少なくとも俺様の知ってるクリスマスとは違うだろうな」

フィアンマ「十字教による本気クリスマスだ」

フィアンマ「日本版はそれとは違うと聞くし」

打ち止め「え、本当に知らないのかなってミサカはミサカは困惑してみる」



垣根「……」チラ

一方通行「……」ハァ

フィアンマ「……」コクリ

一方通行「……やったコトはねェが、話くれェは聞いたことがある」

一方通行「学園都市の第一位に不可能なんてねェよ」フフッ

垣根「俺のクリスマスにはそんな常識は通用しねぇ!」

垣根「クリスマス会研究会会長俺の本気を見せてやる」

フィアンマ(クリスマス会研究会ってなんだろう)

一方通行(空回りしすぎだろォが)

フィアンマ「……ともかく俺様の持ちうる知識をすべて提供しよう」

フィアンマ「本場のクリスマスが味わえるぞ」



打ち止め「そ、そうなのってミサカはミサカは目を輝かせてみたり!」

一方通行「ああ、任せろォ」

一方通行「なァ? クリスマス会研究会会長と本場のクリスマス体験者さんよォ」

垣根(ノリでとばっちり)

フィアンマ(食らったー!)

垣根「あ、ああ。どうせなら本場のサンタも呼んでやる」

フィアンマ「じゃあ俺様はトナカイでも呼んでやろうか!!」

打ち止め「本当に来てくれるのってミサカはミサカは弾けるソウルに震えてみたり」

一方通行(はァ!? これ以上余計なことは言わせられねェ!!)

一方通行(できもしねェクセに期待させるようなこと言うな!)

一方通行「と、とにかくこれから俺たちは作戦を立てるから出てけ」

打ち止め「うん! 分かったってミサカはミサカは邪魔をしないように出ていくよー」ガラガラ

午前はここまでです。
冬休みになったらペースあげるのでよろしくお願いします。

乙です



ペースアップ楽しみにしておく



一方通行「……でだ」

一方通行「誰がサンタ役とトナカイ役やるンだ?」

フィアンマ「そりゃ本家に決まってるだろう」

一方通行「……本気か? 無駄に期待させてンだぞ? それを裏切ることは俺でもできねェ」

垣根「安心しろ。俺もそこまで鬼じゃねぇ」

垣根「期待は裏切らねぇよ」

一方通行「ならオマエらはホンモノのアテでもあるのかァ?」

垣根「まあ、知り合いって程度には」

フィアンマ「一晩語り合った仲だな」

一方通行「は? 何言ってンだ」

垣根「サンタと知り合いだって」

フィアンマ「サンタに付き従ってるトナカイとはマブダチだ」



一方通行「……どういう経緯かは知らねェが、呼べるのかァ?」

垣根「まあ、コンタクトとってみるわ」

フィアンマ「アイツなら問題ないだろう」

一方通行(学園都市とサンタクロース……全然合わねェ組み合わせだなァ)

垣根「ところで、どんなクリスマス会にするんだ?」

一方通行「クリスマス会研究会会長さンが何言ってンだァ?」

垣根「あんなの冗談に決まってるだろ!」

垣根「本当はクリスマスにおけるぼっち人口とその傾向の論文を書き始めたばかりの学生さんだぜ!」

垣根「ペンがカリカリ進むぜ!!」

フィアンマ「なんだろう……目頭が熱い……」

一方通行「同情で涙が出てくる……」

垣根「もうやめて!! 垣根のライフはゼロよ!」

フィアンマ「りょーかいりょーかい」ヘイヘイ

垣根「適当すぎだろ」



一方通行「それで、サンタクロースと知り合いってのは本当なのかァ? クリスマス会研究会会長(仮)さンよォ」

一方通行「さっきの話聞いてると不安になってくるンだが」

フィアンマ「トナカイさえいれば問題ないだろ」

フィアンマ「空飛べる品種だ」

垣根「空飛べるか否かって品種で決まるのかよ……」ヒキ

垣根「お、俺のサンタだってプレゼント配れる品種だからな!!」

一方通行「人間を品種呼びするのやめろ」

一方通行「つーか、プレゼント配れる品種ってなンだよ」

垣根「そのままの意味だけど」

一方通行「…………」

一方通行「それで何をしたら普通のクリスマス会になるンだァ?」

垣根「スルーかよ……」



フィアンマ「クリスマス会研究会会長は役に立たないしトナカイくんに聞くのが得策だろう」

一方通行「本場のやつに聞いていいのかァ?」

フィアンマ「まあ、日本でやってるのとは大きくかけ離れた形になるのは間違いないな」

垣根「それで打ち止めは納得すんの?」

垣根「あいつミサカネットワークってので情報共有してんだろ?」

垣根「違うのだったらバレねぇか?」

一方通行「だよなァ……」

フィアンマ「ならここは経験豊富そうな上条に聞いてみるのはどうだ?」

垣根「お、それ言おうと思ってたわ」

一方通行「それはダメだ」

垣根「は? なんでだよ」

一方通行「アイツは経験豊富そうなンだろ?」

一方通行「つまり今年もクリスマス会のお知らせがたくさん届いてるに違いねェ」

フィアンマ「ということは俺様たちに構ってる暇はないと」

一方通行「そォいうコトだ」

今日はここまでです!
こんなに乙コメありがとうございます!!



一方通行「万事休すかァ?」

キュルキュル

垣根「窓?」チラ

トナカイ「よう、フィアンマちゃん」スタッ

フィアンマ「お、トナカイくんじゃないか」

フィアンマ「早かったな」

トナカイ「まぁな。マブダチの呼びかけには速攻応じる」

トナカイ「これが上手く世を渡るコツなんだよ」

垣根「これが、トナカイくん?」

一方通行「これがかァ?」

トナカイ「これこれうるせぇよ。俺は一応生き物だぞ? thisじゃなくてheだ」

垣根「だよな。これどう見ても人間じゃん」コンワク

一方通行「着ぐるみっつーか全身タイツみてェな感じじゃねェか」

トナカイ「全身タイツってなんのことだよ……」

垣根(自称トナカイはitとかじゃダメなんだっけ?)



一方通行「おィ、これがオマエの言ってた空飛べる品種のトナカイかァ?」ボソ

フィアンマ「ああ。そうだが、なぜそんな信用ならないな、みたいな目をしているんだ」

垣根「正直これはねぇだろ。ネタがないからって、なぁ……」ボソ 

垣根「せめて着ぐるみにしろよ」ボソ

垣根「トナカイくんも全身タイツとかやらされてかわいそうじゃねぇか」ボソ

フィアンマ「何を言ってるのかさっぱりだぞ?」

トナカイ「本当に全身タイツってのは良く分からないんだけど、とりあえず本題に入ろうか」

一方通行「……ちっとも納得いかねェが、このままタイツ論議してるわけにも行かねェか」

垣根「……そうだな」



フィアンマ「じゃあまず、日付はどうする?」

トナカイ「無難なのは24日、25日だぜ」

垣根「そこはアドバイスいらねぇよ。分かるから」

垣根「あと一つ言っておくけど、どっちか片方にしてくれよ?」

垣根「両日参加はできねぇから」

一方通行「流石に二日もやらねぇよ。なァ?」

フィアンマ「……?」

トナカイ「?」

垣根「やる気満々かよ……」

垣根「ともかく二日は無理だからな」

一方通行「当たりめェだろ、そんなにネタがねェ」



トナカイ「ふーん、なら24日で構わないってことでいいか?」

垣根「どっちでもいい、二日間やらないならな」

トナカイ「じゃあ24日で頼むぜ」

垣根「なにかこだわりでもあんの?」

トナカイ「仕事前に面倒なことは片付けておきたいからな」

垣根「はっ、ははっ」ヒキツッタエミ

垣根(仕事ってプレゼント配達……)

フィアンマ「じゃあ具体的に何をするか練っていくか」

垣根「ネタが……」



トナカイ「ネタがない、ねぇ」

トナカイ「じゃあ聞くけど今までのクリスマスはどう過ごしてきたよ」

一方通行「ンだよ、ネタ提供してくれるワケじゃねェのかよ」

トナカイ「いや、君たちが考えないと打ち止め……ちゃん? は喜んでくれないと思うぜ?」

一方通行「うちどめじゃねェよ。ラストオーダーだ」

トナカイ「あ、そう読むんだ」

一方通行「はァ、俺の今までのクリスマスは木原くンからクソみてーなプレゼントが送られるくれェだった」

一方通行「朝起きたら枕が部屋中に何百個も転がってたりなァ」

一方通行「奴曰く嫌がらせらしいがな」

フィアンマ「ふっ、微笑ましいじゃないか」

垣根「思わず笑えてくるな」

昼はここまでです!



一方通行「次はオマエらだ。どっちが言うンだァ?」

垣根「もういいんじゃねぇの?」

垣根「クリスマスはサプライズ性とプレゼントが大事ってことでな?」

一方通行「いや、他にも発見があるかもしれねェからな」

フィアンマ「なら俺様のクリスマスを話そうか」

トナカイ「おう」


フィアンマ「去年のクリスマスはイブから神の右席の実質トップとして教皇に呼び出しくらって、今日明日くらいはローマ正教徒として行動してくれと懇願された」

フィアンマ「その夜は礼拝に引きずられて行き、夜中までお祈りだ」

フィアンマ「クリスマス当日は朝からまた礼拝して、その後は女と過ごすのではなく家族と共に過ごすらしいな」

フィアンマ「まあ、俺様は一人でクリスマスディナーを注文して食べていたがな」



グスグス

垣根「だからやめろって言ったんだ」

トナカイ「……最後以外は十字教のクリスマスって感じだな」グスグス

一方通行「ちっ、嫌な事を思い出させちまったってコトか……悪かったなァ」

フィアンマ「なんでそんな雰囲気になるんだ!?」

フィアンマ「き、去年はたまたまヴェントはインフルにかかってて、アックアは酒屋に行ってしまって、テッラはずっと礼拝してたから俺様だけになってしまっただけの話だ」

フィアンマ「だから別に可哀想じゃないからな!」

垣根「ほら見てよ。自分で自分フォローしてるよ、痛々しいじゃねぇか」

一方通行「だから悪かったって言ってンだろォが!」

フィアンマ「もういいや…………」



垣根「だけど、この経験談のおかげで何とかなりそうだな」

トナカイ「いや、まだあんた言ってないよな?」

垣根「何言ってんの!? せっかくこの湿ったノリで俺はスルーできると思ったのに」

垣根「お前頭おかしいだろ!!」

トナカイ「ふふふ、公平さは大事だろ」ニヤ

垣根「く、黒い」

一方通行「いや、黒いのも頭おかしいのもテメェだァ」

フィアンマ「さ、話して楽になるといい」

垣根「……仕方ねぇな。だが、お前らみたいにやべぇことがあった、とかじゃねぇからな」

一方通行「はいはい、泣いてやるから早く話せ」

垣根「別に泣けるはなしじゃねぇよ……」



垣根「スクールはぼっちの集まりみたいなもんで心理定規以外はクリぼっちだったわけ」

垣根「去年は心理定規も予定がないって言うからクリぼっち慰めの会でもやるかって話になり」

垣根「俺たち四人はクリスマスだってのにアジトに集まった」

垣根「んで、これでクリぼっちは回避だ、とか虚しいこと言ってワインで乾杯ーってな」

一方通行「また未成年飲酒かァ……」

垣根「心配するな。一杯しか飲んでない」

一方通行「飲ンだって事実だけで十分だァ!」

フィアンマ「普通にいいクリスマスだな」

垣根「お前が言うと重さが半端じゃねぇから少し黙ってくれ」

フィアンマ「……」

トナカイ「目線が怖いぞ!」



一方通行「と、とりあえず普通に友人とワイワイやるクリスマスだってわけだなァ?」

垣根「ワイワイじゃねぇ。粛々と、だ」

一方通行「……面倒くせェ」

フィアンマ「ははっ、普通が幸せだと言うだろう?」

一方通行「オマエ大丈夫かァ?」

トナカイ「少し放っておいてあげてくれ。クリぼっちの論文を書くのはフィアンマちゃんだから」

フィアンマ「う、たまたまだって言っているだろう!」

一方通行「はいはい。もう俺はその件には何も口を挟むつもりはねェから落ち着け」



トナカイ「傷を抉ったりしちまったみたいだけど、これで君たちなりのクリスマスに重要なことが見えてきたはず」

垣根「一方通行の話からはサプライズ性とプレゼント……みたいな?」

一方通行「フィアンマの話からは…………食べ物か」

フィアンマ「で、垣根の話からは傷を舐めあう仲間が必要だと痛感したな」

一方通行「いや、今回は別に傷があるわけじゃねェから、仲間ってだけでいいだろォ」

垣根「その仲間ってのは俺たちだけじゃダメなの?」

フィアンマ「さすがに男だらけはな……」

一方通行「じゃあ誰を呼ぶつもりだァ?」

フィアンマ「そうだな……」



フィアンマ「禁書目録を呼ぶのがいいと思う」

フィアンマ「食費は倍増するだろうがな」

垣根「あー、なら俺は番外個体が良いと思うけど?」

垣根「いつも一緒にいるわけだしな」

一方通行「それはねェな」

一方通行「ここでドンパチ始められても困る」

垣根「……ならお前は誰を呼ぶのがいいと思うんだ?」

一方通行「そォだな……あの長髪女とかはどォだ?」



垣根「佐天さんのことか」

一方通行「お前がさン付けだと!?」

垣根「いや、佐天さんはそれで一単語らしいからな」

一方通行「そ、そォか」

一方通行「なら、その佐天さンだァ」

フィアンマ「お前がさん付けだと!?」

一方通行「……しつけェな」

フィアンマ「少し悪ノリが過ぎたみたいだ。悪かったな」

一方通行「別に」

垣根「で、どうして佐天さんなんだ?」

一方通行「俺らと元々知り合いだしなァ」



垣根「ふーん? でもやっぱり番外個体の方がよくないか?」

垣根「気心が知れた相手だろうし」

フィアンマ「いや、同年代という意味でも禁書目録の方が気兼ねなく接することが出来ると思うぞ」

一方通行「いや、一歩引いた態度で見守るコトが出来るのは佐天さんだけじゃねェか?」

垣根「いや、番外個体じゃね?」

一方通行「佐天さんだな」

フィアンマ「禁書目録だろう?」

垣根「ちっ、埒があかねぇ」

フィアンマ「……トナカイくんはどう思う?」



トナカイ「俺の意見も取り入れてくれるってんなら言うけど、三人とも呼べばいいんじゃないか?」

トナカイ「誰も知らないしな」

一方通行「正論言ってる気がするが、格好がぶち壊しだなァ」

トナカイ「見た目や格好で人を馬鹿にするなって言ってたのはどこの誰だっけ!?」

一方通行「な、なぜお前がそれを!」

トナカイ「特権」

垣根「滞空回線かよ……」

フィアンマ「俺様は賛成だが」

垣根「なぜこのうるさい中で意見を述べられるんだよ……」

フィアンマ「お前、どっちにも突っ込んでいて、忙しいな」

垣根「責任の一端はお前にあるからな?」

フィアンマ「心配するな、自覚はある」

垣根「パクるな!!」

夜はここまでです。
明日は遂にクリスマスイブです……



フィアンマ「それで……三人とも呼ぶという考えにお前らは賛成か否か」

垣根「少し準備が面倒だろうけど反対する理由はねぇな」

一方通行「いいンじゃねェか? アイツ人見知りはしねェだろうし」

フィアンマ「決定だな」

垣根「じゃあ連絡しとくか」ポチポチ

トナカイ「じゃあ後は細かい所を詰めていくとしよう」

垣根「他のポイントは……」



一方通行「サプライズ性はこれで十分だァ」ユビサシ

トナカイ「ま、まあ、それが無難だよな」

垣根「全く無難じゃねぇよ」

一方通行「あと垣根が呼んでくれるであろうサンタか」

垣根「ああ、来れるって返信来てるし大丈夫だろうな」

フィアンマ「食事は垣根が作れるから……」

垣根「俺にかかる負担が重いな」

フィアンマ「気にするな。もしあれなら料理したことはないが、俺様が手伝ってやろう」

垣根「丁重にお断りさせていただきます」

フィアンマ「遠慮しなくていいんだがな」

垣根「いや、お前に手取り足取り教えてるヒマがあったら自分で作れるからな」

フィアンマ「結構家庭的なんだな」

垣根「黙って?」



トナカイ「食事は解決したみたいだし、後はプレゼントか」

垣根「え、俺の料理なの! 解決しちゃったんですか!?」

一方通行「いいじゃねェか。あのシスターのガキからも大絶賛だったらしいし」

垣根「ジャンルがちげぇよ……」

フィアンマ「次はプレゼントか……」

トナカイ「オススメは皆がプレゼントを持ち寄ってプレゼント交換をするってヤツだな」

垣根「あ、それ聞いたことあるな」

垣根「円になって音楽に合わせてプレゼントを回すってやつだろ? 誰からプレゼントが届くかわからないっていう」

トナカイ「そうそれ。小学校とかではよくやるらしいな」



垣根「そのことも連絡しておくか」ポチポチ

一方通行「ちょ、つまり俺たちもプレゼント準備するってコトかァ?」

フィアンマ「当たり前だろう」

垣根「ネットで頼めばいいだろ」

一方通行「ちっ、面倒だな」

垣根「確かに万人受けするプレゼントとなるとギャグに走れないな」

一方通行「そんな気はサラサラねェから心配するな」

フィアンマ「無難が一番だろ」

垣根「そうかね?」

トナカイ「君はネタ枠で問題ないと思うぜ」

垣根「アンタは俺の何を知ってるんだよ!」

トナカイ「俺は何でも知っている。君のことくらい知り尽くしているさ」

フィアンマ「…………」ニヤニヤ

垣根「何言ってんだ、こいつ?」



フィアンマ「会をはじめる時間はどうする?」

一方通行「午後からでいいンじゃねェか?」

垣根「お菓子食ってゲームでもして、で、プレゼント交換して、飯食ってケーキ食って、酒飲んでどんちゃん騒ぎして終わり……」

垣根「確かに午後からでいいだろうな」

垣根「午前からだと時間余りそうだし」

一方通行「サラッと酒入れるな」

フィアンマ「あまりに自然すぎたから気付かなかったぞ……」

トナカイ「いや、酒は無しだろ。子供もいるんだしな」

垣根「えー、酒出すから来てくれってサンタにメールしちゃったんだけど」

垣根「酒無しだとサンタ来てくれねぇぞ?」

トナカイ「そんなクズサンタ来なくても問題ねぇな。そこの白髪くんにサンタ役は任せればいいよ」

一方通行「ふざけンな!」



フィアンマ「……普通にサンタだけに酒を用意すればいいだろう?」

垣根「俺も飲みたい」

フィアンマ「俺様も我慢するんだから我慢しろ」

トナカイ「俺も我慢するから君も我慢するべきだな」

垣根「我慢を俺にも強制するなよ」

垣根「ってかサンタにあんな暴言吐いてたトナカイくんは飲みたがるなよ」

トナカイ「飲みたがるのと出さないと行かないって言うのは別でしょ」

垣根「ん……確かにそうか」

一方通行「じゃあ酒はサンタの分だけなァ」



垣根「ちっ、お前サンタだけには媚び売るのか」

一方通行「媚びなんて売ってねェよ。酒出すっていう契約をしちまったオマエの尻拭いだ」

垣根「とか言いながら、自分がサンタ役になるのを避けるための策でしかないんだよな」

一方通行「当たりめェだろォが! テメェのせいで恥かくわけにはいかねェ」


トナカイ「……サンタを諦めるって策がない所に打ち止めの期待を裏切りたくないって気持ちが現れてるな」

フィアンマ「わざわざ分かりきってることを言わなくてもいいだろ」

フィアンマ「本人も隠してるつもりなんだから」

トナカイ「あ、そうなんだ。まあ、約束を破らないヤツってのは嫌いじゃないぜ」

フィアンマ「ならサンタを呼んでやればいいのに」

トナカイ「俺が言った程度じゃあいつは来ねぇからていとくんに賭けるしかないだろうな」

夜中の投稿はここまでです。
クリスマスまでに終わらせてみせる


…………………………


一方通行「プレゼントって何がいいんだァ?」カタカタ

垣根「変なもんにするなよ? 俺が貰うかもしれないし、打ち止めが貰うかもしれねぇんだから」ポチポチ

一方通行「はァ、俺も足で探すべきだったかァ?」

垣根「そんなの知らねぇよ。俺はネットだけどな」ポチポチ

一方通行「あ? この前外出てなかったか?」

垣根「あー、あれは別件だ」

垣根「いい酒を探しに行っただけだな」

一方通行「それこそネットで買えばいいだろォが」

垣根「ふん、酒の味も分からねぇガキにあれこれ言われる筋合いはねぇよ」

垣根「安酒はネットでもいいけど、高くて旨い酒はやっぱ実物見ねぇと」

一方通行「そんなこと言う未成年は初めて見たな」

一方通行「っつーか、オマエが飲むわけじゃねェのに律儀だな」



垣根「あ!! そうだった!!」

垣根「ちっ、安酒ポチッとかねぇと」

一方通行「え、おい、サンタには安酒なのか?」

垣根「ああ。これは俺がわざわざ面倒な思いして買ってきたんだからな」

一方通行「面倒な思いだァ?」

垣根「店入ろうとしたらな…………」



垣根「久々に来たけど、親父、俺の事覚えてるかね……」

垣根「ま、忘れてたらまた一から説明して売ってもらえばいいか」スタスタ

垣根「最近は未成年飲酒に厳しいからなー」

ガシッ

垣根「あ?」クルッ

警備員「アンチスキルじゃん。君、今何しようとしてた?」

垣根(ちっ、めんどくせぇのに捕まっちまったな……)

垣根(ん……? この顔、どこかで……?)

垣根「……ただのバイトですよ」

警備員「おかしいな? 未成年はこういうお酒の店やホストクラブなどで働くのは禁じられてるじゃん」

警備員「犯罪とかに巻き込まれてからじゃ遅いからさっさと寮に帰るじゃん」

垣根「……」



垣根「えっと、俺未成年じゃないんですけど……」

警備員「あ、そうなの? ならコード調べさせてもらえるじゃんか?」

垣根(コード調べられたら年齢バレちまう……)

垣根(だからといって悪気のねぇ奴を殺すのは後味が悪いしな……)

垣根(さて、どうやって逃れるか?)

垣根「ちょっと待ってくださいね……あれ、ねぇな……」

垣根「家においてきたみたいです……」

警備員「そうじゃんか、なら未成年じゃないって証明もできないから帰るじゃん」

垣根「……はぁ、こっちが丁寧に対応してやったってのにそれか」コキコキ

警備員「お、やっと本性を出したじゃんね」ニッ



垣根(なんで笑ってんだよ……殺る気はねぇが、退かすつもりはあるんだけどな?)

垣根「こっちも手加減するの面倒だし、退いてくれるとありがてぇんだけど」

警備員「ふふっ」

垣根「はぁ、退く気なしかよ……ったく」

スタスタ

垣根「は? なんで近づいてくるんだよ」

警備員「あの時の垣根帝督、だったか? 一方通行とは仲良くしてくれてるじゃんか?」

垣根「っ、覚えてやがったのか」

警備員「流石に刺した相手を忘れたりはしないじゃんよー」

垣根「……」

警備員「あ、誤解するなよ? 別に恨んでるとかじゃないから」



垣根「相手が俺だって分かってたんならなんで退かねぇんだよ」

垣根「さっさと酒買いてぇのに」ケッ

垣根「また刺されんぞ」

警備員「いや、そんなこと無さそうじゃん。楽しそうな顔してたし」

垣根「……積極的に邪魔しようとしてるわけでもなさそうだな」

垣根「なら、買ってくるか」ブン

スタスタ  ガシ

警備員「ふふん」

垣根「あー、なんなんだよ。いちいち」ハァ


警備員「酒、買ってきてくれない?」

垣根「え?」

警備員「酒だよ、酒」

垣根「つまり奢れと?」

警備員「そうそう。見逃してやるんだからそれくらいしてくれてもいいじゃん」

垣根「……子供にたかる警備員ってなんだよ……」

警備員「仕事中の飲酒は規則違反だけど、未成年の飲酒も規則違反じゃん」

警備員「どちらも告発できる状態の方が気兼ねなく話せるじゃん」

垣根「それと奢ることは関係ねぇだろ……」

垣根「まあいいや、買ってきてやるよ」



一方通行「黄泉川じゃねェか」

垣根「そんな名前だったのか? 別にどうでもいいけど」

垣根「うまく丸め込まれて長話に付き合わされたぜ?」

一方通行「……アイツは子供たらしだからなァ」

垣根「俺も子供って言いてぇのか」

一方通行「落ち着けよ。アイツからしたらこの街の学生は皆子供だァ」

一方通行「で、続きはどォなンだ?」

垣根「それは言わねぇ約束だからな」

一方通行「気になるじゃねェか」

コンコン

垣根「あ、プレゼント届いたみてぇだな」

一方通行「話そらすな!」

午前はここまでです。

乙!



…………当日…………


トナカイ「うわー、随分飾り付けされてるな」ヒキ

一方通行「引きってオカシイだろォが」

一方通行「仮にもサンタに仕えるトナカイの身でクリスマスの飾り見て引くのはありえねェよ」

トナカイ「そ、そうなんだな」

フィアンマ「まあ、そう言ってやるな」

フィアンマ「こいつも打ち止めのためにって徹夜で準備してたんだからな」ボソ

トナカイ「え、ガチじゃん」

垣根「おかげで俺らも寝れず、ってな」クラッ

垣根「ほら見ろよ。あいつクマできてるぞ」ボソ

トナカイ「ホントだ」



一方通行「……何か言ったかァ?」

垣根「なんでもねぇよ」

トナカイ「それにしても勝手に病室をこんなにして良かったのか?」

フィアンマ「心配いらない。今回は俺様がしっかり許可取ってきたからな」

垣根「あ、そうなんだ」

フィアンマ「普段から外出許可とかも貰っている俺様は信頼が違うんだな」クスクス

垣根「外出許可とか貰ったことねぇや」

フィアンマ「それなのに外をほっつき歩くから体調を悪くするんだ」

垣根「自業自得だってのは知ってるから。別に構わねぇよ」

トナカイ「これまた豪快な……」



トナカイ「料理の方は?」

垣根「抜かりない。わざわざ昨日から作ってたからな」

垣根「温め直せばすぐに出せるぞ」

フィアンマ「へぇ、本当に作ったのか」

垣根「当たり前だ。与えられた仕事はこなすのが俺だからな」

垣根「ケーキとかお菓子とかは準備できてるんだろうな?」

フィアンマ「俺様がその程度できないわけが無いだろう? ケーキは冷蔵庫の中、お菓子は袋に詰めて棚の中に隠してある」

垣根「よし、棚の中な」スタスタ

フィアンマ「食べるなよ?」

垣根「分かってる。ただ、たけのこの村があるか確かめようかと」

フィアンマ「いや、きのこの谷しかない」

垣根「お、お前! きのこ派だったのか」ムカッ



トナカイ「……」

トナカイ(ということは大体の準備は整ってるってことか)

トナカイ(なら後はサンタが来る否かってとこだな)

一方通行「おい、オマエも突っ立ってねェで飾り付け手伝え」

トナカイ「あ、ああ」

トナカイ「……このツリーはどこから持ってきたんだ?」

一方通行「あー、その辺に生えていたヤツを少し拝借してきただけだァ」

トナカイ(それは拝借とは言わないんだぜ)コンワク

一方通行「ほら、この飾りその辺に飾れ」

トナカイ「はいはい」

一方通行「はい、は一回だ」

トナカイ(面倒くせぇよ……)



キュルキュル

垣根「お、サンタさん来たか?」

サンタ「ふう、何とか侵入できたか……」

サンタ「腰痛っ……」ポンポン

垣根「久しぶりだな!」

サンタ「ああ。垣根帝督だったか。酒は用意してるか?」

垣根「まあ、ある程度はな」

サンタ「よかったよかった……あのトナカイがどこか行ってたからここまで来るのは苦労した」

垣根「そりゃお疲れさんだな」

垣根「とりあえず水でも飲め」スッ

サンタ「ああ、ありがとうな」ゴクゴク



フィアンマ「なあ、どこか行ってたトナカイとはこのトナカイくんのことか?」ユビサシ

トナカイ「……」ビクッ

サンタ「あー、こんなとこにいたのか」

トナカイ「あはは、アンタがていとくんの言ってるサンタだとは思ってなかったよ」

トナカイ(酒を要求してるあたりで予想はできてたけど、本当に来るとは)

サンタ「ま、見つかったし良しとするか」

一方通行「……」ジ-

サンタ「ん? わしに何か用か?」

一方通行「いや、気になることがあっただけだァ」

サンタ「気になること?」



一方通行「髪生えてンだな」

サンタ「え、わしを何を間違えているんだ? サンタさんは普通髪の毛生えてるよね?」

フィアンマ「そんなことより黒髪なことの方が驚きだろう」

サンタ「あと60年位したら白髪になるから」

サンタ「まだ継いでから2,3年しか経ってないんだからそこはまだ勘弁して欲しい」

垣根「なるほど、まだ若いながら、本物のサンタになるため必死にあがいていると」

サンタ「ま、そんなところだな」

垣根「一人称がわしなのもその表れってことだな」

サンタ「……垣根、それは気にする必要はない」

一方通行「はァ、いつからここはこンなファンタジー空間になっちまったンだァ……」

垣根「お前が入院してきてからずっとだ」

一方通行「……いや、テメェが入院してからずっと、だろォな」



一方通行「にしても、なンで皆窓から入ってくるンだァ」

フィアンマ「俺様が知るわけ無いだろう」

一方通行「いや、窓から飛び降りたヤツが知らねェワケねェだろ」

フィアンマ「あれはただの気分だ。だから特に理由はない」

一方通行「普通は気分でもそんなことしようとはしねェよ」

フィアンマ「人間誰しも空を飛びたくなることってあるだろう?」

フィアンマ「そんな人間にとって窓ってのはそそられるものだ」

一方通行「狂気に満ちてるじゃねェか」

フィアンマ「そんなことないぞ。空も飛べないやつが飛び降りるのは自殺だが、飛べるやつが窓を使うのは当然の権利だ」

一方通行(話が合わないらしい。黙っておくかァ)



コンコン

垣根「ん? そろそろ来る頃か」

フィアンマ「時間だしな」

一方通行「やべェ、いろいろしまわねぇと!!」ガシャガチャ


ガララララッ

インデックス「この度はクリスマス会にお呼びいただき誠にありがとうございますだよ!」ダダダッ

佐天「い、インデックスちゃん! そんなに暴れるのはまずくない? 一応病院だし」

佐天「あ、失礼します」ペコ

打ち止め「こんにちはーってミサカはミサカは挨拶してみる」ペコ

番外個体「ちょ、今日黒夜と予定があったんだってばー!!」ズリリリ

垣根「お疲れさんだな。だが、もうここからは出さねぇぞ」ピシャリ

フィアンマ「皆でクリスマス会を楽しもうじゃないか」ニヤリ

一方通行「レッツパーリー!!!」

とりあえず一段落したのでここまで。
続きも今日中に投下したいです


………………………


インデックス「メシウマなんだよ!!」ガツガツ

一方通行「おいおい、食い過ぎじゃねェか」

インデックス「そんなこと気にしてたら無くなっちゃうんだよ」

垣根「それは女子がそんなことって一蹴しちゃ不味いやつじゃねぇか」

佐天「インデックスちゃんはそこがいいんじゃないですかー」ガツガツ

フィアンマ「お前もかなり食っているようだがな」

佐天「あとでダイエットしますから今日は食べまふおー!」

フィアンマ「口に物入れたまま話すな!」

垣根(まあ、そこまで美味しいと思ってくれているなら良しとするか)




打ち止め「ケーキ美味しいねってミサカはミサカは無難な感想を述べてみたりー」

番外個体「普通に美味いと思うけど」 

番外個体「ミサカあんまりクリームは好きじゃないんだけどこのショートケーキはくどくなくて食べやすいね」パクパク

フィアンマ「俺様のセンスに感謝するんだな」

番外個体「え、あんたが選んだの? まじか」

フィアンマ「ひどい反応だな」

佐天「ままっ、落ち込まないでくださいよ」

フィアンマ「……」チラ

佐天「な、何ですか?」

フィアンマ「……口にクリーム付いてるぞ」

佐天「ええっ!!」



番外個体「けけっ、はい、おしぼり」

番外個体「もう少し気を付けないと、か?」

佐天「あ、ありがとうございます!」フキフキ

打ち止め「意外だなーってミサカはミサカは驚きの目を向けてみたり」

番外個体「これでもまあ、お姉さんだし?」

インデックス「うまうまなんだよ!!」ガツガツ

打ち止め「インデックスちゃんはどうなのってミサカはミサカはたずねてみたり」

番外個体「……あれは放っておいた方が幸せなタイプじゃない?」

打ち止め「そっかーってミサカはミサカは頷いてみる」


……………………


垣根「それじゃあそろそろスペシャルゲストでも呼ぶか」

打ち止め「スペシャルゲスト!?」

佐天「スペシャルゲスト?」

インデックス「スペシャルゲストって誰?」

佐天「それを今から発表するんじゃないかな?」

インデックス「へぇ、誰が来るのかな。とうまとかかなー?」

佐天「とうま…………ああ、御坂さんの」

インデックス「ん?」

佐天「いや、何でもないよ」




ガララララッ

トナカイ「トナカイくんでーす」ドン

サンタ「サンタさんでーす」バン

垣根「うぉっ、マジもんのサンタかよ!!」ボウ

フィアンマ「ヤバイな! これはたまげた!」ボウ

インデックス「……サンタクロース」

打ち止め「うわー! 本物のサンタさんなのってミサカはミサカはたずねてみたり」

サンタ「あ、ああ。本物のサンタさんだ」

サンタ(あれ、反応薄いな)

トナカイ(俺に至っては誰からも見られてない……)

佐天(コスプレかな?)

一方通行(どォしたンだ?)



垣根「……えっと、次はみんなお待ちかね、プレゼント交換……だな」

トナカイ「……」シクシク

サンタ「……さ、サンタさんもプレゼント持ってきたぞ」

インデックス「……さっきはあえて言わなかったんだけど、サンタクロースって元は子供達の聖人であったある司教が元ネタなんだけど、あなたはその伝説を知ってるのかな?」

佐天「インデックスちゃん、その辺にしておこうよ。なんだか可哀想だし」

一方通行「お疲れ様としか言えねェな」

サンタ「ちゃんとしつけしておいてくれよ……」

フィアンマ「それはこの二階下に住んでる上条当麻に言ってくれ」

フィアンマ「俺様たちは関与してない」

サンタ「ふむ、今回はブラックサンタになるしかないらしい」キュルキュル スタッ

垣根「また飛び降りやがった……」



インデックス「さてと、良く分からないおじさんも居なくなったし早くプレゼント交換しよー?」

打ち止め「う、うん」

一方通行(えげつねェよ)

垣根(子供の純粋さとは時に人を深く傷つけることもあるんだな)

フィアンマ(やっぱり悪口は影でいってくれた方がありがたいのかもしれない)

番外個体(ミサカでも引くよ……ってかおチビも困惑してるじゃん)

佐天(じ、純粋なだけだよね?)

トナカイ(黙ってるのが得策か)

トナカイ(身を張って俺に方法を提示してくれてありがとな、サンタさん)

夜中の投稿はここまでです。



一方通行「……気を取直してプレゼント交換だァ」スッ

垣根「スルーしてやるなよ」

フィアンマ「この場合は変に触れない方がいいだろ」

垣根「そうだな。構わず進めてくれ」

一方通行「……まず丸く並んで…………」



打ち止め「プレゼントゲットだよってミサカはミサカは誰かのプレゼントを掲げてみたりー!」ガサガサ

打ち止め「お弁当箱セットかな? すごい、一式揃ってるよってミサカはミサカはあなたに自慢してみるー」

一方通行「いや、俺からのプレゼントじゃねェぞ」

打ち止め「えー? じゃあ誰かな?」

トナカイ「俺だ」スッ

フィアンマ「へぇ、思ったよりセンスいいな」

トナカイ「できるだけ皆にウケるものを考えただけだ」

トナカイ「これなら君らに回っても、何とかなるだろ?」チラ

垣根「そうだな。俺は料理はできるし」

一方通行「そ、そォだな」



垣根「じゃあ次は俺の番だな」ピラリ

インデックス「紙?」

インデックス(何かの礼装とかかな?)

番外個体「ぷぷっ、流石に紙とか酷すぎない?」

垣根「……内容を見ろ」パッ

『缶コーヒー三十箱』

フィアンマ「う、犯人分かったぞ」

一方通行「犯人って何だよ」

一方通行「わざわざ普通より三ランクくらい高ェの買ったンだからなァ?」

トナカイ「もしそれが打ち止めとかに回ってたらどうするつもりだったのやら」ハァ

一方通行「俺が飲ンでやる」

垣根「……紙が回ってきた奴は気をつけておけよ」ボソ



佐天「た、大変です……私も紙なんですけど」

インデックス「るいこ……」

番外個体「まあ、オツと言っておこうかね」

打ち止め「るいこちゃん……ってミサカはミサカは小声でお疲れ様って言ってみたり」

垣根「……開いてみたら案外悪くねぇかもよ」

佐天「ダメですよ、無駄な期待をさせないでください」ピラリ

『俺様と一日過ごせる券』

垣根(いらねー、肩たたき券かよ)

インデックス(回ってこなくて良かったんだよ……)

インデックス(神の救いがあらんことを……)

フィアンマ「ふむ、野郎には回らなかったか。よかったよかった」ホッ

番外個体(本人も賭けだったのか……)



トナカイ「俺は普通のプレゼントだったみてぇだ」ジャン

一方通行「紙はもういねぇのか?」

垣根「みてぇだな。俺はお前らとは違って手抜きじゃねぇんだよ」

インデックス「ん? ということはトナカイくんが持ってるプレゼントはてーとくのってこと?」

垣根「そういうこと。本当は女に回って欲しかったが仕方ねぇ」

トナカイ「……」ビリリッ

トナカイ「なになに……最新ゲーム機リアルバーチャルエクスペリエンス、略してRVE……だと?」

打ち止め「ええっ!! RVEなの!? サンタさんより凄いよってミサカはミサカは興奮してみたり」

一方通行「何だァ? それは」

佐天「バーチャルの世界を全身で体感できる新世代ゲーム機ですよ!!」

佐天「でもまだ発売してないのに……?」

垣根「知り合いに少し頼んでな。サクッと譲ってくれたぜ」

トナカイ「……あ、ありがとうな」

垣根「あと、学園都市以外のコンセントに挿すと爆発するから気をつけろよ」

トナカイ「使えねぇじゃん!!」

※その後、VREは打ち止めに譲渡された。



一方通行「次は俺だなァ」

打ち止め「あの人冷静を装ってはいるけど、本心ではすごいワクワクしてるみたい」ボソ

番外個体「だねぇ、くくっ、誰からのプレゼントかも分からないってのに」

垣根「嫌な予感……」

パカ ビリリリリリリ!

一方通行「っつ……」ピリピリ

一方通行「こンなコトするのは……」チラ

番外個体「にひひ」ピ-ス

インデックス「怖、怖いんだよ。超能力勢怖いんだよ」ブルブル

一方通行「で、物は……虹を作る機械……」

佐天「少し前に話題になってたあれですね」

フィアンマ「意外に乙女っぽいところもあるんだな」

トナカイ「ギャップを狙ったのか?」

番外個体「っ」ビリリリリリリ!

トナカイ・フィアンマ「……」ガクガク



インデックス「次は私が開けちゃおーっと」ビリリッ

一方通行「あー、その効果音はやめろォ……」

打ち止め「トラウマ形成しちゃってるよってミサカはミサカはあの人を哀れんでみたり」

インデックス「何かなー?」

トナカイ「スルースキル半端じゃないな」

インデックス「ら、ラーメン詰め合わせだよっ!!!」ババン

インデックス「ラーメンだよ!?」

番外個体「へー、それなら万人受けするかもね」

打ち止め「よかったねってミサカはミサカは親指を突き出してみたり」グッ

インデックス「うん! 家帰ったら食べようかな」

垣根「これは……お前か?」

佐天「あははっ、バレちゃいました?」

垣根「消去法だ。あの打ち止めが食べ物を持ってくるのは想像しづらいからな」

佐天「なるほど、確かにそうですね」



番外個体「さてと、次はミサカだね」

打ち止め「ふふふ」ニヤニヤ

番外個体(おチビからかー。何用意してたっけな?)

一方通行「アイツ分かりやすすぎンだろォが」

フィアンマ「ということは俺様は……」チラ

トナカイ「確定だな」

ビリリッ

番外個体「子供の、人生ゲーム?」

佐天「学園都市では珍しいボード型ゲームの一つで、最近子供を中心に人気沸騰中のアイテムですね」

番外個体「随分詳しいね」

佐天「持ってますし」

打ち止め「分かってるねー、るいこちゃんってミサカはミサカは小さく頷いてみたり」

佐天「当然だよー」

番外個体(最近の流行りにはついてけないよ)



フィアンマ「最後は俺様か」

インデックス「あんまり期待してないんだね?」

フィアンマ「そりゃシスターのプレゼントなんてたかがしれてるだろう?」

フィアンマ「聖書だとかクロスのネックレスだとかな」

インデックス「ふふ、それは普通のシスターさんなんだけど」

インデックス「私の場合は違うからね」

フィアンマ「ふん……開ければわかることだ」パカ

トナカイ(ツンデレかよ)

一方通行(引け目みてェなモンを感じてるだけだろ)

フィアンマ「んなっ!!」

フィアンマ「め、めぐねえのフィギュアだと!?」

インデックス「ふふふ、もとはるの占いでプレゼントがあなたに渡るって分かったからわざわざ用意したんだよ」

フィアンマ(いや、あいつに魔術使わせたとかありえないぞ……あれ? ただの占いか)



フィアンマ「ふ、ふん」

フィアンマ「俺様としては自動書記の遠隔制御礼装が良かったなーなんて思ったりな」

インデックス「む、人を何だと思ってるのかな?」

フィアンマ「禁書目録」

インデックス「うう、やっぱりコイツと仲良くするなんて無理だよ、とうまー!」

フィアンマ「ちょ、な、泣くな!」チラチラ

フィアンマ「俺様に刺さる視線が痛いから!」

佐天「インデックスちゃん!?」

打ち止め「女の子泣かせるのはダメだよってミサカはミサカはフィアンマくんを叱ってみたり」

番外個体「いい気味じゃん」

垣根「今の内に飯片しておくか」スタスタ

一方通行「俺は知らねェぞ」

フィアンマ「ひ、非情過ぎる!!」

午前はここまでです。



~~~クリスマス・上条の病室~~~


上条「くそっ!!」カリカリカリカリ

土御門「今までコツコツやってこなかったツケが回ってきたんだにゃー」ズズッ

上条「人の病室でゆっくりお茶飲むな!」

土御門「八つ当たりはカミやんらしくないぜよ、な?」

海原「そうですよ。あなたらしくない」

上条「ってなぜお前がいるんだ、しかも土御門の知り合いっぽくなってるんだ?」

海原「あはは」

土御門「まあ、今の質問には答えられないにゃー」

土御門「強いて言うなら共通のご趣味を通じて、みたいな?」

上条「結婚式みたいだな」

土御門「いやいや、俺はコイツとなんてごめんだぜい……」



海原「ふぅ、彼女にも出すんですよね、年賀状?」ズズ

上条「待って、彼女って…………」

海原「……」ニッコリ

上条「えっと、出す。出すぞ」

海原「それは良かった」ズズ

上条(なんでこの二人が俺の部屋に…………)

上条「ついでに俺にもお茶を出してくれないか?」

海原「書き終わってからに決まってるじゃないですか」ニッコリ

土御門「そうだな。こぼしたりしたら今までの努力が水の泡、だにゃー」



上条「不幸すぎるけど絶対そうなる気がしてきた」

土御門「カミやんは不幸だからにゃー」

上条「知ってるから言わないで!!」

海原「自覚ありでしたか」オドロキ


土御門「ところでカミやんは誰に年賀状書いてるんだ?」

上条「知り合いにはまあ、一通りな」カリカリ

海原「え? それだけの人数の年賀状を全て手で書いてるんですか?」

上条「それだけの人数って言っても大したことないけどな」

海原(上条勢力全体に送っているとしたら百は軽く超えるだろう……)

海原(皆あけおめメールで済ませてしまうような時代に、仮に年賀状を送るとしてもパソコンで作成するこの時代にそれだけの数の年賀状を手で書く……)

海原(しかも元旦に間に合わせるつもりとのことだから今日中に書き終わらせるつもりらしい)

海原(確かに彼の右手は常識では語れないのですね)

土御門「おーい、海原? 帰ってこいー」



上条「ってかさ、なぜここにいるんでせうか?」カリカリ

上条「見られてると集中できないんだよね」

土御門「いや、本当は一方通行の見舞いでも行こうかなーっと思って来たんだが」

海原「病室の大掃除でしょうかね? そんな感じのことをやっていたので入りづらかったんですよ」

上条「なら大人しく帰ってくれよ!」

土御門「そうはいかないぜよ!!」

上条「なんで!!」

海原「すみません。一方通行さんに伝えたいことがありまして、帰る訳にはいかないんですよ」

上条「なら待合室とかもあるからそこをご利用ください!!」

土御門「そんなことより早く年賀状書かなくていいのか?」

上条「……話逸らしやがって」カリカリ



上条「これで海外組は大丈夫かな」

土御門「どれどれ……」スッ

上条「勝手に見ないでくれよー」

海原「あ、僕は御坂さん宛てのやつ以外は見ないんで安心してください」

上条「こいつらの常識少しおかしくないか?」

土御門「失礼な。英語のチェックしかしてないぜよ」

上条「え、そうなの?」

土御門「流石に内容を見るほど常識外れじゃないぜい」

上条「何かミスあったか?」

土御門「ミスだらけだにゃー」ニンマリ

海原(土御門さん……ガッツリ内容見てたなー。後で聞こう)



上条「うう、自分の英語力の無さが身に染みる」

土御門「にしても本当カミやんは知り合いが多いにゃー」

上条「これでも海外勢だけなんだけどね」

海原「ようやく書き終えたみたいですね……寝てましたよ」ファア

上条「……御坂のはまだ書いてないからな」

海原「ええ!!」

土御門「修正に時間がかかってな」

海原「そうですか……」

海原「では何とか海外勢を書き終えたあなたにハッピーニュースです」ファア

上条「?」



海原「十字教の勢力圏では年賀状はクリスマスカードと兼ねて出すことが一般的です」

海原「ですから今から出しても少し遅いと思われるかもしれません」

土御門「……」

上条「な、な!?」

海原「それに今から出しても海外への発送ですよ?」

海原「どう考えても元旦までには届きませんよね」

上条「くそ……やめてくれ」

土御門「あえて言わないようにしてたのに……」

海原「さくっと絶望してもらったところで日本勢への年賀状に移ってもらいましょうか」

上条「せめてもう少し早く言ってくれれば」

土御門「うむむ、そこは悪かったぜよ」



海原「じゃあ、お詫びに住所書きでも手伝いますよ」

土御門「下心が見えてるぜい」

海原「滅相もない。とりあえず常盤台の皆さまは自分が担当させていただきますね」

上条「……いや、嫌な予感がするから自分でやるよ」

海原「遠慮せずに!! 白井さんだけでもいいので!!」

上条「もうこいつヤダ」

土御門「……」

上条「土御門、黙ってないで止めてくれないか?」

土御門「どうでもいいけど、明日までもう時間無いぜい?」スッ pm9:00

上条「ああああああああああああああ!!!!!!!」

時間を合わせていきます。
とりあえず一区切り。


…………………
…………
……


垣根「って感じのクリスマス会してたってこと」

心理定規「それなら仕方ないわね」

心理定規「とか言うとでも思ったかしら?」

垣根「う、すまねぇ……」

心理定規「別にいいのよ。ただ先に約束してたってだけだし」

心理定規「きっと彼氏彼女の関係になってたら優先してもらえたんでしょうけど」

垣根「彼氏彼女ねぇ……」

垣根「どこを見てもそればっかでホント引きこもりたくなるな」

心理定規「それ、リア充爆発しろってやつよね」

垣根「そんな感じだ。実際そこまで明確な敵意を持ってのことじゃないけどな」



心理定規「にしても寒いわね」

垣根「そんな時に呼び出したのはお前じゃねぇか」

心理定規「それもそうね」コツン

垣根「なんだよ、寄りかかって」

垣根「甘えたい年頃、みたいなやつか?」

心理定規「精神年齢はもう大人よ」ムッ

垣根「いや、そんなことねぇだろ。俺に言わせればお前は子供だよ」

心理定規「失礼ね」

垣根「失礼で結構。それが帝督くんクオリティだからな」

心理定規「帝督くんって何よ、ていとくんでしょう?」

垣根「俺は帝督であって、ていとって名前じゃねーし」

心理定規「……あなたの方が子供じゃない」

垣根「知らねーよ」



心理定規「あ、そうだ」

心理定規「今日はクリスマスだからプレゼント買ってきたんだけど、いる?」ゴソゴソ

垣根「実は俺も持ってきてたんだよなー」ニヒヒ

心理定規「缶コーヒー三十箱とかじゃないわよね」ウッ

垣根「飲まないとは言えども、人に回したりはしねぇよ。一応一方通行からのプレゼントなわけだしな」

心理定規「へぇ、じゃあ何を買ってきたの?」

垣根「開けるまでの楽しみってな」ホイ

心理定規「じゃあ私も」サッ



垣根「何かなー、何かなー?」

垣根「一方通行からのプレゼントがロクなもんじゃなかっただけに期待値がやべぇな」

心理定規「そんなに期待されても困るんだけど?」

垣根「さてさてー?」ビリリッ

垣根「お、マフラーか!」バサッ

心理定規「どうよ?」

垣根「結構厚手だな……」

垣根「何? もしかして俺がマフラー無くしたわって言ったの覚えてたの?」

心理定規「当たり前じゃない。女子力の塊だしね」



垣根「ふーん」

心理定規「なによ、その気の無い返事は」

垣根「いや、女子力の塊なら俺が料理作らされているのを察してヘルプに来てくれても良かったんじゃねぇかとな」

心理定規「私、テレパシー系の能力者じゃないんだけど……?」

垣根「そこは何とか女子力で、ビビッとな?」

心理定規「女子力にそこまで求めるのは酷な話よ」

垣根「えー、マジかよ……」ブー

心理定規「でも、まあ、言ってくれたら手伝っても良かったんだけどね」

垣根「のあっ、ヘマした……」シュン

垣根「言えばよかったわ……」



心理定規「それじゃあ私も開けちゃおうかな」ピリリ

垣根「うう、どーぞ」

心理定規「靴下とブランケット!」

垣根「おう。もこもこなやつだぜ」

心理定規「……」モコモコモコモコ

垣根「ま、それ履いて、肩にでもかけて風邪ひかないよう気をつけろってこった」

心理定規「ありがと。大切にするわね」

垣根「おいおい、大切にするって言って使わねぇってのはなしだぞ?」

心理定規「分かってるわよ。擦り切れるまで使うわ」

垣根「擦り切れる前に新しいの買ってやるよ」

心理定規「ふふっ、それはいいわね」



心理定規「っ、雪?」

垣根「みたいだな……」

垣根「はぁ、仕方ねぇ。今日はここまでな」

心理定規「そうね。大雪降るって予報だったし」クルッ

垣根「あれ? お前傘ないの?」

心理定規「そうよ。でも走って帰れば……」

垣根「折りたたみ傘あるぜ」サッ

垣根「送ってやろうか?」ニヒヒ

心理定規「病院抜け出してる人にそんな手間かけさせられないわよ」

垣根「……レベル5が舐められたもんだな」パサッ

垣根「方向も真逆ってわけじゃねぇんだし、一応同じスクールの仲間なんだから頼ってくれていいんだぜ?」スッ

心理定規「はぁ、じゃあお言葉に甘えて」グッ



垣根「近っ、近くねぇか?」

心理定規「折りたたみ傘だから仕方ないんじゃないかしら」

垣根「あ、それもそうだな」

垣根「じゃねぇよ、ケチつけるなら入らなけりゃいいだろ」

心理定規「入れてやろうかって言ったのはあなたでしょう」

垣根「いや、俺は送ってやろうかとしか言ってないしー」

垣根「流石にこの暗い中お前一人で帰らせるのは心配だろ?」

垣根「だから良心で送ってやろうと提案しただけだ」

心理定規「ふふっ、お気遣い感謝するわ」グイッ

垣根「近っ」



心理定規「私のことを心配してくれてるのよね」

垣根「そ、そうだけど、それにおんぶにだっこってのはお前らしくないだろ」

心理定規「いいのいいの。私も甘えたい時があるのよ」

垣根「あっそ」フイッ

心理定規「ほら、雪が強くなってきたわよ。もっとくっつかないと」

心理定規「あなた肩でてるわよ」

垣根「お前が押し出したんだろ……」

心理定規「じゃあ押し返しちゃえばいいじゃない」

垣根「俺が本気で押し返したらお前は吹っ飛んでくからやめとく」

心理定規「え!? 本気は出さないでね」



垣根「にしても、どこ歩いてもリア充ばっかってどういうことだよ」

垣根「もう性の六時間は終わったはずなのにな」ハァ

心理定規「私達も傍から見たらあなたの憎んでいるカップルじゃないかしら」

垣根「いやー、そりゃねぇわ。だって俺は見た目ホストらしいからな」ケッ

心理定規「あら、そう言われるの気にしてたんだ」

垣根「いや、確かにそう見られる効果を狙っての格好だけども必要以上に効果発揮されても落ち込むよなって話」

垣根「別にだからどうしたってわけじゃねぇがな」

心理定規「平気よ」

心理定規「あなたと話せば分かってくれるわ」

垣根「何が分かるんだよ」

心理定規「あなたの馬鹿さ加減?」

垣根「真面目に聞いた俺が馬鹿だった!!」



心理定規「違うわよ。頭脳の良し悪しを言ったわけじゃないわ」

垣根「じゃあなんだよ」ム

心理定規「別にそんなに怖くないじゃん、みたいな?」

心理定規「もちろんミスった時の静かな怒りはスクール内でも話題になるくらい怖いけどね」

垣根「……そりゃ仕方ねぇな」

垣根「ミスった部下は無駄死にはさせねぇようきゅうを据えないと」

垣根「それに俺の威厳も保たねぇと、チームがまとまらねぇからな」

心理定規「流石リーダーね。私だったらそんな面倒なことやってられないわ」

垣根「俺はお前と違って精神面を掌握するすべはねぇからな。普通にやるしかなかっただけだ」

垣根「っと、もうそろそろか」



心理定規「ありがとうね、こんなとこまで」

垣根「別に構わねぇよ。第二位が側にいれば襲ってくるような馬鹿も居ねぇだろうしな」

心理定規「……」

垣根「そんなにまじまじと見てどうした?」

心理定規「あがってかない? 肩に雪積もってるわよ」

垣根「あ、ホントだ」パッパッ

垣根「でも、そういう事は好きなヤツに言いな」クルッ

心理定規「……」

心理定規「好きでもない男をクリスマスに呼び出すほど私は落ちぶれてないわよ」ボソ

垣根「あ? 何か言ったか?」

心理定規「何でもないわ」



垣根「ふーん、まあいいや」

心理定規「また暇があったら遊びに行くから、風邪とかひかないでね」

垣根「お前に心配されるほどヤワじゃ、ぶえっく!!」

心理定規「……やっぱりあがってく?」

垣根「…………」フイッ

心理定規「決定ね」

垣根「タオル借りるだけだからな」

心理定規「はいはい。コーヒーはダメだったわよね」

垣根「タオル借りるだけだからな!」

締まりがない感じですがこれでクリスマスはおしまいです。
寝落ちしてたので遅刻してしまいました……



垣根「そろそろ年末だな」

垣根「つまり、今年も終わりってことだ」

フィアンマ「思えば色々あったな」

一方通行「突然なンでそンな話を開始するンだァ?」

垣根「なんでって言われてもな……年末って振り返りたくなるもんだろ」

フィアンマ「今年の良くなかったことを振り返ることによって新年をすっきりした気持ちで迎えることができる、ということを聞いたことがあるな」

垣根「そうそう。反省することによって来年はより良くなるわけだ」

一方通行「オマエはより良くなってねェだろ」

垣根「そんなのお前が知ってるわけねぇだろ。ふふふ」

フィアンマ「……」

一方通行「……」

垣根「まさかの無視かよ」



フィアンマ「と、いうことで今年の反省すべき点を一人三つずつ話してもらおうと思う」

垣根「突っ込んでやるよ」

一方通行「めんどくせェ……」

一方通行「つーか二人で勝手にやってればいいだろォが。俺を巻き込むンじゃねェ」

垣根「早速出たか……」

フィアンマ「だな」

一方通行「あ? なンだ?」



フィアンマ「一方通行の今年の反省、一つ目は露骨な一匹狼アピールだな」

垣根「だな」

一方通行「おィ! 何勝手に始めてンだ!!」

垣根「俺たちがノリノリだってのに一人だけそんな事やらねぇアピールをして冷水をぶっかけ」

フィアンマ「結局は参加するっていう」

垣根「本当はやりたくて仕方がないのに変なプライドがそれを言う事を邪魔する」

垣根「だからそこまで言うなら仕方ねぇな、みたいなことしか言えねぇ」

垣根「と、まあこんなとこか」

一方通行「なっ、どォしてそンな妄想を垂れ流すことができンだ……?」

フィアンマ「ま、反省すればいいだけだからそう重く捉える必要はないと思うぞ」

一方通行「勝手に話を進めンな!」



垣根「なんだよ……文句があるんなら自分で自分の反省点語れよ」ムッ

一方通行「ちっ、分かった」

一方通行「自分で反省点探すから黙れ」

フィアンマ「やれやれ、そこまでいうなら仕方ねぇな、の典型だな」

垣根「おいフィアンマ、こいつも自覚してるだろうし黙ってやろうぜ」

フィアンマ「譲歩ってことだな。分かった」

一方通行「どいつもこいつも面倒ごと持ってきやがって……」ブツブツ

一方通行(俺が反省すべき点かァ……)

垣根(仕方ねぇなアピールが凄すぎる……)



一方通行「あ」

垣根「思いついたか?」

一方通行「あァ、まずは一つ目だァ」

フィアンマ「……」ゴクリ

一方通行「追跡癖がついたコトだなァ」

垣根「追跡癖?」

一方通行「お前らも心当たりあるだろォが」

垣根「あ……」

フィアンマ「……ないといえば嘘になるな」

一方通行「かなり追跡してンだろ?」

垣根「あれはストーk」

一方通行「あくまで追跡だァ」



フィアンマ「でも、確かに誰かのあとを付ける時はお前が必ずいた……よな?」

垣根「確かにいたな。めんどくせぇみたいなオーラ全開だったけど周りに気を配ったり怪しさを減らす努力は怠らなかったな」

フィアンマ「つまり乗り気だったってことか」

垣根「ストーカー癖っつってたもんな。癖になっちゃってんだ」ニシシ

一方通行「追跡だって言ってンだろォが」

垣根「怖くねぇ怖くねぇよ。まるで子供が駄々をこねてるかのようだ」

一方通行「……話にならねェ」

フィアンマ「……まあ、しっかり反省すればいいじゃないか」

フィアンマ「そしてもうあとを付けないと誓えば……」ウンウン

一方通行「いや、ちげェよ」

フィアンマ「え?」



一方通行「反省は確かにしてるが、俺が反省してるのはやる気が無さそうに見せる努力を怠ったことだァ」

垣根「いや、そこは安心してくれて構わねぇよ。すごくやる気無さそうだったから」

フィアンマ「これ以上やる気なく見えたら俺様たちももう誘わないからさ」

一方通行「そォか? ならいいンだがなァ」

垣根「次は?」

一方通行「次?」

垣根「次の反省は? 残り二つあるぞ?」

一方通行「いや、俺にはこれ以上反省すべき点はねェよ」

フィアンマ「きましたー、一方通行くんの反省すべき点二つ目」

垣根「さりげない自信、俺に勝ったからって自信つけてんじゃねぇよ!」

一方通行「だァ、考えればイインだろォ!!」

フィアンマ「最初から考えればいいものを……」

垣根「自分の首を自分で絞めたいお年頃なんだろうよ」

一方通行「ンな年頃なンてねェよ!!」



一方通行(俺の悪い点……一番は絶対能力進化計画……)

一方通行(それによる10031人にのぼる妹達の虐殺か……)

垣根「あ、そうそう絶対能力進化計画のこととかはやめろよ?」

垣根「すごい重い空気になるし、ここで反省した程度で償える事じゃねぇのはお前が一番わかってるはずだ」

一方通行「……当たり前だァ。それを言おうとは欠片ほども思っちゃいねェ」

垣根「ならいいんだけどな」

フィアンマ「垣根」

垣根「ん?」

フィアンマ「もう既にとても重い空気だ」

垣根「ああ、それはすまねぇな」

垣根「ま、ここから一方通行が挽回してくれるんじゃねぇの?」

フィアンマ「そうか」

一方通行(無駄な期待が肩にのしかかってきやがる……重っ)



一方通行(他に悪い点、反省すべき点……)

一方通行(思いつかねェ)


ピロリン

垣根「お、忘年会のお知らせか……」ポチポチ

垣根「行けるぜ(*´∀`*) っと」ポチポチ

フィアンマ「その顔文字はないだろ……」

垣根「なっ、勝手に見てんじゃねぇよ!!」バッ

フィアンマ「あ、プライバシーだな。すまない」

フィアンマ「というか……また抜け出す気か?」

垣根「まあな。俺は窓から出れるし」



フィアンマ「体調は大丈夫なのか?」

垣根「それは整えておけばノープロ」

フィアンマ「ノープロ、ね」

一方通行「おィ、俺が考えてる時に何してンだよ」

垣根「メール」

一方通行「答えろなンて言ってねェよ!!」

垣根「んだよ、カリカリしやがって」

一方通行「思いつかねェンだよ、反省すべき点」

フィアンマ「いや、それはない」

フィアンマ「胸に手を当てて考えてみるべきだぞ」



一方通行「はァ……」ムネニテヲアテ

垣根「おい、本当に胸に手を当ててんじゃん」ボソ

フィアンマ「……そんな素直に人のアドバイスを受け止めるタイプじゃないだろうに」ボソ

垣根「限界まで追い詰められると行動が単純になるらしいぜ。あいつ曰く、な」


一方通行「おォ!!」

垣根「本当に思いついたのかよ」

一方通行「出番だァ!!」

フィアンマ「出番?」

垣根「おい……」



一方通行「そォだ。俺はスレタイに出てるってのに出番が意外と少ねェンだよ」

垣根「メタ発言かよ」

フィアンマ「そんなの自分で出番を作ろうと努力しないのがいけないんだろ」

垣根「ガチのアドバイスするの? してやるノリなの?」

フィアンマ「だろうな。結構本気っぽい顔してるし」

フィアンマ「それに、恐らく一番出番が多いであろうお前のアドバイスは役に立つはずだ」

一方通行「さあ、早く言え」

垣根「怨念こもってるじゃねぇか!!」

フィアンマ「それは…………確かに睨んでるな」

垣根「おいおい、年下にガン飛ばされるなんて一生の恥なんだけど」



フィアンマ「なら早く言えばいい」

垣根「お前が出番増やす秘訣を聞きたいだけだよな」

フィアンマ「そうだが?」

垣根「開き直るなよ……」

一方通行「……」ギロ

垣根「あー、分かったからそんなに睨むな」

垣根「アドバイスか……女作ればいいんじゃねぇか?」

垣根「打ち止めみたいなロリ枠じゃなくてな」

垣根「他には道化に甘んじるとか」

垣根「つまり、お前には無理だ」

一方通行「……そォか。納得したァ」

垣根「あれ? 激怒するかと思ったけど予想外だな」

一方通行「いや、オマエがそういう理由で出番が多いのだとしたら、俺はわざわざプライドズタズタにしてまで出番増やす必要ねェなって思っただけだァ」





垣根「あれ、なんだか心が痛いよ」

フィアンマ「まあ、なんだ。一方通行も成長したんだろうよ」





垣根「ふう、気を取直して三つ目はねぇの?」

一方通行「もうねェな」

フィアンマ「無くても絞りだせ。三つ挙げるのがこの反省会のルールだ」

一方通行「面倒くせェルールつけやがって……」

一方通行「俺にやらせたンだからオマエらもやれよ?」

垣根「もう思いついてるから問題ねぇよ」

フィアンマ「同じく」

一方通行「そォか……確かにテメェらはキリねェからな」

垣根「いやいやー、客観的に見てみると反省すべき点って誰でもあるぜ?」

一方通行「いや、主観入ってンだろ」

垣根「と思うだろ? フィアンマに聞いたから間違いなく客観的なはずだ」

フィアンマ「同じくな」



一方通行「やる気満々だったワケかァ?」

垣根「当たり前だ。やる時はとことんやる、が俺の信条だからな」

フィアンマ「さ、三つ目を頼むぞ」ニコニコ

一方通行(すげェ純粋な笑顔じゃねェか……これは期待を裏切ることは出来ねェ)

一方通行「えっと、そォだな……リハビリに本気出さなかったことかァ?」

フィアンマ「なんだ、すぐ出るじゃないか」

垣根「な、そんなに簡単に出てくるんなら最初からだせよ」

一方通行(こンな簡単なコトで良かったのかよォ)

垣根「とりあえずこのことは第三位に連絡だな」

フィアンマ「だな。なかなか一方通行のリハビリが進まないって悩んでいたからな」

一方通行「おィ、これは他言無用な感じじゃねェのか?」

垣根「ふふ、いつそんなこと言ったよ」

垣根「こんな反省会、お前の普段見れねぇ姿を……これに収めるために決まってるだろ!!」カメラ



一方通行「つまり嵌められたってことかァ?」

フィアンマ「安心しろ。俺様達の懺悔も聞かせてやるからな」

垣根「え、マジかよ」

フィアンマ「さすがに一方通行だけに言わせるのはアンフェアだろう?」

垣根「……それもそうか。んじゃあ先やっててくれ」

垣根「俺は打ち止めにこの映像送信するから」ポチポチ

フィアンマ「了解だ」

一方通行「おい、テメ、本気かァ?」

垣根「おう。もう送った」

一方通行「ふざけンなあああああああああああ!!!!!」



フィアンマ「一方通行が暴走している隙に俺様の懺悔タイムだ」

フィアンマ「本来人に聞かせるものでもないがな」

垣根「はあ、打ち止めに代理演算ボッシュート頼んどいてよかった……」

フィアンマ「あ、手をまわしておいたのか」

垣根「当たり前だろ。あいつが本気で暴走したらこの病院ごとチリだぜ?」

フィアンマ「なるほど、それはまずいな」

垣根「んじゃ発表といこうか?」

フィアンマ「そうだな」



フィアンマ「……我が主よ、俺様の懺悔を聞き届けたまえ」

垣根「お、本格的な感じだな」

フィアンマ「俺様は変な口癖を多用し、皆が分からない話題を頻繁にし、リハビリをサボってしまった」

垣根「お前もかよ! もうこの二人には手の施しようがないな」

フィアンマ「ちなみにどれも直す気はない」

垣根「懺悔の意味いっぺん調べてこい」

垣根「なあ、これは俺に突っ込んで欲しかったってことだよな?」

フィアンマ「そんなわけないだろう。むしろ俺様の懺悔タイムを邪魔するなって気分だ」

垣根「……きっとこれが十字教式懺悔なんだろう。そうに違いない」

フィアンマ「誤解するな。これはあくまで俺様考案の俺様式だ」

垣根「最初の我が主よ、みたいなやつもか?」

フィアンマ「ああ。イメージだ」

垣根「そっか」

垣根(ツッコミきれねぇよ)



一方通行「がはっ!!」

垣根「お、復活か」

一方通行「おい、ソイツの反省は終わったのか?」

垣根「……反省って言ってもいいのかは分からねぇが」

垣根「まあ、聞かない方がいいと思うけどな。フィアンマのイメージが崩壊する」

フィアンマ「イメージが崩壊する? そこまでひどい内容は避けたつもりだったが」

垣根「もういろいろとおかしかったから」

一方通行「ああ、もォいい。大体予想はついた」

垣根「それは説明の手間が省けてありがたい」

フィアンマ(せっかく十字教もどきの懺悔を見せてやったというのに……)



一方通行「オマエはやったのか?」

垣根「これからだ」

一方通行「そォか、それは良かった」ニヤリ

フィアンマ「俺様のも聞きたいならもういちどやってもいいが?」

一方通行「別にいらねェよ」

フィアンマ「……」シュン

垣根「男のショック受けてる姿とか誰得だよ」

一方通行「アイツはどォでもいいからテメェのことさっさと話せ」

垣根「いや、さすがに突っ込んですらもらえないのはな?」

一方通行「オマエにそンな気遣い求めてねェよ」

垣根「……確かに」



垣根「それじゃあ俺の反省点を挙げるとしようか」

一方通行「手短にな。俺もオマエにたくさん突っ込みを送ってやる」

フィアンマ「好かれてるな」

垣根「どこを聞いてそう思ったのか問いたい気分だけど、ここは堪えて反省タイムだ」

コンコン

フィアンマ「あ、やっとカタログ届いたか」スック

ピロリン

一方通行「あ? メールか」ポチ

一方通行「件名、忘年会のお知らせと家の大掃除強制参加じゃん! だァ?」

一方通行「勝手にやってろォ……っと。めんどくせェな」ポチポチ

垣根「聞く気ないだろ」



一方通行「ああ、すまねェ」

一方通行「もォ済ンだから気にするな」

垣根「気にするなって俺のセリフじゃないか?」

垣根「まあいいや」

垣根「反省点一、少しうざいと思われるほどのヴェントさん推し」

一方通行「ああ、確かにあれはウゼェな」

垣根「フィアンマに言われたんだけどな」

フィアンマ「いや、それは俺様が帰ってきたぞーに文句つけられたから言い返しただけなんだが」パラパラ

一方通行「やっぱり俺様がなンたらってヤツは反省点入りしてたンだなァ」

垣根「当たり前だな」

一方通行「二つ目は?」



垣根「埼玉推し」

垣根「これもフィアンマに言われた」

一方通行「……ヴェントさン推しよりはインパクトねェな」

垣根「埼玉推しのなにが悪いのか俺には見当がつかないんだけどな」

フィアンマ「これは純粋にそう感じただけだ」ピラピラ

一方通行「埼玉くらいは許してやってくれ」

垣根「ヴェントさんもよくね?」

一方通行「少し黙れ」

一方通行「俺様がなンたらってのはもう文句言わねェから」

フィアンマ「……そうだな、それなら許そう」パラパラ

垣根「なんでお前の許可が必要なんだよ」

フィアンマ「なんでも」ペラペラ

垣根「説明しようという意志が感じられない回答だな」



垣根「最後の反省点は……」

垣根「無茶が過ぎるとこだってさ」

垣根「by心理定規」

一方通行「三つとも他人から聞いた事かよ」

垣根「だから言ったろ? 自分では見つからなくても他人に聞けばわかるもんだって」

垣根「俺は見つからなかったから聞いただけってこと」

フィアンマ「まあ、気に食わないことを言われる可能性もあるがな」

一方通行「オマエは根に持ってるな……」

フィアンマ「俺様のアイデンティティーだからな」

一方通行「いや、オマエはアイデンティティーなんて腐るほど持ってるから気にすることねェよ」



垣根「なあ、俺の反省点三に突っ込みはないのか?」

一方通行「…………」

フィアンマ「……」

垣根「また無視かよ!!!!」

今日はここまでです。

少しペース落とそうかな……


無理せずに頑張って

おつ



………とあるすき焼き店………


垣根「よう」

土御門「なあ、質問いいか?」

垣根「ああ。ガンガン来いよ」

土御門「なぜここにいる?」

垣根「そりゃ……忘年会だから?」

垣根「あ、そっちじゃないか」

垣根「病院も年末だからかドタバタしててな」

垣根「そのスキをついて出てきたわけだけど?」

土御門「……じゃあ聞き方を変える」

土御門「なぜスクールがここにいる?」

垣根「それこそ忘年会だからだろ?」



心理定規「だから彼のオススメはやめておこうって言ったのに」ハァ

垣根「いやだって忘年会とかにも最適だにゃーとか言ってたし」

垣根「予約も前からしてたからな」

結標「はぁ……そんなこと言ってたのね」

海原「あー、つまりこっちにも責任があるってことじゃないですか」ハァ

土御門「あからさまにため息つくなよ……」

土御門「俺だって反省してる……忘年会とかにも最適だって言ったことは」

垣根「最適だにゃー、だろ」

ゴーグルの少年「そんな細かいことどうでもいいっス」



結標「折角美味しいお酒が飲めるって聞いたから来たってのに、これじゃあお酒もただの水よ」

心理定規「あら、言ってくれるわね」

心理定規「私も彼のメンタルズタズタにした一方通行の所属するグループのいる店で酒なんて飲めないわ」

結標「一方通行はあなたのとこのリーダーとは違って、忘年会欠席で大掃除してるらしいわよ」

心理定規「……確かに一方通行居ないわね」

結標「これで心置きなく飲めるわよ」ニッ

心理定規「そうね!」グッ



海原「あっちはあっちで意気投合してますけど」

土御門「……」

垣根「俺はもしかしてバカにされてるのか?」

ゴーグルの少年「もしかしなくてもされてるっスよ。ズタズタズタズタズタズタ」

垣根「てめぇ一回おもて出ろ」



海原「本当に行っちゃいましたね」

土御門「どうするか……」

海原「別に自分としてはここでやっても移動しても構わないんですが……」

土御門「酒は必須だ、か?」

海原「ザッツライト。ほかに心当たりがあるのなら移動するのも手ですよね」

土御門「酒……いや、心当たりはあるけど……うーん」

土御門「そっちもすき焼きの店なんだが、カミやん……知り合いに会う可能性が高いからなるべく避けたいな」

海原「なるほど、確かに自分もこの顔の持ち主と会うのは避けたいですね……それに」チラ

海原「あの二人は飲みはじめてますし」

土御門「はぁ、じゃあこのままでいいか」

昼間はここまでです。



ガララッ

垣根「ただいまんごー」ズルズル

ゴーグルの少年「」ボロボロ

海原「おかえりんごです」

土御門「こいつ見てノーリアクション!?」

ゴーグルの少年「……あれ、スクールとグループってこんな軽いノリなんスか?」ボロッ

垣根「空気読めよ」ベシ

ゴーグルの少年「痛っ、傷触らないでくださいっス」イタイ

垣根「あ、済まねぇな」

垣根「でも、今日はそういうの気にしねえで仲良く飲もうぜって雰囲気だったろ」

土御門「そうだぜい!」

土御門「さ、二人とも座って座って」

海原(一緒に飲むんですか!?)

土御門(面倒だし俺はもう吹っ切れたぜよ!!)



心理定規「あら、結局合同になったの?」プハァ

土御門「面倒だからな」バン!!

結標「て、適当ね……」

垣根「ままっ、気にすんなって」ポン

結標「なっ!!」ピク

垣根「あ、すまね」

結標「……」ワナワナ

垣根「え、ちょ、すごい怒ってるの?」チラ


海原「とりあえずビールとつまみ頼んどきますね」

ゴーグルの少年「よろしくお願いするっス」

心理定規「私ホッケの干物が欲しいわ」

土御門「こっちの酒のほうがお勧めだぜい?」

垣根「スルー!?」



結標「ふふふふふ、やっぱりいい男じゃない」ガシ

垣根(やっぱこいつ苦手だ!!)

結標「まあ、そんなの興味無いけどね」ニヤ

垣根「な、なんなんだよ……怒ってるなら謝るから、離してくれ!」ブン

シュン

結標「逃げられないわよ」

結標「さあ、観念してあなたのショタな写真をよこしなさい」

垣根(振りほどいても次の瞬間にはコイツの能力……なんだったか?)

垣根(ああ、そうそう。座標移動で戻っちまってる)ハンナキ

垣根「小さい頃の写真なんてねぇっての!」

垣根「そんなに欲しいなら研究所でも探せばいいだろ。腐るほどあるだろうし」

結標「それは少し面倒でしょう?」

垣根「いや、お前の都合なんて知らねぇって!!」



海原「……自分は唐揚げにします」ピシ

土御門「いや、ここは一応すき焼き屋なんだから、すき焼き頼むべきぜよ」

ゴーグルの少年「……そうっスね」ウ-ン

心理定規「じゃあ今日は彼のおごりでこの高級国産牛肉食べ放題にしない?」

海原「第二位のおごりですか!?」

海原「それなら財布を気にせず食べられそうです」ウキウキ

垣根「おい! 話勝手に進めるなよ」

ゴーグルの少年「ゴチになるっス」ペコ

垣根「俺にたかりてぇなら、こいつを引きはがしてくれ!」

垣根「あとゴーグル、てめぇ覚えとけよ?」

海原「大人しく写真を渡せばいいと思いますけど? オプションのサラダバーつけます?」

土御門「それしか方法はないぜい? つけたいなら付ければいいにゃー」

垣根「だから持ってねぇっんだってば」

垣根「あと、普通に会話を進めないで!!」



心理定規「はぁ、仕方ないわね」ポチポチ

ピロリン

結標「メール?」

心理定規「これでいいでしょう? 添付しておいたわ」

結標「あら、あなたショタな写真持ってたなんて」パカ ポチポチ

心理定規「そりゃ、結構長いからね。私たちスクールは」

結標「ふふ、私の見込んだ通り可愛いじゃない」パッ

垣根「助かった……」スタ

垣根「お前、ファインプレーだな」フゥ

心理定規「ふん。元はと言えばあなたが彼女に変なことをしたのがいけないのよ」

垣根「分かってるって」

垣根「……いや、本当にこれからは気をつけよう……」ガクガク

垣根(あれは一方通行よりも強い……)

今日はここまでです。

ゴーグルくんがボロボロになったりていとくんがショタコンに襲われたり、わりと和気あいあいな感じです。



土御門「お、そっちは解決したか」

垣根「手助けも何もしなかった野郎におごるほど俺は心の広い人間じゃねぇからな」ムッ

ゴーグルの少年「まあまあ、そうカリカリしない方がいいっスよー」

ゴーグルの少年「垣根さんがイライラしてるとこっちもビクビクっスからねー」

垣根「……おい、こいつにも酒やったの?」

海原「ふう、そんなに大量には飲んでないはずですけどね」

土御門「んん? もしや酒に弱かったりするかにゃー?」

垣根「……結構弱い。だからもう飲ませるなよ?」

垣根「後が面倒だから」

土御門「了解だにゃー。海原、お前も一応気を使ってやれ」

海原「分かってますよ。酒増量ですよね」スッ

垣根「話聞いてねぇし……」



心理定規「あら、あなたお酒欲しいの?」ユラ-

垣根「いらねぇよって、お前まで出来上がってんのかよ」

垣根「はぁ、自分でセーブできねぇやつは酒飲む資格ねぇぞ」

心理定規「セーブくらいしてるわよー。でも忘年会の時くらいハメ外してもいいじゃない」

垣根「それの面倒見る身にもなれってんだ」 

垣根「はい、水」スッ

心理定規「ありがとう」コクコク

土御門「安心しろよ。俺は酒強いから落ちた奴らの面倒見るのには慣れてる」

垣根「あ、じゃあ俺もそろそろ飲むわ」 

垣根「酒にはあまり強くねぇけどさ」

海原「スクールは酒に弱いと……新たな弱点ですね」フム

垣根「たかが外れちまってるだけだ」コポポポ



土御門「まてまて、俺一人では流石にどうにもならないぜよ!!」ガッ

垣根「だからと言って俺に一滴も飲むなというのか?」

垣根「そりゃねぇだろ」

海原「自分もそこそこ強いですしどうぞ、遠慮なさらずに……」ニヤ

垣根(…………嫌な予感)

垣根「……やっぱりスクールから一人も面倒見る奴を出さねぇのはあれだな」

垣根「ということで俺は飲まねぇよ」

垣根「怪我人だし今日は我慢だ」

土御門「さりげなくそこを強調されると申し訳なく感じるからやめないか?」

垣根「無理」

海原(計画通り……比較的垣根帝督からの信用がない自分が怪しい行動を取る素振りを見せることで、彼のリーダーな部分にこいつに面倒見させるのは危険だと訴えかける)

海原(するとその危険を回避するために彼が自ら世話役を買って出るという寸法!!)

海原(……よし、飲も)



~~~二時間後~~~


垣根「……」ハァ

土御門「…………」アチャ-

結標「っ……飲みすぎたかしらね」

結標「む、座標移動が使えないじゃない……」

海原「……あ、自分はお構いなく。帰れますから」

海原「でも、二日酔いですかね……」フラ

ゴーグルの少年「……」クークー

心理定規「だからぁ、ゴーグルくんにはーまだ、お酒は早いのー」ウッ



土御門「どうする? 俺は結標を送ってくつもりだが?」チラ

垣根「あ? 二人とも送ってくしかねぇだろ」

垣根「能力も使えば何とかなる」

垣根(ゴーグルを背に乗せて、心理定規を前で抱き抱えるしかねぇか)ハァ

垣根(それだと首絞まるか……能力を軽く使う感じだな)

海原「ははっ、リーダーってのも大変ですね」

垣根「おい、そんな余裕あるならコイツ押し付けんぞ」

海原「いえいえ、いつ自分の首を掻くか分からない相手を送ることなんてできませんよ」

垣根「なるほど、それもそうだな」

午前はここまでです。
乙コメありがとうございます!



垣根「はぁ、俺は怪我人だぞ? ホントもう少し丁重に扱って欲しいもんだ」ヨイショ

土御門「それなら二人に酒の飲み方を教えることからはじめるべきだにゃー」

海原「確かにそれが手っ取り早いですねぇ」

海原「弱い人には弱い人なりの飲み方があるってことですよ」

垣根「そんなの知らねぇよ」

海原「じゃああなたも飲む資格ありませんね。あなたの言葉を借りれば」

垣根「言い返せねぇのがムカつくな」

海原「そこら辺は酔ってても気を遣ってますから」

垣根「そこに気を使う前に酒の飲み方に気を遣えよ」

海原「……そこは海原クオリティです」

垣根「いらねぇこだわりだな……」



土御門「おい、結標?」ペチペチ

結標「……何よ……っ、痛っ」ズキッ

土御門「こりゃ二日酔い確定だな」

土御門「で、動けるか?」

結標「ええ……頭痛以外は普通だから」

土御門「よし、なら立てるな?」

結標「ん、当たり前でしょう……」ズルッ

結標「っつー!」ドンッ

土御門「……無理か」ハァ

土御門「ほら、手貸すから立て」スッ

結標「んー……よっ」グイッ

結標「……ふぅ」スック

土御門「ふぅ、はこっちのセリフぜよ」



海原「結標さんも飲み過ぎたみたいですね」ニシシ

土御門「いや、お前も足元フラフラだぞ」

海原「大丈夫ですよ。これあるんで」スッ

海原「トラウィスカルパンつ……」

海原「トラウィスカルぷ……」

海原「黒曜石の槍ですね」

土御門「……」

土御門(自分の武器の名前も言えないのに大丈夫なのか?)

結標「ふふーん。酔っぱらいの攻撃なんて座標移動でよけられるわよ」ブンブン 

結標「いざとなったらこの懐中電灯でドカッとね」

土御門「はぁ……」

土御門(こっちも飛べないってのにな)



垣根「会計してきたぞ」ドスドス

土御門「二人は置いて会計行けばよかっただろ」

垣根「いや、あのストーカーが何しでかすか分からねぇし」チラ

海原「ゴチになります」ニコニコ

土御門「はぁ、それでいくらだ?」サイフ

垣根「ん? ああ……」

垣根「今日は特別におごってやろう。女もいるしな」フフフ

海原「おおっ! ゴチになります!!」

心理定規「カッコつけね……でも、ありがとう」ウッ

結標「ありがとうねー(写真)」

垣根「……そりゃどーも」



垣根「だが」

垣根「男どもはただおごるだけじゃねぇぞ」

垣根「貸一だ」ヒトサシユビ

ゴーグルの少年「……」スースー

海原「貸ですか?」

土御門「……ま、結構払ってもらったしちょっとしたことなら請け負うにゃー」

垣根「頼むぜ」

ゴーグルの少年「……」スースー

海原「自分もいいですけど、ヘッドギアの彼は……?」

垣根「ああ。コイツは貸しとかなくてもスクールのリーダー権限で動かせるから問題ねぇ」


土御門「よし、話はまとまったみたいだしさっさと帰るぜよ」

海原「……いい加減その口調やめません?」



………外………


垣根「ふう、やっぱり寒いな」ブルッ

心理定規「あなたはマフラー装備じゃない……」

海原「誰からもらったんでしょうねー? 女の匂いがしますよ」

ゴツッ

土御門「そういうのに突っ込むのはマナー違反だ」

海原「人のことは散々弄るくせによく言えますね」ヒリヒリ

土御門「お前だって一方通行にロリコンロリコン言ってただろ?」

土御門「お前のはそういうノリだ」

海原「辛辣ですね」



垣根「いやいや、気にするなって」

垣根「人の恋愛事情が気になる気持ちもわかるしな」

心理定規「ずいぶん上からな物言いね」

垣根「だって俺は勝ち組だからな」ドヤ

心理定規「……」ハァ

土御門「ということはやっぱりそれは女から!?」

海原「突っ込みはマナー違反じゃないんですか?」

土御門「自分で認めてればいいんだぜい!」

結標「誰からもらったかなんて簡単じゃない……」ハァ

海原「ええっ!?」

土御門「……ああ、なるほど」チラ



垣根「んじゃあ、俺らは帰るがストーカーと……スキルアウトとかには気を付けろよ」

土御門「……女一人くらい荷物にはならないぜよ」

垣根「いや、そっちのストーカー男に言ってる」

海原「それこそ心配無用です」

海原「言ったでしょう? まあまあ酒には強いんです」

土御門「はあ、その千鳥足で言われても説得力ないぜよ」

垣根「……ここまでなるとアンチスキルに出くわさないように気を付けろってアドバイスも付け加えたくなるな」

海原「ご安心ください。二十歳越えてるんで」

垣根「その見た目じゃ信じてもらえないぞ」

海原「その際は適当に姿借りますから……」

垣根(何言ってんのこいつ)



垣根「まあいいや……ほら、帰るぞ」

心理定規「いちいち言わないでもいいわ」ウッ

垣根「突然動いたら吐瀉物が俺にかかるだろ」

心理定規「そういうことね。気遣いありがとう」

垣根「自分への気遣いだけどな」


土御門「じゃあな。また一方通行の見舞いの時にでも」

垣根「俺の見舞いに来てくれてもいいんだぜ?」

結標「それは……キモいわ」

土御門「……」

垣根「……結構傷ついた」

心理定規「泣かないでちょうだい。涙がかかるから」

垣根「泣いてねぇよ!!」



土御門「……そ、そろそろ俺らも帰るぜよ」

海原「はぁ、じゃあ行きましょうか」

結標「おやすみ……」

垣根「このショタコン野郎め……覚えてろよ?」タッ

海原「捨て台詞がそれとは……カッコ悪いですね」

土御門「言ってやるな」

土御門「アイツはたぶん純粋に自分の見舞いに来て欲しかっただけなんだ」

結標「ふふっ、そう考えると可愛いわね……」

海原「それをバッサリ切って捨てたのはあなたですからね」

結標「あら、それはひどいことをしたわ」

土御門(人の闇でない感情に疎いとこっちで生きてくのも大変だにゃー)

ここまでです。
明日はコミケ行ってくるので更新できないかもです。
よろしくおねがいします。

海原ェ


荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450628050/)


>>1を守りたい信者君が取った行動
障害者は構って欲しいそうです
障害者は構って欲しいそうです - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451265659/)

コミケ行くのかあ良いな~


………黄泉川家………


打ち止め「ととととーってミサカはミサカは床の水ぶきをしてみたりー」トトト-


一方通行「よくやる気になるなァ、あのクソガキは」

番外個体「人間だれでもそういう年頃があるもんなんでしょ」

番外個体「まあ、ミサカは無かったけどさ」

一方通行「俺もねェよ」

芳川「私も無かったわよ。こんな殊勝な時期なんてね」ハァ

芳川「やっぱりこういうところとか数値では語れないわね」

番外個体「まあ、ミサカとおチビだけでもだいぶ違うし?」


黄泉川「ほらそこっ! 駄弁ってないで掃除じゃん」

番外個体「お腹減ったー」

黄泉川「働かざる者食うべからずじゃん。ちゃんと動かないと横のお姉さんみたいなニートになっちゃうじゃんよ」

番外個体「う、それは勘弁」



芳川「はぁ、愛穂は私のことをなんだと思ってるのかしらね」

一方通行「ニートだって言ってたじゃねェか。話はちゃんと聞け」

番外個体「ミサカ掃除なんてやったことないんだけど」

番外個体「よーするに、雑巾渡されても困るよ」

一方通行「……激落ちくン探してくる」

番外個体「は? 激落ちくんはミサカが使うつもりだったんだけど!」ポイッ

一方通行「残念だったなァ」スッ

一方通行「俺の方が早かったらしい」タッタ-

番外個体「クソっ、待て!!」ビリリッ


芳川「あんなに大きいんだから分ければいいのに」スッ

芳川「私は窓拭きでもするか……」



一方通行「クソっ、協力プレイで没収ってふざけンじゃねェぞ」

番外個体「ま、ミサカ達の手にかかればこんなもんってわけだ」ゲキオチ

一方通行「ちっ、一番楽な仕事取りやがって」

番外個体「その言葉そのままアンタに返すけどね」ニシシ

打ち止め「こらー、あの人の能力奪ったらちゃんと掃除するって言ったでしょう? ってミサカはミサカはぷりぷりしてみ……あれ?」

一方通行「…………」

打ち止め「え、なんであなたがここにいるのってミサカはミサカは……」

一方通行「テメェ、なにコイツに協力してンだよ」ムカ

番外個体「くくく、おチビに当たるなんてお門違いも甚だしいんじゃなーいってミサワはミサワはあなたをおちょくってみたり」

打ち止め「なっ!! なんでミサカの真似するのってミサカはミサカは憤慨してみる」プンプン

一方通行「ああ、もううるせェ! テメェら俺の邪魔して何が楽しいンだ」



打ち止め「うう、ミサカはこの子にも掃除させようとしてただけだもん」

番外個体「ミサカはあなたの邪魔することが生きがいだから楽しい楽しくない以前の問題です、とでも答えとくね」

番外個体「ってか、今回は邪魔するとかじゃなくて、ただ激落ちくんで掃除がしたかっただけなんだけど」

一方通行「あァ、そォか」

一方通行「ならその激落ちくンはオマエにくれてやるから、掃除しろ」

一方通行「それでいいだろォ?」スッ

番外個体「よっしゃ、それならミサカもやってやろうじゃないの」タッ

一方通行「丁寧にやれよォ?」

番外個体「はいはいー」



一方通行「……」フン

打ち止め「…………」ジー

一方通行「……何見てンだ」

打ち止め「えらいねってミサカはミサカは……」タタタッ

打ち止め「椅子の上に登ってあなたの頭をナデナデしてみたり」ナデナデ

一方通行「おい、何の真似だァ?」チラ

打ち止め「本当は激落ちくん使いたかったんでしょう?」

一方通行「……そンなコトにはこだわらねェよ」

打ち止め「嘘だねってミサカはミサカは断定してみる」

打ち止め「あなたがミサカ達に嘘をつく時、罪悪感からか逡巡するから変な間があくんだよってミサカはミサカは指摘してみたり」



一方通行「……だからどォした」チッ

打ち止め「自分が激落ちくんを使いたかったのに、あの子に掃除をさせるためにそれを我慢したのがえらいねって言いたかったの」

一方通行「……その程度のことでえらいなンてありえねェよ」

一方通行「なァ?」チラ

番外個体「あ、気付いてた?」

一方通行「さっさと掃除しろって言っただろォが」

番外個体「それがねぇ、激落ちくんがデカくて使いづらくて」プラプラ

番外個体「だから半分あげるよ。使いづらいからあげるだけだからね」タッ


一方通行「だとよ?」

打ち止め「……どっちもどっちなのかなってミサカはミサカはお姉さんっぽくため息をついてみたり」

一方通行「大人ぶりやがって」

打ち止め「ぶってないもーん」フ-ン

今日はここまでです。

番外個体かわいい



一方通行「黄泉川ァ! 風呂の掃除終わったぞ」

黄泉川「おおー、お疲れじゃん」

黄泉川「カビはとれたじゃんか?」

一方通行「あァ。塩素くさくてならねェよ」

打ち止め「ミサカも窓のさん拭き終わったよーってミサカはミサカは手を振りながら言ってみ、うわぁっ!!」ズルッ

一方通行「っ、はァ」ズザッ

打ち止め「ありがとうってミサカはミサカはあなたに感謝してみたり」

一方通行「……ちゃンと足元見ろォ。風呂の前には段差があるンだからな」

打ち止め「ご、ごめんなさいってミサカはミサカは謝ってみたり」

一方通行「次から気をつければいい」フン

打ち止め「了解しました、軍曹! ってミサカはミサカは敬礼してみたり!」バッ

一方通行「はァ……」


黄泉川(微笑ましいじゃん)



番外個体「うーん、窓拭けって言われてもねぇ」

番外個体「届かないんじゃ話にならないな……」

番外個体「台なんてな……」


芳川「なんで、私が、テーブルの、足拭きなのよ」ゴシッゴシッ

芳川「本当に重くてかなわないわね」ゴシッゴシッ


番外個体「……」ニヤリ


タッタッ

芳川「あら、どうしたの?」ゴシッゴシッ

番外個体「芳川ー? ちょっとビリビリで硬直してもらうよ」

芳川「え?」ビリリリッ


一方通行「あァ、疲れたァ」

一方通行「……ン?」チラ

番外個体「おお、届く届く」フキフキ

芳川「……」ビリリ

一方通行「お、オマエら何やってンだ!!」



一方通行「つーかよォ、なンで一応怪我人である俺まで大掃除に動員されねェとならないンだよ」

一方通行「わけが分からねェ」

黄泉川「いや、それは別に私たちの意向じゃないじゃん」

一方通行「は? オマエら以外に誰の意志があるってンだ」

一方通行「たかが、一家庭の大掃除に誰かの意志が挟まる余地なンてねェしよォ」

黄泉川「これじゃん」ピラリ


『………年末リハビリ計画………
一方通行様

・大掃除に参加すること……掃除で全身を動かすことにより、今までのリハビリの成果を確認すると共にこれからの課題が見えてくるでしょう。
また、普段からお世話になっている家族の方々への恩返しにもなります。

・病室の大掃除をすること……散らかしてしまったものを自分の体で片付けることができれば、大きな自信につながることでしょう。

この年末は、今までの成果を生かし、自信をつけていくことを目標に頑張ってくださいね!!』


一方通行「第三位と佐天さンの仕業か……」ベシン

黄泉川「な、怒ってるのか?」

一方通行「怒ってなんかいねェ。ほら、大掃除の続きやンぞ!」

黄泉川「お、おう」



打ち止め「ミサカの部屋は掃除するところが多すぎるよーってミサカはミサカは一人で文句を言ってみる」

打ち止め「それにお腹すいたー!」ジタバタ

ガチャ

打ち止め「あなた……じゃないのかーってミサカはミサカは少しテンションダウンしてみたり」

番外個体「それはわざわざ言う必要ないっしょ」

打ち止め「そうかなー?」

番外個体「まあいいや、いいもん見せてあげるからついて来なよ」

打ち止め「そういうこと言う人にはついてっちゃダメって黄泉川が言ってたよってミサカはミサカは拒否してみる」

番外個体「それは知らない人の場合だけてしょ……さ、行くよ」グイ

打ち止め「うわぁぁ!!」ズルル



黄泉川「お、来た来た」

打ち止め「ううう…どうしたの? ってミサカはミサカは首をかしげてみる」

芳川「しー、小さな声で話してちょうだい」

打ち止め「え?」

番外個体「まあまあ、見てご覧なさいよ。ソファーのとこね」ニヤニヤ

打ち止め「……?」チラ


一方通行「…………」クークー


打ち止め「寝てる! ってミサカはミサカは興奮してみたり!!」

番外個体「し、静かにしてってば」

黄泉川「……一方通行の寝顔見る機会なんてほとんどないから仕方ないじゃん?」

番外個体「うーん、まあ、熟睡してるみたいだしいいか。油性ペンでも取ってこよーっと」

打ち止め「ああ、待ってーってミサカはミサカは油性ペンを要求してみたり!!」



………とある病院………



一方通行「あー、眠ィ……」タッ

黄泉川「ぷっ、えっと、もう十分寝たじゃん?」

一方通行「まァそォだけどな。わざわざ送らせて悪かったなァ」

黄泉川「そんなこと気にするなんてらしく無いじゃんよ」

黄泉川「それに私らは怪我人をほっぽり出すほど非情じゃないじゃん」

一方通行「怪我人を大掃除でこき使うくらいには非情だがなァ?」

黄泉川「それはリハビリの一環だからね」

一方通行「はァ。とりあえずさっさと帰れよォ」

黄泉川「はいはい。それじゃ、おやすみじゃん」ブウゥゥゥン



ガラガラ

一方通行「おィ……まだ起きてたのかァ?」

垣根「お、やっと来た……ぶふっ!!」

フィアンマ「……そ、想像以上だな」フルフル

一方通行「あ? 何がおかしいンだァ?」

フィアンマ「い、一度鏡を見ることをオススメする……」サッ

一方通行「…………はァ!?」

垣根「くくっ、肉って書いたのが番外個体で、打ち止めはメガネと虎の模様だと」ポチポチ

垣根「いやー、本当にいいもんが見れたぜ。消灯後まで起きてたかいがあったってもんだな」ククク

一方通行「…………そォか、あのガキどもの仕業……だが」

一方通行「この程度、反射で即落ちるってのになァ」

垣根(……落ちることがわかってるのに能力使おうとしない辺り、妹達への気持ちが現れてるな……)

フィアンマ(ぷっ、俺様としてはそういうのはいらないから、すぐ反射してもらいたいがな)

フィアンマ(腹が痛い……)プププ

今日はここまでです。

>>382
今回は黄泉川家ネタなのでそんなところを感じていただけると嬉しいです。

乙です



………テレビ広間………


テレビ『紅白歌合戦、開幕です!!』

垣根「うーん……」ピッ

テレビ『ててーん、全員アウトー』パッ

垣根「やっぱこれだよな……」


一方通行「おィ、チャンネル変えるな」ポチ

垣根「あ! ガキ使見たかったのに」ピッ

一方通行「ガキ使なンて、毎年同じコトやってるだけだろォが」ポチ

垣根「紅白もそうじゃねぇか!」ピッ

垣根「そもそも俺の好きなバンドがゲスくらいしか出ねぇから興味無いの!」

一方通行「それは仕方ねェだろォが。色々な年代が見るンだからよォ」

フィアンマ「俺様はアイマスさえ見れれば何でもいいぞ……」コクコク

垣根「それは部屋で見てろ」

フィアンマ「大画面で見るのが至高だ……」ユラユラ

一方通行「俺も紅白だけは大画面で見るって決めてンだよ」ポチ



垣根「俺も大画面で皆でゲラゲラ笑いながら気付いたら新年になってたっていう感じが好きなわけ」ピッ

一方通行「気付いたら新年とか最悪じゃねェか」ポチ

垣根「は? おもしろ荘が始まってようやくあ、新年じゃんって思う感じ分からねぇのか?」ピッ

一方通行「分からねェな」ポチ

???「そんなことも分からねぇって決めつけちまうんなら、紅白こそ至高っていうその幻想をぶち殺す!!」ブン ピッ

テレビ『タイキック!』

垣根「お、分かってくれるのか、上条?」

上条「当たり前だろ? 俺もその口だし」

垣根「ということだ。多数決でガキ使だな」

一方通行「オマエ全然ヒーローじゃねェな」

上条「え、俺?」

一方通行「ああ」

上条「俺は元々ヒーローだなんてそんな崇高な存在じゃないからなー? 誤解してたなら認識を改めるべし!」



垣根「くくく、にしてもいいタイミングで来たな」

上条「あー、だって一人でガキ使見ててもなんだか寂しいだろ」

上条「だから誰かしらいるであろうここでゲラゲラ笑いながら新年を迎えようかと思ってね」

垣根「奇遇だな! まあ、俺はでかいテレビでガキ使見たかっただけなんだけどな」

上条「あ、やっぱり? 俺も実はそっちの方が大きいんだよね」

一方通行「ちっ、俺の年の最後は紅白で締めましょうねー計画が台無しじゃねェか」

垣根「なんだよそのネーミングは」

上条「うーん、悪いけどその計画を達成するためには病室の小さなテレビで見るしかないな」

垣根「だな!」

一方通行「……はァ」

垣根「……計画がうんたらかんたら言いながら戻ろうとしないってどういう事だろうな?」

一方通行「うるせェよ」



垣根「そういえば三人にいいお知らせがあるんだけど聞くか?」

上条「いい知らせから頼む」

垣根「安心しろ。悪い知らせはねぇよ」

一方通行「……疲れてンだから手短にしろよォ?」

フィアンマ「……」スースー

上条「フィアンマにいたっては寝てるしね」

一方通行「こっちも疲れてンだろォ?」

一方通行「誰だってあンな人混みの中行ったら疲れる」

フィアンマ「んー……何か言ったか?」ムク

垣根「おう、起きたか」

フィアンマ「……うるさかったからな」ムニャムニャ

一方通行「だとよ」

垣根「なんで!? 俺はハッピーで幸せなニュースを伝えてやろうと思っただけなのに?」



フィアンマ「ハッピーで幸せ」クスクス

一方通行「で、何だァ? そのハッピーで幸せなニュースってのは」

上条(happyは日本語で……幸運な、幸福な……)

上条(あ、なるほど)

垣根「いちいち馬鹿にしやがって……まあいい」

垣根「今日は大晦日だからか晩飯が年越しそばらしい」

フィアンマ「それで?」

垣根「年越しそばと言ってもただのそばじゃねぇんだよ」

上条「高級そば粉使用とか?」

フィアンマ「いや、金箔付きとかじゃないのか?」

垣根「……」ニヤニヤ



一方通行「……溜めるな、じれったい」イライラ

垣根「まま、そう焦るなよ」ニヤニヤ

フィアンマ(寝ていいかな)

上条(あ、タイキックだ)

垣根「そばの上にエビ天が乗っているのだ!」

一方通行「それで?」

垣根「終わりだけど?」



一方通行「……年越しそばにエビが乗ってるって言いたかっただけかァ?」

上条「いやー、流石に垣根でもそこまで子供じゃないだろ」

フィアンマ「ふむ……確かに子供ならエビフライなどで喜ぶ図は想像に難くないが……」

垣根「え、だってエビだぞ?」

垣根「去年なんて年越しそばはカップ麺だったからな? 素晴らしい進化じゃないか」

上条「あー、その気持ちは分かるかも」

上条「俺も去年はカップ麺だったし」

垣根「だろ?」

フィアンマ「うーん、俺様は別になんでもいいがな……」ファア

フィアンマ「そもそも年越しそばという概念自体存在しなかったんだし」

昼間はここまでです。
乙コメありがとうございます。



一方通行「だな」

一方通行「俺も別にカップ麺だろォとエビ天付きのそばだろォと関係ねェ」

垣根「は? もしかして食べ物に頓着しないタイプか?」

フィアンマ「俺様の場合好き嫌いがないだけだろうな」

フィアンマ「出されたものは基本的に食べるから」ウン

一方通行「とォぜんだな」

垣根「俺だって出されたものは食べるからな? イヤイヤかもしれねぇが」

一方通行「やっぱりガキか」

垣根「てめぇには言われたくねぇよ!!」

上条(……その考えだと上条さんもガキかもしれませんね。黙っとこ)



一方通行「いや、俺は普通に食えるからお前よりは大人だァ」ケッ

垣根「バカって言う方がバカって言葉知ってるか?」

一方通行「あ? それはオマエのことをガキだって言っている俺の方がガキだって言いてェのか」

垣根「そのとーり!! よく分かったなぁ
ガキンチョくん」

一方通行「……そのテンション、木原くンを彷彿させるじゃねェか」

垣根「狙ったしね」

一方通行「今テメェ死ねって言ったな?」

一方通行「死ねって言っていいのは言われる覚悟のあるヤツだけだ!!」

垣根「いや、そんな覚悟いらねぇだろ……」

一方通行「……オマエは豆腐メンタルだから覚悟するための時間いるだろォが」

垣根「……」

一方通行「黙らないでくれェ……」

垣根「あ、すまねぇ。お前のテンションに少しついていけなくなってた」



上条「なぁ、次誰がアウトになるか賭けしない?」

フィアンマ「不幸なお前じゃ負けるのが目に見えているだろうに……」

上条「気にするなって」

フィアンマ「じゃあ、俺様は浜田と方正に賭ける」

上条「俺は……」

フィアンマ「ゆっくり決めていいぞ。CMだからな」

フィアンマ「そうだな……俺様は3000円賭けようか」

フィアンマ(オッレルスからスったお金だが……気にしない気にしない)

上条「……松本に1000円賭けるぞ!」

フィアンマ「……結果発表だ」

テレビ『全員アウトー!!』

上条「…………」

フィアンマ「…………何ともコメントしづらい結果だな……」



上条「あれ? 喧嘩終わったのか?」

垣根「いや、一方通行が黙り込んじゃってな」

一方通行「……」

フィアンマ「喧嘩でテンションが上がる気持ちは分かるぞ。だから落ち込むな」

上条「フィアンマは聞いてたのか」

フィアンマ「五人までなら同時に話していても聞き取れるからな」ドヤ

上条「聖徳太子かよ」

フィアンマ「しょうとくたいし?」

垣根「日本の歴史上の人物だったか? ま、興味ねぇけどな」フンフン

一方通行「…………なンでフンフン言ってるンだァ?」

上条「あ、復活した」

垣根「エビ天の香りがしてきたからに決まってるだろ!!」ワクワク



上条(エビ天の、香り?)

