光彦「なんなんですか、これは・・・」(23)

書き溜めしていないので、ゆっくり更新していきます。

 円谷光彦は天才小学生だ。
 コナンや灰原がが来たせいで、誰も気が付かないが、同い年になれば2人など余裕で越してしまう。
 そんな彼は、暗い部屋でパソコンの画面を見つめていた。
 自分で作った、平行世界を見ることができるプログラム。
 そこには、コナン達に殺される自分の姿が映っていた。

光彦「嫌だ・・・死にたくない、死にたくない・・・」

 光彦は自分の爪を噛んだ。
 バキッと音がして血が出るが、関係ない。
 今は、自分の死の方が重要なのだ。

光彦「死にたくない、死にたくないよ・・・」

 彼は、一人で泣き続けた。

翌日

 いつものように、平和な朝がきた。
 元太は登校中に光彦の姿を発見した。
 早速彼に話しかけた。

元太「よぉ光彦!おはよう!」

光彦「死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない・・・」ブツブツ

 しかし、彼の言葉は光彦の耳には届いていないようだ。
 当然だろう。今、彼は死を恐れているのだから。

コナン「お、元太!光彦!おはよう!」

歩美「あ、みんなー。おはよー♪」

 コナン、歩美と合流していく。
 普段なら、いつもの日常だ。
 しかし、今は違う。

灰原「あら、みんなおはよう。光彦君なんだか元気がないんじゃない?」

 灰原も揃う。
 しかし、光彦はそれにも反応せず、学校に向かった。

 学校にいる間も、光彦は勉強に集中できなかった。
 彼は、天才といえども小学生だ。
 キチガイと化した友人に笑顔で殺され、知り合いの老人に狂ったように犯され・・・。
 むしろ自殺しないのが不思議なくらいだ。

光彦「あ、そうだ・・・」

 とはいえ、気が狂うのは仕方がないが。

光彦「みんなを、殺せばいいんだ・・・」

 光彦は、1人静かに笑みを浮かべた。

翌日

 光彦は、早速凶器を買った。
 同じものを使うと連続犯と特定されてしまうため、色々な店で、別々のものを買う。
 まずは、元太を狙うことにした。
 買った後、すぐに元太の家に向かう。
 手には金属バットを持っていた。
 インターフォンを押して、光彦は笑顔で言った。

光彦「元太君!野球をしませんか?」

元太「なんでこんな時間から野球なんてするんだよ」

光彦「いいじゃないですか。さっき新しいバットを買ってもらったので試してみたかったんですよ」

元太「ふーん・・・まぁたまにはこういうのもいいかもな。よし、やろうぜ!そのかわりうな重奢れよな?」

光彦「そんな、無理ですよ~」

 傍から見てもごく普通の会話だ。
 正直、今から人を殺そうとしている人の発言には思えないのだから不思議だ。

元太「それじゃあパパッとしようぜ。もうすぐ晩ご飯だしな」

 光彦は軍手を装着した手でバットの感触を確かめた。
 今の時間帯、公園には人は一人もいない。
 公園に到着してしまえば、あとは殺すだけだ。
 しばらくして、目的地に到着した。
 光彦は大柄な少年の後頭部に向けて、バットを振り下ろした。
 ゴッと鈍い音がして、元太は倒れた。

光彦「殺し・・・た・・・・・・?」

 光彦はすぐに彼の遺体を手持ちのナイフでバラバラにして、死亡時刻を分かりにくくした。
 筋肉や、胃袋だとかが使われるはずなので、とにかくそこを切り刻む。
 ついでに頭も切り裂き、死因も分かりにくくした。
 光彦は、その後何食わぬ顔で家に帰宅した。

小林先生「昨日、元太君が公園で殺害されました」

 先生の言葉にみんなは息をのんだ。
 ただ、1人を除いては。

歩美「元太君・・・元太君・・・・・・ッ!」

コナン「元太・・・ッ!」

灰原「小嶋君・・・どうして・・・・・・ッ!」

 仲良くしていた4人には、特に辛い報せだろう。
 ある、1人を除いては。
 この時、誰かが気付くべきだったのだ。
 一人笑みを浮かべる、光彦に。

 その日は午前中で帰ることになった。
 そしてしばらく休校になったが、みんなは喜ばなかった。

コナン「俺が、絶対元太を殺した奴を見つけ出してやる!」

 悔しそうに拳を握りしめながら、コナンは呟いた。
 みんな、悲しそうに俯いている。

光彦「僕が元太君を誘わなければ、こんなことにはならなかったんでしょうか・・・」

 光彦は俯いたまま呟く。
 捜査の影響で、光彦が元太と遊んでいたことなんてすぐに分かっていることだ。
 別にそれは予想済みなので、問題はない。

コナン「んなことねえだろ。悪いのは犯人なんだから」

 その言葉に、光彦は吹き出しそうになった。
 だって、自分が犯人なんだから。

光彦「そう言ってもらえると嬉しいです。そうだ、こんな状況ですし、歩美ちゃんを家まで送りますよ」

コナン「それがいい。俺は灰原を送っていく」

歩美「ありがとう。光彦君」

灰原「みんな生きているといいわね」

 光彦は、上手くいっている計画にニヤリと笑った。

歩美「でも、誰が元太君を殺したんだろう・・・」

光彦「分かりません。もしかしたら、誰か僕達に恨みがある人の仕業かと・・・」

 光彦はそう言いながらポケットに忍ばせたスタンガンを指で撫でた。
 彼は深呼吸をしながらそれを握りしめる。

光彦「でもそうなると、次は少年探偵団の誰かが殺される可能性があります」

歩美「そんなぁ・・・でもコナン君が守ってくr・・・」

 バチィっと音をたて、少女の首元に電流が走る。
 そのまま体を震わせながら、その場に倒れた。

歩美「みつ・・・ひこくん・・・・・・?どうして・・・?」

光彦「元太君を殺したのは、僕ですよ」

 彼はそう言いながら歩美の体を大きな袋に詰めた。
 そしてそれをこれまた大きなカバンに詰めて肩に背負う。
 しばらくして、海に着いた。

光彦「さようなら。歩美ちゃん。元太君とお幸せに」

 ドボォーンッ!
 海に落ちたカバンは、そのまま沈んでいった。

光彦「これで2人目、ですね」

 光彦は静かに、その場を立ち去った。

 歩美が行方不明になったことはテレビで報道された。
 光彦は、一緒に帰っている時に大柄な男に歩美だけさらわれたと警察に言った。
 普通に考えれば、みんな、これは歩美を犯すためにさらったと解釈するだろう。
 そして光彦は、次に阿笠博士から借りたクローン製造機を使って、アリバイを捏造することにした。
 クローンにはコナンの家に行かせ、その間に自分は灰原達の家に行った。

灰原「あら、光彦君。どうしたの?外危ないんじゃない?」

光彦「実は、親が出かけてしまって・・・1人は危ないからって、ここまで送ってもらったんです」

灰原「・・・そう。それじゃあ、お茶を出すから待っててくれる?」

光彦「分かりました」

 灰原がキッチンに向かったのを確認し、光彦は花瓶を手に取った。
 そして、お茶を用意する灰原にゆっくりと近づいた。

灰原「そういえば、紅茶と緑茶のどっちがいいk・・・」

光彦「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」

 ガンッと大きい音をたて、灰原は倒れた。
 光彦は阿笠博士の実験室に行き、大量のガソリンを床に家中に撒き散らした。
 途中で会った博士はスタンガンで動きを封じた。
 そして、家に火をつけた。

すいません、色々忙しくて更新できなくて・・・。
クローンについては、一度だけしか使えないという設定を追加しておきます。
ご都合主義ですが気にしないでくださいw

 少し時間を遡り探偵事務所にて。
 チャイムが鳴ったのでコナンがでると、そこには光彦が笑顔で立っていた。

コナン「どうした光彦。外は危ないだろう」

クローン光彦「そうですが、家に親がいなくって・・・。自転車で急いでここまで来たんです」

コナン「そうなのか。まぁ家に一人でいるのも危ないよな。入れよ。一緒にゲームしようぜ」

クローン光彦「そうですね。あ、そうだ。よかったら灰原さんとかも呼びたいですけどね」

コナン「そうだな。博士といれば安全だろうし、呼んでみるか」

 コナンはそう言って電話をかける。
 当然だが、誰も出なかった。

コナン「あれ、おっかしいなー。誰も出ないや」

クローン光彦「それじゃあこちらから行きましょうよ。二人でいれば狙われることもないと思いますし」

コナン「おう。そうだな」

 二人は雑談をしながら博士の家に行った。

 コナンは、自分の目を疑った。
 目の前では、博士たちの家が燃えていた。

コナン「博士!灰原!」

 コナンが走って行ったのを眺めてから、クローン光彦は路地裏で本物の光彦と代わる。
 直後、クローンは跡形もなく消え去った。

光彦「そんな・・・灰原さんが・・・・・・」

 光彦はそう言いながら1人ほくそ笑んだ。
 あと、1人だ・・・。
 あと1人殺せば、自分は死ななくて済む・・・。

コナン「なんで・・・なんで俺じゃねぇんだよ!」

 コナンは叫ぶ。

コナン「俺は、絶対に犯人を見つけ出して捕まえてやる!」

 その声は、燃え盛る炎の音にかき消された。

コナン達はトボトボと道を歩く。
たったの数日で友人たちが死んでいった。
光彦は拳銃を握りしめた。
あと1人で、自分は生きられるのだ。

コナン「なぁ・・・ちょっと行きたい所があるんだけどさ。一緒に来てくれよ」

光彦「・・・?別にいいですけど?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年08月07日 (火) 15:38:11   ID: 8laSCV70

点のうち方下手やな

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