雪ノ下雪乃「理不尽シリーズ・・・?」 (43)

※時系列的には10巻と11巻の間ぐらいの設定。
※元ネタはガキ使の中の企画、理不尽ダウンタウンシリーズ(ダウンタウン及びその他の芸人は当然は出てきません)
※ちょっとキャラ崩壊あり


ある日の雪ノ下。

雪ノ下「ふぅ・・・流石に一日ずっと猫動画を見てると、いくら私が猫好きといえど、飽きてくるわね」

雪ノ下「デスティニーランドの動画も見飽きてしまったし・・・」

雪ノ下(デスティニーランド・・・比企谷くん達と一緒に行けて、すごく楽しかったわ・・・)

雪ノ下(・・・比企谷くんって休日何をしているんでしょうね・・・)

雪ノ下(比企谷くん・・・)

雪ノ下(また比企谷くんと一緒に休日を過ごしたいわ・・・)

雪ノ下(・・・とは言っても、比企谷くんを誘う用事も特にないのよね)

雪ノ下(はぁ比企谷くん、好き・・・)

雪ノ下(・・・会いたいわ・・・)

雪ノ下(・・・こうやって考えてると寂しくなるから、これ以上は考えるのは辞めましょう)

雪ノ下「・・・何か面白い動画ないかしら」

雪ノ下「・・・うん?関連動画に、ダウンタウンの動画・・・?」

雪ノ下「ダウンタウン・・・私が生まれる前から、ずっとお笑い界の頂点として君臨しているコンビよね・・・」

雪ノ下「・・・あまりお笑いに興味はないけれど・・・芸能界という浮き沈みの激しい業界で天下を取った人たちなら、私が学べる事もあるかしら・・・」

雪ノ下「退屈しのぎに見てみるとしましょう」

雪ノ下「えー・・・タイトルは・・・理不尽ダウンタウンシリーズ・・・?」カチカチ


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翌日、放課後。

由比ヶ浜「やっはろー!」

八幡「おっす」

いろは「せんぱーい。おーそーい!」

八幡「あのな一色、なんでお前はいつも生徒会じゃなくてまず奉仕部にいるんだよ・・・」

いろは「えー、いちゃだめなんですかー?」

八幡「いや、別に居ちゃダメとはいわんけどな・・・」

いろは「え?それってずっと俺の傍に居ろってことですか?付き合えってことですか?まさか男のツンデレですか?私そういう人マジ引くんで無理ですごめんなさい」

八幡「お前一体なんなんだよ・・・」

雪ノ下「比企谷くん、由比ヶ浜さん、こんにちは。お茶はいるかしら?」

八幡「おう、雪ノ下。悪いが頼むわ」

由比ヶ浜「ゆきのんありがとー!」

いろは「あ、っていうかー。今日は本当に用事あるんですよ―!」

由比ヶ浜「え、なになに?」

いろは「いやー、ほら。もうすぐ学校見学会の時期じゃないですかー?」

由比ヶ浜「そうなの?」

八幡「ああ、そういや小町が見に行くって行ってたな」

雪ノ下「・・・」カチャカチャ

八幡「で、その学校見学会が奉仕部に何の関係があるんだ?先生たちも運営に関わってる・・・ていうか、先生たちがメインで動いてるんだろうし、なんかトラブルがある訳じゃないだろう?」

いろは「はい。当然トラブルとかはないんですけどー・・・先生たちがイメージビデオ作ろうとか言い出したんです」

由比ヶ浜「い、イメージビデオ・・・?」

八幡「おい、由比ヶ浜・・・お前さすがにそれくらいは分かるだろう?」

由比ヶ浜「わ、分かるし!バカにしすぎだし!」

八幡「(さっきの言葉の調子的に分かってなさげだったが・・・)しかしなんでまたそんな面倒くさいのを」

いろは「いや、最近いじめ問題とか多いじゃないですか?それでそういうイメージを持たれないよう、明るい楽しい学校生活!みたいのを演出したいらしいんですよね」

八幡「ああ、そういう目的か・・・」

由比ヶ浜「へぇー、いいんじゃない?」

いろは「ただ、私達生徒会主導で作れって言われちゃってー・・・急にイメージビデオって言われても正直困りますよー・・・」

八幡「そういうのって専門の業者とかがやるもんじゃないのか?」

いろは「はい、私も言ったんですけど、そういうのだとどうしても味気ないとか言われてしまいまして・・・総武高校らしい個性あるビデオを作って欲しいらしいです・・・」

由比ヶ浜「なんか、めっちゃアバウトな指示だね・・・」

いろは「その通りですよー!激おこプンプン丸です!ぷんぷん!」

八幡(なにこいつあざと可愛い)

雪ノ下「・・・」トットット

いろは「まぁ一応愚痴ってるだけじゃなくて意見は出しあったんですよー」

由比ヶ浜「うんうん」

いろは「で。最終的には・・・こう、クイズ番組形式でワイワイやりつつ、総武高校の色んな所を楽しく紹介していく、みたいな感じのビデオにしようみたいな流れになったんです」

八幡「・・・言っちゃ悪いが、そこそこありきたりなような・・・」

いろは「ですよねー・・・正直私もそう思いました・・・まぁでも、それを覆すほど斬新な意見も出なかったんで、とりあえずそのビデオを取る事に決定したんですよ」

由比ヶ浜「そうなんだ・・・って、それなら私達関係なくない?」

いろは「いえいえ、ここからが本題なんです・・・実はそのビデオに先輩達も出てくれないかなぁーと思いまして」

雪ノ下「・・・っ」ガタッ

八幡「はぁ?」

由比ヶ浜「うん?なんで私達が?」

いろは「いやー、ほら。奉仕部って個性に溢れてるじゃないですか。こういう部活は他の学校にはまずありませんし、しかも由比ヶ浜先輩も雪ノ下先輩もすっごく綺麗ですしー」

由比ヶ浜「そ、そうかな・・・えへへ・・・///」

いろは「で、唯一の男子部員は目がちょっとアレで性格もちょっとアレですけど、でも別にいじめとかなく仲良くやってるじゃないですかー」

八幡「アレってなんだ、アレって・・・」

いろは「その感じが今回の内容にピッタリかなーって思って・・・どうですか?暇ならぜひお願いしたいんですけど・・・」

由比ヶ浜「うーん・・・どうしよっかヒッキー、ゆきのん? 私はいろはちゃんのお願い、聞いてあげたいけど」

八幡「・・・まぁ特に依頼もないしな。やってもいいと思うが・・・(ただ、雪ノ下ってそういうのは苦手じゃ・・・)」


雪ノ下「・・・一色さん」テクテク

いろは「は、はい?あの、雪ノ下先輩・・・?きょ、距離が近いです」

雪ノ下「・・・是非やらせて頂くわ」手をギュ、

いろは「え・・・あ、ありがとうございます・・・」

八幡「・・・ど、どうした雪ノ下」

雪ノ下「どうした?とは」

八幡「いや、お前そういうのは苦手なんじゃないかと・・・一体どういう風の吹き回しだ・・・?」

由比ヶ浜「そうだよゆきのん、何かあったの?」

雪ノ下「別に。それはあなたたちの想像でしょう? それより一色さん。その企画では少々インパクトに掛けるわね。私がその企画を見直すわ」

いろは「え、いや・・・別にそこまでは・・・」

雪ノ下「遠慮しないでいいわ一色さん。全面的に協力させて貰うわよ」

いろは「は・・・はい・・・」

いろは「せ、先輩・・・どうしちゃったんですか今日の雪ノ下先輩は?」ヒソヒソ

八幡「俺が聞きたいわ・・・まぁ雪ノ下のやる事なんだから悪いようにはならんだろ、多分・・・」ヒソヒソ

雪ノ下「では早速練り直しましょうか・・・と、その前に由比ヶ浜さん、あと一色さんも。見て欲しいものがあるのだけれど」

由比ヶ浜「え? なになにゆきのん?」

いろは「見てほしいもの・・・?」

雪ノ下「ええ、じゃあ今から私の家に来てちょうだい。あ、比企谷くんは申し訳ないのだけれど、ちょっと遠慮してもらっていいかしら。今日はもう奉仕部は終了ということにするわ」

八幡「お、おう・・・(なんだか今日の雪ノ下はやけに積極的というかなんというか・・・まぁいい。今日は家に帰ってじっくりプリキュアの動画を見返そう・・・)」

雪ノ下のマンションにて。

雪ノ下「どうかしら?面白いでしょう?」

由比ヶ浜「ゆきのんがお笑い好きだったなんて意外だったなぁ・・・というかこのシリーズ、すっごく面白いねー」

いろは「た、確かに面白いですけど・・・これを生徒会のイメージビデオでやっていいんですかね・・・企画のまんまというか・・・総武高校のイメージに影響が出そうというか・・・主にマイナスな意味で・・・」

雪ノ下「いいのよ。どうせ学校見学会で3~4回放映するだけでしょう?今の情報過多社会ではどんなにインパクトのある事やっても一ヶ月もすればみんな忘れているし、何も問題はないわ。それにこれはオマージュであり、インスパイアであり、リスペクトゆえの模倣よ。決してまんまではないわ」

いろは「上手く綺麗な言葉で誤魔化されてる気が・・・」

由比ヶ浜「ご、ゴリ押しだねゆきのん・・・そんなにこの企画やりたいの?」

雪ノ下「ええ、やりたいわ・・・この動画を見た時、久しぶりに声を出して笑ってしまったもの・・・クイズ形式という体も一緒だし、これなら面白おかしい学校生活として個性も主張出来ると思うわ」

いろは「・・・なるほど・・・よし、やりましょう!」

由比ヶ浜「あっさり決まったー!?」

いろは「いやー、なんかありきたりな事やって、後輩になるかもしれない子達に、つまんない生徒会って思われるの嫌じゃないですかー」

いろは「だったらほら、もうお笑い方向に一点特化した方がいいかなーって」

雪ノ下「そういう思い切りの良さは、一色さんの良いところだと思うわ」

いろは「えへへ、そうですかね。ありがとうございますー!んじゃ早速この方向で行きましょう!(だってなんかもう有無を言わさない感じでしたもん、雪ノ下先輩の目・・・)」

由比ヶ浜「でもこれなら、奉仕部だけじゃなくて、人数も必要だよね。生徒会の子とかも出るの?」

いろは「いえ、生徒会メンバーは主に裏方です。カメラ係とか照明係とか。私は司会進行役をしようと思ってるので、もうあと二組くらい呼ぼうと思ってるんですが・・・」

由比ヶ浜「そっか。じゃあ私、優美子とか姫菜とか葉山くんとかに声掛けてみるよ!」

いろは「はい、よろしくお願いします―!」

雪ノ下「・・・ふふ、計画通りね・・・」

いろは(雪ノ下先輩は何を企んでいるんでしょうか・・・)

八幡(その後)

八幡(どうやら雪ノ下主導の元に、そのイメージビデオの企画・進行は進められたらしく・・・)

八幡(気が付けばそのイメージビデオを取る当日になっていた)

八幡(一応、地元のケーブルテレビ局のスタジオを借りたらしく、結構本格的だ)

八幡「おい、雪ノ下」

雪ノ下「なにかしら」

八幡「俺は結局、あの後、奉仕部としてそのイメージビデオに参加する事以外、何もしらんのだが・・・」

雪ノ下「あなたはそれだけで十分よ。ほかは全て私達でやっておいたから」

八幡「・・・そうか。なんか楽させて貰って申し訳ないな」

雪ノ下「いいのよ。私達はなんだかんだ依頼ではあなたに頼る事が多いでしょう。たまにはあなたに楽をさせるべきだと思ったから」

八幡「お、おう・・・どうした雪ノ下、なにか変な物でも食べたのか」

雪ノ下「し、失礼ねっ!私は普通なのだけれどっ」

八幡「いや、だって・・・その俺に対する甘さというか優しさは一体・・・」

雪ノ下「別に、他意はないわ。あ、それより今日のイメージビデオの内容で、クイズ番組形式という事だけれど」

八幡「おう、それは聞いてる・・・というか、一色が言ってた事だしな。なんだ、何か変更があったのか?」

雪ノ下「いいえ、変更はないわ。ただ、普通のクイズ番組風じゃつまらないという話にしたのよ」

八幡「・・・うん?した?」

雪ノ下「・・・言い間違えたわ。なったのよ」

八幡「そ、そうか・・・」

雪ノ下「それで、面白くなるように色々考えてきたから。あなたは私達の指示に従うだけでいいわ」

八幡「ん?それだけでいいのか?」

雪ノ下「ええ、何の問題もないわ」

八幡「・・・大丈夫なんだろうな、色んな意味で」

雪ノ下「心配ご無用よ。私達のイメージビデオで観客を抱腹絶倒の渦に叩き込んでやりましょう」

八幡「・・・まぁ(色々不安はあるが)とりあえずわかった。ん?で、お前らは二人はなにをするんだ?」

雪ノ下「それは・・・まぁスタジオに入ってからのお楽しみよ」

由比ヶ浜「ごめーん。お待たせー。いやートイレがどこか迷っちゃって・・・」

生徒会メンバー1「それじゃあスタジオ入りお願いしまーす」

雪ノ下「さぁ、行くわよ」

八幡(・・・どうなることやら・・・)

いろは「総武高校見学会にご来場のみなさん!!こんにちはー!!」

いろは「さぁ、始まりました!総武高校カルトクイズグランプリ!!このコーナーは退屈で堅苦しい説明は一切なしです!!楽しい楽しいクイズのお時間ですよー!!」

いろは「クイズ形式で、総武高校の楽しい所、魅力、ウキウキするようなイベントをお伝えしたいと思います―!!」

いろは「さて、今日はですね、我こそは一番総武高校に詳しいと豪語する方々に集まっていただきました!メンバーはこちらの方々です!!」

葉山「総武高校2年、サッカー部、葉山隼人です、よろしくお願いします」

戸部「総武高校2年、戸部翔でーっす!よろしくー!ウェイソイヤ!」

三浦「総武高校2年、三浦優美子ー・・・まぁ、よろしく・・・なんでこんな事あーしが・・・」

海老名「総武高校2年、海老名姫菜です!ぐ腐腐な同士募集中でっす!よろしくー!」

いろは「みなさん、元気一杯ですねー!さぁそれでは早速本題に入る前にー・・・本日の超ウルトラスーパースペシャルゲストに登場していただきましょう!!奉仕部のお三方です!!どうぞー!!!」

ブアアアアアアッ!(スモークが凄まじい勢いで炊かれる)
ジャジャ~ン!!ジャッジャッジャッジャ・・・ジャガジャーン!!!!(壮大すぎる音楽)

八幡(大げさすぎだろ、おい・・・)

いろは「さぁ、全国で総武高校にしかない部活、奉仕部のメンバーに集まっていただきました!どうですか、本日のお気持ちは?」

八幡(別にその高校にしかない部活なんて、探せば結構あると思うが・・・)

雪ノ下「まぁ、そうね・・・この3人でもう100時間くらい総武高校について勉強したので、他のメンバーを叩き潰すつもりでいこうと思うわ」

いろは「ひゃ、百時間ですか・・・そ、それはすごいですね。でもまぁ和気あいあいと楽しくやっていこうと思いますんで、そんなに気合入れなくても、大丈夫だったんですけど・・・」

八幡(いきなり何抜かしてんだよ雪ノ下・・・)

由比ヶ浜「え?なに、いろはちゃんって先輩に口答えする後輩なの?」

いろは「え・・・いや、あの、口答えとか、そういつもりじゃ・・・」

八幡(おい由比ヶ浜、いきなりギスギスした空気にしてどうするんだおい・・・)

雪ノ下「・・・まぁいいわ。それで、わざわざ私達を呼んだからには、なにかしらの豪華景品があるんでしょうね?」

いろは「あ、は、はい当然あります!クイズの優勝者には、なんと豪華、デスティニーランドのチケットがプレゼントされますー!いぇーいパフパフー!!」

雪ノ下「ふーん・・・」

由比ヶ浜「まぁ、それくらいだったらクイズしてあげてもいいかな、ねぇヒッキー?」

八幡「ま、まぁ・・・そうだな。うん、いいんじゃないか」

八幡(まさかこいつらずっとこの感じでいくのか・・・いや、流石にそれはないだろう、多分・・・)

いろは「さ、さぁでは気を取り直して楽しくいきましょー!」

いろは「形式はパネルクイズとなっております!パネルは主に、総武高校関連、イベント関連、部活関連に分かれていて、回答権は奉仕部チーム、葉山先輩チーム、三浦先輩チームと移っていきます~!」

いろは「ポイントは10から50に分かれていて、最後の回答のあと、一番ポイントの高いチームが優勝となります!」

いろは「ポイントが高いほど難しいクイズになりますが、その分終盤になっても逆転の手は残っていますので、みなさん最後まで諦めず回答してください!」

いろは「さぁ、それではまずは奉仕部の方、パネルを選択してください!」

由比ヶ浜(ヒッキー、選びなよ)ヒソヒソ

雪ノ下(比企谷くん、選びなさい)ヒソヒソ

比企谷くん「(なんで俺が・・・別にいいけど)えーっとじゃあ、総武高校の10」

いろは「はい、総武高校の10の問題はこちら!デデン!」

いろは「総武高校には教室がある校舎、体育館がありますが、もう一つ、建物があります!その校舎は一体なんと呼ばれているでしょうか!?」

比企谷くん「(よかった、問題は普通だ)・・・特別棟・・・」

ピンポンピンポーン!!!

いろは「正解!奉仕部チームに10ポイント!」

比企谷くん「よ、よっしゃー・・・やったぜー・・・(一応カメラに向かってガッツポーズはしたが、これでいいんだろうか・・・)」

雪ノ下「え?それだけ?」

いろは「え?はい、それだけですよー」

雪ノ下「いや、違うでしょう?デスティニーランドのチケットは?」

八幡(またなんか難癖付け始めたぞこいつ)

いろは「・・・はい?」

由比ヶ浜「え?いろはちゃん。クイズに正解したのに私達にデスティニーランドのチケットくれないの?」

いろは「え・・・?いや、あのデスティニーランドのチケットは、優勝したチームに上げるルールなので・・・」

雪ノ下「それは知っているけれど、私達は奉仕部よ?」

いろは「そ、そうですね」

雪ノ下「私達は全国でオンリーワンの部活なのに、他のチームと同じ扱いってどういう事かしら?」

いろは「いや、あの、ルールはルールなので・・・」

雪ノ下「わかりづらいわね・・・」

由比ヶ浜「いろはちゃん、それならちゃんとルールで言ってくれないとさぁ・・・私達もわかりにくいって・・・そういうの、社会じゃ通用しないよ?」

いろは「あ、はい・・・すみません・・・気をつけます・・・」

戸部「ちょ、ちょっと奉仕部の女子二人、態度キツくない?なんかいろはすが落ち込んじゃってるしさぁ、もう少しわいわいやろうぜ!」

雪ノ下「チッ・・・」

由比ヶ浜「うわ、戸部っちなんだし・・・私は先輩としていろはちゃんに社会の常識を教えてあげただけなのに・・・テンション下がっちゃうなぁ・・・」

戸部「・・・」

いろは「さ、さぁでは次の問題いきましょー!次の回答権は葉山先輩チームです!」

雪ノ下(比企谷くん、戸部くんの足を踏んづけなさい)

八幡(いや、雪ノ下お前、流石にそれは・・・)

由比ヶ浜(大丈夫だって、ちゃんと了承は取ってるから)

八幡(お、おぉ・・・)

いろは「さぁ、では葉山先輩チームはどのパネルを選択いたしますか?」

葉山「そうだなぁ、じゃあイベント関連の・・・」

戸部「いたっ、いたっ!!マジ痛っ!」

いろは「え、ど、どうしました?戸部先輩」

戸部「いや・・・なんか、ヒキタニくんに・・・足を踏まれたような・・・」

由比ヶ浜「はぁ!?戸部っちなに言ってんの!?ヒッキーがそんな事する訳ないじゃん!!」

戸部「いや、ちょ、マジ踏まれたんだって!」

雪ノ下「・・・比企谷くん、あなた、足踏んだの?」

八幡「(踏んでないと言え、って目をしている・・・)いや、踏んでないけど・・・」

雪ノ下「ほら見なさい!!比企谷くんは踏んでないって言ってるでしょう!?」

戸部「いや、でも・・・踏まれ方というか、踏まれた方向からして、ヒキタニくんしか・・・」

由比ヶ浜「・・・葉山くんが踏んだんじゃないの?」

葉山「えっ」

雪ノ下「そうよ、なぜ比企谷くんを疑うの。葉山くんが踏んだ可能性だって当然あるでしょう?」

戸部「葉山くん、踏んだ・・・?」

葉山「いや、踏んでないけど・・・」

雪ノ下「じゃあ比企谷くんはもっと踏んでないわよ!!」

戸部「・・・・・・」

葉山「・・・・・・」

八幡(なんなんだよこの空気)

いろは「・・・じゃ、じゃあまぁ、ちょっと無かった事にしてですね!仕切りなおしましょう!さぁパネルを選択してください!」

葉山「えっとじゃあ・・・イベントの20・・・」

いろは「はい、イベントの20の問題はこちら!デデン!」

いろは「総武高校で、毎年秋に行われるイベントと言えば?」

戸部「・・・文化祭?」

ピンポンピンポーン!

