【コンマ】八幡「浮気度と性欲の強さがわかるスイッチを手に入れた」 (443)

八幡「…………」


八幡(……ヤバい、使ってみたい)

八幡(仮に万一、そう、1万分の1ぐらいの確率で俺が知り合いの誰かと付き合う可能性とかある訳だし、もしそうなったら、その時にこのスイッチの結果はかなり役立つはず)

八幡(というか、そんなの関係なく知りたくない? 浮気度と性欲だよ? 年頃の男子高校生としては、非常に気になるところだろ)

八幡(昔の人は言った。何故使うのかと言えば、そこにスイッチがあるからだ)

八幡(大体、このスイッチ自体、確かに作動するかわからん訳だしな。とりあえずここは誰かで試してみるべきだろう)


八幡(……俺の知ってる奴とか、どこかいないか?)キョロキョロ


↓1(ルミルミとかけーちゃん以外で)

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【教室】


相模「えー、うちそんなの無理なんだけどー」

モブ子A「相模さんなら楽勝だって。挑戦してみなよ」

モブ子B「そうそう、うちらも応援するしー」



沙希「…………」



戸塚「うん、それでさ。ちょっと困っちゃって」

モブ男「あー、わかるなー、それ」



八幡(丁度良いとこに三人いたんですが……)

八幡(これはあれか。相模のついでに、川なんとかさんと戸塚も試してみるパターンですか)

八幡(いや、別に相模だけだとアテにならさそうだから、他の二人も試すだけで他に特に意味はないよ。ホントだよ)


八幡(とりあえず、三人に見つからないようにこっそり押すか。ステルスヒッキーの本領を発揮する時がきたな)

八幡(確か……使い方は相手に向けて押すだけで……)

八幡(数値は50が標準値で、上にいくほど強く、下にいくほど低くなるんだったよな……)

八幡(なら、とりあえずこの三人の浮気度から)ポチッ


三人の浮気度
相模、コンマ↓1
沙希、コンマ↓2
戸塚、コンマ↓3

相模 41 やや一途
沙希 47 普通
戸塚 23 浮気とかダメ


八幡(相模、意外と言えば意外だが、十分に納得出来る数値ではある)

八幡(言動はあんなんだが、恋愛面では意外と真面目なのかもしれないな)


八幡(川なんとかさんは標準値だ。まあ、これについては人並みなんだろう)


八幡(そして、流石は戸塚。これについては物凄く納得出来る。もしもあいつが尻軽の浮気性だったら、俺が屋上から飛び降りるまである)

八幡(正直、半信半疑だったが、このスイッチ、かなり正確なのかもな)


八幡(となると、問題は……)

八幡(性欲の強さなんですが、これは……?)

八幡(…………)

八幡(いや、ここまできたら押すしかないだろ。押せと俺の中の悪魔が囁いている)

八幡(それっ)ポチッ


三人の性欲の強さ
相模、コンマ↓1
沙希、コンマ↓2
戸塚、コンマ↓3

相模 28 あんまりエロい事に興味はない
沙希 86 必ず一日一回は自分を慰めるレベル
戸塚 76 興味津々


八幡(マジかよ、これ)

八幡(相模が意外に純情乙女だったのはともかく……)

八幡(川崎……クールに見えてそんなにエロい子だったの、お父さん泣いちゃう)

八幡(夜のバイトしてたって聞いたら意味深に聞こえちゃうとかやめて。大志が心配してた理由がよくわかっちゃうから)

八幡(そして、天使戸塚……。エロい事に全く興味なさそうで、実は興味津々とかどこの薄い本だよ)

八幡(そして俺の胸の中に広がるこの妙なモヤモヤ感と奇妙な興奮は何でだ。寝取られモノの薄い本を見た時のようなこの気持ちは)

八幡「俺は知らなくていい事を知ってしまったかもしれない……」



戸塚(……あれ、何か八幡が微妙に落ち込んでる? 元気ない?)

沙希(……あいつ、何一人でたそがれてんの?)

相模(……何でかわかんないけど、誰かにメッチャ失礼な事を言われた気がするんだけど?)

八幡(……何故か俺は無性にマッ缶が飲みたくなって、教室の外へと出かけた)

八幡(しかし、外に出たところでまさかこんな出会いが待っているとは知る由もなかったのだ)

八幡(というか今、何でナレーション入れたの、俺?)



次に会った人
コンマ↓1

はいな、今日はこれまで

【廊下】


陽乃「あっれー、比企谷君じゃない。ひゃっはろー」

八幡「……何で普通に学校にいるんですか」

静「私がちょっと頼み事をしてな。それでわざわざ来てくれたんだ」

陽乃「そういう事。だから、そんな不審人物を見るような目でお姉さんを見ちゃダメだよー、比企谷君」

八幡「いや、この目は生まれつきなんすけど」

静「残念だが、比企谷。生まれた時は誰もが純真な目をしてるものだぞ。なのに君ときたら……」

陽乃「どうしてこんな風にひねくれて育っちゃったのかなー、お姉さん悲しくて涙が出ちゃう」

八幡(……出会って十秒で、説教される羽目になるとはな。何だ、この凶悪コンビは)

八幡(しかし、これはチャンスでもある)

八幡(雪ノ下さんとは滅多に会わないしな。こんなスイッチを持ってる時に現れるとは、神様がお膳立てしてくれたに違いない)

八幡(幸い、このスイッチはかなり小型だ。ポケットの中にあるから、こっそり押すぐらいバレずにやれるはず)

八幡(まずは、浮気度から)ポチッ



浮気度
陽乃、コンマ↓1
静 、コンマ↓2

陽乃 77 浮気性
静  53 一般的


八幡(うん……。陽乃さんはあれだ。何故か物凄く納得してしまった)

八幡(妥当な気がする。77という数字からして流石魔王)

八幡(付き合ってる時に、新しい良い男を見つけたら、コロッと鞍替えしそうだ。そして、ポイ捨てするまである)

八幡(何かそんな光景が頭に浮かぶぐらい妥当だ。これについては意外性がほとんどない)


八幡(逆に平塚先生は結構意外だ。この人の場合、とことんまで浮気せず一途に男を愛して重いとフラれる感じだと思ってたんだが……)

八幡(一般的……。つまり、普通。普通という単語が似合わない感じなのに、そうなのか)ジーッ


陽乃「?」

静「?」


八幡(となると……俄然、性欲の強さが気になるところだな)

八幡(俺の中のイメージだと、陽乃さんは性欲が高そうで、逆に平塚先生は低そうな感じなんだが……)

八幡(実際はどうなんだ?)ポチッ



性欲の強さ
陽乃、コンマ↓1
静 、コンマ↓2

陽乃 08 性欲、ほとんどなし
静  61 性欲、少し強い



八幡(え)

八幡(ちょっと待て、雪ノ下さんが性欲ほぼゼロ?)

八幡(あんなエッロい体してて、ほぼゼロ?)

八幡(これ、アレか? 他の欲望が性欲を淘汰してる感じか? 七つの大罪全部を持ってそうなのに、色欲だけないとかそんな感じなのか?)

八幡(これ……仮にエッチをしたとしても絶対マグロだろ。まさか雪ノ下さんが魔王ではなくマグロだったとは……)


陽乃「……比企谷君? どしたの?」


八幡(そして、意外と平均的だった平塚先生。他の人より多少強いぐらいで、そんなに差がある訳じゃないからな)

八幡(何でこういうとこだけ人並みなんだ。何かリアクションに困る)

静「どうした、比企谷? さっきから私達の事をジロジロと」


八幡「いや……。人って、外見じゃないなという事を再認識出来ました」

陽乃「?」
静「?」

次の人、↓1

折本、了解。今日はここまで

【帰り道】


八幡(珍しく今日は奉仕部は休みだ。雪ノ下と由比ヶ浜の二人が用事があるとかで来れないらしい)テクテク

八幡(で、一人でいつも通り帰っていたら、途中で妙な人材を発掘してしまった)


折本「あっれー、比企谷じゃん。久しぶりー」

八幡「……おう」

折本「なになにー、今日は一人なの? あの二人はどうしたの? もしかしてとうとう愛想尽かされたとかー?」キャハハ

八幡(愛想尽かされるの前提なのかよ。いや、十分有り得そうだからやめて欲しいんだが)


八幡(しかし、これは好機だ。こんな偶然をみすみす逃す訳にはいかない)

八幡(残念だったな、折本。今日、俺に会った事を人知れず後悔しろ)

八幡(まずは、気付かれないよう浮気度から)ポチッ


折本「?」


浮気度
折本、コンマ↓1

折本 74 浮気性


八幡(うん。予想通りだ)

八幡(むしろ二股かけて、どっちが良いかじっくり吟味しそうな感じまである)

八幡(そして、浮気する事に罪悪感をほとんど感じなさそうな気がする。いや、あくまで俺の中でのイメージだがな)


折本「ちょっと、比企谷。どうしたの? 何かマジ顔になっちゃってさー。ひょっとして、さっきの冗談真に受けた? そんでマジ顔とかウケるー」キャハハ


八幡(笑ってられるのも今の内だぞ、折本。次はお前の性欲の強さを確認するんだからな)

八幡(俺的には、折本は普通な感じなんだが、実際はどうなのか……)

八幡(とりあえず、押すぞ)ポチッ



性欲の強さ
折本、コンマ↓1

折本 53 フツー


八幡(うん……。これも予想通り)

八幡(結論を言おう。折本は見かけ通りの人間である)

八幡(良くも悪くもストレートな人間なんだろう。誰とでも特に差別なく普通に話す奴だしな)

八幡(あれ……? 何故か俺の中で折本の株上がってね? 浮気性なのに上がってね?)


折本「ちょ、ねえ、比企谷。いつまでマジ顔してんの? 大体そろそろ何か話しなよ。あ、もしかしてさっきの怒ってるとか?」


八幡(そして、ちょっと心配顔になってきてる折本が少し可愛く思えてきた。これはこれで良い)

折本「比企谷ってば、もしかしてホントに怒ってんの? あれ、冗談だから気にしないでよ、マジだからさー」

八幡「折本、お前……」

折本「な、なに?」

八幡「結構、良い女だったんだな」

折本「キモ! 比企谷、キモいし!」

次いってみよか、↓1

【翌日、学校】


八幡(うん。昨日の最後の反応含めて折本は折本だった)

八幡(にしても、このスイッチ。実はかなり正確なんじゃね? 俺の中で信憑性が増して来てるんだが)

八幡(となると、試すしかないだろ。いつも通り窓際で集まって話しているあのリア充グループの二人を)



戸部「隼人君、マジパナいわー。俺、チョーリスペクトしちゃうしー」

葉山「よせよ、戸部。大袈裟過ぎだって」



八幡(さて……あの二人の浮気度はどうなのか)

八幡(俺の予想だと、戸部は低く、葉山は逆に高そうな気がするが……)ポチッ



浮気度
葉山、コンマ↓1
戸部、コンマ↓2

葉山 100 浮気は当然
戸部 55 フツー



八幡(葉山……。突き抜け過ぎだろ。浮気100%とか、モラルの欠片もないぞコイツ……)

八幡(あれですか、モテる俺は浮気して当然って事ですか。寄ってくる女は腐るほどいるし、みたいなリア充目線ですか、おいおい)

八幡(そりゃ、あーしさんをつかず離さずでずっとキープしてる訳だ。陰で何をしてるかわかったもんじゃないぞコイツ)


八幡(そして、戸部は普通だ。予想とは違ったが、まあ、これはいい。普通は普通なのだから)

八幡(戸部もチャラいところはあるし、差し引きトントンみたいな感じなんだろ)


八幡(……だが、これ。二人の性欲の強さはどうなんだ? これ、戸部はともかく、葉山は調べるのが少し怖くなってくるレベルなんだが……)ポチッ



性欲の強さ
葉山、コンマ↓1
戸部、コンマ↓2

葉山 17 かなり少ない
戸部 33 そこまで興味はない



八幡(……葉山、低いのか。浮気度100だからもっと高いかと思ってたんだが、意外だ)

八幡(とはいえ、見かけや言動だけ考えると、低いのは低いので納得は出来るな。落ち着いて考えると、そこまで意外でもない)

八幡(しかし、これ。性欲は低いのに浮気度はマックスとか、どこのキャバ嬢だよ。もしかしたら葉山はホストとかが、天職かもしれないとすら思える)


八幡(そして、戸部はまあ……あれはあれで純粋なとこあるしな)

八幡(見かけだけだと、性欲はもっと突き抜けてそうな感じだったんだが……)

八幡(淡白な面もある、って事だな。それ以外、コメントする事が本当にない)



戸部「それ、マジでヤバイって、隼人くーん」

葉山「そうかな」ハハッ



八幡(さて……。この二人はもういいか。別の人間を探してみるとしよう)

↓1

あーしさん、了解。今日はここまで

三浦「でさー、そん時隼人がー↑」

海老名「あー、あるよね。そういうとこ」



八幡(……探すまでもなく普通に教室の中にいた)

八幡(まあ、三浦だし↑ さっきの葉山の件もあったし↑ 試すしかないでしょ)

八幡(俺的には、あーしさんは一途で、海老名さんは浮気性な感じがするんだが……)

八幡(ただ、もしもそうだったら、海老名さんはともかく、あーしさんが悲惨すぎる。浮気大好物の男に一途に惚れるとか、絶対にコロっと騙されるパターンだろ)

八幡(出来れば、そうであって欲しくないんだが……実際のところはどうなんだ?)ポチッ



浮気度
三浦 、コンマ↓1
海老名、コンマ↓2

三浦  48 フツーだしー
海老名 85 浮気っていいよね!



八幡(…………)

八幡(オカンさん、あれですか。そこまで一途じゃなかったんすね)

八幡(とはいっても、葉山のアレを考えるとずいぶん中途半端な数字である事は否めないけどな……。別に応援してる訳じゃないが、三浦に不幸な結末が訪れない事を祈ろう)


八幡(海老名さんは……)

八幡(…………)

八幡(アレだ。多分BL脳だからだろう。誘って受けて襲われてみたいなドロドロとした展開大好きだろうし)

八幡(倫理観とか何か色々と複雑な壁すら何枚も越えてそうだし、うん)


八幡(しかし、そうなると、性欲の強さはどうなんだろう?)

八幡(俺の予想だと、あーしさんは普通か低い。海老名さんはマックスでもまるで不思議はない、みたいな感じなんだが……)ポチッ



性欲の強さ
三浦 、コンマ↓1
海老名、コンマ↓2

三浦  81 エロい
海老名 13 性欲ほとんどなし



八幡「はあ!?」


三浦「? ヒキオのやつ、いきなり何叫んでんの? チョイびっくりしたんだけど」

海老名「何かあったのかな?」



八幡(おいおい、驚き過ぎて思わず声出ちゃったよ。恥ずかしい)

八幡(にしても、何だよこれ。逆じゃね? 逆じゃね? 大事な事なので二回言っちゃったよ)

八幡(あーしさんがエロいってのはまだ許せる。むしろちょっと興奮する)

八幡(だが、海老名さん。その性欲の弱さはやはり間違っている)

八幡(もしかしてアレか? 男同士のアレやコレを想像するのは大好きだけど、自分自身の性欲は大してないって事か?)

八幡(むしろ、腐の方向に傾き過ぎて、自身の性欲を忘れてしまった的な? F1マシンがスピードを追求するあまり、快適性と利便性をゼロにしてしまったように)


八幡「これがある意味、進化の形か……」


三浦「あいつ、マジでどしたん? イミフなんだけど」

海老名「さあ?」

次ー、↓1

【生徒会室】


八幡(ヤバイ……。俺も末期だな。浮気度やら性欲の強さを確かめたいが故に、自分からこんなところにまで来てしまうとは……)


いろは「あれー、先輩じゃないですかー。どうしたんですか、急に?」

いろは「あ、もしかして自主的に手伝いに来てくれたんですかー? 先輩、ありがとうございます。助かります」

八幡「違う。ちょっと気紛れに寄っただけだ。つうか、俺が来ただけで無理矢理手伝わせようとするな」

めぐり「あー、比企谷君、久しぶりだねぇ。元気してた?」

八幡「うす。……おかげさまで」


八幡(丁度タイミング良く二人いた。多分、一色の事が気になって覗いてみた的な感じなんだろうが……)

八幡(乗るしかない、このビッグチャンスに。大した時間、この部屋に居られないだろうしな)ポチッ



浮気度
めぐり、コンマ↓1
いろは、コンマ↓2

めぐり 22 浮気なんかしないよぉ、私
いろは 34 私、結構一途なタイプなんですからね



八幡(……何だろう。このコンビ、ちょっとほんわかする)

八幡(城廻先輩は納得の数字だし、一色も葉山の件で実は結構一途なのを知ってるしな)

八幡(色々、妙な事があったせいで心が微妙に荒んできたせいもあるんだろうが、ここがオアシスのように思える。癒されるな)


いろは「せんぱーい。ちょっと、私の話聞いてますかー?」

めぐり「比企谷君? おーい」


八幡(よし。今なら不安なく押せる。次の、性欲の強さを確かめるスイッチを)ポチッ



性欲の強さ
めぐり、コンマ↓1
いろは、コンマ↓2

めぐり 70 身体が疼いたりとかは結構あるかも……
いろは 03 エッチとか気持ち悪くて無理ですごめんなさい


八幡(…………)

八幡(…………)

八幡(…………)

八幡(一色……。そういうタイプですか……)

八幡(むしろこれ、過去に何かトラウマがあったレベルなんだが……。一色に一体何が……)


八幡(逆に城廻先輩は、ギャップ萌えするレベルだぞ。脱いだらスゴい感じだな、これ。別の意味で)

八幡(あのキャラで性欲強いとか、どこのエロゲだよ。しかも一途とか、ホントどこのエロゲだよ)

八幡(彼女や嫁にしたら男にとって最高な存在なんですが。流石、城廻先輩)



いろは「先輩、いい加減にして下さいよ。どこまで私を無視すれば気が済むんですか」

めぐり「困っちゃったねぇ。比企谷くーん?」


八幡「……一色」

いろは「え、あ、はい。急に何ですか」

八幡「精神科に行ってカウンセリングを受けるとかどうだ?」

一色「はいっ!?」


八幡「そして、城廻先輩」

めぐり「え、な、何かなぁ?」

八幡「……城廻先輩って、天使の化身みたいですね」

めぐり「!?//」

いろは「先輩!?」

次。小町か奉仕部、どっちか

【家】


八幡「ただいま」

小町「お帰りー」ゴロゴロ

八幡「おう」

小町「今日は何か早いねえ、お兄ちゃん。奉仕部はー?」

八幡「今日は流石に行けなかった。一色が奉仕部に乗り込んで、俺の事を色々話してたからな」

小町「へえ。お兄ちゃんの事を? それ、どんな風に?」ワクワク

八幡「とりあえずキモいとか意味わからないとか散々言ってたな」

小町「お兄ちゃん!? 今度は何をやらかしたの!?」

八幡「今度はって何だよ、まるで常習犯みたいな言い方はよせ」

小町「だって実際お兄ちゃん常習犯じゃない。だから小町はいつもお兄ちゃんが何かやらかさないかやらかさないかってずっと心配してたのに」

八幡「それ、不良息子を持った母親の心境だろ」

小町「どうでもいいの、そんな事は。それで、お兄ちゃんは何をしたの。小町に話してみなよ」


八幡(毎回思うが、小町は本当に良い妹だ)

八幡(だが、だからこそ小町の浮気度やら性欲の強さが気になる)

八幡(何故なら、もしも浮気度が高く性欲が強かったら大変な事になりそうだからだ。具体的に何がとは言わないが)

八幡(ここは兄として、確かめておかなきゃいけないだろう)

八幡(まずは、浮気度から)ポチッ



浮気度
小町、コンマ↓1

小町 53 人並み



八幡(浮気度はごく普通か……。まあ、普通なら良いだろう。むしろ、変に片寄ってなくてホッとしてる)

八幡(一途過ぎても嫌だし、浮気性でも何か嫌だからな。むしろ、普通が一番安心する)

八幡(だが、性欲の強さはどうだ? 兄的には適度に低いぐらいがいいんだが……)ポチッ



性欲の強さ
小町、コンマ↓1

小町 60 ちょい強い



八幡(ギリギリオッケーだ。本当にギリギリだが、オッケーだ。まだ許容できる範囲)

八幡(これぐらいなら、妙な間違いは起こさないはず。……起こさないよな?)


小町「お兄ちゃん! 小町の話をちゃんと聞いてる!」


八幡(よし。とにかく、これで一安心ってところだな。となると、残すは……)

八幡(あの二人だけか……)


小町「ごみぃちゃん! だから、小町の話を聞けー!!」

【翌日、奉仕部】


八幡「うーす」ガラッ


雪乃「……こんにちは」

結衣「や、やっはろー、ヒッキー」


八幡(やっぱり昨日の事が効いてるのか、反応が微妙に不自然だ)

八幡(一色が昨日何を話したのか知らないが、多分、ろくでもない事だろう。恐らく八割は事実なんだろうが。あれ、これってもしかして自業自得?)

八幡(だがまあ、今の俺はそんな二人の微妙な反応も、この奉仕部の微妙な空気も、それがあまり気にならない程に一つの事が気になっている)

八幡(もちろん、それは今俺のポケットの中に入っている例のこのスイッチのこ)コロンッ

八幡(しまった、落とした! しかもそれがコロコロと転がって……!!)


コロコロ……コツン


結衣「ヒッキー、何か落としたけど、これ何?」ヒョイ

雪乃「形状からして、何かのスイッチかしらね? 由比ヶ浜さん、少しそれ見せてもらえないかしら」


八幡(終わりました。具体的には俺の人生が。本当にありがとうございました)

結衣「ヒッキー、あのスイッチみたいな物って何?」

八幡「いや、それはアレだ。温度と湿度を計る機械で」

雪乃「これ。裏側に何か書いてあるわね。小さくて読みにくいけど……」クルッ


『浮気度と性欲の強さがわかるスイッチ』


雪乃「……比企谷君? これは一体どういう事かしら?」

八幡(詰んだ)

結衣「あ! もしかして、昨日いろはちゃんが何かヒッキーの様子がおかしいとかどうとか言ってたのって……」

雪乃「恐らく、このスイッチでこっそり計ったのね。……最低ね、あなた」

結衣「ヒッキー、それホントだったらマジで最低だからね!」

八幡(詰んでるのに、投了すら許されない雰囲気なんですが)

八幡「い、いや、でもだな。一つだけ言わせてくれ」

雪乃「この期に及んで言い訳をするつもり? 見苦しいわよ、比企谷君」

結衣「そうだよ、ヒッキー。世の中、やっていい事と悪い事があるんだからね!」

八幡「それはわかってる。確かに俺は悪い事をした。その自覚はある。だけどな」

雪乃「だけど?」

八幡「雪ノ下に由比ヶ浜、お前らに聞きたいんだが、そのスイッチを人知れず手にいれたとして、それを使わずに捨てる事が出来るか?」

結衣「え?」

八幡「例えば、お前らに好きな奴がいたとする。その時、そいつの浮気度やら性欲の強さを確かめたいと思わないか?」

雪乃「それは……」

結衣「う……」

雪乃「確かに……調べたくないと言えば嘘にはなるのだけど……」

結衣「う、うん……。それはそうなんだけど、でも……」

八幡「断言してやるけどな、絶対に一回は使いたくなるはずだ。そのスイッチにはそれだけの魔力がある」

雪乃(……そうかもしれないわね。少なくとも浮気度は絶対に気になるところだし……)

結衣(性欲の強さもなんか気になる……。メチャクチャ高かったらどうしようとか、逆にメチャクチャ低かったら問題ありみたいな……)

八幡「でだ。とりあえず、そのスイッチが本当に正確なものなのかをまずは誰かで試すだろ」

雪乃「…………」

結衣「…………」

八幡「それで、試している内に段々と罪悪感が消えていき……」

雪乃「今に至る、とそういう事が言いたいのかしら?」

八幡「そういう訳で情状酌量の余地をもらえませんか、雪ノ下さん。そのスイッチはもう壊してしまうので」ヒョイ

結衣「え、ちょ、ヒッキー! ストップ!」

雪乃「ま、待ちなさい、比企谷君!」

八幡(……よし。思いの外、簡単に釣れたぞ)

雪乃「その……確かにあなたは人として間違った事をした。それに間違いはないわ。だけど」

八幡「だけど?」

雪乃「結局のところ、それを相手の合意なく行った事に問題がある訳なのよ。そうでしょう、由比ヶ浜さん?」

結衣「え、あ、うん! そうそう! ヒッキーはそれが良くなかったんだし!」

八幡「つまり、それはアレか。お互い合意の上でやれば何も問題はないと」

雪乃「そうね。つまり……」チラッ

結衣「あ、えっと、さ、三人で一緒に試してみようって事? ゆきのん?」

雪乃「そうは言ってないけれど、由比ヶ浜さんがどうしても三人で試してみたいというのなら、それに付き合うぐらいはしてもいいわね。その後でスイッチを壊せば良いのだし……」

八幡「なら、もう押してくぞ。ほい」ポチッ

結衣「ちょ、ヒッキー! まだ心の準備が!」

雪乃「は、早すぎよ! もう少し時間を!」



浮気度
雪乃、コンマ↓1
結衣、コンマ↓2
八幡、コンマ↓3

雪乃 25 浮気はまずしない
結衣 28 同じく
八幡 07 もうその人しか見えない



八幡「…………」

雪乃「…………」

結衣「…………」


八幡(雪ノ下も由比ヶ浜も一途なんだな……。まあ、納得出来てしまう結果か……)


雪乃(比企谷君が浮気性でないのは良かったのだけど……)

結衣(ちょっと低すぎな気がするんだけど……)


雪乃「ねえ、比企谷君……。念の為に尋ねるけど、あなたストーカーの経験はあるのかしら……?」

八幡「何でそんな恐る恐る尋ねるんだよ。本気みたいで逆にこえーよ」

結衣「ヒッキー、ヤンデレって言葉知ってる……?」

八幡「おい、由比ヶ浜。お前も何でそんな怖々尋ねる。何もしてないし、何もする度胸すらない俺だぞ。いきなり犯罪者扱いするな」

結衣「そ、そうだよね……。そう言われてみれば、ヒッキーにそんな度胸があるはずないし……」

八幡「そこで納得しちゃうのな。雪ノ下に言われるならともかく、由比ヶ浜にまでそう言われるのは不本意なんだが」

雪乃「とはいえ、あなたほどストーカーに適した人間はいないのよね……。それがどうにも引っ掛かってしまって……」

八幡「それ俺の存在感の無さを言ってるの? 声のトーンが本気っぽくて、さっきから不安になってるんですけど、雪ノ下さん?」

結衣「ちょっとこれ、ゆきのん。ヒッキーの性欲の強さもはっきりせとかないとまずくない?」

雪乃「そうね。無害なのか有害なのかだけでもはっきりさせておかないと良くないわよね」

八幡「というかストーカー前提で話すのはおかしくないか? 俺が新しいトラウマ抱えちゃうだろ」

結衣「あ、悪いけどヒッキーはちょっと静かにしてて。こっちは真剣なんだから」

雪乃「使い方はこれで良いのね。それなら押すわよ」ポチッ

八幡「え、おい、ちょっと」



性欲の強さ
雪乃、コンマ↓1
結衣、コンマ↓2
八幡、コンマ↓3

雪乃 35 そんなに興味はない
結衣 55 ごく普通
八幡 48 平均的



雪乃「……とりあえず、簡単には性犯罪に走らないようね。そこは安心出来たけれども」

結衣「うーん……。ギリギリセーフ?」

八幡「何で疑問形? しかもギリギリなのかよ」

雪乃「何にしろ、少しは安心出来たわね。後は監視カメラと盗聴器だけ注意すれば問題ないのだから」

結衣「だよねー。そこは一安心かなって感じ?」

八幡(……いや、もういいけどさ。二人して好き放題言ってくれ)


八幡(にしても、雪ノ下と由比ヶ浜は二人とも俺の中のイメージ通りの結果か)

八幡(それについては、俺もどこか安心している。何だかんだで、俺はこの二人の事を大事に思っているという証拠なのだろう)

八幡(意外と、俺の青春ラブコメは間違ってないのかもしれないな……)



今日はここまで

この後はオマケ(という名の死体蹴り)書いてく予定

それと、ここから先は転載禁止でー

【サイゼ】


八幡「という理由により、本日は特に性欲の高かった四人に集まってもらった訳だが」

三浦「ヒキオ! マジで勝手に何してんの、お前!」ダンッ

沙希「比企谷! あんたって奴は!」ダンッ

八幡(ヤバイ。武闘派二人が揃ってんだけど)

戸塚「ちょ、ちょっと待って! 二人とも落ち着いて! 暴力はダメだよ!」

めぐり「…………」ハァ

八幡(そして、もう一組は天使ペアとか物凄い組み合わせになったな)

三浦「だけど戸塚、これで黙ってろって方がおかしいっしょ!」

沙希「そうだね。こうして呼び出した以上、比企谷の方もそれなりの覚悟は出来てるだろうし」ガタッ

八幡(確かに土下座する覚悟は出来ているが、殴られたり蹴られたりする覚悟はちょっとまだ待って下さいお願いします)


戸塚「確かに、八幡も八幡だよ。ボクだって、今回の事はちょっと許せないところあるし……」

めぐり「最低だよね……君って」

八幡(城廻先輩、そんな冷たい目で無表情のままその言葉はやめて下さい。ホント死にたくなるんで)

八幡「確かに今回の事は全面的に俺が悪かった。謝って済む問題じゃないかもしれないが、謝罪する。すまなかった」


三浦「だから! そんだけで済む訳な」

八幡「だが! 先にこれを聞いて欲しい」

沙希「……何? 一応、聞いてやるけど」

八幡「俺はこの学校で俺と関わりのある奴ら全員(材木座除く)を調べた。その結果を、お前らは知りたくないか」

戸塚「え……?」

めぐり「もしかして、それ、はるさんや平塚先生とかも……?」

八幡「もちろん」

三浦「……ひょっとして、隼人も?」

八幡「オフコース」

沙希「……雪ノ下や、由比ヶ浜、それに……あんた自身も?」

八幡「そう。それで、もしもお前らがそれを知りたいって言うなら、俺はその結果全てをお前らにだけこっそり教える。そうすれば俺と同罪だから、俺が責められる筋合いは一切なくなるからな」

八幡「で、どうする? 俺に怒りをぶつけてそれで終わりにするか、それとも他の奴らの秘密を知って罪を共有するか、の二択なんだが。俺は別にどっちでもいいから、好きに選んでくれ」

三浦「…………」
沙希「…………」
戸塚「…………」
めぐり「…………」

【30分後】


三浦「隼人……。何でそんな浮気性なん……」ガクッ

沙希「これ、言っちゃ悪いけど、あんたと相性悪いよね。向こう、性欲ほとんどないしさ」

三浦「ちょいマジでやめて……。あーし、今、立ち直れない程のダメージ受けてんだから……」

沙希「むしろ、一色との方が葉山と相性良さそうな気がするけ」

三浦「やめてっつってんじゃん! もう聞きたくないし!」

八幡「…………」


めぐり「うーん……はるさん、性欲ほぼ0なんだぁ。雪ノ下さんが低いのはなんかわかるんだけどねぇ」

戸塚「性欲高い人って意外と少ないんですね……。ていうか、ボク結構高い方だったんだ……。自分じゃそんな気はまるでなかったんだけど……」

八幡「…………」


八幡(全員、チョロいと言うべきか、意外と下世話と言うべきか……。何にしろ、これで全員同罪は確定したから、そろそろ次のステップに移るか)

八幡「全員、ちょっといいか」

三浦「……何? 今度はなんなん?」

八幡「実はな、昨日の事だ。これとは別のスイッチを手に入れてしまってな」

沙希「は?」

八幡「これだ。テーブルの上に置くぞ」ポトッ


『SかMか、わかるスイッチ』
『変態度がわかるスイッチ』


めぐり「あ……(察し)」

戸塚「これ……。八幡、もしかして……」


八幡「そう。わざわざ性欲が高い面子を選んで集めた理由がこれだ。今からこれで計ろうと思う」

三浦「ちょっ!」

沙希「比企谷!」

三浦「あんた、バカじゃないの!? こんなの恥ずかしくて出来る訳ないっしょ!」

八幡「今更、構わないだろう。既にお前がエロい女だってのはここにいる全員が知っている訳だし」

三浦「エロいとか言うなし!///」

八幡「それだけじゃない。ここにいる全員(俺以外)が三浦と同じくエロいんだ。だから、他人と違うと差別される事もない。むしろこれは絶好の機会だ」

沙希「機会?」

八幡「普段は人に言えないような赤裸々な欲望もここでは特に気にする事なく言えるし、上手くいけばそれ系の話題についての情報交換が出来る、って事だ。例えどれだけアブノーマルな性癖を持っていたとしても、ここの面子がそれを他人に言う訳ないしな」

八幡「王様の耳はロバの耳じゃないが、人に言えない秘密を誰かに話したいと考えるのはごく普通の事だ。言いたくても言えない事とか俺も結構あるしな」

めぐり「だから、この機会にカミングアウトしちゃおうって事かな?」

八幡「そんな感じっすね。毒を食らわば皿までって言うし、別にもう構わないんじゃないかと」

三浦「で、でも。だからって……」チラッ

戸塚「あ……ええと、その……ボクは自分の事が自分でもよくわかってないところとかあるから、計って確かめたいって気持ちもあるし、別に構わないけれど……」チラッ

沙希「……まあ、あたしももういいよ。確かに今更みたいなとこあるし」

めぐり「……みんながそう言うなら私も別にそこまで反対はしないけど」


八幡(よし。どうにか上手くいった)

八幡「なら、とりあえず、みんな最初はやりたがらないだろうから、俺からやる。別に構わないよな」

戸塚「あ、うん」

八幡「あと、一応先に言っておくが、俺の性欲はごく普通なんで。嘘とかじゃなく」

三浦「ヒキオ……。今更、言い訳最初に作るなっての」

沙希「いいから早く押しなよ。早く」

めぐり「比企谷君、ポチっといっちゃおうか」ニコッ


八幡「……う、ウス。じゃあ、押すぞ」

戸塚「あ、待って、八幡。そのスイッチってどういう風に結果が出るの?」

八幡「SかMかは、数値が高いほどSで、数値が低いほどMになる。真ん中になるほど、どちらでもなくなる訳だな」

八幡「変態度は、数値が高いほど変態に近く、低くなるほど嫌悪感を持っている。つまり真ん中は、普通って事だな」

三浦「ふーん……。わかった」

沙希「じゃあ、押しなよ」

八幡「お、おう……。それなら改めて」ポチッ



SかMか
八幡、コンマ↓1

変態度
八幡、コンマ↓2

SかMか
八幡 72 間違いなくS

変態度
八幡 91 ド変態



三浦「……あー。だろうねー」

沙希「……知ってた」

めぐり「比企谷君はド変態さんだったんだねぇ」

戸塚「八幡……。アブノーマルなプレイとか好きだったんだ……」

八幡(え、なにこれ、俺ド変態だったの、初めて知ったんだけど)


三浦「なんかさー、いかにもって感じの目付きだしね、ヒキオ」

沙希「うん。前から知ってたから別に驚かないけど」

八幡(え、待って。俺の何を知ってたの川なんとかさん)

めぐり「そっちは納得だけど、Sってのはちょっと意外な感じだよねえ」

八幡(何を納得したの、俺のどこに納得される要素が)

戸塚「八幡……。イジめる方が好きなんだ。普段と夜でずいぶん変わるタイプなのかな……」ボソッ

八幡(なにそれ戸塚まで。俺が普段はイジめられてるみたいに聞こえちゃうんだけど)

三浦「ちなみにさー、ヒキオ。あんた、どんなプレイが好きなん? やっぱ放置プレイ?」

八幡「何で放置プレイが真っ先に出てくるんだよ。それは俺が普段周りから放置されてるからか」

沙希「あー、違う違う。比企谷は盗撮盗聴専門だから。……確かそうだったよね?」

八幡「おい待て川崎。俺が前にそんな事を話したみたいに言ってるけど、俺、一回もそんな事話した記憶ないからな」

めぐり「比企谷君の場合、死姦とかでも違和感ないよねぇ」

八幡「この人の事を少しでも天使だと思った俺が間違ってた」

戸塚「あの……八幡。もしかして、男の子の方が好きだとか……そういう事……?///」

八幡(戸塚まで何で頬を染めてんだよ。思わず抱き締めるとこだったじゃねーか)

三浦「いいからさあ、ちゃっちゃっと言いなって。今更恥ずかしがるとかないっしょ」

八幡「それ俺がついさっき言ったセリフなんだけど」

沙希「どうでもいい事だけどさ、自分が変態だと自覚してない変態ほどタチの悪いものないよね」

八幡「どうでも良くないよな、それ。明らかに俺に対して言ってるし」

めぐり「あれ、このスイッチ。横に何かついてない? ほら、これ」

八幡「ちょ、まっ」

戸塚「あ、ホントだ。ええと……」


『具体的な欲望表示機能』


三浦「あー、なんだちゃんとあんじゃん。こんな便利機能が」

沙希「とりあえず押すけどいいよね」ポチッ

八幡「確認する前に押してんじゃねーか!」



八幡の具体的欲望
コンマ一桁、↓1

1:露出
2:ソフトSM
3:ハードSM
4:寝取られ
5:同性愛
6:覗き
7:アナル
8:凌辱
9:おしっこ
0:首絞めセックス

八幡 覗き趣味


三浦「やっぱそっか。そうだと思ってたけど」

沙希「うん。知ってる」

めぐり「比企谷君はSだから、覗かれたいって訳じゃなくて覗きたいって事だよね」

戸塚「八幡……。覗きは犯罪だから、合意の上でしようね……。こっそりは駄目だよ……」

八幡「」

今日はここまで。グッバイ、八幡……

八幡「い、いや、一応言っておくが、俺は別に変態でもなければ覗き趣味もないからな。ごく正常な一般的な趣味嗜好を持つ男、のはず」

三浦「ふーん……。なら、あんた、いつもどんなエロ動画見てんの?」

八幡「大体は、パンチラとか隠しカメラとかだな」

めぐり「はい、比企谷君。アウトー♪」

八幡「え」

戸塚「そういえば……前に八幡って、雪ノ下さんと由比ヶ浜さんの着替えを覗いてラケット投げられてなかったっけ?」

沙希「はい。ツーアウト」

八幡「え」

三浦「ちなみに、エロい妄想する時は大体どんな事考えてるん?」

八幡「そうだな……。例えば、某漫画に出てくるLみたいに、家中監視カメラだらけにしてそれを一日中眺めてみたいな、とか?」

三浦「」
戸塚「」
沙希「」

めぐり「はい。比企谷君、スリーアウトでチェンジー♪ だねぇ」

八幡「え」

三浦「まあ、趣味とか? 性癖とかは人それぞれだけどさあ」

戸塚「八幡が思ってたより上級者だったからね……」

沙希「流石にあれにはあたしもドン引きした。……別にいいんだけどさ」

八幡「すまん、ちょっと丈夫なロープを探してくる」ガタッ

めぐり「まあまあ、落ち着いて、比企谷君。別に誰かに話したりとかはしないからさぁ」

三浦「そうだっての。それに、引きはしたけど、あーしらそれをキモいとかおかしいとかは一言も言ってないっしょ。んな、落ち込むなっての」

戸塚「そうだよ、八幡。そんな深刻に感じなくて大丈夫なんだし。だから、ね?」

八幡「いや、でもな……」

沙希「まあ……その……。これは可能性の話なんだけどさ」

八幡「……?」

沙希「もしもこの中に、覗かれたいって願望のやつがいたら……そん時は、どうなるんだろうかって思ってさ」

八幡「!?」

沙希「ひょっとしたら、お互い丁度良いかも……みたいに思う可能性もあるんじゃない? もしかしてだけど」

八幡「川崎……お前まさか」

沙希「だから、もしかして、って言ってるでしょ。とにかく、次、別の人やればってだけ」

めぐり「まあ、そうだね。そろそろ次の人いってみようか」

三浦「じゃ、次、誰がやる?」

戸塚「そうだね……ええと」


↓1

戸塚了解、短いけど今日はここで終わる

戸塚「それじゃ、僕からやろうかな」

沙希「戸塚、やるの? ならこれ、スイッチ。ほら」スッ

戸塚「あ、うん。ありがと。なんかちょっとドキドキするけど」

三浦「大丈夫っしょ。なんたってヒキオが最初にやってオウンゴール決めてっし」

八幡「おい三浦。自殺点とかマジでやめろ。何の暗喩かと考えすぎちゃうだろ」

めぐり「んー……君はなんか深読みし過ぎちゃうんだね。困っちゃうね」

沙希「いつもの事だから、気にしないでいいでしょ。とりあえず戸塚、押せば」

戸塚「え、あ、うん。じゃあ、ちょっと怖いけど……えいっ」ポチッ



SかMか
戸塚、コンマ↓1

変態度
戸塚、コンマ↓2

SかMか
戸塚 17 ドM

変態度
戸塚 14 変態プレイは絶対にしたくない



沙希「あー……極端なんだけど、何か納得出来るね、これ」

三浦「だね。戸塚っぽい。実際、戸塚がSとか想像出来ないし」

めぐり「でも、ドMなのに変態行為は嫌いなんだね」

戸塚「あ、うん……。多分、ちょっと無理かな……。叩かれたりとかそういうのは嫌だし……」

八幡(つまり、調教したら最初は涙を流しながら嫌がるけど、ひたすら続けていく内に徐々にMの快感に目覚めていく、みたいなそんなタイプか。なにそれ想像しただけでかなり興奮する)

沙希「……あんた。何か妙な事、考えてない? 目付きがいつも以上に変なんだけど」

八幡「いや、それは誤解だ。偏見だ。俺は断じていやらしい事など考えてない。世界平和とかそんな事を考えてただけだ」

めぐり「あ、そっか。そういえば君はSだったっけ。なるほどねー」

三浦「だとしても、ヒキオ。戸塚に覗かれたいって気はないっしょ。つか、仮にそうだったとしても、嫌なだけなんじゃないの? 変態プレイは嫌いなんだし」

戸塚「う、うん……。そういうのは全部ダメかな……。苦手っていうか……」

沙希「ま、一応、戸塚の具体的な欲望も調べとこうか」ポチッ

戸塚「か、川崎さん! 何でもう押してるの!///」



戸塚の具体的欲望
コンマ一桁、↓1
1:露出
2:ソフトSM
3:ハードSM
4:寝取られ
5:同性愛
6:覗き
7:アナル
8:凌辱
9:おしっこ
0:首絞めセックス

戸塚 ハードSM好き



三浦「……あんた、結構激しいの、好みなんだ」

戸塚「だ、だから、そういうのは全部ダメなんだってば!//」

沙希「どうだろうね。心の奥底に眠ってるみたいなそんな感じなのかも」

八幡(ムチで叩かれたりとか、縄で吊るされたりとかが好みなのか……。いやでもこれも戸塚に似合う。ナイス)

めぐり「……でも、これだけ低いと表に出てくる事はまずないよねぇ。残念だったね、比企谷君」

八幡「な、何の話っすか……(こええよ、この人。心読めるの? エスパーなの?)」

三浦「ま、戸塚はドMで性欲も強いけどドノーマルって事っしょ。何かドSの男に惚れる少女漫画の主人公っぽい」

沙希「だね。戸塚だし」

戸塚「あ、あの……ボク男の子なんだけど……」

めぐり「はいはい。じゃあ、次の人いってみようか。次は誰だー」


↓1

三浦「あーしは、まだパス。後がいい」

沙希「あたしもかな。後の方が面白そうだし」

めぐり「なら私がいっちゃうよー。お前ら、いいかー?」

八幡(あれ? なんか段々テンション上がってきてないか、城廻先輩。ヤバイ、ちょっと可愛いんだけど)

戸塚「あ、ええと、じゃあどうぞ。城廻先輩。これ、スイッチです」スッ

めぐり「オッケー。それじゃ、押しちゃうよー。それっ」ポチッ


SかMか
めぐり、コンマ↓1

変態度
めぐり、コンマ↓2

SかMか
めぐり 26 かなりのM

変態度
めぐり 98 社会から隔離されるレベルの変態



三浦「」
沙希「」
戸塚「」
八幡「」


めぐり「え、え、え、えええええええ」

めぐり「あ、あの……ち、違うの、これは」←変態度は少ないという自信があった

めぐり「だ、だって、私……ふ、普通だもん……。おかしい、装置が、きっと……」←ちょっとパニックになってきてる


戸塚「あ……えっと、その……」←フォローをいれたい

三浦「あー、えっと……」←でも思い浮かばない

沙希「……な、なんて言ったらいいのかな」←困ってる


八幡「城廻先輩……これは、さっき川崎が言ってた事なんだがな」

沙希「え?」

八幡「自分が変態っていう自覚がない変態ほど、始末に終えないものはないらしいですよ」←Sっ子

めぐり「」

沙希「ちょっと比企谷!」

八幡「それで、城廻先輩の好きなプレイって何ですか? やっぱり幼児授乳プレイですか?」

めぐり「」

三浦「ヒキオ……死体蹴りはやめなって。……確かに何か似合いそうだけどさ」

めぐり「!?」

沙希「やめなよ、三浦まで。……いくら何でもバター犬とかそんなんだろうからさ」

めぐり「!?」

戸塚「……そういえば、ドMの人って、誰かに食べられたいとかそんな風に思う人もいるって聞いたけど……まさか……」

めぐり「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!!」

八幡「ま、このボタンを押せば一発なんだがな」スッ

めぐり「だ、ダメ、比企谷君、ストップ!! 待って!!」

八幡「それはつまり、ドMの城廻先輩的には押せって事ですよね。なら」ポチッ

めぐり「!?」



めぐりの具体的欲望
コンマ一桁、↓1

1:露出
2:ソフトSM
3:ハードSM
4:寝取られ
5:同性愛
6:覗き
7:アナル
8:凌辱
9:おしっこ
0:首絞めセックス

めぐり 覗かれ趣味



三浦「あ……(察し)」

沙希「あ……(察し)」

戸塚「あ……(察し)」


八幡「……俺の理想がここにいた!」

めぐり「!?///」

今日はここまで
フラグが立った

めぐり「あ、あの、比企谷君、私は別に変態じゃなくて、だから///」アセアセ

八幡「悪い、ちょっと監視カメラ買ってくる」ガタッ

三浦「待ちなって、比企谷。あんた、がっつき過ぎっしょ。ちょっとは落ち着けっての」ガシッ

沙希「そうだね。……とりあえずそこに座り直しなよ。比企谷」ガシッ

八幡「な、何でだよ。二人してどうして止める」

戸塚「ええと……八幡。もう一度言うけど、覗きは犯罪だからね。三浦さんの言う通り、少し落ち着こう」

八幡「いや、何か誤解を受けているようだが、俺が監視カメラを買うのは決して覗きとかじゃなく、ただ単にアリの生態を把握したいだけで」

沙希「いいから。ちょっと黙ってな、あんたは」

八幡「……あ、はい」

戸塚(あれ……? 川崎さん、何か声がちょっと怖くなってる……?)

三浦「んで、城廻先輩。……覗かれ趣味って、これマジで? ヒキオと同じなん? さっき城廻先輩、ヒキオにアウトとか言ってたけどさあ」

めぐり「だ、だから、私は覗かれ趣味とかじゃないから///」アセアセ

沙希「あのさ、そういうカマトトぶるの、もういいから。……さっさと具体的にどんな感じなのか教えてよ」

めぐり「え……川崎さん……。あ、あの……」オロオロ

八幡「おい二人とも、そこまでにしておけ。困ってるだろ」

めぐり「比企谷君……!」パァ

八幡「言いたくないなら別にいいだろ。城廻変態の間違えた城廻先輩の意思を尊重してやれよ」

めぐり「比企谷君!?」

戸塚「でも、八幡の事をアウトって言ってたのは確かだよね……。ひょっとして八幡とは少しベクトルが違ってたりとか……」

沙希「……で、実際のところどうなの? 城廻先輩だって、たまにこっそりエロ動画ぐらい見るよね。性欲強いんだしさ」

三浦「それ、あーしも気になる。城廻先輩っていつもどんなエロ動画見てんの? ヒキオみたく盗撮もの?」

めぐり「う、ううん……。あの……信じてくれないかもしれないけど、私、本当にそういうの見た事ないの。一回も」

沙希「なにそれ」ハァ

三浦「うわ……。城廻先輩、そこは流石に空気読んで欲しいんだけど。マジで引くし」

めぐり「」

八幡「いや、別にいいだろ。そういう純真で天使みたいなド変態がいて何が悪い」

めぐり「」

戸塚「じゃあその……。ちょっと言いにくいけど……/// 自分でしたりとかも……?///」

めぐり「う///」カアッ


沙希「ふーん……。やっぱそれはあるんだ」

沙希「なら、どんな妄想してんの、いっつも」

三浦「つか、あんたも結構掘り下げるね……。ま、あーしも知りたいからいいんだけどさ」

めぐり「ええと……/// 私がする時はいつも、部屋に置いてある大きなぬいぐるみやベッドの中とかに実は人が隠れててみたいな事を……///」

三浦「アウト」

沙希「ツーアウト」

戸塚「これはスリーアウトかな……」

八幡「むしろ、ホームランだろ」

めぐり「え」

八幡「もしかして城廻先輩、江戸川乱歩とか結構好きじゃないですか?」

めぐり「あ、うん。あれ大好きだよ。特に『屋根裏の散歩者』とか『人間椅子』とか、ドキドキしちゃうよね」

八幡「ですよね。わかります」

三浦「ちょい待ち。人間椅子って何?」

八幡「リラックマとかも好きそうですよね」

めぐり「うん。うちにおっきなのがあるよぉ。あれもドキドキしちゃうよねぇ」

沙希「リラックマって……確か着ぐる」

八幡「悪い、ちょっと巨大なパンさんのぬいぐるみを買ってくる」ガタッ

戸塚「八幡! それは完全に犯罪だから! 落ち着いてよ!」

三浦「」ハァ

三浦「つまり、アレなん? メッチャ近くで覗かれたいって事?」

沙希「だから監視カメラはアウトって事……で、いいのかな」

戸塚「あ……。もしかしてあのアウトって、やっちゃいけないって意味じゃなくて、逆にダメ出しをしてたって事……?」

八幡「!?」

沙希「そういえば……ダメとか犯罪だとかは一言も……」

三浦「ちょ、それマジで?」

めぐり「あれ……? みんなそうじゃなかったの……?」キョトン


沙希「」
三浦「」
戸塚「」


八幡「やはり俺の青春ラブコメは間違っていなかった」

とりあえず、今日はここまで

三浦「なんかもう、あーしついていけないわ、これ」

沙希「だね……。まあ、比企谷の性欲は普通なんだし、流石に犯罪にまでは走らないと思うけど……」

戸塚「八幡……。くれぐれも言っておくけど、覗きは犯罪だからね。あと、不法侵入も」

八幡「お、おう……」

めぐり「でも、見つからなければ犯罪じゃないよね……?」ボソッ

八幡「え」

沙希「はいストップ。もう次いくよ、次。ほらスイッチ」

三浦「次ってあーし?」

沙希「もうまとめてでいいでしょ。三浦の分も押すから」ポチッ、ポチッ

三浦「え、ちょっ!」



SかMか
沙希、コンマ↓1
三浦、コンマ↓2

変態度
沙希、コンマ↓3
三浦、コンマ↓4

SかMか
沙希 70 苛めるのが好き
三浦 83 女王様タイプ

変態度
沙希 01 変態プレイするなら死んだ方がマシ
三浦 96 ヤバいレベルの変態



めぐり「ふうん……。なるほどねぇ」

戸塚「……三浦さん? これって……」

三浦「い、いや、あーし知らないし! 何で!?」アセアセ

沙希「また一人、自覚のないド変態が出てきたし……」ハァ


八幡「まあ、SかMかについてはとてつもなく納得出来るから、それはいいとして」

沙希「ん……まあ、否定はしない。三浦もモロそんな感じだしさ」

三浦「そうかもしんないけど! Sなのはあーしも自覚あるけど! でも!」

めぐり「はい。比企谷君。例のスイッチの具体的欲望希望オンで」

八幡「うす。川崎は別に計る必要はないだろうから、三浦だけでいいか」ポチッ

三浦「ちょっ!?///」



三浦の具体的欲望
コンマ一桁、↓1
1:露出
2:ソフトSM
3:ハードSM
4:寝取られ
5:同性愛
6:覗き
7:アナル
8:凌辱
9:おしっこ
0:首絞めセックス

三浦 逆レイプ好き



沙希「あー……言われてみれば確かに」

めぐり「うん。そんな感じだよね」

戸塚「……納得出来ちゃったかな」

八幡「ヤバいレベルの肉食獣か……。虎かライオンクラスだな。わかる」



三浦「何でみんな納得するん!? おかしくない!?」

飯食ってきます、今日はここまでで

八幡「いや、でも、これは例えばの話だけどな」

三浦「は?」

八幡「例えば、葉山がサッカー部が終わった後に部室で一人で着替えていて、そこに偶然出くわしたとする。葉山はタオルで汗を拭いていて半裸状態だ。……それを見て、ちょっとムラっときたりしないか?」

三浦「し、しないし! あーしは変態じゃないんだから!//」

沙希「だから、そういうのはもういいって。本音吐きなよ」

三浦「ぐ……」

めぐり「それで……本当は?」

三浦「め……」

戸塚「め?」

三浦「メッチャ興奮する……多分……。そのまま押し倒したい……///」


八幡(あれ、なんかあーしさん、変態なのに可愛くない? おかしくない?)

めぐり「ちなみに、押し倒した後はどうしたいの?」

三浦「え……/// そりゃ……やっぱり……隼人、きっとあーしをどかそうとするだろうから、とりあえず馬乗りになって頭を押さえ付けて……///」

戸塚「とりあえずで、馬乗りになって頭を押さえ付けるんだ……」

三浦「だ、だって、あーし力じゃ隼人に敵わないから、だから頭を押さえ付けないと起き上がってきちゃうし……///」

沙希(ていうか、普通そこまで考える……?)

三浦「それで、急いで手錠をポケットから取り出して……///」

八幡「おいちょっと待て、手錠?」

三浦「売ってんじゃん、ファッション用に。ほらコレ」ゴソゴソ、ジャラッ

八幡(いや、そういう事を聞きたかった訳じゃないんですが。当たり前の様に手錠がポケットから出てくる理由を聞きたかった訳で)

三浦「そんで、手錠で両手両足を動けなくさせてからは、大声出せないようにタオルで口を縛って……///」

めぐり「ええと……」

三浦「そこから……ようやくズボンのジッパーを下ろして……///」

沙希「……三浦、悪いけどもうその辺で」

三浦「でも、隼人の全然大きくなってなかったから、あーしも服を脱いで……///」

戸塚「み、三浦さん、それ以上は……」

三浦「そしたら、隼人急に顔を背けて、なんかマジ声で『もうやめてくれ』とか言い出すもんだから、あーしもそこで萎えたっていうか……我に返ったっていうか……」

八幡「……三浦。それもしかして……」

三浦「あん時、もっと隼人が抵抗してたら、あーしも興奮して歯止めがきかなくなってたかもみたいに今でも思えて……」


めぐり「……比企谷君、確か葉山君って男子高校生の割には性欲が低かったみたいに思ったけど……」

八幡「城廻先輩、それは今から禁句になりました」

沙希「……もう手遅れじゃん、これ」ハァ

戸塚「三浦さん、可哀想に思えるけど、でも全部自業自得なんだよね……」

ー 後日 ー


八幡(あのスイッチを使ってから約一ヶ月か……)

八幡(とはいっても、俺の日常がそこまで変化する事はなかった)

八幡(雪ノ下も由比ヶ浜もあのスイッチの事など、今では忘れてしまったかのように話題に出す事はなく、いつもの日常を奉仕部で過ごしている)

八幡(ただ、ほんの少し変わった事と言えば、雪ノ下と由比ヶ浜が帰りにやけに後ろを振り向く事が多くなったぐらいだ)

八幡(あと、川崎のスカート丈が少し長くなったような気がする。あくまで気がするだけで確かめてはいないが)

八幡(あと、戸塚も何故か体操服に着替える時、俺の方をチラ見する事が増えたような気がしないでもない)

八幡(ただ、どれも些細な事だ。結局、スイッチ一つで変わる事なんてほとんどないんだろう。世界は今日も変わらず回り続けているんだからな……)

めぐり「」ガチャッ

めぐり「ごめんねー。すっかりお待たせしちゃったよね、比企谷君」

八幡「ええまあ。結構な時間、無駄な事を考えるぐらいには」

めぐり「ホントごめんねー。お母さんが比企谷君の事、彼氏じゃないのって結構しつこく聞いてきてね」

八幡「……で、どうだったんすか?」

めぐり「全然違うって言ったら、なんかねぇ。それなら何で家に呼んだのかをスゴく聞かれてさあ。大変だったんだよぉ。うん」

八幡(大変だったのかよ。どういう意味で大変だったのか怖くて聞けないんですが)

めぐり「で、どうかな、比企谷君?」

八幡「どうっていうのは?」

めぐり「…………」

八幡「…………」

めぐり「そっちのクローゼットとか、結構大きいよね?」

八幡「そうっすね」

めぐり「…………」

八幡「…………」

めぐり「そこのリラックマ、可愛いでしょ。ベッドのすぐ横にあるしさ」

八幡「あんまぬいぐるみに興味はないんで」

めぐり「…………」

八幡「…………」

めぐり「場所、どこがいいの?」

八幡「何の話ですか?」

めぐり「…………」

八幡「…………」

めぐり「そういえば、この前、合鍵作ったんだよね。これなんだけど」スッ

八幡「はあ」

めぐり「あ、そういえば、すっかり忘れてたけど、お茶とか出さないとだよね。ちょっと待ってて」トコトコ

ポトッ

八幡「……城廻先輩、合鍵落としましたよ」

めぐり「…………」トコトコ


ガチャッ、バタンッ



八幡(……合鍵、落としてったままなんだが)

八幡(いや、意味はわかるけど。わかるけども)

八幡(どうしろって言うんだよ。流石に冷静になると、明らかに一線越えてるって判断つくからな、これ)


合鍵「」キランッ


八幡(どうするんだよ、俺。これを黙ってポケットに入れるか、それとも放置するべきか……)



八幡の決断
コンマ一桁、↓1
偶数→合鍵を取る
奇数→放置

ー 15分後 ー


ガチャッ

めぐり「お待たせー。お茶菓子とかも用意してたから、時間がかかっちゃってねぇ」

八幡「……そうっすか。……ありがとうございます」


めぐり「」チラッ


八幡(……今、間違いなく、床に合鍵が落ちてないか確認したぞ)


めぐり「……えっと、比企谷君はイチゴ大福とか大丈夫? 甘いもの嫌いとかないかな?」

八幡「平気です。どうも」


八幡(そして、予想通りその事について何も言わない。やっぱりそういう事なのかよ)

八幡(だとしたら、ここまでお膳立てされてる以上、覗かない方が間違ってるだろ。例えそれが社会的通念に間違っていたとしても)

八幡(なら……)


八幡「すみません、城廻先輩」

めぐり「ん? 何かなぁ?」

八幡「……電話番号、教えてもらってもいいですか?」

八幡(聞いてしまった。遂に自分から。女の子に電話番号聞くとか、過去のトラウマが甦るからこれについてはとことんまで拒否してきたが……)

めぐり「いいよ。私からも連絡取りたい時とかあるだろうしね」ニコッ

八幡(守りたい、この笑顔。いや、守りたいではなく見守りたい、こっそりと)

ここまで。なお、あーしさんは……(考え中)

ー 再び、後日 ー


ガチャリ

八幡「……ただいま」

小町「あ、お兄ちゃんお帰……」

めぐり「お邪魔しまーす」

小町「!?」

小町「お、お兄ちゃん、その女の人は!?」

八幡「ああ……俺の学校の先輩だ」

めぐり「初めまして。城廻めぐりって言います。よろしくねー」ニコッ

小町「あ、はい! こちらこそ」

八幡「で、こっちが俺の妹の小町っす」

小町「比企谷小町です。いつもお兄ちゃんがお世話になってます」ペコッ

めぐり「うん、よろしく。でも、なんか礼儀正しい妹さんだね。比企谷君の妹さんとは思えないかもだよ」

八幡「それどういう意味っすか。俺だってめちゃくちゃ礼儀正しいんですけど」

めぐり「君の場合は礼儀正しい以前の問題のような気がするからね。文化祭の時は色々とあれだったし」

八幡「いや、あん時だって俺はきちんと礼儀だけは守ってましたよ。黙々と仕事もしてましたし」

めぐり「まあ、そういう事にしとこうか。比企谷君は一旦話し出すと長くなるしね」

小町「ほへー……」

八幡「それじゃ、城廻先輩は俺の部屋へどうぞ。案内するんで」

めぐり「うん、ありがとー」

テクテク……



小町「お兄ちゃんが、遂に女の人を自分の家に……。これってそういう事だよね。間違いないはず」

小町「なら、小町は……」

小町「うん……。すみません、雪乃さん、結衣さん。小町はお兄ちゃんの幸せの方をとります。許して下さい!」

小町「あ、そうだ! 急いでお茶とお菓子を用意しないと! お兄ちゃん、絶対こういう事に気が利かないから!」タタタッ

ー 八幡の部屋 ー


めぐり「へー……。これが比企谷君の部屋なんだぁ」キョロキョロ

八幡「すみません、ラノベと小説とゲームだらけで。一応昨日、片付けはしたんすけどね」

めぐり「あ、ううん、別にいいよ。元々、部屋自体に興味はあんまりなかったしさ」

八幡(つまり、俺には全く興味がないって事っすか……。フォローになってるようで全くなってなく、むしろ逆にダメージを与えるとかやめてくれ。悪気がないのが更に追い討ちをかけてるし)

めぐり「それにしても、ごめんね。うちの両親って、あんまり二人揃って外出とかしないからさ」

八幡「……いや、別にいいんすけどね。家に誘ったの……俺の方からですし」

めぐり「そうだね。あれにはビックリしたよぉ。まさか比企谷君の法から誘われるとは思ってなかったからさ」

八幡「まあ……はい。俺も少し悩んだんすけど、結局、こっちの方がいいのかなって……そう思ったんで。うち、両親が家にいる事少ないすから」

めぐり「そうなんだ」

八幡「はい……。じゃあ、俺、ちょっと小町に説明してくるんで」スクッ

めぐり「え、説明って……」

八幡「アイツ絶対妙な勘違いしてるだろうから、その誤解を解いておきます。彼女じゃないってきっちり説明しておくんで」

めぐり「ああ、そっちか。うん。それならよろしくねー」

八幡「……うす」

ー リビング ー


八幡「小町ー」

小町「あ、お兄ちゃん。丁度良かった。はいこれ」ジャンッ

八幡「……おう、サンキュな。丁度茶菓子とか用意しようと思ってたところだ。でな、小町」

小町「大丈夫。お兄ちゃん、小町はちゃんとわかってるから」

八幡「……一応聞いとく。何をわかってんだ?」

小町「小町はこれからしばらく買い物に出かけていくって事。三時間は戻ってこないから、あとはお兄ちゃん。しっかりやるんだよ」

八幡「いや、小町。やっぱり誤解してるようだから言っておくが、城廻先輩はただ単に」

小町「いいから、いいから。お兄ちゃんの事は小町が一番わかってるんだからさ。あ、今の小町的にポイント高い!」

八幡「いや、お前のその話を聞かないところとか一人で突っ走るところとか八幡的にポイント低」

小町「じゃ、そういう事で小町はしばらく出かけてきます! じゃね、お兄ちゃん!」トタタタッ

バタンッ

八幡「おい、小町。……つうか早え。もう出かけていきやがったぞ」

八幡(仕方がない、小町の事は帰ってから誤解を解いておこう)テクテク

八幡(とりあえず冷めない内に小町が用意してくれた紅茶とロールケーキを……)テクテク


「ンッ……///」


八幡(おい、ちょっと待て。何か今、色っぽいというか艶っぽい声が聞こえた気がしたんだが)

八幡(いやでも、俺が部屋から出ていって五分も経ってないんだし、城廻先輩は小町が出かけていった事を知らない訳だし、まさか一人で既にいたしてるなんて、そんな訳)


「やっ……/// あっ……///」ハァハァ


八幡(すみませんしてました。これ絶対もう始めてるんですが。具体的に何をとは言わないけども)

ー 三時間後 ー


ガチャリ

小町「ただいまー、お兄ちゃん」

八幡「おう……。お帰り」

小町「お兄ちゃん一人? めぐり先輩は? もう帰っちゃった?」

八幡「おう、ついさっきな」

小町「そっかー。で、お兄ちゃん、どうだったの? 小町的にグッとくるような事とかあった?」

八幡「何をもってお前がグッとくるかは知らんが、特に何もなかったぞ。そもそも城廻先輩はちょっと理由があって俺に相談に来ただけで、お前が考えてそうな関係とはまるで違うからな」

小町「えー、だってそんなのわざわざ家に来ないだろうし、そもそもお兄ちゃんにそんな相談とかする訳ないだろうし、それは流石に嘘ついてるでしょ、お兄ちゃん」

八幡「嘘なんかついてねーよ、何一つな」

小町「まあ、小町的には? お兄ちゃんが嘘ついてようが、家に呼んだって事には変わらない訳だから、別にいいんだけど……」

八幡「…………」

小町「でもねえ、他の人ならともかく小町にも内緒にしておくってのがちょっと寂しいっていうかさー……」スタスタ

小町「あれ? なんかお風呂場が濡れてるんだけど、お兄ちゃんもしかしてお風呂に入った? あれ、でもついさっきめぐり先輩が帰ったって……あっ(察し)」


八幡「…………」

小町「…………」


小町「お兄ちゃん……小町もう寝るから」

八幡「おう……」


小町「…………」テクテク

八幡「…………」

ここまで

ー また後日 サイゼ ー



三浦「」ハァ

三浦「まさかあーしがヒキオを呼び出す事になるなんて、マジでありえないし」ハァ

八幡「……人を呼び出しといて、そんなにため息つく事ねーだろ」

三浦「うるさい。あーしだって呼び出したくて呼び出した訳じゃないんだから」

八幡「……だったら、何で呼んだんだよ」

三浦「結衣の事。そういやあんただってある程度わかるっしょ」

八幡「…………」

三浦「最近、結衣の元気がないんだわ。で、色々と他の人にも話聞いてみたら、雪ノ下さんもそうみたいらしいじゃん」

三浦「海老名も、なんか奉仕部の三人がギクシャクしてるみたいな事、言ってたしさ」

八幡「別に、んな事は……」

三浦「平塚先生からも聞いた。あんたが最近奉仕部を休みがちだって」

三浦「そうやって、しらばっくれんのやめてくんない? 腹立つんだわ」

八幡「…………」

八幡「別に……三浦に関係ねーだろ」

三浦「ん。関係ないんだけどさ。だから、あーしも普通なら口出さないんだけど……」

三浦「城廻先輩の噂も聞くんだわ。あんたと一緒にいるところを見たとか色々」

八幡「…………」

三浦「そんだけ言えばわかるっしょ。ここで前にあんな事があったんだから」

三浦「で、あーしはそれを疑ってる訳。もうはっきり聞くけどさ。あんたら、今、どんな関係なん」

三浦「マジで、覗きしてんの? どうなん?」

八幡「…………」

八幡「……してる」

三浦「やっぱか……。そうかもとは思ってたけど、マジでそうなん……」ハァ

八幡「……いや、でも、一応言っておくが、俺も城廻先輩もほぼ同意の上でしてる訳で、つまり別に犯罪だとかそういう訳ではなくてだな」

三浦「いいから言い訳すんなし。それはあーしも大体わかってから」

三浦「だから、それについてはもういい。あーしは何も言わないから」

三浦「問題なんは、それよりもあんたの方っしょ。ぶっちゃけた事聞くけど、今それのせいで奉仕部がギクシャクしてんの? そこはどうなん?」

八幡「……まあ、そうかもしれないと思う時はある。……単なる俺の思い上がりかもしれないけどな」

三浦「」ハァ

三浦「なら、チョイ詳しく話してみ。ヒキオの話次第で、あーしも後の事考えっから」

八幡「後の事?」

三浦「結衣の事。それと……あんたの事。放っといた方がいいのか、止めた方がいいのか、それ考えっから」

三浦「余計なお節介だろうけど、無理矢理にでも止めた方がいい時ってあんじゃん。……あーしはそれ一度体験してっから。だから、まあ……」

八幡「……そうか。そういや、お前も犯罪者だったな」

三浦「なっ……! あーしは未遂だっての! ギリギリセーフだから!」

八幡「……いや、あれはギリギリアウトじゃ」

三浦「うっさい!」

ー 説明後 ー


三浦「ふーん……。じゃあ何? ヒキオそこまでしといて未だに童貞なん?」

八幡「おい童貞とか決めつけんな。確かに城廻先輩とは、一人でしるのとシャワーシーンを覗いてただけだが、それだけで俺が童貞だという証拠には」

三浦「じゃあ、違うん?」

八幡「……聞くな。世の中には事実たどしても口にしたくない事が沢山あんだよ」

三浦「つかそれ、ヒキオにとって蛇の生殺し状態じゃね? あんたそれでいいん?」

八幡「それについては非常に満足してるな。むしろ、本望まである」

三浦「あんた、もしかしてアホなん?」

八幡「お前こそアホなのか? 覗き好きの気持ちがまるでわかってないんだがな」

三浦「あーし、そんなんわかりたくもないんだけど」

八幡「いいか。真の覗き好きってのはな、別に自分が行為に及びたいとかそんな事は別に思ってねーんだよ」

三浦「なんか急に語り出されてもあーし困んだけど」

八幡「相手が人に見られたくない姿や行為に及んでいるのを一方的にこちらだけ見るのが好きな訳で、そこに興奮を覚えるのが真の覗きというものだ」

八幡「むしろ、俺ぐらいの一級覗き人になると、相手が行為に及んでなくても興奮する。普段のありのままの生活を見て、そしてそれを俺だけが知っているという事実に快感を覚える訳であって、行為そのものが重要という訳ではなくてだな」

八幡「裸やエッチなんてのはむしろそこまで必要ない。大事なのは『一方的に見る』という行為であり、後の事は全てオマケだ。ただ、そこを一般人はよく誤解し、そして偏見と差別に満ちた目を向ける。前から俺はこの事について不満と疑問を」

三浦「もういい。もうよくわかったからやめろっての! あーしまで頭おかしくなるし!」

三浦「つまり、何? まとめると、あんたは城廻先輩とエッチとかする気はないって事?」

八幡「いや、まず向こうが断るだろ。一人でするのに相手の許可はいらないが、二人でする場合は相手の許可が必要なんだからな」

三浦「じゃあ、城廻先輩の方はどうなん? あんたの目から見て」

八幡「まず眼中にないだろうな。喋る監視カメラ程度にしか思われてないだろ。言ってて悲しくなってくるけどな」

三浦「え、でもさあ、フツーそんな好きでもない人間に裸とか一人エッチとか見せないっしょ」

八幡「あのな、三浦。一つ、お前の誤解を解いてやる」

三浦「誤解?」

八幡「そう。お前は誤解している。何を誤解しているかと言えば、覗き好きは相手を選ぶが、覗かれ好きは相手を選ばないって事だ。つまり、誰でもいいんだよ」

三浦「…………」

八幡「覗かれ好きの人間にとって重要な事は、覗いてる相手が信用出来るかどうかだ。その事を誰にも話さないとか、動画に撮って脅してこないとか、そういった信用さえあれば基本誰でもいいんだよ」

三浦「……そういうもんなん?」

八幡「そう。ついでに言うなら、覗き好きと覗かれ好きがエッチする事はまずない。何故なら、覗き好きは覗く相手がいなくなるし、覗かれ好きも覗かれる相手がいなくなるからな。どちらも目の前にいるんだから」

三浦「…………」

ここまで。なんか迷走感半端ねえ。どないしたもんか

三浦「じゃあ……何? あんたらはこの先エッチとかする事はないって訳?」

八幡「ないだろうな。ほぼ間違いなく絶対に」

三浦「って事は、ヒキオこれからずっと童貞なん? マジ悲惨なんだけど。ある意味ウケるし」

八幡「おい、童貞ってなんだよ。何で俺、一生童貞宣言されてんの?」

三浦「だって、あんた浮気しないタチっしょ? それとも何? 城廻先輩の覗きやりながら、その事秘密にして他の女と付き合えんの?」

八幡「……いや、そりゃ無理だけどよ。彼女には秘密とかも出来れば作りたくない方だしな」←本物好き

八幡「むしろ、好きなやつが出来たら、エロい妄想とかすら他の女でしたくねーまである」←浮気度07

三浦「……て事は、結局、覗きやってる間はヒキオって誰とも付き合えないって事じゃね? 違うん?」

八幡「……そうなるな。いや、でも、元々、俺と付き合おうなんて女なんかいないだろうしな……。別に問題ないだろ」

三浦「そりゃそうだろうけどさあ。でも、もしかしたら一兆分の一ぐらいの確率でいるかもしんなくね?」

八幡「それだと世界の人口超えちゃってんだけどな。何? 彼女作りたかったら宇宙人探せって暗に言ってるの? フォローに見せかけてトドメ刺すのやめてくんない?」

三浦「にしても、こうやって考えるとヒキオってマジ可哀想だし。可哀想過ぎて逆にウケるんだけど」

八幡「何で逆にウケちゃうんだよ。それおかしくね?」

三浦「だってさ、ヒキオの言い分が正しかったら、城廻先輩の方は彼氏作れる訳じゃん? 覗くのは浮気だけど、覗かれるのは浮気じゃないんだから」

八幡「……そうなるな。覗きは能動だけど覗かれるのは受動だからな」

三浦「て事は、城廻先輩に彼氏がいたら、つか出来たらでもいいんだけど、そうなったら城廻先輩、彼氏とのエッチをヒキオに覗かせるかもしんない訳っしょ? ヤバくね?」

八幡「おう……」

三浦「そんで、そん時にもしもヒキオが城廻先輩の事好きになってたら、好きな女が他の男とエッチしてるとこ覗く訳じゃん? 可哀想過ぎてマジでヤバいんだけど」

八幡「…………」

三浦「あ、だけど、ヒキオってもしかしてそういうのも興奮するん? だったら別にいいけどさ」

八幡「いや、しねーし……。俺に寝とられ趣味はないからな」

三浦「……いや、マジでそんな低い声出すなし。あーしもちょっと言い過ぎたから。……怒んなし」

八幡(そう……。その事に俺も気付かなかった訳じゃない……)

八幡(今はまだいい。だが、いつかはそうなるかもしれないという事に)

八幡(何故なら、人間の恋愛半径は約100メートルだと言われているからだ。つまり単純に、会う機会が多ければ多いほど恋に墜ちやすくなるし、会う機会が減れば減るほどその恋を忘れやすくなる)

八幡(だから、このまま城廻先輩と今のような関係を続けていれば……)

八幡(つまり、家に呼んだり逆に俺が行ったり、そこで盗撮やら覗きやらの話で盛り上がったり、一緒に大人用の玩具を買いに行ったり、何より城廻先輩のあられもない姿をこのまま見続けたとしたら……)

八幡(どんなに訓練された童貞でも、いつかは誤解し、あるいは勘違いし、もしくは勝手に理性を吹き飛ばし……)

八幡(何重にもかけられた数多のプロテクトガードを突破して、迎撃に向かったこれまでの切ない体験を一刀両断にして……)

八幡(俺の脳の奥深くにある『恋愛』と書かれたボタンを押す可能性もなくはないのだ)


八幡(だが、そうなった時、俺に待っているのは恐らく地獄の日々だろう)

八幡(城廻先輩は実際可愛い。性格も良い。つまり、男がいつまでも放っておく訳がない)

八幡(いつかは必ず彼氏が出来る。それは間違いない)

八幡(そうなった場合、三浦が指摘した通り、城廻先輩はいつもの少し照れたような笑顔で俺に報告し、期待しているといった眼差しを俺に向けるのだろう)

八幡(なんかもう、それを想像しただけで吐き気がしてきた。なんだよこの生き地獄。俺、間違いなく自殺しちゃうんだけど?)

八幡(一体、俺はどうすればいいんだ……)

ここまで

三浦「…………」

八幡「…………」


三浦(あれからヒキオ、下向いたままずっと黙りこくってんだけど……)

三浦(なんかメッチャ気まずいし……。多分、色々考えてんだろうけどさ)

三浦(どうしよ。ヒキオが考えまとまるまで、チョイ時間かかりそうだし、あーし飲み物でも)

八幡「三浦」

三浦「な、何?」ビクッ

八幡「……お前は今どうなんだ? 葉山にあんな事した訳だし、お前の方も関係がギクシャクしてんじゃないのか?」

三浦「あーし? あーしは、まあ……」

三浦「気まずいってのは確かなんだけど……」

三浦「今は、なんつーの……」

三浦「戸部とよく遊んでっから……」

八幡「戸部?」

三浦「あいつも海老名にフラれてるようなもんっしょ? だから、あーしも戸部も片想いなんだけど、今んとこ見込みがまずなさげだし、だから……」

八幡「つまり、傷の舐めあいか」

三浦「そうかもしんない。だけど」

八幡「?」

三浦「昔、誰かに聞いた事あんの」

三浦「片想いの相手を忘れたかったら、一番良い方法は『浮気』する事だって、そんな風に」

八幡「…………」

三浦「あーしが今でも隼人の事が好きなんは変わんない。別に付き合ってる訳じゃないから、これが浮気になるかどうかもあーしにはわかんない」

三浦「でも、隼人がいない寂しさを少し埋める事は出来てる。戸部、フツーにいいやつだし、話してて面白いから」

三浦「だから、もしかしたら、いつかあーしが隼人の事を忘れて戸部を好きになる事があるかもしんないし、戸部も、もしかしたら海老名の事を忘れてあーしの事を好きになる事があるかもしんない」

三浦「そう考えると、傷の舐めあいのどこが悪いんってあーしは思う訳よ。先の事なんて誰にもわかんないんだし」

八幡「…………」

八幡(三浦の言いたい事はわかる)

八幡(確かに未来の事なんてのは誰にもわからない。俺自身、あのスイッチを使った結果こうなるなんてのは全く予想していなかった)

八幡(そして、その結果が良いか悪いかなんてのも今の俺には絶対にわからないんだろう)

八幡(わかるのはもう何ヵ月か、あるいはもう何年か経った後で、そしてそれを判断するのは未来の俺自身なのだ)

八幡(多分、三浦もそれがわかった上で、自分でどうするかを選択して決めたんだろう)

八幡(どんな選択をしようと、自分で決めた事なのだから、例え後から後悔しようと誰にも責任転嫁が出来ないように……)

八幡(それなら、俺は……)



コンマ↓1、一桁
1234:めぐりルート
5678:奉仕部ルート
9:三浦ルート
0:ぼっちルート

ー 後日、奉仕部 ー



八幡「」ペラッ


結衣「ね、ね、それでね、ゆきのん。駅前に新しく猫カフェがオープンしたんだけどさ」

雪乃「ええ、もちろん知っているわ。いえ、別に興味があるという訳ではなく一般的な情報としてだけれども」


八幡「…………」ペラッ

八幡(あれから、何日か過ぎた)

八幡(俺はまた奉仕部に顔を出すようになり、最初の方こそギクシャクした感はあったものの、今ではすっかり元通りになっている)

八幡(そして、もう俺は城廻先輩の覗きをやめたし、その理由もきちんと伝えた)

八幡(城廻先輩は少し残念そうな顔を見せたが、仕方がないといった口調であっさりとそれを承諾してくれた)


『実は、私の方もちょっとまずいかなって思ってたの。学校でも変な噂がたちそうな感じだったし』


八幡(そして、困ったような顔でこうも言っていた)


『私達、ちょっと欲望に忠実過ぎたんだと思うの。……私達って言うより、特に私の方かな』

『ごめんね、比企谷君。そのせいで迷惑かけたね』


八幡(そう言った後の城廻先輩の顔は……)




コンマ、↓1
めぐり→八幡への好感度

八幡(……泣き顔になっていたな)


『こんな変態な女で……ごめんね。もう二度と……迷惑かけないから』


八幡(涙をこぼしながら、そんな風に言われた……)

八幡(あの時の城廻先輩の泣き顔を、俺は一生忘れられそうにない……)

八幡(……ひょっとして、俺はまた進む道を間違えたんじゃないかとすら思った)

八幡(……本当に、俺の選択はこれで良かったのか)




コンマ↓1
雪乃→八幡への好感度

コンマ↓2
結衣→八幡への好感度

今日はここまで。完全に間違えてます、本当にありがとうございました

コンコン

いろは「どうも、こんにちはー」ニコッ


八幡(なんか悩んでたら、いつものあざといやつが来たぞ)


雪乃「こんにちは、一色さん」

結衣「やっはろー、いろはちゃん」

いろは「はい、お二人ともこんにちはです。あと、先輩も」

八幡「おう。つうか、何しに来たの、お前?」

いろは「特に用事はないんですけど、遊びに」

八幡「あ、っそ」

いろは「相変わらず冷たいですね、先輩は。……まあ、別にいいんですけど。先輩ですし」

八幡(何で俺ならいいんだよ)

いろは「ところで先輩、もうすぐバレンタインですね」

八幡「そういやそんなイベントもあったな」

雪乃「…………」

結衣「…………」

いろは「で、全くどうでもいいんですけど、先輩って甘い物好きですか?」

八幡「甘い物か? 甘い物は」

結衣「……確か、ヒッキーは苦手だったよね、ゆきのん?」

雪乃「……そうね。吐くほど嫌いだったはずだわ」

八幡「おい、何でだよ。別にそんな事ないし」

結衣「……そう。なら勘違いしちゃったのかな」

雪乃「……ええ、そうみたいね」

いろは「……?」

八幡「……?」

いろは「……なんかよくわからないですけど」

いろは「でも、まあ、先輩が甘い物苦手じゃないっていうなら丁度良いですね」

八幡「何が?」

いろは「甘さをどれぐらいにするか悩んでたんですよねー。甘さって人によって好みがあるじゃないですかぁ。そんな訳で、義理チョコの参考にしようかと思いまして」

八幡「……義理チョコな」

いろは「ああ……。先輩、チョコ貰った事ない系ですか?」

結衣「……別にそんな事ないよね、ゆきのん。特に今年は」

雪乃「……そうね。チョコどころか別のものまでもう頂いてるみたいだしね」

八幡「は?」

いろは「……?」

いろは「なんですか、別のものって?」

雪乃「……それは比企谷君に直接聞いてみたらいいんじゃないかしら? そこのひねくれた男が素直に言うとはまるで思えないけれど」

結衣「だよねー。ヒッキーなんにも言わないからさー。しょうがないよねー」

いろは「あ、えと……」チラッ

八幡(え、なにこれ、何か二人の雰囲気が怖いんですけど)


いろは「先輩……その……何かあったんですか?」

八幡「いや、俺にもよくわか」

雪乃「ないわ。何もね。いつもと変わらないわよ、一色さん」ニコッ

結衣「そうだね。全然何にもなかったよねー。ホントに何も」ニコッ

いろは「そ、そうなんですか……。なら、ええと……べ、別にいいんですけど……」

八幡(何も聞くなと二人の目が言っている。こええよ)

いろは「じゃあ、その……」

いろは「私はそろそろ帰ろうかなーって……」

雪乃「そう」

結衣「じゃあね、いろはちゃん」

いろは「あ、はい……。じゃあ、また……」ガタッ

八幡「お、おう……」


いろは「あ、そういえば先輩……。先輩ってバレンタインの日に何か用事って……」

雪乃「あるわよ、一色さん」

結衣「そう。大事な用があるから」

八幡(え? あるの、俺?)


いろは「……あ、そうなんですか。その……すみません……」

雪乃「いいえ、気にしないでいいわ」

結衣「あ、私達は用事がないから、何かイベントやるなら手伝ってもいいよ」

いろは「は、はあ……。わかりました……。それなら、また……」

雪乃「ええ、また」

結衣「じゃあねー、いろはちゃん」

いろは「は、はい……」



八幡(何だよこれ、どうなってんだよ……)

ピシャン……


八幡「…………」



雪乃「…………」

結衣「…………」

八幡「……その。雪ノ下、由比ヶ浜……」


雪乃「なにかしら?」

結衣「なに、ヒッキー?」


八幡「俺、別にバレンタインに用事はないんだが……」


雪乃「あら、そうだったの? 私はてっきりあるものだとばかり思っていたのだけれど」

結衣「違ったんだ。ごめんね、ヒッキー。なんか勘違いしてたみたいでさー」

八幡「お、おう……。そうかよ……」


雪乃「それで由比ヶ浜さん、さっきの猫カフェの話なのだけれど」

結衣「あ、うん、あれね。それでさー、中に入ったら、もう可愛い猫がスンゴイいてさー」

八幡「…………」

結衣「でね、でね、その中に一匹だけお手をする猫がいてね」

雪乃「ちょっと由比ヶ浜さん、その話、詳しく教えてもらえないかしら」


八幡「…………」


八幡「」ペラッ



結衣「うん、そうなの。試しにお手ってやってみたら、ホントにパシッって」

雪乃「ごめんなさい、由比ヶ浜さん。その猫の特徴をもう少し詳しく」


八幡「」ペラッ……


八幡「」ペラッ……

今日はここまで

ー 自宅 ー


八幡(なんなんだろうな……。今日の雪ノ下と由比ヶ浜のあれは……)

八幡(いや、いい加減、誤魔化すのはやめよう。何となく察しはついてる……)

八幡(多分だが、恐らく三浦が言ってた噂が雪ノ下と由比ヶ浜の耳にも入ったんだろう。……俺と城廻先輩がよく一緒にいるみたいな噂が)

八幡(それで、恐らく誤解したに違いない。俺と城廻先輩が付き合っていると)


八幡(そして、俺もまた誤解していた。奉仕部は元の状態に戻ったなんて、そんな大きな誤解を、間違いを)

八幡(表面上は確かにいつもの奉仕部だった。だが、あそこは俺がいた奉仕部ではなくなっていた)

八幡(結局……。一言で済ますのなら……)


八幡(俺は、選択をまた間違えたんだろう……。もう元には戻れない、大事な選択を……)



その後、八幡達は進級し三年に。めぐりは卒業して大学へと進学した

進級と共に、奉仕部は全員が三年生だという事で活動を停止する

その事もあり、由比ヶ浜、雪ノ下と八幡はどんどんと疎遠になっていった

そして、顔を合わせても挨拶しかされなくなった頃に

彼らは卒業式を迎える

ー 校門前 ー


いろは「せーんぱい、遂に卒業ですね」

八幡「……おう。つうか、何でお前、そんな明るいの? そこら中で皆が泣いてる中で」

いろは「まあ、私は送る側ですからね。だから、私まで泣いてたら皆が安心して卒業出来ないじゃないですかぁ」

八幡「だって、めんどくさい先輩達がいなくなってようやくトップに君臨出来るからに決まってるじゃないですかぁ(裏声)」

いろは「先輩……」ムスッ

八幡「冗談だ。気にすんな」

いろは「まあ、許してあげますけど。これでもう先輩とはお別れですし」

八幡「そうだな」

いろは「……はい」

いろは「にしても、そういう先輩も結構ドライですよね。卒業式なのに、目、完全に乾いてますし」

八幡「まあな。これでようやく勉強漬けの高校生活が終わって、これからは自由と評判の大学生活が送れるかと思うと、むしろ喜んでるぐらいだしな」

いろは「雪ノ下先輩や由比ヶ浜先輩とも会う事もなくなりますしね」

八幡「…………」

いろは「まあ、今更ですし、何があったのかは聞きませんけど、見てて正直、辛そうだなって思いましたから」

八幡「んな事ねえよ。全然、いつも通りだったし」

いろは「まあ、そういう事にしといてあげます。先輩も色々抱えてたみたいですし」

八幡「…………」

\ おーい、いろはー /


いろは「あ、はーい! 後で行きますから、ちょっと待ってて下さいね!」

八幡「いや、俺の事はいいから行けよ。折角、葉山の方から呼んでるんだし、卒業式の思い出とやらを作ってくりゃいいだろ」

いろは「そうですか? でも、先輩との思い出も私は作っておきたいんですけど、だけど先輩の方はそうじゃない感じなんですかね?」

八幡「思い出が売れるなら考えるけどな。ただ、長く話してると新たなトラウマを作りそうだし、俺はもう帰って寝たい」

いろは「……そうですか。本当に先輩は最後まで先輩らしいですね。なら、お言葉に甘えて行っちゃいますけど、でも止めるなら今の内ですからね?」

八幡「いいから行け。止めねーから」

いろは「あーあ……残念です。それなら本当に行きますね。それではこれでさよならです、先輩」

八幡「おう、じゃあな」

いろは「はい。先輩、お元気で」クルッ


タッタッタ……


八幡「…………」

八幡(さて……帰るか)

八幡(雪ノ下と由比ヶ浜は向こうでお互い泣きながら話してるしな。あいつらと、今更、話す事もないだろう……)

八幡(そもそも入学式の時は、一人で病院のベッドの上にいた俺だ。だから、卒業式だって一人で構わない)

八幡(一色のやつが話しかけてきただけ、入学式よりはマシだしな。だからもう、それでいい)

八幡(これまでずっと一人だった。もうとっくの昔に慣れていて、それが当たり前のようにすら思える。だから……これでいいんだ)


八幡「」クルッ

八幡「」スタスタ……

ー 校門のすぐ外 ー


八幡(流石に、こんなに早く帰るやつは俺の他にはいない)スタスタ

八幡(だから、校門の外は誰一人としていな…………いた)

八幡(それは、俺の知っている人物だった。もうこの学校には卒業していない。だけど、雪ノ下さんではない)

八幡(いる訳ないと思っていた。というより、いるかもしれないとかそんな考えすら思い浮かべなかった。だけど、幻や人違いとかではなく、確かにその人はそこにいた)

八幡(……城廻先輩だった)



めぐり「卒業おめでとう、比企谷君」

めぐり「つい……来ちゃったんだ。ごめんね」




その時の城廻先輩は、困ったような寂しそうな笑顔を見せていた


八幡「……久しぶり、ですね」

めぐり「……そうだね。本当に久しぶりだね。前に会ったのって、一年も前だもんね」

八幡「……それで、先輩は誰かの見送りですか? それならまだ中にほとんど残ってるはずなんで」

めぐり「ううん、中にはいないよ。……もう、外に出てるから」

八幡「…………」

めぐり「君を見送りに来たんだ。……卒業しちゃうんだって思ったら、どうしても最後に会いたくなってね」

八幡「……なんか、欲求不満でムラムラきたんですか。……それで俺に会いに」

めぐり「……やっぱり、そんな風にしか思われてないんだね、私って」

八幡「いや、そうじゃないんですけど、ただ……」

八幡「それ以外、理由が思いつかなかったんで……」

めぐり「……そう、なんだ」

ここまで。次の更新で終わり(にしたい)

次回予告(今回の担当:死に掛け神)

どうもー!駄文メーカーにして、
本作の作者、死に掛け神ですっ!
八幡が大罪のバハムートと呼ばれ由比ヶ浜ることになった理由と、空白の一ヶ月(少しも明かされてないとは言ってない。)の出来事が遂に明らかに!
そして遂に動き出す黒幕!
行け!八幡!お前はもっと強くなれる!
何故なら俺がそういう展開がすきだから!
次回!
「八幡が『大罪のバハムート』と呼ばれる理由」

見てくれると嬉しいな!

八幡「メタ発言とネタバレ止めろ!」



あとがき

葉山への復讐の第一回目が終わりました。

葉山にはまだまだ地獄を見せるので

まだまだ終わりません!
今回も読んで下さってありがとうございました!

めぐり「他に……理由、思いつかないかな」

めぐり「私が、君に会いに来るそれ以外の理由……。比企谷君には、何にも思いつかないのかな……?」

八幡「…………」

めぐり「私ね……ここに来るの、スゴい勇気が必要だったんだよ」

めぐり「あれから君と全然会ってないから」

めぐり「あれから君の事、何も知らないから」

めぐり「だから、もしも雪ノ下さんとか由比ヶ浜さんとか、そういう人が君の側にいて一緒に出てくるようだったら、もう……」

めぐり「諦めっていうか、踏ん切りっていうか、なんて言えばいいんだろう……。色々とモヤモヤしながらずっと待ってて……」

めぐり「そしたら比企谷君が出てきて……。一人だったから頑張って声をかけて……」

めぐり「大学も少し遠くにしたんだよ。それで一人暮らしを始めて、お母さんとかお父さんとかからはかなり反対されたけど無理矢理押しきって……」

めぐり「なんか、おかしいよね。もう言ってる事メチャクチャだよね。これじゃまったく意味がわからないよね」

八幡「…………」

八幡「いえ……。わかります」

めぐり「!」

八幡「でも、『わかる』というのは俺が勝手に理解したと思っているだけで、本当は違うかもしれない」

八幡「それは、俺の恥ずかしい勘違いかもしれないし、まったく見当外れな答えかもしれない。それを口に出して確かめない限り、わかる事じゃない」

八幡「仮に口に出して確認して、城廻先輩がそれで合っていると言ったとしても、俺はそれを素直に信じられないかもしれない」

八幡「本当に俺の言っている意味で合っているのか、実は誤解なんじゃないか、もしくは何か事情があってそう言っているじゃないか、どうしても俺はそういう風に考えてしまうんです」

めぐり「…………」

八幡「だから、俺は……」

八幡「城廻先輩が何を言いたいのか……。それに対して答えが欲しい訳じゃない……。城廻先輩がどう思っているのか、確かめたい訳でもない……」

八幡「それは結局、意味がない事だと……」

八幡「そうやって出来上がった人と人との関係なんて、容易いほど脆く、わずかなヒビで全て崩れてしまうような関係なんだと……」

八幡「この一年間で……再認識出来ましたから」

めぐり「…………」

八幡「だから……もう聞きたくないんです。勝手に期待して、勝手に誤解して、自分勝手な理由で他人を傷付けて、自分勝手な理由で他人から傷付けられたと思うのは、馬鹿みたいで、そして酷く辛い事だから……」

めぐり「…………」


八幡「すみません……城廻先輩。俺は何も聞かずに家に帰ります……」

八幡「月並みな言葉ですけど……お元気で」

めぐり「……そっか」

めぐり「……だから、なのかな」

八幡「……?」

めぐり「比企谷君が、そういう風になった理由が、何となく今、わかった気がする」

八幡「……何となく、ですか。そういう風ってどういう風かは知りませんけど……多分、それは間違ってます」

八幡「言い方が悪いかもしれないですけど、勝手に俺の事を理解されるのは嫌いなんです。……他人にわかる訳がないんで」

めぐり「……そうだね。わかる訳がないよね。他人の事なんだから」

八幡「はい」

めぐり「でも、だからこそ……」

八幡「……?」

めぐり「君はわかりたいんじゃないの」

八幡「…………」

めぐり「言葉にしなくても、完全にわかるように。例え言葉と違っても、それでもわかるように」

めぐり「そういう……本物が欲しいんじゃないの?」

八幡「…………」


めぐり「君、さっき言ったよね。勝手に誤解して勝手に期待して、それで傷つけたり傷つけられたりするのは酷く辛い事だって」

めぐり「だから、そうならない関係が欲しいんじゃないの? 完全に相手の事を理解して、絶対に傷つけ合わない関係になりたいんじゃないの」

八幡「…………」

めぐり「私となら、なれるよ」

八幡「……え?」

めぐり「だって、私は知って欲しいから。完全に相手に知って欲しい。私の何もかもを知って欲しい。私自身が知らないような事さえ知って欲しい。何もかもを見て欲しい」

めぐり「だって、私は……覗かれるのが好きだから」

めぐり「私生活の何もかもを見て欲しいと思ってるから。私の趣味から好きな食べ物、ほくろの位置まで全部」

めぐり「君はその逆だよね。何もかもを見たいっていうのは、だって何もかもを知りたいっていうのと同じ事だから」

めぐり「だから、君は覗き趣味なんだよ。もしかしたら逆で、覗き趣味だから、そういう風に思うのかもしれない。でも、そんな事、今はどうでもいい」

めぐり「比企谷君……。私は君に何もかも知って欲しいの。今、わかったの。だから……」

八幡「城廻先輩……」

めぐり「君はどう? 私の事、嫌い? 嫌いじゃなかったら真剣に考えて欲しい。多分、君みたいな人と会えるのは一生でこれが最後かもしれない。そんな風に理由もなく思えるの」

めぐり「だから……。もしも、私の事が嫌いじゃなかったら……その時は」

八幡「…………」


八幡「俺は……」




ラストコンマ、↓1
1234567:めぐりエンド
89:ぼっちエンド
0:小町エンド

ー 数年後 ー


先輩社員「おーい、ヒキタニ」

八幡(いや、俺、ヒキガヤだから。何で大学高校過ぎても俺そう言われんだよ)

八幡「……何すか?」

先輩社員「お前、今度結婚するんだってな。しかもかなりの美人と。女子社員の噂になってたぞ」

八幡「噂?」

先輩社員「どうやって、あのヒキタニ君が、あんな美人をつかまえたんだろうってな。そんな風に」

八幡(うん。……どうせそんな事だろうとは思ってたけども)

先輩社員「で、実際、どうやってつかまえたんだ? 大学のサークルで同じだったとかそんなんか?」

八幡「……いえ、高校の時の先輩です。まあ、何て言うか……お互い趣味が合ったんで、そこから」

先輩社員「へえ、趣味ねえ……。ちなみにどんな趣味だよ?」

八幡「…………動画の鑑賞とかっすかね」

先輩社員「動画? YouTubeとかの? どういう系の見てんだよ?」

八幡「…………なんか、動物の生態について、とかそんなのを」

先輩社員「動物? ああ、クジラとか象とか、そういうやつか。確かにそういうの興味あるやつは少ないだろうし、話が合うと仲良くなれるかもな。そうか……動物のか、なるほどねえ」

八幡「…………そうっすね。まあ、動物で間違いはないんで」

先輩社員「俺もたまにそういうの見たりするけどな。そうそう、この前、仔馬の出産の見たぞ。あれ、ちょっと感動するよな。お前、そういうのどう? よく見たりとかしてるのか?」

八幡「…………いや、流石に出産動画は無理っすね」

先輩社員「あれ? お前、そういうのダメ系なの? まあ、血とかあるし、ダメなやつはダメみたいだけどさ」

八幡「…………ダメというか、ちょっと見れそうにないんで。俺は普段の日常とか、そういうのがメインすから」

先輩社員「ああ、エサ食べたりとか、そういうのか」

八幡「いや、エサってなんすか。ご飯って言って下さい。ケンカ売ってんすか?」

先輩社員「え、何でそんなキレ気味なんだよ。おいちょっと」

ー 数年後 ー


先輩社員「おーい、ヒキタニ」

八幡(いや、俺、ヒキガヤだから。何で大学高校過ぎても俺そう言われんだよ)

八幡「……何すか?」

先輩社員「お前、今度結婚するんだってな。しかもかなりの美人と。女子社員の噂になってたぞ」

八幡「噂?」

先輩社員「どうやって、あのヒキタニ君が、あんな美人をつかまえたんだろうってな。そんな風に」

八幡(うん。……どうせそんな事だろうとは思ってたけども)

先輩社員「で、実際、どうやってつかまえたんだ? 大学のサークルで同じだったとかそんなんか?」

八幡「……いえ、高校の時の先輩です。まあ、何て言うか……お互い趣味が合ったんで、そこから」

先輩社員「へえ、趣味ねえ……。ちなみにどんな趣味だよ?」

八幡「…………動画の鑑賞とかっすかね」

先輩社員「動画? YouTubeとかの? どういう系の見てんだよ?」

八幡「…………なんか、動物の生態について、とかそんなのを」

先輩社員「動物? ああ、クジラとか象とか、そういうやつか。確かにそういうの興味あるやつは少ないだろうし、話が合うと仲良くなれるかもな。そうか……動物のか、なるほどねえ」

八幡「…………そうっすね。まあ、動物で間違いはないんで」

先輩社員「俺もたまにそういうの見たりするけどな。そうそう、この前、仔馬の出産の見たぞ。あれ、ちょっと感動するよな。お前、そういうのどう? よく見たりとかしてるのか?」

八幡「…………いや、流石に出産動画は無理っすね」

先輩社員「あれ? お前、そういうのダメ系なの? まあ、血とかあるし、ダメなやつはダメみたいだけどさ」

八幡「…………ダメというか、ちょっと見れそうにないんで。俺は普段の日常とか、そういうのがメインすから」

先輩社員「ああ、エサ食べたりとか、そういうのか」

八幡「いや、エサってなんすか。ご飯って言って下さい。ケンカ売ってんすか?」

先輩社員「え、何でそんなキレ気味なんだよ。おいちょっと」

ー 昼休み、会社近くの公園 ー


八幡(危なかったな、ついカチンときてしまった。おかげで俺、メチャクチャ動物好きみたいに先輩から思われてそうだし)

八幡(そういや、前に小町に、どういうきっかけで付き合う事になったか聞かれた時も返事に困ったっけ)

八幡(あの時は俺もめぐりもかなり目が泳いでたはず。いや、だって妹の前で、二人とも正直に言えるはずないし)

八幡(結局、理由をきちんと話したのは三浦だけか。高校の時の知り合いで今も連絡とってるのって、もうアイツ一人だけなんだよな)

八幡(三浦はやっぱり戸部とは恋愛関係にならず、大学の時につかまえた後輩と今でも付き合ってる)

八幡(つかまえたの前に物理的ってつくし、後輩の前にドMってつくのはここだけの秘密だかんね、とかそんな事を少し恥ずかしそうに言ってたな。多分、アイツも馴れ初めを人に言えないクチだろう)

八幡(今度、めぐりと結婚するって伝えたら、なんかドヤ顔で『だろうと思ったし』って言われたな)


『あんたらはさ、二人ともメッチャ歪んでんの。普通の人が○みたいな形だとしたら、あんたらは凸凹とかそんなん』

『だから、一度組合わさったら、絶対に崩れる事はないって思ってた』

『だって、ピッタリはまるから。あんたらほどお似合いのカップルないもん』

『おめでと。幸せになんなよ』



八幡(もう十分幸せだけどな)

八幡(何せ、スマホを取り出してちょっと操作してやれば)スッ、スッ







めぐり「~♪」

めぐり「」トントントン、ザッザッ






八幡(俺の好きなおかずを用意しながら、鼻歌混じりで料理をしてるめぐりの姿がいつでも見れるのだから)



END

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年03月25日 (日) 18:55:21   ID: 45icAO2t

良いとおもいます

2 :  SS好きの774さん   2019年03月28日 (木) 22:51:14   ID: clH6Cu75

こういうめぐり先輩もいいなー

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