幼馴染み「お帰りなさい」(59)
書き溜めてないですけど
男「おお、ただいま」
幼馴染み「合鍵くれたの嬉しくって、来ちゃった!」
男「ちょうど良いや、ツナギ破れたから縫っといて」
幼馴染み「分かった!」
幼馴染み「お風呂、沸かしてあるから」
男「じゃあ先入ってくるわ」
幼馴染み「はーい」
―――――――――
幼馴染み「♪」
男「ふぅ。風呂ありがとう。って、何やってんの?」
幼馴染み「晩ごはんだよ? 今日は唐揚げとポテトサラダ!」
男「おお、こりゃありがたい。悪いなほんと。食費ちゃんと払うから」
幼馴染み「うん。じゃあとりあえず一万円預かるね」
男「へ? 一食にしてはえらく高いなぁ(笑) もしかして工賃込み? シビアだねぇw」
幼馴染み「違うよ、一月分だよ」
男「?」
幼馴染み「明日から毎日来るから」
男「それはさすがに悪いからいいよ。お前もわざわざ地元出て大学入ったんだからさ、勉強とかの時間もちゃんと作らないと」
幼馴染み「どうせ作るんだから、一緒に食べたほうがいいでしょ? 勉強の事もちゃんと考えてるよ」
男「まぁ、お前がいいなら俺は構わないけど」
幼馴染み「もしかして、他にご飯作ってくれる人居るの? 私って迷惑? ごめんなさい、合鍵渡してもらってほんと嬉しかったから、つい舞い上がっちゃって、ほんとごめんなさい。勝手に部屋上がり込んで、勝手に美味しくもない料理作って……」
男「まてまて、そんな相手居ないし迷惑じゃないよ。ってか気にしすぎだろ、もう何年の付き合いだよ。それにまだ飯くってねぇし」
幼馴染み「ごめんなさい。男君の迷惑になりたくなくって……」
男「迷惑になるわけないだろ? それより腹へったよ、飯よそってくれ」
幼馴染み「あ、うん……! 遅くなってごめん! すぐ準備するから!」
――――――――――
幼馴染み「そういえばね」モグモグ
男「なに?」モグモグ
幼馴染み「男君のお仕事って具体的にどんなことするの? 機械関係としか聞いてなかったから」
男「あー、まぁ簡単に言ったら修理屋。汎用エンジンが付いてる機械とか直したりしてる」
幼馴染み「はんよーえんじん?」
男「うん、汎用エンジン。小さいエンジンで色んな機械に取り付けられるんだよ。例えば家庭用の交流で100vの発電機とかさぁ」
幼馴染み「難しいね」モグモグ
男「まぁ女の子は興味ないよな」モグモグ
男「幼馴染みは? 大学楽しいか?」
幼馴染み「うん。楽しいよ。サークルとかは入る予定ないけど」
男「そうかそうか。あー食った。ごちそうさま」
幼馴染み「お粗末様。座ってゆっくりしててね。お茶淹れるから」
男「おう、ありがとう」
幼馴染み「粗茶ですが」
男「ありがとう」
幼馴染み「♪」カチャカチャ
男「あ、洗い物か、手伝うよ」
幼馴染み「だめ! 家事は女にやらせておけばいーの! テレビでも見てて下さい!」
男「はいはい」
――――――――――
男「バラエティつまんねぇ……」
幼馴染み「♪」トタトタ ポスン
幼馴染み「ツナギ、破れた所縫い合わせる? 布当てる?」
男「布当てといて」
幼馴染み「はーい」
幼馴染み「♪♪」シュッシュッ
男「……」ズズズ
――――――――――
幼馴染み「出来ました」
男「ありがとう。綺麗にできてるなぁ」
幼馴染み「男君の仕事着だもん。綺麗にやらないと」
男「ありがてえ……ってもう結構遅いな。さっさと風呂入って来いよ」
幼馴染み「あ……うん、分かった」
幼馴染み「……男君が就職するって聞いて、追いかけるように近くの大学に入ったけど」
幼馴染み「まさかこんな風に一緒に過ごせる時が来るなんて」
幼馴染み「男君たら、部屋の鍵まで渡してくれて」
幼馴染み「……うふふ、幸せ」
――――――――――
男「幼馴染み風呂長いな。もう1時間は入ってら」
男「ケータイでも見るか」
男「お、メール入ってる……会社の事務さんからか」
事務『今何してるの?』
男「教えろって言われたからアドレス教えたけど……面倒くさ。適当に『テレビ見てます』っと」
シニーユクオートコタチハ♪
男「返事はや……なになに、『そうなんだ、私今お風呂なんだ』っか。だからどうしたんだよ……」
男「……幼馴染み遅いなぁ」
ザバァー
幼馴染み「色々考えてたら意識しちゃって念入りに洗ってしまった……」
