男「忘れた」 狐娘「・・・・なんじゃと?」(214)

男「こっちに来るのも久しぶりだなぁ・・・」

祖父「そうだろうそうだろう。ところで男、何しに来たんじゃ?」

男「いや、なんか、招待状が届いてさ?」

祖父「招待状?」

男「うん。何の招待状かもわからないんだけど。どうせ夏休みだし、暇だし」

祖父「わしと婆さんの顔を見に来たんじゃないのか・・・」

男「そう拗ねないでよ。ほら、これ。東京バ○ナ」

祖父「おぉ!さすがわが孫じゃ!」

男「じゃあちょっと出かけてくるね」

祖父「おう。気をつけるんじゃぞ~!」

男「・・・・ていうか・・・・記載の場所が山の近くの川ってしか書いてねぇ・・」

男(そもそも・・・何の招待状なんだか・・・・)

男「・・・・おっ!」

男「川だ」

男「はぁ~・・・つめてぇ~・・・おっ、魚・・・・」

男「にしても・・・時間なのに誰もいないな・・・この川じゃないのか?」

?「もし」

男「・・・?」

?「男様でございますか?」

男「は、はい。あ、あなたは?」

?「わたしですか?私に見覚えはございませんか?」

男「え?・・・・・えーっと・・・」

?「・・・・・・・・・」

男「・・・・・・わ」

?「わ?」

男「わかりません・・・」

?「・・・・・・・・・」

男「す、すみません」

?「もう、しょうがありませんね」ファサッ

?「これで思い出していただけましたか?」

男「えっ!?耳が!?」

?「思い出していただけましたか?」

男「・・・・・・・・・・・」

?「・・・・・あの・・・・」ヒクヒク

男「・・・・・ごめん・・・忘れた」

?「・・・・・・・・・・・」

男「・・・・あの?」

?「・・・・・なんじゃと?」

?「忘れた・・・じゃと?」

男「えっ・・・あの・・・」

?「こっちはのぅ・・・・7年じゃぞ?7年間おどれの顔を忘れた日はなかったのに・・・覚えとらんじゃと?」

男「・・・・7年」

?「ほーかほーか・・・覚えとらんのか・・・いい度胸しておるのぅ」

男「え!?し、尻尾!?」

?「ここまでとさかに来るのも久々じゃ・・・覚悟せえよ!」

男「うぇっ!?な、なに!?」

男(と、とりあえず・・・・逃げよう!)

男「うわぁぁぁぁぁ!」ダッ!

?「まてぇ!このダボがぁぁぁあぁ!!」

男「ちょっ!はやっ!」

?「うがあああああああああ!」バッ

男「ぎゃああああああああああああああああ!」

バッシャーーーン

?「おどれ・・・死ぬ覚悟はできとぉな?」

男「い、いや。できてないです」

?「んあぁ!?できとらん?んなん関係ないわい!」

男「ちょ、ちょっとまってください!」

?「なんじゃい!」

男「あ、あなたのお名前は・・・」

?「なんじゃ?今頃思い出したんか?」

男「えっと・・・・」

?「せやろせやろ。こんなかわいい狐娘様の名前が思い出せんわけないわなぁ」

男(狐娘?)

男「う、うん。狐娘ちゃん」

?「なんじゃい。ちゃんとおぼえとるやないか!」

狐娘「おどれさいしょっからからかうつもりやったやろ?」

男「そ、そんなことはないよ・・・」

男(あれ・・・なんか・・・こんなこと前にもあったような・・・)

狐娘「・・・まぁいいわ。ほんで、おどれはそんなカッコで参加するんか?」

男「へ?」

狐娘「あ?」

男「参加って・・・」

狐娘「おどれんとこに招待状届いたやろ。それやそれ」

男「これ?」

狐娘「そやそや」

男「えっと・・・・これって何の招待状なの?」

狐娘「? おかしいやっちゃな。主役がなにぬかしとるん」

男「へ?主役?俺が?」

狐娘「そやそや。ほれ、とっとといくで」グイグイ

男「ちょ、ちょっと!?」

男「ひとつきいてもいい?」

狐娘「なんじゃ?」

男「狐娘ちゃんっていろんな方言が混ざってるんだね?」

狐娘「ああ。これか?これはおとんとおっかぁがぞれぞれべつんとこの生まれだからじゃ」

男「な、なるほどね・・・・」

狐娘「まぁ、いまとなっては両方とも死んじまったがの。カッカッカ」

男「・・・・・・・・・」

狐娘「ほれ。着いたで」

男「・・・うわぁ。すごい・・・」

狐娘「そうじゃろそうじゃろ。ほれ、はよう準備せい」

男「えっと・・・準備って何の?」

狐娘「あぁ?なにいっとんじゃ?結婚式にきまっとろが」

男「へー・・・・誰の?」

狐娘「その年で痴呆か?わしとおどれのにきまっとろうが」

男「・・・ごめん・・・もっかいいってもらえるかな・・ホントに脳がやばいのかも・・・」

狐娘「わしとおどれの結婚式じゃ」

男「・・・・・・・・・・え?」

狐娘「なんじゃ?」

男「どういうこと?」

狐娘「どういうこともこういうことも、約束したやろ。おどれが18なったら嫁にもらうて」

男「・・・・・え゛」

狐娘「おどれがいっとったやんけ。「俺は18にならないと結婚できない」って」

男「・・・・マジで?」

狐娘「マジじゃ」

狐娘「じゃからわしはひたすら待っとたんじゃ。ほかの友達はみーんな嫁に行ってしもうたのに・・・」

男「・・・・・・・・」

狐娘「おどれのせいでわしだけ行き遅れじゃ!ちゃんと責任とりぃや?」

男「・・・・えっと・・・・」

狐娘「あん?」

男「・・・・ごめん」

狐娘「なにがじゃ?」

男「俺・・・狐娘ちゃんと結婚できません!」

狐娘「・・・・・・・・・・・」

男「まさかそんな約束を子供のころにしていたなんてぜんぜん覚えておりませんでした!」ドゲザァ

狐娘「・・・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・き、狐娘ちゃん?」

狐娘「・・・・う・・・・」

男「・・・う?」

狐娘「うわああああああああああ」ボロボロ

男「!?」

狐娘「7・・ねんも・・まっだのに・・まっでだにぃぃ・・・」

モブ狐「お嬢・・・・これを・・・」

男「・・・・・げっ!?」

狐娘「もう・・・じらん・・・ごろじで・・やるぅぅ」ギラッ

男「か・・・刀!」

狐娘「わじの・・・じゅんじょうを・・もであそびよっでぇえええ・・」

男「うわあああああああああああ!」ダッ

狐娘「どごじゃああああああ!」

男「うわわわわ・・・・」

モブ狐「男様・・男様・・」

男「うぉっ!?あ、あなたはさっきの・・・って見つかったー!」

モブ狐「お静かに・・!大丈夫我々はあなた様の味方です」

男「えっ?」

男「でもさっき狐娘ちゃんに刀を・・・」

モブ狐「お嬢がああなったときにヤッパを渡しておかないとそれ以上の被害が出るもので・・・」

男「そ、それ以上・・・・」

狐娘「どごじゃああああああああああああああああ!」ズバズバッ

男「そ、それで・・・俺はどうすれば?」

モブ狐「男様・・・お嬢に肩入れするわけじゃありませんが、今回はあなたが悪いと思います」

男「え?」

モブ狐「お嬢はああみえても結構一途なんです。そうじゃなければ7年も男様を待っているなんてできませんよ」

男「・・・・・・・・」

モブ狐「どうです?この際すっぱりと籍をいれちまうってのは」

男「で、でも」

モブ狐「お嬢のいう約束ってやつを忘れてらっしゃったので?」

男「う、うん・・・」

モブ狐「もしかして・・・ほかに女がいるんですかい?」

男「ううん・・・俺男子校に通ってるからおんなっけゼロ」

モブ狐「そりゃあよかった。もしほかの女がいたらそいつも八つ裂きでしたぜ」

男「ま、まじかよ・・・・」

モブ狐「お嬢のどこが気に入らないんで?」

男「え?」

モブ狐「性格ですかい?」

男「・・・・刀を振り回すのは・・・」

モブ狐「わかってやってください。それだけ真剣だったんでさぁ」

男「・・・・う、うん」

モブ狐「それじゃあ、性格を除いて考えてみてくだせぇ」

男「え?」

モブ狐「よく考えてみてくだせぇ。お嬢は十分美人じゃないですか」

男「・・・た、たしかに」

モブ狐「可愛い子を自分の嫁にできる。男冥利につきるってもんじゃないですか」

男「で、でもさ。急に結婚って言われても・・・・」

モブ狐「まぁたしかに。7年間も間が開いていたわけですからねぇ」

男「うん・・・・」

モブ狐「じゃあ、少しの間一緒にいてみたらどうです?」

男「え?」

モブ狐「男様は今人間たちのいう夏休みっていうやつしょう?」

男「う、うん」

モブ狐「その間はこちらにいるわけでしょう?」

男「そうだよ」

モブ狐「その間、お嬢と昔の様にすごしてみたらいかがです?」

モブ狐「というか、もうそれしかお嬢をとめるにはそれしかないかと・・・」

男「・・・・・・・・・・・」

モブ狐「まぁ、男様が八つ裂き、もしくは籍をいれれば話はべつでしょうが」

男「・・・そ、そうですね」

狐娘「うわああああああああああああああああ!」ザクザクッ!

男「で、どうしたらいいのかな?」

モブ狐「どうしたら・・・と申しますと?」

男「狐娘ちゃんにその旨を伝えたいんだけど、このまま出てったら俺殺されちゃう気ががするんだけど?」

モブ狐「・・・・・・・・・・・・」

男「モブ狐さん?」

モブ狐「がんばってくだせぇ」

男「どうにかとめられないかな?」

モブ狐「うーん・・・とりあえず大声で牽制してみたらいかがです?」

男「その前に見つかって斬られないかな?」

モブ狐「斬られる前にその旨を伝えてくだせぇ」

男「ちゃんと聞いてくれるかな・・・」

モブ狐「そうとうトサカに着てるみたいですから、正直どうなるかはわかりやせん」

~5分後~

狐娘「どこじゃああああああああ!」ヒュンヒュン!

男「狐娘ちゃん!」

狐娘「・・・・・・・そこにおったんか・・・ワレェぇぇぇぇ!」ダッ!

男「い、いっしょに・・・ってやっぱ無理ぃぃ!」ダッ!

狐娘「までぇえええ!こんボケぇぇぇぇ!」

狐娘「おんどりゃあああああああああああ!」ザクッ!

男「うわっ!?」

狐娘「ん!?んんーーー!!ふんっぬううううーーー!!」グッグッ

男(刺さって抜けない・・・今しかない!)

男「狐娘ちゃん!」

狐娘「ぬぅうううううううううう!」スポッ

狐娘「やあああああああああああああ!」

男「一緒に暮らそう!」

狐娘「ああああああああああああああ・・・・」ピタッ!

男「・・と、とまった・・・」

狐娘「いっしょに・・・」

男「う、うん」

狐娘「くらす?」

男「そ、そう」

狐娘「どういうことじゃ・・・・」

男「いや・・・その・・・急に結婚っていうのは・・・ね」

狐娘「・・・・・・・・・・」

男「すこしはお互いのことを分かり合わないと・・・ね?」

狐娘「・・・・・・・・・・」

男「わ、わかってもらえたかな?」

狐娘「・・・・・・・」チャキン

男「・・・・・・・・・・」

狐娘「・・・・・・なんじゃ」

男「・・・・・え?」

狐娘「そういうことならはじめからそう言え。こんダボ♪」

男「う・・・うん。ごめん・・・・」

狐娘「おーい。モブ」

モブ狐「はい」

狐娘「今日からわしの分の飯はいらん。今日からわしは男の家にやっかいになる」

モブ狐「お嬢・・・御達者で・・・・」

狐娘「おう。それじゃあの。ほれ行くぞ男」グイッ

男「わわっ!わかったから!」

狐娘「~~~♪」

男「なんだかすごくうれしそうだね?」

狐娘「当たり前じゃ!今日から一緒に住むんじゃぞ?」

男「うん。あれ?」

狐娘「どうした?」

男「なんか大事なことを忘れてる気がする・・・・」

狐娘「ほー。ここが男の家か。ずいぶんとでかいのう」

男「俺のっていうかじいちゃんとばあちゃんの家だね」

狐娘「なんじゃ?二人で暮らすのではないのか?!」

男「いやいや・・」

狐娘「・・・だましたのか?」

男「家を持つっていうのはとっても大変なことなんだ」

狐娘「・・・ほう?」

男「だからそこは勘弁してよ」

狐娘「しょうがないのぅ」

ガラッ

男「ただいまー」

祖父「おぉ、おかえり。どうじゃった?」

男(しまった!じいちゃんたちのことを忘れてた!)

祖父「ん?後ろの子は誰じゃ?」

狐娘「男、誰じゃこいつは!」

祖父「ん?ずいぶんと元気な子じゃのう」

男「あぁ、この人は俺のじいちゃんだよ」

狐娘「なんじゃ男の爺様であったか!」

祖父「男、このこは誰じゃ?狐の耳っぽいのが生えとるが・・・こすぷれっていうやつかの?」

男「いや、正真正銘の狐の女の子です」

祖父「ほほう」

男「爺ちゃん。この子も今日からここに一緒に住んでもいいかな?」

祖父「んん?どうしてじゃ?この子にも帰る家があるじゃろ?」

男「それがね・・・」

狐娘「わしは男の嫁になる女じゃ。だから一緒に暮らす。それだけじゃ」

祖父「・・・・・どういうことじゃい?」

男「・・・・そういうことなんだ」

~説明中~

男「・・・・というわけなんだ」

祖父「ほうほう。嫁にもらうといったのならそりゃあ責任はとらんとな」

狐娘「物分りのいい爺でよかった」

男「あはは・・・・・」

祖父「それじゃあ部屋は男と一緒でよかったかの?」

狐娘「もちろんじゃ」

男「えっ?!い、一緒?!」

狐娘「なにをいっとるんじゃ。めおとは同じ部屋で生活するもんじゃろが」

祖父「まぁ、仲良くしろよ」

男「ま、まじでか・・・・」

祖母「あらあら。そんなことがあったの~」

狐娘「よろしくなババア」

男「狐娘ちゃん・・・せめてお婆さんって呼んで・・・・」

祖母「いいのよいいのよ。女の子が家にいるなんて久々だわ~」

男「・・・・・はぁ」

男「とりあえず、部屋に行こうか」

狐娘「おぉ!そうじゃな!いくぞ男!」グイグイ

男「ちょっと!引っ張らなくても歩くから!」

祖父「それにしても・・・・」

祖母「どうしました?」

祖父「あの狐娘ちゃん・・じゃったか?前にあったような気がするんじゃがのう・・・」

祖母「いやですよぉおじいさん。忘れちゃったんですか?」

祖父「へ?」

狐娘「ほう!これがわしらの部屋か!なかなかじゃの!」

男「それはよかった」

グー・・・・

男「・・・・今の音は・・・」

狐娘「腹の虫じゃ」

男「そういえばもうこんな時間か。そろそろ飯の時間かな」

狐娘「ほう。人間の飯は初めてじゃのう。楽しみじゃ!」

男「いただきます」

狐娘「いただきます」

男「狐娘ちゃんは箸は使えるんだね」

狐娘「バカにするな。わしは手先が器用なんじゃ」

男「へー」

狐娘「あーーーーん」ガブッ

男「へ?」

狐娘「モゴモゴモゴモゴ・・・・」

男「・・・・・・・・・・」

狐娘「んべっ!うん!うまい魚じゃ!」

男「狐娘ちゃん・・・」

狐娘「なんじゃ?」

男「その食べ方は・・・ちょっと行儀が悪いよ」

狐娘「? じゃあどうやって食うんじゃ?」

男「こう・・箸で」ホジホジ

狐娘「バカたれ!身が残ってるじゃろ!」

男「えぇ~・・・・」

祖父「仲がいいのう」ニヤニヤ

祖母「ほんとねぇ」

男「これで?!」

狐娘「男!皮を残すな!皮が一番美味しいんじゃ!」

男「う、うん」

~風呂~

男「ふぁ~・・・田舎の風呂は風情があっていいなぁ~」

狐娘「まったくじゃ~」

男「ふ~~~・・・・・ん?」

狐娘「は~~~~~・・・・・」

男「き、狐娘ちゃん!?なんで一緒に入ってるの!?」

狐娘「? めおとなんじゃ。一緒に風呂くらい入るじゃろ」

男「で、でも・・・!」

狐娘「ほれほれ。男。背中をあらってやろう」

男「い、いや!いいって!」

狐娘「・・・・・・なんじゃ?わしの誘いを断るのか?」

男「・・・・・・い、いえ。そんなわけじゃ・・・」

狐娘「ほれ!背中を向けろ!」

男「・・・・・・」

狐娘「・・・・・・~~♪」ワッシュワッシュ

男「・・・・・・」

狐娘「どうじゃ?」ワッシュワッシュ

男「う、うん。ちょうどいいよ」

狐娘「そうかそうか♪」

ザバー

狐娘「つぎは男の番じゃな」

男「う、うん。それじゃあ・・・失礼して・・・」

ワッシュワッシュ

狐娘「おぉー!いい気持ちじゃ!」

男「・・・・・・・・・・・・・」

男(尻尾も・・・洗ったほうがいいのかな?)

男「・・・・・・・えいっ」シャワシャワ

狐娘「・・・・はっ!?」ビクッ

男「・・・・・・・・・・」ワシャワシャ

狐娘「お、男!そ、そこはさわるな!」

男「え?でも・・・」ワシャワシャ

男(うわー・・・なんかすごいいい手触り・・・)

狐娘「ひゃっ!」

男「・・・・・・」ワシャワシャ

狐娘「だっだからやめっ!」ビクッ

男「で、でも洗わないと・・・」

狐娘「そ、そこはあらわんでいいっ!」

ザバー

男「はい。終わったよ」

狐娘「・・・・・・・・・・」

男「? どうしたの?」

狐娘「に・・・・」

男「に?」

狐娘「二度とわしの尻尾に触るな!」

男「ど、どうして」

狐娘「何でもじゃ!絶対に触るな!」

男「わ、わかったよ」

狐娘「ふんっ!」ザブッ

男「さてと・・・・ってあれ?狐娘ちゃん寝巻きは?」

狐娘「寝巻き?これじゃだめなのかのう?」

男「それはさっき着てた着物じゃない」

狐娘「? いつもは寝るときも着てるぞ?」

男「うーん・・・でもなぁ・・・なんかないかな・・・ばあちゃーーん」

男「前に姉ちゃんが忘れてったパジャマがあったよ」

狐娘「ぱじゃま?なんじゃそれは?」

男「寝巻きのことだよ」

狐娘「なるほど」

男「って・・・・狐娘ちゃん下着は?」

狐娘「したぎ?なんじゃそれは?」

男「ばあちゃ・・・・・さすがに下着は無いよなぁ・・・・」

狐娘「なんだか・・・動きづらいのう・・・・」

男「あ、尻尾の穴を開けておかないと」

狐娘「そうじゃの。これを貸してやろう」

男「これって・・・昼間の刀じゃない!」

狐娘「そうじゃが?」

男「もってきたの!・」

狐娘「んなことはいいからさっさと穴を開けろ」

男「いやいや!こんなの危なくて使えないよ!」

狐娘「男はおくびょうもんじゃのう・・・」

祖母「はい。これでいいかね?」

狐娘「おぉ!ちょうどいいぞ!ありがとうなババ!」

祖母「はいはい」

男「ありがとうねばあちゃん」

祖母「いいんだよこのくらい。あっ、男二階に布団しいておいたからね」

男「うん。あれ?じいちゃんは?」

祖母「外でお酒」

男「なるほどね」

狐娘「ほら男!早く行くぞ!」

男「はいはい」

狐娘「う、うわっ!」グイッ

男「おっとと!だ、大丈夫?」

狐娘「く・・・寝巻きが引っかかる」

男「ありゃ・・・尻尾の穴しか気にしてなかったけど結構だぼだぼだね」

狐娘「くそっ!邪魔じゃ!」

男「ス、ストップ!刀はだめ!明日ばあちゃんに直してもらうから!」

狐娘「くぅ・・・歯がゆい・・・・」

男「とりあえず今日はまくっておこう」クルクル

男「さてと・・・」

ガラッ

狐娘「おぉ!布団じゃ!」ぼふっ

狐娘「おぉぉ!ふかふかじゃあ!」

男「・・・・・・・」

狐娘「ん?どうしたのじゃ男?」

男「いや、布団一枚しか敷いてないなと思って」

狐娘「それがどうしたのじゃ?」

男「いや、仮にも男と女なわけですから・・・ね?」

狐娘「まえにもいったじゃろ。めおとなんじゃからこのくらい普通じゃ」

男「・・・・・・・」

狐娘「結婚が済んでいたならもう契っていてもおかしくないんじゃぞ?」

男「契るって・・・・」

狐娘「? わからんのか?子作りのことじゃ」

男「いや、わかるけど・・・・」

狐娘「お前があの時結婚しておれば今頃いい目をみれたじゃろうに」

男「・・・・・狐娘ちゃん?」

狐娘「なんじゃい」

男「耳まで真っ赤になってるよ?」

狐娘「っ・・・!!」

男「・・・・・・・・・・」

狐娘「ふ、ふろでのぼせたんじゃ!」

耳って、頭の上に狐耳が付いてるんだよね? 赤くなるの?

男「でもさ?」

狐娘「・・・・なんじゃい」

男「布団が一枚だと・・・どうしても尻尾に触れちゃうきがするんだけど・・・・」

狐娘「・・・・・・・・」

男「もう一枚布団だそっか。よいしょっと」

狐娘「だ、駄目じゃ駄目じゃ!」

男「えっ?」

>>88
自分の想像では耳と尻尾もまっかっかです

狐娘「めおとは一緒の布団で寝るんじゃ!」

男「で、でも尻尾に触れちゃうよ・・・」

狐娘「触らんように一緒に寝るんじゃ!」

男「そんなことできるの?」

狐娘「お前がどうにかするんじゃ!」

男「え、俺?!」

男「結局うで枕するってのが一番楽な解決策か・・・」

狐娘「ふむ・・・これなら尻尾に触らんで済むのう」

男「そうだね」

狐娘「もし触ったら・・・」

男「ちょ・・・刀を出さないで!」

狐娘「・・・・ふん」

ゲロゲロゲロゲロ・・・・・

狐娘「・・・・・・んっ・・・・」

男(・・・・・すげー静かだなー・・・)

男(・・・・・なんか寝れないや・・・)

狐娘「・・・すー・・・・・すー・・・・」

男(・・・・・・・・・・・・・・・)

男(7年前・・・・・・・)

男(結婚の約束・・・・・・・)

男(・・・・・・・思い出せないな)

男(うーん・・・・・)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

?「じゃあやくそく!」

?「う、うん。でも、おとーさんが18さいにならないとけっこんできないっていってたよ?」

?「まってる!だから18さいになったらおよめさんにしてね!ゆびきり!」

?「う、うん」

?「ゆーびきーりげーんまーんうーそつーいたーら・・・・・」

?「どうしたの?」

?「うそついたらどうしよう?」

?「ぼくはうそなんかつかないよ」

?「ほんと?」

?「うん」

?「それじゃあぜったいだよ!まってるからね!」

?「うん!」

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

男「・・・・・・・んぁ・・・・ふぅぁぁぁぁ・・・」

男「朝か・・・・・・・」

男「あれ?狐娘ちゃん?」

男「下にいるのかな」

男「おはよー」

祖父「遅いなぁ。もう7時だぞ」

男「じいちゃんたちが早すぎるんだよ」

祖母「あらあら。男、寝癖がひどいわよ。顔洗ってらっしゃいな」

男「ふぁい。・・・あれ?狐娘ちゃんは?」

祖母「さっき、川に行ってくるって出て行ったわよ。そうだ。そろそろご飯にするから呼んできてもらえる?」

男「はーい・・・・」

男「ん~~~・・・・・」

男(夏だなぁ~・・・・)

男(とりあえずさっさと川に向かおう)

男「さて・・・どこら辺にいるのかな・・・・」

男「あ、あれかな?」

男「狐女ちゃーん」

狐女「・・・・・・・・・・・」

男「あれ?」

タッタッタ

男「狐娘ちゃん?」ユサユサ

狐娘「・・・・!」ギロッ

男「えっ!」

狐娘「しずかにせい・・魚が逃げる・・」

男「・・・ご、ごめん」

狐娘「・・・・・・・・」パシャッ

ボトッ

狐娘「・・・・・・・・」パシャッ

ボトッ

男「す、すごい」

狐娘「これだけとれば十分じゃろ」

男「あ、そうだ。ばあちゃんがそろそろご飯にするってさ」

狐娘「なんじゃと?」

男「へ?俺なんかへんなこと言ったかな?」

狐娘「わしの獲ったこれはどうするのじゃ」

男「・・・・・・・・・・」

男「あ、あとで塩焼きにしようか」

狐娘「・・・むぅ」

男「とにかく早く戻ろう」

狐娘「・・・・・ふん」

男「いただきます」

狐娘「いただくぞ」

祖父「じゃあわしは役場にいってくるの」

祖母「はいはい。いってらっしゃい。それじゃあ私も裏の畑にいるからね」

男「はーい」

男「・・・・」ムシャムシャ

狐娘「・・・・・・・・・!」

男「・・・・・・・」ムシャムシャ

狐娘「お、男!」

男「? どうしたの?」

狐娘「こ、これは・・あぶらあげではないのか?!」

男「うん。油揚げと豆腐の味噌汁だね」

男「それがどうかしたの?」

狐娘「それがじゃと!?」

男「えっ!?」

狐娘「あさっぱらから油揚げが出てきたのに「それが」じゃと?!」

狐娘「おどれは油揚げがどれだけ貴重かしらんのか!」

男「え、いや・・・・」

狐娘「い・・いいんじゃろうか・・・た、食べてしまっても!」

男「う、うん。どうぞ」

狐娘「・・・・・・・・・」パク

男「・・・・おいしい?」

狐娘「・・・・・・・・・」

男「・・・・・・?」

狐娘「ん~~~~~~~♪」

男(・・・・・・すごい笑顔)

狐娘「とってもうまいぞ!感動じゃ!」ヒョイパク

男「そう。よかった」

狐娘「~~~~~~~♪」

男(この娘も普通に笑うんだなぁ)

男「よかったら俺のもあげるよ」

狐娘「よいのか?!」

男「うん」

狐娘「やったーー!」ヒョイパクヒョイパク

狐娘「ん~~~~~~~~~~♪」

男(・・・・・・・・・あれ?)

見てる方いるかわかりませんが落ちますね。

お疲れ様でした

男(・・・・なんかどっかで・・・・)

男(・・・・・・・・・・・)

?「ありがとう!おにいちゃん!」

男(・・・・・・・・・・・)

男(・・・・・・・・・・・)

?「・・・とこ・・・・・・・男!」

男「へっ!?」

狐娘「さっきから呼んでおろうが!なぜ無視するんじゃ!」

男「あ・・・ご、ごめん」

狐娘「まったく・・・・・」

狐娘「それよりももっと油揚げはないのかの?」

男「・・・なべにまだのこってるかも」

狐娘「そうか!では行ってくるかの!」タッタッタ

男「・・・・・・・・・・・・・・・」

男(・・・・・あの子は・・・・・)

狐娘「ほれほれ!男!早くせい!」

男「ちょ、ちょっと!急にどこに行くの!」

狐娘「おどれは体力が無さすぎじゃ!このくらいでへばってどうすんじゃ!」

男「・・・・・・はぁ」

狐娘「んー・・・・・ここら辺じゃったとおもうんじゃが・・・・」ガサガサ

男「・・・いったいなにを探してるの?」

狐娘「竜神の泉じゃ・・・おっかしいのう・・・」ガサガサ

男「・・・・・竜神?」

狐娘「ん?なにをそんなあほっつらしとるんじゃ」

男「いや・・・竜神て・・・・」

狐娘「・・・ん?おぉ!あった!ここじゃここじゃ!」

男「え?・・・・これ?」

狐娘「そうじゃ。ここが竜神の泉じゃ!」

男「・・・・・・・・・・」

狐娘「? なんじゃ?そのかわいそうなものを見る目は?」

男「いや・・・だって・・・・」

狐娘「・・・・おどれ・・・わしを変なやつとおもっとるじゃろ?」

男「・・・だって、これどう見てもただの水溜りだよ?」

狐娘「・・・まぁ傍目から見ればたしかにの・・・・」

男「・・・・・うん」

?「・・・・貴様ら・・・・・」

狐娘「おっ?」

男「え?」

男「いまなんか言った?」

狐娘「なにもいっとらん。この泉の主じゃ」

男「へ?だって・・・」

?「・・・・・貴様ら!」

狐娘「ほれ。出てくるぞい」

男「出てくる?」

とぷんとぷん・・・・

男「あれ?水が・・・増えてる!?」

どぷんどぷん・・・・

狐娘「それにしても久々じゃのう・・・竜神?」

男「へ?」

ザバアアー

男(小さな・・・女の子?)

竜神「・・・・・何しに来た糞狐」

狐娘「なぁに。ちょっと取引をしに来たのじゃ糞蜥蜴」

竜神・狐娘「・・・・・・・・!」ギリギリギリギリ!

男「ちょ、ちょっと!ふ、二人とも?!」

竜神「ん?なぜここに人間がいる!」

男「えっ?!いや・・・・」

狐娘「わしの夫になる男じゃ」

竜神「なんだと!?」

ガシッ!

竜神「貴様!それは本当か!?」

男「ふぁ・・・ふぁい!」

狐娘「と、いうわけじゃ。ほれ。とっとと恋水帳を貸せ」

男「れんすいちょう?」

竜神「・・・ぐぅぅぅぅ」

狐娘「そうじゃ。竜神の一族に伝わる巻物じゃ」

男「まきもの?」

狐娘「ほれ!とっととよこせ糞蜥蜴!」

竜神「い、嫌だ!誰が貸すか!」

狐娘「なんじゃと?お前に拒否する権利なんぞないと思うんじゃがのう?」

竜神「くっ・・・・。ほれ・・・もってけ・・・」ポイッ

狐娘「にっしっし♪」

男「ところでこれって何なの?」

狐娘「これはの。恋水帳といっての。これに二人の男女でそれぞれの名前を水で書くとの・・・」

男「?」

狐娘「まぁ、やってみてからのお楽しみじゃ。ほれ早速やるぞ」

男「ここに書けばいいの?」

狐娘「そうじゃ」カキカキ

男「・・・・・・」カキカキ

竜神「・・・・・・・・・」

狐娘「ほれ・・・出るぞ出るぞ!」

男「・・・・・・・・うわぁ」

モヤモヤモヤ・・・・

狐娘「きたっ・・・・・ん?」

男「あれ?色が青になってる」

狐娘「・・・・・・なんで」

男「へ?」

狐娘「なんで青なんじゃぁあぁあああ!!」

男「うぇっ!?」

竜神「ははははははは!ひゃっひゃっひゃ!ひぃ!ひぃ!」

狐娘「糞蜥蜴!こんボケェ!どういうことじゃ!」

竜神「ひっひゃっひゃ・・・そ、そりゃあおまえらがお似合いじゃないってことじゃろ!ひゃっひゃっひゃ」

男「ど、どういうこと?」

竜神「その恋水帳はな・・・名前を書いた二人がお似合いなら赤。そうじゃないなら青に色が変わるんじゃ」

男「へ?」

竜神「まぁ・・・・・お、お似合いじゃな、ないんじゃろ?ぶふーーー!」

狐娘「・・・・・・」ブチッ!

男「き、狐娘ちゃん?!駄目だよ!刀は駄目!いくら竜神様でもそれはまずいよ!」

竜神「あー?なに言ってんだ?こいつはどう見てもお前にぶちきれてんだろ」

男「え?」

狐娘「・・・・・・・・・」スーーーー

男「な、なんで?」

竜神「そりゃあお似合いじゃない理由はお前にあるからだろ」

竜神「片思いってやつじゃあな。そりゃ青がでるわなぁ・・・ぷふっ」

狐娘「・・・・・!」ダッ!

男「う、うわぁああっ!」

竜神「たっしゃでな~」ヒラヒラ

男「ハッハッハッハ・・・・・・」

狐娘「・・・・おどれ・・・・わしのことが・・・・」

男「はぁっ・・・ひぃっ・・・・」

狐娘「好きじゃ・・・ないんかぁあああああああああああああああああ!」

男「うわああああああああああああああああ!」

狐娘「とまれえええええええええ!たたっきっちゃるぅぅぅぅ!!」

男「祖、そんなことないってぇええええええ!」

狐娘「うそこけえええええ!恋水帳に嘘が出るわけないじゃろがああああああ!」

男「し、しらねぇよおぉぉぉ!」

狐娘「逃がすかああああああああああ!」バッ

男「う、宇和あああああああああああああああ!」

ガッ!ガラガラガラガラ!

男「げふっ!」

狐娘「捕まえたでぇ・・・ボケカス・・・・」

男「ぐっ!」

狐娘「おどれは・・・わしのこと・・・嫌い・・・・なんか?」チャキッ

男「狐娘ちゃん!?か、刀が・・・」

狐娘「答えろ!!」

男「・・・・・・ぐ」

狐娘「早く!!」

男「嫌いも何も・・・」

狐娘「・・・・・・・・」

男「思い出せないんだよ」

狐娘「・・・・・・・・」

男「狐娘ちゃんは約束したって言ってるけど俺は思い出せないんだよ」

狐娘「・・・・・・・・」

男「結婚の約束も、昔あそんだってことも」

狐娘「・・・・・・・・」

男「そんなんで好きだなんていえないだろ・・・・」

男「結婚の約束だって、狐娘ちゃんの嘘なんじゃないの!?」

狐娘「・・・・・・・・!」フルフル

男「俺だってそん・・・・・え?」

ポタッ・・・ポタッ

狐娘「・・・・・・・・」

ポタッ・・・ポタタ

狐娘「・・・・そうかぁ・・・め、めいわくだったんじゃな・・・」

男「え?」

スッ・・・ チャキン

狐娘「・・・・・もういい。すまなかった。もうお前には会わん。話もせん。忘れてくれて結構じゃ」

男「き、狐娘ちゃん?」

狐娘「・・・じゃあの」

男「・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・・」

祖父「なんじゃ?ばあさん。男のやつなんかあったんかいのう?」

祖母「さぁ?大方狐娘ちゃんとけんかでもしたんじゃないですかねぇ?」

祖父「ほう。そりゃあ大事じゃのぉ・・・・」

祖母「どれどれ・・・仲直りの種でもあげてきましょうかねぇ」トコトコ

祖母「男」

男「・・・・・・おばあちゃん」

祖母「はい。これ」

男「・・・・なにこれ」

祖母「アルバム」

男「・・・・なんで?」

祖母「すこしながめてみるといいよ」トコトコ

男「・・・・・・・・」

パラッ

男(・・・・・夏祭りのとき・・・・)

パラッ

男(・・あっ、川遊び・・・・・・)

パラッ

男(・・・・・・・・・あれ?この子・・・・・)

ダッ

男「ば、ばあちゃん!この子って」

祖母「んー?昔男が連れてきた子じゃないの」

男「俺が?」

祖母「そうそう。足を怪我したから消毒してくれっておんぶしてきたじゃないの」

男「・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・

?「うぇぇぇぇえぇ!」ボロボロ

?「な、なかないでよぉ」

?「いたいよぉ・・」

?「・・・・・」スッ

?「ふぇ?」

?「お、おんぶ・・・」

?「・・・・・・・」

?「早く行かないとばい菌はいっちゃうよ」

?「・・・・うん」

?「あっ、足は大丈夫?」

?「・・・うん」

?「よかった~」

?「あの・・・・」

?「?」

?「あのね?」

?「たすけてくれたお礼にね」

?「うん」

?「わたしがけっこんしてあげる」

?「え?」

?「おにいちゃん昨日私のしっぽさわったし・・・」

?「しっぽ?」

?「わたしたちの一族だとしっぽをさわるのは結婚をもうしこむことなんだよ」

?「え?!で、でも昨日のはおんぶしてたから、その、しょうがなく・・・」

?「おにいちゃんはわたしのこと嫌いなの?こんな耳としっぽがあるから?」

?「そ、そんなことないよ!」

?「そ、それじゃあ・・・」

?「で、でも18歳にならないとけっこんできないってお父さんがいってたよ」

?「じゃあまってる!だから・・・・絶対にむかえにきてね!」

?「うん。わかったよ。絶対迎えにくるよ狐娘ちゃん」



狐娘「約束だよ?男おにいちゃん」

読んでくれてる人がいてくれてよかったです。

男「・・・・・・・・はぁ」

男(ちゃんと覚えてるじゃないの・・・・・)

スック

男「ばあちゃん。これありがとう」

祖母「はいはい。なつかしかったでしょう?」

男「うん。俺ちょっと出かけてくるね」

祖母「あんまり遅くならないようにね」

男「ハッハッ・・・・・・」

ダダダッ

男「たしか・・・ここだったか・・?」

ダダダッ

男「うわっ!?」

ステーン

男「いったた・・・・・・・・・・?」

狐娘「・・・・・・・・・・」

男(いた!)

狐娘「・・・・・わしがバカなんじゃろうか?」

ゲコゲコ

狐娘「・・・お前に言ってもわからんかの」

ゲコ

狐娘「そうじゃ!ひとつ昔話をしてやろう」

ゲコ・・・・

狐娘「そういやそうにするな。なあにすぐに終わる」

ゲッゲッゲ

狐娘「昔の?わなにかかった狐がおったんじゃ」

ゲロゲロ

狐娘「とてもとても狐一人でははずして逃げるなんてできんかった」

狐娘「そんなときじゃ。一人の人間がの?近づいてきたのじゃ」

ゲ

狐娘「そりゃあ怖かったじゃろうのう。なにせわなでつかまってるんじゃ。怖くて当然じゃ」

ゲロ

狐娘「じゃがの?その人間は狐を殺すどころかその傷の手当までしてくれたんじゃ」

ゲゲロ

狐娘「そうじゃ。一目ぼれじゃ」

ゲーロゲロ

狐娘「やさしい男の子じゃった・・・・本当に・・・やさしい・・・」ぐす

グワグワッグワ

狐娘「・・・駄目じゃ・・・わすれるっていった・・・はなさんっていったのに・・・・・」

ゲロゲロゲロ

狐娘「・・わすれ・・・られないよぉ・・・・・・いやだよぉ・・・」ボロボロボロ

狐娘「・・・・狐だ・・から?・・・・ひとじゃ・・ないから・・・きらいになった・・の・・・」

ゲゲゲ

狐娘「・・・ひっ・・・・ひっ・・・」ボロボロ

ゲロ

男「・・・・・・・・・・・・・」

狐娘「・・・・・・ひぃ・・・」

男「・・・・・・・・・」

ギュッ

狐娘「!? だ、だれじゃ!?」

男「・・・・・・・・・・」

狐娘「!?」

狐娘「な、何しに来た!!二度と会わんといったはずじゃ!!失せろ!!」

男「・・・・探しに来たんだ」

狐娘「聞きとうない!!早く失せろ!!」

男「・・・・・・・・・・・」

狐娘「失せろといっておるじゃろ!!」

男「・・・・・・・・・・・」

狐娘「おどれが消えんのならわしが消える!!」ズンズン!

ガッ!

狐娘「うわっ!?」

ドテッ

狐娘「くっ・・・・」

男「・・・・・・・・・」

狐娘「なに見てんじゃ!!さっさと失せろ!!帰れ!!」

男「・・・・・・・・・」

スッ

狐娘「な、なんのまねじゃ!!」

男「足。消毒しないと」

狐娘「余計なお世話じゃ!おどれの顔なんか見たくも無い!さっさと・・・うわっ!?」

男「よっこいしょ・・っと」

狐娘「なにすんじゃ!」

男「・・・ばい菌がはいったら大変でしょ?」

狐娘「お・・・・・・・・・・」

男「ね?」

男「・・・・・・・・・・・」

狐娘「・・・・・・・・・・・」

トボトボ

男「ねぇ」

狐娘「・・・・・・・・なんじゃ」

男「尻尾にさわっちゃってるんだけど」

狐娘「・・・・・・おぶってるんじゃからしょうがないじゃろ」

男「でも、尻尾に触るのは結婚してくれって意味なんじゃなかったっけ」

狐娘「・・・・・・・・!」

男「はは。あのとき狐娘ちゃんが嫌がってた意味がようやくわかったよ」

狐娘「・・・・・・・・・」

男「あのときもこんな感じだったね」

男「怪我をした狐娘ちゃんをこうやっておぶってうちまで歩いてったっけ」

狐娘「・・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・・」

ポカッ

男「いたっ!?」

狐娘「・・・・・・・・・ない」

男「え?」

狐娘「おぼえてるじゃない・・・」

男「うん」

狐娘「・・・・・おぼえてるじゃない」

ポカポカ

男「うん」

狐娘「ぜ・・・・・・・・・・・い」

男「ん?」

狐娘「ぜったいゆるさない・・・・・」

男「・・・・・・・・うん」

~翌朝~

男「・・・・ん・・・・・紙?」

紙(川原)

男「・・・・・・・・・」

狐娘「・・・・・・・・・・・」

男「おまたせ」

狐娘「・・・・・おそい」

男「ごめん」

狐娘「・・・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・・・」

狐娘「・・・・・狐の一族ではの」

男「うん」

狐娘「尻尾を触るのは求婚のしるしなんじゃ」

男「うん」

狐娘「じゃから・・・・」

男「・・・・・・・・・・・」

狐娘「わしを・・・・・・」

男「うん」

狐娘「・・・・その・・・・」

男「うん」

狐娘「よ、嫁に・・・・・・」


狐娘「嫁にもらってくれないか?」

狐娘「男が嫌ならそれでもいい。わしはすっぱりあきらめる」

男「・・・・・・・・・」

狐娘「しょせんわしは狐、男は人間。こうなることは目に見えとったんじゃ」

男「・・・・・・・・・」

狐娘「それでも・・・・わしは男が好きじゃ!あのときから男のことが大好きじゃ!この気持ちは何年たっても変わらん!」

男「・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・・」

ガバッ!

狐娘「っ!?」

男「狐娘ちゃん。俺ね?18になったから結婚できるようになったんだ」

狐娘「・・・・・・!」

男「いまさらだけど・・・約束通り迎えに来たよ」

狐娘「・・・・・・・・・・このアホぉ・・・・」

~一週間後~

男「なぁ?これでいいの?」

モブ狐「はいはい。大丈夫です。それよりもびしっとしといてくださいよ?男様」

男「はい」

モブ狐「お嬢の晴れ姿・・・親分たちにも見せてやりたかった・・・・」

男「・・・・・・・・」

竜神「お~お~。男」

男「あ、竜神様。来てくれたんですか」

竜神「ん~?ただ飯くいに来ただけだ」

男「そ、そうですか・・・」

竜神「男」

男「はい?」

竜神「糞狐をたのむぞ?」

男「・・・・はい!」

モブ狐「男様!そろそろですよ」

男「あ、はい!」

モブ狐「男様もお嬢を見たらたいそう驚かれると思いますよ!」

男「へ?」

モブ狐「ささ!主役なんですから急いだ急いだ!」ドンッ

男「わっ!わわっ!」

男「っとと・・・・」

狐娘「・・・・・男か?」

男「う、うん」

狐娘「ど、どうじゃ?」

男「う、うん」

狐娘「うんじゃわからんじゃろ・・・・」

男「き、きれいだと思います」

狐娘「そ、そうか・・・」

男「・・・・・・・・」

狐娘「・・・・・・・・」

男「い、いこうか」

狐娘「う、うん」

狐娘「な、なぁ男?」

男「な、なに?狐娘ちゃん?」

狐娘「わしはしあわせじゃぞ」

男「・・・・・・・・俺も」

狐娘「ふふふ」

男「あはは」



狐娘「おかえり・・・・男おにいちゃん!」




読んでくださった方、支援してくださったかた、皆様ありがとうございました。

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