結衣「そもそも、ヒッキー。『黒ひげ危機一髪』って何?」
八幡「タカラトミーから発売されてる子供向けオモチャで、複数の穴が空いてる樽の中に、こうやってプラスチックの剣を一本一本差し込んでいく遊びだな」ガショッ (剣を挿入)
結衣「こうやって剣を入れていくと、どうなるの?」ガショッ
八幡「その空いてる穴のどれか一つに外れがあるんだ。その外れの穴に剣を差し込むと、樽の中に入っている黒ひげの人形がドカンと空中に飛んでいく」ガショッ
結衣「それで、今、ゆきのんはそのオモチャを完璧に再現した、屋上に設置してある、この巨大な樽の中に入って遊んでるの? それ、危なくない?」ガショッ
ドカンッ!!
八幡「あ」
雪乃「ひゅーーーーーーーーーーん!!」
八幡「しまった! 雪ノ下が屋上から飛んでいった!!」
結衣「ゆきのーん!!」
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ヒューン……
雪乃「はぃっ!!」ズダンッ!!
― 翌日 ―
結衣「それにしても、ゆきのん。屋上からドカンと落ちたのに、よく生きてたよね」ガショッ (剣を挿入)
雪乃「子供の頃からバレエを習っているから、多分、そのおかげね」ガショッ
結衣「バレエってスゴいね。私も習おうかなー」ガショッ
雪乃「由比ヶ浜さんには難しいかもしれないわね。マニュアル本が百科辞典の様に分厚いから」ガショッ
結衣「ごめん、ゆきのん。それ本当にバレエ?」ガショッ
雪乃「それにしても、比企谷君は一体どこへ行ったのかしらね?」ガショッ
結衣「部室にもいなかったし、この屋上にも見当たらなかったしねー。ホント、ヒッキー、どこに行ったんだろ?」ガショッ
ドカンッ!!
雪乃「あ」
戸塚「ひゅーーーーーーーーーーん!!」
雪乃「大変! 戸塚君が屋上から飛んでいったわ!!」
結衣「さいちゃーん!!」
ヒューン……
戸塚「うわっと!!」ズダンッ!!
― 翌日 ―
八幡「それにしても、屋上からドカンと落ちたってのに無傷とか、流石、戸塚は天使だな」ガショッ (剣を挿入)
戸塚「八幡ってば、またまたそんな冗談ばっかり。たまたま昨日プロテインを飲んでたから、そのおかげじゃないかな?」ガショッ
八幡「プロテインってそんなに凄いのか? 俺も買ってきて飲むか悩むな」ガショッ
戸塚「うーん……。残念だけど、今の八幡にはちょっと難しいかもね。まず資格から取らないといけないし……」ガショッ
八幡「ちょっと待て、戸塚。買うのに免許いるとか、それどこの危険物だ?」ガショッ
戸塚「それにしても、葉山君。来るのが遅いね。屋上で待ち合わせの予定なのに」ガショッ
八幡「あいつが遅刻とか、珍しい事もあるもんだよな」ガショッ
ドカンッ!!
戸塚「あ」
戸部「ひゅーーーーーーーーーーん!!」
戸塚「大変だ! 戸部君が屋上から飛んでいったよ!」
八幡「とべー!!」
ヒューン……
戸部「ほいっ」ズダンッ!!
戸部「さ、帰ろーっと」スタスタ
― 翌日 ―
三浦「にしてもー、屋上からドカンと落ちて無傷とかー。あんた色々おかしーし」ガショッ (剣を挿入)
戸部「えー、こんぐらい普通っしょー」ガショッ
ドカンッ!!
三浦「あ」
材木座「ひゅーーーーーーーーーーん!!」
三浦「ちょっ! なんかデブが屋上から外へ飛んでいったし!」
戸部「でーぶー!!」
ヒューン……
材木座「必殺! 烈風陣魂空撃破ぁぁ!!」ズダンッ!!
材木座「ぬぐおおおおおおおお!! 足が足があああああぁ!!!」ゴロゴロ
八幡「……親方ー、空から太った豚が……」ボソッ
雪乃「」ブフッ!! (吹き出す)
― 翌日 ―
静「それにしても、材木座も屋上からドカンと落ちて、よく生きていたな」ガショッ (剣を挿入)
葉山「多分、脂肪がクッションになったんでしょうね」ガショッ
静「まったくだな。飛ばない材木座はただの豚だ」ガショッ
葉山「さりげに酷いですね、先生」ガショッ
ドカンッ!!
静「あ」
陽乃「ひゅーーーーーーーーーーん!!」
静「大変だ! 陽乃が屋上から飛んでいったぞ!!」
葉山「いっけー!!」
― ハワイ冲 上空 ―
ジャック「ヘイ、ボビー。こちらは快適な空の旅を行っているぜ。そっちはどうだい」
『ハッハー。順調だぜ。あまりに何もないんで、このままカフェテリアでコーヒーブレイクと洒落混みたいところだな』
ジャック「そうかい。そりゃ結構な事だ。このミッションが終わるまで、あと二時間。居眠りをしない様に気を付けてくれよ」
『そっちこそ軽口叩いて、ヘマをするなよ、ジャック』
ジャック「わかってる。問題ないさ。俺の辞書に失敗という二文字はないからな。ハッハー」
陽乃「ひゅーーーーーーーーーーん!!」
ジャック「WHAT!?」
『ヘイ! ジャック、どうした!? ジャック!?』
キラーン!!
ジャック「オーマイガー……!!」
『ジャック!? どうした、ジャック!! 何があった!?』
こうして大空へと飛び出していった陽乃さんだが、三日後には日本に帰ってきて、俺にお土産のフライドチキンを二つくれた
その間に、屋上の黒ひげ危機一髪は危険だという事で撤去され、代わりに観覧車が置かれたが、中で誰かが花火をしたらしく、遂には屋上に上がる事も禁止された。無念だ
やはり、俺の通う学校の屋上で陽乃さんが遊ぶのは間違っている
完
このSSまとめへのコメント
ジャイアントスイングの人やろ?
このテンポ好きやわ
笑顔が真顔になる程度にはつまらないと思うが…