μ's昔十夜《日本編》 (35)
μ'sメンバー一人一人を主題にした昔話です。(改変、キャラ崩壊有ります)
1日1話を目標に合計10日間のお付き合い願います。
外国編、名作編は思いついたら書きます。
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第一夜
海未「桃太郎」
昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。
凛(爺)「お爺さんにゃ。周りからはリンジーと呼ばれてるにゃ。」
花陽(婆)「あの…お、お婆さんです。ハナ婆さんです。」
二人にはえらくアクティヴな娘がいましたが、ある日、家を出て行ったきり帰ってきませんでした。
穂乃果(娘)「私は鉄砲玉の娘。行くったら行く‼」
初めのうちこそ二人は心配しました。しかし、仕方ないと諦めることにしました。
それから何年かして、二人はいつものように川へ洗濯に、山に柴刈りに行きました。
花陽(婆)「ふぅふぅ。腰が痛いけどまだまだ健康だし大丈夫。」
お婆さんが山の方へ目をやると、山の木が殆ど無くなっていました。
お爺さんはここ数年、なんの恨みか、山の木を思い切り伐採し、一日に薪を1トン、村に卸してかなり儲けていました。
花陽(婆)「うーん、凛爺さんもがんばっているようだし私ももう少し頑張ろう。ふぅふぅ。」
この二人の実直さに感激したのか、川の神様はこの夫婦にある贈り物をすることに決めました。
真姫(川の神)「本当は火の神様の役をやりたかったんだけどちょうど良いわ。私の人造人間研究のプロトタイプをあの夫婦に試させてみましょう。」
どどどどどんぶらどどんぶら
どんぶらぶらぶらどどんぶら
あら大変。
川の上の方から何か流れてくるじゃありませんか。
それが運悪く川を堰き止めてしまいました。
川上からの水が少なくなってきたことに気がついたお婆さんはその原因を見に上流の方へ歩いてみました。
花陽(婆)「あぁ‼大きなお饅頭(ほむまん)だ。」
世にも大きなお饅頭(ほむまん)。
水を吸ってべちゃべちゃになって美味しそうには見えないお饅頭(ほむまん)がそこにはありました。
しかし、これをどかさないことには洗濯を続けられません。
そこでお婆さんはお爺さんを携帯で呼び出しました。
花陽(婆)「あ、凛お爺さん?ちょっと丸太を上流から流してくれないかな?」
凛(爺)『アイアイサーにゃ。』
お爺さんは気でも狂ったかのように上流から丸太をこれでもかと言わんばかりに流し始めました。
これには川の神様も大変怒って終いには雷の神様を呼び出す始末。
絵里(雷の神)「雷神エレクトリーチカよ。とりあえず川に雷を落とすわ。」
ゴロゴロ…チカッ‼
ドーン‼
真姫(川の神)「あのバカ雷‼私まで感電するじゃないのよ‼」
この雷のおかげか、はたまたお饅頭(ほむまん)にぶっささってた丸太に火が付いたせいか、お饅頭(焦げほむまん)は中から破裂しました。
そしてお婆さんが目を逸らした隙に、お饅頭(焦げほむまん)の中から小さな赤ちゃんが川辺に投げ出されました。
海未(赤ん坊)「おぎゃあおぎゃあ‼」ビエーン
鳴き声にびっくりしたお婆さんはすぐにその赤ちゃんを抱えると、家へと逃げました。
花陽(婆)「ああ、赤ちゃん‼可哀想だねぇ、ほらお風呂に入れてあげるからね。」
そう言うと、お婆さんは赤ちゃんをお風呂に入れてあげました。
花陽(婆)「あぁあぁ、餡子だらけでベトベトだねぇ。ほら、もうさっぱりしたよね。」
海未(赤ん坊)「きゃっきゃっ」マンジュウペチペチ
この赤ちゃんはこの日からお爺さんとお婆さんと一緒に暮らし始めました。
お婆さんからはおっぱいが出なかったため、赤ちゃんのいたお饅頭(焦げほむまん)を食べさせました。
ちょうど川の水でふやけてたお饅頭(べちゃ焦げほむまん)は赤ちゃんには食べやすく、また、栄養価も高かったのか、すくすくと成長していきました。
お爺さんとお婆さんはこの子を饅頭たら子と名付けました。
そして数年が経ち、お爺さんとお婆さんの子供が出て行ったきり帰ってこなくなった年齢にたら子もなりました。
しかし、たら子はインドア派だったので、出て行くことはありませんでした。
そしてついに悲劇の日が来ました。
たら子が15歳になった日、川の神様と雷神様が結託して人々に害を及ぼすようになりました。
真姫(川の神)「アハハハッ、みーずがほしけりゃそらやるぞ。 」ザパァッ
絵里(雷の神)「お腹痛いチカ。雷におへそ取られたチカ。」ゴロゴロッ