幼馴染み「とにかく出よう。話しはそれからっ」
――――――――――
幼馴染み「おおおっ男! お待たせっ」
男「zzz」
幼馴染み「」
幼馴染み「ケータイ、握って眠ってる……かわいい♪」
幼馴染み「ん? メール画面?」コソコソ
幼馴染み「!!!」
幼馴染み「………………」ワナワナ
男「んぁ……寝ちまってたか……ん? 幼馴染み風呂あがってたのか」
幼馴染み「…………」
男「ど、どうしt」
幼馴染み「……だょ」
幼馴染み「やだ……やだよ! やだやだやだ! 男君はだめなの!」ガバッ
男「おお!? どうした幼馴染み!」
幼馴染み「なんでなの? 私ってもう要らないの? 飽きた? ねぇ私って鬱陶しい? ほかの女の子がいいの!?」
男「おい、落ち着けって!」
幼馴染み「私、男君に捨てられるの!? いやだよ……私……私だけ、見ててよぉ!」
男「!? 幼馴染み、それって……」
幼馴染み「私のどこが嫌? 顔? 性格? 私、男君好みの女の子になるから! お願い、私の傍にいて……」
男「いい加減落ち着け! 何があったか知らないけど、一度冷静になって話してみろ」
幼馴染み「男、君がぁ……メール……」
男「メール?」
幼馴染み「他の女の子とメールしてるから、私、別の女の子見つけたのかなって、悲しくなって……」
男「は、はぁ!?」
幼馴染み「やだよぉ、メールなんてしないでよ。私が……私だけが、男君の事一番好きなのに……」
男「好きってお前……」
幼馴染み「好きよ、男君。誰の所にも行っちゃだめ。話しちゃだめ。メールなんてだめ!!」
男「……はぁ。何かと思えば、たかだかメールぐらいで大騒ぎしやがって」
幼馴染み「メール……ぐらい……」ジワァ
男「あああ、わわ、悪かった! もうメールなんかしないよ! 俺も幼馴染みが好きだよ! 大切にするから、もう泣くな」ナデナデ
幼馴染み「……ほんと?」
男「ああ。好きでもない女に部屋の合鍵渡すかよ」
幼馴染み「……ふぇぇ」
男「あーあー、ほら、泣くな泣くな、よしよし」
――――――――――
男「落ち着いたか?」
幼馴染み「うん」ギュッ
男「いつまで抱きついてるんだ?」
幼馴染み「……」ジワァ
男「泣くこたないだろ……」
幼馴染み「ひぐっ」
男「よしよし」
幼馴染み「あ、あの……」
男「なんだ?」
幼馴染み「キス、してください」
男「分かった」
チュッ
男「!?」
幼馴染み「はむ……レロレロプチュ」
男「ぶはっ!!」
男「……なかなかアグレッシブだな幼馴染みよ……」
幼馴染み「えへへへへ」ポー
幼馴染み「男君、私の初めて奪ったんだから、責任取ってね!」
男「奪ったって……お前が言い出したんだろ」
幼馴染み「……嫌、だったの?」ポロポロ
男「嫌なわけないだろ……じゃあ次は俺が奪ってやるよ」
幼馴染み「え/////」
男「照れてんじゃねぇよ、こっちこい」
幼馴染み「あああああ、あのっ!!」
男「ん?」
幼馴染み「優しく……してください」
チュンチュン
幼馴染み「♪」ツヤツヤ
男「おはよう」
幼馴染み「おはよう! 早かったね!」
男「目が覚めてさ。朝飯和食で頼むよ」
幼馴染み「そんなのわかってますー」
男「あのさ」
幼馴染み「なぁに?」
男「俺、まだ稼ぎもそんな無いし、頼りないかもしれないけど……」
幼馴染み「そんなことないよ。私はいつでも男君を頼りにしてる。お金なんていらないの。私にとって、今男君といるこの時間が、男君だけが、一番大切なの。他に何も要らないの」
男「幼馴染み!」ギュッ
幼馴染み「あうっ////」
男「好きだよ」
幼馴染み「わたしも、すき」
男「あ! もうこんな時間か、いちゃこらしてる場合じゃないぞ、幼馴染み早く飯!」
幼馴染み「もう……帰ってきたら、いっぱい構ってね」
男「ああ。任せとけ、早く帰ってくるから」モグモグ
―――――――――
幼馴染「忘れ物ない? お弁当もったよね」
男「うん、じゃあいってきます」
幼馴染み「いってらっしゃい!」
ガチャバタン
幼馴染み「……寂しい」
男「おはようございます」
主任「おーす」
事務「おはよう男君」
課長「男、早々で悪いけど、修理行ってやって。200vがエンジン掛からないらしい」
男「了解でーす」
事務「男君、ちょっと」
男「はい、なんでしょう?」
事務「ここじゃあれだから、ロッカーに行こう」
男「どうしたんですか?」
事務「昨日どうして途中でメール無視したの?」
男「無視って……寝ちゃってたんですよ」
事務「ほんとに?」ジー
男「ほんとです」
事務「ふーん。まあいいや。それよりさ、この週末どっか遊びに行こうよ」
男「またですか……」
事務「またって、この間初めて遊びに行ったんじゃない! 冷たい人ね、男君て」
男「どっちにしろ週末は予定あるんですよ」
事務「え!? もしかして彼女!?」
男「まぁそんな感じです。じゃあ、課長に言われてるんで、行ってきます」
ゴオオオオ
男「ゴーズフィルタの目詰まりですね、燃料が供給されてなかったみたいです」
作業員「おお! たすかったわ、ありがとう!」
男「また何かあったら電話ください。ありがとうございました」
ドン キュキュ ブロロロ
男「ふぅ。11時か、もうすぐ飯だな」
男「とりあえず車止めて休憩休憩」
男「ん? 電話か……」
《着信 幼馴染み 56件》
男「あいつもしょうがないなぁ」
prr
幼馴染み「ばかぁ!! 電話出てよぉ……心配したじゃないですかぁ!!」
男「仕事してたから出られなくて当たり前だろうに」
幼馴染み「だって、だってぇ……ふえぇ」
男「落ち着け落ち着け。もう昼だから、一旦家帰るよ」
幼馴染み「ほんと!? ほんとにほんとですか!?」
男「ああ。15分くらいしたら着くから、大人しくしてろ」
幼馴染み「はぁい! 大人しくします!」
ピッ
男「全く……手が掛かるやつだなぁ」
――――――――――
幼馴染み「やだ! 私ったら、男君が帰ってくるのにこんな格好……早く支度しないと!! ご飯もちゃんとしよう! お弁当は私が食べる!」
バタバタ
ガチャ
男「ふぃー、一旦ただいまー」
幼馴染み「お帰りなさぁい!!」パタパタ
男「待てこら! 飛び付いてくんな! 汚れてるから!!」
幼馴染み「ッッ! やだ私ったら、つい感極まっちゃって/////」
男「とりあえず部屋着取ってくれ。ツナギは玄関で脱ぐから
幼馴染み「はぁい」パタパタ
――――――――
幼馴染み「どうぞ」ササッ
男「ありがとう」
幼馴染み「タオル濡らしてきたから……体も拭いてください。もし良かったら私が……//」
男「ありがとうな」フキフキ
幼馴染み「……」
男「あーよっこらせ」ドカ
男「おお、旨そうな匂いだな」
幼馴染み「男君のお昼だよ」
男「え? けど弁当が……」
幼馴染み「私が食べます」
男「左様か」
男「ええと、弁当はっと」ガサゴソ
ヒラヒラ
男「あったあった……ん、なんじゃこりゃ」
幼馴染み「ぶりがもうちょっとで焼けるからね~」
男「おお」ペラ
男「なになに『男君へ、私の人生初の愛妻弁当です。いや、愛妻なんておこがましいかな……けど、昨日男君に好きって言ってもらえたから、ちょっと調子に乗っちゃいます。半日お疲れ様でした。午後からも頑張ってください。でも、なるべく早く帰って来てください。大好きだよ。幼馴染みより』」
男「………」
幼馴染み「出来たよおとk……」
幼馴染み「ああああああええとええと……それはあのその……」カアアアアア
男「」
幼馴染み「おとおと男君にお昼からも頑張って貰おうって書いてみみみたんだけどっごごごめんなさい、気持ちわるい手紙なんか書いて……」
男「幼馴染み」
幼馴染み「は、はい……」
男「……」トタトタ
ギュッ
男「お前はいい女だなぁ」
幼馴染み「あ……ありがとうございましゅ……」ポケー
男「あ、わるい。オイル臭いだろ」パッ
幼馴染み「ああっ」スカッ
幼馴染み「別に良いんです。あなたの匂い……お仕事頑張ったあなたの匂い素敵です……」
男「急におかしくなったな」
幼馴染み「ん!」ギュ
幼馴染み「うへへ」クンカクンカスーハースーハー
男「おい……さすがに気色悪いぞ……」
幼馴染み「ぺろぺろ」
男「おい! 何やってんだ!!」
幼馴染み「あう……あなたの首筋って、すごく綺麗です……男らしくて素敵……」
男「そこでなんでぺろぺろなんだよ……」
幼馴染み「……」ポケー
男「こら、呆けてないで飯は!」
幼馴染み「はっ! ごごごめんなさい!! 私ったらぁ!!」バタバタ
男「はぁ。忙しいやつだな」
―――――――――
男「食った食った」シーシー
幼馴染み「お粗末様です」
男「ちょっと一眠りするから、一時に起こしてくれ」
幼馴染み「分かりました」
幼馴染み「じゃあ私は食器を洗ってっと」カチャカチャ
幼馴染み「……」カチャカチャ
男「zzz」
幼馴染み「……」ザ-
男「zzzz」
幼馴染み「……」キュッキュッ
幼馴染み「ふぅ、終わった」
幼馴染み「うふふ、男君、寝顔も昔のまま……」
幼馴染み「ふゎ……私も少し寝ようかしら」
幼馴染み「お隣、失礼しまーす」ギュッ
幼馴染み「お休みなさい……」
ピピピピピ
男「おぉ……」ピッ
男「もう一時か。幼馴染みは……ん?」
男「背中が温いと思ったら、こいつ張り付いてやがる……」
男「とりあえず腕を剥がしてと」ペロ
幼馴染み「んん!」
男「やかましいわ……俺より爆睡してんじゃねぇよ……目覚ましかけてて良かった……」
幼馴染み「スウスウ」
男「綺麗な寝顔しやがるなぁ」ナデナデ
幼馴染み「んん……えへぇ」
男「……」
男「さてと、こいつにはタオルケットを掛けてと……」
男「またツナギ着るのか……憂鬱だわ」ゴソゴソ
男「よし、じゃあ、行ってきます」ガチャ
バタン
幼馴染み「…………はっ!!」
幼馴染み「すっかり熟睡しちゃったああああ!! 今は……三時いいいぃぃぃ!!」
幼馴染み「はっ!! 男は!?」
幼馴染み「……居ない……ちゃんと起きれたかなぁ……ってあれ? タオルケット……?」
幼馴染み「もしかして、男……?」カアアアアアア
幼馴染み「やだぁ、きゅんきゅんする……男ぉ……」ポケー
――――――――
課長「おーし、そろそろ置くか」
課長「腰が痛い
男「ふぅ……終了……」
事務所
ゾロゾ
事務「お疲れ様です」
課長「事務、後で今月の数字だしといて」
事務「分かりました。あ、お茶淹れますね」
主任「ありがとう」
男「ありがとうございます」
男(書類と作業日報、6時には退社できるな)
事務「どうぞっ」コト
男「頂きます」ペラ
男「ん、紙?」
事務『今晩メールするから』
男「……」チラ
事務「主任、どうぞ~」チラッ
男「はぁ」
男「書類しよ……」
―――――――――
男「お先、失礼します。お疲れ様です」
主任「うぇーい」
課長「おつかれさん
事務「お疲れ様です」チラッ
男「……」テクテク
男(事務さんめんどくせぇ……とりあえず幼馴染みにメール入れとくか)
――――――――――
キョーダッテアナターオー
幼馴染み「あ、男からメールだ」
男『今終わった。二十分くらいで着くから』
幼馴染み「やた! 男が帰ってくる!」
幼馴染み「ご飯は準備万端だし、あと十分したら仕上げちゃおう!!」
男「ただいまー」
幼馴染み「お帰りなさぁい!!」パタパタ
男「うぉっ!」ガバ
幼馴染み「えへへぇ、ナイスキャッチ!」ギュウ
男「ほんとにお前は……」
幼馴染み「えへへ。あなた、ご飯にする? お風呂にする? それとも……」
男「お前かな」
ダキッ チュッ
幼馴染み「!!!!!!」
男「さぁて、先に風呂入るわ」
幼馴染「///」パタタ
パタタ スッ
男「はいはい、タオルと着替えな。サンキュー」
幼馴染み「///」
チャポン
男「あぁああああつかれたぁああああ」
男「いい湯加減だ」
男「たった2日だけど、幼馴染みが居てくれるだけで仕事のモチベーションが上がるなぁ」
男「あの変に過剰な心配性だけどうにかなったらな……」
男「まぁ、あれもあれで可愛いもんだけど」
ーーーーーーーーーー
幼馴染み「♪♪」
幼馴染み(仕事帰りの男君……かっこよかったぁ……)ポケー
幼馴染み(ゆうべ結ばれた時も、男らしくて素敵だったけど、あの微妙に疲れを孕んだ表情が……///////)
幼馴染み(お風呂あがったら、マッサージしてあげなくちゃ!!)
テンシノユビサキーガー
幼馴染み(あれ、男君ケータイ鳴ってる。great devotionは電話の着信音のはず)
幼馴染み(仕事の電話かな……? 持ってってあげよう)
パタタ
ナニモカモガウソダトー
幼馴染み「はいはぁい、いま出まぁす!」
カチャ
幼馴染み「ん……?」
《着信 事務さん》
幼馴染み「……」メキメキメキ
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません