弟「また別れたのか」姉「うるさいなー」 (36)

弟「高3になってから、これで何度目だよ」

姉「2回目だよ。弟が言うほど多いとは思わないけど」

弟「いま何月か言ってみろ」

姉「5月だけど、どうしたの?」

弟「たった一ヶ月で2回も別れるのは異常だろ」

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姉「高校生っていうのは出会いと別れを繰り返して成長していく生き物なの」

弟「だとしても、そのスパンが早すぎるんだよ。お前は蝉か」

姉「ミーンミーンミンミン」

弟「……あ?」

姉「蝉って言うから真似してあげたの」

弟「皮肉って言葉知ってるか?」

弟「なんで、姉ちゃんって無駄にモテるんだろうな。俺からすればただの馬鹿な女なんだけどなぁ……」

姉「なんだとーどこが馬鹿だ!」

弟「すぐそうやってムキになるところだよ」

姉「そこまで言うなら、私も言わせてもらうけどさ」

弟「なんだよ」

姉「女性の部屋にノックもせずに入ってくるのはどうかと思うなあ」

弟「別に構わないだろ。家族なんだし」

姉「もし、別れた寂しさを一人で慰めていたらどうするつもりだったの?」

弟「水をぶっかけて正気に戻してやるよ」

姉「えっ……普通、ラッキースケベに遭遇したら、男子高校生は前かがみになりながら、その景色を一生忘れないように脳に焼き付けて、『やったー! これで一生オカズに困らないぞー』って狂喜乱舞しながら手汗でびっしょりの右手でしこしこしちゃうもんじゃないの?」

弟「馬鹿だ。世界一の馬鹿だ。知ってたけど」

姉「もしかしてその……」

弟「なんか嫌な予感がするな」

姉「不能……なの?」

弟「おめでとう。お前は銀河一の馬鹿だ」

姉「違うの?」

弟「当たり前だろ」

姉「なーんだ。今だって、私はTシャツ着てるけど下はパンツ一枚なのに、平然としているから、そういうことなのかと思った」

弟「姉ちゃんのパンツなんて『ぬののふく』みたいなもんだろ」

姉「どういうこと?」

弟「大した価値はないってことさ」

姉「なんだとー!?」

弟「家にいるときはいつもその格好だろ」

姉「うん。すっごい楽なんだよね」

弟「だから見慣れたんだよ。ドラクエの初期装備みたいにな」

姉「ちょっと何言っているのかわからないです」

姉「まあ、でも、弟が不能なはずがないよね。毎日、エッチな動画見てるし」

弟「えっ」

姉「『妹が毎日エッチな誘惑してくる』だっけ。本当に好きだよね。昨日も一昨日も見ていたし」

弟「……」

姉「あ、なるほど。『姉』よりも『妹』が好きなだから、私に欲情しないってことなのか」

弟「いや……家族だからだよ」

姉「でも『妹』は好きなんでしょ? 」

弟「ち、違う! 女優さんが好きなんだよ!」

姉「あー、ああいうロリロリな子がタイプなんだね。そういえば、Twitterでもロリっ子の絵をいつもいいねしてるし」

弟「悪かった。もう許してくれ……」

弟「俺はもう寝る……」

姉「あーい。しっかり休みなよ」

弟「姉ちゃんもな」

姉「ねえ、弟」

弟「ん?」

姉「励ましてくれてありがとう」

弟「……何の話かわからねえなあ」

翌日 朝
姉「昨夜はお楽しみでしたね!」

弟「し、してねえよ!」

姉「うーん。冗談だったんだけどなあ」

弟「こいつ……!」

姉「高校生なんて猿みたいなもんだから、我慢することないと思うよ?」

弟「あんな話をされた後にしてたら、もはや姉ちゃんに見られたいだけの変態じゃねえかよ」

姉「さすが姉弟だね!」

弟「俺は変態じゃねえよ!」

姉「でも、ロリコンではある、と」

弟「姉ちゃん!」

姉「むふふ。じゃあ、行ってきまーす!」

弟「ったく……」

昼 教室
姉「友―、ご飯食べよ」

姉友「あれ? 彼氏はどうしたの?」

姉「それがさー、別れちゃったんだよねー」

姉友「え!? 二週間前に付き合ったばっかりじゃん!」

姉「求めてるものが違ったんだよね。どうして、男って身体を欲しがるんだろ」

姉友「それは姉にも問題あるんじゃない? 平気で下ネタを話したりするから、男子もそういう目で見てきて、姉なら簡単にさせてくれそうって勘違いするの」

姉「えー、でも私、処女だよ?」

姉友「なら、処女の振る舞いしなさいよ。耳年増が」

姉友「まあ、姉が全て悪いとは言わないけど、相手にそうさせてる面があることは理解しなさい。相手に求めていることがあるなら、そうしてもらえるように努力なさい」

姉「わかったよぉ……」

姉友「そういえば、姉は相手に何を求めていたの?」

姉「さあ、なんでしょう?」

姉友「どーせ、くだらないことでしょ」

姉「あははー。そうかもしれないね。……でも、これ以外に付き合う理由がないんだよね」

姉友「……姉?」

姉「どうしたの、友?」

姉友「え、あれ……」

姉友(いま、すごく寂しそうな表情していたような)

姉「なんだ、なんだー? 私に惚れちゃった? そっちの気はないんだけど、友ならありかなー」

姉友「……見間違いかな」

姉「なにさ、じっと見つめて。もしかして、そういうプレイ? もう友たら……」

姉友「はいはい……」

夜 姉の部屋
弟「おい! 姉ちゃん!」

姉「まーた、ノックしないで入ってきて……」

弟「なんだ、これは!」

姉「……女性用の下着だね。どうして、弟が持っているの?」

弟「着替えようと思ってクローゼット開けたら入ってたんだよ! 姉ちゃんがやったんだろ! 『ぬののふく』への仕返しのつもりか!?」

姉「女性の下着をよく堂々と持てるね」

弟「だから、俺にとっては『ぬののふく』みたいなもんなんだよ!」

姉「それ、お母さんの」

弟「……あ?」

母「あなた達、なに騒いでるの……あら?」

姉「ねえ、お母さん。弟が握りしめているのはお母さんの下着だよね」

母「ええ。それは私の下着。それも勝負下着ね」

弟「!!!!!?」バッ

姉「お母さんも若いねー。フリフリの下着なんてさ」

母「若さを保つにはまず下着から、よ」

姉「勉強になるなあ!」

母「どうしたの、弟? 真っ青な顔して」

弟「か、か、母ちゃんの下着……」

姉「あれれー? どうしたのかな? 私の下着は『ぬののふく』みたいなものだって豪語してたのに」

母「へえ……なら、その反応だと私の下着は『ゾンビメイル』ってことかしら」

弟「ひぃぃぃぃぃぃぃ」

1時間後
弟「くそ……なんで俺だけが叱られるんだ……」

姉「あんな反応したら、そりゃ怒られるよ」

弟「事の発端は姉ちゃんがあんなところに置いたからだろ!」

姉「おや? 私が置いた証拠はあるのかな? あるというのなら是非見せてもらいたいものだね!」

弟「真犯人のセリフじゃねえか……」

姉「でも、これで弟が家族の下着にもちゃんと反応する健全な男の子であることは証明できたね!」

弟「拒絶反応だけどな」

姉「つまり! 弟は私の下着姿に欲情するシスコンである! はい、論破!」

弟「されてねえよ。超理論で論破しようとすんな」

姉「この理論がわからないなんて……進級できないよ?」

弟「そんな問題をテストに出してくるなら、こっちから退学してやるよ」

姉「お母さんは無理で私は大丈夫って理屈の方がおかしいと思うけどなあ」

弟「なら聞くが、姉ちゃんは親父のパンツを触れるのかよ」

姉「はっ?」

弟「……」ビクッ

姉「なんてね。冗談だよ、冗談」

弟(嘘つけ……目がマジだったじゃねえか……)

弟「もういいや、なんでも……」

姉「遂に認めたね! 正直者の君には私のパンツを授けよう!」

弟「いらねえよ!」

姉「いいの? 生脱ぎのサービス付きだよ?」

弟「羞恥心ってもんがないのかよ……」

姉「なら、仕方ない。代わりにプリン買ってあげるから、一緒にコンビニ行こ」

弟「……一番高いやつな」

姉「いいよ。お詫びに買ってあげる」

弟「お詫びって……やっぱり姉ちゃんだったのかよ!」

翌日 昼 弟の部屋
姉「あのさー」

弟「な、なんだよ! 急に入ってくるなよ!」

姉「もしかして、しこしこしてた?」

弟「してるか! まだ昼だぞ!」

姉「男子高校生に昼も夜も関係ない! 常時発情中!」

弟「それはお前だろ……」

姉「そんなことないよ。排卵日の前後にムラムラするくらいかな」

弟「リアルな答えは求めてねえんだよ」

弟「で、何の用?」

姉「これから一緒にビデオ見ない?」

弟「どうせ、AVとかだろ。絶対に嫌だね」

姉「違うってば。何が悲しくて、姉弟でAV鑑賞しないといけないの」

弟「姉ちゃんなら提案しかねないだろ」

姉「際どいシーンあるけど、ただの映画だよ」

弟「なんだ。それなら構わないよ」

姉「ありがとー!」



2時間後
姉「いやー! 面白かったねー!」

弟「ホラー映画見て、よく笑っていられるな……」

姉「私は映画の内容で笑っているわけじゃないよ? 弟の反応が面白いからさー」

弟「うるせえ!」

姉「何かある度にビクビクしちゃって。普段はオラオラしているけど、根は小心者だからねー」

弟「ホラーは驚かせたり怖がらせるものなんだよ。だから、俺の反応は普通だ!」

姉「あっ!」

弟「!!?」ビクッ

姉「もうこんな時間なんだ。バイト行く準備しなきゃ」

弟「……」

夜 コンビニ前
姉「あれれー? 珍しい人がいるー」

弟「毎日顔合わせてるだろうが」

姉「ここにいるのが珍しいって意味なことくらいわかってるくせに。弟ってさあ、都合が悪くなると馬鹿な振りするよね」

弟「……アイスを買いに来たんだよ」

姉「徒歩5分のところにコンビニがあるのに、わざわざ自転車に乗ってこんな遠くのコンビニにどうして来たの?」

弟「それはだな……」

姉「限定商品があるとか?」

弟「そ、そうなんだよ」

姉「いや、違うでしょ」

弟「……」

姉「そこは素直に『迎えに来たんだよ』ってイケメンボイスで囁かないとダメでしょ」

弟「そんなことできるか!」

姉「できるできないじゃなくて、やらなきゃいけない!」

弟「なんでだよ!?」

姉「いいから、言ってみなさい。私が採点してあげるから!」

弟「いーやーだ!」

姉「男のパソコンに隠されているえちちな画像をお母さんに見せてもいいの?」

弟「ごめんなさい言いますからそれだけは勘弁してください」

姉「さあ、張り切ってどうぞ!」

弟「むかえにきたんだよー」

姉「この大根役者! それで相手の心を動かせると思っているのか! もう一回!」

弟「む……迎えに、来たんだよ……」

姉「ダメダメ! まだ恥じらいがある! そんなことじゃ舞台に立てないぞ!」

弟「お前は演出家かよ」

姉「まったく……女の子を喜ばせるセリフを軽く言えるようにならないと、彼女なんてできないよ」

弟「……姉ちゃんはそういうこと言われると嬉しいのか?」

姉「私? 無理無理。そんな少女漫画で使い古されたようなセリフ、リアルに言われたら笑っちゃうもん」

弟「じゃあ、なんで俺に言わせたんだよ!」

姉「面白そうだったから」ドーン

弟「あ、そう……」

帰り道
弟「なんで、歩いて帰るんだよ……」

姉「んー、ゆっくり歩きたい気分なんだよね」

弟「なにダイエットでもしてんの?」

姉「うっわ……宇宙一の馬鹿だ」

弟「なんでだよ!?」

姉「なんでこう……どうでもいいところは気が回るのに、大事なところは鈍いのかなあ」

弟「な、なんだよ……」

姉「ズバリ言います! 今日、迎えに来てくれたのは、別れて傷心している私を心配してくれたんでしょ?」

弟「……」

姉「でもね、残念なことに私はそこまで落ち込んでないのだよ。だから、心配してくれたのは嬉しいけど、そんなに気にしなくていいの」

弟「姉ちゃん……」

姉「なのに!!!」

弟「うわっ! 突然、大声出すなよ!」

姉「なぜ、私が歩いて帰りたいのかわからないんだー! そこが一番重要でしょ!!」

弟「……ダメだ……わからねえ……」

姉「そのほうが弟らしいよ」

家 弟の部屋
姉「お風呂あがったよー。弟も入りなよ」

弟「……」

姉「おーい。どうしたのー?」

弟「Zzz……」

姉(なーんだ。寝ちゃったのか)

姉(今日はびっくりしたな。突然、迎えにきたりするから)

姉(ずるいよ。そんなことされたら、期待しちゃうじゃん)

姉(もしかしたら、私のこと好きなのかな、って)

姉(……そんなことあるはずないけど)

姉(誰かと付き合えば、弟のことを忘れさせてくれるんじゃないかって期待していたけど、どんな場所にいても、何をしていても、どうしても弟の顔が浮かんできちゃうんだよね)

姉(もうダメなんだろうな……きっと、弟へのこの恋心は消えることはないんだ)

姉(私が告白したら弟はどうするんだろう……もしかして、OKしてもらえたりするのかな)

姉(……なんてね。私たちは姉弟で家族なんだから。そんなことあるわけない。この気持ちは私の中で誰にも伝えずに抱えていかなきゃいけないんだ)

弟「Zzz……」

姉(私の気持ちも知らないで、幸せそうな顔で寝てるんじゃないわよ)

姉「……ばーか」ナデナデ

以上です。ありがとうございました。

ここで終わりかあ…
おつでした

>>31
ありがとうございます!
これ以上続けたとしても、きっとこのエンドになってしまうので……ここで一区切りかな、と

お姉ちゃん寝取られレ⚪プされるまで行こうよ

>>33
それ、需要あるの……?

おつ

>>35
ありがとうございます! また次回投稿した際もよろしくです!

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