先輩「だからね、ワンコインで続けられるって凄いと思うの」(51)

先輩「人生に2度もチャンスがあることなんて、そうそうないんだから。」

 男「……だからって、入れ過ぎじゃないですか?」

先輩「……だって、チャンスがころがってるのよ?」

 男「えっと……」

先輩「だって、ね?」


 男「何枚使いましたっけ?」

先輩「まだ、まだ2枚だから!」

 男「……100円玉で?」

先輩「……500円玉で」

アリガトーゴザイマシター
先輩「もう!あとちょっとだったのに……」

 男「懲りませんね」

先輩「だって、ムカつくじゃない!だれよ、貯金箱なんていった奴は!」

 男「だからって、なんでまたフラットさんなんですか?」
http://www.nhk-ep.com/shop/commodity_param/ctc/+/shc/0/cmc/05272p1

先輩「そりゃあ~」

 男「クラリネットだから?」

先輩「オカマだからよ」

 男「……」

先輩「いいと思わない?」

 男「……先輩らしくて」


先輩「さってとー、帰ろ帰ろ-」

 男「あ」

 男「譜面コピーしないと」

先輩「練習用に?熱心ねー」

 男「先輩には負けますって。もう3年なのに」

先輩「わたしは、ほら。推薦もらっちゃったから」

 男「そういうもんだいですか?」

先輩「そういうもんだいです。」

 男「そっか。……あっと、そうですね」

先輩「ん~?」

 男「いえ……。」



先輩「……直さなくてもいいのに(ボソッ」

アリアーッザース

先輩「それじゃ、私はここで」

 男「えっと……おくり……ます?」

先輩「私に聞かれてもねー。 今日はいいわよ、ここで」

 男「そっk……そうですね」

先輩「フフッ じゃ、またね。4月から後輩入ってくるんだから、しっかりしないと!」

 男「はい……また」

先輩「それじゃあねー」 コツッ コツッ コツッ……


 男「また……か。まだ……また、か。」

---------------------------------------------------------------------2012- clockwise
----------------------
ーーーーーー
ーー

ハシッテモー アルイテモー
チキュウノスピードハー オナジデスー

 妹「はぁ~~~ おはよ」

 母「おはよ、パンでいいわね」

 妹「いいよー、兄貴今日も早いねー」

 男「あー、朝練あるし」

 妹「この時期に部活顔出すなんて、へんなのー」

 男「まぁ、推薦もらってるから」

 妹「ありゃ、余裕だこと」

 母「あんたも朝練でしょ?あんまり余裕ないわよー」トッ トッ トッ
 母「姉ーー!パンでいいわねー!」

 姉「あ゛ー……、挨拶より先にそれはどうなんだ」

 妹「お姉ちゃん!?って、もうこんなっ!支度してくる!パン早くお願い!」ダッ

 母「だから言ったじゃないの-」



 姉「イッ……大声は…………だから、挨拶より先にそれはどうなんだと、聞いてるんだが」
 母「毎朝のことじゃない、のんべ大学生?」

キーンコーンカーンコーン
教師「じゃあ、今日はこれで。いくら受験シーズンだからって授業には顔だせよ-」

男友「っと~!帰るかー。」

 男「んー。またなー。」

男友「あ、おい。今日はオケ部ないぞー?」

 男「ん?」

男友「禿がいってただろ、後輩もそろそろ期末近いって」

 男「あ、あーー。」

男友「ったく、最近抜けてんなー。」


禿教「ぬけてる……だと?ちょっと顔貸せ男友」

男友「へぁっ!ひぁーーー!ちがっ!ってか俺勉強が」

教師「勉強かぁー、英語ならたぁーーーっぷりみてやっから」ギュッ アイテテテテテ


 男「……帰るか」

(´・ω・`)ダレモイナイケド タメタブンハハルヨー

フックブックロー オーイーツーイーテクールヨー
ダカーラココラデ ソヨカゼヲー アーオゾラヲー
チョットシンコキュー

 男「……」

 母「あら、もう帰ってたの」

 男「……」

 母「あらーー。あの、えーっと、ヴァイオリンやらおっきいヴァイオリンやら、
   変なオカマが出てるやつから変わったのねぇ」

 男「かあさん、だいぶ遅れてる。朝もやってたよこれ」

 母「そうなの?」

 男「ってか、覚えてあげなよ。ねーさんの楽器。」

 母「あー、あんたそれより部活は?後輩の面倒みるんじゃなかったかしら?」

 男「もうそろそろ下はテスト週間だよ」

 母「テス……妹ちゃん大丈夫かしら?」

 男「さあねー?」



 男「変なオカマ、ね」

ーー
ーーーーーー
----------------------
---------------------------------------------------------------------2009- counter-clockwise