上条(匂いじゃなくて?)

一方通行(いや、それはどォでもいいだろォ)

フィアンマ(エビ天の匂いなんかするか?)

上条(いや……)クンクン

上条(特に)

一方通行(……恐ろしい嗅覚だなァ)

上条(一方通行が何かに対して恐れをなすなんて相当だな)

フィアンマ(ただしエビ天に限る、だろう?)

フィアンマ(いや、そうでないと恐ろしすぎる……エビ天ってそんなに匂うものなのか?)


垣根「何ぼそぼそ話してんだよ」



ピロリン

フィアンマ「俺様のだ」ポチポチ

垣根「また見事なスルースキルだこと」ウウ

フィアンマ「……」ポチポチ

上条「思ったんだけどさ、フィアンマが携帯をいじりまくってるのってなんだか違和感あるよね」

フィアンマ「そんなの自覚している。だが携帯電話は連絡手段としては非常に優秀だからな」ポチポチ

上条「垣根あたりは携帯いじってても違和感ないよな」

垣根「まあ、見た目はよくありがちなホスト手前の若者っぽくしてるからな」

一方通行「つまりチャラそうってコトだろォ?」

垣根「そう見せてるだけだから、意図的だから」



上条「それで、誰からなんだ?」

フィアンマ「む、デリカシーがないな」

上条「あ、いや、言いたくなかったら別にいいけどさ」

一方通行「どうせアレだろォ。花女だろ?」

フィアンマ「よく分かったな」

フィアンマ「明後日初詣に行かないかと誘われてな」

垣根「…………花女、か」ボソ

上条「え、でもフィアンマはローマ正教じゃないのか?」

フィアンマ「そこは構わないさ」

フィアンマ「俺様は確かにローマ正教に属してはいるが、信仰しているかと問われれば、まあ、していないと答えるだろうからな」

垣根「してねぇのかよ!」

フィアンマ「俺様は基本的に魔術やってただけだから驚くこともないだろ」

一方通行「オマエ隠蔽とか気にしねェよな」

フィアンマ「それは下の奴らの仕事だ」ポチポチ

垣根「そこは科学も魔術も変わらねぇってことか」



一方通行「行くのか?」

フィアンマ「まあ、クリスマスは祝い、初詣にも行くというごった煮感の溢れた日本なら俺様みたいなやつが参拝に行っても構わないだろう」

フィアンマ「ま、形だけだがな」

上条「へぇ、ということは第十二学区か」

一方通行「そォだな」

垣根「ま、楽しんでくればいいさ」

フィアンマ「初詣って楽しむものだったか……?」

垣根「そりゃそうだろ!」

垣根「迷信的な気もするけどお守りを選んだり、屋台で大判焼きとかたい焼きとか今川焼きとか食べたりな」

一方通行「ほとンど同じじゃねェか……」



フィアンマ「今川焼きと大判焼き?」

フィアンマ「たい焼きは聞いたことあるが、その二つは初耳だな」

上条「円柱状のきじの中にあんことかクリームとかが入ってるお菓子だよ。呼び名が違うだけだ」

フィアンマ「ふむ」

上条「あー、垣根のせいで大判焼き食べたくなっちゃったんだが?」

垣根「俺のせいかよ」

一方通行「甘いものは好みじゃないが、確かに腹が減ってきたな……」ハァ

垣根「俺は関係ねぇからな?」


パタパタ

看護師「あ、こんなところにいたんですね」

垣根「大画面でガキ使を見たかったもんでね」

看護師「夜ご飯の時間には病室へ戻るよう言ったじゃないですか……」ハァ

上条「う、すみません」シュン



看護師「いえ、そんなに落ち込まないでくださいよ」

フィアンマ「いや、落ち込んでないぞ。こいつは今お姉さんに優しくしてもらえることに悦んでいる」

上条「やめて!! 俺の幸せを奪い、俺の地位を下げるようなことは言うな!!」

上条「てかその漢字は違うだろ!」

看護師「あは、ははは……」ヒキ

上条「完全に引かれたー!!」

垣根「……お疲れ様」

一方通行「まァ、いわれのない罪を被せられるコトも少なくねェし、気持ちも分かる」

上条「一方通行の同情なんかいらねー!!」

一方通行「ひ、人が気持ちを分かってやろうとしてるってのに!!」



看護師「と、とりあえず夜ご飯持ってくるんでここで待っててくださいね」タッ


フィアンマ「すごい勢いで逃げていったな……おっと訂正、すごい勢いで夕飯を取りに行ったな」ファァ

上条「うう……寮の管理人のお姉さんっぽくてタイプだったのに」グスグス

垣根「あー、無理無理。彼女、彼氏持ちだからな」

上条「なんでそんなこと知ってんだよ!! 嘘に決まってる!」

垣根「なんでって言われてもな……本人が言ってたとしか言えねぇよ」

一方通行「ああ、あの時かァ」

一方通行「俺も聞いたが、あれは見栄とか嘘で話してるような顔じゃなかったな」

上条「嘘だろ? 嘘って言ってくれ」

垣根「そんなことも知らねぇようじゃ追っかけ失格だな」

上条「追っかけって何? ただ憧れてただけだからな!」



フィアンマ「今頃彼氏にメールで相談してる頃だろうな」

フィアンマ「変な患者さんがいて、私のこと見てニヤニヤしてくるの。どうしたらいいかしら、まいだーりん」ウラゴエ

フィアンマ「みたいな?」

垣根「そりゃボコされるな」

垣根「……いや、違うか。俺だったらすぐにシメに行くだけの話だ」

一方通行「表情が本気過ぎて怖ェよ」

垣根「だってシメる時は誰だって本気だろ」

上条「本当にありそうで怖いからやめてくんない?」

フィアンマ(垣根の女が出来たら絶対近づかないようにしよう……)



看護師「お待たせしましたー!」ホカホカ

垣根「来たー!!」ワクワク!!

看護師「どうぞー」ゴト

垣根「おう、ありがとうな!」キラキラ

上条(本当にエビが楽しみだっただけなんだな)

フィアンマ(好き嫌い激しいな)

一方通行(それでも第二位かよォ……)

上条(ま、いいんじゃないか? そういうところがあってもさ)

看護師「あのー」

上条「ふぇっ!?」

看護師「……三人の分も置いておきましたからね」

フィアンマ「ああ、済まないな」

一方通行「許さねェよ」

フィアンマ「お前に言ってないぞ!」



垣根「お前がそういうツッコミするの珍しいな」ズズズ

フィアンマ「一方通行がボケるのも珍しいからな」

一方通行「俺だってそォいうことがあってもいいだろォが」

フィアンマ「キャラ崩壊を気にしないなら俺様はいいと思うけどな」

上条「なぁ、垣根が自然に食べ始めてることには何も言わないのか?」

一方通行「あァ?」

フィアンマ「え?」

垣根「ん? なんだ?」ズズズズ

一方通行「食ってたのか」

垣根「安心しろ。いただきますはしっかり言ったからな」

上条「……いらない情報をありがとうな」



垣根「ふう、ごちそうさま」

垣根「やっぱりエビは最高だわ」チラ

上条「いただきまーす」ズズズ

フィアンマ「いただきます」ズズズ

一方通行「いただきまァす」ズズズ

垣根「エビくれねぇかなー」チラ

上条「ネギにも味染み込んでていいな」モグモグ

一方通行「あァ、普段と違って味付けが濃い目なのも嬉しいな」ズズ

フィアンマ「ふむ、そばは初めてだが結構美味いな」ズズズ

垣根「……」

垣根「エビ天よこせぇぇぇぇぇ!!」

上条「えええええ!?」


……………………


垣根「……いや、本当に悪かったな」

上条「別にいいよ。俺はエビが好きなわけじゃないし」ハハハ

一方通行「こォいうタイプは甘やかさねェほうが相手のためだァ」

垣根「その言い方だとまるで俺がダメな子みたいじゃねぇか」

一方通行「そのものだろォが」

垣根「そう言われるとは思ってたけどもね」


フィアンマ「……なあ、少しいいか」

垣根「なんだ?」

フィアンマ「もう……年越してるぞ」

一方通行「え」

上条「嘘だろ」

垣根「本当だ…………」

フィアンマ「えっと、とりあえずあけましておめでとう、でいいか」

垣根「ああ、あけましておめでとう」

上条「あけおめー」

一方通行「…………グダグダ過ぎンだろ」ハァ


一方通行「まァいい。今年もよろしくなァ」

ここまでです!!
今年もよろしくお願いします!

乙!


………とある病院・病室………


垣根「ミニおせちセットかー。どれから食べようか迷うな」ウロウロ

フィアンマ「迷い箸は行儀悪いらしい」パクパク

垣根「そんなこと知ってるからいちいち言わねぇでいいぞ」ウロウロ

一方通行「分かってンならやめろォ」

垣根「癖ってのはそう簡単には治るもんじゃねぇ」ウロウロ

垣根「ほら、お前だってンとかァとか言うし、フィアンマだって俺様、俺様言うだろ?」

垣根「で、それは簡単には治らねぇだろ?」

フィアンマ「なぜ俺様まで引き合いに出されるんだ」

垣根「分かりやすい例だからに決まってる」ウロウロ

一方通行「いや、さも正しいかのように言ってるが全くそんなことねェぞ」



一方通行「そもそも、それは治す努力をしたヤツだけが言っていいコトなンだよォ」

垣根「努力ねぇ。そんなの信用ならねぇよ」フン

一方通行「だからいつまでも迷い箸の癖が治らねェンだよ」

フィアンマ「……ずいぶん大層なことのように聞こえるがただの迷い箸だろう?」

フィアンマ「誰にも迷惑はかからないんだから、ひとまずそのまま食べて恥をかくといい。そうしたら自然に治るものだぞ」

フィアンマ「ま、他人の目などお構いなしならば治るものも治らないか……」

フィアンマ「誰も困らないはずなのになぜ俺が変えなきゃならないんだという気持ちと恥かきたくないという気持ちの狭間で葛藤するのもいいな」

垣根「これは間違いなく人の受け売りだな」ウロウロ

一方通行「らしくねェコト話してるからなァ」

一方通行「誰かに同じこと言われたンだろォよ」

フィアンマ「なぜバレた!」



一方通行「オマエも別に人に迷惑をかけるわけじゃねェが、恥をかくような癖があるからだな」

一方通行「ま、オマエも恥とか他人の白い目などお構いなしなんだろォが」

垣根「お構いなしじゃなかったら改善されてるだろうよ。その口癖はな」ブスッ

フィアンマ「ちょっと待て、なぜ俺様の口癖の話にシフトしてるんだ?」

垣根「ああ、それは俺が迷い箸を中断して栗きんとんを食べ始めたからだと思う」モグモグ

一方通行「そろそろ俺もおせち食べるか」パカ

フィアンマ「……俺様も食べるか」パカ

垣根「あ、エビと何か交換しねぇか」

一方通行「そォだな……栗きんとんならいいぞ」

フィアンマ「俺様もくりきんとんなるものとの交換ならいいが?」



垣根「もう食べたよ」

垣根「つーかフィアンマ、お前は栗きんとん食ったこと無いだろ」

フィアンマ「言葉の裏の意味を汲み取ってもらいたいところだ」

垣根「あー、よく分かった。つまりくれねぇってことだな?」

フィアンマ「ああ」

垣根「一方通行も」

一方通行「かつて負けた相手に物乞いするとか恥ずかしくねェのかよ」

垣根「その程度のこと恥ずかしくもなんともねぇよ」

フィアンマ「プライド高いと思っていたが……予想外だな」

一方通行「コイツのプライドはペラペラなんだろォなァ」

垣根「失礼な……」



コンコン

一方通行「新年から見舞いかァ?」

垣根「そりゃ結構なことで」

フィアンマ「暇な奴もいるもんだな。まあ、話し相手が増えるのは大歓迎だ」

ガラガラ

上条「よ!」

垣根「帰れ」ガラガラ

上条「ちょ、え? ひどくない?」グググ

フィアンマ「話し相手が増えるのは大歓迎だが……」

フィアンマ「新年の忙しい時にわざわざ見舞いに来てくれた女どもを放っておいて男とだべりに来るなんて、失礼だろう」

上条「あはは、確かにそうなんだけど、話し相手がいなくてさ」

一方通行「はァ?」



垣根「なになに? つまり一人ぼっちってことかよー」プププー

フィアンマ「さしもの上条勢力と言えど正月までは見舞いに来ないというわけか」

一方通行「……」モグモグ

上条「あ、いや、見舞い客はいつも以上に来てくれてるんだけどさ……」

上条「客同士でたのしくおしゃべりを開始なさって、見舞われる側である俺だけが孤立してしまったというわけだ」

上条「こういう時に限って土御門とか青ピとかは来ないんだよなぁ……」

垣根「羨ましいなオイ!!」

一方通行「女だらけってことかァ……」

フィアンマ「さっさと退場してくれ。俺様のガラスのハートが傷ついた」ムカムカ

垣根「こうなったら俺らも見舞い客を召喚してやる!!」ポチポチ

一方通行「盛り上がってンなァ……」パクパク



垣根「…………」ゲキチン

上条「ま、まあ、そういうこともあると思うぜ」

フィアンマ「なんだか本気で哀れなんだが……」

一方通行「誰電話したンだァ?」パクパク

垣根「心理定規、ゴーグル、番外個体、土御門、ヴェントさん、佐天さん、インデックス、第三位、木原円周などなどだな」

フィアンマ「思ったより多かったな」

一方通行「木原まで呼ぼうとしたとかどンだけ必死なンだよ」

上条「なあ、インデックスと御坂ならこっちいたぞ?」

垣根「は? インデックスはそもそも電話でなかったけど、第三位は寮から出れないとか言ってやがったが……」

垣根「覚えてろよ、クソガキ……第二位の本気見せてやる」グッ

上条「ボコしたりするのはやめろよー? お前の力じゃシャレにならないだろうし、大人気ないからな」パクパク



垣根「ちっ、分かってる」バクバク

一方通行「やけ食いかァ? 太ンぞ」

垣根「正月太りなんて誰だってするんだから気にするもんか」

フィアンマ「俺様はしないがな」モグモグ

上条「実は俺も」

一方通行「同じくだァ」

垣根「……俺も実は正月太りなんてしねぇからな」

上条「あ、そうそう、お土産貰ったからおすそ分けしようと思ってたんだよな」

一方通行「お、おゥ。ばくばく食ってたからお弁当的な何かかと思ってたァ」

フィアンマ「それは……?」

垣根「お雑煮か?」

上条「そう。餅なしだけとな」

垣根「正直言っていいか?」

上条「予想はできてるけど、どうぞ」

垣根「餅のないお雑煮はお雑煮じゃねぇ」



フィアンマ「そういえば、お雑煮とかいうものは地方によって餅の形が違うと聞くが、埼玉ではどうなんだ?」ズズ

垣根「うーん、普通に四角い餅だな」モグ

上条「そうだな。丸餅とかもあるらしいけどさ」モグモグ

一方通行「あンこの入った餅を使う地域もあるらしい」パクパク

垣根「味やばくねぇか?」

一方通行「と思うが意外といけるらしいな」ズズ

フィアンマ「俺様は食べようとは思わないな……」

フィアンマ「というか上条、そろそろ帰らなくていいのか?」

上条「え、まだウザがられてるのか?」

フィアンマ「そうじゃない。いや、正確にはそれもあるが……」

フィアンマ「ともかく下はお前がいつの間にか消えたせいで騒ぎになってるようだ」

上条「え! あいつら今更気づいたのか!」

垣根「ふぇっへへ、これでお前も俺らの仲間入りだ」

一方通行「何が言いてェのか分からねェけど仲間入りはしてねェよ」



上条「えっと、じゃあ、もうおすそ分けもしたし、探されてるみたいだから帰る!」ダッ

垣根「んだよ、俺たちはあきたら捨てられるのかよ」

フィアンマ「人間はそういうものだ。期待は持つべきじゃないぞ」

一方通行「なァ、お前ら本当に新年から大丈夫かァ?」

垣根「大丈夫だ、問題ない」

フィアンマ「それは言いたかっただけだな」

垣根「ザッツライト」

一方通行「返答を欲しての言葉じゃねェからな!!」

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!

おみくじ気になるなぁ……



一方通行「そんなによそ行きの格好してどォした」

フィアンマ「よそ行きの格好と言われてもな……いつもと同じだぞ?」

一方通行「……すまねェ。訂正だ」

一方通行「いつもよりテンションが高いような気がするがどォした?」

フィアンマ「言わなかったか? 初詣に誘われたと」

垣根「ああ、そういや言ってたな」

垣根「それでテンションが、な」

フィアンマ「何を言ってる。テンションが高くなるわけ無いだろう?」

フィアンマ「強いていうなら大判焼きと今川焼きが楽しみだ、ということくらいだろう」

垣根(ちゃんと説明したはずなのにこいつの中では今川焼き=大判焼きにはなってねぇらしい)



垣根「じゃあ、その今川焼きと大判焼き頼むぞ」

一方通行「俺は甘くねェモンの方がありがてェ」

フィアンマ「お土産の催促か。意地汚いな」

垣根「意地汚いのが人間だ」

フィアンマ「……分かった。売ってたら買ってこよう」コクコク

一方通行「行かねェのか?」

フィアンマ「待ち合わせは十時だ」

垣根「……準備早すぎだろ。まだ八時だぞ?」

フィアンマ「準備は早めに済ませておくべきだろう?」

一方通行「そのせいでこんな朝早く起こされた方の身になれよォ」

一方通行「まァ、オマエはそういうことは少ねェから責めはしねェが」

フィアンマ「気遣い感謝だな」ウン

垣根「オマエはってなんだよ……」

一方通行「テメェは良くあるってコトだァ」

垣根「…………事実だから否定はしねぇよ」



~~~九時半・待ち合わせ場所~~~


フィアンマ「ふぁあ……もう少しちゃんと寝る努力をすべきだったか」ノビ-

フィアンマ「っと、ひとりごとはよくないな」

タッタッ

フィアンマ「ん?」チラ

初春「はぁ、はぁ……待たせちゃいましたか?」

フィアンマ「え? 待ち合わせは十時だぞ?」

初春「そうですけど、早く出ちゃったんですよー」

フィアンマ「立つ瀬がないな」

初春「ところでなぜフィアンマもこんなに早く来てるんですか?」

フィアンマ「ああ、それは同室の野郎に男は待ち合わせの三十分は前についているべしとか言ってたからだ」

フィアンマ「それに従ったというのにな。なんとも上手くいかないものだ」



初春「はっ、それは失礼しました」

フィアンマ「いや、謝ることはないだろう」

フィアンマ「よく考えてみれば俺様が時間通りに来ていたらお前を待たせることになってしまったのだからな」

フィアンマ「その方が俺様としては面目が無い」

初春「そうですか?」

フィアンマ「今、お前でもそんなこと気にするのかよプギャーとか思ってただろ」

初春「いや、そこまで思ってませんよ」

フィアンマ「そこまでってことは少しは思ってたのか……」

初春「あ……はは、口が滑っちゃいましたね」

フィアンマ「し、正直なのはいいことだとは思うぞ……うん」



初春「……えっと、それじゃあ行きましょうか」

初春「初詣」

フィアンマ「何事もなかったかのようにすすめるんだな!」



………神社………


ザワザワ ワラワラ

フィアンマ「学園都市では神とかそういうオカルトじみたものは信仰されてないと聞いていたが……」

フィアンマ「かなり混んでいるな」

初春「初詣に関する都市伝説があるらしいですよ?」

フィアンマ「都市伝説?」

初春「はい。佐天さんから聞いた話なんですけどね」

初春「初詣をすると金運が良くなったり、恋愛運が良くなったりするらしいですよ」

フィアンマ「なあ」

初春「はい?」

フィアンマ「それは学園都市の外でもお祈りをするとなんとやらと言われているぞ。オカルトと何も違わない」

初春「え! そうだったんですか?」

フィアンマ「……ああ」



初春「へぇ、そうですか……じゃあこっちはどうでしょう?」

初春「お守り屋さんと言う名のドラッグ販売者が初詣の時期に出没するとか……」 

初春「レベルアッパーみたいな効力があるというお守りがあるとか、お守りの中に盗聴器が仕込まれてるだとか……」

初春「男女のペアで参詣したらその絆は永遠になるとか……」

初春「実はそういうことの調査も兼ねてるんですよ」

フィアンマ「そんな面倒そうなことに怪我人を連れてくるのか?」

初春「ええ! 少し注意を払う程度のことですから、気にしないでください」

フィアンマ(いや、いかにも暗部関連っぽい噂じゃないか……)

フィアンマ(だが平凡な人間が少し気を払った程度で気付けるようなものではあるまい)

フィアンマ「じゃあ列に並ぶとするか」



初春「あ、あつつ……」ハフハフ

初春(まず大判焼きの列に並ぶとは……予想外でした)

フィアンマ「ふむふむ、こっちが今川焼きで……」パク

フィアンマ「こっちが大判焼きか…」パク

初春「良く見つかりましたね」

初春「今川焼きと大判焼き、両方の表記の屋台が同じ神社に店を出してるなんて驚きですよ」ハフハフ

フィアンマ「そうか? それは不思議なことなのか」モグモグ

初春「いえ、別におかしくはないですけど……」

初春「このサイズの神社に同じ系統の店が二つあると競合してしまいそうだなぁなんて」パクッ

フィアンマ「そうなのか?」

初春「いや、私が勝手に思っただけですよ」パクパク

フィアンマ「ふーん」パクパク



初春「ところで、どうしてそんなに買い込んでるんですか?」

フィアンマ「ああ、これか?」

フィアンマ「これは……卑しい同室の奴らにお土産を頼まれたからな」

フィアンマ「どうせなら話題にも上がっていた今川焼きと大判焼きを買っていってやろうと思っただけだ」

初春「そうなんですか! それはいいですね」

フィアンマ「だろう?」

フィアンマ「俺様は俺様が土産を持って帰って来るのを待っている奴らの期待を裏切るほど冷たいやつではないからな」

初春「照れ隠しですかー?」ニヤ

フィアンマ「ぶっ、ごふっ!!」ゴホゴホ

フィアンマ「っ、何を言ってるんだ……」ゴホゴホ

フィアンマ「気管に入っただろう……」ムッ



初春「わざわざ照れてるのを卑しい同室の奴らとか言って誤魔化さなくてもいいです」

初春「分かってますから」モグモグ

フィアンマ「ごほっ、ふう……やっと出たか」

フィアンマ「俺様のことを誤解するのもいいが、そろそろ本来の目的を達成しに行かないか?」スック

初春「え! まだ食べ終わってませんよ」バクバク

フィアンマ「そんなの俺様が気にすることじゃないだろ」フン

初春「……別に食べてても並べますから!」

フィアンマ「おい、立ちながら食べるのは行儀が悪いんじゃないのか?」

初春「確かにそうですけど、仕方が無いじゃないですか」

フィアンマ「はぁ、分かった。じゃあ食べ終わるまで待ってやる」

今日はここまでです。
乙コメありがとうございます!!



初春「むっ、上からですね」

フィアンマ「そりゃ、年上だからな」ドヤ

初春「年齢をドヤ顔しながら振りかざす人って……」

フィアンマ「無駄口をたたく前に早く食べてくれよ?」

フィアンマ「俺様は待ってる方だからな」

初春「あ、すみません」パクパク

フィアンマ「にしてもちまちま食べるな」

初春「そんなことないですよ?」

フィアンマ「いや、そんなことあるだろう。長髪女とかはもっとガツガツ食べていた気がするが?」

初春「長髪……佐天さんですよね」

フィアンマ「ああ。その佐天さんだ」



初春「うーん、単に私が少食なだけで、佐天さんは普通ですよ」

フィアンマ「今食べたらお昼ご飯食べれないよー、みたいなやつか」

初春「そこまでではないですけどね」ゴクン

初春「よし、食べ終わりました!」

フィアンマ「そんなに慌てて飲み込むことはないのに」

初春「急かしたのはフィアンマさんじゃないですか」

フィアンマ「……俺様は知らない」フイッ

フィアンマ「そんなことより、噛まないのは消化不良の元だぞ」

初春「いや、だから噛めないように急かしたのはフィアンマさんですよね」

フィアンマ「ちゃんと噛まないと喉にも詰まりやすくなるし……そうだ、お茶いるか?」スッ

初春「都合の悪いことは無視するくせに親切にされると対応に困りますね」キャッチ

フィアンマ「何のことやら」

初春(……未開封)グッ



初春「ぷはぁ、生き返りました……」

フィアンマ「いや、そもそも死んでないだろう」

初春「例えですよ。ありがとうございました」スッ

フィアンマ「いや、返す必要はない」

フィアンマ「俺様も持ってるからな」スッ

初春「は、はぁ。準備がいいですね」

フィアンマ「当然だ」



フィアンマ「さて、食べ終わったことだしお参りとやらのために並ぶとしようか」

初春「先にお守りとか買いません?」

フィアンマ「……いや、遅くなればなるほど混むだろう?」

フィアンマ「それにおみくじの結果を話しながら帰り道を歩くというのが乙だという話も聞いたしな」

初春「そうですか。面白いことを言う人もいるんですね」

フィアンマ「だな。俺様としては別にどっちでもいいじゃないか、と言いたいところだが……」

フィアンマ「今回は時間の関係でやつの言っていたことに従うわけだ」

初春「なるほど」

フィアンマ「ま、時間があればどちらでもいいんだがな」

フィアンマ(リフレッシュタイムはこの参拝とは別にちゃんと取らせてやらないとだからな)



フィアンマ「ずいぶん並んでいるな」

初春「そうですね……大体二十分くらいは待ちそうです」ヒフミ……

フィアンマ「そうか」ゴソゴソ

初春「どうしたんですか?」

フィアンマ「どうせならさっき買った今川焼きでも食べて待っていようと思っただけだ」パクパク

初春「あれ、立って食べるのは行儀悪いってさっき言ってませんでした?」

フィアンマ「ああ、それは言ったが、俺様の国では立食会とかもあるからな」

フィアンマ「つまり俺様の中にはそんなルールは存在しない」パクパク

初春「……それは屁理屈ですよね」

フィアンマ「そう言われてもな。俺様に常識は通用しねえってわけだ」

初春「ふっ、郷に入れば郷に従えですよ!!」ガシッ



フィアンマ「なっ!」ポロッ

フィアンマ「俺様の今川焼きが!」ガ-ン

初春「まるで落としたかのように言わないでくださいよ。袋に戻しただけです」

フィアンマ「食べかけなのに?」

フィアンマ「他のやつは人にあげるものなのにか?」

初春「…………学業のお守りっていくらするんでしょうね」

フィアンマ「話をそらすなよ?」



フィアンマ「そう言えば年末年始は風紀委員の仕事はないのか?」

初春「そんなわけないじゃないですか。普段の数倍シフトギチギチですよ」

初春「こういう時期は普段よりハメ外しちゃう人が多いんですよ」

フィアンマ「なるほどな」

フィアンマ「よく抜け出してこれたな」

初春「サボったみたいな言い方やめてくだいよ」

フィアンマ「そういうこと言うところが怪しさを引き立てている気がするが、突っ込まないでおこう」

初春「ガッツリ言ってますよ」

フィアンマ「わざとだ」

初春「ですよね」



フィアンマ(にしてもこの神社、魔術的記号が一切ないな)

フィアンマ(まるで魔術との境界を破らないよう最新の注意を払って建てられたかのようだ)

フィアンマ(流石アレイスターの管理する街ということか)

初春「どうしました? 黙り込んじゃって」

フィアンマ「いや、寝不足なだけだ」ファア

初春「……大丈夫ですか?」

フィアンマ「見ての通り全く問題ない」

初春「そうですか? 具合悪くなったら言ってください」

フィアンマ「ああ、そうさせてもらう」



フィアンマ「それにしてもだいぶ待たされるな」

初春「まだ十分しかたってませんけど?」

フィアンマ「な、に!?」

フィアンマ「俺様の体感時間では三十分はたったはずなんだが……」

初春「それはマズイですよ。体内時計がめちゃくちゃですよ」

フィアンマ「そうなのか?」

フィアンマ「……いや、問題ない。俺様は太陽の位置で大体の時間の把握はできるからな」

初春「それはすごい特技だと思いますけど、体内時計のズレは生活習慣の乱れの表れですよ」

初春「そう言えば体内時計のズレは不眠のもとらしいですよ」

フィアンマ「……夜は早く寝ることにしよう」

初春「不眠解消出来るといいですね」

フィアンマ「だな」



フィアンマ「そういえば、昨日は何をしていたんだ?」

フィアンマ「初詣とは本来元旦に行うべきものだろう?」

初春「あー、流石に元日に外へ連れ出すのは気が引けるじゃないですか」

初春「他にも用事があるかもしれないですし」

フィアンマ「そうか? 俺様は暇を持て余していたから誘ってくれても構わなかったんだが」

初春「と、いう理由もありますが、本当は風紀委員の仕事始めだったからですね」

フィアンマ「元日から仕事とか俺様ならゴネて建物破壊するレベルで嫌だな」

初春「私は風紀委員ですから。当然のことなんですよ」エヘン

初春「というか建物破壊ってどんだけですか……」

フィアンマ「そんなに嫌なことをさせられてるのなら、今のうちにリフレッシュだな」ファア

初春「ですね」ウンウン



フィアンマ「だが、その重要なリフレッシュタイムのお供が俺様というのは人選ミスだと思うがな」

初春「そんなことないですよ」

フィアンマ「そうか?」

フィアンマ「一方通行にはよく、話していてストレスが溜まると言われるが」

初春「一方通行さんですか?」

初春「……あの人はそういうこと関係なく常にストレスが蓄積しているような気もしますけどね」

フィアンマ「ふむ、確かにそうかもしれない……」

フィアンマ「それにしても、お前は思っていることを結構ズバズバ言うな」

初春「え? それはないですよ」

フィアンマ(これが有無を言わせない感じというやつか) 

フィアンマ「えっと……そうだな」



初春「ところで、フィアンマさんは何をお願いするんですか?」

フィアンマ「俺様は、そうだな……」ウ-ン

フィアンマ(特に叶えたい願いなどはないのだが……)

フィアンマ(強いて言えば、俺様の魔術を奪った奴らへの粛清か)

フィアンマ(しかし、そんなことを言うわけにもいかないので……)

フィアンマ「パソコンの腕が上がるように、かな」

初春「おおっ! 向上心があるのはいいことですよ」

フィアンマ「そうだな。だらだらやっていては上手くなるものも上手くならないからな」

初春「それじゃあ先生は頑張っちゃわないとダメですね」ゴオオオ

フィアンマ「そ、そうか……だがお手柔らかに頼む」

初春「安心して下さい。その辺は分かってるんで」



初春「そういえば願い事って口にすると叶わなくなるものらしいですよ」

初春「言ったあとに言うのもあれですけど」

フィアンマ「本当に言った後に言うのはあれだな……」

初春「あ、でも、きっと迷信ですよ」

フィアンマ「間違いなく迷信だな」

フィアンマ「そうでないと困る」

初春「先生も困りますよ」

フィアンマ「そうだな。先生さんは迷信通りにならないように俺様にモノを教えなくてはならないのだから」

初春「プレッシャーかかるんでやめてくださいよ」

フィアンマ「わざとだ」

初春「うう」シナッ

フィアンマ「頭上の花が萎びているところ悪いが、順番が来たぞ」


………………………


フィアンマ「……」ズーン

初春「大吉です!!」ジャン

フィアンマ「……」

初春「大吉です!!」ジャン

フィアンマ「……心配するな、聞こえてはいる」

初春「聞こえてるのに無視ですか?」

フィアンマ「俺様のまとうこの雰囲気から察することができないのか?」

初春「……そんなに悪かったんですか?」チラ

フィアンマ「凶」パラ

初春「凶……」

フィアンマ「凶だ」



初春「えっと、お守りでも買って運上げましょうよ」

フィアンマ「うーん……」

初春「どうしたんですか?」

フィアンマ「いや……」

フィアンマ(効果のあるお守りじゃないんだよな)

フィアンマ(だがキーホルダーとしてなら使い道としても悪くはないか)

フィアンマ(お守りなのに種類も豊富だしな)

フィアンマ「じゃあこれを買おう」

初春「……」ジー

フィアンマ「なぜそんなにじっと見てるんだ? 欲しいのか?」

初春「……それは安産祈願のお守りです……よ?」

フィアンマ「…………そうか」



フィアンマ「いや、本当に凶の力ってものは舐められないな」

初春「凶の力っていうか、ただの不注意ですよね」

フィアンマ「真実は時として人を深く傷つけることもあるのだということを覚えておいてほしい」

初春「……本当に傷ついちゃいましたか」

初春「ごめんなさい」

フィアンマ「まあ、別に大して傷ついてなどないがな」

初春「え!!」

フィアンマ「するべきこともしたし、そろそろ俺様たちも帰るとするか」

初春「本気にしちゃったじゃないですか!!」



フィアンマ「まま、気にするな」

フィアンマ「俺様ジョークだ」

初春「面白くないですよ?」

フィアンマ「今のは本気できた……」グサッ

初春「そんなところで座り込んでたら風邪ひいちゃいますし、帰りましょう」

フィアンマ「そうだな。俺様もそろそろ暖かい部屋へ帰りたい」

初春「それじゃあ少し早めに歩きましょう」スタタ

フィアンマ「む、足の速さなら負けないからな?」スタタタタ

初春「ひいいいいいい!!」スタタタタタタタタ


これで年末年始のいろいろはおしまいです。
明日からは元の路線に戻します。
よろしくおねがいします。



………第七学区・地下街入口………


心理定規「えっと、なんだったか忘れたけどゲームにあったそらをとぶって技を彷彿させる感じね」スタッ

垣根「おちょくってんなら黙ってくんない?」

心理定規「そんなわけないじゃない」

心理定規「そう聞こえても仕方ないと思うけど」

垣根「分かってんのか……」

心理定規「一応言動には人一倍気を使ってるからね」

垣根「なおさらタチ悪ぃな」

心理定規「良く言われるわ」

垣根「褒めてねぇからな? そこも分かってくれてることを信じたい限りだが」

心理定規「さあ?」

垣根「お願いだから分かっていて!」



心理定規「それで、一体なんのお店なのかしら」

垣根「すき焼き専門店だと」

心理定規「え?」

垣根「雰囲気もクソもねぇって思っただろうが今回だけは許してくれ」

垣根「酒と雰囲気の力も借りたいからな」グッ

心理定規「ふふっ、別に文句なんてないわよ」

心理定規「今日はあなたの誕生日記念なんだしね」

心理定規(何のために酒や雰囲気の力を借りたいのか聞くのは意地悪すぎるか)

垣根「ああ、そう言ってもらえると助かる」フゥ



………地下街・すき焼き店………


心理定規「すき焼きかぁ。いつ以来かしら」

垣根「俺はスクールの忘年会以来だったか?」

心理定規「ああ……私もそうね」

店員「いらっしゃいませ! お二人様でよろしいでしょうか?」

垣根「ああ」

垣根「途中で外に出たいんだが大丈夫か?」

店員「酔い覚まし、ということでしょうか?」

垣根「そうそう」

店員「それでしたら、先払いしてくれれば大丈夫ですよ」

垣根「そうか。じゃあカードじゃねぇ方がいいか……」ポン

垣根「これで足りると思うが、もし足りなかったら後で払う」

店員「は、はあ。ありがとうございます」



心理定規「……現金も持ち歩いているのね」

垣根「まあな。カードだけだと不便なこともあるんだよ」

心理定規「それはそれは……認識を改めておくわね」

垣根「ああ。変な誤解が解けたみてぇだし良かった」ウム

店員「そ、それではご案内させていただきます」

垣根「ああ、頼む」



心理定規「途中で外に出るってどういうこと?」

垣根「酔い覚ましみてぇなもんだ。ってさっき言ったろ」

垣根「俺はこう見えて酒には弱いからな」

心理定規「あら、そうだったの? 今までそんなことなかったけど」

垣根「そりゃ、セーブかけてたし当然だろ」

垣根「家で飲むときはぐでんぐでんだ」

心理定規「ふふっ、それは録画して馬鹿にするための材料にしたいわね」

垣根「そんなことさせねぇよ」

垣根「結構その辺は気をつけてるからな」ドヤ

心理定規「気をつけてもどうにもならない時はどうにもならないのよ」

今日はここまでです。
短くてすみません。



……………………
………


店員「すき焼きセット二人前と生ビール、ウーロン茶になります」ゴトゴト

垣根「おー、酒だー!」ワクワク

心理定規「もう酔っ払ってない?」

垣根「俺の純粋な部分をそんな言葉で傷つけるな!」

心理定規「そんな所あるの?」

垣根「ああ、帝督君だってそういう所はあるんだよ」

店員「……えっと、追加で注文がありましたらお声掛けください」ペコ  スタタタタタッ

心理定規「……完全に引かれたわね」フフ

垣根「やめてくれ。それは俺が一番分かってるから」



垣根「……気を取り直して、かんぱーい!」サッ

心理定規「乾杯」スッ

カチン

垣根「ってお前ウーロン茶かよ」

心理定規「あまり酔いたい気分じゃないだけよ」

垣根「ふーん」

心理定規「……別に飲めないわけじゃないからね」

垣根「知ってるから。いちいち弁明する必要ねぇよ」

心理定規「理解してくれてありがたいわ」

垣根「どーも」



心理定規「それじゃあ、まず野菜でも突っ込むとしましょう」ドカドカ

垣根「あ、その野菜セットの中には水菜も入ってるのか?」

心理定規「すき焼きだしあるでしょう……うん、入ってるわよ」

垣根「……水菜だけ後にしてくれないか?」

心理定規「苦手なの?」

垣根「恥ずかしながら」

心理定規「そう……でも水菜って基本無味じゃない? 苦手になるようなものでもないと思うけど」

垣根「人には人の理由があるんだよ」

心理定規「でも、少しは食べてね?」

垣根「子供じゃないんだからそれくらい言われなくても分かっている」

心理定規「じゃあ、私の分だけは入れておこう」

垣根「混ぜるな危険!!!!! 俺の白菜に混じる!!」

心理定規「食べる気0じゃない……」



垣根「……」ゴクゴク

心理定規「肉は後でいい?」

垣根「ああ。やっぱ酒は最高だな」プハァ

垣根「……っと、卵はとかねぇのか?」カパッ  カチャカチヤ

心理定規「とくわ」

垣根「んじゃあ俺がやっといてやるからお前は水菜以外の野菜突っ込んでてくれ」

心理定規「悪いわね」ドカドカ

垣根「いや、大したことじゃねぇから」カパッ

心理定規「ありがとう」

垣根「……こそばゆいな」カチャカチャ

心理定規「ふふ、たまには感謝されるのもいいんじゃない?」ドカドカ

垣根「そんなキャラじゃねぇよ」カチャカチャ



心理定規「え?」

垣根「何がえ? なんだ?」

心理定規「いや、そんなキャラじゃないって発言にえって言っただけよ」

垣根「いや、俺はこそばゆいとかいうキャラじゃねぇし」ゴクゴク

心理定規「なら自分ではどういうキャラだと思ってるの?」

垣根「冷静沈着系クールでイケメン優しいキャラだと思ってるが?」

心理定規「……真顔でよく言えたね……」

垣根「いや、だって事実だしな。少し控えめすぎたか?」ゴクゴク

心理定規「……どっちでもいいわ。気にしないでちょうだい」

垣根「ちょ、冗談に決まってんだろ!」

垣根「真剣に受け止めるなよ!!」

心理定規「真剣になんて受け止めてないわよ。少し呆れちゃっただけ」

垣根「う、呆れないでくれよ……とりあえず卵な」スッ


今日はここまでです。

おつ



心理定規「ありがとう」

垣根「感謝されるほどのことじゃねぇよ」

心理定規「そうやって謙遜する割には、丁寧に混ぜられてるわね」

垣根「ふふん、それが俺の女子力ですが、なにか?」ゴクゴク

心理定規「……その一言がなければ賞賛出来るんだけどね」

心理定規「まあ、それがあなたの味か」

垣根「分かってるじゃねぇか。俺も同じこと言おうと思ってたぜ」ニヤッ

心理定規「なんだかんだ言ってあなたとは長い付き合いだからね」

心理定規「そういうところは理解してるつもりよ」

垣根「……俺はお前のことを理解できてるかねぇ」ゴクゴク

心理定規「何? これは本格的に酔ってきたのかしら……?」

垣根「まだ酔ってねぇよ。気分は高揚してるけどなー」ケラケラ



心理定規「ホント、あまり飲みすぎると身長伸びなくなるわよ」ハァ

垣根「いいだろ、俺はもう180cm超えてんだからよ」ゴクゴク

心理定規「え、そんなに身長あったの?」

垣根「ああ。成人男性の平均よりも高いんだぜ」ドヤ

心理定規「羨ましい限りね」

垣根「そうか?」

心理定規「ええ、私ももう少し身長があればなーって」

垣根「何言ってんだよ。お前はそれくらいが一番いいだろ?」

心理定規「なっ……」カァ



垣根「お、肉がいい感じに煮えてきたな」スススッ

垣根「よし、食べちゃおーっと」スッ ポチャ

心理定規「……」ポケー

垣根「おーい、大丈夫か?」

心理定規「だ、大丈夫よ」

垣根「そうか。ならいいんだ」

垣根「で、肉いらねぇのか? 無くなるぞ?」

心理定規「肉は……少しだけもらっておくわ」

垣根「りょーかい。じゃあ入れておくぞー」

垣根「ボーっとしてると俺が全部食べちゃいそうだしな」スッ ポチャ



心理定規「ちょっと飲みすぎじゃない? 本当に」

垣根「大丈夫だ。結構酒には強いんでね」

心理定規(さっきと言ってることが真逆じゃない……)

心理定規「……ダメな人ほどそういうものよ」

心理定規「その証拠に顔赤くなってるし」

垣根「え、マジで?」

心理定規「マジよ」

垣根「ちっ、少し調子乗って飲みすぎたか」

心理定規「分かってもらえて良かったわ」

垣根「うるせぇ」フン



垣根「……少し酔い覚ましに付き合ってくれねぇか?」

心理定規「いいけど、体調は大丈夫なの?」

垣根「問題ねぇよ。少し頭がぼーっとするけどな」クラッ

心理定規「それって問題無くないじゃない……肩貸すわよ」

垣根「一人で歩くことくらいは出来る」

垣根「第一、女の肩を借りるなんて俺のプライドが許さねぇ」スック

心理定規「でもよろよろとどっか行かれても困るんだけど」

垣根「……そこまで酔ってねぇから」グラッ

垣根「あ、でも手いいか?」

心理定規「……繋ぐってこと?」

垣根「ああ」



心理定規(酔いのせい……かしら?)

心理定規「だ、大丈夫よ」

垣根「悪いな」ギュ

心理定規「気にしないで。あなたの体調を気遣えなかった私の責任だから」

心理定規「もちろん一番悪いのは自分の飲める量をきちんと把握してなかったあなただけどね」

垣根「ははっ……確かにその通りだな……」

心理定規「ほら、早く外行きましょう」グイ

垣根「じゃあ行くか」

今日はここまでです。
なかなか上手く書けませんね……


………第七学区・公園………


スタスタ カツカツ


垣根「うわ、もう夜だな」

垣根「月が見えるくらい澄んでやがる」フゥ

心理定規「そうね。本当に月が綺麗」

心理定規「でもまだ暑いわね……」

垣根「仕方ねぇよ、そういう季節だし」

垣根「で、手は暑くねぇのか?」ブンブン

垣根「自分から言っといてなんだけど嫌だったら離せよ?」

心理定規「嫌だったら最初から断ってるわよ」

垣根「……そうか」フッ

垣根「じゃあ、ありがたくこのままでいさせてもらうか」

垣根「離したら俺はフラフラどっか行っちゃうかもしれねぇらしいしな」

心理定規「……そうね」



心理定規「で、どう? 酔いは覚めてきたかしら?」

垣根「そう簡単に覚めるわけねぇだろ」

垣根「まあ風に当たってると少しはましになった気もしてくるけどな」

心理定規「そう」

心理定規「倒れたりしたら困るからゆっくり休むといいわ」

垣根「ああ、悪いな」

垣根「けど、倒れるほどは飲んでねぇからな?」

垣根「これでも飲む量はコントロールしてるんだし」

心理定規「はいはい」

垣根「……おい、聞き流してるだろ」ジト-

心理定規「そんなわけないじゃない。でももう少しコントロールできるようにしなきゃダメね」



垣根「普段はこんなになるまで飲まねぇし」フン

心理定規「普段は?」

垣根「……今日は特別なんだよ」

心理定規「どういうこと?」

垣根「普段はサバサバしてるお前が俺の誕生日を祝うために出かける機会を設けてくれた」

垣根「……テンション上がってハメ外しても仕方ねぇだろ」

心理定規「あら、テンション上がってたの?」

垣根「ああ」

心理定規「よしっ! あなたが喜んでくれて私も嬉しいわ」

垣根「あ、ああ。いい誕生日をありがとうな」

心理定規「どういたしまして」




垣根「……なあ」

心理定規「何?」

垣根「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけどいいか?」

心理定規「……いいけど」

垣根「…………」スゥ





垣根「好きだ」

垣根「俺と付き合ってもらいたい」




心理定規「…………」

垣根「……嫌なら嫌って言えよ?」

心理定規「……嫌なわけないじゃない」


垣根「本当にい――」

心理定規「……んっ」グッ

垣根「!!」ピクッ



心理定規「これがお返事」

心理定規「私もあなたが好き」

今日はここまでです。

エンダーーーー

イヤァ~



垣根「ちょ、お前、え?」

垣根「な、何してんだ?」

心理定規「キスだけど?」

垣根「いや、分かってるけど!」

垣根「お前の大胆な行動に衝撃を受けすぎて、最後何を言っていたかまで頭がついて行かなかったんだよ……」

心理定規「あら、頭は人より秀でているはずなのに聞き逃すなんてことがあるのね」

垣根「そこまで期待されても困る。俺だって動揺で上手く頭が動かねぇこともあるんだよ」

垣根「……だからもう一度さっきの言葉を聞かせてほしい」

心理定規「……分かったわ。もう一度だけ言うからちゃんと聞いてね」

垣根「……」ゴクリ

心理定規「私もあなたのことが好き」

垣根「……それは本気か?」

心理定規「うん」



心理定規「もうこの手を離したくないくらいには、意地っ張りでナルシスト装っちゃう、だけど私を助けてくれるあなたが好き」ニコッ

垣根「……そ、そんなこと突然言うなよ!! 照れる! 照れるって」カアッ

心理定規「私もあなたの告白には照れたわよ」

垣根「いや、キスの方が照れるもんだろ」

心理定規「……もしかして嫌だった?」

垣根「そんなわけねぇよ」

心理定規「……それは良かったわ。あまりにうぶな反応されたから少し心配だったのよ」

垣根「そこは心配する必要性がないだろ」

垣根「断言してやる。好きな人にキスされて嫌な気分になるわけがない」ウンウン

心理定規「かっこいい事言ってるつもりみたいだけど、別にそんなことないからね?」

垣根「地味に傷つくな」

垣根「あとさりげなくうぶな反応とか言うな。あれは突然で驚いただけだ」フン




心理定規「そんな見栄っ張りなあなたに聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」

垣根「なんだ? この俺のブロウクンハートに塩を塗り込むようなことじゃなけりゃ何でも答えてあげよう」

心理定規「なんで壊れてるのよ」

垣根「俺はうぶなんかじゃない」

心理定規「ああ……じゃあそれは撤回しておくわ」

垣根「おう。じゃあってのは気になるが、質問をどうぞ」

心理定規「私のどこがどれくらい好きなの?」

垣根「!! い、いきなりど真ん中な感じのことを……」

心理定規「私は言ったもの」フフフ

垣根「なんて笑みだ……だがここで答えられないなら俺はそもそも告白などしない!!」ダン

心理定規「おお!」

垣根「俺は今すぐ抱きしめたいほど、素直じゃねぇけど可愛いところもある結構毒舌な……」

垣根「俺を心配して怒ってくれるお前が好きだ」

心理定規「……」

心理定規「ふふっ、本当に照れるわね。なんだか不思議な感じ」

垣根「言う方もなかなか恥ずかしいけどな」

心理定規「……結構毒舌ってところは撤回してもらいたいけどありがとう。嬉しいわ」



心理定規「……でも」

垣根「ん?」

心理定規「私もお金や権力目的かもしれない」

心理定規「もしかしたら能力で心の距離を縮めているだけかもしれないよ?」

心理定規「それでも本当に私を好きになってくれるの?」

垣根「そんなの関係ねぇだろ」

垣根「俺が好きになるやつは俺が決める」

垣根「相手が金目当てである、能力使ってる、そういう可能性があることも嫌なくらい理解してる」

垣根「そのうえで、騙されてたとしても仕方がないって思えるくらいじゃねぇとな……」

垣根「だからそんなこと心配するなよ。それくらいお前が好きなんだから」ポン

心理定規「……そう」

垣根「んで、俺の見込みだとお前はどれでもない」

垣根「純粋に計算なしで接してくれてんだろ?」

垣根「その証拠にお前、動揺しまくりだし」クク



心理定規「ど、動揺なんてしてないわよ。これくらい慣れっこだし」フン

垣根「そうかい。俺はかなり動揺してんだけどなー」

心理定規「その口調はどう見ても動揺してないじゃない。欠片すらないわ」

垣根「職業柄気持ちを表に出さない術も必要になってくるからな」ドヤ

心理定規「いつもと同じような対応……さてはもう酔ってないわね?」

垣根「……あれ、バレた?」

心理定規「それくらいは気づけるわよ。一日中一緒に居たんだから」

垣根「まあ、未元製酔い覚まし飲んだからな」

心理定規「そう。安心したわ」

垣根「って、お前平常心取り戻してんじゃねぇか!」

心理定規「そんなわけ無いでしょう。まだまだ表情だけ偽るのが精一杯よ」

今日はここまで!!

乙!

おつ



垣根「ふーん、無理して偽らねぇでいいんだけどな」

垣根「動揺して顔真っ赤にしてるお前も可愛いだろうに」ニシシ

心理定規「それは私のプライドが許さないわよ。さすがにね」

心理定規「彼氏彼女だからって何もかもさらけ出すわけじゃないのよ」

垣根「なるほどな。やっぱり程よい距離感は大事だよな」

心理定規「って、少し残念そうな顔しないでよ。出来る限り出していけるようにするから」

垣根「え、そんな顔してた、俺?」

心理定規「ええ。さっきの気持ちを表に出さない術を持っている的な発言はなかったことにした方がいいと思うくらいにはね」

垣根「そうかぁ……つーか年下の彼女に気を遣わせるなんてなぁ」

心理定規「歳なんて関係ないわよ。補いあってこそでしょ?」

垣根「……そうか。それじゃあこれからよろしくな」

心理定規「こちらこそよろしくね」



心理定規「それじゃあ、話も一段落したところでベンチでも座りましょう?」

垣根「え、ああ。足疲れたのか?」

心理定規「ええ、そんなところね」

垣根「あれ……? でもその靴でかけっこ出来るお前がこの程度で?」

心理定規「そういうことは聞くべきじゃないのよ」

垣根「それくらいは分かってる」

垣根「今回は純粋に心配だから聞いただけだ」

心理定規「……それなら大丈夫よ。あなたが心配するようなことにはなってないわ」

心理定規「今日は結構はしゃいじゃったから疲れただけなの」

垣根「くく、俺も結構はしゃいだから疲れてたんだよ」

心理定規「あなたがはしゃいでるなんていつも通りじゃない」

垣根「……それはどういう意味だ?」

心理定規「さあ?」



垣根「あの辺でいいか」スタスタ

心理定規「そうね」カツカツ


心理定規「……」チラ

垣根「……座らねぇのか? 疲れてたんだろ?」

心理定規「手離すの?」

垣根「あー、少しだけな?」

垣根「腰掛けるまでの間だけ、一瞬だ」

心理定規「そう……じゃあ先に座ってよ」

垣根「あ? 俺が?」

心理定規「当たり前じゃない。早く」

垣根「なー、分かったからあんまり急かすな」

垣根「はい、座ったぞ」スタ

心理定規「ふふふ」キラーン



垣根「何だ? その表情は……」フルフル

心理定規「大したことじゃないわよ」

心理定規「少し膝借りるだけ」ポン

垣根「もしかして膝枕でもしてほしかったりするのか?」

心理定規「そうよ、って言ったらどうする?」

垣根「拒否はしねぇけど、そういうのは外でやるのはな……」

心理定規「そう。ちなみに膝枕してほしいわけじゃないわ」

垣根「なんだ。お前のことだからそれくらいは言うかと思ってたけど」

心理定規「外でそんなことを要求するほど大胆な少女じゃないわ」

垣根「突っ込みどころが多すぎるだろ……」

心理定規「そうかしら……?」

垣根「まあいいや。それで膝を借りるってどういう意味だ?」

心理定規「膝に座る」

垣根「そっちの方がよっぽど大胆だろ!!!」



心理定規「……」フン

垣根「なに拗ねてんだよ」

心理定規「膝に座れないなんて予想外すぎてね」

垣根「もしゴーグルにでも見られたらずっとおちょくられ続けるだろ」

心理定規「もしそんなことになったらゴーグル君のこと吊し上げるでしょう?」

垣根「不正解だ。俺は俺を馬鹿にする相手には容赦しない」

心理定規「具体的には?」

垣根「まあ、いつのも仕事のように片付けるまでだ」

心理定規「恐ろしいわね。じゃあ今日のところはひきましょう」

垣根「ああ。あいつのためにもな」

心理定規「ただし、次の機会はひかないから」

垣根「湿布用意して待ってよう」



心理定規「それにしてもすごい真っ直ぐな告白だったわね」

垣根「言わないでくれ……恥ずかしすぎる」

心理定規「そんなことないわよ。女子ってもんは直球で思いを告げられるのが憧れなのよ」

垣根「なぜ女子を語ってんだよ」

心理定規「友達の……違うわね。組合員の意見を参考にしただけよ」

垣根「組合員ってなんだよ……俺の知らないところで一体何が展開されてんだ?」

垣根「……けど、普通に言ってくれていいって言ったのはお前だろ?」

心理定規「まあ、私もそういう告白に憧れる女子の一人だし」

垣根「なんだよ。ちゃんとお前も女子してるじゃねぇか」

心理定規「ちゃんとって何よ。元々ちゃんとしてたでしょう」

垣根「いや、そういう意味じゃなくて、女友達とそういうことを語り合ったりしてたんだなーって」

心理定規「そりゃそうよ。私はプライベートと仕事は区別する主義なんで」

垣根「俺があいつらと馬鹿話をしている時に……か」

今日はここまでです。
乙ありがとうございます!

おつ



心理定規「でも、よく覚えてたわね。あんなサラッと言った事」

心理定規「私でも一瞬そんなこと言ったっけって考えたほどよ」

垣根「自分の言葉には責任持たねぇと」

垣根「それを踏まえて考えたんだからな」

心理定規「……であの言い方になったと?」

垣根「……まあ、実際はうまい言葉を並べる余裕がなかっただけだがな」

心理定規「あら、素直ね」

垣根「俺はもともと素直だろ」

心理定規「それ、一方通行辺りが聞いたら卒倒するわよ」

垣根「え、なんで」

心理定規「驚きすぎてよ。お前のどこが素直なンだよ!! ってね」

垣根「えー、俺あいつにそんなに嘘ついた記憶はねぇが」

心理定規「嘘はつかなくても、元々彼からあなたへの信頼はほぼないようなものだし仕方がないでしょう」

垣根「……そうだな。あいつから信頼されてるってのも気味悪いし」ウン



垣根「そういや、いいもの買ったんだけどいる?」

心理定規「唐突ね」

垣根「いらねぇのか?」

心理定規「えっ! いるに決まってるでしょ」

心理定規「あ、でもゴミとかだったら許さないから」

垣根「ふむ、許してくれないお前にも興味はあるけど、今回はよしておこう」

心理定規「M?」

垣根「どちらかと言えばSだ」

心理定規「……で、そのブツはいつ買ったの?」

垣根「あ、ああ。お前が靴探してくれてる間にな」

心理定規「あの時か……なんだか怪しいとは思ってたけど、やっぱりね」

垣根「バレてたか……」

心理定規「あからさますぎよ」

垣根「それもそうだな」

垣根「えっと、どこに仕舞ったっけな」ゴソゴソ

垣根「あ、あった」



心理定規「……あれ、これってもしかして」ジー

垣根「ペアのストラップだ」チャリ

心理定規「へぇ、かわいい……」

垣根「今日のお礼だ」

心理定規「ふふっ、あなたもペアとかしたいんだ」

垣根「お、おちょくるなよ」

心理定規「はいはい」ニヤニヤ

垣根「にやけやがって……はい、これな」スッ

心理定規「ありがとう……っとケータイ、ケータイ…………あれ?」ゴソゴソ

垣根「なくしたのか?」

心理定規「……店においてきちゃったみたい」

垣根「おいおい、無用心だな」

心理定規「少し気が抜けちゃってるみたいね」

垣根「ならそろそろ戻る?」

心理定規「ええ。そうするわ」



垣根「じゃあ、また手つなぐか?」スッ

心理定規「無言で差し出してきても分かったわよ」ギュッ

垣根「チャラいのは見かけだけだからそういう気遣いは期待すんなよ」

垣根「こういうのは初めてなんだから」

心理定規「見かけがチャラいのは自覚ありなのね」

垣根「まあ、あえてこうしてるからな。柄悪そうなのも仕様だ」

垣根「つまりは計算づくしの外見ってこった」

心理定規「そんなの誰だってそうじゃないの?」

心理定規「私もそうだし」

垣根「さあな。ほかの奴のことなんて知らねぇ」

心理定規「あなた、結構適当よね」

垣根「適当で結構。さーてと、酔いも覚めたところで残り食べに行くとするか」



………地下街・すき焼き店………


垣根「……お、いい冷房」ガラ

店員「!! 肉などは冷めて固くなっていたのでさげておきました」

店員「その代わりに新しい肉をお持ちしましたのでどうぞ」

垣根「え、マジか」

心理定規「そんなことあるのかしら……」

店員「いえ、今回は特殊です。お金はかなり多めにいただいてしまったので」

店員「こちらお釣りです」スッ

垣根「ん、ああ。すまねぇな」

心理定規「……」

心理定規(すごい気が利くわね??)


……………………


垣根「……そんでこのあと寄りたいとことかあるか?」パクパク

心理定規「そうね……もう最終下校時刻過ぎてるしあんまり店は空いてないわよね」モグモグ

垣根「だなー。でも二人で病院戻ったりしたら奴らに冷やかされそうだし」パクパク

心理定規「ならスクールのアジトへ行かない? 何を言ったって私たちの原点はあそこだし」

心理定規「それに冷やかされもしないわ」モグモグ

垣根「確かにゴーグルの奴冷やかしはしねぇだろうが雰囲気はぶち壊すだろ」

心理定規「……あ、それもそうね」

垣根「やっぱ帰るしかねぇな」

垣根「今日病院に帰らなかったら奴らにいろいろ言われるのは間違いねぇ」

今日はここまでです。
おつありがとうございます!!



心理定規「そう。それじゃあゆっくり食べようかしら」モグモグ

垣根「ああ、そうしろそうしろ。俺も本当は帰りたくねぇしな」

心理定規「……じゃあ帰らなければいいじゃない」

垣根「だから奴らが……」

心理定規「なにか言われたら仕事だって突っぱねればいいし」

心理定規「それに私も一緒にいたいし」

垣根「何だ? ……急にデレデレじゃないか」

心理定規「あなたもかなりデレてるわよ」

垣根「……それは否定できねぇな。ゆっくり食べるとか可愛いなんて思っちまったし」

心理定規「そんなことさらっと言わないでちょうだい」

垣根「仕返しだ」フン



心理定規「それで、本当に帰っちゃうのかしら?」

垣根「……そんな目で見るなよ。俺だって一緒に居てぇのは同じなんだから」

心理定規「なら、あの辺のホテルにでも泊まればいいじゃない。誕生日記念なんだし」

垣根「ほほっ、ほ、ホテル!?!? 何言ってんの??」

垣根「俺はともかくお前はダメだろ!!」

垣根「男女のホテルってのはお前の小遣い稼ぎの仕事以上の意味があるんだぞ?」

心理定規「そんなにテンパらなくても……」

心理定規「それに誕生日プレゼントまだあげてないじゃない」

垣根「え? もうとっくにもらってるだろ」

心理定規「渡してないわよ?」

垣根「プレゼントは物である必要なんてねぇんだよ。俺はお前で十分なわけ」キラッ

垣根「あ、束縛したいって意味じゃねぇからな」

心理定規「……それじゃあ私もプレゼントもらってることになっちゃうじゃない」

垣根「……なるほど、そういう考え方か」



垣根「じゃあ、来るか?」

心理定規「どこによ」

垣根「俺ん家」

垣根「わざわざホテル泊まる必要もねぇだろ」

心理定規「あ、え? 本気?」

垣根「ああ」

垣根「まだプレゼントを俺に渡してねぇと思ってんだろ?」

心理定規「まあ、そうだけど」

垣根「なら欲張りな俺は遠慮なんてしねぇ」

垣根「もう一つ欲しいものがあるからな」

心理定規「……私があげられるものなら何でもいいわよ」

垣根「決定だな」ニヤ



………第三学区・高級マンション街………


心理定規「あなたこんな所に住んでたのね……ため息が出るわ……」キョロキョロ

垣根「まあ月に一回も帰らねぇいわば別荘みたいなもんだけどな」

心理定規「確かにずっとスクールのアジトにいたものね」

垣根「そうそう。実際あれくらい雑多な方が俺にはちょうどいいんだよ」

心理定規「ならそういう部屋を借りれば良かったじゃない」

心理定規「っていうか借りる必要あったの?」

垣根「うーん、俺だけのプライベートな空間が欲しかったのと、一応レベル5としての見栄みたいなもんがあったから買った、か?」

心理定規「買ってたのね……」

垣根「ああ。金は有り余ってるからな」ドヤ

垣根「ま、見栄とは言っても人をここに連れてきたのは初めてだがな」

心理定規「あら、それは光栄ね」



垣根「……あー、えっと、見栄のためってのは建前だったな」ブンブン

垣根「本当は仕事のためだ」

心理定規「仕事?」

垣根「ああ、この辺は外からのオキャクサマが多いだろ」

心理定規「そうね」

垣根「だからそのオキャクサマを暗殺するだとか警護するだとかの比較的簡単な、かつ割のいい仕事がゴロゴロしてんだよ」

垣根「そんな好条件な場所なんだから俺の本拠地を置いてもおかしくねぇだろ?」

心理定規「……」

垣根「見栄とか本当に関係ねぇからな? 俺はそんなちまっこいことにはこだわらねぇし」

心理定規「何も言ってないわよ」



心理定規「でもそんなに苦しい言い訳を並べてごまかさないでいいのに。少し無理があるわよ」

垣根「は? どこが苦しいんだ」

垣根「完璧で綺麗な理由だろうが」

心理定規「金は有り余ってるからって言ってたじゃない」

心理定規「それにあなたは割が良くて楽な仕事より無理難題な仕事の方が楽しそうにやってた気がするけど」

心理定規「例えば一方通行戦とかね」

垣根「あー、まあ、そうだったか……」

垣根「よく見てるな」

心理定規「あなたはどこに地雷があるかわからないリーダーよ? ちゃんと見てないと私でもあなたの本心を掴めないの」

垣根「そんなに分かりづらいか?」

心理定規「最近は前よりわかり易くはなったけどね」

垣根「……ちっ、最近はどうしてか自然に嘘をつけねぇ」

垣根「俺自身不自然な言い方してんなーって思ってたし」

心理定規「私はそれでもいいと思うけどね」


垣根「はぁ、そう言われると本当にこのままでいいかなって思っちまうな」




垣根「っと……そろそろ到着だ」

心理定規「ついにお披露目ね」

心理定規「どんな部屋かしらね」

垣根「そんな期待されてもなぁ」

垣根「思ってたのと違う、とか言われても俺は知らないからな」

心理定規「分かってるわよ。そんなに子供じゃないわ」ルンルン

垣根(という割にはスキップしてるけどな)

心理定規「とか思ってるんでしょう?」

垣根「お前の能力って読心だっけ!?」

とりあえずここまでです。



………第三学区・垣根のマンション………


ウィーン

垣根「ここだ」

心理定規「ホテルのロビーみたいね」キョロキョロ

垣根「どうだ、見栄張るのにはピッタリだろ」

心理定規「認めるんだ」

垣根「もう面倒だし。別にいいだろ」

心理定規「私はどっちでもいいけどね」

垣根「ふっ、そんなクールに構えてられるのも今のうちだけだからな」

心理定規「なら期待させてもらうとしましょう」

垣根「やっぱりクールだな。いや、サバサバしてるという方が正しいか……」

心理定規「見かけだけよ。装ってるだけだってば」

垣根「じゃあ見かけだけのクールさもといサバサバ感を壊しに行くとするか」

垣根「ほら、エレベーター来てんぞ」ポチ

心理定規「できる物ならやってみればいいわ」ウィーン



垣根「…………27階っと」ポチ

心理定規「あれ?」

垣根「どうした?」

心理定規「あなたが何かするのかなーって思って身構えてたんだけど」

垣根「あ、えーと、それは恥ずかしいからまた今度でな」

垣根「慣れねぇことして嫌われても嫌だしな」

心理定規「そう、意外と奥手なのね」

垣根「そうかもしれねぇ。さっきも言ったがチャラいのは見た目だけだからな」

垣根「あ、でも恨まれねぇ振り方と話を適当に合わせること、あと印象良く見せるのはプロ級だぜ」ドヤ

心理定規「そんなこと言われても困るわよ」

垣根「察せよ。つまりガチなのは慣れてねぇの」

心理定規「なるほど。さすが暗部組織のリーダーやってきただけあるわね」

垣根「出会いがないんだなって言いたいならはっきり言え!!」



心理定規「そうじゃないわよ。人からの好意に慣れてないって言いたかっただけ」

心理定規「あなたによってくる人間は容姿目的だったりお金目的だったり能力目的だったりしたわけでしょう?」

心理定規「そこにあなた自身への好意は一切なかった」

垣根「なるほどな。それを拒絶しまくってたから突然の好意に対応できねぇと?」

心理定規「そこまでは言ってないけどね」

垣根「ふーん、でもそういうのは関係ねぇよ。単にこういう性格なだけだ」

心理定規「あら、私がこの類で読み間違えるなんてね」

垣根「ま、俺はその辺の奴らとは思考パターンが違うからな」

心理定規「確かにね。レベル5は人と違う、いや、破綻してるって言われてるもの」

垣根「あー、それは聞いたことあるな。少しネジは飛んでるかもしれねぇが破綻って程でもねぇだろうよ」

心理定規「……絶対能力進化計画の頃の一方通行とか暗部抗争の頃の麦野沈利とか見ても少しネジは飛んでる程度で済む?」

垣根「あ、全然済まねぇわ。確かにあれは破綻だな」

心理定規「でしょう?」

垣根「……あいつらと同類にされるのは気に食わねぇが、傍から見たら同じ穴のむじなってことだな」



垣根「……」

心理定規「……ちょっと、黙らないでよ」

垣根「……少し考え事してた」

心理定規「何? さっきのことでショック受けてたの?」

垣根「まあそれもあるけど、むじなっていったい何なんだろうなーって考えてたんだよ」

垣根「同じ穴のむじなって割と日常生活でも耳にするじゃん? だけどむじなが何物か知らないってのはまずいんじゃねぇかって」

心理定規「すごいどうでもいいことを考えてたのね」

心理定規「でも確かに……むじなって何か分からないわね」

垣根「だろ? 少し調べてみるか」ポチポチ

垣根「ちなみに俺の予想は、昆虫の類だ」ポチポチ

心理定規「私の予想は……やっぱいいわ」

垣根「無知な自分を見せたくないということか?」ポチポチ

心理定規「……無知なとむじなをかけたつもり?」

垣根「今のは聞かなかったことにしといてくれ」



心理定規「……どう?」

垣根(マジで聞かなかったことにしてるし。優しいのかもしれねぇがそれはそれでくるものがある……)

垣根「あ、出た。Wikipediaによるとムジナはアナグマのことらしいな」

心理定規「……予想外れたわね」

垣根「えっと……レベル5だからといってなんでも知ってるわけじゃないってことだ」

垣根「欠点もあるってことだ、うん」

心理定規「そんなの周知の事でしょう。フィアンマくんでも知ってるわ」

垣根「ああ、確かにあいつは結構絡み多いし分かってるだろうな」ウンウン

心理定規「でも疑問解消できてよかったわね」

垣根「おう、さんきゅーな」ポン

心理定規「露骨なボディータッチね」

垣根「……」

今日はここまでです。
おつありがとうございます!!



心理定規「ちょっと待って、冗談よ?」アワアワ

心理定規「べ、別に嫌だってわけじゃないからね?」

心理定規「本当に傷ついたなら謝るわ……」アセアセ

垣根「……なあ」

心理定規「……ごめん」

垣根「いや、それは別にいいんだ。だが何とも思って無いって訳じゃないからな?」

垣根「それよりお前、寒いだろ。体冷たいぞ?」

心理定規「そうね……言われてみればそうかも」

垣根「はぁ、そんな薄着してたら当然っちゃ当然なんだけど」

心理定規「空調が少し強めに効いてるだけでしょう?」

垣根「……寒いなら言えよ? 風邪ひかれたらどうすんだ」

心理定規「大丈夫よ。寒いってほどでもないし」

垣根「……」

垣根「ちょっとジャケット脱ぐから、待ってろよ?」スッ

心理定規「……?」


チーン

垣根「あ、着いた」スッ

心理定規「そうね」

垣根「タイミング悪ぃな」

心理定規「タイミング悪いの?」

垣根「いや、だって、脱ごうとしてたわけだし」

心理定規「そのセリフそこだけ切り取って聞くとヤバいわね」

垣根「お前そんなこと言うキャラだったか?」

心理定規「どうだったかしらね? どちらかといえばあなたの方が言ってたかも」

垣根「俺は言ってないからな」

心理定規「はいはい」



垣根「……やっぱりか」

心理定規「何がやっぱりなの」

垣根「廊下も温度変わらねぇなってこと」ヌギヌギ

垣根「ほら、これでも肩に掛けておけばだいぶ違うんじゃねぇか?」ホイッ

心理定規「気遣い感謝するわ。けどもう部屋につくんじゃないの?」バサッ

垣根「いや、部屋の空調はロビーと同じになる設定にしてるから温度を上げてもしばらくは変わらねぇんだ」

心理定規「そういうことね」

垣根「そういうことだ。だから部屋がちょうどいい温度になるまではそれを羽織ってるといい」

心理定規「分かったわ。ありがとうね」

垣根「感謝されることじゃねぇよ」

垣根「これでも一応お前の彼氏なわけだから、当然のことだ」ドヤ



心理定規「ドヤ顔してるのが少しムカつくわね」

垣根「俺がお前の彼氏だぜ? ドヤ顔したくなるのも仕方ねぇよ」ニヘラ

心理定規「それは私も同じよ?」

心理定規「まあ、あなたみたいにニヤついたりドヤ顔することはないけどね」

垣根「やっぱりサバサバしてるよなー」

垣根「まあ、それも装ってるだけって言うんだろうけど」ピピッ ウィーン

心理定規「よく分かったわね」

垣根「ふふふ、いい加減読めるようになってきたぜ」ピッ

『認証完了いたしました』ガチッ

垣根「うし、鍵開けたぞ」ガチャ

心理定規「やっと念願の部屋初披露ね」



垣根「いやー、帰ってきたのいつぶりだろうな」パッ

心理定規「お邪魔しまーす」

垣根「はいよ」

心理定規「……結構物は少ないのね」

垣根「まあな。使うこと自体が少ねぇから必要最低限しか物は置かないんだ」

心理定規「……あれ? ここって使うこと自体が少ないのよね」

垣根「ああ、そうだけど……何かあったか?」

心理定規「それにしては部屋がきれいだなーって思っただけよ」

垣根「そのことか。それはあれが常時掃除してるから問題ねぇんだよ」

ネコ「にゃー」タタッ

垣根「動物型掃除機。猫型は高いところもスイスイ掃除してくれるから重宝してんだ」

心理定規「猫そのものじゃない」

垣根「いや、餌もケアも必要ないれっきとした掃除機だ」

午前中はここまでです。

ネコ型とかそんな進化型ルンバあったら欲しいわ



垣根「ま、くつろいでけよ。ソファーとかテレビとかはご自由に」スタスタ

心理定規「ええ、失礼するわ」

垣根「なんか飲み物いるか?」カチャカチャ

心理定規「お構いなくーって言いたいところだけど、お茶あるかしら。喉渇いちゃった」

垣根「お茶な、了解」

心理定規「……」

垣根「なにこっち見てんだ? ケータイでもやって待ってろよ」

垣根「こっち見てたってお茶が出てくるまでの時間には変化ないからな」

心理定規「いや、あなたがそういうことしてるのは珍しいなぁって」

垣根「そうか? 俺は……コーラでいいかな」ゴソゴソ

心理定規「やっぱり私もコーラで!」

垣根「……くく、コーラな?」

心理定規「何で笑ってるのよ」

垣根「ん? お前はジュースの方が好きなんだなーってさ……」スタスタ

心理定規「じ、ジュースが好きなわけじゃないわよ!」

垣根「そうかい……はい、コーラ」スッ

心理定規「……ありがとう」ハシ



心理定規「……あ、おいしい」ゴク

垣根「あんま緊張してねぇな。別に緊張してるのを期待してるわけじゃねぇけど」

心理定規「だってこういうことはアジトでもよくあったじゃない」

心理定規「二人きりになること」

垣根「そりゃそうだけど、関係が違うだろ」

心理定規「でも、意識して変な感じになるのも寂しいしいつも通りでいいでしょう?」

垣根「一理あるな。うん、そういうことなら」

垣根「……帝大研究所襲撃の情報が入ったらしく、三日間限定の用心棒をしろっていう依頼があったんだがどうする?」

心理定規「……コーラおいしい」ズズズ

垣根「まさかのスルー!?」

心理定規「おかわり」

垣根「……分かった」スック



垣根「それじゃあそろそろ本題に入るとするか」コホン

心理定規「そうね」

垣根「んな身構えるなって。はい、コーラな」スッ

心理定規「ありがとう。うん、おいしい」ゴク

垣根「おう、海外から取り寄せたコーラだからな」

心理定規「……あなただってジュース好きなんじゃない」

垣根「俺が好きなのは炭酸飲料だけだ」

心理定規「そう、意外……ではないわね」スッ

垣根「おい、なぜここでジャケット脱ごうとしてんだ?」

垣根「自然すぎて見逃しそうだったぞ」



心理定規「え?」キョトン

垣根「寒くねぇくらいに温度が上がるまではそれ着てろって」バサ

心理定規「どうしてよ」

垣根「それはこっちが聞きたいっての。どうして脱ぎたがるんだ?」

垣根「夏に風邪ひくと長引いて面倒だぞ」

垣根「……俺が着たやつが無理とかなら未元物質で外気遮断できるような何か作ってやってもいいけど」

心理定規「べ、別に風邪ひきたいわけじゃないわ」

心理定規「あなたが着ていたのが嫌なわけでもない」

垣根「はぁ? ますます理解できねぇ……暑かったか?」

心理定規「そんなことないわよ。本題入るんだから脱がないと」

垣根「……??」



垣根「はっ!! もしかしてもう熱があったりするのか?」スッ

心理定規「なっ、なわけないでしょう!!」サッ

垣根「なら逃げるなよ?」スッ ピト

垣根「あれ? 熱ねぇじゃん」

心理定規「だからないって言ったでしょう!」

垣根「まあ、それならいいんだが……嫌じゃねぇならとりあえずそれは着とけよ」

心理定規「わ、分かったわ」バサ

垣根「さてと、じゃあ材料の確認でもしてくるか」スタスタ

心理定規「え? 料理するの?」

心理定規(本題ってのはどうしたのよ? せっかく脱ごうとしても止めるし……?)



垣根「違うな。俺は料理しねぇよ」

垣根「俺が欲しいプレゼントはお前の手料理なんだからな」

心理定規「え?」

垣根「あれ、何かおかしなこと言ったか?」

心理定規「そんなことはないけど、え?」

垣根「ほら、俺がお前の手料理欲しさにインデックスの真似をしたってのが俺の入院の元凶だろ?」

心理定規「そうだけど……」

垣根「ならわかるだろう!!」

垣根「やっと手に入れたこの機会。逃すわけにはいかねぇのさ!!」キラッ

心理定規「はぁ……」

垣根「まあ、強制はしないけどさ……」

心理定規「それくらいならいつでもやってあげるわよ……早とちりして、バカみたい」

垣根「え、マジで!?」

心理定規「味は保証しないけど」

垣根「ヤバい、すっげー嬉しい!! 念願の手料理だー!!!!」

今日はここまでです。
ルンバ欲しい……


俺はこの更新速度がほしい

ハイペースなのは嬉しいが無理して身体を壊すんじゃあないぞ

いつも乙!



心理定規「すごい喜びようね」

垣根「むふふふふ、ありがとうな!」

心理定規「そういうことは作ってから言ってちょうだい」

垣根「む、それもそうだな」ウン

心理定規「ねえ」

垣根「なんだ?」

心理定規「手料理作ってくれるなら誰でもよかったの?」

垣根「え? なんでそんなこと聞くんだ?」

心理定規「……何となくよ」

垣根「ははっ、そうか。やきもちってやつか?」

心理定規「…………バカ」

垣根「そんなに本気で睨むなよ。手料理はお前のが良いに決まってんだろ」

垣根「そうじゃなかったらあんなことしねぇし」

心理定規「そっか。それもそうね」フフ

垣根「おう。そういうもんだ」ポンポン

心理定規「……ふふ」ニコ



垣根「じゃあちょっくら材料買ってくるけど、なに作ってくれるんだ?」

心理定規「それなら豚汁ね。断然豚汁」

垣根「うん? お前が作ってくれるってんなら何でもいいけど、豚汁好きなのか?」

心理定規「ええ。みそ汁はいつも豚汁ってくらいにはね」

垣根「この暑いのに豚汁だなんて物好きもいるもんだな」

心理定規「エビ野郎には言われたくないわ」

垣根「半分以上俺のエビ食ったくせによくそんなこと言えるな!」

心理定規「それとこれとは別よ」

垣根「別じゃねぇだろ……あ、そうだ!」

垣根「エビピラフ作ってくれねぇか?」



心理定規「さっきご飯食べたばかりでしょう?」

垣根「別腹じゃね?」

心理定規「……食べても太らないなんて羨ましい限りね……」

心理定規「いいわ、豚汁とエビピラフね。でも、ジャンルがどうにかしてるわね……」ハァ

垣根「心配するな、自覚はある」

心理定規「名言を変な風に使わないでちょうだい」

垣根「俺の名言だから気にすんな」

垣根「……じゃあ、決まりな。じゃあ材料買ってくるわ」ガラガラ

心理定規「窓から!?」

垣根「ああ。エレベーターで下まで行く間にスーパーまでつきそうだし」

垣根「つまり時短だな」



心理定規「ふーん、ついて行ってもいい?」

垣根「いや、空だぞ? 夏でも上空は暑くねぇんだぜ?」

垣根「あんな肩出してたら風邪ひくからやめとけ」

心理定規「ならこれ着ていけばいいじゃない」バサッ

垣根「ん? ああ、それか」

心理定規「そんなに見ても返さないからね」ギュウ

垣根「いや、はぎ取ったりはしないけど」

垣根「つーかそこまでしてついて来たいのか」

心理定規「ええ。私、豚汁用の豚肉にはこだわりがあるの」

垣根「……ちっ、仕方ねぇな。あんまり遅くまでグダグダやってられねぇし」

心理定規「やったぜ。」

垣根「ほら、行くぞ」



~~~同時刻・とある病院~~~


垣根人形「……」ユラユラ

一方通行「看護師の見回りは終わったかァ?」ケータイライト パッ

フィアンマ「ああ。とりあえず消灯後一発目はこれでおしまいだ」

一方通行「ということは二発目三発目もあるってコトか」

フィアンマ「そのとおり。二回目が日付をまたいだ頃、三回目が午前三時頃だ」

一方通行「なンでそンなこと知ってンだ?」

フィアンマ「そりゃ統計結果だ」

一方通行「いや、なンでそんな統計があるンだよ?」

フィアンマ「アニメをリアルタイムで見たいが為に見回りの穴を探してただけだ」

フィアンマ「それ以外に何の理由がある?」

一方通行「あ、あァ、そォいえばそうだったな」



一方通行「ったく、それにしてもなンで俺たちがこンな面倒なコトしなきゃならねェンだ」

フィアンマ「仕方が無いだろう。垣根が帰ってこないんだから」

一方通行「そンなコト俺たちには関係ねェだろうが」

フィアンマ「まあほっといてもいいんだろうが、一日くらいは融通を利かせてやってもいいんじゃないか?」

フィアンマ「お前も二人の会話は聞いてただろう?」

一方通行「とは言ってもなァ、そういうのって簡単に成就するモンじゃねェだろ」

フィアンマ「……俺様は良く分からないが両想いならすぐくっつくんだろう」

一方通行「は? 何言ってンだ」

一方通行「垣根は確かにバレバレだったが……」

一方通行「心理定規とか言ったか、ガキの方はそんな風には見えねェンだが」

フィアンマ「そんなこと言っても、帰ってこないということはそういうことなんだろ」

午前はここまで。
乙、応援ありがとうございます!
投下スピードより文章力が欲しいですね。

おつ



一方通行「あのクソ野郎がなァ」

フィアンマ「感傷に浸ってる暇はないぞ」

一方通行「浸ってねェよ!」

フィアンマ「そうか?」

フィアンマ「ともかく俺様たちは応援してやるべきなんだよ」

一方通行「応援ねェ……」

一方通行「そォ言いつつも、オマエは楽しンでるだけだよなァ?」

フィアンマ「そうだが? なにせ俺様はそんな経験皆無だからな」

一方通行「泣けるな」

フィアンマ「いや、泣けないから。お前も無いだろ? そんな経験」

一方通行「ノーコメント」

フィアンマ「無いよな」

一方通行「ノーコメント」



フィアンマ「無いんだな」

一方通行「……ちっ、オマエ急にどォしたンだよ」

一方通行「辛うじて良い点として挙げることのできた大人しさがなくなってンぞ」

一方通行「まるで男子高校生だァ」

フィアンマ「え」

一方通行「垣根と同じだァ」

フィアンマ「と言われてもな……」

フィアンマ「俺様は学校とか通ったことないから想像しか出来ないんだぞ?」

フィアンマ「根掘り葉掘り聞きたくなるのも仕方が無いだろう」

一方通行「そォだったなァ」

一方通行「……まァ、俺もだが」



フィアンマ「だろう?」

フィアンマ「だから、そんな俺たちもそういうことを楽しめるように……」ジャン

フィアンマ「超小型マイクを取り付けてみた」

一方通行「いやいや」

一方通行「今はおちゃらけたバカみてェになってるが、それまでは暗部でクソみてェな生活送ってたンだァ」

一方通行「それがオマエごときのマイクに気づk」

フィアンマ「あ、繋がった」ポチポチ

一方通行「おィ……」

一方通行「警戒心無さ過ぎンだろ」

フィアンマ「まあまあ、そのおかげで盗聴できるんだから感謝しないとな」グリグリ

フィアンマ「よし、つけるぞ」

一方通行「ちっ、聞くしかねェな」

ポチ



垣根『本当に二つ作るとかすげぇな!!』

心理定規『これが女子力よ』

心理定規『ピラフは初めてだから自信ないけどね』

垣根『いやいや、とりあえず見た目は完璧だし』

心理定規『見た目はって何よ』

垣根『そのままの意味だよ。まだ食べてねぇからな』

心理定規『そう。なら食べてみれば?』

垣根『だな。いただきます』

心理定規『どう? どう?』

垣根『ちょっと、まだ食べてねぇよ? そんなにせっつかれたら味わえねぇだろ』

心理定規『そ、そうね。じゃあゆっくり味わって頂戴』

今日はここまでです。
おつありがとうございます!



フィアンマ「……一応ローマ正教徒である俺様がいうのはあれだと思うが、予想外の展開だな」

一方通行「そォか? 俺の予想当たったが?」

フィアンマ「いや、普通家に連れ込んだら……なぁ?」

一方通行「何だァ?」

フィアンマ「……いや、何でもない」

フィアンマ「だが彼女の言う通り手料理くらいあの関係になればいつでも作ってくれるだろうに」

一方通行「あ? もしかして垣根が病院に入院した理由聞いてなかったかァ?」

フィアンマ「いや、お腹がすいたんだよってくだりだろう?」

一方通行「なら分かるだろォが」

一方通行「アイツは心理定規の手料理を食うためだけにストーカー紛いのコトをした上、大怪我を負った」

一方通行「そこまでしてもまだ追い続けた物が手に入るチャンスが来たンだから他のコトを頼むわけねェ」



フィアンマ「そういうことか……」

フィアンマ「うーん、純粋すぎて見てられないな」バキッ

一方通行「おい!! 何やってンだよ!」

フィアンマ「破壊しただけだ。こういうのはやはり覗くべきじゃない」

一方通行「はじめと言ってるコトが逆になってンぞ」

フィアンマ「人間はこんなふうに自分勝手に事実を改変してしまう生き物だ」

一方通行「人間って一括りにすンな」

フィアンマ「しっ、そろそろ第二波の時間だ。さっさと垣根人形のチェックをしろ」

垣根人形「……」ユラユラ

一方通行「はァ、垣根人形の調子は良好だァ。問題ねェだろう」



垣根「ん?」パクパク

垣根(気のせい……か)

心理定規「どうしたの?」

垣根「いや、何でもねぇよ。いや、何でもなくねぇか?」

心理定規「なんだか煮え切らないわね」

垣根「豚汁が?」

心理定規「……あなたの態度よ」ハァ

垣根「分かってるから、分かってるからそんな冷たい目をするなよ!」

心理定規「……今の私の感情はあなたのさじ加減ひとつ」

心理定規「つまらない事を聞いて冷たい目をするのは万人共通よ」

垣根「それは……精進する……」

心理定規「ふふっ、そんな顔しないで」

心理定規「あなたの冷たいギャグ一つで今が昔になったりはしないから」

心理定規「私が好きなあなたは冷たいギャグも込みだから」

垣根「つ、冷たいギャグ……か」



心理定規「寒いなんて生易しいものじゃないからね。むしろ凍ってるくらいね」ウンウン

垣根「……お、おう」

心理定規「あ、そうそう、いい加減感想を聞かせてくれてもいいんじゃないかしら?」

垣根「え? そんなの俺の態度でわかるだろ」

心理定規「まあ、精神系能力者様だしね」

心理定規「でもこういう事はあなたの口から聞くことに意味があるの」

垣根「照れるから言いたくない、ってのはだめか?」

心理定規「……なんであなたが照れるのよ」

垣根「……うーん、照れるっつーか悔しいの方が大きいか」

垣根「正直言うと俺の作ったやつより美味いわ。おかしくね? いや、なんで?」

心理定規「ふふっ、世を渡るための術とでも言っておくわ」

心理定規「いろんな方向から相手に揺さぶりをかける、みたいな?」



垣根「ふーん、生き残る術ってことか」パクパク

垣根「……うん、エビうまい」

心理定規「エビは素材の味じゃない」ム

垣根「冗談だ。味付けとかパラパラ具合も絶妙で本当に美味いと思う」

垣根「あ、世辞とかじゃねぇからな」モグモグ

心理定規「えっへへ、そう言ってもらえると作ったかいがあったわ」

垣根「ああ、ありがとうな。念願の手料理だから本当に嬉しい」ナデ

心理定規「……」ピクッ

垣根「あ、すまねぇ。ノリでやっちまった」

心理定規「……別に……撫でられるのは嫌いじゃないし」

心理定規「というかむしろもっとやって!!」カァ

垣根「……そうか」スッ

垣根「…………」ナデナデ



垣根「……また料理作ってくれるか?」ボソ

心理定規「うん。でもあなたの料理も食べてみたいわ」

垣根「お前が食べたいって言うなら作ってもいいんだけど、お前が作った料理ほど美味くはねぇぞ?」

心理定規「そんなの気にしないわ。あなたが私のために作ってくれるってことを望んでるんだから」

垣根「ふーん、じゃあ機会があったらな」

心理定規「ええ、楽しみにしてる」


心理定規「……豚汁はどう?」

垣根「普通に美味しい。エビピラフとセットじゃなかったらなぁとは思うけどな」

心理定規「和と洋の融合がテーマだから」

垣根「テーマとかあったのかよ」

心理定規「正しくはあなたの好みと私の好みの融合ね」

垣根「まあ、間違ってはねぇか」



垣根「そういえばお前は食べねぇのか? 好みの融合を果たしたんだし」

心理定規「こんな遅くに食べたら太るでしょう」ムッ

心理定規「あなたみたいに食べても太らない体質じゃないの。気を使わないとダメなの」

垣根「いや、俺も別に食べても太らない体質じゃねぇよ? ただ、摂った以上のカロリーを消費するから太らねぇだけだ」

心理定規「いつ消費してるのよ」

垣根「仕事」

心理定規「あー、じゃあ私も食べちゃおっと」

垣根「ああ、どうせ消費できるんだから今日くらい気にせず、な?」

心理定規「そうね。いただきます」

きょうはここまでです。

おつ



……………………………


ジャ- カチャカチャ

垣根「……」カチャカチャ

心理定規「あなたが家事するとか意外よね」

垣根「一人暮らしだからな」

垣根「俺がやらねぇと、どんどん暮らしづらい環境になってくから仕方ねぇんだよ」カチャカチャ

心理定規「やっぱり私も手伝うわ」

垣根「ダメだ。料理作らせたんだからこれ以上手間はかけさせられねぇよ」

垣根「お前は一応客だしな」カチャカチャ

垣根「それに食洗機に突っ込むだけだから」

心理定規「にしては随分時間かかるわね」

垣根「うむむ、前家出た時食器洗うのを忘れててな……カビがなかなか取れねぇんだよ」カチャカチャ

心理定規「なるほどね。だから私に洗い物をさせようとしなかったってことか」

垣根「そうそう。本当ドジったな」ジャー



心理定規「……あ、そういえば不自然に伏せてあったお茶碗とか流しにあったわね」

垣根「余計なこと思い出さないでいいから」

心理定規「分かったわ。でも意外と抜けてるのね」

垣根「たまたまだ。いつもはこんなことにはならねぇよ」

心理定規「あら、そう」

垣根「つーか、テレビでも見てゆっくりしてろよ。ずっとこっち見られてると手滑らして食器落とすだろ」

心理定規「いいじゃない。せっかくあなたの部屋に来たんだから話しましょうよ」

垣根「……そうか、付き合わせて悪いな」

心理定規「そんなことないわよ。付き合いたくて付き合ってるんだもの」

垣根「よし、じゃあ少しペースアップするか……」カチャカチャ

心理定規「急がなくてもいいんだけど……言っても聞かないか」



垣根「よし、完了!!」ダッ

ボスッ

心理定規「すごい勢いで来たわね」

垣根「時間もそんなにないし、それを家事で潰すのはもったいないだろ」

心理定規「そう……ふふふ」

垣根「なんだよ、なんでそんなに笑ってんだ?」

心理定規「なんでって……なんでだろうね?」

垣根「俺が聞いてるんだけどな」

心理定規「うーん、二人でいれるのが幸せだから?」

垣根「……なんだそりゃ、嬉しすぎるっていうか可愛いな」

心理定規「そういうことをちゃんと言ってくれるのが幸せなのかも」

垣根「……すごい言いづれぇんだけど……言いづらくなったんだけど」

心理定規「……あ、これは言うべきじゃなかったわね」

垣根「一応言っておくけど、今の発言は全然可愛くないからな」

心理定規「心配するな、自覚はある」

垣根「汎用性高すぎるだろ……」



心理定規「そういえば私の名言ってないかしらね」

垣根「俺のなら結構あるぜ。というか、俺が発した言葉の半分は名言と言っても過言じゃない」

心理定規「そげぶに勝てる?」

垣根「……それは、だって、知名度が違うし」

垣根「一応主人公の最大にして最強の名言だから勝ち目無いだろ」

垣根「そもそもぽっと出の俺とあいつを比較するってのは酷だろ」

垣根「むしろ俺の方が知名度高かったらヤバいって、マズいって」

心理定規「……ごめん。相手が強すぎたわね」

垣根「いや、そんなこと言ってねぇし」フン

心理定規「うーん、木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥンならどう? 勝てる?」

垣根「……それをお前が言うことに驚いた」

心理定規「今のは無しで」

垣根「いや、かなり熱のこもった演技だったから録っといた」

垣根「お前意外と激しい演技も得意なんだな」

心理定規「く、黒歴史確定ね……」



垣根「そうだ」

心理定規「いいことを思い付いたのかもしれないけど、拒否よ」

垣根「まだそうだ、しか言ってねぇだろ!」

心理定規「コーラおいしいわ……家帰ったらお店調べてみよーっと」

垣根「ガン無視の体制に入ったか」

心理定規「そんなことしないわよ。続きをどうぞ」ゴクゴク

垣根「お、おう、非常に言いづらい振りだな」

心理定規「……」コクコク

垣根「寝るな」ユサユサ

心理定規「……じゃあさっさと言いなさいよ」

垣根「俺のこと名前で――」

心理定規「帝督」

垣根「え、拒否じゃないの?」

心理定規「一回限定よ。うん、言ってみると結構恥ずかしいものね」チビチビ

垣根「ちゃんと聞けなかったー!!!!!」

今日はここまでです。
乙ありです!!



垣根「哀れな俺にワンモアチャンスを!!」

心理定規「どうしたのよ……キャラ崩壊してるわ」

垣根「それでも! クールキャラなんて捨ててやる!」

心理定規「クールキャラなんて元々あなたにはない属性よ」

垣根「そうはっきり言われるとくるな……」

心理定規「……帝督」

垣根「おおおおお!! 最高に可愛い! 可愛すぎる」

垣根「また不意打ちで聞き逃すと思ったろ? もうその手には乗らねぇぜ」

心理定規「やっぱり少し恥ずかしいわね……」

垣根「いやー、そんな風に呼んでくれるのインデックスぐらいだからなー」

心理定規「インデックス……ああ、上条君の」

垣根「隠し子」

心理定規「いや、あれはどう見ても血がつながってるとは思えないわよ」

垣根「真面目に答えるところじゃないだろ、ここは」



心理定規「……」

垣根「ガチで黙られても……いや、この場合黙るのは俺じゃね?」

心理定規「え、もう私の中では話題移行してたんだけど」

垣根「マイペースだな」

垣根「して、その話題とは?」

心理定規「帝督って呼ぶかていとくんって呼ぶかって話題ね」

垣根「ていとくん以外なら何でもいい」

垣根「ってか、なに? 名前呼び検討してくれてんの?」

心理定規「そうねー、仕事とプライベートは区別したいじゃない?」

垣根「そういうこと言ってみたいわ」

心理定規「言えばいいじゃない」



垣根「……俺はプライベートと仕事は分けてるんだ。だからごめんな」

心理定規「どんな場面で言うセリフよ、それ」

垣根「うーん、仕事関係の女に寄ってこられたとき」

心理定規「私じゃない!!」

垣根「あー、違うな。金とか能力に媚びてくる奴らかな」

心理定規「……そもそもあなたがやるとしたらそんな優しいやり方じゃないでしょう」

心理定規「例えば……………え、なんて言ったの? って繰り返したり?」

垣根「……言ってほしいか?」

心理定規「ごめんなさい」

垣根「自分がされて嫌なことは人にはしねぇ。親に習わなかったか?」

心理定規「それはあなたが言っていいセリフじゃないわよ。私もだけど」

垣根「心配するな、自覚はある」

心理定規「言いたかっただけね」

垣根「ああ。否定はしない」



垣根「そもそも、俺は後ろから刺されたりするのは勘弁だから振り方は上手いんだって言わなかったか?」

心理定規「振り方が上手いとかよく考えてみたら嫌ね」

垣根「心配s」

心理定規「言わせないわ」

垣根「ちっ、キメようと思ったのに」

心理定規「僕はキメ顔でそういった。かしら」

垣根「そういうのはフィアンマ限定かと思ってたぜ」

心理定規「私の言動には常識は通用しねぇ」

垣根「女の子がしねぇとか言うもんじゃありません!!」

心理定規「私のお母さんかなにかかしら?」

垣根「彼氏さんだ」

心理定規「……そう」



垣根「顔赤くなってんぞ」

心理定規「彼氏さん……それなら私はあなたの彼女さんってことね」

垣根「まあ、そうだな」

心理定規「……よし、決めたわ」

垣根「また唐突な……で、何を決めたんだ?」

心理定規「あなたのことを帝督って呼ぶわ」

垣根「……マジで?」

心理定規「マジもマジ、大マジよ」

垣根「ていとくんじゃないよな」

心理定規「あな……帝督が嫌がることをわざわざするわけないじゃない」

心理定規「それに……」

垣根「それに?」



心理定規「……恋人っぽいでしょう?」

垣根「ああ、なるほど。確かに恋人っぽいかも」

垣根「……いいな」ニヤニヤ

心理定規「そんなにニヤニヤしないでよ」

垣根「ん? ニヤニヤしてたか?」

心理定規「してたわ」

垣根「それはすまねぇな」

垣根「でもそういうこと言われるとなんか俺だけがお前にそう言う事を言ってもらえてるんだって……なんだろうな?」

垣根「とにかく離したくねー!! って思うわけだ」

心理定規「話したくない?」

垣根「断捨離の離れるだ! 話したくないなら家に呼んだりしねぇよ」

心理定規「うん、確かに帝督は断捨離が得意そうよね」

垣根「部屋を見たら分かるけども! 断捨離の話はしてねぇからな」

今日はここまでです!
今日明日はチャレンジセンターなるものがあるので、投下できないかもしれません。
すみません。

おっつおつ
キニスンナ、というかそっちに集中なさいな

しかしまー二人ともかわいいな、いちゃつきかたが程良くてにやにやする

よ、よつぎちゃん!?

乙コメありがとうございます!
>>582
いちゃいちゃしすぎか心配でしたが安心しました。
>>583
そうですよ!

同日模試はいい感じに爆死したので、投下します!!!



心理定規「じゃあなんの話よ」

垣根「名前で呼ぶのは二人の時だけにしようぜって話」

心理定規「してなかったわよね」

垣根「今話題に出したところだからな」

心理定規「……なんて二人の時だけなの?」

垣根「付き合ってるのは秘密だからだ!」

垣根「秘密の共有って憧れるしな」

心理定規「秘密? 別にいいけど、帝督はすぐにばらしちゃうでしょうね」

垣根「ばらしませんー」

心理定規「信じて欲しいなら少しでも信頼を得れるよう頑張ってね」

垣根「信頼無いのか?」

心理定規「マイナスよ」

垣根「辛辣だな」

心理定規「デフォルトよ」



心理定規「……」ゴクゴク

心理定規「……ふぅ」

心理定規「秘密の共有とか……今更だけど結構メルヘン……じゃなくて、ロマンチックなことも言うのね」

垣根「そんな気分になる時もあるんだよ。あとなんか言ったろ」

心理定規「メルヘンだなんて言ってないわよ」

垣根「まあ、ワザとだよな」

心理定規「さあ、何のことかしら」

垣根「帝督が嫌がることをわざわざするわけないじゃない、じゃねぇの?」ニヤ

心理定規「コーラおかわり」スッ

垣根「無視は傷つくな……」

心理定規「無視はしてないわ。ただ答える価値がないから反応しなかっただけよ」

垣根「それを世間では無視って言うんだぜ」

心理定規「なら、私もおかわり無視されたからおあいこね」

垣根「……分かったそれでチャラな」



垣根「持ってきたぞ」

心理定規「ありがとう!」ニコ

垣根「っ……」

垣根「……にしてもそんなに飲んで大丈夫なのか?」

心理定規「何が?」

垣根「カロリー」

垣根「太るとか何とか言ってたじゃん」

心理定規「……あなたも飲んでるんだし太ったら一緒にダイエ……」

心理定規「何でもないわ。そんな姿を見せる訳には……」

垣根「……? 何が言いたいか分からねぇけど、俺は二杯目からは麦茶だからな?」カラン

心理定規「うそ!!」ジッ

垣根「本当だぞ? 飲んでみれば?」

心理定規「……本当だわ」ゴクゴク

心理定規「う、裏切り者!!!!!」

垣根「はぁ??」



心理定規「ああああ、デブになったわー。もう駄目ね」

垣根「悪かったってば」

心理定規「デブったら……デブったら……嫌われちゃうじゃない」

垣根「あー、それは馬鹿だわ」 

心理定規「馬鹿ってどういうことよ!」

垣根「まあまあ、そう暑くなるなって」

垣根「それくらいで嫌ったりはしねぇよ。そんな勘違いしてるから馬鹿って言われるわけだ」

心理定規「む、その言葉は嬉しいんだけど素直に受け止められないわね」

垣根「なんでだよ」

垣江「なんなら俺の未元物質ダイエットを企画してやってもいいんだぞ?」

垣根「何が納得いかないんだ?」

心理定規「なんで自分だけ麦茶に変えてるのよ」

垣根「……飽きたから? 特に理由は無いけど」

心理定規「……私も脂肪燃焼を促進する麦茶飲もうかしら…………?」


今日はここまでです。
短めですみません。



『樹形図の設計者』



フィアンマ「あ、雪降ってきてるぞ」

垣根「あっそう」

垣根「まあ、予報で言ってたし当然っちゃ当然か」

フィアンマ「ん? そんなに予報は信頼できるものか?」

垣根「まあ、前ほどじゃねぇけどな。何故か知らねぇが機械がバラバラになったらしくてな」チラ

一方通行「ンだァ? 何こっち見てンだよ」

垣根「コイツが残骸もぶっ壊したらしいし、確実な予言ではないな」

フィアンマ「残骸……ああ、樹形図の設計者だったか……?」

垣根「なんで知ってんだよ……まあいいや」

フィアンマ「俺様のとこの諜報の奴らは有能だからな」フフン

一方通行「まァ、パンフレットにも載ってるからなァ」

垣根「え?」

垣根「え?」



『故郷』



フィアンマ「なっ、それは言ってはいけないお約束だろ!」

一方通行「そンなお約束ねェな」

垣根「嘘だろ……」

フィアンマ「これに載ってるぞ。ほら」スッ

垣根「結構重要な情報だと思ってたんだけどな……」パラパラ

フィアンマ「にしても雪か……珍しいな」

一方通行「確かにこの辺で降ることは少ねェしなァ」

フィアンマ「俺様が元々いたところもそこまで降らなかったからな」

垣根「埼玉は時々降るけどな」

一方通行「埼玉はこことあまり位置違わねェがな」



『雪かき』



垣根「雪かき大変だろうな」ニヤニヤ

フィアンマ「そう言いながらニヤニヤしてるところが悪意の塊だよな」

一方通行「……ここは科学の街、学園都市だァ。雪かき程度なら大したことねェよ」

垣根「そうか? 凍ってる路面とか滑らずに動けんのか? あのドラム缶が」

フィアンマ「……くくっ……ドラム缶が滑って倒れているのを想像するとシュールだな」

垣根「解説すんなよ……っ」フッ

一方通行「あのドラム缶だって部屋でぬくぬくしてるテメェらにバカにされたくはねェだろうよ」

フィアンマ「やけに肩持つな」

一方通行「いや、雪かきの大変さを知ってるから同情せざるを得ないだけだァ」

垣根「は? そんな機会あったのか?」

一方通行「黄泉川にやらされた……」

フィアンマ「……それは……お疲れ様だったな」



『雪合戦』



垣根「雪降ったら俺の場合は雪合戦だったけどな。雪かきなんてつまらねぇ事しねぇよ」

フィアンマ「ああ。雪かきをしていてもあそびたくなってしまうものだよな」

フィアンマ「まあ、今はそうでもないが」

一方通行「はァ? 雪合戦やったら濡れるじゃねェか」

一方通行「男は黙って雪だるまだろ」

垣根「ぶはっ!!」

フィアンマ「ふ、不意打ちはやめてくれ……」クツクツ

垣根(一人で黙々と雪だるまを作る姿を思い浮かべると……俺でさえ憐憫の情が湧いてきてしまう)

垣根(そして笑いがこらえられない)

午前はここまでです。


……………………


垣根「っと話し込んじまったな」

垣根「もう遅いしそろそろお開きにするか?」

心理定規「えー、もう少し居ちゃ駄目かしら」

垣根「いやいや、お前も女なんだからこんな時間まで外いるのはあれだろ」

心理定規「別に大した問題じゃないわ」

心理定規「それに仕事でこれくらいの時間に呼び出すことだってあったじゃない」

垣根「それとこれとは別だろ」

心理定規「別じゃないわよ」

垣根「とにかくもう日付跨いでるんだぞ?」

心理定規「そこまで言うんなら……泊めt」

垣根「無理。絶対無理」

心理定規「即答!?」

垣根「俺も病院に帰るつもりだしな」

心理定規「……そう」



垣根「そんなに落ち込むなって」

垣根「考えてもみろよ。一応俺も男なんだぜ?」

心理定規「そうね」

垣根「そうね、じゃねーよ! 分かってるのか?」

心理定規「あなたが男だってことは知ってるわ。え、もしかして女だったりするの?」

垣根「ボケるとこじゃねぇし、俺は本当に男です」

心理定規「何が言いたいのかはっきりしてくれないと分からないわ」

垣根「俺に襲われるかもよ」

心理定規「……」

垣根「だから泊められないの」

心理定規「そう。あな、帝督だったら気にしないけどね」

垣根「はああああああああ? 俺が気にするの! ダメなの!」



心理定規「ふーん。まあ実際私も気にするけどね」

垣根「良かった。それが正常だよ」

心理定規「じゃあ泊まっていいかしら」

垣根「ここまでの話を無かったことにしたよね?」

心理定規「そんなことないわ。しっかり聞いて内容を吟味したうえでの質問よ」

垣根「無理だっつーの。一応病院帰るって理由も有るんだから」

心理定規「病院ね……確かにずっと抜け出してたら二人も誤魔化しきれないわよね……」

心理定規「無理言ってごめんなさい」

垣根「そんなガチトーンで謝られても困るから! 別に謝んなくていいから!」アセアセ

心理定規「でも、怪我人である帝督にわがまま言っちゃったんだし、流石にね」

垣根「怪我人云々は別に気にしなくてもいいんだけどな」

心理定規「それこそこっちが気にするの」ゴソゴソ

心理定規「それじゃあ帰るわね。戸締りとかは忘れないようにね」スック



垣根「待て待て!! そんな冷めたテンションで帰すわけにゃ行かねぇよ!」

心理定規「え? まだ話し終わってなかったの?」

垣根「ああ。お前が勝手に自己完結しただけだ」

心理定規「……そう? じゃあいい話を聞かせてもらえるのを期待してるわ」

垣根「ああ。その期待に応えられるかは分からねぇが、一つだけ付け加えさせてくれ」

垣根「俺が退院したら何回でも、それこそ飽きるまで泊めてやるよ」

垣根「ただし、飯は交代で作る」

心理定規「ご飯は交代?」

垣根「お互いにお互いの飯を食べたがってるんだからベストだろ?」

心理定規「本当に?」

垣根「ああ、俺は約束を守る男だからな」



垣根「お前にだけ飯を押し付けたりはしない」

心理定規「そのことじゃなくて……」

垣根「ああ、そっちか」

垣根「それなら猫のスウィーピーに徹底的に掃除させておくから楽しみに待っててくれ」

心理定規「やっぱりペットじゃない」

垣根「いや、あれは動物型掃除機 猫verだ」

心理定規「……もうなにも突っ込まないわ」

心理定規「でも、約束したから。その言葉、忘れないでね」

垣根「当たり前だ」

垣根「そしたら心置きなくイチャイチャできるからな!!!」

心理定規「それが目的ね」

垣根「というのは冗談だ」

垣根「二人でだらだらコーラでも飲みながら、だべりながら過ごせれば俺はそれで十分」

心理定規「麦茶じゃないの?」

垣根「そこまで根に持たないでくれよ……」



心理定規「さてと、言質も取れたところで本当に帰ろうかしら」

垣根「言質とか言うな!」

心理定規「うーん、じゃあ供述でいいかしら」

垣根「それもダメだ。俺が悪いことしたみたいだろ」

心理定規「……ちゃんと約束できたし、帰るわね?」

垣根「疑問形なのが少々気になるが、送るか」

心理定規「別にその必要はないんだけど」

垣根「俺にはその必要があるんだ」

心理定規「送ってくれるより早く良くなって一日中一緒に居れる方がいいわー」

垣根「とは言っても、流石にこんな遅くに彼女を外に放り出すほど俺は頭のネジ飛んでねぇんだよな……」

心理定規「それくらい大丈夫だってば」



心理定規「私だって暗部での活動も長いんだし夜の歩き方くらいわきまえてるつもりよ」

心理定規「わざわざ帝督の手を煩わせるようなことじゃないわ」

垣根「それは知ってる。でもそんなことは関係ねぇよ」

垣根「心配なもんは心配なんだよ」

心理定規「でも帝督は今怪我人でしょう? わざわざ面倒をかけるのは……」

垣根「分からねぇか?」

垣根「面倒なんかじゃねぇし、俺は今できるだけ長くお前といたいんだよ」

垣根「むしろ送らせてくれねぇかってくらいだ」

心理定規「……そう」

心理定規「私も帝督がそこまで言ってくれるならいいんだけど……むしろありがたいんだけど」

垣根「体調なら問題ねぇよ。どちらにしろ明日からはまたびょういんぐらしだからな」

心理定規「分かった」

心理定規「じゃあ、ありがたく送ってもらうことにするわ」ニコ

垣根「バッチコイだ」

今日はここまでです!
乙ありがとうございます!!
ストックが尽きてしまった……



……………外……………


カツカツ スタスタ

カツカツ スタスタ

垣根「なあ、そのジャケットいいかげん暑くないのか?」

垣根「別に返せって催促してるわけじゃねぇが」

心理定規「いいの」

心理定規「これを帝督だと思ってれば寂しくないし」ギュー

垣根「おいおい、本体がここにいるんだからこっちに来いよー」

垣根「本体をギューってして寂しさを解消してけよー」

心理定規「さすがに外でそれは恥ずかしいでしょう」

垣根「安心しろ」

垣根「ジャケットが俺の代わり発言はこの人形がないと寝れないって泣いてる子供と同じくらい恥ずかしいから」

心理定規「……確かにそうかもしれないわね」



垣根「じゃあ……」スッ

心理定規「しかし、そんなことを気にしないのが私クオリティよ」

垣根「いらねぇところでそんなもん発揮するなよ」

心理定規「それも私クオリティよ」

垣根「私クオリティ使いたいだけだろ」

心理定規「ええ」

垣根「あっさり認めたよ!!」

垣根「いやー、それにしてもジャケットが羨ましいわ」

心理定規「どうして?」

垣根「言うかよ」フン

心理定規「俺もあいつにギューってしてもらいてぇな……みたいな」



垣根「……さっき言っただろ」フイッ

心理定規「む……つまらないわね」

垣根「え? つまんなかったか?」

心理定規「そういうことじゃないわ。デートはすごい楽しかったわよ」

心理定規「私がつまらないって言ったのはあなたの反応よ」

垣根「んだよ……じゃあなんて反応すればよろしかったのでしょーか?」

心理定規「私のことをギューってしてくれたらよかった」

垣根「……はぁ!?」

垣根「どうした? やっぱり熱あったのかよ」アセアセ

心理定規「なんでよ」ムッ

垣根「いや、さっき嫌がってたし」



心理定規「私からじゃなくて、あなたからがいいんだもん」

垣根「甘えんなー」

心理定規「世間的に見たらまだ私も親に甘えたいお年頃よ」

垣根「俺はお前の親じゃねぇし、お前の年だと親に反抗したい年頃だろ」

心理定規「反抗なんて甘えの裏返しよ」

心理定規「だから、ね?」

垣根「何がね? だよ……自分可愛いとか思ってんだろ?」

心理定規「いつも思ってるわ。あ……正しくは心の中で客観的に自分を見ている私が、かしら」

垣根「心の中からな地点で客観的とは言えねぇな」

心理定規「えええー、いいじゃない」

心理定規「人だっていないんだし」ブー

垣根「俺は恥ずかしいの」

心理定規「む……」

今日はここまで!



垣根「……その、加減とかよく分からねぇけどいいのか?」フイッ

心理定規「え?」

垣根「いや……痛かったら言えよ」

心理定規「……うん」

ギュッ

垣根(こういう時ええ、じゃなくてうんって言うんだよな。気づいてねぇだろうが)

心理定規(……やっぱりジャケットより本人がいいわ)キュッ

垣根「……」

心理定規「……ふふっ」

垣根「……ははっ」ニヤ



垣根「……」スッ

垣根「うん、こういうのも悪くねぇな」

心理定規「悪くない、じゃなくて私としてはとても最高よ」ニッ

垣根「とても最高、か」

垣根「こういうことが好きな人とできるってのはやっぱ付き合ってる特権だよな」

心理定規「そうね!」ルンルン

垣根「やたらテンション高いな」

心理定規「だってー、一日でこんなに願いが叶ったのは初めてだもの」

垣根「そうか。その手助けをできたんなら本望だ」

心理定規「うん」



心理定規「今日本当は私から告白しようと思ってたのよ。タイミングが掴めなかったけど」

垣根「精神系能力者様がタイミングが掴めないのか?」

心理定規「レベル5さんがむじなを知らないのと同じように私だって緊張したら普段通りにはいかないのよ」

垣根「掘り返さないでくれよ……恥だ、恥が極まってる」

心理定規「大丈夫よ。むじな知らないくらいじゃ恥にはならないわよ」

垣根「それはフォローなのか……?」

心理定規「もちろん」

心理定規「フォローの達人って呼ばれてるからね」

垣根「誰にだよ」

心理定規「えーっと……ゴーグル君?」

垣根「確かにあいつのミスをフォローしてやってたな」

心理定規「でしょう?」



垣根「まあ、その論法だと俺はフォローの神になっちゃうわけだが」

心理定規「それはリーダーとして当然よ」

垣根「まだまだ若いリーダーにそんな当たり前を求めるな」

心理定規「頑張れ、最年長」

垣根「……まあ、頑張ってたけどな」

心理定規「あ……それもそうね。じゃあやっぱり今はゆっくり病院で休んでね」

心理定規「本当は早くいろいろ遊び回りたいなって思うけど、元気が一番っていうのには賛同してるしね」

垣根「遊び回りたいのは俺も同じだしー」

垣根「ん、ちょっと待てよ? 遊び回りたいってことはいちゃいちゃ……?」

心理定規「……したいわよ。言わせないで」

垣根「やばい、今ので火がついたわ。頑張ってさっさと退院してやるから待ってろ!」

心理定規「ええ、ゆっくりと待たせてもらうわ」

垣根「おうよ、ゆっくりなんてしてられねぇがな!」

今日はここまでです。
いつも乙ありがとうございます!

バカップルの予感…


……………………


垣根「……っと、ここだよな」

心理定規「ええ」

垣根「んじゃあここまでだな」

垣根「こんな遅くまで連れ回して悪かった。次のデートは俺がプランニングしていいか?」

心理定規「……ええ。帝督に女の子をリードするに足る力があるのかジャッジしてあげるわ」

垣根「……ふぅ」

心理定規「何よ、そのふぅっていうのは」

垣根「ん? 次回もあるって考えていいんだなっていう安堵の表れ?」

心理定規「そう」

心理定規「でも次は帝督が連れ回す番だから安心なんかしてられないと思うけど?」

垣根「舐めんな。そこで安心出来るくらいの余裕は持ってるからな」

心理定規「油断大敵だから気をつけてね」

垣根「油断が敵になるようなことはしねぇよ」



心理定規「いやいや、恨み買ってたりするんだから、自分から動かなくても油断は禁物でしょ」

垣根「お、おう。割とハッキリ言うな」

心理定規「身を案じてのことだからはっきり言うべしでしょう」

垣根「それもそうか。でもお前も気を付けろよ? 俺のせいで狙われかねないからな」

垣根「ホント、人質取るとかマジでありえねぇから、勘弁だから」

心理定規「…帝督だけはそれを言う資格はないわ」

心理定規「まあ、何かあったらmyクレーン車で轢き殺していくから心配しないで」

垣根「」

垣根「痛みを感じながら死ぬのか……虐げる趣味はねぇんだけどな」

心理定規「私だってそんな趣味ないわよ。でも、襲撃したことを後悔するくらい痛め付けないと釣り合いが取れないわ」グッ

垣根「えっと、そうなる前に俺を呼んでくれればすぐ殺してやる。だから双方のためにクレーン車で轢き殺すってのはやめておこう」



心理定規「双方のため? 襲撃者が痛みを感じないように配慮するだなんて優しいわね」

垣根「ははは、俺もクラッシュされたことあるから分かるんだよ」

心理定規「…………」ボソ

垣根「ん? 何か言ったか?」

心理定規「ううん。こっちのことよ」

垣根「ふーん?」

心理定規「興味なさげね」

垣根「興味持って聞いても答えてくれなそうな受け答え方だったからな」

垣根「興味ありそうな返事してもこの話はここで終わりだろ?」

心理定規「そうね、よく分かってるじゃない。話すつもりはなかったわ」

垣根「浮気以外の詮索はなるべくしないのが俺の良さだから」

心理定規「信用されてるのね」

垣根「まあな。仕事で長い間見てきたしな」



心理定規「しれっと俺が見守ってきたんだぜ、みたいな言い方するわね」

垣根「んだよ、事実じゃねぇか。何度窮地を救ってやったか……」

心理定規「そんなに窮地には陥ってないわ」

垣根「そうかぁ?」

垣根「重機が使えるようになるまでは俺が庇ってやってばっかだった気がするが?」

心理定規「私より重機の方が期待されてる……?」

垣根「戦力としてはな」

心理定規「」ポカ-ン

心理定規「そ、そう。でも重機は私が乗り込むことで威力を発揮するんだから」

垣根「それってまだ十代前半の女が言う言葉じゃねぇよな」

心理定規「人の趣味を否定するのはいかがなものかと思うけど」

垣根「趣味なのか?」

心理定規「いえ、仕事のために練習しただけよ。免許も持ってないのに趣味とか言っちゃうのはおこがましいもの」

垣根「はぁ、一体どこで練習していたのやら……」チラ



垣根「っと、また話すぎちまったな」

心理定規「……ちっ」

垣根「え? 今舌打ちしたろ?」

心理定規「え、したけど?」

垣根「あっさり認めやがって……もう少し隠そうとすべき事だろ」

心理定規「隠してもどうせバレることは先にバラしておいた方が後々響かないって誰かも言ってたし」

垣根「そうか……隠す気がねぇなら問い詰めてやろう」

垣根「何舌打ちしてんの?」

心理定規「話の引き伸ばしに失敗したから舌打ちしただけよ」

心理定規「なんてことのない単純明快な理由でしょう?」

垣根「……理解した」



垣根「だが、今日はここまでだな」

心理定規「……ええ、分かってるわ」

心理定規「この後に及んでわがままを言うほど子供じゃないわ」

心理定規「それに今日はいっぱいわがまま聞いてもらったし」

垣根「わがままだなんて思ってねぇけどな」

垣根「俺の方こそわがまま言いまくったからおあいこだ」

心理定規「ふふっ、おあいこね」

心理定規「じゃあその言葉に甘えるわ」

垣根「ああ」



垣根「それじゃあ、そろそろ俺は帰るが……」

垣根「メールとかしねぇでさっさと寝ろよ?」

垣根「体調崩されたら嫌だしな」

心理定規「あなたも体調崩さないように気をつけてね」

垣根「ま、出来る範囲でな」

心理定規「うん、それじゃあまた明日ね」タタッ

垣根「ああ。また……あれ?」



垣根「また明日?」ピロリン

垣根「あ、メールだ……」

今日はここまでです。
確かにバカップル一直線……あまりバカップルは好みではないんですけどね

重機wwwwww



………とある病院・病室………


ガラガラ

垣根「……」ポチポチ

フィアンマ「……ん? 誰かがニヤニヤしてると思ったら、お前か」

一方通行「……やっと来たかァ……」ウトウト

垣根「おう、遅くに起こしちまったか?」

フィアンマ「そうじゃない。俺様は勝手に起きていただけだ」

フィアンマ「二時半に見たいアニメがあったからな」

垣根「ふーん? こっちのモヤシ君はとてもそうには見えないけど」

一方通行「……今モヤシって言ったろ……」コクコク

垣根「これは完全に俺が起こしちまったパターンじゃん」

一方通行「俺も勝手に起きていただけだァ……眠気は半端じゃねェが」



垣根「それはそれは……謎なことをするんだな」ポチポチ

一方通行「平然と窓から入ってくるヤツに言われたくねェよ」カチッ

垣根「窓から来る奴には慣れたからな。監視網をくぐるにはこうするしかねぇんだよ」ポチポチ

フィアンマ「窓から入ってきてそうそうゲームとは……底知れない体力……ん?」

フィアンマ「なあ、あのストラップって前からついていたか?」ボソ

一方通行「いや、ここ出た時はついてなかったはずだァ」ボソ

垣根「丸聞こえだぞ」

フィアンマ「何!?」

一方通行「ベッドの配置的に当然だ」

フィアンマ「俺様の考えが浅かったか」

垣根「……水たまり並みに浅かったな」

フィアンマ「俺様としたことが……」

一方通行(本当に気づいてなかったのかァ……)



垣根「で、なんでお前は俺がここ出た時のストラップの有無を知ってるんだ?」チラ

一方通行「あ……寝ぼけて変なことを言ったみてェだ」

垣根「間がすげぇ怪しいな……」

フィアンマ「まあまあ、俺様たち本当はお前が成功して帰ってくることを心待ちにしてたんだぞ。少し言い間違えたことくらいは見逃してやるべきだ」

一方通行(ナイスフォローだァ!)

垣根「……え」

垣根「いや、好奇心だろ」

フィアンマ「否定はしない」

一方通行「しろォ!!!」

垣根「……とりあえず寝ることを強く勧める」

垣根(フィアンマのやつ絶対深夜テンションのせいでハイになってるだろ。どうしたんだよ)



フィアンマ「大丈夫だ。俺様はちゃんと昼に仮眠を取ったからな」

フィアンマ「もっとも、一方通行はずっと起きていたし寝不足なんだろうが」

一方通行「何言ってんだァ? 俺は一日二日くらいなら寝なくても問題ねェ」

垣根「俺はそろそろ寝たいんだけどな」

フィアンマ「寝かせるものか」

フィアンマ「俺様達は話を聞くために起きていたのだと言っただろう」

一方通行「いちいち達ってつけンな」

フィアンマ「事実だ」

垣根「俺の成功を願って起きていたってさっき言ってたじゃねぇか」

垣根「ずっと願っていてくれて構わないから、詮索やめろ」

フィアンマ「そんなことは忘れた」

一方通行「おィ、せっかく眠いってのに起きててやったンだから話せよ」

垣根「誰も起きてろって頼んでねぇ!!」

今日はここまでです!
久々に病室へ帰ってきたていとくんです。



垣根「つーかそもそも成功ってなんだよ?」

垣根「何が成功なんだよ?」

一方通行「おいおい、この期に及んで誤魔化すつもりかァ?」

フィアンマ「その程度のとぼけで俺様の追及を逃れることができると思ったら大間違いだ」

垣根「……別にとぼけてねぇし」フン

一方通行「余計に言う気無くしてンじゃねェか」

垣根「は? 元々そんな要求にこたえる気はねぇよ。成功とか意味わからねぇし」

フィアンマ(頑なに拒否しているな……)

フィアンマ(やはり、自爆覚悟でアレを出すしかないか)

一方通行(アレは破壊してたなァ)

フィアンマ(そこは抜かりない。ちゃんとUSBにデータを移しておいたからな)スッ

一方通行(なンで会話してンだよ)



垣根「はぁ、ホント人のことになるといちいち突っついてくるよな」

一方通行「いつもオマエがやるよォな事だろォが」

一方通行「人のこと言えねェからなァ?」

垣根「んなこと分かってるけど、結構あしらうのに疲れるなーって反省してたぜ」

フィアンマ「別に反省なんか求めてない。と言うか今反省されても手遅れだ」

垣根「……じゃあ聞くが成功ってなんだよ」

フィアンマ「心理定規といい雰囲気のまま帰ってきたか、だな」

一方通行(俺が言うのもなんだが詮索しすぎだろ……)クク

フィアンマ「さあ、早く話さないと寝れないぞ」

フィアンマ「いや違うな、寝ようとしても俺様が邪魔してやろう」

垣根「あー、分かった分かった」

垣根「明日になったら話すから寝ないか?」



フィアンマ「俺様の発言は聞こえなかったのか?」

垣根「俺も眠いんだって……」ファア

フィアンマ「俺様がその程度の理由で素直に引き下がると思うか?」

垣根「……じゃあ一言だけ言ってやる。だから寝かせろ」

フィアンマ「核心に触れている一言なら俺様はいいが?」

フィアンマ「もちろん朝になったら詳細を聞かせてもらうがな」

垣根「ああ、それで構わねぇよ」

フィアンマ「お前はどうだ?」チラ

一方通行「俺もそれでいい。実際言ってるほど興味はねェし」


垣根「……今日はすげぇ楽しかった」

フィアンマ「ふむ、では俺様は資料を参考にしつつ考察に移ろう」

一方通行「ちっ、つまんねェな」



垣根「え? ちょ、え? 何その反応」

垣根「さんざん言え言えってけしかけておいてその反応はねぇだろ」

フィアンマ「ん? 予想通り過ぎて特にいうことがなかっただけだが?」

一方通行「反応が欲しいンだったら詳細がねェと」

一方通行「もしくは予想を裏切るようなどんでん返しか」

一方通行「まあ、どちらにしろ俺は大して反応しねェだろォが」

垣根「いや、もう寝るけど……なぜそんなことが予想できたんだよ」

フィアンマ「俺様の長い間養ってきた勘だが?」

フィアンマ「まあ、理由を挙げるとすれば帰ってきたとき妙に上機嫌だったってことか」

垣根「そうかー?」ボウヨミ



一方通行「あと、そのストラップだァ」

一方通行「とてもじゃねェがオマエが自ら付けるとは思えねェデザインだ」ゲコタ

一方通行(打ち止めが好きそうなデザインじゃねェか……)

フィアンマ「なるほど、確かにデザイン的にもそうだな」ウンウン

垣根「そ、そうか?」アセ

一方通行「他にもある」

一方通行「帰ってきたときオマエがしてたのはゲームじゃなくてLINEだったァ」

垣根「……」

一方通行「うまく行かなかった相手にニヤニヤしながらLINEを送ったりはしねェよなァ?」

今日はここまでです!
乙ありがとうございます。



一方通行「ふーン……本当に人間は余裕ができると変わるもンだな」

垣根「ん? 何のことだ?」

一方通行「別に大したことじゃねェ」

垣根「あっそう」

フィアンマ「で、どうなんだ? 本当にLINEしてたのか?」ワクワク

垣根「はぁ、もう誤魔化しても無駄か」

垣根「ああ、認めるよ。LINEしてた」

フィアンマ「そうかそうか。で、内容は?」

垣根「自然な流れで聞くなよ!」

フィアンマ「不自然な流れで聞いても答えてくれないだろう?」

垣根「どちらにしろ答える気はねぇよ」

一方通行「なら調べるかァ?」カチッ

垣根「それはやめろ!!!」バサッ!!

フィアンマ「うわっ、危ないだろう」ビクッ



ガラララララッ

一方通行「あ……」

フィアンマ「……はぁ」

垣根「あん?」

看護師「こんばんは。やっぱりまだ寝てませんでしたか」ニヤ

フィアンマ(そうだ……)

フィアンマ(そろそろ三回目回ってくる時間だったじゃないか。忘れてた)グッ

看護師「起きているのは見逃してたけど、騒がれるのは見逃せませんよ」

看護師「他の病室の方々にも迷惑がかかりますし」

看護師「あなた方の能力は非常に強力なので部屋を壊しかねませんからね」

垣根「……だとよ」ククク

看護師「垣根さん、あなたも勝手に外出していたので同罪です」

垣根(なぜバレてるんだ!?)



看護師「あと……」

垣根「まだ何かあるのか」

看護師「皆さんが勝手に外出しないよう病室の前に警護をつけることになったようで……」

看護師「脱走はもうさせないからね、という伝言もあります」

フィアンマ「あの医者の手配だな」

一方通行「ちっ、めんどくせェ……」

一方通行「テメェの脱走癖のせいじゃねェか」

垣根「てへぺろ」

一方通行「きめェよ」

垣根「つーか俺だけのせいじゃねぇから」

一方通行「……」

フィアンマ「俺様は何も言ってないからな?」

フィアンマ「俺様は自分にも責任があるって分かってるからな?」



垣根(……まあ、警護を潰して出ていけば問題ねぇな)

一方通行(まァ、出てェ時は潰せばいいかァ)

フィアンマ(外出届だすっていう考えはないのか……)

フィアンマ(二人とも本当に物騒なものだ)ハァ

フィアンマ「……その警護っていうのは何者なんだ?」

看護師「私も良く知りませんね」

看護師「でも、昼になったら来るそうですよ」

フィアンマ「そうか……」フム

看護師「とりあえずもう遅いんでちゃんと寝てくださいね」

看護師「そうじゃないと退院できませんからね」



フィアンマ「ああ、そうだな」

垣根「俺は元々寝ようとしてたんだけどな」

一方通行「俺はずっと寝るのを我慢してただけだァ」

看護師「なら良かった。私は戻りますね」

フィアンマ「ふむ、じゃあおやすみとでも言っておこうか」

看護師「はい、おやすみなさい」ガラガラ


垣根「思ってたより大人だな」

フィアンマ「俺様か?」

垣根「ああ。冷静に振る舞うのはあんまり得意じゃねぇな」

垣根「一方通行よりはできると思ってるが」

一方通行「それはねェな」

フィアンマ「……もう寝るって言ったんだからそろそろ寝ないか?」

垣根「はいはい、おやすみな」

一方通行「俺も寝るかァ」

フィアンマ「ああ、おやすみ」

今日はここまでです。


……………………


垣根「……」ムクッ

垣根「ふぁあ……おはよう」ゴシゴシ

一方通行「……」クークー

フィアンマ「……」スースー

木原「……」スゥスゥ

垣根「あれ、まだ寝てるし」トケイ

垣根(うわっ、まだ五時半かよ……大して寝てねぇじゃん)

垣根(これは二度寝ルートか?)

垣根(いやいや、それで寝過ごしたらまずいよな)

垣根(でも良く考えたら、寝不足で心配させてしまうかもしれねぇな)

垣根(さて……どうしたものか)



垣根(心理定規が来るのは何時っつってたっけ)ピッ

垣根(えっと……九時か……)

垣根(……ということは、あと三時間以上あるか)

垣根(そんだけすれば万が一俺が寝ててもこいつらが起こしてくれるか……)

垣根(……)

垣根(いや、信用できねぇな)

垣根(仕方ねぇ、アラームかけておくか)ポチポチ

ピカピカ

垣根(ん? メール?)ポチ

『件名:あなたは過去の記憶を信じますか?』

垣根「……」ブンッ 

ボスッ



垣根「迷惑メールかよ……っと声出しちまった」

垣根(ちっ、この際パソコンとフリーアドレスからのメールはフォルダ分けするようにしておくか……)ポチポチ

垣根(はぁ、少し考えればこんな時間にあいつからメールが来るわけねぇってことくらい分かるだろうが……)

垣根(……馬鹿すぎる)スッ

垣根(……いや、壁に頭打ちつけるのはやめておくか)

垣根(今、隣から壁ドンされたら、俺がキレかねない)

垣根(とりあえず俺に迷惑メールを送ったことを後悔させてやる。報復タイムだ)

垣根(……だがこの程度で人殺してたら幻滅されるかもしれねぇな)

垣根(優しすぎる気もするが、下部組織の奴らにこのメールの送り手をしばかせておく程度にとどめとこう)ポチポチ



垣根「んし、やることもやったし、二度寝しますかね」ボフッ



~~~三時間半後~~~


フィアンマ「っくー!」ノビー

フィアンマ「……」キョロキョロ

フィアンマ「……よし、寝てるか」

一方通行「……」ムクッ

フィアンマ「あ」

一方通行「あ、じゃねェ」

一方通行「朝からうるせェンだよ」

フィアンマ「いや、俺様はまだ起きてからよし、寝てるか、としか言ってないぞ」

一方通行「今話してンじゃねェか」

フィアンマ(面倒くさっ!)

フィアンマ(いや、ただ寝起きが悪いだけかもしれないか)

フィアンマ(いつもはこんなガキじみたことは言わないだろうし)



一方通行「つーか明け方にも何か言ってただろォ」

一方通行「まさか寝言かァ?」

フィアンマ「はっ? それはありえないな」

フィアンマ「なにせ、俺様は寝言など生まれて此の方一度も言ったことはないのだからな!!」

一方通行「なンでそンなことがわかるンだァ?」

フィアンマ「右席の皆に聞いても、育ての親に聞いてもそんなことはないって言ってたからな」ドヤ

一方通行「……くくく、本気でそう思ってンのかァ?」

フィアンマ「は?」

一方通行「なァ知ってるか?」

フィアンマ「何をだ……?」

今日はここまでです。
乙ありがとうございます!



一方通行「寝言を言ったことのない人間なンかいねェってコトだ」

フィアンマ「は? 何言ってるんだ?」

一方通行「コレは迷信でもオカルトでもねェ」

一方通行「科学と数字で証明されてるコトだ」

フィアンマ「……そんな話聞いたことないが」

一方通行「はァ、面倒だが説明してやるか」

一方通行「小さなガキの頃、つまり言葉を覚え始めた頃は誰でも膨大な量の言葉を学習するってのは分かるか?」

フィアンマ「バカにしてるのか?」

一方通行「こンなのはただの確認だァ」

フィアンマ「あ、そうなのか」



一方通行「寝言ってのは起きている間に吸収したことを復習するためのタイプやらストレスの表れってタイプやらその他諸々ある」

一方通行「その中でも復習のための寝言は人間なら誰でも発するもンなンだ」

一方通行「ほら、人間は寝てる間に記憶を整理するって言うだろォ?」

フィアンマ「ああ、確かに聞いたことがある」フムフム

一方通行「言葉覚えたてのガキはその処理に慣れてねェンだよ」

一方通行「だからこそ起きてる時も復唱することで物事を覚えるし、寝てる間も寝言として口にすることで記憶を整理する」



一方通行「ようは、まともに言葉を操れる奴は誰だって寝言を言ってンだよ」

フィアンマ「いや、だから俺様は……」

一方通行「はァ、分からねェか?」

一方通行「テメェみてェに力を持ってる奴の怒りに触れそうなことを馬鹿正直に伝えるような奴はテメェの周りにはいなかったってだけだ」

フィアンマ「……そ、それもそうか」

フィアンマ「……いや、だが、寝言言ってたって言われたくらいじゃ怒らないが……」ブツブツ

一方通行「明け方に寝言を言っていたのはオマエってことだ」

フィアンマ「むむ……すまなかったな」



一方通行「まァ、嘘なンだけどな」

フィアンマ「へ?」

一方通行「ガキの方が寝言が多いってのは事実らしいが理由はハッキリしてねェ」

一方通行「記憶定着との関連も今のところ認められてない」

一方通行「つまり、寝言を言ったことのない人間なンていねェってのは嘘だ」

フィアンマ「え、嘘なのか?」

フィアンマ「……」

一方通行「俺としては最高な嘘だったンだが」

一方通行「どうだ? 騙されたかァ?」

フィアンマ「……こんな本当っぽい嘘を考えるなんて暇人だな」

一方通行「病人なンて基本暇人だろ」

フィアンマ「ふっ、それもそうか」

今日はここまでです。



一方通行「あ?」

一方通行「そンなこと今更じゃねェか」

フィアンマ「っ……」ギリギリ

一方通行「そンな怒ることでもねェだろ」

一方通行「垣根の可能性もあるということに気づかなかったテメェの落ち度だァ」

フィアンマ「……そうだな」

フィアンマ「これからは様々な可能性を考えることを意識しよう」

一方通行「あァ。それでどうこうできるかは別問題だがなァ」



コンコン

一方通行「あァ? こんな朝早くに誰だ……」

フィアンマ「警護とかいう奴じゃないのか?」

一方通行「それはねェだろ」

一方通行「今はまだ朝だ。どう考えても昼ではねェ」

フィアンマ「……誰ですかー?」

心理定規「心理定規」

フィアンマ「だそうだ」

一方通行「通い妻かァ?」ボソ


ガララ

心理定規「何か聞こえた気がしたから入ってきちゃったんだけど、大丈夫かしら」

心理定規「失礼するわね」

一方通行「聞こえてたのかァ」

フィアンマ「女の鋭さは馬鹿にできないからな」

一方通行「経験談だな」



フィアンマ「で、お前は何をしに?」

フィアンマ「……いや、聞くまでもないんだけど一応な」

心理定規「ただのお見舞いよ」

心理定規「ほら、漫画も持ってきたわよ。読みたがってたでしょう?」ジャン

フィアンマ「おお! やったー」ワクワク

一方通行「ノリノリじゃねェか」

フィアンマ「まあな。前は騙されて散々だったもんでな」

一方通行「そ……そうか」

一方通行(俺はあの時いなかった設定だったァ……)

心理定規「はい、どうぞ」スッ

フィアンマ「感謝の気持ちが言葉に表せないな……次来る時には返せるようにする」

心理定規「別にそんなに急がないでもいいわよ」

フィアンマ「その言葉には甘えられない。俺様は貸し借りはちゃんとしている人間だからな」フンフ-ン



一方通行「おィ」

心理定規「何かしら?」クルッ

一方通行「垣根はまだ寝てンぞ」

心理定規「そ。見ればわかるわ」カツカツ

心理定規「そこの椅子借りていいかしら?」

一方通行「別に構わねェが……何するつもりだァ?」

心理定規「座る」

一方通行「ンなこと聞いてねェ!」

心理定規「ふふふ……自然に起きるのを待つわ」

一方通行「叩き起さねェのか」

心理定規「健康だったら叩き起すけど、今は怪我人だからそれはよしておこうかと」

心理定規「悪化させたら申しわけないじゃない?」

一方通行「……そォか」

一方通行「まァ勝手にすればいい」フン



心理定規「……」ジー

垣根「……」スースー

心理定規「……」ジー

垣根「……」モゾ

垣根「……ん?」

心理定規「あ、起きた」

垣根「んなっ!」ガバッ

心理定規「おはよう」

垣根「おはようじゃねぇよ!!!」

垣根「なぜここに……じゃねぇ、今何時だ!?」チラ

心理定規「九時過ぎね」

垣根「……完全に寝過ごした……」

心理定規「おはよう」

垣根「あ、ああ。おはよう……」

今日はここまでです。

おつ



フィアンマ「む、やっと起きたのか」

垣根「ああ、アラームが鳴らなくてな」ポチポチ

垣根「あ、サイレントマナーだった」

一方通行「おい、それはねェだろ」

垣根「どおりで全然起きられなかったわけだ……」

フィアンマ「まあ、この経験を次に活かすことができればいいじゃないか。彼氏さん?」

心理定規「彼氏……?」チラ

垣根「なっ、突然そんな事言い出してどうしたんだよ」

心理定規「……言い訳なら受け付けるわよ」

垣根「お、俺は何も言ってねぇよ!」

心理定規「嘘を受け付けるとは言ってないわ」



フィアンマ「おい」

心理定規「何かしら?」

フィアンマ「垣根の言っていることは真実だぞ」

心理定規「そうなの?」

一方通行「ああ。コイツはお前が彼女だとか何とかは言ってなかったァ」

心理定規「そう……疑ってごめんなさい」

垣根「謝んなよ、誤解されても仕方ねぇし」

垣根「それにしてもなんで分かったんだ?」

フィアンマ「これを参考に考えたが答えが出なかったもんでな」USB

フィアンマ「カマ掛けさせてもらったというわけだ」

一方通行「……俺は知らねェっと」フイ



垣根「え、それなんだよ」

心理定規「……なるほど、盗聴でもされてたってことね」ハハ……

フィアンマ「ああ、俺様も少しやりすぎたなーと思ったから素直に白状したというわけだ」

フィアンマ「なあ? 一方通行……あれ?」

心理定規「さっき出て行ったわよ」

フィアンマ「な!!」

垣根「はあ……詮索しすぎだろう……」

垣根「まあいいや、それ貸せ」

フィアンマ「……」スッ

垣根「……これでよし」バギャ

垣根「初犯だからこの程度で許してやるが、今度やったらただじゃ済まさねぇからな」

フィアンマ「……このような脅しにも従わねばならないほど弱体化してしまったのが非常に悔しいな」



心理定規「あなたがそんなに簡単に許すなんて珍しいわね」

垣根「あなたか」

心理定規「ええ、外だから」

垣根「あっそ」

一方通行「にしてもアイツが彼女を作るなンてなァ……」

一方通行「キャラじゃねェ」

フィアンマ「いつの間に!」

一方通行「お前には関係ねェよ」

フィアンマ「俺様だけ文句言われるのは納得いかないからな」

垣根「一方通行には何言っても意味ねぇから仕方がねぇだろ」

心理定規「身の程をわきまえた発言ね」

垣根「辛辣すぎねぇか?」

心理定規「あなたの勘違いよ」

垣根「いや、絶対にトゲがあったな。今の発言には」

今日はここまでです。
おつありがとうございます!!

今日は少し書き溜めるので投下できません。
すみません。

がんばって



一方通行「……」

一方通行「なぜだか負けたような気がするなァ……」

フィアンマ「いや、でも俺様は憧れたりはしないぞ。甘々などには」

フィアンマ「……甘々などには……」

一方通行「憧れてンじゃねェか」

フィアンマ「誤解するな」

フィアンマ「俺様は俺様に見合う相手であれば甘々など必要ないのさ」

フィアンマ「だが、そんな相手が中々見つからないから苦労しているだけだ」フン

垣根「ん? 負け惜しみかな?」ニヤ-

フィアンマ「そんなわけ無いだろう。恋愛に勝ちも負けもない」

一方通行「確かにそうかもしれねェが、オマエが言ってたのは負け惜しみでしかねェよ」

フィアンマ「俺様がお前に攻撃できないと思って調子に乗るな」



心理定規「あら……フィアンマくんも怒ることあるのね」

フィアンマ「当然だろう。アドバイザーでも神の右席でも俺様であっても怒ることはある」

フィアンマ「聖人でさえ怒るのだから、俺様に怒らないことを要求するのは酷だ」

垣根「へぇ、聖人が怒るってエピソードが聖書にはあったのかよ」カンシン

フィアンマ「いや、聖書の聖人の話をしているわけじゃないんだが……」コンワク

一方通行「怒る聖人は聖人じゃねェだろォが」

垣根「あ、それもそうか」

フィアンマ(……シルビア……)



垣根「ところで」

垣根「アドバイザーって何だ?」



…………………………
………………
…………


一方通行「はーン。そンなコトやってたのかァ」

心理定規「そう」

で、フィアンマくんは男側の意見を提供してくれるアドバイザーってわけ」

フィアンマ「俺様は口を割らなそうだという信頼があったから選ばれたらしい」

フィアンマ「まあ、勝手にそんな信頼されていたことが疑問でならないがな」

心理定規「それにフィアンマくんは科学サイドじゃないみたいだから、本当に客観的な意見をくれるのよ」

心理定規「そのあたりはあなた以上に信頼してるわ」

垣根「え、おい、嘘だろ!」ガシッ

心理定規「ここで嘘をつく必要なんてないでしょう」ユサユサ

フィアンマ(と言いつつ他の女子会面子のことは一切口にしない辺り、女というものの怖さを感じるな)フム

一方通行「何訳知り顔で頷いてるンだァ」

フィアンマ「いいや、ただ心理定規の言動に感心していただけだ」

一方通行「訳分からねェ」



垣根「そうだ、その女子会ってやつには他に誰が参加してたんだ?」

一方通行「おい、詮索しすぎとか言ってたのはどこのどいつだァ?」

垣根「こんなのお前らのUSBに比べたら可愛いもんだろ」

フィアンマ「その可愛いものと言えるレベルではあっても、詮索という行為を自分の恋人に出来るんだな」

フィアンマ「俺様はショックだ」

垣根「……お前に聞いてんだよ!」

フィアンマ「俺様はあくまでゲスト参加だ」

フィアンマ「それに今後関わることのなさそうな奴ことなどいちいち記憶しようとは思わないだろう?」

垣根「……」

一方通行「まァ、諦めるンだなァ」

垣根「女子会については諦めがいいんだな」

一方通行「興味ねェからな」



心理定規「大丈夫よ。フィアンマくん以外に男を呼んでないことは確かだわ」

垣根「な、別にそんなこと報告する必要ねぇよ」

垣根「俺は束縛とかしねぇ良い彼氏を目指すからな!!」

フィアンマ「俺様は適度な束縛は必要だと思うがな」

一方通行「同感だァ」

垣根「その心は?」

フィアンマ「あまりにも放っておかれたら詰まらないだろう?」

フィアンマ「嫉妬してもらうというのも大事な愛情表現の一つだ……」

一方通行「妙に饒舌じゃねェか?」

フィアンマ「……今のは恋愛マニュアル本の暗唱だ」

垣根「……俺が読んだほうが早いよな」

今日はここまでです!
昨日休んでしまってすみません!!

乙です
凄いペースだな



心理定規「そうそう、あなたにもお土産持ってきたわよ」

垣根「お、マジで?」

心理定規「当たり前じゃない。フィアンマくんだけに渡してたらあらぬ疑いをかけられそうだし」

垣根「いや、別にそれくらいなら疑わねぇけどな」

心理定規「それはよかった。はい、これね」スッ

『恋愛マニュアル! 基本編』

一方通行「ぶふっ」

フィアンマ「あ、それ俺様が持ってるのと同じシリーズだな」

フィアンマ「俺様のは応用編だが」

垣根「……なあ」

心理定規「何かしら?」

垣根「つまり何が言いたいんだ?」

心理定規「うーん、暇つぶしにでも読んでね?」



垣根「……」ボスッ

心理定規「冗談よ」ペシペシ

心理定規「あなた、普段は本読まないでしょう?」

心理定規「だから興味のあるジャンルからでも本読んでもらえたら話も盛り上がると思うの」

垣根「一応言っとくが恋愛マニュアルにはこれっぽっちも興味無いからな」

垣根「でも、まあ、お前のオススメなら読んでやってもいいけどな」パラパラ

心理定規「そ。上からな言い方が気になるけど、その気持ちに免じて許してあげるわ」

垣根「ってか、お前は本読むんだな」

心理定規「暇な時はね」

垣根「ふーん……」チラ

垣根「!!」ギョッ

フィアンマ「……」ニコニコ



垣根「おい、どうしてそんな顔してこっち見てんだ」

フィアンマ「そんな顔とはなんだ」

垣根「無理に作り笑いして、目が死んでる顔」

フィアンマ「……? 言っていることが良く分からないな」ニコニコ

心理定規「……じゃあ、そろそろ帰るわね」

垣根「え? ちょ、お前のせいじゃねぇか」

フィアンマ「え、俺様のせいか?」

フィアンマ「いや、悪意はなかったんだ! 完全に無意識だ」

一方通行「あの表情を無意識で出来るなンて表情豊かだなァ」

垣根「この場では全く必要性のない豊かさなんだけどなー」



心理定規「フィアンマくんの顔のせいじゃないわ」

心理定規「確かに目が深い闇を持ってます感に溢れていて少し怖かったけどね」

垣根「おい!」

フィアンマ「深い闇を持ってます感……」

心理定規「だからフィアンマくんのせいじゃないって」

一方通行「でも理由の一つには入ってンだろォ?」

心理定規「ノーコメントで」

フィアンマ「さすが、俺様の目力……」

心理定規「……もうそろそろご飯の時間でしょう?」

垣根「ああ、そう言えばそうだな」

一方通行「飯食いながらはイチャイチャしねェのか」

垣根「やめて!! すごい恥ずかしい!」ボッ



一方通行「永遠に恥ずかしがって黙っててくれればありがてェンだけどな」

フィアンマ「いや、垣根の仕事は話すことだから無理だと思うぞ」

垣根「ちげぇよ! 俺の仕事は学園都市の裏で反逆者をプチったりして治安維持に努めることだ」

一方通行「あー、やめろ。オマエが治安維持とか言うと笑いがこらえられなくなるからよォ」

心理定規「そうね。私も同感だわ、片腹痛いわ」

垣根「そこまでいうか!?」

フィアンマ「安心しろ。俺様はお前のしてきた所業は知らないから笑ったりはしないぞ」

フィアンマ「まあ、お前の発言にそうだな、と頷くこともしないが」

垣根「全然安心できねぇよ」

きょうはここまでです!
乙ありがとうございます!!

このフィアンマ食べたい



心理定規「あ、話がそれちゃったわね」

垣根「てめぇの発言が原因だからな?」

一方通行「知らねェよ」

心理定規「それじゃあ、帰るわね」   

フィアンマ「次も漫画頼むぞー」

心理定規「いいのがあったら持ってくるわ」

垣根「また来いよー」

心理定規「言われなくても来るつもりだけどね」

一方通行「俺にも漫画ねェのか?」

心理定規「それは打ち止めちゃんに言いなさい」

一方通行「……仕方ねェな」

心理定規「じゃあ、また今度」ガララッ

垣根「じゃーなー」テフリフリ



フィアンマ「ふむ、妙にあっさりしてるな」

垣根「何が」

一方通行「帰り際に決まってンだろォが」

フィアンマ「そうそう」

フィアンマ「俺様は恋人っぽいモノを見せてくれると期待していたのだが」

垣根「お前らの希望を俺に押し付けんな!」

フィアンマ「いいだろう? 夢を見るくらい俺様の自由だ」

垣根「夢を見る自由は奪わねぇけど、お前が期待しているのは少なくともてめぇらには見せねぇし」

フィアンマ「うわぁ、勝者の余裕か」

一方通行「ウゼェな」

垣根「お前もな」



………………………


垣根「……」ハァ

一方通行「ため息うるせェよ。口に出さずに心ン中でハァハァ言ってろ」

フィアンマ「いや、それはそれで少し寒気がする」

一方通行「はァ?」

フィアンマ「ハァハァとか興奮しているみたいじゃないか」

一方通行「テメェ、ついに頭ン中腐っちまったのかァ?」

垣根「こっちの方が寒気するわ」

垣根「つーか、ため息とか意識してついてるわけじゃねぇんだから勘弁してくれよ」

フィアンマ「意図的にため息つくやつがいたら間違いなく構ってちゃんだろうよ」

垣根「んなこと言われなくても分かってるからな?」

一方通行「テメェ構ってちゃンだったのかァ?」

一方通行「引くわ」

垣根「ちげぇっつーの!!」



コンコン

垣根「心理定規かっ!!」グルッ

一方通行「ねェな」

フィアンマ「べ、ベタ惚れか……」

垣根「なっ……当然だろうが」フン

???「……警護の者だ」

???「挨拶に来ました」

垣根「んだよ……期待して損したわ」

一方通行「普通は期待しねェだろ」

垣根「部外者は口挟むな」 

一方通行「おうおう、いいご身分だこと」

垣根「そんなの当然だろ。第二位がいい身分じゃねぇワケねぇよ」

一方通行「あ? その理論でいくとあまり言いたくはねェが、俺が一番いい身分だってことになンぞ?」

???「入っても大丈夫か?」

フィアンマ「ああ。無視してくれて構わない」

ガラガラ

今日はここまでです!
明日は警護の方が登場します



土御門「失礼するぞ」

一方通行「……はァ? お前何してンだァ?」

フィアンマ「見舞いにでも来たのか?」

土御門「……」

フィアンマ「無視!?」

絹旗「超失礼します」

垣根「絹旗……最愛だったか」

垣根「なぜお前がここに……?」

絹旗「もあいじゃないです。超ハッ倒しますよ」

土御門「口は慎め」キッ

絹旗「……そうですね」ハァ

フィアンマ「なんだ、この雰囲気は」オモイ



土御門「……今日からこの部屋の見張りを担当する土御門だ」

絹旗「超同じく、絹旗です」

垣根「なるほど」

一方通行「仕事中ってことか」

フィアンマ(だぜい、とか言わないのは仕事中だからってことでいいのか? ところで……)

フィアンマ「……おい、何がなるほどなんだ」

垣根「ん? この人間の使い方に納得がいっただけだ」

垣根「ある程度面識がある人材を警護担当としておくことで、俺たちがそいつらをぶっ飛ばして脱走する可能性を減らすって魂胆だろうな」

フィアンマ「そうか?」

フィアンマ「確かに俺様たちがこいつらを蹴散らす可能性は下がるだろうが、知り合い相手の警備じゃザル以下じゃないか」

垣根「……その疑問はもっともだな、俺だってはじめの頃はそう思ってた」

垣根「だがこいつらは普段はヘラヘラしてても、やる時は仲間にでも手を掛ける連中だ」



垣根「つまりプロってことだな」

一方通行「そんな仕事はこなすプロにまで警戒してンのか知らねェが」

一方通行「コイツらもサボったりしねェよう、だが適度に協力はできるように敵対してねェ別々の組織のやつを使ってやがる」

垣根「敵対ねぇ……まあ俺はもうアイテムなんてどうとも思ってねぇけどな」

絹旗「ちっ、こっちはまだまだムカついてるんですよ」

土御門「はぁ」チラ

絹旗「……」グッ

垣根「ま、簡単に言えば双方への配慮かね」

フィアンマ「……警護の安全と俺様たちの快適な入院生活、か」

垣根「そういうこと。ま、警護の安全が保証されるかは知らねぇけどな」

垣根「万が一って時にはお前らも蹴散らしていくつもりだからな」

土御門「……そうか、まあそうだろうな」



絹旗「超怪しい行動をしたら即上へ連絡ですから、よろしくお願いします」

土御門「そこに超をつけたら誤解される、それを言うなら……」

土御門「少しでも怪しい行動をしたら即上へ連絡だ、だろう」

土御門「まあ、フィアンマの言う通り、お前らの快適な入院生活も保証しなくてはならないから、そこまでは縛らない」

絹旗「ですが、超最低限のルールは守ってもらいます」

一方通行「最低限のルールだァ?」

絹旗「言い換えるなら常識、ですかね」

絹旗「暗部ではなく普通の表の常識は守ってもらわないと本当に連絡ということになるので、そこは超覚えていてください」

フィアンマ「例えば?」

絹旗「……そうですね。外出する時は超外出許可を取る、くらいのことです」

土御門「あと、窓から外出るのも超常識外れだからな」

垣根「超?」ケッ

フィアンマ「くくっ、口癖移ってるじゃないか」

土御門「……」



一方通行「とはいえ、何でこンな仕事をしてンだァ?」

土御門「アイテムとグループから各一人人員を出せという要請だ。あとは消去法」

絹旗「……この男が言っちゃったんで私も言ってしまいますか」

一方通行「いや、テメェには聞いてねェ」

絹旗「そこは言わせてもらえるノリだろォが!!」バッ

土御門「落ち着け」ベシッ

土御門(あ、窒素装甲!?)ビキッ

土御門「……っ」

垣根「あーあ、今のは痛かったな。表情を取り繕ってるのがまた痛々しい」

一方通行「いい音だ」

絹旗「れでぃーの体を超触ろうとしたからバチが当たったんですよ」

絹旗「これだから部下でもない他の組織の奴と組むのは超嫌なんですよ」ハァ

土御門「づ……こんなところで愚痴をこぼすな」

絹旗「分かってますよ、独り言ですから」

垣根(この組み合わせは案外悪くねぇかもしれねねぇな。変な意味じゃなく)

今日はここまでです!

いいねェ



一方通行「でもいいのかァ?」

土御門「……?」

一方通行「上条とか青髪にお前の暗部稼業がバレンぞ」

土御門「はっ、そんなことか」

土御門「俺はお前ら以外には普段通り接するつもりだから気にするな」

垣根「ならば! バラせばいいじゃねぇか!」

絹旗「……」ピッ

絹旗「絹旗ですけど……」

垣根「いや、真顔で連絡取るなよ。冗談だって」

絹旗「仕事に超支障が出そうだったんで」



フィアンマ「むだなコンビネーション発揮してくるな……」ハァ

土御門「ため息つきたいのはこっちだ」

垣根「まあ、安心しろよ。バラしたりするつもりはねぇから」

土御門「信用できないな」

垣根「俺ってそんなに信用できねぇのか?」

フィアンマ「まあな」

一方通行「当たりめェだろ」

土御門「当然(いや、そこまででもない)」

絹旗「ターゲットなんて常に超疑ってかかるモノですよ」

一方通行「おい土御門、心の声が出てンぞ」

垣根「……仕事終わったら肉片一つ残さずにすりつぶしてやる」

絹旗「……もしもし」スッ

垣根「なんでそうなるんだよ!」



フィアンマ「うーん、二回目になるとあまり面白くないな」

一方通行「……五点だなァ。百点満点で」

絹旗「ですね。乗ってあげる方の気持ちも超考えて欲しいです」ハァ

垣根「おい、お前ら!! 絹旗は敵だぞ?」

垣根「で、俺は味方! 分かってんのか?」

一方通行「実際のところ、俺は外出あまりしねェからどォでもいいンだ」

フィアンマ「俺様は割と簡単に外出許可がもらえるから、少し面倒な手続きを我慢すればいいだけだからな……」

土御門「俺たちも外出許可もらって外出することは止めないから、許可をもらってから出ればいい」

垣根「もらえねぇんだよ!!」



絹旗「さてと、それじゃあ超質問はありませんね?」

一方通行「ねェよ」

垣根「もう俺寝るわ……疲れた」モゾモゾ

フィアンマ「俺様も質問はな……いや待てよ?」

フィアンマ「AIM拡散力場を乱す機械……何だったか忘れたが、あれを使った方が人間を配置するより安全じゃないのか?」

土御門「……AIMジャマーか」

フィアンマ「それだ!」

土御門「確かにあれも有効だが……」

土御門「依頼主いわく、ジャマーの影響でまともに能力のコントロールができないはずなのに、無理して能力を行使し、ジャマーを破壊しての脱走が前あったから使いたくないそうだ」

土御門「あとは……」

一方通行「コストの問題だろォな」

一方通行「またあンなオモチャに大金を払う羽目になるのは勘弁だ」

フィアンマ「破壊しなければいいだけだろう……」

一方通行「緊急だったから仕方がねェよ。後悔もしてねェし」

絹旗(ジャマーの影響を受けつつも能力を使うって……超自爆行為ですか?)センリツ

今日はここまでです!
おつありがとうございます!!!



絹旗「それじゃあもう質問は超ありませんよね?」

フィアンマ「ああ」

垣根「……」

絹旗「第二位がなにか言いたげな目をしていますが超無視しましょう」

一方通行「ああ、構ってちゃンに構ってたらいくら時間があっても足りねェ」

絹旗「それでは、次は……」

土御門「仕事内容の確認だ」

一方通行「それは俺たちじゃなくて依頼主にするモンじゃねェのか?」

土御門「それはもちろんだが、今回、お前たちはターゲットってわけではないから、公開できることは公開しておくというのが依頼主との契約だ」

フィアンマ「ふむ……」スタスタ



フィアンマ「お前、聞いておいた方がいいんじゃないか?」ユサユサ

垣根「どうせ出れねぇし……」

フィアンマ(ウザッ)

フィアンマ「シフトとかの関係で穴ができるかもしれないだろ? 聞いておかないとその穴すら突けないぞ」

フィアンマ「あの二人だってさすがに一日中ずっと起きて警護できるわけじゃないんだから」

垣根「……ああ、ああ!! 確かにそうだな!」

一方通行「どンだけ無理矢理出てェンだ……」コンワク

垣根「さあ、さっさと話せ。俺の頭脳を本格的に使う時がようやく来たぜ!!」

フィアンマ(俺様が促しておいてなんだが、こんなバカなことのために本気を出すとは……)

フィアンマ(だが、学園都市第二位の頭脳というのは俺様としても気になるし、バカなことでも感謝だな)フムフム



土御門「穴なんて無いと思うが……」

絹旗「ええ、この人員配置、計画はグループとアイテムの共同で作りましたから」

絹旗「まあ、主に麦野とあと……」

土御門「変態野郎が作ったんだけどな」

一方通行(海原かァ)

垣根(海原光貴……だったか)

フィアンマ(アステカの魔術師だな)

垣根「ちっ、つまりは変態路線もカバーされてるってことか」

フィアンマ「参考に変態路線というものを教えて欲しいんだが」

垣根「あ? 女装して見舞い客と共に脱走とか、土御門ともあいがいちゃいちゃしてる間にこっそり逃げるとかだな」

一方通行「即座にアイツが考えそうな案を出せるテメェもそれなりにヤベェがな」

垣根「うるせぇよ。割と今の俺はフル回転してるんだからあいつの考えくらいなら手に取るように分かる」

絹旗「超ハッ倒しますよ」

土御門「今回のは流石に見逃せない」



フィアンマ「……で、実際ヤツの計画に垣根の言ったようなことの対策は盛り込まれてたのか」

土御門「……言いたくはないがあった。と言うか奴はそれを遥かに上回るようなことばかり提案してきた」

絹旗「これの程度じゃまだまだですよ。あの垣根帝督の足元にも及ばないでしょうね、と超嬉しそうに語ってましたから」

垣根「待てよ、あいつの中の俺は一体なにものなんだよ」

一方通行「言わせンな」

垣根「あいつ、次会ったらしばくか……」

垣根「一応海原にはこう伝えておけ。垣根様はこの程度のことしか思い浮かびませんでしたってな」

土御門「……請け負った」

フィアンマ「少し顔がほころんでるような気がするのは俺様だけか?」

一方通行「いや、確かに少しだけ笑ってやがる」

絹旗「反応が超楽しみですね。結果報告待ってるんで」

今日はここまでです!

まだ退院できんのか



絹旗「……それでは、話が超逸れてしまいましたが、本筋に戻していきましょう」

土御門「今回の依頼は俺と絹旗の二人が二十四時間体制でお前達の脱走及び怪しい人物の侵入阻止を主とした警護をする」

土御門「基本的に怪しい行動などをしない限り入院者の自由を保証するものとする」

フィアンマ「すごく単純だな」

土御門「まあ、本当はもっとズラズラあるが、時間ももったいないから簡潔にまとめさせてもらった」

垣根「何言ってんだ。やるなら端折らねぇでちゃんとやれよ」

一方通行(本気で穴探そうとしてやがる)

土御門「別に構わないが、3時間眠らずに聞くことできるか?」

垣根「すまない、続けてくれ」

土御門「理解してくれて感謝だ」



一方通行「で、説明はそれだけなのかァ?」

絹旗「超一応は」

土御門「質問がないなら早速仕事を始めるが、大丈夫か?」

垣根「え、今日からなのか?」

絹旗「ええ。そういう依頼ですから」

垣根「本当に急だな……」

土御門「……ないようだな」

土御門「じゃあ行くぞ」

絹旗「はい、私達はすぐそこにいるんで、何かあったら超声をかけてもらっても大丈夫です」

フィアンマ「ああ。分かった」

絹旗「それでは超よろしくおねがいします」ガララッ



垣根「二人で二十四時間体制か……」

垣根「穴がないわけないよな」

一方通行「まァ相当ブラックな仕事内容であることは間違いねェな」

フィアンマ「まだ穴を狙うのか?」

垣根「当たり前だ」

垣根「決行はそうだな……一週間後、そろそろ疲れている頃であろう夜を狙う」

フィアンマ「ほう? どんな結果が待っているのやら」

一方通行「上に連絡行って終了だろ。騒ぎを起こすやつは粛清される運命だァ」

垣根「やっぱり情報集めてからにしておくか」ハァ


………とある三人の観光都市④………


トール「ふう、だいぶまわったか」

浜面「足がクタクタだぜって続かないところがすげぇよな」

オッレルス「強がってるだけだと思う」

オッレルス「ちなみに私の足は歩きすぎでガクガクいってる」

浜面「カッコ悪い報告はやめておいたほうが……」

浜面「ちなみに俺の足はあとひと晩は持つかな」

トール「どうでもいい報告をありがとう」

浜面「ありがとうの気持ちが伝わらねぇよ」

トール「欠片ほどにも思ってないからな」



トール「ところでいつになったら病院連れて行ってくれるんだ?」

浜面「今連れていってもいいけど……」

浜面「もう完全下校時刻も過ぎてるし面会時間も終わってると思うんだよな」

オッレルス「だとよ」

トール「別にそんなこと俺には関係ないけど……」コンワク

浜面「え?」

トール「いや、だって窓あるじゃん」

トール「入口がダメなら窓って習わなかった?」

オッレルス「いやいや、違うだろう?」

オッレルス「ダメでも気にせず正面から入るものじゃないか?」

オッレルス「突破するんだ。壁を」

トール「あ、そうだっけ」

浜面「常識外れにもほどがあるだろ!」



トール「なぁ、早く病院行かないか?」

トール「観光に付き合ってやったんだから」

浜面「ダメだ、やっぱり今日は無理」

オッレルス「ほう?」

オッレルス「まあ、私はどちらでもいいけど」

トール「ちょ、なんでだよ!」

浜面「今連れていったらまた警備員のお世話になりそうだし」

トール「それは大丈夫だ。俺が何とかしてやるから」ドヤ

浜面「ごめん、この局面で言われても不安しかない」

浜面「その場しのぎにしかならない何とかすることなんて求めてないから」

オッレルス「それは同感だよ」コクコク

オッレルス「警備員に捕まったら厄介だし」

今日はここまで。
確かにそろそろ退院させたいのと、話を進めたいので警護のお話カットで駆け足で行きます。



トール「……ならどうするんだ?」

トール「もう観光することもないだろ?」

浜面「ふっ、それは甘いな」

オッレルス「夜の観光という物もあるんだとか」パラパラ

トール「おい、オッレルスは足ガクガクだったろ?」

オッレルス「えー? なんのことー? 覚えてないなー」

浜面「ピンピンしてるじゃないか」

オッレルス「ああ。私がこの程度で音を上げるわけないだろ」ガクガク

浜面「だよな!」

浜面「さぁ、夜の街へ繰り出そうぜ!」タッ

トール「おい、浜ちゃん! オッレルスガクガクだぞ!!」



オッレルス「また第十学区か……足も疲れたから絡まれるのは勘弁なんだが」

浜面「それならトールがどうにかするから大丈夫」

トール「オッレルス……無理すんなよ」

オッレルス「……何のことだ?」ガクガク

トール「そ、そうだな! 俺がどうにかしてやるよ」

オッレルス「それで……何のためにここへ?」

浜面「飯に決まってるだろ。腹が減っては戦はできぬ、だ」


オッレルス「足が疲れても戦はできないがな」

トール「本音ダダ漏れじゃねぇか……」

浜面「……何か言った?」

トール「いい加減さとってやれよ」



浜面「さとる……?」コンワク

浜面「まあいいか。それより飯だ」

トール「……あのラーメンはやめてくれよ?」

オッレルス「それはお前が無理して一時間チャレンジしたのが悪いと思う」

トール「うっ、け、経験値のためだ……」

浜面「流石に二食連続ラーメンはないだろ」

浜面「ただ、値段は考えろよ?」

トール「なんでだ?」

浜面「そりゃ……」

浜面「オッレルスへの負担を軽くするためだろ」

オッレルス「奢らせる前提か……」

トール「おごってもらうこともあるさ、ヒモだもの」

浜面「お前もな」



浜面「さとる……?」コンワク

浜面「まあいいか。それより飯だ」

トール「……あのラーメンはやめてくれよ?」

オッレルス「それはお前が無理して一時間チャレンジしたのが悪いと思う」

トール「うっ、け、経験値のためだ……」

浜面「流石に二食連続ラーメンはないだろ」

浜面「ただ、値段は考えろよ?」

トール「なんでだ?」

浜面「そりゃ……」

浜面「オッレルスへの負担を軽くするためだろ」

オッレルス「奢らせる前提か……」

トール「おごってもらうこともあるさ、ヒモだもの」

浜面「お前もな」



オッレルス「……はぁ、奢ればいいんだろ? ヒモ野郎共」

トール「うわーい! オッレルスお兄ちゃんありがとうー!」ボウヨミ

浜面「ごほん」

オッレルス「……」

トール「ちょっと待て、それはないだろ」

オッレルス「私は学園都市ならではのものがいいな」

浜面「うーん、和洋折衷揃ってるからなぁ……」

トール「おい……」

浜面「……実験的に発売されてる料理とかならあるけど……」

トール「おい……」


トール「おい…………」

今日はここまでです。
間違えました、すみません。
あと、乙ありがとうございます。



オッレルス「まあ、涙拭けよ」

トール「泣いてねぇよ!!」

浜面「そうだ! 給食売ってる店があった気がする」

トール「給食かぁ、食べてみてぇな」

浜面「いろんな学校のがあるから驚くだろうよ」

浜面「どうだ?」

オッレルス「……第十学区か?」

浜面「いや、違うけど? 第七学区だったはずだ」

オッレルス「……」

トール「俺はそこがいいなー」

浜面「じゃーそうしようか。あまり高いのは選んでやるなよ」

トール「分かってるって」ケラケラ



オッレルス「……」

オッレルス「私がこっち側になるとはな……」ガクガク

トール「ま、本当に無理なら背負ってやるから」ニヤ-

オッレルス「それは断る」

浜面「安心してくれよ。この学区に面してる学区だからさ」

オッレルス「確かに地図で見たら隣だが!!」

浜面「あんまり文句言ってると置いていくからな」

オッレルス「金ないくせにか……」

トール「いや、オティヌスから軍資金もらってきたからある程度はあるけど」

オッレルス「なら奢らせないでくれよ!」



………学食レストラン………


浜面「ピンからキリまでいろいろあるな」

トール「あ、これ上条ちゃんのとこのじゃないか?」

浜面「とある高校……そうだな。いつ見てもおかしな名前だ」

オッレルス「仕上には言われたくないだろう」

浜面「仕上バカにするなよ!!」ムカ

トール「まあまあ、俺はそんな浜ちゃんのことを応援してるからさ」

浜面「それ滝壺の真似してるんだとしたらもう病院には連れていかないぞ」

トール(滝壺)「これならいいかな、はまづら?」

浜面「いい……バニーちゃんの格好したらなおいい」ダラッ

オッレルス「妄想でもしたか? 鼻血出ているよ」ティッシュ

トール(滝壺)「うひょー、女子力だなぁ」



オッレルス「はぁ、お前はそれでもいいのか?」

トール(滝壺)「え? なんのこと?」

浜面「クソっ、済まない滝壺!」

浜面「違うとわかっていても鼻血が止まらない」ゴシゴシ

オッレルス「そこの男はお前を見て興奮しているみたいだね」

オッレルス「本当にそれが雷神トールの望んだことなのかな?」

トール「う、そういうのは勘弁だ。気持ちわりぃよ」

浜面「おあっ!  滝壺じゃなくなった」ガ-ン

トール「悪いな、浜ちゃん。気分が悪くなったからやめさせてもらうな」

浜面「そんなこというなら最初から期待させるな!!」ムカー

オッレルス「さ、食べるものをさっさと決めてくれ」

トール「とてもクールな対応だな……さすがあのフィアンマを保護しただけある」ホヘ-



浜面「はぁ、俺は決まったけど?」

トール「うむむ、やっぱりこういう時だからこそこれを選ぶべきだよな」

トール「むしろこれを選ばねぇとオティヌスに何やってるんだってどやされちまう」

オッレルス「ん? さっさと決めてくれよ?」

トール「はいはい、俺も決まったわ」

オッレルス「どれ?」

トール「常盤台」

浜面「おっ、奇遇だな!」

浜面「俺も常盤台」

オッレルス「……少しは人の財布の中も考えて欲しいんだけど……」

オッレルス「別に私はお金持ちなわけじゃないからな?」

今日はここまでです。

おつん
オッレルスガクガクの語感の良さにじわる



トール「わわわっ、人のことをヒモ野郎とか言ったくせに奢れないのかよ、ありえねぇよ」

トール「どうせお前もヒモ野郎なんじゃねぇの?」

トール「シルビアだっけ、聖人さんに養ってもらってるんじゃねぇか?」

浜面「や、やっぱり俺は霧ヶ丘女学院のでいいや。これも十分高いけど」

トール「おいおい、遠慮するなよ、浜ちゃん?」

トール「こんなところでひいてたら、滝壺ちゃんに愛想つかされるぜ?」

浜面「でも悪いじゃねぇか」

浜面「滝壺はそんなこと言わねぇよ」

トール(滝壺)「そんな意気地無しなはまづらは応援できない」

浜面「がぁっ! 済まない滝壺!!」

浜面「やっぱり常盤台にしますぅ!」

トール(滝壺)「やったぜ。」



オッレルス「北欧王座るよ?」

浜面「フリズス?」

トール「おいおい、その程度でキレるのか?」

トール「こんな少年に力を振るうなんてな。失望したぜ、オッレルスお兄ちゃんよぉ」

オッレルス「……」

オッレルス「浜面、君は霧ヶ丘女学院のでいいんだよな」

浜面「あ、ああ」

オッレルス「私はとある高校のにしよう」

トール「おい! 俺のは??」

オッレルス「……」

トール「デジャブ!!」

浜面「……俺の分けてやるよ」

トール「浜ちゃん!!」



トール「結局オッレルスは俺にも奢ってくれた」

トール「仕方ねぇな、という顔がウザかったのは言うまでもないが、感謝の意を表するためこの言葉は心に仕舞っておこう」

オッレルス「声出てるよ」

トール「のあっ!? 俺は何も言ってねぇよ」

浜面「食事の時くらいおとなしくしろよ……」パクパク

オッレルス「あ、ああ。悪かった」

トール「グッジョブ、浜ちゃん!」グッ

浜面「トールもだからな?」

トール「う、言わなくても知ってるさ」

浜面「それならいいんだけどな」パクパク



トール「……」パクパク

オッレルス「……」モグモグ

浜面「ねぇ、大人しくしろとは言ったけど、黙れとは言ってないぞ」

トール「……」ムシャムシャ

オッレルス「」ガツガツ

浜面「……何か言えよ」

トール「だって話したら浜ちゃん絶対に文句言うだろ」

オッレルス「同感」

浜面「……お前ら極端すぎだろ」

トール「知ってた」

今日はここまでです。
乙ありです!



………外………


トール「いやー、ゴチになったわ」

浜面「本当に申し訳ない……まあ、お金払う気もないけどさ」

オッレルス「厚かましいなぁ」

オッレルス「いや、性根が腐ってるとでも言おうか」

トール「そこまで言うか?」

オッレルス「あ、口が滑っただけだよ。気にしないでくれ」

浜面「無理な相談だな」

オッレルス「私は全く気にしてない……とまではいかないけど、少しキレてるだけだからさ」

浜面「そんな穏やかな顔でキレてるだなんて仮面過ぎてむしろ怖いよな」



オッレルス「ところで、夜の観光地ってどこにあるんだ?」

浜面「今の話そんなにサクッと話題転換していいようなもんだった!?」

オッレルス「まあ、今はとにかく観光したいからね」

浜面「そ、そうか。じゃあ夜の学園都市が俯瞰できる所でも行こうか」

トール「おお、いいじゃん」フムフム


心理定規「んー、なかなかいいもの見つからないわねぇ」カツカツ

心理定規「一体どういうものが好みなんだろう?」

ゴーグルの少年「そうっスねー、普段使いしやすいやつとかは垣根さん喜ぶんじゃないスか?」

ゴーグルの少年「まあ、頭に心理定規さんからのって付いてれば何でも喜んでくれると思うっスよ」

心理定規「何それ」フルエゴエ

ゴーグルの少年「というか、本人も誕生日忘れてるでしょうし、サプライズ性は無くてもいいんじゃないスか?」

心理定規「一理あるわね」



浜面「ん、あいつらは……?」

オッレルス「っ……」ハァ

トール「あちゃー」ポリポリ


心理定規「あら、久しぶりね。浜面くんだっけ?」カツカツ

ゴーグルの少年「ん? 知り合いっスか」

心理定規「まあ、そんな所よ」

浜面「お、おい……」カタカタ

心理定規「大丈夫? すごい震えているけど」コンワク


トール「まあ、仕方がねぇかな」

オッレルス「綻びとしか言いようがないか」







浜面「なんで麦野に殺されたはずのお前がここにいるんだ!!」ビシッ








ゴーグルの少年「え? 何言ってるんスか、こいつ」

心理定規「ど、どうしたのよ突然」

浜面「俺は麦野に殺されるお前を見たんだよ、そして血まみれになったそのヘッドギアを渡されたんだ」

ゴーグルの少年「え? 訳が分らないっス」

ゴーグルの少年「なんなんスか? この人は」

トール「なー、すまねぇな」

トール「こいつは少し気が動転してるらしい、な?」

オッレルス「ああ。過激な映画を観たあとだからなのか分からないけど、そんな感じだ」

心理定規「……」

浜面「え? 何言ってるんだよ!」

浜面「あの映像を忘れたって言うのか!?」

トール「……行くぞ」グイッ

浜面「ちょ、おい!!!」



ズルズルズル……

浜面「っ、おい! 離せよ!」

トール「はいよ」パッ

浜面「うぐっ」ベタン

浜面「こ、これはどういうことなんだよ!」

オッレルス「どういうことって聞かれても……」

オッレルス「私はこの歪みを正しに来ただけだよ」

トール「俺もだ」

浜面「この歪みだと?」

オッレルス「死んだものが生きている。起こったことがなくなっている」

オッレルス「そんな不完全に幸せな世界を」

今日はここまでです。
やっぱり書きづらい……


そういやゴーグル君本名出たらしいね



………とある病院………


コンコン

一方通行「あァ?」

垣根「どうしたんだよ、突然喧嘩売るような言い方して」

一方通行「この前あのガキに

『あなた最近優しくなったよねってミサカはミサカは嬉しそうに微笑んでみたり』

って言われたからそンなことねェって証明しようと思っただけだァ」

垣根「きめぇ、ムキになってんじゃねぇよ」

一方通行「なってねェよ」

一方通行「勘違いすンな」

フィアンマ「……なあ、せっかく見舞いに来てくれたんだしそろそろ入れてやらないか」

フィアンマ「あの二人が何も言わないってことは変な奴ではないだろうし」

垣根「あ、ああ、すっかり忘れてた」

一方通行「そォだな」



フィアンマ「待たせた、入っていいぞ」

ガラガラ

ゴーグルの少年「こんにちはっス」

垣根「……なんだ、お前かよ」

ゴーグルの少年「え? なんだってひどくないっスか」

一方通行「誰かと思えば、人畜無害そうな……オマエの部下だったかァ?」

垣根「人畜無害とは程遠いぜ?」

フィアンマ「いや、人畜無害を極めているじゃないか」

垣根「それは上司である俺の教育の賜物だよ」

垣根「こいつとの出会いなんてバトルからだからな?」

一方通行「は?」

一方通行「コイツがテメェに決闘を挑んだって事かァ?」

垣根「そそ。しかも真正面からな」

フィアンマ「自殺行為じゃないか」



ゴーグルの少年「扱いひどくないスか」

垣根「いいじゃねぇか。お前との馴れ初めを懐かしんでいるだけさ」

ゴーグルの少年「いや、間違いなくバカにしてるっスよね」

垣根「そんなことねぇって」

垣根「あ、上司権限でこれ以上その話禁止な」

一方通行「横暴だなァ」

フィアンマ「いや、上司というのはいつの時代もこういうものだ」

フィアンマ「こういう上司に育てられた部下が新しい時代でまたこういう上司になる」

フィアンマ「悪循環さ」



フィアンマ「だから俺様はあえて言っておこうと思う」

フィアンマ「こいつみたいな上司にはなるな、と」

一方通行「テメェみたいな上司も嫌だけどなァ」

フィアンマ「俺様のレアなアドバイスに口を挟むな」

垣根「あー、その心配はいらねぇよ」

垣根「こいつは平々凡々な上下関係を築いてるからな」

フィアンマ「え、そんなレアケース……」

一方通行「じゃあ心理定規はどうなンだァ?」

ゴーグルの少年「心理定規さんはっ」ドカッ

垣根「よっと、あいつは俺の部下だったが、今はそんなの関係ねぇから」スック


フィアンマ「飛び蹴り……お前はどこかの変態ジャッジメントなのか?」ツンツン

垣根「何のこと言ってんのやら」

垣根「心配すんなよ。死なねぇ程度に加減したから」

一方通行「それは手加減じゃねェ」

一方通行「ただ、殺し損ねたってだけの話だァ」

垣根「なるほどな。その言い方も悪くねぇや」

フィアンマ「この会話、何かがおかしい」

今日はここまでです。
おつありがとうございます!

ゴーグルくんは能力も公開されましたよね!
名前は別のssで出す機会があったら使ってみようと思います、まだ浸透してないでしょうし。

乙です






上条(言いづらい)







………とある病院・病室………


垣根「今日はバレンタインデーという男にとって自分の格が決まるとても大事な日です」

垣根「製菓会社の思惑だということは重々承知だ」

垣根「精神が朽ちるまで、てめぇらの思うまま踊ってやろうじゃねぇか」

垣根「女子からのチョコレート」

垣根「たとえ味がまずかろうと、誰から貰ったものであろうとチョコレートの個数がそのまま男の格付けとなるのです」

垣根「だからこそ、俺はチョコレートを貰うため、今の今までモテるために自分の持つ力全てを捧げてきました」

垣根「その結果がどうであろうと後悔だけはしない」

垣根「そんな覚悟で俺はバレンタインデーの朝を迎えたのです」



一方通行「……やっぱりテメェはピエロが似合うなァ」

フィアンマ「まあまあ、そう言ってやるな」

フィアンマ「たまにはベラベラ長いセリフを口にする機会も欲しいんだろうよ」

上条「……」モグモグ

垣根「そして、このバレンタインデーという大事な日は終わりを迎えようとしてるんだ」ゴゴ6ジ

一方通行「あっそォ」

垣根「気のない返事だな……」

一方通行「俺は別に甘いモンは好きじゃねェから、チョコレートとか貰っても困るンだァ」

一方通行「つまり興味がねェ」

垣根「でたでた、そういうこと言う奴いるよな」

垣根「俺は別に興味なんかないんだってな」



垣根「そんな奴ほど貰えなくて悔しがったり、貰えたら飛び跳ねて喜んだりするもんだぜ」

一方通行「ありえねェ」

上条「……」モグモグ

フィアンマ「ふむ、そこまで言うお前はいくつもらったんだ?」

垣根「……」

上条「……」モグモグ

フィアンマ「……」

一方通行「さっさと言えよォ」ニヤ

垣根「くっ…………」

垣根「くくくくくく…………」

一方通行(何笑ってンだよ……キメェ)

フィアンマ(まさか地雷だったのか?)



垣根「俺のチョコは……」













垣根「二個だ!!!」ピ-ス!



上条「……」モグモグ

一方通行「……お、おゥ」

フィアンマ「……」

フィアンマ「あ、反応遅れた」

垣根「なんだよ、その反応は!」

一方通行「いや、迂闊な事言えねェなって思っただけだァ」

垣根「は? 羨ましいならそう言えよ」

垣根「それともなんだ、お前は俺よりも多く貰ったとでも言うのかぁ?」

上条「……」モグモグ

フィアンマ「……少し言いたいことがあるんだが、いいか?」

垣根「どうぞっ!」

一方通行(テンションヤベェな)



フィアンマ「バレンタインデーのチョコは数とか味とかじゃなくて誰から貰うのか、気持ちがどれほどこもっているのか、が問題なのだろう?」

垣根「……んなことはよく分かってる」

垣根「だが! そんなこと言ってられねぇ奴もいるんだよ!」

垣根「そんな余裕のねぇ奴もいるんだよ!!」

垣根「お前みてぇに好きな奴からもらえるのはほんのひと握りなんだよ!!」

フィアンマ「好きな奴?」

一方通行「心理定規はどぉしたンだァ?」

垣根「……」ニコニコ

フィアンマ(さみしい笑顔だな)

一方通行(これは完全に地雷だったかァ)

上条「……」モグモグ



一方通行「察した」

一方通行「まァ、そういうこともあるンじゃねェの?」

一方通行「俺だって一番はじめにくれる候補である打ち止めから貰ってねェ」

フィアンマ(あの一方通行がフォローに回るだと!?)

垣根「そ、そうなのか!」ガバッ

一方通行「き、キメェ……寄るなァ!」

垣根「同士じゃねぇか!!」ズイィッ

一方通行「一緒にするなァ!!」

フィアンマ「自業自得だな」

垣根「……ところでお前はいくつ貰ったんだ?」

上条「……」モグモグ

一方通行「突然冷静になってンじゃねェよ」







フィアンマ「俺様は三つだ」

一方通行「俺は四つだァ」








垣根「……」フルフル

垣根「この裏切り者!!」グジグジ

一方通行「誰から貰ったンだァ?」

フィアンマ「俺様はヴェント、花女、長髪女の三人だ」

垣根「……マジな裏切り者じゃねぇか……ホント爆死しろよ」ギロ

一方通行「俺は長髪女、花女、結標、番外個体の四人だな」

垣根「ぜ、全員義理じゃねぇか!」

垣根「全く羨ましくないからな!」



上条「……」モグモグ

上条「……」ハナヂ

上条「……」フキフキ

フィアンマ「……あのショタ好きな女もチョコを渡すことあるんだな……」

一方通行「アイツは生チョコだった」

フィアンマ「手作りか?」

一方通行「いや、判別つかねェ」

フィアンマ「へぇ、それはコメントに困るな」



垣根「……」グジグジ

上条「……」モグモグ

一方通行「テメェが半泣きになってても誰も慰めてはくれねェからな」

