八幡「俺は……本物が欲」結衣「へ」ヘックション! (34)

結衣「」ヘクション! ヘックション!

八幡「」

雪乃「…………」


結衣「ご、ごめん、ヒッキー……。なんかさっきから鼻がムズムズしてて……ふぃ」フィクション!

八幡「お、おう……」

雪乃「…………」

八幡(あれ? 今、フィクションってくしゃみで言ったよな……?)

雪乃(……今、フィクションっていう風にくしゃみが聞こえた気が……)

結衣「ふぃ……」フィクション!!

八幡「…………」

雪乃「…………」

八幡「……このくしゃみは、実在の人物、団体には一切関わりがありません……」ボソッ

雪乃「っ……!」ブフッ!! ←ちょっとツボに入った

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結衣「何だろ、止まんない……ふぃ」フィクション!

結衣「」フィクション! セクション!!


八幡(……何で普通に『はっくしょん!』とかじゃないんだよ。しかも、今度はセクションって聞こえたぞ)

雪乃(今、セクションって……)プルプル (笑いを堪える)

八幡「進化するくしゃみ……エボリューション!!」ボソッ

雪乃「っ……!」プルプル ←ツボに入った


結衣「あー、もう、本当に止まんなくて……ふぁ」ファンクション!

結衣「」ファンクション! ジャンクション!!

八幡「…………」

雪乃「…………」プルプル (笑いを堪えている)

八幡「僕の鼻水を飲みなよ……ポーション!!」ボソッ

雪乃「」ブフッ!! (吹き出す)

結衣「あー……やっと収まった」フゥ

八幡「……そうか」

雪乃「っ……」プルプル (必死で笑いを堪えてる)


結衣「ヒッキー、ホントにごめんね。話、遮っちゃって」

八幡「いや、別に……お前が悪い訳じゃないし」

結衣「それで、ヒッキー。本物が……何だったの?」

八幡「え」

雪乃「」ブフッ!! (吹き出す)

八幡「いや……その」

結衣「……うん」 ←真剣

雪乃「え、ええ……」プルプル ←真剣だけど、笑いも我慢してる


八幡「俺は……本物が欲」

プルルル、プルルル

結衣「あ、ごめん! 着信が!」

八幡「え」


雪乃「」ブフッ!! (吹き出す)

結衣「ちょ、ちょっと待ってね、ヒッキー! すぐに電源切るから!」アセアセ

八幡「いや……電話なら出た方が……」

結衣「そんなの駄目だよ! 今はヒッキーがスゴく大事な話してるんだから! そんな時に電話なんか出来ない!」

八幡「……あー。でも、もう俺の話はいいかなって……」 ←なんかもう、どうでも良くなってきた

結衣「駄目だよ! だって、ヒッキー、さっき涙を流してたもん! スゴく大事な話だったんでしょ!?」

八幡「……それは……確かにそうなんだが」

結衣「だから、電話なんか全部後回しに……ふぁ」ファンデーション!

雪乃「」ブフッ!! (吹き出す)


八幡「あー……えっと」

結衣「」ピッ、ピッ

結衣「これで良し。本当にごめんね、ヒッキー!」

八幡「……おう」

雪乃「」プルプル (ずっと笑いを我慢中)


結衣「じゃあ、ヒッキー、いいよ。続けて。本物が……何だったの?」

八幡「あー……その……」

結衣「……うん」 ←真剣

雪乃「」プルプル ←もうそれどころじゃない


八幡「だから……俺は本物が」

結衣「」グー (腹の音)

雪乃「」ブフッ!! (吹き出す)

八幡「…………」

結衣「あ、えと、あ、あの!/////」カァァァァ

結衣「ご、ごめん!/// あのね、きょ、今日ご飯を朝から食べてなかったから、それで!」アセアセ

八幡「……由比ヶ浜。……もう俺の話はマジでいいから、帰って飯でも」

結衣「だ、駄目だし! ヒッキーが大事な事を言おうとしてたんだから! 最後まできちんと聞かないと!」

八幡「いや、でも……」チラッ

雪乃「」プルプル (下を向きながら、笑いを必死で我慢中)


八幡「……俺がそれを言おうとする度に、全部お前に潰されてるしな……。それに、これ以上言うのは俺も精神的にかなりきつくなってきてるし……。だから」

結衣「駄目! ヒッキー、お願いだから、最後まで話してよ!」

雪乃「そ、そうよ。比企谷君。話を最後まで終わらせないというのは、よ、良くないわ」プルプル ←まだ我慢中

八幡「そう言われてもだな……」

結衣「ヒッキー! お願い! このまま話が終わっちゃったら、私、二度とヒッキーとまともに話が出来ない気がするの! だから!」

八幡「…………」チラッ

雪乃「」プルプル (必死で我慢中)

結衣「ねぇ、ヒッキー! 今度は本当に何があってもヒッキーの話の邪魔をしないから!」

八幡「……それ、絶対にか?」

結衣「絶対だよ! もし邪魔したら、ヒッキーの言う事を何でも一つきくよ! 約束する!」

八幡「何でも?」ピクッ

結衣「うん、何でも! だから、ヒッキー! さっきの話の続きをしてよ!」

八幡「あー……えっと……」ポリポリ (頬をかく)

雪乃「ひ、比企谷君、由比ヶ浜さんもああ言ってる事だし……もう一回だけチャレンジしてみたら?」プルプル ←もう前フリとしか思えなくなってる

八幡「わかった……。でも、由比ヶ浜。本当にこれで最後だからな。次に何か邪魔したら、俺はもう二度と同じ事を言わないぞ。いいな、それで?」

結衣「うん! ありがとうね、ヒッキー!」パァ

結衣「」スーハー…… スーハー…… (深呼吸)

結衣「よし。準備オーケー。いつでもいいから!」

結衣「それじゃあ、ヒッキー。続きをお願い。本物が……何だったの?」

八幡「あー……その……」

結衣「……うん」 ←真剣

雪乃「……え、ええ」プルプル ←笑いを堪えてる


八幡「だから……俺は本物が」

雪乃「」ブバババッ!! (放屁)

八幡「…………」

結衣「ゆきのーん!!!」

雪乃「ご、ごめんなさい……あの……その……」オロオロ

雪乃「私、そんなつもりじゃ……」ブババババッ!! (放屁)

八幡「…………」

結衣「ゆきのん! どうしてヒッキーの話の邪魔を――くっさ! 臭いよ、ゆきのん!!!」


雪乃「く、臭いって……!」ブバッ!! (放屁)

雪乃「そんなはずは、ないわ……!」ブバッバッバッ!! (放屁)

雪乃「むしろ、フルーティーな香りがするはずよ……!」ブババッ!! (放屁)


八幡「…………」

結衣「ちょっ! くさっ! ゆきのん、絶対に野菜とか果物とか食べてないよね!! これ、ノーベル賞ものの臭さだよ!! ひどいよ!!」


雪乃「臭さの表現の仕方がおかしいわよ……!」ブバッ!! (放屁)

雪乃「それに、野菜や果物もきちんと私は……!」ブババババッ!! (放屁)


八幡「いつまで……屁をこいてんだよ」

結衣「もう最悪! ゆきのんのオナラのせいで、ヒッキーの本物の話を聞けなくなったし!」

雪乃「も、元はと言えば、あなたが全部悪いんでしょうが! あなたが散々邪魔しなければ、こんな事にはならなかったはずなのに!」

八幡「……悪いけど、俺もう帰るから」ガタッ

結衣「ちょっ! ヒッキー!」

雪乃「待ちなさい! 逃げる気なの、比企谷君!」

八幡「いや、逃げるも何も……。もうこんな状況で、本物がどうとか言ってた俺が馬鹿みたいに思えてきてるし……」

結衣「ほら! ヒッキーがやる気をなくしちゃったじゃない! 全部ゆきのんのせいだよ!」

雪乃「いいえ、由比ヶ浜さんが全ての元凶よ!」

八幡「とにかく、俺はもう行くぞ。……この部屋、凄い臭いし」スタスタ

結衣「ま、待ってよ、ヒッキー! 行かないで!」ガシッ

八幡「おい、やめろ。放せよ。服を引っ張るな」

結衣「だって、このままにしたらヒッキー帰っちゃうじゃん! そんなの嫌だよ!」

雪乃「そうよ。比企谷君。あなたはそれで良くても、私たちの気持ちは」

結衣「」ブボッ!! (放屁)

雪乃「…………」

八幡「…………」

結衣「あああああ!!///」カァァァァ

結衣「ヒ、ヒッキー! ちちち違うの! 今の音は!!///」

八幡「……まあ、お前らも人間だしな。……そりゃ、屁の一つや二つするのは当然だろうけど……」

雪乃「」ブバッ!! (放屁)

八幡「お前は何回する気だ」

雪乃「それが乙女に尋ねる事かしら? これだからデリカシーのない男は駄目ね」

八幡「乙女なら、せめて恥じらいというものをだな……」

雪乃「あら? この男は何を言ってるのかしら。そうは見えないかもしれないけど、これでも私は今、死ぬほど恥ずかしがっているのよ。もし明日、私が自殺をしたら、間違いなく何もフォローをしなかったあなたのせいね」

結衣「」ブボンッ!! (放屁)

結衣「いやあああああ!!///」カァァァァ

八幡「……今の状況でフォローとか完全に無理ゲーだろ。チートを使っても不可能な状況だぞ……」

結衣「あ、あの!/// ち、違うの、ヒッキー! わ、私!」オロオロ

八幡「ああ、わかってる……。さっきのは俺がした屁の音だ。由比ヶ浜はしてない。知ってる」

雪乃「」ブバッパッパッパッ!! (放屁)

八幡「もういっその事、そこの雪ノ下を見習う気はないか? 今や眉一つ動かさずに屁をこいてるぞ」

雪乃「だから、陰湿なセクハラはやめてもらえないかしら? 本当に私、明日にはロープを首にかけてあなたの部屋で首釣りしてるわよ」

結衣「ヒッキー、やっぱり私をかばって……! 私、嬉し!」ブボボンッ!! (放屁)

結衣「もういやああああああ!!////」

八幡「…………」

コンコン

静「おい、奉仕部。いるか?」

八幡「いません」

雪乃「ええ。ここには誰一人として」

結衣「今日は全員お休みです」

静「お前ら、つくならもっとマシな嘘をつけ。さっきから騒音が聞こえてきてうるさいと職員室で話題になっていてな。一体、中で何をしている?」

八幡「俺が屁をこいてました」

雪乃「比企谷君が放屁していました」

結衣「ゆきのん!? 腹黒くない!?」

静「だから、比企谷。つくならもう少しマシな嘘をつけと言っている。あれが屁の音か?」

八幡「信じられないかもしれないですけど事実です」

雪乃「由比ヶ浜さんが特に凄くて」

結衣「ゆきのん!? 酷くない!?」

静「馬鹿馬鹿しい。とにかく入るぞ、ってくっさ!? 本当だったのか!?」

八幡「すみません。全部俺のせいです。責任取って奉仕部を退部します」

雪乃「いいえ。部員の責任は部長である私の責任です。私が部長をやめます」

結衣「違うよ! 部の責任は顧問の責任だもん! だから、責任取って平塚先生が教師を辞めて下さい!」

静「おい。由比ヶ浜。こら」

八幡「やめろ。俺についてはどれだけ暴言を吐いてもいいが、平塚先生に対してだけはやめてくれ。ただでさえ結婚相手をとことん逃してる不幸の見本市みたいな人なのに可哀想だろ」

静「比企谷……かばってるつもりかもしれんが、お前の一言が一番ダメージきてるぞ……」

雪乃「それにしても、先生。この臭いは流石に……。きちんと野菜や果物を食べていますか?」

静「おい、雪ノ下。ナチュラルに私を屁の犯人として仕立てあげるな」

結衣「でも、先生が来てから急に部屋が臭くなったよね」

静「おい、由比ヶ浜。こら」

八幡「よせ、由比ヶ浜。先生に失礼だろ。誰がワキガの残念女だ」

静「誰も言ってないじゃないかぁ……比企谷ぃ……」

雪乃「平塚先生、ワキガだったのね」ヒソヒソ

結衣「前からそうだと思ってたんだけど、やっぱりそうなんだね」ヒソヒソ

静「おい、お前ら。丸聞こえだ。そして、私はワキガではない」

八幡「先生はただ単に体臭がキツいだけなんだ。指摘するのはやめてやってくれ」

静「比企谷、お前……実は私に恨みでもあるのか?」

雪乃「平塚先生。あなたの体臭は最早セクハラの域なのですね。……心中、お察しします」

結衣「そりゃ、結婚出来ないですよねー……。頑張って下さい」

静「やめろ。本当にやめろ。違うというのに、私まで段々そんな気になってくるじゃないか」

雪乃「そへで先生、ひつまでここにいるふもひでふか?」

静「おい、露骨に私の顔を見ながら鼻をつまむな。傷つくだろ。本当にやめろ」

結衣「もふ用件なひなら、帰ってもらへないでふか?」

静「お前もか……! 由比ヶ浜!」

八幡「だから、お前ら! 俺をイジメるのはいいが、先生をイジメるのだけはやめろ! 先生のどこがドブみたいな臭いがするっておええええ」

静「比企谷……お前までそんな事をっ!!」

静「もう煙草でも吸わないとやってられん!」ゴソゴソ、サッ

雪乃「先生! ガスが充満してる部屋で煙草は!!」

静「ん?」カチッ、シュボッ


ボウンッ!!! (大炎上)


幸い、雪ノ下の的確な指示と由比ヶ浜の迅速な消火により、炎は平塚先生の前髪を燃やしただけで済んだ

前髪に合わせて髪を切った平塚先生は高校球児並のベリーショートになって、髪が伸びるまでの数ヵ月の間、男がまったく寄り付かなかったらしいが、いつもの事なのでどうでも良かった

そして、本物がどうとかいう話題はそれ以降二度と出る事はなかった。由比ヶ浜はきっと忘れてるし、雪ノ下は初めから興味がなかった気がする。俺も黒歴史を作らずに済んでほっとしている

今では、平塚先生の屁に感謝している俺がいる



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年10月19日 (月) 18:15:40   ID: kPjRxxm3

奉仕部と思ったら放屁部だった

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