やよい「雪歩お姉ちゃん!」 (45)
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某日・765プロ事務所
やよい「雪歩さんと…」
雪歩「やよいちゃんが…」
P「ああ!ドラマ出演が決まったぞ!しかもゴールデンタイムだ!」
雪歩「ゴールデン…うぅ~もう緊張してきましたぁ」
やよい「うっうー!雪歩さん!一緒にがんばりましょー!」
P「このドラマなんだがな…二人は姉妹役で出てもらうことになっている」
やよい・雪歩「姉妹?」
P「ああ。ドラマの設定としてはだな…」
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P「…といった感じだな。まあ後で台本も届くからしっかり読み込んでな」
雪歩「はい。私がやよいちゃんのお姉ちゃん役かぁ…」
P「お姉ちゃんの先輩であるやよいに色々教えてもらったらいいんじゃないか?」
やよい「お姉ちゃんのことなら教えてあげられますよ!でも私も妹役ちょっと不安かも~」
P「まあやよいは事務所の中で妹的存在な気がするけどな。演じるのとはちょっと違うか」
雪歩「プロデューサーが頑張って取ってきてくれたお仕事だし…やよいちゃん!頑張ろうね♪」
やよい「はい!雪歩さん!」
帰り道
雪歩(お姉ちゃんかあ…一人っ子だから憧れはあったけど…)
雪歩(やよいちゃんみたいな可愛くて優しい子が妹だったら幸せだろうなぁ)
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やよい『雪歩お姉ちゃん!和菓子持ってきたよー!』
雪歩『やよいちゃんありがとう。私はお茶入れとくね』
やよい『えへへ…雪歩お姉ちゃんのお茶おいしいから大好き♪』
雪歩『そ、そうかな…そう言ってもらえると嬉しいな』
やよい『あ、あのね、お姉ちゃん』
雪歩『どうしたの?』
やよい『きょ、今日一緒に寝てもいい?』
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雪歩「うん、いいよ、やよいちゃん…」
真「雪歩?雪歩!どうしたの?」
雪歩「ふぇぇ!?ま、真ちゃん!?」
真「ど、どうしたんだよ雪歩。何だかぼーっと歩いてたみたいだったけど」
雪歩「な、なんでもないよ」
真「ま、まあいいけど。それより雪歩!聞いたよ。ドラマ出演決定おめでとう!」
雪歩「うん、ありがとう!真ちゃん」
真「やよいもだよね!いやぁすごいなー。確か姉妹役だっけ?」
雪歩「うん、そうなの。でも私一人っ子だからお姉ちゃん役をうまく演じられるかちょっぴり不安で…」
真「へへっ!大丈夫だよ、雪歩!雪歩の演技力はみんなが認めてる」
雪歩「真ちゃん…」
真「この前の貴音とのミュージカルだってすごい評判だったじゃないか!貴音もすごい褒めてたよ!」
雪歩「ありがとう、真ちゃん。…そうだよね。いつまでも自信がないって言ってちゃだめだよね」
真「うんうん。僕は演技に関して雪歩はやよいをサポートできるくらいだと思うんだ」
雪歩「私が…やよいちゃんを…?」
真「そう。やよいはライブでのスタミナとかは目を見張るものがあるけど、演技の経験は雪歩より少ないでしょ?」
雪歩「うん、そうかも…」
真「やよいも不安を抱えてると思うんだ。でもやよいはあんまり弱さを見せないから…だから雪歩が支えてあげれば仕事もうまくいくんじゃないかなってさ」
雪歩「真ちゃん…うん、やよいちゃんを…そうだよね」
雪歩「私、今回のお仕事でまた一つステップアップできるようにがんばりますぅ!」
真「その意気だよ!雪歩!僕もできることがあれば協力するからね!」
雪歩「ふふっ、ありがとう、真ちゃん♪」
高槻家
やよい「それじゃあもやし祭りはじめまーっす!」
かすみ・浩太郎・浩司「「「おーーーっ!!!」」」
長介「ホットプレート触らないように気をつけろよ」
伊織「あら♪気が利くようになったじゃない?」
響「うんうん、男子三日会わざれば活躍して見よってヤツだな!」
伊織「刮目ね。意味も微妙に…ってまあいいわ。双海姉妹みたいなことやってるんじゃないわよ」
響「うぎゃー!間違えたー!かっこいいとこ見せようと思ったのに…」
美希「でこちゃん細かいの」
伊織「うるさいわね。あとでこちゃん言うな」
やよい「響さんはかっこいいですよ?」
響「うぅ…やよいのやさしさが心にしみるぞ…」
やよい「とりあえず食べましょー!第2弾、いっくよー!」
伊織「え!?もうなくなってたの!?美希!アンタ食べすぎなのよ!」
美希「え?だってすっごくおいしいよ?」
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響「ふぅ…食べた食べた…」
やよい「長介~、浩太郎と浩司をお風呂に入れてくれる?」
長介「わかったー。ほら、浩太郎、浩司、行くぞ」
浩太郎・浩司「「はーい」」
「……」
伊織「じゃあやよい、話を聞こうかしら?」
やよい「うん…、あのね、今度雪歩さんとドラマで姉妹役を演じることになったんです」
響「うんうん」
やよい「私は妹役で…お姉ちゃん役なら自信あったんだけど妹って考えたことなくて…」
やよい「そこで今日は妹のみなさんに集まってもらって妹けいけんだんを聞こうと思ったんです!」
伊織「それで私と響と美希、それとかすみちゃんってわけね」
響「なるほどなー。でも自分と伊織は男兄弟だからな。お姉ちゃんがいる妹はまた違うかもなー」
伊織「そうね。かといってこの子はあんまり当てにならないでしょうけど…」
美希「むぅ、でこちゃんシツレイしちゃうの!ふふふ、ミキにおまかせなのっ」
響「お、美希なんかあるのか!?」
美希「妹のヒケツはね…ズバリ、甘えることなの!」
やよい「甘えることですか!メモしなきゃ」
美希「これは数日前…ミキはすっごく眠かったの」
響「何か始まったぞ…」
美希「だけどママにお風呂洗いなさーいって言われたの」
美希「でもミキは眠かったからお昼寝したかったの」
美希「だからお姉ちゃんに『お願い!今度ゴージャスセレブプリン買ってきてあげるからお風呂洗い替わって!』ってお願いしたの」
伊織「あんたねぇ…」
響「かすみ、聞いちゃだめだぞ」
かすみ「うん…」
美希「そうしてミキはお昼寝することができました。めでたしめでたしなの」
伊織「はぁ…まあここまでのわがままは無いとしても甘えるっていうのは妹の特権かもね」
やよい「そうなのかな?」
響「たしかにな。かすみはやよいに甘えたりしないのか?」
かすみ「えぇ!?えっと…たまに一緒の布団で寝てもらったり…」
伊織「美希にもこんな頃があったのかしら…」
美希「あったと思うな」
伊織「まあともかく。やよいも雪歩に甘えるというか…色々と頼っていいと思うわ」
やよい「頼る…」
響「うんうん!雪歩の演技はカンペキな自分も見習うくらいだし!」
伊織「そうねぇ…雪歩お姉ちゃんって呼んでみたら?喜ぶかもしれないわよ、にひひっ♪」
やよい「雪歩お姉ちゃん…うぅ~照れるかも~」
美希「雪歩お姉ちゃん…いいかもなの…ムニャムニャ」
伊織「寝るの早いわよ…あんたお風呂入らないの?」
美希「入るの…」
長介「姉ちゃーん、出たよー」
やよい「あ、はーい!じゃあお風呂入りましょう!いっぺんには入れないですけど」
伊織(美希と入ると美希の世話までしないといけなさそうね…)
伊織「じゃあかすみちゃんとやよいと私でまず入ろうかしら?」
響「え!?」
伊織「響、美希をよろしくね♪ほらかすみちゃん、いきましょ?」
かすみ「はーい」
響「おい、伊織…」
美希「う~ん、ひびきぃ…」
響「うぎゃー、美希ー!起きろー!」
やよい「響さ…」
伊織「やよい入らないの?」
やよい「伊織ちゃん!響さんをきゅうしゅつしてくるから先に入ってて!」
伊織「もう…ほんとあなたのお姉ちゃんはいい子ね」
かすみ「うん、そうなの♪」
伊織「ふふっ。じゃあ2人で入りましょうか」
かすみ「うん!」
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美希「はにぃ…おにぎりかってきてなの…ムニャムニャ…」