垣根「分かってるし。佐天さんとヴェントさんから貰ったチョコ食べよ」モグモグ

一方通行「ヴェントさンからもらったのに嬉しくないのかァ?」

垣根「嬉しいけど、心理定規のが一番欲しかったし」

垣根「その点フィアンマはちゃっかり達成してるし」

フィアンマ「? 俺様がなんだ?」

垣根「なんでもねーし」ブー

フィアンマ「くくっ、そろそろ頃合いか……」

ガラガラ

垣根「はっ!」クルッ



土御門「よぉ!」

垣根「てめぇなんかお呼びじゃねぇよ!!!」

絹旗「ち、超こんばんわ」

垣根「あ、義理待ってますよ。ぜひ、お恵みくださいね」

土御門「態度違いすぎるぜよ!!」

一方通行「テメェがな!!」

フィアンマ「男は呼んでないんだが……」

フィアンマ「大人しく仕事へ戻ってくれ」

土御門「酷すぎるぜよ!」

絹旗「……あの、超キモイです。その語尾」

土御門「超には言われたくないぜよ」



垣根「まあいいや、お前らは何しに来たんだ?」

垣根「チョコの催促及び自慢は受け付けてないからな」

絹旗「ははっ、そんなんじゃ無いですよ」

絹旗「超惨めなあなたがたに警護組から超プレゼントです」

絹旗「もう、超可哀想過ぎてその辺のコンビニで買ってきちゃいました」

絹旗「チロル!!」ジャン

一方通行「仕事サボってンじゃねェよ」

垣根「俺きなこもちね」

フィアンマ「俺様はミルクで」

一方通行「オマエら適応早くねェか?」

垣根「義理でもチロルでもチョコはチョコだからな」

フィアンマ「お腹すいただけだ」

絹旗「どうします?」

上条「……」モグモグ

一方通行「……コーヒーヌガー」



土御門「俺からはホモチョコがあるぜよ!」

土御門「舞夏に付き合ってもらって作ったから味は保証するぜい」

土御門「さっき義理でもチロルでもホモでもチョコはチョコだからなって言ってたしにゃー」

垣根「え……ホモチョコ?」

垣根「んなこと言ってねぇよ」

垣根「俺のセリフ改変しないでくれないか?」

一方通行「誰から貰おうと味が不味かろうと、とか言ってたじゃねェか」

一方通行「貰っておけよ」

垣根「いや、まあ貰うんだけどさ」

上条「……」モグモグ

フィアンマ「俺様も貰う。お腹すいたからな」

一方通行「同じくだりじゃねェか!!」



フィアンマ「ちなみにお前はいくつ貰ったんだ? チョコ」

土御門「舞夏からのだけだにゃー」

土御門「ま、それを貰うことができただけで俺は大満足なんだけどな」

垣根「ちっ、裏切り者しかいねぇじゃん」シクシク

土御門「え、えっと……?」

絹旗「そろそろ超仕事に戻るとしましょう」

土御門「あ、ああ。そうだな」

フィアンマ「おい、このままの状態で垣根をおいてくな!!」

フィアンマ「面倒見きれないぞ!!」

土御門「……俺たちはもう仕事の時間だ。戻らせてもらう」

一方通行「真面目ぶって逃げンじゃねェ!」

ピシャッ



垣根「……」ハァ

上条「……」モグモグ

フィアンマ「……」

フィアンマ(焦らしすぎたか……)

一方通行「……」チラ

フィアンマ(……)ポチポチ

一方通行(何してンだァ?)



垣根「はぁ、やっと心理定規からチョコもらえると思ってウキウキしてたんだけどな」

一方通行「……そォか」

垣根「ん?」

垣根「やっぱりお前も打ち止めからもらえなかったの気にしてんじゃねぇか」

垣根「バレバレすぎる」ククッ

一方通行「そんなワケねェだろ」

一方通行「ねみィだけだ」フン

垣根「はあー」チラ

フィアンマ「なぜこっちを見ているんだ?」

垣根「いや、特に理由はねぇよ」

フィアンマ「ならいいが」

フィアンマ(バレたかと思ったじゃないか)

上条「……」モグモグ



コンコン

フィアンマ(来た!)

垣根「え、また飽きずにサボろうとしてんのか?」

一方通行「暇人の特権だな 」

垣根「ご帰還願う」

垣根「茶化し冷やかしは結構だ」

???「あら、本当に帰っちゃっていいのかしら?」

???「せっかく作ったのに、ショックね」

???「ホントは日付変わった瞬間に来るつもりだったんだけどね」

???「尞監誤魔化すのに時間かかっちゃったから合流させてもらったわ」

???「でも、こういうサプライズ的登場の方が印象に残って素敵かもってミサカはミサカはうずうずしてみたり」

上条「……っ!」グフッ

上条「げほっ、げほっ」



垣根「え!?」

垣根「心理定規なのか!」ダッ  ガララララッ

フィアンマ「……」ニマニマ

一方通行(合流……なるほど、コイツの仕業かァ)チラ

フィアンマ「ん? お前も打ち止めァァァァ! とか言って行かないのか?」

一方通行「それはあっちが勝手にやってるからイイだろォが」

フィアンマ「ふむ、つまらないな」

一方通行「何より俺はそういうガラじゃねェ」

フィアンマ「じゃあ垣根は?」

一方通行「そういうキャラなんじゃねェの?」

上条「……」モグモグ



心理定規「わわっ、い、いきなり開けないでちょうだい!」ズサッ

垣根「やっぱり帰るな!」

心理定規「……帰る気なんてないわよ」

心理定規「売り言葉に買い言葉って感じかしらね」

垣根「ふう、よかった」

打ち止め「ねえねえってミサカはミサカはメルヘンさんに話しかけてみたり」グイグイ

垣根「ん? なんだ?」

心理定規「ふふっ、先に中入ってるわね」

垣根「ああ」

美琴「……」ウズウズ

垣根「……お前も入ってれば?」

美琴「い、言われなくてもそうするわ」ガラッ



垣根「で、どうしたんだ?」

打ち止め「あの人はミサカの事待っててくれたかなってミサカはミサカは心配してみたり」

垣根「ああ……それはどうだろうな」

垣根「でもここだけの話だが……」チラッ

打ち止め「うんうん!!」

垣根「お前からのチョコが無かった事に少なからずショックを受けている様子だったぜ」

打ち止め「本当に!?」

垣根「ああ」

垣根「ま、俺もおんなじような感じだったから人のことは言えねぇけどな」

打ち止め「そっかー、でも心理定規さんも早く渡したいわーってうずうずしてたよってミサカはミサカはこっそり報告してみたり」

垣根「え、マジかよ。それならいつでもウェルカムなのに……」



打ち止め「あ、そうだ」

打ち止め「メルヘンさんにもチョコあげるってミサカはミサカは笑顔でチョコをプレゼントしてみたり!」スッ

垣根「お、サンキューな」

垣根「ところでこれは本命か?」ニヤニヤ

打ち止め「へへっ、義理だよーってミサカはミサカは浮かれたメルヘンさんを突き落としてみたり」

垣根「いや、浮かれてねーし」

打ち止め「ニヤニヤしてる奴は大抵変態なことを考えてるか満足してるのどちらかなんだァってあの人が言ってたよってミサカはミサカは報告してみる」

垣根「そんな変なこと教えてたのか……」

打ち止め「って言えって番外個体が言ってたの」

垣根「あ、一方通行のイメージダウン作戦か?」

垣根「なら、そのネタバレはしちゃまずかったな」

打ち止め「ああ!!!!」ヤッチマッタ

垣根「ま、さっさとチョコ渡してこいよ。待ってると思うぞ」

打ち止め「あ、うん! 番外個体には秘密だよってミサカはミサカは約束してみたり」

垣根「はいはい」



美琴「ふふふ、こんな所にいるだなんてね」

上条「はっ、ははっ、ここで電撃使うのはやめておけよー」モグモグ

美琴「それくらい分かってるわよ」

上条「……ほっ」モグモグ

美琴「それ、誰からの?」

上条「えっと……神裂からのだな」モグモグ

美琴「神裂……?」

美琴「まあいいわ」



上条「で、わざわざ俺を探してどうしたんだ?」

美琴「……察しなさいよ」

上条「言わないと分からn」

美琴「察しなさいよ……」

美琴「これ」スッ

上条「俺に、だよな?」

美琴「あ、当たり前じゃない」

美琴「えっと……友チョコが余っちゃったから持ってきただけなんだからね」

上条「……ありがとうな。これはなんていうチョコなんだ?」カパッ

美琴「トリュフよ」

上条「へぇ、丸いな」ホイッ モグモグ



上条「あ、美味い」

上条「甘ったるいわけじゃないけど適度に甘い」

美琴「当然じゃない」

美琴「わざわざいい味を出すために何十回も作り直して研究したんだから」

上条「……何十回も作り直して研究したんだから、か」

上条「それはありがたい限りだなぁ」

美琴「ああっ!」アセッ

美琴「……そ、そうよ。私の女子力をみんなに知らしめるために研究したのよ!」

上条「あ、はい」



垣根「……」ウズウズ

心理定規「あら、打ち止めちゃんからもチョコもらえたんだ」

垣根「ま、まあな。俺は見た目通りモテ男だから」

心理定規「モテ男……ね」

垣根「なんだよ、その目は」

心理定規「なんでもないわ」

心理定規「ただ、フィアンマくんが垣根は特に落ち込んでたぞって聞いてたから少し驚きね」

垣根「よ、余計なことを伝えやがって……」

垣根「ん? フィアンマくんから聞いた?」

心理定規「そうだけど……何かおかしなことでも言ったかしら?」

垣根「……いや、言ってねぇな」

垣根(おいおい、フィアンマの手回しかよ)



心理定規「ところで……」

垣根「なんだ?」

心理定規「その前に突き出された手は何を意味してるのかしら」

垣根「焦らすなよ……」

垣根「お前からのチョコを待っている手に決まってるだろ」

心理定規「誤魔化しも何もないのね」

垣根「誤魔化してもお前には無意味だろ」

心理定規「……」

垣根「……」

心理定規「え、そんなにじっと見ないでよ。渡しづらいじゃない……」ハァ

心理定規「……はい、これあげるわ」スッ


垣根「むふふ、ありがとうな!」

垣根「一日中待ったかいがあった」

心理定規「一応注意しておくけど、その笑い方はやめた方がいいわよ」

垣根「いいんだよ。滅多な事ではこんな笑い方しねーし」

垣根「ちなみに、このチョコって本命か?」

心理定規「……あ、当たり前じゃない」フン

垣根(やっぱり可愛い!!!!)

垣根「だが、こんなところでイチャイチャするわけには……」

心理定規「……ねえ、本音が出てるわよ」

垣根「!?」



心理定規「あ、そうそう、チョコのお返し楽しみにしてるからね」

垣根「お返しか……考えておく」

心理定規「三倍返しだから。うふふ」

垣根「なんだ? 気持ちを三倍込めて返せばいいのか?」

心理定規「そ、そんなに恥ずかしい事言わないでくれる?」フイッ

垣根「……言われてみればそうかも」

垣根「そうだな……じゃあ俺の手作りクッキー三倍の量ってのはどうだ」

心理定規「え! 帝督の手作り!?」

垣根「まあ、嫌なら別のもんでもいいけどな」

心理定規「……いい、すごくいいわ」

垣根「そうか!! じゃあその方向で考えておこう」



フィアンマ「おうおう、あっちはやっぱりイチャついてるな」

一方通行「見て見ぬふりってのが一番得策だァ」

フィアンマ「まあ、そうなるか」

打ち止め「ミサカもチョコ作ってきたんだよってミサカはミサカはアピールしてみたり!」 

一方通行「そォか」

フィアンマ「対応がクール過ぎないか?」 

一方通行「俺だけに突っ込むなァ」

フィアンマ「当然。一番自然に入っていきやすいと思ったからな」

打ち止め「そうかなーってミサカはミサカは首をかしげてみたり」

フィアンマ「そうそう」

打ち止め「まあいいや、はい、あなたにチョコレートあげるねってミサカはミサカは差し出してみたりー」スッ

一方通行「あァ」ハシ




フィアンマ「……」

フィアンマ(……それだけか?)

打ち止め「黄泉川とミサカで作ったんだよってミサカはミサカは報告してみる」

一方通行「そォか」

打ち止め「何度か失敗しちゃったけどこれは一番成功したものだから食べて欲しいなってミサカはミサカは上目遣いしてみたり」

一方通行「はっ、ンなこと言われなくても食べるに決まってンだろォが」

ガサッ

一方通行「クッキーか」

フィアンマ(空気を壊さぬよう戻るか……)

打ち止め「うん! チョコレートクッキーだよってミサカはミサカは教えてあげてみたり」

一方通行「ふーン、じゃあまず一つ」ホロッ



一方通行「……」モグモグ

打ち止め「どう? どう?」

一方通行「……悪くねェ」

打ち止め「本当に? ってミサカはミサカは興奮してみる!」

一方通行「あァ。さすが黄泉川だなァ」モグモグ

打ち止め「ええっ! 半分以上ミサカが作ったのに!!」バタバタ

一方通行「あー、分かってるからいちいち騒ぐなァ」

打ち止め「ぶー、ミサカも頑張ったのにぃってミサカはミサカは不貞腐れてみたり」

一方通行「……一緒に食うかァ?」

打ち止め「え、やったぁ!! ってミサカはミサカは喜んでみたり!」


……………………


垣根「はぁ、幸せの時だった」

垣根「マジで勝ち組だ」

一方通行「良かったなァ」

垣根「お、お前もいいことあったらしいな」

一方通行「特にねェ」

フィアンマ「いやー、俺様の計画が成功して良かった」

垣根「な、裏でコソコソやってたらしいしな」

フィアンマ「ん? バレていたか?」

一方通行「ついさっき気づいたところだァ」

一方通行「ついさっき気づいたと言えば……」

上条「……」モグモグ



一方通行「朝から思ってたンだが………」

一方通行「なぜここにいるンだァ?」

上条(…………)モグモグ

上条(い、言えない)モグモグ

上条(大量にもらったチョコをゆっくり味わうために隠れたかっただなんて)

上条(チョコを大量にもらった人間は少ない人間に恨まれる運命)

上条(幸せだけど不幸だー!!)

今日はここまでです。
投げやりなエンドです

可愛かった



ゴーグルの少年「っ……」ムク

一方通行「タフだなァ」

ゴーグルの少年「……能力で威力軽減したんスよ」

ゴーグルの少年「じゃないと最低でも脳しんとうくらいにはなっちゃうんで」

フィアンマ「手加減の欠片もないな」ハァ

垣根「なんでだよ。死なねぇ程度にって言ったろ?」

垣根「にしてもいい加減対応できるようになっちまってるか」

ゴーグルの少年「はいっス」

ゴーグルの少年「流石にこんなところで垣根さんに介抱してもらうのは恥ずかしいっスから」



フィアンマ「後始末はちゃんとするんだな」

垣根「当たり前だ。リーダーたるもの片付けはしっかりしないとな」

一方通行「か、片付けかァ」

垣根「放ったらかしなんかド三流しかしねぇよ」

垣根「俺は一流だからな」

一方通行「いや、一流はまず部下になンか当たらねェよ」

垣根「ちげぇよ、ただの制裁だし。当たってるわけじゃねぇし」

フィアンマ「……その話し方は気持ち悪いな」

垣根「それはお前の感性がおかしいだけだろうな」

一方通行「とりあえず頭診てもらえ」



垣根「ま、バカな発言は無視してっと」

一方通行「……誰のこと言ってンだァ?」

垣根「自覚のないバカは無視してっと」

一方通行「言い直してンじゃねェよ、三下ァ」

垣根「お前、何しに来たんだ?」

ゴーグルの少年(垣根さんのスルースキルが上がってる!?)

垣根「てめぇ単品で見舞いに来るわけもなかろうし」

ゴーグルの少年「そんな冷たい部下だと思われてるんスか!?」

垣根「事実じゃねぇか。来るなら心理定規がセットになるだろ?」

ゴーグルの少年「……」



垣根「とにかく用件言えよ」

ゴーグルの少年「垣根さんに相談があって……」

垣根「は? 相談?」

フィアンマ「おい、お前相談という言葉は垣根とは真逆の言葉だぞ」

一方通行「そのとォりだァ。もォ一度よく考えてから出直してくるべきだな」

垣根「……確かに自分でも相談に乗るってのは柄じゃねぇんだが」

垣根「その辺は心理定規の方が適任だ」

垣根「どうしてもって言うなら別に俺が相談に乗ってやってもいいが……」

ゴーグルの少年「どうしても垣根さんがいいっス」

垣根「ふーん、なら上司としてのらねぇ手はないか」

一方通行(コイツ絶対に上司って言葉好きだなァ)



垣根「それじゃ、ちょっと出ねぇか?」タッ

ゴーグルの少年「僕は外でもいいっスけど……」

ゴーグルの少年「大丈夫なんスか?」

垣根「ん? 体調ならもう退院してもいいくらいだけども」

ゴーグルの少年「えっと、外の二人のことっス」

垣根「あー、あいつらは脱走とかじゃなけりゃ何もしねぇ銅像みてぇなものらしい」

ゴーグルの少年「ど、銅像っスか……」

垣根「ほら、ここじゃうるせぇから出んぞ」スタスタ

ゴーグルの少年「……了解っス」タッ

フィアンマ「行ってらー」

ゴーグルの少年(あの人ってあんなに軽かったっスか?)

今日はここまでです。
乙ありがとうございます!

おつ



………とある病院・屋上………


垣根「……はいよ」スッ

ゴーグルの少年「あ、ありがとうございますっス」パシ

ゴーグルの少年「…………メロン紅茶ってなんスか?」

垣根「あ? スイカ紅茶の派生かなんかだろ」

ゴーグルの少年「えっと、垣根さんは何にしたんスか?」

垣根「カツサンドドリンクだ」ジャン

ゴーグルの少年「カツサンド、ドリンクっスか?」

垣根「ああ。はじめはゲテモノかと思ったが、意外にいける」

ゴーグルの少年「そ、そうスか……」カシュ

ゴーグルの少年(僕のよりゲテモノじゃないっスか!)

ゴーグルの少年(でも気に入ってるみたいだし余計な事は言わないのが身の為っスね……)



垣根「……にしても、お前だけで来るなんて珍しいじゃねぇか」カシュ

ゴーグルの少年「確かにそうっスね。でも特に理由はないっスよ」

垣根「そうなのか? 相談とか言ってたじゃねぇか」

ゴーグルの少年「はいっス。心理定規さんと行こうって言ってたのにドタキャンされたんで一人で来たんスよ」

ゴーグルの少年「だからこの機会に相談しちゃおうかなって思ったんスよ」

垣根「なるほどね……」

ゴーグルの少年「……来るのが面倒だったわけじゃないと思うっスよ?」

垣根「いや、何も言ってないから」



垣根「今日来れないって連絡はもう受けてるしな」

ゴーグルの少年(ああ、そういえば付き合い始めたって心理定規さん言ってたっスね)

ゴーグルの少年「そうっスか。おめでとうございますっス」

垣根「おう……ん? 何のことだ?」

ゴーグルの少年「心理定規さんと付き合い始めたんですよね」

垣根「なっ! 知ってたのか」

ゴーグルの少年「もちろんっス。散々相談にのってあげたんスから報告してくれてもいいのに」

垣根「心理定規から聞いたのか?」

ゴーグルの少年「彼のポカでバレちゃったから私もバラしちゃっていいわよねって満面の笑みで言ってたっスよ」

垣根「ふーん、そうか」

ゴーグルの少年「あれ、反応薄いっスね」

垣根「ん、まあな。俺からじゃなかったら経路はそれしかねぇと思っただけだ」



垣根「ところで相談ってなんだ?」ゴクゴクッ

垣根「俺もお前に愚痴こぼしまくったのは確かだから少しは真剣目に聞いてやるよ」

ゴーグルの少年「ありがとうございますっス」

ゴーグルの少年「心理定規さんのことなんスけど」

垣根「僕も惹かれちゃったんスよって続けるなら休戦協定は破棄だぜ?」

ゴーグルの少年「さ、流石にそんな命知らずな真似はもうしないっスよ」

垣根「そうか、仲間に手をかけずに済んで俺も嬉しいなぁ」

ゴーグルの少年「目が怖いっスよ」

垣根「安心しろ、意図的ですよ」

ゴーグルの少年「安心できないっス!!」

今日はここまでです!
乙ありです!



垣根「お前が安心できるかどうかはどうでもいいからさっさと詳細を話せよ」

ゴーグルの少年「……避けられてるんスよ、最近」

垣根「は? 避けられてる?」

垣根「それは俺に浮気とか疑われたくないからじゃねぇの?」

ゴーグルの少年「いや、あそこまで避けてたら逆に疑われても仕方が無いレベルなんスよ」

垣根「お前がなんかしたんじゃねぇのか?」

垣根「まあ、そんなに避けられるほどひでぇ事をしたのだとしたらお前はミンチ確定だがな」ゴクゴク

ゴーグルの少年「ははっ、本当に好きなんスね」

垣根「ふん、話を逸らしてんじゃねぇよ」フイッ

ゴーグルの少年「一応言っておきますけど、変なことした記憶なんて無いっスからね」



垣根「……何か心当たりはねぇのか?」

垣根「あいつだってさすがに意味もなく人を避けるような奴ではねぇだろ」

ゴーグルの少年「そうっスねぇ……心当たり……」ウーン

垣根「……ならいつから避けられるようになったとかはねぇのか?」

ゴーグルの少年「あ、覚えてるっス!!」

垣根「いつなんだ?」

ゴーグルの少年「垣根さんへの誕生日プレゼントを探しに行った日からっス」

垣根「……誕生日プレゼントを探しに行った? お前からプレゼントなんかもらってねぇけど」

ゴーグルの少年「あ、忘れてた……どうぞっス!!」スッ

垣根「別にこのタイミングで渡す必要はなかったと思うけど……」

垣根「まあ、サンキューな」



垣根「で、その時に何か無かったのか?」

ゴーグルの少年「え、開けないんスか?」

垣根「話聞くのが先だ」

垣根「そこは一応区切っておかねぇと話が逸れていくからな」

ゴーグルの少年「そうっスか……」

垣根「どうだ?」

ゴーグルの少年「あ、そういえば変な男達に会ったっス」

垣根「変な男達? 心理定規は大丈夫だったよな」

ゴーグルの少年「じゃなかったら垣根さんに報告しには来ませんよ」

ゴーグルの少年「あの地点で付き合ってなかったとしても僕と相手がコテンパンにされて終了っスから」

垣根「いや、殺すし」

ゴーグルの少年「目がマジっスよ……」



垣根「で、会ったってことは話したりしたってことか?」

ゴーグルの少年「そうっス」

ゴーグルの少年「僕たちと変わらないくらい流暢な日本語をを話す外国人らしき二人と心理定規さんと顔見知りっぽい男一人だったはずっス」

垣根「その外国人二人ってのも男なのか?」

ゴーグルの少年「そうっスけど、そこの二人は基本的にあまり関係ないっス」

垣根「ふーん?」

ゴーグルの少年「あの二人は僕たちに飛び掛ってこようとした心理定規さんの顔見知りを取り押さえようとしただけっス」

ゴーグルの少年「それ以外はブツブツ小声で話してたっスね」

垣根「飛び掛るだぁ?」



ゴーグルの少年「麦野に殺されたはずのお前がなんでいるんだ!! みたいなこと言いながら取り乱してたっス」

垣根「危ねぇ野郎だな……」

ゴーグルの少年「垣根さんほどじゃないっスよ」

垣根「うるせぇよ」

垣根「だが麦野に殺されたはずってどういうことだ?」

垣根「……お前に対して言ったみてぇだが」

ゴーグルの少年「……心当たりないんスよね」クビカシゲ

垣根「俺もねぇな」ウーン

垣根「人違いか? でも殺すとか暗部臭がするんだが」

垣根「麦野ってあのアイテムのリーダーのことだろうし」

ゴーグルの少年「……なんにせよ多分それが避けられるようになったきっかけっス」

垣根「おい、心当たりあんじゃねぇかよ」

ゴーグルの少年「いや、思い出しただけっス」

今日はここまでです。
そろそろ終わりに向けて……



垣根「……まあ、心理定規がそのことに関して何か知ってるってことは間違いなさそうだな」

ゴーグルの少年「っぽいっスね」

垣根「よし、分かった。それとなく聞いておいてやるよ」

ゴーグルの少年「そうしてもらえるとありがたいっス」

垣根「ま、上司だからな。当然のことだ」ドヤ

ゴーグルの少年「……」

垣根「ま、上司だからな。当然のことだ」ドヤ

ゴーグルの少年「あ、はい」

ゴーグルの少年(あえてスルーしたのにもう一度言うなんて勘弁して欲しいっス)



垣根「にしても、とりあえずは誰も殴らねぇで済むような相談で良かったぜ」

ゴーグルの少年「垣根さんの場合殴るなんて優しいもんじゃないっスよね」

垣根「やめろよー」

垣根「せっかくオブラートに包んで言ったってのにさ」ニコヤカー

ゴーグルの少年「……」ガクブル



垣根「でも、避けられてるってのに付き合ったって報告はもらえたんだな」

ゴーグルの少年「ああ、それは多分心理定規さんの相談にも乗ってたからじゃないかと」

垣根「え?」

ゴーグルの少年「心理定規さんは垣根さんとは違ってちゃんと筋を通す人みたいっス」

ゴーグルの少年「まあ、垣根さんが一方通行とかにバレてしまうようなヘマをしなければ、心理定規さんは僕に言ったりはしなかったと思うっスけどね」

ゴーグルの少年「ゴーグル君との筋を通すより、約束を守る方が大事だからって言ってましたし」

垣根「ちょ、それは俺のせいじゃねーだろ!! あいつらの暴走の結果じゃねぇか!!!」

垣根「じゃねぇ!」

垣根「お前、あいつの相談も受けてたのか!?」

ゴーグルの少年「そうっスけど……」

ゴーグルの少年「何か問題でもあったっスか?」



垣根「いやいやいや、もっと早く教えろよ!!」

ゴーグルの少年「……垣根さん、一つ聞いてもいいっスか?」

垣根「ああ?」

ゴーグルの少年「プライバシーの保護って聞いた事有るっスか?」

垣根「……まあ、お前があいつの秘密をばらしたことで侵害になってるのは確かだな」

ゴーグルの少年「過去の事っスよ」

垣根「開き直ってるんじゃねぇよ」

ゴーグルの少年「安心してください。心理定規さんに垣根さんから相談受けたことは言ってないんで」

垣根「全く安心できねぇよ」

垣根「セキュリティも情報の管理も杜撰だし、流出する前に潰しとくか?」

ゴーグルの少年「ちょ、ええっ」



垣根「嫌なら次からは気を付けろ」

垣根「そのヘッドギアをもう少し有効に使って、適切な管理を心がけるべきだ」

ゴーグルの少年「あれ、普段より甘いっスね」

垣根「うるせぇ。カツサンドドリンクの効力だろ」

ゴーグルの少年「……」

垣根「引くなよ、傷つくじゃん」

ゴーグルの少年「ひ、引いてないっス」

垣根「……とにかく俺が探り入れてやるから、原因が分かるまでは変なことはするなよ?」

ゴーグルの少年「はいっス。話聞いてくれてありがとうございますっス」

垣根「ふん、たいしたことじゃねぇって」

垣根(……麦野に殺された……アイテム、スクール)

垣根(何か引っかかるような……?)

今日はここまでです!

乙、なにやら不穏だなあ



………とある病院・病室前………


佐天「こんにちはー」

絹旗「あ、佐天さんじゃないですか。超こんにちはー」ペコ

佐天「あれ、土御門さんはどうしたの?」

絹旗「ああ……ここだけの話なんですけど」コソ

佐天「ほほう……」ズイッ

絹旗「お腹壊して超トイレこもってるんですよ」コソコソ

佐天「え、それは大丈夫なの?」

絹旗「さあ?」

絹旗「別に私がそんなことを気にするいわれなんて超ありませんから」



佐天「うわー、最愛ちゃん冷たいなぁ」

絹旗「最愛ちゃんとかいうの超やめてください」

絹旗「あんまり言ってると無視しますよ」

佐天「とか言いつつ遊びに来るの楽しみにしてるんでしょ?」

絹旗「年下だからといってそんな子供相手みたいな態度取られると超ムカつくんですけど」

佐天「だって子供だし」

絹旗「見た目で語らないで欲しいですね」

絹旗「精神年齢はもう婆さんなんで、超覚えておいてください」

佐天「はいはいー」

絹旗「……」ハァ



ガラララララッ

垣根「あー、トイレトイレ」

佐天「あ、垣根さんじゃないですかー。こんにちはー」

垣根「ん? 佐天さんか」

絹旗(さん付け!?)

垣根「こんなところで何してんだ?」

佐天「遊びに来たんですよ」

垣根「ああ、見舞いに来てくれたってことか」

垣根「なら、そんなガキと話してねぇでさっさと中入れよ」

絹旗「超ガキじゃないです」

絹旗「というか、人の嫌がることが超分かっていてそういうこと言う人のほうが超ガキですから」

垣根「そういう反論の仕方がガキって言われてんだよ」



垣根「そういえば土御門の奴はどこ行ったんだ?」

絹旗「トイレに超こもってます」

垣根「はっ、腹でも壊したか?」

絹旗「おお、超正解です」

垣根「……待てよ、それって俺が聞いても良かったことなのか?」

絹旗「そういうこと考えるのは超勘弁です」

絹旗「ま、佐天さんがいる上、緊急でもないというのに突破しようとはしないでしょうし」

垣根「いや、まあ、そうだけどな」

佐天「あれ、私ダシに使われてる?」



垣根「……済まねぇな。ガキの会話に付き合わせてちまって」

絹旗「ちっ……」ギロ

垣根「差し入れとかなら待ってるからな。俺はトイレだけども」

絹旗「あれは超無視して問題ないですよ」ケッ

佐天「さすがに無視は可哀想じゃないかな?」

絹旗「超問題ないです。そういう無視される人種ってどこにでもいるんで」

佐天「最愛ちゃんって時々毒吐くよね」

絹旗「超自覚ありなんで、大丈夫です」

垣根「すごいナチュラルにスルーされてるのな」

佐天「え、いや、今日は最愛ちゃんたちと遊ぶためにきたって方が大きいんですよね」

佐天「結構クセがあって面白いんですよー、この子」



垣根「いや、クセがあるなんてレベルじゃねぇよ、そいつはガチもんだぞ?」

佐天「ガチもん?」

絹旗「……」チラリ

垣根「あ、やっぱり何でもねぇ」

垣根「遊び終わったらこっちにも差し入れくれなー?」カツッ

垣根「あとお前らは仕事しろ」

絹旗「へっ、超長期休暇中の野郎には言われたくないです」

佐天「えー、垣根さんも賭けトランプ一緒にしません?」

垣根「賭けるのかよ!」

絹旗「命を?」

佐天「賭けないよ!!」

今日はここまでです!
乙ありです!!



垣根「命を賭けるのか賭けねぇのかは知らねぇが、今回は遠慮させてもらうか」

垣根「こう見えてかなり我慢してるからな」

絹旗「超涼しい顔してますけど?」

垣根「男はいつでも取り繕うもんだ」

佐天「へぇ」

絹旗「超納得しちゃってるじゃないですか」

垣根「事実だから構わねぇよ」

垣根「それに今日は先約があるからな」

佐天「先約?」

垣根「ふっ、デキる男は忙しいんだよ」ニヤ

絹旗「デキる男……」シッショウ



絹旗「じゃあそうですね……」

絹旗「ここを通りたくば、私たちを越えていけ!」

佐天「そうだそうだ……」

佐天「って私も!?」

垣根「倒していいのか? というかそれでいいならそうするが」

佐天「さっきと言ってること違くないですか」

垣根「悪いが、積極的に俺の邪魔する奴は敵ってのが俺のポリシーだからな」

絹旗「いや、大富豪で超勝負ですけど?」

絹旗「普通に戦っても勝ち目ありませんし」

垣根「はじめから諦めるなよ……つまんねぇな」

絹旗「学習能力は超あるんで」

佐天(別次元だなぁ)



垣根「あ、そうすりゃいいのか」

タンッ

垣根「はい、私たちを越えたぜ」スタッ

垣根「これで文句ねぇよな」

絹旗「と、と、飛び越えられた……」

垣根「じゃあな」タッ

絹旗「と、飛び越えられた……」

佐天「あ、あはは……それくらいの身長が一番可愛いって、ね?」

絹旗「別に超何も思ってませんし」ギリッ

佐天「あ、あはは(怖いよ……)」



土御門「ふぅ、厳しい戦いだった……」スタスタ

絹旗「あ、やっと帰ってきましたか」

佐天「こんにちはー」

土御門「ん? 涙子ちゃんか。また遊びに来たのか?」

佐天「まあ、そんなとこですね」

土御門「ということは……」

佐天「賭けトランプです!!」

土御門「……今日は負けない」



佐天「今日は何を賭けます?」

絹旗「そうですね……」

絹旗「超お菓子でも賭けましょうかね」

佐天「ほう、今日は軽めだね」

絹旗「さすがに何日も連続で夜の監視を任せるのは超不安ですし」

土御門「……ほう、助かったぜよ……」

佐天「じゃあ私は学舎の園限定スイーツを賭けます!」

土御門「なら俺はこの胃腸薬にしよう」

絹旗「……超舐めてます?」

土御門「やっぱりこのグミにするぜよ……」

絹旗「じゃあ昼に食べるつもりだったこのコンビニスイーツにしましょう」

ガララララッ

今日はここまでです!



フィアンマ「呼んだか?」

絹旗「呼んでないんで帰って下さい」

フィアンマ「……」ズーン

佐天「ちょ、最愛ちゃん、フィアンマさんすごい傷ついてない?」

フィアンマ「……心配いらないぞ」

土御門「人数は多い方がいいだろうさ」

絹旗「っていうか、なんでこのタイミングで超出てきたんですか……」

フィアンマ「垣根のことを誘っていただろう?」

フィアンマ「代わりに俺様はどうだ?」

佐天「き、聞いてたんですか?」

フィアンマ「盗聴器を仕掛けるくらい当然だろう?」

土御門「後で撤去しておく」



フィアンマ「なあ、俺様も参加してもいいだろう?」

佐天「人に頼み事するフィアンマさんとか珍しいですね」

絹旗「私が勝つことはまず間違いないんで、人が増えるのは歓迎ですよ」

土御門「ふん、今回は俺が勝つぜよ」

土御門「だから供物はたくさん用意しておくんだにゃー」

佐天「良かったですね、フィアンマさん」

フィアンマ「ああ。これであいつらの見舞いを邪魔せずに済む」

絹旗「ああ、超理解しました」

佐天「??」

土御門「なるほど、ぼっちが辛かったってことかにゃー」

フィアンマ「言うな。空気を読んで出てきただけだ」



佐天「……? 今誰か来てるの?」

絹旗「ええ。打ち止めと番外個体が来てます」

佐天「あー、理解できた」

土御門「で、何を賭けて勝負するつもりだにゃー?」

フィアンマ「……そうだな、今日のおやつのケーキでも賭けようか」

佐天「フィアンマさんっておやつケーキなんですか!?」

フィアンマ「何か問題でもあるか?」

佐天「い、いえ、無いですけど……」

佐天「イメージに合わなくないですか」

フィアンマ「よし、容赦なくつぶすから覚悟していてくれ」

佐天「げ、逆鱗に触れた!?」

絹旗「ゲームスタートです」シャッフル

ここまでです

おつ



………とある病院・病室………


一方通行「なンだァ? 突然出て行きやがって……」

打ち止め「メルヘンさんと同じでトイレ行こうと思ってたんだよってミサカはミサカは推測を述べてみたり」

番外個体「いや、空気読んだんじゃないの?」

番外個体「もしくは空気に耐えられなかったとかねぇ」ニシシ

打ち止め「え? 空気を読むって? ってミサカはミサカはいまいち理解できないことを尋ねてみたり」

番外個体「つまり、ミサカたちの見舞いを邪魔しないようにって考えじゃないかね」

番外個体「ま、どーでもいいけどさ」



一方通行「つーかよォ……垣根の奴はトイレってのはただの建前で、本当はデートに行くだけらしい」

打ち止め「ええっ!? メルヘンさんがデート!? 誰とってミサカはミサカは聞いてみたり」

番外個体「心理定規でしょ?」

番外個体「そんなことよりミサカはアイツがどうやって脱走したのかに興味があるんだけど」ニシシ

一方通行「……普通に外出許可を取ったって言ってたなァ」

一方通行「ま、取得に半月くらいかかったらしいがなァ」

番外個体「へぇ、そこまでしてでもデートしたい相手ってわけなのかね」

一方通行「さァな。そこは本人に聞いた方が早ェよ」

打ち止め「心理定規さん……おめでとうってミサカはミサカは二人に聞こえないよう呟いてみる」ボソ



一方通行「なンか言ったかァ?」

打ち止め「いいい、言ってないよってミサカはミサカは誤魔化してみたり!!!」

一方通行「そォか」

番外個体「あっさりしてるなぁ」

一方通行「あ? いちいち詮索しても意味がねェからな」

一方通行「興味もねェ」

打ち止め「そうだよ! 今はミサカたちと楽しく過ごすことを考えればいいんだよってミサカはミサカは親指を突き出してみたり」グッ

番外個体「ま、それにはミサカも同意かな」



打ち止め「……で、いつ退院できるかは決まったのってミサカはミサカは尋ねてみたり」

打ち止め「黄泉川がいつ帰ってくるじゃんって騒いでてうるさいんだぜってミサカはミサカは文句言ってみたり」

番外個体「はっ、芳川は人が少ない方が色々楽でいいけどねぇとか言ってたのは伝えないの?」

打ち止め「そういう余計なことは言わないでいいのってミサカはミサカは注意してみたり」

一方通行「まだ決まってねェ」

打ち止め「ん? なんか言ったってミサカはミサカは尋ねてみる」

一方通行「もォいつ退院しても問題ねェはずなのに、まだ日時は決まってねェ」

番外個体「ま、ミサカはそんなことだろうと思ってたけどね」クク

番外個体「そのまましばらくここでゆったり生活してるといいよ」



打ち止め「な、なんでそんなこと言うのってミサカはミサカは怒ってみる」

番外個体「おチビも少しは考えなよ」

番外個体「一方通行が入院している間はミサカたちのお菓子が増えるんだよ?」

打ち止め「はうあ!!」

打ち止め「確かにそうだねってミサカはミサカは眉間にしわを寄せてみる」

一方通行(俺とお菓子ってこのクソガキの中で同等の存在だったのかァ)

打ち止め「やっぱりもっと元気になってから退院でいいよってミサカはミサカは優しく声をかけてみたり」

一方通行(打ち止めァァァァァァァァ!!)バタッ

打ち止め「あ、あなた!?」

番外個体「やりすぎたかねぇ、ぎゃはは」

今日はここまでです!
おつありがとうございます!

なんだこれかわいい(かわいい)



………第七学区・とある喫茶店………


垣根「待たせた、俺から場所指定しておいて悪いな」

心理定規「別に。私も今来たところだから気にしないで」

垣根「そうか?」

心理定規「ほら、だって頼んだコーヒーがまだ来てないもの」スッ

垣根「コーヒー頼んだのか?」

心理定規「そうよ? 私は大人な女だもの」

垣根「また取り繕うのな」

心理定規「何のことを言ってるかさっぱりだわ」

店員「失礼いたします」

店員「アイスコーヒーです」コト

心理定規「ん、ありがとう」



垣根「あ、俺も頼んでいいか?」

店員「どうぞ」

垣根「レモンスカッシュ一つ」

店員「……レモンスカッシュですね?」ポチポチ

垣根「ああ」

店員「かしこまりました。少々お待ちください」ペコ

心理定規「レモンスカッシュ……」

垣根「ん? どうした?」ニヤニヤ

心理定規「な、なんでもないわ」カランカラン

垣根「ちょ、ガムシロップとミルク入れすぎじゃないか?」

心理定規「甘い方が好きなの」

垣根(そこまでいくと、コーヒーであった必要があるのか疑問だな)



心理定規「……それで、どんな用件かしら?」

心理定規「わざわざ外出許可を取ってまでしてここに来たんでしょう?」

垣根「ああ……」

垣根「最近ゴーグルの奴と何かあったのかって聞きたくてな」

心理定規「……ゴーグル君に相談されたのかしらね」フフ

垣根「……」

心理定規「何があったわけでもないわ」

心理定規「何も変わってない。ただ分かっちゃっただけよ」

垣根「何が分かったんだよ」

心理定規「おかしなこと」

垣根「は? 意味わからねぇんだけど」

心理定規「私だって意味はわからないわよ」

心理定規「なぜこうなったのかなんてね」



垣根「……何があったんだよ」

垣根「顔色悪くなってんぞ」

心理定規「だから何もないって」

垣根「……」

心理定規「心配いらないわ。むしろ自分の心配をしてちょうだい」

垣根「自分の心配だぁ?」

垣根「もう俺の体は問題ねぇってことぐらい知ってんだろ」

心理定規「……そうじゃないわ」

垣根「?」

心理定規「そうね……周りに気を付けて」

心理定規「そして小さな異変も見逃さないで」

心理定規「何かが起こるわ」



垣根「どうして何かが起こると思うんだ?」

心理定規「勘よ」

心理定規「それもいろいろなことを鑑みたうえでの勘だから、確信に近いわ」

垣根「……回りくどいな」

垣根「つまりどういうことなんだ」

心理定規「油断はしないで」

心理定規「何が起こるか分からないし、世界は知ろうとする人間には優しくないみたい」

心理定規「だから余計なことはしないで」

垣根「……分かった」



垣根「だが、お前も危険なことには首を突っ込むな」

垣根「抱えきれなくなったら相談しろよ?」

垣根「俺はお前の上司である前に彼氏なんだからな」フッ

心理定規「もちろん。分かったら言うわ」

垣根「約束だ」

心理定規「ええ」ニコ

垣根(分かったら言う、か。やっぱり俺を頼る気はねぇらしい)

垣根(ま、俺も約束なんて破る気満々なんだし、人のこと言えねぇか)

垣根(とりあえず追跡装置でもつけさせてもらうか、すぐ気づかれるかもしれねぇが無いよりはマシだ)

今日はここまでです!!
打ち止めも子供だからお菓子の誘惑には逆らえない……

おつ



心理定規「……せっかくの外出なんだし明るい話しましょうよ」

垣根「ん、ああ、そうだな」


店員「失礼いたします」

垣根「お、きたきた」

店員「……お待たせいたしました、レモンスカッシュです」スッ

垣根「お、おう」パシッ

店員「以上でご注文の品はお揃いになったでしょうか」

垣根「ああ、そうだ、ショートケーキとチーズケーキ追加でいいか?」

店員「かしこまりました」ペコ



垣根「……」ゴクゴク

心理定規「……」ジー

垣根「やっぱり、飲みてぇのか?」

心理定規「い、いや、そんなことないわ」

心理定規「ただなんでケーキ二つも頼んだのかなーって」

垣根「ん? そりゃコーヒーに砂糖ぶち込みまくるより普通に甘いもん食べた方がいいじゃねぇか」

垣根「レモンスカッシュはやれねぇけど、口直しにでもって思っただけだ」

垣根「まあ、チーズも生クリームも苦手なら両方俺が食うし」

心理定規「……ということは一つもらっていいの?」

垣根「ああ。俺がこの店で一番気に入ってるケーキだから味は保証するぞ」

心理定規「へぇ、じゃあ来たら選ぶわ」

垣根「そうだな。見た方が味もイメージしやすいだろうし」



心理定規「それにしても、帝督が喫茶店に来ることなんてあるんだね」

垣根「まあ、そうだな……」

垣根「テレビの特集でやってて、来てみたら美味かったから、気に入ってるだけだ」

心理定規「一人で?」

垣根「ああ、そうだよ。ぼっちを馬鹿にしたいならすればいい」

心理定規「そ、ならいいわ」

垣根「……んん? そうか、誰かと来てたらヤキモチ焼いちまうもんなー」ニヤニヤ

心理定規「そうよ、でも一人で行くくらいだったら誘ってくれてもよかったのに」

垣根「いやいや、あの頃はただの上司と部下だぞ?」

垣根「まあ、ゴーグルのやつにも誘えばよかったじゃないスかーって言われたけどな」

心理定規「……そう、そうよ、誘ってくれたら喜んで行ったのに」

垣根(……この反応、ゴーグルの野郎が死んでるって聞いた事と関係してんのか?)

垣根(こいつが感情をコントロールできないなんて滅多にねぇし……)

垣根(やっぱり何かあったか)



店員「失礼いたします、ご注文の品をお持ち致しました」

垣根「お、ありがとな」

心理定規「……」ドキドキ

店員「……ショートケーキとチーズケーキです」スッ スッ

垣根「やっぱこれだよな」ウンウン

心理定規「ど、とっちにしようかしら……」ジー

店員「い、以上でご注文の品はお揃いになりましたでしょうか」

垣根「ああ」

店員「それではごゆっくりどうぞ」ペコ

店員(ほほえましいなぁ……)



垣根「で、どっちにする?」

心理定規「ちょっと話しかけないでちょうだい」

心理定規「……集中してるから」ジー

垣根「あっそう。じゃあ黙ってる」

心理定規「……」ジー

垣根「……」

心理定規「……決めたわ」

心理定規「ショートケーキにする」

垣根「そうか。なら俺はチーズケーキだな」カチャ

心理定規「あ、やっぱり待って」



垣根「優柔不断だな……」

心理定規「ごめんなさい、でもどっちもおいしそうなのよね」ウーン

心理定規「むむむ、選べないわ……」

垣根「はあ、そんなに悩むんなら一口交換でもするか?」

心理定規「え! いいの?」

垣根「ああ。その方がいいんだろ?」

心理定規「あ、ありがと」

垣根(……まあ、少しでも元気になってくれるなら二つやってもいいんだが、その場だけの元気でしかないしな)

垣根「とりあえずどっちか選べよ?」

心理定規「うん」ルンルン

今日はここまでです!
おつありがとうございます!



心理定規「じゃあショートケーキにするわね」

垣根「はいよ」スッ

心理定規「先にいただきます」

垣根「じゃ、俺もチーズケーキ食べるかな」サクッ

心理定規「……」モグモグ

垣根「どうだ? 美味いだろ」チラ

心理定規「そうね。帝督が通いつめるだけあるかしら」フフッ

心理定規「でも帝督は食べないの?」

垣根「ん? それをオススメした俺は責任を持ってお前の感想を、批判を、罵倒を聞かねぇ」

心理定規「……人に物をオススメするだけでそんな重い責任を負わなきゃならないのね」



垣根「ま、嘘だけどな」

心理定規「でしょうね」

垣根「正直に言えば、少しでもお前が元気になったのを確認したかったから、か?」

心理定規「そ。でも、らしくもないセリフは慎んだほうがいいわよ」モグモグ

垣根「いや、お前しか聞いてないから別に慎まなくていい」

心理定規「……私が恥ずかしいの」

垣根「そうか」

心理定規「なんだか今日は帝督に主導権握られちゃってるわね」

垣根「今更気づいたか? まあ、そういうこともあるだろ」

心理定規「……む」



垣根「なに、不機嫌になってんのか?」

心理定規「そんなんじゃなわよ。その程度のとこは表情に出さないわ」フン

垣根「ならどうした?」

心理定規「ケーキ」スッ

垣根「あー、そういうことね」ニヤニヤ

垣根「ほらよ」スッ

心理定規「ありがとう」パク

心理定規「あ、こっちも美味しいわね」ウンウン

垣根「さてと、じゃあ俺もショートケーキ食べるかな」プスッ パク

心理定規「どう? 美味しいでしょう?」

垣根「いや、俺のオススメだしな」



心理定規「話は変わるんだけど、あの二人はどう?」モグモグ

垣根「あの二人?」

心理定規「監視の二人よ」

垣根「あー、あいつらね」

垣根「佐天さんとかフィアンマを仲間にして、カードゲームに勤しんでるぞ」

垣根「トランプやらウノやら、最近はボードゲームもやってるらしい」

垣根「ボードゲームなのに床に広げられないから、タブレット端末使わないとならないって文句とか言ってたっけか」

垣根「ありゃ、仕事する気ねぇな」

心理定規「佐天さん?」

垣根「あれ、紹介してなかったか?」

心理定規「んー、聞いた事ないと思うわ」



垣根「えっと、花女……じゃなくて、初春って子は知ってるか?」

心理定規「は、花女ね……初春さんなら知ってるわ」

心理定規「頭に花咲かせてる子でしょう?」

垣根「その言い方だと脳内お花畑みたいだな」

心理定規「仕方ないでしょ。本当に頭上に花があるんだから」

心理定規「で、その初春さんと佐天さんって子はどんな関係なのよ」

垣根「同級生らしい。かつフィアンマたちのリハビリを監督しているらしいな」

垣根「ま、俺はあんまり関係ねぇんだけどさ」

心理定規「ふーん」



垣根「なんだよ、その表情は」

心理定規「え? そんなに変な顔してたかしら?」

垣根「んなこと言ってねーよ。ただ変な顔してたから気になっただけだ」

心理定規「特に理由は無いわよ」フン

心理定規「ただ普通の知り合いが帝督にもいたんだなぁって思っただけよ」フン

垣根「俺は何だと思われてんだよ……」

心理定規「さぁ?」プイ

垣根(……やっぱり態度がおかしい……)

垣根(だが、ゴーグルのやつが言っていた程度のことで病むほどこいつはやわじゃないし……)

垣根(もう一度ゴーグルの奴に聞いてみるか)

今日はここまでです。
おつありがとうございます!!!

おつー

おつ

未現定規は至高



…………………………


垣根「ってなわけで、突然呼び出して悪いな」

ゴーグルの少年「いえいえ、暇だったんで大丈夫なんスけど」

垣根「なんだ? 言いたいことあるならはっきり言えよ?」

ゴーグルの少年「その、心理定規さんの態度がおかしかったのって、垣根さんの話のせいじゃないかなーって思っただけっス」

垣根「俺のせい? なんでだよ」

ゴーグルの少年「佐天さんとかいう人のことを話し出すからやきもち焼いてたんじゃないかなーって」

垣根「……」

ゴーグルの少年「あ、いえ、なんでもないっす」

垣根「ああ、それは無いだろう……多分」



ゴーグルの少年「……で、なんで僕が避けられてるかは分かったっスか?」

垣根「あ……えっと…………な?」

ゴーグルの少年「まさか忘れてたんスか?」

ゴーグルの少年「彼女とのデートに浮かれて僕の頼みは忘れてたんスか!?」

垣根「いやいやいやいや! 聞いたぞ!」

ゴーグルの少年「で、何て言ってたんスか?」

垣根「はぐらかされた」

ゴーグルの少年「本当っスか?」

垣根「上司疑ってんじゃねぇよ」



垣根「だが、はぐらかされたからこそ気になるじゃん?」

垣根「つーか、元気なかったんだよ。心配じゃねぇか」フイッ

ゴーグルの少年(ホント、好きっスねぇ)

垣根「だからとは言ってはなんだが、少し真剣に調べてみっかなーって思ったわけ」

ゴーグルの少年「そうっすか……」

ゴーグルの少年「僕のためには真剣に調べてくれないんスか?」

垣根「何言ってんだよ、キモいな……」ヒキ

ゴーグルの少年「え!? 普通に引かれたっス」

垣根「いや、悪いけどそういう趣味はねぇからな」

ゴーグルの少年「僕もないっス!!」



垣根「ま、おふざけはこの辺にしておいて」

ゴーグルの少年「おふざけだったんスか!」
垣根「いちいちうるせぇな、少しは黙って話聞け」

垣根「ともかくお前が避けられてる原因にもつながるだろうし、俺の調査に付き合え」

垣根「あ、変な意味じゃねぇからな」

ゴーグルの少年「分かってるっス!!!」

垣根「喚くな、そんなに声出さなくても聞こえるから」ミミフサギ

ゴーグルの少年「やりづらいっス……」

垣根「いちいちオーバーリアクション取らなけりゃいいだけだぞ?」



ゴーグルの少年「……で、調査に付き合えって、僕は何をしたらいいんスか?」

垣根「あー、いや、お前は俺の質問に正直に答えてくれればいい」

垣根「つーか、それ以外に余計な行動はするな」

ゴーグルの少年「え? そんな簡単なことでいいんスか?」

垣根「ああ。勝手に動かれて話がややこしくなるのも面倒だからな」

ゴーグルの少年「それくらいなら喜んでやらせてもらうっス!」ブンブン

垣根「へぇ……よかったよかった」ニヤァ

ゴーグルの少年「え、なんスか、その嫌な笑みは……?」

垣根「いや、強制しなくて済んでよかったって思っただけだ」

ゴーグルの少年「ええっ!?」

垣根「あー、こっちの話だ、気にすんな」



ゴーグルの少年「前も思ってたんスけど、垣根さんってそんなすぐに手を上げる人だったっスか?」

垣根「時と場合によるな」

垣根「とりあえず今回は手を上げてしまう場合だ。悪いが分かってくれるとありがてぇな」

ゴーグルの少年「……そうっスね」

垣根「じゃあ早速一つ目の質問行っていいか?」

ゴーグルの少年「はいっス! 覚えていることなら答えるっスよ」

垣根「おうおう、やる気満々なのはいいが、一つ目の質問だけは忘れてても答えろよ?」

ゴーグルの少年「が、頑張るっス」ゴクリ

今日はここまでです!
いつも乙ありがとうございます!!

最近いいとこで切るから気になって仕方ないんだぜ

乙です

おっつー

乙ありがとうございます!!

>>871 本当にありがとうございます!! 励みになります。

土曜日までテストなので、次は日曜日に投下する予定です。
すみません。



垣根「質問一、お前が麦野に殺されたはずだとかなんとかって言ってた男がいたよな?」

ゴーグルの少年「はいっス」ウンウン

垣根「そいつの名前分かるか?」

ゴーグルの少年「……」

垣根「分からねぇのか?」

ゴーグルの少年「いや、多分記録があるはずっス、ここに」コンコン

ゴーグルの少年「確か、心理定規さんが名前を言ってた気がするんスよ」

垣根「なるほどな……俺も聞けるか?」

ゴーグルの少年「ケータイか何かに繋げばいけるっス」

垣根「……ん、ならこれ」ホイッ

ゴーグルの少年「っとっと……」パシ



ゴーグルの少年「え、垣根さんのケータイで聞くんスか?」

垣根「ああ、保存しておきたいしな」

ゴーグルの少年「は、はあ……分かったっス」カチッ

垣根「ちゃんとデータ入れとけよ」

ゴーグルの少年「分かってるっス、ええと、ここをこうして……」

ゴーグルの少年「じゃあとりあえず流すっス」

垣根「ああ」


………………………
…………

垣根「お前のそれって意外と汎用性高いんだな」

垣根「能力の補助までしてるらしいし、もうそれそのものがレベル4なんじゃねぇの?」

