一節の鎮魂歌【艦これ】 (5)
「貴方が夕立の提督さんっぽい?」
それが私と彼女の二度目の出逢いの第一声
鎮守府に着任した私を迎えてくれたのは年端もいかないお嬢様みたいな少女だった
少女の名前は白露型駆逐艦4番艦夕立
深海棲艦の出現から10数年過ぎた現代において人類の希望を託された兵器
私はこの艦娘の在り方が昔から苦手であった
何故人の形をとり人の言葉を話しかつての大戦の記憶を保持し、彼女達は感情があるのだろう
その疑問に海軍学校の教官は答えてはくれなかった
『君がそう考えてくれるだけで彼女達は救われるっぽい』
その言葉だけを残して二度と教官には出逢えなかった
第一次パールハーバー襲撃作戦
教官はそこで戦死された
今でこそ名誉の戦死などと言って死を持ち上げる事はないが国の為に戦った彼女を悪く言える人類など誰も居ない
だが改めて思う
何故目の前の少女は教官と同じ姿形をして私を提督と呼ぶのだろうか
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