困り果てた民を見て、たら子は決めました。
憎き川の神と雷神を攻め滅ぼさんと優秀な助っ人を全国より徴集しました。
海未(たら子)「お爺様、お婆様…この私、たら子が必ずや民を苦しめる憎っくき雷神と川の神を討ち取って見せます。」
凛(爺)「…。」
花陽(婆)「…。」
お爺さんとお婆さんはすでにこの世にはいませんでした。
お婆さんは川の神によって溺死させられ、その同日にお爺さんは柴刈りの最中に木のそばで作業中に落雷にあい、帰らぬ人となったのです。
因みに作者は小学生の頃、川で流され1キロ先の岸になんとか上陸することができた過去を持ちます。
海未(たら子)「さあ行きますよ、皆の衆。」
希・ことり「はっ!」
解説しようっ‼
この時たら子は全国より選りすぐりの雨乞い師と世界クラスの棒高跳びの選手を呼んでいたのだっ‼
希(雨乞い師)「ウチは霊媒師なんやけど雨乞いも式神召喚もできるんよ。」ババーン‼スピリチュアルッッ‼
ことり(高跳び選手)「私は世界的に有名な棒高跳びの選手、アルバトロス・ザ・コトーリ‼」ズバァッ‼チュゥゥンッ‼
戦え、たら子‼負けるな、たら子‼ファイトだよっ‼
手始めにたら子たちは雷神を倒しに行きました。
返り討ちにあいました。
海未(たら子)「ううっ、何でこの服はお腹が露出しているんですか…。おへそが取られたじゃないですか。」シクシク
希(雨乞い師)「悪いなぁ、たら子。ウチのパワーは二人までしかカバーできんのよ。」
ことり(高飛び)「悪く思わないでね。」よしよし
たら子が戦っている最中に川の神は何者かに屈服されていました。
真姫(川の神)「くっ、[ピーーー]なら一思いに殺しなさいよっ!!」
??「まだできるよ!!ファイトだよっ!!」
真姫「この鬼っ!あんたには良心は無いのっ?!」
??「両親は元からいなかったし、鬼は私が全滅させたんだ!!だって私は桃太郎っ!!」
真姫「ヴェェェッッ!!」
桃太郎(真)はいとも容易く川の神を討ち取りました。
桃太郎(真)は次に雷神に勝負を挑みました。
穂乃果(真・桃太郎)「さあ、この桃太郎が相手になってやろう!!」
絵里(雷の神様)「この雷神に挑むとは…賢くないチカ!!」
桃太郎(真)は丸腰でしたが、体に泥を塗っていたため、雷撃に対して無傷でした。
とどめにガイアパンチ(泥を纏った拳で殴る)を喰らわせたため、雷神はとうとう逃げました。
その弱った雷神をたら子は祈祷師と高跳び師と共に倒しました。
桃太郎とたら子はともに戸籍上姉妹であることを知らずに数年後に結婚し、幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
海未「なんですか、この話は…。」
第一夜・「桃太郎」終
第二夜
希「ものぐさ太郎」
昔々、それはたいそう面倒くさがりな娘が居ました。
彼女の名前は人々は忘れてしまい、当の本人でさえ、思い出すのを面倒臭がり、しまいには自分で
希「ウチ、ものぐさ子。なんでも知っているけど思い出すの面倒やから何にも知らんのや!」
と言い出す始末。
この面倒臭がり屋のものぐさ子に、村の人々はほとほと困りました。
稲の刈り入れの時期には、一切手伝わず、食事すら面倒臭がって何も食べず、日々をダラダラと過ごしていました。
因みに作者の叔父は四十にもなってニートで辛いです。
ある日、中央の偉いお役人さんがこの村にいる米の研究家のもとに尋ねにきました。
東北の方で栽培できる稲を開発したとの情報が入った為です。
絵里「さあ馬、早く研究者の元へ連れて行くチカ。」
にこ「何でこんなことになるメ〜。」
このお役人さんには、羊が馬に見えており、こうして跨っておりました。
役人さんが村へ道を急いでいると、道の真ん中に白い何かが落ちていました。
しかし、このお役人には、羊が馬に見えているため、乗り越えられるとそのまま行かせました。
メチャァ‼
羊はかわいそうに、餅を踏み潰しました。
希「あ、そこの羊さん。ウチの餅取らんといて。」ゴロゴロ
絵里「チカァ?このお役人様に餅を取らせるとはお前何様チカ?ん、我役人ぞ。一介の乞食がそんなこと言っていいチカ?」(この物語はあくまで原典に沿っているため、現代の言い方にそぐわない言葉を用いますが、原作を優先いたします。)
希「とか言ってホントはそれ欲しいだけなんやない?」
絵里「黙るチカ。斬るぞこの乞食‼」(絢瀬さんはこの役が自分にピッタリチカァ(Google声)と言っていたので、この役をやらせました。終了後、「エリチカ、おうちに帰る!」と言って、役を降りてしまいました。)
希「なあ、役チ。それが本当に役チがしたいことなん?」
ものぐさ子に諭され、お役人さんはこの女使えるチカと中央に連れて帰りました。
ここでものぐさ子は本領を発揮しました。
希「あの改良米には実は欠点があったんよ。それはな、暑いのに弱いことや。」
絵里「すごいチカ。トゥージューさすがチカ。」
ものぐさ子、本名はトゥージュー・ヌンティン・イル・ペウルス。
そう、かつての世界大戦を一人で終結させた科学者その人なのだ。
人々が憎しみあい、苦しむほど、その本領を発揮する。
まさに賢人の鏡なのだ。
あくまでものぐさ子は世を偲ぶ仮の姿だったのだ。
みんなの周りにいるあのものぐさ野郎も実はそうなのかもしれない。
因みにものぐさ子は登用してくれた役人をたったの3日で追い抜きました。
チャンチャン
希「うわぁ…。」ドン引き
第二夜・ものぐさ太郎 終
第三夜
凛「浦島太郎」
昔々ある所にそれはそれは心優しく正直な釣り人の娘がおりました。
凛(浦島太子)「今日も漁に行って稼ぎまくるにゃ~。子供にいじめられている動物助けるにゃ~。」
この娘、実は地元では名のある釣り人一門の一人娘でした。
しかし、その日はどうにも調子が悪く、坊主のまま帰りことになりました。
凛(浦島太子)「やばいよ〜、絶対怒られる…。」ガクガク
その帰り道、太子は以前から弱い動物を捕まえては仲間と遊ぶ悪ガキどもに会いました。
どうやら今日の獲物はカメのようでした。
凛(浦島太子)「またいじめてる・・こらー・・」
絵里(悪ガキA)「また来たわね、タコ・・」
にこ(悪ガキB)「今日こそ動物を逃がさせないわ・・」
真姫(悪ガキC)「私のカメトラナイデッ・・」
凛(浦島太子)「この悪ガキどもめー、こうしてやるにゃっ・・」
すかさず太子は悪ガキどもに小遣いを与え、カメを買おうとしました。
しかし残念、悪ガキCは長者の娘のため、お金に靡くバカではありません。
凛(浦島太子)(参ったにゃ…何か無いかなぁ?)ゴソゴソ
真姫(悪ガキC)「あと五秒以内に何か出さないとカメをもらって行くから。五・・」
凛(浦島太子)(は、速い・・何か、何か出さないと…・・)ゴソゴソ
真姫(悪ガキCで)「四・・」
凛(浦島太子)(仕方ない、これで我慢しよう…。)「これにゃ・・」スッ
そう言って太子は自分の釣竿を差し出しました。
真姫(悪ガキC)「あんた…、バカにしてんのっ・・」
凛(浦島太子)「違うにゃ、これはすごい釣竿にゃ。家の家宝でこれで釣れなかったことはなかったにゃ・・」
太子が差し出した釣竿。確かに家宝ではありましたが、一つ残念なことは、餌をつけないと絶対釣れないのです。
ちなみに入れ食い時に餌を付けずに釣れなくないことも実際あります。
真姫(悪ガキC)「わかったわ、でもこのボロい釣竿なんかいらないわ。さ、行くわよ。」スタスタ
絵里(悪ガキA)「ミトメラレナイワァ・・」
にこ(悪ガキB)「今夜の夕飯…。」
各々捨て台詞を吐いて悪ガキ共はカメを置いてきぼりにしました。
凛(浦島太子)「ふぅ、なんとか助かった〜。さ、カメさん、海に連れて行ってあげるね。」
助けた亀を懐に仕舞い、太子は海に戻りました。
波打ち際に来た時、カメを水につけてあげるとカメは突如光り始めました。
凛(浦島太子)(うっ、一体何が…・・)
光が収まると、カメの代わりに一人の女性がそこにいました。
穂乃果(カメ)「助けてくれてありがとう・・私は正直者を探しに来た竜宮の使いなんだ・・」
凛(浦島太子)「寒く無いかにゃ?」
穂乃果(カメ)「え”・・そんなぁ〜。」ガックシ
仕方ないのでカメは太子を海中に引きずりこみ、龍宮に連れて行きました。
その間、太子は今までで一番死ぬ思いをしました。
龍宮に着くと、辺りには魚の被り物をした人間がチラホラいました。
凛(浦島太子)「こ、ここが…竜宮城・・」
陸の人間の間で語られてきた竜宮城の話よりもだいぶ豪勢だったことに唖然とした太子は、カメに連れられて最深部の奥の間に通されました。
襖の先にあったのは、なんとも胡散臭そうな占い師の部屋でした。
穂乃果(カメ)「乙姫様っ、正直者をしょっぴいて参りました・・」
凛(浦島太子)(え、私どうなるの・・)
カメの呼声に少し遅れて占い師の部屋のカーテンから女性が出てきました。
希(乙姫)「カメさんご苦労さん。あなたが正直者の…。」
穂乃果(カメ)「浦島太子さんです・・」
凛(浦島太子)(え、いつ名前教えたっけ?)
希(乙姫)「ふふっ、びっくりしてるねぇ。」ニコニコ
凛(浦島太子)「な、何で考えることがわかるんですか・」
希(乙姫)「我ら龍宮住まいの者はな、なんと、テレパシーが出来るのですっ・・」
凛(浦島太子)「」ポカーン
希(乙姫)・穂乃果(カメ) ドヤァ…。
凛(浦島太子)「えっと…それでなにすれば良いのかな?早く帰らないとお父さんカンカンだと思うんだけど。」
希(乙姫)「そこは大丈夫!なんと、この龍宮では地上の五十分の一の速さで時間が流れてるからたぶん大丈夫!」
穂乃果(カメ)「大丈夫・・」
凛(浦島太子)「なんか胡散臭い気もするけどそれならいいかな。で、何する何する〜?」
ここら辺からとうとう太子もノリノリになってきました。
一日目、太子は龍宮までの疲れを癒すため、ぐっすり寝ました。
乙姫様は太子と会ってすぐに昼寝をしだしました。
カメはまた陸に上がって新たな正直者を探しに行きました。
二日目、太子は乙姫様と一緒に軍人ごっこをしました。
凛(浦島太子)「乙姫隊長、大変です・・ナマコの大群が現れました・・」
希(乙姫)「何ぃ、太子二等兵、直ちに今晩のつまみに捕まえに行くよっ・・」
その晩、龍宮の宴会でつまみにナマコの切り身が出されました。( ゚д゚)( ゚д゚)ウマー
三日目、乙姫様は秘書のウミウシを呼び出し、三人で昭和な曲を何回も熱唱し続けました。
凛(浦島太子)・希(乙姫)・海未(ウミウシ)「昔の昔の物語 伝説の宮殿で 恋した恋した・」
「好きなら 好きだと 抱きしめてください はっきり知りたいあなたの本心・」
「こわいけど 逃げたくないの 微熱からmystery・」
三人で歌った曲は、その日に竜宮ヒットチャート上位に食い込み、一世を風靡しました。
四日目、とうとう太子は龍宮に飽きました。
凛(浦島太子)「飽きたにゃ〜。」
ペシンッ・・
海未(ウミウシ)「貴女がそんな人だとは思いませんでした。最低です!貴女は…貴女は最低です・・」
凛(浦島太子)(いくらなんでも理不尽な気がする…。)
希(乙姫)「しゃーないやない?素直に飽きたって言ってくれたんやし。」
海未(ウミウシ)「仕方ないですね。カメ、此方に。」
離れた所からのんびり屋さんのカメさんがやってきました。
花陽(カメ)「はい、無事に地上まで連れて行きます。」
希(乙姫)「そうそう、これお土産。地上に着いたら開けてね。」
凛(浦島太子)「ありがとにゃ。また来るにゃ〜。」
こうして太子は竜宮から地上へ戻りました。
後日、行きは振り落とされそうになり、帰りはゆっくり過ぎて死にそうになったと太子は周りの人々に語りました。
久々の地上がなんだか不思議と懐かしく感じた太子は、カメと別れると、家へ急ぎました。
ちょうど日が暮れかけた夕日の中、太子は家のそばにまた悪ガキがいるのを見つけました。
凛(浦島太子)「こらー、またいじめてるにゃ〜・・」
今回の獲物は翼を怪我したツルでした。
そのまま悪ガキ共を蹴散らし、ツルを離そうとすると、ツルは突如光り始めました。
光りが収まると、そこには一人の娘がいました。
ことり(ツル)「たすけていただき、ありがとうございます。お詫びに桃源郷へお連れ致しましょう。」
凛(浦島太子)(またかにゃ…やれやれだにゃ。)
ことり(ツル)(お前をおやつにしてやろうか…?)
凛(浦島太子)(また脳内に…・・)
凛「良い話…なのかな?」苦笑い
第三夜・ 浦島太郎 終
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