【守護霊と少年】 (60)

1話【守護霊シオン】

~~~通学路~~~

少年「ひゃあ遅刻するぅ!」タタタッ

ガキ大将「おうキヨシ!また遅刻かぁ?」ニヤニヤ

少年(キヨシ)「そういうお前こそ!」

ガキ大将「俺様はいいんだよ!なんたってガキ大将だからな!」

少年「どういう理屈だよ!」

ガキ大将「がっはっは!」

少年「バカはほっといて急ご!」ダッ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1517481062

~~~学校~~~

キンコンカンコーン

ガラッ

少年「セェーフ!」

先生「アウトです!」ピシャリ

少年「いて!」

アハハハハハハハハ!

ガキ大将「おっはよー諸君!」

先生「太田くん!遅刻ですよ!」

ガキ大将「がっはっは!」

先生「まぁ!遅刻したのに高笑いするなんて!反省するまで廊下に立ってなさい!」

ガキ大将「が、ガキ大将の俺様が!?」

少年「バっカでー!」ケラケラ

先生「キヨシ君もです!」

少年「えぇ!?」

少年「お前のせいで俺まで立たされたじゃんか!」

ガキ大将「ば、バカな・・・ガキ大将の俺様が立たされるだと・・・?」ワナワナ

少年「おい!聞いてんのかよ!」

ガキ大将「クソォ・・・こんな世界、いっそ滅ぼしてやる!」ユラァ

少年「はぁ?まぁたバカなこと言って・・・」

ガキ大将「グオォォオオオアァァァアアアア...!!!」ゴゴゴゴゴ

少年「え?お、おい、どうしたんだよ?」オロオロ

ガキ大将「ハァァァア...ガキ大将に逆らうヤツは皆殺しだ!」ゴォォ

少年「太田?太田!?」

ドガンッ!