ゴーグルの少年「な! 僕がレベル4っスから!!」

垣根「はいはい、分かった分かった」

ゴーグルの少年「はいも分かったも一回でいいっス」ムッ

垣根「……」

ゴーグルの少年「無視っスk」

垣根「浜面くん……か」

ゴーグルの少年「……知ってるんスか?」

垣根「まあ……顔は知ってる」



垣根(確か、滝壺理后を助けるためにのこのこ俺たちのいる所へ戻ってきたレベル0の男だったか)

垣根(……アイテムの下位組織の人間と考えるのが妥当、と思ってたはずだ)

ゴーグルの少年「麦野とか言ってますし、暗部の人間なんスかね?」

垣根「さあな」

垣根「ま、少しはこっちと関わりがあることは間違いねぇだろうよ」

垣根「浸かってるかは知らねぇがな」

ゴーグルの少年「……心理定規さんとの関係は心配ないんスか?」

垣根「ああ。あいつと浜面とかいう男は一度目を合わせて追いかけっこをした程度の仲でしかねぇ」

垣根(はずだ)

ゴーグルの少年(追いかけっこ!?)

垣根「その前もその後も関わりはねぇ」

垣根(はずだ)

ゴーグルの少年「そ、そうっスか……」



垣根「ま、とりあえず有益な情報も得られたし、俺は少しその辺を当たってから帰る」

ゴーグルの少年「体は……」

垣根「もう万全だ。俺の心配はいらねぇからてめぇはさっさと帰れ」

垣根「余計なことはするなよ?」

ゴーグルの少年「何度も言わなくても分かってるっス」

ゴーグルの少年「僕も面倒な事は嫌いっスから、わざわざ垣根さんに怒られそうなことを時間をかけてまでしないっス」

垣根「……だな」

垣根「でも本当に勝手に動かれると俺が困るからやめろよ?」

ゴーグルの少年(いい加減しつこいっス……)コクコク

垣根「じゃあ、俺は行くがお前はまっすぐ家帰れよ?」

ゴーグルの少年「もう分かったっス!!」ダッ

ゴーグルの少年「それじゃあお大事に!!」ダダダ



垣根(よし、帰ったか)

垣根(アイテムは……第三学区の個室サロンを溜まり場にしてたんだっけか)

垣根(もういるとは思えねぇが、行ってみる価値はあるな)

垣根(あ、あとどっかのファミレスでの目撃情報もあったっけか)

垣根(まあ、とりあえず個室サロンだな)バサッ

今日はここまでです!

????「大体、浜面のことはカブトムシに聞くと早いと思う。にゃあ」



………とある三名の観光都市⑤………


浜面「ふ、不完全に幸せな世界?」

オッレルス「私たちが勝手にそう呼んでいるだけだけどね」

オッレルス「皆が完全な幸せを手に入れることのできる世界なんてありえないんだ」

オッレルス「今の世界は一見幸せに見えるけど、皆が乗り越えたり諦めたりした時の苦悩とか努力とかがすべて無になっている作り物の世界だ」

浜面「……意味が分からねぇよ」

オッレルス「意味なんか私だって知らないさ」

オッレルス「まあ、誰の仕業かを想像することくらいはできるけどね」

浜面「……つまりどういうことなんだよ」

トール「浜ちゃんもさっきその目で見たんだろ?」

トール「死んだはずのあのヘッドギア野郎が生きてる姿を」

トール「この世界は簡単に言えばそういうことだ」

トール「死者は戻ってこないという自然の法則を無視して、死んだはずの者がなぜか生きている」

トール「ま、それはこの世界の特性の一つでしかねぇらしいんだけどな」



浜面「っ……」グッ

浜面「死んだはずの者が生きているって言ったよな」

トール「言ったけど、どうした?」

浜面「あのゴーグルの奴と同時期に死んだはずの女は生き返ってない」

オッレルス「へぇ、ボロが見えてきたってわけだね」

浜面「ボロ?」

オッレルス「さっきも言っただろう? 不完全に幸せな世界だとね」

オッレルス「そこも不完全と言われる所以さ。あまりに不平等で中途半端」

オッレルス「だから不完全に幸せな世界」



トール「ま、浜ちゃんはそんなことを知る必要も関わる必要も全くねぇんだけどな」

浜面「ど、どういうことだよ」

トール「元々浜ちゃんはこんなことを知らず、誰かにお膳立てされた幸せを享受しているだけでよかったはずだった」

トール「だってのに、無関係な浜ちゃんを変なことに巻き込んでしまった。それは悪かったと思ってる」

トール「だから、余計な事情を知る必要はないって言ってるんだぜ?」

浜面「そんな言われ方をすると余計に関わらないとならねぇじゃん」

浜面「知りたくなるじゃねぇか」



トール「どうしてだ?」

浜面「……俺の知ってるヒーローならそうするはずだからだ」

浜面「……ん? 俺の知ってるヒーローって誰だよ……」

トール「俺の知ってるヒーロー、か」ククッ

トール「……厳しいこと言うが、この件は浜ちゃんが命をかけてまで関わらねぇとならないことじゃない」

浜面「命をかける、だと?」

トール「そりゃ、多分学園都市で行われているであろう物事に手を出すんだぜ?」

トール「命なんかいくつあっても足りねぇよ」

浜面「っ……」ギリギリ

トール「それに浜ちゃんの周りに何か危害も加わるようなもんでもねぇしな」

トール「滝壺理后にも麦野沈利にも絹旗最愛にもフレメア=セイヴェルンにも何も害はないんだぜ?」

トール「意味のない戦いに身を投じて、の命を粗末にするな」




トール「それでも、どうしても関わりたいって言うなら、グダグダ言ってねぇでさっさと案内しろ」

オッレルス「私達を上条当麻の所へ連れて行ってもらえれば、万事解決だからね」


シリアスモードなので一回一回の量は少なめになります。
今日はここまでです。

おつ



浜面「上条当麻……?」

トール「……あ、忘れてんだっけか」

トール「さっき言ってた俺の知ってるヒーローってのは誰なんだかね」

浜面「た、確かに、俺の知ってるヒーローって誰だよ!」

オッレルス「……多分君の知ってるヒーローと今回の件を片付けるのに一番重要な人物、上条当麻は同一人物だ」

浜面「……そのカミジョーとかいう奴がなんで重要なんだ?」

オッレルス「ん? 気になるの?」

浜面「当たり前だろ」

トール「面倒くせぇな……」ケッ

オッレルス「その男の持ってる能力と彼の心理は今回の件でも利用できるからだよ」



浜面「利用できる……」

浜面(全く分からねぇ……カミジョーって奴も不完全に幸せな世界ってのもよく分からねぇ)

オッレルス「いや、分からないのが当然だよ」

浜面「え!?」

オッレルス「解決方法もまだ完全には分かっていない」

オッレルス「それでも上条当麻は事態を切り開く力があると私たちは思っている」

トール「ああ、上条ちゃんはそういうところ信頼できるからな」

トール「アレイスターの仕業だろうと、神の仕業だろうと、こんな幻想はぶち殺す」

トール「そんな奴だ」



オッレルス「そんな彼でもこの件に自然に気づくのは難しい」

オッレルス「いや、君たちみたいにきっかけがないと不可能だ」

トール「でも、上条ちゃんが事態に気づいて、動く気になってくれねぇと、利用することもかなわない」

オッレルス「だから私たちと共にまた戦ってくれないかって勧誘に行くのさ」

浜面「……また?」

オッレルス「そうだ。私もトールも彼と共闘をしたことがあるんだよ」

オッレルス「もちろん君も」

浜面「……覚えてない」

オッレルス「まあ、みんな程度は違うけど、記憶も消されてるからね」

オッレルス「こんな微々たる違和感に気付けってのはさすがに酷だとは思うし、そんなことは求めてないよ」

オッレルス「……でも」クルッ





心理定規「……」

オッレルス「こういう子もいるから面白いんだよね」

オッレルス「学園都市は」





心理定規「……話、勝手に聞いて悪かったわね」

トール「いつまで隠れてるのかと思ったけど、やっと出てきたか」

心理定規「……やっぱり気づかれてたのね」

浜面「お、お前は!」

心理定規「浜面くんもごめんなさい。一通り聞かせてもらっちゃったわ」

オッレルス「……一通り、か」

心理定規「ええ」

心理定規「上条くんがどうしたってことも聞いてたけど、そこは私首突っ込むようなことじゃないと思うからおいておくわね」

オッレルス「なるほど。それじゃあ君は何のためにここまで来たのかな?」

今日はここまでです!
乙ありがとうございます!!


いよいよ



心理定規「ゴーグルくんが死んでいるって話」

心理定規「それを確かめに来ただけ。他はどうでもいいの」

トール「え、そのためだけにこんなに追いにくい俺達を追ってきたのか?」

心理定規「答えてちょうだい」

浜面「間違いねぇよ。それだけは確かだ」

心理定規「……証拠は?」

浜面「この目で見た。映像も麦野からのヘッドギアも」

心理定規「浜面くん、疑うようで悪いけど、信用できないわ」

心理定規「さっきそこの長身の人が言ってたでしょう、記憶が消されてるとかなんとか」

心理定規「だから人の言葉は信用できないの」




心理定規「今は自分の目で見たものしか信用できないわ」

オッレルス「……そこまで言うなら案内しようか?」

オッレルス「証拠のある場所へ」




心理定規「いや、いいわ」

心理定規「そこまで迷惑かけられないから」

オッレルス「え?」

心理定規「浜面くん、どこでその映像を見たの?」

浜面「……素粒子工学研究所の監視カメラだ。あのアイテムとスクールがぶつかった」

心理定規「そう、ありがとうね」タタッ

浜面「夜道だから気をつけろよ」

心理定規「心配ありがとうね」タタタッ


オッレルス「……」

トール「おい、意識あるか?」

オッレルス「……」

トール「……おい?」



オッレルス「かっこつけまくったのにあんな華麗にスルーされるとは」

トール「ま、まあ涙拭けよ」

浜面「……分かった」

トール「ん? 唐突にどうしたんだ?」

浜面「お前たちをそのカミジョーって奴がいる病院に案内する」

オッレルス「おお、ありがとう」

浜面「俺は何が何だか分からねぇけど、俺も役に立てるんならただの案内人Aで構わない」

トール「そうか」

トール「じゃあ浜ちゃん、頼む」ニッ



浜面「一応言っておくけど、病院には迷惑かけるなよ」

オッレルス「分かってるよ。なんならフィアンマに窓を開けておいてもらえばいいしね」

浜面「窓からなのか……」



………とある病院・病室前………


フィアンマ(革命するか……しないか)ウムム…

佐天「フィアンマさんの番ですよー、さっさと出しちゃってくださいよ」

土御門「何を出す……?」ジー

絹旗「やっぱ超高みの見物に限りますね」ケラケラ

絹旗「っていうか、もう一人あがってるのに、なぜあなたはそんなにカードが残ってるんですか」

フィアンマ「そりゃ、そういう戦略だからに決まってるだろ」ジー

佐天「革命出来たりしますかね……」チラ

土御門「さあな。そういって俺の反応見て残りのカード調べようとしたって無駄だぜい」

佐天「あはは、バレてました?」

佐天「ま、私はなんでもいいですけど」



フィアンマ(長髪女の余裕発言……)

土御門(涙子ちゃんのなんでもいい発言!?)

土御門(まさか)

フィアンマ(まさか)

土御門・フィアンマ(ジョーカー持ち!?)



フィアンマ(ジョーカーあがり禁止は俺様のとこだけのローカルルールか?)

フィアンマ(……どうしよう)

土御門(ここはジョーカーあがり禁止のルールを突きつけるか……)

土御門(ローカルルールだとしても、フィアンマ喜んで乗ってくるはずだ)

フィアンマ(どうしよう……)

フィアンマ(とりあえず革命するか、うん、革命だ)

フィアンマ(ジョーカーがあってもこの数字小さい勢を処分できれば!!)

フィアンマ「……」ザッ

土御門「革命か……」

土御門(俺のカードが一気に不利になったか)

土御門(だが、顔には出さない!)

フィアンマ(さて、次は5のペアでも出してやるか)スッ



佐天「やったー、待ってました!!」

佐天「革命返しです!!!!」ザッ

フィアンマ「え!?」

フィアンマ(ゴミカードを処分できなかった!!)

土御門「おお! よくやったぜい! 涙子ちゃんナイスだにゃー」

土御門(いやー、せっかくため込んでた強いカードが無駄になるところだったぜい)

佐天「で、2のペアであがりです!」スッ

フィアンマ「くそっ!」

フィアンマ(革命返しってなんだ!?!?)



土御門「それにしてもなるほどな」

土御門「確かに2と革命しか持ってなかったらどっちでもいいわけだにゃー」

フィアンマ「革命返し……新たな世界を垣間見たような気分だ」

フィアンマ「なんて確率だ……」

絹旗「さすがラッキーガール佐天さんですね……超驚きましたよ」

佐天「ははは、褒めても何も出ませんよー」

絹旗「でもジョーカーは私が超とっくに使ってたんですけどね」

フィアンマ「いや、それは知ってたが、ジョーカーは普通二枚あるだろう?」

絹旗「いえ、今回は超一枚でした」

土御門「せ、せこいぜよ!!!!」

フィアンマ「いや、いちばん被害を被ったのは俺様だから」

フィアンマ「いちばん抗議したいのは俺様だからな!!」



………とある病院………


垣根「ちっ、どっちもスカとかついてねぇ……」ガツッ メキッ

垣根「……どうしたもんか……」

カッツカッツ

上条「そこにいるのは……垣根か!」カッツカッツ

垣根「あ? 上条か……」

上条「む、これはタイミングが悪かったかな?」

垣根「タイミング? なんのだよ」

上条「登場のタイミング。お前、イライラしてるみたいだからさ」

垣根「ああ、そのタイミングか」

垣根「確かにすげぇ最悪なタイミングだったな。イライラしてるし」

垣根「ま、八つ当たりはしねぇが」


上条「いやいや、今さっき思いっきり床蹴って砕いてた人の言葉なんて信用できないからな?」

垣根「見てたのか」

上条「上条さんも男のことをジッと見ているほど暇じゃないです」

上条「つまり、たまたまだよ」

垣根「そりゃそうか。俺だってお前にストーキングされるなんて勘弁だ」

垣根「で、なんでそんな床砕いてるような八つ当たり人間に話しかけてきたんだ?」

上条「床が可哀s……ゲフンゲフン、何かあったんじゃないかと思ってさ」

垣根「床が可哀そうだって言いかけたよな、てめぇ?」

上条「私、上条は不都合なことは忘れる質でして」

垣根「脳みそシェイクで思い出させてやろうか?」

上条「丁重にお断りさせていただきます」

今日はここまでです!
乙ありですー
このままだとどう考えても次スレ行ってしまう……

上条さんは何度か脳味噌シェイクになったんだよなぁ……

次スレ行ってもいいじゃない



垣根「あー、また話が逸れてんじゃねぇか」

上条「逸らしたしね」

垣根「死ねって言ったろ」

上条「本当に言葉尻をとらえてきたよ、文字通りとらえてきたよ」

垣根「……」ハア

上条「……俺みたいな深い所をあんまり知らない人間が言っても説得力ないと思うけどさ」

上条「あんまりイライラしてもいいことないと思うぞ」

垣根「そんなことは分かってんだが、嫌な予感がするんだよ」

上条「嫌な予感?」



垣根「あ、いや、なんでもねぇ」

上条「……何かあったのか?」

垣根「お前には関係なかったな」カツカツ

上条「ちょ、待てよ」カッツカッツ

垣根「え、松葉杖速くねぇか?」ダッシュ

上条「足より使い慣れてるんでね!!」ガツガツ

垣根「そ、そっちの方が床が可哀そうじゃねぇか!!!」ダダダダダ

上条「は!!」ピタッ

垣根「ん?」チラ

看護師「ふふふ」ニッコリ


上条(その後、俺たち二人は仲良く看護師ズに叱られました、まる)

上条「……この年にもなって廊下走るなって怒られるのは少し感じるもんがあるよな」

垣根「そんなこと言ったら俺はどうなんだよ。お前より年上だぞ」

上条「……黒歴史だー、とか言いながら、ベッドでバタバタしてればいいよ」

垣根「あ、その程度でいいのか」

上条「え?」

垣根「いや、俺って結構黒歴史まみれだから、ベッドでバタバタする程度のことなら数え切れねぇほどやってんだよ」

上条「黒歴史まみれとか全く笑えないや」

垣根「ウケ狙ってねぇから別に笑わなくていいんだけど」



上条「……どうだ? 少しはイライラ収まったか?」

垣根「ん? ああ、お陰さまでな」

上条「それは良かった」

上条「どうしても言いたくないなら言う必要ないけど、手助けが欲しくなったらいつでも言ってくれよな」

垣根「どうしたんだよ、突然」

垣根「上条さんの救いの手は女の特権だろうが」

上条「え? 上条さんの救いの手? 何のことだ?」

垣根「あーそっか。お前はそういう自覚なさそうだしな」ウンウン

上条「何が言いたいか分からないけど、言ってくれれば、出来る限りは力になってやるよ」

垣根「その言葉だけはありがたく受け取っておこう」


上条「……そっか。ま、お前は俺程度の心配はいらないか」

垣根「……本当に俺だけじゃ対処しきれなくなったら周りに頼るという選択肢に目を向けてみるのもアリかもしれない」

垣根「だが、しばらくはこのままやってみるさ」

上条「ああ。じゃあそろそろ俺は戻ろうかな」カッツ

垣根「ちょっと俺らの病室寄ってかねぇか?」

上条「ん? 別に時間はあるからいいけど、なにかあるのか?」

垣根「土御門のやつが暇だってうるさいからさ」

上条「暇だってうるさい? どんな状況なんだよ?」

垣根「まあ、簡単に言えば番人やってる」



垣根「ただいま」

土御門「お、時間通りに帰ってくるなんて予想外だな」

垣根「これからは外出許可が簡単にもらえるよう気をつけてんだよ」

土御門「なるほどな」

上条「よう」ヌッ

土御門「おわっ、カミやんも来てたのか」

上条「まあな」

上条「垣根に暇人土御門に構ってやってくれって言われたもんで」

土御門「なるほどな」

土御門「別に暇人ってほどでもないけどにゃー」



絹旗「ほー、この方が超噂の上条さんですか」

上条「ああ。俺は上条当麻なんだけど……超噂になってるの、俺?」

絹旗「そりゃもう有名人ですよ」

上条「えー、有名とか嫌だな……」

垣根「いいじゃねぇか。有名人とか憧れるぜ」

上条「いや、お前も十分知名度あるだろ」

垣根「悪い意味でな」

上条「そうなのか?」

土御門「まあ確かに悪い意味で有名人だから、俺は元々知ってたぜい」

絹旗「私も同じく」

上条「え? でも第二位=未元物質=垣根帝督とかつい最近知ったんだけど」

垣根「まあこっちにはそんなに情報流れてねぇしな。仕方がねぇよ」

今日はここまでです。

>>909
今回はシェイクされないはずです。多分。

面白いスレを見かけてテンションが上がってしまったので、残り少ない書き溜めたやつを投下しました。

おつ

ジョーカーあがり禁止ってローカルルールなん?



上条「え、ちょっと待ってくれ」

上条「よくよく考えたらなんで……垣根のことを君が知ってるんだよ」

絹旗「私は絹旗最愛です」

垣根(……あ、絹旗もアイテムじゃん)

絹旗「基本的に何と呼んでくれても構いませんが、もあいとか言ったら超殺しますんで」

上条「こ、殺す!?」

上条「誰だよ! こんないたいけな少女に殺すなんて言葉を教えたのは!!」

垣根「環境だろ」

土御門「環境だと思うぜい」

絹旗「超環境でしょうね。ちなみに垣根帝督を知っていたのも超環境のせいです」

上条「超環境とか強そうだな……」



垣根「そういや佐天さんは帰ったんだな」

土御門「何時だと思ってんだ?」

絹旗「超最終下校時刻過ぎてますし当然ですよ」

絹旗「あの子はあなたとは違っていい子ですから」

垣根「それは環境の違いだろ」

絹旗「まあ、環境の違いでしょうね」

土御門「環境の違いしかないだろうな」

上条「なんでもかんでも環境のせいじゃねぇか!!」



土御門「と、まあ、ボケは置いといて」

上条「今のはボケだったのか……」

垣根「やらなきゃならねぇ流れだっただけだ」

垣根「断じて俺の意思ではねぇ」

絹旗「そんな否定すると逆に超怪しいんでやめることを勧めます」

垣根「あ、怪しくねぇよ!」

土御門「カミやんは何をしに来たんだにゃー」

上条「二人の会話は総スルーで話を続けるのか」

土御門「ただ単に言うことがなかっただけだぜい!」

上条「そ、そうか」



上条「って、さっき来た理由は言ったはずだぞ?」

土御門「いや、そうだが、俺だけの理由で怪我人を長時間拘束するわけにはいかないぜい」

土御門「また新しく怪我したみたいだし」

上条「あはは……気づいたらボロボロになってるんだよね」

上条「まあ、もう諦めてるけどさ」

土御門「そりゃいつも体一つでみんなのために動いてたら仕方がないにゃー」

絹旗「体一つ……ああ、そういやレベル0なんでしたっけ」

絹旗「……え、超自殺願望なんですか?」

上条「いやいや! 最近はそんなこと起こってないんだけどなぁ……?」

垣根「気づいたらボロボロ、か」



垣根「上条、そろそろ帰ったらどうだ?」

上条「え? 何言ってるんだよ。お前が土御門が寂しがってるとか言ったんだろ」

垣根「そんなこと言ってねぇよ。暇だってうるさいとは言ったがな」

上条「そんな細かい事どうでもいいだろ」

垣根「……ち、じゃあ少し絹旗と話してぇことがあるから少し席外すぜ」

上条「どうぞ、ご自由に」

土御門「まさか口説くつもりかにゃー?」

垣根「潰すぞ?」

絹旗「あ、今あえて殺すって言葉避けましたね」

垣根「またあの流れになったら面倒だからな」



絹旗「でも駄目じゃないですか? 超彼女がいるのに私と密会だなんて」

上条「うーん、とりあえず報告しておけばいいだろ」ポチポチ

垣根「いやいや、それはいらないお節介だ」

垣根「俺たちの仲にひびを入れようとしないでくれ」

土御門「俺たちの仲だなんて」ヒューヒュー

垣根「……もう放っておく」

垣根「ほら、行くぞ」グイグイ

絹旗「わあ、男にリードされたのは超初めてです」

垣根「顔赤くするな。つーかリードされたことないってどういうことだ?」

絹旗「いつも麦野が引っ張ってくれm」

垣根「……察した」グイッ

今日はここまでです!!
乙ありです。

ジョーカー上がり禁止がローカルルールなのか正規ルールなのか不安なフィアンマと土御門って感じです。

ジョーカー上がり禁止はたぶん正規ルールだと思います。

無知ですみません。

おつ





上条「垣根って強引なんだな」

土御門「その強引さでいままで女をひっかけてきたに違いないぜい」

上条「うわ、悪質だな」

土御門「……俺もカミやんには同じことを言いたいぜよ」

上条「え、なんで!?」




絹旗「で、なんです?」

垣根「んだよ、全然顔赤くなってねぇじゃん」

絹旗「演技に決まってるじゃないですか。自分らの超敵だった人間に惚れるほど能天気な性格してませんし」

垣根「それは結構。変な誤解されると面倒くさそうだからな」

絹旗「それで話ってのは何ですか?」

垣根「単刀直入に聞かせてもらうが、浜面仕上の居場所知ってるか?」

絹旗「浜面? なんで超浜面の居場所なんかを知りたがるんです?」

垣根「……あいつに聞きてぇことがあるから、とでも言っておこうか」

垣根「詳しくは言えねぇ」

絹旗「…………ふーん、そうですか」



絹旗「申し訳ありませんが、私は浜面の居場所は超知りません」

垣根「じゃあ、やっぱりアイテムの奴ら探さねぇとか」

絹旗「あ、いえ、知らないのは私だけじゃないです」

垣根「あ?」

絹旗「多分アイテムでも誰も知りません」

絹旗「知っていても答えるかどうかは分かりませんが、今回は本当に知らないんです」

垣根「は? 何言ってんだよ」

垣根「お前らアイテムがしょっちゅうファミレスに迷惑かけてることは把握済みなんだぜ?」

垣根「もちろん奴がジュース係としてパシられていることも知っている」

絹旗「そこまで知っていて、どうして浜面の居場所は超知らないんでしょうね」

垣根「監視カメラ見ても、その辺の奴を脅して吐かせても、俺の持ちうる情報網を駆使しても見つからねぇから聞いてんだろ」



絹旗「まあ、そんな方法で見つけられるんなら私たちだって超すぐに見つけることができますよ」

垣根「そんな方法とは失敬な……」

絹旗「実は数か月前から行方不明なんですよ」

垣根「は?」

絹旗「目撃情報はないわけではないんですが、時間がとびとびで何の参考にもならないんですよ」

垣根「おいおい、目撃者がいるんならすぐ見つかるだろうが」

絹旗「と、私たちも思ったんですが、情報が途中で不自然に途切れてしまうんですよね」

絹旗「それを土御門さんに超言ってみたら心当たりありそうな顔してましたけど」

垣根「……魔術、か?」

絹旗「ん? 超何か言いましたか?」

垣根「いや、何でもねぇよ」


垣根「要は土御門に聞けってことだろ」

絹旗「ま、教えてくれるという保証はしませんが」

垣根「それはどうにか吐かせるしかねぇよ」

垣根「なにはともあれ、まあまあ有益な情報ありがとうな」

絹旗「いえ、あなたが浜面の居場所を掴んでくれれば私たちの利益にもなりますんで」

垣根「俺を利用して探すのかよ」

絹旗「情報をあげたんですから超当然の権利ですよ」

垣根「……まあ、情報を聞き出したら用済みだからそれで構わねぇよ」

絹旗「そうですか、では私たちのために超頑張って下さい」

垣根「そう言われるとやる気なくすな……」ハァ

今日?はここまでです!
乙ありです!


ブラッドサイン二巻みたいな話になってきたな


………………………

垣根「聞きたいことは聞き出せた」ザッ

上条「へぇ、良かったな」

垣根「すごいどうでもよさそうに言うんだな」

上条「まあ、俺には関係ないし」

土御門「うわ、カミやんが絶対に言わなそうな言葉だにゃー。関係ないとか」

上条「いやいや、上条さんはみんなが思ってるほどいい人間じゃないんですよ?」

垣根「ねーな。むしろ思ってる以上にいいやつかもしれねぇ」

上条「そんなわけないって」

垣根「人を見る目はあるからな。誤魔化したって意味ねぇよ」フッ

垣根(……過剰な褒め言葉でも帰らねぇな)

垣根(まあ、無理に今日聞き出す必要もねぇか……)


絹旗「超険しい顔してどうしたんですか?」

垣根「いや、何でもねぇ」

土御門「ま、褒められるような奴ほど謙遜するもんだにゃー」

土御門「カミやんもその例に漏れず、ってわけぜよ」

上条「なんだかそこまで性格について褒められると気色が悪いな」

絹旗「あー、それ超分かります」

垣根「お前は褒められるような性格じゃねぇだろうが!!」

絹旗「あなた程ではないですね」

垣根「いや、まあ、そうだけどさ」

垣根「……少し傷つくし、やめておこう」


上条「繊細だな!」

垣根「ガラスの心ってやつだ」ハハハ…

上条「げんころげんころ」ポン

垣根「は?」

上条「まあ、安心しろよ。少なくとも俺が知っているお前は性格悪くはないから」

土御門「それはカミやんがコイツの本質を知らないだけだにゃー」

絹旗「私も超同感です」

垣根「だな。暗部にいる奴は大抵どっかおかしいぜ」

上条「だから言ったじゃん。俺が知っているお前は、ってな」

垣根「それもねーな」


上条「そうか? 心理定規と打ち止めの為に立ち上がるお前たちとか最高に格好良かったと思うけど」

垣根「……あれは、別だろ」フイ

絹旗「んん?」

土御門「こういうことで人をからかうのは楽しいぜよ」

上条「え、そういうところなの?」

垣根「……そろそろ戻る。疲れたし」

絹旗「撤退ですか」

垣根「戦略的撤退だ」

上条「え、じゃあお大事にな?」

垣根「それはお互いな」

土御門「おやすみだぜい」

垣根「まだ寝ないんだけど……おやすみ」ガラララッ

ピシャッ


絹旗「超結局聞かないんですね……」

上条「ん? 何を?」

絹旗「いえ、こっちの話です」

土御門「……」

土御門「そろそろカミやんも帰った方がいいんじゃないかにゃー?」

絹旗「そうですね。そろそろ超夕飯の時間だったはず」

上条「あ、そうだったな。じゃあ俺も帰るわ」カッツ

土御門「じゃーなー」テフリフリ

絹旗「また来てくださいねー」

今日はここまでですー
乙ありです!

ブラッドサインは禁書読み終わったら読んでみたいですね。


ブラッドサインは一巻だけだと心折れるって聞くから二巻とセットで買うといいぞ


垣根「……」ガラララ

フィアンマ「ん、やっと帰ってきたか」

一方通行「もう飯の時間だろォが」

垣根「少し考え事してるから黙ってろ」

フィアンマ「……」ポチポチ

フィアンマ『あいつ、機嫌悪いのか?』

一方通行『いや、デートしてきたってのにそれはねェだろう』

フィアンマ『……それもそうか……普通に考え事なのか?』

一方通行『気になるなら本人に聞け。俺が知ってるわけねェだろ』

フィアンマ「……そうだな」ウン


フィアンマ「垣根」

垣根「……なんだ?」

フィアンマ「何か悩みがあるなら俺様が今日は特別に聞いてやるぞ」

一方通行(本当に聞きやがった……)ククッ

垣根「別にその必要はねぇよ」

垣根「お前に相談してどうこうなる問題じゃねぇしな」

フィアンマ「……そ、そうか」

フィアンマ(素直に引くのも重要か……)

フィアンマ「じゃあ、何かあったら言って、あ、やっぱり面倒だから言わなくていい」

垣根(……待てよ? フィアンマは魔術の方に詳しい人間だったか)

垣根(聞けば分かるかもしれない)


フィアンマ「……」スタスタ

垣根「待て、やっぱり相談していいか?」

フィアンマ「え? 必要ないんじゃなかったのか?」

垣根「よく考えたらお前が解決のカギを握ってるかもしれねぇ」

垣根(と言って調子に乗らせる作戦だ)

フィアンマ「ふ、そんなことを言うなら最初から相談していればいいことを……」

フィアンマ「いいだろう、相談に乗ってやろう」ドヤァ

垣根(やっぱり土御門に聞こうかな……)


フィアンマ「それで? どんな内容なんだ?」

垣根「……多分魔術に関係してると思う」

フィアンマ「魔術だと? 学園都市なのにか」ムッ

垣根「確証はねぇけどな」

一方通行(魔術……面倒な事に口は突っ込むべきじゃねェな)

垣根「まあ、とりあえず俺の話を聞いて、心当たりがあったら言ってくれ」

フィアンマ「その程度なら。だが俺様は科学サイドの事には疎いからその辺を考えて説明してくれよ?」

垣根「分かってる」


………………………
……………

垣根「って訳だ」

フィアンマ「人払い……かと思ったが時間までおかしいと」

垣根「人払い?」

フィアンマ「そのまんまの意味だ。細かい事は省略するが、人を寄り付かせなくする」

垣根「……時間が違うな」

フィアンマ「……その浜面とかいう男の特徴とかは無いのか?」

垣根「そうだな……俗に言うチンピラって奴だな」

フィアンマ「そんな適当な特徴ではさすがに何もわからないぞ」

垣根「……この音声を聞けば少しは参考になるかもしれねぇ」

垣根「口調とか、声のトーンとかな」

フィアンマ「……聞かせてみろ」


垣根「どうだ?」

フィアンマ「……」

垣根「黙ってたら困るんだけど」

フィアンマ「これ……浜面と共にいる奴ら……知ってるぞ」

垣根「え? この浜面をなだめてる二人組か?」

フィアンマ「ああ……」

フィアンマ「オッレルスとトールだ」

垣根「?」

垣根「知り合いなら何か心当たりあったりしないのか?」


フィアンマ「うーん、あいつらレベルになると何でもありだからな……」

垣根「え」

フィアンマ「お前だってそうだろう? レベル5になったら何でもありだ」

フィアンマ「そんな認識で構わない」

垣根「結局のところどうなんだよ」

フィアンマ「学園都市で何か起こる、と心理定規は言ったらしいな」

垣根「そ、そうだが……」

フィアンマ「なら恐らくオッレルス達はそれをどうにかするために動き出したのだろう」

垣根「……」


フィアンマ「結論を言うと、時間と目撃情報がおかしいのが奴らの使う魔術のせいか、学園都市の異常のせいかは分からない」

垣根「そうか……」

フィアンマ「だが、オッレルスだけではなく、トールまで動いているとなると……」

垣根(オッレルスとトールの関係性がよく分からねぇな)

フィアンマ「学園都市が何かを行っているということは間違いないのだろうな」

フィアンマ「俺様は積極的に関わろうとは思わないが」

垣根「そうか……それじゃあ今度はそっちをあたってみるしかないか」

フィアンマ「そっちとは?」

垣根「オッレルスかトールの連絡先を教えろ」

今日はここまで!
乙ありでしたー!!!

おつ


………第十三学区・おさんぽ☆ロード………


一方通行「ちっ、なぜお前もいるんだァ?」カツカツ

フィアンマ「仕方が無いだろう」

フィアンマ「俺様も今日のメニューがウォーキングだったんだから」ピラピラ

一方通行「まァそれ以外ありえねェか」

フィアンマ「あの監督者たちの都合だろうけどな」ハァ

一方通行「だろォな」

一方通行「あっちはあっちでペチャクチャ話してるみてェだし」チラ

フィアンマ「患者のことを考えてはくれないものか……」

一方通行「そンなこと、とうの昔に諦めてるに決まってンだろォが」


フィアンマ「うわ、古参は違うな」

一方通行「最古参はアイツだがなァ」

フィアンマ「上条か」

一方通行「あァ」

一方通行「つーかいつになったらあのメルヘン野郎はリハビリ出来るようになるンだァ?」

一方通行「さすがにずっと一人で放置されてるのは可哀想に感じるよォになってきたンだが」

フィアンマ「俺様が知るわけ無いだろ」

フィアンマ「というか、最近は調べ物に精を出してるみたいだから、奴にとってはそっちの方が都合がいいんじゃないか?」

一方通行「ああ、なるほどねェ」


フィアンマ「だけど、そろそろ来るかもしれない」

フィアンマ「最近は外に出たりしてるしな」

一方通行「脱走って言った方がいいンじゃねェか?」

フィアンマ「そうかもしれないな。その上警護の奴らの負担軽減にもなる」

一方通行「くくっ、そォだな」

一方通行「アイツらにもたまには休みをやらねェとぶっ倒れるかもしれねェ」

フィアンマ「と思うだろう?」

一方通行「……何が言いてェンだ?」


フィアンマ「あの二人、長髪女のカードゲームでよく遊んでるぞ」

一方通行「はァ? スキだらけってコトかよ」

フィアンマ「いや、そうでもない……と思うぞ」

フィアンマ「俺様も結構参加させてもらうしな」グッ

一方通行「おい、一緒になって遊ぶンじゃねェよ」

一方通行「相手は仕事サボり魔だろォ?」

フィアンマ「そうだけどな」

フィアンマ「その方が俺様達としては都合がいいわけだ」

一方通行「まァ、そォだな」

一方通行「なら、無駄なことは言わねェで、放置が一番だな」


黒子「はいはいはいですの!」シュン

フィアンマ「なっ、なんだ?」

フィアンマ「突然現れるのはやめてくれないか? 心臓に悪い」

黒子「は、それは失礼しました」ペコ

一方通行「何しに来たンだァ?」

黒子「おしゃべりはほどほどに、とお願いしに来たんですの」

一方通行「リハビリ監督勢は結構話してるみてェだが?」

黒子「……話をするなとは言っておりませんので」

フィアンマ「苦しい言い訳だな」

黒子「…………」


美琴「黒子ー? 何やってるの?」

佐天「白井さーん、恥ずかしエピソード話されちゃいますよー」

初春「えっ、聞きたいです!!」ガバ

フィアンマ「……まて、それは俺様も聞いておきたい」タッ

佐天「どうぞどうぞー」

一方通行「何だァ? おもしれェのか?」

美琴「当然でしょう」フフン

一方通行(ンだァ? そんなフレンドリーに話されると調子狂うなァ……)

今日はここまでですー!
乙ありです。

次のスレタイがなかなか思い浮かばない今日この頃……


次スレタイは一方通行「車にひかれたァ」垣根「また入院した」とか?


黒子「なっ! ダメですの!」シュン

黒子「あれは、本当にダメですの!!」ドカッ

フィアンマ「えぐっ」ズド

美琴「え、何やってるのよ黒子!」

黒子「……み、ミスですの!」

黒子「すみません、フィアンマさん……本当は初春を狙っていたのですが」

初春「白井さん!?」ビク

佐天「うわぁ、やっちゃいましたねー、白井さん」ニヤニヤ


フィアンマ「……結構本気で蹴ったな……」ムク

一方通行「おォ、復活はえェな」

初春「感心してる場合じゃないですよ」タッ

初春「怪我は大丈夫ですか?」

フィアンマ「大丈夫だ、少し擦りむいたくらいだからな……」

初春「消毒しないとですね!!」

佐天「バッチこいだよ、初春!」

フィアンマ「いや、それは後でいい」

フィアンマ「俺様に怪我を負わせるだなんて……」

フィアンマ「死にさらせぇ!!」ゴォォォォッ!!


一方通行「面白そォじゃねェか」ニヤニヤ カチ

美琴「ちょっと、やめなさいよ! ここは小学生もたくさんいるのよ?」

フィアンマ「大丈夫だ……ある程度はコントロール出来る!!」ダッ ゴオオオッ

黒子「な、なんなんですの!?」シュン

初春「フィアンマさん!?」

佐天「うおお、危なくない?」ワクワク

一方通行「口では怖がってるが、態度に本音が出てンぞ」

佐天「あ、バレました?」

ゴォッ


黒子「佐天さんの言う通りですの!」

黒子「なんの能力かは存じませんが、ここで炎を出すのはやめてくださいまし」シュン

一方通行「それはオマエが言えるコトではねェだろ」

美琴「ってちょっと待って、あんた、自分だけ炎防ぐ体制入ってるじゃない!」

一方通行「当然だろォが」

一方通行「いくら反射ができるとはいえ、反射無しで当たったら痛ェだろ」

フィアンマ「くそっ、ちょこまかと!!」ゴォッ

黒子「なっ、転移先を予測してきてますの!!」シュン

美琴「いい加減に…………しろぉぉぉぉぉ!!!」バチィッ


フィアンマ「…がっ……なぜ、俺様が」ピクピク

黒子「お……姉さま?」ビリリ

美琴「ジャッジメントはこういう暴走能力者を止める役割でしょうが」パンパン

一方通行「止めるとはつまんねェな」

佐天「ですね、実際私も本格的な戦いが見れるかなーなんて思ってました」ケラケラ

佐天「能力戦なんてそうそう見れるもんじゃありませんし」

一方通行「能力戦ねェ……」

初春「確かにフィアンマさんの能力なんて初めて見ましたし、気にならないわけじゃありませんが……」


初春「ジャッジメントとして言わせてもらいます」

初春「ありがとうございます、御坂さん」ペコ

美琴「いやいや、このほうが被害者は少なくて済むでしょう?」

一方通行「お前の能力による被害者はでたけどなァ」

美琴「う、それは仕方がない犠牲よ。喧嘩両成敗、ね?」

一方通行「ね? じゃねェよ。気持ち悪ィ」

美琴「なっ!」バチィ

一方通行「反射反射」

美琴「っ……」

初春「さてと、二人とも手当てしますから待っていてくださいね」

佐天「私も手伝うよ!」

初春「ありがとうございます」

今日はここまで!
おつありですー
>>959
フィアンマに言わせちゃってもいいですかね……

いいんでね?

うん。


美琴「にしても初春さん準備がいいわね」ホホウ

初春「はは、フィアンマさんと一方通行さんのために持ってきたんですけどね」

初春「まさか白井さんにも使うことになるとは」

一方通行「はァ、やったヤツがそんなこと言うのか?」ジロ

美琴「文句でもある?」

一方通行「あるなンて言ってねェよ」

美琴「……それもそうか」

美琴「でも、私は治安維持に協力しただけよ」ム


佐天「方法は結構過激でしたけどね」ニヤ

フィアンマ「……うっ、過激なんてものじゃないと思うが……」ビクッ

美琴「だ、大丈夫よ」

美琴「だって、死なないように手加減したし」

初春「死なないように、ですか……」カタカタ

一方通行「……心配ねェ」

一方通行「俺が言っても信用できねェかもしれねェがコイツは気絶させる程度に調整してた」

一方通行「とりあえず障害とかはねェはずだ」


佐天「やだなー、御坂さんがそういうとこ細かいことくらい知ってますって」ニコニコ

佐天「ねー、初春?」

初春「もちろんです! 言われるまでもありません!!」

美琴「ふふふー、どうよ!」ドヤ

一方通行「……」

美琴「あれ? ど、どうよ!」

一方通行「なンで俺に向かって勝ち誇ったような顔してるンだァ?」

佐天「あはは、反応してあげてください」アセアセ

一方通行「なンか、すまねェ」

美琴「……別に」


初春「さてと、こんな所ですかね」ササッ

佐天「はいよー」ササッ

一方通行「で、ウォーキングはどォするンだァ?」

美琴「続行で大丈夫よ」

美琴「もう起きるはずだから」ツンツン

黒子「お、おお!! 目覚めたらお姉さまの顔がすぐそこにっ!!」ハァハァ

美琴「……」ニコ

黒子「あは、あははは」

フィアンマ「……」カタカタ


フィアンマ「はぁ……」グラグラ

黒子「う、すみませんですの」シュン

フィアンマ「ああ、俺様も悪かった。かなり大人げなかったな」

フィアンマ「だが謝る相手はこっちじゃないか?」チラ

初春「え? 私ですか?」

フィアンマ「俺様がいなかったらお前に当たっていたんだぞ? 当然だ」

一方通行「くくっ、だとよォ? ですの女さァン?」

黒子「……ごめんなさいですの」

初春「いっ、いえ! 私も秘密を詮索しようとしてしまいましたしおあいこですよ」

美琴「これで一件落着かしらね?」フゥ

一方通行「なにまとめてンだァ?」

佐天「良きかな良きかな……」

キリがいいのでここまでです。

あとはこのスレにはちょこっとした時系列無視の短編を投下する予定です。


………とある病院・病室………

一方通行「あァ、ヒマだァ」

フィアンマ「むむ、ヒマヒマ言うのは垣根の専売特許じゃないのか?」

垣根「勝手に専売特許にするな」

垣根「最近リア充してる俺にはヒマのヒの字もない」

一方通行「ウゼェから黙ってろ」

垣根「うわわわわ、負け惜しみかな?」

垣根「ま、この幸福な多忙さをお前に分けたいとはちっとも思わないが」

フィアンマ「おい……表現が少し気色悪いぞ」フルエ

垣根「ちょ、震えるなよ」


垣根「と、とりあえずお前らみてぇなチェリーボーイには分からねぇ忙しさなんだよ」

フィアンマ「お前ら、だと?」

フィアンマ「ち、チェリーボーイ、だと?」フルフル

一方通行「いちいちキレてンじゃねェよ。アイツの思う壺だァ」

フィアンマ「そ、そうだな」

垣根「つまらねぇな……」

垣根「一方通行、お前思ったより反応しねぇけどどうした?」

一方通行「あ? 対処に慣れただけだァ」

一方通行「オマエにキレるのがバカバカしくなったってのもあるがなァ」


一方通行「つーかよォ、オマエもチェリーボーイだろォが」

フィアンマ「はっ、確かにそうだな」ニヤ

垣根「え、ええ?」

垣根「何言ってやがるんだよ」タジタジ

一方通行「図星かァ」ククク

フィアンマ「と言うことは俺様達は同類ってことじゃないか。はははー」

垣根「棒読み風に笑ってんじゃねぇよ!」

垣根「っていうか、お前もチェリーボーイ呼ばわりされてるのにいいのか?」

フィアンマ「当たり前だ。俺様は猿じゃないのだから、欲望に忠実に動いたりはしない」

フィアンマ「運命の人間が現れるまでの辛抱だ」


垣根「運命の人……」フフッ

垣根「笑えるな」

フィアンマ「勝手に笑っているといい」

フィアンマ「俺様は一応十字教徒なのだからな」

垣根「あははーあははー」

一方通行「……おいおい、それはそのままオマエに返ってくンぞ」

垣根「いいや、返ってくるもんか」

垣根「俺は脱チェリーボーイに一b」

ガラララララ

打ち止め「がらららららーってミサカはミサカは勢いよくドアを開け放ってみたりー」タタタッ

垣根「っ……」


フィアンマ「おう、打ち止めか。久しぶりだな」

打ち止め「おう、久しぶりだなってミサカはミサカは応答してみるー!」

一方通行「変な言葉遣い教えてンじゃねェよ」

フィアンマ「はいはい……」

垣根「ら、打ち止めか」

打ち止め「どうしたの、メルヘンさん?」

垣根「いや、メルヘンさんじゃねぇけどな」

打ち止め「とにかく、お見舞いに来たんだよってミサカはミサカは自慢げに胸を張ってみたり」フフン

一方通行「別に胸を張るよォなコトでもないだろォが」


垣根「うわー、内心歓喜してるくせに冷たい態度とっちゃってよ」

フィアンマ「やめろやめろ、言ってやるな」

フィアンマ「そういう時期は誰にだってあるもんだ」トオイメ

一方通行「おい、勝手な解釈するな」

垣根「んで? 何しに来たのか素直になれないもやし君の代わりに聞いてやろう」

打ち止め「えー、とりあえず、メルヘンさんに会いに来たわけではないんだよってミサカはミサカは正直に真実を告げてみる」

垣根「ああ、期待はしてねぇから」

打ち止め「うわ、リア充爆発しろじゃないですかってミサカはミサカは黒い面を見せてみたり」

一方通行「おい、テメェ、ガキに変な言葉遣い教えンなって言っただろォが」

垣根「知るかよ! 濡れ衣じゃん」


打ち止め「そうそう、濡れ衣で思い出したんだけど」

一方通行「思い出さねェでいいぞ」

フィアンマ「保護者失格な発言だな」

一方通行「オマエには言われたくねェよ」

打ち止め「久々に風呂でもどうだい? ってミサカはミサカは提案してみたり」

一方通行「却下」

打ち止め「いえーい、即答速攻大否定ってミサカはミサカはヤケクソ気味に叫んでみたり」

打ち止め「でも他にすることを考えてきてないからミサカはミサカは諦められないんだよ」

一方通行「……」

一方通行(なンだァ、聞き覚えのあるセリフだなァ)


打ち止め「ザッツライト! ってミサカはミサカは親指を突き出してみたり」

フィアンマ「え、唐突にどうした?」

垣根「よせ。この二人の間にしか成立しないやり取りがあったんだろうよ」

フィアンマ「そ、そうか……」

打ち止め「とにかく、お風呂行こうよー」

打ち止め「ミサカが背中流してあげるからさってミサカはミサカは献身的な介護をすることを誓ってみたり」

一方通行「介護なンか要らねェよ」フン

一方通行「それに今日は風呂入ったし」

打ち止め「ええってミサカはミサカはあまりの衝撃に震えてみたり」


垣根「おいおい、嘘はいかんよ、一方通行君」

一方通行「オマエキャラどォしたンだァ?」

垣根「話逸らすなって。まだ風呂なんか入ってねぇだろ」

一方通行「おい……話し合わせろよ……」

フィアンマ「たまには付き合ってやれば良いだろ」

一方通行「読めた。オマエらは俺をおちょくりてェだけだろ」

垣根「い、いや、だって、ロリっ子と風呂とか格好のネタじゃねぇか」

一方通行「……なるほどなァ。拒否だ」


打ち止め「な!! 何で余計なこと言うのってミサカはミサカはメルヘンさんに詰め寄ってみたり」

垣根「あはは、悪い悪い」ハハハ

打ち止め「笑って許されることじゃないからってミサカはミサカは憤慨してみたり!!!!」

打ち止め「最近あまり構ってくれないから強硬手段に出ようと思ったのにってミサカはミサカはしょんぼりしてみる」

垣根「いや、強硬でも何でもないだろ」

一方通行「……」

一方通行「……やっぱり付き合ってやる」

打ち止め「おお、どんな心境の変化があったかは知らないけど、気が変わらないうちにゴーってミサカはミサカは引きずって行くぜ!!」ダダダダ

一方通行「ちょ、おい、待て!!」ズザザザー


垣根「ホント、どんな心境の変化だよ」

フィアンマ「さあな。俺様が知るわけないだろ」

フィアンマ「だって俺様はロリコンじゃないし」

垣根「だな」

フィアンマ・垣根「はははー」

一方通行「車に轢かれたァ」フィアンマ「また入院した……」
一方通行「車に轢かれたァ」フィアンマ「また入院した……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459911385/)

スレ立てました。
今日はここまで、おつありです!

乙です


………とある病院・入浴室………

ガララッ

打ち止め「ミサカ、行きまーすってミサカはミサカはバシャーンって飛び込んでみたりー」バシャッ

一方通行「おィ、水かけてンじゃねェよ」

一方通行「風呂だから反射するわけにも行かねェンだからな?」

打ち止め「ノンノン、これは水じゃなくてお湯だよーってミサカはミサカは知識を披露してみたり」

一方通行「屁理屈こねてンじゃねェ、クソガキ」

打ち止め「クソガキ!?」ハワワ

一方通行「おィ……少し待て、オマエ体流さねェで入ったよな」

打ち止め「う、うん、そうだけどどうしたのってミサカはミサカはスルーされたことに若干ショックを受けつつ頷いてみたり」

一方通行「流してから入れって毎回言ってンだろォが!!」


打ち止め「ご、ごめんねってミサカはミサカは上目遣いしてみたり……」

一方通行「反省の色が見えねェ」

打ち止め「とりあえず、一回出て流すねってミサカはミサカはシュンとしてみせたり」ジャプ

一方通行「もうおせェよ」

一方通行「体冷えるから浸かってろ。俺が先に洗う」

打ち止め「ミサカが背中流してあげるよってミサカはミサカは親指を突き出してみたる」

一方通行「結構でェす」

一方通行「自分の背中でも流してるといい」

打ち止め「ぶー、あなたはケチんぼさんだねってミサカはミサカはぶうたれてみたり」


一方通行「ケチんぼさンで悪かったなァ。俺は元々この性格なンだ」

一方通行「嫌なら嫌でも構わねェ」

打ち止め「ちょっと、拗ねないでってミサカはミサカは慌ててみる」

打ち止め「だってミサカはあなたのこと嫌じゃないもんってミサカはミサカは簡潔に説明してみたり」

一方通行「はっ、拗ねるって一度辞書で調べた方がいいンじゃねェか?」

打ち止め「さらりとバカにしないでよーってミサカはミサカは暴れてみたりー」

一方通行「いいからさっさと風呂に浸かれ」グッ

打ち止め「むー、ミサカの裸体を直視しても何も反応を示さないあなたの鈍感さにまたまたぶうたれてみたり」チャポン

一方通行「オマエは俺を何だと思ってるンだァ……」キュッ ジャ-


……………………

一方通行「ふゥ、やっと風呂に浸かれる……」チャプ

打ち止め「じゃあ、ミサカが洗う番だねってミサカはミサカはお風呂からあがってみる」バシャ

一方通行「はァ……」

打ち止め「あ……」

一方通行「だから、かからねェように気をつけろって言ったろォが」

打ち止め「ごめんねってミサカはミサカは謝ってみたり」

一方通行「分かったならいい。さっさと洗え」

打ち止め「はーい」


カシュ ワシャワシャ…

打ち止め「あわあわだねってミサカはミサカは報告してみる」

一方通行「そォかよ」

打ち止め「むー、あまり反応がないねってミサカはミサカは表情を曇らせてみたり」

一方通行「あっそォ」

打ち止め「……あわあわあわーってミサカはミサカは泡をあなたに飛ばしてみるー!」アワアワ

一方通行「……何が言いてェか分かるよなァ?」

打ち止め「あ、あなたの怒りをひしひしと感じてるよってミサカはミサカは軽く震えてみる」

一方通行「分かってンならさっさと洗え……ってさっきも言ったなァ」

打ち止め「はーい」


打ち止め「洗い終わったよってミサカはミサカは報告してみたり」

一方通行「泡残ってンぞ。ちゃんと流せ」

打ち止め「の、残ってないもんってミサカはミサカは慌てて手を振ってみる」

一方通行「……仕方がねェな。そこ座れ」

打ち止め「う、うん」

ジャー

打ち止め「ふんふーん」ルンルン

一方通行「……ご機嫌だなァ」ジャジャー ワシャワシャ

打ち止め「ミサカがあなたの背中流すつもりだったのに、逆に頭を流してもらうなんてってミサカはミサカはテンションマックス!!」

一方通行「そォか。泡流れてくるから目ェ閉じてろよ?」

打ち止め「了解ですってミサカはミサカはぎゅって目をつむってみる」


一方通行「おい、流せたぞ」

打ち止め「おおおっ! 髪の毛がツヤツヤに!?」

一方通行「錯覚な」

打ち止め「うう、そんなことをわざわざ言わなくてもいいでしょーってミサカはミサカは頭を抱えてみたり」

一方通行「事実をガキに示すのも大人の役目だァ」クイクイ

打ち止め「あー!! ミサカのアホ毛を引っ張らないでー!!」

一方通行「はっ、嫌ならさっさと風呂に入れ。風邪ひいても本当に知らねェからな」チャプ

打ち止め「み、ミサカも入るんだからってミサカはミサカは飛び込んでみたり!!」ジャバーン

一方通行「いい加減にしろォ!!!!!」

今日はここまでです!
乙ありです!

次スレ行きますー

乙です

こいつらホント可愛いな

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