あかり「一番の宝物」 (85)
・ゆるゆりの時系列に関する話
・なぜ同じ時空をループし続けるのか
・もしもそれに気づいてしまったら
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結衣「そういえば京子 前に『私たちって永遠に歳を取らない』みたいなこといってなかったっけ?」
京子「えー、そんなこと言ったっけ私?」
結衣「いや言っただろ」
京子「てか大体そんなのありえないじゃん?」
結衣「まあそうなんだけれども、同じ時空を繰り返しているだとか」
京子「結衣さん一体何にそんなに影響されたの」
結衣「だからお前が言い出しっぺだろうが」
京子「えー覚えてないって」
結衣「でも最近思い当たるっていうか、ついこの前、不可解なことなかった?」
京子「あかりのお団子?」
結衣「修学旅行のお土産で買ってきた木刀とか」
京子「あーたしかに」
結衣「だろ?」
京子「でもさ、もしそうなら『あれ?前にもこんなことなかっけ』って思うこともっとあるはずじゃない?」
結衣「まあたしかにそうだけど」
京子「そんなに気にすることかなぁ」
結衣「もしそうだとしたら、この世界から永遠に…」
あかり「結衣ちゃん、京子ちゃん遅くなってごめんねぇっ」
京子「待ちくたびれたよ!グラウンド30周!!」
あかり「ふぇぇ〜そんなぁちなつちゃんのプリント提出するのに付き添っていただけなのにぃ…」
結衣「鬼かお前は」
ちなつ「結衣先輩〜〜〜」
結衣「やあちなつちゃん…今日も元気でいてくれて何より」
ちなつ「きゃー結衣先輩照れますぅ〜〜〜」
京子「ねぇねぇ、さっき結衣がね」
結衣「いや、やめとこ?この話は」
京子「あかりとちなつちゃんにも聞いてみたらいいじゃん、よかったら綾乃たちにも」
結衣「いいわ!お前の悪意見え見えだし」
京子「誰も結衣がこの人厨二病拗らせちゃったのかな…引くわーなんて思わないからね?」
結衣「ごめんね、お前に話した私が馬鹿だったよ」
ちなつ「もう京子先輩ったら結衣先輩を困らせるような冗談やめて下さいよ」
ちなつ「あっ、お茶入れてきますね」
結衣「あっ、お願い」
京子「うい」
チクタクチクタクチクタク
結衣「朝…今日はあかりの中学初登校だったよな……」フワァ
結衣「ってうえぇ!?」
結衣(時間が巻き戻された記憶が鮮明に残ってるじゃねぇか)
結衣(一体誰が……って今はそんなこと考えてる余裕はないけど)アセアセ
ピンポ-ン
結衣「えっ?こんな時間に京子!?」
京子「早めに来てやったぜ〜なんだって今日は」
結衣「京子…今日ってあかりの入学式?」
京子「そうだけんど」
結衣「前にもあったの覚えてる?」
京子「何言ってんの、そんな何回もあかりの入学式があるわけないじゃん」
結衣「そ、そんなのは当たり前だろ!」
京子「いや朝からボケなくていいし」
結衣(くそ…京子には記憶がないのか)
結衣「あかりは私服にランドセル背負ってくるよ…残念ながら」
部室
京子・結衣「あかり 入学&ごらく部入部おめでとー!」
あかり「わーい、あかりとっても嬉しいよぉ」
京子「それにしてもまさか結衣の予想が的中するとは」
あかり「ごめんね、二人に迷惑かけちゃって」
あかり「結衣ちゃんにはあかりたじたじだよぉ」
京子「それにしても結衣、なんで分かったんだ?」
結衣「えっ…だって覚えてるから……」
京子・あかり「ええっ」
あかり「もぉ結衣ちゃん驚かさないでよぉ」
京子「ボケのセンスなさすぎだろー」
結衣「そう……なんだ」
結衣「私にしか……」
京子「結衣?」
あかり「結衣ちゃん?」
私たちは永遠に同じ時の中をループし続けなければいけないんだ。
ずっと子どものままでいいんだと。
でも反対に、ずっと大人になることはない、次の人生のステップに行き着くことはない。これは見過ごせることなのだろうか。
ドサッ
結衣(もしもまたこの世界が繰り返されるのならば、勉強なんかもするひつようがないんじゃないか)
結衣(もう嫌だ…今日はとりあえず寝よう)
ちなつ「明日から夏休みですね」
京子「そうだ、海行く予定立てよ!」
あかり「あかり海行きたい!」
京子「そうとなれば生徒会御一行も誘おう!」
結衣「…」
京子「あれ、結衣?」
