男「――培った時間や、労力や、難易度を基準とするなら」
男「この世界自体や、自分自身にでも恋をすれば良い」
男「――性欲や体温を基準とするなら」
男「エロ本やAV、風俗や動物を求めればいい」
男「――自己開示の程度を基準とするなら」
男「親兄弟や親友、カウンセラーに委ねれば良い」
「――……ああ、もう……」
男「誰とも同じ道を歩みたくないのに」
男「その気持ちを定義付けできれば」
男「あるいは、基準を設けられるのだろうか」
「――……ああ、もう……」
男「“どうして”という問いに答えられたなら」
男「あの時に悲しまないで済んだのだろうか」
男「今を問わないで済んだのか」
男「未来を閉ざさなくても済んだのか」
男「自らの不明に耐えられないから」
男「目の前の明らかなものに縋って」
男「関係を続けるための理由を探して」
男「でも、それは終わりを選ぶようで」
男「それは、あなたではなく“女性”を選ぶ理由であって」
「――……ああ、もう……」
.
男「――あなたを見ていると、それが見つかりそうで怖くて」
.
――――……………………
―――……………………
――………………
―…………
……
…
男「――そうして、自分は過去から逃げるように、何か追われるように」
男「“必要”の二文字で全てを誤魔化して、今日も惰性を飲み干すのだろう」
終わり
以前、増田で書いた事の、現時点での捉え直しと書き直し
こういう感覚が分かる人がいるのかという、世界からの承認についての試し行為
そして、これは玩具に過ぎないが、私は、もう、ねむい。
あなたの魂のふるさとがみつかりますように
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません