王子「勇者様が世界を平和にして5年。友好的な魔物との文化交流も進んでいます」
メイド「ええ」
王子「その大事な一環として、王族という立場にある僕が、魔物の国へと留学に行くことになったんです!」
メイド「はい、その通りです。噛まずによく言えましたねー」ナデナデ
王子「えへへ」
メイド「それでは、しっかりお勤めを果たしてきてくださいね」
メイド「くれぐれも、淫魔達の色香に惑わされないよう、心を強く―――」
王子「そんなの大丈夫だよ。心配しないで」
淫魔A「初めましてっ」
淫魔B「お初にお目にかかります、王子。我が国まで、私達二人がご案内させていただきます」
王子「ありがとう」
王子(うわぁ。やっぱり美人なんだ……! 大きなパーティでもこんなに綺麗な人達、あんまり見ないや)
淫魔A「さ、どうぞ馬車に」
王子「うん」
ガタンッガタンッ
王子「…」
王子(向かい側に座ると思ったのに……左右挟まれてると、なんだか落ち着かない……)
王子「…」モジモジ
淫魔A「あ。おしっこ行きたくなったら言ってくださいね。停めてどこか入るから」
淫魔B「さっきから失礼ですよ、A」
王子「だ、大丈夫だよ。少し緊張してしまって、それだけだから」
王子「ところで、到着までどのくらいかかるの? 僕らの地図で見る限りでは、途中を魔法で跳ばしても1週間くらいなんだけど」
淫魔B「申し訳ございません。その倍は時間をかけて進みます」
淫魔A「身体、慣らしながら行かないといけないんですよー。いきなり淫魔の国に入ったら、狂い死んじゃうから」
王子「狂い死……!?」
淫魔B「ええ。淫魔の国は魔力による膜に覆われ、内外の行き来は少なく、人間どころか他魔族の国とも独立した状態にあります。だからあまり知られていないようなのですが―――」
淫魔A「膜の向こうは淫魔の世界ですから。淫気と甘~い匂いで満たされちゃってて、他の生き物が気軽に入れるようなトコじゃないんですよ」
王子「そ、そんな」
淫魔B「ふふ、そう怯える必要はありませんわ」
淫魔A「王子様が死んじゃったら、でっかい戦争になっちゃもん。そうならない為に、私達二人が迎えに来たんですから!」
淫魔B「慌てずゆっくり、慣らしていきましょう」ニコリ
王子「でも、慣らすってどうやって……」
フワ…
王子(あ……なんだろ、いい匂い)
淫魔A「んふふ。王子様ぁ、淫魔って、フェロモンや淫気をある程度抑えたりもできるって、知っていました?」
王子「え?」
淫魔B「少しずつ開放していきますので」
淫魔A「ガマンできなくなったら、早めに言ってね?」
フワ…ッ
王子「ぁ……」
王子「ぅ……ぅぁ」
王子(甘い……頭、くらくらする……)
王子「は、ぁぁ……」トロン
淫魔B「いかがですか?」
王子「!」ピクンッ
淫魔A「もう、頭ぼーっとしてきちゃいましたぁ?」
王子「う、ううん。そんなこと……」
淫魔A「でもおちんちん、あっという間に膨らんじゃってますよ」ボソボソ
王子「…ッ」
淫魔B「これが淫魔のフェロモンです」
淫魔B「先ほどまでより、ずっと強く感じませんか? 私達がすぐ隣にいること。膝が触れ合って伝わる体温。身体の線、唇―――」
淫魔A「気になっちゃって、仕方ない……よね?♡」
王子「ぅぅ…… ///」
淫魔B「どうかうつむかないで。私達は淫魔。男性なら、性欲を覚えて当たり前の存在なのですから」
淫魔A「恥ずかしがることなんてないんですよぉ。それより、今のこれに、ちょっとずつ順応していかないと。いつまで経っても入国できなくて困っちゃいます」
王子(今の、これ……)
王子「な、慣れれば、こんな風に、ならずに……っ、僕、平気でいられるようになるの……?」
淫魔A「あ、それは無理」
王子「えっ」
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