ロボ娘「自分探しの旅」(79)

ブロロロ…

ガチャ

ロボ娘「こんにちは」

マスター「いらっしゃいませ。…おや、ロボットがやってくるとは珍しい」

ロボ娘「はい。今、私、旅をしているんです」

マスター「まいったな…人の食べ物は食べれますか?」

ロボ娘「飲み物だけなら。何かオススメありますか?」

マスター「ええ。美味しいコーヒーがあります」

ロボ娘「じゃあそれを」

マスター「…どうぞ」コトッ

ロボ娘「では、いただきます」ゴクッ

マスター「ブラックですが大丈夫ですか?」

ロボ娘「ミルクや砂糖を口に入れると調子悪くなってしまうんです。…うん、とても美味しいです」

マスター「それはよかった。ロボットでも味がわかるようになるとはいい時代になりましたね」

ロボ娘「はい。…所でこれを見たことはありませんか?」コトッ

マスター「いえ…全く。何かのパーツみたいですね。それをどこで手に入れたんですか?」

ロボ娘「わかりません…。気がついたら手に持っていたんです」

マスター「…気がついた?ロボットでも物忘れがあるんですね」

ロボ娘「…記憶喪失なんです」

マスター「なんと」

マスター「ロボットが記憶喪失とは…珍しいですね」

ロボ娘「ええ、私も驚いています」

マスター「ちなみに気がついた時はどこですか?」

ロボ娘「…ずっと北にある町の外れです。私、これと自分自身が誰なのかを知るために旅にでているんです」

マスター「そうですか…」

ロボ娘「まあ、時間も沢山あるのでのんびりとした旅なんですけどね」

ロボ娘「はあ…ここは静かで落ち着きますね」

マスター「ええ、森のど真ん中にありますから」

ロボ娘「…ビル群があるんだと前訪れた町で聞いてたんですが」

マスター「本当ですか?それ、もう5世紀ぐらい前の話ですよ」

ロボ娘「へえ…どうしてこう変わったんですかね?」

マスター「海抜が上昇して大抵が海上都市や空中都市に移り住んだからそうです」

ロボ娘「空中都市…行ってみたいです」

マスター「なかなか行けませんからね」

ロボ娘「ご馳走様でした。…ついでに近くにある町を教えてくれませんか?」

マスター「ええ、いいですよ。まず…」





マスター「…という所に港町があります」

ロボ娘「ありがとうございます。そこに行ってみたいと思います。では、また」

マスター「ええ。よい旅を」

ガチャ

ブロロロ…

ブロロロ…

ロボ娘「港町か…何があるのかな?」

ロボ娘「バイクも古くなったし…修理しないと」

ロボ娘「なんか変な事に巻きこまれないようにしないとね」

ブロロロ…

ロボ娘「海が綺麗…」

ブロロロ…

<港町>

ロボ娘「うわあ…。人やロボットが沢山いる…。どこに行けば良いのかわかりま…ひゃう!?」ドンッ

少年「ごめんなさい!急いでいるんだ!」タタタ

ロボ娘「いたた…尻餅ついちゃった」

男性「…お前ポケットを確認した方がいいぞ」

ロボ娘「えっ、誰ですかあなた?ポケットがなにか…」ポンポン

ロボ娘「…ない!財布とられた!」

男性「可哀想に。さっきの奴は町で有名なひったくりさ」

ロボ娘「…捕まえないと!」タタタ

少年「へへ…たんまり持っていたな」

ロボ娘「ええ、旅人ですからね」

少年「!?」

ロボ娘「…お金、返して貰いましょうか?」

少年「…ちっ!」ダッ

ロボ娘「逃げても無駄ですよ?」ガシッ

少年「うわっ!は、離せよ、ロボット!ロボット三原則を知らないのか?」

ロボ娘「それ、漫画の世界だけですね?」グググ

少年「いだだ!」

ロボ娘「か、え、し、て、!」グググ

少年「ギ…キブ!」

ロボ娘「返してくれてありがとうございます♪」

少年「いだだ…」

ロボ娘「泥棒は嘘吐きの始まりですよ?」

少年「逆だろ?…それに俺は泥棒しないと生活出来ないんだよ!」

ロボ娘「お父さんと、お母さんは?」

少年「親父は出ていって、母さんは寝たきりなんだよ!…だから恵んでくれ!」

ロボ娘「いやですよ」

悪漢「…よお、少年。お前、俺たちのとこから何か盗っただろ?」

少年「まず…!と、盗ってないよ!」

悪漢「ああ!?嘘つくんじゃねえ!」グイッ

少年「ぐえっ…!」

悪漢「…おや?見た事無いロボだな。コイツ売れば金になるな。オイ、ついて来い」カチャ

ロボ娘「…嫌です♪」

悪漢「ああ!?このマグナムで頭ぶっ飛ばされたくなければおとなしく…!?」

ロボ娘「あなたもおとなしくした方がいいですよ。体中がレンコンみたいになりたくなければ」カチャカチャカチャカチャ

少年(手がピストルに…背中からも沢山武器が…!)

悪漢「…!」

ロボ娘「少年を離して、遠くに行きなさい」

悪漢「くっ…!」タタタ

少年「…!助けてくれたのか?」

ロボ娘「いいえ、悪漢から盗ん物を出して。迷惑料代わりで」

少年「……」

寝る。また明日

少年「いいよ。このままじゃ捕まっていたからね」ポイ

ロボ娘「これは何?薄い円盤みたいね」

少年「でぃーぶいでぃーってあうんだ。再生する機械もないから盗み損だよまったく」

ロボ娘「…まあ、持っておきましょ。それと、バイク直せるとこ知らない?」

少年「知ってるよ!お金をくれないと教えないけどね」

ロボ娘「切り替えが早い子…」

少年「…ここだよ!ここでバイクを直せるよ」

ロボ娘「少し歩く度にお金を要求しちゃって」

爺「なんじゃ!?お客か?」

少年「そうだよ!この人がバイクを治して欲しいって」

ロボ娘「これなんですが…」

爺「おお、こりゃまたずいぶん古い型じゃな。…ずいぶん痛んでおる、時間と金がかかるぞ」

ロボ娘「そうですか…」

悪漢「おう、おう!爺、いい加減金払って貰おうか!」

爺「お前に払う金はない」

悪漢「ここの町を守っているのはだれだ?守ってあげてんだから金払いな!」

爺「勝手に町を壊して何が守っているじゃ…」

悪漢「ああ!?もっかいいって…」

ロボ娘「お久しぶりです」

悪漢「」

悪漢「ちっ!」ダダダ

爺「なんじゃい、こいつを見たら慌てて逃げおったぞ」

ロボ娘「私がこてんぱんにしましたからね。…一体何だったんですか?」

爺「ああ、あいつはここの住民を脅して金をふんどっている悪人じゃ」

ロボ娘「へえー。…もし、私があいつをこの町から追い払ったら修理代タダにしてくれませんか?」

爺「おう、やれるもんならやってみな。言っとくが十数人いるからな」

ロボ娘「…それぐらいなら楽勝ですね。場所を教えてくれませんか?」

悪漢「リーダー!助けてください!」

リーダー「どうした?変なことだったら沈めるぞ」

悪漢「…ロボットを捕まえたいんだけどそいつただのロボットじゃないんですよ」

リーダー「映像はあるのか?」

悪漢「…これです」

ロボ娘『あなたもおとなしくした方がいいですよ。体中がレンコンみたいになりたくなければ』カチャカチャカチャカチャ

リーダー「なんだこりゃ!?新型の警備ロボか?」

悪漢「よくわかんないです」

リーダー「こりゃあ捕まえたら凄い金になりそうだな…よし、全員で捕まえに行くぞ!アレを用意しろ!」

ロボ娘「確かここにいるらしいけど…」

悪漢「あっちからやってきました」

リーダー「何!?」

ロボ娘「こんにちは。早速ここから出て行ってくれませんか?」

リーダー「いきなり何いってやがる。できるわけないだろ!」
ロボ娘「そうですか…残念ですが無理矢理でも出て行って貰いますよ」ガチャン

リーダー「ふん、バラして金にしてやる!お前らやっちまえ!」

ロボ娘「……!」

ババババ
パララララ
ドウンッ
ズガンッ

リーダー「ははは!対ロボ用の弾丸を用意して良かったぜ」

ロボ娘「…残念。全然効いていませんよ?」

リーダー「なっ!」

部下「服が破れただけみたいです!」

ロボ娘「じゃあ次はこちらの番ですよね」ガチャンガチャンガチャン

悪漢「あ、死んだ」

ロボ娘「流石に死人は出しませんが…死ぬほど痛いですよ?」

バンバンバンバンバンバンバンバンバン(ry

「へぶっ!」「ぐえっ!」「ぎゃあ!」

リーダー「くそっ!次々にやられていきやがる!」

悪漢「り、リーダー…」

リーダー「…アレだ!アレをだせ」

悪漢「りょ、了解!」

ロボ娘「ああ…トリガーハッピーになってしまいます」バンバンバン

リーダー「うらー!これはどうだ!」ドカーン

ロボ娘「…ふん」バンバンバン

リーダー「ははは!このロボットに乗ってる限りは俺は無敵だー!」キンキンキン

ロボ娘「ゴム弾じゃ効かないよね。やっぱり」

ロボ娘「はあ…」ガチャン、ガチャガチャン

リーダー「ははは、トドメだ、くらえ!」ドドドド

ロボ娘「まあもっと大口径のゴム弾を打てばいいんだけどね」ドゴンッ

リーダー「へ?」メキョ

悪漢「ロボットの足がおれた…!?」

リーダー「う、うおおおお!?」グラッ、バターン

悪漢「リーダー!」

リーダー「う、うう…」ノソノソ

ロボ娘「出て行ってくれますか」チャキ

リーダー「は、はい…」

ロボ娘「…という訳で追い払いました」

爺「こりゃ凄い。分かったタダでやってやる。これで平和になるじゃろ」

ロボ娘「やった!」

少年「……」プイ

爺「うん?どうした、余所見して?」

少年「なんで…下着でいるんだよ!」

ロボ娘「仕方ないでしょう。銃撃を受けたんだから」パッ

少年「こ、こっち見るなよ!」

ロボ娘「これぐらいで…ウブですね」ギュー

少年「うわあああ!?」

爺(ええなぁ…)

爺「服はどうするんじゃ?」

ロボ娘「予備があるので大丈夫です」

爺「修理するのに暫くかかるからそれまで街でもぶらついたらどうじゃ?」

ロボ娘「ええ、そうします。少年、町案内を頼めるかしら?タダで」

少年「えー!?」

爺「こら、お前も助けて貰ったんだからお礼でもせんか」

少年「…わかったよ」

ロボ娘「案内たのむわね」

爺「寝る所が無ければワシが貸してやるから心配せずにな」

<飯屋>

ロボ娘「私が食べられない事を知っていながらこんなとこにくるとわね…」

少年「案内するにはまず腹ごしらえをしないとな!」

ロボ娘「…まあ、これぐらいはいいでしょ」

少年「へへっ!俺ハンバーグと…」

ロボ娘「コーヒー。ブラックで」


<食事後>

少年「…食べた食べた。ロボ娘、これ飲まないか?」

ロボ娘「なにこれ?まあ、飲んで見るけど…」ゴクッ

少年「どう?」

ロボ娘「…ひぎっ!?」バチッ

少年「うわっ!どうしたの?」

ロボ娘「牛乳飲むと電流がはしるのよ」

少年「バナナオレが飲めないなんて不幸だね」

ロボ娘「……」

少年「…こっち、こっち。早く」

ロボ娘「…崖の所に何があるのよ?」

少年「ほら、見てみな」

ロボ娘「うわあ…何?大きな山みたいな建物ね」

少年「ここの港町はこの海上都市が崩壊して逃げた人が作ったんだ。崩壊したのは爺のひい爺さんのころらしいけど」

ロボ娘「へえ…。あっ、明かりがついた?」

少年「暗くなると自動でつくようになってるって」

ロボ娘「きれいだわ…」

<数日後>

爺「これで暫くは修理は必要ないじゃろ」

ロボ娘「ありがとうございます」

爺「なに、悪人を退治したんだからこれぐらいはせんとな」

少年「今度来たときは何か盗まれないようにしなよ!」

ロボ娘「あなたもね。…それじゃ」

爺「ああ、達者でな」

少年「元気でなー!」


ブロロロ…

ブロロロ…

ロボ娘「海上都市綺麗だったな…。まだ舌が痺れてるわね」ヒリヒリ

ロボ娘「次は…盆地にある町に行きましょう」

ブロロロ…

ザアアアア

ロボ娘「うわっ…凄い大雨ね。目の前に何があるかわからないわね。どこか雨宿りしないと…」

ロボ娘「ん…家があるわね。いってみましょう」

ブロロロ…

ロボ娘「こんにちはー。誰かいませんか?」ドンドン

「…はい?」ガチャ

ロボ娘「すみませんが雨宿りさせて貰えませんか?」

「いいですよ。ほら、入って」

ロボ娘「…失礼します」

「いやあ、何年ぶりかな。訪問者なんて」

ロボ娘「へえ…。見た限り機械が沢山ありますけど一体何をしているんですか?」

「まあ…ちょっとロボットに関する研究をね。博士とかいわれてるけど」

ロボ娘「博士ね…。そうだ、これ何かわかりませんか?」コトッ

博士「ごめん、見たことないね。何かのパーツみたいなのはわかるけど」

ロボ娘「そうですか…」

博士「そうだ!君ちょっとメンテナンスしないかい。旅人だからメンテとか出来なさそうだしね」

ロボ娘「いいですね。頼みます」

博士「よし。ならこのスキャン装置に座ってくれ」ウイーン

ロボ娘「地面が開いて椅子が出てきた…わかりました」ポフン

博士「よし、後は終わるまで眠る事になるけど我慢してくれ」
ロボ娘「はい…うっ。……」すやすや

博士「…よしスキャン開始だ」

博士「形式番号は…不明?誰かの自作かな?」

博士「おいおい、最近の警備ロボよりいい装備品を持ってるな。…さらにスキャン」

博士「…なんだこれ!殆どがブラックボックス化してやがる!」

博士「ん?なんだ?勝手にアップデートされてやがる…」

ロボ娘「……」スヤスヤ

博士「何者?このロボット…」

眠る。また明日

ロボ娘「はあ…どうでしたか?」

博士「…君はどこ出身だい?」

ロボ娘「…わからないんです。旅をしたのもそが理由なんです」

博士「ふむ。君のスキャンした結果はね、これまでのロボットとは大幅に違うタイプなんだ。」

ロボ娘「えっ?確かにこういう事が出来るロボットは余りいませんが」カチャカチャ

博士「…新型の警備ロボにしか付いてない装備だぞ、それ」

ロボ娘「うーん。いきなりそんな事言われてもよくわからないですね」

博士「いやいや。君は未知の技術で作られたのかもしれないんだ。…そういえばアップデートされていたものは何だったんだい?」

ロボ娘「あ、はい。えーと…あっ!食べ物が食べれるようになりました!」

博士「…なんだ」ガックシ

ロボ娘「いやいや、食べ物が食べれるとか凄いですよ?今まで飲み物しか飲めなかったんだから」

博士「……」

博士「まあ、自分が特別なロボかもしれないと理解した方がいい。…ああスキャン中に僕の仲間とその居場所をインプットしてあげたよ。近くに来たら訪れるといい」

ロボ娘「はい。有効活用させて貰います」

博士「…雨あがったけどどうする?」

ロボ娘「あっ、私そろそろ行きますね」

博士「ああ、仲間にあった時はよろしくな」

ロボ娘「それでは」


ブロロロ…

ブロロロ…

ロボ娘「次はどこに行こうかしら…。港町でもらった観光案内でもみようかしら」ペラッ

ロボ娘「…とりあえず美味しいご飯が食べれるところでも行こうかしら」

ロボ娘「…よし、次はこの町に行きましょ」

ロボ娘「いざ、美味しい料理のもとへ!」

ブロロロ…

<某町、ある料理屋>

ロボ娘「…なんでしょうか。アップデートされたからかとても美味しそうに見えます」

ロボ娘「いただきます」パクッ

ロボ娘「……!」

ロボ娘「こんな幸福生まれて初めてです…」ジーン

ウェイター「独り言言いながら涙流して食べてるよ…」

シェフ「それ程俺の料理が旨いってことなんだろ」

ウェイター(だったら閑古鳥が鳴くはずないだろ…)

ロボ娘「ふう…ごちそうさまでした。さて、そろそろ宿屋でも探しに行きましょうか」

クレーマ「おい、なんだよこれ!ゴキブリが入っているじゃねぇか!」

ウェイター「(またか…)お客様、申し訳ありませんが自分が入れたのではありませんか?」

クレーマ「おい、お客は神様じゃねーのか?賠償金払って貰うぞ!」

ウェイター「ですから…」

ロボ娘「…ちょっと」

クレーマ「ああ?」

ロボ娘「アナタのポケットから落ちたんですけど」

クレーマ「なっ!それは俺が用意したゴキ…」

ウェイター「…お客様さま。少し裏でお話をしましょうか」ガシッ

クレーマ「ひいい!」ズルズル

ロボ娘「ふん。あんな美味しい料理にケチつけるなんて、失礼な人ですね」

\ニドトクンジャネェ!/\ギャー!/

ロボ娘「さて、今度こそ宿屋に向かいましょうか」テクテク


<宿屋>
ロボ娘「部屋、空いているかしら?」

受付「はい、空いてますよ。カギをどうぞ」

ロボ娘「ありがとう。ところで何か楽しめる場所あるかしら?」

受付「それならこれを。料理店やら土産物店が書かれているパンフレットです」

ロボ娘「…用意がいいわね」

受付「観光業が盛んな町ですから」

ロボ娘「…よし、食べ歩きでも行ってこよ」

<繁華街>
ロボ娘「…なになに?『巨大カレーを20分で食べれば賞金アリ』」

ロボ娘「ただ食べるだけでお金が貰えるとは…!やるしかない!」

ロボ娘「店長、巨大カレーを頼みます」

店長「すみません。ロボットは挑戦出来ないんです」

ロボ娘「えー。じゃあ、これとこれ頼みます」

店長「8人分ですが大丈夫ですか?」

ロボ娘「平気です♪」

ロボ娘「ごちそうさま。美味しかったです」

店長「大半のロボットでも食いきれないというのに…」

ロボ娘「よし、今度は隣の店に行きましょう!」

店長「まだ食べるのかよ…」

ロボ娘「すみませーん。これを…」

その後ロボ娘は繁華街全ての料理店に行き、食べまくった。

<宿屋>

ロボ娘「ふう…幸せです」

ロボ娘「私が人間だったら今頃太っていましたね」

ロボ娘「……」

ロボ娘「私を作った人はどんな人だったんだろ。いや、ロボットかもしれないけど」ゴソゴソ

ロボ娘「このパーツを見せても誰も分からないと言うし、本当に自分が何者かわかるのかな」

ロボ娘「…そろそろ寝よ。明日は近くの博士の仲間に会いましょ」

ロボ娘「おやすみなさい」

ロボ娘「……」スヤスヤ

ブロロロ…

ガチャ

ロボ娘「こんにちは。誰かいませんか?」

中年博士「やあ、君はひょっとして博士がいってたロボットなのかい?」

ロボ娘「はい、私がそのロボットです」

中年博士「ようこそ。早速だがパーツを見せてくれないか?」

ロボ娘「…これです」コトッ

中年博士「ふむ…。なる程、博士が分からないのも無理もないこれはスパコンに使われるパーツだからな」

ロボ娘「スパコンって…私が目覚めた周辺にはそれらしい物はありませんでしたね」

中年博士「しかし古いパーツだな。いつ作られたのかわかればいいんだか…。まあいい、とりあえずスキャンさせてもいいかな?」

ロボ娘「どうぞ」

<スキャン後>

中年博士「なる程…とりあえず君は太陽光やカロリーをエネルギーにして動いていることは解った。詳しい所はブラックボックスになってわからなかったがね」

ロボ娘「へえ、それって珍しいことなんですか?」

中年博士「いや、今のロボットには当たり前にあるものだよ」
ロボ娘「なんだ…」

中年博士「いや、最近のロボットなら当たり前だが君の場合は使われてる部品が古すぎる。カロリーをエネルギー変換する技術はまだなかった時代の部品だからね」

ロボ娘「具体的にどれくらいですか?」

中年博士「それはちょっとわからないな…そうだ、海底都市の知り合いなら多分知ってるな。行ってみるかい?」

ロボ娘「ええ。行ってみます」

中年博士「そう言うなら早く行こうか」

ロボ娘「あれ?あなたも一緒に行くんですか?」

中年博士「そうだよ。少し用事があるから一緒に行った方がいいだろ?」

ロボ娘「なら早く行きましょう。海底都市にはどんな物があるんでしょうか?」

中年博士「行ってからのお楽しみさ。さあボートに乗ろう」


<海上>

ロボ娘「魚が沢山泳いでますね」

中年博士「まあ海だから。潜水艦に乗るのは初めてかい?」

ロボ娘「ええ。楽しいです」

中年博士「それは良かった。…海底都市の入口が見えてきたぞ」

ロボ娘「…大きいタワーですね」

中年博士「海上にも入口があるんだ。知り合いは海底に近い所に住んでいるからこっちから入るけど」

ロボ娘「…入ったら料理店に生きましょう」

中年博士「えっ」

ロボ娘「美味しいものが食べたいのです」

中年博士「まあ、時間もあるし、大丈夫だな。旨い魚料理を出す所に行こうか」

ロボ娘「わーい」


<料理店>
中年博士「うん、やはり刺身はうまい」パクパク

ロボ娘「……」

中年博士「どうした?刺身食べないのか?」

ロボ娘「…前に生魚食べてお腹壊した旅人をみたのを思い出してしまって」

中年博士「あらら。けどここは大丈夫だから食べてみなよ」

ロボ娘「……」パクッ

中年博士「どうだい?」

ロボ娘「…凄い、美味しいです」

中年博士「そうだろ、もっと食べろ」

ロボ娘「はい!おかわり!」

中年博士「おかわりはやめて…。金無いから」

ロボ娘「ふぅ。おいしかったです」

中年博士「はは、良かったね。さて、そろそろ知り合いの所に行こうか」

ロボ娘「そうですね」

中年博士「……」キョロキョロ

ロボ娘「…どうしたんですか?」

中年博士「いや、何でもないよ。さっさと行こう」

ロボ娘「はあ」

知り合い「…やあ、久しぶりだね。何年ぶりだっけ?」ウィーン

ロボ娘「…機械部分が剥き出しのロボットは初めて見ました」

知り合い「おいおい…これは義手だ。知らないのか?で、用事があってここに来たんだろ、博士」

中年博士「ああ、このパーツが作られた時代を調べて欲しいんだ」

知り合い「んん…これはかなり古いね。待ってろすぐ終わるから」

ロボ娘「…知り合いさんはどうして義手をつけることになったんですか?」

知り合い「昔の事故さ。…よしわかったぞ。こりゃあ20xx年に作られたパーツだね」

中年博士「古いな…まだロボットに感情がなかった時代だ」

知り合い「そうだよな…コイツのパーツの年代も調べていいか?」

中年博士「ブラックボックスになってるぞ?」

知り合い「平気。上手く分解してみるさ」

ロボ娘「勝手に話を進めないで下さい。怖いですから」

知り合い「さて。上手く分解して見せますか」

中年博士「ブラックボックスになってる部分はどうするんだ?下手すれば壊れるぞ」

知り合い「現物見る限り大丈夫。古いから上手く分解できる」

中年博士「…ちなみに見えてるパーツの年は?」

知り合い「見る限り23xx年だね」

中年博士「あのパーツが作られた年とは大幅にずれてるな」

知り合い「まあ、ブラックボックスを外せばわかるさ。…よいしょ」カパッ

中年博士「相変わらずいい腕だな」

知り合い「まあね」

知り合い「さてブラックボックスの中のパーツはどうなっているかな…スキャンっと」

中年博士「見る限りかなり古いパーツだな」

知り合い「…2052年!?まだ人型ロボットが珍しい時代だぞ?」

中年博士「何?あまりにも古すぎるな」

知り合い「この年代に彼女が完成していたとしたら余りにも高度な技術だな。」

中年博士「…しかしブラックボックス以外のパーツは24世紀の作られたかものだぞ?」

知り合い「長い年を重ねて完成したか、一度修理されたかのどちらかだね」

中年博士「不思議なロボットだ」

知り合い「いや、全く」

ロボ娘「…どうでしたか?」

知り合い「かくかくしかじか」

ロボ娘「…驚きましたね。いわゆるオーバーテクノロジーで作られた訳ですか?」

中年博士「まあそうなるな」

ロボ娘「すごいです。私の作った人は今の時代にも負けない天才だったんですか」

知り合い「まあ、そうなるね」

ロボ娘「けどその人に会うことはできませんね…」ショボン

中年博士「逆に会えたほうが怖いけどな…」

ドンドン

知り合い「…お客がきたみたいだ。ちょっと行ってくる」

知り合い「なんだお前は…うわっ!」

中年博士「なんだ?…誰だお前は?もしかしてさっき感じた視線はお前か?」

「…邪魔だ」ドンッ

中年博士「うわっ!ぐっ…」

ロボ娘「中年博士さん!誰なんですか、あなたは?」

「…ついて来て貰う」ガシッ

ロボ娘「…きゃっ!は、離して!」ジタバタ

「…抵抗すると破壊する」

ロボ娘「くっ!」ガチャ、パァン

「……」ゴン

ロボ娘「ロボット!…ゴム弾じゃ無理ね」

「…破壊する」ブゥン

『アップデートにより実弾の発砲が許可されました』

ロボ娘「…!」バァン

「……」バギャ

ロボ娘「うわあ…。頭が吹っ飛んだ」

「……」ブンブン

ロボ娘「まだ動いてる…どうしよ」

知り合い「…このやろう!」ゲシッ

ロボ娘「あっ、知り合いさん。大丈夫ですか?」

知り合い「吹っ飛ばされただけだから大丈夫。…よし、これで完全に停止した」ブチッ

中年博士「いたた…なんだったんだ?」

ロボ娘「二人の知り合いじゃありませんよね?」

中年博士「さあ? 少なくとも俺たちには関係ないよな」

知り合い「このロボ軍用だ…。なぜこんな所に?」

ロボ娘「私を連れていこうとしてました」

知り合い「ふむ…まあ、とりあえず一旦帰れ。何かわかったら連絡する」

中年博士「わかったら。ほら、帰るぞ」

ロボ娘「あ、はい」

ロボ娘(あのロボット、どこかで見たような…)

<数日後>

中年博士「さっき知り合いから電話が来た。南にある大都市からきた奴らしい」

ロボ娘「んぐ…そうですか」モッキュモッキュ

中年博士「…最近食べ過ぎじゃないかい?」

ロボ娘「はむ…。いや実弾を撃ってからお腹が空いてしょうがないです…」モグモグ

中年博士「実弾発砲は燃費悪いようだ。普段はゴム弾だけにしておきなさい」

ロボ娘「肝に命じます」ゴッキュゴッキュ

ブロロロ…

ロボ娘「南の大都市ですか…一体どんな所何でしょうか?」

ロボ娘「あっ、海がここまで…。地図では通れたはずなんですが」

ロボ娘「未だに海抜が上がっているとニュースで言ってましたね」

ロボ娘「…この景色も見る事ができなくなるのでしょうか?」

ロボ娘「ん?高いビルが沢山ありますね。もしかしてここが南の大都市何でしょうか?」

ロボ娘「…行ってみましょう」

ブロロロ…

受付ロボ「大都市へようこそ。バイクを預かります」

ロボ娘「あ、はい。…あっ!車が空を飛んでる?」

受付ロボ「エアカーと言うものです。この大都市でしか動かない特別なものなんです」

ロボ娘「へえ…」キョロキョロ

受付ロボ「観光用に観光ロボがありますがどうしますか?」

ロボ娘「いや、いいです」

受付ロボ「そうですか。では良い観光を」

ロボ娘「はあ…。とりあえず軍用ロボがいた場所を探しましょ。たしか地図があったはず…」ゴソゴソ

ロボ娘「あった!…あれ?男性とロボが仲良く並んだ銅像がありますね」

看板「歴史上初めて人間に恋し、感情を持ったロボット、ここに眠る。21xx~22xx」

ロボ娘「へえ…。22世紀からすでに感情を持ったロボットっていたんですね」

ロボ娘「名前がかすれて読めない…アンド…りう?」

ロボ娘「まあ、いいです。お腹が空きましたし何か食べに行きましょう」テクテク

>>68訂正
ロボ娘「はあ…。とりあえず軍用ロボがいた場所を探しましょ。たしか地図があったはず…」ゴソゴソ

ロボ娘「あった!…あれ?男性とロボが仲良く並んだ銅像がありますね」

看板「歴史上初めて人間に恋し、感情を持ったロボット、ここに眠る。2xxx~22xx」

ロボ娘「へえ…。21世紀からすでに感情を持ったロボットっていたんですね」

ロボ娘「名前がかすれて読めない…アンド…りう?」

ロボ娘「まあ、いいです。お腹が空きましたし何か食べに行きましょう」テクテク

ロボ娘「ふう…。美味しいものを食べて元気がでてきたのでサクッと軍基地に忍び込めました…」

ロボ娘「なにか話していますね…」

軍人a「海底都市にだしたロボが音信不通だ」

軍人b「例のあいつが見つかったとかいったが…もしやバレてここに来ている訳じゃないよな」

軍人a「はは、まさか」

ロボ娘「…知り合いさんがいった通りですね」

「おい」

ロボ娘「見つかっ…」

「……」バチバチィ

ロボ娘「…!」バタッ

ロボ娘「うう…」ムクッ

「目が覚めたか…?」

ロボ娘「…!ここは?」

「軍の独房だ。ようやく見つけたな…懐かしい」

ロボ娘「懐かしい…?あなたとは一度もあった事ないですよ?」

「…忘れたふりか。まあ、いい」

ロボ娘「?」

ダッダッダッ

司令官「おお、こいつが例の…よくやったな、隊長!」

隊長「入ってきたのを捕まえただけですよ」

司令官「これで、私の野望が…ぐふふ」

ロボ娘「野望って…まさかハーレムですか?」

司令官「…おい、本当にこいつが例のあれか?」ヒソヒソ

隊長「そうです、姿形を変えてない限りは」ヒソヒソ

ロボ娘「無理やり司令官という人に連れられて地下室に降りてきました…。なんか大きい機械がありますね」

司令官「これで夢の世界征服が…おい、早くしろ!」

隊長「了解。ほら、早く起動しろ。」

ロボ娘「起動しろって…何をですか?」

司令官「見えないのか?この巨大兵器をだよ!」

ロボ娘「そんな事言っても。…開けゴマ!」

シーン

隊長「起動しませんね」

司令官「そんなことないはずだ!」

ロボ娘「チンカラホイ!スゲーナ・スゲーデス!ビビデバビデブー!」

シーン

司令官「おい、どういうことだ!こいつがいれば起動するはずじゃないのか?」

隊長「そういわれましても」

司令官「ええい、明日もう一回やる!それまで独房にぶち込め!」

隊長「了解」

ロボ娘「?」


<独房>
ロボ娘「またここですか…しかし、あの大きい兵器は何だったのでしょうか…」

ガチャ

ロボ娘「鍵が開いた?」

「やあ、説明している暇はない。とりあえずついて来てくれないか?」

ロボ娘「次から次へといろんな人がきますね…。まあ暇なのでいいでしょう」

「早く、急いで!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年10月05日 (土) 06:31:52   ID: vlOmhsID

物語っぽいけど淡々としていて、盛り上がりに欠ける。

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