少年「わっ!?」

ガラッ

先生「なんですか騒々しい!まだ授業中ですよ?」

少年「先生!太田がおかしいんだ!」

先生「なんですって?」

ガキ大将「おうおう!よくも俺様に歯向かったなぁ・・・先生よぉお」 ギロッ

先生「まぁ!歯向かうですって?教師に向かって!」

少年「(太田の体から紫色の煙みたいのが出てる・・・?)」

ガキ大将「くらえぇ!必殺ヘビーマシンガン!」バババババッ

先生「きゃあ!」ビシビシビシ

少年「先生!」

ガキ大将「俺様に逆らうからだ!がっはっは!」

少年「くそぅ!先生がヘビーマシンガン(?)の餌食に!」

ガキ大将「なんだぁ!文句あんのかキヨシ!?」

少年「あるもんか!全然ないね!」キリッ

ガキ大将「そうかぁ!命だけは助けてやるぜ!」

少年「(く、悔しい!俺が太田なんかにビビるなんて!)」ビクンビクン

先生「ハラホロヒレハレ~~~」ピヨピヨピヨ

~~~自宅~~~

少年「ちくしょう!太田のヤツえばりやがって!」

ママ「あらあら、ケンカでもしたの?」

少年「ううん、違うよ!あいつ、いきなりおかしくなったんだ!」

ママ「おかしくって、どんな風に?」

少年「なんか知らないけど急に紫色の煙みたいなのがあいつから出てきて。手から煙の石つぶてみたいのを飛ばして先生を倒しちゃったんだ!」

ママ「まぁそれは大変ねぇ」

少年「その名もヘビーマシンガン・・・!!」

ママ「 (ヘビーマシンガン?) 」

少年「ずるいよな、あいつばっかり!俺だってヘビーマシンガン出来たら・・・!」

ママ「(ヘビーマシンガン・・・)」



少年「ヘビーマシンガン!」バッ

ガラッ

ママ「キヨシ、ちょっといい?」

少年「わああ急に入ってくんなよもう!?」

ママ「何かしてたの?」

少年「・・・なんでもないし」

ママ「そう・・・(ヘビーマシンガンの練習してたのね・・・)」

少年「ていうかなに!?なんか用!?」

ママ「えぇ、昼間の話が気になっちゃって」

少年「(? あ!そういえば遅刻したのも話しちゃったっけ!やっべ~~~!)」アセアセ

ママ「太田くん、もしかしたら悪霊に取り憑かれてるかもしれないわ」

少年「ひぃぃごめんなさい・・・ん?悪霊?」

ママ「実はね、あたし達の家系は代々霊媒師なの」

少年「霊媒師?なにそれ?」

ママ「オバケとお話出来る人のことよ」

少年「お、オバケ!?」ビクッ

ママ「オバケといっても元はあたし達と変わらない生きてる人間だったから、そんなに怖いものでもないのよ?」

少年「こ、怖いなんて言ってないじゃん!つぅかオバケなんている訳ねーし!」

ママ「それがいるのよ、ほら」ユラァ

少年「はぁ?そんなの嘘に決まって・・・」

ポンッ!

少年「!?」ドキッ

ママ「紹介するわね。この子がママの守護霊のアンナちゃんよ」

アンナ「アンナでぇーす!気軽にアンナたんって呼んでねん?」キャピ

少年「な、なんだよそれ?普通のオバサンじゃんか!どっから・・・」

アンナ「だぁれがオバサンじゃボケぇ!?」クワッ

少年「ひぇっ」

アンナ「こちとらピチピチの乙女(年齢不詳)じゃいワレェ!?」

少年「()で全部台無しだよ!?」ガーン

アンナ「だいたい普通ってどこに目ぇ付けてけつかる!?ちゃーんと三角の白い布張っ付けとるじゃろがい!」ピシィッ

少年「それだけ!?」

ママ「もう!よしなさいよ?アンナちゃんったら怒りっぽいんだから?」

アンナ「ふえェ、だってだって~?」プリプリ

少年「(うわぁきしょ)」

アンナ「あんごら!?」ギロッ

少年「ひぃぃ!ママぁ」ヒシッ

ママ「よしよし、キヨシもアンナちゃんをからかっちゃダメよ?こう見えて繊細なんだから?」ナデナデ

アンナ「ふえぇん!そうなのぉ!アンナのこと分かってくれるのママだけよ!」メソメソ

少年「(図太さしか見えねぇけど・・・)」シラー

ママ「どう?これで分かってくれた?」

少年「いや、いきなりだし・・・それにそのアンナ、どう見ても生き「アンナ"たん"だっつってんだろが!?」すみません!」

ママ「・・・」スッ

アンナ「きゃっ!ママってばボディタッチは反則ゥ!」フワッ

少年「あ・・・すり抜け、た?」

ママ「・・・信じてくれた?」ニコッ

少年「・・・」

アンナ「この子飲み込み悪すぎ~」

少年「だ、だって!霊媒師とかオバケとか・・・わかんねぇよ!」

アンナ「だから目の前にいるじゃないのよぅ?」プクゥ

少年「ま、マジックかもしんねぇし」

ママ「・・・アンナちゃんはね、ママの友達なの」

少年「へ?」

ママ「保育園からの幼なじみで高校までずっと一緒だった・・・」

アンナ「ママ・・・」

ママ「けど亡くなってしまったの」

少年「ど、どうして?」

ママ「それは・・・」

少年「(な、なんか特別な理由があんのか?)」

ママ「柏餅の・・・食べ過ぎで・・・ぷ、ふふ」プルプル

少年「は?柏餅?」

アンナ「あーん!も、やめてよぅ!笑わないって約束じゃーん!」

ママ「ご、ごめんなさい。つい・・・でもさすがに死因聞いた時は・・・ちょっと笑っちゃった」クスクス

アンナ「知ってる!葬式でもにやついてるヤツいたもん!危うく悪霊になるとこだったよ!」プンプン

少年「(くだらねー・・・)」

アンナ「あんたくだらねーとか思ったでしょ?」キッ

少年「え?いや!」ビクッ

ママ「でもね」

少年「?」

ママ「それからは柏餅が食べられなくなっちゃった。生きてた頃はよく二人で食べてたのに」

少年「(・・・)」

ママ「ひょっとしたらまた柏餅に大切な物を奪われそうで・・・怖かったの」

アンナ「ま、ママぁん・・・」ウルルン

ママ「こうしてまた一緒になれてからも柏餅は食べないわ。もう離れたくないもの?」クスッ

アンナ「うわぁんママぁ!アンナたちズッ友ダョぅ!」ボロボロ

少年「(なんだこれ・・・)」

ママ「うふふふふ」ニコニコ

アンナ「ママぁああああああああ!!!」ズリズリ

少年「(あんま考えないようにしよ・・・)」シラー

少年「霊媒師なのは分かったけど・・・それと太田になんの関係があんの」

アンナ「あんた話聞いてなかったのぉ?そのデブ田に悪霊が憑いてるってんでしょう?」

少年「だ、だから!まだ悪霊かわかんねーだろ?」ムッ

アンナ「分かるわよ。ただのガキンチョが教師ぶっ飛ばしたり煙噴き上げたりする?」

少年「う!」

アンナ「間違いなく悪霊の仕業ね!まぁアンナには関係ないけど?」フフン

少年「だっておかしいじゃん!太田も霊媒師だってのかよ!」

ママ「いいえ、太田くんは普通の子よ」

少年「じゃ、じゃあ」

ママ「けど守護霊は誰にでも憑いてるの。それが見えるか見えないかの違いだけでね」

少年「へ?じゃあ俺にも?」

ママ「憑いてるわよ?」クスッ

少年「うっそだー!全然見えないし!」キョロキョロ

ママ「それはそうよ?」クスクス

少年「だってアンナ・・・たんは見えるじゃん!」

ママ「ママが見えるようにしてあげたからよ?」

少年「えぇ!そんなの変だよ!」

アンナ「あんたが霊媒師じゃないからでしょ。おバカ」

少年「母さんの子だったら俺も霊媒師じゃねぇのかよ!」

アンナ「ハァ?それならサッカー選手の子はみんなサッカー選手なの?本田の子はみんな本田と同じ性能なの!?」

少年「どういう例えだよ!」

ママ「霊媒師は厳しい修行を積まなきゃなれないの。あなたはまだ普通の子よ」

少年「厳しい修行・・・」ゴクリ

アンナ「そう・・・滝に打たれたり石の上で3年も座禅しなきゃ霊媒師にはなれないのよぅ」ゴゴゴゴゴ

少年「ま、ママがそんなことを・・・?」ドキドキ

ママ「ううん、この特別なお札をおでこに張るだけよ」ピラッ

少年「簡単じゃんかよ!!」ガーン

アンナ「だけどそれを未熟な子が張ると命を吸われるのよぅ・・・」

少年「え・・・!?」ドキッ

ママ「特に何も起こらないわよ?ただオバケが見えるようになるだけ」

少年「嘘つき!?」ムキー

アンナ「オホホホホホ!」ケラケラ

少年「つぅかママもなんで言わなかったんだよ!そんなのあるなら言ってくれりゃいいのに!」

ママ「ごめんなさいね。キヨシには必要ないかと思って・・・」

少年「田舎のばあちゃんもそうなの?なんも言ってなかったぞ?」

ママ「おばあちゃんは違うわ」

少年「なんで?みんな霊媒師だったんだろ?」

ママ「昔はまだしも今の世の中オバケなんて見えても仕方ないじゃない。誰も信じてくれないし変人扱いされるだけよ」

少年「でもママは・・・」

ママ「あたしはただもう一度アンナちゃんに会いたくて御先祖様の遺した倉からお札を拝借したの。霊媒師として生きてたのはあたしの祖父の代までよ」

アンナ「アンナもぉ~!またママに会えて感激ィ!」プリプリ

少年「霊媒師ってなにすんの?」

ママ「死者の想いを聞いてあげたり・・・」

アンナ「悪霊退治よぅ」ニヤッ

ママ「アンナちゃん!」

少年「悪霊退治・・・?」

アンナ「霊との交信もそうだけど悪さする霊を凝らしめたり説得して成仏させんのも仕事なのよん!」

少年「それってどうやんの?」

アンナ「そぉれぇはぁ~」

ママ「アンナちゃん!!」

少年「ど、どうしたんだよ?怒鳴ったりして?」

ママ「あなたは知らなくていいの・・・」

アンナ「なによぅ?ママだって教える為に話してたんでしょう?」ブスッ

ママ「そうだけど・・・そこまで教えるつもりはないわ」

少年「なんだよ!気になる!」

ママ「いいの。とりあえずあなたは自分を守る術だけ知っておきなさい」

少年「自分を?」

ママ「そうよ。太田くんがまた守護霊を使って悪さした時に身を守れるようにね」

少年「ヘビーマシンガンに勝てんの!?」

ママ「ヘビーマシンガンに勝てるかは・・・ま、まぁたぶんね」

少年「いいなぁ!俺もすっげー必殺技決めたい!」

アンナ「ふふん!それには守護霊と結び合わなくちゃダメよん?」

少年「どうやって?」

ママ「守護霊と宿主の絆を深めて心を開くの。それが出来ないと守護霊の力も大きく分かれてしまうわ」

少年「な、なーんか難しい話だなぁ」

ママ「要は友達になればいいのよ」ニコッ

アンナ「そ!ママとアンナちゃんみたいにね~?」ニィィ

少年「ともだち・・・オバケと・・・?」

少年「オバケと友達なんて・・・よくわかんねーなぁ?」

アンナ「はぁぁだいたいねぇ~?うちらに言わしてもらうと人間って自覚が足りなすぎなのよ?」

少年「え?」

アンナ「アンナみたいなキュートな守護霊のおかげであんたらものびのび暮らしてけるのよ?
普段からマメに感謝するのが当然でしょ!手紙に感謝をしたためて焼くとか流行りの美容グッズお供えするとか!」

ママ「願望が過ぎるわよ。アンナちゃん?」

少年「(どこがキュートなんだっつの・・・?)」ヘッ

ママ「とにかく守護霊との交信といってもこうして普通にお喋りするだけだから難しくないわ。仲良くなる方法もあなた次第よ」

少年「なーんだ、楽勝じゃん?これなら俺だってすぐヘビーマシンガンよりすげー必殺技が出来るぜ!」

アンナ「ねぇねぇママぁ?さっきからちょいちょい挟んでくるキラキラネームなんなの?」コショコショ

ママ「さぁ・・・とてつもなく執着してるとしか?」コショコショ

少年「へへ!どんな技にしよっかなぁ」ウキウキ

少年「よくわかんねーけど分かった!俺にもお札くれよ!」

ママ「キヨシ・・・」

少年「な!俺の守護霊どんなヤツか見てみたいし!早く!」ワクワク

アンナ「どーせ最初からそうしてたんでしょ?もったいぶらずにあげたらいいじゃない?」

ママ「徐霊のことまで言うつもりはなかったもの・・・」

アンナ「だって除霊師の・・・」

ママ「しっ!」

少年「徐霊って?」

ママ「なんでもないわ。はい、大事に持っておきなさい」ピラッ

少年「わーい!やったぁ!サンキューママ!」パシッ

ママ「アンナちゃん」ジトッ

アンナ「はいはい?余計なことは言いませんよ~?」

少年「おでこに貼るんだっけ?」

ママ「えぇ、そうしたらあなたにもオバケが見えるようになるわ」

少年「よーし!」ペチ

少年「(どんなヤツかな?)」ドキドキ

少年「・・・」

少年「あれ?」キョロキョロ

少年「んー・・・で、出てこい!俺の友達!」バッ

シーン

少年「なぁ、なんも・・・」

ポンッ!

少年「おぉ!?」ズサァ

モワモワモワ

少年「む、紫色の煙!こいつが俺の・・・」

???「はじめまして、キヨシくん!」

少年「うおぉ・・・!」

???「ボクがキミの守護霊のシオンだよ!」ニコッ

少年「お前が俺の・・・」

シオン「うん!よろしくね!」ニコニコ

少年「・・・」

シオン「・・・キヨシくん?どうかした?」キョトン

少年「ガキじゃん!?」

シオン「へ?」

少年「こんなガキが守護霊!?俺より弱っちそうじゃん!?」

シオン「えぇ・・・歳はそんなに変わらないと思うけど」

少年「もっとガーッと強そうでドカーンと派手な恐竜とかじゃねぇの!?」

シオン「い、一応守護霊も生前は人間だから・・・」

少年「にしたって!これはねーだろ!せめて大人だろ!頼りにならね~よ!?」

シオン「そ、そんな・・これでもたくさんキミのこと守ってきたのに」ズーン

ママ「キヨシ!言い過ぎよ?シオンくんはこう見えて、とっても頼りになるんだから」

少年「はぁ?こんなナヨっちいのがぁ?」

アンナ「うふん、言われちゃってるわよ~?」ニヤニヤ

シオン「あはは・・・」

ママ「じゃあシオンくん、キヨシのこと頼んだわね」

シオン「はい!」

少年「やだよ!俺もっとカッコいいのがいい~!」

アンナ「んもぉワガママねぇ?誰に似ちゃったんだか?」

シオン「えぇと、頼りないかもしれないけど精一杯キミのこと守るから・・・」

少年「やだやだぁ!恐竜じゃなきゃやだぁ!」ジダンダ

シオン「きょ、恐竜がそばにいると落ち着かないんじゃないかなぁ?」ポリポリ

少年「落ち着くし!すっげー落ち着くし!プテラノドンなめんなし!」ズイッ

シオン「ご、ごめん・・・」オロオロ

アンナ「話になんないわね。こんなのほっとけばぁ?」

ママ「そんなこと言わないの。まだ慣れないだけよ。シオンくんも気にしないであげて?」

シオン「は、はい」

少年「やだやだぁ!恐竜がいいんだい!」ジタバタ

シオン「(この子は守護霊をなんだと思ってるんだろう・・・?)」ヒクヒク



少年「ぐーすかぴー」ゴロン

シオン「キヨシくん、起きて?朝だよ?」

少年「んぅ・・・あと5年」ムニャムニャ

シオン「そんなに待てないよ!?」ガーン

少年「なんだよぉ、うるさいなぁ?まだ早いだろぉ?」ゴシゴシ

シオン「へ?そうなの?もう8時だけど・・・」

少年「ほらまだ8・・・ハチジ!?」ガバッ

シオン「うん」

少年「はぁ!?ウソだろ!目覚ましは!?」

シオン「鳴ってないけど・・・」

少年「えぇ!?あ!ほんとだ!セットし忘れてた!?」ギョギョッ

シオン「あーあ、ちゃんとゆうべの内に確認しないからだよ?」

少年「なんだとぉ!?お前こそなんでもっと早く起こさないんだよ!?」

シオン「起こしたじゃない。キミがまだ大丈夫って言って寝直したんでしょ?」

少年「はぁ?言ってねーし!」

シオン「覚えてないの?」キョトン

少年「言ってねーもん!嘘つき!」

シオン「ボクは嘘なんか・・・」

少年「ふざけんなよ!また廊下に立たされんだろ!?」

シオン「自業自得でしょ!」

少年「お前のせいだし!」

シオン「あのさ、それでなくてもママが朝ごはん出来たよって呼んだ時も何回も声かけたんだよ?」

少年「じゃあきっちり起こせよ!間に合わねぇじゃんか!」

シオン「だから自分が悪いんでしょ?夜中までこっそりゲームなんかしてるから」

少年「うるせぇな!男のたしなみだよ!」

シオン「はぁ・・・もういいよ。早く支度して学校に行かなきゃ?」

少年「言われなくてもそうするっつーの!たく!使えねぇ守護霊だな!」ヌギヌギ

シオン「なっ・・・そんな言い方ないじゃないか!」ムカッ

少年「ちぇ!だから恐竜のがよかったんだよ!」ゴソゴソ

シオン「・・・」ムスッ

~~~通学路~~~

少年「あぁくそ!絶対遅刻だよ!誰かさんのせいでな!」タタタッ

シオン「悪かったね・・・」フヨフヨ

ガキ大将「がっはっは!まぁた遅刻か!」ノシノシ

少年「あ!太田!」

ガキ大将「さん付けしろよ!俺様はガキ大将だぞ!」

少年「へんだ!もうお前なんか怖くないもんね!」

ガキ大将「あにぃ!?」

少年「おいシオン!パパっとやっつけちゃえよ?」

シオン「」ツーン

少年「おい!無視かよ!」

シオン「」ツーン

少年「守護霊なんだろ!俺のためにがんばれよ!」

シオン「恐竜に守ってもらったら?」

少年「なんだと!」

シオン「プテラノドンの方が落ち着くんでしょ?」

少年「今言うことじゃないだろ!?状況を考えろよ!?」

シオン「そう。ごめんね、使えない守護霊でさ」ムスッ

少年「うぅぅ・・・!このへそ曲がり野郎!」ワナワナ

ガキ大将「てめえ・・・よくもガキ大将の俺様をコケにしやがったなぁ!?」ワナワナ

少年「わあ!ちょ、ちょっとタンマ!」

ガキ大将「うっせぇ!喰らいやがれ!ヘビーマシンガン!」バババババ

少年「うわああああ!」キュッ

ビシビシビシッ

少年「」ブルブル

少年「・・・あれ?痛くない?」チラッ

シオン「はあ・・・」

少年「し、シオン!?このバリアみたいの・・・お前が・・・!?」

ガキ大将「て、てめえ何しやがった!俺様のヘビーマシンガンが・・・!?」

少年「へ、へへ!あんなへなちょこ弾効かねえよーだ!」

ガキ大将「うぐぅ・・・ガキ大将に逆らいやがったなぁ!」ビキビキ

少年「よーし!シオン!反撃だ!」

シオン「・・・」

少年「し、シオン?」

シオン「その前に言うことがあるんじゃないの?」ジトッ

少年「え?」

シオン「」ジー

少年「う・・・あ、ありがとう」モジモジ

シオン「どういたしまして!」ニコッ

少年「・・・!」ニッ

シオン「ちょこっと素直になれたね。感心感心!」ウンウン

少年「う、うっせぇ!」カァァ

ガキ大将「おいキヨシ!さっきから誰と喋ってやがる!?」

少年「あいつ見えてないのか?」

シオン「そうみたいだね。太田くんは守護霊との結び付きが出来てないんだ」

少年「じゃあなんであんな力・・・」

シオン「きっと守護霊の暴走だよ。ボクが説得してみる」

少年「た、頼んだ!」

シオン「出ておいで!そこにいるんだろ?」

ポンッ!

チビ「キヒヒヒヒ!よく見破ったでやんすねぇ!」

少年「お、お前が太田の守護霊か!」

チビ(パシリ)「キヒヒ!いかにも!おいらは太田くんの守護霊のパシリでやんす!」

シオン「キミはなんでこんなことをするんだ!守護霊が宿主の体を使って悪さするなんてダメじゃないか!」

パシリ「うるさいうるさいうるさいうるさーい!!あれもこれもそれもどれも全て宿主の為でやんす!」

シオン「先生や友達を傷つけるのを太田くんが望んでたって言うのかい?」

パシリ「そうでやんす!宿主はガキ大将!ガキ大将は威張るもの!なのに誰もヘーコラしない!」

パシリ「だからおいらがちゃんとしたガキ大将になる手助けをしてるでやんす!」

少年「な、なんだそりゃ!そんなくだらねー理由だったのかよ!」

シオン「熱心な守護霊は宿主を思うあまり暴走することがあるんだ」

少年「?」

シオン「きっとパシリは太田くんの願望を膨らませてしまってるんだよ。過剰に力を与えた影響で太田くんの理性も薄れて抑えが効かなくなってる・・・」

少年「だ、だったらなんとかしろよ!」

シオン「守護霊の一方的な想いが宿主の心に強制力を働かせてるから不用意に刺激するのは危険だ」

少年「じゃ、じゃあどうしたら・・・」

パシリ「よくもおいらの邪魔をしてくれたでやんす!太田のアニキ!仕返ししてやるでやんすよ!」

ガキ大将「ぅ、おおおおおおおおおおおお!!」バババババ

少年「わああ撃ってきたぞ!?」タジッ

シオン「!」バッ

バチンッ

少年「あ、あぶね~」ヒヤヒヤ

シオン「ボクの結界もそう長くはもたないよ!こうなったら・・・」

少年「なんかあんのか!?」

シオン「うん!でもそれにはキヨシくんの協力も必要だよ!」

少年「い、いいぜ!なんでも言ってみろ!」

シオン「じゃあいくよ!少しビックリするかもしれないけど我慢してね!」ヒュン

少年「え?ビックリってなにす・・・」ブブブ

『憑依!!』

少年「お、わああああああああ!!」ゴゴゴゴゴ

ブツンッ!

シオン「は、入れない・・・!」パッ

少年「はあ、はあ」ゼェゼェ

シオン「キヨシくん・・・どうして・・・」シュン

少年「お、俺が悪いのかよ・・・!?」

シオン「キミのママが言ってたでしょう?心を開いて結び合わないとボクは力を発揮できないんだ」

少年「お、俺はちゃんと!」

シオン「キミの心に触れた時、陰りが見えたよ。もしかしたらまだボクを信頼出来てないんじゃないかな・・・?」

少年「そ、そんなことねーし!」

シオン「本当に?」ジッ

少年「う!」ドキッ

シオン「ボクはキミを信頼してるよ。だから守るんだ」

少年「・・・」

シオン「キミはどう?ボクだとイヤ?」

少年「イヤとか・・・言ってねーじゃん」

シオン「だけど・・・キミの心が拒絶してる」

少年「だ、だって・・・」

シオン「ねえ、怒らないから正直に言って。なにがいけなかったの?恐竜じゃないから?ちゃんと起こせないから?」

少年「・・・」

シオン「ボクが・・・使えないから?」

少年「っ・・・」

シオン「・・・そう。しょうがないね」プイッ

ガキ大将「おらあああああああああああ!!」バババババ

パシリ「ひゅー!その調子でやんす!アニキぃ!」

シオン「っ・・・もう少しで結界も破られそう」バチンッバチンッ

少年「・・・」

シオン「キヨシくん、逃げて?」

少年「へ!?」パッ

シオン「ボクは大丈夫だから・・・」

少年「だ、大丈夫って・・・」

シオン「早く!結界が張られてる間に!」

少年「~~~!!」

シオン「キヨシくん!逃げてったら!?」

少年「ご、ごめん!!」ペコッ

シオン「いいよ!ボクには構わないで逃げ・・・」

少年「恐竜がいいとか!起きれなかったのに八つ当たりして!」

シオン「え・・・?」

少年「ひどいこと言って!ごめん!」

シオン「キヨシ、くん・・・」

少年「はースッキリした!よし、いいぞ!入ってこい!」バッ

シオン「・・・!うん!」ヒュン

『憑依!!』

少年「っ~~~」カッ

少年「な、なんだこれ!すげー変な感じする!?」

『キヨシくん!聞こえる!?』

少年「シオン?ど、どこ?」キョロキョロ

『キミの心にいるよ!今、ボクとキヨシくんは一心同体なんだ!』

少年「マジ!?本当だ!なんか頭ん中から声がする!?」

『力を合わせて戦おう!ボクとキヨシくんの結び付きなら太田くんたちにだって勝てる!』

少年「お・・・おう!やってやろうぜ!」グッ

『それと・・・さっきはごめんね。ボクも言い過ぎたよ』

少年「へ!なんだよ今さら!俺が気にしてると思うか?」

『ううん!キヨシくんの心、まっさらだもん!』

少年「うっし!今度は俺たちがやり返す番だ!」

『そうだね!』

ガキ大将「このぉ!ガキ大将の俺様がいるのに一人でぶつぶつ喋りやがって!ぶっ飛ばしてやる!」

パシリ「その意気でやんす!あんなやつら太田のアニキが本気出せばイチコロでやんすよ!」

少年「待たせたな!さんざん威張り散らされた分お返ししてやるぜ!」ブゥン

ガキ大将「生意気だ!喰らえ!ヘビーマシンガン!」バババババ

『キヨシくん!結界を張るよ!技のイメージを強く念じて!』

少年「わかった!・・・バリアぁぁああああ!!!!」キュイイイン

バチンッバチンッバチンッ!

少年「おお!本当に出た!」パァァ

『やったね!』

少年「すげーよこれ!勝手に頭ん中でやり方が分かった!」

『今のボクとキヨシくんは一心同体だからね。結び付きが強いから出来たんだよ!』

少年「これなら絶対に負けないぞ!次は攻撃だ!」

『あ!待って!』

少年「!? なんだよ!せっかくいいとこなのに?」

『太田くんを直接攻撃したらダメだよ!彼は守護霊と結び付いてないから無闇にダメージを与えてもケガをさせるだけだ!』

少年「あ、そっか!じゃあ後ろに隠れてるパシリを狙えばいいんだな?」

『その通りだよ!さすがだね。キヨシくん!』

少年「任しとけって!あいつよりカッコいい必殺技でやっつけてやる!」

『よし!それじゃいくよ!』

少年「おう!ばっちこい!」キュイイイン

ガキ大将「ちくしょう!ちくしょう!なんでだ!俺様のヘビーマシンガンが全然当たらねぇ!なんなんだよ!?」アセアセ

パシリ「お、太田のアニキ!くそぅ!あいつらぁ~!!」ギリッ

少年「いくぞ!」キッ

ガキ大将「や、やろうってのかぁ!?」タジッ

『しつこいようだけど、くれぐれも太田くんには当てちゃダメだからね?』

少年「わかってるって!やあっ!」ダッ

ガキ大将「き、キヨシのくせに生意気だぁ!!」バババババ

少年「お前じゃねーよ!」ピョンッ

ガキ大将「なぁ!?だ、大ジャンプ!?」

少年『「必殺!ヘビーナックル!」』ブンッ

パシリ「え!?あ、ああちょっとタンマ・・・」アタフタ

バコォンッ!

パシリ「ぎええええええええええ!!!!?」ボォォン!

少年「どうだ!カッコいいだろ!?」

『う、うん!・・・技の名前がそっくりだった気もするけど』ボソッ

少年「ん?なんか言ったか?」

『え?あ、いや!なんでも!』アタフタ

少年「そっか!俺たち最強だな!はっはっは!」

『あ、あはは』

ガキ大将「あ、あれ・・・俺、なにして・・・?」キョトン

少年「覚えてねーの?」

『守護霊の加護が弱まって混乱してるんだよ』

少年「ふーん。そういうもんなのか」

『解除!!』

ポンッ!

少年「お!体がふわっとする?」

シオン「憑依を解いたからね。不思議な感覚でしょう?」クスッ

少年「なんつーか・・・すごかった!俺たちカッコよかったな!?」

シオン「うん!とってもカッコよかった!」ニコッ

パシリ「き、ぎぃぃ・・・!よくもやってくれたでやんすねぇ・・・!」ピクピク

少年「あ、あいつ!」

シオン「もう大丈夫だよ」

少年「え?」

パシリ「くそぅ!霊力が足りないでやんす!おいらはこんなにアニキを思ってるのにぃ・・・!」

少年「な、なんかかわいそうだな」

シオン「しかたないよ。ボクたちは普通の人には見えないもの・・・」

少年「・・・」

ガキ大将「お、思い出した!俺・・・」

シオン「太田くんも目を覚ましたみたいだね」

ガキ大将「キヨシ!すまねぇ!」ガバッ

少年「うわ!や、やめろよ!土下座なんか!?」

ガキ大将「いぃや!それじゃ俺の気が済まん!目一杯ぶん殴ってくれ!」

少年「そ、そんなのやだよ!」オロオロ

ガキ大将「頼む!お前だけじゃねぇ!せ、先生にも・・・ひでぇことしちまった」シュン

ガキ大将「急に強くなって偉いと勘違いしちまったんだ・・・。でもよ、あんなやり方で偉くなっても嬉しくねぇ」

ガキ大将「俺ぁただ・・・みんなと仲良くなりたかっただけなんだ」

少年「お、太田・・・」

パシリ「アニキ・・・」

シオン「これで分かったろ?」

パシリ「おいらのしたことは間違ってたでやんすか・・・?」

シオン「宿主の為にがんばるのはいいことさ。だけどキミは宿主以外の人たちをないがしろにしてた」

パシリ「うぐ・・・」

シオン「宿主が間違ったことをしたら止めてあげるのもボクら守護霊の役目だよ。本当に太田くんを思うなら彼のわがままにも向き合わなくちゃ?」

パシリ「しょぼんでやんす・・・」ガクッ

シオン「とりあえず一件落着・・・あ」ハッ

ガキ大将「いいから俺様を殴りやがれぇ!?」ガシッ

少年「だ、だからやだっての!?」ググッ

シオン「大変だ!キヨシくん!」

少年「な、なんだよ!今それどころじゃねーんだけど!?」ジタバタ

シオン「学校だよ!早く行かなきゃ!?」アセアセ

少年「あ"!!!」ギクッ

ガキ大将「キヨシぃ!俺様をなぐれぇ!!」

少年「どけぇっ!?」ブンッ

ガキ大将「ブヘェッ!?」バキィッ

少年「うおおおおおおおお!?」ダッ

シオン「あ、あとでちゃんと謝らせるから!ごめん!」ピューン

パシリ「」ポカーン

ガキ大将「ぞ、ぞうだ・・・ぞれでいい・・・!」ピクピク




~~~自宅~~~

少年「・・・」セイザ

シオン「・・・」セイザ

ママ「」ゴゴゴゴゴ

アンナ「キャハハハハハ!正座させられてるし!マジウケる!」ゲラゲラ

ママ「アンナちゃんは黙ってなさい」ギロッ

アンナ「はい」セイザ

ママ「学校から連絡が来たわよ。また遅刻したんですってね?」

少年「う、うん」

シオン「あ、あの!怒らないであげてください!キヨシくんは友達のために・・・」

ママ「あなたもよ!シオン!」

シオン「」ビクッ

ママ「あなたが付いていながら・・・これじゃなんの為の守護霊か分かったものじゃないわ!」

シオン「ご、ごめんなさい」シュン

少年「謝んなよ!シオンは悪くねーし!」

シオン「キヨシくん・・・」

少年「俺が起きれなかったのがわりーんだ!だからシオンを叱んないでよ!ママ!」

ママ「・・・」

シオン「違う!ボクがちゃんとしてなかったんです!だから・・・」

少年「嘘つくなよ!」

シオン「き、キヨシくんこそ!」

ワァーワァーギャーギャー

ママ「あぁもう黙らっしゃい!二人とも明日は遅刻しないで学校に行くのよ!分かった!?」

少年「・・・」ニッ

シオン「・・・」ニッ

少年&シオン「はーい!!」コクッ

ママ「しょうがない子たちなんだから」クスッ

アンナ「あぁらママってば知ってたクセに?」

ママ「なんのことかしら?」

アンナ「・・・はいはい、余計なことは言いませんよーだ」

ママ「(あの子たちの絆も深まったみたいね。これなら心配いらないかも・・・)」

アンナ「ねぇママぁ、早いとこ教えた方がいいんじゃないの~?」

ママ「なにを?」

アンナ「徐霊師のお・し・ご・と!」

ママ「・・・もう少し様子を見てからね」

アンナ「ケチんぼ~」プクゥ

ママ「できればあたしたちの代で終わりにしなきゃね・・・。子供たちには業が深すぎるわ」

アンナ「アンナはずっとママの味方だよ!」

ママ「ありがとう・・・」ニコッ

end

第2話【ユカちゃんのプリン!】



~~~自宅~~~

シオン「キヨシくん!朝だよ!起きて?」

キヨシ「んぅ~まだ平気だよぉ~」ムニャムニャ

シオン「今日の給食はプリンなんでしょ?遅刻したら食べられなくなっちゃうよ?」

キヨシ「プリン!?」ガバッ

シオン「はぁ、やっと起きた」

キヨシ「いっけね!そうだった!サンキューシオン!」

シオン「どういたしまして。ママも朝ごはん用意して待ってるよ」

キヨシ「おう!プリンプリン!」ダッ

ガチャッ バタンッ ガタガタガタ

シオン「いやしんぼだなぁ?」

学校

キヨシ「おっはよー!」ガラッ

女の子「あら、珍しいのね!キヨシくんがちゃんと学校に来るなんて!」

キヨシ「へへ!なんたって今日の給食は・・・ニシシシ!」ダラー

女の子「顔がだらしないわよ?」シラー

キヨシ「んなこと言ってユカちゃんも楽しみなクセにぃ?」ニヤニヤ

女の子(ユカ)「まぁね!今日の給食はクラスでアンケート取って決まったんだもん!」ニコッ

太田「おはよー諸君!ガキ大将のおなりだぞぅ!」ズカズカ

キヨシ「あ!太田!お前もかよ?」

太田「げっ!キヨシ!お前もプリン目当てか!?」

キヨシ「なんで来るんだよ。お前が遅刻してプリン抜きになったら俺の分が増えたのに?」

太田「お前こそ!なんで俺様に断りもなく時間を守りやがった!?」

キヨシ「はぁ!?どうしてお前にそんなこと言われなきゃなんないんだよ!?」

太田「俺様はガキ大将でお前は子分だからだ!」フンス

キヨシ「ふざけんな!デブ田!」

太田「あぁん!誰がブタだってぇ!?」

キヨシ&太田「ンゥギギギギギ!!!」バチバチ

ユカ「二人ともよしなさいよ!ケンカなんかしたらそれこそプリン抜きにされちゃうわよ?」

キヨシ「う!それは困る!」

太田「うほっ!ゆ、ユカちゃんが言うなら・・・」ポッ

キヨシ「きもちわる」

太田「んだとぉ!?」ガッ

キヨシ「うわああ!やめろバカ!プリン抜きになってもいいのか!?」アセアセ

ユカ「あーもうケンカしないで!」

ギャーギャー

パシリ「太田のアニキになんてことを!助太刀するでやんす!」

シオン「ダメだよ。また前みたいに暴走しちゃうから」

パシリ「け、けどアニキ怒ってるでやんす!」

シオン「あれは違うよ。ケンカするほど仲がいいって言うだろ?」

パシリ「じゃあこういう時はどうするでやんす?」

シオン「なにもしないよ。見守るだけ」

パシリ「・・・」

シオン「それが本来の守護霊の役目だからね。あんまり干渉しすぎても宿主の為にならないよ」

パシリ「おいらも役に立ちたいでやんす・・・」

シオン「大丈夫。キミは一生懸命だから、きっと太田くんも安心して暮らせてると思うよ」ニコッ

パシリ「シオン・・・」

シオン「なんだい?」ニコニコ

パシリ「アニキの守護霊でもないクセに分かった風な口聞くなでやんす!」

シオン「へ?」キョトン

パシリ「太田のアニキを一番分かってるのはおいらでやんすからね!?」

シオン「・・・ご、ごめん」ポカーン



きんこんかんこーん

先生「はい!チャイムが鳴りましたので4時間目の授業はおしまいです!当番の子は割烹着に着替えて給食の準備をしてくださーい」

ユカ「はーい!」

キヨシ「ユカちゃん!俺のは野菜少なくしてよ!」

ユカ「ダーメ?先生も好き嫌いはいけませんって言ってたでしょう?」

キヨシ「なんだよケチ~?」

太田「ユカちゅわぁん?俺様は好き嫌いしないでいっぱい食べるからねぇ~?」デレデレ

ユカ「太田くんは食べ過ぎよ。おかわりばっかりして他の子からもねだるんだから?」

太田「そ、そんなぁ~!?」ガーン

ユカ「ふんふふーん!それじゃ給食持ってくるわね!」ルンルン

キヨシ「なんかユカちゃんってお前にそっくりだな?」

シオン「む!どういう意味さ?」プクゥ

太田「また独り言言ってら?変なヤツ?」

パシリ「おいらもアニキと喋りたいでやんすぅ!」

~~~給食室~~~

ユカ「え?うちのクラスのプリンがない・・・?」

おばちゃん「そうなのよ。さっきまでその籠に入ってたんだけど」

ユカ「どうしてうちのクラスだけ・・・」

おばちゃん「不思議よねぇ。とりあえず先生にも聞いてみるけど、ひょっとしたら今日は無しになっちゃうかもねぇ」

ユカ「そんな・・・困ります!みんな楽しみにしてたのに!」

おばちゃん「うーん。あたしも食べさせてあげたいけど無いものはねぇ」

ユカ「大変・・・みんなに教えてあげなくちゃ!」ダッ

~~~教室~~~

ユカ「みんな聞いて!給食室のプリンが無くなっちゃったの!」

ザワッ

ユカ「他のクラスの当番にも聞いてみたけど無くって・・・おねがい!一緒に探して!?」

キヨシ「あったりまえだぜ!あんだけ待ってたのに我慢出来るか!」

太田「俺様も力を貸すぜ!」

男子A「ぼくも!」

女子A「あたしも!」

ユカ「みんな・・・ありがとう!」パァァ

10分後

キヨシ「うーん、無いなぁ」キョロキョロ

太田「他の学年も見てきたけど無かったぞ」

ユカ「どこにあるのかしら・・・」

女子A「あった!」

キヨシ「ほんとか!?」

太田「どこだ!?」

女子A「ユカちゃんのロッカー・・・」マゴマゴ

ユカ「え?」

男子A「あー!?ほんとだ!ランドセルの下にある!」

男子B「隠してたのかよ!」

ユカ「ち、ちがうよ!わたしは・・・」オロオロ

女子A「でも・・・給食室に入ったのってユカちゃんだけだよね?」

ユカ「!?」

男子A「こっそり一人占めしようとしてたんだよ」

男子B「うわ、最低だな」

女子B「えー・・・ユカってそんなことする子だったんだ」

ユカ「そんな・・・わたし、盗んでなんか」

キヨシ「そうだよ!ユカちゃんが盗むはずねーだろ!」

太田「おうともよ!ユカちゅわぁんを悪く言うヤツは許さねぇかんな!」

ユカ「二人とも・・・」

ザワザワ ザワザワ

委員長「決めつけはよくないわ!ここは学級委員のわたくしが指揮をとります!」

キヨシ「がっきゅいいん?なんだそれ!?」

太田「インパクトでビス打ち込む音か!?」

委員長「シャラップ!他の当番の子たちはその時なにしてました!?」

当番A「ちょっとトイレに」

当番B「ぼくはユカちゃんの後に来たよ」

委員長「これは間違いなくユカさんの仕業ですわ!」

キヨシ&太田「」ガクッ

ユカ「な、なんでそうなるのよ~!」

委員長「犯人は現場に戻る、と言いますしね」キラン

ユカ「自分のクラスなんだから当たり前でしょう!?」

委員長「おだまりなさい!わたくしの目は誤魔化せませんことよ!」

ユカ「ちがうもん!絶対わたしじゃないもん!」プンスカ

シオン「大変なことになったね。キヨシくん」

キヨシ「ああ!これじゃ給食の時間が無くなってプリンが食べられねぇ!」

シオン「その前にユカちゃんの誤解を解くのが先でしょ!まったくキヨシくんは意地汚いんだから?」

キヨシ「なんとかなんないのか!シオン!?」

シオン「そうだね・・・まずは彼女の守護霊に話を聞いてみよう」

キヨシ「うし!頼んだぞ!」

シオン「まかせて!」コクッ

太田「おいキヨシ!ユカちゅわぁんが疑われてるってのにぶつぶつ言ってる場合かよ!?」

キヨシ「うるせぇ!こっちは忙しいんだよ!!」

太田「うお!?な、なんかすまん?」オロオロ

シオン「ユカちゃんの守護霊。いるなら出てきて!」

ポンッ!

少女「・・・なに?」ジッ

シオン「はじめまして。状況は見てたよね?」

少女「・・・」

シオン「ユカちゃんが誤解を受けてる。キミも見過ごせないだろ?」

少女「ユカは・・・やってない」

キヨシ「だよな!ユカちゃんがやるわけねーし!」

少女「あなた・・・私が見えるの?」

シオン「キヨシくんは霊媒師なんだ」

少女「ふーん・・・」

キヨシ「俺キヨシ!よろしくな!」ニッ

少女「・・・」

キヨシ「返事くらいしろよ!愛想わりーな」

シオン「まぁまぁ?それより給食室の様子に変わったこととかなかった?」

少女「さぁ・・・」

シオン「そうか・・・それが分かれば疑いも晴らせると思ったんだけどな」

少女「・・・犯人探しなんてムダよ」

キヨシ「つったって犯人見つけなきゃみんなも納得しねーし」

少女「私がやったんだもの」

キヨシ&シオン「え?」

少女「プリンを隠したのは私・・・」

キヨシ&シオン「えぇぇぇ!?」

少女「おどろいた?」クスッ

シオン「な、なんでそんなことを?」

少女「ユカの大好物だから・・・」

キヨシ「俺も大好物だし!」

少女「ふっ」ニィィ

キヨシ「なんだその勝ち誇った笑い!?」

少女「ユカは女の子だから甘い物が大好き・・・でも太るのを気にして我慢してしまうの・・・」

少女「好きならいっぱい食べればいいのに・・・たまに自分へのご褒美にプリンを食べるユカ、とっても幸せそう」

少女「ユカの幸せは私の幸せ・・・宿主を幸せにしてあげるのは間違ってる?」

シオン「間違ってるね。彼女を見てごらんよ」

少女「」ピクッ

ブーブーブーブー

ユカ「ちが・・・わたし・・・やってないもん」ウルウル

キヨシ「ユカちゃん・・・」

シオン「かわいそうに・・・なにもしてないのにみんなから責められて泣きそうじゃない」

少女「余計なお世話・・・心配いらないわ」ブワッ

ヒュンヒュンヒュンヒュン!

女子A「きゃあ!?筆箱が飛んできた!?」

男子A「いで!チョークが当たったぞ!」

委員長「静粛に!ここはひとまず学級委員であるわたくしがボフンッ!?」バフッ

女子B「委員長の顔に黒板消しが!?」

太田「うおお!?どうなってんだぁ!?」

ユカ「なに・・・これ?」

少女「ウフフ・・・ユカをいじめる子はみぃんな不幸にしてあげる」クスッ

シオン「やめるんだ!そんな風に力を使ったら、もっとユカちゃんがいじめられちゃうよ!?」

少女「いいわよ・・・私が守るもの」

キヨシ「いい加減にしねーと怒るぞ!?」

少女「やってみたら・・・?私はユカを守る為ならなんだってする・・・」

キヨシ「それがユカちゃんを傷つけてるってなんでわかんねぇんだよ!?」

少女「あなたにユカのなにが分かるの・・・?」

キヨシ「分かるよ!友達だからな!?」

少女「友達・・・そんなつまらない繋がり・・・ユカにはいらない・・・!」ブオォォォオオ

キヨシ「うあ・・・や、やべぇ!すげぇ風だ!?」ググッ

シオン「強い想いが働いて暴走してる!このままだとクラスのみんなにケガをさせるよ!?」

キヨシ「シオン!こうなったら合体だ!あいつを止めるぞ!?」

シオン「合体じゃなくて憑依なんだけど・・・そうするしかなさそうだね!いくよ!」ヒュンッ

キヨシ「バッチこい!!」

『憑依!!』

キヨシ「へっへーん!お待たせ!」

『誰が待ってたんだろう・・・?』

少女「なにそれ・・・おふざけのつもり?」

キヨシ「覚悟しろよ!俺とシオンが合体したら無敵だぜ!」

『だから憑依だってば・・・』

少女「つまらないわ・・・センスないのね」ブワッ

ヒュンヒュンヒュンヒュン

『きたよ!キヨシくん!』

キヨシ「バリア!」ブンッ

カカンカンカンッ!

少女「・・・!?」

キヨシ「効かねぇよ!」

少女「・・・!!」イラァッ

『もうやめよう!ユカちゃんもこんなこと望んでない!』

少女「やめない・・・!私が・・・ユカを守る・・・!」

キヨシ「バカじゃねーの?」

少女「バカ・・・!?」

キヨシ「お前、なんにもユカちゃんの気持ち考えてないじゃん」

少女「ユカの気持ちは私の気持ち・・・私とユカはあなたたち生者より、ずっと深く繋がってる・・・!!」

キヨシ「いいや、ウソだね!ユカちゃんのこと悲しましといて笑わせんなっての?」

少女「許さない・・・あなただけは・・・絶対に・・・!」ブオォォォオオ

キヨシ「うお!?」ダンッ

『そんな!結界ごと弾き飛ばされるなんて!?』

少女「ウフフ・・・私の想いに宿る力・・・ユカとの絆・・・!」ニィィ

ブオォォォオオ

ワァーワァーキャーキャー!

太田「ぐああ!」ドタッ

パシリ「アニキ!ちくしょう!よくもやってくれたでやんすね!おいらが相手でやんす!」

少女「邪魔・・・」ブワッ

パシリ「ぎえっ!?」ビタンッ

キヨシ「みんな!教室から出ろ!巻き込まれんぞ!?」

ダダダダダッ

ユカ「なに・・・この風、なんなの?」ブルブル

キヨシ「ユカちゃんも逃げるんだ!」

ユカ「周りに風が吹いてて動けないわ!」

キヨシ「くそ!あぶねぇから止めろよ!」

少女「イヤよ・・・離れられないようにもっと風を強めないと」ブオォォォオオ

ビュービュー ゴォォォオオオ

『キヨシくん!あぶない!』

キヨシ「わっと!」ヒョイッ

ゴンッ!

キヨシ「っぶね~~~!!!机が飛んでるよ?」ハラハラ

『女の子に手を出したくなかったけど・・・そうも言ってられないね』

キヨシ「おう!力づくでやってやるぜ!」

少女「バカね・・・勝てると思ってるの?」クスッ

キヨシ「勝てる!!」ニッ

少女「あっ・・・そ!!!」ブオォォォオオ

『キヨシくん!大きい物が飛んでくるよ!!』

キヨシ「へんっ!関係ないね!スモークショット!!」シュボボボボッ

バスッバスッバスッ

『やった!撃ち落とした!』

少女「なっ・・・」

キヨシ「どうだ!?」

少女「・・・!」ギリッ

少女「なんなの・・・なんなのよ・・・私の邪魔・・・しないで!」カッ

ビュンビュンビュン

『ま、まずい!見境なくなってる!』

ユカ「きゃっ!?」ビクッ

少女「ゆ、ユカ!?」ハッ

キヨシ「スモークショット!」ボシュッ

バスッ!

ユカ「はぁ・・・怖かったぁ」ホッ

キヨシ「大丈夫か!ユカちゃん!?」

ユカ「う、うん!ありがとう・・・」ドキドキ

キヨシ「おい!ユカちゃんがケガするとこだったぞ!?気をつけろよ!?」

少女「あ、ああ・・・ちがう・・・私、私」ガタガタ

『・・・』

キヨシ「よぉし!スモーク・・・」バッ

少女「!」ビクッ

『憑依解除!!』

キヨシ「え!?」ピタッ

ポンッ!

シオン「ふぅ!もう勝負は着いてるよ。むやみに攻撃したらダメ」

キヨシ「ちぇ・・・まあそうだな。男が女に手出すとかダセーし」スッ

ユカ「ね、ねえ!さっきからなにが起きてるの?その指先から煙を飛ばすのとかどうやって・・・?」

キヨシ「俺、霊媒師なんだ!」

ユカ「れーばいし?」

キヨシ「オバケと友達になれるんだぜ!さっきの風もユカちゃんの守護霊がやってたんだ!」

ユカ「え?わたしの・・・?」

キヨシ「そうだよ!プリンを隠したのもそいつの仕業だ!」

ユカ「ひ、ひどい!どうしてそんな悪いことするの・・・!?」

少女「・・・!」キュッ

ユカ「守護霊なんでしょ!?なのにあんなことして!みんなを困らせて!わたし・・・すごく辛かったのに!?」キッ

少女「わ、私はユカの為に・・・」

ユカ「どこにいるの!?姿を見せなさいよ!みんなにも謝って!?」キョロキョロ

少女「どうして・・・どうしてそんなこと言うの?」ウルッ

シオン「人に迷惑をかけたら謝るのは当然だよ。ユカちゃんのことをよく知ってるキミなら彼女が真面目なのも知ってるだろ?」

少女「私、悪くない・・・!悪くないもん!」プルプル

ユカ「出てきて!謝って!?」

少女「!」ビクッ

シオン「・・・」

シオン「寂しいよね」

少女「・・・?」ウルウル

シオン「生者は簡単に見たいなんて言うけど・・・ボクらは見てもらいたくても普通の人の目に写らないんだもん」

少女「・・・」

シオン「いつもがんばってるのに気付いてもらえない。お友達と楽しそうに話してるのを眺めてると嫉妬してしまう時もあるよ」

少女「うん・・・」コクリ

シオン「だけどさ、キミも言ってただろ?」

少女「?」

シオン「たまのおやつにプリンを食べるユカちゃんは幸せそうだって?」

少女「!」

シオン「そういう笑顔を見ると守りたくなるよね?たとえその笑顔がボクたちに向けられないとしてもさ?」ニコッ

少女「・・・」

シオン「・・・」

少女「私、謝りたい・・・」ボソッ

シオン「!」パァァ

少女「けど・・・ユカに私は見えない」シュン

キヨシ「ならユカちゃんも霊媒師になればいいだろ!」

シオン「え!?」

キヨシ「ユカちゃん!ちょっといいか?」

ユカ「な、なに?」

キヨシ「このお札、デコに貼ってみてよ!オバケが見えるようになるから!」ピラッ

ユカ「そんな簡単なものなの!?」

キヨシ「いいから!ほら!守護霊と話したいんだろ?」

ユカ「ま、まあ・・・」ペタッ

ユカ「・・・」オズオズ

ユカ「!?」ハッ

シオン「やあ!はじめましてユカちゃん!」ニコニコ

少女「・・・」モジモジ

ユカ「え?え!?」オロオロ

キヨシ「へっへーん!ビックリしたろ!?」

ユカ「い、いつ!?いつからいたの!?」アタフタ

キヨシ「最初からだよ!言ったろ?ユカちゃんの守護霊がイタズラしてんだって?」

ユカ「ど、どっちがわたしの守護霊なの?」

シオン「もちろん・・・」

少女「そっち!男の子!」ビッ

ユカ「え?この子?」

シオン「は!?えぇ!?」ギョギョッ

キヨシ「ちげーよ!シオンは俺の守護霊だし!」

ユカ「そ、そうなの?」

シオン「どうしてウソつくのさ!?ビックリしたよ!?」

少女「う、ウソなんて・・・」モジモジ

シオン「もしかして・・・照れてるの?」

少女「!」ギクッ

シオン「あんなにやっといていまさら・・・」シラー

少女「だ、だって・・・」モジモジ

ユカ「あなたがわたしの守護霊なの?」ジッ

少女「!」ドキンッ

ユカ「なぜあんなことしたの?」ジー

少女「・・・!」プイッ

ユカ「教えて?」

少女「・・・」ギュッ

ユカ「わたしにはあなたが悪い子に見えないわ?本当にあなたがやったの?」

少女「・・・!」バッ

ユカ「ねえ、答えて?わたし、もう怒ってないよ?」ニコッ

少女「~~~!!」ポロッ

少女「ひんっ・・・ひぐ、ぐす」ポロポロ

ユカ「え!?どうしたの!?」

少女「うれ、し・・・わらって、くれた。ユカが・・・わたしに・・・」グズグズ

ユカ「?」キョトン

シオン「っ・・・」グスッ

キヨシ「なんでシオンまで泣くんだよ?」

シオン「キミたちにはピンとこないかもしれないけど・・・ボクらはずっと宿主を見てきたんだ」ゴシゴシ

キヨシ&ユカ「・・・?」

シオン「ボクにも・・・分かるよ?とても、とても嬉しいよね?」ニコッ

少女「ぅぅ・・・う゛ん」ズビッ

キヨシ「なんか・・・」

ユカ「うん。ほっこりしちゃった」クスッ

ユカ「そっか。わたしの大好物だから喜ばせたくて?」

キヨシ「だからって癇癪起こすなよな!後片付けが大変だよ!」

少女「ごめんなさい・・・」シュン

シオン「ボクも手伝うよ。憑依してやればあっという間さ!」

キヨシ「おう!お前もやんだぞ?」

少女「わかったわ・・・」

ユカ「あ!ところであなたの名前は?」

少女「へ・・・?」

ユカ「だってわたしの守護霊なんでしょ?名前、教えて?」ニコッ

少女(リク)「り、リク・・・」モジモジ

ユカ「そう!よろしくね!リク!」スッ

リク「!?」

ユカ「握手しましょ?わたしたち友達でしょ?」キラキラ

リク「よ、よろしく・・・」スッ

ユカ「あれ?触れないわ?」フワッ

リク「あ・・・」

ユカ「・・・大丈夫!だってこうしてお話出来るものね?」ニコッ

リク「・・・!」カァァ

キヨシ「あはは!赤くなってら?」

シオン「よかったね!」

キヨシ「おう!シオンのおかげだぜ!サンキューな!」

シオン「ううん!キヨシくんががんばってくれたから!」

ユカ「ふふ!二人とも仲がいいんだね?」クスッ

キヨシ「たりめぇだろ!シオンは俺の相棒だもんな!」

シオン「う、うん!そうだね・・・!」キュンッ

リク「あなたの宿主も素敵な人ね・・・?」ボソッ

シオン「えへへ!ちょっと困った時もあるけどね?」テレテレ

ガラッ

先生「大丈夫ですか!?生徒たちから謎の強風に襲われて避難してきたと・・・きゃあああ!?」

キヨシ「あ、先生!」

先生「教室が・・・ひどい有り様に・・・!?」

キヨシ「もうおさまったよ!それより早く給食にしようぜ!」

ユカ「もうお昼休みの時間だけどね?」クスクス

先生「そ、その前に掃除です!」

キヨシ「えー!いいじゃん、食べたらで?」

先生「い、いけません!お掃除してから・・・」

キヨシ「みんなも入ってこいよ!プリン食べ損ねちゃうぜ?」

ドドドドドッ ワァーワァー!

先生「あ!ちょっと!み、みんな・・・!」アタフタ

キヨシ「うし!じゃあみんなの誤解も解かなきゃだな?」

ユカ「う、うん。信じてくれるといいけど・・・」

リク「ごめんなさい・・・」

キヨシ「だぁいじょぶだって!俺に任しとけ!」

ユカ「キヨシくん・・・」

太田「なにぃ!?プリンが強風に飛ばされてユカちゃんのロッカーに入っただぁ!?」

キヨシ「おう!」

ユカ「(な、なんて苦しい言い訳・・・!?)」

太田「そうか!じゃあしょうがねぇな!」ウンウン

ユカ「(信じるの!?)」ガーン

委員長「ありえませんわ!そんな非科学的な話!だいたい証拠はありますの!?」

キヨシ「う・・・それは考えてなかった」

ユカ「(浅っ!?)」ガガーン

委員長「やはりユカさんが犯人で間違い・・・ハァッ!?」デデーン

ベチャベチャ

委員長「ぷ、プリンが散乱してこぼれてますわ・・・!」

キヨシ「げっ!?ほんとだ!?」

ユカ「ビンの容器だったから割れちゃったのね・・・」

委員長「 これでは犯人も食べられません!つまりユカさんは犯人ではない・・・!?」ハッ

太田「だな!間違いねぇぜ!」

委員長「皆さん!ユカさんは潔白ですわ!」

男子A「ごめんな。疑ったりして」

女子A「ユカちゃんが盗んだりするわけないもんね」

ユカ「い、いいよ!あはは?(い、いいのかな?無理やりな気もするけど・・・?)」ヒクヒク

キヨシ「あー俺のプリンがぁ~~~!?」シクシク

シオン「プリンくらいでみっともないよ。ユカちゃんの疑いが晴れたんだからいいじゃない?」

キヨシ「うるせぇ!オバケなんかにプリンを待ちわびる男子の気持ちはわかんねーよ!?」

シオン「ま、またそんな言い方して!もう知らないからね!」プイッ

太田「あいつまたぶつぶつ言ってら」

パシリ「ケンカするほど仲がいい、でやんすね!」

ユカ「(ふふ、ありがとう。キヨシくん?)」チラッ



~~~自宅~~~

キヨシ「はぁ!今日は疲れたぜ!おかわり!」

ママ「はいはい。よく食べるのね」

シオン「給食のプリンがなくなって野菜ばっかりだったから拗ねちゃって、ほとんど残しちゃったんです」

ママ「まぁ!ダメでしょ?給食を残したりしたら?」

キヨシ「ふん!余計なこと言うし口うるさいし!ヤな奴だよな!」

シオン「なにさ!キミの為に言ってるんでしょ!」

キヨシ「だからそれが余計なんだっつの!空気読めよ!」

シオン「あきれた!自分だって食い意地ばかり張ってユカちゃんよりプリンの心配してたクセに!?」

キヨシ「してねーよ!」

シオン「嘘つきは泥棒のはじまりだよ!」

キヨシ「そうやって一々ことわざ挟んでくるとこも鼻に付くんだよ!」

シオン「キミが勉強しないから会話に取り入れてるの!」

キヨシ「お前は俺の家庭教師か!?」

シオン「守護霊ですけど!?」

ギャアギャア!

ママ「うふふ、仲のいいこと」クスクス

ポンッ!

アンナ「マーマ!」

ママ「どうしたの?アンナちゃん?」

アンナ「そろそろよくなぁい?あいつらが動き出してるかもしれないし・・・」ピッ

TV『続いてのニュースです。今朝、コトブキ町で謎の火災が発生し・・・』

ママ「・・・」

アンナ「キヨシのクラスメートの異変もたぶん奴らの出現で発生した磁場が影響してるかもよん?」

ママ「そうね・・・。でも出来れば知らないままにしてあげたいわ」

アンナ「もう!頑固なんだから!」

ママ「(キヨシを危険な目には合わせない・・・そう誓ったものね。あなた)」ジッ

父の写真「」ポツン

end

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom