凛「凛のS2000は最強にゃ!」 (48)
~青梅市某所~
ブオォォ!! ブォブォ!
凛「やっぱり凛のS2000は最強にゃ!よれよれのトレノ86なんて相手にならないにゃ~」
ブォ-----ン↓
凛「ふぅ。きょうはもう流してけぇるかにゃ~」
海未(あのS2000。猫のように野性味と優雅さを兼ね備えた走り。)
海未(センスを感じますね。手合わせ願いたいですがどうでしょうか。)
…
…クグォオ!
凛「煽りが来た!?新しい遊び相手かにゃ??ふん、相手してやるにゃ!」
海未「ふむ。S2000は相手になってくれそうですね。ジムニー、行きますよ!山頂アタックです!!」
凛「なっ!?あのゴツゴツした車体はジムニーかにゃ!?」
凛「ここはお前のフィールドじゃない、ついてこれるわけないよ。まあいいにゃ、遊んでやるにゃ。」
ブォォォ!! クゴォォ!!
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ゴォォォォ!…
海未「今は喰らいつくしかないですね。直線では勝ち目がありません。耐えましょう。」
凛「あのジムニーしぶといにゃ!ライン取りが異常なまでに合理的にゃ。」
凛「高い車体がバランスを崩す直前の速度でギリギリのところを走ってるにゃ。」
海未「そろそろチャンスが回ってきそうですね。ジムニー行きますよ!」
凛「まあそれももう終わりだね。このカーブを抜けた直線!ここでケリをつけてあげるにゃ!!」
プゥォォォォン!!!
海未「今です!!ジムニー!!捨て身で走りなさい!!!」
ブォォォ\クゴォォ!!!/ ォォォォ!!
凛「な!!!ジムニーが真横に!?一体どうやったにゃ!?しかもドライバーは綺麗な長髪の女の子にゃ!」
海未「よくやりましたよ、ジムニー。さあ次です!」
凛「考えるのはあとにゃ!次のカーブ、凛がインをキープして抜けた後に一気にちぎってゴールすればいいよね!」
海未「ジムニー、もう一度ですっ!!」
ギャリギャリギャリ!!
凛(……あり得ない!!そんな速度で突っ込んだらジムニーは簡単に横倒しになるにゃ!…はっ!)
海未(そうです!車体はイン側に向かって倒れこみますが、浮いたタイヤは遠心力によってアウト側のガードレールに押し付けらます!)
凛(…!駆動力を取り戻したジムニーが態勢を立て直し、S2000の立ち上がりを待たずにスピードを維持したまま直線に入り、、、、)
ゴォォォォォ!!!
海未「私の勝ちですね。」
…ブォン↓
凛「………負けた。しかもあり得ない負け方。女の子に。(ドアガチャ」
海未「おっと、顔を見られるわけにはいきません。また会いましょう、さらば!」
ゴォォォォォ………
~翌日・学校
花陽「どうしたの凛ちゃん?今日は元気がないみたいだけど大丈夫?」
凛「大丈夫にゃ。心配してくれてありがとうかよちん。」
花陽「あ、あれ?花陽何か悪いことしちゃったかな…?ご、ごめんね凛ちゃん!(オロオロ」
凛「……………(あんなの、あり得ないにゃ。)」
ドア「ガチャバタン。」
真姫「出て行っちゃったわね。」
花陽「私のせいかな!?真姫ちゃ~ん、ドウジヨォォォォ泣」
凛(自分のセンスに絶対の自信を持ってたけど、あんなの見せられると…。)
海未「おや凛。いつものような快活さが見られませんね?どうしました?」
絵里「そういう海未はいつもより生き生きしてるわね?」
海未「はい!昨日ちょっとした勝負事がありまして。」
凛(びくっ)
絵里「勝ったってわけね。」
海未「僭越ながら、そうですね。」
海未「凛も理由はわかりませんが、落ち込んでいるときは一度全て忘れて勝負事に打ち込んでみるのも良いかも知れませんよ?」
海未「的外れでしたら申し訳ないですが。」
凛「…ありがと海未ちゃん。(的外れにもほどがあるよ。まさに勝負事に負けたんだから)」
絵里「…それじゃ凛、生徒会の仕事を監督してあげないといけないから私と海未は行くわね?何かあったら相談するのよ?」
凛「…絵里ちゃんもありがと。また放課後ね。」
生徒会室
穂乃果「おっ、海未ちゃんと強力助っ人の絵里ちゃんのお出ましだよ!」
ことり「絵里ちゃん、わざわざありがとう~」
絵里「いいのよ。わたしもあなたたちに任せっきりだと少し心配だしね。」
穂乃果「そんなこと言って穂乃果たちと一緒に遊びたいだけなんじゃな~い?」
絵里「こら穂乃果~!!助っ人をからかうな~!!」ドテン!!