響「たかねぇ…それははるかのリボンだぞ…」
やよい「ふふふっ」
伊織「なんて寝言よ…ふふっ」
伊織「…ねえやよい?」
やよい「なあに?伊織ちゃん?」
伊織「ドラマ、がんばってね」
やよい「…うん!ありがとう、伊織ちゃん!」
数日後・765プロ事務所
やよい「おはようございまーっす!」
小鳥「おはよう、やよいちゃん♪」
やよい「あ、小鳥さん!雪歩さんもう来てますか?」
小鳥「ええ来てるわよ。奥であずささんとお茶飲んでるわ」
やよい「ありがとうございます!」
やよい「雪歩さん!あずささん!おはようございます!」
雪歩「あ、おはよう。やよいちゃん」
あずさ「やよいちゃん、おはよう~」
雪歩「やよいちゃん、一緒にお茶しない?」
やよい「いいんですか?」
雪歩「もちろんだよ♪」
あずさ「大歓迎よ~」
やよい「じゃあ手洗いうがいしてきます!ちょっと待っててください!」
雪歩「ふふ、慌てなくていいよーやよいちゃん」
あずさ「そういえば雪歩ちゃんとやよいちゃん、姉妹役でドラマに出るのね」
雪歩「はい、そうなんですぅ」
あずさ「ふふ、おめでとう♪」
雪歩「ありがとうございます!やよいちゃんと一緒に頑張りますぅ」
あずさ「がんばってね~」
雪歩「はい!」
やよい「お待たせしました!」
雪歩「あ、やよいちゃん!お茶入ってるよ、どうぞ。座って?」
やよい「ありがとうございます!いたただきまーっす!」
雪歩「ふふっ、どうぞ♪」
あずさ「何だかもう二人とも姉妹みたいね~」
雪歩「そうですか?えへへ…何だか嬉しいな」
やよい「そうですね!雪歩さ…雪歩お姉ちゃん!」
雪歩「ゆ、雪歩お姉ちゃん!?」
やよい「うぅ~ダメですか?」
雪歩「だ、だめじゃないけど…恥ずかしいですぅ…」
あずさ「あらあら~」
小鳥「あぁ…いい光景ですね…」
P「そうですね…」
律子「2人とも…いつまでも眺めてないで手を動かしてください」
P・小鳥「はい…」
翌日・ドラマ撮影スタジオ
P「監督さん!おはようございます。今日はうちのアイドルたちがお世話になります」
監督「おお、765さん。もう二人は来てますか?」
P「はい!今控室で着替えているところです」
監督「そしたら着替え終わったら打ち合わせしましょうか」
P「はい。二人にも伝えてきますね」
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・・・・・・・
監督「今回のドラマでの姉妹の設定だけど…もう読み込んできてるかな?」
雪歩・やよい「はい」
監督「一応確認しておくと、両親を亡くした姉妹、体は弱いが芯の強い姉と頑張りやで元気いっぱいな妹、そんな姉妹を中心とした人情ものという感じかな」
P(性格的に雪歩とやよいにしっくりくる役だな)
監督「二人には期待してるよ。ただ演技に対しては妥協しないからね。いいドラマを作っていこう」
雪歩・やよい「はい!」
監督「よし、早速撮影に入ろうか」
スタッフ「本番よーい、アクション!」
やよい「お姉ちゃん、アルバイト行ってくるね!」
雪歩「あんまり無理しちゃだめだよ?」
やよい「わかってるよ!もう、お姉ちゃんは心配性なんだから」
雪歩「だって心配なんだからしょうがないじゃない…。店長さんにもよろしく言っておいて」
やよい「うん!それじゃあ、行ってきます!」
雪歩「行ってらっしゃい」
やよい「お父さん、お母さん…行ってきます!」
監督「カーット!うん、じゃあもう一回いってみようか」
雪歩・やよい「はい!」
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・・・・・・・
監督「今日は良かったよ、二人とも」
雪歩「ありがとうございますぅ」
やよい「ありがとうございまーっす!」
やよい「良かったですね!雪歩お姉ちゃん!」
雪歩「うん!って、やよいちゃん!?事務所以外ではだめですよぉ…!」
やよい「はわっ!そうでした!演技中もお姉ちゃんって呼んでたから…えへへ」
雪歩(かわいいから許しちゃいますぅ!)
雪歩「…ふふっ、今日のやよいちゃんはすごく良かったと私も思うよ♪」
やよい「ほんとですか?うっうー!すっごく嬉しいかも!」
やよい「じゃあ雪歩さん」スッ
雪歩「あ、うん!」スッ
やよい「えへへ、はいたーっち!いぇい!」
雪歩「いぇい♪ふふっ」
帰り道
ブーン…
雪歩「プロデューサー、わざわざ送っていただいてありがとうございますぅ」
P「いいっていいって。それにしても…二人とも今日は良かったんじゃないか?」
やよい「はい!なんだか雪歩さんと一緒だとすーっごく演技がしやすいかなーって」
P「おお、そうなのか」
雪歩「そんなこと…私だってやよいちゃんがほんとの妹みたいに思えてすごくやりやすかったよ」
P「はは!最近の二人はほんと姉妹みたいだもんな」
やよい「えへへ…」
雪歩「…ねえ、やよいちゃん」
やよい「?なんですか、雪歩さん?」
雪歩「今日はうまくいったけど、これからうまくいかない日もあると思うんだ」
やよい「はい」
雪歩「そういう時があったらね…そのね…私を頼ってほしいな」
雪歩「私、全然ダメダメなことばっかりだけど…演技はほんのちょっとだけ自信がついてきたの」
雪歩「だから、困ったら遠慮しないで私に相談してね。私なんかが力になれるかわからないですけど…」
やよい「雪歩さん…はい!ありがとうございます!それに雪歩さんは全然ダメダメじゃないですよ?」
P「そうそう。立派なお姉ちゃんしてるよ」
雪歩「うぅ…恥ずかしいですぅ…穴を掘って…」
P「ちょ、ちょっと待て雪歩」
やよい「雪歩さ~ん、ダメですよ~!」
P(はは…こういうところは変わらないのか…)
P(…成長したな、雪歩)
高槻家
やよい「ただいまーっ!」
やよ母「おかえり、やよい」
長介「母さん、洗濯物たたみ終わったよ…って姉ちゃんおかえり」
やよい「ただいま」
やよ母「ありがとう、長介。今日野球の練習もあって疲れてるでしょ?もう寝なさい」
長介「はーい。おやすみ」
やよい「おやすみ…」
やよい「………」
やよい「お母さん、長介こんな時間まで起きてお母さんのお手伝いしてるの?」
やよ母「そうねえ…ふふっ、やよいに負担をかけたくないんだって頑張ってるみたいよ」
やよい「へえー…何だか頼りになるかも!」
やよ母「ふふっ、そうね。やよいも疲れてるでしょ?お風呂に入って早く寝ちゃいなさい」
やよい「はーい」
やよい(長介が私のために…)
やよい(私も頑張らなきゃ…ドラマ、絶対成功させなきゃ…!)
