神殿
神様「みな、よくぞ集まってくれた」
悟空「なんだよ神様。話ってのは?」
クリリン「何かあったんですか?」
神様「うむ。だが説明するにはまだ人が集まっておらん」
ヤムチャ「?」
天津飯「我々以外にも誰かが来るのですか?」
神様「うむ。………!来たか」
シュタッ
ピッコロ「…」
餃子「あ、ピ、ピッコロ!」
悟空「ピッコロ!おめえも呼ばれたのかよ!」
ピッコロ「…俺の名を気安く呼ぶな。……何のようだ」
神様「よし、では説明する前にお前達に紹介したい方々がいる」
悟空「紹介したい人?」
天津飯「それはいったい?」
界王神「ふふ、皆さん、とても良い顔立ちをしていますね」
ピッコロ「む…?」
界王「うむうむ。鍛えがいがありそうですな」
ヤムチャ「な、なんだ?」
クリリン「神様、この人達は?」
神様「こちらにおわすのは、界王神様と界王様。この銀河で最も偉いお方だ」
悟空「ぎ、銀河で?って事ぁ神様より偉いのか?」
神様「当然だ。私にとっての神様が界王様。そして界王様にとっての神様がこちらの界王神様なのだ」
界王神「ふふ、よろしく」
ヤムチャ「はぁー……し、信じられないけど、神様が言うんだから本当なんだろうな」
ピッコロ「界王だの、界王神だの、どうでもいい!何故、俺を呼んだかを聞いている!」
神様「口の利き方に気を付けるのだな、ピッコロ。この方達はお前程度なら一撃で葬る事の出来る力をお持ちなのだぞ」
ピッコロ「……!」
悟空「ひ、ひえぇ~…本当かよぉ……」
クリリン「悟空よりも上って事か……上には上がいるんだなぁ…」
界王神「地球の神よ。後は私が説明しましょう」
神様「は…!」
界王神「はじめまして、地球の戦士達よ。唐突な話ですが、私はあなた達に頼みがあって、ここにやってきたのです」
悟空「頼み?」
界王神「はい。この地球の……いや、この宇宙の未来を、今ここにいるあなた達に託したいのです」
悟空「……」
クリリン「………え?」
ピッコロ「…」
界王神「今、この地球には巨大な悪の意思達が近づいてきているのです。その数は一人や二人ではありません」
天津飯「…」
ヤムチャ「………」
界王神「今、地球に最も近づいている悪の意思がいます。…宇宙でも悪名の高いフリーザ一味です」
悟空「フリーザ?」
界王「宇宙の支配者を自称しておる、宇宙人達じゃ。ハッキリ言って、フリーザはワシより強い」
ヤムチャ「か、界王様よりも………!?」
界王神「調べによると、彼等はこの星にあるドラゴンボールを狙い、向かってきているようです。どうやってドラゴンボールの存在を知ったのかは謎ですが…」
クリリン「そ、それで…そのフリーザってのはいつ地球に?」
界王神「……」
界王神「一週間後です」
ヤムチャ「い!?」
天津飯「一週間後だと…!?」
餃子「そ、そんな…」
界王神「ですが、安心して下さい。一週間あれば、あなた達は十分フリーザ達と戦える力を手にする事が出来る筈です」
悟空「い、一週間でどうしろってんだよ……神様ぁ…」
神様「悟空よ、この神殿にあるあの部屋を忘れたのか?」
悟空「へ?」
クリリン「部屋?」
界王神「ええ、精神と時の部屋です。悟空さんは少年時代に一度入った事がある筈です」
悟空「あ……!」
ヤムチャ「な、なんすか、その精神と時の部屋って…」
神様「精神と時の部屋は地球とは違う時間の流れ方をしていてな。地球での一日のが、精神と時の部屋では一年になるのだ」
天津飯「そ…それは凄い……!」
悟空「…」
界王神「これから、あなた達は精神と時の部屋に入り、私や界王、神と一緒に修行を受けてもらいます。この一週間……いや、7年でフリーザ達を上回る力を手にしてもらいます」
悟空「で、でもよ神様。あの部屋って確か2日しか入れねえんだよな?」
神様「うむ。だが、それについては界王神様に考えがあるそうだ」
界王神「さあ、皆さんついてきて下さい。こうして話している時間も勿体無いですからね」
