ショタ王子「淫魔の国に留学することが決まりました!」(16)

王子「勇者様が世界を平和にして5年。友好的な魔物との文化交流も進んでいます」

メイド「ええ」

王子「その大事な一環として、王族という立場にある僕が、魔物の国へと留学に行くことになったんです!」

メイド「はい、その通りです。噛まずによく言えましたねー」ナデナデ

王子「えへへ」

メイド「それでは、しっかりお勤めを果たしてきてくださいね」

メイド「くれぐれも、淫魔達の色香に惑わされないよう、心を強く―――」

王子「そんなの大丈夫だよ。心配しないで」

淫魔A「初めましてっ」

淫魔B「お初にお目にかかります、王子。我が国まで、私達二人がご案内させていただきます」

王子「ありがとう」

王子(うわぁ。やっぱり美人なんだ……! 大きなパーティでもこんなに綺麗な人達、あんまり見ないや)

淫魔A「さ、どうぞ馬車に」

王子「うん」

ガタンッガタンッ

王子「…」

王子(向かい側に座ると思ったのに……左右挟まれてると、なんだか落ち着かない……)

王子「…」モジモジ

淫魔A「あ。おしっこ行きたくなったら言ってくださいね。停めてどこか入るから」

淫魔B「さっきから失礼ですよ、A」

王子「だ、大丈夫だよ。少し緊張してしまって、それだけだから」

王子「ところで、到着までどのくらいかかるの? 僕らの地図で見る限りでは、途中を魔法で跳ばしても1週間くらいなんだけど」

淫魔B「申し訳ございません。その倍は時間をかけて進みます」

淫魔A「身体、慣らしながら行かないといけないんですよー。いきなり淫魔の国に入ったら、狂い死んじゃうから」

王子「狂い死……!?」

淫魔B「ええ。淫魔の国は魔力による膜に覆われ、内外の行き来は少なく、人間どころか他魔族の国とも独立した状態にあります。だからあまり知られていないようなのですが―――」

淫魔A「膜の向こうは淫魔の世界ですから。淫気と甘~い匂いで満たされちゃってて、他の生き物が気軽に入れるようなトコじゃないんですよ」

王子「そ、そんな」

淫魔B「ふふ、そう怯える必要はありませんわ」

淫魔A「王子様が死んじゃったら、でっかい戦争になっちゃもん。そうならない為に、私達二人が迎えに来たんですから!」

淫魔B「慌てずゆっくり、慣らしていきましょう」ニコリ

王子「でも、慣らすってどうやって……」

フワ…

王子(あ……なんだろ、いい匂い)

淫魔A「んふふ。王子様ぁ、淫魔って、フェロモンや淫気をある程度抑えたりもできるって、知っていました?」

王子「え?」

淫魔B「少しずつ開放していきますので」

淫魔A「ガマンできなくなったら、早めに言ってね?」

フワ…ッ

王子「ぁ……」

王子「ぅ……ぅぁ」

王子(甘い……頭、くらくらする……)

王子「は、ぁぁ……」トロン

淫魔B「いかがですか?」

王子「!」ピクンッ

淫魔A「もう、頭ぼーっとしてきちゃいましたぁ?」

王子「う、ううん。そんなこと……」

淫魔A「でもおちんちん、あっという間に膨らんじゃってますよ」ボソボソ

王子「…ッ」

淫魔B「これが淫魔のフェロモンです」

淫魔B「先ほどまでより、ずっと強く感じませんか? 私達がすぐ隣にいること。膝が触れ合って伝わる体温。身体の線、唇―――」

淫魔A「気になっちゃって、仕方ない……よね?♡」

王子「ぅぅ…… ///」

淫魔B「どうかうつむかないで。私達は淫魔。男性なら、性欲を覚えて当たり前の存在なのですから」

淫魔A「恥ずかしがることなんてないんですよぉ。それより、今のこれに、ちょっとずつ順応していかないと。いつまで経っても入国できなくて困っちゃいます」

王子(今の、これ……)

王子「な、慣れれば、こんな風に、ならずに……っ、僕、平気でいられるようになるの……?」

淫魔A「あ、それは無理」

王子「えっ」

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