ことり「絵里ちゃんっ!大丈夫~??」
絵里「大丈夫、少し躓いてバランスを崩しただけよ~」
海未(本当にそうでしょうか?右足が少し痙攣していたのと、バランスを崩す瞬間に左手が何かを棒状のものを握ろうとするような動きをしたのを見逃しませんでしたよ。…絵里?)
絵里(昨日の疲れで右足に力が入らないわね…走りすぎちゃったかしら)
昨晩・首都高速都心環状線
シュゴォォォ!!
絵里「当たり前だけどロシア車は走ってないわね。…わたしのこのВолга以外には。」
シュゴゥォォォォゥ!!!!
絵里「このВолгаはGAZ3102という型式の特殊なモデルで、驚くべきことに210馬力を発生する3ローター(!?)を搭載しているわ。」
絵里「全長はほぼ5mで全幅は1800㎜、重量も1.8tある大型の重厚なセダンよ。警察車両や旧ソビエトの高級官僚専用車両としても使われたわ。」
絵里「首都高を気持ちよくクルージングするのには最適な車両ね!」
…
クォォォォォォン!!
ことり「真姫ちゃん、速過ぎだよぉ~追いつけるわけないじゃん…しょうがないから今日は流して帰ろう…」
ゴォォォォォ!!
絵里「前のあの車、いいサウンドね。………あれって、RX8!? 夢のロータリー対決だわ!」
シュゴゥゥイゥゥン!!
ことり「!? 後ろから来るあの車はなに?始めて見る車だけど楽しませてくれそう♪」
絵里「さすがにRX8は加速がスムーズね。」
ことり「見たことない車。すぐ後ろにつけられているけどメーカーすらわからないよ」
絵里「さあさあRX8はこんなもんじゃないでしょ?もっと見せてみなさいよ!」
シュグオォォォ!!
ことり「随分大柄なセダンだけどよくついてくるね♪でもとりあえずは様子見かな♪」
絵里「舐められてるわねぇ。それならこっちから行くわっ!」
シュゴゥォォォォゥッ
…
真姫「ことりがついてこなくなったわね。もう、何してるのかしら?」
真姫「仕方がないから一周するかしらね?」
ことり「あれあれ、このセダン仕掛けてくるつもりなのかな?」
シゴォォォ!!
絵里「つれないわねえー。もっと煽りましょうか!」
ことり「むむっ、鬱陶しいなあ。セダンの分際でピュアスポーツであるRX8にまとわりついてきちゃって~」
プォォォン!!
真姫「ことりを見つけたわ!って煽られてるじゃない?」
ことり「あ、真姫ちゃんのフェラーリが後方から!もう周回しちゃったんだ~」
真姫「ことり、古臭いセダンに構ってる暇はないわよ。飛ばすわ!」
プォォォォン!!
ことり「セダンさん、真姫ちゃんのお眼鏡には適わなかったみたいですね♪さよなら♪」
ブウォオオォン!!
絵里「…ハラショー。いきなりフェラーリカリフォルニアが走り抜けていったと思ってたらRX8もついて行っちゃったわね…。」
絵里「全然本気じゃなかったんだわ。認められない…。」
再び生徒会室
絵里(その後昨日は結局4時まで探したけどもう2台とも見つからなかった…。疲れが残っていてもおかしくないわ)
ことり(昨日のセダン、結局どこのメーカーのどんな車だったんだろう?わたしのエイトにやけに執着があるみたいだったけど…)
海未「さて、絵里も落ち着いてみたいですし仕事に取り掛かりましょうか。」
穂乃果「え~もうちょっと休憩した方がいいんじゃな~い?」
海未「駄目です!昼休み中にこの書類を片付けないといけないんですから!」ドンッ!
穂乃果「海未ちゃんのけち!ことりちゃ~んも言ってやってよ~!」
ことり「穂乃果ちゃん、終わったら近所のパン屋で買ってきた新作パンあげるからがんばろ!はい、まずこのプリントから」ピラッ
穂乃果「やったーことりちゃん大好き!穂乃果、頑張っちゃう!!」
海未・絵里(やれやれ)
穂乃果「あれ?このプリント、お台場での社会科見学について?」
海未「そうですね。商業施設やテーマパークに加え、倉庫も多いので仕入れから小売りまでの一連の流れを学習できる上、遠足要素もありますしね。」
海未「それが何か?」
穂乃果「んーん、楽しそうだなーって!(お台場か、昨日希ちゃんと大暴れした所だね!)」
前日夕刻・お台場某所
ギュォォォォォ!!
穂乃果「希ちゃん!!これヤバいって!!止めて止めて!!!」
希「こーら穂乃果ちゃん、目閉じてないでよく見とかんかい!これが立体駐車場ドリフトや!!」
ギュルルル!!
穂乃果「ひーっ!!ぶつかるぶつかるぶつかるーっ!!!」
希「なんや穂乃果ちゃん、インプレッサ乗りやからこれぐらいは序の口や思うとったんに、ビビりまくりやん」
穂乃果「穂乃果は峠専門だから!!!って早く止めてよ~!!!」
ギュルルルシュシュゥゥゥ!!
希「はい、止めたで」
穂乃果「あわわわ!…テールスライド縦列駐車で停めちゃったよ…」
希「どうや?ウチのマスタングの乗り心地は?」
穂乃果「さすがじゃじゃ馬だけあって、なかなかクレイジー…」
希「そうやろ?4.0ℓV6の生む余裕あるトルク、ドリフトに活かさなもったいないやん?」
穂乃果「ハイパワーアメ車でドリフトとか時代遅れだよね…」ボソッ
希「なんやて???ワシワシされたいん?」
穂乃果「ひっ!何でもありません…」
希「まあええわ。さて、次は穂乃果ちゃんのインプレッサに乗って練習やで!」
穂乃果(希ちゃんを助手席に乗せるのなんか怖いなあ…)
ブォオン!
穂乃果「今日は特別なパーツでFR化した涙目インプレッサちゃんに乗るよ!」
希「ドリフトやからな!ほな、まずは立体駐車場だと危ないから出ましょうか!」
穂乃果「はーい!じゃあこの螺旋スロープを下まで降りればいいんだよね?」
ブルゥォンンン!!
希「ありゃ!穂乃果ちゃん、リア滑っとるで!」
穂乃果「うわあ!4WDのときはアンダーだから癖で切りすぎちゃった!」
ブルゥンブルゥンブルゥン!!
希「お!ええやん!螺旋スロープをドリフトでくだっとるで♪」
穂乃果「ひぇぇぇぇぇ!!」
…
穂乃果「無事降りられました…」
希「穂乃果ちゃん、才能あるなあ」
穂乃果「インプレッサがすごいんだよ!」
希「特にドリフトに必須の荷重移動はすごい上手やったで!」
穂乃果「和菓子の配達のおかげかな?」
穂乃果「和菓子って鮮度が大切な上にデリケートで型崩れしやすいから、配達の時はスピード感と滑らかなブレーキングの両立が必要なんだよね」
希「なにも突っ込むまい。」
穂乃果「空き地で一通りドリフトの練習して帰ろっか!目指せ!打倒ツバサちゃん!」
希「そうやな!」
ブォォォン!!
再び翌日の音ノ木坂・1年生教室
花陽「ねえ真姫ちゃん、ちょっと変な質問なんだけど…」チョイチョイ
真姫「なあに花陽?また凛のこと?あなたそればっかりね」ハァ
花陽「チガウヨッ! この前にこちゃんが言ってたんだけどさ、」
真姫「あら、にこちゃんの話?聞いてあげなくもないわよ」
花陽「(ツンデレだなあ)アイドルたるもの、車にも詳しくないといけないのかな?」
真姫「ヴぇぇ?車って、唐突ね。ちょっと説明してよ」
花陽「にこちゃん曰く『男は車が好きでしょ?でも女はそうでもないわね?ってことは車に詳しい女は話のわかる希少な存在ってわけよ!アイドルたるもの、希少性を追求しないといけないわ!』って…」
真姫「にこちゃんらしい滅茶苦茶な物言いね。希少であればいいってわけじゃないでしょ。」
花陽「わたしもそう思うけど、GTレースにアイドルコンテンツが参戦している状況や痛車の流行を見るに、意外とアイドルと車の親和性は高いのかなって…」
真姫「ふむ、一理あるわね。でもだからと言ってどうするの?まさかレースに参戦でもするわけ?」
花陽(い、言えない…にこちゃんがそのまさかを考えていたなんて)
真姫「はぁ、図星ね?にこちゃんったら真面目にアイドルやる気あるのかしら?」
花陽「やる気はあるんじゃないかな…?ちょっと変な方向に向かってるかも知れないけど」
真姫「ちょっとどころじゃないわよ!で、花陽はどう思うの?」
花陽(昨晩あんなことがあったからなあ…)
前日夜 青梅市某所
キュワウゥン! キュルルルル!
にこ「って感じでここで素早くカウンターステアを当ててやるわけよ!」
花陽「ふぇぇ~すごいね~にこちゃん!」
にこ「ふんっ!アイドルたるもの、ドリフトも魅力的じゃなくちゃね!」
花陽「にこちゃん、いつもスベりまくりだから流石に上手だね!」
にこ「…ここでおろすわよ花陽。」
花陽「あっ!にこちゃん!あの車もドリフトしてるよ!」
にこ「こら誤魔化すなっ!まあいいわ、追いかけるわよ~!」
凛「ふんふんふ~ん♪この峠で凛に勝てるやつはもういないにゃ!」
キュォォン!
凛「おおっ?後ろからなんか来るにゃ!」
にこ「あれはS2000ね。まともにやって勝てる相手じゃないけど、こちらが唯一勝る軽さを活かして詰めていくわよ!」
花陽「なるほど!にこちゃんのボディも身軽だもんね!」
にこ「それって褒めてるのかしら…」
キュルルルル!
凛「おっ!なかなかいいドリフトする86だにゃ~」
凛「でもなんかコース取りがもったいない気が…」
花陽「にこちゃん?だんだん離されていってない…?もっとアウトインアウトで走ったらいいんじゃ…?」
にこ「黙ってみてなさい!」
にこ「にここそがセンター!王道を征かせてもらうわ!!」
花陽「道の真ん中を走ってるだけだけど、なぜか野獣の風格が感じられる…」
花陽「って全然ダメじゃんにこちゃん!もう前の車見えないよ!」
アァン↑オォン↑
凛「やっぱり凛のS2000は最強にゃ!よれよれのトレノ86なんて相手にならないにゃ~」
にこ「まあこういうこともあるわ。気を取り直して、次は花陽!運転してみなさい!」
花陽「ハナヨモウンテンシチャウノ”~!?」
にこ「当然でしょ!さ、こっち来て!」
…
花陽「うう…ダレカタスケテ~」
にこ「さ、ぐだぐだ言ってないでハンドル握りなさい」ガシッ
花陽「あっ……………」ニギ
花陽「…………おとなしくしてればさっきから指図ばっかり……!花陽が見せてあげる、ほんとの峠走りってやつをね……!」
グォォォンン!!
にこ「ちょっアンタ!なにロケットスタート決めてんのよ!ってか人格変わってるし!」
あんじゅ「あの車、おもしろそうじゃない♪どうする?」
ツバサ「わたしが行くわ。あんじゅも乗って」
ズォォン…!
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