爺「男ー。風呂わかすから薪割ってきてくれ」
男「・・・じーちゃん、俺薪なんて割ったことないんだけど」
爺「テレビとかで見たことあるだろ?あの要領だよ」
男「・・・・まぁ・・・やってみるよ、それじゃあ」
爺「家の裏に薪と斧が置いてあるから、頼むぞ」
男「どんくらい割ればいいの?」
爺「多ければ多いだけだな」
ガッ!
男「よい・・・・っしょ!」
パカン!
ガッ
男「よい・・・・しょっ!」
パカン!
男(・・・・・・・・・・・・・・)
男「無心でやると・・・・」
男「知らないうちに作業がある程度終わっているという不思議」
ガサッ・・・ガサッ・・・・
男「・・・・・・ん?」
男「・・・まさか」
~回想 爺の注意~
爺「家の近くにもたまに猪とか熊ぁ出るから気ぃつけろよ男」
男「わかったよ」
爺「とりあえず、鈴は持っておけ。つい先日もお隣の田中さんが畑の野菜食い荒らされたからな」
男「え?たまにっていうか最近?」
爺「まぁ昨日の話だ」
男「え?昨日?」
~草むらでの遭遇~
男「・・・まさか・・・熊?!」
ガサガサ・・・
男「そ、そうだ!鈴を!」
チリンチリンチリン!
ガサガサガサ!
男「てか熊って鈴を鳴らすと逃げるのか?」
?「くぅっ・・・・・・ぐっ・・」
男「う、うめき声?」
チリンチリンチリン!
男「熊よ去れ!熊よ去れ!熊よ去れ!」
?「くっ・・・・・・・」
男「・・・・熊・・・じゃない?」
ガサガサ・・・
?「・・・・・・・くぅ」
男「・・・・女の子?」
?「はっ!あ、あの、どこのどなたか存じませんが助けていただけませんか?」
男「えーっと・・・・」
?「実は片足が罠にかかってしまいまして、はずせないのです・・・」
男「うわ・・・・痛そう・・・」
?「ですのでその斧で私の片足を叩き切っちゃってください」
男「え?」
?「え?」
男「それだと、さらに痛くならない?てか下手すると死なない?」
?「罠にかかったまま死ぬのなら、罠から抜け出して死にます!」
男(・・・ちょっと理解できない)
男「よいしょ・・・っと!」
ガチャンッ!
?「・・・・・・・・・・」
男「よし、鎖が切れた」
?「・・・・・・・・・・・」
男「・・・・・?どうしたの?」
?「ほ・・・・・・」
男「ほ?」
?「本当に足を切られるかと思った・・・・」ガタガタガタガタ
男「いくらなんでもそんな残虐なこと俺には出来ないよ・・・・」
?「こ、こわかったー・・・・・」
男「でもまだ罠のほうが外せてないから・・・」
男「よいしょっと・・・・・」
?「・・・・・・あ・・・・・あぁ・・・・」
男「ん?どうした?あ、ごめんね?揺れて痛いかもしれないけど」
?「い、いえ・・・!あ、あれ?!」
男「あれ?」クルッ
熊「・・・・・・・・」ヤァ!
男「うわあああああああああ!?」
?「ひぃぃぃぃぃ!?」
熊「・・・・・・・・・・・」ウマソー!
男「そ、そうだ!す、鈴!鈴!」
チリンチリンチリンチリンチリン!
熊「・・・・・・」イイネイロデスネ!
男「きかねーー!!」
?「いやああああああああ!?」
男「ちくしょーーー!!」
熊「・・・・・・・」イタダキマース!
バァァァァァァァン!
男「・・・・・・・・?あ、あれ?」
熊「・・・・・・・・」
バタッ
爺「やったな男。今日は熊鍋だ」
男「じ、じーちゃん!?」
爺「どれ頭さもう一発」
バァァァン
男「・・・・・・・・」
爺「どれ。俺、田中さん呼んでコイツバラしてくるから」
男「あ・・・うん」ポカーーーン
?「・・・・・・・」ガクッ
男「・・・・・と、とりあえず、この子の罠を外してあげないと」
~一時間後~
?「・・・・・・。・・・?」ムクッ
男「あ、起きた?」
?「ここは・・・・いたた・・・」
男「大丈夫?一応手当てはしておいたから。しばらくは安静にね。ここは俺のじーちゃんの家」
?「でも、私たち・・・熊に襲われていたような・・・・」
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