結衣「あっ、うん」
京子「もしかして嫌だったりする?」
結衣「いや、そんなことないよ」
ちなつ「そうだ、水着買わなきゃ!」
あかり「ちなつちゃん、明日買いに行こうよ!」
私が経験して少なくとも5回目の夏休み。
どの夏休みも楽しかった。
でも…
結衣「京子、今日うち来れる…?」
京子「え?いいけど」
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
京子「そっか…」
結衣「毎日がほんと楽しいんだ……」
結衣「楽しくて…楽しくて…自分でも怖いくらいに…」
結衣「みんな大人になっていく……」
結衣「でも私たちだけ楽しい時間に留まり続けていることに…罪悪感すら覚えてしまうんだ…」
京子「私から言えるのは……結衣…結衣はそのことをずっと抱え込みながら私たちと一緒にいたんだね」
結衣「うん…」
京子「だめだよ結衣…」
京子「もし仮に結衣が言う通りに私たちの世界がループしていたとして…」
京子「もしも今回が最後だったらどうするのさ」
結衣「それは……」
京子「可能性はなくないよね?」
結衣「…」
京子「後悔残しちゃうよ」
京子「結衣の気持ちが晴れないと……私の気持ちも晴れないままだよ……」
結衣「今まで黙っててごめん…」
京子「明後日の海の荷造りしなくちゃね」
結衣「そうだね」
京子「結衣っ」
京子「いつ終わるかわからない人生楽しんだもん勝ちだよ!!」
結衣はその言葉を聞いた途端、すっと肩の荷が下りた気がした。
決めた。
いつまでもみんなと楽しい時間を過ごせる。
なんて幸せなことなんだろう。
私は今まで何を悩んでいたのだろう。
もう時間の流れがどうとかなんて、忘れてしまおう。
いつしか結衣の頭の中からはすっかりと消えていた。
幾年もの時を超えて。
ジワ-----
あかり「暑いね…京子ちゃん」
ちなつ「冷たいお茶ですよっ」
京子「おおっ、ありがと」
結衣「ありがとう、ちなつちゃん」
あかり「ゴクゴク」プハ-
あかり「生き返るよぉ、ありがとちなつちゃん」
ちなつ「明日から夏休みですね」
京子「今年の夏は遊びまくるぞーっ」
結衣「宿題もちゃんとやれよ」
京子「ノープロブレム」
結衣「何が問題ないだ」
ミ-ンミ-ンミ-ンミ-ン
結衣「野球大会!?」
京子「そう、七森市わんぱく野球大会!」
京子「みんなで出ようよ」
結衣「私たちが参加できるようなものなのかよ」
京子「もう申し込んだから大丈夫」
結衣「行動早すぎだろ」
結衣「てかなんで野球?」
京子「みんなでやったら楽しいじゃん、」
結衣「でも初心者がやるには厳しいと思うぞ?」
京子「まあ、なんとかなるしょ」
京子「優勝チームにはハーゲンダッツ詰め放題ってのは置いといて、みんなで楽しもうぜー」
結衣「景品が目的かよ」
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
大室家
櫻子「まだ宿題とかいいじゃん」
向日葵「いつもそう言って二日前とかになって泣き寝入りするのはどなたですの」
トントン
ガチャ
花子「櫻子また花子の牛乳飲んだしょ!」
櫻子「ぎく…」
花子「前にも言ったし!…あっ、ひま姉邪魔してごめんし…」
櫻子「いやいや邪魔になんてなってないからいいっての」
向日葵「櫻子」
櫻子「ひぃっ」
向日葵「あら、吉川さんからメールだわ」
櫻子「えっ?なんてなんて!?」
向日葵「今すぐもし可能であればグローブも持って公園に来て欲しいですって……」
ブン ブン
櫻子「こうやって、カキーンって」
ちなつ「櫻子ちゃん近くでバット振らないで」
向日葵「私球技は一切だめですの」ジト-
あかり「あかりたち昨日キャッチボール始めたばっかりだよぉ」
綾乃「歳納京子ったらまた無茶なこと…私野球なんてやったことないんだから」
結衣「ところで京子、一回戦の相手はどこなんだ?」
京子「楽勝楽勝、相手低学年だから」ヘヘッ
綾乃「低学年ですって!?」
京子「うん」
結衣「ていうか周りの子私らより頭一つ分小さいし、どうみても私ら浮いてるだろ」
京子「まあまあ、じゃないと勝てないじゃん」
ちなつ「ふっ、お姉さんたちの本気見せてあげようかしら」
櫻子「おらおら、力じゃ私たちに勝てないぞー」
向日葵「中学生の底力見せてあげますわ」
チビっ子「うぇぇ…」
結衣「おいこら引いてるだろ」
京子「じゃあみんな、勝つぞーーー」
ちなつ「結衣先輩〜!!」
あかり「結衣ちゃ〜ん」
櫻子「打っちゃれ先輩!!」
プレイボ-
結衣(付き合わされてるほうはたまったもんじゃないけど…)
チビっ子「打てっこない打てっこない〜」
結衣(たまにはこうのも)
カキ--ン
結衣(いいかもしれないな)
京子「さっすが結衣!」
ちなつ「結衣先輩すごいですぅ〜」キャ-
ちなつ「えぃっ」カキ-ン
綾乃「」カキ-ン
千鶴「」カキ-ン
櫻子「おりゃー」カキ-ン
向日葵「」カキ-ン
チビっ子「お姉ちゃんたちやたらと打つよぉ…」
裏の守備
京子「ふっ、京子ちゃんの華麗なる投球をここにお見せしよう」
京子「とりゃぁあああああ」
放たれたボールは勢いよく結衣のミットに
……収まることはなく手前でバウンドした
結衣「真面目にやれ」
京子「やってますって」
ーーーーーーーー
ーーーーーーーー
櫻子「向日葵フライなのに走ってやんの」
向日葵「し、知らなかったんですわ!」
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ーーーー
結衣「ちなつちゃんそれ完全守備妨害……」
ーーーー
ーーーー
結衣「あかりーーーそっちは三塁だ…」
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ーーーー
櫻子「あれ…アウトなの?」
綾乃「駆け抜けていいのは一塁だけなんだそうよ…」
ストラ-イク バッタ-アウト
審判「整列、10対13で後攻チームの勝利!」
チビっ子「お姉ちゃんたち弱かったー」
チビっ子「黄色い髪の姉ちゃん一番足ひっぱってたね」
京子「うう…生意気な小僧……」
結衣「お前が一番足引っ張てたのは事実だよ」
櫻子「あかりちゃんのトンネルで4点入れられなければ勝ってたのになぁ」
あかり「」ショボ-ン
ちなつ「あかりちゃんどんまい」
京子「そうとなればみんなで打ち上げだ〜〜賛成の人ーーー」
千歳「ええやん、うち賛成やわ」
綾乃「汗だくなのをなんとかしたいけど、シャワー浴びてからならいいわ」
櫻子「賛成!賛成!」
向日葵「賛成ですわ」
夏休みはまだ始まったばかり………。
京子「来週海行こうぜーー!」
ザザ---
櫻子「海最っ高!」ザッバ-ン
京子「綾乃、水着似合ってるね」ヘヘ
綾乃「う、うるさいわねっ」
千歳「ええなぁ〜」
結衣(みんな楽しそうだな)
プカプカ
結衣「ん…?水着」
向日葵「ちょっと、どうしますの!!」
櫻子「えっ、私が悪いの?」
京子「じゃーーん、スイカ!!」
あかり「すごーい」
ちなつ「京子先輩は準備いいですね」
櫻子「私スイカ割る人やりたい!!」
京子「来週は肝試しをしよう!!」
京子「来週は夏コミだーーーーっ!!」
ーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーーー
ピンポ-ン
京子「宿題写させてください」
結衣「学校明日だろ…」
二学期には体育大会、
結衣の家でお泊まり会、
紅葉狩り、
そして普段の登下校。
私たちには幸せがあふれている。
チビっ子「あっ、この前のお姉ちゃんたち!」
千歳「あの時の子たちやね」
綾乃「ということは」
京子「うおぉーーーーあの時の借りは返すぞ〜」
京子の持ちかけで娯楽部と生徒会御一行はわんぱく雪合戦大会に参加していた。
結衣「野球の時から思ってたけど私たちってもうわんぱくって歳じゃなくね」
綾乃「それね…」
櫻子「あとちょっとだったのに悔しい!」
向日葵「惨敗かと思いきや櫻子頑張りましたわね」
結衣「開始1分足らずで結果は見えてたけど」
ちなつ「向日葵ちゃん開始20秒でアウトになるんだもん」
向日葵「吉川さんは味方を盾につけすぎですわ」
ザザッ ザザザザザザザザ
アトスコシデ モウスコシデ ムクワレル
デモマダタリナイ ナニカタリナイ
ザザザザザザザザザザザザ
綾乃「…ここは...…」
綾乃(たしか私たちは修学旅行中のバスで…)
綾乃「うっ、ごほっごほっ」
綾乃「えっ…」ゾワ
綾乃(クラスのみんなが…なんで…なんでこんな酷いこと…)
綾乃「千歳……」
綾乃「千歳!」
千歳「」
綾乃「千歳、しっかりして!私よ、綾乃よ、ねぇ起きてってば」
千歳「」ダラン
綾乃「そんな……千歳」
綾乃「気を失ってるだけよね……」
綾乃「歳納京子…歳納京子はどこかしら!」
結衣「」カタカタ
綾乃「船見さん!」
結衣「綾乃……」
綾乃「酷い出血…はっ、早く止血しなきゃ!」
結衣「京子…」
綾乃「歳納京子の心配してる場合じゃないわ!このままだとあなた…死んじゃうわ…」
結衣「ありが…と……私は大丈夫だから先に京子を……京子は何としてでも私が守ってあげなきゃ駄目だから」
結衣「でも今は……綾乃、京子のことは頼んだよ……」
綾乃「船見さん!!」
結衣「そこに……」
京子「」
綾乃「歳納京子、私よ?杉浦綾乃よ!」
綾乃「お願い…返事してちょうだい……」
京子「アヤノ…」
綾乃「酷い出血…今は止血してあげるから、もう少しの辛抱よ!」
綾乃(なかなか血が止まってくれないわ…間に合わなかったら……)
京子「ヨカッタ…アヤノブジミタイデ」
綾乃「私は平気よ、それよりも歳納京子あなたの方が危篤な状態よ」
綾乃(救急車が来るまで…もってくれるかしら……)
京子「ユイハ…ユイハダイジョウブ…?」
綾乃「ええ、船見さんも無事だわ、千歳も、みんな……」グスン
京子「エヘヘ…アヤノハシッカリサンダネ」
綾乃「歳納京子ったら……」
綾乃(よかった…なんとか出血は止まってくれたわ)フゥ
綾乃(次は千歳と船見さんを…)
綾乃(あれ…変だわ意識が遠のいて……)ヨロヨロ
ピ-ポ- ピ-ポ-
現場の状態を伝えます。富山県の私立七森中学校の生徒33名と教師2名を乗せたバスが崖から転落した模様で…
続き書くべきなのか迷ってます。
とりあえず今日はここで終了です。
ーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーー
京子(……ここは病院…ってことは私奇跡的に助かったんだ)
あかり「京子ちゃん……」
京子「あか…り?」
あかり「よかった……」ウルウル
あかり「京子ちゃん5日間も意識失ったままだったから…」
京子「そうだったんだ…なんで助かったのかよく覚えて」
『もう少しの辛抱よ……お願いもう少し…もう少しの間だけ…生きて』
京子「あかり…」
あかり「なぁに、京子ちゃん!」
京子「…みんなは無事だったの?」
あかり「」
京子「…ここの病院にいるんじゃないの?」
あかり「京子ちゃん…じつは京子ちゃんに伝えなくちゃいけないことがあって…」
あかり「……なんだ」
京子「嘘…そんな……私が助かったんだよ?なんで綾乃たちが…」
京子「信じられるわけないよ…」
あかり「あかりも何かのいたずらであってほしかったよ…でもね京子ちゃん」
あかり「もう結衣ちゃんとも、杉浦先輩とも、池田先輩とも、会えないんだよ……」
京子「嘘だ……嘘だ嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ……」
京子「そんなの酷いよ……ちなつちゃんで最後だったはずなのになんで……」
京子「なんで私の大切な何もかもを奪うの……」
京子「生きたくなかった…」
あかり「京子…ちゃん」
京子「こんな辛い思いまでして生き残りたくなかった」
あかり「京子ちゃんやめて…」
京子「あのまま死んだほうがマシだった」
あかり「そんなこと言っちゃ…」
京子「私が今ここで、のうのうと生きていることが私にとって最大の不幸だよ」
あかり「いい加減にして!!」
あかり「杉浦先輩が、結衣ちゃんが…みんなが繋いでくれた命だよ……」
あかり「京子ちゃんのやりきれない気持ちあかりすごくわかるよ」
あかり「でもだからって、そんなこと言っちゃいけないよ……」
京子(私はなんて最低なことをあかりに言ってしまったんだろう)
京子(綾乃にも結衣にも千歳にも、顔向けできない)
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
生徒会室
櫻子「あのさ向日葵…」
向日葵「…さすがに仕事に切り替えないとだめですわ、私たちもう二週間も仕事に手が付いてないですもの」
櫻子「先輩方…私のこと許してくれてるかな」
向日葵「あたり前じゃないですの、先輩方は最初からあなたのこと怒ってないっすわよ」
櫻子「だって、私、いつもいつも迷惑ばっかけてて…それなのに優しくしてもらってて……」
向日葵「先輩方は櫻子のこと陰では褒めていらしたのよ…」
櫻子「なんでもっと真面目に仕事しなかったのかな、恩返ししたいな、いっぱいありがとうって……」
『もう京子先輩べったりくっつきすぎですよ』
ついこの間まで
『京子、冷蔵庫にラムレーズンあるから』
私の周りには
『ま、またいつか…一緒に歳納京子と2人で話せたらなんて』
幸せが
『歳納さん綾乃ちゃんがな、歳納さんにどうしてもプリント渡したい言うてな』
溢れていた。
京子(この世界に意味なんてあるのかな)
京子(私が生きてる意味なんてあるのかな)
京子「いっそのこと死んじゃえば…みんなに会えるのかな」
屋上
京子(いざ死ぬとなったら怖いな…)
京子(だめだそんなこと思っちゃ、また自分に甘えてしまう)
京子(お母さんお父さんありがとう…)
ガチャン
あかり「京子ちゃん!」
京子(あかり…ごめん)
京子「あかり!?」
あかり「あかりを一人にしないで」
あかり「今のあかりだったら京子ちゃんのために何でもしてあげれるから」
あかり「京子ちゃんの味方だから」
ーーーーーーーーー
ーーーーー
京子「みんなのいる過去に行ける…?」
あかり「うん」
京子「ほ、本当なのかあかり…」
京子「私のこと気遣って…」
あかり「あかりたちのいた過去とは違うけど、そこでみんなと楽しい日々を過ごして折り合いをつけてから…」
京子「もしまた誰かがいなくなったりしたら…」
京子「もしまた…その世界でも悲しみが生まれたら……」
あかり「大丈夫だよ」
京子「どうして?」
あかり「あかりと京子ちゃんがいるから」
あかり「あかりと京子ちゃんで悲しみのない、永遠の世界を作るんだよ」
京子「そんなの…どうやって…」
京子「そうか…終わりのない…ループだ!」
京子「そしたら私たちは永遠に一緒にいられる」
京子「でもそんなことしたらみんな気づいちゃ…」
あかり「その心配はいらないよ、この装置がこの世界の根源として、記憶を司っているから」
京子「私たちの記憶はどうなるの?」
あかり「薄っすらと思い出すことはあるかもしれないけれど」
あかり「それ以外は自然体でいられるよ」
京子「もし…」
あかり「もし何かあったらその時は一時的に記憶が戻るから大丈夫だよ」
あかり「あかりに任せてもらえれば大丈夫だよ」
京子「じゃあ、本当に現実になるんだね…」
京子「みんなに、早く会いたいな」
あかり「じゃあ、行くよ?」
京子「うん!」
あかり「日にちはあかりの入学式だよぉ!」
京子「あかり!」
あかり「なぁに、京子ちゃん」
京子「とっっっても楽しみだね!」
あかり「うん!」
ヒュイ--------ン
リリリリリリリリリリリリリリリリリ
カチッ
京子「…ん」
京子(そうだ、今日はあかりの入学式…)
京子(だから早めに目覚まし時計設定していたんだった)
京子(あかり、待っててね。やっと今日から三人で登校できるね)
どうしましょうほんと読みづらいですよね皆さんここまで読んでいただいたのに申しわけないです
続き書けるかわからないですがとりあえず今日はここまでです。
あかりちゃんは天使
意味不なところは質問して下さい
ーーーーーーーー
ーーーーーー
櫻子「うーん…」
櫻子「なんかおかしいんだよな」
向日葵「櫻子さっきからどうかしました?」
櫻子「なんか今日の朝から違和感あんだよね」
向日葵「…」ピタッ
櫻子「ん?向日葵」
向日葵「実は私もですの」
櫻子「えっ、向日葵も?」
向日葵「ええ、なんていいますか、別の記憶があるような…」
櫻子「私の記憶では昨日まで冬で、
たしか雪合戦を……」
向日葵「それだわ」
生徒会室
櫻子「なんと!なんとですね」
櫻子「私気がついちゃったんですよ」
櫻子「ズバリ、この世界はループしているんですよ!」
綾乃「大室さんたら」
向日葵「先輩、信じられないかもしれませんが、事実なんです」
千歳「そ、そうなん?」
櫻子「櫻子様の勘によると」.
すいません。
ちゃんと完結します
京子「あかり…このままだとみんな混乱して…」
あかり「うん、きっと何らかの誤作動でみんなの記憶がリセットされなかったんだ」
京子「原因は…?」
あかり「わからないよぉ…」
京子「じゃあまた4月の時点にリセットすれば…」
あかり「京子ちゃん……」
京子「ん、急にどした?」
あかり「やり残したこと、もうない…?」
京子「やり残したこと…?」
あかり「うん、もう数え切れないくらいループしたよね、たくさんみんなと遊んだよね、だから…」
あかり「もし京子ちゃんが満足できるなら、この世界はもうなくてもいいんじゃないかなって」
京子「なんで…なんでそんなこと言うの?」
あかり「えっ…」
京子「ひどいよあかり、私に前の世界に戻れって言うの?」
あかり「ごめんね京子ちゃん、あかりはそんなつもりじゃなくて…」
京子「みんな今が楽しいに決まってるじゃん!」
あかり「……」
京子「ごめん、最近いつかこの幸せが途切れるんじゃないかなって、私自身怖いんだ…」
あかり「京子ちゃん、実は大事な話があって…」
あかり「もしかしたら次ループする時も記憶が引き継いだままかもしれないんだ」
京子「ど、どうして?」
あかり「もう修理できないんだ…」
京子「でもあかりの力なら…」
あかり「京子ちゃんを助けたいっていうあかりの最初で最後の願い…たった一度きりのお願いっていう約束だったから、神様が力を与えてくれたんだと思う」
あかり「あかりには元々は何の力もなかったんだよ」
京子「そうだったんだ…じゃああかりは」
あかり「あかりだって本当はいつまでもこうしてみんなで楽しい時を過ごしたいよ」
京子「じゃあみんなにいっぺん真実を話そうよ」
あかり「えっ、でも信じてくれるかな…」
京子「信じないとは思うけど、永遠に幸せが続く世界に居られるんだっていえば、みんな納得してくれると思うよ」
あかり「そうかな…でも」
京子「みんなが納得すれば、それこそ永遠の楽園だね」
京子「本当は今までみんなに言ってなかったことに少しだけ後ろめたさもあったから…」
生徒会室
ガチャッ
京子「皆さん、お気づきでしょうがこの世界はワープしていることが判明しました!」
あかり「え、え〜〜そうなのぉ、すごーい」
京子「つまり、私たちは永遠に中学生、来年は受験、大人になるにつれ面倒なことばかり…それなのにいつまでも純粋な中学生でいられる私達…」
結衣「おいおい、入ってくるや否やなんだよ、それにあかりまで付き合わせて」
京子「いやぁ、私たち永遠に中学生でいられて、でもってずっとみんなと一緒に居られるんだよ?素敵だとは思わないかい結衣〜!」
結衣「たしかにいいけど、現実はそうじゃないからな」
京子「それが現実なんだよ〜」
京子「綾乃も!そう思わない?」
綾乃「わ、私!?もちろん、受験で忙しくなったり高校で離れ離れにぬったりするのは辛いけど…」
京子「千歳は?」
千歳「夢があってええな〜」
京子「でしょ!?」
京子「ひまっちゃんは?」
向日葵「はい…」
ちなつ「わ、私は結衣先輩と将来結婚するっていう夢が叶わなくなっちゃうから嫌です」
京子「え…」
結衣「ていうかこの一連のやりとりに何の意味があるんだよ」
京子「ところでなんで結衣とちなつちゃんも生徒会室に?」
結衣「ちょっと生徒会に用があって来てただけ。あかりと京子がなかなか来ないから先に来てたんだよ」
綾乃「私たちが呼んだの、ちょうど歳納京子が言ってたことと同じようなことを話してたの」
結衣「そしたらどう考えても私たちが経験してないはずの記憶が共通してたりしたんだ」
京子「ああ、それ気にしなくていいよ、実はワープがかくかくしかじかで」
結衣「ちょっと何を言ってるのかわからないんだけれども」
綾乃「馬鹿ね歳納京子は、ワープだなんて」
京子「だからかくかくしかじかで」
結衣「じゃあこの世界は永遠にワープ…」
京子「そうそう、やっと結衣わかってくれたかぁ」
結衣「とはならねぇよ」
京子「ええ、なんでー」
結衣「信じたら『信じてやんの』って馬鹿にされるのが目に見えてるからな」
京子「失敬な、嘘ついてどうするんだよ」
あかり(やっぱり、なかなかみんなには信じてもらえないね…)
向日葵「あの、歳納先輩…質問なのですが私たちは一体どれほどの回数をループしてることになるんでしょうか?」
結衣(古谷さんがのった!?)
京子「覚えてないな、印象的だったのはいついつの修学旅行と、そうだあの時はあかりが…」
綾乃「あなた今の全部思いつきで考えたの?」
京子「だから、本当に別の時空であったことだよ?」
ちなつ「そう、たしかあのとき…」
結衣「私もだ、何故か身に覚えがある」
綾乃「ちょっと背中がゾクゾクしてくるわね」
結衣「ちょっと待って、この世界については京子だけが詳しくこと知ってるのか?」
京子「うん、あとあかりもね」
綾乃「まだ腑に落ちないんだけど、なんでわざわざ私たちの誰にも言ってくれなかったの?」
京子「いずれ言おうとは思ってたけど、楽しさのあまりつい後回しにしちゃった」
結衣「なんだか変だな京子は、そんなの教えてくれれば…」
結衣(テスト勉強なんて無駄なことしてる時間をどれほどゲームに当てれたことか…)
千歳「仮に歳納さんが言ったことが本当だとしても、私たちは普通に今まで通りにしてればいいんやないかな」
綾乃「そうね、困ることといえば本当に中学生のままなことかしら」
櫻子「楽しかったですよ、歳納先輩には楽しい思い出をたくさんくれて感謝してます、ありがとうございました」
京子「お、おうさくっちゃん」
櫻子「でも、私は次のステージに行きたい!」
櫻子「私、次の生徒会選挙で副会長になりたい、学年だって上に上がりたい」
櫻子「向日葵にだって、いずれおっぱいでも勝つつもりだからな!」
櫻子「…でも、今の話を聞いて頑張る意味なくなっちゃうじゃんって思いました…」
櫻子「たしかに私遊んでばっかだし、これからもずっと楽しいことばかりなのは嬉しいです」
櫻子「でもそれ以上のことが私にはある気がします!」
向日葵「ま、まあ櫻子の言うこともわからなくはないですけれども、あなたは今までだって努力してこなかったじゃないですの」
櫻子「たしかにそうだけど…」ウル
向日葵(とりあえず落ち着きなさいな…)
結衣(たしかに大室さんが言うことは本来私たちが受け入れるべき定めなんだよな…)
綾乃(私も軽く考えていたけれど、人生ってもっと…)
櫻子「毎回リセットされて0にしかならないなんて私は…」ウル
櫻子「そんな人生になんの意味があるの!」
ちなつ「その気持ちなんとなくわかる…」
綾乃(もしかして、いや言うまでもなく正しいのは大室さんかもしれないわ。だって私たちが進もうとしてるのは楽なほうの道だものね…)
櫻子「私は歳納先輩はこのループ世界の止め方を知っていると思います」
結衣(京子の言う通り、このままでいれるのが私たちとっての最大限の幸せだというのか…だめだとはわかってるけど)
向日葵(永遠の世界なんて求めたらいけないのかもしれないけれど、でも、この先何があるかわからないもの…あの子がこれからもずっと私の傍にいてくれる保証はないもの)
りせ(お世話になった先生と、いつも温かいみんなとお別れになっちゃうのは怖いな…)
櫻子「たとえどんな試練や絶望があろうと、私たちはこの先の未来に進むべきじゃないですか!?」
京子「さくっちゃんには本当の絶望は耐えられないよ」
京子「私にも耐えられなかったんだから…」
綾乃「歳納京子、一体何の話を…?」
櫻子「生きてれば辛いことだって…」
京子「さくっちゃんは、ひまっちゃんが死んだら悲しい?」
櫻子「そ、そんな向日葵が死ぬだなんて考えたことも…」
京子「ひまっちゃんがいない世界を受け入れられる?」
櫻子「…」
京子「だよね、ごめんねいきなり唐突だったよね」
京子「私はさくっちゃんがいない世界もひまっちゃんがいない世界も受け入れられないよ」
京子「もちろん綾乃も、結衣も、千歳も、千鶴も、ちなつちゃんも、あかりも」
京子「誰一人として欠けてほしくない、誰も死んでほしくない。これって当たり前なことのように思えるけどね…でもね…うっ」
京子「うっ…うぅっ……あんなこと絶対あっちゃだめだよ……」
京子「残された私は……残された私のことも考えてよ……」
綾乃「一人で抱え込まないで、私たちに全て話してちょうだい…」
京子は自分が生きてた世界であったあまりにも悲惨だったバスの事故のこと、そこで自分以外のクラスのみんなが亡くなったこと、ちなつちゃんも出会ってまもなく交通事故でなくなっちゃってちゃんとお互いのことを知らずにお別れしたこと。
洗いざらいに話した。
綾乃「辛かったのね…」
京子「信じてくれるの…?」
結衣「こんな時まで嘘ついてどうすんだよ」
京子「えへへ、さっきまで逆のこと言ってたのにね」
ちなつ「私まさかの出会って即死でしたね」
櫻子「ほんっっっとに申し訳ありません!!」
向日葵「この通り私も一緒に土下座を」ペコリペコリ
京子「いやもういいんだってば…ははは」
綾乃「歳納京子!」ギュッ
京子「へ…綾乃!?」
綾乃「あなたずっと一人で苦しい思いしてきたなんて…どんなに辛かったでしょうに、私だったらすぐに弱音吐いてたわすごいわ歳納京子」
京子「あー照れるなぁ…」
京子(綾乃に抱きしめられるなんてそうそうないからうれしい)
結衣「もう毎日でも遊びに来いよな、ラムレーズンも多めに買っておくから」
京子「ほんと?結衣最高!」
あかり(京子ちゃん、きっと最後までみんなに言わないつもりだったんだろうな。やっぱり、そこは京子ちゃんの強いところだね。でもよかったね……京子ちゃん)
あかり「ぐすっ…ほんとによかったね…」ウル
京子「私決めた!」
結衣「えっ、何を?」
京子「みんな、そっちの世界の私をよろしくね!」
綾乃「歳納京子はあなたじゃないの?」
京子「私はもともとみんなとは別の時間に居たから」
櫻子「そんなぁ…私たちと一緒に残りましょうよ?」
京子「できたらそうしたいんだけどね」
綾乃「そんな、私たちはワープ世界でも受け入れるのよ?」
京子「なんか、もうみんなから一杯『楽しい』をもらった気がするからさ」
京子「じゃっ、あの部屋へ」
娯楽部の地下
櫻子「へぇ〜こんな場所があったなんて」
綾乃「ほんと信じられないわね」
結衣「まさか部室の地下にこんな空間があるなんてな」
結衣(地下室のゲーセンはあながちこのことだったのかもしれないな)
京子「みんな最高の日々をありがとう」
京子「まあ私は居るんだけどね」
結衣「いつでも戻ってこいよ」
綾乃「そうよ、私たちが温かく迎えてあげるわ」
櫻子「私、副会長になって見せます!」
向日葵「ちょっと、副会長は私ですわ!」
千歳「元気でな、ほんと楽しいことばかりやったで」
千鶴「戻って来いよな」
ちなつ「京子先輩ならきっと幸せ掴みとれますよ!」
りせ(頑張って)
京子「みんなありがとう……」
京子「では、これにて」カチ
ブォォォォオン
チュンチュン
京子「…ん朝」
京子(今日はなんだか目覚めがいいかも)
ガチャ
京子「行ってきま〜す!」
私はこの世界でだって幸せに生きてみせるよ
だって
あかり「あっ京子ちゃんおはよう!」
京子「あかりおはよっ!ごめん待った??」
あかり「大丈夫、今来たばかりだよぉ」
この世界にだってあかりという大切な存在がいるのだから。
おわり
おまけ
ガチャ
西垣「杉浦、今日は解散していいぞー…ってあれごらく部の面々じゃないか」
綾乃「西垣先生…タイミング悪いです」
西垣「おう、悪かったな、鍵は頼んだぞ」
ガチャ
ガチャ
西垣「大人が詰まらないだって?見ろ私はこの通り、自由だ〜〜〜はっはっはー」
バイ ノシ
一同「……」
エピローグ
京子「うわぁ〜〜受験生やだ〜〜〜」
結衣「私も本格的に勉強始めなきゃやばいな」
あかり「ねぇ、あかり達二年生ってことは後輩ができるのかな!」
ちなつ「私たちが先輩になれる日が来るなんてね」
結衣「あかりとちなつちゃんならきっと立派な先輩になれるよ」
ちなつ「うれしいですぅ」
あかり「あかりドキドキしてきたよぉ」
京子「問題は新入部員が来てくれるかどうかだけど」
ごらく部部室
京子「私のとこの担任個性的でさー」
(深呼吸……深呼吸っと)
「ああ…あの、私…ごらく部に入部希望なんですが…!!」
新しい出会いもある。
〜fin〜
皆さんお読みいただきありがとうございました。ゆるゆりという作品において時間の流れというのはけっこう壮大なテーマだと思いまして、ただ自分の文才があまりにもないので誰か内容同じでいいので書き直してもらえないかと願うばかりです。
ここで補足をいくつか
・京子はみんなと楽しい時間を過ごす中で心は満たされていったが、唯一心残りがあって(本人も自覚してなかった)それが綾乃や結衣にあの事故のことを話すということで、案外あっさりと満たされたのはこのためである。
・ゆるゆりの中ではやはり櫻子が頭一つ大人になりたい気持ちが強いかとのことで、櫻子をキーポイントにしました。
・エピローグで本当はりせとの別れのシーンも
ありましたが誤って消してしまいました
・一番の宝物がところどころで脳内再生されてました
・駄文すいません!
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