いろは「正解です!葉山先輩チームに20ポイント!」

戸部「よっしゃあ!」

由比ヶ浜「・・・うわ、普通・・・」

雪ノ下「このクイズ番組のコンセプトって和気あいあいよね・・・それなのにボケたりもしないで・・・普通に回答して・・・彼ら、いる意味あるのかしら」

戸部「・・・」

葉山「・・・」

いろは「ま、まぁ景品もありますんでね、真剣勝負はいい事だとおもいます・・・」

いろは「さぁ続いては、三浦先輩チームです!さぁパネルを選択して下さい!」

三浦「えっとじゃあ・・・部活の20」

いろは「はい、部活の20の問題はこちら!デデン!」

いろは「総武高校には今現在、いくつ部活があるでしょうか!」

海老名「えー・・・これ、20にしては結構むずかしくない?」

三浦「いや、あーしわかるけど」

海老名「え?マジで。優美子すごくない!?」

三浦「ふふん、まぁね。あーし負けるの嫌だから一応調べておいたんだ。答えは・・・」

雪ノ下(なにか違う数言いなさい・・・また口喧嘩になって泣かされたいのかしら)ヒソヒソ

三浦(ビクッ)

いろは「三浦先輩答えは!?」

三浦「え、えーっと・・・一つ・・・」

ブブー!!

いろは「・・・え、えー残念!不正解です!!」

雪ノ下「ぷ・・・ぷぷっ、一つって・・・そもそも葉山くんがサッカー部って分かってて私達も奉仕部って分かってるんだから2つ以上はあるってわかりそうなものだけど・・・胸に栄養が行き過ぎてるんじゃないかしら・・・くくっ・・・」

由比ヶ浜「あははははは!!」

三浦「・・・っ」

八幡(・・・涙目の三浦可哀想です)

いろは「さぁ、では続いて奉仕部チームです。パネルを選んで下さい!」

雪ノ下「そうね・・・じゃあここで一気に勝負に出ましょう・・・総武高校の50」

いろは「はい、総武高校の50の問題はこちら!デデン!」

いろは「総武高校の生徒は今、一年生から三年生から含めて、全員で何人いるでしょうか!?」

八幡(知らねえー・・・)

八幡(おい雪ノ下、由比ヶ浜、知ってるか?)ヒソヒソ

雪ノ下「・・・」

由比ヶ浜「・・・」

八幡(まぁ流石に知らねえか・・・しょうがねえ、適当に答えよう)

八幡「え、えーっと500人・・・くらい・・・?」

ブブー!

いろは「残念!不正解!正解は529人でした!惜しかったですねー!さぁでは次葉山せんぱ・・・」

雪ノ下「・・・ちょっと待ちなさい一色さん」

いろは「はい?」

雪ノ下「不正解ってどういう事かしら?」

いろは「え、どういう事って言われても、不正解は不正解なので・・・」

由比ヶ浜「いや、ヒッキー大体合ってるじゃん。500人って答えたし、ほぼほぼ正解だと思うし」

いろは「いや、まぁ確かにおおまかには合ってますけど、やっぱりクイズですから、ちゃんと合ってないといけないので・・・」

葉山「そうだよ奉仕部の二人・・・流石にそれはちょっと・・・」

雪ノ下「なにかしら葉山くん。暫定TOPの癖に私達に難癖付けるの?もう少し余裕持った方がいいわよ?」

葉山「いや、そういうんじゃなくて、もっと単純な事でね・・・」

由比ヶ浜「あんまりさ、そんなガツガツしない方がいいよ葉山くん。楽しくわいわいやるものなんだからさ。そういうのって女の子引くよ?いくらイケメンでもさ」

葉山「・・・・・・・」

雪ノ下「まぁ別に私も、50ポイント全部よこしなさいとは言わないわ・・・そうね40ポイントでどうかしら?」

由比ヶ浜「うん、それならいいんじゃないかないろはちゃん!」

雪ノ下と由比ヶ浜と八幡以外の全員「・・・」

いろは「いや・・・さすがにちょっと・・・それはないんじゃあ・・・」

雪ノ下「なぜ?こちらは譲歩したつもりだけれど?」

いろは「いやまぁ、やっぱりクイズの大前提として、ちゃんと正解しなきゃあポイントは上げれな・・・」

雪ノ下「比企谷くんがあんなに頑張って答えたのに!?比企谷くんが可哀想だと思わないのかしらあなたは!?」

いろは「・・・あの」

八幡「おい雪ノ下・・・」

雪ノ下「比企谷くんはノーヒントなのに大体の人数が合ってたってだけですごいと思わないの!?」

いろは「いやでも・・・」

雪ノ下「しかも比企谷くんは、普段人との交流はめったにないわ!!ボッチで色んな人から疎まれてるの!!それでも比企谷くんは所属している学校の生徒数を大体把握してた!!これってものすごい事だと思うのだけれど!?!!?」

雪ノ下以外の全員「・・・」

雪ノ下「だけれど!?!?!?!?!」

雪ノ下以外の全員「・・・」

八幡「ま、まぁ雪ノ下・・・まだクイズは始まったばかりなんだし・・・そう熱くなるな・・・な?一色もそう気にするな」

雪ノ下「うわ、比企谷くんに気を使わせて・・・最低ね、あなた・・・」

いろは「・・・」

由比ヶ浜「ヒッキー、超優しい・・・大丈夫だよヒッキー。私達はいつでもヒッキーの味方だからねっ!」

八幡「お、おう・・・」

八幡(その後、クイズは中盤へと突入)

八幡(各チームが同点のまま俺たちへと回答権が回り・・・)

由比ヶ浜「えっとじゃあ・・・イベントの50」

いろは「はい、イベントの50の問題はこちら!デデン!」

いろは「っと、その前に今回は早押しクイズです!全員にチャンスがありますので皆さん気を抜かないように!」

由比ヶ浜「は?いろはちゃん何言ってんの?」

いろは「はい・・・?」

由比ヶ浜「いやいや、私達の時だけなんで早押しだし?え?いろはちゃん私達の事嫌い?」

いろは「いや、あのそういう事ではなくてですね。ただ単純に、今回は早押しだと・・・」

雪ノ下「いや、私達だけ不利でしょう?サービスでとりあえず20ポイントほどくれる配慮があってもいいと思うのだけれど」

いろは「いえいえ、他のパネルにも早押しクイズのパネルはありますので・・・」

由比ヶ浜「じゃあ最初にその説明をして欲しかったし!!!!!!」

由比ヶ浜以外の全員「・・・」

由比ヶ浜「わかりづらすぎだし!!なんなの!?私達が悪者みたいになってるでしょ!?!?!?」

雪ノ下「そうね、由比ヶ浜さんは何にも悪く無いわ」

八幡(どう考えても急にブチ切れた由比ヶ浜が悪いと思うが・・・)

八幡「まぁまぁ、一色にだってミスはあるだろ・・・そんなに攻めてやんなよ・・・」

由比ヶ浜「ヒッキー・・・本当に、優しすぎだよ・・・いろはちゃん、ヒッキーに感謝して。あとついでに葉山くんと戸部っちはヒッキーに謝って」

戸部「えっ?」

葉山「えっ?」

八幡(は?)

由比ヶ浜「謝って。ほら早く」

戸部「いや、ちょっと結衣?おまえ一体なに言ってんの・・・」

由比ヶ浜「いいから謝って。葉山くん達がヒッキーにごめんなさいって謝ってるっていう図を作ろうよ」

葉山「あの、結衣?いくらなんでも意味が・・・」

雪ノ下「いいからあやまんなさい!謝らないと私のクラスのJ組で根も葉もない噂を流すわよ!」

葉山「・・・」

戸部「・・・」

葉山「比企谷・・・悪かった・・・」

戸部「ヒキタニくん・・・なんか・・・悪い・・・」

八幡「・・・おう・・・まぁなんだ・・・気にするな・・・」

いろは「は、はい。ちょっと空気が重くなっちゃいましたけど・・・さ、気分を一新してね。楽しくいきましょー!」

いろは「早押しですから、答えが分かった時点でボタンを押して下さい!」

いろは「では行きますよー!問題です!デデン!」

いろは「先日、他の高校と合同でクリスマス会が行われましたが――」

ポーン!

いろは「はい奉仕部チーム早かった!」

雪ノ下「玉縄くん?」

ブブー!!

いろは「残念、不正解です! クリスマス会が行われましたが・・・一体総武高校はどんな演目を」

ポーン!

三浦「えっと、演劇?」

ピンポンピンポーン

いろは「はい、正解です!おっとここで三浦先輩達が大きくリードしました!」

三浦「やったー!」

雪ノ下「ちょっと待ちなさい」

いろは「・・・はい?」

雪ノ下「私達それなら答えわかっていたのだけれど」

いろは「え?でもさっき間違えましたよね?」

雪ノ下「いや、そういう問題ではなくてね、50ポイントが入る問題なのだから、そんな簡単な答えとはだれとも思わないじゃない」

由比ヶ浜「うんうん、ゆきのんの言うとおり」

いろは「いや、でもまぁそういう勘違いというか、問題の先を読みすぎた結果間違える~みたいのが早押しクイズの醍醐味なので・・・」

雪ノ下「そもそも早押しというのだから、一番早く押した私達にはポイントは入らないの?それっておかしくないかしら?おかしいわよね比企谷くん?」

八幡「え、ああ、うん。まぁそうだな・・・」

雪ノ下「ほら!!比企谷くんもそう言ってるのよ!!」

八幡(このゲームに置ける俺の立ち位置がわからねえ)

いろは「いや、でもそうしたら、ともかくなんでもいいから早く押したらいいって事になってしまうんで、そうなるとクイズとしての体が・・・」

雪ノ下「じゃあもういいわよ!!!!!!!!!!!」

雪ノ下以外全員「・・・」

雪ノ下「いいわよもう!!!!!!!!!!!!!!!!」

八幡(その後、2週ほどして、再びポイントが並んだ)

八幡(そして今、葉山チームに回答権が渡る)

戸部「えっとじゃあ・・・部活の30」

いろは「はい部活の30の問題はこちら!デデン!」

いろは「奉仕部唯一の男子部員、比企谷八幡先輩の好きな飲物と言えば・・・?」

三浦「え、なにこの問題・・・」

いろは「あ、えーっとですね。これはまぁ冗談で入れたクイズなんですけれども、この場合、クイズの合否は比企谷先輩自身に下してもらう事になりますので。あ、ちなみに他の先輩方のこういった問題もありますので、これは決して奉仕部だけを特別扱いしているわけじゃないです」

八幡(えらい説明口調だったな・・・いや、説明してるんだけども)

海老名「いやー、こんなんわかんないでしょー、普通」

いろは「まぁ総武高校カルトクイズグランプリなので・・・私は分かりますけど、大半の方はわかんないでしょうね・・・」

葉山「・・・マックスコーヒー」

いろは「え?」

葉山「いや、ちょっと比企谷と関わった奴は大体知ってるんじゃないかな?マックスコーヒー好きだろ?比企谷」

海老名「おお、リアルはやはちだ・・・リアルはやはち・・・ありがたやありがたや・・・」

三浦「姫菜、擬態しな擬態」

いろは「さ、さぁ・・・回答が出ましたが、どうでしょー!?」

八幡(・・・まぁ、これは普通に合ってるしな。普通に答えるか)

八幡「せいか・・・」

雪ノ下(不正解っていいなさい・・・)ヒソヒソ

八幡「(有無を言わさないこの感じ・・・今日の雪ノ下には恐怖さえ感じる)・・・いや、不正解だわ」

葉山「ええ?」

三浦「ちょっとヒキ男!あんた嘘ついてんじゃないでしょうね!」

八幡「えっと、それは・・・(おい、どうオチつけんだよ雪ノ下)」

雪ノ下(大丈夫よ、私に任せない)ヒソヒソ

雪ノ下「比企谷くんの代わりに私が答えるわ」

三浦「ちょ、なんであんたが・・・」

雪ノ下「・・・その理由は後でいうわ」

雪ノ下「確かに葉山くんの言うとおり比企谷くんはマックスコーヒーが好きよ?」

雪ノ下「でも、彼が好きなマックスコーヒーは校舎裏にある自販機の、一番上の右から2番目のボタンを押して出てくるマックスコーヒーなんですって」

雪ノ下「だから、葉山くんは不正解」

葉山「そんな・・・そんな理屈めちゃくちゃじゃないか・・・」

雪ノ下「まぁ、確かに葉山くんが落胆する気持ちはよくわかるわ」

雪ノ下「でも。いいかしら、みんな。本来比企谷くんは、今日このクイズ番組に来たくないって言っていたのよ?」

戸部「はぁ・・・?」

雪ノ下「あのね、比企谷くんの属性を考えてみなさい。ボッチでひねくれていて、虫で言えばダンゴ虫みたいなものよ?比企谷くんは。日陰にいるのが大好きなのよ、彼は」

八幡(なにげにひどい言われようだ・・・)

雪ノ下「そんな彼が勇気を振り絞ってこのクイズ番組に出てきたのよ。ダンゴ虫だったら急に石ころをひっくり返されててんやわんやになっているのに、彼だってそうしたいのに、鋼の意志でそれを抑えてここにいるのよ。なんでかわかるかしら?」

雪ノ下以外全員「・・・」

雪ノ下「まぁわからないでしょうね。ハエにもなれないウジ虫のあなた達には」

雪ノ下以外全員(・・・ひどい・・・)

雪ノ下「いいかしら?彼はね、知っているのよ。新入生の全員が全員、明るい学校生活を送ってきた訳では無いことを。灰色の青春を送ってきた生徒が一定数いる事を知っているのよ」

雪ノ下以外全員(・・・)

雪ノ下「それでも彼はね、そういう人たちに対して、安心しろと言っているのよ。中学校が黒歴史だった自分もここまで楽しんでいるんだから大丈夫だと。安心してこの総武高校に飛び込んで来て欲しい。そう無言のメッセージを送っているのだわ」

雪ノ下以外全員「・・・」

雪ノ下「そうやって一生懸命頑張ってきたのよ・・・でもとうとうついさっき、限界が来てしまったの・・・だから私が代わりに答えたのよ、わかった?」

雪ノ下と由比ヶ浜以外全員(・・・なんかもっともらしい理由付けただけのような)

雪ノ下「まぁそういう事だから、比企谷くんがこれからちゃんとした回答出来なくても許してあげて欲しいのよ・・・今日だってちゃんと自分で鼻呼吸してるんだから!」

由比ヶ浜「っ・・・ぷっ・・・ぷぷっ・・・」

八幡(俺っていったい・・・)

雪ノ下と由比ヶ浜と八幡以外全員「・・・・」

八幡(そうして、なんやかんや、パネルを開けていき、気が付けばパネルはあと一つを残すだけとなっていた)

いろは「さぁこの総武高校カルトクイズグランプリも終わりの時が近づいてきました!」

いろは「最後のパネルです!点差はほとんどありません!この問題に正解したチームが優勝となるでしょう!最終問題ということで早押しクイズにしていただきます!」

いろは「では最後のパネル・・・総武高校の20の問題です!デデン!」

いろは「総武高校は日本の――」

ポーン!

いろは「はい、奉仕部チーム!」

由比ヶ浜「千葉県!」

ブブー!

いろは「残念、不正解です!千葉県にありますが、千葉県にある有名な遊園――」」

ポーン!

いろは「はい、葉山先輩チーム!」

葉山「デスティニーランド!」

ピンポンピンポーン!

いろは「はい、正解です!!葉山先輩チームに20ポイント入ります!!・・・と、いう事は・・・」

いろは「おめでとうございます!!!優勝は、葉山先輩チームです!!!」

デッデデーデデデッデッデデーデデデー!!!!(優勝のファンファーレ)

雪ノ下「・・・」

由比ヶ浜「・・・」

比企谷(あっさり負けちゃったよ・・・あんなにズルして・・・)

いろは「はーいおめでとうございます!豪華景品のデスティニーランドのチケットでーす!!」

戸部「よっしゃあ!!やったぜ葉山くん!!」

葉山「やったな、まさか勝てるとは思わなかったよ・・・色んな意味で・・・」

いろは「はい、というわけで第一回、総武高校カルトクイズグランプリは葉山先輩チームの勝利で幕を下ろす事となりましたー!!」

いろは「このクイズを通じて、皆さんに総武高校の魅力を伝わったらいいなと思っております!」

いろは「司会を務めましたのはわたくし、生徒会長の一色いろはでした!それではみなさんと、来年、総武高校で出会える事を楽しみにして――」

雪ノ下「・・・ちょっといいかしら」

いろは「はい・・・?」

雪ノ下「最後の問題、どういう事?」

いろは「どういう事、とは・・・?」

雪ノ下「総武高校と何の関係もないじゃない!」

いろは「いやいや、総武高校とデスティニーランドって近いですし、何だったらバイト代溜めてアフター5でデスティニーランド行けますよ的な宣伝も兼ねてですね――」

雪ノ下「ともかく意味がわからないわ、それに葉山くんとか、男子がデスティニーランドのチケットを貰って喜んでいる図ってどうなのかしら?」

いろは「べ、別にいいんじゃないでしょうか・・・今時、男二人でデスティニーランドも普通らしいですよ?」

雪ノ下「・・・」

いろは「・・・」

雪ノ下「・・・ちょ、ちょっといいかしら」

いろは「は、はい」

雪ノ下「今時、男子だけが喜んでいるのはよくないわ、絵面的に。こう男女差別とか、今の世の中うるさいでしょう?」

いろは「・・・まぁ、そうですね」

雪ノ下「だからそうね、私達男女が同じ画面にいる奉仕部が、デスティニーランドのチケットを持って喜んでいる図も取った方がいいと思うのだけれど」

いろは「いやー、たかだか学校見学会の映像にそこまで突っ込む人も・・・」

雪ノ下「今の世の中、ちょっとした映像でも難癖つけられて炎上したりするのよ?ともかく私達奉仕部バージョンも取りなさい!」

いろは「は、はぁ・・・」


雪ノ下「と、いう訳で奉仕部バージョンもとってもらうことにしたわ」

由比ヶ浜「さすがゆきのん!」

八幡(ゴリ押しだなぁ・・・)

いろは「はい、じゃあいきますよー!」

デッデデーデデデッデッデデーデデデー!!!!(優勝のファンファーレ)

雪ノ下(このままデスティニーランドのチケットを持ってスタジオを出るわよ)ヒソヒソ

由比ヶ浜(オッケーゆきのん)ヒソヒソ

比企谷(え、いいのかそれ)ヒソヒソ

雪ノ下(いいのよ、わたしを信じなさい)ヒソヒソ

比企谷(はぁ)

いろは「はい、お疲れ様でしたー・・・って、あれ。どこ行くんですか先輩たち!?」

雪ノ下「ちょっと急用を思い出したから帰るわ。お疲れ様」

由比ヶ浜「いろはちゃんお疲れー」

八幡「・・・じゃ、じゃあ・・・」

いろは「せんぱい!!ちょっとせんぱーい!!」

いろは「行っちゃった・・・」

葉山「・・・」

戸部「・・・」

三浦「・・・」

海老名「・・・」

いろは「・・・もう、二度とこういう企画はやりませんから・・・」

数日後

八幡(俺は雪ノ下達から、事の真相を聞かされていた)

八幡「そういう企画だったのかよ・・・なんだよ、俺だけ知らされてなかったから、あの日の雪ノ下達はやべえなって思ってたわ」

雪ノ下「ごめんなさい、でもあなたには知らせない方が面白いと思ったから」

由比ヶ浜「うん、あの後ちゃんといろはちゃんや皆には謝ったっていうか・・・まぁ元々みんな承諾済みだったけど、もう一回ちゃんと謝ったもんね」

八幡「まぁお前らの人間関係にヒビが入ってないんだったらいいんだが・・・」

雪ノ下「ふふ、面白かったでしょう?」

八幡「・・・今になって振り返れば、な・・・でも心臓に悪いっての。お前らが急にキレだした時はどうしたのかと思ったぜ。もう二度とあんなのやんねえからな」

由比ヶ浜「えへへ、ごめんねヒッキー」

八幡「・・・別に謝る事じゃないさ、一生懸命だったんだろう?・・・でも雪ノ下がダウンタウンとかお笑いに興味あったとはビックリだぜ」

雪ノ下「猫動画を見てたらたまたまダウンタウンの名前が目に入ってね・・・そこから興味を持ったのよ」

雪ノ下(それにああやって、過保護に比企谷くんを擁護したら、比企谷くんに私の気持ちが少しは伝わるんじゃないかって思ったのだけれど・・・残念ながら一ミリも伝わってなかったみたいね・・・)

雪ノ下(ふふっ、でも単純に楽しかったわ・・・お笑いも悪く無いものね・・・帰ったら他のお笑い動画も見てみようかしら)

ガララっ!

いろは「先輩!やばいですやばいです!大変な事になっちゃいました!」

八幡「ど、どうした一色・・・まさかあの動画で苦情が来たのか・・・?」

いろは「違うんです!もうメチャクチャ大ウケで・・・また同じような構想で動画を取ってほしいって先生方から言われちゃったんですー!」

八幡「もういいわ!!」

という訳でガキ使×俺ガイルのクロスオーバーSSでした。
半年くらい前から、ずっと理不尽シリーズにハマってまして、この面白さを誰かに伝えたくてSSにしちゃいました。
みんなも理不尽シリーズに興味を持ってくれたら嬉しいです。
どうもありがとうございました!

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