先輩「思うにね?私達って守られてるのよ」

 男「突然ですね」

先輩「人間は自由の刑に処されてるっていうじゃない?
   クラリネットがオーケストラで輝いていけるのも、弦楽器のお陰なの。」

 男「……といいますと?」

先輩「同じ畑でなく、姉ちゃんみたいな弦楽器の皆の音に守ってもらいながら、輝ける。
   ルビーの指輪だって、他の宝石でなく、座金があわさるとるびーの色気が引き立つのよ。」

 男「……先輩?」

先輩「だからねー。吹奏楽を選ばなかったみえっぱりって言われるのも癪なのよねー。」

 男「まさか……いまさらdq3ですか?」
http://www7.big.or.jp/~sosan/dq/dic/ziten.cgi?action=view&data=1049

先輩「え?なんでばれたの!?」


 男「そういえば、推薦でしたっけ?」

先輩「そうよー、じゃないとこんなに部活こないわよ」

 男「久しぶりにdqも引っ張り出せませんよね。」

先輩「あっもう、それは置いておいてよー」

 男「……1月に顔出した時はビックリしました。」

先輩「んー。」

先輩「そりゃー、可愛い後輩の顔みたいじゃない?」

 男「……あー」

先輩「みたいじゃない?」

 男「……結局、フラットさんは捕れたんですか?」

先輩「あれがね!ほんっとーにもー……」

 男「駄目なんですね (ホッ…」


先輩 チラッ

先輩「だんだん桜のつぼみも膨らんできたわねー」

 男「あ……そう、ですね。」

先輩「もうすぐ春が来るわよ~」

先輩「そして……」

 男「……」

先輩「はやい、はやいなぁ……」

 男「そう…ですね……一年間って。でも」

先輩「甘い!駅前の喫茶店のベリーパイより甘いよ!」

 男「食べたいんですね?」

先輩「んもー!」

 男「……ですね?」

先輩「食べる!食べるけれども!」

先輩「だんだん桜のつぼみも膨らんできたわねー」

 男「あ……そう、ですね。」

先輩「もうすぐ春が来るわよ~」

先輩「そして……」

 男「……」

先輩「はやい、はやいなぁ……」

 男「そう…ですね……一年間って。でも」

先輩「甘い!駅前の喫茶店のベリーパイより甘いよ!」

 男「食べたいんですね?」

先輩「んもー!」

 男「……ですね?」

先輩「食べる!食べるけれども!」

イラッシャイマセー
先輩「いっくら全ての知識が経験に基づくからって言うからさー、そういうのってどうなのよー」

先輩「これじゃあ、私が食い意地張ってるみたいじゃない!いかんと、思うのよ!」

 男「ですか」

先輩「です!」

 男「いかんとも、しがたいですね……」

先輩「むっ……男君ってそういうところが……」

 男「なに……なんですか?」

先輩「そういうところ、昔からかわってないわよね」

 男「む……」

ーー
ーーーーーー
----------------------
---------------------------------------------------------------------2005- counter-clockwise

 男「あれ?ねーさん?」

 姉「お、今帰りか?」

 男「そうだけど。どうして駅前に?」

 姉「待ち合わせだ。副部長とな」

 テッテッテッテ

姉友「はっ、まに、まにあ、まにあっ」

 姉「合ってない」

姉友「け、けちーー!3分くらいっ   あれ?」

 男「……どうも(……副部長?)」

姉友「えー、なになにかr「弟だ」……知ってたけどさ-」

 男「それじゃ」


姉友「ちょっっっっっっとまったぁ!!」


 男「えっ?」

 姉「あーー」

姉友「せっかくだからさ!おいでよ!」

 俺「え、ぼく……おれもですか?」

姉友「いやー、女二人ってねー!いくら近所の高校の演奏会とはいえねー。」

 姉「あきらめろ、こういうやつだから」

 男「あー……はい」

姉友「なによー!」

 男「いえ、こういうひとだな。と」

 姉「あきらめろ、こういうやつだから」

姉友「うぅー……」

 男「……ねーさん」


 姉 (なかなか、面白そうな二人、だしな)

パチパチパチパチパチブラボーパチパチパチ…
 男「……はー」

姉友「ひゃー……高校生って凄いんだなー」

 男「……スネアの音の粒、すごい」

 姉「あの3楽章のクラリネットも、素晴らしいソロだったな」

姉友「ねー!あー、いいなぁ……オーケストラ」

 姉「来ればいい、と言っているだろ?」

姉友「あーうー……なんだか傾いて来ちゃった」

 男「やっぱり……姉友さんは、何部なんですか?」

姉友「あれ?っていってなかったかー」

 姉「中学吹奏楽部副部長……
     ……だったやつだ」

 男「……はぁ?」



|ω・`)つ④゛

ハニホヘトッ イロハニホヘト
イロハハトニホヘトニハ クインテッ!
 妹「おかーさん!ぱんやいたー?」トテットテッ

 母「おはよう、ジャムは出しておいてね」

 男「かーさん、パンお願い」ギーッ

 母「はーい。姉ちゃんは?」

 男「部屋でごそごそ聞こえたから、そろそろ」

 母「男くんが部活入ったから、少しは早くなると思ってたのにねぇ……」

 男「そう簡単に、代わりはしないって」

 姉「……あー。母、私にも頼む」ペタッペタッ

 母「はいはい。部活でもこんな感じじゃないだろうねー?」

 男「それが」

 姉「いいから、パン食べていくぞ」


 母「で、なに?(コソコソ」
 男「それがさ、あだ名が氷の女「食べていくぞ?」……いただきます」

>>19
(´;ω;`)っ④  ありがとー。それかおよびでないってことかな…?

 姉「さて、今日の朝練はスペシャルゲストがいる」

 ザワザワ ザワザワ

姉友「おはようございまーすっ!」ガラッ

 姉「江末巣中吹奏楽部 元 副部長。そして」

姉友「この時期からだけど、新しく入りました女です!よろしくお願いしまっす!」

 ザワザワザワザワ エーマジカスゴーイアノヒトッテ デモナンデコノジキニ ザワザワ

 姉「新入部員だ。」

 男「……姉友さん?」

姉友「先輩」

 男「……え?」

先輩「これからは、先輩。ね?」

 男「え?」

 男「……後から入ったのに?」

---------------------------------------------------------------------2009- clockwise
----------------------
ーーーーーー
ーー
ベリーパイニ ロイヤルミルクティー アイスコーヒーオモチイタシマシター
先輩「あの時から、可愛げなかったのよねー」

 男「性分……ですからね。」

先輩「でも、最初あった時の「ぼく……おれは」は、可愛かったなー///」

 男「……それで」

先輩「ほらほらー、すぐそうやって話題を変えようとするー。
   私たちは現在だけ耐え忍べばいい、っていうじゃない。

先輩「過去にも……未来にも苦しむ必要はないのよ?」

 男「……先……輩?」

先輩「今を生きていけばいいの。さもあらんってことよ。」

 男「……それで、高校に進んでもオーケストラを選んだんでしたっけ」

先輩「そう、そうなの。やっぱりあそこって私の好きな音楽と、ちょっと違ったのよねー。
   たしかにクラの競争率も高いけど、それ以上に向いてる方向が違ったの」

 男「そう、でしたね」

先輩「……やっぱり可愛くない(ボソッ」

 男「先輩?」

先輩「ん?」

 男「……さっきの、わかりにくいしあんまり落ちてないですよ?」

先輩「んもぅ!可愛くない子ねーー!」

女友が新しく入った女って言ってるのは性別がか?

>>25
もうちょっとおまちを……

 男 フゥッ
先輩 ……

アリガトーゴザイマシター
先輩「さっ。今日もここでいいよー」

 男「あ、おく「らなくていいよー」……はい」

先輩「気持ちだけ、もらっておくね?」

 男「……先輩は」

先輩「ん?」

 男「……先輩はどうしッッッ!!」ヒトサシユビ ピトッ

先輩「内緒っ」ヒトサシユビ ピトッ

 男「!」

先輩「じゃあねっ!」カツッ カツッ カツッ


 男 (関節……キス?
先輩 (関節……キスかー///

キョウノオテンキハ セキジマサンニツタエテイタダキマス  セキジマサン?  ハイ!
 姉「お帰り、打楽器練が長引いたみたいだな」

 男「ただいま、あーそんな感じ」

 姉「なるほど……」

 男「入学シーズンは、大きいのがあるし」

 姉「……姉友もいなくなるし、な」

 男「……ねーさんのそういうところ、あんまり好きじゃない」

 姉「嫌われたようだ」

 妹「あ、にいさんおかえりー!おかーさん町内会行ってる、ご飯はできてるよ!」トテトテ

 男「そっか、ありがとう」

 妹「で、お姉ちゃん嫌われちゃったの?」

 姉「そうなんだ、この傷をどうしてくれよう……(ホロホロ」

 妹「にいさんひどいなー、こんなにクールビューティー(氷の女王)なお姉ちゃん泣かせて!」

 男「……わりとこの姉妹、嫌い」


 姉 (こっそりけなされたな。その仇名、中学まで広がっているとは……)

コン コン コン
 男「だれ?」

 姉「わたしだ」ギーッ

 男「……どうしたの?」

 姉「暇を持て余「古いんじゃない?」……あいかわらずだな」

 男「それで?」 

 姉「進展はあったのか?」

 男「……何の?」

 姉「追い詰められてまでとぼけるのは、美しくないな」

 男「……そういわれたって、ないものはないよ」

 姉「どういうつもりだって、何を考えてたっていい」

 姉「もし、決めたのなら、一発だ。一発で仕留めろ。」

 男「……」

 姉「打楽器は、そういうパートだ。おやすみ」ギーッ


 男「一発……」

ーー
ーーーーーー
----------------------
---------------------------------------------------------------------2005- counter-clockwise
 ピヒー ポペー キーキーキー
 男「……」

先輩「今日は、あんまりうまくいかなかったねー」

 男「姉t……先輩。」

先輩「なんだか、迷ってない?」

 男「はい……まだ初めて時間がたってないですし」

先輩「うーん。そういうことだけ、じゃ無いと思うなー。」

 男「……」

先輩「シンバルもグランカッサ……ええと、大太鼓も。もちろんティンパニもね?
   一発。それだけなの。」

 男「一発……?」

先輩「そう。誰もが欲しいポイントに、欲しい音一発。迷ってる暇なんてないんだよー。一発勝負!」

 男「……一発。」

先輩「どのセクションでも、本当はそうなんだけどね。君のポジションは、一番わかり易いんだ。
   ま、なにはともあれ、大気は晩成すっていうでしょ?」

 男「はぁ」

先輩「だから、目指す一発まで、策をろうしてがんばってみてね!」タッタッタッ

 男「……はぁ(え…さく?)」

 姉「よし、ではもう一度通して今日は終わりとする」


 男 (一発、勝負。)

先輩「帰り道、あっちだったっけ?」

 男「そうだけd……そうですが?」

先輩「アハハッ いいのいいの、言い直さなくて。細かいことは気にしないから」

 男「そうは行きませんよ。 そういえば、姉と仲がいいですものね」

先輩「帰り道?そうねー。でも最初はそうでもなかったのよー?」

 男「あー、そうだったんですか」

先輩「吹奏楽部の演奏を聞くなり、「こんな所じゃなくもっと輝ける舞台がある」ってねー。
   当時はあったまきちゃってー!その日はもう、怒鳴り付けちゃったっ☆」

 男「へ、へー……(☆……」

先輩「でもねー、姉ちゃんの言うこともうすうすわかってたの。
   同じ畑同士でやりやうだけじゃなくて、違う世界もあるんだなってこと。」

先輩「まー、いいじゃんいいじゃん!ちょっと寄り道していこう?」

 男「え、ちょっと……」

先輩「ほらー、こっちこっちーー!!」

ハーッハーッ
先輩「こ、こ!ここよ!」

 男「先輩?息、切れてますよ?」

先輩「ちょ、ちょっと!ちょっとだけ、まって、ね」フーッ フーッ  フゥ

先輩「ここの景色が、凄くいいの」

 男「わぁ……」

先輩「うん。 どうかな?」

 男「すごい……すごいですね」

先輩「でしょ?この時間でないと、ここまでは見れないんだよ!」

 男「……もうすぐ、日が沈みますね……」

先輩「……その顔なら、大丈夫だね」///

 男「……はい?」

先輩「何でもないよ! ホントはねー、ここの桜が咲くと綺麗なんだよねー」

 男「そう、なんですか」

先輩「でもそれはーー、お預け!
   門限の電車まであと10分しかないんだ、急いで!」ギュッ

 男「え?え?」

先輩「さー、駆け下りるぞ-!」ダダダダダー

 男「あー、先輩ーー!」

---------------------------------------------------------------------2009- clockwise
----------------------
ーーーーーー
ーー
キーンコーンカーンコーン  ザワザワザワ
先輩「あー、終わっちゃったなー」

 姉「そうだな……」

先輩「高校生活、終わっちゃったよー……」

 姉「桜……卒業式に間に合ったな」チラッ

先輩「そう、そうね……」

 姉「部の顧問に、一言いってくる」クルッ

先輩「あれ?さっき言ったじゃない」

 姉「言い忘れだ、ちょっと時間潰しててくれ」タッタッタッ

先輩「あっ!……もぅ。」

 タッタッタッ
 男「先輩!」


先輩「あー!どうしたの?」

 男「先輩。卒業、おめでとうございます」

先輩「ありがとうございます、ついにここともお別れかー」

 男「……そう、ですね」

先輩「君も、ついに先輩になるんだよ。まだ見ぬ後輩を、よろしくね?」

 男「はい……」

先輩「……よしっ!ならばよし、だよ!」ウルッ

 男「……先輩」

先輩「……なあに?」

 男「先輩。どうしても、聞きたかったことがあります」

先輩「……どうしたのー?」

 男「…先輩、大学では楽器を吹かないそうですね」

先輩「……ははっ。やっぱり。それ姉ちゃんからかな」

 男「無理やり、聞き出しました。
   なぜか、聞いていいですか?」

先輩「あっはは……」

先輩「…………私、最初はね。この子とどこまでやれるかなーって思ってたの。
   せっかく、出会った縁だったし。好きだったからね」

先輩「だけど、この先の世界ってさー。厳しいみたいなんだ。」

先輩「お金も、実力も。それにね?そういう道って、
   周りによく思われないんだってー」

先輩「いろんな人にね……相談したんだ。それで、そんなに難しいんだなーって。
   思い知っちゃった。」

 男「……」

先輩「でもね、人間は考える葦であるっていうじゃない?」

先輩「だめだーって、おもっててもしょうがないや。
   曲がっても、踏まれても。しなやかにいこーっ!って考えたの」

先輩「これが、私のけじめなの。これが…………」ウルッ…

 男「……そこからパスカルは、ちょっと無理がありましたね」

先輩「んもーー!!すぐそうやってーー!」

 男「先輩?」

先輩「なによっ!」ジワッ

 男「先輩にとっての楽器のけじめ、伝わりましたよ」

先輩「男君……」

 男「だから、1月からも練習見に来てくれたん、ですよね?最後まで、見届けてからって」

先輩「ん……」コクッ

 男「でも……」

 男「でも、先輩の残した芽。ここに残った芽は、まだ開いてないんです。」

先輩「……芽?」

 男「残念ながら、俺の芽は大器晩成ですから。
   来年、再来年。聴きに戻ってきてください。」
   

 男「いつか、けじめを後悔させる一発。聞かせますから。」

 男「そしたら……」

---------------------------------------------------------------------2011- clockwise
----------------------
ーーーーーー
ーー
パチパチパチパチ パチパチパチパチ
 姉「ついに、男の最後の晴れ舞台、か。」

先輩「そうねー。ほんとに、時間ってたつのがはやいんだから」

 姉「それ、いつも言っているが。時間がたってる割に男の一人でも引っ掛けられたんじゃないか?」

先輩「あーー!姉ちゃんがそれ言うー!?」

 姉「言った者勝ち、とはよく言ったものだろう?」

先輩「もぅー……あ、はじまるよ……」

パチパチパチパチパチパチブラボーパチパチ
 姉「あいつも……、やるようになったな……」

先輩「うぅ……うーっ!」ズビー ジュル

 姉「おい、いつまで泣いてるんだ」

先輩「おど、おどごぐん……」ズビズビー

 姉「まったく……」

先輩「ぞういうあねぢゃんも……ないでるじゃない……」フキッフキッ ジュル

 姉「いや…………そうだな」 ウルッ

先輩「……いごう、いがなぎゃ。あねぢゃん」ズビー ズルッ

 姉「流行る気持ちはわかるが……」

先輩「え……」

 姉「もうちょっと、マシな顔して行け」フキフキ

先輩「もぅ……なんでしってるかな……」

 姉「そりゃ、姉だからな(いずれはお前の)」

 姉「とにかくいってこい。せっかく姉までつかってけしかけたんだからな」

先輩「……うん!」

ハーッ ハーッ
先輩「い、いたー!」

 男「お久しぶりです」

先輩「も、もぅ。よりに、よって、こんなところで、なくとも……」フーッ フーッ  フゥ

 男「いいえ、ここでないとだめなんです」

先輩「そう、なの?」 オチツイター

 男「だって、ワンコインで来れるんですよ?」

先輩「そう……そうね」

 男「それに。以前言っていた。桜の木、咲き始めてますよね」

先輩「あー、そんな季節だもんね」

 男「先輩……?俺の高校最後の一発。どうでした?」

先輩「……男君」

 男「客席で大泣きしてるの、舞台からもわかりましたよ?」

先輩「……そういうところ、変わってないなぁ」

 男「性分、ですからね」

先輩「……正直ね。」

先輩「……悔しかったよ。」
   
先輩「あんなに凄かったのに、私は一緒に座ってないんだもん……」

先輩「あんなに凄かったのに……楽器の道、目指さないんだね……」

 男「嫉妬、しました?」

先輩「……」

 男「先輩?」

先輩「ぅー……    した!したよ!したにきまってるでしょ!」

 男「これならまた。
   先輩のクラリネット。聞けますね」

先輩「……ぅー。あんなに上手いの、卑怯だよー……。」

先輩「わかった、わかったよー。……でも、ブランクあるし。期待はしないでね?」

 男「いいえ。ずっと期待してたんですから。それは聞いてあげられません」

先輩「……なんか、男君意地悪くなった?」

 男「なんででしょうね?先輩」

 男「そうそう、もう一つ。覚えてます?」

先輩「えっと……えと………………うん」

 男「もう、日が沈んじゃいました」

 男「月が、綺麗ですね。女さん」

先輩「男…君。」

 男「5年もたって、初めて呼びました」

女先輩「……そう、かもね。ビックリしちゃった。よく、覚えてたね?」

 男「姉が紹介した時から、ずっと隠してた一発です。
   それで、答えを聞いてもいいですか?」

女先輩「……こ、答え?」

 男「そう そう、せき にんも、とらせてくださいね」

女先輩「バカ……バカー-!私のセリフよくもとったなー!!!!
    それに、それに2年も待たせてーーー!!」ギュッ

 男「おまたせ、しました」ギュッ


女先輩「……こんなわかりにくい女で、いいの?」

 男「だから、いいんですよ」

 男「女さん」チュッ

女先輩「チュッ……もう……こういうところ、変わって、ないよね///」
おわり

なんだこれ面白そうだな、俺もやってみよう!
的なノリでとりあえず勢いに任せて全部書いてしまいました……。

読み返せないほど恥ずかしい構築でした、最初なのに無茶やったなぁ……

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom