男「東京裏世界・・・? (15)

母「男。彼女できたの?否かなんかに行かないでこっち帰ってきなさい?私たちもあなたの顔見たいのよ?」

男「わかってるよ・・・うん・・・うん・・・じゃあな・・・」


男「はぁー・・・彼女もいないしましてや女との縁もない・・・」

男「おまけに両親からいらん心配まで・・・」

俺の名前は男。東京生まれ東京育ちの都会っ子。田舎の町にあこがれて高卒で田舎にある会社に勤めている

いま22歳の俺は平均的な収入を得ているが、田舎ということもあってか年寄りが多く結婚なんてまだまだ先の話だ

男「・・・週末東京に顔出しぐらいするか」


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3番線がホームへ――――

男「・・・」

俺は親にどんな顔して合えばいいのかわからずぼんやりしながら新幹線に乗った

人も…少ないな

俺は座りぼやーっと車内が揺れる動きに合わせて自分も動いていた




・・・!

違和感

とっさのこと過ぎて気付かなかったが外の景色がおかしい

新幹線も…止まってる?

ドアが開いてる

俺はおそれながらも新幹線から身を乗り出す

そこは見慣れた東京・・・が荒廃した町だった

男「どこだ・・どこなんだここは・・・」

人も生物もいない。代わりに崩れかけのビルやコンビニ、見たこともない植物

とにかく自宅へ向かう

男「うそだろ・・・」

半分がもろとも崩れている

そんな時後ろで物音がした

がさっ

見たこともない植物が揺れている

男「だ、だれかいるのか・・・?」




現れたのは黒い・・・どす黒い・・・

男「な・・なんなんだ?」

どこかで見たことのあるような生物。

E.T.?スターウォーズ?とにかくUMA的な感じ・・

そんな生物が

こっちを見た

瞬間

?「キシャアアアアアアァァァァァ!!」

とびかかってきた

男「う、うわぁぁあああああああ!!!!」

座り込み目をつぶった瞬間

バコン!!

薄目で見た

それは黒い生物が

バールで殴られていた

煙草をくわえたタンクトップ姿の男に

どさっ!

男「ひっ!」

???「大丈夫か?」

口から煙を吐く

男「えっと、あの」

???「この状態を理解できないって顔だな。まぁしょうがない。ここから少し先に行くと俺らの拠点がある。お前もこい」

男「きょ、拠点?」

???「おっと俺の名前は中年だ。歳は32歳だ・・・なんだ?」

男「いや、もっと若いのかと・・・軽快な動きでしたので・・・」

中年「そうだな・・・軽快な動きができるのもこの世界のおかげなのかもな」

男「え?」

中年「まぁとにかく拠点に急ぐぞ。『奴ら』は音に反応する。ここにとどまってると居場所がばれるぞ」

男「は、はい」

拠点

男「俺のほかにも、こんなに」

JK「よろしく~」

リーマン「初めまして・・・」

中年「ほら、お前もあいさつしろ」

少年「・・・よろしく」

男「あの・・聞きたいことは山ほどあるんですが・・・」

中年「そうだな・・まずこの場所について軽く説明するか」

中年「ここは・・・見てわかるように東京が荒廃した土地だ」

中年「でも・・・たとえばこの植物。見たことないだろ?まるで違う世界みたいだ」

男「・・・裏世界」

リーマン「裏世界・・・とは?」

男「どこかの本に書いてあったんだけど・・・この世には裏世界が存在してひょんなことでそっちに飛ぶことがあるとかないとか・・」

少年「・・・東京裏世界」

男「ん?」

少年「裏世界の中でも人間がもっとも飛びやすといわれてる裏世界が東京裏世界」

JK「そこに私たちは飛んできたってことなんね?」

中年「あと・・・俺らには共通点がある」

中年「男、お前血液型はなんだ?」

男「AB型ですけど・・」

中年「RHマイナスじゃないのか?」

男「!そうです。で、でもなんで」

リーマン「私たちは全員AB型RHマイナスなんです」

男「え、2000人に1人って言われてる確率ですよ?」

中年「でも東京だろ?毎日何百・・それ以上かもしれないがその人数が東京に出入りしてる」

JK「私たちは他県から東京に来るときに裏世界に飛んできてるの」

中年「つまりAB型RHマイナスの人間が他方から東京に入る時に裏世界に飛ばされてるってわけだ」

男「そんな・・・」

中年「それと・・俺はこの裏世界に来たのは27の時だ」

男「・・・え?じゃあ5年もここに・・・?」

中年「そうなるが・・・でもな、この裏世界だとなぜか年を取らない」

JK「私も2年前に来たんだけどその日から体重も身長も髪の長さも変わらないの」

リーマン「私は去年ですね」

少年「僕は今年に入ってから」

男「あ、あの・・・なんで何年たったかわかるんですか?」

中年「俺の腕時計が頼りなのさ。半永久的に使える時計なんだが、この時計はこの世界でも使えるらしい」

男「・・・あ、あともう一つ聞いていいですか?」

中年「あの生き物は何か・・・だろ?」

男「はい・・あれってどう見ても・・その、この世の生き物じゃないというか」

少年「あれは裏世界に生息するいわば魔物」

中年「あいつらの主な食料は」

リーマン「人間の血ですね」

男「…え?血?」

JK「しかもAB型RHマイナスが大好物なんじゃない?だから私たちが連れてこられたとか」

中年「その線はある。俺は5年前からこの世界に来て生活しているがわからないことはたくさんある」

リーマン「あと・・・この世界だと人間の力が底上げされるようですね」

中年「そうだった!それを説明するのを忘れてた!おい男、そこの岩殴ってみろ」

男「え、えぇ!だってこんなの殴ったら手が」

JK「いいからやるし」

男「う・・・わ、わかったよ」


男「う・・・わ、わかったよ」

俺は痛いのを我慢するため歯を思い切り食いしばり

そして固く握りしめたこぶしを思い切り岩にぶつけ

バギャアア!!

男「うわぁ!!岩が崩れた!!」

中年「そう。この世界は俺ら人間の筋力やら脚力やら全部が上がってるんだよ」

男「だ、だからさっきも軽快に動けて」

JK「私だったらビルの壁は知って登れるよ?」

少年「僕はものすごく高くジャンプできる」

中年「だから、この世界にあるものは全部武器として扱えるわけだ」

そんな説明を受けていたら

男「おなかが・・・減らない?今日僕何も食べてないのに」

JK「この世界はおなかも減らないの。まぁ食料自体がないんだけどねー」

男「便利なのか・・・な?」

リーマン「食べる時間が減るだけ便利ですよ」

中年「とにかくっ!俺らの最終目標は誰も死なずにこの裏世界を脱出する!」

少年「・・・もう死んだ」

リーマン「だ、だめですよ!」

男「え、もう死んだって」

中年「・・・」

JK「話しておくべきでしょ?」

中年「・・・俺がこの世界に来たときにな?俺より先に女ってやつが来てたんだ」

JK「女さんいいひとだったよね・・・」

リーマン「実に・・・悔しいです」

少年「あれは・・・敵が優秀だった」

中年「そうだ。俺らが慢心してた。この世界に慣れ、敵に対する警戒心も薄れてた」

JK「女さん・・・歌が得意っていうから歌ってくれたんだ」

話の内容はこうだった

女さんは歌手の卵のような存在で、歌を披露してくれたらしい

それに盛大に拍手したため音に反応した奴らが大勢で近づいてきた

女さんだけ武器を持ってなく、あえなく集団にのまれてしまった

数の暴力。奴らを倒した後女さんを探したらあったのは全身の血を吸われた干からびた女さんだった

男「そんなことが・・・」

中年「あれから俺らは奴らに対する警戒心を薄めることはしないことを誓った」

JK「・・・こんなに話したら疲れたね」

男「疲労はたまるんですね・・・」

リーマン「そうですね、疲労はたまります。だから睡眠はとるべきなんです」

男「え、でも寝たら奴らが」

中年「お前はここにきてまだ早いし、寝ておけ。その間は俺たちが周りを見てる」

男「い、いいんですか?」

JK「安心するし。こう見えても私ら結構強いんだよ?」

寝ます

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