セイバー「問おう、貴方が私のサーヴァントか」 (82)

・fate/zeroにおける主従反転です
・鯖入れ替えなどはありません
・安価もあります
・何番煎じかはわかりませんがよろしくお願いします

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切嗣「……これはどういうことだ」

アイリ「切嗣、どうやらこれは聖杯のバグのようなものらしいの」

アイリ「端的に言うとマスターとサーヴァントの逆転……今のあなたは英霊に匹敵する力を得ているはずだわ」

切嗣「確かに、尋常じゃない魔力を自らの肉体から感じる。だが、それならマスターはこの……?」

アイリ「ええ、彼女――アーサー・ペンドラゴンになるというわけね」

セイバー「流石だアイリスフィール、理解が早くて助かります」

セイバー「見ての通り此度の聖杯戦争では私がマスターだ」スッ

アイリ「令呪……あら? 私あなたに名乗ったかしら?」

セイバー「細かいことは気にしないで欲しい。さて切嗣、これからは協力してともに聖杯を掴もう」

切嗣「…………」

セイバー「そうか……貴方は”また”私を無視するつもりか」

切嗣「…………?」

セイバー「だが、そうはいかない」スッ

セイバー「令呪を以って命じる、サーヴァントキリツグよ、私を無視するな」カッ

切嗣「……ッ!」ドクン

切嗣「……これで満足かい? さぞ気持ちのいいことだろう、貴重な令呪を無駄遣いするほどのことなのだからね」

セイバー「無論です、残りの二画を何のために使うか、今から楽しみで仕方がない」ニヤァ

切嗣「チッ……」

セイバー「(まさか再び第四次聖杯戦争に、しかもマスターとして召喚されるとは)」

セイバー「(聖杯に異常が起きているのか、はたまた私が特例ゆえかはわからないがこれは僥倖)」

セイバー「(”前回”の仕返しをしつつ今度こそ聖杯を得ましょう)」

セイバー「(私は最優のサーヴァントですから、切嗣の邪魔さえ入らなければ何ら問題はありません)」フンス

アイリ「え、ええと……」

切嗣「アイリは気にしなくていいよ、どうやら僕はこのマスターサマに随分と嫌われているようだ」

切嗣「それより現在の僕と、そいつのステータスを確認しよう」

切嗣「――どうやら身体能力や魔術だけでなく、武装や礼装も強化されているらしい」

切嗣「とくに起源弾や固有時制御に関しては宝具にまで力を高められている」

切嗣「それに加えてセイバーのクラススキル引き継ぎのおまけつき」

切嗣「食事も睡眠も必要なく、霊体化さえすればある程度の隠密行動も可能」

切嗣「サーヴァントの身というのも悪いものではないな」

セイバー「それもこれも私(マスター)からの魔力供給あってのものということもお忘れなきよう」

セイバー「私の身に何かあれば貴方はすぐに元通りだ、何があっても守りぬいてください」

切嗣「……その、肝心な貴様の能力は」

セイバー「ステータスはもちろん、宝具も保有スキルも奪われてしまったのでただの剣の扱いの上手いメインヒロインですね」ドヤ

切嗣「……方針が決まったよ、アイリ」

切嗣「ニート王サマにはアインツベルン城でお留守番をしていてもらう」

切嗣「君や舞弥に護衛についていてもらえば大丈夫だろう、それに令呪もある」

切嗣「その間に僕は他のマスターとサーヴァントを謀殺する」

切嗣「サーヴァントとなったとしても聖杯戦争に参加する者はほとんどが魔術師……”魔術師殺し”の僕には敵うべくもないはずだ」

切嗣「というわけでセイバーは頼んだよ、アイリ」

アイリ「ええ、私は構わないんだけど……」

切嗣「うん? どうかしたかい?」

アイリ「セイバーがもうすでに外に……」

切嗣「はぁ!?」

切嗣「舞弥、君がいながらどうして取り逃がした!」

舞弥「すみません切嗣」

切嗣「まったく……とにかく追おう」

舞弥「(『言うことを聞けば令呪で切嗣を好きにさせてやる』と言われてしまったものでして……)」

――――

切嗣「待つんだセイバー、話を聞いていなかったのか!?」

セイバー「聞いていましたが従うかどうかはまた別の問題です」

セイバー「私は嫌がるサーヴァントに自分のやり方を押し付けるような不躾で無礼なマスターではありません故、どうぞ切嗣はご自由に動いてください」

セイバー「私もマスターとして自由に動きますから」

セイバー「まあ、もしも無防備な私が偶然通りすがりのサーヴァントに襲われたらひとたまりもありませんが」

切嗣「くっ……わかった、護衛しよう……」ギリッ

セイバー「主思いの素晴らしいサーヴァントを得られて感激の限りです」ニッコリ

セイバー「(聖杯戦争たのしい)」

セイバー「(さて、この時間だと港に誰かしらがいることでしょう)」

――遠坂邸

時臣「英雄王よ、どうか怒りをお鎮めください……!」

アーチャー「時臣よ、貴様隷奴の分際で我に箴言する心づもりか?」ギロッ

時臣「いえ、そのようなことは毛頭……!」

アーチャー「ならば疾く我に献上する宝物のひとつでも用意するがいい!」

アーチャー「ちなみにこの家にある宝石まがいの贋物共はすべて潰しておいたぞ」

アーチャー「安物は壊れるときも貧相なものだなあ? 時臣」

時臣「ははっ!」

アーチャー「聖杯だかなんだか知らぬが我から宝物庫を奪うとは盗っ人猛々しい……不敬である……」イライラ

時臣「(なんだろう、たぶんマスターだったとしてもこんな扱いだったような気がする)」

時臣「(綺礼の方は大丈夫かな……?)」

――遠坂邸地下

アサシン「うわわわわ……」

アサシン「な、なあ俺達ってもしかして――」

アサシン「ものすごいバケモノと契約しちゃったんじゃ……?」

彼――もともとはアサシンとして召喚されるはずであったハサンの仮面越しの瞳には
呪符を編みこまれたケプラー製の神父服を筋肉のパンプアップのみで引き裂く
『狂戦士(バーサーカー)』の姿が映されていた――

綺礼「ふぅ……」ムキムキ

アサシン「ひぃっ!」

綺礼「これがサーヴァントの力か、死徒二十七祖を二匹はまとめて狩れそうだ」グッ

アサシン「あ、あの……」

綺礼「お前が私のマスターとなるのか」クルッ

綺礼「先に行っておくが私は時臣師を勝利に導くための布石にしか過ぎぬ、過度な期待はするなよ」

アサシン「(アンタひとりでも勝ち抜いていけそうだけどなあ……)」

――間桐の蟲蔵

雁夜「■■■■■■■――!!!!」ウゾゾゾゾ

臓硯「…………」

桜「…………」

バーサーカー「…………」

バーサーカー「ご老人、私に彼の指揮を執れというのか」

臓硯「まあ、そういうことになるかのう」

バーサーカー「私もバーサーカーのクラスで召喚に応じた者、覚悟はできていたつもりでしたが……」

雁夜「■■■……」ウニョウニョ

バーサーカー「これはひどい」

バーサーカー「どれだけの怨嗟を溜め込めば人間はかく醜く狂えるものなのか……」

桜「おじさん、キモい」ボソッ

雁夜「■■■■■■ーーーー!!!!」ウゴゴゴゴ

バーサーカー「はぁ……」

――どこかの路地裏

女性「ひっ、ひっ」ズッズッ

龍之介「ははっ、逃げないでよおねーさん」グサッ

女性「いっ、ぎっ……ぎゃああああああああ!!??」

龍之介「うわーすっげー……これが俺の『宝具』……?」

キャスター「ええ、そうですよぉリュウノスケぇ」ニッコリ

龍之介「うぅぅ~……COOL!! COOLだぜ旦那ァ!」

龍之介「こんなCOOLなモンくれるなんて旦那はやっぱすげぇよ!」キラキラ

キャスター「いえいえ違いますよリュウノスケぇ」

龍之介「え?」

キャスター「確かに宝具を使うための魔力は私が供給していますとも」

キャスター「しかしその『宝具』はリュウノスケ自身が望んだモノ、いわばリュウノスケが産みだしたモノ」

キャスター「ですから自信を持ってもっとくぅーるに殺しなさい」ニコッ

龍之介「そっかぁ……へへっなんだか照れちゃうな」

龍之介「でもそのパワーとかエネルギー的なのって旦那のオゴリなんだろ? なんか悪ぃなあ」

キャスター「気にすることはありませんよリュウノスケ、贄は最終的に我々の糧になるのですから」

キャスター「それにいずれ聖処女をお迎えするのにふさわしい”美術館”をお作りしなくてはなりませんからねぇ」ワキワキ

龍之介「美術館……? その美術館に俺のアートが並ぶのか?」

キャスター「その通りですともリュウノスケぇ、私がオーナーそしてあなたがアーティストの美術館を創りあげようではないか」

龍之介「くぅ~、最っ高にCOOLだ!」

龍之介「わかった、聖処女だかなんだかしらないけど俺旦那の人探しのために何でも協力するよぉ!」

キャスター「おお、理解あるサーヴァントとは幸先がいいですねえ……」ニィ

龍之介「もちろんさ、その前に――」チラ

女性「あ……ぁ……」

龍之介「ちょっくらこの”作品”を完成させちゃおっか」ブン

女性「ぁ――」

――森の中

ウェイバー「……なるほどな」

ライダー「おいおい、ひとりで納得されても困るぞ」

ウェイバー「聖杯のバグでマスターとサーヴァントが反転した、といったところだろう」

ウェイバー「まったく、聖杯なんてものは碌でもないな」チッ

ライダー「そうではい、余が聞きたいのは――」

ライダー「――お前さん、余を召喚したときには小僧ではなかったか?」

ウェイバー「……そこは追々説明するとしよう」

ウェイバー「まったく、ローマに英霊と融合させられて召喚されたと思えば今度は冬木にサーヴァントとして呼び出されるとは」

ウェイバー「……だが、またこいつと戦えるのなら悪い話でもない、か」ボソッ

ライダー「……なぁにをぶつくさ言っておるんだ?」

ウェイバー「なんでもないさ、私のことはロード・エルメロイ二世……いや、ウェイバー・ベルベットと呼んでくれ」

ウェイバー「お前は知るよしもないだろうが……私はお前の臣下だ、好きなように使え」

ライダー「そういうのであればそうさせてもらうが……変な奴よのう」

――ハイアットホテル

ケイネス「それではいってくるよ」

ランサー「ケイネス殿お待ちを、俺もお付きする」

ケイネス「何故だ? 貴様は待機するよう言ったはずだ」

ランサー「しかし単独行動スキルを持たないケイネス殿は俺から離れれば実力を十二分に発揮できない」

ケイネス「む……」

ランサー「それに――」

ランサー「――あなたを監視するよう、ソラウ殿から言い遣っている」

ケイネス「ふん、それならば仕方のない話だ」

ケイネス「いいかマスター、貴様は表に出る必要はない。全ての敵はこの私、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトが排除しよう」

ランサー「……承知した」

――港

セイバー「(さて、港に着きましたが……誰かいるでしょうか)」

セイバー「(私の記憶通りにゆくのであればランサーが待ち構えているはずなのですが……)」

切嗣「マスター! こんなところに連れ回して一体なんのつもりだ?」

セイバー「うるさいですね切嗣、私の直感が正しければそろそろ此処に敵性サーヴァントが現れるはずです」

切嗣「なっ!? それじゃあお前はわざわざ戦場に顔を晒しに来たというのか!?」

切嗣「これだから英雄は……戦争中毒のジャンキーめ……!」

切嗣「ふざけるのも大概にしろ、僕は帰らせてもら――!」キュピーン

切嗣「(この感じ……”直感”か!)」

セイバー「どうやらお出ましのようですね」

現れたサーヴァント(複数可)
↓2

安価下でとります

その刹那、切嗣はコートを翻しながら舞う
五感よりも鋭敏な第六感――セイバーから渡された『直感』スキルが発動したのだ
空を切った投擲用の短剣が、輸送用のコンテナをまるでバターのように裂く

切嗣「――ッ!」バッ

綺礼「よくぞ、よくぞ躱したな衛宮切嗣」チャキ

切嗣「貴様は――言峰綺礼」

物影に潜めていたわけでも、息を殺していたわけでもない男の存在の今のいままで切嗣は気が付かなかった
だが、綺礼が自ら姿を現した瞬間、それが『気配遮断』のスキルによるものだということすら悟れないほど、愚図ではない

切嗣「『気配遮断』……そうか、貴様もサーヴァントに……!」

切嗣「(まずい……一番相対したくなかった手合だ……)」

切嗣「(というかなんだあの筋肉、データと違うぞ!)」

綺礼「私は貴様を知ってから、貴様を求め続けてきたのだ……(同類的な意味で)」

切嗣「(気持ち悪い……!)」ゾクッ

セイバー「さあ切嗣、あの変態に我々の力を示してやりましょう!」

切嗣「何を言っているんだ、こんなところで手札を明かすわけにはいかないだろう!」

セイバー「ですが、向こうはそのつもりのようだ」

綺礼「エミヤ……キリツグ……」フシュウウ

切嗣「くっ……」

切嗣「(拙いな……マスターがいる限り逃走は困難、敵のマスターはまだ確認できていない)」

切嗣「(せめて舞弥がいれば……ああホントうまくいかないなあもう!)」

綺礼「逃げられると思うなよ」ダッ

切嗣「(速いッ!)」カチャ

反射的にキャリコを発砲する切嗣
しかしその弾丸は、綺礼の鋼の肉体に押し返される

切嗣「(何っ!?)」

綺礼「――硬功」フゥ

間合いに肉薄したその拳が、切嗣の心の臓を打たんとする――

雁夜「■■■■■――!」

綺礼「!?」バッ

矢庭に言峰綺礼を大量の蟲が襲う
それらは銃弾をも弾く肉体を瞬時に貪り、傷つける

綺礼「扮ッ!」ボアッ

バーサーカー「雁夜の蟲を気だけで払うとは……」

セイバー「サー・ランスロット!」

バーサーカー「間に合ってよかった。王よ、ご無事でしたか」

雁夜「■■■■……」グチュグチュ

切嗣「マスター、知り合いか?」

セイバー「ええ、かつていろいろとありましたが同じ円卓の騎士です」

切嗣「……そいつは信頼できるのか?」

バーサーカー「確かに私はかつて王を裏切り、その身を失墜させた」

バーサーカー「しかし、だからこそ此度の聖杯戦争ではその罪を雪ぎたい!」

バーサーカー「それに、私のサーヴァントは最強ですので」例のポーズ

セイバー「ランスロット……!」ウルウル

切嗣「ならば、殿を任されてくれるかい?」

バーサーカー「構いませんとも、ただ――」

バーサーカー「――あちらがまだ戦う気があるというのならば、ですが」

綺礼「(……サーヴァント二体、か。このまま続ければこちらが圧倒的に不利)」

綺礼「(しかしここを逃せば衛宮切嗣と会敵できるチャンスはほぼ消滅してしまうだろう……)」

綺礼「(私は……)」

どうする?
↓2

綺礼「はぁぁぁぁ……!」シュウウウ

バーサーカー「驚きましたね、まだやるつもりのようだ」

バーサーカー「王よ、ここはお引きください」

バーサーカー「アレは私と雁夜が引き受けます」

セイバー「しかし、単独で大丈夫なのですかランスロット」

バーサーカー「大丈夫です、問題ありません」キリッ

雁夜「■■■」

切嗣「バーサーカー陣営はああ言っているんだ、僕たちは脱出することだけを考えろ。それに――」

バーサーカー「――それにお互いの切り札はまだ隠し持っておきたい、そうでしょう?」

切嗣「……そういうことだ」

セイバー「……わかりました、ランスロットご武運を」

バーサーカー「ええ、貴方にも精霊の加護がありますよう」

綺礼「発ッ!」ドンッ

綺礼「邪魔立てをするようであれば貴様らには私の宝具『魔術的八極拳(まじかる☆はっきょくけん)』を受けてもらうことになる」

綺礼「只管に、ただ只管に鍛錬に鍛錬を重ねた我が肉体と」

綺礼「幾度と無く殺戮を繰り返したことにより殺人拳へと昇華した我が技術(わざ)がついに」

綺礼「人智と人力を凌駕すし、災禍となる」

雁夜「要はレベルを上げて物理で殴るって話だろう」

バーサーカー「そうか、騎士としてこちらも全力を以って相手をしたいところだが」

バーサーカー「そうもいかない事情がある、悪いが貴様には……」

雁夜「■■■■■ーー!」ワラワラワラ

バーサーカー「雁夜の肉体から無限に湧き出る刻印虫の相手でもしていてもらおう」

今日はここまでです
fateってこんな脳筋作品だったっけという疑問は浮かびますがまた後日

濡れた音が一帯に響く

無数の軍勢も心技体揃った殺法の前には烏合の衆

人ならざる速度で放たれる拳蹴は、確実に醜蟲を地に堕とす

綺礼「時間稼ぎはそこまでにしたらどうだバーサーカーよ」

雁夜「■■■……」ウネウネ

綺礼「ふん、そろそろ決着をつけるとするか……追わねばならぬものもある」

綺礼「扮ッ!」ダンッ

綺礼の後足がコンクリートの地面を破砕するほどの衝撃波を放つ

その推進力は一瞬にして二者の距離を皆無にするのには十分すぎるものだった

雁夜「■■■■――!」グチャ

言峰綺礼の拳は間桐雁夜の胴体を貫通し

いとも簡単にその肉体は破壊された

綺礼「ふっ」

――だが

雁夜「■■■■■ーーーーー!!」グワッ

綺礼「何ッ!?」バッ

綺礼「(この男……死徒かなにかか?)」グッ

バーサーカー「残念であったな、雁夜の肉体には痛覚も、もはや機能すらない」

バーサーカー「いくら破壊されようと蟲がその部分の代替品となり修復される」

バーサーカー「それに、先ほど貴様は時間稼ぎといったな」

バーサーカー「それは正しい、だが――」

バーサーカー「ただアーサー王を逃がすためのそれではない」

綺礼「何だと――っ!」ズキッ

バーサーカー「どうやらその時がきたようだ」

綺礼「(身体の中で、何かが――!?)」ズキンズキン

綺礼「まさかあの時――!」

バーサーカー「そう、先の不意打ちで雁夜は貴様の肉体に”卵”を産みつけた」

バーサーカー「どうだ、肉体を、魔術回路を食い破られる苦痛は。それが雁夜の受け続ける責め苦の味だ」

綺礼「うぐ、ぐああああ……!」ガクッ

バーサーカー「如何に肉体を、技を鍛えようと――」

バーサーカー「内部からの破壊は防ぎようがあるまい」

綺礼「ぐああああああああッ!!」グチャ

バーサーカー「ご苦労さまです雁夜、我々も王のもとへ」

雁夜「■■■■……」スゥ

その場に綺礼の死体は残らなかった

彼から”産まれた”蟲たちが、骨の一片まで喰らい尽くしてしまったからだ

――アサシン陣営言峰綺礼、死亡

切嗣「――よしこれだけ離れれば問題無いだろう」キキッ

セイバー「素晴らしいドライビングテクニックでした、切嗣」

切嗣「ああ、どうやら君の『騎乗』スキルが正常に機能しているらしい」

切嗣「しかし、マスターに君の部下――ランスロットが召喚されるとはね」

セイバー「ええ、まあ、私は予想の範囲内でしたが」

切嗣「? とにかく、利用できそうな良い駒が見つかっただけでも収穫だ」

切嗣「逸話を考えると信用するのは危険だろうがね」

セイバー「そういえば遅いですね、ランスロット」

バーサーカー「お待たせしました王よ」

切嗣「ああ来たかバーサーカーのマスター」

切嗣「一応確認だが、そちらの陣営と僕達の陣営は協力関係を結ぶと考えて良いのかい?」

バーサーカー「ええ、ですが」

バーサーカー「私は王に従うだけだ、貴方の指図は受けないということだけ覚えておいてください」

切嗣「今のところはそれで十分だ」

――その頃

キャスター「――叶った」水晶コネクリ

キャスター「おおジャンヌよ……見つけましたぞ我が聖処女!」

キャスター「聖杯は私を選んだ! その証拠がジャンヌの復活! おお、おお!」

龍之介「えーとさ、つまり旦那の探しもんが見つかったってこと?」

龍之介「へー旦那意外とああいうキレイ系なおねーさんが好みだったんだ」

キャスター「ええ、リュウノスケ。さあ、聖処女ジャンヌをお迎えする準備をいたしましょう」ニコー

龍之介「お迎えするっつってもどうやるのさ」

キャスター「そうですねぇ――」

キャスターはどうする?
↓2

キャスター「麗しき聖処女は矮弱なるものの危機を捨て置くことができません」

キャスター「なんと優しくなんと尊い……」

キャスター「神はそのようなジャンヌを辱め冒涜したのです、おおなんとおいたわしや……」ワナワナ

キャスター「なので付近の小学校を侵略、子どもたちに海魔を寄生させましょう」ニヤァ

龍之介「そいつはCOOLだぜ旦那ァ! 学校一つが俺たちの作品展だぁ!」

龍之介「あ、でも旦那って今……」

キャスター「ほ?」

キャスター「そうでしたねぇ、この螺湮城教本も魔力炉としての機能しか果たさない今、それは厳しい話でしたねぇ」シュン

龍之介「ああもう元気出せって旦那ぁ、そんなときのために俺がいるんだろ?」

キャスター「リュウノスケぇ……」

龍之介「任せといてよ、今の俺なら小学校占拠なんて朝飯前だって!」

キャスター「……つくづく私は恵まれたマスターのようだ」ホロリ

――小学校

龍之介「――つーわけで占拠完了~♪」

龍之介「サーヴァント? の力を使ったら楽勝だったなあ」

龍之介「もちろん旦那の協力のおかげだぜ!」

キャスター「いえいえ、リュウノスケはもっと自らの能力を誇るべきですよぉ」ニッコリ

龍之介「そ・こ・で」

コトネ「~~~~!」ジタバタ

龍之介「君にはジャンヌちゃんを呼び寄せるためのエサ一号になってもらいたいんだけど」

龍之介「いっちょ、殺されてくれない?」ニコッ

コトネ「い、いやあああああ!」

龍之介「あは、あはは! いいねーどれだけ叫んでも旦那の結界があるから助けはこないよー」

凛「(な、なによこれ……!)」コソッ

璃正「――ということだ、キャスター陣営の暴挙を止めるためにルールを少々改変する」

璃正「キャスターを打倒した者にはこの、令呪を一画報酬として与えよう」

璃正「以上だ」

――――

切嗣「なるほどな、これは好都合だ」

切嗣「報酬目当てにキャスターを狙う陣営を、僕らは横から叩くだけでいい――!」

セイバー「…………」ガチャガチャ

切嗣「何をしているんだい、マスター」

セイバー「何ってキャスター討伐の準備に決まっているじゃないですか切嗣」

切嗣「はぁ!? 君、僕の話聞いてた!?」

セイバー「あーそういえばここでも切嗣に邪魔されたんでしたね……仕方ありません」カッ

切嗣「えっちょっ」

セイバー「令呪を以って命じる、キリツグよ全力でキャスターを狩れ」ピカァ

切嗣「バカヤロー!」

セイバー「さあ、ここが件の小学校ですね」

切嗣「なんで僕がこんな……」ブツブツ

セイバー「ぶつくさ言ってないでしっかり働いてください切嗣」ニッコリ

切嗣「わかったよ……ふむ、これは結界か」

切嗣「この程度、僕にはなんの意味もなさないよ」バキン

切嗣「……ん、結界が破れたのを嗅ぎつけて正面から挑むアホな陣営がやってきたようだな」

セイバー「どの陣営ですか、相手によっては共闘も可能でしょう」

どの陣営が来た?(来てないも可)
↓2

時臣「まさか聖杯戦争にこのようにして魔術の秘匿を危ぶませる輩が現れるとは」

時臣「遠坂家当主として、見過ごすわけにはいかない」

時臣「それに……」

時臣「ここには凛が……!」

――――

切嗣「遠坂時臣、か」

切嗣「ここは様子見だな、奴とキャスターがどう戦うか観察してから」

切嗣「弱ったところをまとめて片付ける」

切嗣「……異存はないな、マスター」

セイバー「ええ、いささか卑怯ですが切嗣にはおあつらえ向きな作戦でしょう」

切嗣「(なんかいちいち棘があるなあ)」

今日はここまでです
続きはまた後日

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