数日後・ドラマ撮影スタジオ
やよい「入院…?」
雪歩「ごめんね、明日はあなたの誕生日なのに…」
やよい「…うそつき」
雪歩「え?」
やよい「明日は一緒に家でお祝いしてくれるっていったのに!お姉ちゃんなんて大嫌い!」
監督「カーット!」
監督「…うーん、もっと感情を込めて…思わず出てしまった嫌いって言葉を表現してほしいな、難しいけど」
やよい「うぅ…はい!もう一回お願いします!すみません、雪歩さん…」
雪歩「ううん、一緒にがんばろう、やよいちゃん」
P(5回目のリテイクか…ここが正念場だな。がんばれ、やよい!)
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
監督「カーット!」
監督「…今日はここまでにしようか。今まで順調に来てたからまだ時間的余裕はある。じっくり詰めていこう、焦らずね」
やよい「はい!…すみません…」
監督「謝る必要はないよ。ではまた明日の撮影で」
P(結局OKは出なかったな…うわさ通り求めるレベルの高い監督だ)
P「やよい、大丈夫か?さすがに疲れたろ?温かい飲み物買ってくるから先に雪歩と楽屋に戻っててな」
やよい「はい…」
P「雪歩にも買ってくるな」
雪歩「あ、はい。ありがとうございますぅ」
雪歩(・・・・・・・)
雪歩(…あのいつも元気なやよいちゃんが落ち込んでる)
雪歩(こういう時こそ支えてあげなきゃダメなのに…なんて声かけてあげていいのかわからないよ…)
雪歩(やっぱりダメダメだな…私…)
楽屋
ガチャッ
バタン
やよい・雪歩「・・・・・・・・・」
やよい「あの!雪歩さん!」
雪歩「ふぇ!?ど、どうしたの?やよいちゃん!」
やよい「今日はごめんなさい!でも次は絶対、絶対うまくやります!」
やよい「がんばりますから…もっと…だからどうしたら良くなるか教えてください!お願いします!」
雪歩「やよいちゃん…」
やよい「絶対成功させたいんです!成功して…成功して…」
雪歩(…ダメダメとか言ってる場合じゃないよね、私…)
雪歩(やよいちゃんに頼ってって言ったのは私なのに…変わらなきゃ…変わりたい!)
雪歩「やよいちゃん!」ギュッ
やよい「はぶっ!雪歩さん?」
雪歩「一緒にどうしたら良くなるか考えよう?でも、その前にね…」
雪歩「今日、辛かったよね。がんばってもがんばっても報われなくて」
雪歩「良くしよう良くしようと思っても空回りして…」
やよい「・・・・・・・・」
雪歩「私もドラマに出る役者として…妥協はしたくない。やよいちゃんはもっといい演技ができると思う」
雪歩「でもね、今は…やよいちゃんの友達、お姉ちゃんの萩原雪歩だよ」
やよい「お姉ちゃん…」
雪歩「そう。ふふっ、妹は…お姉ちゃんに甘えていい特権があるんですぅ」
雪歩「だからね、辛かったら泣いていいんだよ?」
やよい「…雪歩さん…私…わたし…」
やよい「ドラマ…成功させたくて…だって長介が私のために頑張っててくれてて…」グスッ
雪歩「うん」
やよい「だからぁ…私もって…そうおもっ、思ったのにうまくいかなくて」
雪歩「うん…!」
やよい「くやしくて…雪歩さんにもめいわくかけて…どうしたらいいか、わがらなくて…」
雪歩「迷惑なんてないよ、大丈夫だよ」
やよい「うぅ…くやしいよ…くやしいよぉ…ひぐっ、うぅ、うわぁぁぁぁん」
雪歩「やよいちゃん…がんばろうね…一緒にがんばろうね…!」
P(・・・・・・・・・)
P(入るのはもう少し待つか…)
P(…笑顔で入ろう。笑顔でな)
P「…トイレで顔洗ってくるか」
雪歩「落ち着いた?」
やよい「…はい、すみません、雪歩さん…」
雪歩「いいんだよ。今は…やよいちゃんのお姉ちゃんなんだから」
やよい「お姉ちゃん…もうちょっとこのままでもいいですか?」
雪歩「…うん、今日だけ特別ね」
やよい「えへへ…はい」
コンコン
P「入るぞ?」
雪歩「どうぞ」
ガチャッ
P「やよいは…寝ちゃったか」
雪歩「はい。演技のお話は事務所に帰ってからですね」
P「…雪歩はほんとに成長したな」
雪歩「…確かにちょっとは成長したのかもしれません」
雪歩「でもまだダメダメなんです…今日だってやよいちゃんが背中を押してくれたんです」
P「やよいが?」
雪歩「はい。やよいちゃんが辛くても前に進もうと頑張ってたから…私も一歩踏み出せたんです」
P「…そうか」
雪歩「私はやよいちゃんにもらったたくさんの元気や勇気を…やよいちゃんのために使いたいって思ったんです」
P「ああ。やっぱり強くなったよ、雪歩は」
雪歩「えへへ…みんなのおかげですぅ」
P「ははっ、よし。事務所に戻るか」
雪歩「はい!」
765プロ事務所
P「やよい、元気戻ったか?」
やよい「はい!メラメラーって燃えてます!」
P「よし、その意気だ!じゃあ始めるか」
やよい「はい!」
雪歩「監督さんが引っかかってるセリフは『お姉ちゃんなんか大嫌い』ってところですよね」
P「そうだな。やよいは今どんな気持ちで言おうとしてるんだ?」
やよい「最初は何とかお姉ちゃんを嫌いになろうっていう気持ちだったんですけど…」
雪歩「監督さんは思わず出てしまった嫌いって言ってたよね…思わず…」
やよい「はい…だから急にわーってその時だけ嫌いになったのかなーって思ったんです」
P「なるほどな…その時の一瞬だけ嫌いになった感じか…」
雪歩「そこですぅ!」
P「わっ!?どこだ?」
雪歩「きっと妹ちゃんはお姉ちゃんを嫌いになってないんですぅ」
やよい「嫌いになってない?」
雪歩「うん、今やよいちゃんはそのセリフのときだけでもお姉ちゃんを嫌いになろうとしてるんだよね?」
やよい「はい、そうです!」
雪歩「その逆で…好きって気持ちを込めて嫌いって言ってみたらどうかな?」
雪歩「お姉ちゃんが大好き…お姉ちゃんがいなくてさみしいって思いを込めて!」
やよい「好きって思いながら嫌いって言う…」
P「難しそうだな…」
雪歩「真逆の感情ですから…」
r'" r',.。.-:‐:‐:-.、_,.ノ _,ノ
└-x'。ニニ二二ニ.-‐'":、
,r': : :.; : ; : : : : : : : . . . . ヽ
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\_ ':j!: l:、 ヽ ノ_,ィ^|/ '"^'ヽ. '"フ
(_` ヽ:j `’'‐:-::::'":::// rぅ-n. 'i. r'"
rァr=、.r' \\;/,.:' ,r' ` ノ l-'
( ~ ^/ク ':、 `'‐-‐' 7 / l、
`ヽ._`ヽ、:.:i : ../ !,. ( l
ヽ ヽl, i. \ r'
':, ヽ.,__ _,. 、_ _,l. i ┴- 、
l j l 、_ _,. `'ーー' .\
`'ー'",ノ _, ヽ.
_,....-‐'" ヽ '" !
,.r' " |
.r'" : . ノ
,r' ;' ノ.
l '; / /
P「でも…そうだな…兄弟に怒っちゃうときやよいもあるだろ?」
やよい「はい、ありますけど…」
P「やよいのことだからそういう時って兄弟のこと思って…兄弟のことが好きだから怒ってるんじゃないか?」
やよい「あっ!そうかも…好きだから…大切だから怒ってます!」
雪歩「プロデューサー、すごいですぅ!」
P「いやはは…たまには役に立てたかな…」
やよい「えへへっ、ありがとうございます、プロデューサー!」
雪歩「それじゃあ…明日だね」
やよい「…はい!」
P「よし!景気づけに今日はなんかおいしいものでも食べに行くか!」
P「やよいは今日夕飯外で食うんだよな?」
やよい「はい!遅いから外で食べてきなさいってお母さんが」
P「よし、雪歩も大丈夫か?」
雪歩「はい、大丈夫ですぅ」
P「それじゃあ、車下に回すから出る準備しててな」
やよい・雪歩「はーい」
ガチャッ
バタン
雪歩「じゃあ準備しようか」
やよい「はい!あの、雪歩さん」
雪歩「どうしたの?」
やよい「今日は本当にありがとうございました!雪歩さんのおかげで元気になれたかなーって!」
雪歩「ううん…いつもやよいちゃんにもらってる元気のお返しだよ♪」
雪歩「明日、がんばろうね!」
やよい「はい!」
>>34
エンジェル雪歩ありがとう
翌日・ドラマ撮影スタジオ
やよい・雪歩「おはようございます!」
監督「おはよう。何かつかめたかな?」
やよい「はい!」
監督(ほう…いい顔をしてるな)
監督「それじゃあ行こうか」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
スタッフ「本番入ります!」
雪歩「…やよいちゃん」
やよい「はい?」
雪歩「…私のことを本当の家族だと思って…本気でぶつかってきて!」
やよい「雪歩さん…はい…私、がんばります!」
P(さあ、問題の場面だ…!やよい、雪歩、がんばれ…!)
やよい「入院…?」
雪歩「ごめんね、明日はあなたの誕生日なのに…」
やよい「…うそつき」
雪歩「え?」
やよい(思いを雪歩さんに…お姉ちゃんに!)
やよい「明日は一緒に家でお祝いしてくれるっていったのに!」
やよい(さみしい…好き…大好き!)
やよい「お姉ちゃんなんて…大嫌いっ!」
監督「カーット!」
監督「・・・・・・・」
監督「良かったよ、すごく」
やよい「あ、ありがとうございます!」
雪歩「やよいちゃん!やったぁ♪」ダキッ
やよい「えへへっ!雪歩さん、ありがとうございます!」
監督「よし、このまま一気に行こうか!」
やよい・雪歩「はい!」
P(よし!やった…やったな…!)グッ
やよい「あ!えへへっ♪」グッ
雪歩(やりました!)キュッ
P(二人ともがんばったな…!)
ドラマ放映日・765プロ事務所
P「いよいよですよ!小鳥さん、録画大丈夫ですか!?」
小鳥「大丈夫です!…いや、不安になってきました…もう一回確認しましょう」
伊織「あんたたちちょっとは落ち着きなさいよ」
美希「そういうでこちゃんもソワソワしてるの」
伊織「し、してないわよ!それとでこちゃん言うな!」
真「もうすぐ始まるから静かにって!」
響「なんだかドキドキしてきたぞ!」
雪歩「私も緊張で倒れそうかも…」
やよい「雪歩さん、がんばってください~!」
真「へへっ、それじゃあ雪歩!やよい!このドラマの見どころをどうぞ!」
雪歩「み、見どころですかぁ?」
やよい「はい!見どころは…雪歩お姉ちゃんのすごい演技ですっ!」
一同「おお~」
雪歩「えぇ!?恥ずかしいよ~」
やよい「恥ずかしいことなんてないです!だって…」
やよい「雪歩さんは…私の大好きな…」
やよい「自慢のお姉ちゃんですから!」
以上です。
映画を見た時やよいも雪歩も成長した姿を見せてくれて涙が出ました。
これからも成長していくのだと思います。
ありがとうございました。
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