アルミン「進撃のアルレルト兵団!!」続 (156)

※ネタバレ、キャラ崩壊、オリジナル展開あり

―――850

自称天才少年アルミン・アルレルトは巨人のスパイだったライナー、ベルトルト、アニを味方に引き入れ
親友の熱血少年エレン、おっちょこちょいでひ弱なミカサと共に新たな兵団「アルレルト兵団」を立ち上げこの残酷な世界に挑む。

訓練兵団卒業後、レイス家により拉致誘拐されたエレンであったがヒストリアとアルミン率いるアルレルト兵団により救出されレイスの野望を阻止。その後巨人化したロッド・レイスの討伐に成功する。

アルミン・アルレルトと愉快な104期メンバーは、フロリアン、ディルクのレイス兄妹とケニー率いる対人制圧部隊を新たな仲間に加え次はマリア奪還を目指そうとしていた…



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シガンシナ区


長身の男「…ライナー達はどうなったんだ?」

黒髪の男「あいつらは昔から甘い部分があったからな」

金髪の男「壁内人類に情でも移ったんじゃないの?」

格闘家の男「…人類に捕らえられている可能性もある。もしもの為に様子見に行っては…」

眼鏡の男「その必要はねぇ…捕まってたらあいつらはそれまでだったのさ。それともあんたの娘ちゃんがいるから気になるのかい?」

格闘家の男「…」

長身の男「どうしますか?」

眼鏡の男「ここで待っていればいずれにせよ必ず奴らは来るはずだ……ライナー達より座標の奪還を優先する」

―――トロスト区訓練兵団施設


アルレルト兵団本部(訓練兵団空き部屋)


アルミン「…ロッド・レイスの巨人を討伐し3ヶ月経過した。レイス家の力を無くした王政は簡単に崩れ去り、今は生き残ったレイス兄妹とそれぞれの兵団の団長が壁の中のトップになっている」

エレン「1人でブツブツなに言ってんだよアルミン」

アルミン「日記さ!アルレルト日記!日々の重要な出来事を書き記しているんだよ!」

エレン「ほう、さすがアルミンだな」

ミカサ「私も日記書いてる」

アルミン「へえ!ミカサはどんな日記を書いているのかな!!」

ミカサ「昨日の晩御飯とかー…」

アルミン「そんな内容だろうと思ったよ!わはははは!!」

エレン「お前…少しは兵士らしくしろよ…」

ジャン「いや、俺は凄くいいと思うぞミカサ!!」ガシッ

ミカサ「ひっ!?」ビクウッ

エレン「急にでけぇ声出すなよ、鼓膜破れちゃうだろうが!」

アルミン「ジャン、アピールはほどほどにね」

ライナー「よう、朝から仲良しだなお前ら」

ベルトルト「うるさくて目が覚めたよ」

エレン「おう。おはようお前ら」

アルミン「悪いね。元気だけが僕らの取り柄だから覚めたよ!」

ミカサ「うん」

ジャン「なに言ってんだよ。俺はエレンなんかとはなぁ…」

エレン「なんだよお前、アルミンと友達なら俺とも友達になれよ!」

ジャン「はあ!?」

バタンッ!


ヒストリア「おーい、大変だああ!!」ガチャ

ミカサ「あ、ヒストリア」

アルミン「どうした、ヒストリア!何かあったのか!?」

ヒストリア「そうだよ、開始四レス目でいきなり大事件だよ!!」

エレン「とりあえず落ち着いて話せよ」

ライナー「何があったんだ?」

ヒストリア「えーと…まあそんな騒ぐほどの大事件ってほどでも無いんだけど…」

ジャン「どっちだよ」

ヒストリア「最近、壁教が変な動き見せてるんだってさ」

アルミン「む。そういや奴らやけにおとなしいから怪しいと思っていたけど…」

ユミル「中央憲兵も一部が壁教の命令下で動いているらしい」

ヒストリア「うん。フロリアンが言ってた」

エレン「どうするんだアルミン……」

アルミン「うーん、調査兵団と協力してマリア奪還に行くの来週なのに…こんな時に色々起こるとはな…」

ミカサ「現実は厳しい」

コニー「お、おはよう…あれ、どうした難しい顔して」

ヒストリア「あれだよ…泣きっ面に蜂みたいなもんだよ」

コニー「は?」

ユミル「お前どこで覚えたんだそんな言葉」

サシャ「朝ご飯朝ご飯…」コソコソ

アルミン「サシャ、残念ながら朝ご飯はもう少し後だ」

サシャ「そんな!?」

アルミン「恐らく壁教の目的はエレン奪ってレイスの誰かに食わせることだろうね」

ジャン「それは聞く間でもなく予想できるな」

ミカサ「エレンがまた誘拐されちゃう…」オロオロ

エレン「その言い方やめてくれ…」

アルミン「よし、アルレルト兵団のメンバーを集めろ!作戦会議をするぞ!」


アルミン「…という訳で全員集まったかなあ!?」

エレン「おう!」

ミカサ「はーいっ」

ヒストリア「集まったよ!」

コニー「俺に全部任せとけ!」

サシャ「いやいや、私に任せてくださいよ!」

ヒストリア「もう、団長はアルミンだよ!」


ジャン「元気な奴らだな…」

アルミン「ジャンも愉快で元気な奴らの一員だぞ。憲兵憲兵言いながらアルレルト兵団入った癖に」

ジャン「あ…あれはなぁ!」

ライナー「顔赤くして照れてんのかお前」

ベルトルト「ジャンはやっぱ優しい奴なんだね」

ジャン「うるせーよ!」

アニ「ちょっと…あんたら。大事な話があるんでしょ」

ユミル「無駄話ばっかりしてよ…」

ヒストリア「いやいや、やっぱこのやる気ない感じ楽しいね!」

フロリアン「あははははは!」

ケニー「フロリアンもついにアホの仲間入りになっちまったか…」

ディルク「ちょっと僕にはついていけないよ」

エレン「アルミン…そろそろ真面目にやろう」

アルミン「おう。で…本題に入るが……」

ミカサ「あ、サシャがパン食べてる!」

サシャ「ミカサ、言っちゃダメですよ!」モグモグ

アルミン「食え食え」

サシャ「やったぁ!」

ヒストリア「サシャ、私にもちょうだい」

ライナー「…俺も…」

フロリアン「あ…じゃあ私も…」

ユミル「…」


アルミン「で、壁教の連中が何やらコソコソやっているようなんですよ」

ケニー「へえ…野放しにしてたがやっぱ前から手を打っておいた方が良かったんじゃねぇか」

アルミン「まあ、前は特に何もして来なかったし……で、僕らは来週調査兵団とマリア奪還に行かなけりゃならない」

アルミン「という訳で、壁内と壁外で分かれて行動しようと思う!!」

ライナー「ほう…」

ミカサ「面白そう」

アニ「いや、面白そうって」

アルミン「とりあえず、僕が考えているメンバーとしては…」

アルミン「壁外が調査兵団と、この人類最強の頭脳アルレルトな僕と、エレン、ミカサ、ライナー、ベルトルト、ジャン、ケニーと対人制圧部隊」

アルミン「壁内がヒストリア、ユミル、サシャ、コニー、マルコ、アニ、フロリアン、ディルクとケニーの部下数名にいてもらう」

エレン「まあ、それだけいれば安心かな…」

ミカサ「2人と一緒だ!」

アニ「良かったね」

ミカサ「でもアニとは別かぁ…残念」

アニ「遊びじゃないんだから落ち込まないの」

ベルトルト「でもさ…アニも壁外に来た方がいいんじゃないかな…貴重な巨人化能力者だし」

アルミン「いや、壁教にももしかしたら巨人がいるかも知れないからね…念のためだよ。能ある僕は巨人を隠すってね!」

アニ「なるほど…最後が意味不明だったけどわかったよ」

ヒストリア「よろしくねアニ!」

ケニー「じゃあ、壁内にはお前らが残れ」

女部下「わかりました」

メガネ部下「了解」

ヒストリア「アルミンと一緒じゃないのは残念だけどユミルとキョーダイがいるから私は嬉しくて発狂しそうだよ」

ユミル「発狂はするなよ」ペシン

フロリアン「…私もライナーとは別かぁ…」

ライナー「ん?呼んだか?」

フロリアン「よ、よよよ、呼んでないよ!」

ディルク「とてもわかりやすい反応だね、フロリアン」

アルミン「思春期真っ盛りな途中で悪いけど更に詳細を語るからちょっと聞いてくれ」

ヒストリア「おうよ!」

エレン「おうよ」

ミカサ「おーよ」

―――――壁教教会
壁教信者「…レイス家の子供たちは何をしているんだ…なぜ神の力を取りかえさない」

ニック「それが…レイスの子供たちは現状を維持するらしく」

サネス「なんだと?そんなバカな事が許されるか。ニック司祭…ちゃんと説得したのか?」

ニック「説得はしたが…レイス家の者が決めたことならそれで…」

壁教信者「ならん!ガキの言うことなど素直に聞くべきでないわ!」

壁教信者「力づくでも奪い返しレイスの誰かにエレンを食わせるしかないな」

ニック「何もそんな無理やりしなくても…」

サネス「黙っていろニック司祭。人類の存続の為には神が必要なんだよ」

ニック「…」

壁教信者「もしまた壁が破壊された時…神の力がなくてはそのまま滅ぼされて終わりだ」

壁教信者「壁を修復するには彼女たち三人と神の力が必要なのだ」

マリア「…」

ローゼ「…」

シーナ「…」

―――――

エレン「…はあ…」

ライナー「どうしたエレン。暗い顔して」

エレン「今日、母さんが来るんだよ…」

ベルトルト「お母さんが?」

ミカサ「私のお父さんとお母さんも来る」

アルミン「壁教の連中に何かされたらいけないからね。ここに避難させておくのさ」

アニ「なるほどね」

ガチャ

カルラ「…エレン?」

エレン「あ、母さん!」

カルラ「久しぶりだね」

ミカサ「お久しぶりです!」

アルミン「相変わらずお綺麗でございますよ!!」

カルラ「そんなことないよ、はははは」

エレン「母さん………その……」

カルラ「…」

カルラ「父さんのこと?」

エレン「!」

カルラ「正直言うとね、私も知らなかった。さっきキースから聞くまで」

エレン「母さんも教官から聞いたのか!?」

カルラ「うん…キースに問い詰めたら話してくれたよ」

ミカサ「…」

アルミン「…」

カルラ「でも…確かに壁が壊される日に近い頃、父さんの様子はおかしかった」

カルラ「そして、壁が壊された日の前日に言ったの…『今までありがとう』『明日いなくなっても気にするな』って」

エレン「…」

カルラ「なんのことか全くわからなかったけどね…そのあとの事もキースから聞いた」

アルミン「でも、グリシャおじさんもきっと何か理由があって」

カルラ「私もそう信じたいよ…」

エレン「…父さんは…なんでこんな力を俺に託したんだろう……俺は特別でも何でも無いのに」

アルミン「エレン!また出たなその落ち込み!」

ミカサ「元気出して…」オロオロ

カルラ「…エレン。みんなに認められなくてもみんなにとって特別じゃなくてもいいんだよ。私はあなたがこの世界に生まれてきてくれただけで、私にとってから特別なんだから」

エレン「…ありがとう、母さん」

カルラ「…ヒストリアっ子はいる?やっぱり私からも謝っておきたいから」

アルミン「あ、ヒストリアは…」

ユミル「今は最近作られた孤児院の手伝いに行ってますよ」

カルラ「そう…じゃあまた後で謝らなきゃね」

エレン「母さん…俺……明後日、マリア奪還に行くんだ。そして地下室に行けば、父さんの真意も分かるかも知れない」

カルラ「うん。一緒に父さんを信じよう……生きて帰るんだよ、エレン」

エレン「ああ、絶対に生きて帰る!」

アルミン「大丈夫!僕たちもついてますから!必ずマリア奪還してエレンも連れて戻りますよ!この僕の天才頭脳で!!」

ライナー「俺達もいるぞ」

ベルトルト「ウォール・マリアの奪還を成功させるのがせめてもの罪滅ぼしだ」

ジャン「ふん、お前らだけじゃ心配だから俺も協力してやるよ」

ミカサ「みんなで頑張ろう!」

アルミン「おおおっ!!」

カルラ「ふふ…いい友達を持ったね」

エレン「うん」

カルラ「じゃあ私は別の部屋にいるからね」

エレン「ああ」


ガチャ


カルラ「…」


キース「…カルラ…」

カルラ「!」

キース「…すまない…あの時は……本当に、お前に酷い事を……」

カルラ「もう過ぎた事だからいいですよ、キース。それにあの時はあなたも色々大変だったんでしょう…」

キース「…!」

カルラ「教官の仕事、頑張ってくださいね」

キース「ああ…ありがとう……すまない…」

―――孤児院

ダダダッ

ヒストリア「おりゃあっ!」ガシッ

子供「あははは!」

フロリアン「あはは、ヒストリア楽しそうだね」

エーベル「うん…」

子供「お姉ちゃん…」クイクイ

エーベル「!」

子供「…今日も遊ぼ…」

エーベル「…うん…」タッタッ

フロリアン「…」


リヴァイ「…子供たちはどうだ?」ザッザッ

フロリアン「あ、リヴァイ兵長!」バッ

リヴァイ「敬礼はいい」

ヒストリア「あ、こんにちは!子供たちは元気ですよ!」

リヴァイ「そうか」

ヒストリア「それにしても…リヴァイ兵長は何でレイス兄妹が孤児院を作るの手伝ってくれたんですか?私達と会ったこともなかったのに」

リヴァイ「…さぁな」

ヒストリア「さぁなですかぁ」

フロリアン「まあ、あまり詮索はやめておこうよ」

子供「えい!」グググッ

ヒストリア「あだだだだだだ!髪引っ張るなぁ!!」

フロリアン「あははは」


―――


ケニー「…」

ディルク「どうした、ケニー…浮かない顔して」

女部下「隊長が無口だと何か気持ち悪いですね」

ケニー「おめぇ、普段はうるせえって言ってるじゃねぇか」

女部下「はい。で…どうしたんですか?」

ケニー「調査兵団にはリヴァイがいるんだろ……あいつとしばらく一緒にいた時期があるんだが……」

ケニー「どういう顔すりゃいいのかわからねえ」

ディルク「ああ…そのことか」

女部下「普段通りでいいでしょう」

ケニー「そうか…まあいい。あのチビがどれだけ強くなったか見てやろうじゃねぇか」

女部下「…」

ディルク「…」

ケニー「そう言えばよ…もう対人制圧部隊なんて無いも同然だから隊長なんて呼ばなくていいぞ」

女部下「いえ、隊長でいいです。私は初めから対人制圧部隊ではなく、あなたの部下として居ますから」

ケニー「はは、そうかい」

ケニー「お前は昔は敬語だったのに今じゃタメ口だな、ディルク」

ディルク「悪いか?ケニー」

ケニー「いや。今のままでいい」

ディルク「僕にとったら隊長というよりは友人だからね」

ケニー「はっ」




アルミン「さぁて、ついに明日だぞ、わんぱく調査隊マリア奪還大作戦!!」

エレン「なんか名前が意味不明な気がしたがついに明日だな」

ミカサ「壁の外…ワクワクする」

ライナー「いや、そんな面白いもんじゃねぇぞミカサ」

ベルトルト「てか巨人しかいないよ」

ミカサ「でも、海が…」

アルミン「壁外とは言っても旧ウォール・マリア内だから海なんて無いよ、ミカサ」

ミカサ「あ、そっか」

エレン「あ、そっかってオイ…」

ジャン「ほらお前ら、準備できたか。調査兵団のとこに行くんだろ」

アルミン「そうさ!という訳でしばらく居残り組とは会えないね」

ヒストリア「寂しいですよ、ええ!」

コニー「頑張れよ!」

サシャ「お土産買ってきてくださいね!」

ミカサ「うん。何がいい?」

ユミル「お前らウォール・マリアに何しに行くのかわかってんのかよ」

マルコ「無事帰るんだよ」

ジャン「ああ、生きて帰るさ」

エレン「母さんとも約束したからな」

アルミン「ヒストリア!君らも頑張れよ!」

ヒストリア「へへ、私らにかかれば壁教なんか五分でイチコロだよ!」

アルミン「ユミル、アニ、ヒストリアとサシャとコニーのお守り頼んだぞ!」

ユミル「お守り押しつけんな」

アニ「エレンとミカサも大変だね、あんたのお守りしなきゃいけないから」

アルミン「言ってくれるねぇオイ!!」


フロリアン「あの…ライナー…」

ライナー「ん?」

フロリアン「生きて帰ってきてね?」

ライナー「当たり前だ、しぬ気なんかねぇよ。そっちも頑張れよ」

フロリアン「うん!」

ベルトルト「フロリアンは良い子だね、ライナー」

ライナー「ああ、フロリアンは良い奴だな」

ライナー「フロリアンも皆も俺達も生きて戻って、帰ったら…


ライナー「そろそろヒストリアにプロポーズでも…」

ベルトルト「ライナーのバカ野郎!」

ライナー「え!?」ビクッ

ミカサ「ライナーのバカ!」

アルミン「ライナーのブラウン野郎!」

ライナー「なんだよなんだよ!?」

―――――調査兵団本部


エレン「はじめまして、アルレルト兵団の…」

アルミン「はい。という訳で皆さんこんにちはあああ!!アルレルト兵団ですよー!!」

エレン「ちょっ!なんだよその挨拶!!」

ミカサ「が…がが、頑張ります!」オロオロ

ハンジ「ほう、君達がアルレルト兵団か、愉快な子達だねぇ!」

ジャン「ああもう、いきなり恥ずかしい挨拶すんなよアホが…」

リヴァイ「ったく、ヒストリアとかいう奴もだったがうるせえ奴らだな」

エルヴィン「若者はあれくらいでいいさ」

ハンジ「うほっ、君達が巨人化能力者か!イケメン揃いじゃないか!」

エレン「あはは…いやいや、そんなこと」

ライナー(なんか騒がしい人だなおい)

ハンジ「なあ、エルヴィン!さっそく実験していいか!?良いよな!?」

ベルトルト「実験!?」

ライナー「嫌な予感しかしねえよ…」

エルヴィン「今はダメだ、ハンジ」

リヴァイ「落ち着け眼鏡」


ペトラ「はじめまして、お茶とお菓子あるからどうぞ」

アルミン「うほー、美人さんだぁ!ありがとうございます!」

エレン「どうも、いただきます」

ミカサ「美味しい」ゴクゴク

オルオ「おい、テメーら…緊張感ってもんが足りねぇよ。だいたいアルレルト兵団ってなんだよふざけた名前しやがってよ」

ペトラ「ちょっと、オルオ」

エレン「あ、まあ…いちおうアルレルト兵団も仕事してますよ……いちおう」

ペトラ「いちおう?」

アルミン「エレンやヒストリアの身を守りつつ情報集めという大事な仕事してますよ!まあ、基本的にはアルレルト兵団本部という名の訓練兵団施設でゴロゴロしてる日が多いですが!」

ミカサ「平和な時が一番楽しい」ゴクゴク

リヴァイ「…ほとんどニートじゃねぇか」

エレン「…」

アルミン「わっはっはっは!!」

ジャン「わっはっはじゃねぇよ」


ハンジ「で、メンバーはこれで全員なの?」

アルミン「いや、他にも調査兵団に協力するメンバーが来るんですが、たぶんもうすぐかと…」

コンコン

エレン「ん、来たか」

エルヴィン「入りたまえ」

リヴァイ「…」


ケニー「邪魔するぜ」ガチャ

アルミン「よう、遅刻ギリギリだぜケニー!」

リヴァイ「…っ!」

ケニー「いちおうアルレルト兵団に協力してる、ケニーだ…世話になるぜ。あと部下を何人か連れてきている」

ハンジ「ほう!なんだか強そうな人たちだねぇ!!」

リヴァイ「…あんた……ケニーか…?」ガタッ

アルミン「!」

エルヴィン「…リヴァイ…知り合いか?」

ケニー「…」

リヴァイ「ああ、一緒に暮らしていた時期がある。切り裂きケニーだ」

ペトラ「き…切り裂きケニー!?」

オルオ「都市伝説じゃなかったんですか」

ケニー「よう…久しぶりだな、リヴァイ。デカくなりやがって」

ケニー「いや、あんま変わってないな」

ミカサ「おじさん、失礼…」オロオロ

リヴァイ「あんたもそのつまらねえ冗談は相変わらずだな…こんなところで何してやがるんだ」

ハンジ「なんと、なんだかリヴァイと知り合いだったようだ」

ケニー「俺はもともとレイス家に仕えてる人間だったが…まあ、色々あって今はこのガキどもに協力してる」

リヴァイ「…あんたは前から何を考えているのかわからねえ…」

ニファ「切り裂きケニーって殺人鬼ですよね…信用して大丈夫なんですか…」

ハンジ「どうなんだろうね……どう思うリヴァイ」

リヴァイ「…あいつは何を考えてるかはわからねえが嘘はつかん…」

アルミン「まあ、ケニーさんは大丈夫ですよ。目指す最終目的は僕らと同じようなもんですから!」

ケニー「そういう事だ、よろしく頼むぜ」

リヴァイ「…あんたには聞きたい事がたくさんある…」

ケニー「はっ…後で聞いてやるさ」

エルヴィン「…これで調査兵団に協力するメンバーは全員か?」

アルミン「そうです。これが愉快なアルレルト兵団ですよ!!」

エルヴィン「では、明日の作戦を説明しよう…」

ミカサ「いよいよだね…」

エレン「ああ」

―翌日―


エルヴィン「…全員集まったか!?」

ミケ「はっ!」

アルミン「よーし!気合い入れてけ皆!!絶対しぬなよ!!」

ミカサ「うん!」

ジャン「巨人に食われてしにたかねぇからな」

エレン「…」

ライナー「エレン、大丈夫か」

エレン「ああ、大丈夫だ…壁を塞いで地下室に行くんだ」

ベルトルト「僕らも全力で協力するよ」

リヴァイ「…しぬなよケニー」

ケニー「テメーこそうっかり食われんじゃねぇぞ」

ペトラ「なんかあの2人ちょっと昨日より雰囲気変わってませんか」

ハンジ「昨日2人で色々話してたみたいだけど、まあ、いいんじゃないギスギスしてるより」

エルヴィン「進め!!」

「長距離索敵陣形展開!!」

ミカサ「え…えっと…」オロオロ

アルミン「ミカサは僕らと同じ班だ!」

ミカサ「う、うん!」

エレン「しっかりしろよミカサ!」

リヴァイ「お喋りする暇あったらついてこい。置いていくぞ」



パカラッ パカラッ パカラッ パカラッ パカラッ!!



エルヴィン「………」

ハンジ「…エルヴィン…」

エルヴィン「…ああ…」



アルミン「…何かおかしいぞ…」

ミカサ「え?」

エレン「静かすぎる…」

ジャン「全く巨人と遭遇する様子がねえぞ」


エルヴィン「…陣形の外側からも巨人と遭遇する気配がない……」

ケニー「…」

オルオ「おいおい、何で今日はやけに巨人がいねえんだ」

ペトラ「普段なら有り得ない…」



ミカサ「ね、寝てるのかな…」

リヴァイ「んな巨人が寝てくれりゃ普段の遠征も苦労しねえよ」

アルミン「これは何か意図的なものを感じるぞ……シガンシナ区に誰か待ち構えていて、僕らをおびきよせているんじゃないか?」

エレン「なんだと?」

ライナー「そうかもしれん…これはもしかしたら…」

ベルトルト「あいつが来てるかも知れない」

エレン「あいつ?」

アルミン「どうしますかエルヴィン団長!!」

エルヴィン「…罠にせよ何にせよ我々がシガンシナ区の破壊された壁を修復しなければならないのは変わらない。このまま進む」

アルミン「さっすが団長ですぜ!!」

エレン「…何が待ち構えてようが絶対に負けてやるかよ…」

――――――



ズシンズシンズシン!!

ジャン「奇行種だ!!」

ミカサ「ひいっ!!」ビクウッ

エレン「びびるなミカサ!」

アルミン「突っ込んで来るぞ、避けろ!!回避ぃ!!」

リヴァイ「ふん」ジャキッ

ケニー「…」スッ

バッ!!


ズシャッ!ズシャッ!!

奇行種「」シュウウウ

ケニー「ブッ倒してやったぜ」ザッ

リヴァイ「…行くぞ」

ジャン「おお…やっぱ凄いなあの2人」

ベルトルト「…シガンシナが見えてきた」

アルミン「ここに来るまで結局現れた巨人はほとんど奇行種くらいだったな…全く誰がこんなイタズラをやらかしてるんだ」

ミカサ「奇行種さん怖い…」ガクガクブルブル

ライナー「…シガンシナ区内にさっき話した通りの奴がいたら恐らく苦戦する……用心しろ」

エレン「ああ。行くぞ、みんな」

エルヴィン「シガンシナ区内に何が待ち受けているかわからん。警戒しながら進め」

―シガンシナ区内―

ザッザッザッ………

リヴァイ「…やけに静かだな」

エレン「…!前に誰かいるぞ」

ミカサ「え!?」

ハンジ「こんな場所に普通の人間がいるわけない…まさか…」

アルミン「むむむ!誰だぁアンタはぁ!!」ビシイッ


ザッザッ

眼鏡の男「よく来たな。待ってたぜ」

ミカサ「お…おじさん誰ですか…」

ベルトルト「…!」

眼鏡の男「よう、ライナーにベルトルトじゃねぇか。何してんの?そんなところで」

ライナー「…俺達は今は壁内人類の味方だ」

眼鏡の男「おいおい、お前らの大事な故郷を敵に回すわけ?」

ベルトルト「違う。何より故郷が大事だ……だから、壁内人類と故郷の人間達が争わなくていい方法を探すためにここにいる」

眼鏡の男「情が移っただけじゃねぇの?」

ライナー「…」

エレン「なあ…ライナー。同じ故郷の人間なら、あいつも説得はできないのか?」

ライナー「いや、無理だ…奴は正確には故郷の人間ではない」

アルミン「…ほう…」

アルミン「しかしあいつの顔どこかで見たような…」

眼鏡の男「…ん?お前…グリシャの息子か?」

エレン「…」

エレン「え?」

アルミン「!!知ってるのか!?」

眼鏡の男「まあな…よく知ってるぜ……へえ…まさか座標持ってんのがお前か?明らかにお前らそのグリシャの息子を守る形に動いてるからな」

ハンジ「座標?」

アルミン「ええい、何なんですかアンタは!答えなさい!!」

エレン「お前…知ってること全部話せ!!」

眼鏡の男「んー…暇がありゃ教えてやらんことも無いが…あいにくこっちもそんな余裕が無いんでね」

アルミン「焦らすなぁ、おいおい!!」

眼鏡の男「しかし…くく……グリシャも面白い事を考えたもんだ……なるほど…あいつらしいぜ…」

エレン「ど…どういう事だ!?」

エルヴィン「…エレンを攫いどうするつもりかも話す気は無いのか?我々は何も知らない」

エレン「父さんは何者なんだ!座標ってなんだよ!?」

眼鏡の男「…ふう…そんなに話を聞き出したけりゃ……」

眼鏡の男「俺を倒してみろ。グリシャの息子」ザッ

リヴァイ「…!他にも来るぞ!」

ハンジ「え!?」

ケニー「…他にあと4人か…」ジャキッ

ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!

ライナー「…!お前たちは…!」


ベリック「ライナー…ベルトルト…本当にこちら側に戻る気は無いのか?」

ベルトルト「ベリック!!」

ソニー「だから言ったじゃん、どうせ情に流されたんだって」

ビーン「久しぶりだな」

ライナー「ソニー、ビーン」

ケニー「おいおい…なんか色々来たな」

「…久しぶりだな」ザッ

リヴァイ「…!あいつ、強いぞ」

ライナー「あんたは…レオンハートさん!」

アルミン「レオンハートだと!!」

レオンハート「大きくなったな。2人とも……アニは、いないのか」

ミカサ「あ、アニのお父さん?」オロオロ

ベルトルト「そうだ………アニは、今はここにはいません」

レオンハート「そうか…」

アルミン「気をつけろ。レオンハートさんからめちゃくちゃ手ごわいオーラをビンビン感じるぞ!!」

エレン「くっ…戦うしかねぇのか」ザッ

眼鏡の男「行くぜ。座標を奪うぞ」スッ

カアアアアア!

ジャン「ぐっ…巨人化か!」

アルミン「アルレルト兵団!戦闘用意!!」


ライナー「ベルトルト!やるぞ!」

ベルトルト「ああ!」

エレン「おおおおお!!」ガリッ

獣の巨人「…」ゴオオオオオオ

エレン巨人「オオオオオオ!!!」ゴオオオオオオ

ブンッ!!


バギイイイイイッ!!!

ハンジ「すげえ、本当に巨人に!!」

アルミン「エレンのパンチが獣の巨人に大ヒットだ!!」

エレン(どうだ………っ!!?)

獣の巨人「弱い弱い…効かねぇなぁ…」ズシン

エレン(全く効いてない!?)

獣の巨人「ふん」ビュンッ

ボゴオオオオオ!!

エレン巨人「グオオオオオオ!!!」
ズガガガガガ!!!

ミカサ「ああ、エレンが!!」

獣の巨人「ちょっと小突いただけだぜオイオイ…ほら、どうしたの……ん?」

ズシン!

鎧の巨人「…」シュウウウ
エレン(ライナー!)

獣の巨人「ライナーも来るのか…いいぜ、まとめて相手してやる」

アルミン「僕等もエレンをサポートするぞ、来いミカサ、ジャン!!」

ミカサ「うん!」

ジャン「ああくそ……相手したくねぇなあんな奴…」


ゴオオオオオオ!!

ベリック巨人「…」ドシイイイイインッ!!!


エルヴィン「あの巨人……超大型級か」

ミケ「超大型級ならむしろ戦いやすい。動きが遅いからな」バシュッ!

ベルトルト「あ!待ってください!そいつは…」

エルヴィン「…!ミケ、待て!」


ガキイイイイインッ!!!

ミケ「…な!?」

ベリック巨人「…」シュウウウウウウ

ベルトルト「ベリックの巨人はデカいだけでなく、鎧の巨人のように常に全身が固いんです…」

ミケ「なんだと…厄介だな」

ナナバ「どこを削げばいいんだ、そんなの」

ベルトルト「行くぞ、ベリック!!」

カアアアアア!!

超大型巨人「オオオオオオ!!!」
ドシイイイイインッ

ソニー巨人「…」ビュンッ!

ビーン巨人「…」ビュンッ!

ペトラ「きゃっ!!」

オルオ「くっそ、チビな巨人の癖にすばしっこい………は!リヴァイ兵長違いますよ!!」

ハンジ「大丈夫だ!リヴァイは聞いてない!」

エルド「今そんなことはどうでもいいでしょう!!」

ソニー巨人「…」

ビーン巨人「…」

ハンジ「ぐっ…すばしっこい上に知性があるなんて…可愛い顔してなかなか凶悪な奴らだよ」

モブリット「可愛い!?」

ニファ(この人の感覚はよくわからない)

ハンジ「私の班とリヴァイ班は私についてきなさい!」



ギュルッ!!

リヴァイ「ぐおお!!?」ザザザッ!!

ケニー「おら!!」ギュンッ

レオンハート「ふん!!」

ビシイイイイイイッ!!!

ケニー「ぐおおおおお!!?」

ボガアアアアアアンッ!!!

ケニー「ってえぇ…ぶっ飛ばされたぜ畜生…」ガラッ

リヴァイ「ちっ……なんて奴だ…」ザッ

レオンハート「お前たちは恐らくアッカーマンの末裔か……どうした。アッカーマンの力はその程度か?」


ケニー「俺より強ぇ人間なんざ初めてみたぜクソが」ザッ

ケニー「バキュウウウウウンッ!!」
バキュウウウウウンッ

レオンハート「ふっ」ザザッ

リヴァイ「おおお!」ギュンッ!!

バシュッ!!

レオンハート「見える」パシイッ!!

リヴァイ「な!!」

バキイイッ!!

リヴァイ「ちっ!!」

ケニー「あの野郎、素手でブレード止めやがった……リヴァイ、近づくな!近づいたらあいつの方が確実に強い!」

リヴァイ「だからって離れていても攻撃が当たらねえじゃねぇか」ザッ

レオンハート「…」ザッザッザッ



ガキイイイイインッ!!

ベリック巨人「…」

超大型巨人「オオオ!!」ブオオッ

ドオオオオオンッ!!!

ベリック巨人「…」シュウウウ

ベルトルト(くそ…やっぱり効かない…どうする、どうすればいい…)


鎧の巨人「オオオオオオ!!」ドシンドシンドシン!!

エレン巨人「グオオオオオ!!!」

ブオォンッ!!

獣の巨人「…」パキパキ

アルミン「…!!一部硬化だ、下がれ!!」

ドンッ!!ドンッ!!

鎧の巨人「…!!」ガシャアアアッ

エレン巨人「グオオオオオ!!」ガシャアアアッ!!


ジャン「鎧の巨人と硬化したエレンの巨人が簡単に風穴開けられちまったぞ!!」

アルミン「硬化の能力による強力な爪で攻撃したんだ…僕らが食らったらもうヤバいしエライこっちゃだぞ」

ミカサ「ど…どうするの…あの獣さん…」オロオロ

ライナー(くそ…やっぱり強ぇ…)

エレン(ライナーと二人掛かりでも手も足も出ないなんて…)

獣の巨人「ほらほらどうした…まだ俺は傷一つついてないぜ」ズシャッ

アルミン「エレン!ライナー!安心しろ!僕がこの天才頭脳で活路を切り開いてやる!!」ドオオオオッ

――――――――


―――――

場面は変わり壁内



ヒストリア「…みんなは無事かなぁ…」

サシャ「大丈夫ですよ。だってアルミンがついてるんですよ!」

コニー「そうそう。アルミンがいりゃどんな状況だってひっくり返しちまうさ!」

ヒストリア「そうだね、アルミンがいるんだもんね!!」

ユミル「どうせ何事も無かったかのように普段通りに帰って来るさ」

ヒストリア「そうだね!さすがユミルだよ!」

ユミル「何がさすがだよ」

マルコ「ところでさ…最近壁教の動きはどんな感じなんだい?」

ヒストリア「そういえば最近ここ数日みないなぁ」

アニ「逆に怪しいね…そろそろ何かしてくるんじゃないの?」

―――――

ピクシス「…ほう。壁教が隠れて何か企んでいると」

ディルク「はい。今のところは現状を維持するよう僕等から説得していますが……いつまで続けられるか」

ディルク「もしもの時は協力を頼みたいんです」

ピクシス「うむ、いいじゃろう。アルミンからも少し前に何かあったら協力してくれと頼まれていた」

ディルク「あ。そうなんですか」



―――孤児院―――

ヒストリア「みんなぁ!ヒストリアの登場だよー!」ビシイッ

子供「わあああい!」グググッ

ヒストリア「だあぁから、髪引っ張るなってのぉぉ!!」プルプルプルプル

アニ「よろしく」

フロリアン「あ、今日はヒストリアとアニが見張りに来たの」

ヒストリア「うん。他のみんなカルラさんやアッカーマン夫婦さんの護衛だよ」

アニ「アルミンから頼まれていたからね…両方とも壁教から守れって」

フロリアン「じゃあ今日は私も残るよ」

ヒストリア「でも壁教ぜんぜん来ないね」

アニ「油断は禁物だよ」

エーベル「…あ、こんにちは」

ヒストリア「おう!こんちはー!」

子供「お姉ちゃーん」グイグイ

エーベル「あ、ちょっと待って…」

アニ「…あの子ずいぶん雰囲気変わったね」

フロリアン「うん…まあ、色々あったからね……」

子供「ねぇねぇ、かくれんぼしようよー!!」

ヒストリア「よっしゃあ!望むところだよ!!」バッ

フロリアン「私もやるー」

ヒストリア「アニも来い!!」ビシイッ

アニ「え!?私も!?」

ヒストリア「おうよ!!」

フロリアン「よーし、お姉ちゃん達が隠れるから探してみなさーい!」




―――――1分後


子供「見つけたー!!」

フロリアン「え、うそ、いきなり見つかった!?なんで!?」

エーベル「フロリアン…木の陰からお尻でてたよ」

フロリアン「………」

ヒストリア「あはははは!相変わらずおっちょこちょいだなあ!!」

子供「見つけた!!」

ヒストリア「しまった!!?」

アニ(姉妹揃って何してんの…)

―――夜―――

アニ「…」

ヒストリア「ぐごー…ぐごー…」

フロリアン「すー…」

アニ(…今頃お父さんはどうしてるんだろうな…)

ガタッ

アニ「!」

アニ(物音がした?)バッ


―別の部屋―


子供「…お姉ちゃん」クイクイ

エーベル「…ん?」

子供「寝れない」

エーベル「寝れないの?」

子供「外でお星様みたい」

エーベル「ええ…こんな時間に?まあでも寝れなきゃ体に悪いし…じゃあ、玄関の前からだけだよ」

子供「うん」


ガチャ


エーベル「…」

子供「わあ、今日は綺麗だね」

エーベル「…うん…」

子供「…ねえ…お姉ちゃん……お姉ちゃんはどこかに行ったりしない?」

エーベル「え?」

子供「お父さんやお母さんみたいに、どこかに行ったりしない?」

エーベル「…」

エーベル「うん…大丈夫。ずっと側にいるから」

エーベル(…この子を守ってあげたい…)

エーベル(フリーダ姉さんも私達にこんな気持ちを抱いていたんだろうか)

スチャッ

エーベル「…っ!!」ピクッ

子供「…え?」


サネス「動くなよ…喋るな」ジャキッ

ん?この世界ではべリックとマルセルは別人なのか?
同一人物なら、ユミルは違う誰かを食って知性巨人になったって設定?

>>40
ベリックとマルセルは別人です。
そこはまた後で書きます。あらかじめ書いておいた方が良かったですね。

子供「…お、お姉ちゃん…」ギュッ

エーベル「…っ」グッ

サネス「おとなしくついて来てもらおう」

エーベル「…私は、真の王家の娘です……そんな物を向けていいと思っているのですか?」

サネス「失礼だとは承知している……だが、お前たちはあまりに悠長で見てられんのだ。神の力を取り返してきてもらう」

エーベル「…嫌です…」

サネス「嫌だと?お前は兄妹の中でも特にフリーダ姉さんを慕っていただろう?力を取り返したくないのか?」

エーベル「……姉さんも今までの継承者も皆、初代王の亡霊に支配されて悩んでいた………今の状況の方を姉さんも望んでいるはず」

サネス「…なんだ…随分性格変わったなお前…」

エーベル「…」

サネス「まあいい、とにかくお前はおとなしくついてくるしか出来ん。いまここは数人の憲兵も囲んでいるからな…それに下手に動けば撃つ」

エーベル「…撃ってみなさいよ」

サネス「あ?」

エーベル「中に入ってなさい!」バッ

子供「わ!?」

エーベル「この!」ガシッ

サネス「ちっ!このガキが…っ」パァンッ!パァンッ!

エーベル「くっ!」ガクッ

サネス「これで足は動かせまい…」

シュウウウ…

サネス「!」

エーベル「はあ…はあ……」シュウウウ

サネス「な、再生しているだと!?」

エーベル「そういえば、あなた達は知らなかったよね……父さんが中央憲兵や壁教には内緒で私達に巨人の力をくれていた事を………父さんもマトモだった頃はいつかあんた達に反逆することを考えていたのよ」

サネス「ちっ!神の力を託されていた血族の癖に……!なんて奴等だ!」

サネス「お前ら、こいつを囲め!一斉に掛かれ!!」

ザッザッザッザッザッザッ!!

エーベル(…数は十人ちょっと……これくらいなら私の巨人で簡単にやれる)スッ

ズキッ

エーベル「!!」

サネス「んん?」

エーベル「はあ…はあ…」ガクガク

エーベル(ダメだ…巨人になるのが…戦って他人に血を流させるのが…怖い…)

サネス「何か知らんが怯んでいる様子だ!今のうちに捕らえるぞ!」

中央憲兵「はっ!!」ザッザッ!

エーベル(まずい…早く……早く巨人にならなきゃ………)ガクガク



サネス「ははは!これで後はエレンを拉致誘拐拘束すれば我等は再び神をこの世に呼び戻す事ができ…」





ヒストリア「うるせえええええええ!!!」


ドゴオオオオオオ!!!


サネス「ふおおおおおおっ!!!」



フロリアン「うわぁ…強烈な金的…」



エーベル「ヒストリア!!」

中央憲兵「ちっ!新手か!!」ガチャ

アニ「ふっ!!」ビシュッ!ビシュッ!

中央憲兵×2「ぎゃあああ!」グルングルン

中央憲兵「この美少女め!」ガシッ

フロリアン「触らないでよセクハラ!!」ブンッ

中央憲兵「アウッ!」ビタアアアンッ


エーベル「フロリアン…みんな…」

フロリアン「エーベル、大丈夫!?」

アニ「…ほら、蹴られたけりゃかかってきなよ」ギロ

中央憲兵「ひえっ」ゾッ

ヒストリア「ったく……人ぁ、ぐっすり気持ちよく快眠してたってのに起こしやがってこんちくしょうども………」ゴゴゴゴゴ


サネス「ちくしょう……タマ蹴りやがって……」

アニ「…どうする?まだやる?」ザッ

中央憲兵「くっ…」


ヒストリア「さあさあ、文句あるならかかって来なさい!私しゃあ逃げも隠れもしませんよ!!」ドオオオンッ

フロリアン「私だって、中央憲兵なんかにやられないよ!」ドオンッ


ガシッ!!

ラルフ「捕まえたぜ!」

フロリアン「うそ!いきなり捕まっちゃったぁ!!」ガーンッ

サネス「おう、ラルフ!」

エーベル「フロリアアアン!?」


ヒストリア「相変わらずおっちょこちょいなんだからもう!!」

アニ「…」

フロリアン「このー!頭突き!」ガンッ

ラルフ「いでえ!」

ヒストリア「よし、さすがだ!アルレルト兵団の戦いかたを良くわかってるね!!」

フロリアン「えへへ」

サネス「なにやってんだこらラルフ!!」

ラルフ「うるせえ、油断したんだよ!!」

ザッザッ…

アニ「!」

壁教「全く…頼りにならん奴等だ…」

フロリアン「あの服…壁教!?」

ヒストリア「ついにボス登場か!?」バッ

サネス「は!あ、あの…」

壁教「言い訳はいらん」

ラルフ「すみません…」

壁教「ふむ…思っていたよりもやるようだ……ではこちらも手段は選べんな。来い、ローゼ」


ローゼ「はい…」ザッザッ…

ヒストリア「だ、誰だあのお姉さん!?」

壁教「やれ、すぐに終わらせろ」

ローゼ「…」

カアアアアッ!!

ヒストリア「な…!?」

アニ「巨人!?」


ローゼ巨人「…」ゴオオオオオ


サネス「よし、下がるぞ」

ラルフ「ああ」

フロリアン「な…なにあれ…」

ヒストリア「え、知らないの!?」

フロリアン「あ、あんなのが居たなんて知らなかった……何なの、あの巨人」

エーベル「……」

アニ(ローゼ…壁に何か関係あるのか?)

壁教「長くは巨人の力を使えん。すぐにレイス家の人間を捕らえて離脱しろ」

ローゼ巨人「…」グオッ!

アニ「来たっ!」

ヒストリア「うひゃっ!!」

ドオオオンッ!!!

フロリアン「あぶなっ!!」

エーベル「くっ…」

アニ「みんな下がってなさい、私の巨人で…」ガリッ

カアアアアッ!!!


女型の巨人「…」ゴオオオオオ!!!

アニ(喰らいな!!)

女型の巨人「…」ビシュッ!!!

ガキイイイイイインッ!!!

女型の巨人「…!!」


ローゼ巨人「…」パキパキ

アニ(な、皮膚が固い!?)

ローゼ巨人「…」ブンッ

バゴオオオンッ!!!

女型の巨人「アアアッ!!」ドシイイインッ

アニ(くそ…なんてパワーだ…!)

ヒストリア「アニ!」

フロリアン「まずい、加勢しよう!!」

バシュッ! バシュッ!

ガキイイインッ!!

ヒストリア「くそ…っ!刃が通らない!」

フロリアン「どうしよう…」


アニ(くそ…だったら私も手を硬化させて攻撃すれば……)


女型の巨人「…!」ググッ

ギチッ ギチッ!

アニ(な、動けない!?あいつ…まさか…)

ローゼ巨人「…」シュウウウ…


ヒストリア「何あれ、女型の巨人の足に何かへばりついてて動けないみたいだよ!!」

フロリアン「あいつ…アニの巨人の足に自分の皮膚の一部を流し込んで硬質化させていたんだ…今のままじゃ女型の巨人は動けない!」

ヒストリア「なんてやつだい!」

アニ(くっ…巨人化を解くしかない…)

ローゼ「…」グオッ

ヒストリア「きた!」

フロリアン「キャッ!」ザザッ

エーベル「フロリアン!」バッ

ガシッ!!

エーベル「うっ!しまっ…」

ローゼ巨人「…」

フロリアン「あっ!!」

ヒストリア「エーベルを離しなさい!!」

ガキインッ!!

ヒストリア「ダメだ…効かない…!」ガキンッ!!

フロリアン「返して!!」

エーベル「も、もういい!抵抗したら皆が危ない!」

フロリアン「でも…!」

ガシッ!

ヒストリア「あう!!」

アニ「ヒストリア!」

壁教「二人捕らえれば充分だ、帰るぞ」

フロリアン「帰らせるか!!」ダッ

サネス「うるせえ!!」パアンッ!!

アニ「危ない、フロリアン!」ドカッ

フロリアン「うわ!」ザザッ

アニ「つっ…!くそ、肩に…」

ズシーンッ!ズシーンッ!

フロリアン「ああ!」

ヒストリア「……くっ……」

ヒストリア「フロリアン!アニ!私らは大丈夫だから…とりあえずまずはユミルと皆に伝えてきて!!!」

フロリアン「…!!!」

ヒストリア「私達なら気にしないで…皆が来るのを待ってるから…」

アニ「…ヒストリア…わかった…」




ヒストリア「うひひ」ニヤニヤ

エーベル「!!?」





アニ「え、なに今の表情」

フロリアン(ありゃ何か企んでるなぁ…)

―――――

ディルク「なんだって!?」

フロリアン「うん…ヒストリアとエーベルが、連れていかれた……ごめん…」

アニ「私もついていたのに…」

ディルク「いや、いい。そんな巨人がいたなどこちらも想定外だった」

ユミル「…で、ヒストリアの野郎は連れていかれる時にニヤニヤ笑ってたんだな。アホかあいつは」

アニ「うん」

コニー「まあ、その調子なら心配はいらんな」

フロリアン「それにレイス家の人間に必要以上な危害は加えないと思うし」

サシャ「ユミル!女の子に野郎なんて言ったら失礼ですよ!」



ディルク「…まあ…連れていかれたのは恐らく壁教の教会だろう。だがそこはちょうど人が多い街のど真ん中だ。騒ぎを起こして住民をパニックにさせるわけにもいかないだろう」

フロリアン「うん…どうしようね」

ユミル「…」

マルコ「みんな…実は…」ザッ

コニー「お、マルコ!」

サシャ「なんだか久しぶりですね!」

ユミル「どうした?マルコ」


マルコ「実は僕…アルミンから頼まれていた事があったんだ」

サシャ「なんですかそれ?」

コニー「なんか凄そうだな!」

マルコ「いや、凄いかどうかはわからないけど」

フロリアン「早く早く!」

マルコ「もし、壁教に誰か拐われて、教会に忍び込みたい時はある人物を連れてこいと言われていたんだ」

ユミル「へえ…なんかあいつ知らんうちに色々根回ししてたみたいだな。誰だよ?」

マルコ「マルロという人だ。1ヶ月前に本屋で仲良くなったらしい」

コニー「え、マルコ?」

マルコ「マルロ」

サシャ「え?だからマルコはマルコじゃないですか?」

マルコ「いやだから僕じゃないんだ。マルロっていう人が…」

フロリアン「もしかしてマルコの兄弟?」

マルコ「ちょっと、余計なこと言わなくていいから…」

コニー「ん?マルコの本名がマルロって事か?」

サシャ「つまりマルコは偽名でマルコは実はマルロ家の貴族とか…?」

マルコ「…」

ユミル「アホはほっといて続き話してくれ」

マルコ「あ、うん」

ディルク「…」

マルコ「で、そのマルロって人なら憲兵団だし職務に真面目な奴だから壁教も怪しまないはずだって言ってたよ」

ユミル「へえ」

コニー「で、そのマルロってどこに居るんだ?」


マルロ「ここに居るが」

フロリアン「きゃ!いつの間に!?」

サシャ「わ、私の優れた五感でも気付かなかったなんて!」

マルロ「実はアルミンに頼まれていて、君たちがピンチになったら助けるようにと言われていたから、ずっとそこのタンスに隠れていたんだ」


フロリアン「ちょっと待って、何でわざわざずっとタンスに隠れてたの」

マルロ「壁教に俺の存在を感付かれない為と君たちの状況を把握するためだ!!みんな、ここから俺達の反撃だぞ!!」

コニー「お、おう」

ユミル「お前スゲーな色々と」

ディルク「…そろそろ本題に戻っていいかな」

フロリアン「待って兄さん。あと、アルミンと仲良くなった過程も聞きたい」

コニー「俺もそれは気になっていたところだ」

サシャ「ぜひ聞かせてください」

ディルク「…どうぞ好きに話してくれ…」

マルロ「…あれは1ヶ月前の本屋での事だった…」

サシャ「うう、感動しました」グスッ

コニー「いい話だぜ」ズズッ

フロリアン「まだ早いよ」


―――――1ヶ月前 本屋

マルロ「…」ペラッ


「ちょっと店員さん!!これ見てくださいYo!」

マルロ「!」

マルロ(なんだ…本屋だというのに騒がしい)

アルミン「これ、この本!なぜここの3ページが抜けているんですかぁ!!」

店員「そ、それは…ミスじゃないかな?」

アルミン「いいや。違いますね…きっと旧王政側や壁教にとって都合の悪いことが書かれていたのでしょう」キュピリリリィィンッ

店員「…っ!!」

店員「へっ…アンちゃん……まさかそれを見抜くとは……ただもんじゃないのぉ…」

アルミン「これは一般人が壁を調査してみた事が書かれている本です…そして数ページ抜けていてこの作者は数年前に変死している。怪しいぞこりゃ!!ですよ」

店員「そん通りや」スパー

マルロ「君!それはどういう事だ!!」ガシッ

アルミン「おう!!?なんかまた熱そうな人が来たぞ!!」

マルロ「詳しく聞かせてくれ…!!」




マルロ「なんだと…旧王政側は今まで都合の悪いものを隠してきたのか!?」

アルミン「そうだ……だが、2ヶ月前の僕らの活躍により旧王政は崩れ去り今の新王政があるのさ」

マルロ「知らなかった…つまり君たちはこの壁の英雄なのか!!」

アルミン「大袈裟だなぁ!ははははは!!」

マルロ「くそ…!早くそれを知っていれば俺も何かしたかった…!」

アルミン「ああ、実はまだ壁教という不安要素が残っているんだ…」

マルロ「!」

アルミン「奴等が何かしてくるかも知れないからね」

マルロ「その時は俺も協力させてくれアルミン!!」

アルミン「熱いねぇ!!」

マルロ「俺もこの壁の中の平穏の為に役立ちたいんだ!!」ドーンッ

―――――


マルロ「…そして今に至るわけだ」

サシャ「凄いですね!」

コニー「カッコいいぜお前!」

フロリアン「ところでさ、いつからタンスの中にいたの?」

マルロ「さあ、作戦会議だ!!」

フロリアン「スルー!?」


ユミル「…」チラッ

ユミル(タンスの中に1ヶ月分の食料は入ってるぜ…)


女部下「ディルク、言われた通り彼を送っておいた」

ディルク「あ、お帰り。大丈夫そうか?」

女部下「彼は対人制圧部隊に入る前は壁教を信仰していたから大丈夫だと思うよ。まあ、無理はしないように向こうの情報を探ってもらう」

サシャ「あ!ケニーの部下のお姉さん!」

コニー「何だ何だ?」

ディルク「対人制圧部隊のメンバーを1人壁教内に忍び込ませているんだ。向こうの動きとヒストリア達の様子を調査してもらっている」

アニ「へえ…大丈夫なの?」

ディルク「とりあえず、彼には対人制圧部隊を抜けて壁教の下の中央憲兵に寝返るふりをしてもらうんだ。下手な動きさえしなければ大丈夫なはずだよ」

アニ「ふうん」

ユミル「で、私らはどうするんだ?」

ディルク「とりあえず彼とマルロに壁教に潜入し偵察してもらう。そして侵入の機会を伺おう」

マルロ「ああ、任せてくれ!」

フロリアン(ヒストリア…エーベル、待っててね)


―――壁教教会地下

ヒストリア「うう…ぐすっ、ぐすん…」ゴシゴシ

エーベル「…」

ニック「…すまないな。しばらくここに居てもらうぞ」

ヒストリア「うえええん…お家に帰りたいよぉ……怖いよぉ……ぐすん」

ニック「そ…そんな泣くな。な?」

ヒストリア「うえええん、怖いよぉぉ!しんじゃうよぉぉぉ!うえええん!!!」

ニック「む、むう…大丈夫だ、怖くないから。だから泣くな」

エーベル「…」

ヒストリア「ぐすっ…じゃあ外に出してよぉ……」

ニック「う…それは…できん…」

ヒストリア「うえええん!このおじさんたち誘拐犯だよぉぉぉ!!きっと身代金要求されるよぉぉぉ!!」

ニック「だから大丈夫だって!わたしは怖くしないから。困ったら話も聞いてやるから、な?」

ヒストリア「じゃあ、困ったら助けてぇ…」ぐすっ

ニック「わかった。困ったら相談に乗ってやるから」

ヒストリア「うえええん…」ぐすっ

ニック「じゃ、じゃあ私は用事があるからな。また来るからな」ガチャ

バタン

エーベル「…」

ヒストリア「………」



ヒストリア「うひひ…いい感じだよぉ…この調子で内部から引っ掻き回してやる…!!」ニヤニヤ

エーベル「あ、あはは…」

―――――――


―シガンシナ区―


ケニー「バキュウウウウウン!!」

バキュウウウウウン!!バキュウウウウウン!!

レオンハート「ふん!!」シュバッ!ギュルル!!

ケニー「ええい糞が!立体機動装置もつけてねぇくせに何て動きしやがる!!」

リヴァイ「はあああ!!」ギンッ!!

レオンハート「…」パシイッ!!

ボキンッ!!

リヴァイ「くそ、また刃を折られた…」

レオンハート「はあ!!」ドフッ!!

リヴァイ「ぐっ……あああああ!!」ブンッ!!

ヒュンヒュンヒュン!!

レオンハート(!!攻撃を受け吹き飛ばされたと同時に刃を投げてきた!?)

レオンハート「ぐっ!!」シュッ!

ケニー「隙ができた!!」ギュン!!

バシュッ!!

レオンハート「ちいっ!!」ザッ

ケニー「くそ、かすっただけか」

リヴァイ「はあ…はあ…」ザッ

レオンハート「…傷を負うのは久しぶりだ」

ケニー「どういう事だよ…俺とリヴァイでも勝てそうにねぇ」

レオンハート「…アッカーマン一族は戦闘に特化した血族だ…だが、それだけで俺に勝てると思うな」

ケニー「あ?」

レオンハート「俺は旧文明の人類から受け継がれてきた武術を覚え長い年月をかけ鍛え上げてきた……血が特別なだけでたいした鍛練もしていないお前達とは違う。幼少期からひたすら戦いに備え体を鍛え続けた」

ケニー「言ってくれるぜ」

リヴァイ「それがなんだってんだ……俺達は別に自分が特別なんて思っちゃいねぇ………それに、ただひたすら鍛え上げりゃ偉いのか?ただ戦うだけなんて、つまんねぇ人生じゃねぇか?」ザッ

レオンハート「…」

アニ(お父さん…私こんなのやりたい訳じゃない。ただお父さんと一緒にいたい……)

レオンハート「……」

レオンハート「…そうだな…戦いが全てでは無いのだろう………だが」

リヴァイ「!」

レオンハート「強くなければこの世界では生き残れない。綺麗事などこの世界には通じないんだよ」ザッ

ケニー「まあ、あんたの言うとこも一理あるな。強くなけりゃ他の強い奴に簡単に食われて死んじまう」

リヴァイ「…」

ケニー「まあいい。続きやろうぜ」ザッ

レオンハート「来い」


ギュン!!!





ベリック巨人「オオオオオ!!!」ブオオ!!

ドガアアアアアア!!!

ベルトルト(ぐっ!!!)

超大型巨人「…!!!」ドオオオオオン!!!

ベルトルト(くそ…強い、僕の巨人じゃパワーも耐久力も負けている!!)

エルヴィン「超大型巨人が手も足も出ていないか…」

ミケ「近づけば蒸気も発する上に全身が固い」

ベルトルト(せめて僕も硬質化が出来れば…)


ベリック巨人「…」ズシイイイイイン!!!


獣の巨人「…」ゴゴゴゴゴゴゴ


エレン巨人「…」ブシュウウウウ

鎧の巨人「…」ボロッ


獣の巨人「二人ともボロボロだな。俺にゃ硬質化なんざ意味ねぇぜ?」


エレン(くそ…ここまで強いなんて)

ライナー(どうする…あいつに勝つには…)

ミカサ「こ、このままじゃ二人とも…」

ジャン「俺達が近づけば瓦礫を投げつけてくる…どうするんだアルミン?」






ジャン「………ってあれ!?」

ミカサ「アルミンがいない!?」

エレン(え!?)


獣の巨人「なんだなんだ?まあ、いいや。トラブルならちょっと待ってやるよ」

獣の巨人「なんてな!待つわけねぇだろ!!」バッ


エレン巨人「!!」

ミカサ「エレン!!」




「構ええええええええええ!!!」


ジャン「!!この声は…」


アルミン「行くぞ、対人制圧部隊の皆さん!!」

「おう!!!」バッ


エレン(アルミン!?)


獣の巨人「あん?」


ミカサ「あれは…弓矢?」

ジャン「どういうつもりだアルミン!!弓矢なんかで…」



アルミン「撃てえええええええええ!!!」バッッッ



ビシュッ!!!!!!


獣の巨人「ははは!!馬鹿か!!俺に弓矢は……」

ジャン「いや、ただの弓矢じゃねぇ!!」


ボウッ


獣の巨人「あ?」


ゴオオオオオオ!!!!!

獣の巨人「なにいいいいいい!!?」

ミカサ「火矢!?」

アルミン「どうだ!瓦礫の中から集めた道具から作った即席の火矢だ!!僕の予想遠く体毛には火が効く!!!」

×予想遠く

○予想通り

眼鏡の男(やっべ、油断したぜ…まさか火を使ってくるとは予想外だ)

ジャン「怯んだ!今のうちに目を狙うぞミカサ!!」

ミカサ「あ、うん!」


アルミン「よし、さすがジャンだ!!言わなくてもわかってるじゃないか!!」


ジャン「おらぁっ!!」ズバッ

ミカサ「えいっ!」ビシュン

獣の巨人「ちいっ!!」グラッ


エレン(よし!今だ!!)

ライナー(行くぞ!!)

エレン巨人&鎧の巨人 ズシッ!ズシッ!ズシッ!ズシッ!ズシッ!


アルミン「よし、二人でそのなっがい腕掴んで壁に叩きつけてやれ!!」


ガシッ!!!

獣の巨人「ぐおっ」


エレン巨人「オオオオオ!!!」ブオンッ

鎧の巨人「オオオオオ!!!」ブオンッ



ビタアアアアアアン!!!!!

獣の巨人「ガアアアアア!!!」

眼鏡の男(ちっ…体毛が焼けたから直に衝撃が来やがる…)

獣の巨人「フウ…フウ…」ガラッ

エレン(やっと少しはダメージが通ったか?だが…)


アルミン「くそっ…やっぱりこんだけじゃ大した事は無いよな」

獣の巨人「ああくそ…なかなか効いたぜ今の……ちょっとグラグラする」

アルミン「やっぱまだ戦えるよなー!!!」

ジャン「どうすんだ……あいつ、皮膚自体は女型みたいに硬質化できるからうなじ削げねぇぞ」

アルミン「ああ…だからとりあえず中の人にダメージが食らうようデカイ衝撃翌与えようと思って壁に叩きつけさせたんだが」


獣の巨人「…いいだろう。俺になかなかいい攻撃を喰らわしたご褒美だ。1つだけ話してやろう」


アルミン「!!」

エレン(なんだと!?)

獣の巨人「どうする?俺の気が変わる前に決めちまいな」

アルミン「……わかった。話を聞こう。エレン!ライナー!いったん巨人化をとけ!!」

エレン巨人「!」

ジャン「おいおい、いいのか?」

アルミン「ああ、重要なのはあいつを倒すことじゃなく話を聞き出す事だ。それにエレンとライナーも疲弊してるからこの間に休ませる」

ミカサ「なるほど!」

ブシュウウウウ…

眼鏡の男「ふう…」ザッ

眼鏡の男「で、何が聞きたい?1つだけだぜ?」

エレン「………」

エレン「父さん…グリシャ・イェーガーについて教えてくれ」


眼鏡の男「…そんなに親父が気になるか?」

エレン「当たり前だ、父さんは何者なのか。何の目的があって…壁に侵入しレイス家の力を奪ったのか」

アルミン「うん。ドクター・グリシャさんは悪い人ではないけどどこかミステリアスな雰囲気も漂っていたからね」

ミカサ「み…み…、みーてりあす」

アルミン「ミステリアスだ」

ライナー「…俺もあんたのことは詳しい事を知らん。あんたはエレンの父親のなんなんだ?」

眼鏡の男「あん?まあ…」


眼鏡の男「いわゆる兄弟ってところかな…?」

エレン「兄弟?」

ミカサ「確かに似てるとは思ってだけど…」オロオロ

アルミン「…どういう兄弟だ?」

ジャン「は?どういうって、どういう事だよ?」

眼鏡の男「いい質問だな。だがそれは後だ、まずはグリシャの話だろ?」



眼鏡の男「お前の親父、グリシャはある日…壁内人類の調査任務でこの壁の世界に潜り込んだ」


眼鏡の男「そして後は、座標の奪取だ」

アルミン「むう…やはりそんな感じの理由で侵入したのか」

エレン「座標ってのは…レイス家の叫びの力の事か?」

眼鏡の男「あ?レイス家が何かは知らねぇがそうじゃねぇの?」

エレン「…」

眼鏡の男「だが…あいつは座標を持って帰っては来なかったさ。グリシャは昔から変わった奴だからな…温厚な性格と過激で反抗的な性格を持ち合わせていた」

眼鏡の男「実を言うとわかってたんだ…あいつとは前から意見が衝突していたからよ。壁内潜入任務を機会に壁内人側に味方するんじゃねぇかってな」

エレン「…」

アルミン「あんたはそれをわかってて何もしなかったのか?」

眼鏡の男「衝突してたとは言え兄弟だぜ?兄弟の意見は尊重してやらなきゃな」

エレン「…父さんは、ライナーやベルトルト達の襲撃を知っていたのか?」

ミカサ「そう言えば、グリシャさんがシーナに行ってすぐだった。巨人が来たの」

ライナー「…」

眼鏡の男「詳しくは知らんかっただろうが、そろそろ何か来るとは思ってたんじゃないかね。まさかその当日に来るとは思ってもなかっただろうがな」

エレン「…父さんがレイス家から力を奪ったのは、今のこの現状を変えるためだったんだろう…だが、なぜ俺に力が託されたんだ」

眼鏡の男「…巨人化は命を削るんだよ。あいつもそろそろ体が限界だったんだろ」

エレン「え?」

眼鏡の男「まあ、それだけじゃねぇだろうがな」

エレン「く、詳しく話せ!」

眼鏡の男「グリシャの話だけだろ?」

エレン「ぐ…」


すみません、8月から忙しくてなかなか来る暇がありませんでした。落ち着いて来たので時間できたら更新します。

あと矛盾点があったので68~69は無しでお願いします。

眼鏡の男「グリシャか…そんなにあいつが気になるか?」


エレン「俺の父さんだぞ、当たり前だ」

眼鏡の男「…お前は、父親に似てるな。顔は違うが…雰囲気が」ザッ

エレン「…」

ミカサ「ぐ、グリシャおじさんは…何の目的があって…」オロオロ

眼鏡の男「…あいつは壁の中の偵察と座標の奪取の為に送り込まれた」

エレン「…座標ってなんだ?」

アルミン「それはレイス家の力の事か?」

眼鏡の男「レイス家ってのが何かは知らんが…巨人を操り支配する力」

眼鏡の男「いや、巨人の中心となる存在…それが座標だ」

アルミン「その座標ってのは具体的になんだ?元々お前らのものなのか?」

眼鏡の男「話せるのはグリシャの話だけだ。そういう約束だろ?」

アルミン「む、そうだな!!」

エレン「それじゃあ父さんは…なぜレイス家から力を奪い、俺に託したんだ?」

眼鏡の男「あいつは昔から甘ったるい部分と獣みてぇに狂暴で反抗的な部分があってな」

眼鏡の男「お前に座標を託すことでこの世界に抵抗しようとしたんだろう」

エレン「…父さんはどこから来たんだ?」

眼鏡の男「…」

眼鏡の男「俺達兄弟は今から108年前に生まれた。三人兄弟だった」

エレン「1…108年!?」

ミカサ「でも…グリシャおじさん、おじいちゃんには見えなかったけど…」オロオロ

アルミン「…三人?」

眼鏡の男「俺達はある任務を果たすために生まれた存在だった…グリシャもな」


眼鏡の男「そしてその三人兄弟のうち1人は座標を託されたが、奴は107年前に逃亡し姿を眩ました。それからグリシャはそいつ追い続けた」


エレン「…」


アルミン「その三人兄弟の1人って…まさか…」

眼鏡の男「…話せるのはここまでだ。まあ、つまりだな」

眼鏡の男「もうすぐこの世界を終わらせなけりゃならん。その為には座標の力が必要だ」

エレン「…壁の中の人類はどうなる」

眼鏡の男「悪いが壁の中の人間には消えてもらう事になるぜ。気の毒だとは思うがな」

眼鏡の男「ライナー…こっち側に戻るなら今だぜ。故郷に帰りたくねぇのか?」

ライナー「…仲間を見捨て故郷に帰っても後味が悪い」

眼鏡の男「甘い野郎だ…ま、嫌いじゃねぇがな」

眼鏡の男「お喋りは終わりだ」ザッ

アルミン「来るぞ!巨人化だ!!」

エレン「くっ…まだ聞きたいことがあったが仕方ない!!」

ライナー「行くぞ!」

ミカサ「お、おー!」

ジャン「続きは地下室で分かるかも知れねぇだろ、今はこいつらを追い返さなきゃいけねぇ!!」

アルミン「行くぞ!!」

ドオオオオオオ!!!


獣の巨人(…つい話ちまうとは俺も甘いな…)

獣の巨人(エレンはまだ座標を使いこなせていない。奪うなら今だ)

エレン巨人「オオオオオ!!」ズシンッ


獣の巨人「…」

アルミン「ジャン!隙をついて目を狙うぞ!あとあいつは動きは早いが腕が長いぶん至近距離なら攻撃しにくいだろうから、近づいた方が安全なはずだ!!」

ジャン「わかった!!」

ペトラ「私達も援護するわ!」ビュン

オルオ「お前らだけじゃきついだろうからな!!」

ミカサ「あ、リヴァイさん班の人!!」

ペトラ「わざわざさん付けなくてリヴァイ班でいいよ」


アルミン「エレン!こうなったら特訓してたあれをやってみよう!!」

エレン巨人「!」

ジャン「その分防御は脆くなるがな…」

獣の巨人「なんだぁ!なんかあるならやってみろ!!」

エレン(いくぞ…硬質化の力で…)

エレン巨人「オオオオオオオオオオ!!」

ブシュウウウウウウ!!

獣の巨人「!」


エレン巨人「オオオオオ!!」バシュウウウウウ!!!

ビュン!ビュン!ビュン!

獣の巨人「硬質化の柱が大量に出てきた!?」

ミカサ「おー」

アルミン「そのまま獣の巨人を貫けえ!!!」


眼鏡の男(皮膚の硬化で柱を大量に生み出し、槍にして突撃させるか…不味いな、直撃を食らえば…)

┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド!!!!!


獣の巨人「グウウウ!!」

ジャン「直撃はいかなかったか…」

アルミン「だが、いくつかは食らったぞ!!傷もついてる…これなら行けるかも知れない!!」

アルミン「だが、エレンの体力にも限界がある…さっさとうなじから引きずり出してやるぞ!!」

ミカサ「うん!」

エレン巨人「フウウ…フウウ…」

エレン(く…一回で体力を消耗するな…壁を修復する体力も残さなきゃいけないからあまり無茶はできねぇ)


獣の巨人「動きが止まってるぜ!!」バシュッ

ライナー(エレンにあまり体力を使わせてはならん…多少無理をしてでも…)

鎧の巨人「…」ズシンズシンズシン!





バシュッ!! バシュッ!!


リヴァイ「はああ!!」バッ

ケニー「バキュウウウンッ!!!」バキュウウウンッ

ザザザッ!

レオンハート「…ちっ、かすったか」ボロッ

ケニー「どうした、動きが鈍くなってきたぜ」

リヴァイ(あいつも体力を消耗してきてるみたいだな…馬鹿みてぇに強いが人間であることに変わりはない。このまま二人がかりで攻め続ければ…)


ケニー「そういやぁよ…気になってんだが。てめぇらは何なんだ?壁の外にもお前らみたいな人間がたくさん暮らしてんのか?」

レオンハート「……たくさんではないが、いる」

リヴァイ「あんたらの目的はなんだ。なぜ壁を破壊し人類を滅ぼそうとする」

レオンハート「…いずれこの壁の中の人類は消える。そういう定めにあるんだ」

ケニー「オイオイオイオイオイオイ。何故だそりゃ。俺達が何かしたのかよ?」

レオンハート「…お前達は疑問に思わないか?自分達が暮らしているこの壁の世界を」

リヴァイ「…壁の中の王は巨人に人類が支配される世界を望んでいると聞いた」

ケニー「全くよ。つまりこの壁は人類を守ってんじゃなくて閉じ込めてるって事だろ?」

ケニー「まるで囚人みてぇじゃねぇか」

レオンハート「…それが答えだ」

ケニー「あ?」



ドゴオオオオオン!!!!!


ガラッ…

超大型巨人「…」ブシュウウウウウウ

べリック巨人「…」ズシイイイイイインッ


ミケ「あの超大型巨人がボロボロだ……くそ、どうすればいいんだ」

エルヴィン「…」


ベルトルト(ダメだ…どこを取っても僕の巨人より上だ……このままじゃ、勝てない…)






┣¨┣¨┣¨┣¨ド!!!

エレン巨人「グオオオオ!!」バキイイイ

鎧の巨人「…」ドゴオオオオオ


獣の巨人「いて!!」ザザザッ!!


アルミン「今だ!全員でかかれ!!目を攻撃したあと脇の部分に攻撃して腕を落とす!!」

ミカサ「わかった!」

ジャン「よし!」

ペトラ「私達から行くわ!」バシュッ

オルオ「ついてこいよ、餓鬼ども!!」


ギュイイイイイイ!!

獣の巨人「…」


アルミン「…あ!!逃げてください!!」

ペトラ「え?」


獣の巨人「もらったぜ!!」バッ



ガシッ!!


エレン(…!!!)


ミカサ「あああ!!」


ペトラ「う…っ!!」

アルミン「くそっ…!!捕まった!!」



オルオ「てめぇ!!ペトラを…」ギュンッ!!


獣の巨人「お前ら二人、悪いな」

ガシッ

オルオ「あ…」



カアアアアア!!!


ジャン「うあっ!!!」

アルミン「光!!?」

エレン(まさか…!!)



シュウウウウウウ…

ペトラ巨人「…」

オルオ巨人「…」



ミカサ「きゃあああああ!!!」

ライナー(くっ!!)


エレン(巨人にされた…!!?)


ジャン「なんてこった!!どうすんだよ!!」

ミカサ「酷い…巨人にするなんて…」

アルミン「今ならまだうなじこじ開けたら間に合うかもしれん!行くぞ!!」

ペトラ巨人「…」ドシッドシッドシッ

オルオ巨人「…」グオオッ

ミカサ「わ!危ないっ」

アルミン「くそ、止まってくれないからやりづらい…!」


鎧の巨人「…」ズシンズシンズシン

エレン巨人「グオオッ!!」

獣の巨人「ふん!!!」ボゴオ!!ドゴオ!!


ライナー(ちっ!!)

エレン(くそ…このままじゃ…)


眼鏡の男(…あの金髪小僧も何をするかわからん。巨人にしておくか)

獣の巨人「…」グオオッ!!

ミカサ「アルミン!危ない!!」

アルミン「!!」

ジャン「避けろ!!」ドンッ


ガシッ!!


ミカサ「あ…」

アルミン「ジャン!!!」


カアアアアア!!!!!


ジャン巨人「…」ブシュウウウウウウ

ライナー(ジャンまで…!!)

エレン(くそ、くそ!!こいつ!!)

アルミン「ジャン!!!くそ、僕を庇って…絶対に助けてやるからな!!」


ミカサ「う…っ、よくも三人を………」


ミカサ「あああああ!!」ギュンッ!!


ザクッ!!


獣の巨人「うお!こいつ…ビックリしたじゃねぇか」

ミカサ「…」ジャキンッ


鎧の巨人「オオオオオオ!!」



アルミン(どうする…本当に今ならうなじを切れば間に合うのか?だが、賭けてみるしか………」




「アアアアアアアアアア!!!!!!」


アルミン「!!!」



ビリッ…

ライナー(!!)

獣の巨人「!!」ビリッ


エレン「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


ビリッ!!


オルオ巨人「!」

ペトラ巨人「!」

ジャン巨人「!」

ピタッ…


ミカサ「巨人が止まった…」

アルミン「叫びの力か!!?」


ライナー(座標が発動したか…)


獣の巨人「ちっ…」





ビキッ



ビキ…ビキッ!!


アルミン「!!」





エレン「アアアアアアアアアア!!!」




ガラッ…



壁の巨人「…」ガラッ



ビキビキビキッ!!








ズシイイイイイインッ!!!!!



アルミン「な…んな………」



ガラッ ガラッ…



ライナー(…!!!)

壁の巨人「…」ズシイイイイイインッ



アルミン「なんだとおおおおおお!!!!!?」






ハンジ「エルヴィン!!!」


エルヴィン「…!!!」

ハンジ「なんだ、これは……どういう事だ!?」

エルヴィン「壁の中から巨人……」


ニファ「一体だけじゃありません!次々と壁が崩れて出てきます!!」

エルヴィン「なんだと」



ズシイイイイイインッ!!ズシイイイイイインッ!!!



ベルトルト(…!!エレンが呼び覚ましたのか!?)


リヴァイ「なんだこいつらは…何で、壁の中から…」

ケニー「オイオイオイオイオイオイ」

レオンハート「…座標の力か」





エレン「アアアアアアアアアア!!!」

ビリッ ビリッ!!



ペトラ巨人「!」
オルオ巨人「!」
ジャン巨人「!」


ビリッ


アルミン「む!!」

ブシュウウウウウ…


オルオ「…」
ペトラ「…」
ジャン「…う…」


ミカサ「やった、元に戻った!!」


アルミン(あれも叫びの力か)

ズシイイイイイインッ!!!

獣の巨人「ちいっ!!」バッ


壁の巨人「…」


ミカサ「あの大型巨人…獣さんを狙ってる!」

アルミン「ああ。恐らくエレンが敵意を向けているものに反応しているんだ!!」


獣の巨人(壁の中の巨人を使われちまったらこっちも厳しいな……)


ライナー(今なら!!)


鎧の巨人「オオオオオオ!!」ダダダダダ

ドオオオッ!!


獣の巨人「ええい、鬱陶しい奴だ!!」ザザザ



エレン(このままあいつをぶちのめしてやる!!)


エレン巨人「オオオオオオ!!!」バシュウウウウ

ミカサ「!エレン…!」

アルミン「うわ、エレンの奴また硬質化の槍を生み出す気か!?やめとけ、力使いすぎたら穴塞げなくなるだろ!!」

ミカサ「エレンの巨人の目が何かおかしいよ!!」

アルミン「ああ、自分自身で制御できないのかも知れない!ヤバそうだから止めるぞ!!」

エレン(駆逐してやる!!!)

エレン巨人「グオオオオオオオオ!!!」


獣の巨人「…!!!」




アルミン「アホウ、エレン!!落ち着け!!力使いすぎたら壁の穴塞げなくなるだろうが!!!」ガンガン

エレン巨人「グオ!?」

ミカサ「エレン!落ち着いてー!」ポカポカ


エレン(…はっ、アルミン、ミカサ!?え……俺は、何をしたんだ!?)


壁の巨人「…」ズシイイイイイインッ



獣の巨人「…こりゃ出直しが必要だな」



獣の巨人「オオオオオオ!!!」


レオンハート「!」



ベリック「…ベルトルト、どうやら俺達はいったん撤退だ」


ベルトルト「!」

ベリック「この状況では俺達が不利だからな………だが、次に会った時は俺達が勝つ」バッ


ベルトルト「ベリック!!」

ミケ「深追いはやめとおけ…君も我々も消耗している…」

ベルトルト「…」



眼鏡の男「なかなかいい戦いだったぜ、エレン!」


エレン「!待て、まだ…」

アルミン「そうだ、もう少し話してから帰ればどうだね!!!」


眼鏡の男「悪いな、また来るぜ…」

眼鏡の男「もうすぐこの壁の中は地獄になる。覚悟しておけよ」


シュダッ!!!



エレン「…地獄だと…」

アルミン「色々気になるが…今はそれより壁の穴を塞ぐ」

ミカサ「そして、地下室だね」

エレン「…ああ」

ズシイイイイイインッ!!

ミカサ「あ!壁の巨人忘れてた!!」

アルミン「おい、エレン!あいつら止めてくれ!!」

エレン「え、あれ俺がやったの!?」

アルミン「そうだよ!やっぱり覚えてないのかイェーガー!!」

ミカサ「わー、なんかこっち来たよ!」


ライナー「エレン…早く止めないとまずいぞ」

エレン「んなこと言われても、どうすりゃ…」

アルミン「迷ってる暇はないぞ!とりあえず何かやってみろ!!」


ズシイイイイイインッ!!!


リヴァイ「…エレン…このままあの大型巨人を散歩させておくか壁の中に戻すか。好きな方を選べ」

ミカサ「…壁の中に戻すのは可哀想だから…」

アルミン「いや、気持ちは分からんでも無いがあんな未知の存在ほったらかしにするわけにゃいかんだろ!!」

エレン「わかった、何とかやってみる!!」



エレン「止まれ!!壁の中に戻れ!!」



ビリッ!


壁の巨人「!!」ビリッ


アルミン「お!!」

ライナー「反応したか?」


ズシイイイイイインッ


リヴァイ「どうやら壁の方に戻って行ってるようだ」

ベルトルト「何とかおさまったようだね」ザッ

エレン「ふう…良かった、言うこと聞いてくれて」

ミカサ「素直に従う姿がなんか可愛いね」

ハンジ「わかるよ、ミカサ!!」


アルミン「さて、あとは穴塞ぎとさっき壊れた大型巨人がいた部分の補修だ。やれるかエレン?」

エレン「ああ」ザッ



エレン巨人「オオオオオオ!!!」ブシュウウウウウ!!


パキパキパキパキパキパキ!!



アルミン「おお、壁の穴がしっかりふさがって行くぞ!!」

リヴァイ「ほう。あれが硬質化って奴か」


ミカサ「成功だね!」


ベルトルト「壊したのは僕らなのに、エレンに塞がせて何か悪いな…」

アルミン「気にすんな気にすんな。人それぞれやれることとやれない事があるだろ」

ミカサ「そうそう。これからも頑張ろう」

ライナー「いい奴だな、お前らは」


エレン(これで壁の修復は完了だ………)



エレン(ついにここまで来たんだな、俺達は。後は…)


ブシュウウウウウ……


ザッ…


エレン「…俺ん家の地下室だな」

アルミン「ああ。お疲れだエレン」

ミカサ「大丈夫?フラフラしてるけど」

エレン「大丈夫だ。行くぞ」


ザッザッザッ…

エルヴィン「…エレン。君の家はどの辺りだ?」

エレン「もうすぐです」

ミカサ「あ、あった」





アルミン「久しぶりだな、エレンの家。昔はよく遊んだ」

エレン「ああ」

ミカサ「…」

ジャン「…地下室の場所はわかるのか?」

エレン「開かない扉がどこかにあった…地下室への道はたぶんそこだ」

ベルトルト「地下室に行けば…僕らも知らないようなことがわかるのか?」

アルミン「それは行ってみなきゃ分からんね」


エレン「…たぶんここだ」

ミカサ「…」

アルミン「この向こうに何かがある。ワクワクするぜ」

ジャン「ワクワクしていいことなのかわからねぇがな」

リヴァイ「…行くぞ」


エレン(父さん…地下室で俺に何を伝えようとしたんだ)


ガチャン




ガチャ!!



エレン「…!!」


ジャン「開いたか、エレン」



アルミン「うお、すげー!なんか壁のここの部分が扉みたいに開いたぞ!!」ガチャガチャ

ミカサ「本当だ、すごいっ」


リヴァイ「…紛らわしい音たてんな馬鹿が」

アルミン「いやあ、すみません、ちょっと開きそうだな~と思って気になってしまって」ガチャ

リヴァイ「今は真面目な場面だ、おとなしくしておけ」

ハンジ「いや待って、壁に扉みたいに開く部分があるって物凄い大発見じゃないか?」


ジャン「こんなときになにしてんだ、アルミンの野郎は…」

エレン「いや、ああいう奴だから自然と緊張もほぐしてくれるんだよ」

ライナー「……いよいよだな」

エレン「ああ、地下室の扉を開けるぞ」

ベルトルト「この先に何が…」



ガコン…


ザッザッザッ…


リヴァイ「…暗いな」

ケニー「俺は昔の仕事柄、暗い場所は慣れてる…結構下まで階段が続いてるぜ」

ライナー「…なあ…グリシャさんは、壁外から来たんだよな」

エレン「ああ、そう言っていたな」

ベルトルト「…この地下室はいつから存在していたものなんだ?」

エレン「え?」

アルミン「僕も気になっていた…グリシャおじさん1人でこんな地下室を作ったとは考えにくい…」

ミカサ「じゃ、じゃあ…なに?」

リヴァイ「…エレンの親父が来る以前からこの地下室はあったって事か?」

エレン「…!!」

アルミン「そうなりますね」

ミカサ「え?えっと…どういうこと?」

エレン「…!広い部屋に出るぞ…」

エルヴィン「…」

アルミン「さあ、エレン。オープンザドゥアー」

ミカサ「お、おぷーざドアー…」

エレン「………」


ガチャ






ザッ ザッ


ジャン「…なんだ?色々な書物や書類…普通の部屋じゃねぇか?」

アルミン「ああ、だが…ここにあるもの…全て。僕らが知ってる文字とは違う」

ハンジ「ああ、こんな文字は知らないぞ」

エレン「……うっ…!」ピリッ

ベルトルト「!」

ミカサ「エレン!?」

ライナー「どうした?」

エレン「…記憶が…色々な記憶が…頭の中に………」

ライナー「なに?」



「巨人どもめ…駆逐してやる、一匹、残らず!!」





「私は、先祖の亡霊なんかに負けないよ、お父さん」



「ケニー……この世界は、いずれ、必ず滅ぶ」






「カルラ、エレン…すまない。…愛している…」





「お前は、その力を何の為に託されたと思っているんだ!!」





「………行ってらっしゃい………」


ピリッ



前作を読みたいけどリンクされてないな。できればしてほしい。

エレン「………懐かしいな………」

ミカサ「…え?」

リヴァイ「おい、どうした?」


エレン「ここはかつて私が暮らしていた…そして、未来へ繋がるよう様々なものをここに置いていったのだ」


ライナー「エレン…?」

ベルトルト「な、なにが…」

アルミン「まさか、初代王の記憶か!?」

リヴァイ「!!」

ミカサ「エレン…!」オロオロ

ハンジ「おい、それはまずいんじゃないか!?記憶改竄の力を使われたら…」


エレン「心配ない…私が抑えている」

ベルトルト「え?」

アルミン「…色々な記憶が入り交じっているのか…?」

エレン「うん…。あまり長くは無理だけど、何から話そうか…」

エルヴィン「…この壁の世界はなぜ生まれ、滅びる運命にあるのか…話してもらいたい」

エレン「…」

>>96


これでいいですかね?

アルミン「進撃のアルレルト兵団!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1430220280/)

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1430220280

アルミン「進撃のアルレルト兵団!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1430220280/)

アルミン「あと、外にいる巨人も人間の可能性があるみたいだし…いったい全体なんなんだね。本当にさ、もうね、うん」

ミカサ「気になる…」

リヴァイ「細かい説明は後で聞く。まずは結論から言え」



エレン「この世界は必ず滅ぶ…何故なら、この壁の中にいる人類は罪人だから」

ベルトルト「そうだ、僕らもそう教えられた」

エレン「この壁の人類に与えられた時間は、外の世界で過去に傷ついた海、森、自然が回復するまでの間………もうじき美しい自然が復活する」

ミカサ「…?」

エレン「そして、壁の中の人類が滅び去った後は…」





エレン「外にいる巨人達は人間に戻り、新たな世界の人類として生きていくのだ」

――――――――



――――――





フリーダ「…」カッカッカッ



「フリーダ様!」

フリーダ「!」

壁教「お祈りの時間です!!」

フリーダ(うげー、またかよ面倒くせー)

フリーダ「わかりました、今いきます」ニコッ



壁教「…」ヒソヒソ
壁教「…」ヒソヒソ


フリーダ「…?」チラッ


壁教「ヒストリアとかいう子供はまだ生きてるらしいぞ」

壁教「汚らわしい。早く消せば良いものを」

フリーダ「…」イラッ


フリーダ「…という訳でヒストリア。今日はお姉ちゃんとこっそり外に遊びに行こう」

ヒストリア「え…大丈夫なの?」

フリーダ「大丈夫、ちゃんと下見してるから。今日は大丈夫な日だよ!」



ザッザッザッ…



ヒストリア「………ここはなに?」

フリーダ「壁教の教会だよ」

ヒストリア「?」

フリーダ「お姉ちゃんの服の中に隠れて!」バッ

ヒストリア「え?わっ!?」

フリーダ「よーし、侵入しちゃうぞー」


ザッザッザッ…


壁教「…」ヒソヒソ

フリーダ「いた、あのヒソヒソ話大好きオヤジ」

ヒストリア「?」

フリーダ「ヒストリア。一発叩いちゃいなさい」

ヒストリア「い!?」

フリーダ「大丈夫だから、お姉ちゃんの服の隙間からこっそり手を出して…パシーン!って」

ヒストリア「ん、ん~っ」プルプル

壁教「…」

ヒストリア「えい!」パシーンッ

壁教「いた!?」

フリーダ「逃げろー!」シュタタタタ


壁教「ちょっとフリーダ様!またイタズラですか!!」

フリーダ「てへっ☆」

ヒストリア「えへへ、意外と面白いねー」ヒソヒソ


フリーダ「よーし、せっかくだから教会の中を散歩しよう」

―――――――








ヒストリア「………って、遊びをフリーダ姉さんとしてたなぁ…」


エーベル「そ、そんなことしてたんだ姉さん…」


ヒストリア「そうだよ、だから教会の中の仕組みなら姉さんとの散歩中に覚えちゃったの!!」



エーベル「だから連れ去られるときニヤニヤしてたの?」


ヒストリア「いや、あれは面白い展開になったからだよ。やっぱりこう…連れ去られ窮地に立たされたとこからかっこよく逆転ってカッコいいじゃん?」

エーベル「………ごめん、よくわからない…」

ヒストリア「あははは、わからないのが普通だから気にしない!」

エーベル「でも…ここは敵だらけだし、そもそも牢の外に出れないし…」

ヒストリア「ま、なるようにならぁね!気楽に行こうよ!」

エーベル(羨ましいなぁ…この余裕さ)

――――――


ディルク「…」

ユミル「ま、なるようにならぁね!」

ユミル「……なんてこと言って余裕こいてるだろうな、あいつ。絶対」

フロリアン「うわあ…たぶんそのままの発言してるよきっと」

ディルク「…」

アニ「容易に想像がつくね」

サシャ「まあ、でも…確かにレイス家の子供なら安全でしょうけどね」

コニー「でも、だからと言って何も手を出さないとは限らねぇぞ!」

ユミル「その通りだ」

サシャ「そうですよ、もしかしたらご飯だって貰えてないかも知れません!」

コニー「そうだぜ!ご飯が無きゃお腹がすいちまう!」

ユミル「……まあいいや……」

ディルク「…ちょっといいかい?」


ユミル「お、ディルク坊っちゃん」

フロリアン「兄さん、いつからいたの?」

ディルク「さっきからいたけど…」

フロリアン「なんかごめん…」

ディルク「二人から連絡が入った。とりあえず壁教への潜入は成功したみたいだ」

ユミル「ほう、やるじゃねぇか」

フロリアン「良かった!何とか行けそうだね」

女部下「後は頃合いを見て我々も行く…準備はいいか?」

コニー「準備いいぜ!」

サシャ「了解です!」

マルコ「元気いいね」

フロリアン「よーし、頑張ろう、サシャ、コニー!」

サシャ・コニー「おーっ!」

アニ(なんかあの子ヒストリアっぽくなってきたな…)

アニ(……しかし予想以上に簡単に潜入できてしまったんだな……逆に何か…)

アニ(油断はできない)

―――――――夕方 教会地下

カチャカチャカチャ…


ヒストリア「うん、出てくるご飯が美味しいのは唯一の良い点だね、ここは素直に誉めてあげたい」モグモグ

エーベル「…」

ヒストリア「エーベル~、ちゃんと食べなきゃいざって時に力出ないよ?食べられる時に食べなきゃ」

エーベル「わかってるけど…あまり食欲が…」

ヒストリア「んー、まあ無理して食えとは言わないよ」

エーベル「…小さい頃は私も結構来てたんだ、ここ…一家でお祈りする日があるから」

ヒストリア「あー、やっぱりね」

エーベル「そしてお祈りの間のフリーダ姉さんは人が変わってた」

ヒストリア「…」

エーベル「何かに取り憑かれたような目に…」

ヒストリア「初代王様の亡霊か…」

エーベル「私は怖い…姉さんも苦しんでた……。あんな力は、欲しくない…」

ヒストリア「…大丈夫だよ、エーベル」ポンッ

エーベル「…」

ヒストリア「…」ニコッ





そもそも…エレン居るの今、壁外じゃん?





あ、本当だ



ニック「ななな、なんだってえええええ!!?」ガチャン!!

エーベル「!?」ビクッ

ヒストリア「うわっ、ニック司祭いたの!?」ビクッ

ニック「え…エレンは…壁内に居ないのか!?」

ヒストリア「ふっ…残念ながらね………ちょっと前半で書き漏らしてたんだけど」

エーベル「…」


ヒストリア「壁内には新聞屋さんも使って調査兵団壁外調査の日を広めさせていたよね…でも、それは嘘だったのさ。実は新聞で広まった日付よりも先に調査兵団は壁外調査へこっそり出た!!」

ニック「むう…」



「そして調査兵団が出たあとの少しの間は俺がエレンの影武者になっていた」

ニック「!!」

マルロ「エレンを狙っていたのは本当だったんだな」ザッ

ヒストリア「マルロじゃん!!」

眼鏡部下「動かないで貰おうか、ニック司祭」ガチャッ

ニック「ぬうっ!」

ヒストリア「あ、えーと、えーと…」

エーベル「ケニーの部下の、………えーと…」

ヒストリア「眼鏡の人!!」

眼鏡部下「…名前が決まってないのは不便だな…」

ヒストリア「ふっ、これで私達の大逆転だよ!!」

眼鏡部下「何を言ってるんだ、まだ壁教教会の地下だぞ。むしろまだ敵の本拠地の中でピンチな方だ」

ヒストリア「はい、その通りです」

ニック「…どうやって潜入した?」

眼鏡部下「俺は昔、壁教の信者だった……ケニーと出会うまではな。だから説得しやすい信者もわかる…そいつに『壁教に戻る』と嘘をつき侵入させてもらった」

マルロ「俺は誰からもマークを受けてないし、普段から憲兵で真面目な働き者として見られてるからな。壁や王様について褒めまくってたら軽く通してくれたよ」

エーベル「…やっぱり、私達にエレンを食べさせて力を取り戻すのが目的なのね」

ニック「…そうだ」

マルロ「ついでだ、もっと吐いてもらうぞ!あの壁はなんだ!何のために作られたんだ!!」

ニック「それは言えんな…例え自分の命を失おうとな」

エーベル「…うん…たぶん聞き出せないよ」

ヒストリア「そんなー!」

眼鏡部下「悪いな。俺は壁教時代に重要な話は聞かされなかった」

マルロ「くそっ」

ニック「…逃げるなら今のうちに逃げた方がいいぞ」

ヒストリア「ん?」

マルロ「なに?」

ニック「遅かったな。もう来るぞ…」

タッタッタ…

「動くな!!」ガチャッ

エーベル「え!?」

眼鏡部下「!?」


中央憲兵「これ以上はやらせんぞ、侵入者」

中央憲兵「動けば一斉に発砲する」

ガチャッ ガチャッ


マルロ「か、囲まれた…!?」

ヒストリア「え、なんで!?いつの間に!?」

眼鏡部下「バカな…バレないようにここまで来たはずだぞ」

エーベル「そういえば、昔聞いたことあるような…」

ヒストリア「え?」

エーベル「中央憲兵や壁教の一部は、旧文明の技術で離れた場所の声を盗み聞く事が出来るらしいって……作り話だと思ってたけど…」

ヒストリア「マジかよ!?」

ニック「もう逃げ場は無いぞ」

壁教「レイス家の娘はなるべく傷つけるな。侵入者は1人ころして1人は生け捕りしておけ、話を聞き出したい」

中央憲兵「了解」ガチャッ

眼鏡部下「くっ!動けばこいつの命はないぞ!!」ガチャッ

ニック「ぬおっ!?」

マルロ「ひ、人質だなんて卑怯な真似…」

ヒストリア「マルロ!眼鏡さんは私達を助ける為にわざわざ汚れ役をやってくれているんだよ!」


中央憲兵「…神を呼び戻すための犠牲ならば仕方ない」

眼鏡部下「なにい!?」

ヒストリア「うわ、全然効いてねぇ!!?」

ニック「…無駄な事だ」

マルロ「どうする、このままでは…」

エーベル(どうしよう……地下では巨人になれないし……)

ヒストリア「万事休すか…!?」

眼鏡部下「まだだ!!耳を塞げ!!」ガチャッ

ヒストリア「はい!?」


キイイイイイイインッ!!!!!

中央憲兵「うわ!?」

マルロ「音響弾か!?」

眼鏡部下「この場から離れるぞ!!」バッ

エーベル「あ、はい!」

ヒストリア「そこどけぇい!!」ビタアアアンッ(背負い投げ)

中央憲兵「ぬおっ!?」ドサアッ


中央憲兵「くそっ!」ガチャッ

パンッ!パンッ!

マルロ「うっ、撃ってきた!!」

ヒストリア「ひゃー、こわっ!!」ダダダッ

眼鏡部下「邪魔をするな!!」パァン!パァン!

パンッ!パンッ!パンッ!


眼鏡部下「ちっ…」ダッ

エーベル「…!腕に弾が…!」

眼鏡部下「このくらいなら問題ない、心配するな。行くぞ」

――――――――教会付近の林


マルコ「…予定時間を過ぎたけど…合図が無いね」

ユミル「ああ…何かあったか…」

女部下「副隊長」

ディルク「ああ。合図が無いなら、このまま強行突破だ………行くぞ」ガチャッ

フロリアン「うん」

サシャ「何だか緊張してきました」

コニー「やってやろうぜ」

アニ「変なことしちゃダメだよ、あんた達」


フロリアン「そういえば、兄さんと一緒に戦うのは久しぶりだね」

ディルク「ああ…そういえばそうだね」

見張り「ふああ…夜の見張り面倒くせぇ…眠いしやってらんねぇよ…名前見張りだしよ………」

ドッ!

見張り「ぬはっ!?」ドサアッ

ディルク「峰打ちだ」

フロリアン「おー」


ユミル「入るぞ」


ダンッ!!!



アニ「行くよ!!」

コニー「よっしゃ、不法侵入だぜ!」

サシャ「ワルにはワルをですね!」

マルコ「訳のわからないこと言わないでいいから!!」

ダダダッ!!


中央憲兵「やはりきたぞ!」ガチャッ

中央憲兵「囲め!!」

女部下「…来るのが読まれていたのか?」

ユミル「やっぱりあいつらバレちまったんだな」

中央憲兵「構えろ!!」

ディルク「構えるのが遅い」ガチャ!


ダダダダダダダダダダダダダダ!!!


中央憲兵「ぐあっ!?」

中央憲兵「なんだと!?」

サシャ「うわ、凄いですね!!」

コニー「構えから撃つのめちゃくちゃ早いなアンタ!!」

ディルク「あいつらが遅いんだよ、所詮は素人と同等だ」

フロリアン「さすが、頼りになるなぁ」

中央憲兵「くそ、あいつ対人制圧部隊のNo.2か!?」

中央憲兵「相手が悪いぞ!」

中央憲兵(へっ…バカめ、机の下にもいるんだよ)ガチャッ

ガチャッ

女部下「バレバレだ」

中央憲兵「」

中央憲兵「くそ、遠距離は駄目だ、ブレードを装備しろ!!」

中央憲兵「はああ!!」ダッ

コニー「当たらないぜ!」バッバッ

サシャ「ヘイヘイ、当ててみなさい!」バッバッバッ

中央憲兵「すばしっこいな!!」

アニ「はああ!!」ブンッ

ユミル「おせーんだよ」ガンッ

中央憲兵「いでー!!!」

フロリアン「よ、よーし、私だって!」バッ

中央憲兵「こいつは弱そうだ!捕らえてやる!」

フロリアン「やああ!!」ダダダッ

中央憲兵「遅いぞフロリアンちゃん!!」バッ

フロリアン「やば、捕まっ…」

ズルッ

フロリアン「ふごっ!!」ガンッ

中央憲兵「ぎょあっ!!?」

ドサッ

フロリアン「…」

フロリアン(滑って転んで中央憲兵の顔に頭ぶつけてやっつけちゃったなんて………)

フロリアン「カッコ悪い…」ガクッ

ユミル「なにやってんだ立て!!」

――――――教会奥の部屋

壁教「…どうやら新しい侵入者も来たようだな」

壁教「ああ……仕方ない。奴等をここに連れて来るように誘導しろ」

壁教「この空間はレイス家の礼拝堂の地下と同じ物質で出来ている…即ち、巨人を使うことができる」

マリア「…」

ローゼ「…」

シーナ「…」


サネス「…」

壁教「レイス家の娘とエレンが揃ったら…あとはこの注射で…」


サネス「…」



サネス(あの注射で…神に近づく事ができる…)

壁教「どうした?」

サネス「いえ、なにも」


―――――

ヒストリア「ふう…とりあえず追っ手は来なくなった…」

眼鏡部下「とりあえずここで様子を見よう」

エーベル「はい…」

ニック「…」

マルロ「…ニック司祭…本当に何も話す気はないのか?」

ニック「ああ」

ヒストリア「…あんたはそこまで悪い人じゃない気はするんだけどさ…私達みたいないたいけな少女達を大人がよってたかって拐うなんて恥ずかしいと思わないの?」

エーベル(いたいけな少女…)

ニック「…」

眼鏡部下「…壁教には巨人がいたらしいな…俺も知らなかった」

眼鏡部下「その巨人はなんだ?」

ヒストリア「そうそう、せめてそれくらいは教えてよ!」

マルロ「そうだな…知性巨人を持っていながら今まで人類に協力しなかった。どういう事だ?」

ニック「…」

マルロ「それはちゃんと理由を聞かなければ納得できない」

ニック「…そうだな…」

ニック「壁教には三人の巨人化能力者がいる。彼女らもまたレイス家と同様に何代にも渡り力を受け継がれてきた」


ニック「彼女ら三人の持つ巨人の力は……壁の中に眠る巨人の制御だ」

ヒストリア「壁の中の巨人!?」

ニック「彼女達は巨人が停止する夜以外は、教会にある特別な物質で出来た空間からは出られない。壁の中に眠る巨人を抑え続ける力を発揮するにはその空間を通す必要があるのだ」

マルロ「…もし、その巨人の力を持った者達がいなくなったらどうなるんだ?」

ニック「壁の中の巨人を抑える力は無くなる…そして、すぐにではないが少しずつ壁の巨人は力を取り戻していき………最悪半年後には目を覚まし一斉に動き出すだろう」

ヒストリア「てかさ、壁の中に巨人が眠ってるってどういう事なのさ!?」

ニック「これ以上は話せん」

ヒストリア「いつもこれだよ!!実は知らないんじゃないの!?」

エーベル「まあまあ、落ち着こう…」

マルロ「…下手にここにいる知性巨人達を外には連れ出せないのか…」

眼鏡部下「…だが、やはり壁教はこのままにはしておけん。野放しにしておけば厄介だ」

ヒストリア「私もそう思うよ」

ニック「…」

――――――

パンッパンッパンッ

中央憲兵「うおおおお!!」パンッパンッ

サシャ「また後ろから来ました!」

コニー「輪ゴムアタック!!」ピシュッ

中央憲兵「ひいっ!!!」ビクッ

ユミル「一体どこから持って来たんだよ輪ゴムなんか」

女部下「…これは…私達はどこかに誘導されている?」

ディルク「…いいだろう、あえて罠にかかろう。敵の中心に行けるならむしろありがたいさ」


マルコ「大きな扉が見えてきた!」

フロリアン「ここは…お祈りの部屋!!」

ユミル「…入るぞ」

ガチャ

ザッ

アニ「なんて広い部屋…」

ユミル「!」

壁教「…よく来たな」

サシャ「よく来てやりましたよ!」

ユミル「ヒストリアとエーベルはどこだ?」

サネス「向こうは別の奴等が追っている。あっちは1人以外は丸腰みたいだから捕まるのも時間の問題だろう」

サシャ「あなたは…、まさか!…誰でしたっけ」

コニー「…誰だ!?思い出せない!!」

サネス「…そりゃ初対面だからな」

フロリアン「サネス!!」

ディルク「…」

サネス「フロリアン、ディルク…レイス家に生まれながら本来の使命を捨てているとは、嘆かわしい」

ディルク「レイス家はみんなそうだったさ、運命に抗おうとしていた。だが、初代王の力にはかなわなかったんだ…」

サネス「神の力は絶対であり神の力があったからこそ人類は生き永らえてきた。受け入れるべきなんだよ」

ユミル「…いずれ滅びるのが決まっているのに、ただ滅ぶまで生きているのが正しいのか?」

フロリアン「…え?滅びる?」

ユミル「私も知ってるよ。この世界の事は………ただ滅びに向かうだけなのが本当に人類の為なのか?」

サネス「滅びもまた神に与えられた運命だ」

ユミル「ちっ、ダメだなこりゃ」

ディルク「…ユミル、どういう事だ!?」

フロリアン「滅びるって!?」

ユミル「まあ、待てや……終わったら教えてやる」

壁教「そこの女は生かすな、確実に消せ。他の者たちもレイスの子供以外は生かして帰すな」

サネス「行くぞオメーら」ザッ

中央憲兵×30「はっ!!!」


アニ「ちっ、またぞろぞろと…」

女部下「ここの者たちは多少手強そうだ」ガチャ

壁教「お前達も奴等を始末しろ。今は夜だから大丈夫だ」

マリア「…」

ローゼ「…」

シーナ「…」


ユミル「!!あそこの奴等、巨人になるぞ!!」

コニー「なんだって!?」

ドオオオオオ!!!!!!



マリア巨人「…」

ローゼ巨人「…」

シーナ巨人「…」


シュウウウウウウ………


マルコ「ほ、本当に巨人が…」

フロリアン「三体も!?ちょっ、ヤバいんじゃ…」

ディルク「アニ、ユミル、フロリアン、サシャ、コニー、マルコ、僕と一緒に巨人の相手を頼む!!君は他の者と共に中央憲兵を!!」

女部下「了解」バシュッ

アニ「やるしかないか」ザッ

フロリアン「怖いなぁ…!」バシュッ

サネス「そこの女は巨人になる!今のうちに止めろ!」

中央憲兵「はっ!」ザッザッ

アニ「邪魔だ!」ゲシイッ

中央憲兵「うわあ!!!」グルングルングルングルングルン

カアアッ!!!

ユミル巨人「アアアアア!!」バッ

ゲシイッ

中央憲兵「蹴られた!?」

パアンッ!!パアンッ!!

ビュン!ビュン!

女部下「どうした、もっとよく狙ってみろ」ガチャ

中央憲兵「くそ、こいつ…速い!!」



マリア巨人「…」グオオオ

フロリアン「ひっ、来た!」ジャキッ

アニ「下がってフロリアン!」ガリッ

カアアッ!!!

女型の巨人「アアアアア!!」ダダッ

バキイイイ!!!


マリア巨人「…」パキッパキッ

女型の巨人「…!」


フロリアン「硬質化…厄介だなぁ!」

この人の進撃SS面白いし好きなんだけど、ちょくちょくエタるのが玉に瑕なんだよなぁ…

>>129


そろそろ危なそうだと思ったので久しぶりに来ました。
すみませんね、なかなか更新できなくて

ユミル巨人「…」バシュッ!

ガキイッ!

ローゼ巨人「…」ゴゴゴゴゴ

ユミル(くそ…三体とも硬質化できるのか。めんどくせぇ)

シーナ巨人「…」ズシイイイッ

女型の巨人「…」ビシュッ ビシュッ!!


シーナ巨人「…!」ガアンッ!!

アニ(よし…こっちも硬質化させればダメージが通る…)


シーナ巨人「…」グオッ
バガアアアアア!!!


女型の巨人「アアア!!!」ズザザ!!


フロリアン「アニ!!」

ディルク「ちっ…硬質化可能な巨人三体は厄介だな…どうする…」

サシャ「こんなときにアルミンがいれば!」

コニー「アルミンがいればこいつらも何とかなるかも知れねぇのに!!」

ローゼ巨人「…」グオッ
シャッ!!

ディルク「…」

ディルク(こいつら…能力は厄介だが…)

ディルク「みんな、落ち着け!落ち着いて行けば何とかなる!!」

サシャ「え!?」

コニー「どうした兄ちゃん!」

ディルク「こいつら…能力は厄介だが、動きは単調だ」

フロリアン「え?」

ユミル「なるほどな…」ザッ

フロリアン「!」

ユミル「あいつら実戦の経験は無いんだよ。何だかんだでフロリアンですら攻撃を避けられるくらいだ…大したことはないかもな」

フロリアン「ああ、確かに。能力の微妙な私でも意外とすんなり攻撃を避けられる…」

フロリアン「って、私ですらって言い方ちょっと失礼じゃない!!?」

アニ(確かにね…数も多いのはキツいが、何とかなるか)

コニー「よし、気を引き締め直して行くか!」

サシャ「はい!」

ズシイイイッ!!

アニ(…)

マリア巨人「…」ズシイイイッ!!

女型の巨人「アアアアアア!!!」バシュッ!!

ガシャアアア!!!

マリア巨人「…!!!」パキパキ

マリア巨人「オオオ!!」ガアンッ!!

女型の巨人「!!!」ガガガッ!

アニ(くそ…パワーもあるな…だが)

バシュッ!!!

マリア巨人「!!!」バアアアンッ!!!

アニ(技術なら私が上だ…)







ユミル巨人「アアアアアア!」バシュッ

ローゼ巨人「…」ブンッ

ガシャアアア!!!


ディルク「よし、ユミルに気をとられている間に行くぞ!サシャ、コニー、フロリアン!」

サシャ「ラジャー!」

コニー「燃えてきたぜえ!」バシュッ

フロリアン「やあぁっ!」


ザシュッ!!!



ローゼ巨人「…!」

フロリアン「よし!!」

ディルク「うなじを切り開いた…これでお前は丸見えだ。それ以上動くな、動けば撃つ」ガチャッ

ローゼ「…」

フロリアン「兄さん強いから逆らわない方がいいよ。おとなしく投稿して…」ザッ

フロリアン「……っ!!!」ビクッ

ローゼ「………」


フロリアン(なに…この人、全く表情がない…人形みたいな顔してる…)

ディルク「…どうした、フロリアン。彼女の表情がない事に驚いているのか?」

フロリアン「!」

ディルク「たぶん彼女…他の二人も生まれた時からずっとここで、ほとんど外に出ず人とも関わらずに生きてこさせられたんだろう…」

ディルク「そんな何も無い人生を送っていれば…こうなるさ」

フロリアン「………」

サネス「ええい、あいつら何をしている!役たたずめが!!」

女部下「お前こそ余所見している暇は無いだろう?」ガチャッ

パアアアンッ!!!

サネス「おおお!!!」ドサッ

女部下「ふん、大したことはないな…」スッ

パアンッ!!

女部下「!!!」ガクッ

女部下「な…!?」

サネス「くく…特製の防弾チョッキを着ていたのさ…残念だったな」

パアンッ!!

女部下「ちっ!」バッ

サネス「くそ、上手いこと避けやがる…」


女部下(まずい、腕と足をやられた…このままでは…)



ギュイイイイイイイ!!!



ヒストリア「ヒイイイイイストリアキイイイイイック!!!!!」ゲシイッ!!!



サネス「ぐふぁっ!!?」ズザザ


女部下「うわ、びっくりした!?」ビクッ

眼鏡部下「大丈夫ですか!?」

女部下「ああ…そっちも無事で良かった」


ヒストリア「…ったくよぉ…話は聞いたわよ、壁野郎」ザッ


壁教「なんだね。ヒストリア・レイス」


ヒストリア「女の子三人を生まれた時から無理やり嫌な役目を押し付け更にはこんな狭苦しくて息苦しい場所に閉じ込め、人間らしい生活も送れないまま成長しちゃって、挙げ句の果てには自分の状況が悪くなれば役たたずだぁ!!?」


ヒストリア「私の正義の心(ハート)が黙っちゃいないわ!!覚悟しなさい壁教+中央憲兵!!ここに、ヒストリア見参!!!」ドオオオンッ



サシャ「来ました、ヒストリアですよ!!」

コニー「待ってたぜ!」

ディルク「ヒストリア…無事だったんだな」

フロリアン「良かったぁ、ヒストリアー!」

ユミル「いちいち何か言わなくていいからさっさと手伝え!!」

ヒストリア「おうよ!」

ユミル巨人「アアアアア!!」ベリッ

シーナ巨人「!!」

ヒストリア「はあああああ!!」ギュンッ

サシャ「せい!」

コニー「はあ!」

ズシャッ ズシャッ!!!

シーナ巨人「…!!」ガクッ

ディルク「よし、複数で行けば硬化も間に合わないみたいだ」

フロリアン「行けそうだね!」

ヒストリア「おう!」



ガシャアアア!!!

マリア巨人「!!!」ザザザッ

女型の巨人「…」ズシイイイッ

アニ(…よし、もういけるな)

マリア巨人「…」

ボシュウウウ!!!


アニ(…ん?うなじが開いた…)



マリア「…はっ!!!」


マリア「はあ…はあ…っ」

アニ(入ってる人間が出てきた!?)

サネス「…!?」

サネス「何をしているマリア!!出てくるな、戦え!!」


マリア「あ…あっ…」ベリッ

ドサッ

サネス「おい、マリア!!」

ヒストリア「な…なになに!?」

ユミル「中から出てきたみたいだが…」



サネス「おい、何を…」

マリア「お………」






マリア「お父………さん………」

アニ(!?)



サネス「…!!!」


マリア「お父、さん………やだ……こ…わい………」グッ


ヒストリア「え、お父さん…?」

ディルク「…」





マリア「はあ………はあ…こわい………たたかうの……やだ………」


サネス「………」


パアンッ!!!


フロリアン「!!!」


ユミル「な!!!」


マリア「…え…」

サネス「!!」

ドサッ





壁教「…そいつはダメだな、やはり失敗だ」ザッ

サネス「…あ…」


壁教「…サネス…お前の責任だぞ…」

サネス「…」



壁教「マリアはお前の娘だった……だが、血筋により壁の守護者として選ばれた」

壁教「その時に教えていたはずだ、特別な感情を与えるなと。お前はマリアにはちょくちょく外に連れ出したりしていたな…」



ディルク「あのマリアという娘…サネスの子供だったのか…」

ヒストリア「あの壁野郎!!!サネスも気に食わんけどあいつ一番気に食わん!!!」

ユミル「待て」ガシッ

サネス「…は…」


サネス「そうだな…俺が、悪いんだな…」

壁教「お前は忠誠心は高く仕事もこなす、罰しはしない。だからこの娘の力は他のものにいったん移し、候補をすぐにでも…」


マリア「お、お父………さん……」ガクガク

サネス「!」

壁教「ふん、まだ息があったか」


マリア「死にたく、ない………まだ、私は……まだ………」


サネス「………」



サネス「ああ、心配するな」

パアンッ!!!

壁教「がはっ!?」ドサッ

フロリアン「!!!」

サネス「…てめえが注射器持ってたな…」ザッ

壁教「き…さま、なに…を…」


マリア「あ……かはっ………」


サネス「…大丈夫だ…マリア……」ザッ



サネス「ずっと一緒に生きよう」

マリア「お父………さん………」



ディルク「…!!!」


ディルク「誰でもいい!サネスを止めろ!!」バシュッ

ヒストリア「あいつ、まさか…!」



サネス(ああ…思い出したよ、何で俺はあんなに神に執心していたのか)




マリア…お前をただ自由にしてやりたかった…
そして、娘を奪われた苦しみを誤魔化す為だったんだ。

俺は自分の苦しみを誤魔化す為に神を信じた…
神を信じていればいつかは娘を解放してくれると思った……






―――――――


マリア「…大丈夫…かな……かってに、外に出て…」

サネス「ちょっとくらいなら問題ない」


マリア「お父さん、…わたし………もっと、色々な世界を見てみたい」

マリア「いつか一緒に、色々なとこに…行ってみたい…」

――――――


ごめんな…マリア、約束を守れなくて
お前を守れなくて…俺はダメな父親だ……





もう娘は助からない…

ならば、もう…神などいらない


この憎い壁の中の世界を破壊し、もっともっと広い場所へ行こう






カアアアアアア!!!


ヒストリア「やめろ!!!」


バクッ!!



サネス巨人「オオオオオオオオオオオオオオッッ!!!」



ヒストリア「…あ…」

ユミル「くっ…」

アニ(…っ)


ディルク「く、みんな止まるな!サネスを止めろ!」バアンッ!!

ガキイイイッ!!

サネス巨人「…」シュウウウウウウ…


ディルク(くっ…やはりマリアの硬化能力を引き継いでいる…)


壁教「サネス…貴様、どういうつもりだ!?」



サネス(全員消えろ……邪魔だ!!)


ゴゴゴゴゴ…


コニー「あの巨人の見た目…どっかで見たような…」

フロリアン「…!ウルクリン兄さんと同タイプの巨人だ!!」

ディルク「…!まずい、みんな離れろ!!」

ヒストリア「え!?」

ユミル「ウルクリンの巨人の能力を思い出せ!!」


サネス巨人「オオオオオオオッ!!!」ボゴオオオオオオッ


フロリアン「きゃあっ!!!」

女部下「ぐっ…炎を生み出した!?」


壁教「ぐああああ!!!」ゴオオオオオオッ


ヒストリア「くそ…もう……どいつもこいつも!!」

アニ(こいつは早く止めなきゃヤバい…!)

女型の巨人「…!!」ダダダッ

サネス巨人「…」ボシュウウウ


ボゴオオオオオオッ!!!!!


女型の巨人「!!!」ゴオオオッ


アニ(く…っ!!きつ!!)



サネス巨人「オオオオオオオッ!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


サシャ「建物に火が移って周りも燃えてきてます!!」

コニー「おいおいおい…ヤバいぞ」


ユミル「逃げるしかねぇな、いったん態勢を整えねぇと…」


ヒストリア「待ってユミル!!」

ユミル「あ!?」

フロリアン「あの人たちも逃がさなきゃ!!」


ローゼ「…」

シーナ「…」


ヒストリア「ほら、あんたたち!何ボーッとしてんの!逃げるよ!」


ローゼ「…」

フロリアン「ああもう、急いで!」ガシッ

ディルク「おい、お前達も生き残ってる人間連れてさっさと退け!!」

壁教「は、はい!」ビクッ

中央憲兵「わかりました!」ビクッ



ユミル「立体機動装置のない奴等は私の巨人に乗れ!」





サネス巨人「オオオオオオオッ!!!」





ゴゴゴゴゴ………

―――――――



アニ「く…つぅ…!」ガク

コニー「アニ、大丈夫か!?」

アニ「…ああ…炎の直撃を受けて痛いけど…まだ行けるよ」

サシャ「あの巨人は壁教の建物を徹底的に破壊してるみたいです…まだこちらまで来る気配はありません」

ディルク「そうか…」

エーベル「…」

ヒストリア「はあ…どうすんの?火を吹きまくる上に硬化能力なんて…」

ユミル「しかもサネスは今、精神が不安定な状態だ…何をするかわからん」

ヒストリア「全くだよ、相手したくないタイプの敵だよ…」

フロリアン「………」

フロリアン「何が、悪いのかな…」

ユミル「あ?」

ヒストリア「…」

フロリアン「マリアさんに力を託した壁教が悪いの?マリアさんを壁教に差し出したサネスが悪いの?こんな世界を作った私達の先祖が悪いの?」

ヒストリア「………」

ディルク「…わからない…この世界の真相を知らないからね」

ユミル「…」

フロリアン「…何か、なにもかも納得できないよ…」

ヒストリア「うん…」

ヒストリア「だから、それを全部ひっくり返してやるのが、アルレルト兵団だ!!」バッ

フロリアン「…うん…」

ユミル「はっ…」

ヒストリア「私も全然わかんない事だらけだけどさ…今は1つ絶対に明らかな事はある」

ヒストリア「サネスは止めなきゃ、多くの犠牲者が出る」

フロリアン「そうだね…」

エーベル「…」

サシャ「!サネスの巨人が動き始めました!!」

ディルク「よし、全員戦闘準備」ガチャ


ズシイイイッ!!


サシャ「…あれ?何か変な方向に歩いて…」

ディルク「なに!?」

女部下「こちら側には住む町がある…こちらに来ると思ったが…」


ズシイイイッ!!



ヒストリア「…あ!あの方向は!!」

ユミル「孤児院のある方角じゃねぇか!?」

フロリアン「ええ!何でそんな方向に!?」

エーベル「…っ!!!」

エーベル「くっ!!」ダダッ

フロリアン「あ、エーベル!」

エーベル(ダメだ!子供達は…やらせない!!)


アニ「何で奴はあんな方角に…」


ディルク「…壁を越えるならあちら側の方角が一番近い…」

ヒストリア「え!?」

ディルク「まさか奴は…」



ズシイイイッ!!!


サネス(エレンの持つ神の力…俺が奪う。そして、この世界を…)



ズシイイイッ!!!



子供「ん…なに?」


子供「大きな音が…」


ズシイイイッ!!!






サネス巨人「オオオオオオオッ!!!」



――――――――


―――――



シガンシナ 地下室



エルヴィン「………」


ハンジ「なんだって!?」


アルミン「おいおい、何だかものすごい突飛な話だぞ」


ミカサ「み、みんな…死んじゃうの?」オロオロ

リヴァイ「そして、外にいる巨人が人間に戻り新たな人類になるだと…」
ケニー「ちんけな本みてぇな話じゃねぇか」


エレン「そうだ………巨人になれば悪夢にうなされ続ける。なぜだか分かるか?」

アルミン「…そりゃ無理やり巨人に変えられた上に人間食ってるからじゃないの?」

エレン「うむ…後は、人間に恐怖を植え込む為だ」

ライナー「恐怖だと?」

エレン「人類は昔…あまりに身勝手な生き物だった…いや、今でもそうだな。それは自分の事が何より大事な思考を持っているからだ」

ケニー「自分が大事なのはどの生き物にも言えることだろうが」

エレン「…だが、人間の身勝手は規模が違う。あまりに多くの犠牲を出す」

エルヴィン「…」

エレン「…悪夢を見せ、命を奪い奪われる恐怖を人間の脳に植え込ませる。そうすることで人間達はより理性的な生き物になっていくはずだ」

アルミン「…あんたねぇ、自分が何を言ってんのかわかってんですか」ザッ

ミカサ「アルミン…」

エレン「…」

アルミン「今この世界に生きている人間の意志は無視かい?ええ!?」


エレン「………」



エレン「……私が初代王の力を抑えておけるのもここまでだ……エレンの脳に…この文字の読み方の記憶を残しておく…」

アルミン「!グリシャおじさん!?」

エレン「…」フラッ

ドサッ!

ミカサ「エレン!」バッ

ベルトルト「大丈夫か!?」

エレン「…う…、あ、あぁ……平気だ…」フラッ

ジャン「…元に戻ったか…ビックリしたぜ、全く」

エレン「…父さんが俺の頭にこの文字の読み方を残しておいてくれた」

アルミン「ふむ……いけるか?エレン」

ミカサ「無理はしないで…」オロオロ

エレン「大丈夫だ、問題ない」

リヴァイ「…だが、書物の類は大量にある…全部エレンに読ませていくのか?」

アルミン「待ってください、僕の天才的な洞察力でどの本が良いか見抜きます」

ライナー「そんなの分かるのかよ…」

アルミン「んんんんんん………」ジイイイイイ

ミカサ(凄く見てる)


アルミン「これだああああああ!!!」ガボッ


ケニー「相変わらずテンションのたけぇ奴だ」

エレン「何か見つかったのか?」

アルミン「ああ…この絶妙な隠し位置…本人には取りやすい位置で知らない人には分かりにくい位置……他人に見られたら嫌なもの」

アルミン「日記帳だ」

ジャン「日記帳かよ!!」ビシッ

アルミン「いい突っ込みだ」

ミカサ「確かに日記帳は他人には見られたくない」

ハンジ「いや、日記帳だと…初代王のか?」

アルミン「そうです!!」クルッ

エルヴィン「ふむ…この世界を作ったものが日々書き記していたもの……何か重要な手掛かりがあるかも知れないな」

エレン「…!」






―――壁内 孤児院前



ズウウウウウンッ!!!


サネス巨人「…」シュウウウウウ…

ゴオオオオオオ…



子供「きゃああああ!!!」

子供「わあああん!!わあああん!!」

先生「みんな、落ち着いて!大丈夫…先生がいるから」

先生「早く避難しましょう!!」



ズウウウウウンッ!!





ドシッドシッドシッドシッドシッドシッ…


先生「…!奥から巨人が…もう2体来てる」

先生「え!?」



女型の巨人「…」ドシッドシッドシッドシッドシッ!!

ユミル巨人「…」ダッダッダッ!!!


ヒストリア「みんな!ユミルとアニにしっかり掴まって!!」

コニー「おう!!」

サシャ「見えてきました!!」

フロリアン「急ごう!!」ジャキッ

ディルク「行くぞ」ザッ

エーベル「…」


ドシッドシッドシッ!!

女型の巨人「アアアアアッ!!」ドゴォッ!!

サネス巨人「!!」


ズザザザザッ!!!

ディルク「はああああ!!」バシュウッ

女部下「行くぞ、撃て!!」バシュッ

眼鏡部下「はっ!!」ガチャッ

バアンッ!!バアンッ!バアンッ!

サネス巨人「!!」バスッ!バスッ!


ディルク「よし、目をやった!」


ヒストリア「あいつが硬質化や火を使う前に速攻で仕留める!!」ジャキッ

バシュウッ!!


ヒストリア「かかれえっ!!!」ザンッ!

コニー「はあっ!!」ザンッ

サシャ「せえいっ!!」ザンッ

フロリアン「やあっ!!」ビシッ




サネス巨人「グウウウ…」グラッ

ヒストリア「手足はやった!!ユミル、マルコ!!」


マルコ「あとはうなじで…とどめだ!!」

ユミル巨人「アアアアアッ!!」バッ


サネス巨人「…」パキッ


ガキイイイイインッ!!!


ヒストリア「くそ!硬質化!!」

マルコ「あと少しだったのに…!」

ユミル(間に合わなかったか)


サネス巨人「…」シュウウウウウ


ボオオオオオッ!!!


マルコ「ぐわあああ!?」

ヒストリア「くそ、退避ぃ!!」

コニー「あついな、ちくしょう!!」



サネス巨人「オオオオオ!!!」ゴオオオオオオ


エーベル「…!!火が…!!」

ヒストリア「…あ!!」

フロリアン「やばい、孤児院にまで引火した!!」



子供「わああ!!」ダダダッ

先生「みんな、早く逃げて!!」

ガッ!!

先生「!!」

子供「わあ!?」


女型の巨人「…」ズンッ

アニ(間に合った…このまま遠くまで避難させよう)

先生「…助けてくれるんですか?」

女型の巨人「…」コクッ




ディルク「よし、孤児院の先生や子供達はアニに任せておこう」

ヒストリア「了解!」



サネス巨人「オオオオオ!!!」ドシッドシッドシッ!!

女型の巨人「!!」

子供「わ!あの巨人が来た!!」


ヒストリア「っておい!あいつどこ行ってんだ!!こっち来いよ!!」

フロリアン「…たぶん、あの人…いまほとんど意識も無いよ」

コニー「どういう事だよ?」

エーベル「知性巨人は初めから自分の意思で動かせる訳じゃない、ある程度は慣れが必要なの…それにサネスは巨人化した時、精神的に不安定な状態だったから…」

ディルク「ほとんど無知性巨人を相手にしてるようなもんだと思わなければならないな」

ヒストリア「くそ、こういう時は知性がほとんど無い巨人って厄介だなぁ」

サネス巨人「オオオオオ!!!」

ボゴオオオオオオオオオオオッ!!!

女型の巨人「!!!」

先生「きゃああっ!!!」

ドゴォッ!!!!!

女型の巨人「…!!」ビリビリッ

アニ(くそ…何とか女型で盾になってこの人たちを守ってるけど…何回も持たない…キツい…!!)


エーベル「ぐ…っ、やめて!!」ダダダッ

ヒストリア「こんにゃろおー!!!」バシュウッ

フロリアン「やらなせない!!」

ディルク「はあっ!!」バシュウッ


サネス巨人「オオオオオ!!!」

ボオオオオオッ!!!

ディルク「ぐああっ!!!」

ヒストリア「あっっっつ!!」

フロリアン「ああ、もう!!やだあの人!!」


ユミル巨人「アアアアアッ!!」

サネス巨人「…」パキッパキッ


メキャアアッ!!!


ユミル巨人「グアアアッ!!!」ドドドッ

ユミル(ちいっ!硬質化のパンチを直撃しちまった!!)


サネス巨人「オオオオオ!!!」

ボゴオオオオオオオオオオオッ

アニ(また来た!!)

ドオオオッ!!!

女型の巨人「アアアアアッ!!」グラッ


子供「わあああん!!」

先生「大丈夫…大丈夫だから!!」

アニ(このままじゃ…守りきれない……!!)

エーベル「…ぐ…っ!!」ギリギリ


サネス巨人「…」ズウウウウウンッ

ヒストリア「くっそおおお!!てめぇ…」ガバッ




エーベル「てめぇ、サネス!!それ以上、子供達に向かって火い吹いてみろ!!!ブッ〇すぞ、この野郎!!!」ダンッ


ヒストリア「はいいいいい!!?」ビクウッ

フロリアン「!!!」



エーベル「それ以上子供達に手ぇ出すな!!好き勝手やってくれやってくれんじゃねぇよ!!ぶっ潰してやる!!!」ザッ


ヒストリア「え…エ…エーベル………さん?」

フロリアン「エーベルだ!元のエーベルだ!!」ピョンッ

ヒストリア「え!?」


ディルク「あの子の最近の大人しかった姿も、色々と隠し押さえていたんだよ……以前やった事に対する罪悪感とかもあっただろうしね」

ヒストリア「あぁ…」

フロリアン「あれがエーベルの本来の姿………口が悪いし短気で熱くなりやすく、根は家族や友人想いの優しい女の子…。敵対していた頃も最近のエーベルも、色々あってその性格が極端に現れていたって事だね…」

ディルク「ああ。色々と抑えていたものがやっと吹っ切れたか」


ヒストリア「…えーと……つまり、本来のエーベルは、私とフロリアンと血の気が多い頃のエレンを足して2で割った感じの性格?」

フロリアン「あ、うん。正にそんな感じ」


エーベル「なにお喋りしてんのよ。さっさと行くわよ」ザッザッ

ヒストリア「あ、はい!!」

フロリアン「いやぁ…ずっとおとなしくて逆にまた不安だったけど、良かったよ…」

エーベル「…」

エーベル(あの子達を、家族を、仲間達を守る…その為なら…)

―――――

フリーダ(巨人の力は、大切なものを守りたい時に使いなさい)

―――――


エーベル(やってやる!!)ガリッ


ドオオオッ!!!



エーベル巨人「…」ズウウウウウンッ!!

サネス巨人「!」


アニ(…!!あれは…確か、エーベルの巨人!?)



子供「また巨人が増えた!」

先生(いま…微かにだけど、見えた……エーベルちゃんが、あの巨人…)

エーベル(必ず助ける!)



エーベル巨人「オオオオオ!!!」ズウウウウウンッ!!



ヒストリア「さて、ここでちょっとおさらい。エーベルの巨人は、女型の巨人と同種の一部硬質化能力を持っており、更にそれを小さな刃状に硬質化させることができるのだ」

サシャ「そういえばそうでしたね!!」

フロリアン「誰に言ってるの、ヒストリア…」

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