佐久間まゆ「泰葉ちゃんの誕生日をお祝いしましょう」 (27)

まゆ「というわけで作戦会議です。えい、えい」

智絵里「おーっ」

まゆ「さて、頑張っていかなきゃいけませんが…。ひとつ問題があるんですよねぇ」

智絵里「……? 何かあったっけ?」

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まゆ「これ、今年パーティーに参加するって言ってくれた方のリストなんですが……」

智絵里「え、わざわざ作ったの…? すごい」

まゆ「うふふ…♪」テレテレ

智絵里「えーっと……乃々ちゃん、清美ちゃん、フレデリカさんに悠貴ちゃん、薫ちゃんに柑奈さんに……あっ」

まゆ「気付きましたぁ?」

智絵里「葵ちゃん、真奈美さんに…。桃華ちゃん……周子ちゃんも」

まゆ「ね?」

智絵里「な、なんていうか……」

まゆ「まゆ達じゃどうにもならないようなもの用意しそうですよねぇ……」

智絵里「まゆちゃんって、やっぱり…?」

まゆ「ええ。手料理をごちそうしようと思ってたけど、葵ちゃんや真奈美さんがいるとなると……」

智絵里「うーん……」

まゆ「というより、桃華ちゃんがいると大体は霞んじゃうかもしれませんよねぇ」

智絵里「周子さんは……」

まゆ「現シンデレラガールですよ? 普段は何を考えているか分かりませんが、京都で育ったことを考えるとこういうことはしっかりしてるかもしれませんし……」

智絵里「や、やっぱりここは真心で……」

まゆ「そこはみんな一緒です。もちろん負ける気はないですけど、この事務所は皆仲良しさんですから」

智絵里「……まゆちゃん、なんだか今日は弱気じゃないかな…?」

まゆ「うーん…」

智絵里「いつものまゆちゃんは、もっと…力強くて、絶対負けないって気迫があって……」

智絵里「そういうまゆちゃんが……その、好き……かなって」

まゆ「…………」

まゆ「そう、ですね」

まゆ「まゆ……ここのところ妥協ばかりでした」

まゆ「せっかくのPさんとのビーチだって、今思うと勿体ないことを……」

まゆ「……そうです」

まゆ「そうです…まゆはハングリーに生きなきゃダメなんです……!」フンス

まゆ「さ、智絵里ちゃん。まゆ達がナンバーワンだってことを見せつけてやりましょう……!」

智絵里「おー…!」パチパチ

泰葉「おー」パチパチ

まゆ「!!?」

智絵里「!?」

泰葉「燃えてるね」

まゆ「や、やややややすっ、泰葉ちゃん?」

智絵里「な、なんでここに…? だって今日は……あ」

泰葉「今日は午後からオフだから。それで事務所に来たんだけど……」

智絵里(ど、どうしようまゆちゃん……)

まゆ(だ、大丈夫ですよぉ……泰葉ちゃんは高確率で自分の誕生日を忘れてますから……)

泰葉「?」ニコニコ

まゆ「そ、それで事務所に来たんですかぁ……?」

泰葉「うん。ここが落ち着くし……Pさんいるし」

まゆ「」ムッ

智絵里(今はそこは妥協して……!)

泰葉「けど、Pさんは今出てるみたいだからそれで……。もしかしてお取り込み中だった?」

まゆ「い、いえ! えっと……」


真奈美「おや、まゆ。いたのか」ガチャ

まゆ「ま、真奈美さん…」

真奈美「いや、丁度良かった。少しばかり試食をお願いしようと思っていたんだ」

智絵里「あ、えっと……」オロオロ

泰葉「真奈美さん、何か作ってたんですか?」

真奈美「ああ、泰葉。今日はオフじゃなかったか?」

泰葉「はい。でもつい、事務所に足が」

真奈美「ふむ、そうか……。そういえばこの間の番組のテープが届いてばかりだ。せっかくだから観ていったらどうだい?」

泰葉「え、この間のって……」

真奈美「学園のな。清美が出来を気にしていたよ」

泰葉「そうなんですか。じゃあ観てみようかな」

真奈美「うむ。ではまゆは借りていくよ」

バタム

まゆ「真奈美さん、助かりましたぁ」

真奈美「何のことだ? 試食してもらいたいのはこれなんだが」ハイ

まゆ「その、ありがとうございます。……うわ、凄いですねぇ」アム

真奈美「どうしても和食がメインになってしまってね。ふむ、ケーキをどうしたものか」

まゆ「……」オイシイ・・・

真奈美「今夜のパーティー、間に合うかどうか……って所かな?」

まゆ「……これから、ってところですねぇ」

真奈美「ふむ、迷いは無いようだね」

まゆ「はい。この料理にだって、負ける気はありません」

真奈美「ふふ、望むところさ」





P「さて、と。ちょっと外回りが長引いたが……」

泰葉「あ、Pさん」テテテ

P「……あれ」

泰葉「あれってなんですか、あれって」モウ

P「泰葉? 今日は空けといたはずだが……」

泰葉「空いてるから来たんですよ」

P「あー……そうか。そうか」

泰葉「はい」

P「あー、泰葉。もうしばらくだな……どうしたもんか」

泰葉「…………」



泰葉「……ふふっ」

P「そうだ泰葉、今から……」

泰葉「つい、待ちきれなくって」

P「――って、は?」

泰葉「誕生日もお仕事で、記念日なんて忘れてしまうくらいだったんですけど……ね」

泰葉「でも、今は違います」

泰葉「今日この日をずっと、待ちわびてました」

P「……そっか」

泰葉「ありのままの私を見てくれるPさんが側にいて、ありのままの私を好きでいてくれる皆さんに囲まれて」

泰葉「そして……心から祝福してくれて。そう考えるといてもたってもいられなかったんです」

P「……あー、マズいな」

泰葉「それで皆さんに迷惑かけてちゃいけませんよね、浮ついてしまってて……。こんなところ、薫ちゃんや悠貴さんには見せられないな……」

P「いや、っていうか……な」

泰葉「Pさん?」

P「あーちょっと待った。今こっち見ないでくれると助かる」ツウ・・・

泰葉「……ふふっ。Pさんは笑ってないと、ですよね?」

P「ああ、そうだ。……そうなんだがなあ……」フルフル


ドコマデモー カーギーリナクー

P「……携帯だ。……準備終わったみたいだな」

泰葉「みたいですね。……えっと、知らないフリ? でも一度顔出しちゃってるし……」

P「そういうことは入ってからで大丈夫だ。さ、会場行くか」

泰葉「はい。……あ、涙の跡」

P「っと、すまん。こういうのって特に柑奈が敏感でな」

泰葉「ふふっ、大騒ぎになっちゃうかも?」

P「主役は泰葉じゃなきゃな」

泰葉「……そう、ですね」ニコ

P「……あ、ティッシュ。ありがとうな」

泰葉「いえ」

P「ああもう、のっけから主賓に貰い物するなんてな」

泰葉「それくらいなんでもないですってば。……あ、手」

P「ん」


キュッ


泰葉「連れて行って、くれますか?」

P「もちろん。これからもずっとな」




「「「おめでとー!!!」」」



泰葉「わっ、わっ、わああ……!」パアア

葵「長崎風にしっぽく料理にしてみたっちゃ! ささ、座って座って!」

清美「今日は無礼講! 特別ですからね!」

柑奈「そういうワケなので!! まずは一曲!!」キーン

乃々「もう少し……ボリューム抑えめでぇー……」


まゆ「と、いうワケでプレゼントなんですが」

智絵里「凄いの、見つけちゃったんだ。はい、これ……」

泰葉「これ……って、わ」

智絵里「六つ葉のクローバー…。その、願いが叶うんだって」

泰葉「それ、四つ葉より凄いんじゃ……」

智絵里「枚数とか、葉の1つ1つとかで意味が違うみたい……えへへ」

泰葉「智絵里さん、ありがとう」ニコ

智絵里「ううん。泰葉ちゃんの生まれた日に、こんなのが見つかるなんて。きっと、凄いことだよね」

まゆ「まゆはかなり頑張りましたよぉ……!」ゴゴゴ

智絵里「おー……!」

泰葉「……!」ワクワク

まゆ「まゆのプレゼントは……!」ゴゴゴゴゴゴ




まゆ「Pさんと一日好きに過ごしていい権利です!」バーン

まゆ「ふんすっ」ドヤァー

泰葉「おー……?」

まゆ「フフーン」ドヤヤァー





泰葉「それって、いつも通り……」

まゆ「どういう意味ですかぁ……?」

BGM:ミザルー
https://www.youtube.com/watch?v=1hLIXrlpRe8



おしまい

年1回の大イベントなのにとっ散らかってごめんよ
アニメ再開で話題かっさらわれる直前の滑り込みバースデーに喜びを抑えきれないよ
誕生日台詞のハッピーエンド感が半端なかったからこのまま声付いてトゥルーエンドになっちまえと思ってるよ


ではお目汚し失礼いたしました

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