男「はぁ…」
幼馴染「なによそのため息」
幼馴染「ため息つきたいのはこっちよ、あんたの酷い言いがかりのせいでね」
幼馴染「幼なじみだからってなにを言ってもいいと思ったら大間違いよ」
幼馴染「だいたいあうあうってなに?夏の暑さで頭おかしくなったのかしら」
幼馴染「…いや、頭おかしいのは元からだったわね」
幼馴染「ふふっ、ごめんなさい」
男「…よくしゃべるなぁ」
幼馴染「煽ってるつもりなのかしら?残念ながらノーダメよ」
幼馴染「そもそも私がこれだけしゃべるのはあんたが意味不明なこと言ってくるからでしょ」
幼馴染「私だから許してあげるけど、他の人からしたらドン引きよ」
幼馴染「まあ、私もドン引きしてるけどね」
幼馴染「そんなんだから彼女いない歴17万年なのよ」
男「17年な」
幼馴染「私の幼なじみが彼女いない歴代=死亡年齢になると思ったら…」
幼馴染「爆笑の極みね」
男「お、そうだな」
幼馴染「ふふん、やけに口数が少ないわよ?私の話術に圧倒されたのかしら」
幼馴染「完全に私の勝ちね、いつもの減らず口はどこにしまったのかしら」
幼馴染「それにしてもまた男に勝ってしまったわ、自分の頭の良さが恐ろしい…」
男「…話術、ね」
男「ちょっとそこで待っててな」
幼馴染「あら、逃げるのかしら?私もついていくわよ」
男「すぐに戻ってくる、心配すんな」
幼馴染「しんぱい…?もしかして心配のことかしら」
幼馴染「とうとう日本語も間違って使うようになったのね…」
幼馴染「哀れすぎて涙が…出ないわね」
幼馴染「…」
幼馴染「…男遅いわね、まだかしら」
ガチャ
男「おっす、待たせたな」
幼馴染「ぁ…」
幼馴染「ままま待ってないけど?べ別に遅くないけど?速すぎだけど?」
男「入っていいぞ、姉ちゃん」
幼馴染「…えっ」
姉「こ、こんにちは~幼馴染ちゃん」
幼馴染「えっ」
姉「男がどうしても来てほしいって言うから来たんだけど」
幼馴染「あっ…うっ…」
姉「あう?」
幼馴染「その…こ、ここんに…ち…は…」
姉「えっ、なんて?声小さくてよく聞こえない…」
幼馴染「ぁぅ…こんにち…は…っ」
姉「あ、ああ!こんにちは、ね!うん、こんにちは」
幼馴染「うぅ…」
男「…姉ちゃん、もう部屋に戻っていいぞ」
姉「えっ、何のために呼ばれたの私」
男「さあ、帰った帰った」
姉「んん?変な男…」
ガチャ バタン
幼馴染「…」
男「…なあ、幼馴染」
男「あうあう言うのやめろよ…」
幼馴染「そんなこと言ってないわよ!」
男「…」ジー
幼馴染「な、なによ…そんなカッコいい顔で見つめられても恥ずかしくないわよ…」プイッ
男「なんでその会話が姉ちゃんと出来ねえんだろうな」
男「姉ちゃんだけじゃねえ、お前の家族と俺以外…だな」
男「いくらなんでもコミュ障すぎるだろ…」
幼馴染「別に…コミュ障なんかじゃないわよ」
幼馴染「男、今までなにも言ってこなかったじゃない」
幼馴染「なんで急にそんなこと言うのかしら、あんたが触れたらダメなところよそこは」
幼馴染「帰ったら間違いなく号泣するわね」
男「泣くなよ」
幼馴染「まだ泣いてないわよ、泣く予定なだけ」
男「はぁ…」
幼馴染「まだ、泣かないもん…」ウルウル
男「…このままじゃダメだと思ったから」
幼馴染「えっ…?」
男「急にこんなこと言った理由だよ」
男「昔っからそうだ、他の人とまともに意思疎通を取れないお前のために俺は…」
男「確かに幼馴染は勉強もできるし、スポーツもできる、見た目も学校中で話題になるレベルだ」
男「そんな完璧な女なのにコミュ障のせいで台無しだよ」
男「俺なしじゃまともに話せないってまずいだろ」
男「俺はお前の通訳じゃねえぞ」
幼馴染「ふぇ…」ジワァ
男「考えてみろ、もし…もしもだぞ」
男「俺がいなくなったら、お前はどうやっていきていくつもりだ」
幼馴染「っ…!」
男「俺にもし彼女ができて、幼馴染のそばからいなくなったりしたら…」
幼馴染「…絶対嫌よ!そんなの認めない!!」
男「幼馴染…」
幼馴染「ど、どうすればいいか教えて!!なんでもするから見捨てないでよ!」
男「いや、見捨てるつもりなんかじゃ…」
幼馴染「私…本当はただ男と…ずっと…」
男「…待てよ、なんでもするって言ったよな」
幼馴染「するわよ…だから、ずっとそばにいさせて…」
男「本当になんでもするんだな?」
幼馴染「そうよ…さあ、好きなだけ貪りなさい」バッ
男「…なぜ服を脱ぐんだ」
幼馴染「どうせエロいことしたいんでしょ、さっさと犯しなさいよ」
男「なに言ってんだよ…」
幼馴染「今日をもって私は純情を散らします…許してください、お父様お母様」
男「そんなことするわけねえだろ」
幼馴染「なに遠慮してるのよ、初めての相手が男だったら人生最大の幸せとか考えてるんだからさっさと襲いなさい」
男「結局幼馴染がしたいだけじゃねえか」
幼馴染「は?私がしたいわけないでしょ、やっぱり頭おかしくなったのね」
幼馴染「私は無理やりされたいだけよ」
男「…それ結局したいってことだよな」
幼馴染「もう!はっきりしなさいよ!」
幼馴染「エッチなことしたいかしたいかどっちなのよ!」
男「どっちでもない、したくないだよアホ」
幼馴染「…あら、私にむかってよくアホなんて言えるわね」
幼馴染「ムカついたからキスしなさいよ」
幼馴染「あとキスは濃ーい大人のチューでお願いね」
男「お前さぁ…最近そんなのばっかじゃね?」
幼馴染「そんなのってなによ」
男「キスとかそこらへんだよ、この前だって…」
幼馴染『なにこのテストの結果…未来の旦那がこんなのじゃ恥ずかしいのだけれど』
幼馴染『次こんな不甲斐ない結果だったら保健体育の実習させるわよ』
幼馴染『けど、テストがいい結果だったら…そうね、ご褒美として保健体育の実習させてあげる』
幼馴染『光栄に思いなさい』
男「こんなんばっかじゃねえか」
幼馴染「あら、そうだったかしら」
男「お前の頭の中は俺しかいねえのか」
幼馴染「自意識過剰な人ね、まったくその通りよ」
今日はここまで
男「もう隠す気ゼロか」
幼馴染「は?なんのことかしら」
男「…なんでもねぇよ」
幼馴染「それで、してほしいことってなに?」
男「え?」
幼馴染「なんでもするんだから早く言いなさいよ」
男「なんで上から目線…」
幼馴染「さぁ…なんでも命令しなさい…」ハァハァ
男「…やっぱりいいや、どうでもよくなった」
幼馴染「なによ、つまらないわね」シュン
男「それよりもうこんな時間じゃねぇか、学校行くぞハゲ」
幼馴染「ちょっと待って、ハゲって私のことかしら」
幼馴染「眼球もくたばったようね、この艶々な髪が見えないのかしら」サラァ
男「先行ってるぞ」ガチャ
幼馴染「待ちなさい、無視するなんてハエのする行為よ」
幼馴染「男、お弁当食べましょ」
男「おう、いいぜ」
幼馴染「どこに座ろうかしら」キョロキョロ
「あ、あの!」
幼馴染「ぁ…は、ははははい!」
「僕違うところで食べるので、よかったらここどうぞ」
幼馴染「あ…ぅ…あ…あり」
「え?」
男「ありがとな、だってよ」
「ど、どういたしまして」
男「ほら幼馴染、俺の前の席空いたぞ」
男「そこ座れよ」
幼馴染「牛糞の分際で命令しないでちょうだい」
男「牛糞で悪かったな」
幼馴染「はい、これ男のお弁当よ」
男「ありがとう」
幼馴染「今日も男の嫌いなものしか入ってないから、そのつもりで召し上がれ」
男「なんてことしてくれたんだよ豚糞」パカッ
幼馴染「豚糞で悪かったわね」
男「…今日も俺の好きなものばかりだな」
幼馴染「当然よ、あんたがおいしいって言ってくれることが私の生き甲斐なんだから」
幼馴染「ありがたく食しなさい」
男「いただきます」
幼馴染「食べ終わったら箸はペロペロしといてちょうだい」
男「するわけねぇだろ」
幼馴染「…けち」
男「幼馴染帰ろうぜ」
幼馴染「…ねぇ男」
男「ん?」
幼馴染「これ…」スッ
男「なんだこの手紙」
男「なになに…」
男「ずっと好きでした。返事待ってます…は?」
幼馴染「ラブレターもらっちゃったわ…モテすぎて困るわね」
幼馴染「これがあんたと私との差よ、絶モテくん」
男「これどうすんだよ」
幼馴染「あんた以外眼中にないから断るに決まってるでしょ、そんなことも分からない雑魚かしら」
男「ふっ…この女の性格がこんなんだって知ったら取り消しだろうな、このラブレター」
幼馴染「残念だったわね、女は中身より見た目よ」
男「どうだかな」
男「…でも」
男「俺、お前の性格好きだぜ」
幼馴染「えっ」ドキッ
男「幼馴染はいい女だよ」
幼馴染「っ…」カァァ
男「…」
幼馴染「じゃあ…男のお嫁さんにして…」ギュッ
男「無理に決まってんだろウンコ」
幼馴染「やっぱりね、そうくると思ったわ」
幼馴染「これだから底辺は困る」
男「それと腕組むな、歩きづらい」
幼馴染「この通りはあまり人いないしいいじゃない」
幼馴染「それにあんたのいい匂いのせいで離れられないわ、なんとかしなさい」
男「離れろぉぉ」グググ
幼馴染「やぁぁ…っ」ギュウウ
男「はぁ…」
幼馴染「あら、もうギブアップかしら」
幼馴染「貧弱な野郎ね、そんなので未来の妻である私を守れるのかしら」
男「元から本気でひきはがすつもりじゃなかっただけだ」
幼馴染「あっそ、知ってたけど」
幼馴染「…それより未来の妻は否定しないのね」
男「否定する必要がないからな」
幼馴染「…ふふっ」ギュッ
男「明日、告白断りに行くんだろ」
男「ついていってやるよ」
幼馴染「…ありがとう、男」
男「お前がどれだけどもるか見物だぜ」
幼馴染「どもるわけないでしょ、バーカ」
バシャン バシャン バシャ!
男「…ふぅ」
先生「おお、男が今のところ最速だな」
男「やっぱりそうか」
男「今日はかなり調子良かったからな」
先生「いつもそこそこいい結果じゃないか」
男「そうだっけか」
先生「それと早く上がりなさい、次の人が泳げないだろ」
男「おっとすまねえ…よいしょっと」ザバン
男「あー疲れた」
男「…んっ?」
幼馴染「隣いいかしら、ぼっちの男くん」
男「お前ももう泳いだのか」
幼馴染「あんたの少し前にね」
男「どうだった?」
幼馴染「ふふんっ、水泳の授業なんて私には余裕よ」
男「そうかよ」
幼馴染「というか、妻が泳いでるところぐらい見てなかったの?」
男「男子側と女子側、結構離れてるだろ」
男「いちいち見てられっかよ」
幼馴染「そう?男子側からかなり視線感じたのだけれど、気のせいだったのかしら」
男「あぁ、他のやつらは見てたかもな」
幼馴染「カーッ、モテすぎて辛いわ!」
幼馴染「どこかの泳げないカッパとは大違いね」
男「泳げるカッパで悪かったな」
幼馴染「それにしても、また水着がキツくなってきたわね」グイグイ
男「太ったんだな、かわいそうに…」
幼馴染「そんなわけないでしょ」
幼馴染「おっぱいよ、おっぱい!」
男「へえ、やるじゃねえか」
今日はここまで
幼馴染「むふっ…おっぱいよ」
男「何回も言わなくても分かります」
幼馴染「こうなったのも男のせいよ、責任取ってもみもみしなさい」
男「俺のせいだという理由は?」
幼馴染「あんたのことばかり考えてたからに決まってるでしょ、そんなことも分からない低能でがっかりだわ」
男「なんだこいつ」
幼馴染「でもね、私は寛容だから許してあげるの」
幼馴染「おっぱいもみもみでね」
男「…」
幼馴染「あわよくば、そのまま男が襲いかかってレッツゴー既成事実とか考えてるから」
幼馴染「覚悟してちょうだい」
男「…ああ、覚悟はできてる」
幼馴染「えっ」
男「本当に襲っていいんだな、幼馴染」ズイッ
幼馴染「えっ、その…えっ!?」
幼馴染「う、嘘…でしょ…?」
男「幼馴染なら分かるだろ、俺は本気だ」
幼馴染「(男の顔がこんな近くに…ああ、なんて真剣な目なの…)」
幼馴染「(こんな顔されたら私…私…っ!)」
幼馴染「…どうぞ、私の全てはあなたのものです」ポー
幼馴染「好きなだけ、私の体を味わってください…」ポー
男「…へへっ、冗談だよ」
幼馴染「…は?」
男「俺がそんなことするわけねぇだろ」
男「そもそもここをどこだと思ってるんだ、学校のプールだぞ」
幼馴染「…許さない」
男「え」
幼馴染「よくも私をコケにしてくれたわね、家に帰ったら絶対ディープキスしてもらうわよ」
幼馴染「してくれなかったらあんたの子ども妊娠して学校中退するから」
男「それは困るな、全力で阻止させてもらう」
幼馴染「それじゃディープキスで決定ね」
幼馴染「あーあ、男みたいなゴミとキスするって考えただけで嬉しくてイッちゃいそうよ」
男「勝手にイッてろよ淫乱ゴリラ」
男「…」
幼馴染「…ふんっ」
男「まだ怒ってるのか」
幼馴染「これっぽっちも怒ってないわよ」
幼馴染「全く怒ってないけど、キスするって約束したわよね」
幼馴染「はぁ…男が約束も守れない人間だったなんて」
幼馴染「私の中でのあんたの評価SだったのにSに下がったわよ」
幼馴染「私の乙女心を返しなさい」
男「評価変わってねえじゃねえか」
幼馴染「私の好感度限界突破させたくせに今更評価が変わると思ってるの?」
幼馴染「あんた、そんなに無知でこれから生きていけるのかしら」
男「好感度て…」
幼馴染「まあそんなことは許してあげる、私はいい女だから」
幼馴染「あんたの妻が物分かりのいい出来た女で良かったわね」
男「勝手に妻認定するな」
幼馴染「それより今日は休日ね、デートに行くわよ」
男「またかよ、今日は家でだらだら過ごすつもりだったんだが」
幼馴染「はあ?あんたのせいで巨乳になった超絶美少女がデートに誘ってるのよ」
幼馴染「どうせ一生彼女できないんだから今のうちに思い出でも作ったらどうかしら」
男「まだおっぱいの件引きずってるのかよ」
男「あと、今日はめちゃくちゃ暑いだろ」
男「外出したくねえよ」
幼馴染「…実は家でぐーたらっていうのもいいかもって思っちゃったわ」
男「じゃあそれでいいだろ」ゴロン
幼馴染「ねえ、私もいいかしら」
男「なにが?」
幼馴染「あんたみたいなのに許可を取る必要は全くないけれど、私もベッドで寝転がってOK?」
男「無理、暑い」
幼馴染「冷房で涼しいから別にいいじゃない」ゴロン
男「結局くるのか」
幼馴染「相変わらずあんたの匂いが染み付いた気持ち悪いベッドね、今日からここで暮らすわ」
男「定員は1人だ」
幼馴染「私たちは2人で1つでしょ、そんなことも知らないの?」
男「知らねえよ」
幼馴染「それと、妻である私が来たらすぐに抱きしめなさいよ」
幼馴染「いつまで背中向けてるのよ無礼男」
男「分かった分かった」ゴロン
幼馴染「っ…」ドキッ
男「ははっ、顔近いな」
幼馴染「は、早く…抱きしめなさいよ」プイッ
男「…やっぱやーめた」ゴロン
幼馴染「ちょっ、なんでよ!」
男「だって目そらすんだもん」
幼馴染「そ、それは…あんたがカッコよすぎるのが悪いのよ」
幼馴染「ゴブリンみたいな顔にしてきなさいよ!」
男「なんだよゴブリンって」
男「…あ」
男「やべえ、忘れてた!!」
幼馴染「どうしたのよ」
男「今日親いねえから買い出し頼まれてたんだった」
幼馴染「夕方行けばいいじゃない」
男「…それもそうだな」
幼馴染「…」ギュウウ
男「暑いなぁ」
幼馴染「背中も、いいわね」
幼馴染「…ふふっ、幸せ」
男「そりゃよかった」
今日はここまで
永遠にこんなかんじだがよろしいか?
書きとめそこそこあるのでやっぱりもう少し書きます
幼馴染「~♪」
男「ずいぶん機嫌がいいな」
幼馴染「そうね、水着なんて久しぶりに買いにいくからテンション上がっちゃうわ」
男「…で、なんで俺までついて行かなきゃなんねぇんだ」
幼馴染「うわぁ…本当に分からないのかしら引くわ」
幼馴染「男が選んだ水着以外着る価値がないからに決まってるでしょ」
幼馴染「そんなことも分からないなんて、私の幼なじみ失格ね」
男「…それ、俺がとんでもなくきわどい水着を選んだらどうすんだよ」
幼馴染「もちろん着るわよ、当たり前じゃない」
男「お前はアホか…まあ、心配しなくてもまともなの選ぶから安心しろ」
幼馴染「心配なんかしてないわよ、分かってるから」
幼馴染「私がどれだけあんたと一緒にいると思ってるのよ」
男「そうだな」
幼馴染「…あら、男と微塵も楽しくない会話をしてるうちに、あっという間に着いちゃったわね」
幼馴染「もっと遠くのお店に行けばよかったかしら」
男「店の中でも帰りでも話せる、それで我慢しろ」
幼馴染「…それもそうね、早く入りましょ」
男「おう」
男「うおお…水着多すぎだろ」
幼馴染「あら、かわいいのもいっぱいあるじゃない」
男「…よし、決めた」
幼馴染「なにを?」
男「俺も新しく水着買うよ」
男「今使ってるやつもずいぶん古いやつだしな」
幼馴染「あら、いいじゃない」
幼馴染「あんたセンス皆無なダサ男だから私が選んであげるわよ」
男「おう、頼むぜ」
男「…って、センス皆無なやつに水着選び頼んだのはどこのどいつだよ」
幼馴染「さあ?誰かしらね」
男「…そうだ、お前自分のバスト分かってんの?」
男「最近また大きくなって困ってたよな」
幼馴染「ええ、どこかの色魔のせいでね」
男「幼馴染が把握してねえと水着選べねえんだけど」
幼馴染「…そういえばそうね」
男「店員さんに計ってもらえよ」
幼馴染「げっ…」
男「ふっふっふっ」
幼馴染「…何よ、その不気味な笑いは」
男「まあ、がんばれよ」
幼馴染「そんなことよりあんたもついてくるのよ」グイッ
男「えっ、マジかよ」
幼馴染「ほら、いくわよ!」
男「…ったく、しょうがねえな」
店員「それでは、少々お待ちください」
男「はい、お願いします」ペコリ
店員「では、こちらへどうぞ」
幼馴染「ぅ…ぁ…は、はぃ…」
ザッ
男「あいつ大丈夫かよ…」
男「…計ってる間にちょっと見ておくか」
幼馴染「ふぅ、ただいま」
男「おう、おかえり」
幼馴染「喜びなさい、3年前に比べてかなり大きくなってたわよ」
男「なんで俺が喜ぶんだよ」
幼馴染「大きいほうが揉みごたえあるでしょ?」
男「俺が揉む前提なのがおかしい」
幼馴染「それとGだったわ、行くわよ」
男「…えっ?」
幼馴染「だから、Gカップだったからそこの水着選びに行くって言ってるでしょ」
男「聞き間違いかと思ったわ」
幼馴染「間違いをしてもいいのよ?」
男「なんだよ間違いをするって…早く行くぞ」
幼馴染「…もしかして照れてる?」
男「は?」
幼馴染「男は私のおっぱい大きくした犯人でしょ?」
幼馴染「なんであんたが照れてるのよかわいいわね」
男「いや、照れてねえから」
男「あと犯人でもねえから」
幼馴染「はいはい、そういうことにしといてあげるわよ」
男「うわっ、それはズルいわ」
今日は本当にここまで
男「幼馴染は青が似合うと思うんだよ」
幼馴染「たしか前にもそう言ってたわね」
幼馴染「まあ、センスの欠片もない男に任せるわ」
男「えーと、そうだな…」
男「…うん、これなんてどうだ」スッ
幼馴染「ええ、それにするわ」
男「おいおい早いな…即決かよ」
幼馴染「男が最初に選んだのだから絶対それにするわ」
幼馴染「…うんうん、男にしてはなかなかね」
男「そりゃよかったぜ」
幼馴染「さ、次は変態の水着選ぶわよ」
男「誰が変態だ」
幼馴染「実はね、あんたの水着は大体検討ついてるの」
男「おお、仕事が早いな」
幼馴染「さて、どのあたりかしらね…」カチャカチャ
幼馴染「…あっ、あったわ!やったぁ!」
幼馴染「これよ!絶対これがいいわ!」スッ
男「ど、どうした…やけに気合い入ってるな」
男「…ん?」
幼馴染「どうかした?」
男「ちょっとよく見せてくれ」
幼馴染「はい、どうぞ」
男「さんきゅー」
男「うーん…あっ」
男「なんか見たことあると思ったら、幼馴染の水着と同じ柄じゃねえか」
幼馴染「そ、そうかしら…きっと気のせいよ」
男「色までまったく一緒なのに本当に気のせいなのか」
幼馴染「同じ色に見えるだけよ、目をよく磨いてきなさい」
男「…どこからどう見てもおそろいっていうやつだな」
幼馴染「…」
男「幼馴染は俺とおそろいが良かったのか」
幼馴染「…そうよ、悪いかしら!」
幼馴染「おそろいだったら男に都合が悪いことがあるのかしら?私にはいいことしかないけど!」
幼馴染「カップルはおそろいの水着で決まりだって雑誌に書いてあったけど?彼ともっとラブラブになれるとも書いてあったけど?」
男「そ、そうか…」
幼馴染「最終的に決めるのはあんたよ、好きにしなさい」プイッ
男「…ふふっ」
男「俺はこれがいいな」
幼馴染「あっ…」パァァ
男「幼馴染が選んでくれたんだし、これにする」
男「いい水着を選んでくれてありがとう、幼馴染」
男「ずっと大切にするよ」
幼馴染「えっ…あっ…」
幼馴染「…男っ!」ギュッ
男「ちょっ、こんなところで抱きつくな!」
幼馴染「男が夫で私は世界一幸せな女よ!」ギュウウ
男「だから夫じゃ…まあ、いいか」
男「ほら、さっさと買って帰るぞ」
妹「…」ゴゴゴゴゴ
男「…」
妹「お姉ちゃんに水着買ってあげたみたいですね」
男「ああ」
妹「…っ!」バァン
妹「私もお姉ちゃんのために水着を買ってきたのに、男さんが買ったら絶対着ないじゃないですかあああ!!」
男「そんなの分からないだろ」
妹「本当にそう思ってます?」ジトー
男「…ごめん」
妹「男さんが水着買ってあげた日のお姉ちゃん、物凄く上機嫌でしたよ」
妹「部屋でずっと水着着てたから風邪ひいてました」
男「(あいつ馬鹿だろ…)」
男「そもそもお前、幼馴染のバストサイズ把握してるのか?」
男「どうせ適当に…」
妹「Gカップです、違いますか?」
男「…あってるな」
妹「水着買いにいくためにわざわざお姉ちゃんが寝てる隙にスリーサイズを計ったのに!」
妹「それではりきって買ってきたらまさか男さんと被るなんて…はぁ…」
妹「…もういい、自分で着ます」
男「無理だろ、おっぱい的に」
妹「そこは成長に期待ですよ」
妹「私もいつかお姉ちゃんみたいに…」キラキラ
男「なれるといいな」
妹「…あっ、お久しぶりです男さん」
男「今更かよ、部屋に無言で入ってきて何事かと思ったわ」
妹「いいじゃないですか、兄みたいなものですし」
妹「ていうか兄ですし」
男「まだ兄じゃねえだろ」
妹「まだ兄じゃないって、兄になる予定なんですね!」
妹「キャー!お姉ちゃんに報告しますうう!!」ジタバタ
男「面倒くせぇ…」
妹「実はですね、ねぇねの分も買ってきたんですよ」
妹「渡しておいてくれませんか」
男「姉ちゃんはそのこと知ってるのか?」
妹「もちろんです、スリーサイズ聞きましたし」
男「なんでスリーサイズを普通に教えてるんだよ…」
妹「ねぇねは優しいですから…弟とは大違いです」
男「確かに姉ちゃんは優しいな」
妹「男さん、相変わらずねぇねと違って見た目恐いですね」
男「そうか?」
妹「はい、顔が無駄に整っている上に身長高いくせして結構ガッチリしてて恐いです」
妹「私は幼なじみだから恐くないですけどね!」
男「ガッチリしてるのは暇つぶしにしてる筋トレのせいかも」
妹「本当になぜ姉弟でこんなに雰囲気が違うのか理解できません」
男「お前ら姉妹も人のこと言えねえと思うが…」
妹「それでは用も済んだので私は帰ります、またお会いしましょう!」ガチャ
男「あ、おい!」
妹「ねぇねによろしく言っといてくださいねええええ!!」
男「なんだったんだあいつ…」
男「…幼馴染の看病にいくか」
ミーンミンミンミーン
男「暑いなあ…」
幼馴染「そうね…」
男「…なんでいるんだよ」
幼馴染「暇だったからよ、さびしいから私に構いなさい」
男「はぁ…別にいいけどよ」
幼馴染「それよりあんた何してるのよ」
男「草むしり」
幼馴染「でしょうね」
男「体調いいみたいだし手伝ってくれねえか、雑草多すぎるわ」
幼馴染「私の雑草も処理してくれるなら考えてあげてもいいわ」
男「…」
幼馴染「…無視しないでちょうだい、抱きついておっぱい押しつけるわよ」
男「マジで暑いからやめてくれ」
幼馴染「それより男一人でやってるみたいだけど、家の人はどうしたの?」
男「親は仕事だし、姉ちゃんはバイトだ」
男「だから俺一人」
幼馴染「なんで連絡してくれなかったのよ」
男「だってお前、風邪治ってからまだ1週間しかたってないじゃん」
幼馴染「1週間もしたら流石に完治するわよ」
幼馴染「それと変な気をつかわないでちょうだい、これからも私たちは二人三脚で生きていくんだから」
男「二人三脚て…」
男「でも幼馴染がそう言うなら、手伝ってくれると助かる」
幼馴染「そうよ、あんたは無能なんだからもっと私に頼りなさい」
男「…怒った、あとでおしおきな」
幼馴染「エッチなおしおきでお願いね」
幼馴染「ついでにベッドでイチャイチャしましょ」
男「ねえよ」
幼馴染「けち、男なんて大嫌いの逆」
男「あっ、お前のとこのアレにも手伝ってもらおうかな」
男「昼飯おごれば釣れそうだし」
幼馴染「我が家のアレは部活に行ったわよ」
男「うへぇ、こんな暑いのに大変だなあ」
幼馴染「最後の大会ももうすぐだし、気合い入ってるのよ」
男「そっか、もうそんな時期なんだな」
幼馴染「それよりも草むしりするわよ」
幼馴染「男の胸毛みたいにボーボーなんだから」
男「俺はたわしか!」
幼馴染「驚くほどつまらないわね、なんでそんなにかわいいのかしら」
男「…草むしりやるぞ」
幼馴染「そうね」
男「疲れたああ!」
幼馴染「汗すごいわよ、これで拭きなさい」ハイ
男「おう、さんきゅー」
幼馴染「男のくっさい汗をそのタオルに全部染み込ませなさい、私も使うんだから」
男「暑い暑い、冷たい水浴びてえ」フキフキ
幼馴染「しょうがないわね、今からプールデートに行くわよ」
男「無理、動きたくない」
幼馴染「うーん…じゃあ二人っきりの水風呂で我慢してあげるわよ」
男「…いいな、それ」
幼馴染「えっ」
男「一緒に水風呂、入ろうか」
幼馴染「…ええええええええっ!!!!」
幼馴染「えっ、ちょっ…ええっ!?」
男「なんでそんなびっくりしてんだよ」
幼馴染「わ、私、シャワー浴びてくるわね!」
男「あれ、水風呂は?」
幼馴染「体キレイにしてからに決まってるでしょ!」
幼馴染「男と一緒なのに汗くさいままでなんて絶対嫌よ!!」
男「それ、水風呂入る意味ねえよな…」
幼馴染「うぅ…と、とにかく、あんたに汗くさいなんて思われたくないの!」
男「そんなこと思わねえよ、俺も汗くせえし」
男「汗くさいもの同士、仲良く入ろうや」
幼馴染「で、でも…」
男「いいから早く入ろうぜ~」
幼馴染「…あっ、せ、せめて替えの服だけ準備させて!」
幼馴染「とっておきのお気に入りの下着あるから!」
男「なんで下着に気合い入れんだよ…」
幼馴染「じゃあ、すぐにとってくるわね!!」
男「あっ、幼馴染!」
幼馴染「ん、なにかしら」
男「ついでに持ってきてほしいものがあるから、それも頼む」
幼馴染「持ってきてほしいもの…?」
今日はここまで
幼馴染「…はぁ」
男「なんでそんながっかりしてんだよ」
幼馴染「裸のお付き合いから裸でお突き合いが始まると思ったのに」
幼馴染「水着を着て入るなんてね…」
男「裸で一緒に入るわけねぇだろタコ」
幼馴染「まあそれ抜きにしても、冷たくて気持ちいいわね」
男「そうだな」
幼馴染「…あんた、体いかついわね」
男「ああ、それ妹にも言われたわ」
幼馴染「暇つぶしの筋トレでもそんなになるのね」
男「もともと筋肉がつきやすい体質だったからな」
幼馴染「私もしようかしら」
男「ムキムキになりてえのか」
幼馴染「お互い筋肉あるほうが激しいプレイができそうだからよ、察しが悪いデブね」
男「なんだよプレイって」
幼馴染「私たちが毎晩してるやつよ」
男「してねえだろ」
幼馴染「あら、分かってるじゃない」
男「さあ、なんのことやら」
幼馴染「もう、とぼけちゃって」
男「…なんか、幸せだな」
幼馴染「えっ…?」
男「幼馴染とこうしてのんびり過ごす日々が、すげえ幸せだなって…」
幼馴染「…そうね」
男「やっぱり俺はお前がいなきゃ…」
男「幼馴染と…ずっと…」
幼馴染「男…?」
男「…zzZ」
幼馴染「…もう、こんなところで寝るなんて」
幼馴染「私みたいに風邪ひくわよ」
男「ぐが…ぁ…」
幼馴染「…幸せって言ってくれてありがとう、男」
幼馴染「私からも言いたいことがあるの」
幼馴染「起きてるときは絶対こんなこと言えないけどね」
幼馴染「寝てるうちによく聞いておきなさい」
幼馴染「っ…私…私は」
幼馴染「男のことを心から愛しているの、本当に…本当に大好き!」
幼馴染「男の全部が大好き…好き好き大好き、愛してる!」
幼馴染「何度言っても足りないぐらい、あんたに惚れてるのよ…」
幼馴染「…いつか絶対、ちゃんと告白する」
幼馴染「今の曖昧な関係を変えたい、誤魔化してばかりの関係なんて嫌なの」
幼馴染「私は、男と恋人になりたい」
幼馴染「ゆくゆくは、本当に夫婦になりたい」
幼馴染「あんたは冗談と取ってるみたいだけど、私はいつだって本気よ」
幼馴染「好きって気持ちはとっくにバレてるけど、真面目に言葉に出したら男はどんな反応するかしら」
幼馴染「嬉しい?悲しい?ふふっ、分からないわね」
幼馴染「…本当はね、男から告白してほしいのよ?」
幼馴染「けど私、あんたの気持ちがよく分からないわ」
幼馴染「…ねえ、私のこと好き?」
幼馴染「私だけこんなに大好きだったらって考えたら胸が苦しいの…」
幼馴染「もし、男から好きって言ってくれたなら…私…」
幼馴染「不安も遠慮も全部捨てて、自分の気持ちに素直になるわ」
幼馴染「…これが、私の言いたかったことよ」
幼馴染「私は寝てる男に話したわ」
幼馴染「もし起きてるんだったら、今だけは寝てるふりをしてて」
幼馴染「そして、私が待ってるってことを頭の片隅に留めておいて」
幼馴染「それでも男が動かないなら私から動く、それだけよ」
幼馴染「あと5分たったら起こすわ、起こしたら頑張って寝てた演技しなさい」
幼馴染「…起きてたら、ね」
一旦ここまで
書きとめほとんど出したからしばらく休憩
次いつ書くか未定
女「…はぁ」
女「…」チラ
幼馴染「本当にちゃんと理解してるのかしら」
男「してるって」
幼馴染「あんたバカだから帰ったら補習ね」
幼馴染「ついでに大人の勉強もするわよ」
男「高校の勉強だけでお願いします」
女「(私には、大きな悩みがある)」
女「(かれこれ1年ぐらいの悩みだ)」
女「(それは…)」
女「(幼馴染さんとお友達になりたいよおぉぉぉおおおおおお!!)」
女「(ほわぁぁぁぁあああああああ!!!!)」
女「(ということである)」
女「(けど、なかなか勇気が出ない)」
女「(それに、いつも一緒にいる不良の男くんがかなり恐い…)」
女「(とか考えてたら1年が過ぎてしまっていた)」
女「(…でも、今日こそは話しかける!)」
女「(憧れの幼馴染さんとお話してみたい!)」
女「…あっ」
女「(男くんどこかに行った!)」
女「(きたきたきた!大チャンス到来!)」
女「(落ち着け…落ち着け私…)」
女「…よし!」ガタッ
幼馴染「(男遅いわね…まだかしら)」
女「…あ、あの!」
幼馴染「(あと5分以内に来なかったら、今日は私の家に泊まってもらおう)」
幼馴染「(そして、大好きな男と朝まで二人っきり…)」
幼馴染「(キャー!!男に抱きつきながら寝られるなんて幸せぇ…)」ニヤニヤ
女「っ…幼馴染さん!」
幼馴染「ひゃ、ひゃい!」
女「私、同じクラスの女っていいます!知ってますか!?」
幼馴染「あ…うあ…っ…」
女「…そうですよね、知らないですよね」ズーン
女「(トホホ…去年も同じクラスだったのに)」
幼馴染「あ、あの…な…な…っ…」
女「なんで喋りかけたか、ですよね」
幼馴染「…えっ」
女「あれ、違いました?」
幼馴染「あっ…あ、あ…あって…まます」
女「私、実はずっと幼馴染さんと話してみたくて…」
女「だから、勇気を出して話しかけてみたんです!」
幼馴染「えあっ…」
女「なんか、本人の前で言うのは恥ずかしいですね…」テレッ
幼馴染「あ、あの…っ…わ、私…」
女「ん?」
幼馴染「わわ、私…幼馴染といい…っます」
女「あはは、知ってますよ~」
女「私は女です、よろしくお願いします!」ペコリ
幼馴染「っ…」ペコリ
女「(…やった!憧れの幼馴染さんとお話しできてる!)」
女「それよりさっきの数学どうでした?結構難しかったですよね」
幼馴染「あっ…えっ…そ…そうかな…っ…」
女「そうですよ~」
女「私、数学がすっごく苦手なんですよ…」
幼馴染「あっ、あの…その…っ…」
幼馴染「…あっ」
ポンッ
女「えっ」
男「さっきからなんだお前、幼馴染になんか用か?」
女「…ギョアアアアアア!!!!男くん!?!?」
男「ギョアアって…」
女「いやっ…その…あははっ」
男「…お前、同じクラスの女さんだろ」
男「話すのは初めてだな」
女「ど、どうも~」
男「幼馴染知ってるか、こいつ去年も同じクラスだったんだぜ」
幼馴染「え、ええ…そうみたいね…」
女「あ、男くんは知ってたんだね」
男「だってお前、結構有名じゃん」
男「俺でも知ってるぜ」
女「(肝心の幼馴染さんが知らなかったみたいだけど…)」
女「…いや、私有名じゃないよ!?」
男「嘘つけ、学校一かわいいって言われてんだろ」
女「それ、本当に恥ずかしいからやめてくださいぃ…」
男「なんで?」
女「なんでって、去年のミスコンで優勝しちゃったからそう言われてるだけであって」
女「ミスコンに出なかった幼馴染さんのほうが100倍かわいいから!」
女「本当に一番かわいいのは幼馴染さんだから!」
男「…だってよ、良かったな幼馴染」
幼馴染「ええ、お世辞でもうれしいわね」
女「お世辞なんかじゃないですよ、幼馴染さん!」ズイッ
幼馴染「ふぇっ!?」
女「私は心の底からそう思ってます!」
女「でも…かわいいというよりは、美人ってかんじですけどね」
幼馴染「あ、ありが…っ…」
幼馴染「…とう…」
女「えへへ、どういたしまして!」
男「…」
「女ー、ごはん食べよー」
女「あっ、うん」
女「今日は、お話してくれてありがとうございました!」
女「良かったら、またお話してくれませんか…?」
男「っ…!」
幼馴染「えっ…」
女「あっ、図々しいですよね…ごめんなさい…」シュン
幼馴染「…いい…です、よ」
女「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!」
女「(やったああああ!!生きててよかった!!)」
女「それじゃまたね!幼馴染さん、男くん!」
男「ああ、またな」
幼馴染「…ふぅ」
幼馴染「さ、お弁当食べましょうか」
男「…あんなやつ、初めてだ」
幼馴染「えっ?」
男「なあ幼馴染、今日の放課後だけどさ…」
「女ー、今からカラオケいかない?」
女「えー、またいくの?」
「美女4人で歌い尽くそうよ!」
「美女って…自分で言うか普通…」
女「まあいいよ、今日は暇だし」
「そう言えばあんた、今日は彼氏と遊ばないでいいの?」
「いいんだ、女と遊ぶほうが楽しいから」
女「あはは、彼氏くんかわいそー」
「つうわけで、カラオケいきますか」
女「賛成ー!」
男「おい、ちょっといいか」
女「…えっ」
「お、男くん!?」
ザワザワ
男「こいつ、ちょっと借りていいかな」
「あっ…ど、どうぞ!」
男「ありがとう」
男「…行くぞ、ついてこい」グイッ
女「えっ…えっ…?」ダラダラ
「…マジ恐かったぁ」
「近くで見たら本当にカッコいいな、女とかなりお似合いかも…」
「女ちゃん、がんばってね」
男「ここなら誰もいないだろ」
女「あ、あの…私、な、なにかしたかな…」ビクビク
女「私、あ、あんまりお金持ってないよ…?」ウルウル
女「やだぁ…痛いことしないでぇ…」ポロポロ
男「ち、違う!そんなことするわけねえよ!」
女「ぐすっ…えっ?」
男「お前、俺をなんだと思ってるんだよ…」
女「ふ、不良の男くん…」
男「不良って…俺は上から数えたほうが早いくらい真面目なつもりなんだけど」
女「そ、そうなんだ」
女「それじゃあなんでこんなところに…」
女「…あっ、もしかして告白!?」
女「ダメぇ!男くんには幼馴染さんがいるんだからああ!」
女「憧れの幼馴染さんの彼氏を取るなんて、私にはできないよ!」
女「あっ、け、けど、私個人としては結構好みだったりするんだけどね」
男「(…どっかで見たことあると思ったらこいつ妹に似てるな)」
女「結構というか、実はかなりストライク…なんちゃって…」
男「はぁ…告白でもねえよ」
女「えっ、じゃあどうして」
男「…幼馴染のことだ」
女「幼馴染さんのこと?」
男「ああ…」
男「お前のようなやつを、俺はずっと待っていたんだ」
今日はここまで
夏で終わらせるか、季節感おかしいけど秋冬と続けるか検討中
女「私のことを待っていた…?」
男「そうだ」
女「や、やっぱり告白じゃん!!」カァァ
男「えっ」
女「やだ、どうしよ…ご、ごめん、私こんなうれしい告白初めてでっ」
女「あの…お付き合いしたことはないけど、男くんの彼女としてがんばるから!」
女「これから、よろしくお願いします!」
男「だから、告白じゃねえって言ってるだろ!」
女「えっ、違うの…」シュン
男「…というか、彼氏できたことないのか」
男「意外だな」
女「うん、そうなんだよね」
女「私、実はあんまり他の人に興味がなくって」
女「告白されてもこの人誰だよって思っちゃって、冷めちゃうっていうか…」
男「ふーん…」
女「あっ、私の話なんて興味なかったよねごめん!」
男「いや、そういうわけじゃないんだ」
男「なんで幼馴染に話しかけたのかなって思ってな」
男「他人にあまり興味がないなら、幼馴染みたいな大人しいやつはまったく…」
女「…それは、幼馴染さんが特別だから」
男「特別?」
女「そう、特別なの」
女「…1年くらい前にね、水泳のテストがあったんだけど」
女「水泳が得意だからまた一番かと思ってたら、あっさり抜かれちゃったんだ」
女「そのとき、プールから上がった幼馴染さんを見てキレイって思っちゃって…」
女「嫉妬とかまったくなくて、本当に一瞬で惹かれちゃったんだ」
女「一目惚れ…だったんだよ」
男「好きになっちゃったのか」
女「ちがっ、そういうのじゃなくて!」
男「ははっ、分かってるよ」
女「もう…」
女「それでね、その日から幼馴染さんから目が離せなくなって」
女「勉強もできること、すごく人見知りだってこと、男くんと仲良しだってこと…いろいろ知った」
女「幼馴染さんのことを知るたびに、どんどん惹かれていったの」
女「そして思った、いつか友だちになってそばにいたいって」
男「…そうか」
女「でも、理由もないのに知らない人に自分から話しかけたことなんてなかったから、どうしていいのか分からなくて」
女「それで、1年もたっちゃって…」
女「けどね、今日は話せた!」
女「話せて、もっと好きになったよ」
男「…完璧、合格だな」
女「えっ?」
男「俺もちょっと話していいかな」
男「俺の話なんざ興味ないだろうが聞いてくれ」
女「興味あるよ!ありまくるよ!」ズイッ
男「おお、そうか」
男「…俺とあいつはな、幼稚園のときからの幼なじみなんだ」
男「幼馴染は昔っから人見知りでな、家族と俺以外まったくダメだった」
男「俺か家族が一緒じゃないとまともに会話ができない、そんな子だった」
男「今でもそんなかんじだけどな」
男「だから、そんな幼馴染の性格は当然いじめの対象になるわけだ」
女「そんな…」
男「からかわれたり、物隠されたり…あいつは本当に悩んでいた」
男「だから俺は考えた、どうすれば幼馴染がいじめられずに済むか」
男「けど、性格なんて簡単には変えられない…だから」
男「俺が、代わりにいじめの対象になることで解決した」
女「っ…」
男「まず、幼馴染をいじめてるやつに片っ端から嫌がらせをした」
男「そうしたら、当然俺に敵意が向くわけだ」
男「そうして俺の努力が実を結び、あいつはいじめられなくなった」
男「それから、幼馴染に対するそれより俺はひどいいじめを受けた」
男「殴られたり、給食に雑巾を入れられたりした。友だちもいなくなった」
男「俺は、幼馴染のために耐えた」
男「ずっと、ずっと耐えた…」
女「男くん…」
男「けどあるとき、俺は耐えられなくなった」
男「だって…姉ちゃんからもらった大切なシャーペン、俺の目の前でバキバキにしたんだからな」
男「もう、そのときは大暴れしたな」
男「それから、俺は仕返しするようになった」
男「俺は意外と力が強くてな、喧嘩で負けたことねえんだ」
男「そのときの俺は、完全に不良だったな」
男「まあ、仕返しのおかげかは知らんが幼馴染にも俺にもいじめはなくなった」
男「これが、中学校までのお話」
男「高校生になってからはまったくいじめはなかった」
男「だって、幼馴染に話しかけてくるやつはすぐに離れて興味がなくなるんだからよ」
男「幼馴染がうまく話せなくて、気まずくなって次からは話しかけてこない…今までがそうだった」
男「お前が現れるまではな」
女「あっ…」
男「いやぁびっくりしたぜ、教室に戻ったら幼馴染に話しかけてるやつがいたんだから」
男「どうせまたすぐどこかにいくと思ったのに、ずっと話してるしよ」
男「…もしかしたらって思った」
男「話しかけてるのはあの有名な女さんだったから」
女「…」
男「俺も、このままじゃダメだと思っていたんだ」
男「幼馴染が変われるきっかけを探していた」
男「そうして気づいた…昔から一緒にいる俺じゃなくて、幼馴染を変えてくれる新しい風が必要だって」
男「だから、俺はお前を待っていた」
男「…というわけだ」
女「ずっと、待っていたんだね」
男「ああ、やっと来てくれたみたいだ」
女「そんな辛いことがあったんだ…」
男「…俺は、俺はいいんだ」
男「幼馴染と、友だちになってやってくれ!」スッ
男「俺以外に一人でもいいんだ、本当に幼馴染を理解してやれる友だちが必要なんだ!」
男「絶対幼馴染は変われる、一人いれば変われるはずなんだ!」
男「なんだってする、頼むこの通りだ!」ドゲザ
女「あわわわ!!あ、頭上げてよ!」
男「幼馴染のためならなんだってしてきたんだ!頼む、もう女さんしかいないんだ!」
女「分かった!分かったから!お願いだから土下座なんてしないで!!」
男「本当か…?」
女「私のほうこそお願いだよ」
女「私は、幼馴染さんとずっと友だちになりたかったんだから」
女「男くんが協力してくれるなら、嬉しいことこの上ないよ!」
男「…ぐすっ」
女「!?」
男「ありがとう…ありがとう、女ざん゛」ポロポロ
女「な、泣かないでよ!男の子でしょ!?」
男「だっで…だっでよぉ…っ」
女「もう…はい、ハンカチ!」スッ
男「うぇ…っ…すまねぇ」
女「(…ちょっとかわいいかも)」
男「はぁ、情けねえな俺」
男「女の子の前でこんな泣いちまって…」
女「…よしよし、一人で今までがんばったね」ナデナデ
女「もう一人で悩まないで、私がいるから」ギュッ
男「女、さん」
女「よしよし…」
男「…おっぱいでっか」
女「」バキッ!
男「痛い!」
女「気にしてるの!今そんなこと言わないでよ!!!」
男「だ、大丈夫、幼馴染ほどじゃないから…」
男「それに、デカいもの同士お似合いだぜ」
女「…お、お似合い」
女「幼馴染さんとお似合い…えへへ、嬉しいな」ニヤニヤ
男「(こいつちょれえ)」
女「とにかく、今日から私たちは協力するんだから」
女「よろしくね、男くん!」
男「…ああ、よろしくな女」
女「…男の子に呼び捨てされたの初めて」
男「ごめん、嫌だったか?」
女「ぜ、全然嫌じゃない!」
男「そうか、それなら良かった」
女「…ふふっ、帰ろっか」
男「そうだな」
【その日の夜】
男「…」
幼馴染「早くしなさいよ、寝不足になるわよ」
幼馴染「それに、一人で先に帰ったら家に泊まってくれるって言ったでしょ」
男「なんで同じベッドなんだよ」
幼馴染「同じベッドじゃないと泊まる意味ないでしょ、愚問はやめてちょうだい」
妹「そうだそうだ!」
男「…なんでお前もいるんだよ」
妹「男さんが泊まると聞いてはるばる隣の部屋からやって参りました」
幼馴染「憧れハーレムよ、良かったわね」
男「2人しかいねえだろ」
妹「まだ足りないなんてエロすぎですよ」
妹「よっ、変態男!」
男「(うぜぇ…)」
幼馴染「そういえば用事って何だったの?」
男「まぁ…いろいろだよ」
妹「浮気ですか」
幼馴染「」ガタッ
男「浮気て…」
幼馴染「詮索はしないわ、私はいい女だから」
幼馴染「こんないい女他にいないわよ早く嫁にしなさい」
男「分かった分かった、もう寝ようぜ」ゴロン
幼馴染「あっ…」ドキッ
妹「えー、もう寝ちゃうんですかぁ」
妹「つまんないつまんない!」
幼馴染「妹、もう男は寝るみたいだから今日はここまでにしてちょうだい」
幼馴染「お姉ちゃんからのお願いよ」
妹「むぅ…お姉ちゃんがそう言うなら」
男「おうおう、さっさと帰れぃ」
妹「…えいっ」ドスッ
男「…うおおおいってええええ!!」
妹「にぃにのばーか!だいっきらい!」
男「」チーン
幼馴染「…あの子がにぃにって言うの久しぶりに聞いたわね」
男「そう…だな…」プルプル
幼馴染「…」ポフン
男「いてぇー」
幼馴染「」ジー
男「ん、なに?」
幼馴染「…あんたさ、なんでモテないの?」
男「えっ」
幼馴染「私としてはモテないほうがいいんだけど、なんでモテないのか不思議」
男「そんなの知らねえよ」
幼馴染「この様子じゃ本当に一生彼女できないわね、哀れすぎるわ」
男「うるせえやい」
幼馴染「…ねぇ、彼女ほしい?」
男「んー、彼女か…」
幼馴染「本当にほしいなら…」
男「別にいらねえな」
幼馴染「…そう」シュン
男「そういう幼馴染は?」
幼馴染「…ほしいわ、彼氏」
男「へえ…」
幼馴染「ふふっ、意外かしら」
男「まあ、この年ならそうだよな」
幼馴染「新しくほしいと言うよりは、彼氏になってほしいわね」
男「…誰にだよ」
幼馴染「…さあ、誰かしらね」
幼馴染「本人はとっくに気づいてるはずだけど」
男「…」
幼馴染「ふぁぁ…眠たくなってきちゃったわ」
幼馴染「おやすみなさい、男」
男「ああ、おやすみ」
男「…」
幼馴染「…待ってるから」ボソッ
男「っ…!」
幼馴染「ずっと、待ってる…から」ギュッ
男「…」
今日はここまで
幼馴染「髪型を変えてみようと思うの」
男「はぁ、そうですか」
幼馴染「少しでもあんたの気を引きたいからはやく好みを教えなさいよこのノロマ」
男「今のままでいいんじゃね」
幼馴染「…そう?」
男「うん」
幼馴染「まあ、男がそう言うなら」
幼馴染「…」
男「…髪型変えてえのか」
幼馴染「ええ、実はとても」
男「急にどうしたんだよ」
幼馴染「男にいろんな私を見てほしいからに決まってるでしょ、本当に鈍いわねあんた亀?」
男「そんなに鈍くはねえよ」
男「…それでどうすんだよ、髪切りにいくのか?」
幼馴染「切りにはいかないわ、この状態からいろいろ変えてみるのよ」
幼馴染「髪縛ってみるとか」
男「それしかなくね」
幼馴染「いいえ、私の髪は少しウェーブがかかってるからそれをヘアアイロンで伸ばすという手もあるわ」
男「お前使ったことあんの?」
幼馴染「ないわね、そもそも髪のセットなんてしないから」
男「しないわりにはいいかんじだよな」
男「いつもキレイな髪だと思ってるもん」
幼馴染「そ、そうかしら…」テレッ
男「なに照れてんだよ」
幼馴染「あんたが急に変なこと言うからでしょ、もっと言いなさいよ最高だから」
幼馴染「だいたい髪を褒められたぐらいで私が照れると思ったらあながち間違ってないわよ」
幼馴染「今日を機に本気で髪のケアをすることにしたわ、また男に褒められたいから」
幼馴染「それにしてもいつもキレイな髪だなんて思ってるのね。私もいつもあんたの髪型カッコいいって思ってるんだけど?」
幼馴染「これだけ両想いだともう結婚は避けられなさそうね、子どもは4人ほど作るわよ」
男「(…やべえ、めっちゃ嬉しそう)」
男「(今度から定期的に褒めてやろうかな)」
幼馴染「まあとにかく、いろいろ試してみるわよ」
幼馴染「あんたが一番いいと思うのさっさと選びなさい、一生その髪型にするから」
男「はいはい」
幼馴染「まずはツインテールよ」
男「王道だな」
幼馴染「ツインテールなんて久しぶりね、小学生のとき以来かしら」
幼馴染「…はい、できたわよ」
男「おお、なんか懐かしい」
幼馴染「うーん…なんか子どもっぽいわね」
幼馴染「男はどう思う?」
男「…」
幼馴染「なによそのアホ面、そんな顔してもイケメンなんて奇跡ね」
男「いや、久しぶりにその髪型見たからさ」
男「本当に美人に成長したんだなぁ…って」
幼馴染「…言ったわね」
男「えっ」
幼馴染「男っ!」ガバッ
男「おわっ!!」
幼馴染「さっきから私を落としにきてるでしょ、残念ながらとっくの昔に落ちてるのよ!」
幼馴染「今から1時間耐久濃厚ベロチューするからとっとと私のファーストキス奪いなさいよ!」
男「待て待て待て!」
幼馴染「ふぅ…ふぅ…今日も一段と素敵よ、男ぉ…っ」
男「髪型を変えるんだろ!?なんでこんなことになってんだよ!」
幼馴染「はぁ…はぁ…ふふっ、冗談よ」
男「…」
幼馴染「それじゃ、再開しましょうか」
男「(…幼なじみの俺だから分かる、あれは目が本気だった)」
男「(やっぱり褒めるのは控えよう…)」
幼馴染「それでツインテールはどうなのよ」
男「十分かわいいんだけど、前のほうが似合ってたな」
男「幼馴染も言ってたけど、ツインテールはちょっと子どもっぽくてな」
幼馴染「…今さりげなくかわいいって言ったわよね」
幼馴染「覚えときなさいよ、後で絶対ラブラブデートしてもらうから」
幼馴染「常時腕組みと恋人つなぎは必須だからそのつもりで」
男「なんでやねん」
幼馴染「さて、次はポニーテールにするわよ」
男「実は結構すき」
幼馴染「あら、それは期待できそうね」
男「そういえば体育のときはいつもポニーテールだよなお前」
幼馴染「そうね、やっぱり動きやすいもの」
幼馴染「…はい、ポニーテールよ」
男「おお、やっぱりいいな」
男「最近水泳ばかりだから久しぶりに見た気がする」
幼馴染「どうかしら…似合う?」
男「うーん…似合うんだけど、やっぱり前のほうがいいかなぁ」
男「ポニーテールは体育でも見れるし」
幼馴染「体育のときジロジロ見なさいよ、幸せになっちゃうから」
男「はいはい」
今日はここまで
幼馴染「男が私のポニーテールを視姦していたことを暴露したところで次はサイドテールにするわよ」
男「そこまでじゃねえよ」
幼馴染「うるさいわね。あんたは黙って一生私だけ見ていればいいのよ」
男「はぁ、何言ってんだ」
幼馴染「…はい、サイドテールよ」
男「っ…」
幼馴染「どうかしら…感想をどうぞ」
男「…や、やべえ」
幼馴染「えっ」
男「幼馴染、めちゃくちゃかわいい…」
幼馴染「はひっ!?」
男「いい!すげえいいよその髪型!」
幼馴染「あ、ありがとう…っ」カァァ
男「髪型違うだけでかなり印象変わるなぁ」
男「似合ってるよ」
幼馴染「へ、へえ…そうなんだ…」
幼馴染「…この髪型、そんなに気に入ったの?」
男「俺は好きだな」
幼馴染「そう、こういう感じなのね…」
幼馴染「じゃあこの髪型にするわ」
男「おう、そうしておけよ」
幼馴染「…これで、好きな人が少しでも私に振り向いてくれるといいんだけれど」
男「っ…」
幼馴染「ふふっ、なんてね」
幼馴染「というわけでラブラブデートに行くわよ」
男「な、なんでやねん」
幼馴染「あんたさっきから私のことかわいいって言いすぎ夕飯おごってあげるわよ」
男「マジで?」
幼馴染「焼肉でもお寿司でも好きなところ連れていってあげるわ、とてつもなく機嫌いいから」
幼馴染「そのかわりあーんしてくれないと口移しするからよろしく」
男「外食で口移しは勘弁してくれ…」
男「さて、とうとう夏休みだな」
女「そうだね」
幼馴染「…」
男「夏休みの宿題面倒だよな」
女「うんうん」
男「というわけでパパっと終わらせよう勉強会です」
女「イエーイ!!」
幼馴染「な…なんで…女さんが…っ」
男「幼馴染と一緒に宿題したいらしい」
女「お願いします、幼馴染さん!」
幼馴染「あっ…う…っ…」
幼馴染「…女さ、さん…って、せ…成績優秀だから、ひ、一人でも…っ」
女「…幼馴染さんの家に行ってみたかったんです」
女「場所は男くんに聞きました、突然来てごめんなさい!」
幼馴染「…男?」
男「だってどうしてもって言うから」
女「ああっ、憧れの幼馴染さんと一緒に勉強できるなんて…私すっごく幸せです!」
男「つべこべ言ってないでさっさとやろうぜ」
女「えっ、男くんひどい」
幼馴染「…」
男「…」カリカリ
幼馴染「…」カリカリ
女「…あっ、あの、幼馴染さん」
幼馴染「はっ…はははい!」
女「ここ、分からないんで教えてくれませんか?」
幼馴染「えっ…あっ…こ、ここはね」
幼馴染「この公式を使うのは間違いで…えっと、別の公式を使うのが…」
男「おお…」
女「…あっ、本当だ!」
女「ありがとうございます、幼馴染さん!」
幼馴染「ど、どういたしまして…」
男「…あっ、忘れてた!」
幼馴染「何を?」
男「ちょっと家に忘れ物だ、取ってくる」
幼馴染「えっ、ちょ、ちょっと!」
女「いってらっしゃーい!」
男「すぐ戻ってくる…つもりだ」
幼馴染「待ちなさい、つもりってどういうことかしら」
男「じゃ、がんばってね」
幼馴染「…行っちゃった」
女「二人きり、ですね」
幼馴染「っ…そ、そそうですね…」
女「男くんも行っちゃったし、ちょっと休憩にしませんか?」
幼馴染「は、はい…」
女「ふぅ、勉強疲れたぁ…」カタン
女「夏休みの宿題ってなんでこんなに多いんですかね」
幼馴染「そ、そうですね…」
女「…敬語じゃなくてもいいですよ」
幼馴染「えっ…?」
女「だから、私も敬語やめていいですか?」
幼馴染「どっ…どどどうぞ」
女「やったー!これでもっと仲良しになれるかな」
幼馴染「な、仲良し…ですか」
女「あっ、まだ敬語使ってる~」
幼馴染「ご、ごめんなさ…ごめん」
幼馴染「私…男以外の人に、ど、どうやって接したらいいか…分からなくてっ」
女「…男くんみたいに接してほしいな」
幼馴染「えっ…で、でもっ…わ、私…口悪くて…っ」
女「いいの…私の前でもありのままの幼馴染さんでいてくれるなら」
女「それって、すごくうれしいことだよね」
女「だって、それが友だちなんだから」
幼馴染「女さん…」
女「それに、幼馴染さんは全然口悪くないよ」
女「男くんもそう思ってるはず」
女「だから、私に遠慮なんてしないで」
幼馴染「…そうね」
幼馴染「分かったわ、男みたいに接するから遠慮なんてしないわよ」
幼馴染「だから…よ、よろしく」
女「幼馴染さん…っ」パァァ
女「うん、よろしくね!!」
幼馴染「それで、男とはどういった関係なのかしら?」
女「えっ」
幼馴染「実はさっきから気になっていたのよね。なんか仲良しみたいだけど」ジトー
女「ち、違うよ!男くんとは協力してるだけ!」
幼馴染「きょ、協力…?」
女「私がこうして、幼馴染さんと仲良くなれるように協力してくれたの」
女「男くんには感謝だよ」
幼馴染「…ああ、忘れ物ってそういう」
女「えへへ、大正解です…」
幼馴染「もう、そういうことだったのね」
女「…でも、男くんっていいよね」
幼馴染「あら、男の魅力が分かる超有能かしら」
女「うんうん!」
幼馴染「やっぱりそうよね、もう本当に大好きなの」
幼馴染「…あっ」
女「むふー、熱々ですなぁ」ニヤニヤ
幼馴染「忘れてちょうだい…」カァァ
女「(…かわいいいいいいいいいいいいいい!!!!)」
女「そ、そういえば付き合ってどれくらいなの?」
幼馴染「…付き合っていないわ」
女「えっー!!あんなラブラブなのに!?」
幼馴染「ラブラブ…他の人たちからはそう見えるのかしら」
女「はい、めっちゃ見えます」
幼馴染「男と私がラブラブ…ふふっ、そうなのね」
女「私、幼馴染さんと男くんの話聞きたいな」
女「幼馴染さんのこと、もっと知りたいの」
幼馴染「…ええ、いいわよ」
幼馴染「あれは3年前だったかしら…」
男「3時間がたちました」
男「さーて、どうなっているかな」
男「(流石に3時間はやりすぎたかな)」
男「(まあ、まだ気まずいままだろう)」
男「(仲良くなるのはちょっとずつでいい)」
男「(いつか、幼馴染が心を開いてくれればそれで…)」
キャー!!ワタシモビックリデ!
男「…なんだ、やけに騒がしいな」
男「ん…?」
幼馴染『そのときに、ずっと一緒にいるって!』
女『やだー!男くんめっちゃ王子様じゃん!!』
幼馴染『キャー!今思い出しても恥ずかしいっ』ゴロゴロ
女『男くんってそんな感じなの!?まともに見れないいい』
男「」ポカーン
男「(これは夢か…どうなってんだ)」
男「…」バシン
男「(いてえ…夢じゃねえよ、これ)」
男「た、ただいまー」ガチャ
幼馴染「あら、おかえりなさい」
女「おかえりー」
男「ず、随分仲良しになったみたいだな」
女「えへへ、仲良しだって幼ちゃん!」
男「幼ちゃん!?」
幼馴染「ふふっ、そうみたいね」
女「幼ちゃんかわいすぎ~」ギュウウ
幼馴染「あら、女もかわいいわよ」
男「女!?」
女「幼ちゃん、お嫁さんにしてぇ」
幼馴染「男のお嫁さんになるからそれはできないわね」
女「やだぁ…私の幼ちゃん取らないでよ男くん!」
幼馴染「もうしょうがないわね、ペットならいいわよ」ナデナデ
女「じゃあペットになるー!」
男「…忘れ物置いてくる」
幼馴染「いってらっしゃい」
女「いってらっしゃーい!」
男「…」バタン
幼馴染『あそこのクレープ、すっごい美味しいのよ』
女『知ってる!おいしいよね!』
幼馴染『今度一緒に行きましょうか』
女『いくいく、絶対いく!』
男「…なんだこれ」
【その日の夜】
幼馴染「~♪」
男「…なにしてんの?」
幼馴染「女とメールよ」
男「ふーん」
幼馴染「…ふふっ」
男「それ、俺の部屋に来てまですることかよ」
幼馴染「…」
男「…」
幼馴染「…なにか言ったかしら」
男「女とメールは俺の部屋に来てまですることでしょうか」
男「さっきからずっとメールしてるしよ」
幼馴染「あら、構ってほしいの?」
男「ち、ちげえよ!」
幼馴染「あんたが構ってほしいなんて…そんなに私の母性本能をくすぐって抱きしめられたいのかしら」
男「だから違うって」
幼馴染「しょうがないわね、めちゃくちゃにしなさい」バッ
男「…なんで大の字になってんの」
幼馴染「ヤっていいわよ」
男「なんだこいつ」
幼馴染「…ねえ男」
男「ん?」
幼馴染「私、今日すごく楽しかった」
幼馴染「本当に楽しかった」
男「…そうか、よかったな」
幼馴染「女のおかげで、ダメな自分を変えられる気がするの」
男「…」
幼馴染「…男と一緒なら、なんだってできる気がする」
男「えっ…」
幼馴染「今日つくづく思ったの、私に友だちができたのは男のおかげだって」
幼馴染「男が今まで私を守ってくれたから、私はここまでがんばれた」
幼馴染「全部…全部、男のおかげよ」
幼馴染「ありがとう」
男「ど、どうしたんだよ、お前らしくねえ」
幼馴染「…」ギュッ
幼馴染「わ、私は…そんな男が」
幼馴染「世界で一番、大好きなの」
男「っ!」
幼馴染「ふふっ、やっと告白できたわ」
幼馴染「昔から…初めて会ったときから好きだった」
幼馴染「一目惚れの初恋だったの」
幼馴染「あなたは誰にでも優しくて、一人ぼっちだった私にも優しくしてくれた」
幼馴染「それで、もっともっと好きになった」
幼馴染「小学生のとき、いじめられていた私をかばってくれたことも知っているわ」
男「…知っていたのか」
幼馴染「当然よ、急にいじめがなくなったもの」
幼馴染「男がまた守ってくれたんだとすぐにわかった」
幼馴染「絶望だった日々から救ってくれたんだって」
幼馴染「そのときから、私の中には完全に男しかいなくなったのよ」
男「幼馴染…」
幼馴染「男になにもしてやれない私が告白なんて身の程知らずなのは分かってる」
幼馴染「ましてや恋人になりたいなんて、おこがましいわよね」
幼馴染「…私は言葉にして伝えたかっただけなの」
幼馴染「返事は、いらないわ…」
男「…いや、返事はする」
幼馴染「えっ…」
男「今はできないけど、近いうちに必ずする」
男「俺の言葉で、幼馴染との関係を変える」
男「だからもう少しだけ待っていてほしい」
男「告白してくれてありがとう…すごく、すごく嬉しかったよ」
幼馴染「…ええ、待ってるわ」
幼馴染「ずっと待ってる…待ってるから」
男「ありがとう、幼馴染」
今日はここまで
次の話でラストです、明日には完結します
妹「海だあああああ!!」
姉「わーい」
男「ほぇ、でっけえ海だな」
幼馴染「でかくない海なんてないでしょ、本当にかわいいわね」
男「…うるせえ」
父「ふっふっふっ、今年は海に来れたぜ」
父「姉と男の受験続きでしばらくこれなかったからな」
母「みんな、今日は楽しんでいってね!」
妹「ありがとうございまーす!」
幼馴染「あ、ありがとうございます」
父「それにしても親御さんがどちらも仕事なんて残念だったなぁ」
幼馴染「すみません…わ、私たちまで連れてきてもらって」
母「ふふっ、気にしなくていいのよ」
母「あなたたちは私の娘みたいなものだからっ」
母「ねっ、男」
男「なんで俺に振るんだよ…」
母「本当に娘になってくれたらなーってね」
男「はいはい、それは聞き飽きました」
幼馴染「…」
姉「それじゃ、私たち水着に着替えてくるね」
妹「イエーイ!!男さん待っててねー!」
男「俺も着替えるんだが」
幼馴染「ねぇ男、今日はどの水着持ってきたの?」
男「えっ、お前に買ってもらったやつだけど」
幼馴染「…ふふっ、よかった」
幼馴染「水着に着替えてきましょうか」
男「そうだな」
妹「ねぇね、やっぱりその水着似合ってるー!」
姉「ありがと、妹ちゃんも似合ってるよ」
妹「わーい、ねぇねに褒められたぁ!」
姉「あとは幼馴染ちゃんだね」
妹「お姉ちゃん、まだー?」
幼馴染『もうすぐ終わるー!』
ガチャ
幼馴染「ごめんなさい、ちょっと手間取っちゃったわ」
姉「」ポカーン
妹「」ポカーン
幼馴染「二人ともどうしたの?」
姉「…噂には聞いてたけどすごいね」
妹「お姉ちゃん、ナンパには気を付けなよ」
幼馴染「そんな際どい水着じゃないはずだけど…」
妹「男さん、なかなかいいセンスしてるね」
姉「えっ、この水着男が選んだの?」
幼馴染「はい、男が買ってくれました」
姉「すごくいいね、似合ってるよ」
幼馴染「そ、そう言ってくれるとすごく嬉しいです」
姉「…幼馴染ちゃん、変わったね」
幼馴染「えっ?」
姉「私、幼馴染ちゃんときちんと話せて嬉しいな」
幼馴染「…大切な友だちと男のおかげです」
姉「ふふっ、そっか」
妹「…なんのはなし?」
幼馴染「あんたには関係ないわよ」
妹「んん?」
幼馴染「あとは男ね」
姉「なんであの子が一番遅いの…」
妹「もー!はやく私の水着見てほしいのに!」
「おーい!」
妹「あっ!遅いですよ男さ…っ」
男「すまんすまん、飲み物探してたら遅くなった」
妹「」ポカーン
幼馴染「相変わらず絶望的にカッコいいわね、そんなんだから私に惚れられちゃうのよ」
男「幼馴染もいいかんじだぜ」
姉「飲み物って、家からなんか持ってこなかったっけ?」
男「喉渇きすぎて我慢できなかったんだよ」
姉「そっか」
妹「…男さん、逆ナンには気を付けてくださいね」
男「逆ナン?ははっ、ないない」
姉「うん、間違いなくされる」
男「姉ちゃんまで…」
妹「なんですかそれ!反則ですよ!」
妹「ちょっとときめいちゃったじゃないですか!」
男「そんなの知らねえよ」
姉「…あー!」
男「え、なに?」
姉「幼馴染ちゃんとおそろいだ!」
妹「あっ、本当だ!」
幼馴染「えへへ…実はそうなの」
妹「うわぁ、ラブラブですね…」
男「…ほら、着替えたことだし戻るぞ」
妹「ちょっ、私の水着の感想は!?」
幼馴染「クロール対決よ」
男「はぁ…」
幼馴染「せっかく海に来たんだもの、泳がなくちゃね」
男「そんなガッツリ泳ぐのか」
幼馴染「私に全勝してるからってなめてるでしょ」
幼馴染「ついでに私の唇ペロペロしていいわよ」
男「なめてもいねえしペロペロもしねぇよ」
幼馴染「そんなことより、男ばかり勝ってつまらないからハンデつけない?」
男「おう、そうしてくれ」
幼馴染「私を背負って泳ぎなさい」
男「それレースにならねえだろ!」
幼馴染「布越しおっぱいめちゃくちゃ押しつけられるし役得よ、よかったわね」
男「よくねえよ」
幼馴染「文句ばっかりね、これだからこのウンコは…」
男「ウンコでもなんでもいいが、ハンデは俺が決める」
幼馴染「しょうもないハンデだったらチューするわよ」
男「勝負は向こうの岩まで、俺は10秒後にスタートする」
男「これでどうだ」
幼馴染「…妥当すぎてつまらないわね」
男「こんなもんだろ」
幼馴染「あっ、ただの勝負だとつまらないから負けたら罰ゲームね」
男「おう、いいぜ」
幼馴染「そうね…私が勝ったら、今日一日ずっと手を繋ぐとかどうかしら」
男「…本気で勝つつもりだな」
幼馴染「だって負けっぱなしは性に合わないもの」
男「今日の俺は調子がいい、負ける気がしねえんだよ」
男「残念だったな、いくぞ!」
男「負けました」
幼馴染「ふふっ、今日はずっと恋人繋ぎよ」ニギニギ
男「なぜ負けたんだ…」
幼馴染「あの岩そんなに遠くないのに、10秒もハンデつけるからでしょ」
幼馴染「あれは4秒くらいでよかったわ。本当にバカね大好きよ」
男「お前10秒で妥当とか言ってたじゃねえか…」
幼馴染「私が圧勝するには…ね」
幼馴染「どうしても勝ちたかったし」
男「ちくしょう」
幼馴染「それにしても海デートはいいわね」
幼馴染「好きな人と手を繋ぎながらおそろいの水着を着て歩くなんて、素晴らしいデートすぎて死んじゃいそうよ」
男「デートちゃうわ」
女「いや、どうみてもデートでしょ」
男「だからデートじゃ…うわあああっ!!」
女「よっ、男くん、幼ちゃん!」
幼馴染「あら、女も来てたのね」
女「海にいくとは聞いてたけど、まさか同じ海だったとは」
女「これも運命だね…うんうん」
男「お前一人で来てんの?」
女「そんなわけないでしょ、友だちと来てるから!」
女「幼ちゃんを見かけたからちょっと抜け出してきただけだよ」
幼馴染「ごめんなさい、一緒に海に行く誘い断っちゃって…」
女「あっ、いいのいいの!まさか男くんとデートに行くとは思ってなかったから」
幼馴染「私たちは家族で来てるのよ」
女「えっ、妹さんも来てるの!?会ってみたいなぁ」
幼馴染「今、男のお姉さんとどこかに行ってるわ」
女「そっかぁ…じゃあ、今度幼ちゃんの家行くまでおあずけだね」
「女、なにしてんのー?」
女「あっ、友だちが呼んでるからもう行くね!」
女「またね幼ちゃん!男くん!」
幼馴染「ええ、またね」
男「じゃあな」
幼馴染「…ふふっ、相変わらず元気ね」
男「…幼馴染、変わったな」
幼馴染「えっ」
男「もう俺が心配する必要なんてなさそうだ」
幼馴染「男…?」
男「なあ、今日の夜だけどさ…」
父「いやー!ビールはうまいなぁ!」
母「海の近くにこんないい旅館があるなんてね」
妹「温泉もあったよ!」
姉「それにしても、男と幼馴染ちゃんどこにいったのかな」
姉「夕食取ってどこかに行ったみたいだけど…」
妹「どうせどっかでイチャイチャしてるよ」
姉「…ふふっ、きっとそうだね」
男「うわぁ、誰もいないな」
幼馴染「昼間あんなに人いっぱいいたのにね」
男「夜の海って、なんかいいよな」
幼馴染「うん、そうね」
男「…」
幼馴染「…」
男「…ごめんな」
幼馴染「えっ」
男「ずっと待たせてばかりだったよな」
男「幼馴染の気持ちを知っていたのに、告白もされたのに…」
幼馴染「ううん、いいのよ」
男「俺、ずっと考えていたんだ」
男「幼馴染と恋人になったらどうなるか…ってな」
男「そうして考えられるのは、今以上に他人を拒絶する幼馴染だった」
男「恋人になってしまえば幼馴染は俺に依存しきって、完全に一人で生きていけなくなると思った」
男「俺以外、なにも知らずに過ごしていくと考えたら恐かった」
幼馴染「そんなこと…」
幼馴染「…そうね、そうなっていたわね」
男「…けど、幼馴染は変われた」
男「他人と過ごす楽しさを知った、交流をする大切を知った」
男「だから、もうそんな心配はいらないよな」
幼馴染「それって…」
男「俺は…幼馴染のことが好きだ!」
幼馴染「っ…」
男「ずっと好きだった、俺も一目惚れだった!」
男「みんなに優しかったんじゃない…好きな女の子だから特別優しくしたんだ」
男「ずっと幼馴染に好きだって言いたかった、もう我慢なんてしない!」
男「幼馴染!」ダキッ
幼馴染「あっ…」
男「好きだ、俺の彼女になってくれ!」
幼馴染「…はい、喜んで!」
【それから1年後】
「…きて」
「起きて…」
男「んっ…」
幼馴染「起きなさい」ドスッ
男「ぐばぁ!」
幼馴染「やっと起きたわね、学校に行くわよ」
男「のしかかって起こすなって言ってるだろぉ…」
幼馴染「だってこうでもしないと起きないじゃない」
男「…確かに」
幼馴染「ねぇ、男」
男「なんだ」
幼馴染「おはよう、今日も大好きよ」
幼馴染「んっ…」
男「んっ…おはよう、幼馴染」
幼馴染「おはようのキス、今日もありがとう」
男「おう、どういたしまして」
幼馴染「ほら、朝食できてるわよ」
男「…よーし、起きますか」
妹「おはよう、男さん」
男「おう、おはよう」
妹「相変わらず朝からイチャついてますね」
男「えっ、どこが?」
妹「お姉ちゃんずっとくっついてるじゃないですか!」
幼馴染「これが普通なのよ」ギュウウ
幼馴染「ねっ、男」
男「そうだな」
幼馴染「ねえねえ、学校行く前にいっぱいチューしましょうよ」
男「え~、妹いるしなぁ…」
幼馴染「…チューしたいなぁ」モジモジ
幼馴染「ダメ、かな」
男「でへへ、しょうがねえな」
幼馴染「やった、ちゅっちゅっ!」
男「幼馴染は甘えん坊だなぁ」
幼馴染「好き好き好き好き大好き!!」
男「俺も俺も!」ギュウウ
幼馴染「きゃー!」
妹「もうやだこのカップル」
女「おはよう、幼ちゃん!」
友「よっ、幼馴染」
幼馴染「おはよう、女、友」
女「幼ちゃん聞いて、友ったらひどいんだよ」
女「私には一生彼氏できないとか言うの!酷くない!?」
幼馴染「女、残念だけど彼氏は諦めなさい」
女「がーん」
幼馴染「ふふっ、冗談よ」
女「いいもん、私には幼ちゃんがいるから!」
友「その幼馴染も男くんっていう彼氏がいるからな」
女「…彼氏いないの私だけじゃん」ズーン
幼馴染「友、昨日はずいぶんラブラブだったわね」
友「うげっ、見てたのか」
幼馴染「私と男もいたのよ、気づかなかった?」
友「全然分からなかったぁ、あはは」
幼馴染「…それで、あの彼氏くんとはどこまでいったのよ」ニヤニヤ
女「あっ、それ私も聞きたいです」ニヤニヤ
友「な、なんだよそのニヤケ顔は…」
女「じっくり問い詰めるべきだと思うのですが幼馴染隊長!」
幼馴染「女隊員、お昼に問い詰めるわよ」
友「うわー!勘弁してよぉ!」
幼馴染「男、おまたせっ」
男「おう」
幼馴染「さ、帰りましょうか」ギュッ
男「そうだな」
幼馴染「あんたが違うクラスなせいでいろいろ不便だわ」
男「本当、幼馴染と同じクラスがよかったぜ」
幼馴染「まあ、悔やんでもしょうがないことね」
幼馴染「それより帰ったら受験勉強するわよ」
男「今日はなにすんの?」
幼馴染「そうね…英語とかどうかしら」
男「げっ、英語かぁ…」
幼馴染「ふふっ、男の天敵の英語よ」
幼馴染「最近帰ったらエッチばかりで勉強が疎かになってるから本気でやるわよ」
男「お前が誘って…まあ、乗っかる俺も悪いんだが」
幼馴染「そんなところも大好きよ、愛してるわ」
男「なに言ってんだ、俺のほうが好きだっつうの」
幼馴染「ふふっ、男のばーか」
男「はぁ、それにしても今日も暑かったな」
幼馴染「…私たちが付き合って、もうすぐ1年がたとうとしてるのね」
男「そうだな、もうそんな季節か」
幼馴染「私、夏が大好きよ」
幼馴染「私が変われた季節だから、好きな人と一緒になれたから」
男「…そっか」
男「今年の夏は、どれだけ楽しくなるかな」
幼馴染「ふふっ、きっと去年以上に楽しくなるわよ」
男「幼馴染と一緒ならどんな夏でも楽しいさ」
幼馴染「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」
男「…さーて、今年も二人で夏を楽しみますか!」
幼馴染「…うん!」
終わり
これにて完結
見てくれた人ありがとうございました
妹、幼馴染ときたので次は姉もの書きます
いつかスレ立てます
このSSまとめへのコメント
なんだこれ!もっとやれ!
俺得神SSすぎる
素晴らしすぎた……文才ありすぎぃ!
デレデレ幼馴染みssもっと増えろ!
ツンデレかと思ってたのに最初っから最後までデレッデレじゃねえか!!!!!
まったく最高だぜ