スタスタスタ…
ピッコロ「…ふん」スタスタ
クリリン「ど、どうするんだよ悟空…」
悟空「…神様が冗談を言うとは思えねえし……精神と時の部屋を使わせるって事ぁ、地球がヤバいって話も本当かもしれねえ」
天津飯「…うむ。一週間で7年の修行を積めるのも中々出来ない体験だろう」
悟空「ま……とりあえず行ってみっか」
クリリン「あ、ああ…」
ヤムチャ「やれやれ、厳しい修行になりそうだぜ」
スタスタスタ…
精神と時の部屋
悟空「久しぶりだなぁ…ここに入るのも」」
クリリン「あ、暑い…?」
ヤムチャ「そ、それになんか身体が重いぞ…?」
ピッコロ「ふん…」
界王神「その通り。この部屋は地球の十倍の重力があり、気温も極端に上がったり下がったりするのです」
天津飯「こんな場所が存在していたとは……」
クリリン「し、しかし……真っ白すぎて気持ち悪いな…」
神様「この部屋は地球と同じくらいの広さがある。あまり離れると戻ってこれぬから注意しろ」
界王神「さて、早速修行を始めましょうか………はっ!!」
ボンッ ガラガラガラ…
悟空「いっ!?」
クリリン「と、扉が……!?」
界王神「これで誰もこの空間から逃れる事は出来ません。出れるのは7年間ここで修行を重ねた者のみ…」
ヤムチャ「…」ポカーン
界王神「さ、始めましょうか」
界王「遠慮なくかかってきなさい」
こうして半ば強制的に宇宙の未来を背負わされた悟空達の厳しい修行が始まった………
精神と時の部屋での修行の辛さは肉体的にも精神的にも半端ではなく、時折発狂する者も現れた…………
悟空達が精神と時の部屋に入って2日……いや、2年が経った…
究極とも言える辛さの修行を乗り越えていく内に、悟空達は以前よりも遥かに強くなった…
悟空は元気玉を習得し、クリリンは元気円斬を習得し、天津飯は10人に分裂する事が可能になりヤムチャは感情を失った…
そんなある日、界王神がピッコロにある話を持ちかけてきた…
界王神「ピッコロさん、ちょっとよろしいですか?」
ピッコロ「…なんだ」
界王神「私と共に、ある場所に行ってもらいたいのです」
ピッコロ「…ある場所だと?この何もない世界の何処へ連れて行こうと言うのだ?」
界王神「ふふ、この世界ではありませんよ」
ピッコロ「…なに?」
界王神「……キビト」
シュインッ
キビト「は、界王神様」
ピッコロ「!!? な、なんだこいつは?」
界王神「彼は私の付き人のキビトです。彼は特殊な移動術を持っていまして。その術で移動をします」
ピッコロ「…。ふん、それで何処へ連れて行く気だ?」
キビト「貴様、界王神様に向かってなんという口を……!」
界王神「いいのです、キビト。……ピッコロさん、あなたの生まれ故郷にですよ」
ピッコロ「…!?」
ナメック星
シュインッ
界王神「さあ、到着です」
ピッコロ「………ここが、俺の生まれ故郷だと………?」
神様「正確には、お前の父と私の生まれ故郷だがな」
ピッコロ「神…?何故、貴様がここに……」
界王神「キビトが先に連れて来てくれてたのですよ」
神様「…界王神からお聞かせになられるまでは、私も知らなかったがな」
ピッコロ「………それで、ここで何をさせる気だ?神と闘えとでも言うのか?」
界王神「あなたには、我々最後の切札になっていただきます」
ピッコロ「…切札?」
神様「私とお前の父は元々一人のナメック星人だった。それが分離してしまったせいで、本来の実力も半分以下のものとなってしまった…」
ピッコロ「まさか、貴様と融合しろと言うんじゃないだろうな?冗談じゃないぜ」
神様「…」
界王神「いえ、あなたにはまず彼等と融合してもらいます」
ピッコロ「…彼等?」
ザッザッザ…
ネイル「…」
ナメック星の若者達「…」
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