妹「ねー、この人カッコいいよね~」姉「う、うん…(妹…)」(85)

妹「ねぇねぇ姉さん!この雑誌のさ、この人この人!めちゃくちゃカッコいいと思わない!?」
姉「う、うん、そうだね…」
妹「ねー、この人カッコいいよね~」ハァ
姉「う、うん…(妹…)」

妹「いいなー、私もこんな彼氏、欲しいなー」
姉「…(妹はこういう人が好きなのかぁ)」
妹「うちのクラスにはイモい男子しかいないし…」
姉「…(顔は確かに整ってるけど…)」
妹「あぁー、私の運命の人はどこにいるんだろーな~」
姉「…(ちょっとチャラチャラし過ぎじゃないかな…)」

妹「ねぇ、姉さん」
姉「えっ!?う、うん?」
妹「姉さんはさ、彼氏とか作らないの?」
姉「か、彼氏かぁ…。う、うーん、お姉ちゃんはあんまり興味無いかなぁ…」
妹「ふーん…。妹の私から言うのもアレだけど、お姉ちゃん結構美人なんだから、勿体無い気がするけどなぁ」
姉「そ、そんなことないよ…」
妹「あぁー、それにしてもホントにこの人カッコいい~」ハァ

姉「(妹…。お姉ちゃんはね…妹さえずっと傍に居てくれれば、それでいいんだよ…)」
妹「あっ、このショップ、新しい服出たんだー」ペラ
姉「(確かに今まで何度か男の人に告白はされたけど…。でも…お姉ちゃんは妹が一番…)」
妹「うーん、でもちょっとデザイン微妙だなー」
姉「妹が一番、好きなんだよ…?」ボソッ
妹「?何か言った?お姉ちゃん?」
姉「えっ!?う、ううん!何にも!!」

妹「さてと~」
姉「?どこか行くの?」
妹「うん、ちょっとクラスの皆とカラオケにね~」
姉「そ、そっか」
妹「帰るの遅くなるかもだけど、心配しないでね。姉さん結構心配性なんだから~」
姉「うん、分かった…」
妹「じゃあ、お母さんにも言っといてね~。行ってきま~す!」
姉「い、いってらっしゃ~い」
トタトタトタ、ギィ…バタン
姉「…」

姉「妹…行っちゃった…」
姉「カラオケかぁ、妹と二人で最後に行ったのって、どれくらい前だっけ…」
姉「クラスの子か…。男の子は…いないよね…?」

妹「やっほー。皆揃ってる~?」
妹友「妹遅いよー、10分遅刻ー」
妹友2「これはジュース奢りかね~」
妹「えぇー、友達なら10分遅刻くらい許してよー」
妹友2「冗談だよー冗談っ、さっ、いこいこっ」
妹友「いよ~し!歌うぞ~!」
妹「いえーい!」

姉「えっと…。妹のは…」
姉「これはお母さんので…」
姉「あっ、あった…!」

妹「ふぅ~結構歌ったね~」
妹友「熱唱した~」
妹友2「喉乾いたぁ…」
妹「んじゃ私、ちょっとドリンクバー行ってくるよ~。皆のグラス貸して~」
妹友「あり~、よろしく~」
妹友2「サンク~」

姉「う、うぅん…!妹…妹…!」スーハースーハー
姉「お、お姉ちゃんは…妹が…妹が一番…!!」ハァハァ
姉「あぁ…!ゆ、指が…止まらないよぉ…!!」クチュクチュ
姉「う、うぅぅん…!い、妹…妹…!あっ…んっ!!」ビクビクッ
姉「一番…大好き…だよ…」ハァ

妹「ドリンクバー、何にしようかな~」
妹「!?」
妹「な、なに、あれっ!カウンターに…スッゴいイケメン…!?」
?「…」チラッ
妹「?」
?「…」スタスタ
妹「えっ、嘘っ、こっち来た…!」ビクッ
?「…妹ちゃん?」
妹「えっ…?」チラッ

?「私だよ、私。分からないかな?」
妹「…?」
?「ほら、昔君と君のお姉さんとの3人でよく遊んだじゃないか」
妹「!!もしかして…女ちゃん…!?」
女「そうそう、やっと気付いてくれたね」
妹「い、いやだって、昔の女ちゃん…言っちゃなんだけど、ちょっとポチャってたし、髪も長かったし…!!」
女「まぁ昔はねぇ…。今はダイエットして、髪もザッパリやっちゃったから、昔からの馴染みにはよく分からないって言われるよ。たまに男にも間違われるし、困ったもんだよ、はははっ」
妹「そ、そうなんだ…。は、ははっ」モジッ

姉「何やってるんだろう…私…」ハァ
姉「妹のパンツ…ベチョベチョにしちゃった…」
姉「洗濯前だし…バレない…かな?」
姉「大丈夫だよ…ね…?」

女「お姉さんはどうしてる?元気?」
妹「あっ、うん!姉さんは今も元気ばりばりだよっ!」
女「そっか、良かった」ニコッ
妹「うっ…そ、そういえば、何でこっちに?引っ越しちゃったんじゃ…(何でそんなに笑顔がカッコいいのよ…!)」
女「えっ、あ、うん。ちょっと父さんの会社の都合でね。最近またこっちに戻って来たんだよ。よくある話だよね」
妹「そ、そうなんだ」
女「あっそうだ、ねぇ妹ちゃん」
妹「えっ!な、なに?」
女「明日って暇かな?」
妹「えっ明日?う、うん、暇だよ」
女「良かった。だったら、お姉さんも誘って、明日また3人で遊ばないかな?久しぶりに」
妹「えっ?う、うん!いいよっ!姉さんにも話してみるねっ…!」

妹「ただいま~」ガチャ
姉「!?おかえりなさいっ(平常心平常心…)」
妹「……」フゥ
姉「…?あの、大丈夫?具合でも悪いの…?」
妹「えっ!い、いやっ、何でもないよっ!」
姉「そ、そう…?」
妹「あっ、それより姉さん!」
姉「えっ、な、なに?」
妹「明日、暇だよね?」
姉「う、うん、明日は休みだし、特に何も無いよっ」
妹「だったら、久しぶりに遊びに行かない?」
姉「えっ!う、うん!いいよっ!」
妹「良かった~。あのね、昔よく一緒に遊んでた女ちゃんがね、こっちに戻って来てたんだよ。それで、明日久しぶりに3人でまた遊ぼうって!」
姉「えっ女ちゃんが…?そ、そうなんだ……3人で…」
妹「?どうしたの姉さん?嬉しくないの…?」
姉「う、ううん!そんなことないよっ!すっごく楽しみだよっ…!」
妹「そっか!良かったぁ~」
姉「…」

食事中
妹「でねっ、女ちゃん凄くカッコよくなってたんだよ!」パクパク
姉「うん(妹…さっきから女ちゃんのことばっかり)」パク
妹「多分姉さんも会ったらびっくりするよー」モキュモキュ
姉「うん(帰って来た時のあの表情…)」パク
妹「ねぇ、姉さん」モグ
姉「うん(まさか…)」パク
妹「姉さんってば!」
姉「えっ!うん!」
妹「もぅー、私の話ちゃんと聞いてるー?」
姉「き、聞いてるよ、ちゃんと聞いてる」
妹「ほんとかなー」
姉「うんうん」
妹「なら良いけどさー、明日楽しみだよねー!」モグ
姉「うん…」

翌日
妹「や、やほー」
姉「お久しぶりです」
女「あっ妹ちゃん。姉ちゃんも、久しぶりっ!うーん…なんか挨拶固いなぁ、昔みたいでいいよー」
姉「そ、そうですか。なら…久しぶり、女ちゃん」
女「うん、改めて久しぶりっ!」
妹「ねー、言った通りでしょ?姉さん」
姉「うん…(確かに凄くカッコいい…かも)」
女「えっ、なになにー」ズイ
妹「な、何でもないよーだ!」テレッ
女「えー、気になるなー」
姉「…」

妹「それじゃ、どこ行こっか~」
女「うーん、またカラオケ行く?」
妹「えー、さすがに2日続けてカラオケはなー」
女「姉ちゃんはどこか行きたい場所あるかな?」
姉「えっ、わ、私は…特に…(妹とならどこでも…)」
妹「うーん、じゃあ、ここは乙女らしくショッピングでもしますかー!」
女「ショッピングかぁ、いいねっ」
妹「姉さんもそれでいいかな?」
姉「えっ、うん。いいよっ」
妹「よしっ、では行きますか~!」

妹「うわぁ~、この服、最高に可愛くない!?」
女「おっ、確かに可愛いね~」
姉「うん、可愛いね…(妹に似合いそう…)」
女「妹ちゃん、試着してみれば?」
妹「えっ、でも…私なんかに似合うかなぁー?」
女「大丈夫だよっ。ねっ、姉ちゃん?」
姉「えっ?う、うんっ、絶対に大丈夫っ!」
妹「そうかなー。んじゃ、ちょっとだけ試着してみるねっ」
女「うんうん」
姉「うんうんっ!」

妹「き、着てみました…。ど、どうかなっ?」
姉「か、可愛いよっ…!」
妹「ありがとう、姉さんっ」
女「おぉー、可愛い可愛い、似合ってるよっ」ニコッ
妹「あ、ありがとう…女ちゃんっ」モジッ
姉「…」

妹「いやー、ちょっと買いすぎたかな…。ごめんね姉さん、お金半分出して貰っちゃって…」
姉「う、ううん、全然…!(今日買った服着てくれるの楽しみ…)」
妹「ほとんど私のショッピングになっちゃったね。二人ともなんかごめんね?」
女「いやいや、凄く楽しかったよ。久しぶりにじっくりこの街も観察出来たしね」
姉「私も凄く楽しかった(妹の色んな服装見れたし…)」
女「じゃあ、今日はもう遅いし、この辺りで帰ろうか」
妹「うんっ!」
姉「うん」

帰宅後
妹「あぁー、今日は沢山服買っちゃった~」
姉「でも…どれも妹に似合ってたよ?」
妹「そ、そうかな~。だって女ちゃん、誉め方上手いんだもんな~」
姉「…」
妹「あんな風に言われたら買っちゃうよね~」
姉「私も…」
妹「えっ?」
姉「私も、誉めたよ……一杯…」
妹「えっ…う、うんっ!姉さんにも誉めてもらえて嬉しかったよっ」
姉「本当…?」
妹「ほ、本当、本当っ!!」
姉「うん…」
妹「…(姉さん…?)」

誰もいないかもだけど、ちょっと休憩します。

風呂場
姉「女ちゃん…確かにカッコよかった…」チャポ
姉「多分その辺りの男の子たちより…ずっと…」
姉「妹のあの反応…妹は多分…女ちゃんのこと…」
タッタッタッタッ…ガラッ
妹「姉さんっ!」
姉「えっ!ふぅええっ!?」ザブン!
妹「なんでいきなり潜水してるの…?着替え、リビングに忘れてるよっ」
姉「ば、ばびばぼぶ…」ブクブク
妹「頭半分だけ出しても何言ってるか分からないよ…。まぁいいや、着替えここ置いとくねっ」
姉「ぶん゛」ブク
妹「あっあと…」
姉「…?」
妹「今日の買い物、確かに女ちゃんとは久しぶりで楽しかったけど…。姉さんとも…久しぶりだったし、その、楽しかったんだから…ねっ?それだけっ!」
ピシャ、タッタッタッタッ
姉「……」ザバッ
姉「妹…」

イーツカナークシタ-アノヒ-ノユ-メー
妹「んっ?」
妹「はいっ、もしもし~」ピッ
女「もしもし、妹ちゃん?」
妹「お、女ちゃん!ど、どうしたの?」
女「いや、せっかく携帯の番号を教えてもらったから電話してみようかなって、忙しかったかな?」
妹「う、ううんっ、全然っ!」
女「そっか、良かった。あのさ、次の休みも、また遊ばないかな?出来れば姉ちゃんも一緒に。まだこっちに戻ってきたばかりで友達も少なくて…。駄目かな?」
妹「ううん!いいよっ!遊ぼうっ!」
女「良かった。それじゃまた今度の休みねっ」
妹「うんっ、またっ!」

姉「ふぅ…いいお湯だったな…」
タタタタタ
妹「姉さんっ!」ガバッ
姉「わっ!?ど、どうしたの…?」
妹「あのねっ、女ちゃんが、また今度の休みに一緒に遊ぼうって!それで、姉さんもまた一緒に行こっ?」
姉「女ちゃんが…?」
妹「うんっ」
姉「……」
妹「姉さん?」
姉「ねぇ…女ちゃんといると……楽しい…?」
妹「う、うん?勿論楽しいよっ!」
姉「それじゃあね…お姉ちゃんと……。お姉ちゃんと女ちゃん…どっちといる方が……その…」
妹「…?」
姉「やっぱり…何でもない…」
妹「姉さん…?」
姉「お姉ちゃんはその日用事があるから…女ちゃんと二人で行ってきなさい…」
妹「えっ、でもっ…」
姉「いいからっ!」
妹「!?」ビクッ
姉「あっ…!ご、ごめんね…?お姉ちゃんのことは気にしないで、二人で…二人で楽しんできて…。ね…?」
妹「う、うん…分かった…」

次の休み
女「あっ、妹ちゃん、こっちこっち」
妹「やほっ、女ちゃんっ」
女「やほー。姉ちゃん、今日来られなくて残念だったね」
妹「うん(あれから姉さん…ちょっとぎこちないんだよね)」
女「じゃあ、今日はどうしよっか?妹ちゃん?」
妹「うん…(私…何か姉さんに酷いことしちゃったのかな…)」
女「妹ちゃんっ」
妹「えっ!あ、ごめんねっ!ちょっと考え事してて」
女「いや、具合でも悪いのかなって心配したよ。それじゃ、行こっか」
妹「う、うんっ!」

姉「妹のあと…つけてきちゃった…」コソッ
姉「いくら妹が女ちゃんに好意があっても、二人とも女の子だし、何かあるわけも…」
姉「帰ろうかな…」
姉「で、でも、もうここまでついて来ちゃったし…」
姉「もうちょっとだけ…」

あっ、じゃあ次レスから空けますよー。

女「着いたよ」

妹「ここ、映画館?」

女「うん、あと30分くらいで始まるよ」

妹「映画かぁ。ちょっと前は姉さんによく連れられて来たなぁ」

女「二人で?」

妹「うん、お母さんが仕事でね、なかなか連れてってくれなくて。代わりに姉さんがよく連れてきてくれたの」

女「そっか、姉ちゃんは優しいね」

妹「うんっ!でも、何故か姉さんは恋愛映画ばっか観たがってね。結局は私の観たいものにしてくれるんだけど」

女「ふーん」

妹「私も恋愛映画は好きなほうだけど、姉妹で観ても仕方ないのにね」

女「そうだね…」

姉「!?」

姉「な、なんであんな暗い路地に…!?」

バッ、タッタッタッタッ!

姉「えっ…こ、ここって…」

姉「映画館…?」

妹「でもこんなとこに映画館があるなんて知らなかったな~」

女「何気にここの映画館は穴場なんだよ、上映数もそれなりだし」

妹「へぇ~」

女「妹ちゃんは何か観たいのとかあるかな?」

妹「う~ん、よく分かんないからお任せするよっ」

女「そっか。なら…これなんてどうかな?」

妹「どれどれっ、って、えっ!?」

女「今話題の恋愛映画なんだけど、ちょっと気になるんだよね」

妹「えっ!?でっでもこれって、こ、恋人同志とかで観るものでっ!」

女「駄目かな?」ジッ

妹「いっいやっ、絶対に駄目ってわけじゃない…けど!!」ドキッ

女「良かった。それじゃ観てみようよ。きっと面白いよっ」

妹「う、うん…」ドキドキ

姉「これ以上近付くとばれちゃうかな…」コソッ

姉「二人は何の映画を…」

姉「えっ…?」

姉「えっ…!?」

姉「な、何で!?あれって恋愛映画だよ…ね?」

姉「他にも面白そうな映画はやってるし…女の子が集団で観るならまだ分かるけど、二人きりなのに…」

姉「ほ、他のお客さんもそんな多くないみたいだし……入ったらさすがにバレちゃうかな…」

姉「で、でも…でも…!!」

妹「……(う、うわ~この映画、結構濃厚だよ~!)」

女「……」ジー

妹「(女ちゃんは真剣に観てるなぁ)」

妹「(女ちゃんって男子っぽいし、もしかして私たちって、カ、カップルに見えたりするのかな…!)」

妹「(で、でも女ちゃんはやっぱり女の子だしっ!それはいくらなんでもっ!)」

妹「(でもっ、でもっ!)」

ギュ

妹「!?」

妹「(えっ!?)」

妹「(てっ、手!?女ちゃんなんで手!?)」ドキドキ

妹「(ど、どうしよう、どうしよう!!)

よく見たら感情だけのところは「」いらなかったですね…。失敗しました…。

姉「……(二人の様子…よく分からないな)」

姉(けど、良かった。別に変なことはしてないみたい。これなら…)

姉(…!?)

姉(えっ、あれっ…?ちょっと待って…。あれって…。手繋いで…る…?)

姉(えっ…なんっ…えっ…?)

女「面白い映画だったね」

妹「う、うん…(映画どころじゃなかったよー!)」

女「次はどこ行こっか?」

妹「えっ、えっと。なんかお腹空いちゃったかも」

女「それじゃ、適当なとこ入って食べようか」

妹「うんっ」

姉「見間違い…だよね…?」

姉「女ちゃんから…手を繋いだように見えたけど…」

姉「そんなはずないよ…ね…?」

カフェ

女「ねぇ妹ちゃん」

妹「んっ?」モグモグ

女「妹ちゃんはさ、好きな人とかいるの?」

妹「ぶっ!?」ゴホッゴホ

女「あ、ご、ごめん」

妹「だ、大丈夫っ。ちょっと驚いただけだからっ。それで、えっと…」

女「好きな人、なんだけど」

妹「い、今はいないよっ!クラスの男子は下ネタしか言わないイモばっかだしっ、全然いないっ!」

女「そっか…じゃあさ」

姉「オシャレなカフェだなぁ…」

姉「……」

姉「もう少しマシな服着てくれば良かったかな…この服で入って怪しまれないかな…」

姉「えっと…女ちゃんと妹は……。あっいた…!」

女「私と付き合ってみない?」

妹「ー!?」ングッ!

女「あっ、大変!水、水!はいっ!」

ハシッ コクコクコク

妹「ぷはっ!い、いきなり何を…!!」

女「ごめんね、驚かせちゃって。それで、どうかな?」

妹「ど、どうって、そっそんなの駄目だよっ!お、女の子どうしだしっ!」

女「別に今じゃそんな珍しくないと思うよ?それにほら、私男っぽいし、ねっ?」

妹「で、でもっ、でもっ…」

女「返事はゆっくりでいいよ。私ね、実は昔から妹ちゃんのこと、好きだったんだよ?今日は姉ちゃんもいないし。妹ちゃんも大きくなったし、言っちゃった」

妹「…?なんでそこに姉さんが…」

女「姉ちゃんのガードは昔から鉄壁だったからね。今日も付いてくると思ったんだけど、何故か来なかったし」

妹「!」

女「まぁ付いて来たとしても、今日こそは言っちゃうつもりだったんだけどねっ」

妹「姉さん…」

姉「な、なんとか入れた…えっと、二人は…」

姉「…(何だか楽しそう…)」

姉(あれっ…?)

姉(妹…俯いちゃってる…?どうして…?)

姉(まさか女ちゃんから何か酷いこと言われたのかな…?も、もしそうなら…いくら女ちゃんでも…!)

姉(あ、あれっ…席を立って…こっちに来る!?ま、まずいよ…!ぼ、帽子を深く!うつ伏せに…!!)ガバッ

スタスタスタ パタパタパタ

女「あっ妹ちゃん、ちょっと忘れ物しちゃった、先出ててもらえるかな?」

妹「えっ、う、うん」

パタパタパタ キィ…カラン

姉(妹…外に出た…?女ちゃんは…?)

スタスタスタ ピタッ

女「姉ちゃん…。妹ちゃんは…いつまでも君だけのものじゃ…ないんだよ?」

スタスタスタ

姉「!?」ガバッ

キィ

姉「まっ、待って…!」バッ

カラン

もしまだ読んでくれている人がいたらごめんなさい。約8時間続けて画面と向き合ってたらさすがに疲れてしまいました…。しばらく休憩します。落ちたらすいません…。

姉「ただいま…」

妹「あっ!お、おかえり、姉さん。どこ行ってたの?」

姉「えっ…!あっ…ちょ、ちょっとそこの本屋まで…」

妹「そ、そっか」

姉「う、うん…」

食事中

姉「…」カチャカチャ

妹「…」モグ…モグ

姉「……(今日のこと…訊いちゃおうかな…)」

妹「…」モグ

姉「…(何も話して…くれないし…。女ちゃんの最後の言葉…)」

妹「ね、姉さん」

姉「えっ!うん、なに?」

妹「今日ね…。今日…」

姉「うん」ゴクリ

妹「女ちゃんから、好きだって…告白されたの」

姉「えっ…?」

姉「お、女ちゃんから…?」

妹「うん…」

姉「妹のこと…好きって…?」

妹「うん…」

姉「えっ…だって…」

妹「私もねっ、分かってるの。二人とも女の子だし、ちょっと、いや、だいぶ変かもって」

姉「……」

妹「でも、でもねっ。なんか女ちゃんといるとドキドキするの。今まで女の子と一緒にいても…ううん、男子といたってドキドキなんかしなかった」

姉「……」

妹「でもっでも、女ちゃんといるとドキドキするのっ!変なのっ!だから、だからっ!」

姉「……やだ」ガタッ

妹「えっ?」

姉「駄目…」ガシッ

妹「えっ、ちょ、ちょっと姉さ…ん?」

姉「駄目だよ…」ギュウ

妹「い、痛っ…!」

姉「妹は私の…」ドサッ

妹「や…」

姉「私のっ…!!」ガバッ

妹「うっ…うぅ…」ヒック

姉「あっ…」

妹「うぅ…痛…い…。痛い…よ…姉さん…」ヒック

姉「あ、そ、その、ご、ごめ…」サッ

妹「!?」ビクッ

姉「あ、あの、妹…わ、私…私…」

妹「…いで…」ボソッ

姉「えっ…?」

妹「近寄らないでっ!!」バッ

タッタッタッタッタ バタン

姉「……あっ…」

姉「妹…?」

姉「なん…で…?私は…ただ…妹のことが…大好きで…」

姉「何よりも…大切で…」

姉「ずっと…ずっと傍に居て…欲しくて…」

姉「誰にも…渡したく…なく…て…」

姉「そうだ……」

姉「女ちゃん…。女ちゃんさえ戻らなかったら…」

姉「女ちゃんさえ戻ってこなかったら…こんな…こんなことにはならなかった!!」

姉「私の気持ちを…!私の気持ちを妹に知られることもっ!」

姉「妹から…妹からあんなことを言われることもなかった!!」

姉「女ちゃんさえ…女ちゃんさえ…」

姉「ゆるさない…」

ごめんなさい。買い物頼まれちゃいました…。もし見ている方がいたらすいません。行ってきます。

姉「妹から…電話番号…。ちゃんと聞いておいて…よかった…ふふっ」ピピポパ

トゥルルルル-

女「はい、もしもし」

姉「もしもし…?女ちゃん…?」

女「その声は…姉ちゃん?」

姉「うん…ふふっ。あのね、これから、会えないかな…?」

女「えっ、でももうすぐ20時…」

姉「お願い」

女「……いいよ。でも今はちょっと無理だから、一時間くらいしてからでいい?」

姉「うん…ふふっ。全然いいよっ…」

女「場所は…?」

姉「昔よく遊んだ公園…分かるよね…?」

女「うん…」

姉「あそこにしよっ…ふふっ」

妹「姉さんに…酷いこと言っちゃったな…」ハァ

妹「色々なことがありすぎて、もう訳わかんない…」

妹「ちょっとだけ…寝ようかな…」

妹「……」

妹「……」スゥ

妹「んっ…ここは…どこ…だろ」

?「うぅ…うぇ…」ヒック

妹「…?あれって…」

幼妹「やめてよぉ…返してよぅ…」グスッグスッ

妹「幼い頃の…私…?」

悪童1「なんだこのぬいぐるみ、きもちわりー」

悪童2「ほんとだ、めんたま取れそうだよこれ、うわー」

幼妹「返してよぅ…返して…。ママからのプレゼント…返して…」ヒック

悪童1「やーだね!こんな汚いぬいぐるみ!川に捨ててきてやらぁ!」

悪童2「いいねそれ、いこーいこー」

幼妹「うくっ…うぅ…」グスッヒック

?「こらー!!」

妹「あ、あれは…」

幼姉「私の可愛い妹に、なにしてんだー!!」

妹「姉さん…」

悪童1「な、なんだよお前ー!」

幼姉「私はこの子のお姉ちゃんだ!文句あるか!!」

悪童2「なんだとこのー!ちょっと年上だからってえらそうにー!女でもて、てかげんしないぞー!」

幼姉「望むとこだ!妹を虐める奴は許さない!覚悟しろ!!」

悪童1「う、うりゃー!」

悪童2「おりゃー!」

幼姉「こいっ!!」

とりあえずこの板はすぐスレ落ちするようなことはない

ボコスカバカスカ

悪童1「ち、ちくしょー!おぼえてろブース!!」

悪童2「うっく…お、おぼえてろー!!」

幼姉「ふんっ!ざまあみろっ!」

妹「勝っちゃった…。小さい頃の姉さんはやんちゃだったんだなぁ」クスッ

>>61
ありがとう。ゆっくりやります。

幼妹「…」トテトテ キュ

妹「あっ…私…」

幼妹「お、おねえちゃん…だいじょうぶ…?」ウルッ

幼姉「うんっ、お姉ちゃんは大丈夫だよっ!はいっ!」スッ

幼妹「あっ…!ママの…ぬいぐるみっ…!」ギュ

幼姉「妹」

幼妹「?なぁに?」グスッ

幼姉「お姉ちゃんは、妹が大好き。ずっとずっと大好き」

幼妹「うん」グスッ

幼姉「だから妹を守ってあげる!ずっとずっと守ってあげる!」

幼妹「おねえちゃん…」ウルッ

幼姉「だからもう…泣かないで…?ねっ…?」

幼妹「う、うん…うんっ!」

妹「ね、姉さん…」グスッ

幼妹「わたしね、大きくなったら、おねえちゃんのおよめさんになるっ!」

幼姉「よしっ、なら私は妹のおむこさんだっ!約束だよっ!」

幼妹「うんっ!やくそくっ!」

ユービキーリゲーンマンウーソツーイターラハ-リセンボンノーマス

妹「姉さ…お姉ちゃん…」グスッ

ユービキッタ!

妹「お姉ちゃんっ!!」ガバッ

妹「あっ…ゆ、夢…?あっ…一時間くらい寝ちゃってたんだ…」

妹「どうして今頃…あんな…」

妹「……」

妹「姉さんに…謝ってこよう」

ガチャ キィ…バタン

妹「んっ?玄関を誰か…お母さん?」

妹「あ、あれは…姉さん?」

妹「こんな時間にどこに…」

公園

姉「女ちゃん…来てくれてありがとう…」

女「ん、まぁ暇だったしいいよ。それで、話があるんだよね?」

姉「うん…あのね、女ちゃん…。妹に…告白…したの…?」

女「うん、したよ。好きだって、はっきりとね」

姉「……っ!!」ギロッ

女「そんな怖い顔しないでよ姉ちゃん。私は真剣だよ?本気で妹ちゃんが好きなの。昔から好きだった。けど妹ちゃんの傍にはいつも邪魔な奴がいたんだ。いつも一定の範囲までしか妹ちゃんに触れさせてくれない。怖~いナイトがね?」

姉「……」

女「今私の目の前にいる…そう、君だよ。姉ちゃん」

妹「なんか胸騒ぎがする」

妹「姉さんを…行かせちゃいけない気がする…」

妹「追い掛けなきゃ…」

妹「追い掛けなきゃ!!」

姉「もう…分かった…」

女「なにが?」

姉「貴女はやっぱり害悪だった…。昔からね、そんな気はしてたの…。」

女「……」

姉「女の子なのに、どこか油断出来なかった…。私がいないとすぐ妹にベタベタしてた…」スッ

女「……!(包丁!?)」

姉「これ以上妹に近付かないで…。ここでそう私に約束して……さもないと……」

女「さもないと…?」ゴクッ

姉「私は今ここで…貴女を……殺すわ…」

す、睡魔が…。ごめんなさい、ほんの少しだけ寝ます…。

まさかまだ読んでくれている方がいたとは…。顔洗ったらちょっと目が醒めたんで、頑張ります。

妹「見失っちゃった…」

妹「ううん、まだこの辺りにいるかもっ!」

妹「早く…早く見付けなきゃ…!姉さんっ…!」

女「恐れ入ったね…まさかここまでするなんて」

姉「……」

女「ねぇ、姉ちゃん」

姉「……なに…?」

女「君は妹ちゃんのために…そうやって危ない物まで握ってるんだよね?」

姉「……」

女「妹ちゃんにとって、危険な存在を消すために…排除するために」

姉「そ、そうだよ…私は妹が一番大切で、心配でー!」

女「本当にそうかな?」

姉「……えっ…?」

姉「そ、それって…どういう…」

女「だってそうでしょ?妹ちゃんが一度だって…自分から、君に守ってってお願いした?」

姉「…!」

女「確かに妹ちゃんが本当に危ない目に遭った時、君は妹ちゃんを助けたかもしれない」

姉「あっ…」

女「でも別に妹ちゃんが危険な状況でなくても…いや寧ろ、妹ちゃんが良い環境に置かれていたとしても」

姉「や…」

女「君はわざわざでしゃばって、妹ちゃんの環境を壊したり…しなかったかい?」

姉「やめ…」

女「妹ちゃんと仲の良い娘と、距離を取らせるよう謀ったり」

姉「やめて…」

女「妹ちゃんに好意のある男児に嫌がらせ染みたことしたり」

姉「やめて、やめ…て…」

女「あ、あとは、休み時間の度に妹ちゃんのとこ行って、ずっと張り付いてたりーなんてのもあっー」

姉「やめてっ!!」

女「君が妹ちゃんのためと言っていることの半分は…。もしかしたらそれ以上が」

姉「あ…」

女「それらは妹ちゃんのためになるどころか、妹ちゃんを駄目にする」

姉「あああ…」

女「君が妹ちゃんを…駄目にするんだよ…」

姉「あああああああああああっ!!」

女「もし私が妹ちゃんを諦めたとしても」

姉「うるさい…」

女「けどまた他の誰かが、妹ちゃんを好きになったら?」

姉「うるさいうるさい…!」

女「君はその度に、そうやって包丁を持ち出すのかい?」

姉「うるさいうるさいうるさいうるさいっ!!」

姉「妹は私の宝物!一番大切な、自分より、他の誰より大切な!!私が妹を守ってあげるの!ずっと一緒にいてあげるの!!そう約束したの!!大好きなの!!」

女「……」

姉「渡さない…!妹は誰にも!誰にも渡さない…!!」ダッ!

女(やばい!)

姉「あああああああああああああああああああああああああっ…!!」

妹「駄目っ!お姉ちゃんっ!!」

ピタッ…

姉「……えっ?」

女「妹ちゃん…?」

姉「妹…?なんで…なん…」

妹「お姉ちゃんっ!!」ガバッ!

姉「妹…?」

妹「ごめんねっ…ごめん…ねっ……お姉ちゃんっ、ごめんね…」ヒック

姉「……」

妹「お姉ちゃんはいつも…いつも私を一番に…考えてくれてた…のに…。いつもいつもっ私のことを一番に…愛して…くれてたのに…」グスッ

姉「妹…」

妹「ごめんないお姉ちゃん…ごめんなさい……。大好き……。お姉ちゃん…大好き…だよっ…」グスッグスッ

姉「妹…妹…。うん…うん…ごめん…ね…?お姉ちゃんも…妹が大好き…大好き…だよっ…」グスッ

数分後

姉「ごめんね…女ちゃん…。私…これ…犯罪だよね…」

妹「……」

女「はぁ…もういいよっ、私もちょっと言い過ぎたし」

姉「でもっ…!」

女「いいからっ」

妹「ありがとう、女ちゃん…」

女「いやねっ、ああも…お熱いのを見せ付けられちゃね…なんかもういいやっ」

姉&妹「……」カァ

女「まぁでも一応訊いとこうかな。妹ちゃんあの時の返事は…」

姉「!」

妹「……」

妹「お断りしますっ!」

女「だよねぇ…」ハァ

妹「うんっ!だって!」ダキッ

姉「えっ!えっ!?」

妹「私はお姉ちゃんの…お嫁さんだもんっ!!」

わたしね、大きくなったら、おねえちゃんのおよめさんになるっ!

よしっ、なら私は妹のおむこさんだっ!約束だよっ!

うんっ!
やくそくっ!

fin

ここまで駄文をつらつらと書いてきましたが、読んで下さった方々、ありがとうございました。
このお話はこれにて一旦幕を引きますが、この姉妹はこれからも、幸せに暮らしていくことでしょう。
ありがとうございました。

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