2015
ザ ザ ー ザ ー ザ
201X
ザ ザ ザ ザ ガ ガ ー
20XX
ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ
2XXX
午前2時
~トウキョウ・某所~
男「…………終わりだ。」
???「殺すのか?俺を。」
男「当然だ。生かして置けるか。」
???「そうか。」
男「じゃあ、な。」
ザ ク リ
*
正午
~トウキョウ・某所・某高校~
友「なあなあ、男。」
男「んー?」
友「今日こそさ、行ってみねえ?」
男「彼処?」
友「おう。」
男「やだよ。最近ここら辺、治安悪いしさ。」
友「いざとなったら、って?」
友「大丈夫だって!アレ、昼間には出ないって言ってるしさ。」
男「アレは居なくても、別のヤバいのが居るかも知れないだろ。ヤクザとか。」
幼馴染「何の話っ!?」ガバッ
男「近い。」ドンッ
幼馴染「ねえねえ、アレって何!?何処行くの!?」
友「ほら、最近よく聞くじゃん?彼処。吸血鬼の。」
幼馴染「あー、彼処ねー。」
男「行かないって言ってるだろ。」
友「本当に行かねえの?」
男「行かない。」
友「本当にか?」
男「行かない。」
友「本気でか?」
男「しつこい。」
友「じゃあ分かった。俺一人で行こう。」
男「えっ……?」
幼馴染「えー?危ないよ、一人じゃさ。」
男「そ、そうだ。いくらなんだって。」
友「しょうがねえだろ。男は来てくれねーし、俺友達少ないし。」
幼馴染「少ない、って言うか男しか居ないよね。」プクク
友「やかましいわ。」スパン
男「……本当に行くのか?」
友「ああ。だからそう言ってんだろ?」
男「……一人じゃ危険だろ。しょうがないから、俺も行くよ。」
友「そうか。やったぜ!サンキュ。」
幼馴染「男が居るなら私も行くよー。」
午後5時
~トウキョウ・某所~
友「結構遅くなっちまったなー。」
男「授業終わって諸々の準備済ませたのが4時位。一時間位歩いたのか。」
幼馴染「疲れたー。男ー、おんぶー。」
男「しない。疲れたなら帰って寝てれば良いだろ。」
幼馴染「はー。甲斐性の無い男だねぇー。」ハアァ
男「あのな、
ザ ッ
友「!?」
男「!」
黒服「男……さんですね?」
男「……違います。」
黒服「無駄な事です。既に特定しています。ご同行いただけますか。」
幼馴染「ちょっ……何なのこの人?怖いんだけど……」
男「何の事だか……お断りします。」
友「お、おい。なんかヤバそうだ。逃げようぜ?」コソッ
黒服「逃げても無駄です。上からの指示ですので。」
男「……友。幼馴染を連れていけ。どうやらこの人達、お前らに用はないらしい。」
黒服「察しが良い。周囲の人間に気付いている。やはり男さんですね。」
友「おい、男!」ガシッ
男「早く行けよ。行け。」
友「でもお前、このままじゃ死ぬかも知れないんだぞ!」
黒服「そこはご安心を。男さんの命は保証しますし、今後会う事も可能です。」
幼馴染「ちょ、ちょっ、ちょっと。何言ってるのさ。訳が分からないよ……」
男「友。明日、学校で。」
友「待てって!ふざけんなよ!」ガシッ グイッ
男「あの、俺は抵抗しないので彼らをここの外へ出してやってくれませんか。」
黒服「畏まりました。……おい。」
黒A「……」コクッ
黒B「……」コクッ
友「ふざけんな!離せ!!」ズルズル
幼馴染「嫌だ!離して!変態!!」ジタバタ
男「……」
黒服「流石ですね。内心の恐怖を隠してのその行動。」
男「いえ別に。」
黒服「足が震えていますよ?」
男「…………」
黒服「まあ、良いでしょう。では、念の為手錠と目隠しを付けさせて頂きます。」スッ
男「ふっ!!」バキッ
黒服「うぁ!?」フラッ
男「クッソ!」ダッ
黒服「やれやれ……捕まえろ!!」
黒C「……」バッ
黒D「……」バッ
黒E「……」バッ
黒F「……」バッ
男「クッソ……!」チャキン
男「クッソ!」ダッ
黒服「やれやれ……捕まえろ!!」
黒C「……」バッ
黒D「……」バッ
黒E「……」バッ
黒F「……」バッ
男「クッソ……!」チャキン
男「クソッ!クソッ!」ズバッ ズバッ
黒C「!?」グラッ
黒D「!?」ガクッ
黒E「……」ガシッ
男「クッソがぁ!」ブン
黒F「……」サッ ガシッ
午後6時
~???~
???「随分、ウチのを困らせてくれたみたいだね。」
男「どうも。」
???「目隠し、取ってやんな。」
黒服「……はい。」スッ
男「…………」
女「驚いたかい?黒服の頭領って感じじゃないだろ?」
男「別に。」
女「そんな連れない態度取らないでよ。アンタのその頬の痣も、後で治療させるからさ。」
男「要りませんよ。どうせすぐ死ぬんだから同じでしょう。」
女「……アハハ!」
男「?」
女「別にアタシはアンタを殺す為にひっ捕まえたんじゃないんだよ。」
男「じゃあ何を……」
女「じゃ、目隠し。」
黒服「はい。」スッ
男「えっ、ちょ、おい!」
女「少し、腕、痛いよ。」スパッ
男「っ!」ツー
女「フフフ……」カプッ
男「!?何すんだ!!」
女「おとなひくひてな。」ジュルルルルルルルル
男「あ、あっ、あぁ…………」クラッ
女「フフフ……」ジュルルルルルルルル
男「あ……」バタン
午前0時
~トウキョウ・某歓楽街・裏路地~
スァッ
男「!」パチッ
女「起きたね。」
男「何を……」スンスン
女「気つけのアンモニアさ。目が覚めるだろ。」
男「俺は…………」
女「今の姿見た方が状況、理解しやすいだろうね。ほら。」スッ
男「……は…………?」ジー
女「鏡見たら分かるだろ?今の自分が。」ニヤッ
男「何だよ……これ。」
女「目覚めてる内に言っとけば良かったね。アタシ、吸血鬼なんだ。」
男「…………ハハハ……」
女「アンタの傷口からアタシの体液。つまり唾液を流し込ませて貰ったよ。」
男「そ、そんな嘘……吸血鬼は男で、美女の血を…………」
女「どこまでが真実でどこからが虚実かなんて、分からないもんだよ。」
男「俺は…………」
女「大丈夫だよ。昼間外に出る事だって出来るよ。」
男「で、でも……」
女「大丈夫さ。一応紫外線に弱いのは確かだけど、モロに長時間当たらなければ良いだけ。」
男「…………」
女「それに、アンタはアタシから貰っただけだから、更に紫外線に強い。」
男「そうじゃないでしょう!?」
男「こんな姿でどう今まで通りやれって言うんです!」
女「……」
男「髪は墨みたいに黒い、目は白黒反転、肌は色白、尖った耳!」
女「……」
男「同一人物じゃないでしょ!殆ど!」
女「悪いね。でも、アンタにはして貰わなきゃいけない事があるんだ。」
男「はぁ!?」
女「それは、アンタの意思とは無関係でね。」
男「何だってんです!これ以上、何しろって!?」
吸血鬼って鏡に映らないんじゃなかったって
>>21
設定として、全部を伝説通りにはしないつもり。
だから十字架見ても苦しまないし、牙もそこまで長くない。
一般的イメージ位の牙が実際にあるとなんか
邪魔で食べ物食べれないみたいな話も聞いた。
黒服「男”様”には、女様の跡を継いで頂きます。」
男「……は?」
女「私はトウキョウを主とする関東エリアの吸血鬼グループの主なんだよ。」
黒服「女様は近々外部エリアの制圧に動く為、関東エリアには手が回らなくなります。」
男「だから代わりに俺を……?」
女「そう。」
男「なんで俺なんです?そんな勝手な理由で、無関係な俺が。」
黒服「無関係等ではありません。」
男「?」
女「アンタ、父親の顔を覚えてるかい?」
男「…………覚えて、ませんけど。」
女「アンタの父親はアタシの叔父だよ。若い時に抗争で命を落としたんだ。」
男「…………は?……………………はぁ?」
女「アンタの父親も吸血鬼だったんだよ。で、死んだ後に継いだのがアタシ。」
男「じゃあ、つまりあなたは、俺の……」
女「従姉妹になるね。」
男「……はぁ…………」
女「アタシの親父、アンタの父親、アタシ。順当に行けばアンタが跡を継ぐのは当然だろ?」
男「さあ?吸血鬼の理屈なんて知りませんよ。」
黒服「男様には現在通っている高校を退学して頂きます。」
男「…………もう、何を言っても無駄なんでしょう。好きにして下さいよ。」
黒服「そして、吸血鬼としてのノウハウを学んで頂きます。」
女「嫌なら嫌で良いさ。代わりの人間を探す。」
男「そんな、断る権利があるみたいに言って!俺に無理矢理決断させるんでしょう!?」
黒服「…………」
男「それで無茶苦茶な、話と違う事をさせて、お前が断らなかった、って言うんでしょう!?」
女「…………」
男「あなた達は……卑怯だ……」
男「もうこんな姿になって、普通の人間として暮らして行けないのは分かってますよ……」
女「……答えは出たかい。」
男「あなた達の言いなりにはならない。ただ、利用させてもらう。」
女「……」
男「訓練だってするし、一時的に言う事も聞く。けど……」
女「…………」
男「俺を服従させられるなんて、思わない事ですね。」ギリッ
女「へぇ…………」
男「…………」
女「良いね、いい目だよ。詳しい事は黒服から聞きな。アタシは少し外すよ。」
某日・午前0時
~???~
黒服「かなりの腕前になりましたね。」
男「ふん。当然だろ。」
黒服「吸血の術、体術、回復能力、変化の術、一週間で殆ど体得しました。」
男「これで一人で生きていける。いつお前らを裏切って殺してやろうか考えてるさ。」
黒服「それは頼もしい。では、仕上げです。」
男「ほぉ。」
黒服「トウキョウには我々の統治外の吸血鬼が多くいます。」
男「それを殺しにいけと?」
黒服「はい。我々はこれを、狩りと呼んでいます。」
男「分かった。行くか。」
午前1時
~トウキョウ・某歓楽街~
黒服「狩りは一人でやっていただきます。既に被統治者は近辺には居ません。」
男「見つけた吸血鬼は殺して良いんだな。」
黒服「はい。我々は手助け致しませんが、いざと言う時の為、待機はしておりますので。」
男「そんなものは要らないがな。よし、行くぞ。」バッ
~歓楽街内部~
男「警察も居なければ人間も居ない。全く、治安0か。」
吸血鬼A「お?」
男「ん……?」
A「おいお前!こんな時間に何してるんだぁ……?ヘヘヘ……」ユラァ
男(まずは爪を伸ばし、手刀を作る……全体を硬化させて……)
A「暇なら俺様のストレス発散に付き合えぇ!!」バッ
男「切る!!」ズバッ
A「アァ!?」ゴトッ
男「簡単だな。」スッ
男「…………もう人間ではない、と言う事を実感するな……」
黒服「男様。」スッ
男「どうした。」
黒服「一応、当初の目標としては達成出来ましたが……如何致しますか。」
男「まだ狩りを続けても良いが……今日は疲れた。寝ても良いか。」
黒服「勿論です。では、準備を……お疲れ様でした。」
翌日・午後10時
???
男「ん……」パチッ
男(今日は……何をするんだ?トレーニングはまあするだろうが……)
黒服「おはようございます、男様。」
男「ああ。おはよう。夜だけどな。」
黒服「我々としては当然の挨拶ですので。」
男「そうか。それで、今日は何をするんだ。」
黒服「男様は一対一の戦闘に関しては天才的な才能をお持ちです。」
男「まあ、格闘技もいくつかやってたからな。」
黒服「しかし、集団で戦う場合もございます。」
男「そうらしいな。抗争とやらで。」
黒服「はい。ですので、今日は指示を出しながら戦闘を行って頂きます。」
男「そうか。」
黒服「今回は我々の領地を使って小規模な模擬戦を行います。」
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