やよい「顧客が本当に必要だったもの」 (15)

やよい「今度アイドルマスターがアニメ化するじゃないですか」

やよい「そこでなんか新しい挨拶みたいなのやりたいなーって」

P「新しい挨拶……どんなのがいいんだ?」

やよい「うーん……かわいいのがいいかなーって」

P「かわいいのって例えば?」

やよい「うーん……」

やよい「……やっはろーとか?」

P「やっはろーみたいなやつな、了解」


顧客が説明した要件

やよい「やっはろー」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443545610

P「とりあえずさ」

P「パクリは駄目だろ」

P「でもやっはろーみたいなやつって言ってたからな」

P「やっはろーの語感は残したいし」

P「……こんなんでいいか」

P「あとは他のメンバーがやってくれるだろ」


プロジェクトリーダーの理解

やよい「ひゃっふぁふぉー」

春香「なんか回ってきたんだけど何これ?」

春香「アニメ化に当たってやよいの新しい台詞考えてみた?」

春香「ひゃっふぁふぉー」

春香「……これ、やよい発音できるのかな?」

春香「もうちょっと発音しやすいのに変えた方がいいと思うんだけど」

春香「こんな感じかな」


アナリストの設計

やよい「とんかつー」

律子「今度のアニメなんですけど」

律子「やよいに新しい台詞を言わせることになりました」

律子「その台詞が、とんかつ……」

律子「……」

律子「なんとなく分かりました」

律子「こういうことですよね」

律子「確かにとんかつとは言ってますし、間違いないでしょう」


プログラマのコード

やよい「とんかつ美味しいです」

やよい「今度のアニメの台詞なんですけど」

真「あ、その件なんだけど」

真「せっかくだからものっすごいインパクトのあるやつにしない?」

やよい「インパクトですか?」

真「うん、インパクトあるほうが覚えてもらいやすいじゃん」

やよい「そうですね」

真「そんなわけで、一つ案を持ってきたんだけど」

やよい「……ちょっと長すぎませんか?」

真「このくらい長い方がインパクト出るよ」

真「内容もかなり独特だし」

やよい「そうなんですか……わかりました」


営業の表現・約束

やよい「先輩何なんですか告白ですか口説いてるんですか気持ち悪いですマジ勘弁してください気持ち悪い目で睨まないでください死にます本気で死にます呪い殺されますその能力使えば魔王も死にますさっさと消えてくださいニフラム!」

小鳥「やよいちゃんがアニメで何か喋るみたいなんだけど」

小鳥「あんな長い台詞は入らないわね」

小鳥「でもどのくらい削ればいいのかも分からないし」

小鳥「とりあえずやよいちゃんが喋るってのは確定なのよね」

小鳥「……一応これだけ書いときましょう」


プロジェクトの書類

やよい

やよい「……これだけですか?」

美希「ごめんね、ミキ達の力ではこれが限界だったの」

美希「脚本とかが色々追い付かなくて」

やよい「時間無かったですからね……しょうがないです」

美希「ごめんね、ミキ達の力不足で」

やよい「力不足じゃないですよー」

やよい「間に合ったからいいじゃないですか」


実際の運用

やよい「んす」

社長「このアニメの一番の売りはやよい君だ」

社長「今回考えた新しい台詞」

社長「765プロの新たな看板になるだろう」

社長「我々が全ての力を結集して作った台詞だからね」

社長「菊地君のきゃぴぴぴーん!まっこまっこりーん!を凌ぐ名台詞にして貰いたい」

やよい「わかりましたー」


顧客への請求

真「きゃぴぴぴーん!まっこまっこりーん!」

亜美「やよいっちの台詞が全然可愛くないって?」

やよい「そうなんです」

亜美「よし!亜美が手直ししてあげよう!」

やよい「本当ですか?可愛くなりますか?」

亜美「こんなの亜美にかかれば楽勝!断然可愛くなるよ!」

やよい「ありがとうございます」


得られたサポート

やよい「☆ミ」

冬馬「あの高槻のポーズ、結局何だったんだ?」

北斗「さあ?なんか挨拶っぽいけど挨拶なのかな?」

冬馬「もはや挨拶ですらないだろ。ただの決めポーズだ」

北斗「決まってないけどね、渋々やってる感じだったし」

冬馬「挨拶だったらおはようございますーとかの方が自然だろ」

冬馬「あいつのキャラにも合ってるし」

北斗「うん、その方が絶対いいよ」


顧客が本当に必要だったもの

やよい「おはようございますー」

以上

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